JP6343409B1 - ランスホルダ及び酸素溶断用ランスパイプ - Google Patents

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Abstract

【課題】ゴムパッキンを交換することなく外形の異なるランスパイプを保持でき、しかも酸素ガスの漏れも防止できる技術手段を提供する。【解決手段】酸素溶断用ランスパイプ10を保持すると共に酸素溶断用ランスパイプの内孔10aに酸素ガスを供給するための酸素ガス供給部2aを有するホルダ本体2と、ホルダ本体の酸素ガス供給部及び酸素溶断用ランスパイプの内孔に連通する酸素ガス通過孔3aを有する筒状のゴムパッキン3とを備えるランスホルダにおいて、ゴムパッキンの酸素溶断用ランスパイプと接する部分に、酸素溶断用ランスパイプ側に向けて漸次突出する突出部3bを設けた。【選択図】図2

Description

本発明は、酸化反応熱を利用して対象材を切断あるいは穿孔する際に用いられる酸素溶断用ランスパイプを保持するためのランスホルダ、及びこのランスホルダに使用される酸素溶断用ランスパイプに関する。なお、以下本明細書では、「酸素溶断用ランスパイプ」を単に「ランスパイプ」という。
従前より、ガス切断や機械的切断では困難を伴う対象材(板厚の厚い鋼材など)を切断あるいは穿孔する際には、酸素溶断装置を用いた溶断を行っている。
酸素溶断装置は、内孔に酸素が送り込まれた金属製のランスパイプに対して、外部より一定以上の熱源を先端部に与えて、ランスパイプを溶融させ、内孔に送り込まれている酸素とランスパイプとで、連続的に酸化反応を起こさせて自己燃焼させ、その先端部の酸化反応熱によって対象材(被溶断物)を切断あるいは穿孔する溶断装置であり、対象材を溶断するランスパイプと、ランスパイプを保持するランスホルダと、ランスパイプに酸素を供給する酸素ボンベと、ランスパイプが保持されたランスホルダと酸素ボンベとを連結し、ランスパイプに酸素を案内する酸素ホースとを備えている。
このような酸素溶断装置におけるランスホルダの従来一般的な構成は、特許文献1の第3図に相当する図9に示すように、ヘッド11、ホルダ本体12及びゴムパッキン13を備え、ヘッド11をホルダ本体12に対してねじ込むことにより、ホルダ本体12内部の円筒状のゴムパッキン13を圧縮して、ゴムパッキン13に挿入されているランスパイプ10を保持し、かつ酸素ガスの漏れを防止するという構成であった。
しかしながら、この構成では、外形(外径)の異なるランスパイプを同じランスホルダで使用する場合、ホルダ本体内のゴムパッキンをランスパイプの外形に適合するサイズのものに交換する必要があった。また、このとき、ランスホルダの外見からはホルダ本体内のゴムパッキンのサイズを確認することはできないため、ランスホルダを分解して確認する必要があった。そして、この確認を怠ったり誤ったりした場合、酸素ガスの漏れが発生して大きな事故にもつながる原因となる。
実願昭60−135279号(実開昭62−46190号)のマイクロフィルム
本発明が解決しようとする課題は、ゴムパッキンを交換することなく外形の異なるランスパイプを保持でき、しかも酸素ガスの漏れも防止できる技術手段を提供することにある。
本発明の要旨は、次のとおりである。
1.
ランスパイプを保持すると共にランスパイプの内孔に酸素ガスを供給するための酸素ガス供給部を有するホルダ本体と、
ホルダ本体の酸素ガス供給部及びランスパイプの内孔に連通する酸素ガス通過孔を有する筒状のゴムパッキンとを備えるランスホルダであって、
ゴムパッキンは、ランスパイプと接する部分に、ランスパイプ側に向けて漸次突出する突出部を有する、ランスホルダ。
2.
ゴムパッキンの突出部は、テーパ角度が120〜150°のテーパ状である、前記1に記載のランスホルダ。
3.
ゴムパッキンの酸素ガス通過孔は、当該ゴムパッキンに内装されたカラーによって形成されている、前記1又は2に記載のランスホルダ。
4.
ゴムパッキンの外周を囲むようにスペーサが配置されている、前記1〜3のいずれかに記載のランスホルダ。
5.
前記1〜4のいずれかに記載のランスホルダに基端部を保持されるランスパイプであって、ランスホルダに保持される基端部の端面が、先端部に向けて内孔が縮小するようなテーパ状であり、かつ基端部の外形がゴムパッキンの酸素ガス通過孔より大きい、酸素溶断用ランスパイプ。
本発明によれば、ホルダ本体でランスパイプを保持する際、ゴムパッキンの突出部がランスパイプの内孔に入り込むようになるので、ゴムパッキンを交換することなく外形の異なるランスパイプを保持でき、しかも酸素ガスの漏れも防止できる。
本発明の一実施例であるランスホルダの分解斜視図。 図1のランスホルダにランスパイプを保持した状態における要部の概略縦断面図。 ランスパイプの基端部の端面がゴムパッキンの突出部に突き当たったときの状態を模式的に示す概略断面図。 ランスパイプの基端部の端面をテーパ状とした実施形態の一例を示す概略縦断面図。 ゴムパッキンの酸素ガス通過孔を非弾性材料よりなるカラーによって形成した実施形態の一例を示し、(a)は正面図、(b)は断面図。 ゴムパッキンの外周を囲むようにスペーサを配置した実施形態の一例を示す概略縦断面図。 平型のゴムパッキンを使用した仮想的な従来技術を示す概略縦断面図。 凹型のゴムパッキンを使用した仮想的な従来技術を示す概略縦断面図。 ランスホルダの従来一般的な構成を示す一部切欠斜視図。
以下、図面に示す実施例に基づき、本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施例であるランスホルダの分解斜視図、図2はこのランスホルダにランスパイプを保持した状態における要部の概略縦断面図である。
この実施例のランスホルダは、ヘッド1、ホルダ本体2、ゴムパッキン3及びコレットチャック4を備える。そして、ヘッド1をホルダ本体2に対してねじ込むと、図2に示すようにコレットチャック4がランスパイプ10を保持(把持)し、更にこのランスパイプ10の基端部の端面がゴムパッキン3に突き当たる。
ここで、酸素ガスは、酸素ホース5よりランスパイプ10へ供給される。具体的には、ホルダ本体2は酸素ホース5と連通する酸素ガス供給部2aを有し、ゴムパッキン3はホルダ本体2の酸素ガス供給部2a及びランスパイプ10の内孔10aに連通する酸素ガス通過孔3aを有しており、酸素ガスは、酸素ホース5、酸素ガス供給部2a、酸素ガス通過孔3aを順次通過してランスパイプ10の内孔10aへ供給される。
また、この実施例のランスホルダには、電気ケーブル6も接続されており、この電気ケーブルからの電流は、ホルダ本体2、ヘッド1及びコレットチャック4を通じてランスパイプ10へ供給される。
ゴムパッキン3は、ランスパイプ10の基端部の端面と接する部分に、ランスパイプ10側に向けて漸次突出する突出部3bを有する。この実施例では突出部3bはテーパ状(円錐台状)であり、そのテーパ角度αは150°(立上り角度βは15°)である。
一方、ランスパイプ10の基端部の外形は、ゴムパッキン3の酸素ガス通過孔3aより大きい。このように、基端部の外形がゴムパッキン3の酸素ガス通過孔3aより大きいランスパイプ10を使用すると、図2に示すように、ランスパイプ10の基端部の端面がゴムパッキン3の突出部3bに突き当たり、これにより酸素ガスの漏れが防止される。しかも、基端部の外形が、ゴムパッキン3の酸素ガス通過孔3aより大きく、ゴムパッキン3の外形より小さい範囲内であれば、ゴムパッキン3を交換することなく外形の異なるランスパイプを保持できる。
次に、ゴムパッキン3の突出部3bによる酸素ガス漏れ防止の効果について、仮想的な従来技術と対比しつつ説明する。
この実施例では、上述のようにランスパイプ10の基端部の端面がゴムパッキン3の突出部3bに突き当たると、図3に模式的に示しているように突出部3bはランスパイプ10の内孔10aに入り込むように変形する。これにより、シール性が高まり酸素ガスの漏れを確実に防止することができる。
これに対して図7に示すような平型のゴムパッキン3の場合、単にランスパイプ10の基端部の端面がゴムパッキン3の上面に突き当たるのみで、その上面部がランスパイプの内孔に入り込むように変形することは殆んどないので、十分なシール性は得られない。
また、図8に示すような凹型のゴムパッキン3の場合、特にランスパイプ10の外形の大きさがゴムパッキン3の酸素ガス通過孔3aの大きさに近い場合、ランスパイプ10が酸素ガス通過孔3aを突き抜けるおそれがある。また、凹型のゴムパッキン3でも、その凹面部がランスパイプの内孔に入り込むように変形することは殆んどないので、十分なシール性は得られない。
ここで、ランスパイプ10の基端部の端面は、図4に示すように先端部に向けて内孔10aが縮小するようなテーパ状とすることが好ましい。これにより、ゴムパッキン3の突出部3bとの密着性が向上し、シール性も向上する。ただし、本発明のランスホルダは、基端部の端面がテーパ状でないランスパイプにも適用可能である。
また、ゴムパッキン3の突出部3bのテーパ角度αは、上述した突出部3bによる酸素ガス漏れの効果をいかんなく発揮する点から150°以下であることが好ましく、一方、ランスパイプ10の基端部の突き当たりによる突出部3bの損傷を低減する点から120°以上であることが好ましい。すなわち、ゴムパッキン3の突出部3bのテーパ角度αは120〜150°であることが好ましく、これを立上り角度βで表すと立上り角度βは15〜30°あることが好ましい。
なお、突出部3bの形状はテーパ状には限定されず、ランスパイプ10側に向けて漸次突出する形状であればよく、例えばドーム状であってもよい。
この実施例では上述のとおり、ランスパイプ10の基端部がゴムパッキン3に突き当たることでシール性を発揮するが、ランスパイプ10の基端部がゴムパッキン3に過度に突き当たると、ゴムパッキン3が過度に圧縮されて酸素ガス通過孔3aが縮小し酸素ガス流量が減少するおそれがある。そこで、ゴムパッキン3が過度に圧縮されても酸素ガス通過孔3aが縮小しないようにするためには、図5に示すように、ゴムパッキン3の酸素ガス通過孔3aは、このゴムパッキン3に内装されたカラー3cによって形成することが好ましい。すなわち、カラー3cは硬質樹脂、金属等の非弾性材料よりなるから、ゴムパッキン3が圧縮されてもカラー3c自体は縮小しないので、酸素ガス通過孔3aが縮小することもない。更に、ゴムパッキン3の酸素ガス通過孔3aを非弾性材料よりなるカラー3cで形成すると、ゴムパッキン3が圧縮されたとき、このゴムパッキン3は酸素ガス通過孔3a(カラー3c)側には変形せずに、その突出部3bがランスパイプの内孔により入り込むように変形するから、シール性の向上にもつながる。
なお、図5の実施形態では台座付きのカラー部材を使用したが、ゴムパッキンにカラーを内装する実施形態はこの実施形態には限定されず、例えば台座のない円筒状のカラー部材を使用してもよい。
一方、ゴムパッキン3が過度に圧縮されないようにするために、図6に示すように、ゴムパッキン3の外周を囲むようにスペーサ7を配置することもできる。すなわち、このスペーサ7にゴムリングパッキン7aを介してコレットチャック4が突き当たることで、ランスパイプ10の基端部がゴムパッキン3に過度に突き当たることを防止できる。言い換えればスペーサ7の高さは、ランスパイプ10の基端部がゴムパッキン3に適度に突き当たるように設定する。
以上、実施例に基づいて本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。例えば、この実施例ではランスパイプ10を保持(把持)するためにコレットチャックを使用したが、コレットチャック以外の保持(把持)手段を使用することもできる。その他、種々の変形が可能であることは当業者に自明である。
1 ヘッド
2 ホルダ本体
2a 酸素ガス供給部
3 ゴムパッキン
3a 酸素ガス通過孔
3b 突出部
3c カラー
4 コレットチャック
5 酸素ホース
6 電気ケーブル
7 スペーサ
7a ゴムリングパッキン
10 ランスパイプ

Claims (5)

  1. 酸素溶断用ランスパイプを保持すると共に酸素溶断用ランスパイプの内孔に酸素ガスを供給するための酸素ガス供給部を有するホルダ本体と、
    ホルダ本体の酸素ガス供給部及び酸素溶断用ランスパイプの内孔に連通する酸素ガス通過孔を有する筒状のゴムパッキンとを備えるランスホルダであって、
    ゴムパッキンは、酸素溶断用ランスパイプと接する部分に、酸素溶断用ランスパイプ側に向けて漸次突出する突出部を有する、ランスホルダ。
  2. ゴムパッキンの突出部は、テーパ角度が120〜150°のテーパ状である、請求項1に記載のランスホルダ。
  3. ゴムパッキンの酸素ガス通過孔は、当該ゴムパッキンに内装された、非弾性材料よりなるカラーによって形成されている、請求項1又は2に記載のランスホルダ。
  4. ゴムパッキンの外周を囲むようにスペーサが配置されている、請求項1〜3のいずれかに記載のランスホルダ。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のランスホルダに使用される酸素溶断用ランスパイプであって、ランスホルダに保持される基端部の端面が、先端部に向けて内孔が縮小するようなテーパ状であり、かつ基端部の外形がゴムパッキンの酸素ガス通過孔より大きい、酸素溶断用ランスパイプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS60115976U (ja) * 1984-01-13 1985-08-06 松下電工株式会社 直管蛇腹付排水管
JPS6246190U (ja) * 1985-09-03 1987-03-20
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JP2009257588A (ja) * 2008-04-15 2009-11-05 Beda Oxygentechnik Armaturen Gmbh より大なる公差の締付け頭部を有するランスホルダ

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