JP6345610B2 - インサイツハイブリダイゼーションを使用した生物学試料の遺伝子コピー数のスコアリング法 - Google Patents

インサイツハイブリダイゼーションを使用した生物学試料の遺伝子コピー数のスコアリング法 Download PDF

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Description

優先権の主張
本明細書では、2009年5月29日に出願した米国仮出願番号第61/217316号の優先権を主張する。その全体がここに援用される。
分野
本開示は、癌の分野、特に癌患者の予後を決定するための方法に関する。本開示は、インサイツハイブリダイゼーションで検出される遺伝子コピー数のスコアリング法にも関する。
非小細胞肺癌(NSCLC)は、全ての肺癌のほぼ80%を占める。癌のこの群は、非小細胞肺癌の全症例の約50%を占める腺癌、非小細胞肺癌の全症例の約30%を占める扁平上皮癌、及び全ての非小細胞肺癌の約10%を占める大細胞癌を含む。
分子癌治療学の現在の進展は、特定の患者集団の予後指標を確定する独特の機会を与えている。遺伝子増幅、及び/又は過剰発現が、様々な腫瘍において患者の予後の指標として確定されている。例えば、ヒト上皮細胞増殖因子受容体2(HER2、別称ERBB2)チロシンキナーゼの増幅、及び/又は過剰発現がヒトの乳癌の20−25%に検出される。この変化は、予後不良及び再発のリスクの高さを予測する独立した予後因子である。同様に、上皮細胞成長因子受容体(EFGR)の増殖又は過剰発現が数多くの癌(NSCLC、乳癌、神経膠腫、及び頭頸部癌、等)に検出され、予後不良と関連している可能性がある。患者の生存期間など、予後を予測可能な更なるマーカーが同定され続けている。
本明細書に開示するものは、腫瘍性疾患を持つ患者由来の生物試料中のインスリン様成長因子1受容体(IGF1R)遺伝子コピー数を決定することを含む、腫瘍性疾患(肺癌、例えばNSCLC等)の予後の予測法であって、IGF1Rコピー数の増加は患者の腫瘍性疾患の良好な予後を予測する。幾つかの例では、増加したIGF1Rコピー数は、核あたりのIGF1R遺伝子が約2コピーより大きい(2、3、4、5、10又は20コピーより大きい等の)試料における核あたりのIGF1Rコピー数を含む。他の例では、増加したIGF1Rコピー数は、第15番染色体コピー数に対するIGF1Rコピー数の比率が約2より大きい(2、3、4、5、10又は20より大きい比率等)試料における第15番染色体コピー数に対するIGF1Rコピー数の比率を含む。 幾つかの方法の実施態様では、良好な予後は腫瘍性疾患の初期診断後における患者の1年超過生存期間(2年超の生存期間、3年超の生存期間、又は5年超の生存期間等)である。
他の予後に関する方法の実施態様では、腫瘍性疾患(肺癌、例えばNSCLC等)を持つ患者由来の生物学試料中のIGF1R遺伝子コピー数を検出することを含み、IGF1Rコピー数(約2以下のIGF1R遺伝子コピー数等)の実質的な無増加又は減少は、患者の腫瘍性疾患の予後不良を予測する。
また本明細書で開示することは、インサイツハイブリダイゼーションアッセイにより検出する遺伝子コピー数など、生物学試料中の目的の遺伝子のコピー数のスコアリング法である。本方法は、遺伝子の個々のコピーが区別できるよう、インサイツハイブリダイゼーションで検出される目的の遺伝子のシグナルを最も数多く持つ試料中で個々の細胞を同定することを含む。次いで、遺伝子のシグナル数が同定された個々の細胞で数えられ、細胞あたりのシグナルの平均数を決定する。幾つかの例では、生物学試料は腫瘍試料(乳癌試料又は肺癌試料等)を含む。特定の例では、計数のために同定された細胞数は、少なくとも20細胞(少なくとも25、30、40、50、100、200、500、又は1000細胞等)である。
他の例では、本方法は同定された細胞でインサイツハイブリダイゼーションにより検出されるリファレンスのシグナル数を数え、リファレンスのシグナル数に対する目的の遺伝子のシグナル数の平均比率を決定することを含む。特定の例では、リファレンス及び目的の遺伝子は同一染色体上にある。
上述及び他の特徴は、添付の図を参照して進む以下の詳しい説明からより明らかになるであろう。
少なくとも以下の図の幾つかはカラーで提出される。
図1はNSCLC患者の集団におけるIGF1R遺伝子コピー数の分布を示すヒストグラムである。 図2はNSCLC腺癌(左)と扁平上皮癌(右)におけるIGF1R及び第15番染色体ISHの双方を示す一連の顕微鏡写真である。 図3はIGF1Rコピー数による無増悪生存を示すカプラン・マイヤープロットである。 図4はIGF1Rコピー数による全体の生存期間を示すカプラン・マイヤープロットである。 図5AはNSCLC扁平上皮癌試料におけるIGF1R SISH(上)及びIHC(下)を示す一連の顕微鏡写真である。 図5BはNSCLC腺癌試料におけるIGF1R SISH(上)及びIHC(下)を示す一連の顕微鏡写真である。 図6はIGF1R遺伝子コピー数に従ったIHCにより決定されたIGF1Rタンパク質発現(Hスコア)を示すヒストグラムである。 図7は遺伝子コピー数のスコアリングの典型的な方法の概略図である。任意の工程は点線で囲われている。
I.略語
CISH:発色インサイツハイブリダイゼーション
FISH:蛍光インサイツハイブリダイゼーション
IGF1R:インスリン様成長因子1受容体
IHC:免疫組織化学
ISH:インサイツハイブリダイゼーション
NSCLC:非小細胞肺癌
OS:全生存
PFS:無増悪生存
SISH:銀インサイツハイブリダイゼーション
TMA:組織マイクロアレイ
II.用語
他に説明なき場合、本明細書で使用する全ての技術的及び科学的用語は、開示される発明が属す当業者により一般的に理解されるのと同じ意味を持つ。単数用語の“a,”“an,”及び“the”は文中で明確に別途示されない限り複数形の指示対象を含む。同様に、単語“or”は文中で明確に別途示されない限り“and”を含むことを意図している。それゆえ、「A又はBを含む(“comprising A or B”)」は「Aを含む(“including A”)」又は「Bを含む(“including B”)」又は「A及びBを含む(“including A and B”)」を意味する。
開示される発明の実施態様の実施、及び/又は試験するための適切な方法と材料を以下に説明する。そのような方法と材料は一例にすぎず、限定されることを意図してはいない。本明細書に記載の方法と材料に似た、又は等価な方法と材料が使用可能である。例えば、開示される発明が属す技術分野で良く知られた従来方法は、例えば、Sambrook等、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989;Sambrook等、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第3版、Cold Spring Harbor Press,2001;Ausubel等、Current Protocols in Molecular Biology,Greene Publishing Associates,1992(及び2000年の補足);Ausubel等、Short Protocols in Molecular Biology:A Compendium of Methods from Current Protocols in Molecular Biology, 第4版、Wiley & Sons,1999;Harlow 及び Lane,Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1990;及び Harlow 及び Lane,Using Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1999、を含む、一般的及びより特殊な様々な参考資料に記載されている。
本明細書で述べた2009年5月時点で存在するジェンバンク受託番号を伴う全ての配列は、適用可能な規程、及び/又は法律により許容される程度に、その全体において参照により援用される。
本開示の様々な実施態様の概説を容易にするために、以下に特定の用語の説明が提供される。
増幅(Amplification):核酸分子の量(コピー数)の増加であって、増加した核酸分子は既存の核酸分子と同じか、又は相補的である。幾つかの例では、増幅、ゲノム(例えば染色体)DNA配列の量又はコピー数の増加を指す。ゲノムDNAのコピー数は、染色体の1節内の優先的な複製により起こる工程である遺伝子増幅が原因で(例えば、非小細胞肺癌細胞等の癌細胞にて)増加し得る。増幅は複製品の大きさや数が異なり、同義遺伝子を包含し得る。
遺伝子増幅は染色体領域に関して定義され得(第15番染色体q26の増幅、例えば、第15番染色体q26.3)、又は1つ以上の特定の遺伝子(例えばIGF1R遺伝子の増幅)に関して定義され得る。特定の例では、遺伝子増幅は、コントロール細胞(例えば非腫瘍細胞等)と比較した場合の染色体領域又は遺伝子(例えば第15番染色体q26.3又はIGF1R等)のコピー数の増加を指す。他の例では、遺伝子増幅は、IGF1R遺伝子/核の約2.5コピーを上回る等、細胞又は核内の遺伝子(例えば1GF1R等)コピーの特定の数を指す。
コピー数:細胞の核酸分子のコピー数。コピー数は細胞のゲノム(染色体)DNAの一以上の遺伝子又はその一部分のコピー数を含む。正常細胞(例えば非腫瘍性細胞等)において、遺伝子(又は任意のゲノムDNA)のコピー数は通常約2である(染色体ペアの各々の一員の1コピー)。幾つかの例では、遺伝子又は核酸分子のコピー数は細胞集団から得た平均コピー数を含む。
DNA(デオキシリボ核酸):DNAはほとんどの生物の遺伝物質を含む長鎖ポリマーである(幾つかのウイルスはリボ核酸(RNA)を含む遺伝子を持つ)。DNAポリマーの繰り返し単位は4つの異なるヌクレオチドであり、その各々はリン酸基が結合したデオキシリボース糖が結合した4つの塩基、アデニン、グアニン、シトシン及びチミジン、のうち1つを含む。ヌクレオチドトリプレット(コドンと称す)はポリペプチドの各々のアミノ酸、又は停止シグナル(終止コドン)をコードする。コドンなる用語は、DNA配列が転写されるmRNAの3つのヌクレオチド配列に対応する(及び相補的な)配列にも用いられる。
特別の定めのない限り、DNA分子のいかなる言及もそのDNA分子の逆相補体を含む。本明細書の本文で一本鎖であることが要求される箇所を除き、DNA分子は、たとえ一本鎖のみを示すように書かれても、2本鎖DNA分子の両方の鎖を包含する。従って、IGF1Rをコード化する核酸分子、又はその断片への言及は、センス鎖及びその逆相補体の両方を包含する。従って、例えば、本開示による核酸分子の逆相補配列からプローブ又はプライマーを産生することは妥当である。
ハイブリダイゼーション:DNA、RNA,又はDNAとRNA間の2本鎖の相補領域間の塩基対を形成することにより2本鎖分子を形成すること。ストリンジェンシーの特殊性の程度を生じるハイブリダイゼーションの条件は、ハイブリダイゼーション法の特性、ハイブリダイズする核酸配列の組成物及び長さに依存して異なる得る。一般的に、ハイブリダイゼーション温度及びハイブリダイゼーションバッファーのイオン強度(Na濃度等)がハイブリダイゼーションのストリンジェンシーを決定するであろう。ストリンジェンシーの特殊性の程度を達成するためのハイブリダイゼーション条件に関する計算は、Sambrook等、(1989)Molecular Cloning,第2版,Cold Spring Harbor Laboratory,Plainview,NY(第9章、11章)、及びAusubel等、Short Protocols in Molecular Biology:A Compendium of Methods from Current Protocols in Molecular Biology,第4版、Wiley & Sons,1999に議論されている。
インサイツハイブリダイゼーション(ISH):標識した相補DNA又はRNA鎖(すなわち、プローブ)を用いて、特定のDNA又はRNA配列を、組織の一部分又は断片に(インサイツ)、又は組織が十分小さければ(例えば、植物種子、ショウジョウバエ胚)組織全体(全組織標本ISH)にて、位置を同定するためのハイブリダイゼーションの一種。これは、組織断片においてタンパク質の位置を同定する免疫組織化学法とは区別される。DNA ISHは、染色体の完全性を評価するための医学診断に使用のため等、染色体の構造決定に使用できる。RNA ISH(ハイブリダイゼーション組織化学)は、組織断片又は全組織標本におけるmRNAや他の転写物の測定や位置の同定に使用される。
ハイブリダイゼーション組織化学のために、試料の細胞及び組織は、標的転写物を所定位置に固定し、プローブの標的分子への接近を増やすために通常処置される。上記の通り、プローブは、標識した相補DNA又は相補RNA(リボプローブ)の何れかである。プローブは高温で標的配列へハイブリダイズし、次いで(ハイブリダイズされない過剰のRNAプローブの場合、RNaseを使用した事前の加水分解後に)過剰のプローブが洗い流される。温度、塩、及び又は界面活性剤濃度等の溶液パラメーターは、異なる相互作用の大半又は全てを排除するために操作可能である(例えば、実質的に同一又は厳密に配列が一致した配列のみが結合したままであろう)。次いで、放射、蛍光、又は抗体標識化塩基(例えば、ジゴキシゲニン)の何れかによる等で、効率的に標識された標識化プローブはオートラジオグラフィー、蛍光顕微鏡や免疫組織化学のそれぞれを使用して、組織中に位置が同定され定量化される可能性がある。ISHはまた、放射能、又はハプテン標識等の非放射性標識で標識され、かつ2以上の核酸分子を同時に検出するために典型的に特異的に標識された2以上のプローブを使用可能である。
インスリンン様成長因子1受容体(IGF1R):インスリン様成長因子に高い親和性で結合するチロシンキナーゼ受容体。IGF1Rはチロシンキナーゼドメインを含む2つの細胞外αサブユニット及び2つの膜貫通βサブユニットかななるヘテロテトラマーである。リガンド結合により、IGF1Rはリン酸化されMAPキナーゼ及びAkt/mTOR経路を通じてシグナルを送る。
IGF1Rの核酸及びタンパク質配列は公に入手可能である。例えば、ジェンバンク(登録商標)受託番号NC_000015(ヌクレオチド97010284−97325282)は(2009年5月29日にジェンバンク(登録商標)により提供され参照により援用される)典型的なヒトIGF1Rゲノム配列を開示している。他の例では、ジェンバンク(登録商標)受託番号NM_000875、BC113610、及びX04434は典型的なIGF1R核酸配列を開示し、ジェンバンク(登録商標)受託番号NP_000866、AAI13611、及びCAA28030は典型的なIGF1Rタンパク質配列を開示し、その全ては2009年5月29日にジェンバンク(登録商標)に提供され参照により援用される。所定の例において、IGF1Rは、公に入手可能なIGF1Rと、少なくとも80%の配列同一性、例えば少なくとも85%、90%、95%、又は98%の配列同一性を有し、そのコピー数がNSCLC等の腫瘍性疾患患者の予後を予測可能なIGF1Rである。
インビトロ増幅:試料又は検体中の核酸分子のコピー数をインビトロ、又は実験技術で増やす技術。インビトロ増幅の例はポリメラーゼ連鎖反応であり、その反応では被験者から採取した生物学試料は、試料中の核酸鋳型にプライマーをハイブリダイゼーションすることを可能にする条件下で、オリゴヌクレオチドプライマーのペアと接触させられる。プライマーは適切な条件下で伸張され、鋳型から分離され、次いで再びアニールされ、伸張され、核酸のコピー数を増幅するために解離される。
インビトロ増幅の産物は、標準的技術を使用して、電気泳動、制限エンドヌクレアーゼ開裂パターン、オリゴヌクレオチド・ハイブリダイゼーション又はライゲーション、及び/又は核酸シークエンシングにより特徴付けられ得る。
インビトロ増幅技術の他の例は、ストランド置換増幅(米国特許第5744311号を参照)、転写フリー等温増幅(米国特許第6033881号明細書を参照)、修復連鎖反応増幅(国際公開第90/01069号を参照)、リガーゼ連鎖反応増幅(欧州特許出願公開第320308号)、ギャップ充填リガーゼ連鎖反応増幅(米国特許第5427930号を参照)、結合リガーゼ検出及びPCR(米国特許第6027889号を参照)、及びNASBATMRNA転写フリー増幅(米国特許第6025134号を参照)、を含む。
標識:例えばELIZA、分光光度法、フローサイトメトリー、又は顕微鏡により検出可能な化学物質。例えば、標識は核酸分子又はタンパク質(IGF1R核酸又はタンパク質等)に結合させることができ、それにより核酸分子又はタンパク質の検出を可能にする。標識の例は、限定しないが、放射性同位体、酵素基質、補因子、リガンド、化学発光剤、フルオロフォア、ハプテン、酵素、及びその組合わせを含む。様々な目的に適した標識の選択において、標識法と助言が、例えば、Sambrook等(Molecular Cloning:A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor, New York, 1989)、及びAusubel等(In Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons, New York,1998)に議論されている。
肺癌:良性又は悪性であり得る肺組織の腫瘍性疾患。肺癌の大部分は非小細胞肺癌である(肺の腺癌、扁平上皮癌、及び大細胞癌等)。他のほとんどの肺癌は小細胞肺癌である。特別な例では、肺癌は非小細胞肺癌を含む。
プローブ:検出可能な標識又はレポーター分子に結合した単離した核酸分子。典型的な標識は、放射性同位元素、酵素基質、補酵素、リガンド、化学発光又は蛍光剤、ハプテン(限定しないが、DNPを含む)、及び酵素を含む。標識化方法と様々な目的に適した標識の選択についての助言が、例えばSambrook等(In Molecular Cloning: A Laboratory Manual,CSHL,New York, 1989)、及びAusubel等(In Current Protocols in Molecular Biology,Greene Publ. Assoc. and Wiley−Intersciences,1992)に議論されている。
当業者は、特定のプローブの特異性はその長さと共に増すことを理解するであろう。従って、プローブは望まれる特異性を与えるべく選択されることが可能であり、少なくとも17、20、23、25、30、35、40、45、50又はそれ以上の、望まれるヌクレオチド配列の連続したヌクレオチドを含み得る。特定の例では、プローブは望まれるヌクレオチドオ配列(IGF1R遺伝子配列等)の少なくとも100、250、500、600又は1000の連続した核酸である可能性がある。
予後:癌などの(例えば、非小細胞肺癌)疾患の経過の予測。被験者が、侵襲性、再発性の疾患を発症する可能性、一カ所以上の転移を発症する可能性、特定期間生存する可能性(例えば、患者が1、2、3、4又は5年間生存するであろう可能性を決定すること)、病気が進行することなく特定期間生存する可能性(進行すること無く1、2、3、4又は5年間生存するであろう可能性を決定すること)、特定の治療(例えば、化学療法)に反応する可能性、又はその組み合わせを決定することを含み得る。
試料:被験者から得られるゲノムDNA、RNA(mRNAを含む)、タンパク質、又はその組み合わせを含む生物検体。例として、限定しないが、末梢血、尿、唾液、微細針吸引液、組織生検、手術標本、および剖検材料を含む。一例として、試料は、腫瘍を持つ患者由来の腫瘍試料(例えばNSCLC試料)、腫瘍生検、腫瘍生検、腫瘍のコア、リンパ節組織、又は腫瘍由来の転移を含む。他の例では、試料は、非腫瘍性の細胞又は組織試料等のコントロール試料を含む。
被験者:生きている多細胞脊椎動物であり、ヒト及びヒトで無い動物を含む部類。
治療に効果的な量:疾患の進行を防ぎ、疾患の進行を遅延し、又は疾患の退行をもたらすのに十分な、又は、癌、例えば肺癌等の疾患による症状を低減可能な投与量。
腫瘍:悪性又は非悪性(良性)であり得る腫瘍。同一組織型の腫瘍は特定の器官(乳房、前立腺、膀胱、又は肺等)に由来する腫瘍である。同一組織型の腫瘍は異なるサブタイプの腫瘍に分けられる(古典的例は肺腫瘍であり、小細胞又は非小細胞腫瘍であり得る)。
腫瘍は原発性(一次性)腫瘍、再発腫瘍、及び転移(2次性)腫瘍を含む。腫瘍の再発は腫瘍を外科手術、薬又は他の処置により除去した後で、又はその他の方法で消滅した後に、腫瘍が原発性(一次性)腫瘍と同じ場所に元に戻ることである。転移とは体の一部から他へ腫瘍が広がることである。広がった細胞から形成される腫瘍は2次性腫瘍と呼ばれ、最初の(一次)腫瘍の細胞と同様の細胞を含む。原発性腫瘍又は転移の何れかの再発があり得る。
III.癌の予後を予測する方法
本明細書では、腫瘍性疾患を持つ患者から得た生物学試料のIGF1R遺伝子コピー数を決定することで、腫瘍性疾患(肺癌、例えば、NSCLC等)の予後を決定し、又は予測するための方法が提供される。本開示方法は、生物学試料(腫瘍試料、例えば、NSCLC試料)のIGF1R遺伝子のコピー数を決定することを含む。特定の例においては、IGF1Rコピー数の増加は、患者の腫瘍性疾患の良好な予後を予測する。他の例では、IGF1Rコピー数の実質的な無変化又は減少は、患者の腫瘍性疾患の予後不良を予測する。
幾つかの例では、IGF1Rコピー数の増加は、核あたり約2コピーを上回るIGF1R遺伝子(2、3、4、5、10又は20コピーを上回る等)の試料中の、核あたりのIGF1Rコピー数(核あたりの平均IGF1Rコピー数等)を含む。他の例では、IGF1Rコピー数の増加は、IGF1Rコピー数の第15番染色体コピー数に対する比率(例えば、IGF1R:第15番染色体の平均比率)が約2(2、3、4、5、10又は20を上回る比率等)を上回る試料中の、該比率を含む。
更なる例では、IGF1Rコピー数の増加は、コントロールに対するIGF1Rコピー数の増加(例えば、約1.5倍、約2倍、約3倍、約5倍、約10倍、約20倍又はそれ以上の増加等)を含む。従って、幾つかの例では、本方法は、患者由来試料中のIGF1R遺伝子コピー数を、腫瘍性試料と同一組織型の非腫瘍性試料等のコントロール中のIGF1R遺伝子コピー数と、又は適切な正常組織中のIGF1R遺伝子コピー数として期待される参照値、又は値の範囲と比較することを含む。従って、例えば、仮に患者由来の試料がNSCLC試料である場合、コントロールは、例えば同一被験者由来の正常肺試料、又は正常肺試料に期待されるIGF1Rコピー数を代表する参照値であり得る。幾つかの実施態様では、コントロールは健康な患者から得られた試料、又は癌と診断された患者から得られた非腫瘍性組織試料である。他の実施態様では、コントロールは過去に使用されたコントロール又は標準的な参照値又は値の範囲(非腫瘍性組織中のIGF1R遺伝子コピー数等の基準値又は正常値を代表する試料群等の以前に試験したコントロール試料等)である。
他の例では、IGF1R遺伝子コピー数の実質的な無変化又は減少は、核あたりのIGF1R遺伝子のコピー数が約2以下(2、1.5、又は1コピー未満等)である試料中の核あたりのIGF1Rコピー数(核あたりの平均IGF1Rコピー数等)を含む。他の例では、IGF1R遺伝子コピー数の実質的な無変化又は減少は、IGF1Rコピー数の第15番染色体コピー数に対する比率(IGF1R:第15番染色体の平均比率等)が約2以下(2、1.5、又は1未満の比率等)である試料中の該比率を含む。更なる例では、IGF1R遺伝子コピー数の実質的な無変化又は減少は、コントロールに対するIGF1Rコピー数の実質的な無増加又は減少を含む。
被験者の予後は、例えば、初期診断後の実際の生存期間(6ヶ月生存、1年生存、2年生存、又は5年生存等)、及び/又は同様状況下の患者の平均生存期間に対する実際の生存期間を含む、当該技術分野で知られた任意のパラメーターにより特徴付けることが可能である。良好な予後は、例えば、初期診断後の1年を超える患者の生存期間(2年以上又は5年以上等)、又は同様状況下の患者の平均生存期間よりも6ヶ月を超える長い患者の生存を伴う。予後不良は、例えば、初期診断後5年未満の患者生存期間(2年未満、又は1年未満等)、又は同様状況下の患者の平均生存期間未満である患者の生存期間(平均生存期間より約3ヶ月未満、平均生存期間より約6ヶ月未満、又は平均生存期間より約1年未満等)を伴う。
他の例では、良好な予後は、腫瘍は侵襲性が弱い可能性があること(例えば、急速には増殖しない、及び/又は転移しにくい等)を更に予測する。良好な予後は初期診断後1年を超えた患者の無増悪生存(初期腫瘍の再発が起きない、又は転移が起きない等)、又は同様状況下の患者の平均生存期間より6ヶ月を超えて長い(例えば、1年を超えて長い、2年を超えて長い、5年を超えて長い)の患者の無増悪生存を伴い得る。予後不良は、腫瘍がより侵襲性である可能性があること(例えば、より急速に増殖し、及び又はより転移しやすい等)を予測し得る。予後不良は、初期診断後5年未満(2年未満又は1年未満等)の患者の無増悪生存、又は同様状況下の患者の平均生存期間より短い(平均生存期間より約3ヶ月未満、平均生存期間より約6ヶ月未満、又は平均生存期間より約1年未満等)患者の無増悪生存を伴い得る。
例えば、良好な予後は被験者が特定の時点まで生存する(1、2、3、4、又は5年等)40%超の可能性、及び/又は腫瘍が転移しないであろう40%超の可能性を含む。幾つかの例では、良好な予後は被験者が生存するであろう50%、60%、70%、80%、又は90%超の可能性、及び/又は腫瘍が転移しないであろう50%、60%、70%、80%、又は90%超の可能性があることを示す。同様に、予後不良は、被験者が特定の時点まで(1、2、3、4、又は5年等)生存しないであろう50%超の可能性、及び/又は腫瘍が転移するであろう50%超の可能性を含む。幾つかの例では、予後不良は、被験者が生存しないであろう60%、70%、80%、又は90%超の可能性、及び/又は腫瘍が転移するであろう60%、70%、80%、90%超の可能性を示す。
遺伝子又は染色体部位のコピー数を決定する方法は当業者に良く知られている。幾つかの例では、本方法はインサイツハイブリダイゼーション(蛍光、発色、又は銀インサイツハイブリダイゼーション等)、比較ゲノムハイブリダイゼーション、又はポリメラーゼ連鎖反応(リアルタイム定量的PCR等)を含む。典型的な方法は以下により詳しく議論される。
A.生物学試料
典型的な試料は、限定しないが、血液塗抹、細胞遠心調製、細胞診塗抹、コア生検、微細針吸引液、及び/又は組織片(例えば、クライオスタット組織片、及び/又はパラフィン包埋組織片)を含む。被験者から生物学試料を得る方法は技術的に知られている。例えば、肺組織又は肺細胞を得る方法はルーチン的である。典型的な生物学試料は正常な細胞又は組織、又は腫瘍の細胞又は組織からから単離され得る。新生物とは、一以上の細胞が分化を喪失し、成長速度が増加し、周辺組織の浸潤による特徴的退形成を受け、かつ細胞が転移する能力がある生物学的状態である。特定の例では、生物学試料は腫瘍細胞等の腫瘍試料を含む。
典型的な腫瘍細胞又は組織は、肺癌(例えば、肺扁平上皮癌等の非小細胞肺癌)、乳癌(例えば、小葉癌及び腺管癌)、副腎皮質癌、エナメル上皮腫、乳頭部癌、膀胱癌、骨癌、子宮頸がん、胆管腫、大腸癌、子宮内膜癌、食道癌、胃癌、神経膠腫、粒状のコール腫瘍、頭頸部癌、肝細胞癌、胞状奇胎、リンパ腫、黒色腫、中皮腫、骨髄腫、神経芽細胞腫、口腔癌、骨軟骨腫、骨肉腫、卵巣癌、膵臓癌、毛母腫、前立腺癌、腎細胞癌、唾液腺腫瘍、軟部腫瘍、スピッツ母斑、扁平上皮がん、奇形腫様癌、及び甲状腺がんを含む固体腫瘍から単離され得る。
例えば、細胞物質を含む腫瘍由来試料は、腫瘍の全体又は部分の外科的切除により、腫瘍からの微細針吸引の収集、並びに技術的に知られた他の方法により得ることが可能である。特定の例では、組織又は細胞試料は基質に適用され、IGF1R遺伝子コピー数を決定するために分析される。開示される方法にて有用な個体支持体は、生物学試料のみを支え、任意で、しかし有利に試料中の構成成分(例えば、タンパク質、核酸配列)の簡便な検出を可能にする。典型的な支持体は顕微鏡スライド(例えば、ガラス顕微鏡スライド又はプラスチック顕微鏡スライド)、カバースリップ(例えば、ガラスカバースリップ又はプラスチックカバースリップ)、組織培養皿、多穴プレート、膜(例えば、ニトロセルロース又はポリフッ化ビニリデン(PVDF))又はビアコア(BIAKORETM)チップを含む。特定の例では、被験者から得たNSCLC試料はIGF1R遺伝子コピー数を決定するために分析される。
本明細書に記述される試料は、現在既知であるか又は今後技術的に開発される任意の方法を用いて調製可能である。一般的には、組織試料は培地に組織を固定し包埋することで調製される。他の例では、試料は例えば個体支持体上へ細胞を塗布するか又は遠心することで個体支持体上に単層として調製される(ガラススライド等)細胞懸濁液を含む。更なる例では、(例えば、固定されてない)新鮮な凍結組織片が本明細書で開示される方法で使用され得る。
いくつかの例では、包埋剤が使用される。包埋剤は、試料を将来の分析のために保存するべく、組織、及び/又は細胞が包埋される不活性物質である。包埋はまた組織試料を薄い切片にスライスすることを可能にする。包埋剤はパラフィン、セロイジン、OCTTM化合物、寒天、プラスチック、又はアクリルを含む。
多くの包埋剤は疎水性であり、従って、主に親水性試薬を使用する組織学的または細胞学的分析に先だち、不活性物質を除去する必要があり得る。脱パラフィン又は脱ろうなる用語は、生物学試料から如何なる種の包埋剤をも一部又は完全に除去することを意味するために本明細書で広く使用される。例えば、パラフィン埋包組織片は、トルエン、キシレン、リモネン、又は適切な溶媒等の有機溶媒を通すことで脱ろうされる。
試料を固定する方法は変わりうる。組織試料の固定は細胞と組織の構成成分を可能な限り生きた状態に近づけて保存し、顕著な変化無しに調製方法を施されることができるようにする。固定化は細胞死により開始する自己分解や微生物分解過程を止め、ISH等の続く組織処理に耐えうるように細胞及び組織構成成分を安定化する。
組織は固定液に灌流又は浸すことを含む任意の適切な方法により固定可能である。固定液は、架橋剤(アルデヒド、例えばホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、及びグルタルアルデヒド、並びに非アルデヒド架橋剤)、酸化剤(例えば、金属イオン及び複合体、例えば、四酸化オスミウム及びクロム酸等)、タンパク変性剤(例えば、酢酸、メタノール、及びエタノール)、機構未知の固定液(例えば、塩化水銀、アセトン、及びピクリン酸)、組合わせ試薬(例えば、カルノア固定液、メタカーン、ブアン液、B5固定液、ロスマン液、及びジェンダー液)、マイクロ波、及び混合固定液(例えば、排除体積固定及び蒸気固定)に分類することが可能である。バッファー、界面活性剤、タンニン酸、フェノール、金属塩(塩化亜鉛、硫酸亜鉛、及びリチウム塩等)、及びランタニウム等の添加剤もまた固定液に含まれ得る。
ISH用の試料調製において最も一般的に使用される固定液は、一般的にホルマリン溶液の形態(10%バッファードホルマリンと称されるバッファー溶解4%ホルムアミド)であるホルムアミドである。一例では、固定液は10%中性バッファードホルマリンである。
IV.遺伝子コピー数を決定する方法
本開示方法は生物学試料中の(腫瘍試料、例えばNSCLC試料等)IGF1R遺伝子のコピー数を決定することを含む。試料がコントロールに対して増加したIGF1R遺伝子コピー数を持つ場合(正常な非腫瘍性試料又は参照値に対して約1.5倍、2倍、3倍、5倍、10倍、20倍、又はそれ以上等)、あるいはその代わりに、IGF1R遺伝子コピー数が約2より大きい場合(約2、3、4、5、10、20、又はそれ以上等)、又はIGF1R遺伝子コピー数の第15番染色体コピー数に対する比率が約2より大きい場合(約2,3、4、5、10、20、又はそれ以上等)、試料は増加したIGF1R遺伝子コピー数を持ち、良好な予後を有すると見なされる。逆に、試料がコントロール(正常な非腫瘍性試料又は参照値等)に対してIGF1R遺伝子コピー数が無変化又は減少であるか、又はIGF1R遺伝子コピー数が約2未満か、又はIGF1R遺伝子コピー数の第15番染色体コピー数に対する比率が約2未満の場合、被験者は予後不良である。
遺伝子又は染色体領域のコピー数を決定する方法は当業者に良く知られている。幾つかの例では、本方法はインサイツハイブリダイゼーション(蛍光、発色、又は銀インサイツハイブリダイゼーション等)、比較ゲノムハイブリダイゼーション、又はポリメラーゼ連鎖反応(リアルタイム定量的PCR等)を含む。
特定の例では、IGF1R遺伝子コピー数はインサイツハイブリダイゼーション(ISH)、蛍光インサイツハイブリダイゼーション(FISH)、発色インサイツハイブリダイゼーション(CISH)、又は銀インサイツハイブリダイゼーション(SISH)により決定される。例えば、FISHを使用して、DNAプローブ(例えば、IGF1R遺伝子プローブ)が蛍光色素又はハプテンにより(通常、ニックトランスレーション又はPCR等の酵素反応を利用してDNAに組込まれた蛍光dUTP又はハプテンdUTPの形態で)標識される。標識化プローブは適切な条件下で染色体又は核へハイブリダイズされる。ハイブリダイゼーション後に、標識された染色体又は核は直接的に(蛍光標識プローブの場合)、又は間接的に(ハプテン標識プローブを検出するため蛍光標識された抗ハプテン抗体を用いて)視覚化される。CISHの場合、プローブはハプテン(ジゴキシゲニン、ビオチン又はフルオレセイン等)で標識され、適切な条件下で染色体又は核の調製品にハイブリダイズされる。プローブは、適切な基質(DAB、NBT/BCIP等)の存在下で、ハイブリダイズ化プローブの部位で、色の付いた産物を作る酵素(西洋ワサビペルオキシダーゼ又はアルカリホスファターゼ)に結合している抗ハプテン抗体か、酵素に結合した2次抗体で検出される。SISHは、抗体(抗ハプテン抗体又は2次抗体)に結合した酵素(西洋ワサビペルオキシダーゼ等)がハイブリダイズ化プローブ部位で金属ナノ粒子(銀又は金等の)の沈着を触媒することを除けば、CISHに似ている。ISH法では、IGF1Rコピー数は、染色体又は核上の蛍光、着色、又は銀スポットの数を数えることで決定され得る。
幾つかの例では、細胞あたりの核の数は同定細胞において区別可能であり、スポットの数が数えられ(又は列挙され)記録される。他の例では、一以上の同定された細胞は、核の中の数えられない(又は列挙できない)複数の重なったシグナルの存在であるクラスターを含み得る。特定の例では、遺伝子(又は染色体)のコピー数はスライドをスコアリングする人(自動化法の場合にはコンピュータ−)により見積もられる。例えば、病理学の当業者は、試料の遺伝子コピー数を列挙する経験に基づいて、クラスターが特定の数の遺伝子コピー(10、20、又はそれ以上のコピー等)を含むことを見積もり得る。他の例では、クラスターの存在は、クラスターに存在するコピー数を見積もることなしに、クラスターとして記録され得る。
他の例では、IGF1R遺伝子及び第15番染色体DNA(第15番染色体セントロメアDNA等)は両方とも被験者由来試料中に、例えばISHにより検出される。第15番染色体特異的プローブは技術的に良く知られており、Vysis CEP 15(D15Z1)プローブ(Abbott Molecular,デスプレーンズ、イリノイ州)等の市販のプローブを含む。IGF1R遺伝子及び第15番染色体DNAは同一試料(例えば、二色アッセイ等、単一のスライド又は組織片上に)、又は同一被験者の異なる試料に検出され得る(例えば、単色アッセイ等、IGF1R遺伝子が一つのスライドで検出され、かつ第15番染色体DNAが同一被験者の対応するスライド上で検出される)。IGF1R及び第15番染色体DNAは、二色アッセイのために2つの異なった検出可能標識(2つの異なるフルオロフォア、2つの異なる色原体、又は色原体及び金属ナノ粒子等)で検出される。IGF1R遺伝子及び第15番染色体DNAは単色アッセイのために同一標識で検出され得る。IGF1R及び第15番染色体コピー数は、染色体又は核上の蛍光、色、銀のスポットを数えることで決定され得る。次いで第15番染色体の数に対するIGF1R遺伝子コピー数の比率が決定される。
その他の例では、IGF1R遺伝子コピー数は比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)により決定される。例えば、Kallioniemi等、Science 258:818−821,1992;米国特許第5665549号、及び第5721098号を参照。一例では、CGHは以下の工程を含む。腫瘍組織(肺癌試料等)由来、及び正常コントロール組織(非腫瘍性試料等のリファレンス)由来DNAは、2つの異なるフルオロフア等、異なる検出可能標識で標識される。反復DNA配列を抑制するために非標識ヒトCot−1 DNAと共に腫瘍及びリファレンスDNAを混合後、混合物は正常中期染色体にハイブリダイズする。染色体に沿った蛍光強度比率が腫瘍試料中のDNA獲得又は喪失の部位を評価するために使用される。
更なる例では、IGF1R遺伝子コピー数はアレイCGH(aCGH)により決定される。例えば、PinkelとAlbertson,Nat.Genet.37:S11−S17,2005;Pinkel等,Nat.Genet.20:207−211,1998;Pollack等,Nat.Genet.23:41−46,1999を参照。標準的なCGHに似て、腫瘍及びリファレンスDNAは特異的に標識されて混合される。しかしながら、aCGHにおいて、DNA混合物は数百又は数千の確定したDNAプローブ(IGF1R遺伝子部分に相同なプローブ等)を含むスライドにハイブリダイズされる。アレイ中の各プローブにおける蛍光強度比率が腫瘍組織中のDNA獲得又は喪失部位の評価に使用され、それらは変化した蛍光強度を呈示する特定のプローブに基づいて、CGHよりもより詳細にマップ可能である。一例では、アレイはアジレント ヒューマン ゲノムCGH 44Bオリゴマイクロアレイ(Agilent Technologies,サンタ・クララ、カリフォルニア州)である。他の例では、CGHアレイは、ロシュ ニンブルジェン社(マジソン、ウィスコンシン州)により提供される全ゲノムタイリング、カスタム又は染色体特異的タイリングアレイ(例えば、第15番染色体タイリングアレイ)である。
一般的に、CGH(及びaCGH)は特定のゲノムDNA又は染色体領域の正確なコピー数に関する情報は提供しない。その代わり、CGHは一つの試料(腫瘍試料、例えば肺癌試料等)をその他(コントロール試料、例えば非腫瘍性の細胞又は組織試料等)と比較した相対的コピー数に関する情報を提供する。従って、コントロール試料(非腫瘍性の細胞又は組織試料又は参照値等)と比較して、試料のIGF1R遺伝子コピー数が増加したか又は減少したかについて決定するために、CGHは最も有用である。
その他の例では、IGF1Rコピー数はリアルタイム定量的PCR(RT−qPCR)により決定される。米国特許第6180349号を参照。一般的に、本方法は2重標識蛍光プローブ(例えば、TAQMAN(登録商標)プローブ)を介してPCR産物の蓄積を測定する。PCR工程は様々な熱安定性のDNA依存DNAポリメラーゼを使用可能であるが、典型的には、5’−3’ヌクレアーゼ活性を有すが3’−5’校正エンドヌクレアーゼ活性を欠損したTaq DNAポリメラーゼを用いる。TaqMan(登録商標)PCRは典型的には、標的アンプリコンに結合したハイブリダイゼーションプローブを加水分解するために、Taq又はTthポリメラーゼの5’−ヌクレアーゼ活性を使用するが、等価の5’ヌクレアーゼ活性を持つ任意の酵素が使用可能である。2つのオリゴヌクレオチドプライマーがPCR反応に特有であるアンプリコンの生成に使用される。3番目のオリゴヌクレオチド、又はプローブは2つのPCRプライマーの間に位置するヌクレオチド配列の検出のために設計される。プローブはTaqDNAポリメラーゼ酵素により非拡張可能であり、レポーター蛍光色素及びクエンチャー蛍光色素で標識される。レポーター色素由来の任意のレーザー誘導発光は、2つの色素がプローブ上にて接近して位置する時に、消光色素により消光する。増幅反応中に、TaqDNAポリメラーゼ酵素は鋳型依存的にプローブを開裂する。得られたプローブ断片は溶液中にて切り離され、放出されたレポーター色素由来のシグナルは2次フルオロフォアの消光効果を含まない。合成された各々の新しい分子において、一分子のレポーター色素が遊離し、非消光レポーター色素の検出はデータの定量的解釈の基礎を提供する。既知のコピー数を持った試料に含まれる正規化遺伝子に対してDNAコピー数が決定される(Heid等,Genome Research 6:986−994,1996を参照)。定量的PCRはまた米国特許第5538848号に記述されている。関連するプローブ及び定量的増幅手順は米国特許第5716784号、及び米国特許第5723591号に記述されている。
IGF1R遺伝子のコピー数を決定するために使用され得る更なる方法が当業者に知られている。そのような方法は、サザンブロット法に限定しないが、多重ライゲーション依存プローブ増幅(multiplex ligation−dependent probe amplification)(MLPA;Schouten等,Nucl.Acids Res.30:e57,2002を参照)、及び高密度SNPジェノタイピングアレイ(国際公開第98/030883号を参照)を含む。
当業者はインサイツハイブリダイゼーション等、一以上の分子の検出のために本明細書に開示される方法の実施態様は自動化可能であることを理解するであろう。ヴェンタナ メディカル システムズ社は、米国特許第5650327号、米国特許第5654200号、米国特許第6296809号、米国特許第6352861号、米国特許第6827901号、及び米国特許第6943029号、及び米国特許出願公開第2003/0211630号、及び米国特許出願公開第2004/0052685号を含む、自動化分析を実施するためのシステム及び方法を開示した数多くの米国特許の指定代理人である。
V.遺伝子コピー数のスコアリング法
また、本明細書で開示されるのは、被験者(例えば、腫瘍性疾患被験者)由来の試料中の遺伝子のコピー数のスコアリング法(例えば、列挙すること)であって、試料は目的の遺伝子に対するISH(FISH、SISH、CISH、又はその2つ以上の組み合わせ等)により染色され、遺伝子の個々のコピーは試料中の細胞において区別可能である。特定の例では、試料は腫瘍試料(例えば、腫瘍生検または微細針吸引)等、被験者由来の生物学試料である。ISHによる遺伝子コピー数決定の方法は技術的に良く知られている。典型的な方法が第IV節に(例えば、IGF1Rコピー数を決定するため)記述されている。
幾つかの実施態様では、本方法は、遺伝子の核あたり最も多いシグナル数(試料中の最も強いシグナル等)を持つ試料中の個々の細胞を同定し、同定された細胞の遺伝子のシグナル数をカウントし、細胞あたりのシグナルの平均数を決定し、それによって試料中の遺伝子コピー数をスコアリングすることを含む。更なる実施態様では、本方法は更にリファレンス(異常でないと知られている染色体座、例えば、セントロメアDNA)におけるシグナル数をカウントし、細胞あたりのリファレンスのシグナル数に対する当該遺伝子のシグナル数の平均比率を決定することを含む。図7は遺伝子コピー数の典型的なスコアリング法の図式を与える。
本スコアリング法は、試料中の細胞の目的の遺伝子において、シグナル数が最も多い(細胞あたりのスポットが最大数、又は最も明るい染色強度等)試料中の(組織切片又は腫瘍コア等)、個々の細胞を同定することを含む。従って、本開示法は試料中の細胞の無作為抽出における遺伝子コピー数を決定することではない。むしろ、本方法は試料中に遺伝子コピーの最大数を有する細胞における遺伝子コピー数を明確に数えることを含む。幾つかの例にて、遺伝子のシグナル数の最大数を持つ個々の細胞を同定することは、低拡大顕微鏡下で(約20倍率等)、遺伝子に関してISHで染色した試料を検査することを含む。最強シグナル(例えば、高拡大下で最高の増幅シグナル)を示す細胞は視覚、又は自動画像化システムによって数えることで同定される。幾つかの例では、試料が組織片である場合等、試料は、腫瘍細胞が集中し、遺伝子が増幅する領域を同定するために(例えば、視覚的走査で)調べられる。次いで、選択領域において最高増幅を示す細胞における遺伝子コピー数が数えられる。他の例では、試料が腫瘍コア(腫瘍マイクロアレイ等)である場合、試料の大半は低拡大倍率下の視野に目視でき、最高強度シグナル(例えば、高倍率下で最高の増幅シグナル)を持つ個々の細胞(腫瘍細胞等)が計数のために別々に同定される。特定の例では、遺伝子コピー数の計数のために選択された細胞は、お互いに隣接せず又は接触しない細胞等、非連続細胞であり得る。他の例では、遺伝子コピー数の計数のために選ばれた少なくとも幾つかの細胞は、お互いに隣接又は接触した細胞等、連続的細胞であり得る。
本開示法は、同定された細胞中の遺伝子に関してISHシグナル数(蛍光、着色、又は銀スポット等)を数えることを含む。本方法はまた、同定された細胞中のリファレンス(染色体特異的プローブ等)に関してISHシグナル(蛍光、着色、又は銀スポット等)を数えることも含み得る。幾つかの例では、細胞あたりのスポット数は同定された細胞において区別可能であり、スポットの数が数えられ(又は列挙され)記録される。他の例では、一以上の同定された細胞は、核の中の数えられない(又は列挙できない)複数の重なったシグナルの存在であるクラスターを含み得る。特定の例では、遺伝子(又は染色体)のコピー数はスライドをスコアリングする人(自動化法の場合にはコンピュータ−)により見積もられる。例えば、病理学の当業者は、試料の遺伝子コピー数を列挙する経験に基づいて、クラスターは特定の数の遺伝子コピー(10、20、又はそれ以上のコピー等)を含むことを見積もり得る。他の例では、クラスターの存在は、クラスターに存在するコピー数を見積もることなしに、一つのクラスターとして記録され得る。
計数のために同定された細胞数は、遺伝子コピー数の変化(例えば、増加又は減少)の検出を行うのに十分な細胞数である。幾つかの例では、計数のための同定された細胞数は、少なくとも約20、例えば、少なくとも25、30、40、50、100、200、500、又は1000細胞、又はそれ以上である。特定の例では、約50細胞が数えられる。他の例では、目的の遺伝子の3以上のコピー(3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、又はそれ以上)を含む、試料中のあらゆる細胞、又は顕微鏡視野、又は多数の顕微鏡の視野(少なくとも2つの顕微鏡の視野、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つの顕微鏡の視野等)のあらゆる細胞が数えられる。
幾つかの例では、生物学試料は潜在的に遺伝子増幅を含む腫瘍細胞である。典型的な生物学試料は腫瘍性細胞又は組織を含み、肺癌(例えば、肺扁平上皮癌等の非小細胞肺癌)、乳癌(例えば、小葉癌及び腺管癌)、副腎皮質癌、エナメル上皮腫、乳頭部癌、膀胱癌、骨癌、子宮頸がん、胆管腫、大腸癌、子宮内膜癌、食道癌、胃癌、神経膠腫、粒状のコール腫瘍、頭頸部癌、肝細胞癌、胞状奇胎、リンパ腫、黒色腫、中皮腫、骨髄腫、神経芽細胞腫、口腔癌、骨軟骨腫、骨肉腫、卵巣癌、膵臓癌、毛母腫、前立腺癌、腎細胞癌、唾液腺腫瘍、軟部腫瘍、スピッツ母斑、扁平上皮がん、奇形腫様癌、及び甲状腺がんを含む固体腫瘍から単離され得る。
特定の例では、コピー数が決定され、又はスコアリングされた遺伝子は、例えば、癌等の病気の状態において増幅され(例えば、約2を越えたコピー数等、増加したコピー数を持つ)遺伝子である。本明細書で開示される方法でコピー数がスコアリングされた遺伝子の例は、癌(NSCLC、乳癌、頭頸部癌、胃癌、又は結腸直腸癌等)で増幅されたことが知られている遺伝子を含む。例は、限定しないが、IGF1R(15q26.3;例えば、ジェンバンクTM受託番号NC_000015,ヌクレオチド97010284−97325282),EGFR(7p12;例えば、ジェンバンクTM受託番号NC_000007,ヌクレオチド55054219−55242525),HER2(17q21.1;例えば、ジェンバンクTM受託番号NC_000017,ヌクレオチド35097919−35138441),C−MYC(8q24.21;例えば、ジェンバンクTM受託番号NC_000008,ヌクレオチド128817498−128822856),TOP2A(17q21−q22;例えば、ジェンバンクTM受託番号NC_000017,補体,ヌクレオチド?35798321−35827695),MET(7q31;例えば、ジェンバンクTM受託番号NC_000007,ヌクレオチド116099695−116225676),FGFR1(8p11.2−p11.1;例えば、ジェンバンクTM受託番号NC_000008,補体,ヌクレオチド38387813−38445509),FGFR2(10q26;例えば、ジェンバンクTM受託番号NC_000010,補体,ヌクレオチド123227845−123347962),MDM2(12q14.3−q15;例えば、ジェンバンクTM受託番号NC_000012,ヌクレオチド67488247−67520481),KRAS(12p12.1;例えば、ジェンバンクTM受託番号NC_000012,補体,ヌクレオチド25249447−25295121),及びTYMS(18p11.32;例えば、ジェンバンクTM受託番号NC_000018,ヌクレオチド647651−663492)を含む。
更なる例では、本方法は細胞又は核あたりの、異常でないことが分かっている染色体座、例えばセントロメア等のリファレンスのコピー数のスコアリングをも含む。幾つかの例では、リファレンスは目的の遺伝子と同じ染色体上にある。例えば、もし目的の遺伝子が第15番染色体(例えば、IGF1R)に位置する場合、リファレンス遺伝子座は第15番染色体(例えば、第15番染色体セントロメアDNA)にある可能性があり、もし目的の遺伝子が第17番染色体(例えば、HER2又はTOP2A)に位置する場合、リファレンス遺伝子座は第17番染色体にある可能性がある、等。目的とする特定のヒト遺伝子に対して用いられる典型的なリファレンス染色体を表1に与える。特定の例では、リファレンス遺伝子座はセントロメア特異的プローブを用いることで検出される。そうしたプローブは技術的に知られており、例えば、Vysis CEPプローブ(Abbott Molecular,デスプレーンズ、イリノイ州)及びSPOTLIGHT セントロメアプローブ(インビトロジェン,カールスバッド カリフォルニア州)等、市販されている。
更なる実施態様では、本方法はまた被験者由来試料(例えば、腫瘍試料、腫瘍生検又は微細針吸引等)を得ることを含む。 本方法はまた一以上の試料を含む試料を処理し、試料を固定し、試料を包埋し、試料を切片化し、及びISHを実施することを含む。更なる実施態様では、本方法はまたアウトプット(遺伝子コピー数、又はリファレンスコピー数に対する遺伝子コピー数の比率等)を利用者へ提供することを含み得る。特定の例では、アウトプットは、限定しないが、レポート、グラフ、表、又は画像(例えば、スライドの視野の表示)を含む。幾つかの例では、アウトプットはコンピューター可読ファイル又は記録等のデジタル形式である。
幾つかの実施態様では、本開示のスコアリング法の一部又は全ての工程は、自動顕微鏡システムによる等、自動的に実施され得る。特定の例では、自動化方法は、染色体配列に結合した標識を自動的に撮像すること(インサイツハイブリダイゼーションによる等)、標識の分布、及び/又は強度の画像を自動的に分析すること、及び分析結果(細胞あたりの遺伝子コピー数等)を提供することを含む。
そうした方法は、技術的には例えば、米国特許出願公開第2003/0170703号、及び第2008/0213769号;Stevens等,J.Mol.Diagn.9:144−150,2007に知られている。一例では、分析はヴェンタナ イメージ分析システム(VIAS、ヴェンタナ メディカル システムズ、ツーソン、アリゾナ州)を使用して実施され得る。
更なる実施態様では、本方法は更に、本開示方法により決定される遺伝子コピー数に基づいて被験者の治療法の選択を含む。本開示の方法は更に被験者に選択された治療法を施すことを含む。治療法は、被験者由来試料中の特定の遺伝子のコピー数(特定の癌で増幅された遺伝子等)に基づいて、患者(腫瘍疾患患者等)に対して選択され得ることは技術的に良く知られている。例えば、コピー数がスコアリングされた遺伝子がHER2であり、試料が増加した(又は、増幅された)HER2遺伝子コピー数を持つ場合、選択された治療はHER2抗体又は阻害剤、例えばトラスツズマブ、ベバシズマブ又はラパチニブを含み得る。他の例では、コピー数がスコアリングされた遺伝子がEGFRであり、試料が増加した(又は、増幅された)EFGR遺伝子コピー数を持つ場合、選択された治療はEGFR抗体又は阻害剤、例えばセツキシマブ、パニツムマブ、ゲフィチニブ、及び/又はエルロチニブを含み得る。特定の遺伝子コピー数が増加又は増幅した被験者に対して選択され、及び/又は施される他の治療法は当業者により選択され得る。
本開示は以下の限定されない例により更に説明がなされる。
NSCLCにおけるIGF1Rコピー数
この実施例では、非小細胞肺癌の被験者のIGF1R遺伝子コピー数の分析と予後を記述する。組織マイクロアレイ(TMA)はNSCLCの外科的治療を行った189人の患者由来の3つ揃いの試料を含んで作成した。患者の特性を表2に表示する。コホートの追跡期間中央値は、40%の5年生存確率(95% CI:31−48%)を持つ4年である。1.5mm直径の3つの組織コアが、各々の患者の原発腫瘍の異なる領域から得られた。TMAはMaxArrayにカスタマイズされた組織マイクロアレイサービス(インビトロジェン、サウスサンフランシスコ、カリフォルニア州)を使用して創られた。
IGF1RプローブをFarrellの方法(国際公開第2008/028156号)を用いて作成した。プローブは、ヒト第15番染色体のヌクレオチド96869643−97413930間の配列を標的にする。このプローブはTMA上のIGF1Rコピー数を評価するためにSISHで使用した。SISHは製造業者のプロトコール(ヴェンタナ メディカル システムズ、ツーソン、アリゾナ州)に従い、ULTRAVIEW SISHキット及びBENCHMARK XT自動スライド処理システムを使用して実施した。IGF1R遺伝子のコピー数の平均数/核/コアは、コアあたり少なくとも50の代表的な核を数える有資格の病理学者により決定された。必要あらば、腫瘍細胞に富む領域を位置付けるために、最初にスライドをヘマトキシリンとエオシン染色により調べられた。SISH染色スライドは、その領域の大部分の細胞がバックグランドノイズにより妨害されないハイブリダイゼーションシグナルを示すこと、及び正常細胞のIGF1Rの1又は2コピーを示す腫瘍に隣接した内部のポジティブコントロールの存在を確かめるために調べられた。核はIGF1R遺伝子コピーを数えるために以下の基準に従い選択された。1)曖昧さの無い境界線と客観的に解釈可能なシグナルを持つ細胞であること、及び2)核の大きさによらず、シグナルの平均数が最も多い浸潤性癌の核の集団を代表する核であること。IGF1Rシグナル数が各々の選択された核において数えられた。クラスター(列挙できない複数の重複シグナル)を含む核の中のシグナル数は病理学者により見積もられた。
IGF1Rコピー数/核の中央値は2.46であった(図1)。各々の患者由来のIGF1Rコピー数/核の平均の最大数を持つコアを続く全てのモデルに使用した。IGF1Rコピー数と患者の特性の関係を分析した(表3)。IGF1Rコピー数が>2.46/核は、扁平上皮癌に著しく関係していた。IGF1R及び第15番染色体コピー数もまた二重ISHにより分析した。IGF1RはSISHを使用し上記の通り検出した。第15番染色体は第15番染色体セントロメアプローブ(Choo等、Genomics 7:143−151,1990)及びCISHを用いて検出した。図2に示した通り、IGF1R及び第15番染色体コピーは区別することが可能であり、IGF1R/第15番染色体の比率を決定することを可能とした。
コックス比例ハザードモデルをIGF1Rコピー数の平均の関数として無増悪生存(PFS)と全生存(OS)のモデル化に使用し、予後の有用性の主たる根拠を与えた。コックスモデルはまた以下の変数を統計的管理として含んだ。年齢、性別、喫煙状態(“あり”対“なし”)、腫瘍の組織型、及び腫瘍の病期。これらの変数の一部を欠いたデータが原因で、165人の患者のみコックスモデルに使用した。本モデルの比例ハザード仮定は、累積マルチンゲール残差プロットの評価により試験され、結果は仮定は破られないことを示した。
PFSにおいて、コックスモデルはp値が0.0014で、推定ハザード比率0.626(95%信頼区間は0.471から0.833)をもたらした(表4)。低いp値はこの発見が極めて偶然に起因しないものであることを示唆し、IGF1Rの予後的重要性を支持していた。ハザード比率が1未満であったため、IGF1Rは生存に関する保護効果を持っていた。特異的には、平均IGF1Rコピー数が1ユニット増加するごとに、再発の危険性は平均で37.4%減少する。この影響は、それらの変数はモデルに対して統計的に制御されているため、年齢、性別、喫煙状態、腫瘍組織診断、及び腫瘍の病期による影響をはるかに越えている。
OSにおいて、結果はPFSに似ており、コックスモデルによりp値が0.0032で、推定ハザード比率0.644(95%信頼区間は0.481から0.862)をもたらした(表5)。平均IGF1Rコピー数が1ユニット増加するごとに、死亡の危険性は平均で35.6%減少し、本モデルに含まれる他の変数のいかなる影響をも越えている(上記の通り)。
双方の生存結果において、カプラン・マイヤープロットは、コックスモデルで得られた結果と一致し、支持していた(図3及び4)。各々の結果に対してカプラン・マイヤー生存時間関数が構築され、3段階の平均IGF1Rコピー数で分類された:核あたり(a)≦2、(b)>2及び≦3、及び(c)>3コピー。双方の場合にて、高い平均IGF1Rコピー数は任意の時点で大きな生存確率を得るという、単調な関係が観察された。両方の場合にて、これらの相違はログランク検定を使用しp<0.05において統計的に有意であった
TMAの免疫組織化学評価をヴェンタナG11抗IGF1R抗体(CONFIRM抗−IGF1R抗体、ヴェンタナ メディカル システムズ、ツーソン、アリゾナ州)を使用して行った。染色は製造業者のプロトコールに従い、BENCHMARK XT及びULTRAVIEW−DAB検出キット(ヴェンタナ メディカル システムズ、ツーソン、アリゾナ州)を使用して行った。試料を一次抗体で16分間インキュベートした。全てのアッセイにおいて、スコアリングは染色強度(0−4)及び陽性細胞の割合(0−100%)に基づいた。各々の強度のレベルはその強度を示す陽性細胞の割合が乗じられ、全ての値が加算され最終的なIHC(H)スコア(全スコア範囲:0−400)を得た。各々の患者に対して、高いHスコアを持つコアが最終分析に用いられた。
IGF1Rコピー数のSISH分析、及びIGF1R IHC染色及びスコアを、扁平上皮癌(図5A)及び腺癌(図5B)試料において示す。IHCスコアは一般的にIGF1R遺伝子コピー数(図6)に相関した。
癌の被験者の予後の決定
この実施例は癌と診断された被験者の予後を決定するために使用できる特定の方法を記載する。しかしながら、当業者は、これらの特異的方法から外れた方法もまた、癌の被験者の予後を首尾良く与えることに使用可能であると認識するであろう。
腫瘍試料(腫瘍生検等)はヒト等の哺乳類の被験者から得る。組織試料を脱パラフィン及びプロテアーゼ消化を含んで、ISHのために調製する。一例では、腫瘍の予後(例えば、NSCLC等の肺腫瘍)は、SISH等のインサイツハイブリダイゼーションにより被験者から得た腫瘍試料のIGF1R遺伝子コピー数を決定することで決定される。例えば、基板上(顕微鏡スライド等)に存在する組織又は細胞試料等の試料をIGF1Rゲノムプローブと共にインキュベートする。IGF1Rプローブの試料に対するハイブリダイゼーションは、例えば顕微鏡を使用して検出される。IGF1R遺伝子コピー数は試料の核あたりのIGF1Rシグナル数を数え、平均IGF1Rコピー数/細胞を計算して決定する。腫瘍試料中のIGF1R遺伝子コピー数/細胞の増加(2、3、4、5、10、20又はそれ以上のIGF1R遺伝子コピー数等)、又はコントロール(非腫瘍試料又はリファレンス値等)に対するIGF1R遺伝子コピー数の増加は、被験者の生存確率の増加等、良好な予後を意味する。これに対して、IGF1R遺伝子コピー数の実質的な無変化又は減少(IGF1R遺伝子コピー数が約2以下である等)、又はコントロール(非腫瘍試料又はリファレンス値等)に対するIGF1R遺伝子コピー数の実質的な無変化又は減少は、被験者の生存確率の減少等の予後不良を意味する。
その他の例では、腫瘍の予後(例えば、NSCLC等の肺腫瘍)は、SISH等のインサイツハイブリダイゼーションで被験者から得た腫瘍試料における、第15番染色体コピー数に対するIGF1R遺伝子コピー数の比率を決定することで決定される。 例えば、基板上(顕微鏡スライド等)に存在する組織又は細胞試料等の試料をIGF1Rゲノムプローブと共にインキュベートする。同一試料又は同一被験者の対応試料を、第15番染色体セントロメアプローブとともにインキュベートする。IGF1Rプローブの試料に対するハイブリダイゼーションは、例えば、顕微鏡を使用して検出される。第15番染色体セントロメアプローブのハイブリダイゼーションもまた、顕微鏡を使用して検出される。IGF1R遺伝子コピー数は、試料の核あたりのIGF1Rプローブシグナル数を数えることで決定し、第15番染色体セントロメア数は、試料の核あたりの第15番染色体セントロメアプローブシグナル数を数えることで決定する。腫瘍試料の細胞あたりの第15番染色体セントロメアコピー数に対するIGF1R遺伝子コピー数の比率の増加(2、3、4、5、10、20又はそれ以上等)、又はコントロール(非腫瘍試料又はリファレンス値等)と比較してIGF1R遺伝子コピー数の第15番染色体セントロメアコピー数に対する比率の増加は、被験者の生存確率の増加等、良好な予後を意味する。これに対して、第15番染色体セントロメアコピー数に対するIGF1R遺伝子コピー数の比率の実質的な無変化又は減少(第15番染色体コピー数に対するIGF1R遺伝子コピー数の比率が約2以下である等)、又はコントロール(非腫瘍試料又はリファレンス値等)と比較して第15番染色体セントロメアコピー数に対するIGF1R遺伝子コピー数の比率の実質的な無変化又は減少は、被験者の生存確率の減少等、予後不良を意味する。
遺伝子コピー数の列挙
本実施例は、インサイツハイブリダイゼーションにより検出される目的の遺伝子コピー数の典型的なスコアリング方法を記述する。
目的の遺伝子をインサイツハイブリダイゼーションで染色した試料を得る。試料は、乳癌、肺癌(例えば、NSCLC腫瘍)、卵巣腫瘍、胃腫瘍、食道腫瘍、及び頭頸部腫瘍等、目的の遺伝子において増幅する可能性がある腫瘍等の腫瘍試料であり得る。
試料を顕微鏡(もし試料がCISH又はSISHを使用して染色された場合は明視野顕微鏡、もし試料がFISHを使用して染色された場合は蛍光顕微鏡)で観察する。目的の遺伝子におけるシグナルの最大数(細胞あたりのスポットの最大数、又は染色の最高強度等)を持つ試料の細胞を同定する。シグナル数を、前もって決定した細胞数が数えられるまで(約20、25、30、40、50、100、200、500、1000細胞又はそれ以上等)、各々の同定された細胞において数える。シグナル数を数えた細胞数で割り、平均遺伝子コピー数である細胞あたりの平均シグナル数を決定する。得られた遺伝子コピー数は次いで出力するか、又はユーザーに提供することができる。
幾つかの例では、試料はまた、異常でないことが知られている染色体座、例えばセントロメアDNA等のリファレンスに対してハイブリダイゼーションで染色される。リファレンスのシグナル数は、目的の遺伝子において同定され数えられた通りに、同一細胞において数えられる。目的の遺伝子のシグナル数をリファレンスのシグナル数で割り、細胞あたりの「遺伝子:リファレンス」の平均比率を決定する。遺伝子コピー数のリファレンスコピー数に対する得られた比率は次いで出力されるか、又はユーザーに提供することができる。
本開示の原理が適用され得る多くの可能な実施態様を考慮して、説明した実施態様は一例にすぎず、本発明の範囲が限定されるべきでないことを認識すべきである。正しくは、本発明の範囲は以下の請求項で定義される。我々は従ってこれら請求項の範囲及び精神に沿って行う全てを我々の発明と主張する。

Claims (15)

  1. 被験者由来の生物学試料中の目的の遺伝子のコピー数をスコアリングする方法であって、
    生物学試料をスキャンし、
    試料中のインサイツハイブリダイゼーションで検出される遺伝子のシグナルの最高濃度を有する少なくとも3つの領域を同定し、
    試料中のインサイツハイブリダイゼーションで検出される遺伝子のシグナルの最大数を有する個々の細胞を前記少なくとも3つの領域で同定し、試料の細胞中で遺伝子の個々のコピーが区別可能であり、
    同定された細胞の各々における遺伝子のシグナル数を数え、
    同定された細胞において細胞あたりの平均シグナル数を決定することで、遺伝子コピー数をスコアリングする
    ことを含む方法。
  2. 同定された細胞においてインサイツハイブリダイゼーションで検出されるリファレンスのシグナル数を数え、試料の細胞中でリファレンスの個々のコピーが区別可能であり、
    同定された細胞においてリファレンスのシグナル数に対する遺伝子のシグナル数の平均比率を決定する
    ことを更に含む、請求項に記載の方法。
  3. リファレンス及び目的の遺伝子が同一染色体上にある、請求項に記載の方法。
  4. リファレンスがセントロメアDNAである、請求項2又は3に記載の方法。
  5. インサイツハイブリダイゼーションが銀インサイツハイブリダイゼーション、発色インサイツハイブリダイゼーション、蛍光インサイツハイブリダイゼーション、又はその二以上の組み合わせを含む、請求項1から4の何れか一項に記載の方法。
  6. 生物学試料が腫瘍試料を含む、請求項1から5の何れか一項に記載の方法。
  7. 腫瘍試料が肺腫瘍、乳房腫瘍、卵巣腫瘍、胃腫瘍、頭頸部腫瘍、食道腫瘍、又は神経膠腫を含む、請求項に記載の方法。
  8. シグナル数が少なくとも20細胞中で数えられる、請求項1から7の何れか一項に記載の方法。
  9. シグナル数が少なくとも50細胞中で数えられる、請求項に記載の方法。
  10. シグナル数が少なくとも200細胞中で数えられる、請求項に記載の方法。
  11. 目的の遺伝子がIGF1R、HER2、EGFR、MET、TOP2A、又はMYCである、請求項1から10の何れか一項に記載の方法。
  12. 計数が自動画像化システムにより行われる、請求項1から11の何れか一項に記載の方法。
  13. 遺伝子コピー数に基づいて被験者の治療法を選択すること、
    を更に含む、請求項1から12の何れか一項に記載の方法であって、試料が増加した遺伝子コピー数を有している場合に、前記遺伝子によりコード化されるポリペプチドに対する抗体又は阻害剤が治療法として選択される、方法。
  14. インサイツハイブリダイゼーションのために得られた試料を処理すること、
    を更に含む、請求項1から13の何れか一項に記載の方法。
  15. 遺伝子コピー数をユーザーに提供すること、
    を更に含む、請求項1から14の何れか一項に記載の方法。
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