JP6349185B2 - 転造ダイスユニット、転造ダイスセット、転造ダイス、及びホルダ - Google Patents
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Description
固定面15の背面14側の一端部には、前面13側に対して斜め下方に突出する断面視略V字状の溝部18(図4〜図6参照)が設けられている。溝部18は、固定面15の前記一端部に沿って設けられている。図6に示すように、溝部18は、傾斜面18A、水平面18B、及び逃がし部18Cを備える。傾斜面18Aは、固定面15の前記一端部から前面13側に鋭角に屈曲し、斜め下方に傾斜する面である。水平面18Bは、傾斜面18Aの下端部から背面14側に向けて、固定面15に対して略平行に延びる面である。逃がし部18Cは、傾斜面18Aと水平面18Bとが接する溝部18の最奥部に略矩形状に設けられた溝である。さらに、固定面15と傾斜面18Aとが交わる角部には、固定面15に対して垂直な端面18Dが設けられている。
図3,図4に示すように、固定面15の長手方向中央部よりもやや左寄りには、基準溝20が設けられている。基準溝20は、転造ダイス3の長手方向に直交する幅方向に沿って形成された矩形状の溝である。基準溝20は、底面20A、当接面20B、及び基準面20Cを備える。当接面20Bは、底面20Aの右側に立つ面である。基準面20Cは、底面20Aの左側に立つ面であり、ホルダ2に対する転造ダイス3の位置決めの為の基準となる面である。当接面20B及び基準面20Cは、底面20Aを間に互いに離間して対向する。なお、当接面20B及び基準面20Cの離間幅は、ホルダ2に設けられた後述する基準駒80(図9参照)の幅方向長さよりも若干長い。それ故、基準溝20の内側に対して、ホルダ2の基準駒80を挿入できる。
図2,図3に示すように、前面13の上端部の左右両側には、正面視略半円状のダイス側固定部22,23が夫々設けられている。ダイス側固定部22,23の各位置は、ホルダ2側に設けられた後述するホルダ側固定部52,53(図8,図9参照)の各位置に夫々対応する。なお、ダイス側固定部22,23は、互いに同一形状であるので、ダイス側固定部22の形状のみ説明する。
図8,図12に示すように、保持用駒45は、例えばハイス鋼で形成され、固定部46と係合部47を備える。固定部46は保持用駒45の上部、係合部47は保持用駒45の下部に位置する。固定部46は、正面視略長方形の板状に形成され、板の厚み方向に貫通する一対の固定穴48を備える。固定部46は、背面34の下側部34Bに当接され、一対の固定穴48を介して、2本の螺子50が、下側部34Bに設けられた一対の螺子穴43に締結されることにより、保持用駒45が背面34の下側部34Bに固定される。なお、固定部46の厚さは、背面34の上側部34Aと下側部34Bの段差よりも薄いので、固定部46は、上側部34Aよりも外側には突出しない(図11参照)。
図8,図10に示すように、被固定面36の長手方向中央部よりもやや左寄りには、溝部40が設けられている。溝部40の位置は、転造ダイス3に設けられた基準溝20(図3,図4参照)の位置と対応する。溝部40は、ホルダ2の長手方向に直交する幅方向に沿った矩形状に形成されている。溝部40の内側には、基準駒80が挿入固定される(図9参照)。溝部40の底部の略中央には、基準駒80を固定する為の固定穴41(図10参照)が設けられている。
図13に示すように、基準駒80は、平面視略楕円形のブロック状に形成され、上面81、底面82、右側面83、左側面84、前側円弧面85、後側円弧面86を備える。基準駒80の左右方向の幅は、溝部40の左右方向の幅と同一又は若干短い。それ故、基準駒80は溝部40の内側に配置できる。上面81の略中央には、略円柱状の凸部95が垂直に立設されている。凸部95は、溝部40に設けられた固定穴41に圧入固定される。これにより、図14に示すように、溝部40の内側に、基準駒80が固定される。溝部40の内側に基準駒80が固定された状態では、基準駒80の下側は、ホルダ2の被固定面36から下方に突出する。
図8,図9に示すように、前面33の下端部の左右両側には、ホルダ側固定部52,53が夫々設けられている。ホルダ側固定部52,53の各位置は、上述のダイス側固定部22,23の各位置(図3参照)に夫々対応する。なお、ホルダ側固定部52,53は、互いに同一形状であるので、ホルダ側固定部52の形状のみ説明する。
図17に示すように、押え駒71は、円錐片部55(又は円面部75)の径方向に対して平行に延びる板状に形成され、貫通穴73と押え面74を備える。貫通穴73は、押え駒71の高さ方向の両面の略中央を貫通する。貫通穴73には、螺子72が挿入される。押え面74は、側面視略円弧状に形成され、円錐片部55と略当接する面である。押え面74の略中央には、貫通穴73の一端側の開口が形成されている。その開口の両側には、一対の傾斜面74Aが形成されている。一対の傾斜面74Aは、螺子72の挿入方向に対して、互いに離間する方向に夫々傾斜する。
作業者は、転造ダイス3を下向き(歯面16が下向き)で略水平にした状態で持ち上げ、上部滑り台101に取り付けられたホルダ2の被固定面36に対し、転造ダイス3の固定面15を対向させる(図2参照)。次いで、ホルダ2の被固定面36に対し、転造ダイス3の固定面15を当接させる(図18参照)。このとき、ホルダ2に設けられた3つの保持用駒45の夫々の係合部47に対し、転造ダイス3に設けられた溝部18を係合させる(図19,図20参照)。さらに、ホルダ2の溝部40から下方に突出する基準駒80に対し、転造ダイス3の固定面15に設けられた基準溝20を位置合わせし、該基準溝20の内側に基準駒80を挿入する(図18参照)。
次いで、作業者は、ホルダ2に対して転造ダイス3の左右方向の位置決めを行う為に、基準溝20の内側に挿入された基準駒80の挿入穴88からピン92を突出させる。図15に示すように、基準溝20の内側では、基準駒80の右側面83は、基準溝20の当接面20Bと対向し、基準駒80の左側面84は、基準溝20の基準面20Cと対向する。作業者は、基準駒80の螺子穴87からレンチ等の工具を挿入し、スクリュー螺子91の溝91Aに嵌めて一方向に回転させ、スクリュー螺子91を基準駒80の中心部に向かって移動させる。
最後に、作業者は、ホルダ2の前面33に設けられた2つの押え駒71(図18参照)の夫々の螺子72をレンチ等の工具で緩め、横方向に向けられた2つの押え駒71(図21参照)を縦方向に夫々回転させる(図23参照)。上記のように、円面部75及び逃げ溝76は、ホルダ2の前面33と、転造ダイス3の前面13とに跨るようにして形成される。よって、押え駒71を螺子72を中心に回転させることにより、押え駒71の押え面74に設けられた一対の傾斜面74A(図17参照)は、ホルダ側固定部52の円錐片部55の周面部55Aと、ダイス側固定部22の円錐片部25の周面部25Aとに、夫々当接できる。さらに、一対の傾斜面74Aの夫々の端部74B(図17参照)は、ホルダ側固定部52の溝片部56の内側と、ダイス側固定部22の溝片部26の内側とに、夫々配置されるので、押え駒71を良好に回転させることができる。
ホルダ2の背面34が本発明の「第二側面」に相当し、溝部18の傾斜面18Aが本発明の「第一傾斜部」に相当し、保持用駒45の係合部47の傾斜面47Aが本発明の「第二傾斜部」に相当し、ホルダ2の前面33が本発明の「第三側面」に相当し、転造ダイス3の前面13が本発明の「第四側面」に相当し、
押え駒71が本発明の「押え部」に相当し、基準駒80の左側面84が本発明の「駒側基準面」に相当し、基準駒80の右側面83が本発明の「対向面」に相当し、ピン92が本発明の「突起部」に相当し、スクリュー螺子91が本発明の「調節機構」に相当する。また、上部滑り台101に取り付けられる転造ダイスユニット1、下部滑り台102に取り付けられる転造ダイスユニット1は、夫々、本発明の「上部用転造ダイスユニット」、「下部用転造ダイスユニット」に相当する。
2 ホルダ
3 転造ダイス
13 前面
14 背面
15 固定面
18 溝部
18A 傾斜面
20 基準溝
20B 当接面
20C 基準面
33 前面
34 背面
36 被固定面
45 保持用駒
47 係合部
47A 傾斜面
71 押え駒
72 螺子
74 押え面
74B 端部
75 円面部
76 逃げ溝
80 基準駒
83 右側面
84 左側面
91 スクリュー螺子
92 ピン
100 転造盤
101 上部滑り台
102 下部滑り台
Claims (9)
- 転造盤に取り付け可能なホルダと、該ホルダに固定する転造ダイスとで構成される転造ダイスユニットであって、
前記転造ダイスは、
前記ホルダに固定する固定面と、
前記固定面に対して略直角に配置され、前記転造ダイスの長手方向に平行な両側面のうち一方の側面である第一側面と、
前記固定面の前記第一側面側の一端部に沿って設けられ、該一端部から前記第一側面とは反対側に屈曲して略V字状に形成された溝部と
を備え、
前記ホルダは、
前記転造ダイスの前記固定面が合わせられる被固定面と、
前記被固定面に、前記転造ダイスの前記固定面を合わせたときに、前記転造ダイスの前記第一側面と同じ側に位置する第二側面と、
前記第二側面の前記被固定面側の一端部から前記被固定面から離れる方向において、前記第二側面とは反対側に向かって斜めに突出し、前記溝部と係合可能な係合部と
を備えた
ことを特徴とする転造ダイスユニット。 - 前記溝部は、
前記固定面の前記一端部から前記第一側面とは反対側に鋭角に屈曲して傾斜する第一傾斜部を備え、
前記係合部は、
前記第二側面の前記一端部から前記被固定面から離れる方向において、前記第二側面とは反対側に向かって斜めに傾斜する第二傾斜部を備え、
前記転造ダイスの前記固定面を、前記ホルダの前記被固定面に合わせ、且つ前記溝部に前記係合部を係合させた状態では、少なくとも前記第一傾斜部と前記第二傾斜部とが互いに密着する
ことを特徴とする請求項1に記載の転造ダイスユニット。 - 前記ホルダの前記第二側面とは反対側の側面である第三側面と、
前記転造ダイスの前記第一側面とは反対側の側面であって、前記転造ダイスの前記固定面を、前記ホルダの前記被固定面に合わせ、且つ前記溝部に前記係合部を係合させたときに、前記第三側面と面一に配置される第四側面と、
前記第三側面と前記第四側面とに跨る位置に、略半球状又は略円錐状に外方に突出して設けられ、且つ自身の中心部が前記第三側面に位置する円面部と、
前記中心部に設けられた螺子穴と、
前記螺子穴に締結される螺子と、
前記螺子を中心に回転可能で、且つ前記円面部の径方向に対して平行に延びる板状に形成され、前記螺子の締結によって前記円面部に密着して付勢される押え面を有する押え部と
を備え、
前記押え部を回転して前記被固定面に対して略平行に向けた状態では、前記押え部は、前記円面部において前記第三側面側に位置する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の転造ダイスユニット。 - 前記円面部の外縁部に沿って逃げ溝が設けられ、
前記逃げ溝の内側に、前記押え面の長手方向両端部が夫々配置される
ことを特徴とする請求項3に記載の転造ダイスユニット。 - 前記転造ダイスの前記固定面に設けられ、前記転造ダイスの前記長手方向に直交する幅方向に設けられ、該幅方向に互いに離間する一対の内面の間に形成される基準溝と、
前記ホルダの前記被固定面における前記基準溝に対応する位置に突設され、前記基準溝に挿入可能な基準駒と
を備え、
前記基準駒は、
前記基準溝の前記一対の内面のうち一方の内面であって、前記ホルダの長手方向における前記転造ダイスの基準位置となる基準面と接触可能な駒側基準面と、
前記駒側基準面とは反対側の面であって、前記一対の内面のうち他方の内面との間に隙間を持って対向する対向面と、
前記対向面から前記基準駒の前記他方の内面に向かう方向に進退自在に設けられた突起部と、
前記突起部の進退位置を調節する調節機構と
を備えた
ことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の転造ダイスユニット。 - 前記転造ダイスユニットは、横型転造盤に用いられるものであることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の転造ダイスユニット。
- 横型転造盤において加工物の上側に配置される上部滑り台に取り付けられる上部用転造ダイスユニットと、前記加工物の下側に配置される下部滑り台に取り付けられる下部用転造ダイスユニットとで構成される転造ダイスセットであって、
前記上部用転造ダイスユニット及び前記下部用転造ダイスユニットは、請求項1から6の何れかに記載の転造ダイスユニットである
ことを特徴とする転造ダイスセット。 - 請求項1に記載の転造ダイスユニットに用いられる転造ダイスであって、
前記ホルダに固定する固定面と、
前記固定面に対して略直角に配置され、前記転造ダイスの長手方向に平行な両側面のうち一方の側面である第一側面と、
前記固定面の前記第一側面側の一端部に沿って設けられ、該一端部から前記第一側面とは反対側に屈曲して略V字状に形成された溝部と
を備えた
ことを特徴とする転造ダイス。 - 請求項1に記載の転造ダイスユニットに用いられるホルダであって、
前記転造ダイスの前記固定面が合わせられる被固定面と、
前記被固定面に、前記転造ダイスの前記固定面を合わせたときに、前記転造ダイスの前記第一側面と同じ側に位置する第二側面と、
前記第二側面の前記被固定面側の一端部から前記被固定面から離れる方向において、前記第二側面とは反対側に向かって斜めに突出し、前記溝部と係合可能な係合部と
を備えた
ことを特徴とするホルダ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014151293A JP6349185B2 (ja) | 2014-07-25 | 2014-07-25 | 転造ダイスユニット、転造ダイスセット、転造ダイス、及びホルダ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2014151293A JP6349185B2 (ja) | 2014-07-25 | 2014-07-25 | 転造ダイスユニット、転造ダイスセット、転造ダイス、及びホルダ |
Publications (2)
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JP2016022535A JP2016022535A (ja) | 2016-02-08 |
JP6349185B2 true JP6349185B2 (ja) | 2018-06-27 |
Family
ID=55269791
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014151293A Active JP6349185B2 (ja) | 2014-07-25 | 2014-07-25 | 転造ダイスユニット、転造ダイスセット、転造ダイス、及びホルダ |
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2014
- 2014-07-25 JP JP2014151293A patent/JP6349185B2/ja active Active
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