JP6350005B2 - プロジェクタおよびヘッドアップディスプレイ装置 - Google Patents

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Description

この発明は、プロジェクタおよびヘッドアップディスプレイ装置に関し、特に、光源部の温度調節を行う温度調節部を備えたプロジェクタおよびヘッドアップディスプレイ装置に関する。
従来、光源部の温度調節を行う温度調節部を備えたプロジェクタが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、R(赤)、G(緑)、B(青)の3つの半導体レーザ光源と、3つの半導体レーザ光源にそれぞれ設けられた3つの温度調節部とを備えたプロジェクタが開示されている。温度調節部は、ファンやペルチェ素子である。半導体レーザ光源は、温度によって最大発光量が変化する特性を有しており、RGBの色毎に温度特性がそれぞれ異なる。プロジェクタによる投影画像のホワイトバランス(各色の光量の割合)や明るさを良好に保つためには、それぞれの半導体レーザ光源の作動温度を考慮する必要がある。そのため、上記特許文献1のプロジェクタでは、3つの温度調節部によって対応するRGBの3つの半導体レーザ光源の温度を個別に制御することによって、各半導体レーザ光源の作動温度を、それぞれの半導体レーザ光源の温度特性に応じた所望の目標温度に近づけるように構成されている。
特開2013−258357号公報
しかしながら、上記特許文献1のプロジェクタでは、3つの光源(半導体レーザ光源)に対応させて3つの温度調節部を設け、それぞれの光源の作動温度を個別に制御しているため、装置構成が複雑化するという不都合がある。この不都合を解消するためには、共通の温度調節部によって複数の光源の温度調節を行うように構成することが考えられる。この場合、光源毎の個別の温度調節ができないため、主として各光源と温度調節部との間の熱抵抗によって決まる一定の温度差が、光源間に生じることになる。しかし、所定の環境温度で各光源が上記した一定の温度差を有する場合に各光源の光学性能が最適であったとしても、各光源の温度特性が異なるため、環境温度が変動した場合に、最適な光源間の温度差も変動する。この場合、光学性能が低下してしまうという問題点がある。このような問題は、環境温度が大きく変化しやすい車載用のヘッドアップディスプレイ装置などでは、特に顕著である。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、共通の温度調節部によって複数の光源の温度調節を行う場合にも、環境温度の変動による光学性能の低下を抑制することが可能なプロジェクタおよびヘッドアップディスプレイ装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面によるプロジェクタでは、光源ユニットと、光源ユニットから出射された投影画像を構成する光を走査する光走査ユニットとを備え、光源ユニットは、互いに異なる温度特性を有する第1光源および第2光源と、第1光源と熱的に接続されるとともに、第1光源および第2光源の温度調節を行う共通の温度調節部と、温度調節部と熱的に接続されるとともに、温度に応じて第2光源との間の距離を変化させる変形部材と、変形部材と第2光源とを熱的に接続するとともに、第2光源と変形部材との距離の変化に伴って第2光源と変形部材との間の熱抵抗を変化させて、変形部材の変形に追従して接続状態を維持する熱接続部材とを含み、変形部材は、第1光源と第2光源との間に所定の温度差が生じるように変形量が設定されている
この発明の第1の局面によるプロジェクタでは、上記のように、第1光源と熱的に接続されるとともに、第1光源および第2光源の温度調節を行う共通の温度調節部と、温度調節部と熱的に接続されるとともに、温度に応じて第2光源との間の距離を変化させる変形部材と、変形部材と第2光源とを熱的に接続するとともに、変形部材の変形に追従して接続状態を維持する熱接続部材とを光源ユニットに設ける。これにより、プロジェクタの環境温度が変動した場合に、距離の変化に伴って第2光源と変形部材との間の熱抵抗を変化させることができる。その結果、たとえば常温環境下で第1光源と第2光源との温度差がXとなるように熱抵抗を設定した場合に、他の温度環境下において、第1光源と第2光源との温度差を各光源の温度特性に応じたYとなるように(または温度差をYに近づけるように)熱抵抗を変化させることができる。したがって、第1光源と第2光源との温度調節を個別に行う場合と同じように、環境温度が変化した場合にも第1光源と第2光源とに適切な温度差を生じさせることができる。以上の結果、本発明によれば、共通の温度調節部によって複数の光源の温度調節を行う場合にも、環境温度の変動による光学性能の低下を抑制することができる。
上記第1の局面によるプロジェクタにおいて、好ましくは、変形部材は、第1光源と温度調節部との間を熱的に接続するとともに、熱接続部材を介して第2光源と温度調節部との間を熱的に接続するように構成されている。このように構成すれば、第1光源および第2光源のそれぞれから温度調節部に至る熱伝達経路のうち、変形部材と温度調節部との間の部分を共通化することができる。これにより、第1光源および第2光源のそれぞれを別個に温度調節部に接続する場合と比較して、構造を簡素化することができる。
上記第1の局面によるプロジェクタにおいて、好ましくは、変形部材は、熱膨張係数の異なる複数の金属材を積層した積層金属板を含む。このように構成すれば、温度に応じて板厚方向に湾曲するバイメタルやトリメタルなどの積層金属板によって、容易に、第2光源との間の距離を変化させる構成を実現することができる。また、たとえば樹脂材料などと比較して熱伝導率が高い金属板の積層材によって変形部材を構成することができるので、温度調節部への熱伝達を効率的に行うことができる。
上記第1の局面によるプロジェクタにおいて、好ましくは、第1光源に熱的に接続された金属製の第1熱伝導部材と、第2光源に熱的に接続された金属製の第2熱伝導部材とをさらに備え、変形部材は、一端側が第1熱伝導部材と接続され、他端側が第2熱伝導部材と熱接続部材を介して接続されている。このように構成すれば、高い熱伝導率を得ることが可能な金属製の第1熱伝導部材を介して、第1光源と変形部材とを熱的に直接的に接続することができるとともに、第2光源と変形部材とを熱接続部材を介して間接的に熱的に接続することができる。この結果、第1光源および第2光源と変形部材との間の熱伝達を容易かつ効率的に行うことができる。
上記第1の局面によるプロジェクタにおいて、好ましくは、熱接続部材は、変形部材の変形に追従する柔軟性を有する熱伝導グリスまたは熱伝導シートからなる。このように構成すれば、極めて簡易な構成で、温度に応じた変形部材の変形に追従して第2光源と変形部材との熱的な接続状態を維持する構成を得ることができる。
上記第1の局面によるプロジェクタにおいて、好ましくは、変形部材は、第1温度において熱接続部材を介して第1距離で第2光源と接続され、第1温度とは異なる第2温度において、第2光源との間の距離を拡大または縮小することにより、第2距離で第2光源と接続され、第1距離は、第1光源と第2光源との間に、第1光源および第2光源の一方の最大発光量が他方の最大発光量以上となる第1温度差を生じさせる距離であり、第2距離は、第1光源と第2光源との間に、第1温度差とは異なる第2温度差を生じさせる距離である。このように構成すれば、第1温度では、第1光源と第2光源との間に第1温度差を生じさせることによって、第1光源および第2光源のうち他方を最大発光量で発光させても光量バランスを保つことができる。そして、第2温度に変化した場合には、第1光源および第2光源の温度特性に応じて、第1温度差とは異なる適切な第2温度差を第1光源と第2光源との間に生じさせることができる。この結果、環境温度の変動による光学性能の低下を効果的に抑制することができる。
この発明の第2の局面によるヘッドアップディスプレイ装置は、光源ユニットと、光源ユニットから出射された光を走査して、ユーザが視認する虚像に対応する画像を投影する光走査ユニットとを備え、光源ユニットは、互いに異なる温度特性を有する第1光源および第2光源と、第1光源と熱的に接続されるとともに、第1光源および第2光源の温度調節を行う共通の温度調節部と、温度調節部と熱的に接続されるとともに、温度に応じて第2光源との間の距離を変化させる変形部材と、変形部材と第2光源とを熱的に接続するとともに、第2光源と変形部材との距離の変化に伴って第2光源と変形部材との間の熱抵抗を変化させて、変形部材の変形に追従して接続状態を維持する熱接続部材とを含み、変形部材は、第1光源と第2光源との間に所定の温度差が生じるように変形量が設定されている
この発明の第2の局面によるヘッドアップディスプレイ装置では、上記のように、第1光源と熱的に接続されるとともに、第1光源および第2光源の温度調節を行う共通の温度調節部と、温度調節部と熱的に接続されるとともに、温度に応じて第2光源との間の距離を変化させる変形部材と、変形部材と第2光源とを熱的に接続するとともに、変形部材の変形に追従して接続状態を維持する熱接続部材とを光源ユニットに設ける。これにより、プロジェクタの環境温度が変動した場合に、距離の変化に伴って第2光源と変形部材との間の熱抵抗を変化させることができる。その結果、第2光源から温度調節部に至る熱伝達経路における熱抵抗を、環境温度の変動に応じて変化させることができる。したがって、第1光源と第2光源との温度調節を個別に行う場合と同じように、環境温度が変化した場合にも第1光源と第2光源とに適切な温度差を生じさせることができる。以上の結果、本発明によれば、共通の温度調節部によって複数の光源の温度調節を行う場合にも、環境温度の変動による光学性能の低下を抑制することができる。
本発明によれば、上記のように、共通の温度調節部によって複数の光源の温度調節を行う場合にも、環境温度の変動による光学性能の低下を抑制することができる。
本発明の第1実施形態によるヘッドアップディスプレイ装置の全体構成を示したブロック図である。 本発明の第1実施形態によるヘッドアップディスプレイ装置を自動車に搭載した状態を示した図である。 第1温度における変形部材と熱伝導部材との位置関係を説明するための模式図である。 第2温度における変形部材と熱伝導部材との位置関係を説明するための模式図である。 光源ユニットの構造を説明するため模式的な斜視図である。 図5に示した光源ユニットにおいて、ケースを省略して示した模式的な上面図である。 図6における300−300線に沿った断面を示した模式的な斜視図である。 本発明の第1実施形態による光源装置のレーザダイオードの温度特性の例を示した温度−発光量グラフである。 本発明の第2実施形態によるヘッドアップディスプレイ装置の第1温度における変形部材および熱接続部材を示した模式図である。 図9における第2温度での変形部材および熱接続部材を示した模式図である。 本発明の第3実施形態によるヘッドアップディスプレイ装置の温度調節部の構成を説明するための模式図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図7を参照して、本発明の第1実施形態によるヘッドアップディスプレイ装置100の構成について説明する。なお、ヘッドアップディスプレイ装置100は、本発明の「プロジェクタ」の一例である。
本発明の第1実施形態によるヘッドアップディスプレイ装置(以下、「HUD装置」という)100は、図1に示すように、光源ユニット10と、制御部30と、光走査ユニット50とを備えている。HUD装置100は、図2に示すように、自動車200などの輸送用機器(移動体)に搭載されるように構成されている。HUD装置100は、フロントガラスまたはコンバイナ(図示せず)などのスクリーン201に投影画像を構成する光を照射してユーザ側に反射させるように構成されている。これにより、投影画像は、ユーザに対してスクリーン201よりも前方方向(奥側)の位置で虚像として視認される。このHUD装置100は、カーナビゲーションに関する情報や、自動車200の速度、回転数や各種通知の情報などの表示画像をスクリーン201に投影する機能を有している。
図1に示すように、光源ユニット10は、レーザダイオード(以下、「LD」という)11〜13と、レンズ14と、偏光プリズム15a〜15cと、光学部材16と、ペルチェ素子17と、温度センサ18aおよび18bとを含んでいる。また、光源ユニット10は、熱伝導部材19、20および21(図6参照)と、変形部材22と、熱接続部材23と、ヒートシンク24(図6参照)とを備えている。なお、LD11およびLD12は、それぞれ、本発明の「第1光源」および「第2光源」の一例である。ペルチェ素子17は、本発明の「温度調節部」の一例である。なお、熱伝導部材19および20は、それぞれ、本発明の「第1熱伝導部材」および「第2熱伝導部材」の一例である。
LD11は、赤色(R)のレーザ光を出射するように構成されている。LD12は、緑色(G)のレーザ光を出射するように構成されている。LD13は、青色(B)のレーザ光を出射するように構成されている。LD11〜13は、互いに異なる温度特性を有する。
また、赤色(R)のLD11は、熱伝導部材19および変形部材22を介して、ペルチェ素子17と熱的に接続されている。緑色(G)のLD12は、熱伝導部材20、熱接続部材23および変形部材22を介して、ペルチェ素子17と熱的に接続されている。青色(B)のLD13は、熱伝導部材21を介してヒートシンク24(図6参照)と熱的に接続されている。熱伝導部材19〜21は、それぞれ、対応するLD11〜13の温度調節のために熱を輸送する機能を有する。
レンズ14は、LD11〜13の各々に対応して3つ設けられている。レンズ14は、それぞれのLD11〜13から発せれたレーザ光を平行光になるように補正するコリメートレンズである。偏光プリズム15a〜15cは、レンズ14を通過した3つ(3色)のレーザ光の光軸を一致させて出射するように構成されている。光学部材16は、偏光プリズム15cから出射されたレーザ光のスポット形状を整形するビーム整形プリズムや、レーザ光を光走査ユニット50に集光する集光レンズなどを含む。
ペルチェ素子17は、制御部30の素子駆動部34から電力が供給されることによって、一方表面側で吸熱し、他方表面側で発熱(一方表面側で吸熱した熱を放熱する)ように構成されている。また、ペルチェ素子17は、素子駆動部34から供給する電力の大きさに応じて、吸熱量(発熱量)を調整可能に構成されている。図3に示すように、ペルチェ素子17は、LD11およびLD12と熱的に接続されており、これらのLD11およびLD12の温度調節を行うように構成されている。つまり、第1実施形態では、ペルチェ素子17は、LD11(R)およびLD12(G)の2つの光源に共通の温度調節部として設けられている。なお、後述するように、LD13(B)は、ヒートシンク24によって温度調節(自然放熱)される。
また、図1に示すように、温度センサ18aは、LD11の近傍に配置されており、LD11の温度を検出するように構成されている。温度センサ18bは、LD12の近傍に配置されており、LD12の温度を検出するように構成されている。温度センサ18aおよび18bは、それぞれ、制御部30のメインCPU(Central Processing Unit)31と接続されており、検出した温度の情報をメインCPU31に伝達するように構成されている。
変形部材22は、図3に示すように、ペルチェ素子17と熱的に接続されるとともに、温度に応じてLD12との間の距離を変化させるように構成されている。変形部材22は、熱膨張係数の異なる複数の金属材を積層した積層金属板である。第1実施形態では、変形部材22は、それぞれ板状の金属材22aと22bとを接合したバイメタルである。金属材22aと22bとは、互いに異なる熱膨張係数を有している。このため、変形部材22の温度に応じて、変形部材22が厚み方向に湾曲する。
また、変形部材22は、LD11とペルチェ素子17との間を熱的に接続するとともに、熱接続部材23を介してLD12とペルチェ素子17との間を熱的に接続するように構成されている。具体的には、変形部材22は、一端側がLD11の熱伝導部材19と接続され、他端側がLD12の熱伝導部材20と熱接続部材23を介して接続されている。なお、変形部材22は、一端側が固定端となっており、他端側が自由端となっている。変形部材22は、一端側において、一方面(上面)が熱伝導部材19と面接触するとともに、他方面(下面)がペルチェ素子17と面接触するように設けられている。
変形部材22は、LD11およびLD12とペルチェ素子17との間で温度調節のために熱を輸送する機能を有する。そのため、変形部材22を構成する金属材には、たとえば銅合金などの熱伝導率の高い金属または合金材料を用いることが好ましい。また、変形部材22と熱伝導部材19およびペルチェ素子17の各々との接触面には、微小な隙間を埋めるために熱伝導グリスなどを塗布しておくことが好ましい。
変形部材22は、第1温度T1において熱接続部材23を介して第1距離D1で熱伝導部材20(すなわち、LD12)と熱的に接続されるように構成されている。また、変形部材22は、図4に示すように、第1温度T1とは異なる第2温度T2において、熱伝導部材20との間の距離を拡大または縮小することにより、第2距離D2でLD12と熱的に接続されるように構成されている。
より具体的には、変形部材22は、図3に示した第1温度T1で直線状(無変形状態)となるように構成されている。そして、第1温度T1よりも高温の第2温度T2において、変形部材22は、他端側が熱伝導部材20に近付く方向に変形(湾曲)するように構成されている。このため、第1実施形態では、第1距離D1>第2距離D2となる。
ここで、第1実施形態では、LD11とLD12とが共通のペルチェ素子17によって温度調節されるため、LD11とLD12との間には、熱抵抗(LD11−ペルチェ素子17間の熱抵抗と、LD12−ペルチェ素子17間の熱抵抗との差分)に応じた温度差が生じる。熱伝導部材20(LD12)と変形部材22との間の熱抵抗は、主として熱接続部材23の熱伝導率と、伝熱面積と、熱伝導部材20と変形部材22との間の距離によって決まる。そのため、第1温度T1から第2温度T2に変化すると、第1距離D1と第2距離D2との差分だけ、LD12と変形部材22との間の熱抵抗が変化する。この結果、第1温度T1、第1距離D1において、LD11とLD12との間に第1温度差ΔT1が発生する。また、第2温度T2、第2距離D2では、LD11とLD12との間に第2温度差ΔT2が発生する。
第1距離D1は、ペルチェ素子17の調節可能な温度範囲内で、LD11とLD12との間に、LD11およびLD12の一方の最大発光量が他方の最大発光量以上となる第1温度差ΔT1を生じさせる距離として設定される。また、第2距離D2は、LD11とLD12との間に、第1温度差ΔT1とは異なる第2温度差ΔT2を生じさせる距離である。
熱接続部材23は、変形部材22とLD12とを熱的に接続するとともに、変形部材22の変形に追従して接続状態を維持するように構成されている。第1実施形態では、熱接続部材23は、変形部材22の変形に追従する柔軟性(粘性)を有する熱伝導グリスである。熱接続部材23は、変形部材22の他端側の表面(上面)とLD12の熱伝導部材20との間に充填されるように設けられている。熱接続部材23は、変形部材22の表面において、熱伝導部材20と対向する部分の略全体に設けられている。これにより、熱伝導部材20(LD12)と変形部材22との間の距離が第1距離D1および第2距離D2のいずれになった場合でも、LD12と変形部材22とが熱接続部材23を介して熱的に接続される。
図1に示すように、HUD装置100の制御部30は、メインCPU31と、操作部32と、表示制御部33と、素子駆動部34とを含んでいる。そして、メインCPU31は、HUD装置100の各部に制御信号を伝達することによって各部を制御するように構成されている。
また、メインCPU31は、温度センサ18aおよび18bからLD11および12の温度の情報を取得して、取得した温度の情報に基づいて、ペルチェ素子17の動作を制御するように構成されている。第1実施形態では、メインCPU31は、LD11および12のうち、一方のLD11のみについて温度制御を行うように構成されている。メインCPU31は、LD11および12のうち他方のLD12については温度制御を行わない。したがって、LD11の動作温度を所定の目標温度に調節した場合、LD12の動作温度は、LD11の目標温度に対して所定の温度差分(第1温度差ΔT1、第2温度差ΔT2)だけ乖離した温度に調節される。なお、LD13については自然放熱となるので、温度制御をしない。
操作部32は、ユーザによる各種の操作入力を受け付け可能に構成されている。
また、表示制御部33は、映像処理部33aと、光源制御部33bと、LDドライバ33cと、ミラー制御部33dと、ミラードライバ33eとを含む。
映像処理部33aは、外部から入力された映像信号に基づいて画像情報を光源制御部33bおよびミラー制御部33dに出力するように構成されている。光源制御部33bは、映像処理部33aからの画像情報に基づいてLDドライバ33cを制御することにより、LD11〜13によるレーザ光の照射を制御するように構成されている。
また、ミラー制御部33dは、所定の制御信号をミラードライバ33eに伝達することにより、ミラードライバ33eを制御するように構成されている。また、ミラードライバ33eは、ミラー制御部33dからの制御信号に基づいて、後述するMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラー51および52に電力を供給することにより、MEMSミラー51および52を駆動させるように構成されている。
また、素子駆動部34は、メインCPU31からの制御信号に基づいて、ペルチェ素子17に電力を供給することにより、ペルチェ素子17を駆動させるように構成されている。
光走査ユニット50は、MEMSミラー51および52を含んでいる。MEMSミラー51および52は、光源ユニット10から照射されたレーザ光を、それぞれスクリーン201の水平方向および垂直方向に走査するように構成されている。これにより、光走査ユニット50は、光源ユニット10から出射された投影画像を構成する光を走査するとともに、垂直および水平走査によって構成された投影画像をスクリーン201に投影するように構成されている。
次に、図1および図5〜図7を参照して、HUD装置100の光源ユニット10の構造について説明する。
図5に示すように、光源ユニット10は、樹脂製のケース25を備えている。ケース25は、アルミ等の金属製のヒートシンク24の上面上に設置されている。
ケース25内には、図1に示したLD11〜13や偏光プリズム15a〜15c等がハウジング26に組み付けられた状態で収容されている。また、図1に示したレンズ14および偏光プリズム15a〜15c等は、ハウジング26に配置されている。
図6は、説明のために光源ユニット10からケース25を取り除いた状態の模式的な平面図を示している。ハウジング26のY2側の側面には、赤色(R)のLD11が取付けられている。また、ハウジング26のY1側の側面には、緑色(G)のLD12が取付けられている。また、ハウジング26のX1側の側面には、青色(B)のLD13が取付けられている。
熱伝導部材19〜21は、構造上は、複数の部材からなる。具体的には、熱伝導部材19〜21は、それぞれ、LDプレート19a〜21aと、ヒートトランスファ19b〜21bとから構成されている。これらのLDプレート19a〜21aおよびヒートトランスファ19b〜21bは、いずれも金属からなり、好ましくは、高い熱伝導率を有する銅またはアルミニウムまたはこれらの合金材料によって形成されている。
LDプレート19a〜21aは、それぞれ、対応するLD11〜13の背面側に配置されている。図7に示すように、LDプレート19aおよび20aは、ケース25の内部で下方(Z2方向)に向けて延びるように設けられ、LD11および12の背面側から熱を輸送するように構成されている。なお、図示しないが、LDプレート21aも同様である。
ヒートトランスファ19b〜21bは、それぞれケース25の底面側に配置されており、ケース25の底部を貫通するようにして取り付けられている。具体的には、ヒートトランスファ19bおよび20bは、上端部がケース25の底部を貫通して内部側に突出するとともに、それぞれ熱伝導グリス27を介してLDプレート19aおよび20aと熱的に接続されている。また、ヒートトランスファ19bおよび20bは、共に、下端部がケース25の底面側で外部に露出するように設けられている。そして、ヒートトランスファ19bは、下端部において変形部材22と面接触するように設けられている。また、ヒートトランスファ20bは、下端部において、熱接続部材23を介して変形部材22と熱的に接続されている。そして、変形部材22は、下面側(Z2側)でペルチェ素子17と面接触するように設けられている。ペルチェ素子17は、下面側がヒートシンク24と面接触するように配置されている。
なお、ヒートトランスファ21bは、図6に示すように、上端部がLDプレート21aと熱的に接続されているとともに、下端部がヒートシンク24と直接(ペルチェ素子17および変形部材22を介さずに)接するように設けられている。
次に、図3、図4および図8を参照して、第1実施形態におけるHUD装置100の作用について説明する。
まず、LD11〜13のそれぞれの温度特性について説明する。上述の通り、LD11〜13は、それぞれ異なる温度特性を有しており、動作温度によって出射可能な最大発光量が変化する。LDの温度特性は製品によって様々であるが、図8では各色のLD11〜13の温度特性の一例を示している。HUD装置100により投影される投影画像のホワイトバランスをとるためには、それぞれのLD11〜13の発光量を揃える必要がある。一方、投影画像について高い表示輝度を確保するためには、なるべく高い発光量が得られる動作温度でそれぞれのLD11〜13を駆動する必要がある。そのため、各LD11〜13のうち、最も低い最大発光量によって、ホワイトバランスを確保した上で表示可能な最大輝度が決まることになる。
簡単のため、LD11〜13は、駆動時の自己発熱によって10℃上昇すると仮定し、ペルチェ素子17による冷却可能な温度範囲を40℃と仮定する。HUD装置100の環境温度をTeとすると、LD11〜13の動作温度は、(Te+10−40)〜(Te+10−0)=(Te−30)〜(Te+10)(℃)の範囲で制御することが可能となる。
(環境温度Teが25℃の場合)
Te=25℃の場合、各LD11〜13の動作温度は、−5℃〜35℃の範囲Rt1で制御することが可能となる。図8を参照すると、−5℃〜35℃の範囲Rt1における最大発光量は、赤(LD11):約11〜約15(lm)、緑(LD12):約10〜約13(lm)であることが分かる。なお、青(LD13)はより広い温度範囲で安定して約16(lm)の発光量を得ることができる。ホワイトバランスを考慮すれば、範囲Rt1では、最も低い最大発光量であるLD12の約13(lm)で揃えることにより、HUD装置100の最大輝度表示を最も明るくすることが可能となる。
この場合、−5℃〜35℃の範囲Rt1において、13(lm)以上で動作可能な温度範囲は、赤(LD11):約−5〜約10(℃)、緑(LD12):約20〜約35(℃)であることが分かる。したがって、LD11とLD12との間の温度差は、約25℃となる。このため、第1実施形態では、熱伝導部材19、熱伝導部材20、熱接続部材23および変形部材22の熱伝導率と、各部材の伝熱面積と、熱伝導部材20と変形部材22との間の第1距離D1とを適切に設定することにより、第1温度T1(Te=25℃)におけるLD11とLD12との間の第1温度差ΔT1を25℃に設定する。この結果、第1温度T1(Te=25℃)の場合に、HUD装置100の最大輝度表示時の明るさを最も高くすることが可能となる。
(環境温度Teが70℃の場合)
次に、環境温度Te=70℃の場合を考える。各LD11〜13の動作温度は、40℃〜80℃の範囲Rt2で制御可能となる。40℃〜80℃の範囲Rt2における最大発光量は、赤(LD11):約0〜約11(lm)、緑(LD12):約0〜約12(lm)であることが分かる。そのため、最も低い最大発光量であるLD11の約11(lm)で揃えることにより、最大輝度表示を最も明るくすることが可能となる。
この場合、40℃〜80℃の範囲Rt2において、11(lm)以上で動作可能な温度範囲は、赤(LD11):約40(℃)以下、緑(LD12):約50(℃)以下であることが分かる。したがって、LD11とLD12との間の温度差は、約10℃になる場合に、最大輝度表示時の明るさを最も高くすることが可能となる。
ここで、従来のようにペルチェ素子17とLD12との間の熱抵抗が一定である場合には、環境温度Te=25℃の場合に設定した第1温度差ΔT1=25℃を大きく変えることは困難である。温度差が全く変化しないと仮定すれば、環境温度Te=70℃でLD11の動作温度を40℃に保った場合、LD12の動作温度は65℃となる。65℃におけるLD12の最大発光輝度は約7.5(lm)であるから、ホワイトバランスを保つため、他のLD11およびLD13も約7.5(lm)以下の発光量で駆動する必要がある。この結果、環境温度Te=25℃の場合と比較して、表示可能な最大表示輝度が大きく低下する。
これに対して、第1実施形態におけるHUD装置100では、図3および図4に示すように、第1温度T1(Te=25℃)から第2温度T2(Te=70℃)に上昇するのに応じて、変形部材22と熱伝導部材20との間の距離は、第1距離D1から第2距離D2(<D1)に縮小する。これにより、第1距離D1と第2距離D2との差分(D1−D2)だけ、LD12と変形部材22との間の熱抵抗が小さくなる。この結果、LD11とLD12との間の温度差が第1温度差ΔT1(25℃)から第2温度差ΔT2(<ΔT1)に変化する。
上記の通り、第2距離D2におけるLD11とLD12との間の第2温度差ΔT2は、ΔT2=10℃とするのが好ましい。この場合には、図8に示したように、最も低い最大発光量であるLD11(赤)の約11(lm)で揃えることにより、HUD装置100の最大輝度表示を最も明るくすることが可能となる。
また、変形部材22の変形(第1距離D1から第2距離D2への変化)だけでは第1温度差ΔT1=25℃が第2温度差ΔT2=10℃まで減少しない場合でも、たとえば第2温度差ΔT2が20℃になれば、LD12の動作温度は60℃となり、LD12の最大発光輝度を約9(lm)にすることが可能である。このため、温度差25℃を維持した場合のLD12の最大発光量7.5(lm)と比較すると、最大表示輝度の低下が抑制される。また、第2温度差ΔT2が15℃になれば、LD12の動作温度は55℃となり、LD12の最大発光輝度を約10(lm)にすることが可能となり、最大表示輝度の低下がより抑制される。
このように、想定する環境温度Teの変化(25℃から70℃への変化)に応じた変形部材22の変形量を適切に設定することによって、LD11およびLD12の温度特性に応じて熱抵抗(変形部材22と熱伝導部材20との間の距離)を変化させることができる。その結果、環境温度の変動によるHUD装置100の光学性能の低下(輝度低下またはホワイトバランスの悪化)を抑制することが可能となる。
なお、ここでは、図4に示したように変形部材22と熱伝導部材20との間の距離を縮小させる(D1>D2)例を説明したが、変形部材22と熱伝導部材20との間の距離を拡大させれば、LD11とLD12との間の温度差を大きくすることが可能である。そのため、変形部材22の変形方向は、LD11およびLD12の温度特性に応じて所望の温度差に近づけるように設定すればよい。
また、第1実施形態では、熱伝導グリスからなる熱接続部材23を設けているため、変形部材22の変形量が大きい場合には、変形部材22と熱伝導部材20との間の領域を取り囲むように周壁部材60(図4の破線部参照)を設けてもよい。これにより、変形によって変形部材22と熱伝導部材20との間の距離が縮小した場合に、熱接続部材23が変形部材22と熱伝導部材20との間から押し出されてしまうことを防止することが可能である。
また、第1実施形態では、図2に示したように車載用のHUD装置100の例を示しており、車内のダッシュボード部近傍の温度(環境温度)は、70℃程度まで容易に上昇し得る。このため、環境温度Te=25℃を基準(第1距離)とし、Te=70℃に変化した場合の第2距離を想定した例を説明したが、温度条件は、HUD装置100の使用状態を勘案して決めればよい。
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、LD11と熱的に接続されるとともに、LD11およびLD12の温度調節を行う共通のペルチェ素子17と、ペルチェ素子17と熱的に接続されるとともに、温度に応じてLD12との間の距離を変化させる変形部材22と、変形部材22とLD12とを熱的に接続するとともに、変形部材22の変形に追従して接続状態を維持する熱接続部材23とを光源ユニット10に設ける。これにより、HUD装置100の環境温度が変動した場合に、距離の変化に伴ってLD12と変形部材22との間の熱抵抗を変化させることができる。その結果、LD11とLD12との温度調節を個別に行う場合と同じように、環境温度が変化した場合にもLD11とLD12とに適切な温度差を生じさせることができる。以上の結果、第1実施形態のHUD装置100によれば、共通のペルチェ素子17によって複数の光源の温度調節を行う場合にも、環境温度の変動による光学性能の低下を抑制することができる。このような効果は、自動車200の車内環境のように環境温度の変動が大きい場合に特に効果的であるため、第1実施形態のHUD装置100は、車載用途において特に有効である。
また、第1実施形態では、上記のように、変形部材22を、LD11とペルチェ素子17との間を熱的に接続するとともに、熱接続部材23を介してLD12とペルチェ素子17との間を熱的に接続するように構成する。これにより、LD11およびLD12のそれぞれからペルチェ素子17に至る熱伝達経路のうち、変形部材22とペルチェ素子17との間の部分を共通化することができる。この結果、LD11およびLD12のそれぞれを別個にペルチェ素子17に接続する場合と比較して、構造を簡素化することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、変形部材22を、熱膨張係数の異なる複数の金属材22aおよび22bを積層した積層金属板(バイメタル)により構成する。これにより、容易に、温度に応じて変形部材22とLD12との間の距離を変化させる構成を実現することができる。また、たとえば樹脂材料などと比較して熱伝導率が高い金属材22aおよび22bの積層材によって変形部材22を構成することができるので、ペルチェ素子17への熱伝達を効率的に行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、LD11に熱的に接続された金属製の熱伝導部材19と、LD12に熱的に接続された金属製の熱伝導部材20とを設ける。そして、変形部材22の一端側を熱伝導部材19と接続し、変形部材22の他端側を熱伝導部材20と熱接続部材23を介して接続する。これにより、高い熱伝導率を得ることが可能な金属製の熱伝導部材19を介して、LD11と変形部材22とを熱的に直接的に接続することができる。また、LD12と変形部材22とを熱接続部材23を介して間接的に熱的に接続することができる。この結果、LD11およびLD12と変形部材22との間の熱伝達を容易かつ効率的に行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、変形部材22の変形に追従する柔軟性を有する熱伝導グリスからなる熱接続部材23を設ける。これにより、極めて簡易な構成で、変形部材22の変形に追従してLD12と変形部材22との熱的な接続状態を維持する構成を得ることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、変形部材22を、第1温度T1において熱接続部材23を介して第1距離D1でLD12と接続され、第2温度T2においてLD12との間の距離を縮小することにより、第2距離D2でLD12と接続されるように構成する。そして、第1距離D1を、ペルチェ素子17により調節可能な温度範囲において、LD11とLD12との間に、LD11およびLD12の一方の最大発光量が他方の最大発光量以上となる第1温度差ΔT1を生じさせる距離として設定する。第2距離D2を、LD11とLD12との間に、第1温度差ΔT1とは異なる第2温度差ΔT2を生じさせる距離として設定する。これにより、第1温度T1では、LD11とLD12との間に第1温度差ΔT1を生じさせることによって、LD11およびLD12のうち他方を最大発光量で発光させてもホワイトバランスを保つことができる。そして、第2温度T2に変化した場合には、LD11およびLD12の温度特性に応じて、第1温度差ΔT1とは異なる適切な第2温度差ΔT2をLD11とLD12との間に生じさせることができる。この結果、環境温度の変動による光学性能の低下を効果的に抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、図1、図9および図10を参照して、第2実施形態によるHUD装置101の構成について説明する。第2実施形態では、熱伝導グリスからなる熱接続部材23を設けた第1実施形態によるHUD装置100と異なり、熱伝導シートからなる熱接続部材123を設けた例について説明する。HUD装置101は、本発明の「プロジェクタ」の一例である。
図9に示すように、第2実施形態によるHUD装置101(図1参照)の光源ユニット110は、熱接続部材123を有している。熱接続部材123は、変形部材22とLD12とを熱的に接続するとともに、変形部材22の変形に追従して接続状態を維持するように構成されている。熱接続部材123は、変形部材22の変形に追従する柔軟性を有する熱伝導シートである。熱伝導シートとしては、十分な柔軟性と高い熱伝導率を有するものであれば、どのようなものでもよい。熱接続部材123は、変形部材22および熱伝導部材20の一方または両方に接着されている。熱接続部材123は、変形部材22の他端側の表面(上面)と熱伝導部材20の下面とにそれぞれ接するように設けられている。また、熱接続部材123は、変形部材22の表面において、熱伝導部材20と対向する部分の略全体に設けられている。図10に示すように、第1温度T1から第2温度T2に変化した場合、変形部材22の他端側が熱接続部材123にめり込むように変形することにより、熱伝導部材20と変形部材22との間の距離が第2距離D2になる。これにより、熱伝導部材20(LD12)と変形部材22との間の距離が第1距離D1および第2距離D2のいずれになった場合でも、LD12と変形部材22とが熱接続部材123を介して熱的に接続される。
第2実施形態によるHUD装置101のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記のように、変形部材22の変形に追従する柔軟性を有する熱伝導シートからなる熱接続部材123を光源ユニット110に設ける。これにより、極めて簡易な構成で、温度に応じた変形部材22の変形に追従して熱伝導部材20(LD12)と変形部材22との熱的な接続状態を維持する構成を得ることができる。また、第2実施形態では、熱伝導シートからなる熱接続部材123を変形部材22または熱伝導部材20に接着しておくことができる。これにより、変形部材22が変形を繰り返しても、変形部材22と熱伝導部材20との間の領域から熱接続部材123がはみ出してしまうことを防止することができる。また、第2実施形態によるHUD装置101のその他の効果は、第1実施形態におけるHUD装置100と同様である。
(第3実施形態)
次に、図1および図11を参照して、第3実施形態によるHUD装置102の構成について説明する。第3実施形態では、LD11およびLD12の温度調節を行うペルチェ素子17を設けた上記第1実施形態と異なり、ヒートシンク218と冷却ファン219とからなる温度調節部217によってLD11およびLD12の温度調節を行うように構成した例について説明する。HUD装置102は、本発明の「プロジェクタ」の一例である。
図11に示すように、第3実施形態のHUD装置102(図1参照)の光源ユニット120は、上記第1実施形態のペルチェ素子17に変えて、ヒートシンク218と冷却ファン219とからなる温度調節部217を備えている。温度調節部217は、LD11(R)およびLD12(G)の2つの光源に共通の温度調節部として設けられている。
ヒートシンク218は、LD11およびLD12と熱的に接続されている。具体的には、ヒートシンク218は、変形部材22の下面と面接触するように設けられている。これにより、LD11は、熱伝導部材19および変形部材22を介して、ヒートシンク218(温度調節部217)と熱的に接続されている。また、LD12は、熱伝導部材20、熱接続部材23および変形部材22を介して、ヒートシンク218(温度調節部217)と熱的に接続されている。ヒートシンク218は、熱伝導率の高い銅やアルミニウムなどの金属材料からなり、ヒートシンク218の下面側には、多数の板状または柱状の放熱部218aが形成されている。
冷却ファン219は、制御部30の素子駆動部34から電力が供給されることによって、ヒートシンク218の放熱部218aに対して送風する機能を有する。また、冷却ファン219は、供給電力の大きさに応じて、送風量(すなわち、冷却熱量)を調整可能に構成されている。このような構成により、第3実施形態の温度調節部217は、LD11およびLD12の温度調節を行うように構成されている。
なお、第3実施形態によるHUD装置102のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
この第3実施形態でも、上記第1実施形態と同様に、共通の温度調節部217によって複数のLD11およびLD12の温度調節を行う場合にも、環境温度の変動による光学性能の低下を抑制する効果を得ることができる。また、第3実施形態によるHUD装置102のその他の効果は、第1実施形態におけるHUD装置100と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1〜第3実施形態では、本発明のプロジェクタとして、ヘッドアップディスプレイ装置(HUD装置)を用いる例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明は、ヘッドアップディスプレイ装置以外のプロジェクタに適用してもよい。たとえば、レーザ光をフロントガラスとは異なるスクリーンに投影させるプロジェクタに本発明を適用してもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、3つのレーザダイオード(LD11〜LD13)を用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、3つ以外の数のレーザダイオードを用いてもよい。たとえば、レーザダイオードを2つ用いてもよいし、レーザダイオードを4つ以上用いてもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、バイメタルからなる変形部材を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、変形部材にバイメタル以外を用いてもよい。変形部材として、バイメタル以外のトリメタルなどの多層の積層金属板を設けてもよいし、積層金属板以外の他の変形部材を設けてもよい。変形部材は、ペルチェ素子などの温度調節部と熱的に接続されるとともに、温度に応じてLDなどの光源との間の距離を変化させるように構成されていれば、どのようなものでもよい。
また、上記第1実施形態では、熱伝導グリスからなる熱接続部材23の例を示し、上記第2実施形態では、熱伝導シートからなる熱接続部材123の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、熱伝導グリスおよび熱伝導シートとは異なる他の熱接続部材を設けてもよい。熱接続部材は、変形部材の変形に追従して、変形部材と光源(LD)との接続状態を維持することが可能であれば、どのようなものでもよい。
10、110、210 光源ユニット
50 光走査ユニット
11 LD (第1光源)
12 LD (第2光源)
17 ペルチェ素子(温度調節部)
19 熱伝導部材(第1熱伝導部材)
20 熱伝導部材(第2熱伝導部材)
22 変形部材
23 熱接続部材(熱伝導グリス)
100、101、102 ヘッドアップディスプレイ装置(プロジェクタ)
123 熱接続部材(熱伝導シート)
217 温度調節部
D1 第1距離
D2 第2距離
T1 第1温度
T2 第2温度
ΔT1 第1温度差
ΔT2 第2温度差

Claims (7)

  1. 光源ユニットと、
    前記光源ユニットから出射された投影画像を構成する光を走査する光走査ユニットとを備え、
    前記光源ユニットは、
    互いに異なる温度特性を有する第1光源および第2光源と、
    前記第1光源と熱的に接続されるとともに、前記第1光源および前記第2光源の温度調節を行う共通の温度調節部と、
    前記温度調節部と熱的に接続されるとともに、温度に応じて前記第2光源との間の距離を変化させる変形部材と、
    前記変形部材と前記第2光源とを熱的に接続するとともに、前記第2光源と前記変形部材との距離の変化に伴って前記第2光源と前記変形部材との間の熱抵抗を変化させて、前記変形部材の変形に追従して接続状態を維持する熱接続部材とを含み、
    前記変形部材は、前記第1光源と前記第2光源との間に所定の温度差が生じるように変形量が設定されている、プロジェクタ。
  2. 前記変形部材は、前記第1光源と前記温度調節部との間を熱的に接続するとともに、前記熱接続部材を介して前記第2光源と前記温度調節部との間を熱的に接続するように構成されている、請求項1に記載のプロジェクタ。
  3. 前記変形部材は、熱膨張係数の異なる複数の金属材を積層した積層金属板を含む、請求項1または2に記載のプロジェクタ。
  4. 前記第1光源に熱的に接続された金属製の第1熱伝導部材と、
    前記第2光源に熱的に接続された金属製の第2熱伝導部材とをさらに備え、
    前記変形部材は、一端側が前記第1熱伝導部材と接続され、他端側が前記第2熱伝導部材と前記熱接続部材を介して接続されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロジェクタ。
  5. 前記熱接続部材は、前記変形部材の変形に追従する柔軟性を有する熱伝導グリスまたは熱伝導シートからなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のプロジェクタ。
  6. 前記変形部材は、第1温度において前記熱接続部材を介して第1距離で前記第2光源と接続され、第1温度とは異なる第2温度において、前記第2光源との間の距離を拡大または縮小することにより、第2距離で前記第2光源と接続され、
    前記第1距離は、第1光源と第2光源との間に、第1光源および第2光源の一方の最大発光量が他方の最大発光量以上となる第1温度差を生じさせる距離であり、
    前記第2距離は、第1光源と第2光源との間に、第1温度差とは異なる第2温度差を生じさせる距離である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のプロジェクタ。
  7. 光源ユニットと、
    前記光源ユニットから出射された光を走査して、ユーザが視認する虚像に対応する画像を投影する光走査ユニットとを備え、
    前記光源ユニットは、
    互いに異なる温度特性を有する第1光源および第2光源と、
    前記第1光源と熱的に接続されるとともに、前記第1光源および前記第2光源の温度調節を行う共通の温度調節部と、
    前記温度調節部と熱的に接続されるとともに、温度に応じて前記第2光源との間の距離を変化させる変形部材と、
    前記変形部材と前記第2光源とを熱的に接続するとともに、前記第2光源と前記変形部材との距離の変化に伴って前記第2光源と前記変形部材との間の熱抵抗を変化させて、前記変形部材の変形に追従して接続状態を維持する熱接続部材とを含み、
    前記変形部材は、前記第1光源と前記第2光源との間に所定の温度差が生じるように変形量が設定されている、ヘッドアップディスプレイ装置。
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