JP2014093821A - モータおよびロータ回転角度検出装置 - Google Patents

モータおよびロータ回転角度検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ロータの回転角度を正確に検出可能にするとともに、コストの増大の防止に寄与すること。
【解決手段】永久磁石型同期モータ10は、N極およびS極の磁石24n,24sを磁極対とする複数の磁極対が周方向に配置されたロータ20と、各磁石と鎖交する磁束を発生可能な多相のコイル34u,34v,34wを有するステータ30と、を備える。ロータ20は、磁石の中心位置Pn,Psからロータ20の外周面20aまでの距離Dxが、少なくとも1つの磁極対24n,24sに対応する範囲で回転角度毎に連続して異なる形状を有している。ロータ20は、その一形態として、外周面20aがスパイラル曲線の形状に形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、センサレス制御技術を用いて特定するロータの磁極の位置からロータ回転角度を検出するよう適応されたモータおよびロータ回転角度検出装置に関する。
従来、センサレス制御技術は各種提案されており、特に、モータの起動時に磁極位置を特定する方法として、コイル巻線に高周波電圧や電流を印加する方法が知られている。この方法はモータの突極性を利用したものであり、例えば、ロータの鉄芯表面形状に凹凸を形成して突極性をもたせるものである。
磁極位置を特定するためには、モータの極性を判別する必要がある。この極性を判別する技術の一例として、N極とS極とで厚さの異なる磁石を配置して突極性をもたせたロータを備え、ロータの磁極位置の検出時にコイルの極数を切り替えてN極とS極に対向するコイルのインダクタンスに差を生じさせ、そのインダクタンスの差を基にモータの極性を判別するようにした検出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−065415号公報
上記特許文献1に記載されているような従来の技術においては、N極とS極の磁極毎に磁石の厚さを異ならせる構成であるため、同じ磁極(N極またはS極)に対向するコイルにおいては、極性によるコイルのインダクタンスの差が生じない。すなわち、同じ磁極ではインダクタンスが一様となるので、同じ磁極間の識別を行うことができない。
このため、任意数の磁極対(N極およびS極)に対応する範囲において同じ磁極間でコイルがいずれの磁極に対向しているのかの極性判別(すなわち、磁極位置の特定)を正確に行うことができず、その結果、正確なロータ回転角度を検出することができないという問題があった。
また、コイル巻線の極数をロータの磁極位置検出用の極数に切り替えるための構成(例えば、切り替え回路や引き出し線等)が新たに必要となるため、コストアップを招くという問題があった。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、ロータの回転角度を正確に検出可能にするとともに、コストの増大の防止に寄与することができるモータおよびロータ回転角度検出装置を提供することを目的とする。
本発明の一形態に係るモータは、上記目的を達成するため、(1)N極およびS極の磁石を磁極対とする複数の磁極対が周方向に配置されたロータと、前記磁石と鎖交する磁束を発生可能な多相のコイルを有するステータと、を備えたモータにおいて、前記ロータは、前記磁石の中心位置から前記ロータの外周面までの距離が、少なくとも1つの磁極対に対応する範囲で回転角度毎に連続して異なる形状を有しているものから構成されている。
このモータは、磁石の中心位置からロータの外周面までの距離が、少なくとも1つの磁極対に対応する範囲(すなわち、電気角360°に相当する1磁極対毎の周期性をもつ範囲)で回転角度毎に連続して異なっているので、この範囲内でロータとステータとの間のエアギャップの長さも連続して異なっている。
このため、同じ磁極(N極またはS極)内でもロータの回転角度毎にエアギャップ長が異なることにより磁気抵抗が異なり、その磁気抵抗の逆数に比例するインダクタンスも異なった値となる。
このような形状を有したロータに対し、ステータの多相のコイルに電圧を印加する(すなわち、励磁電流を通電する)と、回転角度毎に異なるインダクタンスによって各コイルに誘導される電流の値も回転角度毎に異なった値となる。したがって、この多相のコイルに誘導される電流の値から、ロータの回転角度を正確に検出することが可能となる。
また、本発明のモータは、上記特許文献1に記載されているような従来の技術で必要とされていた、コイル巻線の極数を切り替えるための構成が不要となるため、コストの増大を防止することができる。
本発明の他の形態に係るロータ回転角度検出装置は、上記目的を達成するため、(2)上記(1)に記載のモータと、前記少なくとも1つの磁極対に対応する範囲で前記ロータの回転角度毎に求めた前記多相の各コイルに生じる誘導電流の値と当該回転角度との対応関係を表したプロファイルを格納した記憶手段と、前記多相の各コイルに同じ大きさの電圧を同じ極性方向に印加する電圧印加手段と、前記電圧の印加によって前記各コイルに誘導される電流を検出する電流検出手段と、前記記憶手段に格納された前記プロファイルを参照して、前記電流検出手段により検出された前記各コイルの誘導電流の値から前記ロータの回転角度を検出する回転角度検出手段と、を備えたものから構成されている。
このロータ回転角度検出装置は、上記(1)に記載のモータを用いているので、所定の電圧の印加によって各コイルに誘導される電流の検出値を、記憶手段に格納された所定のプロファイルと照合することで、ロータの回転角度を正確に検出することができる。
また、上記(1)に記載のモータを用いることで、従来の技術で必要とされていた極数切り替え用の構成が不要となり、コストの増大の防止に寄与することができる。
本発明によれば、ロータの回転角度を正確に検出可能にするとともに、コストの増大の防止に寄与することができるモータおよびロータ回転角度検出装置を提供することができる。
本発明に係るモータの一実施の形態を示す図であり、永久磁石型同期モータの概略構造を示す断面図である。 本発明に係るモータの一実施の形態を示す図であり、永久磁石型同期モータの一部(図1のA−A線に沿って切り欠いた部分)の詳細構造を示す断面図である。 図1、図2に示す永久磁石型同期モータにおけるロータの磁極の極性判定を説明するための図であり、(a)は、1磁極対の範囲でのインダクタンスのプロファイルを示す図、(b)は、1磁極対の範囲での誘導電流のプロファイルを示す図である。 本発明に係るロータ回転角度検出装置の一実施の形態を示す図であり、永久磁石型同期モータにおけるロータの回転角度を検出するための装置の概略構成を示す図である。 本発明に係るロータ回転角度検出装置の一実施の形態を示す図であり、ロータ回転角度検出装置が行うロータ回転角度検出処理を表したフロー図である。 本発明に係るモータの他の実施の形態を示す図であり、(a)は、ロータ外周面を2磁極対毎の周期性をもつスパイラル曲線とした場合の永久磁石型同期モータの概略構造を示す断面図、(b)は、ロータ外周面を4磁極対毎の周期性をもつスパイラル曲線とした場合の永久磁石型同期モータの概略構造を示す断面図である。
以下、本発明に係るモータおよびロータ回転角度検出装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。本実施の形態においては、本発明に係るモータを、ハイブリッド車両や電気自動車等の駆動源として用いた場合について説明している。
図1〜図3は、本発明に係るモータの一実施の形態を示したものである。このうち、図1は、本実施の形態の永久磁石型同期モータ10の概略的な断面構造を示し、図2は、この永久磁石型同期モータ10の一部(図1のA−A線に沿って切り欠いた部分)の詳細な断面構造を示している。
まず、本実施の形態の永久磁石型同期モータ10の構成について説明する。
図1、図2に示すように、本実施の形態の永久磁石型同期モータ10は、円筒状に近い形状を有したロータ20と、このロータ20の周囲を囲むようにロータ20と同軸上に設けられた筒状のステータ30とを備えている。
この永久磁石型同期モータ10は、例えば、ハイブリッド車両に搭載された場合、エンジンによって回転駆動されるクランクシャフトと自動変速機の変速機入力軸との動力伝達経路に介在されている。
ロータ20は、円筒状に近い形状を有した鉄芯22と、この鉄芯22の周方向に沿って鉄芯22中に埋め込まれたN極の永久磁石(以下、「N極磁石」、または単に「磁石」ともいう。)24nおよびS極の永久磁石(以下、「S極磁石」、または単に「磁石」ともいう。)24sとから構成されている。N極磁石24nおよびS極磁石24sは、図1に示すように交互に配置され、それぞれ4個ずつ(合計8個)設けられている。
ロータ20を構成する鉄芯22の材料としては、鉄損が少なく、飽和磁束密度および透磁率の大きい珪素鋼板が用いられる。
このロータ20は、ステータ30に対向する側の外周面20aと、これと反対側の内周面20cとを有している。内周面20cは、円弧状に形成されており、外周面20aは、スパイラル曲線の形状に形成されている。ここでいう「スパイラル曲線」とは、渦が巻くような、旋回するにつれ中心から遠ざかる曲線(あるいは逆向きにたどれば中心に近づく曲線)をいう。
本実施の形態の永久磁石型同期モータ10は、図1、図2に示すように、ロータ20の外周面20aが、電気角360°に相当する1磁極対(隣り合うN極磁石24nおよびS極磁石24s)毎の周期性をもってそれぞれスパイラル曲線の形状をなすような構造を有している。
また、ロータ20の外周面20aの近傍に参照符号20bで指示される破線の部分は、現状技術の永久磁石型同期モータにおけるロータの外周面を表している。この外周面20bは、ロータ20の内周面20cと同心円の円弧状に形成されている。
N極磁石24nおよびS極磁石24sは、それぞれ長方形の形状を有しており(図2参照)、各々の中心位置Pn,Psが、ロータ20の半径方向において内周面20cから等距離(あるいは現状技術のロータの外周面20bから等距離)となるように鉄芯22中に埋め込まれている。
したがって、N極磁石24n、S極磁石24sの各々の中心位置Pn,Psからロータ20の外周面20aまでの距離Dxは、外周面20aがスパイラル曲線の形状に形成されていることにより、不均等となっている。すなわち、この距離Dxは、1磁極対(=電気角360°)に対応する範囲でロータ20の回転角度毎に異なっている。これにより、ロータ20とステータ30との間のエアギャップも回転角度毎に異なっている。
本実施の形態の永久磁石型同期モータ10(図1、図2)においては、ロータ20は、N極、S極の各磁石24n,24sの中心位置Pn,Psからロータ20の外周面20aまでの距離Dxが、1磁極対(=電気角360°)に対応する範囲でロータ20の回転角度が増大する方向(図示の例では、時計回りの方向)に連続的に増大する構造となっている。この構造により、エアギャップ長は、1磁極対(=電気角360°)に対応する範囲で連続的に減少している。
一方、ステータ30は、ロータ20に対向する側の内周面に、周方向に等間隔をおいて24個のスロット32が設けられている。24個のスロット32は、6個ずつ単位でロータ20の1磁極対に対応している(図1参照)。各スロット32には、永久磁石型同期モータ10に印加される三相交流電圧のU相、V相、W相に対応する各コイル34u,34v,34wが収容されている。U相、V相、W相の各コイル34u,34v,34wは、図1に示すように反時計回りの方向にこの順に交互に配置されている。
また、各相のコイル34u,34v,34wは、2つおきに配置されたコイル(○の中に「×」を付したコイルU,V,Wと、○の中に「・」を付したコイル−U,−V,−W)によって1組のループ状のコイルが形成されている。○の中に「×」を付したコイルU,V,Wは、図面の手前側から向こう側へ電流が流れるコイルを表しており、○の中に「・」を付したコイル−U,−V,−Wは、図面の向こう側から手前側へ電流が流れるコイルを表している。
また、参照符号36uを付してループ状に囲んだ部分は、U相コイル34u(U)を流れる電流によって形成される磁路をイメージ的に表している。同様に、参照符号36vを付してループ状に囲んだ部分は、V相コイル34v(−V)を流れる電流によって形成される磁路をイメージ的に表している。また、参照符号36wを付してループ状に囲んだ部分は、W相コイル34w(−W)を流れる電流によって形成される磁路をイメージ的に表している。
図2に示すように、U相、V相、W相の各コイル34u,34v,34wを通過する各磁路36u,36v,36wは、ロータ20側のN極磁石24nおよびS極磁石24sが配置されている領域に及んでいる。すなわち、ステータ30は、U相、V相、W相の各コイル34u,34v,34wが、ロータ20に設けられた各磁石24n,24sと鎖交する磁束(磁路36u,36v,36w)を発生し得るように構成されている。
本実施の形態の永久磁石型同期モータ10(図1、図2)においては、1磁極対(=電気角360°)に対応する範囲でロータ回転角度毎にロータ20とステータ30との間のエアギャップ長が連続して変化している。このため、U相、V相、W相の各コイル34u,34v,34wを通過する各磁路36u,36v,36wのエアギャップ長(すなわち、N極磁石24nに対向する箇所のエアギャップ長とS極磁石24sに対向する箇所のエアギャップ長の和)は、必ず異なった値となる。
図2を参照すると、U相コイル34uを通過する磁路36uに含まれるエアギャップの全長は、Lgun+Lgusであり、V相コイル34vを通過する磁路36vに含まれるエアギャップの全長は、Lgvn+Lgvsであり、W相コイル34wを通過する磁路36wに含まれるエアギャップの全長は、Lgwn+Lgwsである。図2に示す例では、各磁路36u,36v,36wのエアギャップ長は、U相のエアギャップ長(=Lgun+Lgus)>W相のエアギャップ長(=Lgwn+Lgws)>V相のエアギャップ長(=Lgvn+Lgvs)の順に小さくなっている。すなわち、U相、V相、W相の各エアギャップ長は、互いに異なった値となっている。
本実施の形態の永久磁石型同期モータ10は、図1、図2に示すようにロータ20の外周面20aの形状がスパイラル曲線の形状となっているので、ロータ20とステータ30との間のエアギャップ長は、ロータ20の1磁極対(=電気角360°)に対応する範囲の外周面20a全域に亘って不均等となっている。
これにより、ロータ20の1磁極対(=電気角360°)に対応する範囲の外周面20a全域に亘って、ロータ回転角度毎に、ロータ20のN極磁石24nとS極磁石24sの磁気抵抗に差をもたせることができる。すなわち、その磁気抵抗の逆数に比例するインダクタンスに差をもたせることができる。
このようにロータ20の回転角度毎にインダクタンスに差をもたせているので、低磁束密度(=小さな励磁電流)でも、N極磁石24nに対向する各コイル34u,34v,34wに誘導される電流と、S極磁石24sに対向する各コイル34u,34v,34wに誘導される電流との間に必ず差が生じる。
したがって、U相、V相、W相の各コイル34u,34v,34wに誘導される電流の大きさから、ロータ20の1磁極対(=電気角360°)に対応する範囲において各コイル34u,34v,34wがN極磁石24nに対向しているのか、あるいはS極磁石24sに対向しているのかの極性判定を正確に行うことができる。
図3は、その極性判定を行うためのプロファイルを示したものであり、(a)は1磁極対の範囲でのインダクタンスのプロファイルを示し、(b)は1磁極対の範囲での誘導電流のプロファイルを示している。
図3(a),(b)において、実線で示すプロファイルPR1,PR3は、本実施の形態の永久磁石型同期モータ10について求めたものである。これに対し、破線で示すプロファイルPR2,PR4は、現状技術の一例としての、N極とS極とで磁気抵抗が同一、すなわち、インダクタンスが同一のロータを備えた永久磁石型同期モータについて求めたものである。
図3(a)に示す本実施の形態に係るインダクタンスのプロファイルPR1は、1磁極対(=電気角360°)に対応する範囲でロータ20の回転角度毎に、ロータ20とステータ30の幾何学的形状および相対配置関係に基づいて算出したU相、V相、W相の各コイル34u,34v,34wのインダクタンスの値と当該回転角度との対応関係を表している。現状技術のインダクタンスのプロファイルPR2についても、同様の方法により算出している。
また、図3(a)において、Ldは、ロータ20の磁極が作り出す磁束の方向、すなわち、N極、S極の各磁石24n,24sの中心軸となるd軸(図2参照)の方向のインダクタンスを表しており、Lqは、d軸と電気的かつ磁気的に直交するq軸(図2参照)の方向のインダクタンスを表している。
図3(b)に示す本実施の形態に係る誘導電流のプロファイルPR3は、1磁極対(=電気角360°)に対応する範囲でロータ20の回転角度毎に、予め実験的な測定により求めたU相、V相、W相の各コイル34u,34v,34wに生じる誘導電流の値と当該回転角度との対応関係を表している。現状技術の誘導電流のプロファイルPR4についても、同様の方法により算出している。
図3(a),(b)に示すように、現状技術による永久磁石型同期モータにおいては、そのロータの形状に起因してN極とS極とでインダクタンスが等しくなっており(プロファイルPR2)、これにより、ステータ側のコイルに誘導される電流もN極とS極とで等しくなっている(プロファイルPR4)。
このため、1磁極対(=電気角360°)に対応する範囲でコイルがN極に対向しているのか、あるいはS極に対向しているのかの極性判定を行うことができない。
これに対して、本実施の形態の永久磁石型同期モータ10においては、そのロータ20の外周面20aの形状(図1、図2)に起因して1磁極対(=電気角360°)に対応する範囲で回転角度毎にインダクタンスが異なっている(図3(a)のプロファイルPR1)。
これにより、N極に対向するコイルに誘導される電流と、S極に対向するコイルに誘導される電流との間に差が生じるため(図3(b)のプロファイルPR3)、1磁極対(=電気角360°)に対応する範囲でコイルがいずれの磁極(N極またはS極)に対向しているのかの極性判定を確実に行うことができる。
また、この極性判定に基づいて、ロータ回転角度を正確に検出することができる。
以下、本実施の形態の永久磁石型同期モータ10におけるロータ20の回転角度を検出する方法について、図4および図5を参照しながら説明する。
図4は、一実施の形態としてのロータ回転角度検出装置40の概略構成を示したものであり、図5は、このロータ回転角度検出装置40が行うロータ回転角度検出処理を示している。
図4に示すように、このロータ回転角度検出装置40は、上記の構成を有した永久磁石型同期モータ10に加えて、MCU(モータコントロールユニット)41と、バッテリ43と、コンバータ44と、インバータ45と、電流検出器46と、を備えている。
バッテリ43は、直流電源を構成し、充放電が可能となっている。コンバータ44は、MCU41からの制御に基づいて、バッテリ43の出力電圧(直流)を昇圧してインバータ45に出力するよう構成されている。
インバータ45は、MCU41からの制御に基づいて、永久磁石型同期モータ10に印加されるパルス形状の駆動電圧の波形を形成するものであり、U相、V相、W相の各駆動電圧を切り替え制御する電力スイッチング素子、ゲートドライバ、平滑キャパシタ等から構成されている。電流検出器46は、永久磁石型同期モータ10への電圧印加によってコイルに誘導される電流を検出するものであり、本発明に係る電流検出手段を構成する。
MCU41は、図示しないCPU(中央処理ユニット)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリメモリ)等を備えており、さらに、本発明に係る記憶手段を構成する不揮発性のメモリ42を備えている。このメモリ42には、図3(b)に示したような誘導電流のプロファイルPR3のデータが予め格納されている。
MCU41は、その基本的な機能として、コンバータ44による昇圧の大きさやインバータ45によるスイッチングタイミング等を制御することにより、永久磁石型同期モータ10の出力や回転速度を調節するようになっている。さらに、このMCU41は、本発明に関連する機能として、ロータ20の回転角度を検出するための処理を実行するようになっている。この処理を実行するため、MCU41は、図5に示すように3つの機能を有している。
先ず、MCU41は、永久磁石型同期モータ10におけるU相、V相、W相の各コイル34u,34v,34w(図1、図2)に同じ大きさの電圧(特に、小さな励磁電流を通電するのに十分な程度の低電圧)を同じ極性方向に印加する電圧印加手段としての機能を有している(ステップS1)。
また、MCU41は、ステップS1での電圧の印加によって各コイル34u,34v,34wに誘導される電流を、電流検出器46と協働して検出する電流検出手段としての機能を有している(ステップS2)。
また、MCU41は、ステップS2において検出された各コイル34u,34v,34wの誘導電流の値を、メモリ42に格納された誘導電流のプロファイルPR3と照合し、ロータ20の回転角度を検出する回転角度検出手段としての機能を有している(ステップS3)。
本実施の形態の永久磁石型同期モータ10およびロータ回転角度検出装置40は、上述のような構成を備えることにより、以下の作用効果を奏する。
先ず、永久磁石型同期モータ10において、ロータ20の磁極(磁石24n,24s)の中心位置Pn,Psからロータ20の外周面20aまでの距離Dxが、1磁極対(=電気角360°)に対応する範囲でロータ回転角度毎に連続して異なっているので、この1磁極対の範囲内でロータ20とステータ30との間のエアギャップ長も連続して異なっている。
このため、図2に示すように同じ磁極(N極磁石24nまたはS極磁石24s)内でもロータ20の回転角度毎にエアギャップ長が異なることにより磁気抵抗が異なり、この磁気抵抗の逆数に比例するインダクタンスも異なった値となる(図3(a)に示すプロファイルPR1参照)。
このような形状を有したロータ20に対し、MCU41からの制御に基づきインバータ45から、ステータ30のU相、V相、W相の各コイル34u,34v,34wに同じ大きさの低電圧を印加する(すなわち、小さな励磁電流を通電する)と、回転角度毎に異なるインダクタンスによって各コイル34u,34v,34wに誘導される電流の値も回転角度毎に異なった値となる(図3(b)に示すプロファイルPR3参照)。
この回転角度毎に異なる誘導電流は、電流検出器46によって検出され、デジタル信号に変換されてMCU41に出力される。
したがって、MCU41は、電流検出器46から出力された各コイル34u,34v,34wの誘導電流の検出値を、メモリ42に格納された誘導電流のプロファイルPR3と照合することで、ロータ20の回転角度を正確に検出することができる。
また、ロータ20の磁極の極性判定に基づいたロータ回転角度の検出を行うのに必要とされる印加電圧(通電される励磁電流)は、比較的低い電圧(小さい励磁電流)で十分であるため、以下の利点が得られる。
すなわち、上述した図3(a)に関連して説明した現状技術においては、N極とS極とで磁気抵抗が同一(すなわち、インダクタンスが同一)のロータを備えた永久磁石型同期モータに対して、センサレス制御によりモータ起動時の磁極位置の極性判定を行う場合、コイルに比較的大きい電流が正方向および逆方向に誘導されるように電圧を印加し、磁気飽和によるB−H特性(ヒステリシス曲線)の非線形性により増磁方向と減磁方向とで誘導電流が異なることを利用して、極性判定を行っている。
このように比較的大きな電流を発生させて磁極の極性判定を行う方法では、大電流によるモータのトルク振動によって車両振動や騒音が大きくなるという問題が起こり得る。
これに対して、本実施の形態の永久磁石型同期モータ10は、1磁極対(=電気角360°)に対応する範囲でロータ回転角度毎にエアギャップ長を異ならせているので、B−H特性の磁気飽和域でなくてもN極とS極とで磁気抵抗(すなわち、インダクタンス)を異ならせることができる。
このため、永久磁石型同期モータ10に誘導される磁気飽和に至らない比較的小さな誘導電流の大きさ(図3(b)に示すプロファイルPR3)から、1磁極対(=電気角360°)に対応する範囲でコイルがいずれの磁極(N極またはS極)に対向しているのかの極性判定を正確に行うことができる。
このように、本実施の形態の永久磁石型同期モータ10およびロータ回転角度検出装置40は、B−H特性において磁気飽和が線形な非飽和領域、すなわち、小さい励磁電流でも極性判定を行うことができるので、ロータ回転角度検出時の永久磁石型同期モータ10のトルク変動による車両振動や騒音を低減することができる。これは、モータ起動時のドライバビリティの向上に寄与する。
また、ロータ回転角度検出時に必要とされる印加電圧(通電される励磁電流)が比較的低い電圧(小さい励磁電流)で十分であるため、ロータ回転角度検出装置40に対する熱負荷、特に、インバータ45の電力スイッチング素子に対する熱負荷を低減することができる。これにより、電力スイッチング素子の温度上昇を抑制することができる。
また、本実施の形態の永久磁石型同期モータ10は、従来技術(例えば、特許文献1)において必要とされていた、コイル巻線の極数を切り替えるための構成(引き出し線や切り替え回路等)を追加する必要がないので、コストの増大を防止することができる。
上述した一実施の形態の永久磁石型同期モータ10は、そのロータ20の外周面20aが1磁極対(電気角360°に相当)毎の周期性をもってそれぞれスパイラル曲線の形状をなすような構造(図1)を有しているが、ロータ20の外周面20aがこの形態に限定されないことはもちろんである。
例えば、複数の磁極対(電気角720°、1080°、1440°、……に相当)の数が、ロータ20に設けられる全磁極対の数の約数となる関係にあれば、その複数の磁極対毎に周期性をもったスパイラル曲線の形状とすることも可能である。
図6は、その複数の磁極対毎に周期性をもったスパイラル曲線の形状とした場合の実施の形態を示したものである。図6に示す構成のうち、上述した一実施の形態の永久磁石型同期モータ10(図1)と同一の構成には同一の参照符号を付しており、重複する部分の説明は省略する。
図6において(a)に示す永久磁石型同期モータ10Aは、上述した一実施の形態の永久磁石型同期モータ10(図1)と比べて、ロータ20Aの外周面20aが2磁極対毎の周期性をもつスパイラル曲線の形状をなすように構成した点で相違する。
また、図6において(b)に示す永久磁石型同期モータ10Bは、上述した一実施の形態の永久磁石型同期モータ10(図1)と比べて、ロータ20Bの外周面20aが4磁極対毎の周期性をもつスパイラル曲線の形状をなすように構成した点で相違する。
図6(a),(b)に示す永久磁石型同期モータ10A,10Bは、それぞれロータ20A,20Bの外周面20aが、上述した一実施の形態の永久磁石型同期モータ10におけるロータ20の外周面20aの形状と同様のスパイラル曲線の形状をなしているので、
上述した一実施の形態の場合と同様の作用効果を奏することができる。
また、上述した一実施の形態の永久磁石型同期モータ10(図1)は、そのロータ20の外周面20aがスパイラル曲線の形状をなすような構造としているが、ロータ20の外周面20aが必ずしもスパイラル曲線の形状に限定されないことはもちろんである。
本発明の要旨からも明らかなように、要は、ロータ20の磁極(磁石24n,24sの中心位置Pn,Ps)から外周面20aまでの距離Dxが、任意数の磁極対に対応する範囲でロータ回転角度毎に連続して異なる形状を有していれば十分である。
例えば、ロータ20の外周面20aを適当に凹凸状に成形することで、スパイラル曲線とは異なる凹凸曲線の形状とし、ロータ20の磁極からその凹凸曲線の形状に成形されたロータ外周面までの距離が、任意数の磁極対に対応する範囲でロータ回転角度毎に連続的に異なるようにしてもよい。
以上説明したように、本発明に係るモータおよびロータ回転角度検出装置は、ロータの回転角度を正確に検出可能にするとともに、コストの増大の防止に寄与することができるという効果を有し、センサレス制御技術を用いて特定するロータの磁極の位置からロータ回転角度を検出するよう適応されたモータおよびロータ回転角度検出装置全般に有用である。
10,10A,10B…永久磁石型同期モータ、20,20A,20B…ロータ、20a…ロータの外周面、22…鉄芯、24n,24s…磁極(N極磁石、S極磁石)、30…ステータ、34u,34v,34w…コイル、36u,36v,36w…磁路、40…ロータ回転角度検出装置、41…MCU(電圧印加手段、電流検出手段、回転角度検出手段)、42…メモリ(記憶手段)、45…インバータ、46…電流検出器(電流検出手段)、Pn,Ps…磁石の中心位置、Dx…磁石の中心位置からロータの外周面までの距離

Claims (2)

  1. N極およびS極の磁石を磁極対とする複数の磁極対が周方向に配置されたロータと、前記磁石と鎖交する磁束を発生可能な多相のコイルを有するステータと、を備えたモータにおいて、
    前記ロータは、前記磁石の中心位置から前記ロータの外周面までの距離が、少なくとも1つの磁極対に対応する範囲で回転角度毎に連続して異なる形状を有していることを特徴とするモータ。
  2. 請求項1に記載のモータと、
    前記少なくとも1つの磁極対に対応する範囲で前記ロータの回転角度毎に求めた前記多相の各コイルに生じる誘導電流の値と当該回転角度との対応関係を表したプロファイルを格納した記憶手段と、
    前記多相の各コイルに同じ大きさの電圧を同じ極性方向に印加する電圧印加手段と、
    前記電圧の印加によって前記各コイルに誘導される電流を検出する電流検出手段と、
    前記記憶手段に格納された前記プロファイルを参照して、前記電流検出手段により検出された前記各コイルの誘導電流の値から前記ロータの回転角度を検出する回転角度検出手段と、
    を備えたことを特徴とするロータ回転角度検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016181945A (ja) * 2015-03-23 2016-10-13 カルソニックカンセイ株式会社 コンプレッサモータ制御装置
CN109443398A (zh) * 2018-09-29 2019-03-08 同济大学 一种电机转子位置检测装置

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