JP6348905B2 - 酸化された硫黄含有炭化水素の硫黄含量の低減方法 - Google Patents

酸化された硫黄含有炭化水素の硫黄含量の低減方法

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Description

本発明は、例えば硫黄含有炭化水素の酸化的脱硫によって生じ、酸化された硫黄含有炭化水素化合物の硫黄含量の低減方法に関する。
原油は、燃料および石油化学原料として使用される炭化水素の世界的な原料である。天然の石油または原油の組成が有意に異なる一方で、全ての原油は硫黄化合物を含有しており、ほとんどの原油は酸素も含有してよい窒素化合物を含有する(ほとんどの原油の酸素含量は低い)。一般に、原油中の硫黄濃度は約5%未満であり、ほとんどの原油は約0.5%〜約1.5%の範囲の硫黄濃度を有する。窒素濃度は通常0.2%未満であるが、1.6%に達することもある。
輸送燃料および石油化学原料を製造するため、原油は精製される。典型的には、輸送燃料は、特定の最終用途規格を満たすために原油からの留分を加工および混合することによって製造される。今日大量に入手可能な原油のほとんどは、高い硫黄含量を有するので、性能規格および/または環境基準を満たす製品を生成するためには、そのような留分を脱硫しなければならない。
硫黄含有サワー原油由来の石油生成物を加工および最終使用する際に硫黄化合物が大気中に放出されると、健康および環境の問題が起こる。硫黄化合物は、燃焼処理過程で硫黄酸化物に転化され、硫黄酸素酸を生じ、粒状物排出に寄与する。
酸素化燃料混合化合物、および炭素−炭素化学結合を少ししかまたは全く含まない化合物、例えば、メタノールおよびジメチルエーテルは、煙およびエンジン排気ガスを低減することが知られている。しかしながら、そのような化合物のほとんどは、高い蒸気圧を有し、および/またはディーゼル燃料にほとんど不溶であり、セタン価によって示されるように不十分な発火性を有する。例えば、硫黄含量および芳香族化合物含量を低減させるための化学的な水素化処理および水素化による精製ディーゼル燃料は、燃料潤滑性を低減させる。潤滑性の低いディーゼル燃料は、高圧下で燃料と接触する燃料ポンプ、噴射機および他の可動部分の過度の摩耗を引き起こすことがある。中間留分、即ち180〜370℃の範囲の公称沸点を有する留分は、圧縮点火内燃エンジン(ディーゼルエンジン)において使用するための燃料または燃料混合成分に使用される。それらは通常、約1〜3重量%の硫黄を含有する。中間留分の規格は、欧州および米国において1993年に3000ppmw(part per million weight)濃度から5〜50ppmw濃度に低減された。
極めて低い硫黄含量を有する燃料に対するこれらの規制に従うためには、精製装置ゲートで混合した後に厳しい規格が満たされるように、精製業者は、燃料が精製装置ゲートでいっそうより低い硫黄濃度を有するようにしなければならない。精製業者は、既存の装置を用いる多くの場合に最低限の更なる設備投資で今後の規格を確実に満たす柔軟性をもたらす処理または原油の中から選択しなければならない。水素化分解法および二段階水素化処理法のような従来技術は、無公害輸送燃料を製造するための解決法を精製業者に提供している。新しい製造設備を建設するとき、これらの技術は利用可能であり採用することができる。しかしながら、多くの既存の水素化処理設備、例えば比較的低い圧力で水素化処理する装置は、かなりの先行投資に相当し、より厳しい硫黄低減要求が制定される前に建設されている。無公害燃料製品を得るための同程度により厳しい運転要件(即ち、より高い温度および圧力)の故に、これらの設備における既存の水素化処理反応器を改良することは極めて困難である。精製業者が利用できる改良の選択肢は、再循環ガスの品質向上による水素分圧の上昇、より活性な触媒組成物の使用、液−固接触を増大するための改良反応器要素の導入、反応器容量の増大、および原料油の品質向上を包含する。
500〜3000ppmwの硫黄を含有する輸送燃料を製造する水素化処理装置は、世界中に多数設置されている。これらの装置は、比較的穏やかな条件(例えば、180℃〜370℃の沸点を有する直留軽油に対して30kg/cmの低い水素分圧)のために設計され、そのような条件で運転される。
上記輸送燃料における環境に配慮したより厳しい硫黄規格がますます普及するにつれて、最大許容硫黄濃度は15ppmw以下、場合により10ppmw以下に低減されている。最終製品においてこの超低濃度硫黄を達成するには、典型的には、新たな高圧水素化処理設備の建設か、或いは例えば、ガス精製システムの組み込み、反応器の内部構造および要素の設計し直し、および/またはより活性な触媒組成物の使用による、既存設備の相当な改良が必要とされる。
硫黄化合物は、擬一次反応速度定数によって表される水素化脱硫反応性に従って4つのグループに分類することができる。例えば、X. Maら、Ind. Eng. Chem., 1994, 33, 218;X. Maら、Ind. Eng. Chem. Res., 1995, 34, 748を参照されたい。これらのグループは以下である。
Figure 0006348905
第一グループは、主にアルキルベンゾチオフェン(BT)であり、第二グループは、ジベンゾチオフェン(DBT)、並びに4位および6位にアルキル置換基を有さないアルキルDBTであり、第三グループは、4位または6位に1個だけのアルキル置換基を有するアルキルDBTであり、第四グループは、4位および6位にアルキル置換基を有するアルキルDBTである。4グループそれぞれについての相対的水素化脱硫速度定数は、36、8、3および1である。
総硫黄含量が500ppmwに低減されるとき、水素化処理流出物に残留している主な硫黄化合物は第三および第四グループの化合物である。総硫黄含量が30ppmwに低減されるとき、残留している硫黄化合物は第四グループの硫黄化合物のみであって、これは、硫黄含量がより低い有機硫黄化合物は、より低い水素化脱硫反応性を有することを示している。D.D. Whitehurstら、Catalysis Today, 1998, 45, 299を参照されたい。
従って、第三および第四グループの化合物は、処理しにくい硫黄化合物と称されている。立体障害因子および電子密度因子の両方が、水素化脱硫法において4位および6位アルキル置換DBTの低い反応性に寄与している。X. Maら、(1995);M. Daageら、J. Catal., 1994, 194, 414を参照されたい。
従って、処理しにくい硫黄含有化合物を経済的に除去することは非常に困難であり、現在の技術を用いて超低硫黄濃度になるまで炭化水素燃料中の硫黄含有化合物を除去するためには多くの費用がかかる。かつての規制によって500ppmwまで硫黄濃度が許容されていたときは、従来の水素化脱硫法の能力を超えて脱硫する必要性または動機付けはほとんど存在せず、従って、処理しにくい硫黄含有化合物は対象とされていなかった。しかしながら、より厳しい硫黄規格を満足するためには、実質的には、処理しにくい硫黄含有化合物を、炭化水素燃料流から除去しなければならない。
常套の触媒水素化脱硫と比べて、酸化的脱硫(ODS)は、穏やかな条件下(即ち、比較的低い温度および大気圧の下)で行うことができる。ODSでは典型的には、酸化触媒に加えて酸化剤、例えば、過酸化水素、有機過酸化物、過酸、オゾン、空気および酸素を使用する。酸化過程で、処理しにくい硫黄化合物(縮環チオフェン)の二価硫黄原子は、酸素原子の求電子付加反応によって酸化され、スルホンの六価硫黄を生成する。スルホンの化学的性質および物理的性質は、燃料油中の炭化水素の化学的性質および物理的性質とかなり異なる。従って、スルホンは、濾過、溶媒抽出および吸着のような従来の分離法によって除去することができる。1100ppmから40ppmwに輸送燃料中の硫黄を低減させることが知られている効果的ODS法が、Al-Shahraniら、WO/2007/103440、およびAl-Shahraniら、Applied Catalysis B, 第73巻、第3〜4号、第311頁(2007)に記載されている。ODSは、輸送燃料を深度脱硫するために、水素化脱硫に代わるまたは水素化脱硫を補う見込みある方法と考えられる。
燃料油中の一般的な硫化物およびそのスルホンの組成を、表1に示す。
Figure 0006348905
ディーゼル燃料のODSにより生成されるスルホンは、原油産地および他の因子に基づいて異なる複雑な混合物であって、複数アルキル置換DBTスルホン、例えば、4−MDBTスルホン、4,6−DMDBTスルホン、1,4−DMDBTスルホン、1,3−DMDBTスルホン、トリMDBTスルホン、トリEDBTスルホンおよびC3DBTスルホンと同時にDBTスルホンを含む。ODS処理スルホン中に見られる、あるスルホンの構造を以下に示す。
Figure 0006348905
脱硫生成物が燃料油に残留し、有機硫黄が生成物(即ち燃料油混合物)から放出されるガス状HSに転化される水素化脱硫とは違って、ODSによって生成されるスルホン含有酸化生成物(まとめて「酸化された硫黄含有炭化水素」または「酸化された硫黄含有炭化水素化合物」と称する)は、炭化水素混合物中に残留し、生成物から分離されなければならない。酸化的脱硫によって生成された酸化硫黄化合物を処理するための様々な試みがなされている。そのための技術は、一般的な抽出、蒸留および/または吸着、ディレードコーキング、FCC、ガス化および溶剤脱アスファルトを包含する一般的な精製法における転化を含む。
US 6,277,271には、炭化水素系油の脱硫方法であって、炭化水素系油および酸化硫黄化合物含有再循環流からなる流れを水素化脱硫反応ゾーンにおいて水素化脱硫触媒と接触させて低濃度硫黄を実現する方法が開示されており、同文献を参照してここに組み込む。次いで、得られた炭化水素系流全体を酸化反応ゾーンにおいて酸化剤と接触させ、残留硫黄化合物を酸化硫黄化合物に転化させる。残留酸化剤の分解後、酸化硫黄化合物を取り出し、酸化硫黄化合物を含有する流れと、低減された酸化硫黄化合物濃度を有する炭化水素系油の流れとを生成する。工程からの炭化水素の回収を増やすために、酸化硫黄化合物の少なくとも一部を水素化脱硫反応ゾーンに戻して再循環させる。しかしながら、生成されたスルホン化合物の一部は初期硫黄化合物に戻って低減され、硫黄処理問題はなお完全には解決されない。
US 6,087,544には、留出供給流より低い硫黄濃度を有する留出燃料の製造方法が開示されており、同文献を参照してここに組み込む。留出供給流はまず、約50〜100ppmwの硫黄しか含有しない軽質留分と、重質留分とに分けられる。次いで、軽質留分は、その中に含まれている硫黄の実質的に全てを除去するために水素化脱硫反応ゾーンに送られる。最後に、脱硫軽質留分を重質留分の半分と混合し、低硫黄留出燃料を生成する。しかしながら、低硫黄留出燃料製品を得るために、全ての留出供給流が回収されるわけではない。
US 6,171,478には、低い硫黄濃度まで硫黄濃度を低減するために、炭化水素系原料油をまず水素化脱硫反応ゾーンにおいて水素化脱硫触媒と接触させる、統合された方法が開示されており、同文献を参照してここに組み込む。次いで、得られた炭化水素系流の全てを、酸化剤を含む酸化ゾーンに送り、穏やかな条件下で残留硫黄を酸化硫黄化合物に転化させる。残留酸化剤の分解後、溶媒を用いて、生じた酸化硫黄化合物を抽出し、酸化硫黄化合物含有流れと、低減された酸化硫黄化合物濃度を有する炭化水素系油流れとを得る。低減された酸化硫黄化合物濃度を有する炭化水素系油流れについて、硫黄の濃度を超低濃度にするために、最終の吸着工程を行う。
WO 2002/18518では、水素化処理装置の下流に二段階脱硫工程が配置されており、同文献を参照してここに組み込む。水素化脱硫反応ゾーンにおける水素化処理の後、留出供給流の全てを酸化反応ゾーンに送り、含水ギ酸に基づく過酸化水素二相酸化を行って、チオフェン系硫黄化合物を対応する酸化化合物(即ちスルホン)に転化させる。スルホンの一部は、酸化反応の際に酸化水溶液中に混入し、続く相分離工程で更に分離される。残留スルホンを含有する油相は、最後に、液−液抽出工程に付される。スルホンの結末については記載されていない。
WO 2003/014266には、炭化水素流からの硫黄の除去方法が開示されており、同文献を参照してここに組み込む。硫黄化合物含有炭化水素流は酸化反応ゾーンに送られ、有機硫黄化合物は、水溶性酸化剤を用いて、対応するスルホンに酸化される。炭化水素相からの水溶性酸化剤の分離後、得られた炭化水素流は水素化脱硫工程に送られる。得られた炭化水素中の硫黄は、かなり低減される。
WO 2006/071793には、輸送燃料または輸送燃料用混合成分を製造するための、留出原料油の硫黄含量および/または窒素含量の低減方法が開示されており、同文献を参照してここに組み込む。水素化処理原料油を、酸化/吸着ゾーンにおいて酸素含有ガスおよびチタン含有メソポーラス酸化触媒と接触させ、硫黄化合物を対応するスルホンに転化させ、スルホンを触媒に吸着させる。スルホンの結末については記載されていない。
US 2005/0150819 A1には、炭化水素流中に見られる硫黄化合物の除去方法が開示されており、同文献を参照してここに組み込む。硫黄化合物は、まず、アンモニウム錯体を用いた錯化、吸着または抽出によって濃度を高めるための濃化ゾーンに送られ、次いで、硫黄低減石油原料油から分離される。続いて、担持触媒の存在下、空気または酸素を用いて気相において分離硫黄化合物を、有用な酸化生成物および硫黄低減炭化水素に選択的に酸化する。
US 6,368,495には、液状炭化水素から有機硫黄化合物を除去するのに有効な方法が開示されており、同文献を参照してここに組み込む。この方法は、より具体的には、ガソリン、ディーゼル燃料および灯油を包含する多くの石油留分からチオフェンおよびチオフェン誘導体を除去することに関する。方法の第一工程では、チオフェン化合物の少なくとも一部をスルホンに酸化するために、液状炭化水素を酸化条件に付す。次いで、このスルホンを、触媒により、炭化水素(例えば、ヒドロキシビフェニル)および揮発性硫黄化合物(例えば二酸化硫黄)に分解することができる。炭化水素分解生成物が、有用な混合成分として処理液中に残留する一方で、揮発性硫黄化合物は、フラッシュ蒸発または蒸留のようなよく知られている技術を用いて処理液から分離される。
他のスルホン転化技術は、US 2012/0055849、US 2012/0055845、US 2012/0055844、US 2012/0055843に開示されているものを包含し、これらの文献を参照してここに組み込む。これらの文献はそれぞれ、ガス化、ディレードコーキング、流動式接触分解(FCC)および溶剤脱アスファルトによるスルホン転化を開示している。また、US 2013/0015104には、超電子供与体によるスルホン分解が開示されており、同文献を参照してここに組み込む。
超低硫黄濃度を有する炭化水素燃料に対する需要がますます高まるにつれて、生成物収量が最大であると同時に効率的かつ効果的な脱硫方法および脱硫装置に対する要求が存在する。
WO/2007/103440 US 6,277,271 US 6,087,544 US 6,171,478 WO 2002/18518 WO 2003/014266 WO 2006/071793 US 2005/0150819 A1 US 6,368,495 US 2012/0055849 US 2012/0055845 US 2012/0055844 US 2012/0055843 US 2013/0015104
Al-Shahraniら、Applied Catalysis B, 第73巻、第3〜4号、第311頁(2007)
従って、本発明の目的は、炭化水素の損失を最小限に抑えると同時に、液状炭化水素と酸化された硫黄含有炭化水素化合物との混合物の酸化硫黄化合物濃度を効果的に低減することである。
1つ以上の態様では、本発明は、炭化水素生成物の損失を最小限に抑えると同時に、炭化水素と酸化された硫黄含有炭化水素化合物との混合物の硫黄含量を低減するシステムおよび方法であって、酸化された硫黄含有炭化水素化合物が上流の酸化的脱硫工程によって生成され得る方法に関する。
1つの態様では、炭化水素と酸化された硫黄含有炭化水素化合物との混合物の硫黄含量の低減方法が提供される。電極対の印加電位を用いて、酸化された硫黄含有炭化水素化合物を含有するこの混合物またはその一部を、電気化学的分解工程に付す。酸化された硫黄含有炭化水素化合物の一部の分解を促進するのに有効な電解質溶液の存在下、電気化学反応が行われる。従って、炭化水素化合物の損失が最小限に抑えられると同時に、低減された硫黄含量を有する炭化水素生成物が回収される。
これらの例示的な態様の別の態様および利点を、後に詳細に説明する。また、先の情報および以下の詳細な説明はいずれも、様々な態様を説明するための例示にすぎず、特許請求されている態様の本質および特徴を理解するために概説または構成を提供することを意図したものであることは理解されるであろう。添付の図面は、様々な態様を説明し、更なる理解を提供するために添付されており、本明細書に含まれ、その一部を構成している。図面およびそれ以外の明細書は、説明および特許請求されている態様の本質および実施を説明している。
先の概要および以下の本発明の好ましい態様の詳細な説明は、添付図面を参照して読めば最もよく理解できるであろう。本発明を説明するため、図面に、好ましい態様を示す。しかしながら、本発明は、図示されている正確な配置および装置に制限されるわけではないことを理解すべきである。図面では、同じまたは類似した要素を示す場合は、同じまたは類似した数字を使用している。
図1は、酸化的脱硫により生じた、酸化された硫黄含有炭化水素化合物を除去するための、統合された脱硫システムおよび方法のプロセスフロー概略図である。 図2は、酸化的脱硫により生じた、酸化された硫黄含有炭化水素化合物を除去するための、統合された脱硫システムおよび方法の別の態様のプロセスフロー概略図である。
本発明の方法は、典型的には液状炭化水素の酸化的脱硫から得られた、液状炭化水素と酸化された硫黄含有炭化水素との混合物の、酸化された硫黄含有炭化水素化合物濃度の低減方法に関する。一般に、酸化された硫黄含有炭化水素を電解質組成物と混合し、酸化的脱硫工程からの中間生成物を分解するのに有効な条件下で印加電位に付す。
図1は、炭化水素原料油の酸化的脱硫、およびスルホンを包含する酸化された硫黄含有炭化水素中間生成物の電気化学的分解を実施するための統合システム8のプロセスフロー概略図である。装置8は一般に、硫黄含有炭化水素を酸化された硫黄含有炭化水素に転化するための酸化的脱硫ゾーン10、酸化された硫黄含有炭化水素を分解するための電気化学反応ゾーン40、および炭化水素生成物を回収し、酸化された硫黄含有炭化水素由来の硫黄化合物と電解質とを除去するための分離ゾーン60を含む。
酸化的脱硫ゾーン10は一般に、脱硫される炭化水素原料油12を受ける原料油入口、酸化剤14および酸化触媒16を受けるための1つ以上の入口、および脱硫炭化水素と酸化された硫黄含有炭化水素化合物との混合物18を吐出するための酸化流出物出口を含む。酸化的脱硫ゾーン10に導入される酸化剤および触媒について別個の流れが示されているが、これらの流れは、酸化的脱硫ゾーン10への単一流として混合でき、および/または酸化的脱硫ゾーン10への導入前に原料油12と混合できることを当業者は理解するであろう。
電気化学反応ゾーン40は一般に、酸化された硫黄含有炭化水素18(直接、または後に記載する脱硫炭化水素を回収するための任意の中間工程の後)と電解質溶液36との混合物34の供給源と流体連結している入口、および脱硫炭化水素、電解質および硫黄化合物を含有する中間炭化水素混合物46を吐出するための出口を含む。
分離ゾーン60は一般に、中間炭化水素生成物46を反応させるための電気化学反応ゾーン40と流体連結している入口、電解質溶液と硫黄副生物との混合物54を吐出するための出口、および脱硫炭化水素生成物52を回収するための出口を含む。ある態様では、電解質溶液は、水および硫黄副生物の除去後に流れ54から再循環され得る(図には示していない)。
図1に示したシステム8を用いて行われる統合された方法では、有効量の酸化剤および酸化触媒と一緒に炭化水素原料油12が、酸化的脱硫反応(即ち、硫黄含有炭化水素化合物の、スルホンおよびスルホキシドを包含する酸化物への転化)を促進する条件下で稼働する酸化的脱硫ゾーン10に導入される。ある態様では、酸化剤、酸化触媒および/または稼働条件は、スルホン生成を促進するために調整される。
酸化的脱硫ゾーン10の流出物である、脱硫炭化水素と酸化された硫黄含有炭化水素化合物とを含有する混合物18は吐出され、供給された電解質溶液36と混合され、得られた混合物34は電気化学反応ゾーン40に送られる。ある態様では、脱硫炭化水素生成物26を回収し、流れ22中の酸化された硫黄含有炭化水素化合物を濃化するために、混合物18を抽出装置20において抽出に付し、電解質溶液36と混合する。
酸化的脱硫に付される炭化水素流は、天然起源化石燃料、例えば、原油、シェール油、石炭液化油、中間精製生成物またはその留分、例えば、ナフサ、軽油、真空軽油、減圧残油またはその組み合わせに由来してよい。適当な原料油は、約150℃〜約1500℃の範囲の沸点を特徴としてよいが、他の特定の炭化水素流が先に記載したシステムおよび方法に有効であり得ることは、当業者には理解されるであろう。
酸化的脱硫ゾーンにおいて酸化に付される炭化水素原料油流は、水素化脱硫ゾーンからの流出物であってもよい。そのような場合、酸化生成物不含有分(例えば、約320〜360℃の範囲の留分境界点より低い沸点留分)を除去するために、酸化的脱硫ゾーンからの酸化流出物を分留することができ、それにより電気化学反応器の必要とされる処理能(flow capacity)を低下させることができる。そのようなシステムでは、例えば穏やかな条件下(例えば、20〜40kg/cm水素分圧、300〜360℃および1〜8h−1の液体時空間速度)、水素化脱硫反応ゾーンにおいて原料油を水素化脱硫触媒と接触させて、比較的低い濃度(例えば500〜3000ppmw)に硫黄濃度を低減させることができる。次いで、水素化処理した原料油を、穏やかな条件下、酸化反応ゾーンにおいて酸化剤および触媒と接触させて、硫黄含有炭化水素を酸化生成物に転化させる。
酸化的脱硫の際に使用するための酸化剤は、アルキルまたはアリールヒドロペルオキシドおよびジアルキルおよびジアリールペルオキシド(ここで、それぞれのジアルキルおよびジアリールペルオキシドのアルキルおよびアリール基は同じまたは異なる)からなる群から選択される有機過酸化物および液状過酸化水素から選択される。有効量の酸化剤を使用するが、これは選択した化合物によって異なる。有機硫黄化合物をその酸化硫黄化合物にそれぞれ効果的に酸化するためには、例えば、過酸化水素と硫黄とのモル比は、典型的には少なくとも4:1である。特定の態様では、酸化剤の量は、それぞれの酸化硫黄化合物が主にスルホンとなるように選択される。特定の態様では、ガス状酸化剤、例えば、空気、酸素または亜酸化窒素を使用することもできる。
酸化触媒は、均一系遷移金属触媒、Mo(VI)、W(VI)、V(V)、Ti(IV)の活性種、または高いルイス酸性および弱い酸化電位を有するそれらの組み合わせであってよい。均一系触媒については、金属塩は、水溶液に溶解され、触媒として溶液中反応体混合物に添加される。
液状酸化剤を使用する態様では、酸化的脱硫ゾーン10は、大気圧下、約80〜140℃(ある態様では80〜100℃)の範囲の温度で稼働してよい。ガス状酸化剤を使用する態様では、酸化的脱硫ゾーン10は、約10〜100kg/cm(ある態様では約10〜50kg/cm、別の態様では約10〜30kg/cm)の範囲の圧力下、約250〜350℃の範囲の温度で稼働してよい。
電気化学反応器40は、酸化された硫黄含有炭化水素の電気化学的分解を促進する適当な構成であってよい。例えば図1は、直流電源が適用された(これは図には示されていない)陽極42および1つ以上の陰極44を含む電気化学反応器40の概略図を示す。酸化された硫黄含有炭化水素の硫黄不含有炭化水素および硫黄副生物への分解をもたらす反応が促進されるように、反応器40および電極42、44の設計により、酸化された硫黄含有炭化水素と電解質溶液とを含有する流れ34からの移動溶液と、電極表面とを密接に接触させる。理論に拘束するつもりはないが、酸化された硫黄含有炭化水素中の硫黄化合物が、分離ゾーン60において除去される塩を生成すると考えられる。
一般に、電気化学セル反応器40の陰極44は、白金、ステンレス鋼およびグラファイトからなる群から選択される材料から形成される。電気化学セル反応器40の陽極42は、白金、ステンレス鋼、ニッケルおよびグラファイトからなる群から選択される適当な材料から形成される。陰極および陽極は、電極間に電流を適用する適当な電源に接続されている。電気化学反応器の全セル電位は約1.0〜約2.5V(Ag/AgCl参照電極に対して測定)であってよい。
電気化学反応器は、約20℃〜約350℃の反応温度、約3kg/cm〜約30kg/cmの反応圧力、および約0.05h−1〜約4.0−1の液体時空間速度で稼働してよい。
酸化された硫黄含有炭化水素は、電気化学反応器において、印加電位下、電解質および溶媒を含有する電解質溶液の存在下、脱硫炭化水素および硫黄化合物に転化され、硫黄化合物は水相に存在し、分離ゾーン60において除去される。この工程に有用な有機溶媒は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ニトロベンゼン、ベンゾニトリル、N−ホルミルモルホリン、スルホランおよび前記溶媒の少なくとも1つを含有する混合物からなる群から選択してよい。溶媒は、化学的な種類、極性、有効性および安定性によって異なり、当業者は容易に、所定の原料油流および硫黄規格に対して溶媒の有効かつ効果的な溶媒比を設定することができる。
この工程に効果的な適当な電解質は、例えば、過塩素酸テトラエチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラエチルアンモニウムパラトルエンスルホネート、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、および前記塩の少なくとも1つを含有する混合物からなる群から選択されるテトラアルキルアンモニウム塩を包含する。これらの電解質は、有効な濃度で存在し、その濃度は、選択した溶媒における選択した電解質の溶解性に基づいて測定される。一般に、電解質は、少なくとも約0.05モル、ある態様では少なくとも約0.1モル、別の態様では少なくとも約0.5モルの濃度まで有機溶媒に溶解できる。
硫黄化合物の酸化物の電気化学的分解反応のために必要とされる触媒はない。
電気化学反応流出物46は、分離ゾーン60において分離される。塩形態の電解質成分および硫黄化合物を除去するために、水62を反応流出物に添加する。分離ゾーン60は一般に相分離器として稼働し、そこでは、水相54が電解質塩および分解された硫黄副生物を含み、油相52が脱硫炭化水素生成物および少量の溶媒または電解質溶液を含む。
図2は、スルホン分解のための電気化学反応の前に脱硫生成物を回収するための抽出ゾーン120、および酸化的脱硫工程において水相で使用した均質系触媒に由来する塩水溶液を除去するための分離ゾーン130を有する、図1と同様の方法を示す。図2に示されているシステム108を用いて行われる統合された方法では、有効量の酸化剤114および水相均質系酸化触媒116と一緒に炭化水素原料油112が、酸化的脱硫ゾーン110に導入される。酸化的脱硫ゾーン110の流出物である、脱硫炭化水素、酸化された硫黄含有炭化水素化合物および水相を含有する混合物132は、水相134を除去して、非水性油相118である、脱硫炭化水素および酸化された硫黄含有炭化水素化合物を含有する混合物を回収するための分離器130に送られる。
非水性酸化流出物118は、抽出容器120に供給され、そこで、再循環された抽出溶媒174と追加された抽出溶媒172との流れと接触する。抽出溶媒は、極性溶媒であってよく、ある態様では、約19より大きいヒルデブランド溶解度を有してよい。ある態様では、酸化硫黄および窒素含有種の抽出に使用するために特定の極性溶媒を選択する場合、選択は、溶媒の密度、沸点、凝固点、粘度および表面張力にある程度基づいてよい。抽出工程で使用するのに適した極性溶媒の例は、アセトン(ヒルデブランド溶解度19.7)、二硫化炭素(20.5)、ピリジン(21.7)、ジメチルスルホキシド(DMSO)(26.4)、n−プロパノール(24.9)、エタノール(26.2)、n−ブチルアルコール(28.7)、プロピレングリコール(30.7)、エチレングリコール(34.9)、ジメチルホルムアミド(DMF)(24.7)、アセトニトリル(30)、メタノール(29.7)などを包含し得る。ある態様では、アセトニトリルおよびメタノールが、その低コスト、揮発性および極性の故に好ましい。ある態様では、硫黄、窒素またはリンを含む溶媒は、炭化水素原料油から溶媒が確実に十分ストリッピングされるために、好ましくは比較的高い揮発性を有する。抽出ゾーン120は、約20℃〜60℃、ある態様では約25℃〜45℃、別の態様では約25℃〜35℃の温度で稼働してよい。抽出ゾーン120は、約1〜10bar、ある態様では約1〜5bar、別の態様では約1〜2barの圧力で稼働してよい。ある態様では、抽出ゾーン120は、約2〜6barの圧力で稼働する。抽出溶媒と非水性酸化流出物118との比は、約1:3〜3:1、ある態様では約1:2〜2:1、別の態様では約1:1であってよい。抽出溶媒と非水性酸化流出物118との接触時間は、約1秒〜60分、ある態様では約15分未満であってよい。ある態様では、抽出ゾーン120は、抽出溶媒と非水性酸化流出物118との接触時間を増やすため、または2つの溶媒の混合の程度を高めるための様々な手段を含む。混合のための手段は、機械的撹拌機、撹拌機、トレイなどを包含してよい。
脱硫炭化水素生成物126、およびスルホンとスルホキシドとの流れ122は、抽出ゾーン120で生成される。脱硫炭化水素生成物126が回収される一方で、スルホンとスルホキシドとの流れ122は電解質溶液136と混合され、この混合物は電気化学反応ゾーン140に送られる。図1に関して記載したように、酸化された硫黄含有炭化水素は、電気化学反応器において、印加電位下、電解質および溶媒を含有する電解質溶液の存在下、脱硫炭化水素および硫黄化合物に転化され、硫黄化合物は水相に存在する。
電気化学反応ゾーン140においてスルホン分解が完了すると、脱硫流出物146は、そこから流出し、水流162と混合され、塩流を含む反応副生物を除去するために分離ゾーン160に送られ、電解質と硫黄副生物とを含む水/塩流れ154が生成される。回収脱硫炭化水素流152は回収される。
別の態様では、更なる脱硫のために、吸着ゾーン(図には示されていない)を、脱硫炭化水素126および/または152と流体連結して組み込んでよい。吸着剤の例は、活性炭、シリカゲル、アルミナ、自然粘度および他の無機吸着剤を包含してよい。吸着剤は、シリカゲル、活性炭およびアルミナに適用された極性ポリマーを含んでもよい。吸着ゾーンは、所望の最終脱硫度に達するのに有効な温度範囲および圧力範囲、吸着剤と油との比で稼働する塔であってよい。
従って、本明細書には、炭化水素の損失を最小限に抑える一方で、効果的かつコスト効率よく炭化水素燃料の硫黄含量を低減させることができるシステムおよび方法を記載する。本発明の方法に従った炭化水素燃料の深度脱硫は、効果的に、酸化的脱硫とスルホン電気化学的分解とを組み合わせて統合された装置および方法の使用を最適化する。本発明のシステムおよび方法を用いるとき、精製業者は、酸化的脱硫を硫黄除去スキームに組み込むことができ、既存の水素化脱硫装置を使用でき、比較的穏やかな稼働条件で稼働させることができる。それによって、有機硫黄化合物の一部が硫黄不含有炭化水素および分離可能な硫黄副生物に転化されるので、炭化水素燃料は超低濃度に経済的に脱硫され、炭化水素生成物の回収率は最大となり得る。
実施例
500ppmwの元素硫黄、0.28重量%の有機硫黄を含有し、0.85kg/Lの密度を有する水素化処理した直留ディーゼルを、下記反応条件下、酸化的脱硫に付した。酸化剤(過酸化水素)と硫黄とのモル比4:1、酸化触媒Mo(IV)、反応時間30分、反応温度80℃、反応圧力1kg/cm
以下の物質収支の表には、図2のプロセスフロー概略図に対応する流れの符号が記載されており、電気化学反応ゾーンへの非反応性成分、電解質および溶媒は含まれていない。
Figure 0006348905
Figure 0006348905
Figure 0006348905
上記記載および添付図面において、本発明の方法およびシステムを説明してきたが、当業者には、それらの変更は明らかであろう。本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に規定されている。
8 システム
10 酸化的脱硫ゾーン
12 炭化水素原料油
14 酸化剤
16 酸化触媒
18 酸化された硫黄含有炭化水素
20 抽出装置
22 流れ
26 脱硫炭化水素生成物
34 酸化された硫黄含有炭化水素と電解質溶液とを含有する流れ
36 電解質溶液
40 電気化学反応ゾーン
42 陽極
44 陰極
52 脱硫炭化水素生成物
54 電解質溶液と硫黄副生物との混合物
60 分離ゾーン
62 水
108 システム
110 酸化的脱硫ゾーン
112 炭化水素原料油
114 酸化剤
116 水相均質系酸化触媒
118 非水性油相
120 抽出ゾーン
122 スルホンとスルホキシドとの流れ
126 脱硫炭化水素生成物
130 分離ゾーン
132 脱硫炭化水素、酸化された硫黄含有炭化水素化合物および水相を含有する混合物
134 水相
136 電解質溶液
140 電気化学反応ゾーン
146 脱硫流出物
152 回収脱硫炭化水素流
154 電解質と硫黄副生成物とを含む水/塩流れ
160 分離ゾーン
162 水流
172 追加された抽出溶媒
174 再循環された抽出溶媒

Claims (18)

  1. 炭化水素原料油の脱硫方法であって、
    a.硫黄含有炭化水素化合物を含んでなる炭化水素原料油を酸化反応器に供給する工程;
    b.炭化水素原料油中に存在する硫黄含有炭化水素化合物を選択的に酸化するのに十分な条件下、酸化反応器において触媒の存在下で炭化水素原料油を酸化剤と接触させ、炭化水素化合物と酸化された硫黄含有炭化水素化合物との混合物を生成する工程;
    c.有効量の電解質溶液の存在下、電気化学反応器において酸化反応器からの炭化水素化合物と酸化された硫黄含有炭化水素化合物との混合物を電気化学的に反応させる工程であって、電気化学反応は、酸化された硫黄含有炭化水素化合物の少なくとも一部の硫黄不含有炭化水素と硫黄副生物との混合物への分解を促進するのに有効な電位で行われる工程;および
    d.硫黄不含有炭化水素を回収する工程
    を含む方法。
  2. さらに、炭化水素化合物と酸化された硫黄含有炭化水素化合物との混合物から酸化された硫黄含有炭化水素化合物を抽出し、酸化反応の工程から得た第1の混合物から硫黄不含有炭化水素を回収し、ついで、酸化された硫黄含有炭化水素化合物を電気化学反応器に通すことを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 酸化された硫黄含有炭化水素化合物はスルホンおよび/またはスルホキシドを含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 炭化水素原料油はディーゼル原料油流である、請求項1または2に記載の方法。
  5. 硫黄不含有炭化水素と硫黄副生物との生成混合物を、硫黄不含有炭化水素と硫黄副生物とに分離することを更に含む、請求項1または2に記載の方法。
  6. 硫黄不含有炭化水素と硫黄副生物との生成混合物は電解質を更に含有しており、電解質は硫黄副生物と一緒に排出される、請求項に記載の方法。
  7. 電気化学反応は20℃〜350℃の温度で行われる、請求項1または2に記載の方法。
  8. 電気化学反応は3kg/cm〜30kg/cmの圧力で行われる、請求項1または2に記載の方法。
  9. 電気化学反応は0.05h−1〜4.0h−1の液体時空間速度で行われる、請求項1または2に記載の方法。
  10. 電気化学反応器の全セル電位が、Ag/AgCl参照電極に対して測定して1.0〜2.5Vである、請求項1または2に記載の方法。
  11. 電気化学反応器は、白金、ステンレス鋼およびグラファイトからなる群から選択される材料から形成された陰極、および白金、ステンレス鋼、ニッケルおよびグラファイトからなる群から選択される材料から形成された陽極を含んでなる、請求項10に記載の方法。
  12. 電解質溶液は有機溶媒中に電解質塩を含んだものである、請求項1または2に記載の方法。
  13. 有機溶媒は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ニトロベンゼン、ベンゾニトリル、N−ホルミルモルホリン、スルホラン、および前記溶媒の少なくとも1つを含む混合物からなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
  14. 電解質塩はテトラアルキルアンモニウム塩である、請求項12に記載の方法。
  15. テトラアルキルアンモニウム塩は、過塩素酸テトラエチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラエチルアンモニウムパラトルエンスルホネート、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、および前記塩の少なくとも1つを含む混合物からなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
  16. テトラアルキルアンモニウム塩は、少なくとも0.05モルの濃度で有機溶媒中に存在する、請求項14に記載の方法。
  17. テトラアルキルアンモニウム塩は、少なくとも0.1モルの濃度で有機溶媒中に存在する、請求項14に記載の方法。
  18. テトラアルキルアンモニウム塩は、少なくとも0.5モルの濃度で有機溶媒中に存在する、請求項14に記載の方法。
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