JP6349506B2 - ハルバッハ配列及び磁性リングによるdq比を用いた円筒リニアモータの位置検出装置及び方法 - Google Patents
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Description
すなわち、特許文献1は「リニアモータ」に関し、特許文献2は「同軸リニアモータ」に関し、さらに、特許文献3は「磁石埋め込み型円筒リニアモータ」に関し、この特許文献3の構成を図4及び図5に示している。
前記可動子5の外周には、図5のように、輪状の3個の第1〜第3リングマグネット6a〜6cからなるリングマグネット体6が所定間隔で配設されている。
尚、前記各リングマグネット6a〜6cの磁化方向は、45度ラジアル磁化方向6aAと6bA及びスラスト磁化方向6cAにより着磁され、周知のハルバッハ配列によって構成されている。
すなわち、従来のリニアモータにおいては、リニア位置検出のためには、ロータリエンコーダ、リニアエンコーダあるいはレゾルバ等の直線位置を検出するためのリニア検出手段を設ける必要があり、その場合には、円筒リニアモータ自体の形状もセンサの分だけ大形化し、かつ、特殊環境(粉塵、油等の雰囲気下)では耐久性が十分ではなく、かつ、高コストといった難点を有することになっていた。
部の磁石軸であるd軸方向とq軸方向の磁気抵抗の大小を利用して可動子の位置を検出するようにしたハルバッハ配列及び磁性リングによるdq比を用いた円筒リニアモータの位置検出装置及び方法を提供することを目的とする。
すなわち、円筒状ケースの内壁に設けられた円筒状固定子と、前記円筒状固定子に所定間隔で設けられた多数の固定子巻線と、前記円筒状固定子の内側空隙内に軸方向移動自在に設けられた可動子と、前記可動子の外周に所定間隔で設けられた多数の筒状マグネット部と、前記各筒状マグネット部間に設けられた磁性体部と、を備え、前記筒状マグネット部の磁石軸であるd軸方向よりこのd軸方向と直交するq軸方向の磁気抵抗の方が小さくなるため、前記磁気抵抗の大小を利用し、かつ、dq軸に対し、制御上の推定軸をγδ軸として定義し、γ軸方向に高周波の交番電圧を印加し、前記可動子を停止した状態で、実際のd軸を0度としてγ軸とd軸の位相角△θを変化させながらγ軸上で重畳周波数におけるインダクタンスを検出し、前記d軸方向のd軸インダクタンスより前記q軸インダクタンスの方が大となること(突極性)に起因して、前記可動子の位置に応じて前記可動子の(固定子からみた)インダクタンスが変化するので、前記変化の特性を利用して前記可動子の位置を検出することを特徴とするハルバッハ配列及び磁性リングによるdq比を用いたことにより、別装着による位置センサを用いることなく、リニア位置の検出ができ、省スペース及び小型化を達成できる。
尚、図4及び図5で示される従来構成と同一又は同等部分には、同一符号を付して説明する。
図1において、符号1で示されるものは、筒状をなす周知の磁性リングである円筒状ケースであり、この円筒状ケース1の内壁1aには固定子巻線2を有する複数の輪状の固定子コア3bが軸方向に沿って長手状に配設されてなる円筒状固定子3が配設されており、前記円筒状固定子3の内側空隙3a内には、長手棒状をなす可動子5が軸方向移動Pに沿って往復移動自在に設けられ、この可動子5の外周面5aには、3個のマグネット片10a,10b,10cからなる筒状マグネット部6が軸方向に沿って所定間隔で配列されている。
図2は、回転型モータでは周知のように、磁石軸であるd軸方向dより、このd軸方向dと直交するq軸方向qの磁気抵抗が小さくなるため、磁気抵抗の大小による磁気的な突極構造を構成することによって、d軸インダクタンスLdよりもq軸インダクタンスLqの方が大きく、この各インダクタンスの違いにより、前記可動子5の軸方向移動における位置の検出を行うことができる。
尚、前述の各インダクタンスLdとLqの検出は、各固定子巻線2を用いて行うことができる。
すなわち、図3に示すように、dq軸に対し、制御上の推定軸をγδ軸として定義、
γ軸方向に高周波の交番電圧を印加。
可動子5を停止した状態で、実際のd軸を0度としてγ軸とd軸の位相角△θを変化させながらγ軸上で重畳周波数におけるインダクタンスを検出する。
このインダクタンスは、偏差を持つので、磁極位置を推定することができる。
d軸磁路にエアギャップと同じ磁気抵抗の大きい磁石が存在するためで、d軸の磁気抵抗がq軸の磁気抵抗に対して大きくなる。すなわち、d軸インダクタンスLdより前記q軸インダクタンスLqの方が大となる。
このインダクタンス特性を利用して磁極位置を推定するという仕組みである。
また、実際の制御では、γ軸方向γに高周波の交番電圧を印加する。
γ軸γが本来のd軸dに対して位置誤差△θを含む場合は、印加方向に直交する方向に干渉分の電流変化iδhが生じ、△θ=0であれば、電流は0となる。
従って、iδh=0となるように制御系を構成すれば、dq軸と推定γδ軸は一致し、可動子5の位置を間接推定することが可能となる。
すなわち、円筒状ケース1の内壁1aに設けられた円筒状固定子3と、前記円筒状固定子3に所定間隔で設けられた多数の固定子巻線2と、前記円筒状固定子3の内側空隙3a内に軸方向移動P自在に設けられた可動子5と、前記可動子5の外周に所定間隔で設けられた多数の筒状マグネット部6と、前記各筒状マグネット部6間に設けられた磁性体部20と、を備え、前記筒状マグネット部6の磁石軸であるd軸方向dよりこのd軸方向dと直交するq軸方向qの磁気抵抗の方が小さくなるため、前記磁気抵抗の大小を利用し、かつ、dq軸に対し、制御上の推定軸をγδ軸として定義し、γ軸方向に高周波の交番電圧を印加し、前記可動子5を停止した状態で、実際のd軸を0度としてγ軸とd軸の位相角△θを変化させながらγ軸上で重畳周波数におけるインダクタンスを検出し、前記d軸方向dのd軸インダクタンスより前記q軸インダクタンスの方が大となること(突極性)に起因して、前記可動子5の位置に応じて前記可動子5の(固定子3からみた)インダクタンスが変化するので、前記変化の特性を利用して前記可動子5の位置を検出することを特徴とするハルバッハ配列及び磁性リングによるdq比を用いた円筒リニアモータの位置検出装置及び方法である。
1a 内壁
2 固定子巻線
3 円筒状固定子
3a 内側空隙
3b 固定子コア
5 可動子
5a 外周面
6 筒状マグネット部
10a マグネット片
10b マグネット片
10c マグネット片
20 磁性体部
d d軸方向
q q軸方向
P 軸方向(軸方向移動)
Claims (2)
- 円筒状ケース(1)の内壁(1a)に設けられた円筒状固定子(3)と、前記円筒状固定子(3)に所定間隔で設けられた多数の固定子巻線(2)と、前記円筒状固定子(3)の内側空隙(3a)内に軸方向移動(P)自在に設けられた可動子(5)と、前記可動子(5)の外周に所定間隔で設けられた多数の筒状マグネット部(6)と、前記各筒状マグネット部(6)間に設けられた磁性体部(20)と、を備え、前記筒状マグネット部(6)の磁石軸であるd軸方向(d)よりこのd軸方向(d)と直交するq軸方向(q)の磁気抵抗の方が小さくなるため、前記磁気抵抗の大小を利用し、かつ、dq軸に対し、制御上の推定軸をγδ軸として定義し、γ軸方向に高周波の交番電圧を印加し、前記可動子(5)を停止した状態で、実際のd軸を0度としてγ軸とd軸の位相角△θを変化させながらγ軸上で重畳周波数におけるインダクタンスを検出し、前記d軸方向(d)のd軸インダクタンスより前記q軸インダクタンスの方が大となること(突極性)に起因して、前記可動子(5)の位置に応じて前記可動子(5)の(固定子(3)からみた)インダクタンスが変化するので、前記変化の特性を利用して前記可動子(5)の位置を検出することを特徴とするハルバッハ配列及び磁性リングによるdq比を用いた円筒リニアモータの位置検出装置。
- 円筒状ケース(1)の内壁(1a)に設けられた円筒状固定子(3)と、前記円筒状固定子(3)に所定間隔で設けられた多数の固定子巻線(2)と、前記円筒状固定子(3)の内側空隙(3a)内に軸方向移動(P)自在に設けられた可動子(5)と、前記可動子(5)の外周に所定間隔で設けられた多数の筒状マグネット部(6)と、前記各筒状マグネット部(6)間に設けられた磁性体部(20)と、を備え、前記筒状マグネット部(6)の磁石軸であるd軸方向(d)よりこのd軸方向(d)と直交するq軸方向(q)の磁気抵抗の方が小さくなるため、前記磁気抵抗の大小を利用し、かつ、dq軸に対し、制御上の推定軸をγδ軸として定義し、γ軸方向に高周波の交番電圧を印加し、前記可動子(5)を停止した状態で、実際のd軸を0度としてγ軸とd軸の位相角△θを変化させながらγ軸上で重畳周波数におけるインダクタンスを検出し、前記d軸方向(d)のd軸インダクタンスより前記q軸インダクタンスの方が大となること(突極性)に起因して、前記可動子(5)の位置に応じて前記可動子(5)の(固定子(3)からみた)インダクタンスが変化するので、前記変化の特性を利用して前記可動子(5)の位置を検出することを特徴とするハルバッハ配列及び磁性リングによるdq比を用いた円筒リニアモータの位置検出方法。
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