JP6345270B2 - ターゲット質量分光分析の方法 - Google Patents

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Description

ターゲット質量分光分析の方法に関する。
[0001]電子衝撃(EI)イオン化は、環境分析および技術的制御に幅広く用いられている。対象となる試料は、食品、土壌、または水のような分析を受けた媒体から抽出される。抽出物は、リッチ化学マトリックス内の対象となる不純物を含む。この抽出物は、単一または2次元のガスクロマトグラフィ(GCまたはGC×GC)内で時間分離される。GCキャリアガス、典型的にはヘリウムは、電子ビームによるイオン化のために試料をEI源に送り届ける。電子エネルギーは、一般に、標準的なフラグメントスペクトルを得るために70eVで維持される。スペクトルは、化合物の同定のために標準的なEIスペクトルのライブラリとの比較を受ける。
[0002]多くの応用例は、超微量化学マトリックスとリッチ化学マトリックスの間で高レベルの感度(例えば、少なくとも1pg未満、好ましくは1fgレベル)で、かつ高ダイナミックレンジ(例えば、少なくとも1E+5、望ましくは1E+9)で超微量の分析を必要とする。高分解能を用いたデータは、一般に、信頼できる化合物同定および信号対化学ノイズ比の改善のために求められる。
[0003]多くのGC質量分析計システムは、四重極分析器を用いる。EIスペクトルは多数のピークを含むので、幅広い質量範囲にわたってスキャン質量分析器を使用することが一般に必要であり、これによって必然的にイオン損失となり、スペクトル取得を遅くし、個々の質量の微量の形状のねじれをもたらし、フラグメント強度比をゆがめる。GC分離、特にGC×GC分離は、短いクロマトグラフィピーク(例えば、GC×GCの場合に50ms未満)をもたらすので、飛行時間質量分析計(TOF MS)は、一般に、パノラマ(全質量範囲)のスペクトルの迅速な取得に使用される。
[0004]近い等質量のマトリックスイオンおよびそれらの低含量の同位体からなるターゲット化合物を分離するために、多重反射TOF MS(MR−TOF MS)などの高分解能質量分析計を用いることが望ましい。例として、質量300を有するイオンについて4.5mDaの質量差を用いて12CHから一対の13C を分離することは、75,000の分解能を必要とする。ダイオキシン分析の場合、要求される分解能は10%のピーク高さで10,000であり、ある毒性のあるベンゼンの場合、フラン分解能は18,000を超えるべきである。
[0005]参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2012024468号は、電子ビームのいわゆる「クローズド」EI源内にイオンを貯蔵し、その後、30,000を超える高分解能でMR−TOF内の超高感度分析(LOD=1fg)を行うために直交加速器(OA)の中へ同期させて解放する方法を説明する。しかしながら、EI貯蔵能力は、1ng/秒を超える瞬間の試料束において濃縮されたマトリックス内で微量化合物が分析されるときに空間電荷によって飽和する傾向があり、したがって10ppb(10億分の1)を上回るマトリックスあたりの相対的試料濃度の検出可能な閾値を制限する。制限を回避するために、手間のかかる試料用意が要求される。したがって、より低い検出閾値が、ベビーフード中の農薬、環境試料中のダイオキシンなどの非常に毒性のある化合物の分析のために望まれる。
[0006]全体的に、微量質量分光分析の方法の改善が説明される。この方法は、ガスクロマトグラフィ分離、電子衝撃イオン化、および多重反射飛行時間質量分析計における質量分析を主に用いる。改善は、加熱されたRFオンリ四重極(RFQ)内のイオンビーム空間圧縮、RFQにおける低質量カットオフを用いた大部分のイオン束の除去、強力に減じられた空間電荷でのRFQにおけるイオン貯蔵、および同期式直交加速器へのパルス状イオン放出により実現され、加速器へのイオン注入の最大化効率での比較的狭いターゲット質量範囲を進入許可するようになっている。有利には、開示した分析計は、RFQ内のイオン空間電荷のかなりの減少、貯蔵EI源と比較してイオン貯蔵領域のサイズの延長、およびMR−TOFの比較的短い直交加速器内のイオンパケットの空間集束により、そのような方法において分解能、感度、およびダイナミックレンジの組合せを改善し、したがってパルス変換効率を1に近づける。他のタイプのMS分析とは対照的に、狭い質量範囲の選択は、それが分子質量対クロマトグラフィ保持時間(RT)の知られたマップを用いたターゲット化合物についての感度に影響を与えないので有利になる。同時に、不要なイオンの阻止は、RFQ内の空間電荷を大きく減少させ、したがって検出器負荷も大きく減少させる。この方法は、CI、APPI、APCI、調整されたGD、およびSESIなどの他のタイプのイオン源にも適用可能であり、好ましくはターゲットとなる分子イオンの信号を最大化するために選択的かつソフトなイオン化を行う。好ましくは、MR−TOFの分解能は、減じられた質量範囲に適用可能ないわゆるズームモードを用いることで改善される。
[0007]本開示の1つまたは複数の実施の詳細は、添付図面および以下の説明に記載される。他の態様、特徴、および利点は、明細書および図面ならびに特許請求の範囲から明らかになろう。
[0008]本発明の様々な実施形態は、例示の目的だけに示される構成とともに、例のみによって以下の添付図面を参照して説明される。
[0009]蓄積EI源を有する従来技術の典型的なMR−TOF質量分析計システムの概略図である。 [0010]微量質量分光分析の提供した方法の概略ブロック図である。 [0011]EIイオン源内のイオンフィルタリングおよびイオン蓄積を伴うEI−MR−TOFシステムの概略図である。 [0012]加熱されたRFオンリ四重極内のイオンフィルタリングおよびイオン蓄積を伴うEI−MR−TOFシステムの概略図である。 [0013]加熱されたRFQ内のイオンフィルタリングおよび半径方向イオントラップ内のイオンパルス変換を伴うEI−MR−TOFシステムの概略図である。 [0014]時間遅延プロファイルによって確かめられた蓄積RFQの後のデューティサイクルの測定を示すグラフである。 [0015]パルサー利得対m/zとして実験およびシミュレートした機器の関数を示すグラフである。 [0016]GC−EI−MR−TOF MSシステムへの1pgのHCBの注入から得られたHCBの同位体の実験記録を示すグラフである。 [0017]図9Aは、M*=50amuの低質量カットに対応する2MHzにおける200VのRFQにおける低RF振幅でのGC−EI−MR−TOF MSシステムへの1pgのHCBの注入および1マイクログラムのディーゼルマトリックスの注入から得られたHCBの同位体の実験記録を示すグラフである。 図9Bは、M*=50amuの低質量カットに対応する2MHzにおける200VのRFQにおける低RF振幅でのGC−EI−MR−TOF MSシステムへの1pgのHCBの注入および1マイクログラムのディーゼルマトリックスの注入から得られたHCBの同位体の実験記録を示すグラフである。 図9Cは、M*=50amuの低質量カットに対応する2MHzにおける200VのRFQにおける低RF振幅でのGC−EI−MR−TOF MSシステムへの1pgのHCBの注入および1マイクログラムのディーゼルマトリックスの注入から得られたHCBの同位体の実験記録を示すグラフである。 [0018]M*=150amuの低質量カットに対応する2MHzにおける600VのRFQにおける高RF振幅でのGC−EI−MR−TOF MSシステムへの1pgのHCBの注入および1マイクログラムのディーゼルマトリックスの注入から得られたHCBの同位体の実験記録を示すグラフである。 [0019]RFQ内のイオン伝搬の速度を示す時間プロファイルのグラフである。
[0020]様々な図面における同じ参照符号は、同じ要素を示す。
[0021]図1は、ガスクロマトグラフ13、イオン蓄積電子衝撃(EI)イオン化源15、輸送イオン光学系16、同期式直交加速器17(OA)、およびMR−TOF分析器18を用いる(国際公開第2012024468号の)MR−TOF MSシステム11の概略図を示す。
[0022]このシステムは、ターゲット質量分析に主に適しており、超少量(サブpgから低fg)の試料は、試料用意ステップおよび濃縮ステップに当然ながら残っているので、試料マトリックスの存在中で検出されることになる。クロマトグラフィ保持時間(RT)などの分子質量または主要ピーク質量は、標準品の注入を伴う従前の実験から知られており、これはすべての特定のターゲット式分析のためにM(RT)マップを生成することを可能にする。EI源は、強い(1〜3mA)電子ビームのポテンシャル井戸内にイオンを蓄積する。周期的におよびOAと同期させて、貯蔵されたイオンは、EI電極に印加された発生器19からのパルスによってEI源からパルス放出させる。取り出しパルスも、ターゲット質量M(RT)のために事前計算される時間遅延を伴ってOAに印加される。OAは、ターゲット化合物と同位体希釈標準品との両方のスペクトルを記録するのにちょうど十分な比較的狭い質量範囲、典型的には20〜30amuの幅を許容する。EI源内の空間電荷の飽和を減少させるために、取り出しパルスは、MR−TOFの飛行時間に比べて顕著に短い時間周期で印加することができる。代替として、パルスはより長い期間で印加することができ、MR−TOFはズームモード中に動作させる。通常、MR−TOF18のズームモードは、MR−TOF分解能を増加させるために、パルス偏向20をMR−TOFのサイドレンズ要素に適用し、したがってイオンを分析器内の別の完全なパスに対して押すことによってなされる。
[0023]典型的なEI−MR−TOFは、超高感度分析を可能にするが、限られたマトリックス濃度の条件だけである。(1msあたり1回の)遅いパルス生成では、EI源は、30〜100pg/sもしくはその周辺の中性束で飽和させるとともに、より高速なパルス生成(30μsあたり約1回)では約1ng/秒のマトリックス束で飽和させる。10〜30分のGCの動作を説明すると、これは総マトリックス量の約100ng制限に対応し、すなわち分析は、10ppb(1E−8)またはその周辺の相対濃度のターゲットとされた化合物に制限される。達成は優れているが、より要求の厳しい応用には十分でない可能性がある。ダイオキシン分析の望ましいレベルは、1ppq(1E−15)までであり、一方、試料予備濃縮は、1E+5から1E+6へ制限されることが知られている。したがって、検出できる相対濃度のためにさらに低い制限を実現することが望ましい。
[0024]本発明者らは、大部分の蓄積されたイオンが約100〜150amu未満の低質量であることを理解した。そのような低質量イオンは、イオン貯蔵領域内の空間電荷飽和の大部分の原因となり、一方ターゲット質量は、この閾値より上である。一例として、毒性のあるダイオキシンは、約300から500amu内である。
[0025]次に図2を参照すると、最も一般的な形態において、ターゲット質量分光分析の提案した方法は、以下のステップ、すなわち、(a)ターゲット化合物の質量がクロマトグラフィ保持時間M(RT)の関数としてマップされるような標準的な条件でのクロマトグラフィ分離、(b)試料イオン化、(c)m(RT)よりも小さい低質量イオンの除去、(d)電子ビーム、または無線周波数四重極またはRFトラップにおけるイオン蓄積およびパルス放出、および(d)多重反射飛行時間質量分析計MR−TOF MSまたは静電トラップにおける質量分析を含む。一実施では、好ましくは、この方法は、同期式直行加速のステップをさらに含んでもよい。この方法およびその変形例の複数の詳細が、特定の機器のためにさらに示される。ここで、この方法が、イオン貯蔵および稀なパルス放出の改善を主に取り扱うものであり、したがってこの方法の利点の一部が、多重反射TOF MS、マルチターンTOF MS、開放静電トラップ、FT分析を用いる静電トラップ、および軌道トラップなどの延長された質量分析時間を用いる静電分析器からなるより一般化された群に適用できることは述べる価値がある。
[0026]図3は、一実施によるイオンフィルタリングおよびEIイオン源内のイオン蓄積を伴うEI−MR−TOFシステム31の概略図を示す。システム31は、周期的パルス状またはRF信号39をEI源15の少なくとも1つの電極に加えることによってシステム11と異なるようにする。図示の例では、0.3〜3MHzまたはその周辺の周波数範囲および50〜100Vもしくはその周辺の振幅の周期的パルス信号がイオンチャンバ35に印加され、ほぼ対称的で逆極性のパルス信号が、電極36および37に印加される。対称的な直流バイアスが電極35〜37へ供給されて大きい質量のイオンをこのようにして形成された四重極トラップの中心へ戻し、一方、小さい質量のイオンはトラップから除去される。低質量カットオフは、M(RT)プロット14中の曲線34に従って、すなわち、任意の特定のRTにおけるターゲット化合物の質量未満で、パルス信号の振幅または周波数を調整することによって保持時間(RT)を用いて調整することができる。信号対称性により、およびチャンバ直径あたりの電極距離(距離は直径の約0.9である)の適切な選択により、トラップの中心における正味電位は、パルス信号および電極35〜37への直流バイアスによる影響を受けないことにも留意されたい。約70eVの電子が2nsもしくはその周辺の時間で約1cmの源を貫いて飛ぶので、電子ビームは時変調を受け、ただしイオントラッッピング特性を失うことはない。100μs〜1msもしくはその周辺の期間内のイオン貯蔵の完了時に、取り出し用パルスは、取り出し電極38へ印加されて貯蔵されたイオンを同期式OA17の中に取り出す。適宜、パルス信号35〜37は、スイッチオフすることができ、または取り出し時間にある状態へ駆動することができる。適宜、電子ビームは、イオン取り出し時間に信号35の負のバイアスによって阻止することができる。信号の最適な構成は、実験でこれから決定される。
[0027]軽いイオンの除去によって(100〜150amuまたはその周辺のカットオフ質量の場合約2〜3桁だけ)蓄積されたイオンの空間電荷を激的に減少させ、これは、GC微小カラム能力の10ng/秒またはその周辺の制限まで実質的に増加した試料負荷でEI源の蓄積特性を保存する傾向がある。
[0028]図4は、一実施によるイオンフィルタリングおよびRFオンリ四重極(RFQ)内のイオン蓄積を伴うEI−MR−TOFシステム41の概略図を示す。システム41は、EI源15の後のイオン光学系42と、ポート44を介して0.133〜1.33Pa(1〜10mTor)のガス圧までヘリウムで満たされた加熱されたRFQ43と、出口スキマー45および46と、RF発生器49とを備える。好ましくは、軸方向直流勾配は、例えばグランドカーボン充填セラミック抵抗器(HVP抵抗器、US抵抗器)から作製された抵抗性四重極ロッドを用いて、および複数の二次コイルを有するRF回路49、および中央タップを介して供給される直流バイアスを用いて、RFQ43内に配置される。実験において、熱伝導性シュラウド47を加熱することによってRFQを少なくとも約250℃の高温で維持することが重要であることが分かった。シュラウド47およびRFQ43は、ガスとのイオン分子反応を防ぐために金属、ガラス、およびセラミックスのようなクリーン材料を備える。好ましくは、加熱されたRFQは、米国特許第6111250号に記載された、RFQを通じてのイオン移動の加速のために軸方向直流場を与えるように補助電極をさらに備えることができる。そのような補助電極は、軸方向場の線形性を改善するために(2方向に楔を形成する)先細った楔形電極とすることができる。一実施では、好ましくは、RFQ45内のイオントラッピングは、Linear Ion Trap with Axial Ejection as A Source for a TOF MS、ASMS 2005アブストラクト、Kozlovらに記載されるように、補助トラッッピングおよびパルス電極を用いてさらに改善することができる。
[0029]ここで、EI源15は、連続モードで動作し、したがって源内に確立された空間電荷を減少させる。イオンは、明らかに、2mmを上回る穴サイズにおいてほぼ単位効率でシュラウド47のエントランス穴へ集束する。EI源15とRFQ43の間の直流バイアスは、RFQ内のさらなるイオンフラグメンテーションを防ぐために、約10eV未満で維持される。中程度の(ほぼ3以上10V以下の)RFQ内の軸方向直流勾配は、約100〜200μs程度で迅速なイオン移動を与え、これは、極端に急速な分離をもたらすGC×GCを用いる場合、時間応答に影響を及ぼさない。電極45または46(好ましい)に離反電圧を組み合わせた軸方向勾配は、RFQ出口の近くに軸方向直流トラップを配置する。イオンは、電極46の電気パルスによって周期的に取り出される。クロック19は、取り出しパルスをOA17のパルスとほぼ同期させ、比較的狭い質量範囲(約20amu以上60amu未満)をNR−TOF18の中に入れるようになっている。中に入れられた質量範囲は、特定のターゲット式分析のために以前取得したM(RT)マップ14に従ってGC保持時間で調整される。M(RT)マップは、標準品の注入における連続システムモードでまたは標準的な分析法を用いて得ることができる。適宜、望ましい質量窓内の正確に等しい伝達は、RFQとOAパルスの間の時間遅延をディザリングすることによって得ることができる。適宜、限られた質量窓により信号の重なり合いを依然として防ぎつつ、パルス周期は、MR−TOF内の飛行時間より短く選択することができる。代替としておよびより好ましくは、パルス周期は、MR−TOF分析をいわゆるズームモードに配置するように延ばされており、分解能を高める目的で、イオンは複数の通過のためにMR−TOF内で偏向されるパルスである。イオン減衰が約300amu以上500amu以下のイオンについて約5〜10mtor*msであるガス圧と時間の積によって制御されるので、より長いパルス周期で、RFQからの部分的なイオンサンプリングにより、幾分低い(約0.40Pa以上約0.67Pa以下(約3mTor以上5mTor以下))ヘリウム圧力が使用され得る。
[0030]実験の章に示されるように、RFQトラッピングの空間電荷容量を増加させる目的で、低質量イオンを除去することが重要であり得る。低質量の境界は、グラフ14中の曲線48に従って選択されることが好ましく、それによって低質量カットオフが任意の特定のRTでターゲット質量未満のままであるようになる。一実施では、RFQは、特に減じられたRF周波数で、低質量カットオフのための優れたツールである。有効に輸送される質量範囲は、(十分なRF振幅が与えられ、振幅が低質量境界によって制限される場合)RF周波数の平方に比例することが知られており、広帯域RFQは約3以上5MHz以下の周波数を用いる。従来の分析とは対照的に、ターゲット分析では、広い質量範囲は必要でない。したがって、RF周波数は、約1000amuまでの正確に調整可能なカットオフのために約1MHzまで下げることができる。RFQは、分析四重極に比べて好ましく、それはもっとずっと高度な安定化された回路を必要とするとともに、トラップされたイオンのさらなる不安定性をもたらすことに留意されたい。
[0031]代替として、限られた(例えば、約10amu以上20amu以下)質量帯域が、さらなる粗い四重極フィルタによって、または粗い飛行時間フィルタを用いて選択されてもよい。国際公開第2012024468号(PEIS)に記載されるように、後者は、EI源15にイオンを蓄積しイオンをパルスにすることによって配置することができ、その後に、EI源15とRFQ43の間に短い線形のドリフト領域を配置することができる。そのようなドリフト空間は、レンズ42を延ばすことによって配置されてもよい。質量選択は、RFQ43のエントランススキマーを通じてのパルス進入許可によってなされ得る。
[0032]実験の章に示されるように、システム41は、いくつかの代替方式で動作させてもよい。約20amuの狭い質量帯域のパルス出力は、イオン信号の約100〜200倍の間の圧縮で約5以上10μs以下のパルス持続期間で実現される。30μsまたはその周辺の幅広いパルスを用いることによって、圧縮利得が約10以上20以下まで低下し、一方、質量範囲は約200amuまで拡大する。約1pg以上10ng以下の範囲に対応する相対的に強い信号の全質量範囲分析は、1またはその周辺における圧縮利得で連続RFQ動作にて行われることが好ましい。
[0033]システム41は、従来技術の貯蔵用EI源(国際公開第2012024468号)を超える提案した方法の利点を示す。イオン貯蔵領域はEI源からRFQの中に移され、それによってイオン貯蔵前の軽いイオンの除去が可能になり、したがって激的に(数桁)イオン貯蔵における空間電荷の制限を減少させる。従来技術の貯蔵用EI源は、試料による汚染の傾向があり、これはイオン貯蔵およびパルス放出方式に影響を及ぼす。貯蔵領域を源から遠くに移動させることによって、システム51は、ずっとより安定で頑丈になる。
[0034]図5は、加熱されたRFQ内のイオンフィルタリングおよび半径方向イオントラップ内のイオンパルス変換を伴うEI−MR−TOFシステム51の概略図を示す。システム51の上流部分は、OA17が直線イオンガイド56とさらなる切り替えRF供給部59を有するトラップ57とによって置き換えられることを除いて、システム41のものととても類似している。トラップ57(CS)の断面は、好ましくは、切り替えRF信号が側電極に印加され、一方、直流信号およびパルス信号は上電極および下電極に印加されることを示す。
[0035]一実施では、システム51は、次のように動作する。EI源は連続的に動作し、イオンは光学系42によって加熱されたRFQ43のエントランス穴へ集束する。RFQ43は、ガス圧約1.33Pa(約10mTor)までヘリウムで満たされる。イオン流は、RFQ電極45から出るように小さい振幅信号を印加することによって、長い(約100μs以上1ms以下)セグメントにおいて、ガイド56の中に向かうことが停止および解放される。注入したイオンは、トラップセグメント間の小さい直流バイアスによってトラップ57においてトラップされる。イオンは、約0.40Pa以上1.33Pa以下(約3mTorr以上10mTorr以下)のガス圧のヘリウム中で、約1ms以上2ms以下の時間内に減衰させる。周期的RF信号59はスイッチオフされ、取り出しパルスは、好ましくは等時性湾曲入口(図示せず)を介して、MR−TOF18の中へイオン注入するためにトラップの上電極および下電極へ印加される。一実施では、低質量イオンは、RFQ43においてフィルタリングされる。フィルタリングは、トラップ59内に蓄積した空間電荷を実質的に低下させ、より高い質量イオンの細長い(約1ms以上2ms以下)の蓄積を可能にする。
[0036]システム41とは対照的に、システム51は、プロット14のグレー領域によって示されるように、幅広い質量範囲の分析を可能にするが、直線トラップ、追加のRF供給部、および曲がった入口などのさらなるシステムの複雑化に関するコストが伴う。
[0037]実験的試験
[0038]以下の実験は、例示の目的のためのものである。実験的試験については、質量フィルタリングがイオン蓄積へ及ぼす影響が、内径ID13mmおよび長さ10mmのクローズドイオン源15を用いてGC−EI−MR−TOF MSシステム41において試験された。実験に関しては、熱電子エミッタ15eは、3mAの安定している放出電流をもたらした。イオン化チャンバは、イオン化チャンバ内の2mmのビームエントランス穴を通じて500μAの電流の電子ビームをサンプリングした。0.02T(200ガウス)の均一な磁石の場は、電子ビームをイオン化領域に閉じ込めた。イオン化チャンバの取り出し穴は約4mmの直径を有し、第2の電極(例えば、真空密封された取り出し電極)は直径約2mmの出口穴を定める。イオン化領域は、0.1から10mL/分のヘリウムガス流内の(Agilent Technologies,Inc.、5301 Stevens Creek Boulevard、Santa Clara、CA 95051−7201から市販の)Agilent6890Nガスクロマトグラフから輸送ラインを介して試料を受け取る。実験の大部分は、GC微小カラムにとって典型的な1mL/分のヘリウム流に対応する。この実験については、イオン化チャンバは接地に対して+90Vで浮かせ、電子エネルギーは約20eVから約100eVの間の範囲内で選択される。連続的にイオン化された試料は、数ボルトの弱い場によって取り出され、+85Vおよび+30Vの2つのリング電極によってRFQの加熱されたシュラウド内の2mmのエントランス穴の中に集束させる。RFQは、200オームのカーボン充填セラミック抵抗器(HVP抵抗器)製の6mmの抵抗性ロッドを備え、4つの二次コイルを用いてRF回路によって供給を受けている。3〜10Vの軸方向勾配は、二次コイルの中央タップを介してロッド端部間に直流バイアスを印加することによって配置される。RF周波数は2.3MHzである。RFQは、試料のビルドアップとメモリ効果を防ぐために250Cまで加熱される。最大試験振幅650Vで、RFQは、150amu未満のイオンを除去する。イオン貯蔵およびパルス放出は、出口スキマー45および46へのパルス信号によって行われる。プレート45は4mmの直径を有し、プレート46は1.5mmの直径を有する。試験スキーム間で、パルス生成プレート46はより高い圧縮利得をもたらし、したがってデータはこの一連の実験についてだけ示されることが分かった。取り出しパルスの典型的な周期は、(MR−TOF18における1000amuの飛行時間に相当する)50から650msで変わる。典型的な遅延は30〜40μsであり、300amuイオンのアドミタンスに対応する。イオン光学系16は、イオンをOAの中に舵取りするための舵取り電極をやはり備えている2つの望遠レンズからなるセットである。典型的な偏向は、正確な光学系位置合わせを示すゼロに近い。イオンビーム発散は、150Cの温度で加熱されたコリメータによって制限され、80mm間隔をおいて配置された3mmおよび1,5mmの直径の2つの穴によって形成される。
[0039]90eVのイオンビームは、直交サンプリングされるイオンパケットの有効長さが6mmの直交加速器17に入る。イオン源、RFQ43、レンズ16、および直交加速器17は、各実験についてMR−TOF分析器18のY軸に対して約4.5度の角度ですべて傾斜している。ビームは、直交加速器17の後のXZ平面上へ戻るように舵取りされる。ソース取り出しパルスと直交加速パルスの間の遅延は、望ましい質量範囲のイオンを進入許可するように変えられ、進入許可された質量範囲は、MR−TOF分析器18内で確認される。
[0040]図1のMR−TOF分析器18は、実験のために平坦であり、それぞれが5つの細長いフレームからなる2つの平行かつ平坦なイオンミラーを備える。電極の電圧は、初期イオンエネルギー、空間の広がり、および角度の広がりに対して高次の等時性イオン集束に到達するように調整される。ミラーキャップ間の距離は約600mmである。周期的レンズのセットは、主ジグザグ軌道に沿ったイオン閉じ込めを行う。イオンは、前方Z方向および後方Z方向にレンズを通過する。この実験の場合、イオン経路の有効全長は約16mである。加速電圧4kVは、MR−TOF分析器18の浮いているフィールドフリー領域によって規定される。1000amuの最も重いイオンについての飛行時間は、600μsであり得る。
[0041]連続動作モードでは、EI−TOF MSシステム41のデューティサイクルは、比較的重い質量/電荷比(例えば、m/e=1000)については約0.25%であり得、より小さいイオン質量/電荷比の平方根に比例して低下する。EI−TOF MSシステム41は、300amuの比較的重いイオンについて45,000〜50,000の分解能を有することができる。ズームモードでは、レンズ20は、対象となるイオンが分析器を通る第2の完全なパスを作成するように律動させ、これによって飛行時間と分解能の両方を2倍にする。
[0042]図6は、時間遅延プロファイルによって確かめられるデューティサイクルの測定値を示す。パルス蓄積モードでは、対象となるイオンは、時間が圧縮され、それによって調整パラメータに応じてパルス変換効率を100〜200倍高める。(カラムブリージングに対応する)281amuのイオンの場合、プロファイルの幅は1.5μsであり、90eVのエネルギーで6mmの間隙を通過する計算された飛行時間は、0.75μs(速度8mm/μs)である。したがって、実験的に測定されたデューティサイクルは50%である。
[0043]図7は、パルサー利得対m/zとして機器の機能を示す。140を上回る利得が10amuを上回る質量窓について得られる。シミュレートした機器の機能が、3つの交互の遅延を用いる場合に示される。20amuの質量窓は、パルサー利得=125で10%以内の均一さである利得が示される。
[0044]図8は、RF振幅200Vで得られたシステム41の感度を示す。感度は、GCカラムの中への1pgに対応する1:100分割で100pg/1μlのヘキサクロロベンゼンC6Cl6(HCB)の繰り返しの注入に関して測定された。より小さい注入は、制御困難であり、あまり再現できなかった。283.8イオン(同位体クラスタの全同位体存在比の1/3に相当する主な同位体)について得られたTIC(全イオン電流)およびSIC(選択イオン電流)の記録が、パルスモードおよび連続モードについて示されている。クロマトグラフィピークあたり検出されたイオンの総数は、個々のイオンあたりの信号ビットの平均数を測定しつつ計算された。連続モードにおいて感度は主な同位体あたり300〜500個のイオン(すべてのHCBピークあたり3000個のイオン)であるが、パルスモードは、主な同位体あたり約70,000から100,000個のイオンを示した(両者、GCカラムへ1pg注入時)。信号利得は約200倍である。そのような感度は、1/2000の存在比に対応するマイナーな293.8同位体についてのSIC記録の信頼できる検出を可能にする。同様の記録は、0.5fgの注入で主な同位体について得ることができると発明者は結論した。装置は、ターゲット式分析について感度と分解能の前例のない組合せを与える。しかしながら、錯体マトリックスを含む実際の試料を注入するとき、パルス方式の感度は、強く影響を受けた。
[0045]図9A、図9B、および図9Cは、パルスモードにおける感度の回復に及ぶ低質量カットオフの影響を示す。図9Aは、GCカラムに搭載された1μgのディーゼルについての連続MR−TOFモードで取得される典型的なTICプロファイルを示す。最大ピークは、源への10ng/秒の試料束に対応する。図9Bは、システム41をパルスモードで動作させ、RFQを200Vに設定したときの1μgのディーゼル負荷での264amu(PFTBAピーク)についてのSICを示す。PFTBAピークの信号は、1ng/秒に近づく試料負荷で消失する。図9Cは、システム41をパルスモードで動作させ、RFQを650Vに設定しときの1μgのディーゼル負荷での264amu(PFTBAピーク)についてのSICを示す。PFTBAピークの信号は、ディーゼル溶離中にいくらかの変化を有する。しかしながら、同様の信号変調が連続動作モードで観察される。したがって、それらの変化は、RFQ貯蔵の空間電荷の飽和ではなく連続源の飽和によって引き起こされる。変調は、EI源におけるより大きい穴を用いるとき消えることが知られている。
[0046]図10は、1pgのHCBと1μgのディーゼルを同時に同時注入する一例を示す。感度は、純粋なHCBの場合よりも低いが、1pgのHCB注入でのGCピークあたり283.8同位体あたり約50,000個のイオンをそれでも与える。したがって、フェムトグラムの検出は、1μgのマトリックスの存在で証明され、すなわち、検出可能な濃度比は1ppbである。
[0047]図11は、1.33Pa(10mtor)のヘリウム圧および5V直流勾配でのRFQ43内のイオン伝搬の時間プロファイルを示す。RFQエントランスでのイオンパルスは、RFQの前のイオン光学系を律動させることによって形成される。パルス遅延は(イオン質量に依存する)100〜200μsであり、一方パルス幅は約50μsである。したがって、RFQを通じてのイオン伝搬は、GC×GCにおける最高速分離に何ら影響を与えない。
[0048]本明細書は多くの詳細を含むが、これらは本開示の範囲のまたは特許請求され得るものの範囲の限定として解釈されるべきではなく、むしろ本開示の特定の実施に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施の文脈で本明細書に記載されているいくつかの特徴は、単一の実施において組み合わせて実施することもできる。逆に、単一の実施の文脈で記載されている様々な特徴は、複数の実施において別々に実施することもでき、または任意の適切な下位の組合せにおいて実施することもできる。また、特徴はある組合せにおいて作用するものとして上述された場合があり、さらにそのようなものとして最初に特許請求され得るが、特許請求された組合せからの1つまたは複数の特徴は、場合によっては、その組合せから削除されてもよく、特許請求された組合せは、下位の組合せまたは下位の組合せの変形例に向けられてもよい。
[0049]同様に、動作は特定の順序で図面に示されているが、これは、そのような動作が図示の特定の順序または連続した順序で行われること、あるいは所望の結果を実現するために、示されたすべての動作が行われることを必要とするものとして理解されるべきでない。いくつかの状況では、マルチタスクおよび並列処理が有利であり得る。また、上述した実施形態における様々なシステムの構成要素の分離は、すべての実施形態においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、説明したプログラムの構成要素およびシステムは、一般に、単一のソフトウェア製品にともに統合されてもよく、または複数のソフトウェア製品に実装されてもよいことを理解されたい。
[0050]いくつかの実施が説明された。それにもかかわらず、本開示の要旨および範囲から逸脱することなく様々な変更がなされてもよいことが理解されよう。したがって、他の実施は、以下の特許請求の範囲の範囲内にある。例えば、特許請求の範囲に挙げられた動作は、異なる順序で実行されてもよく、それでもなお所望の結果を実現する。

Claims (13)

  1. 試料のためのターゲット質量分光分析の方法であって、
    クロマトグラフィ分離のために、保持時間(RT)の関数としてターゲット質量のマップを確立するステップと、
    前記試料を注入しクロマトグラフィで分離するステップと、
    イオン源内で前記試料をイオン化するステップと、
    前記ターゲット質量より小さい低質量イオンを
    無線周波数場オンリ四重極イオンガイドにおいて低質量フィルタリングするステップ、
    200℃を上回って前記無線周波数場オンリ四重極イオンガイドを加熱するステップ、
    イオン軸方向速度を加速させおよび制御しならびに前記無線周波数場オンリ四重極イオンガイドの出口の近くでのイオン分子反応を減少させるように構成された軸方向直流場を配置するステップ、および
    前記無線周波数場オンリ四重極イオンガイドを1〜10mTor(0.133〜1.33Pa)のガス圧範囲のヘリウムガスで満たすステップ、
    により除去するステップと、
    前記無線周波数場オンリ四重極イオンガイドを介してイオンを蓄積しパルス放出するステップと、
    多重反射飛行時間質量分析計MR−TOF MSにおいて質量分析するステップと
    を含む方法。
  2. 同期式直交パルス式加速
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記クロマトグラフィでの分離のステップは、溶媒約1μLを超える大容量注入で行われる、請求項1に記載の方法。
  4. 前記クロマトグラフィでの分離のステップは、正確に、または実質的に0.5mL/分以上2mL/分以下のヘリウム流で行われる、請求項1に記載の方法。
  5. 前記クロマトグラフィでの分離のステップは、2mL/分から20mL/分のヘリウム流で行われ、前記方法は、
    前記試料をイオン化する前に差動ポンプステージにおいて溶離剤を分離するステップ
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記イオン化のステップは、(i)電子衝撃イオン化(EI)、(ii)化学イオン化(CI)、(iii)光化学イオン化(APPI)、(iv)大気圧化学イオン化(APCI)、(v)エレクトロスプレー(ESI)、(vi)SESI、(vii)調整されたグロー放電イオン化(GD)、および(viii)上記イオン化法における陽イオンモードまたは陰イオンモードのいずれかの使用からなる群から選択される1つのステップを含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記イオン化のステップは、電子衝撃イオン化であり、EI源の全開口面積は、(i)3から5mmの間、(ii)5から10mmの間、(iii)10から20mmの間、および(iv)20から50mmの間からなる群から選択される、 請求項6に記載の方法。
  8. MR−TOFにおける質量分光分析の前記ステップは、飛行経路およびMR−TOF分解能を2倍にするために、サイドレンズによってイオン運動を戻すステップをさらに含む、請求項1に記載の方法
  9. 前記イオン源と前記無線周波数場オンリ四重極イオンガイドとの間で直流バイアスを10eV未満に維持するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記ターゲット質量より小さい低質量イオンを除去する前記ステップは、前記無線周波数場オンリ四重極イオンガイドの無線周波数の平方に比例した輸送質量範囲を備える、請求項1に記載の方法。
  11. 試料のためのターゲット質量分光分析の方法であって、
    クロマトグラフィ分離のために、保持時間(RT)の関数としてターゲット質量のマップを確立するステップと、
    イオン源内で前記試料をイオン化するステップと、
    前記ターゲット質量より小さい低質量イオンを、
    線形無線周波数イオントラップにおいて低質量フィルタリングするステップ、および
    200℃を上回って前記線形無線周波数イオントラップを加熱するステップ、
    により除去するステップと、
    前記線形無線周波数イオントラップを介してイオンを蓄積しパルス放出するステップと、
    多重反射飛行時間質量分析計MR−TOF MSにおいて質量分析するステップと、
    を含む方法。
  12. 低質量イオンを除去する前記ステップは、イオン軸方向速度を加速させおよび制御しならびにイオン分子反応を減少させるように構成された軸方向直流場を配置するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
  13. 低質量イオンを除去する前記ステップは、前記線形無線周波数イオントラップを1〜10mTor(0.133〜1.33Pa)のガス圧範囲のヘリウムガスで満たすステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
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