JP6344059B2 - カフェインの生理作用増強剤 - Google Patents

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Description

本発明は、カフェインの生理作用増強剤、カフェインの生理作用増強方法及びカフェイン含有組成物に関する。
カフェインは、コーヒー、緑茶、紅茶、ウーロン茶、ココア、チョコレート、ガラナ、コーラ及び栄養ドリンク等の多くの食品及び飲料に含まれ、例えば、コーヒー1杯には約80mgのカフェインが含まれ、緑茶1杯には約40mgのカフェインが含まれている。また市販の栄養ドリンクの多くは、1本当たり約50〜150mgのカフェインを含んでいる。カフェインは、総合感冒薬等の一部の医薬品にも含まれている。
カフェインは覚醒作用等の種々の生理作用を有し、近年、カフェインを利用した商品の市場が拡大している。
例えば、国内のエナジードリンク(エネルギー補給を目的とした、カフェインを含有する炭酸飲料)市場は、飲料メーカー等の参入が相次いだ2012年から急成長し、現在も商品ラインナップの充実により市場は活性化している。
また、運転中やデスクワーク中の眠気対策は手軽に行えること等が求められるが、カフェインを活性成分として含む眠気対策商品(眠気対策飲料、眠気対策食品等)は、こうしたニーズに応え、その市場も拡大を遂げている。近年では、飲料、ガム、タブレット等の多数の眠気対策商品が上市され、市場規模は50億円以上に拡大している。
上記のようにカフェインを利用した商品の市場は拡大しているものの、一方で該商品には課題も存在する。
例えば、カフェインを含む栄養ドリンクをあまり飲用しない20〜69歳の男女を対象として、栄養ドリンクをあまり飲用しない理由を調査した結果、効果実感がないことが大きな理由の一つとして挙げられた。
また、カフェインへの懸念が広がりつつあることも課題の一つである。カフェインは、頭痛や注意力の欠如等の離脱症状を引き起こしたり、摂取する時間帯によっては眠れなくなったりすることがあり、例えば、エナジードリンクは、刺激が強く身体への負担もありそうとのイメージが消費者の間に広がっている。カフェインの安全性についてもしばしば問題となっており、カナダ保健省がエナジードリンクの過剰摂取について警告を発したことや、アメリカ食品医薬品局(FDA)がカフェインの規制を検討していることが報告されている。
これらの課題を解決するため、従来のカフェイン量を維持したまま、カフェインの生理作用を増強させることのできる方法や、従来よりカフェイン量を減らしても、カフェインの生理作用を維持できる方法が求められている。
他方、カフェイン及びヒスチジンを含有する組成物について、認知能力を増強することや、神経伝達物質の産生を推進すること、脂肪分解を促すことが報告されているが(特許文献1〜8)、ヒスチジンがカフェインの生理作用の増強効果を示したという報告はない。
特表2005−526065号公報 特表2009−530394号公報 特開2010−189404号公報 米国特許出願公開第2004/0043054号明細書 国際公開第99/08681号 国際公開第98/02165号 国際公開第99/24040号 特開平10−330264号公報
本発明が解決しようとする課題は、カフェインの生理作用増強剤、カフェインの生理作用増強方法、及び効果的で、安全性の高いカフェイン含有組成物(例えば、通常のカフェイン量を維持したまま、より強いカフェインの生理作用が得られるカフェイン含有組成物、通常よりカフェイン量を減らしても、カフェインの生理作用が維持されるカフェイン含有組成物、及び通常よりカフェイン量を減らしても、より強いカフェインの生理作用が得られるカフェイン含有組成物等)等の提供である。
本発明者らは、上記課題を解決するべく種々検討した結果、ヒスチジンがカフェインの生理作用を増強し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
[1] ヒスチジンを含有する、カフェインの生理作用増強剤。
[2] ヒスチジンの含有量が、1回摂取量として300mg以上である、[1]記載の剤。
[3] カフェインの生理作用が、覚醒作用、抗疲労作用、眠気防止作用、精神機能向上、認知機能向上及び、交感神経興奮様作用から選ばれる少なくとも1種である、[1]又は[2]記載の剤。
[4] カフェインにヒスチジンを添加することを含む、カフェインの生理作用増強方法。
[5] ヒスチジンの添加量が、1回摂取量として300mg以上である、[4]記載の方法。
[6] カフェインの生理作用が、覚醒作用、抗疲労作用、眠気防止作用、精神機能向上、認知機能向上及び、交感神経興奮様作用から選ばれる少なくとも1種である、[4]又は[5]記載の方法。
[7] カフェイン及びヒスチジンを組み合わせてなる、カフェイン含有組成物。
[8] ヒスチジンを1回摂取量として300mg以上含有する、[7]記載の組成物。
[9] 覚醒用、疲労改善用、眠気防止用、精神機能向上用、認知機能向上用又は、交感神経賦活用である、[7]又は[8]記載の組成物。
[10] カフェインを1回摂取量として1〜400mg含有する、[7]〜[9]のいずれか1つに記載の組成物。
[11] ヒスチジンの1回摂取量が、カフェインの1回摂取量1重量部に対して、1〜2000重量部である、[7]〜[10]のいずれか1つに記載の組成物。
本発明によれば、カフェインの生理作用増強剤、カフェインの生理作用増強方法、及び効果的で、安全性の高いカフェイン含有組成物(例えば、通常のカフェイン量を維持したまま、より強いカフェインの生理作用が得られるカフェイン含有組成物、通常よりカフェイン量を減らしても、カフェインの生理作用が維持されるカフェイン含有組成物、及び通常よりカフェイン量を減らしても、より強いカフェインの生理作用が得られるカフェイン含有組成物等)等を提供できる。
ヒスチジン摂取による、睡眠不足負荷後にカフェインを摂取させたマウスの暗期自発行動量変化(カフェインの生理作用、特に、覚醒作用、抗疲労作用、眠気防止作用の指標)を検証するためのプロトコールを示す。 試験例1における、暗期開始から15分間の自発行動量を示す。*:一元分散分析比較後のTukeyの検定、p<0.05、**:一元分散分析比較後のTukeyの検定、p<0.01、***:一元分散分析比較後のTukeyの検定、p<0.001、****:一元分散分析比較後のTukeyの検定、p<0.0001。
以下に本発明の実施の形態について説明する。
本発明においてヒスチジンとは、下記構造式からなる必須アミノ酸である。
Figure 0006344059
本発明において用いられるヒスチジンは、加水分解によりヒスチジンになり得る物質であってもよい。「加水分解によりヒスチジンになり得る物質」とは、加水分解反応(特に生体内加水分解反応)によりヒスチジンが得られる物質であり、典型例として、ヒスチジンを構成単位にもつ蛋白質やペプチドが挙げられる。加水分解反応によりヒスチジンが得られる物質は、摂取後の体内での加水分解によりヒスチジンが生成して、はじめからヒスチジンを摂取したのと同様の効果を奏することが期待される。
本発明におけるヒスチジンは、天然に存在する動植物等から抽出し精製したもの、或いは化学合成法、発酵法、酵素法または遺伝子組換え法によって得られるもののいずれを使用してもよい。またL−体、D−体またはDL−体のいずれも使用することができる。市販されているものが利用でき、また簡便であることから好ましい。
本明細書中、ヒスチジンとして、ヒスチジンそのものを用いる場合にはヒスチジンの重量に着目し、加水分解によりヒスチジンになり得る物質を用いる場合にはヒスチジンに換算して、本発明におけるヒスチジン量を決定する。本発明においてヒスチジンと加水分解によりヒスチジンになり得る物質との両方が用いられている場合には、加水分解によりヒスチジンになり得る物質を加水分解により全てヒスチジンにしたときのヒスチジンの重量と、もともとヒスチジンであったものとの総重量を、本発明におけるヒスチジン量とする。
本発明において用いられるカフェイン(1,3,7−トリメチルキサンチン)は、無水カフェイン及びカフェイン水和物のいずれであってもよい。
本発明におけるカフェインは、天然に存在する植物等から抽出し精製したもの、或いは化学合成法によって得られるもののいずれを使用してもよい。市販されているものが利用でき、また簡便であることから好ましい。
本発明において用いられるヒスチジン及びカフェインは、塩の形態であってもよい。塩の形態としては、酸付加塩や塩基との塩等を挙げることができ、薬理学的に許容される塩を選択することが好ましい。そのような塩としては、例えば、無機酸との塩、有機酸との塩、無機塩基との塩、有機塩基との塩が挙げられる。
無機酸との塩としては、例えば、ハロゲン化水素酸(塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸等)、硫酸、硝酸、リン酸等との塩が挙げられる。
有機酸との塩としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸等との塩が挙げられる。
無機塩基との塩としては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属との塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属との塩、アンモニウムとの塩等が挙げられる。
有機塩基との塩としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、エタノールアミン、モノアルキルエタノールアミン、ジアルキルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等との塩が挙げられる。
本発明におけるカフェインは、食品(例えば、コーヒー、緑茶、紅茶、ウーロン茶、ココア、チョコレート、ガラナ、コーラ等)等に含まれているカフェインも含む。従って本発明は、カフェインそのものを使用せずともよく、カフェインを含む食品(例、コーヒー、緑茶、紅茶、ウーロン茶、ココア、チョコレート、ガラナ、コーラ等)等を代わりに用いてもよい。
本明細書中では、ヒスチジン、加水分解によりヒスチジンになり得る物質及びそれらの塩を「ヒスチジン」と総称する場合がある。また、カフェイン及びその塩を「カフェイン」と総称する場合がある。
1.カフェインの生理作用増強剤
本発明の一実施態様は、ヒスチジンを含有するカフェインの生理作用増強剤(以下、単に「本発明の剤」とも称する)である。本発明の剤は、カフェインを含有する食品、医薬及び医薬部外品等の添加物(食品添加物、医薬品添加物、医薬部外品添加物等)として用いてよく、また適用対象(例、ヒト等)に直接摂取させてもよい。
本発明の剤は、ヒスチジンを1回摂取量として300mg以上含有することが好ましい。本発明の剤によれば多量のヒスチジンを手軽に摂取できるので、後述するカフェインの生理作用増強効果を享受しやすい。ヒスチジンの含有量は、好適な効果の発現の観点から、1回摂取量として、より好ましくは500mg以上、さらに好ましくは600mg以上、特に好ましくは1.4g以上、最も好ましくは1.6g以上である。一方、既知の知見から得られる食経験(食品安全委員会肥料・飼料等専門調査会2010年4月 対象外物質評価書ヒスチジン、「健康食品」の安全性・有効性情報(独立行政法人 国立健康・栄養研究所HP https://hfnet.nih.go.jp/))や、包装・摂取の容易さの観点から、上記含有量は、1回摂取量として、好ましくは23g以下である。
本発明において、ヒスチジンを「1回摂取量として」特定量(例えば、300mg以上等)含有する剤とは、当該剤の1回の摂取によって摂取されるヒスチジンの量が、予め特定量(例えば、300mg以上等)に定められている剤をいう。当該剤の形態としては、例えば、1回摂取量当たりの単位包装形態とすることにより1回摂取量を規定する形態や、容器又は包装等に1回摂取量やその摂取方法を表示することにより1回摂取量を規定する形態等が挙げられる。本発明の剤が、例えば、カフェインを含有する食品の添加物として用いられる場合は、該食品1食当たりの添加量を、容器又は包装等に表示することにより1回摂取量を規定する形態とすることもできる。
本発明において、ヒスチジンの1回摂取量は、カフェインの1回摂取量1重量部に対して、好適な効果の発現と安全性の観点から、1〜2000重量部であることが好ましく、30〜180重量部であることがより好ましく、50〜150重量部であることが特に好ましい。
本明細書中に記載の1回摂取量は、特にことわりのない限り、ヒト(好ましくは、成人)の1回摂取量である。ヒトにおけるヒスチジン及びカフェインの1回摂取量は、後述の実施例に示されるマウスを用いた試験等から算出でき、具体的には、ヒトのヒスチジン摂取量は、通常、マウスのヒスチジン摂取量をxmg/kgとした場合、xmg/bodyとして算出できる。また、ヒトのカフェイン摂取量は、通常、マウスのカフェイン摂取量をxmg/kgとした場合、xmg/bodyとして算出できる。
本発明の剤の形態は特に限定されず、粉末状、錠剤、顆粒状、スラリー状、カプセル状、溶液状、ゼリー状、乳液状等の固形または半固形、あるいは液状であり得る。携帯性や包装の容易さの観点からは、粉末状、錠剤または顆粒状であることが好ましい。また、摂取の容易さの観点からは、スラリー状であることもまた好ましい。ここで「スラリー状である」とは、液状の媒体中に固体のヒスチジンが懸濁している状態をいう。但し、上記媒体中にヒスチジンの一部が溶解していてもよい。
本発明の剤は、単位包装形態とすることができる。本発明において「単位包装形態」とは、特定量(例えば、1回摂取量等)を1単位として、1単位乃至2単位以上が1つの包装に収容された形態をいう。当該包装は、本発明の剤の形態に応じて適宜選択し得るが、例えば、紙容器、プラスチック容器、アルミ缶、スチール缶、ガラス瓶、ペットボトル、PTPシート等が挙げられる。
本発明の剤が1回摂取量当たりの単位包装形態(1回摂取量を1単位とする包装形態)である場合、本発明の剤は、ヒスチジンを1単位当たり300mg以上(より好ましくは500mg以上、さらに好ましくは600mg以上、特に好ましくは1.4g以上、最も好ましくは1.6g以上)含有することが好ましい。1単位当たりのヒスチジンの含有量の上限は23gである。
本発明の剤が1回摂取量当たりの単位包装形態である場合、1単位当たりのヒスチジンの含有量は、カフェインの1回摂取量1重量部に対して、好適な効果の発現と安全性の観点から、1〜2000重量部であることが好ましく、30〜180重量部であることがより好ましく、50〜150重量部であることが特に好ましい。
本発明の剤の製造方法は特に制限されず、本発明の剤は自体公知の方法により製造できる。
本発明の剤を添加物として用いる場合、例えば、食品、医薬及び医薬部外品等に添加できるが、添加対象はこれらに限定されない。本発明の剤を添加する時期は特に制限されず、例えば、食品に添加する場合は、食品を調理、製造する際に他の原料と併せて添加してもよいし、食品の完成後に添加してもよいし、食品の喫食直前及び/又は喫食中に添加してもよい。
本発明の剤を適用対象に直接摂取させる場合、その適用対象としては、例えば、マウス、ラット、ハムスター、モルモットなどのげっ歯類およびウサギなどの実験動物、イヌおよびネコなどのペット、ウシ、ブタ、ヤギ、ウマ、ヒツジ及びニワトリなどの家畜及び家禽、サル、オランウータン及びチンパンジーなどの霊長類並びにヒトなどが挙げられ、特にヒトが好ましい。本発明の剤等をヒト以外の動物に適用する場合、その摂取量は、本明細書中に記載されるヒトの摂取量に基づき、さらに動物の体重若しくは大きさ、あるいは摂取時の適用対象の体調や感受性等に応じて適宜加減すればよい。
本発明の剤を摂取させる時期は、後述するカフェインの生理作用増強効果が得られれば特に限定されず、カフェインの摂取の4時間前(好ましくは2時間前、より好ましくは1時間前、特に好ましくは30分前)から、カフェインの摂取の4時間後(好ましくは2時間後、より好ましくは1時間後、特に好ましくは30分後)までに摂取させることが好ましい。本発明の剤の摂取は、カフェインの摂取と同時であるとさらに好ましい。例えば、本発明の剤を、カフェインを含有する食品、医薬及び医薬部外品等の添加物として用いることにより、本発明の剤の摂取とカフェインの摂取とを同時に行うことができる。
本発明の剤によって増強されるカフェインの生理作用は、カフェインの摂取に起因して発現する生理作用であれば特に制限されないが、例えば、(1)覚醒作用、(2)抗疲労作用(特に、疲労軽減、疲労改善)、(3)眠気防止作用(特に、眠気防止、起床時間延長)、(4)精神機能向上(特に、精神機能亢進、精神活力増強)、(5)認知機能向上(集中力持続及び/又は向上、注意力持続及び/又は向上、意欲維持及び/又は向上、思考速度増進)及び(6)交感神経興奮様作用(特に、運動能力向上、筋収縮力増大、平滑筋弛緩、利尿)等が挙げられ、好ましくは、覚醒作用、抗疲労作用、眠気防止作用である。
本発明における「覚醒作用」とは、中枢神経の興奮作用を意味する。また「抗疲労作用」とは、疲労軽減作用、疲労改善作用を意味する。本発明において「疲労」は、精神疲労及び肉体疲労の両方を意図する。「疲労軽減作用」又は「疲労改善作用」とは、体を疲労の状態からいち早く回復する疲労回復作用、運動負荷や精神負荷(睡眠不足負荷等も含まれる)を与えた際に疲れにくくする作用、又は、日常的に感じる肉体疲労(例えば、眼精疲労等)、精神疲労(精神不全等も含まれる)を軽減し、さらには頭脳作業の効率を改善する作用を意味する。また「眠気防止作用」とは、睡眠不足による眠気や日常的に感じる眠気を防止、抑制又は軽減したり、起床している時間を延長させたりする作用を意味する。また「精神機能向上」とは、弱まった状態又は通常の状態の精神機能又は精神的活力を、亢進させたり、効率を高めたり、又は増強させたりする作用を意味する。また「認知機能向上」とは、集中力、注意力、意欲、思考速度等を回復、維持、向上する作用を意味する。また「交感神経興奮様作用」とは、運動能力向上作用、筋収縮力増大作用、平滑筋弛緩作用、利尿作用等を意味する。
カフェインの生理作用増強効果の評価は、自体公知の方法により行なうことができる。そのような方法としては、例えば、覚醒状態や眠気、疲労感を評価する視覚的アナログ尺度(VAS)、Profile of Mood States(POMS)等の主観的評価方法;疲労や加齢に伴って衰える脳機能を測定できる認知機能テスト、運転シミュレーター、終夜睡眠時ポリグラフ検査、行動計等の客観的評価方法が挙げられる。
動物を用いて、カフェインの生理作用(例えば、覚醒作用、抗疲労作用、眠気防止作用等)増強効果を評価するためには、例えば、睡眠障害ストレス負荷(水床による睡眠不足等)後において、自体公知の方法によりパフォーマンスの低下およびその低下回復(指標として、自発行動量の変化、Y迷路試験における短期作業記憶能を示す交替行動率等)を測定すればよく、例えば赤外線センサーを含むデータ集録解析システム(例えば、NS-DAS-32(NeuroScience, Inc)等)を利用することができる。例えば、睡眠障害ストレス負荷により睡眠不足となった対象について、被験試料または対照試料のいずれかを、カフェインとともに摂取させた後で測定を行い、対照試料摂取群と比較して、被験試料摂取群においてパフォーマンスの低下(自発行動量や交替行動率の低下)が改善された場合に、被験試料の摂取によりカフェインの生理作用(特に、覚醒作用、抗疲労作用、眠気防止作用)が増強されたと評価することができる。
2.カフェインの生理作増強方法
本発明の別の一実施態様は、カフェインにヒスチジンを添加することを含む、カフェインの生理作用増強方法(以下、単に「本発明の方法(i)」とも称する)である。
本発明において用いられるカフェインは、カフェインそのものであってよく、又は、食品、医薬及び医薬部外品等に含まれているカフェインであってもよい。従って、本発明の方法(i)には、例えば、カフェインを含有する食品(例えば、コーヒー、緑茶、紅茶、ウーロン茶、ココア、チョコレート、ガラナ、コーラ等)、カフェインを含有する医薬、医薬部外品等にヒスチジンを添加することを含む、カフェインの生理作用増強方法が含まれる。
本発明の方法(i)は、ヒスチジンを1回摂取量として300mg以上添加することが好ましい。ヒスチジンの添加量は、好適な効果の発現の観点から、1回摂取量として、より好ましくは500mg以上、さらに好ましくは600mg以上、特に好ましくは1.4mg以上、最も好ましくは1.6g以上である。一方、既知の知見から得られる食経験や、包装・摂取の容易さの観点から、上記添加量は、1回摂取量として、好ましくは23g以下である。
本発明において、ヒスチジンを「1回摂取量として」特定量(例えば、300mg以上等)添加するとは、例えば、食品に対してヒスチジンを添加する場合、該ヒスチジンが添加された食品の1食当たりのヒスチジンの量が、特定量(例えば、300mg以上等)になるように添加することを意味する。医薬に対してヒスチジンを添加する場合は、該ヒスチジンが添加された医薬の1投与当たりのヒスチジンの量が、特定量(例えば、300mg以上等)になるように添加することを意味する。
本発明の方法(i)は、ヒスチジンの1回摂取量が、カフェインの1回摂取量1重量部に対して、好適な効果の発現と安全性の観点から、1〜2000重量部(より好ましくは30〜180重量部、特に好ましくは50〜150重量部)となることが好ましい。
本発明の方法(i)において、カフェインが1回摂取量当たりの単位包装形態である場合、ヒスチジンを1単位当たり300mg以上(より好ましくは500mg以上、さらに好ましくは600mg以上、特に好ましくは1.4g以上、最も好ましくは1.6g以上)添加することが好ましい。また、この場合のヒスチジンの添加量の上限は、1単位当たり23gである。
本発明の方法(i)において、ヒスチジンの形態は特に制限されず、カフェインに対し、ヒスチジンそのものを添加してよく、又は、上述の本発明の剤を添加してもよい。
本発明の方法(i)において、カフェインにヒスチジンを添加する時期は特に制限されず、例えば、カフェインを含有する食品に添加する場合は、食品を調理、製造する際に他の原料と併せて添加してもよいし、食品の完成後に添加してもよいし、食品の喫食直前及び/又は喫食中に添加してもよい。
また本発明は、カフェイン及びヒスチジンの有効量を対象に摂取させることを含む、カフェインの生理作用増強方法(以下、単に「本発明の方法(ii)」とも称する)も提供する。
本発明の方法(ii)において、ヒスチジンの1回摂取量は、300mg以上が好ましく、好適な効果の発現の観点から、500mg以上がより好ましく、600mg以上がさらに好ましく、1.4g以上が特に好ましく、1.6g以上が最も好ましい。一方、既知の知見から得られる食経験や、包装・摂取の容易さの観点から、ヒスチジンの1回摂取量は、好ましくは23g以下である。カフェインの1回摂取量は、好ましくは1〜400mgであり、より好ましくは30〜120mgであり、特に好ましくは50〜100mgである。
本発明の方法(ii)において、ヒスチジンの1回摂取量は、カフェインの1回摂取量1重量部に対して、好適な効果の発現と安全性の観点から、1〜2000重量部であることが好ましく、30〜180重量部であることがより好ましく、50〜150重量部であることが特に好ましい。
本発明の方法(ii)において、カフェイン及びヒスチジンの1日の摂取回数は特に制限されないが、通常1〜5回、好ましくは1〜3回である。
本発明の方法(ii)において、カフェインの摂取とヒスチジンの摂取には時間差があってよいが、同時であることが好ましい。またカフェイン及びヒスチジンは異なる経路で摂取させてよいが、同一経路で摂取させることが好ましい。
カフェインの摂取とヒスチジンの摂取に時間差がある場合、摂取の順番は特に制限されず、カフェインを摂取させた対象にヒスチジンを摂取させてもよいし、ヒスチジンを摂取させた対象にカフェインを摂取させてもよい。
カフェインの摂取とヒスチジンの摂取に時間差がある場合、その間隔は、カフェインの生理作用増強効果が得られれば特に限定されないが、一方を摂取させてから4時間後(好ましくは2時間後、より好ましくは1時間後、特に好ましくは30分後)までに他方を摂取させることが好ましい。
本発明の方法(ii)において、カフェイン及びヒスチジンを摂取させる対象としては、例えば、マウス、ラット、ハムスター、モルモットなどのげっ歯類およびウサギなどの実験動物、イヌおよびネコなどのペット、ウシ、ブタ、ヤギ、ウマ、ヒツジ及びニワトリなどの家畜及び家禽、サル、オランウータン及びチンパンジーなどの霊長類並びにヒトなどが挙げられ、特にヒトが好ましい。
本発明の方法(ii)は、医療行為を除くものであってよい。ここで「医療行為」とは、医師又は歯科医師によって、あるいは、医師又は歯科医師の指導監督の下で行われる、ヒトを治療、手術又は診断する行為をいう。
本発明において増強されるカフェインの生理作用は、カフェインの摂取に起因して発現する生理作用であれば特に制限されないが、例えば、(1)覚醒作用、(2)抗疲労作用(特に、疲労軽減、疲労改善)、(3)眠気防止作用(特に、眠気防止、起床時間延長)、(4)精神機能向上(特に、精神機能亢進、精神活力増強)、(5)認知機能向上(集中力持続及び/又は向上、注意力持続及び/又は向上、意欲維持及び/又は向上、思考速度増進)及び(6)交感神経興奮様作用(特に、運動能力向上、筋収縮力増大、平滑筋弛緩、利尿)等が挙げられ、好ましくは、覚醒作用、抗疲労作用、眠気防止作用である。
3.カフェイン含有組成物
本発明の別の一実施態様は、カフェイン及びヒスチジンを組み合わせてなる、カフェイン含有組成物(以下、単に「本発明の組成物」とも称する)である。カフェイン含有組成物は、カフェインを含有すれば、その種類は特に限定されないが、カフェインを活性成分として含有する組成物が好ましい。
本発明の組成物におけるカフェインの含有量は特に制限されないが、本発明の組成物は、好適な効果の発現と安全性の観点から、カフェインを1回摂取量として1〜400mg含有することが好ましく、30〜120mg含有することがより好ましく、50〜100mg含有することが特に好ましい。
本発明の組成物は、ヒスチジンを1回摂取量として300mg以上含有することが好ましい。当該含有量は、好適な効果の発現の観点から、1回摂取量として、より好ましくは500mg以上、さらに好ましくは600mg以上、特に好ましくは1.4g以上、最も好ましくは1.6g以上である。一方、既知の知見から得られる食経験や、包装・摂取の容易さの観点から、当該含有量は、1回摂取量として23g以下であることが好ましい。
本発明において、ヒスチジンの1回摂取量は、カフェインの1回摂取量1重量部に対して、好適な効果の発現と安全性の観点から、1〜2000重量部であることが好ましく、30〜180重量部であることがより好ましく、50〜150重量部であることが特に好ましい。
本発明の組成物は、単位包装形態とすることができる。単位包装形態に用いられる包装は、組成物の形態に応じて適宜選択し得るが、例えば、紙容器、プラスチック容器、アルミ缶、スチール缶、ガラス瓶、ペットボトル、PTPシート等が挙げられる。
本発明の組成物は、ヒスチジンを1単位当たり300mg以上(より好ましくは500mg以上、さらに好ましくは600mg以上、特に好ましくは1.4g以上、最も好ましくは1.6g以上)含有することが好ましく、カフェインを1単位当たり10〜150mg(より好ましくは30〜120mg、さらに好ましくは50〜100mg)含有することが好ましい。1単位当たりのヒスチジンの含有量の上限は23gである。
本発明の組成物において、1単位当たりのヒスチジンの含有量は、1単位当たりのカフェインの含有量1重量部に対して、好適な効果の発現と安全性の観点から、1〜2000重量部であることが好ましく、30〜180重量部であることがより好ましく、50〜150重量部であることが特に好ましい。
本発明の組成物は、一態様として、カフェインとヒスチジンとの配合割合(カフェイン:ヒスチジン)が、重量比で1:1〜2000(好ましくは1:30〜180、より好ましくは1:50〜150)であってよい。
本発明の組成物は、カフェインとヒスチジンとを組み合わせてなるものであり、摂取時にカフェインとヒスチジンとを組み合わすことができるものであれば、カフェインとヒスチジンとを同時に製剤化して得られる単一の製剤であっても、カフェインとヒスチジンとを別々に製剤化して得られる2種の製剤を組み合わせたものであってもよい。
本発明の組成物の摂取形態としては、例えば、
(1)カフェインとヒスチジンとを同時に含有する単一の組成物としての摂取、
(2)カフェインとヒスチジンとを別々に含有する2種の組成物の同一投与経路での同時摂取、
(3)カフェインとヒスチジンとを別々に含有する2種の組成物の同一投与経路での時間差をおいての摂取(例えば、カフェイン、ヒスチジンの順序での摂取、あるいは逆の順序での摂取)、
(4)カフェインとヒスチジンとを別々に含有する2種の組成物の異なる投与経路での同時摂取、
(5)カフェインとヒスチジンとを別々に含有する2種の組成物の異なる投与経路での時間差をおいての摂取(例えば、カフェイン、ヒスチジンの順序での摂取、あるいは逆の順序での摂取)
等が挙げられる。
カフェインとヒスチジンとを時間差をおいて摂取する場合、両者が体内で共存することが好ましい。
本発明の組成物の適用対象としては、例えば、マウス、ラット、ハムスター、モルモットなどのげっ歯類およびウサギなどの実験動物、イヌおよびネコなどのペット、ウシ、ブタ、ヤギ、ウマ、ヒツジ及びニワトリなどの家畜及び家禽、サル、オランウータン及びチンパンジーなどの霊長類並びにヒトなどが挙げられ、特にヒトが好ましい。
本発明の組成物の形態は特に限定されず、粉末状、錠剤、顆粒状、スラリー状、カプセル状、溶液状、ゼリー状、乳液状などの固形又は半固形、あるいは液状であり得る。
本発明の組成物は容器詰された形態(容器詰組成物)であってもよい。容器詰組成物は、所望の容器に本発明の組成物を注入、充填等して製造することができる。容器詰組成物の具体的な実施形態としては、例えば、容器詰飲料等が挙げられる。容器詰飲料の「容器」としては、例えば、アルミ缶、スチール缶、ガラス瓶、ペットボトル等が挙げられる。また容器詰飲料の「飲料」としては、例えば、茶飲料(例、緑茶、烏龍茶、紅茶等)、アルコール飲料(例、ビール、ワイン、清酒、焼酎、梅酒、発泡酒、ウイスキー、ブランデー等)、清涼飲料(例、スポーツ飲料、アイソトニック飲料、ミネラルウォーター、コーヒー飲料等)、ジュース(例、果汁ジュース、野菜ジュース等)等の飲料や液体調味料(例、醤油、酢、酒、みりん、だし等)、液体サプリメント(例、栄養ドリンク、美容ドリンク、エナジードリンク等)等が挙げられる。
本発明の組成物は、より摂取しやすい形態とすること等を目的として種々の添加物を配合することができる。具体的には矯味剤、香料、賦形剤、滑沢剤、ゲル化剤、果汁、各種ビタミン類、油脂類、乳及び乳製品、ガムベース、乳化剤、軟化剤、可塑剤、水、炭酸水等が挙げられ、任意のものを利用することができる。矯味剤としては、例えば、アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸及びこれらの塩等の酸味剤や、アスパルテーム、ステビア、スクラロース、グリチルリチン酸、ソーマチン、アセスルファムカリウム、サッカリン、サッカリンナトリウム、エリスリトール、砂糖、マンニトール、ソルビトール等の甘味料(高甘味度甘味料を含む)、ココアリカー等が挙げられる。香料としては、例えば、L−メントール等の合成香料化合物、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ等の柑橘類精油、花精油、ペパーミント油、スペアミント油、スパイス油等の植物精油、ペパーミント香料、ワニラ香料、チェリー香料、オレンジ香料等が挙げられる。賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカ等が挙げられる。ゲル化剤としては、例えば寒天、ゼラチン等が挙げられる。果汁としては、例えば、レモン果汁、オレンジ果汁、グレープ果汁等が挙げられる。各種ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、ビタミンB群(例、ビタミンB2、ニコチン酸、ニコチン酸アミド等)、ビタミンC、ビタミンE等が挙げられる。油脂類としては、例えば、SOS型油脂等が挙げられる。乳及び乳製品としては、生乳、牛乳、バター、ココアバター、チーズ、全脂粉乳、脱脂粉乳等が挙げられる。乳化剤としては、例えば、モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンモノステアリン酸エステル等が挙げられる。軟化剤としては、例えば、グリセリン等が挙げられる。
本発明の組成物の剤形は特に制限されないが、経口用の剤形が好ましい。経口用の剤形としては、例えば、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤(ソフトカプセルを含む)、エリキシル剤、シロップ剤、マイクロカプセル剤、ドリンク剤、乳剤、懸濁液剤等が挙げられる。
本発明の組成物は、経口用の剤形である場合、例えば、トラガント、アラビアゴム、コーンスターチ、ゼラチン、高分子ポリビニルピロリドン等の結合剤;セルロース及びその誘導体(例、微晶性セルロース、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)等の賦形剤;コーンスターチ、前ゼラチン化デンプン、アルギン酸、デキストリン等の膨化剤;ステアリン酸マグネシウム等の潤滑剤;微粒二酸化ケイ素、メチルセルロース等の流動性改善剤;グリセリン脂肪酸エステル、タルク、ポリエチレングリコール6000等の滑沢剤;カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、ゼラチン等の増粘剤;ショ糖、乳糖、アスパルテーム、エリスリトール等の甘味剤(高甘味度甘味料を含む);ペパーミントフレーバー、ワニラフレーバー、チェリーフレーバー、オレンジフレーバー等の香味剤;モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンモノステアリン酸エステル等の乳化剤;クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等のpH調整剤;カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、ゼラチン等の増粘剤;アスパルテーム、カンゾウエキス、サッカリン等の嬌味剤;エリソルビン酸、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル等の抗酸化剤;安息香酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸ブチル等の防腐剤;ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、カルミン、食用青色1号、食用黄色4号、食用赤色2号等の着色剤;油脂;ビタミンC、ビタミンA、ビタミンE、各種ポリフェノール、ヒロドキシチオソール、抗酸化アミノ酸等の抗酸化剤;シェラック、砂糖、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリアセチン等の被覆剤;メチルパラベン、プロピルパラベン等の防腐剤;ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE等の各種ビタミン類;各種アミノ酸類等を含有してよい。
本発明の組成物の製造方法は特に制限されず、本発明の組成物は自体公知の方法により製造できる。
本発明の組成物は、カフェイン含有組成物の通常の用途であれば特に制限なく用いることができるが、その用途としては、例えば、(1)覚醒用、(2)疲労改善用、(3)眠気防止用、(4)精神機能向上用、(5)認知機能向上用及び(6)交感神経賦活用が挙げられ、好ましくは、覚醒用、疲労改善用、眠気防止用である。
本発明において「覚醒用」カフェイン含有組成物とは、カフェインによる覚醒作用を主に期待して用いられる組成物をいう。「疲労改善用」カフェイン含有組成物とは、カフェインによる抗疲労作用を主に期待して用いられる組成物をいう。「眠気防止用」カフェイン含有組成物とは、カフェインによる眠気防止作用を主に期待して用いられる組成物をいう。「精神機能向上用」カフェイン含有組成物とは、カフェインによる精神機能向上を主に期待して用いられる組成物をいう。「認知機能向上用」カフェイン含有組成物とは、カフェインによる認知機能向上を主に期待して用いられる組成物をいう。「交感神経賦活用」カフェイン含有組成物とは、カフェインの交感神経興奮様作用を主に期待して用いられる組成物をいう。
以下の実施例において本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
試験例1:ヒスチジンによるカフェインの生理作用増強効果の検証
9〜10週齢のCD2F1マウス(チャールズリバー社)を、下表1に示す5群(各n=4〜12)に群分けし、AIN93G飼料摂取で1週間馴化(明暗条件:明期12時間、暗期12時間)させた後、各群の飼育ケージ中に0.5cmの深さの水をはり24時間の睡眠不足を負荷した。明期開始6時間後に負荷を解除してホームケージに戻し、6時間の休息を設けた。暗期開始30分前に、溶媒群を除く各群に対し、下表1に示す投与量で、カフェイン及び/又はヒスチジン(0.5%メチルセルロース400溶液(和光純薬工業株式会社製、Wako133−17815)に溶解)を経口投与した。溶媒群には0.5%メチルセルロース400溶液(溶媒)を経口投与した。その後、マルチデジタルカウンタ(Neuroscience Inc, Tokyo, Japan)により、暗期開始から15分間の自発行動量を測定した。本試験の実験プロトコールを図1に示す。
Figure 0006344059
結果を図2に示す。カフェイン10mg/kg群及びカフェイン3mg/kg+ヒスチジン500mg/kg群では、溶媒群、カフェイン3mg/kg群及びヒスチジン500mg/kg群と比較して、自発行動量の有意な増加が見られた。以上の結果より、ヒスチジンはカフェインの生理作用増強効果を有することが明らかとなった。
処方例1:ヒスチジン及びカフェインを含有するカフェイン含有溶液
下記配合を有する、ヒスチジン及びカフェインを含有するカフェイン含有溶液を、常法により製造した。当該カフェイン含有溶液の重量(1回摂取量)は30gであった。
Figure 0006344059
処方例2:ヒスチジン及びカフェインを含有するカフェイン含有顆粒
下記配合を有する、ヒスチジン及びカフェインを含有するカフェイン含有顆粒を、常法により製造した。当該カフェイン含有顆粒の重量(1回摂取量)は2gであった。
Figure 0006344059
処方例3:ヒスチジン及びカフェインを含有するカフェイン含有ゼリー
下記配合を有する、ヒスチジン及びカフェインを含有するカフェイン含有ゼリーを、常法により製造した。当該カフェイン含有ゼリーの重量(1回摂取量)は100gであった。
Figure 0006344059
処方例4:ヒスチジン及びカフェインを含有するカフェイン含有飲料
下記配合を有する、ヒスチジン及びカフェインを含有するカフェイン含有飲料を、常法により製造した。当該カフェイン含有飲料の重量(1回摂取量)は100gであった。
Figure 0006344059
処方例5:ヒスチジン及びカフェインを含有するカフェイン含有チョコレート
下記配合を有する、ヒスチジン及びカフェインを含有するカフェイン含有チョコレートを、常法により製造した。当該カフェイン含有チョコレートの重量(1回摂取量)は5gであった。
Figure 0006344059
処方例6:ヒスチジン及びカフェインを含有するカフェイン含有ガム
下記配合を有する、ヒスチジン及びカフェインを含有するカフェイン含有ガムを、常法により製造した。当該カフェイン含有ガムの重量(1回摂取量)は4gであった。
Figure 0006344059
処方例7:ヒスチジン及びカフェインを含有するカフェイン含有カプセル
下記配合を有する、ヒスチジン及びカフェインを含有するカフェイン含有カプセルを、常法により製造した。当該カフェイン含有カプセルの重量(1回摂取量)は0.65gであった。
Figure 0006344059
処方例8:ヒスチジン及びカフェインを含有するカフェイン含有コーヒー
下記配合を有する、ヒスチジン及びカフェインを含有するカフェイン含有コーヒーを、常法により製造した。当該カフェイン含有コーヒーの重量(1回摂取量)は140gであった。
Figure 0006344059
本発明によれば、カフェインの生理作用増強剤、カフェインの生理作用増強方法、及び効果的で、安全性の高いカフェイン含有組成物(例えば、通常のカフェイン量を維持したまま、より強いカフェインの生理作用が得られるカフェイン含有組成物、通常よりカフェイン量を減らしても、カフェインの生理作用が維持されるカフェイン含有組成物、及び通常よりカフェイン量を減らしても、より強いカフェインの生理作用が得られるカフェイン含有組成物等)等を提供できる。

Claims (8)

  1. ヒスチジンを含有する、カフェインの生理作用増強剤であって、カフェインの生理作用が、覚醒作用、抗疲労作用及び眠気防止作用から選ばれる少なくとも1種である剤
  2. ヒスチジンの含有量が、1回摂取量として300mg以上である、請求項1記載の剤。
  3. カフェインにヒスチジンを添加することを含む、カフェインの生理作用増強方法であって、カフェインの生理作用が、覚醒作用、抗疲労作用及び眠気防止作用から選ばれる少なくとも1種である方法
  4. ヒスチジンの添加量が、1回摂取量として300mg以上である、請求項記載の方法。
  5. カフェイン及びヒスチジンを組み合わせてなる、覚醒用、疲労改善用又は眠気防止用のカフェイン含有組成物。
  6. ヒスチジンを1回摂取量として300mg以上含有する、請求項記載の組成物。
  7. カフェインを1回摂取量として1〜400mg含有する、請求項5又は6記載の組成物。
  8. ヒスチジンの1回摂取量が、カフェインの1回摂取量1重量部に対して、1〜2000重量部である、請求項のいずれか1項に記載の組成物。
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