JP6344207B2 - カバーガラスの製造方法 - Google Patents
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はじめに図1を参照して、カバーガラス付き表示装置10について説明する。図1に示すように、カバーガラス付き表示装置10は、表示装置15とカバーガラス20とを組み合わせることによって構成されている。図示された表示装置15は、フラットパネルディスプレイとして構成されている。表示装置15は、表示面16aを有した表示パネル16と、表示パネル16に接続された表示制御部(図示せず)と、を有している。表示パネル16は、映像を表示することができるアクティブエリアA1と、アクティブエリアA1を取り囲むようにしてアクティブエリアA1の外側に配置された非アクティブエリア(額縁領域とも呼ばれる)A2と、を含んでいる。表示制御部は、表示されるべき映像に関する情報を処理し、映像情報に基づいて表示パネル16を駆動する。表示パネル16は、表示制御部の制御信号に基づいて、所定の映像を表示面16aに表示する。すなわち、表示装置15は、文字や図等の情報を映像として出力する出力装置としての役割を担っている。
次にカバーガラス20について説明する。図2は、図1のカバーガラス20を示す平面図である。図2に示すように、カバーガラス20は、平面視において、四隅を有する矩形状の単位基材22と、単位基材22の側面22c上に設けられた補強部30と、を備えている。後述するように、単位基材22はガラスから構成されている。また補強部30は、単位基材22の側面22cを保護するために設けられるものである。図2に示す例において、補強部30は、平面視において単位基材22の側面22cを取り囲むよう設けられている。なお、補強部30は、単位基材22の側面22cのうち損傷し易い部分にのみ設けられていてもよい。例えば、図示はしないが、補強部30は、単位基材22の四隅にのみ設けられていてもよい。また図2においては、単位基材22の四隅が鋭く尖っている例が示されているが、これに限られることはなく、単位基材22の四隅は面取りされた状態となっていてもよい。例えば、単位基材22の四隅は角面や丸面になっていてもよい。
次に図3を参照して、補強部30について詳細に説明する。図3は、図2に示すカバーガラス20の線IIIに沿った断面図である。線IIIとしては、矩形状の形状を有する単位基材22の一辺ここでは短辺に平行に延びる線を採用している。図3に示すように、単位基材22は、観察者側の第1面22a、第1面22aと反対側の、すなわち表示装置側の第2面22b、および、第1面22aと第2面22bとの間に広がる側面22c、を含んでいる。
補強部30が、紫外線照射よって硬化する硬化性樹脂から構成される場合、補強部30を構成する材料として、例えばアクリル系樹脂と、光重合開始剤との組合せを用いることができる。また、ポリエン−ポリチオール系光硬化性樹脂を用いることもできる。ポリエン−ポリチオール系光硬化性樹脂とは、光照射に起因して重合反応が進行するよう構成されたポリエン−ポリチオール系樹脂のことである。補強部30が、加熱によって硬化する硬化性樹脂から構成される場合、補強部30を構成する材料として、例えばエポキシ樹脂を用いることができる。
次にカバーガラス20の寸法について説明する。はじめに、単位基材22の側面22c上に設けられた補強部30の被覆寸法について説明する。ここで被覆寸法とは、補強部30の先端部33の法線方向に沿った方向における補強部30の長さのことである。補強部30の先端部33の法線方向は、図4における左右方向に平行である。
図5に示すように、カバーガラス20の第2面20b側の非アクティブエリアAa2には、所望の色を呈するための加飾部60が設けられていてもよい。加飾部60の色は、カバーガラス付き表示装置10に対して求められる意匠性に応じて選択される。例えば加飾部60の色の例として、黒色、白色、水色、桃色、緑色などを挙げることができる。加飾部60を構成する材料は、選択された色に応じて決定されるが、例えば白色が求められる場合、加飾部60は、酸化チタンなどの着色顔料が分散された樹脂材料から構成される。なお図示はしないが、加飾部60は、カバーガラス20の第1面20aの法線方向に沿って見た場合に補強部30と重なるに構成されていてもよい。この場合、加飾部60のうち少なくとも補強部30と重なる部分は、補強部30が形成された後に補強部30上に設けられる。
次に、以上のような構成からなるカバーガラス20を製造する方法について、図7〜図14Cを参照して説明する。
はじめに図11に示すように、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂などの硬化性材料を含む塗布液35を単位基材22の側面22c上に塗布する塗布工程を実施する。ここでは、アクリル系樹脂と、光重合開始剤とを含む塗布液が用いられる場合について説明する。
その後、単位基材22の側面22c上に設けられた塗布液35を硬化させる硬化工程を実施する。ここでは、塗布液35に紫外線などの光を照射することによって、塗布液35を硬化させる。これによって、単位基材22の側面22c上に補強部30が形成される。このようにして得られた補強部30は、第1保護膜81の内面81yに接する第1面31と、第2保護膜82の内面82yに接する第2面32と、を含んでいる。
次に、第1保護膜81を除去する除去工程を実施する。以下、図13乃至図14Cを参照して、除去工程について説明する。
その後、第2保護膜82を除去する除去工程を実施する。第2保護膜82を除去する除去工程は、第1保護膜81の場合と同様に、第2保護膜82を部分的に加熱する加熱工程を含んでいてもよい。第1保護膜81および第2保護膜82を除去することにより、図3に示すカバーガラス20を得ることができる。なお図示はしないが、図3に示すカバーガラス20を得た後、後述する第2の変形例や第4の変形例の場合と同様に、補強部30を所望の形状に加工する加工工程を実施してもよい。
同様に、補強部30の第2面32の端部32eの位置は、第2保護膜82の端面82cの位置に一致することになる。このように本実施の形態によれば、補強部30の第1面31の端部31eの位置および第2面32の端部32eの位置を、保護膜81,82の端面81c,82cの位置に基づいて定めることができる。
上述のように補強部30は、所定の流動性を有する塗布液35に基づいて形成される。従って、仮に保護膜81,82のような枠を用いることなく塗布液35を塗布する場合、塗布液35の厚みや形状などの寸法を精密に制御することは困難である。一方、保護膜81,82の端面81c,82cは上述のように、金型やレーザーを利用した加工によって高精度にその位置が定められる。従って本実施の形態によれば、塗布液35の厚みや形状などの寸法の精度として、金型やレーザーを利用した加工における精度に準じる精度を実現することができる。このため本実施の形態によれば、補強部30の端部31e,32eの位置、すなわちカバーガラス20の端部の位置を精度良く定めることができる。このことにより、カバーガラス20と表示装置15、ケースとの組立ての際に、工程の容易さや歩留りを高めることができる。またカバーガラス20に加飾部60やタッチパネルセンサ部50が設けられている場合、表示装置15に対する加飾部60やタッチパネルセンサ部50の加工精度も高めることができる。このことにより、カバーガラス付き表示装置10の高い意匠性や操作性を実現することができる。
第1保護膜81を除去するために第1保護膜81を部分的に加熱する加熱工程においては、図15に示すように、熱収縮によって第1保護膜81が反り返って内面81yが露出するようになるまで、第1保護膜81を加熱してもよい。この場合、剥離工程の初期段階で、剥離ローラーなどからなる剥離装置92を第1保護膜81の内面81yに密着させることが可能になる。このため、第1保護膜81を補強部30の第1面31および単位基材22の第1面22aからより容易に剥離させることができる。
一般に、粘着層86よりも基材層85の方が、熱収縮が生じやすい。このため、加熱工程の初期段階においては、第1保護膜81を加熱することにより、基材層85の方が粘着層86よりも大きく収縮し、この結果、第1保護膜81の端面81c周辺の部分にわずかに反りが生じる。このため、第1保護膜81の端面81c周辺の部分において、第1保護膜81の内面81yと補強部30の第1面31との間に隙間81sが生じる。
隙間81sが生じると、第1保護膜81と補強部30との間の熱抵抗が大きくなる。このため、第1保護膜81に加えられた熱が補強部30に伝わりにくくなり、この結果、第1保護膜81の端面81c周辺の部分がより効率的に加熱されるようになる。このため、第1保護膜81の反りがさらに進行し、内面81yが露出するようになる。
上述の本実施の形態においては、第1保護膜81の端面81c上および第2保護膜82の端面82c上に溢れ出ている塗布液35を、スキージなどを用いて掻きとる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、塗布液35が第1保護膜81の端面81cや第2保護膜82の端面82c上に溢れ出ている状態で塗布液35を硬化させて補強部30を形成してもよい。すなわち、塗布液35の第1保護膜81側の液面の端部の位置が、第1保護膜81の端面81cの位置よりも外側すなわち単位基材22の中心Cから遠い側になり、また塗布液35の第2保護膜82側の液面の端部の位置が、第2保護膜82の端面82cの位置よりも外側すなわち単位基材22の中心Cから遠い側になるよう、塗布液35が塗布されてもよい。この場合、図16Aに示すように、第1保護膜81の内面81yだけでなく端面81cやさらには外面81xにも、補強部30が接するようになることが考えられる。すなわち、第1保護膜81が補強部30により強く密着することが考えられる。この場合であっても、加熱装置91を用いて第1保護膜81を部分的に加熱する加熱工程を実施することにより、図16Bに示すように、第1保護膜81の内面81yと補強部30の第1面31との間に隙間81sを生じさせることができる。また、第1保護膜81の端面81cを、加熱前の位置よりも内側の位置すなわち単位基材22の中心Cにより近い位置に変位させることもできる。従って、第1保護膜81が補強部30により強く密着している場合であっても、第1保護膜81を補強部30および単位基材22から容易に剥離させることができる。
上述の本実施の形態においては、塗布液35の表面が第1保護膜81の端面81cおよび第2保護膜82の端面82cに一致するか若しくは端面81c,82cよりも外側に位置するようになるまで、単位基材22の側面22c、第1保護膜81および第2保護膜82によって囲われた空間内に塗布液35が充填される例を示したが、これに限られることはない。例えば塗布工程において塗布液35は、その表面が第1保護膜81の端面81cおよび第2保護膜82の端面82cよりも内側すなわち単位基材22の中心Cにより近い側に位置するよう、単位基材22の側面22c、第1保護膜81および第2保護膜82によって囲われた空間内に塗布されてもよい。この場合、図18Aに示すように、塗布液35から形成される補強部30の端部31eおよび端部32eは、第1保護膜81の端面81cおよび第2保護膜82の端面82cよりも内側(単位基材22の中心C側)に位置するようになる。
上述の本実施の形態においては、第1保護膜81の端面81cの位置と、第2保護膜82の端面82cの位置とが、基材40または単位基材22の法線方向に沿って見た場合に一致している例を示したが、これに限られることはない。例えば図19(a)(b)に示すように、第2面40b上に設けられる第2保護膜82の端面82cが、第1面40a上に設けられる第1保護膜81の端面81cよりも、基材40を切断することによって得られる各単位基材22に対して外側すなわち単位基材22の中心Cから離れる側に位置していてもよい。この結果、第1保護膜81間の間隙が第2保護膜82間の間隙よりも大きくなる。第1保護膜81の端面81cと第2保護膜82の端面82cとの間の距離dは、単位基材22の側面22cの形状に応じて決定されるが、例えば50〜2000μmの範囲内になっており、より具体的には300μm程度になっている。
また第2接続面32aは、単位基材22の第2面22bと同一平面上で単位基材22の第2面22bの端部22beから側方へ延びる面である。第2内向面32bは、単位基材22の厚み方向において第2接続面32aよりも単位基材22の第1面22a側に位置する面である。
上述の本実施の形態においては、第1保護膜81を部分的に加熱するための加熱装置91として、熱風を発生させる熱風生成器が用いられる例を示した。しかしながら、第1保護膜81を部分的に加熱して第1保護膜81を部分的に熱収縮させることができる限りにおいて、加熱装置91の具体的な構成が特に限られることはない。例えば加熱装置91は、高温蒸気、高温液体、遠赤外線などを利用して第1保護膜81を部分的に加熱するものであってもよい。
上述の本実施の形態においては、加熱された第1保護膜81の温度が基材層85を構成する熱可塑性樹脂の融点よりも高くまで加熱工程が実施される例を示した。しかしながら、第1保護膜81の内面81yと補強部30の第1面31との間に隙間を形成することができる限りにおいて、加熱工程の際に第1保護膜81が到達する最高温度が特に限られることはない。
上述の本実施の形態においては、単位基材22の側面22c上に塗布される塗布液35が、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂などの硬化性材料を含む例を示したが、これに限られることはない。単位基材22の側面22c上に塗布される際には所定の流動性を有するが、その後に硬化することができる限りにおいて、本実施の形態や、後述するその他の実施の形態において、補強部30を形成するための塗布液35として様々な流動体を用いることができる。例えば塗布液35として、熱によって溶融した状態の樹脂材料からなる流動体を用いてもよい。この場合、単位基材22の側面22c上に塗布液35が塗布された後、塗布液35が冷えて固化することにより、塗布液35が硬くなる。これによって、樹脂材料を含む補強部30を得ることができる。このように本実施の形態や、後述するその他の実施の形態において、「硬化」とは、加熱または紫外線照射などによって樹脂材料が硬化する現象だけでなく、冷えて固化することによって樹脂材料が硬化する現象をも含む概念である。なお自然冷却によって樹脂材料が冷えて固化してもよく、若しくは、強制冷却によって樹脂材料が冷えて固化してもよい。また「固化」とは、物質が、気体または液体の状態から固体の状態に変化することを意味している。
上述の本実施の形態および各変形例や、後述するその他の実施の形態において、補強部30は、塗布液35を硬化させることにより形成される。このため、塗布液35が硬化する際に大きな収縮が生じると、補強部30の寸法の精度が低下してしまうことになる。また大きな収縮が生じると、補強部30と単位基材22の側面22cとの間の密着性も低下してしまう。また、単位基材22の厚み方向(単位基材22の第1面22aおよび第2面22bの法線方向)において大きな収縮が生じると、単位基材22の第1面22aおよび第2面22bと補強部30の第1面31および第2面32との間に大きな段差が生じ、この結果、単位基材22と補強部30との間の境界が観察者から視認され易くなってしまう。従って、塗布液35や補強部30を構成する材料としては、硬化する際の収縮が可能な限り小さい材料が好ましい。例えば、硬化する際に収縮が生じた場合であっても、単位基材22の第1面22aおよび第2面22bと補強部30の第1面31および第2面32との間の段差をそれぞれ1〜10μmの範囲内に抑制することができる材料が好ましい。
ポリチオール化合物は、1分子中に2個以上のチオール基を有する化合物であり、メルカプトカルボン酸と多価アルコールとのエステル類、脂肪族ポリチオール類及び芳香族ポリチオール類、その他ポリチオール類が挙げられる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記メルカプトカルボン酸と多価アルコールとのエステル類におけるメルカプトカルボン酸としては、チオグリコール酸、α−メルカプトプロピオン酸及びβ−メルカプトプロピオン酸等が挙げられる。
補強部30を構成する材料に関する上述の変形例においては、塗布液35を硬化させる際に生じる収縮を小さくすることができる樹脂材料を採用することにより、補強部30の寸法の精度および補強部30と単位基材22の側面22cとの間の密着性を確保したり、単位基材22の第1面22aおよび第2面22bと補強部30の第1面31および第2面32との間に段差が生じることを抑制したりする、という形態について説明した。一方、塗布液35を硬化させる際に収縮が生じることは、収縮に起因して補強部30の第1面31や第2面32が第1保護膜81の内面81aや第2保護膜82の内面82aに対して変位し、これによって保護膜81,82が補強部30から剥離され易くなる、という状況を生じさせ得る。例えば、収縮に起因して補強部30の第1面31や第2面32と第1保護膜81の内面81aや第2保護膜82の内面82aとの間に隙間が生じることが考えられる。従って、保護膜81,82を補強部30から剥離する作業を容易化するという観点からは、塗布液35を硬化させる際の収縮がある程度生じる樹脂材料を意図的に採用する、という方法も考えられる。例えば、塗布液35を硬化させることによって形成される補強部30の第1面31と単位基材22の第1面22aとの間の段差が5μm以上、より顕著には10μm以上になるよう、塗布液35に含まれる硬化性樹脂などの樹脂材料を選択することが考えられる。
上述の本実施の形態において、加飾部60は、補強部30と同色を呈するよう構成されていてもよい。例えば加飾部60は、補強部30に含まれている着色顔料と同色の着色顔料を含んでいてもよい。なお「同色」とは、肉眼では色の違いを判別できない程度に2つの色の色度が近接していることを意味している。より具体的には、「同色」とは、2つの色の色差ΔE* abが10以下、好ましくは3以下であることを意味している。また「異色」とは、2つの色の色差ΔE* abが10よりも大きいことを意味している。ここで色差ΔE* abとは、L*a*b*表色系におけるL*、a*およびb*に基づいて算出される値であり、肉眼で観察された場合の色の相違に関する指標となる値である。
上述の本実施の形態においては、ウェットエッチングによって基材40を切断する方法を示したが、切断方法が特に限られることはない。例えば、レーザーを利用して基材40を切断してもよい。また、カッターやレーザーを利用して基材40の表面にスクライブラインを形成し、その後、基材40に打撃力や曲げ応力を加えることにより、スクライブラインを起点として基材40を切断してもよい。
上述の本実施の形態および各変形例においては、単位基材22の第1面22a上に設けられた第1保護膜81に加えて、単位基材22の第2面22b上に設けられた第2保護膜82が利用される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、第1保護膜81は設けられているが第2保護膜82は設けられていないという状況において、上述の塗布工程、硬化工程および除去工程を実施してもよい。この場合であっても、第1保護膜81によって、単位基材22の第1面22aと補強部30の第1面31との間の段差を抑制するという利点が実現され得る。また、上述の加熱工程を実施することにより、第1保護膜81を補強部30および単位基材22から容易に剥離させることができる。
厚み700μmの5インチの強化ガラスからなる単位基材22と、単位基材22の第1面22aおよび第2面22bに設けられた保護膜81,82と、を有する単位積層体45を準備した。保護膜81,82としては、厚み60μmの二軸延伸ポリプロピレンからなる基材層85と、厚み20μmのアクリル系樹脂からなる粘着層86と、によって構成されたものを用いた。
装置名:プラジェット
型式:PJ−214A
メーカー:石崎電気製作所
熱風生成器の熱風吹出口と第1保護膜81の外面81xとの間の距離を4cmに設定したこと以外は、実施例1の場合と同様にして、第1保護膜81を部分的に加熱する加熱工程を実施した。この場合、11秒間にわたって第1保護膜81に熱風を吹き付け続けることにより、第1保護膜81の内面81yと補強部30の第1面31との間に隙間81sを生じさせることができた。また、第1保護膜81を反り返らせて内面81yを露出させることもできた。
15 表示装置
16 表示パネル
18 筐体
18a 被覆部分
20 カバーガラス
22 単位基材
30 補強部
31 第1面
32 第2面
33 先端部
35 塗布液
40 基材
50 タッチパネルセンサ部
60 加飾部
81 第1保護膜
81s 隙間
81x 外面
81y 内面
82 第2保護膜
85 基材層
86 粘着層
91 加熱装置
92 剥離装置
Claims (13)
- 表示装置に設けられるカバーガラスの製造方法であって、
第1面、前記第1面と反対側の第2面、および前記第1面と前記第2面と間に広がる側面を含み、ガラスからなる単位基材と、前記単位基材の前記第1面上に設けられ、熱可塑性樹脂からなる基材層を含む第1保護膜と、を有する単位積層体を準備する工程と、
前記単位基材の側面上に、樹脂材料を含む塗布液を塗布する塗布工程と、
前記単位基材の側面上の塗布液を硬化させ、前記単位基材の側面上に補強部を形成する硬化工程と、を備え、
前記第1保護膜は、前記単位基材の前記第1面に対向する内面と、前記内面の反対側の外面と、を含み、
前記硬化工程によって得られた前記補強部は、前記第1保護膜の前記内面に接する第1面を含み、
カバーガラスの製造方法は、前記硬化工程の後、前記第1保護膜を除去する除去工程をさらに備え、
前記除去工程は、前記第1保護膜を部分的に加熱して、前記第1保護膜の前記内面と前記補強部の前記第1面との間に隙間を生じさせる加熱工程と、前記第1保護膜を前記補強部の前記第1面および前記単位基材の前記第1面から剥離させる剥離工程と、を含む、カバーガラスの製造方法。 - 前記第1保護膜は、前記単位基材の前記第1面よりも側方に突出するよう構成されており、
前記塗布工程において、前記塗布液は、前記単位基材の側面、および、前記単位基材の前記第1面よりも側方に突出している前記第1保護膜の前記内面に接するように塗布される、請求項1に記載のカバーガラスの製造方法。 - 前記加熱工程は、加熱された前記第1保護膜の温度が前記基材層の前記熱可塑性樹脂の融点よりも高くなるよう実施される、請求項1または2に記載のカバーガラスの製造方法。
- 前記塗布工程において、前記塗布液は、塗布液の第1保護膜側の液面の端部の位置が、第1保護膜の端面の位置に一致するよう、塗布される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のカバーガラスの製造方法。
- 前記塗布工程において、前記塗布液は、塗布液の第1保護膜側の液面の端部の位置が、第1保護膜の端面の位置よりも、前記単位基材に対して外側になるよう、塗布される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のカバーガラスの製造方法。
- 前記塗布工程において、前記塗布液は、塗布液の第1保護膜側の液面の端部の位置が、第1保護膜の端面の位置よりも、前記単位基材に対して内側になるよう、塗布される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のカバーガラスの製造方法。
- 前記単位基材は、少なくとも前記第1面および前記第2面に形成された圧縮応力層と、前記第1面側の前記圧縮応力層と前記第2面側の前記圧縮応力層との間に位置する引張応力層と、を含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のカバーガラスの製造方法。
- 前記単位基材の前記側面に前記引張応力層が露出しており、
前記補強部は、前記単位基材の前記側面に露出している前記引張応力層が前記補強部によって覆われるよう、形成される、請求項7に記載のカバーガラスの製造方法。 - 前記単位積層体は、前記単位基材の前記第2面上に設けられ、熱可塑性樹脂からなる基材層を含む第2保護膜をさらに有し、
前記第2保護膜は、前記単位基材の前記第2面に対向する内面と、前記内面の反対側の外面と、を含み、
前記硬化工程によって得られた前記補強部は、前記第1保護膜の前記内面に接する前記第1面と、前記第2保護膜の前記内面に接する第2面と、を含む、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のカバーガラスの製造方法。 - 前記第2保護膜は、前記単位基材の前記第2面よりも側方に突出するよう構成されており、
前記塗布工程において、前記塗布液は、前記単位基材の側面、前記単位基材の前記第1面よりも側方に突出している前記第1保護膜の前記内面、および、前記単位基材の前記第2面よりも側方に突出している前記第2保護膜の前記内面に接するように塗布される、請求項9に記載のカバーガラスの製造方法。 - 前記単位基材は、強化ガラスからなる基材を切断する切断工程を実施することによって得られたものである、請求項10に記載のカバーガラスの製造方法。
- 前記切断工程に先行して実施される保護膜形成工程であって、前記基材の第1面上および第2面上において所定の複数の区画に前記第1保護膜および前記第2保護膜を設ける保護膜形成工程、をさらに備え、
前記切断工程においては、各区画に設けられた前記第1保護膜および前記第2保護膜の間隙に沿って前記基材を切断することにより、前記単位積層体が得られる、請求項11に記載のカバーガラスの製造方法。 - 前記切断工程は、前記基材の前記第1面側および前記第2面側から、前記第1保護膜および前記第2保護膜をレジストとして前記基材をウェットエッチングすることによって前記基材を切断する工程を含む、請求項12に記載のカバーガラスの製造方法。
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