JP6344207B2 - カバーガラスの製造方法 - Google Patents

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本発明は、表示装置に設けられるカバーガラスを製造する方法に関する。
従来から、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置の観察者側に、表示装置の表示面を保護するためのカバーガラスを設けることが知られている。タッチパネル機能が表示装置に搭載される場合、カバーガラスは、表示装置や、表示装置の観察者側に設けられるタッチパネルセンサを保護するという役割も果たす。なお、カバーガラスとタッチパネルセンサとが一体に構成されたものも知られている。
近年、スマートフォンやタブレットPCなど、表示装置付きの携帯端末の普及が著しい。携帯端末においては、使用環境において生ずる落下衝撃に対する耐久性が求められる。よって表示装置を保護するカバーガラスには、頻繁に生じる衝撃に耐え得るような高い強度が求められる。このような背景の下、例えば特許文献1において、圧縮応力が生じている圧縮応力層がその表面に形成されている強化ガラスを用いてカバーガラスを構成することが提案されている。
特許文献1においては、大型の強化ガラスを分割して個片化することにより、個々の表示装置の寸法に対応した寸法を有するカバーガラスが作製されている。ところで強化ガラスの圧縮応力層は、化学処理、又は、熱処理によってガラス表面に形成されるものである。従って、特許文献1のように大型の強化ガラスを分割した場合、得られるカバーガラスの側面には、引張応力が生じている引張応力層が露出することになる。このため特許文献1に記載の方法によっては、側面における十分な強度を備えたカバーガラスを製造することができないと考えられる。
一方、カバーガラスの側面上に樹脂を設けることによってカバーガラスの側面の強度を高めるという手法が提案されている。例えば特許文献2においては、カバーガラスの側面を含むカバーガラスの外周面を、プラスチック膜によって縁取ることが提案されている。縁取り方法としては、射出成形法、ディスペンシング法、噴霧塗装法やローラー塗装法などが提案されている。
特開2012−88946号公報 特開2012−111688号公報
表示装置へのカバーガラスの取り付け方によっては、カバーガラスの側面に設けられた樹脂製の補強部が、使用者から見えることがある。この場合、カバーガラスだけでなく補強部にも、デザイン的な美しさが求められる。例えば、カバーガラスと補強部とが一体的なものとして視認されることが好ましい。一方、ガラスの側面を含むカバーガラスの外周面を単にプラスチック膜によって縁取るだけでは、そのような一体感を実現することは困難である。
本発明は、このような課題を効果的に解決し得るカバーガラスを提供することを目的とする。
本発明は、表示装置に設けられるカバーガラスの製造方法であって、第1面、前記第1面と反対側の第2面、および前記第1面と前記第2面と間に広がる側面を含み、ガラスからなる単位基材と、前記単位基材の前記第1面上に設けられ、熱可塑性樹脂からなる基材層を含む第1保護膜と、を有する単位積層体を準備する工程と、前記単位基材の側面上に、樹脂材料を含む塗布液を塗布する塗布工程と、前記単位基材の側面上の塗布液を硬化させ、前記単位基材の側面上に補強部を形成する硬化工程と、を備え、前記第1保護膜は、前記単位基材の前記第1面に対向する内面と、前記内面の反対側の外面と、を含み、前記硬化工程によって得られた前記補強部は、前記第1保護膜の前記内面に接する第1面を含み、カバーガラスの製造方法は、前記硬化工程の後、前記第1保護膜を除去する除去工程をさらに備え、前記除去工程は、前記第1保護膜を部分的に加熱して、前記第1保護膜の前記内面と前記補強部の前記第1面との間に隙間を生じさせる加熱工程と、前記第1保護膜を前記補強部の前記第1面および前記単位基材の前記第1面から剥離させる剥離工程と、を含む、カバーガラスの製造方法である。
本発明によるカバーガラスの製造方法において、前記第1保護膜は、前記単位基材の前記第1面よりも側方に突出するよう構成されており、前記塗布工程において、前記塗布液は、前記単位基材の側面、および、前記単位基材の前記第1面よりも側方に突出している前記第1保護膜の前記内面に接するように塗布されてもよい。
本発明によるカバーガラスの製造方法において、前記加熱工程は、加熱された前記第1保護膜の温度が前記基材層の前記熱可塑性樹脂の融点よりも高くなるよう実施されてもよい。
本発明によるカバーガラスの製造方法の前記塗布工程において、前記塗布液は、塗布液の第1保護膜側の液面の端部の位置が、第1保護膜の端面の位置に一致するよう、塗布されてもよい。若しくは、塗布液は、塗布液の第1保護膜側の液面の端部の位置が、第1保護膜の端面の位置よりも、前記単位基材に対して外側になるよう、塗布されてもよい。若しくは、前記塗布液は、塗布液の第1保護膜側の液面の端部の位置が、第1保護膜の端面の位置よりも、前記単位基材に対して内側になるよう、塗布されてもよい。
本発明によるカバーガラスの製造方法において、前記単位基材は、少なくとも前記第1面および前記第2面に形成された圧縮応力層と、前記第1面側の前記圧縮応力層と前記第2面側の前記圧縮応力層との間に位置する引張応力層と、を含んでいてもよい。
本発明によるカバーガラスの製造方法において、前記単位基材の前記側面に前記引張応力層が露出しており、前記補強部は、前記単位基材の前記側面に露出している前記引張応力層が前記補強部によって覆われるよう、形成されてもよい。
本発明によるカバーガラスの製造方法において、前記単位積層体は、前記単位基材の前記第2面上に設けられ、熱可塑性樹脂からなる基材層を含む第2保護膜をさらに有し、前記第2保護膜は、前記単位基材の前記第2面に対向する内面と、前記内面の反対側の外面と、を含み、前記硬化工程によって得られた前記補強部は、前記第1保護膜の前記内面に接する前記第1面と、前記第2保護膜の前記内面に接する第2面と、を含んでいてもよい。
本発明によるカバーガラスの製造方法において、前記第2保護膜は、前記単位基材の前記第2面よりも側方に突出するよう構成されており、前記塗布工程において、前記塗布液は、前記単位基材の側面、前記単位基材の前記第1面よりも側方に突出している前記第1保護膜の前記内面、および、前記単位基材の前記第2面よりも側方に突出している前記第2保護膜の前記内面に接するように塗布されてもよい。
本発明によるカバーガラスの製造方法において、前記単位基材は、強化ガラスからなる基材を切断する切断工程を実施することによって得られたものであってもよい。
本発明によるカバーガラスの製造方法は、前記切断工程に先行して実施される保護膜形成工程であって、前記基材の第1面上および第2面上において所定の複数の区画に前記第1保護膜および前記第2保護膜を設ける保護膜形成工程、をさらに備え、前記切断工程においては、各区画に設けられた第1保護膜および前記第2保護膜の間隙に沿って前記基材を切断することにより、前記単位積層体が得られてもよい。
本発明によるカバーガラスの製造方法において、前記切断工程は、前記基材の前記第1面側および前記第2面側から、前記第1保護膜および前記第2保護膜をレジストとして前記基材をウェットエッチングすることによって前記基材を切断する工程を含んでいてもよい。
本発明において、単位基材の側面に設けられる補強部は、単位基材の側面、および、単位基材の第1面よりも側方に突出している第1保護膜の内面に接するように塗布液を塗布することによって形成される。このため、単位基材の第1面と補強部の第1面との間に段差が生じることを抑制することができる。これによって、単位基材と補強部との間の境界を目立たなくすることができる。また本発明において、補強部を形成した後に第1保護膜を除去する除去工程は、第1保護膜を部分的に加熱して、第1保護膜の内面と補強部の第1面との間に隙間を生じさせる加熱工程を含んでいる。このため、隙間が形成された位置を起点として第1保護膜を補強部の第1面および単位基材の第1面から容易に剥離させることができる。これによって、第1保護膜を除去する工程に要する時間を削減することができる。また、第1保護膜を除去する際に補強部を傷つけてしまうことを抑制することができる。
図1は、本発明の実施の形態におけるカバーガラス付き表示装置を示す展開図。 図2は、図1のカバーガラスを示す平面図。 図3は、図2のカバーガラスの、III線に沿った断面図。 図4は、図3のカバーガラスの側面を拡大して示す断面図。 図5は、カバーガラスが加飾部をさらに備える例を示す断面図。 図6は、カバーガラスがタッチパネルセンサ部をさらに備える例を示す断面図。 図7は、単位基材の母材となる、大型の強化ガラスからなる基材を示す図。 図8(a)(b)は、図7に示す基材上に保護膜を形成する保護膜形成工程を示す図。 図9は、図8に示す保護膜の層構成の一例を示す断面図。 図10(a)(b)は、図8(a)(b)に示す基材をウェットエッチングすることによって基材を切断する切断工程を示す図。 図11は、図10(a)(b)に示す単位基材の側面上に塗布液が塗布された状態を示す断面図。 図12は、図11に示す塗布液のうち保護膜の端面よりも外側に溢れ出た部分を掻きとった状態を示す図。 図13は、除去工程において用いられる加熱装置および剥離装置の一例を示す平面図。 図14Aは、第1保護膜を部分的に加熱する加熱工程を示す図。 図14Bは、第1保護膜の加熱された部分が熱収縮する様子を示す図。 図14Cは、第1保護膜を補強部および単位基材から剥離する剥離工程を示す図。 図15は、本発明の実施の形態の第1の変形例において、第1保護膜を部分的に加熱する加熱工程を示す図。 図16Aは、本発明の実施の形態の第2の変形例において、第1保護膜を部分的に加熱する加熱工程を示す図。 図16Bは、第1保護膜の加熱された部分が熱収縮する様子を示す図。 図17は、本発明の実施の形態の第2の変形例におけるカバーガラスを示す断面図。 図18Aは、本発明の実施の形態の第3の変形例において、第1保護膜を部分的に加熱する加熱工程を示す図。 図18Bは、第1保護膜の加熱された部分が熱収縮する様子を示す図。 図19(a)(b)は、本発明の実施の形態の第4の変形例において、基材上に保護膜を形成する保護膜形成工程を示す図。 図20は、図19(a)(b)に示す基材をウェットエッチングによって切断することによって得られた単位基材を示す断面図。 図21は、図20に示す単位基材の側面上に塗布液を塗布する塗布工程を示す図。 図22は、本発明の実施の形態の第4の変形例において、第1保護膜の加熱された部分が熱収縮する様子を示す図。 図23は、本発明の実施の形態の第4の変形例におけるカバーガラスを示す断面図。 図24は、実施例1において、加熱工程の際に第1保護膜の温度を測定した結果を示す図。
以下、図1乃至図14Cを参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
(カバーガラス付き表示装置)
はじめに図1を参照して、カバーガラス付き表示装置10について説明する。図1に示すように、カバーガラス付き表示装置10は、表示装置15とカバーガラス20とを組み合わせることによって構成されている。図示された表示装置15は、フラットパネルディスプレイとして構成されている。表示装置15は、表示面16aを有した表示パネル16と、表示パネル16に接続された表示制御部(図示せず)と、を有している。表示パネル16は、映像を表示することができるアクティブエリアA1と、アクティブエリアA1を取り囲むようにしてアクティブエリアA1の外側に配置された非アクティブエリア(額縁領域とも呼ばれる)A2と、を含んでいる。表示制御部は、表示されるべき映像に関する情報を処理し、映像情報に基づいて表示パネル16を駆動する。表示パネル16は、表示制御部の制御信号に基づいて、所定の映像を表示面16aに表示する。すなわち、表示装置15は、文字や図等の情報を映像として出力する出力装置としての役割を担っている。
図1に示すように、カバーガラス20は、表示装置15の観察者側において表示パネル16の表示面16a上に配置されている。このカバーガラス20は例えば、表示装置15の表示面16a上に接着層(図示せず)を介して接着されている。図1において、カバーガラス20の観察者側の面(第1面)が符号20aで表され、表示装置側の面(第2面)が符号20bで表されている。カバーガラス20は、表示パネル16のアクティブエリアA1および非アクティブエリアA2に対応して、映像光が透過するアクティブエリアAa1と、アクティブエリアAa1の周辺に位置する非アクティブエリアAa2と、に区画される。
(カバーガラス)
次にカバーガラス20について説明する。図2は、図1のカバーガラス20を示す平面図である。図2に示すように、カバーガラス20は、平面視において、四隅を有する矩形状の単位基材22と、単位基材22の側面22c上に設けられた補強部30と、を備えている。後述するように、単位基材22はガラスから構成されている。また補強部30は、単位基材22の側面22cを保護するために設けられるものである。図2に示す例において、補強部30は、平面視において単位基材22の側面22cを取り囲むよう設けられている。なお、補強部30は、単位基材22の側面22cのうち損傷し易い部分にのみ設けられていてもよい。例えば、図示はしないが、補強部30は、単位基材22の四隅にのみ設けられていてもよい。また図2においては、単位基材22の四隅が鋭く尖っている例が示されているが、これに限られることはなく、単位基材22の四隅は面取りされた状態となっていてもよい。例えば、単位基材22の四隅は角面や丸面になっていてもよい。
(補強部)
次に図3を参照して、補強部30について詳細に説明する。図3は、図2に示すカバーガラス20の線IIIに沿った断面図である。線IIIとしては、矩形状の形状を有する単位基材22の一辺ここでは短辺に平行に延びる線を採用している。図3に示すように、単位基材22は、観察者側の第1面22a、第1面22aと反対側の、すなわち表示装置側の第2面22b、および、第1面22aと第2面22bとの間に広がる側面22c、を含んでいる。
後述するように、単位基材22は、大型の強化ガラスからなる基材40を切断し分割して個片化することによって得られたものである。この単位基材22は、図3に示すように、第1面22aおよび第2面22bに形成された圧縮応力層24aと、第1面22a側の圧縮応力層24aと第2面22b側の圧縮応力層24aとの間に位置する引張応力層24bと、を含んでいる。圧縮応力層24aとは、圧縮応力が生じている層のことであり、引張応力層24bとは、引張応力が生じている層のことである。これら圧縮応力層24aおよび引張応力層24bを生じさせる方法としては、物理強化(風冷強化)や化学強化が知られている。例えば化学強化においては、歪点以下の温度で、ガラス中に含まれるアルカリイオンを、よりイオン半径の大きな他のアルカリイオンに交換するという化学的な処理が実施される。これによって、イオンが交換された表層付近に圧縮応力を発生させることができる。圧縮応力層24aを形成することにより、第1面22aまたは第2面22bに何らかの衝撃が加えられ、これによって第1面22aまたは第2面22bにクラックなどの傷が形成された場合であっても、傷が拡大することを防ぐことができる。このため、単位基材22の第1面22aおよび第2面22bは、衝撃に対する高い耐性を有している。単位基材22を構成する材料としては、例えばアルミノシリケートガラスが用いられ得る。圧縮応力層24aの厚みは、一般には10〜100μmの範囲内になっている。
一方、図3に示すように、単位基材22の引張応力層24bは、単位基材22の側面22cにまで達している。すなわち単位基材22の側面22cでは引張応力層24bが露出している。このため単位基材22の側面22cは、単位基材22の第1面22aおよび第2面22bと比較して、クラックなどの損傷に対して弱くなっている。上述の補強部30は、このような単位基材22の側面22cを保護するために設けられたものである。
補強部30を構成する材料としては例えば、加熱または紫外線照射などによって硬化する硬化性樹脂が用いられる。この場合、硬化前の成形時には補強部30は所望の流動性を有しており、そして硬化後には補強部30は所望の硬度や強度を有するようになる。このことにより、成形性と硬度や強度とを両立させることができる。
補強部30が、紫外線照射よって硬化する硬化性樹脂から構成される場合、補強部30を構成する材料として、例えばアクリル系樹脂と、光重合開始剤との組合せを用いることができる。また、ポリエン−ポリチオール系光硬化性樹脂を用いることもできる。ポリエン−ポリチオール系光硬化性樹脂とは、光照射に起因して重合反応が進行するよう構成されたポリエン−ポリチオール系樹脂のことである。補強部30が、加熱によって硬化する硬化性樹脂から構成される場合、補強部30を構成する材料として、例えばエポキシ樹脂を用いることができる。
次に、単位基材22の側面22cおよび補強部30の形状についてより詳細に説明する。図4は、図3のカバーガラス20の側面20cを拡大して示す断面図である。
はじめに補強部30の形状について説明する。補強部30は、単位基材22の第1面22aと同一平面上で第1面22aの端部22aeの近傍から側方へ延びる第1面31、単位基材22の第2面22bと同一平面上で第2面22bの端部22beの近傍から側方へ延びる第2面32、および、補強部30の第1面31と第2面32との間に広がる先端部33、を含んでいる。以下、このような第1面31および第2面32を含む補強部30によってもたらされる利点について説明する。
はじめに比較のため、上述の特許文献2において考えられる課題について説明する。特許文献2のように基材の外周面を縁取ることによって基材の側面を補強する補強部を設ける場合、補強部の面と基材の面との間に段差が形成されることになる。従って、補強部と基材との間の境界において、光が散乱されることや、光の透過率および反射率が大きく変化することが生じやすくなる。この結果、補強部と基材との間の境界が観察者から視認され易くなってしまう。すなわち、カバーガラスの意匠性が低下してしまうことが考えられる。また、カバーガラスの補強部が外部に露出している場合、タッチパネルの操作感が段差によって阻害されてしまう。
これに対して本実施の形態によれば、単位基材22の第1面22aと補強部30の第1面31とが同一平面上に位置している。同様に、単位基材22の第2面22bと補強部30の第2面32とが同一平面上に位置している。すなわち、単位基材22と補強部30との間に段差が全くまたはほとんど存在していない。具体的には、単位基材22の第1面22aおよび第2面22bと補強部30の第1面31および第2面32との間の段差がそれぞれ10μm以下になっている。このため、単位基材22と補強部30との間の境界が観察者から視認されてしまうことを抑制することができる。従って本実施の形態の補強部30によれば、カバーガラス20の側面20cの強度の確保と、カバーガラス20の意匠性の確保とを両立させることができる。また、タッチパネルの操作感が段差によって阻害されてしまうこともない。また上述のように、圧縮応力層24aの厚みは一般には10〜100μmの範囲内になっている。従って、単位基材22の第1面22aおよび第2面22bと補強部30の第1面31および第2面32との間の段差が10μm以下である場合、すなわち段差が圧縮応力層24aの厚みよりも小さい場合、単位基材22の側面22cにおいて、単位基材22の圧縮応力層24aと補強部30とが少なくとも部分的に重なることになる。従って、単位基材22の側面22cに露出している引張応力層24bを、補強部30によって隙間無く覆うことができる。このため、カバーガラス20の耐衝撃性をより確実に高くすることができる。
好ましくは、補強部30の第1面31および第2面32はそれぞれ、単位基材22の第1面22aおよび第2面22bと同一平面上で少なくとも300μmにわたって端部22aeおよび端部22beから側方へ延びている。これによって、カバーガラス20の側面20cの強度と、カバーガラス20の意匠性とをより確実に確保することができる。なお「同一平面上」とは、上述の段差の場合と同様に、補強部30の第1面31および第2面32のうち少なくとも300μmにわたって端部22aeおよび端部22beから側方へ延びている部分と、単位基材22の第1面22aおよび第2面22bとの間の、単位基材22の厚み方向における間隔が、10μm以下になっていることを意味している。
次に補強部30の先端部33について説明する。図4において、補強部30の第1面31の端部が符号31eで表されており、補強部30の第2面32の端部が符号32eで表されている。図4に示すように、先端部33は、端部31eと端部32eとの間をほぼ平坦に広がる平坦面として構成されている。そして、第1面31と先端部33とはほぼ直角に交わっており、同様に第2面32と先端部33とはほぼ直角に交わっている。すなわち本実施の形態においては、図4の左右方向(第1面31や第2面32が延びる方向)における端部31eの位置と端部32eの位置とが一致している。
次に、単位基材22の側面22cの形状について説明する。図4に示すように、単位基材22の側面22cは、第1側面22dおよび第2側面22eを含んでいる。第1側面22dは、単位基材22の第1面22aの端部22aeに交わるとともに、単位基材22の第2面22b側へ向かうにつれて単位基材22に対して外側へ広がっている。また第2側面22eは、単位基材22の第2面22bの端部22beに交わるとともに、単位基材22の第1面22a側へ向かうにつれて単位基材22に対して外側へ広がり、そして第1側面22dに合流している。このため、第1側面22dと第2側面22eとの合流部分が外側に突出することになる。この場合、補強部30が単位基材22の側面22cを挟み込む形になるため、補強部30を単位基材22の側面22cに強固に密着させることができる。なお「単位基材22に対して外側」とは、単位基材22の中心C(図2参照)から離れる側のことを意味している。また後述する「単位基材22に対して内側」とは、単位基材22の中心Cに近づく側のことを意味している。
図4に示すように、単位基材22の第1側面22dは、内側に凸となるよう湾曲した湾曲面を含んでいてもよい。なお「内側に凸」とは、第1側面22dが、第1面22aの端部22aeと、第1側面22dと第2側面22eとの合流位置とを結ぶ仮想的な線(平面)VL1よりも単位基材22に対して内側に位置していることを意味している。図4に示すように、第2側面22eも同様に、内側に凸となるよう湾曲した湾曲面を含んでいてもよい。このような形状を有する第1側面22dおよび第2側面22eは、例えば後述するように、大型の基材40を分割して単位基材22を得る際に、基材40の第1面側および第2面側の両方から基材40をウェットエッチングすることによって形成される。
(カバーガラスの寸法)
次にカバーガラス20の寸法について説明する。はじめに、単位基材22の側面22c上に設けられた補強部30の被覆寸法について説明する。ここで被覆寸法とは、補強部30の先端部33の法線方向に沿った方向における補強部30の長さのことである。補強部30の先端部33の法線方向は、図4における左右方向に平行である。
図4において、補強部30の被覆寸法の最小値が符号Tminで表されている。なお本実施の形態においては、上述のように、単位基材22の第1側面22dは、第2面22b側へ向かうにつれて外側へ広がっている。また単位基材22の第2側面22eは、第1面22a側へ向かうにつれて外側へ広がっている。また上述のように、補強部30の先端部33は、第1面31および第2面32に直角に交わる平坦面となっている。このため図4に示すように、第1側面22dと第2側面22eとが合流する位置において、補強部30の被覆寸法が最小値Tminになる。
補強部30の被覆寸法の最小値Tminは、カバーガラス20の側面20cなどに衝撃が加えられた場合であっても単位基材22の側面22cを保護することができるよう、適切に設定されている。例えば補強部30の被覆寸法の最小値Tminは、20μm以上に設定されている。なお単位基材22の側面22cのうち圧縮応力層24aが露出している部分においては、補強部30が設けられていなくても、十分な強度を確保することができる場合がある。従って、「補強部30の被覆寸法の最小値Tmin」は、側面22cの引張応力層24b上に設けられた補強部30の被覆寸法の最小値として定義されてもよい。
また本実施の形態においては、第1面31の位置または第2面32の位置において、補強部30の被覆寸法が最大値になる。ところで補強部30の被覆寸法の最大値が大きくなりすぎると、カバーガラス20に衝撃が加えられた場合に補強部30が単位基材22から剥離しやすくなることが考えられる。また、カバーガラス20におけるガラスの割合が減少し、樹脂の割合が増加するので、カバーガラス20の強度が低下することも考えられる。この点を考慮し、補強部30の被覆寸法の最大値は、被覆が最も薄い部分(図4において符号Tminで表されている部分)では250μm以下に設定され、被覆が最も厚い部分(図4において符号Tmaxで表されている部分)では500μm以下に設定されることが好ましい。
一例としては、図4に示す例において、被覆が最も薄い部分における補強部30の被覆寸法Tminを100μmに設定し、被覆が最も厚い部分における補強部30の被覆寸法Tmaxを300μmに設定することが考えられる。
カバーガラス20の厚み(すなわち単位基材22の厚みおよび補強部30の厚み)は、求められる強度や、カバーガラス20の面積などに応じて適切に設定されるが、例えば0.1mm〜1mmの範囲内になっている。
(カバーガラスのその他の構成要素)
図5に示すように、カバーガラス20の第2面20b側の非アクティブエリアAa2には、所望の色を呈するための加飾部60が設けられていてもよい。加飾部60の色は、カバーガラス付き表示装置10に対して求められる意匠性に応じて選択される。例えば加飾部60の色の例として、黒色、白色、水色、桃色、緑色などを挙げることができる。加飾部60を構成する材料は、選択された色に応じて決定されるが、例えば白色が求められる場合、加飾部60は、酸化チタンなどの着色顔料が分散された樹脂材料から構成される。なお図示はしないが、加飾部60は、カバーガラス20の第1面20aの法線方向に沿って見た場合に補強部30と重なるに構成されていてもよい。この場合、加飾部60のうち少なくとも補強部30と重なる部分は、補強部30が形成された後に補強部30上に設けられる。
また図6に示すように、外部導体の接近や接触を検知するためのセンサ電極を含むタッチパネルセンサ部50が、カバーガラス20の第2面20b側に設けられていてもよい。この場合、カバーガラス20は、表示装置15を保護するという役割だけでなく、タッチパネル機能を表示装置15に付与するという役割も果たすことができるようになる。
(カバーガラスの製造方法)
次に、以上のような構成からなるカバーガラス20を製造する方法について、図7〜図14Cを参照して説明する。
はじめに図7〜図10(a)(b)を参照して、大型の強化ガラスからなる基材40を用いて、単位基材22および保護膜81,82を有する単位積層体45を形成する工程について説明する。なお図7、図8(a)および図10(a)は、本工程における基材40を示す断面図である。また図8(b)は、本工程における基材40を示す平面図である。また図10(b)は、図10(a)に示す単位積層体45を拡大して示す断面図である。また図9は、保護膜81,82の層構成の一例を示す断面図である。
まず図7に示すように、大型の強化ガラスからなる基材40を準備する。基材40は、第1面40a、第1面40aの反対側にある第2面40b、および、第1面40aと第2面40bとの間に広がる側面40c、を含んでいる。図7に示すように、基材40の第1面40a、第2面40bおよび側面40cには圧縮応力層24aが形成されており、そして圧縮応力層24aの内側には引張応力層24bが存在している。このように基材40の表面は全て圧縮応力層24aによって形成されている。
次に図8(a)(b)に示すように、基材40の第1面40a上および第2面40b上において所定の複数の区画に第1保護膜81および第2保護膜82を設ける保護膜形成工程を実施する。保護膜81,82は、フッ酸などを用いた後述するウェットエッチングによって基材40を分割する際に基材40を保護するレジストとして機能するものである。
図8(a)(b)に示すように区画された保護膜81,82を形成する方法が特に限られることはない。例えば、はじめに、基材40の第1面40aおよび第2面40bの全域を覆うように第1保護膜81および第2保護膜82を設け、次に、第1保護膜81および第2保護膜82をパターニングしてもよい。パターニングの方法が特に限られることはない。例えば、第1面40aおよび第2面40bの全域にわたって設けられていた第1保護膜81および第2保護膜82を、基材40の区画毎に、金型による加工法やレーザー加工法を利用して分断してもよい。また、フォトリソグラフィー法を採用することもできる。各区画の寸法は、基材40を切断することによって得られる各単位基材22の寸法に対応している。また、図8(a)(b)に示す形状を予め有する複数枚の保護膜81,82を準備し、これら保護膜81,82を基材40の面40a,40b上の所定位置に貼り付けるようにしてもよい。
図9は、保護膜81,82の層構成の一例を示す断面図である。図9において、保護膜81,82の外面がそれぞれ符号81x,82xで表され、保護膜81,82の内面がそれぞれ符号81y,82yで表されている。ここで、第1保護膜81の内面81yとは、第1保護膜81の面のうち単位基材22の第1面22aに対向する面のことである。同様に、第2保護膜82の内面82yとは、第2保護膜82の面のうち単位基材22の第2面22bに対向する面のことである。また外面81x,82xとは、内面81y,82yの反対側に位置する面のことである。
図9に示すように、保護膜81,82は、内面81y,82yを構成する粘着層86と、粘着層86よりも外面81x,82x側に配置された基材層85と、を含んでいる。ここでは、基材層85によって外面81x,82xが構成されている。なお図9に示す例においては、基材層85と粘着層86とが互いに接する例が示されているが、これに限られることはなく、基材層85と粘着層86との間にその他の層が介在されていてもよい。
本実施の形態においては、後述するように、第1保護膜81を除去する除去工程において、第1保護膜81を部分的に加熱することによって第1保護膜81と補強部30の第1面31との間に隙間を生じさせ、これによって第1保護膜81の剥離を容易化する、という手法が用いられる。この点を考慮し、基材層85を構成する材料としては、加熱されることによって変形する熱可塑性樹脂が用いられる。基材層85を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー等のエチレン系共重合体、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化合物、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂などを挙げることができる。また、これらの熱可塑性樹脂を混合したものが用いられてもよい。また、これらの熱可塑性樹脂からなる複数の層を積層させることにより、基材層85が構成されていてもよい。
また保護膜81,82は、ウェットエッチングによって基材40を分割する際に基材40を保護するレジストとしての役割や、単位基材22の側面22c上に塗布される後述する塗布液35が零れ落ちてしまうことを遮る壁としての役割などを果たすためのものである。この点を考慮し、好ましくは、保護膜81,82の基材層85は、基材40を分割するために用いられるエッチング液に対する耐性を有するとともに、塗布液35の重量や、塗布液35からの圧力に耐え得る程度の強度を有するよう構成される。例えば、基材層85として、二軸延伸ポリプロピレンなど、上述の熱可塑性樹脂からなる層を延伸させたものが用いられてもよい。また延伸された熱可塑性樹脂を用いることにより、後述する除去工程の加熱工程において保護膜81,82の熱収縮が生じやすくなるという利点が得られる。基材層85の厚みは、例えば20μm〜100μmの範囲内に設定される。
粘着層86は、基材層85を単位基材22に貼り付けるためのものである。粘着層86を構成する材料としては、粘着剤や接着剤を構成する公知の樹脂を用いることができ、例えばアクリル系樹脂などを用いることができる。粘着層86の厚みは、例えば10μm〜60μmの範囲内に設定される。
保護膜81,82全体としての厚みは、例えば40μm〜150μmの範囲内に設定される。保護膜81,82の厚みが40μmの場合、基材層85および粘着層86の厚みは例えばそれぞれ20μmおよび20μmに設定される。保護膜81,82の厚みが150μmの場合、基材層85および粘着層86の厚みは例えばそれぞれ100μmおよび50μmに設定される。
上述の保護膜形成工程の後、図10(a)に示すように、基材40の各区画に設けられた保護膜81,82の隙間に沿って基材40を切断する切断工程を実施する。具体的には、基材40の第1面40a側および第2面40b側から、第1保護膜81および第2保護膜82をレジストとして基材40をウェットエッチングするエッチング工程を実施することによって、基材40を切断する。エッチング液としては、上述のようにフッ酸などが用いられる。これによって、図10(a)に示すように、ガラスからなる単位基材22と、単位基材22の第1面22a上に設けられた第1保護膜81と、単位基材22の第2面22b上に設けられた第2保護膜82と、を有する単位積層体45を得ることができる。
図10(b)は、図10(a)に示す単位積層体45を拡大して示す断面図である。図10(b)に示すように、第1保護膜81は、単位基材22の第1面22aよりも側方に突出するよう構成されている。同様に第2保護膜82は、単位基材22の第2面22bよりも側方に突出するよう構成されている。単位基材22と第1保護膜81および第2保護膜82との間のこのような関係は、エッチング液を用いた上述の切断工程の際に、単位基材22の第1面22aおよび第2面22b双方からのエッチングにより単位基材22が貫通される程度の時間にわたってエッチング工程を継続することによって実現される。具体的には、エッチング工程においては通常、単位基材22の側面22cのうち第1面22aおよび第2面22b近傍の位置において深さ方向(単位基材22の厚み方向)および水平方向(単位基材22の面方向)のいずれにおいても等方的にエッチングが進む。このため図10(b)に示すように、単位基材22の側面22cのうち第1面22aおよび第2面22b近傍においては、第1面22aと第2面22bとの間の中間部分に比べて、エッチングが水平方向に深く進む。この結果、端部22aeに交わるとともに第2面22b側へ向かうにつれて外側へ広がる第1側面22dと、端部22beに交わるとともに第1面22a側へ向かうにつれて外側へ広がる第2側面22eと、が得られる。
次に図11および図12を参照して、単位積層体45の単位基材22の側面22cに補強部を設ける工程について説明する。
(塗布工程)
はじめに図11に示すように、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂などの硬化性材料を含む塗布液35を単位基材22の側面22c上に塗布する塗布工程を実施する。ここでは、アクリル系樹脂と、光重合開始剤とを含む塗布液が用いられる場合について説明する。
塗布工程において、塗布液35は図11に示すように、単位基材22の側面22c、単位基材22の第1面22aよりも側方に突出している第1保護膜81の内面81y、および、単位基材22の第2面22bよりも側方に突出している第2保護膜82の内面82yに接するように塗布される。言い換えると、塗布液35は、単位基材22の側面22c、第1保護膜81および第2保護膜82によって囲われた空間内に充填される。なお塗布液35は、図11に示すように、第1保護膜81の端面81c上および第2保護膜82の端面82c上にも溢れ出る程度に塗布されてもよい。
次に、第1保護膜81の端面81c上および第2保護膜82の端面82c上に溢れ出ている塗布液35を、スキージなどを用いて掻きとる。これによって図12に示すように、塗布液35の表面が、第1保護膜81の端面81cおよび第2保護膜82の端面82cに一致するようになる。すなわち、塗布液35の第1保護膜81側の液面の端部の位置が、第1保護膜81の端面81cの位置に一致し、塗布液35の第2保護膜82側の液面の端部の位置が、第2保護膜82の端面82cの位置に一致するようになる。
(硬化工程)
その後、単位基材22の側面22c上に設けられた塗布液35を硬化させる硬化工程を実施する。ここでは、塗布液35に紫外線などの光を照射することによって、塗布液35を硬化させる。これによって、単位基材22の側面22c上に補強部30が形成される。このようにして得られた補強部30は、第1保護膜81の内面81yに接する第1面31と、第2保護膜82の内面82yに接する第2面32と、を含んでいる。
(第1保護膜の除去工程)
次に、第1保護膜81を除去する除去工程を実施する。以下、図13乃至図14Cを参照して、除去工程について説明する。
除去工程においては、はじめに、第1保護膜81を部分的に加熱して、第1保護膜81の内面81yと補強部30の第1面31との間に隙間81sを生じさせる加熱工程を実施する。次に、隙間81sが形成された位置を起点として第1保護膜81を補強部30の第1面31および単位基材22の第1面22aから剥離させる剥離工程を実施する。図13は、加熱工程において用いられる加熱装置91、および剥離工程において用いられる剥離装置92の一例を、単位積層体45の第1保護膜81の外面81x側から見た場合を示す平面図である。
図13に示す例においては、加熱工程の際、矩形状の第1保護膜81の四隅のうちの1つにおいて第1保護膜81の端面81cおよびその周辺の部分が加熱される。加熱装置91としては、例えば、第1保護膜81の端面81cおよびその周辺の部分に向かう熱風を発生させる熱風生成器が用いられ得る。また剥離装置92としては、例えば、表面が粘着性を有するよう構成された剥離ローラーが用いられ得る。この場合、剥離ローラーの表面に第1保護膜81を巻きつかせながら第1保護膜81を所定の移動方向Mへ回転移動させることにより、第1保護膜81が補強部30の第1面31および単位基材22の第1面22aから剥離される。なお図13においては、剥離ローラーなどからなる剥離装置92の移動方向Mが、矩形状の第1保護膜81の対角線の方向にほぼ平行である例が示されている。しかしながら、加熱工程において生じた隙間81sを利用して第1保護膜81を剥離することができる限りにおいて、第2保護膜82の移動方向Mが特に限られることはない。
以下、図14A乃至図14Cを参照して、加熱工程および剥離工程について詳細に説明する。
図14Aおよび図14Bは、加熱工程を示す図である。図14Aに示すように、加熱工程においては、加熱装置91が第1保護膜81の端面81cおよびその周辺の部分に向けて第1保護膜81の外面81x側から熱風Fを送る。これによって、第1保護膜81の端面81cおよびその周辺の部分が加熱される。その後、加熱された第1保護膜81の温度が、基材層85を構成する熱可塑性樹脂の融点よりも高くなると、厚み方向における第1保護膜81の熱収縮が生じる。この結果、図14Bに示すように、第1保護膜81の内面81yと補強部30の第1面31との間に隙間81sが生じるようになる。また、面方向すなわち図14Bの左右方向における第1保護膜81の熱収縮も生じるので、図14Bに示すように、第1保護膜81の端面81cが、加熱前の位置よりも、単位基材22に対して内側の位置に、すなわち単位基材22の中心Cに近づく側へ変位することもある。
図14Cは、剥離工程を示す図である。剥離工程においては、はじめに、上述の隙間81sが生じた部分において第1保護膜81の外面81xに、剥離ローラーからなる剥離装置92を密着させ、次に剥離装置92を回転移動させる。隙間81sが生じていることにより、剥離装置92の回転に伴って、第1保護膜81の端面81cおよびその周辺の部分は容易に補強部30の第1面31から剥離される。これによって、剥離装置92の表面に第1保護膜81の一定部分が巻き付けられる。一定部分の第1保護膜81が剥離装置92に巻き付けられた後であれば、剥離装置92をさらに回転移動させることにより、第1保護膜81を全域にわたって補強部30の第1面31および単位基材22の第1面22aから容易に剥離させることが可能である。このため本実施の形態によれば、第1保護膜81を除去する工程に要する時間を削減することができる。
(第2保護膜の除去工程)
その後、第2保護膜82を除去する除去工程を実施する。第2保護膜82を除去する除去工程は、第1保護膜81の場合と同様に、第2保護膜82を部分的に加熱する加熱工程を含んでいてもよい。第1保護膜81および第2保護膜82を除去することにより、図3に示すカバーガラス20を得ることができる。なお図示はしないが、図3に示すカバーガラス20を得た後、後述する第2の変形例や第4の変形例の場合と同様に、補強部30を所望の形状に加工する加工工程を実施してもよい。
本実施の形態によれば、単位基材22の側面22c上に、硬化性樹脂からなる補強部30が設けられている。このため、カバーガラス20の側面20cに衝撃が加えられた場合に単位基材22の側面22cに伝わる力が、補強部30によって緩和され、単位基材22の側面22cにクラックなどの損傷が生じることを抑制することができる。このことにより、仮に単位基材22の側面22cに圧縮応力層が形成されていない場合であっても、カバーガラス20の耐衝撃性を十分に高くすることができる。また、単位基材22の側面22cに引張応力層24bが露出している場合であっても、露出している引張応力層24bを補強部30によって覆うことができるので、カバーガラス20の耐衝撃性を十分に高くすることができる。
また本実施の形態によれば、補強部30は上述のように、単位基材22の第1面22aから側方に突出した第1保護膜81および単位基材22の第2面22bから側方に突出した第2保護膜82によって位置決めされた空間内に形成されたものである。このため図3に示すように、単位基材22の第1面22aと補強部30の第1面31とは同一平面上に位置している。同様に、単位基材22の第2面22bと26の第2面32とは同一平面上に位置している。すなわち、単位基材22と補強部30との間に段差が全くまたはほとんど存在していない。このため、単位基材22と補強部30との間の境界が観察者から視認されてしまうことを抑制することができる。従って本実施の形態の補強部30によれば、カバーガラス20の側面20cの強度の確保と、カバーガラス20の意匠性の確保とを両立させることができる。また、タッチパネルの操作感が段差によって阻害されてしまうこともない。
また本実施の形態において、補強部30を形成した後に第1保護膜81を除去する除去工程は、第1保護膜81を部分的に加熱して、第1保護膜81の内面81yと補強部30の第1面31との間に隙間81sを生じさせる加熱工程を含んでいる。このため、隙間81sが形成された位置を起点として第1保護膜81を補強部30の第1面31および単位基材22の第1面22aから容易に剥離させることができる。これによって、第1保護膜81を除去する工程に要する時間を削減することができる。また、第1保護膜81を除去する際に補強部30を傷つけてしまうことを抑制することができる
また本実施の形態においては上述のように、第1保護膜81の端面81c上および第2保護膜82の端面82c上に溢れ出ている塗布液35を、スキージなどを用いて掻きとることによって、補強部30の先端部33が整面されている。このため、塗布液35を硬化させることによって得られる補強部30において、その第1面31の端部31eの位置は、第1保護膜81の端面81cの位置に一致することになる。
同様に、補強部30の第2面32の端部32eの位置は、第2保護膜82の端面82cの位置に一致することになる。このように本実施の形態によれば、補強部30の第1面31の端部31eの位置および第2面32の端部32eの位置を、保護膜81,82の端面81c,82cの位置に基づいて定めることができる。
上述のように補強部30は、所定の流動性を有する塗布液35に基づいて形成される。従って、仮に保護膜81,82のような枠を用いることなく塗布液35を塗布する場合、塗布液35の厚みや形状などの寸法を精密に制御することは困難である。一方、保護膜81,82の端面81c,82cは上述のように、金型やレーザーを利用した加工によって高精度にその位置が定められる。従って本実施の形態によれば、塗布液35の厚みや形状などの寸法の精度として、金型やレーザーを利用した加工における精度に準じる精度を実現することができる。このため本実施の形態によれば、補強部30の端部31e,32eの位置、すなわちカバーガラス20の端部の位置を精度良く定めることができる。このことにより、カバーガラス20と表示装置15、ケースとの組立ての際に、工程の容易さや歩留りを高めることができる。またカバーガラス20に加飾部60やタッチパネルセンサ部50が設けられている場合、表示装置15に対する加飾部60やタッチパネルセンサ部50の加工精度も高めることができる。このことにより、カバーガラス付き表示装置10の高い意匠性や操作性を実現することができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、いくつかの変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(第1の変形例)
第1保護膜81を除去するために第1保護膜81を部分的に加熱する加熱工程においては、図15に示すように、熱収縮によって第1保護膜81が反り返って内面81yが露出するようになるまで、第1保護膜81を加熱してもよい。この場合、剥離工程の初期段階で、剥離ローラーなどからなる剥離装置92を第1保護膜81の内面81yに密着させることが可能になる。このため、第1保護膜81を補強部30の第1面31および単位基材22の第1面22aからより容易に剥離させることができる。
図15に示すような大きな反りが第1保護膜81に生じる理由としては、限定はされないが、以下のことが考えられる。
一般に、粘着層86よりも基材層85の方が、熱収縮が生じやすい。このため、加熱工程の初期段階においては、第1保護膜81を加熱することにより、基材層85の方が粘着層86よりも大きく収縮し、この結果、第1保護膜81の端面81c周辺の部分にわずかに反りが生じる。このため、第1保護膜81の端面81c周辺の部分において、第1保護膜81の内面81yと補強部30の第1面31との間に隙間81sが生じる。
隙間81sが生じると、第1保護膜81と補強部30との間の熱抵抗が大きくなる。このため、第1保護膜81に加えられた熱が補強部30に伝わりにくくなり、この結果、第1保護膜81の端面81c周辺の部分がより効率的に加熱されるようになる。このため、第1保護膜81の反りがさらに進行し、内面81yが露出するようになる。
(第2の変形例)
上述の本実施の形態においては、第1保護膜81の端面81c上および第2保護膜82の端面82c上に溢れ出ている塗布液35を、スキージなどを用いて掻きとる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、塗布液35が第1保護膜81の端面81cや第2保護膜82の端面82c上に溢れ出ている状態で塗布液35を硬化させて補強部30を形成してもよい。すなわち、塗布液35の第1保護膜81側の液面の端部の位置が、第1保護膜81の端面81cの位置よりも外側すなわち単位基材22の中心Cから遠い側になり、また塗布液35の第2保護膜82側の液面の端部の位置が、第2保護膜82の端面82cの位置よりも外側すなわち単位基材22の中心Cから遠い側になるよう、塗布液35が塗布されてもよい。この場合、図16Aに示すように、第1保護膜81の内面81yだけでなく端面81cやさらには外面81xにも、補強部30が接するようになることが考えられる。すなわち、第1保護膜81が補強部30により強く密着することが考えられる。この場合であっても、加熱装置91を用いて第1保護膜81を部分的に加熱する加熱工程を実施することにより、図16Bに示すように、第1保護膜81の内面81yと補強部30の第1面31との間に隙間81sを生じさせることができる。また、第1保護膜81の端面81cを、加熱前の位置よりも内側の位置すなわち単位基材22の中心Cにより近い位置に変位させることもできる。従って、第1保護膜81が補強部30により強く密着している場合であっても、第1保護膜81を補強部30および単位基材22から容易に剥離させることができる。
第1保護膜81および第2保護膜82を単位基材22から除去した後、図17に示すように、補強部30を所望の形状に加工する加工工程を実施してもよい。図17においては、加工工程が、補強部30の第1面31側の端部31eまたは第2面32側の端部32eの一方、例えば第1面31側の端部31eを少なくとも削り落とすように実施される例が示されている。図17に示す例においては、補強部30の先端部33のうち第1面31と交わる部分が、丸面に加工されている。この場合、第2面32側の端部32eは、未加工部分として残っていてもよい。図17に示す例によれば、補強部30の第1面31側を主に加工することにより、カバーガラス20の第1面20a側が広域にわたって丸みを帯びているような印象を与えることができる。なお、加工工程によって実現される補強部30の具体的な形状が特に限られることはない。
(第3の変形例)
上述の本実施の形態においては、塗布液35の表面が第1保護膜81の端面81cおよび第2保護膜82の端面82cに一致するか若しくは端面81c,82cよりも外側に位置するようになるまで、単位基材22の側面22c、第1保護膜81および第2保護膜82によって囲われた空間内に塗布液35が充填される例を示したが、これに限られることはない。例えば塗布工程において塗布液35は、その表面が第1保護膜81の端面81cおよび第2保護膜82の端面82cよりも内側すなわち単位基材22の中心Cにより近い側に位置するよう、単位基材22の側面22c、第1保護膜81および第2保護膜82によって囲われた空間内に塗布されてもよい。この場合、図18Aに示すように、塗布液35から形成される補強部30の端部31eおよび端部32eは、第1保護膜81の端面81cおよび第2保護膜82の端面82cよりも内側(単位基材22の中心C側)に位置するようになる。
本変形例においても、単位基材22の第1面22aと補強部30の第1面31とは同一平面上に位置している。同様に、単位基材22の第2面22bと補強部30の第2面32とは同一平面上に位置している。すなわち、単位基材22と補強部30との間に段差が全くまたはほとんど存在していない。このため、単位基材22と補強部30との間の境界が観察者から視認されてしまうことを抑制することができる。従って本実施の形態の補強部30によれば、カバーガラス20の側面20cの強度の確保と、カバーガラス20の意匠性の確保とを両立させることができる。また、タッチパネルの操作感が段差によって阻害されてしまうこともない。
また本変形例においても、補強部30を形成するための塗布液35が、単位基材22の側面22c、第1保護膜81および第2保護膜82によって囲われた空間内に塗布される。ここで、第1保護膜81と第2保護膜82との間の間隔は一定である。従って、第1保護膜81および第2保護膜82によって囲われた空間内に塗布される塗布液35の表面の位置、ひいては補強部30の先端部33や端部31e,端部32eの位置は、塗布液35の塗布量に応じて一意に定まることになる。このため、第1保護膜81および第2保護膜82によって囲われた空間内に塗布される塗布液35の塗布量を適切に調整することにより、補強部30の先端部33や端部31e,31eの位置を精密に定めることができる。すなわち、高い外形寸法精度で形成された側面20cを備えたカバーガラス20を提供することができる。
また本変形例においても、加熱装置91を用いて第1保護膜81を部分的に加熱する加熱工程を実施することにより、図18Bに示すように、第1保護膜81の内面81yと補強部30の第1面31との間に隙間81sを生じさせることができる。また、第1保護膜81の端面81cを、加熱前の位置よりも内側の位置すなわち単位基材22の中心Cにより近い位置に変位させることもできる。従って、第1保護膜81を補強部30および単位基材22から容易に剥離させることができる。
(第4の変形例)
上述の本実施の形態においては、第1保護膜81の端面81cの位置と、第2保護膜82の端面82cの位置とが、基材40または単位基材22の法線方向に沿って見た場合に一致している例を示したが、これに限られることはない。例えば図19(a)(b)に示すように、第2面40b上に設けられる第2保護膜82の端面82cが、第1面40a上に設けられる第1保護膜81の端面81cよりも、基材40を切断することによって得られる各単位基材22に対して外側すなわち単位基材22の中心Cから離れる側に位置していてもよい。この結果、第1保護膜81間の間隙が第2保護膜82間の間隙よりも大きくなる。第1保護膜81の端面81cと第2保護膜82の端面82cとの間の距離dは、単位基材22の側面22cの形状に応じて決定されるが、例えば50〜2000μmの範囲内になっており、より具体的には300μm程度になっている。
図19(a)(b)に示す第1保護膜81および第2保護膜82をレジストとして基材40をウェットエッチングする場合、保護膜間の間隙が第1面40a側の方が大きいため、第2面40b側に比べて第1面40a側からのエッチングの方がより深くまで進行する。この結果、ウェットエッチングによる切断工程によって得られた単位基材22においては、図20に示すように、単位基材22の第1面22aの端部22aeが第2面22bの端部22beよりも内側すなわち単位基材22の中心Cに近づく側に位置するようになる。また、第1面22a側の第1側面22dと第2面22b側の第2側面22eとが合流する位置が、第1面22aと第2面22bとの中間位置ではなく第2面22b寄りの位置になる。
図21は、単位基材22の側面22c、第1保護膜81の内面81aおよび第2保護膜82の内面82aによって囲われた空間内に塗布液35が充填されている様子を示す図である。ところで本実施の形態においては、上述のように、第2保護膜82の端面82cが第1保護膜81の端面81cよりも外側に位置するように保護膜81,82が設けられている。このため、第2保護膜82が第1保護膜81よりも下方に位置するように単位基材22が支持されている状態で塗布液35を塗布する場合に、第1保護膜81よりも外側に突出している第2保護膜82によって塗布液35を下方から支持することができる。このため図21に示すように、第1保護膜81の端面81cの第2保護膜82側の端部81eと第2保護膜82の端面82cの第1保護膜81側の端部82eとを結ぶ仮想的な線(平面)VL2よりも外側すなわち単位基材22の中心Cから離れる側にまで溢れ出るように塗布液35を塗布する、ということを容易に実現することができる。また本実施の形態においては、上述のように、第1面22a側の第1側面22dと第2面22b側の第2側面22eとが、第1面22aと第2面22bとの中間位置ではなく第2面22b寄りの位置で合流している。このため、塗布液35が塗布される場合に、単位基材22の側面22cの第1側面22dによって塗布液35をより安定に保持することができる。このことも、塗布工程の容易化に有利に作用する。
次に、塗布液35を硬化させて補強部30を形成する。その後、第1保護膜81および第2保護膜82を除去する除去工程を実施する。
本変形例においては、上述のように塗布工程において第1保護膜81の端面81cよりも外側にまで溢れ出るように塗布液35が塗布されるので、第1保護膜81の内面81yだけでなく端面81cにも補強部30が接するようになる。この場合であっても、加熱装置91を用いて第1保護膜81を部分的に加熱する加熱工程を実施することにより、図22に示すように、第1保護膜81の内面81yと補強部30の第1面31との間に隙間81sを生じさせ、かつ、第1保護膜81の端面81cと第1面31との間にも隙間を生じさせることができる。このため、第1保護膜81を補強部30および単位基材22から容易に剥離させることができる。
第1保護膜81および第2保護膜82を単位基材22から除去した後、補強部30を所望の形状に加工する加工工程を実施してもよい。これによって、例えば図23に示すように、第1接続面31aおよび第1内向面31bを含む第1面31と、第2接続面32aおよび第2内向面32bを含む第2面32と、を有する補強部30を得ることができる。なお図3および図4に示す上述の本実施の形態における補強部30に対しても、同様の加工を実施してもよい。
第1接続面31aは、単位基材22の第1面22aと同一平面上で単位基材22の第1面22aの端部22aeから側方へ延びる面である。第1内向面31bは、単位基材22の厚み方向において第1接続面31aよりも単位基材22の第2面22b側に位置する面である。例えば第1内向面31bは、第1接続面31aとの境界部から、単位基材22の厚み方向における内側に向かって広がっている。
また第2接続面32aは、単位基材22の第2面22bと同一平面上で単位基材22の第2面22bの端部22beから側方へ延びる面である。第2内向面32bは、単位基材22の厚み方向において第2接続面32aよりも単位基材22の第1面22a側に位置する面である。
補強部30は、上述のように樹脂材料によって構成されているので、カバーガラス20の側面20cが強化ガラスによって構成されている場合に比べて、カバーガラス20の側面20cを加工して所望の形状を得ることがより容易である。また、加工に起因する強度の低下やマイクロクラックの発生が生じにくい。加工方法としては例えば、研磨機を用いた加工を採用することができる。また、単位基材22の側面22c上に設けられる補強部30の被覆寸法を、より内側すなわち第1面22aまたは第2面22b側に位置する単位基材22の側面22c(ここでは第1側面22d)と補強部30の先端部33との間でより広く確保することができる。本変形例において、補強部30の被覆寸法は例えば20〜2000μmの範囲内に設定される。
本変形例によれば、第1面22a側の第1側面22dと第2面22b側の第2側面22eとを、第2面22b寄りの位置で合流させることにより、第1側面22dと補強部30の第1面31や先端部33との間における補強部30の厚みを十分に確保しながら、補強部30の第1面31の第1内向面31bをより広く確保することが可能になる。これによって、補強部30の形状的な特徴をより際立たせることが可能になる。
(加熱装置の変形例)
上述の本実施の形態においては、第1保護膜81を部分的に加熱するための加熱装置91として、熱風を発生させる熱風生成器が用いられる例を示した。しかしながら、第1保護膜81を部分的に加熱して第1保護膜81を部分的に熱収縮させることができる限りにおいて、加熱装置91の具体的な構成が特に限られることはない。例えば加熱装置91は、高温蒸気、高温液体、遠赤外線などを利用して第1保護膜81を部分的に加熱するものであってもよい。
(加熱工程の変形例)
上述の本実施の形態においては、加熱された第1保護膜81の温度が基材層85を構成する熱可塑性樹脂の融点よりも高くまで加熱工程が実施される例を示した。しかしながら、第1保護膜81の内面81yと補強部30の第1面31との間に隙間を形成することができる限りにおいて、加熱工程の際に第1保護膜81が到達する最高温度が特に限られることはない。
(塗布液の構成の変形例)
上述の本実施の形態においては、単位基材22の側面22c上に塗布される塗布液35が、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂などの硬化性材料を含む例を示したが、これに限られることはない。単位基材22の側面22c上に塗布される際には所定の流動性を有するが、その後に硬化することができる限りにおいて、本実施の形態や、後述するその他の実施の形態において、補強部30を形成するための塗布液35として様々な流動体を用いることができる。例えば塗布液35として、熱によって溶融した状態の樹脂材料からなる流動体を用いてもよい。この場合、単位基材22の側面22c上に塗布液35が塗布された後、塗布液35が冷えて固化することにより、塗布液35が硬くなる。これによって、樹脂材料を含む補強部30を得ることができる。このように本実施の形態や、後述するその他の実施の形態において、「硬化」とは、加熱または紫外線照射などによって樹脂材料が硬化する現象だけでなく、冷えて固化することによって樹脂材料が硬化する現象をも含む概念である。なお自然冷却によって樹脂材料が冷えて固化してもよく、若しくは、強制冷却によって樹脂材料が冷えて固化してもよい。また「固化」とは、物質が、気体または液体の状態から固体の状態に変化することを意味している。
(補強部を構成する材料に関する変形例)
上述の本実施の形態および各変形例や、後述するその他の実施の形態において、補強部30は、塗布液35を硬化させることにより形成される。このため、塗布液35が硬化する際に大きな収縮が生じると、補強部30の寸法の精度が低下してしまうことになる。また大きな収縮が生じると、補強部30と単位基材22の側面22cとの間の密着性も低下してしまう。また、単位基材22の厚み方向(単位基材22の第1面22aおよび第2面22bの法線方向)において大きな収縮が生じると、単位基材22の第1面22aおよび第2面22bと補強部30の第1面31および第2面32との間に大きな段差が生じ、この結果、単位基材22と補強部30との間の境界が観察者から視認され易くなってしまう。従って、塗布液35や補強部30を構成する材料としては、硬化する際の収縮が可能な限り小さい材料が好ましい。例えば、硬化する際に収縮が生じた場合であっても、単位基材22の第1面22aおよび第2面22bと補強部30の第1面31および第2面32との間の段差をそれぞれ1〜10μmの範囲内に抑制することができる材料が好ましい。
なお上述のように、圧縮応力層24aの厚みは一般には10〜100μmの範囲内になっている。従って、硬化する際の収縮が小さい材料を選択し、これによって単位基材22と補強部30との段差をそれぞれ1〜10μmの範囲内に抑制することは、収縮の程度が圧縮応力層24aの厚みよりも小さくなることを導く。このため、硬化する際に塗布液35や補強部30が収縮したとしても、カバーガラス20の側面20cに引張応力層24bが露出してしまうことを防ぐことができる。
本件発明者らが鋭意実験を重ねた結果、塗布液35や補強部30を構成する材料として、ポリエン−ポリチオール系光硬化性樹脂を用いたところ、単位基材22の第1面22aおよび第2面22bと補強部30の第1面31および第2面32との間の段差をそれぞれ1〜10μmの範囲内に、より具体的には約5μmに抑制することができた。なお、実験に用いた単位基材22の厚みは700μmであった。
上述の実験結果に基づいて、塗布液35や補強部30を構成する材料に対して求められる、収縮率に関する条件について検討する。ここでは、単位基材22の厚み方向における収縮率(以下、「厚み方向線収縮率」とも称する)について検討する。補強部30の第1面31側および第2面32側の両方に、単位基材22の第1面22aおよび第2面22bとの間に段差がそれぞれ10μm生じた場合、塗布液35が硬化する際の厚み方向線収縮率は、(10μm×2/700μm)×100=2.86%となる。また、段差が5μmである場合、塗布液35が硬化する際の厚み方向線収縮率は、(5μm×2/700μm)×100=1.43%となる。このことから、単位基材22の第1面22aおよび第2面22bと同一平面上に位置する第1面31および第2面32を有する補強部30を得るためには、塗布液35を構成する材料として、線収縮率が3%以下、より好ましくは1.5%以下の材料を用いることが求められると言える。
なお上述の実験において、塗布液35は、単位基材22の側面22cに接している。このため、単位基材22の側面22cの近傍においては、単位基材22の厚み方向において収縮しようとする塗布液35に対して、単位基材22の側面22cが、収縮を妨げる方向において力を及ぼすと考えられる。従って、側面22cに接する塗布液35が単位基材22の厚み方向において収縮する際の厚み方向線収縮率は、その他の方向における線収縮率や、側面22cに接していない塗布液35が収縮する際の線収縮率に比べて小さくなると考えられる。この点を考慮すると、単体での線収縮率が3%以下である材料を用いれば、上述の本実施の形態や後述するその他の実施の形態において、単位基材22の第1面22aおよび第2面22bと同一平面上に位置する第1面31および第2面32を有する補強部30を確実に得ることができると考えられる。なお一般には、線収縮率を3乗すれば体積収縮率が得られる。従って、「線収縮率が3%以下、より好ましくは1.5%以下」という条件は、「体積収縮率が約9%以下、より好ましくは約4.5%以下」という条件に換算される。
以下、上述のポリエン−ポリチオール系光硬化性樹脂について説明する。ポリエン−ポリチオール系光硬化性樹脂は、ポリエン化合物、ポリチオール化合物および光重合開始剤を含んでいる。このようなポリエン−ポリチオール系光硬化性樹脂は、アクリル系光硬化性樹脂に比べて、硬化収縮が少ないために基材との密着性が高く、かつ酸素に起因する重合阻害を受けないという長所を有している。
ポリエン化合物は、1分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を有する多官能性の化合物であり、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、アリルエーテル類、アリルアルコール誘導体、アリルイソシアヌル酸誘導体、スチレン類、アクリル酸誘導体、メタクルル酸誘導体、ジビニルベンゼン等が挙げられる。上記エン化合物の一部を、チオール化合物との反応性が高い順に並べると、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、アリルエーテル類、アリルイソシアヌル酸誘導体、アクリル酸誘導体、スチレン類という順になる。
ポリチオール化合物は、1分子中に2個以上のチオール基を有する化合物であり、メルカプトカルボン酸と多価アルコールとのエステル類、脂肪族ポリチオール類及び芳香族ポリチオール類、その他ポリチオール類が挙げられる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記メルカプトカルボン酸と多価アルコールとのエステル類におけるメルカプトカルボン酸としては、チオグリコール酸、α−メルカプトプロピオン酸及びβ−メルカプトプロピオン酸等が挙げられる。
上記ポリエン化合物(a)及びポリチオール化合物(b)の配合比は、ポリエン化合物(a)の不飽和結合数とポリチオール化合物(b)のチオール基数との比が、2:1〜1:2となる範囲であることが好ましい。1:2を超えてチオール基が多量になると、未反応のチオール基が硬化反応後の組成物中に多量に残存するため、好ましくない、2:1よりもチオール基が少ないと、その効果である、高い密着性や、酸素に起因する重合阻害を受けないという長所が少なくなるという点で、好ましくない。
光重合開始剤は、特に限定されず、公知の光重合開始剤を使用することができる。具体的には例えば、光重合開始剤としては、ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合は、アセトフェノン類(例えば、商品名イルガキュア184(チバスペシャリティーケミカルズ社製)として市販されている1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、プロピオフェノン類、ベンジル類、アシルホスフィンオキシド類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等を単独又は混合して用いることができる。
上記光重合開始剤(c)は、上記ポリエン化合物(a)及びポリチオール化合物(b)の合計量に対して、0.001〜10質量%の割合で添加することが好ましい。0.001質量%未満であると、光重合反応を充分に生じさせることができない、という問題を生じるおそれがある。また10質量%を超えて添加しても、効果の向上がみられない。
その他にも、硬化する際の収縮を小さくするため、塗布液35や補強部30を構成する材料にフィラーを添加することが考えられる。フィラーは樹脂材料に比べて熱に起因する収縮の程度が小さいので、フィラーを添加することにより、塗布液35が硬化して補強部30となる際の全体的な収縮の程度を小さくすることができる。フィラーとしては、カーボンブラックの粒子などを挙げることができる。なおフィラーを添加すると、フィラーによって光が遮られることに起因して、光硬化性樹脂の重合反応が妨げられ、このため硬化が十分に進まないことが考えられる。このような課題を考慮し、塗布液35や補強部30を構成する材料に熱硬化性樹脂をさらに添加しておいてもよい。
(補強部を構成する材料に関するその他の変形例)
補強部30を構成する材料に関する上述の変形例においては、塗布液35を硬化させる際に生じる収縮を小さくすることができる樹脂材料を採用することにより、補強部30の寸法の精度および補強部30と単位基材22の側面22cとの間の密着性を確保したり、単位基材22の第1面22aおよび第2面22bと補強部30の第1面31および第2面32との間に段差が生じることを抑制したりする、という形態について説明した。一方、塗布液35を硬化させる際に収縮が生じることは、収縮に起因して補強部30の第1面31や第2面32が第1保護膜81の内面81aや第2保護膜82の内面82aに対して変位し、これによって保護膜81,82が補強部30から剥離され易くなる、という状況を生じさせ得る。例えば、収縮に起因して補強部30の第1面31や第2面32と第1保護膜81の内面81aや第2保護膜82の内面82aとの間に隙間が生じることが考えられる。従って、保護膜81,82を補強部30から剥離する作業を容易化するという観点からは、塗布液35を硬化させる際の収縮がある程度生じる樹脂材料を意図的に採用する、という方法も考えられる。例えば、塗布液35を硬化させることによって形成される補強部30の第1面31と単位基材22の第1面22aとの間の段差が5μm以上、より顕著には10μm以上になるよう、塗布液35に含まれる硬化性樹脂などの樹脂材料を選択することが考えられる。
なお補強部30の第1面31と単位基材22の第1面22aとの間の段差を低減するため、図示はしないが、塗布液35を硬化させて補強部30を形成し、第1保護膜81や第2保護膜82を剥離した後、単位基材22の第1面22aおよび補強部30の第1面31を研磨する研磨工程を実施してもよい。これによって、塗布液35を硬化させる際の収縮がある程度生じる樹脂材料が採用されている場合であっても、最終的に得られる補強部30の第1面31と単位基材22の第1面22aとの間に段差が生じることを抑制することができる。
(補強部の色に関する変形例)
上述の本実施の形態において、加飾部60は、補強部30と同色を呈するよう構成されていてもよい。例えば加飾部60は、補強部30に含まれている着色顔料と同色の着色顔料を含んでいてもよい。なお「同色」とは、肉眼では色の違いを判別できない程度に2つの色の色度が近接していることを意味している。より具体的には、「同色」とは、2つの色の色差ΔE abが10以下、好ましくは3以下であることを意味している。また「異色」とは、2つの色の色差ΔE abが10よりも大きいことを意味している。ここで色差ΔE abとは、L表色系におけるL、aおよびbに基づいて算出される値であり、肉眼で観察された場合の色の相違に関する指標となる値である。
(切断方法の変形例)
上述の本実施の形態においては、ウェットエッチングによって基材40を切断する方法を示したが、切断方法が特に限られることはない。例えば、レーザーを利用して基材40を切断してもよい。また、カッターやレーザーを利用して基材40の表面にスクライブラインを形成し、その後、基材40に打撃力や曲げ応力を加えることにより、スクライブラインを起点として基材40を切断してもよい。
ウェットエッチング以外の方法で基材40を切断する場合、切断工程の際には保護膜81,82は必ずしも必要ではない。この場合であっても、例えば基材40を切断して単位基材22を得た後、単位基材22の第1面22a上および第2面22b上に第1保護膜81および第2保護膜82を設けてもよい。この場合、保護膜81,82は、塗布液35が充填される範囲を区画する隔壁として機能することができる。また、第1保護膜81を除去する除去工程において、第1保護膜81を部分的に加熱する上述の加熱工程を実施することにより、第1保護膜81を補強部30および単位基材22から容易に剥離させることができる。
(その他の変形例)
上述の本実施の形態および各変形例においては、単位基材22の第1面22a上に設けられた第1保護膜81に加えて、単位基材22の第2面22b上に設けられた第2保護膜82が利用される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、第1保護膜81は設けられているが第2保護膜82は設けられていないという状況において、上述の塗布工程、硬化工程および除去工程を実施してもよい。この場合であっても、第1保護膜81によって、単位基材22の第1面22aと補強部30の第1面31との間の段差を抑制するという利点が実現され得る。また、上述の加熱工程を実施することにより、第1保護膜81を補強部30および単位基材22から容易に剥離させることができる。
また上述の本実施の形態および各変形例においては、第1保護膜81が設けられる単位基材22の第1面22aが、観察者側の面である例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、第1保護膜81が設けられる単位基材22の第1面22aが、表示装置15側の面であってもよい。
なお、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
(実施例1)
厚み700μmの5インチの強化ガラスからなる単位基材22と、単位基材22の第1面22aおよび第2面22bに設けられた保護膜81,82と、を有する単位積層体45を準備した。保護膜81,82としては、厚み60μmの二軸延伸ポリプロピレンからなる基材層85と、厚み20μmのアクリル系樹脂からなる粘着層86と、によって構成されたものを用いた。
次に、単位基材22の側面22cに、樹脂材料を含む塗布液を塗布し、その後、塗布液を硬化させることにより、単位基材22の側面22c上に補強部30を形成した。次に、加熱装置91を用いて第1保護膜81の四隅の1つを外面81x側から加熱する加熱工程を実施した。加熱装置91としては、熱風を発生させることができる熱風生成器を用いた。熱風生成器の詳細は下記の通りである。
装置名:プラジェット
型式:PJ−214A
メーカー:石崎電気製作所
加熱工程においては、熱風生成器の設定温度を350℃とした。また、熱風生成器の熱風吹出口と第1保護膜81の外面81xとの間の距離を5cmに設定した。この場合、12秒間にわたって第1保護膜81に熱風を吹き付け続けることにより、第1保護膜81の内面81yと補強部30の第1面31との間に隙間81sを生じさせることができた。また、第1保護膜81を反り返らせて内面81yを露出させることもできた。図24は、加熱工程の際に熱風を吹き付けた部位の第1保護膜81の表面温度を測定した結果を示す図である。図24に示すように、12秒経過後の第1保護膜81の温度は約170℃であった。
加熱工程の後、第1保護膜81を補強部30および単位基材22から剥離させる剥離工程を実施した。なお、加熱工程の直後は、第1保護膜81の粘着層86が軟化しており、このため粘着層86を補強部30および単位基材22から取り除くことが困難な状態であった。このため、加熱工程の後、約2分間にわたって単位積層体45を放置して第1保護膜81の温度を低下させた後、剥離工程を実施した。
(実施例2)
熱風生成器の熱風吹出口と第1保護膜81の外面81xとの間の距離を4cmに設定したこと以外は、実施例1の場合と同様にして、第1保護膜81を部分的に加熱する加熱工程を実施した。この場合、11秒間にわたって第1保護膜81に熱風を吹き付け続けることにより、第1保護膜81の内面81yと補強部30の第1面31との間に隙間81sを生じさせることができた。また、第1保護膜81を反り返らせて内面81yを露出させることもできた。
10 カバーガラス付き表示装置
15 表示装置
16 表示パネル
18 筐体
18a 被覆部分
20 カバーガラス
22 単位基材
30 補強部
31 第1面
32 第2面
33 先端部
35 塗布液
40 基材
50 タッチパネルセンサ部
60 加飾部
81 第1保護膜
81s 隙間
81x 外面
81y 内面
82 第2保護膜
85 基材層
86 粘着層
91 加熱装置
92 剥離装置

Claims (13)

  1. 表示装置に設けられるカバーガラスの製造方法であって、
    第1面、前記第1面と反対側の第2面、および前記第1面と前記第2面と間に広がる側面を含み、ガラスからなる単位基材と、前記単位基材の前記第1面上に設けられ、熱可塑性樹脂からなる基材層を含む第1保護膜と、を有する単位積層体を準備する工程と、
    前記単位基材の側面上に、樹脂材料を含む塗布液を塗布する塗布工程と、
    前記単位基材の側面上の塗布液を硬化させ、前記単位基材の側面上に補強部を形成する硬化工程と、を備え、
    前記第1保護膜は、前記単位基材の前記第1面に対向する内面と、前記内面の反対側の外面と、を含み、
    前記硬化工程によって得られた前記補強部は、前記第1保護膜の前記内面に接する第1面を含み、
    カバーガラスの製造方法は、前記硬化工程の後、前記第1保護膜を除去する除去工程をさらに備え、
    前記除去工程は、前記第1保護膜を部分的に加熱して、前記第1保護膜の前記内面と前記補強部の前記第1面との間に隙間を生じさせる加熱工程と、前記第1保護膜を前記補強部の前記第1面および前記単位基材の前記第1面から剥離させる剥離工程と、を含む、カバーガラスの製造方法。
  2. 前記第1保護膜は、前記単位基材の前記第1面よりも側方に突出するよう構成されており、
    前記塗布工程において、前記塗布液は、前記単位基材の側面、および、前記単位基材の前記第1面よりも側方に突出している前記第1保護膜の前記内面に接するように塗布される、請求項1に記載のカバーガラスの製造方法。
  3. 前記加熱工程は、加熱された前記第1保護膜の温度が前記基材層の前記熱可塑性樹脂の融点よりも高くなるよう実施される、請求項1または2に記載のカバーガラスの製造方法。
  4. 前記塗布工程において、前記塗布液は、塗布液の第1保護膜側の液面の端部の位置が、第1保護膜の端面の位置に一致するよう、塗布される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のカバーガラスの製造方法。
  5. 前記塗布工程において、前記塗布液は、塗布液の第1保護膜側の液面の端部の位置が、第1保護膜の端面の位置よりも、前記単位基材に対して外側になるよう、塗布される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のカバーガラスの製造方法。
  6. 前記塗布工程において、前記塗布液は、塗布液の第1保護膜側の液面の端部の位置が、第1保護膜の端面の位置よりも、前記単位基材に対して内側になるよう、塗布される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のカバーガラスの製造方法。
  7. 前記単位基材は、少なくとも前記第1面および前記第2面に形成された圧縮応力層と、前記第1面側の前記圧縮応力層と前記第2面側の前記圧縮応力層との間に位置する引張応力層と、を含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のカバーガラスの製造方法。
  8. 前記単位基材の前記側面に前記引張応力層が露出しており、
    前記補強部は、前記単位基材の前記側面に露出している前記引張応力層が前記補強部によって覆われるよう、形成される、請求項7に記載のカバーガラスの製造方法。
  9. 前記単位積層体は、前記単位基材の前記第2面上に設けられ、熱可塑性樹脂からなる基材層を含む第2保護膜をさらに有し、
    前記第2保護膜は、前記単位基材の前記第2面に対向する内面と、前記内面の反対側の外面と、を含み、
    前記硬化工程によって得られた前記補強部は、前記第1保護膜の前記内面に接する前記第1面と、前記第2保護膜の前記内面に接する第2面と、を含む、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のカバーガラスの製造方法。
  10. 前記第2保護膜は、前記単位基材の前記第2面よりも側方に突出するよう構成されており、
    前記塗布工程において、前記塗布液は、前記単位基材の側面、前記単位基材の前記第1面よりも側方に突出している前記第1保護膜の前記内面、および、前記単位基材の前記第2面よりも側方に突出している前記第2保護膜の前記内面に接するように塗布される、請求項9に記載のカバーガラスの製造方法。
  11. 前記単位基材は、強化ガラスからなる基材を切断する切断工程を実施することによって得られたものである、請求項10に記載のカバーガラスの製造方法。
  12. 前記切断工程に先行して実施される保護膜形成工程であって、前記基材の第1面上および第2面上において所定の複数の区画に前記第1保護膜および前記第2保護膜を設ける保護膜形成工程、をさらに備え、
    前記切断工程においては、各区画に設けられた前記第1保護膜および前記第2保護膜の間隙に沿って前記基材を切断することにより、前記単位積層体が得られる、請求項11に記載のカバーガラスの製造方法。
  13. 前記切断工程は、前記基材の前記第1面側および前記第2面側から、前記第1保護膜および前記第2保護膜をレジストとして前記基材をウェットエッチングすることによって前記基材を切断する工程を含む、請求項12に記載のカバーガラスの製造方法。
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