JP6346639B2 - シート状燃焼体 - Google Patents
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Description
また、特開2015−110693号の屋外用ろうそくでは、前記セロハンに替えて薄状耐油紙を装着する構成が開示されている。
上記構成では、燃焼芯部として、植物繊維あるいはレーヨンなどの再生セルロース系繊維により構成された紙、布、糸、紐等からなり、熔融した燃焼剤を容易に吸い上げる毛細管現象を有する素材が用いられており、その外側に薄状耐油紙を装着して、熔融した燃焼剤が垂れるのを防ぐ堰として機能させているが、燃焼過程において燃焼本体よりも残り過ぎると燃焼火炎が小さくなるため、ろうそくの燃焼と共に徐々に燃焼することが必要であり、その制御のための素材の選定が困難である。
更に、紙にワックスを含浸させたワックスペーパも知られているが、ろうそくなどの燃焼体として使用することは想定されておらず、そのような構成ともなっていない。
この燃焼体の先端に点火して、基材周辺のワックスを再溶解させ、基材の繊維間に保持させると共に、繊維の毛細管現象により前記ワックスを上昇させ、火に近づけて気化させ、それが燃焼して炎を生じさせることができる。
このようにして、順次、燃焼して炎を生じさせて上から下まで燃焼させることができるシート状燃焼体を提供することにある。
不織布からなる扁平な基材の繊維間に略均等に浸透して固化したワックスを有する燃焼部を備えたシート状燃焼体において、
燃焼部の基材は、坪量が80〜1200g/m 2 、厚みが0.15〜3.0mm、密度が0.2〜1.2g/m 3 の範囲であって、該基材へのワックス含浸量が基材の重量の5%〜80%であって、前記燃焼部が自立可能となっていることを特徴とする。
請求項2の発明では、
前記ワックスは、融点が40〜120℃、油分が1%以下、針入度が25℃のとき1〜30であることを特徴とする。
請求項3の発明では、
前記燃焼部の上端の中央で、燃焼部の横幅より幅狭な点火用の突片部が形成されていることを特徴とする。
請求項4の発明では、
前記燃焼部の突片部から下方に向かって漸次横幅が広くなる左右対称のテーパ部が形成されており、燃焼部の下方に支持部に差し込むための脚部が設けられていることを特徴とする。
上記燃焼部の先端に火を付けると、火のついた個所の周辺にあるワックスが熱で溶ける。
溶けたワックスは、不織布の繊維の間に保液され、同時に紙の繊維の間を毛細管現象で上昇し、炎の熱で加熱されて気化し、新たな炎となって燃え、燃えた紙は灰となる。
このようにして、不織布とワックスは、順次、燃焼部の下まで炎を立てて燃やすことができる。
以下に、この発明の実施形態について説明する。
シート状燃焼体1は、不織布からなる扁平な基材2の繊維間に略均等に浸透させてワックス5を固化した燃焼部6を有している。
燃焼部6は、シート状燃焼体1の全域であってもよいし、一部、例えば上側だけであってもよい。
燃焼部6の基材2は不織布からなっている。
そのため、溶解したワックス5の吸液性があり、該ワックス5が基材2の繊維内で保留されて固化されること、ワックス5が固化した状態で折れたり曲がったり変形せずに自立する強度を有する、という機能を有する。
また、基材2は扁平であって厚さがほぼ均一であるため、基材2に含浸されたワックス5は基材2の全面にほぼ均一に浸透するように構成される。
また、基材2の横幅の長さは特に限定されず、適宜用途に応じた長さとなるが、ロウソクとして用いる場合は20cm以下が好ましい。
前者では、例えば、ロール状に捲回された不織布の先端を、溶解したワックスを充填したパンの一方から液中に通し、液中に浸したまま他方まで繰り出し、引き上げてから再びロール状に巻き戻すことで、量産化しやすい。
基材2の横幅が狭い場合には設ける必要はないが、横幅が広い場合には、点火しやすくするために、少なくとも先端が幅狭な突片部3を設けておけば、点火がしやすくなり便利である。
燃焼部6の基材2の横幅は、1つの炎の裾と同じとなることが好ましい。
そのため、基材2の横幅が広い場合には、突片部3は、基材2の先端の中央に配置することが好ましい。
ワックス5は、パラフィンワックスが好ましいが、その他のワックスを用いてもよい。
本発明でワックス5は、融点が摂氏40度〜120度、華氏96〜287度の範囲で、油分が1%以下(質量%)、針入度が25℃のとき1〜30のものを用いることができる。
上記ワックス5は、ろうそくに用いる蝋のような離型剤が含まれているものより、含まれていないワックスを用いる。
図8に基材2にワックス5が含浸した参考図を示す。
図示例では基材2の表裏面にワックス層が形成される場合を図示したが、ワックス層は表裏の一方、もしくは双方に形成されていなくてもよく、少なくとも基材2の繊維の隙間に含浸していればよい。
このワックス5の測定値は以下の通りである。
融点 53℃
油分 0.3
針入度 15(25℃のとき)
なお、下部は脚部4となっており、幅広のままでもよいが、支持部9(ケーキの場合はスポンジ部分、線香立ての場合は灰のようなシート状燃焼体1を起立させるもの)に差し込みやすいように幅狭とし、または漸次下向きに幅狭となるテーパ形状とすることが好ましい。
そして、シート状燃焼体1をろうそくとして使用する場合には、前記脚部4を、支持部9に差し込み、または保持部材7で挟持して立設させ、上端の突部3に火を点火し、炎を生じさせて燃焼部6を燃焼させることができる。
また、保持部材7はシート状燃焼体1より燃えにくい素材が好ましい。
図6の保持部材7は棒状部材、図7の保持部材7は上部がクリップ状となっているがその他公知の部材を用いることができる。
また、シート状燃焼体1の燃焼部6は、渦巻きや波形(図6参照)その他の交差することのない一筆書きのような一連の帯形状としてもよいし、幅狭な線香状に形成してもよい。
図示例では、脚部4を複数設けて燃焼部6を支持する構成としている。
脚部4は、下端の向きを変えて、例えばL状にして、ケーキの側面に差し込むことができるようにしてもよい(図4参照)。
シート状燃焼体1の横幅が広い場合には、着火個所となる上端中央を幅狭な突部3とし、漸次、下方に向かって幅広くなる左右対称のテーパ部8に形成することが、炎を形良く立てることができる。
また、シート状燃焼体1の燃焼部6の横幅が10mm以下の場合には、突部3やテーパ部8を設けても設けなくてもよい。
燃焼部6の横幅が20mmを超える場合には、上端に略等間隔に複数の突部3を設け、ほぼ同時に全部の突部3に点火することで、等間隔に複数の炎が形成され、その炎が下方で合体しても偏りのない1つの炎を形成させることができる。
また、全面に着色や文字を印刷した基材2にワックス5を含浸させるようにすれば、着色や文字も容易に施すことができる。
その他、この発明の要旨を変更しない範囲で種々設計変更することができる。
2 基材
3 突部
4 脚部
5 ワックス
6 燃焼部
7 保持部材
8 テーパ部
9 支持部
Claims (4)
- 不織布からなる扁平な基材の繊維間に略均等に浸透して固化したワックスを有する燃焼部を備えたシート状燃焼体において、
燃焼部の基材は、坪量が80〜1200g/m 2 、厚みが0.15〜3.0mm、密度が0.2〜1.2g/m 3 の範囲であって、 該基材へのワックス含浸量が基材の重量の5%〜80%であって、前記燃焼部が自立可能となっていることを特徴とするシート状燃焼体。 - ワックスは、融点が40〜120℃、油分が1%以下、針入度が25℃のとき1〜30であることを特徴とする請求項1に記載のシート状燃焼体。
- 燃焼部の上端の中央で、燃焼部の横幅より幅狭な点火用の突片部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のシート状燃焼体。
- 燃焼部の突片部から下方に向かって漸次横幅が広くなる左右対称のテーパ部が形成されており、燃焼部の下方に支持部に差し込むための脚部が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のシート状燃焼体。
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