JP6342885B2 - 1つの単離された歯胚から複数の歯を製造する方法 - Google Patents

1つの単離された歯胚から複数の歯を製造する方法 Download PDF

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Description

本発明は、上皮組織の層および間葉組織の層を含む1つの単離された歯胚から複数の歯を製造する方法に関する。
複数種の細胞を三次元的に再構築した再生器官を、機能不全に陥った器官と置き換える「器官再生医療」が期待されている。歯科領域においても、歯の喪失には人工物による代替治療が適用され、咀嚼機能の回復として有効な医療技術として確立したものの、より機能的であり、よりQOLを向上させるような「歯科再生治療」へと発展させることが期待されている。
近年、単個細胞(single cells)の状態にした歯胚由来細胞から、正常な歯胚と同様に発生可能な歯胚を作製する細胞操作技術が開発された(非特許文献1)。この歯胚は,口腔内で正常発生し、機能的にも天然歯と同等であることが明らかにされた(非特許文献2)。しかしながら、歯胚を用いた「歯の再生」の実現には、患者自身が有する歯胚数は有限であることから、「歯胚数の確保」が課題となっている。
また、先天的および後天的に歯の喪失を生じた患者に対して、幼若な発生段階の自家歯胚を移植する歯胚移植治療が臨床的に行われている。この治療法は生物学的な歯胚発生により、機能的な歯が再生可能であることばかりでなく、ヒトにおける歯の再生治療の実用化において、免疫学的観点からも現実的に有用な歯科再生治療として考えられている。しかしながら、歯胚の個数や発生時期から移植可能な歯胚は制限されるため、やはり、
移植材料としての「歯胚数の確保」が課題となっている。
Nature Methods 4:227−230, 2007 PNAS 11;106, 13475−80, 2009
本発明は、移植に用いることのできる歯胚の絶対数を増やすために、1つの単離された歯胚から複数の歯を製造する方法を提供することを課題とした。
発明者らは、上記課題を解決するために検討を重ねた結果、カエルやイモリ、ウニに代表される調節卵が、結紮糸で結紮することにより、または、切断することにより、複数の完全な個体が発生することに着目し、この方法を歯胚に適用することで、1つの歯胚から複数の歯胚を製造し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、一実施態様において、上皮組織の層および間葉組織の層を含む1つの単離された歯胚から複数の歯を製造する方法であって、
(a)上皮組織の層および間葉組織の層を含む1つの単離された歯胚を、完全に又は部分的に分割する工程、
ここで、
前記分割が、分割された各歯胚部分がそれぞれ、前記上皮組織の層の一部、および、前記間葉組織の層の一部を含むように分割するものであることを特徴とする、および、
(b)前記分割された歯胚を、in vitroで培養、または、ヒトを除く動物の生体内においてin vivoで培養することにより、複数の歯を形成させる工程、
を含むことを特徴とする方法、を提供する。
また、本発明による方法の一実施態様においては、前記工程(a)が、前記「上皮組織の層および間葉組織の層を含む1つの単離された歯胚」を結紮糸で結紮することにより、前記「上皮組織の層および間葉組織の層を含む1つの単離された歯胚」を部分的に分割する工程であることを特徴とする。
また、本発明による方法の一実施態様においては、前記「上皮組織の層および間葉組織の層を含む1つの単離された歯胚」が、帽状期から鐘状期後期までの発生段階にあることを特徴とする。
また、本発明による方法の一実施態様においては、前記工程(a)が、前記「上皮組織の層および間葉組織の層を含む1つの単離された歯胚」を切断することにより、前記「上皮組織の層および間葉組織の層を含む1つの単離された歯胚」を完全に分割する工程であることを特徴とする。
また、本発明による方法の一実施態様においては、前記「上皮組織の層および間葉組織の層を含む1つの単離された歯胚」が、帽状期から鐘状期前期までの発生段階にあることを特徴とする。
また、本発明による方法の一実施態様においては、前記工程(a)において、前記分割が、分割された各歯胚部分がサイズにおいて均等となるように分割するものであることを特徴とする。
また、本発明による方法の一実施態様においては、前記「上皮組織の層および間葉組織の層を含む1つの単離された歯胚」が、動物の生体から採取された歯胚であることを特徴とする。
また、本発明による方法の一実施態様においては、前記工程(b)が、前記分割された各歯胚を、歯の成長サイズを制御できるデバイス内に配置し、in vitroで培養、または、ヒトを除く動物の生体内においてin vivoで培養することにより、複数の歯を形成させる工程であり、ここで、前記デバイスは、前記歯胚が最大許容値以上に伸長することを防止可能な構成であり、且つ、内部に配置された歯胚が前記デバイス外部と連通可能な構成であることを特徴とする。
また、本発明による方法の一実施態様においては、前記工程(b)が、前記分割された各歯胚を前記デバイス内に配置し、ヒトを除く動物の生体内においてin vivoで培養することにより、複数の歯を形成させる工程であり、前記デバイスが、さらに、前記動物の生体内の組織から前記歯胚に過剰な圧力がかかることを防止可能な構成であることを特徴とする。
本発明の別の実施形態は、次の工程を含む方法によって製造される歯であることを特徴とする;
(a)上皮組織の層および間葉組織の層を含む1つの単離された歯胚を、完全に又は部分的に分割する工程、
ここで、
前記分割が、分割された各歯胚部分がそれぞれ、前記上皮組織の層の一部、および、前記間葉組織の層の一部を含むように分割するものであることを特徴とする、および、
(b)前記分割された歯胚を、in vitroで培養、または、ヒトを除く動物の生体内においてin vivoで培養することにより、複数の歯を形成させる工程。
本発明のさらに別の実施態様は、動物の欠損した歯の修復方法であって、次の工程を含む方法により製造された歯を、前記欠損した部位に移植する工程を含むことを特徴とする;
(a)上皮組織の層および間葉組織の層を含む1つの単離された歯胚を、完全に又は部分的に分割する工程、
ここで、
前記分割が、分割された各歯胚部分がそれぞれ、前記上皮組織の層の一部、および、前記間葉組織の層の一部を含むように分割するものであることを特徴とする、および、
(b)前記分割された歯胚を、in vitroで培養、または、ヒトを除く動物の生体内においてin vivoで培養することにより、複数の歯を形成させる工程。
本発明による動物の欠損した歯の修復方法の一実施態様においては、前記動物がヒトを除く動物であることを特徴とする。
以上述べた本発明の一又は複数の特徴を任意に組み合わせた発明も、本発明の範囲に含まれることを、当業者であれば理解するであろう。
本発明に係る歯を製造する方法によれば、1つの単離された歯胚から複数の歯を製造することができ、このことにより、移植可能な歯胚の絶対数を増加させることができる。
図1は、結紮による歯胚分割の模式図と、結紮から2日目および6日目における歯胚の組織像を示す。 図2は、歯胚を2か所結紮した場合の、結紮から1日目から6日目における歯胚の組織像を示す。 図3は、切断による歯胚分割の模式図と、切断から4日目および6日目における歯胚の組織像を示す。 図4は、結紮歯胚を4日間器官培養した後、マウスの腎皮膜下に移植し、移植から28日後のマイクロCT像および組織像を示す。 図5は、切断歯胚を6日間器官培養した後、マウスの腎皮膜下に移植し、移植から28日後のマイクロCT像および組織像を示す。 図6は、胎齢13日から胎齢17日までの歯胚をそれぞれ分割し、6日間器官培養を行った後の歯胚の組織像を示す。 図7は、結紮歯胚をマウスの口腔内へ移植した後、50日間経過後のマイクロCT像を示す。 図8は、器官培養1日目〜6日目の結紮歯胚における、ShhおよびFGF4の遺伝子発現を比較した図を示す。 図9は、本発明の方法の一実施態様によって製造された歯において、歯根膜を介した骨リモデリングが起こることを示した図である。 図10は、本発明の方法の一実施態様によって製造された歯の歯根膜内および歯髄内に神経が侵入していることを示した図である。 図11は、本発明の方法の一実施形態によって製造された歯に侵入している神経が、中枢へ刺激伝達が可能であることを示した図である。
本発明において、「歯」とは、内側に象牙質および外側にエナメル質の層を連続して備えた組織をいい、歯冠や歯根を有する方向性を備えた組織を意味するが、これに限定されず、歯槽骨や歯根膜などの歯周組織までをも含む概念である。歯の方向性は歯冠や歯根の配置によって特定することができる。歯冠や歯根は、形状や組織染色などに基づいて目視にて確認することができる。歯冠とは、エナメル質と象牙質の層構造を有する部分をいい、歯根にはエナメル質の層は存在しない。
象牙質及びエナメル質は、当業者が、組織染色などによって形態的に容易に特定することができる。また、エナメル質は、エナメル芽細胞の存在によって特定することができ、エナメル芽細胞の存在は、アメロジェニンの有無によって確認することができる。一方、象牙質は、象牙芽細胞の存在によって特定することができ、象牙芽細胞の存在は、デンチンシアロプロテインの有無によって確認することができる。アメロジェニン及びデンチンシアロプロテインの確認は、この分野で周知の方法によって容易に実施することができ、例えば、in situ hybridization、抗体染色等を挙げることができる。
本発明において、「歯胚」とは、将来歯になることが決定付けられた歯の初期胚であり、歯の発生ステージで一般的に用いられる蕾状期(Bud stage)、帽状期(Cap stage)、鐘状期(Bell stage)の段階のものを指し、特に歯の硬組織としての特徴である象牙質、エナメル質の蓄積が認められない組織である。
歯胚は、主に上皮組織の層および間葉組織の層から構成されており、発生段階が進むと、上皮組織の層は最終的に歯のエナメル質へと分化し得、間葉組織の層は最終的に歯の象牙質、歯髄、セメント質、歯根膜、歯槽骨へと分化し得る。
本発明において、「上皮組織の層および間葉組織の層を含む1つの単離された歯胚」とは、本発明に用いられる1つの単離された歯胚が、実質的に上皮組織の層および間葉組織の層から構成されていることを意味し、当業者であれば上皮組織および間葉組織以外の組織が含まれている歯胚も本発明の範囲に含まれることを理解するであろう。
本発明において、発生段階が「帽状期」の歯胚とは、マウスにおいては胎齢14日〜15日における歯胚を意味する。また、ヒトの乳歯において、発生段階が「帽状期」の歯胚とは、上顎乳中切歯、下顎乳中切歯、上顎乳側切歯、および下顎乳側切歯においては、胎齢7週における歯胚を意味し、上顎乳犬歯および下顎乳犬歯においては、胎齢7週半における歯胚を意味し、上顎第一乳臼歯および下顎乳臼歯においては、胎齢8週における歯胚を意味し、上顎第二乳臼歯および下顎第二乳臼歯においては、胎齢10週における歯胚を意味する。さらに、ヒトの永久歯において、発生段階が「帽状期」の歯胚とは、上顎中切歯、下顎中切歯、上顎側切歯、および下顎側切歯においては、胎齢5月〜5月半における歯胚を意味し、上顎犬歯および下顎犬歯においては、胎齢5月半〜6月における歯胚を意味し、上顎第一小臼歯および下顎第一小臼歯においては、出生時における歯胚を意味し、上顎第二小臼歯および下顎第二小臼歯においては、出生後7月半〜8月における歯胚を意味し、上顎第一大臼歯および下顎第一大臼歯においては、胎齢3月半〜4月における歯胚を意味し、上顎第二大臼歯および下顎第二大臼歯においては、出生後8月半〜9月における歯胚を意味し、上顎第三大臼歯および下顎第三大臼歯においては、出生後3年半〜4年における歯胚を意味する。
本発明において、発生段階が「鐘状期」の歯胚とは、マウスにおいては胎齢16日〜17日における歯胚を意味する。また、ヒトの乳歯において、発生段階が「鐘状期」の歯胚とは、上顎乳中切歯および下顎乳中切歯においては、胎齢4月〜4月半における歯胚を意味し、上顎乳側切歯および下顎乳側切歯においては、胎齢4月半における歯胚を意味し、
上顎乳犬歯、下顎乳犬歯、上顎第一乳臼歯および下顎乳臼歯においては、胎齢5月における歯胚を意味し、上顎第二乳臼歯および下顎第二乳臼歯においては、胎齢6月における歯胚を意味する。さらに、ヒトの永久歯において、発生段階が「鐘状期」の歯胚とは、上顎中切歯および下顎中切歯においては、胎齢3月〜4月における歯胚を意味し、上顎側切歯においては、出生後10月〜12月における歯胚を意味し、下顎側切歯においては、出生後3月〜4月における歯胚を意味し、上顎犬歯および下顎犬歯においては、出生後4月〜5月における歯胚を意味し、上顎第一小臼歯および下顎第一小臼歯においては、出生後1年半〜2年における歯胚を意味し、上顎第二小臼歯および下顎第二小臼歯においては、出生後2年〜2年半における歯胚を意味し、上顎第一大臼歯および下顎第一大臼歯においては、出生時における歯胚を意味し、上顎第二大臼歯および下顎第二大臼歯においては、出生後2年半〜3年における歯胚を意味し、上顎第三大臼歯および下顎第三大臼歯においては、出生後7年〜10年における歯胚を意味する。
本発明において、歯胚を採取する歯の種類は特に限定されず、どの歯からも歯胚を採取することができるが、ヒトの場合、特に上顎第三大臼歯または下顎第三大臼歯を好適に用いることができる。ヒトの上顎第三大臼歯および下顎第三大臼歯は親知らず(智歯)とも呼ばれ、20歳前後で完全な歯に発生する、ヒトの口腔内で最も発生が遅い歯である。ヒトの上顎第三大臼歯および下顎第三大臼歯は口腔内で正しく萌出されないことも多く、咬合に大きく寄与しないことからも、他の歯と比較して欠損した場合のデメリットが小さい。
本発明において、歯胚の発生段階の確認方法は特に限定されないが、例えば、歯胚上皮の発生・分化に伴う形態的変化を目視または組織学的に観察することによって確認することができる。帽状期になると、歯胚の上皮組織が間葉組織の一部を覆うような形態となり、鐘状期になると、上皮組織が間葉組織の大部分を覆うような形態となることから、歯胚の発生段階を確認することができる。また、目視または組織学的な観察による確認に加えて、歯の発生を制御するシグナルセンターであるエナメルノットの形成を指標として、歯胚の発生段階を確認することもできる。エナメルノットの形成の確認方法は特に限定されず、当業者が用いることができる公知の確認方法を用いることができるが、例えば、エナメルノットに発現する代表的な遺伝子であるShhまたはFGF4の発現を、in situ hybridization法によって確認することができる。FGF4は1stエナメルノットおよび2ndエナメルノットに発現し、Shhは歯胚発生における上皮細胞および間葉細胞の相互作用の境界面で、上皮細胞側に発現し、1stエナメルノットにも発現する。
本発明に用いることができる「上皮組織の層および間葉組織の層を含む1つの単離された歯胚」の発生段階は、分割後に適切に発生が進むものであれば特に限定されないが、例えば、歯胚の分割の方法として結紮糸による結紮を用いる場合には、帽状期から鐘状期後期の発生段階にある歯胚を用いることが好ましく、歯胚の分割の方法として切断を用いる場合には、帽状期から鐘状期前期の発生段階にある歯胚を用いることが好ましい。
本発明において用いられる歯胚の由来は特に限定されず、例えば、動物の生体から単離した歯胚を好適に用いることができる。本発明において、歯胚の由来となる動物は特に限定されず、あらゆる動物由来の歯胚を用いることができるが、例えば、ヒト、ブタ、ウシ、サル、ヒヒ、イヌ、ネコ、ラット、マウス由来の歯胚を用いることができる。
本発明において、動物の生体から歯胚を単離する方法は特に限定されず、当業者が適宜公知の方法を用いて歯胚を単離することができる。例えば、動物から摘出した歯から、注射針を用いて歯胚領域のみを分離することにより、歯胚を単離することができる。
本発明において、上皮組織とは、主に上皮系の細胞から構成される組織をいい、間葉組織とは、主に間葉系の細胞から構成される組織をいう。歯胚を構成する組織が、上皮組織および間葉組織であることの確認は、組織学的(HE染色や免疫染色)に確認することができる。例えば、免疫染色によって上皮組織を確認する場合には、上皮組織のマーカーであるShhに対する抗体を用いて免疫染色を行うことにより、確認することができる。
本発明において、歯胚を「分割する」とは、例えば歯胚を結紮糸で結紮、または、切断することにより、2以上の歯胚部分に完全に分離した状態にすることに限定されず、例えば歯胚を結紮糸を用いて、組織が切断されない程度に結紮することにより、または、部分的に切断することにより、組織が部分的につながった状態で2以上の歯胚部分に分割することをも含む概念である。また、例えば、プラスチック製や金属製のクリップを用いて、歯胚の組織を潰さない程度に圧力をかけ、各歯胚部分に分割することも、本発明の概念に含まれる。
本発明において、歯胚の分割は、分割された各歯胚部分がそれぞれ、歯胚の上皮組織の層の一部、および、歯胚の間葉組織の層の一部を含むように分割される限り、その態様は特に限定されず、様々な態様の分割であってよい。歯胚を結紮糸で結紮することによって分割する場合、および、歯胚を切断することにより分割する場合は、例えば、歯胚の正中線(歯胚における上皮組織−間葉組織方向の中心軸を通る線、または、上皮組織の重心と間葉組織の重心を通る線)を通る面、または、歯胚の正中線を通る面に平行な面で分割することができる。また、例えば、歯胚を2つまたは3つの各歯胚部分に分割してもよく、それ以上の各歯胚部分に分割してもよいが、好ましくは、歯胚を2つまたは3つの各歯胚部分に分割することができる。
また、本発明において、「分割された各歯胚部分がサイズにおいて均等となるように分割する」とは、各歯胚部分がサイズにおいて厳密な意味で均等である場合に限定されず、当業者であれば、例えば、分割された各歯胚部分がそれぞれ、サイズにおいて±20%程度、より好ましくは±10%程度の誤差の範囲内に収まるように均等に分割する場合も、本発明の範囲に含まれることを理解するであろう。また、分割された各歯胚部分がサイズにおいて均等となるように分割する方法は特に限定されず、例えば、本発明の方法で分割された各歯胚部分がそれぞれ、歯胚の上皮組織の層の一部を均等な量だけ含み、かつ、歯胚の間葉組織の層の一部を均等な量だけ含むように分割することによって、各歯胚部分がサイズにおいて均等となるように分割することができる。
本発明の一実施態様においては、歯胚を結紮糸で結紮することによって分割することができるが、歯胚の結紮方法はとくに限定されない。例えば、歯胚に結紮糸を掛け、歯胚組織が切れてしまわない程度に結紮することができる。好ましくは、例えば、マウスの歯胚を結紮する場合、結紮後に歯胚を囲む結紮糸の直径が、約20〜50μmとなるように結紮することができる。
本発明において、「結紮糸」とは、歯胚の組織を潰さずに結紮することができるものであれば特に限定されない。例えば、結紮糸として、縫合糸(絹糸・ナイロン)、髪の毛を好適に用いることができる。結紮糸の太さは、歯胚を潰さずに結紮することができる限り限定されないが、例えば20〜80μmの太さのものを好適に用いることができる。
本発明において、歯胚の切断方法は特に限定されず、歯胚を潰さないように切断できる方法であれば、様々な切断方法を用いることができる。例えば、歯胚を注射針、メス、またはハサミを用いて歯胚を切断することができる。
本発明において、分割された歯胚をin vitroで培養する方法は特に限定されず、当業者が公知の培養環境や培地、またはそれに準ずる培養環境や培地を適宜選択することができる。例えば、分割された歯胚をin vitroで培養する方法として、コラーゲンゲルおよび/またはセルカルチャーインサート(Cell Culture Insert)を用いて培養することにより、通常の培養よりも生体に近い環境で歯胚を培養することができる。本明細書において、コラーゲンゲルとは、器官や組織の培養に用いられるコラーゲンゲルであればよく、その組成は特に限定されない。例えば、コラーゲンゲルとして、I型コラーゲンゲル、III型コラーゲンゲル、IV型コラーゲンゲル、マトリゲルを用いることができる。生体内に広く存在するコラーゲンを含んだゲル上で、分割された歯胚を培養することにより、ガラスやプラスチック上で培養するよりも生体内に近い条件で培養を行うことができる。本明細書において、セルカルチャーインサートとは、器官や組織の培養に用いられる透過性のメンブレンであり、セルカルチャーインサート上に細胞や組織をのせて培養することにより、培地に含まれる成分が器官や組織の上面および底面にゆきわたらせることができ、生体内に近い条件で培養を行うことができる。
本発明において、「歯の成長サイズを制御できるデバイス」とは、動物の生体内で歯胚を培養する際に、歯胚が必要以上に伸長しないことを目的として、歯胚を覆うように配置される器具を意味し、本明細書では、このようなデバイスを「スペーサー」と呼ぶこともある。また、前記デバイスは、例えば、腎皮膜下等の生体内で培養する場合においては、皮膜の圧力や生体内の組織から過剰な圧力を歯胚が受けないようにする役割を果たすことができる。前記デバイスの形状は、これらの目的が達成される限りどのような形状であってもよく、例えば、前記デバイスの形状として、上下が開いた円筒状(リング状)のものや、略円筒状のものを好適に用いることができる。
本発明の「歯の成長サイズを制御できるデバイス」は、内部に配置された歯胚が、前記デバイスの外部と連通可能な構成となっている。歯胚は、哺乳動物の生体内の組織から栄養等の供給を受けたり、動物細胞が産生するサイトカインの作用を受けたりするため、これらの物質が前記デバイス内の歯胚に到達するための供給路を確保する必要があるからである。連通可能であるために、前記デバイスの形状として、大小、個数を問わず、物質の供給に足る孔を形成することができる。例えば、筒状のように部分的に大きな孔を有するものであってよく、また、前記デバイス全体について、メッシュのように小さな孔を多数有するものであってもよい。また、前記デバイスの材質が物質の透過可能なものであれば、孔があるものでなくてもよい。
本発明において、分割された歯胚を、ヒトを除く動物の生体内においてin vivoで培養する方法は特に限定されず、例えば、分割された歯胚をそのままヒトを除く動物に移植し、培養してもよく、分割された歯胚をスペーサー内に入れて、スペーサーとともにヒトを除く動物に移植し、培養してもよい。
本発明において、分割された歯胚を、培養のために、ヒトを除く動物に移植する部位は特に限定されないが、例えば、動物の腎皮膜下、皮下、精巣に移植することができる。
本発明において、分割された歯胚を、培養のために、ヒトを除く動物に移植する方法は特に限定されないが、例えば、マウスの腎皮膜下へ移植する場合は、腎臓皮膜に切開を入れ、腎臓皮膜と腎臓実質を剥離し、その間に分割された歯胚(または、スペーサー内に入れた分割された歯胚)を移植することができる。
本発明において、分割された歯胚の、培養のための移植に用いることのできる動物は、ヒトを除く動物である限り特に限定されず、あらゆる動物を移植に用いることができる。例えば、ブタ、ウシ、サル、ヒヒ、イヌ、ネコ、ラット、マウスを移植に用いることができる。
本発明において、分割された歯胚の、培養のための移植に用いることのできる動物は、ヒトを除く免疫不全動物であることがより好ましい。ヒトを除く免疫不全動物を移植に用いることにより、生体の免疫機能による拒絶反応を防ぐことができ、効率よく歯胚を培養することができる。本明細書において、「免疫不全動物」とは、生体の免疫機能の一部または全部を欠損する動物をいい、欠損する免疫機能の種類は特に限定されないが、生体に移植された他種の動物由来の細胞または組織を排除しないように免疫機能を欠損する動物が好ましい。例えば、免疫不全マウスであれば、SCIDマウス、ヌードマウス、NODマウス、NOD−SCIDマウス、IL−2Rgノックアウトマウス、RAG2ノックアウトマウス、NOGマウス、RAG2/IL−2Rgダブルノックアウトマウス用いることができ、好ましくは、SCIDマウスを用いることができる。また、例えば、免疫不全ラットであれば、SCIDラットと用いることができる。また、例えば、免疫不全ブタであれば、IL−2rgノックアウトブタを用いることができる。
本発明において、培養のために動物に移植した歯胚の発育状況を確認する方法は特に限定されず、例えば、移植した歯胚を摘出せずに、マイクロCTを用いて直接解析してもよく、移植した歯胚を摘出して、組織学的に解析してもよい。マイクロCTを用いて移植した歯胚の発育状況を解析する場合には、例えば、歯の周囲および中隔における骨様硬組織や、歯根膜腔が形成されていることを確認することにより、移植した歯胚から歯が発育していることを確認することができる。また、組織学的(例えば、HE染色)に移植した歯胚の発育状況を解析する場合には、例えば、歯槽骨や歯根膜が形成されていることを確認することにより、移植した歯胚から歯が発育していることを確認することができる。
本発明において、本発明の方法で製造された歯を、歯の修復のために移植する方法は特に限定されず、本発明の方法で製造された複数の歯をそのまま移植してもよく、本発明の方法で製造された複数の歯を移植前に1つずつに分け、それぞれを移植に用いてもよい。
本発明において、歯胚を単離した動物個体と、前記歯胚を分割および培養した後に移植する動物個体は異なっていてもよいが、同一の動物個体であることが好ましい。例えば、ある動物個体から単離した歯胚を、分割および培養した後に、同一個体への移植に用いることにより、移植の際に起きうる免疫拒絶の問題を回避することができ、移植した組織の定着率を向上させることができる。
本発明に係る、欠損した歯の修復方法の対象となる動物は特に限定されず、本発明の方法は、あらゆる動物の歯の修復に用いることができるが、好ましくない場合には、ヒトを対象から除くことができる。例えば、本発明の方法は、ヒト、ブタ、ウシ、サル、ヒヒ、イヌ、ネコ、ラット、マウスに用いることができる。
なお、本明細書において用いられる用語は、特定の実施形態を説明するために用いられるのであり、発明を限定する意図ではない。
また、本明細書において用いられる「含む」との用語は、文脈上明らかに異なる理解をすべき場合を除き、記述された事項(部材、ステップ、要素、数字など)が存在することを意図するものであり、それ以外の事項(部材、ステップ、要素、数字など)が存在することを排除しない。
異なる定義が無い限り、ここに用いられるすべての用語(技術用語及び科学用語を含む。)は、本発明が属する技術の当業者によって広く理解されるのと同じ意味を有する。ここに用いられる用語は、異なる定義が明示されていない限り、本明細書及び関連技術分野における意味と整合的な意味を有するものとして解釈されるべきであり、理想化され、又は、過度に形式的な意味において解釈されるべきではない。
第一の、第二のなどの用語が種々の要素を表現するために用いられる場合があるが、これらの要素はそれらの用語によって限定されるべきではないことが理解される。これらの用語は一つの要素を他の要素と区別するためのみに用いられているのであり、例えば、第一の要素を第二の要素と記し、同様に、第二の要素は第一の要素と記すことは、本発明の範囲を逸脱することなく可能である。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、しかしながら、本発明はいろいろな形態により具現化することができ、ここに記載される実施例に限定されるものとして解釈されてはならない。
(1.実験動物)
以下の実施例において使用したすべての動物実験は、東京理科大学動物実験倫理委員会の承認を受けた上で、その規則にしたがって実験を実施した。動物実験に用いたSCIDマウスは日本クレア(東京、日本)より購入し、米国国立衛生研究所の定める動物実験のガイドラインにしたがって飼育した。実験による動物への負担軽減のため、施術は5mg/mlペントバルビタールの腹腔内注射による全身麻酔下で行った。
(2.歯胚分割方法の確立)
結紮または切断による歯胚の分割が可能であるかどうかを検討する為に、1stエナメルノットが形成される胎齢14.5日のマウスの第一臼歯歯胚を正中線を含む面で結紮または切断することで、各歯胚部分に分割し、器官培養を行った。本実施例において、結紮による分割を行った歯胚を結紮歯胚といい、切断による分割を行った歯胚を切断歯胚という。また、器官培養後の歯胚が正常に分割されているかどうかを確認するために、器官培養後の結紮歯胚または切断歯胚についてHE染色による組織解析を行った。
(2−1.歯胚分割方法)
胎齢14.5日のマウス胎仔の下顎から臼歯の歯胚を摘出し、第1臼歯歯胚領域のみを先の25G針で分離した。歯胚の中央部に8−0ナイロン縫合糸(カキヌマメディカル)を掛けて歯胚組織が切れてしまわない程度に結紮した。より具体的には、対象とする歯胚の正中線を含む面上に結紮糸を掛けて、緩く結ぶことにより結紮した歯胚(結紮歯胚)を作製した。結紮後の歯胚における間葉系組織および上皮系組織は、共に変形をしているが、結紮直後は両組織とも切れていない状態を確保した。なお、結紮後に歯胚を囲む結紮糸の直径が、約20〜50マイクロメートルとなるように結紮した。
また、別の分割方法として、対象とする歯胚を、正中線を含む面に平行な、歯胚を三等分する面上に結紮糸を掛けて、緩く結ぶことにより結紮した歯胚(結紮歯胚)を作製した。結紮の方法は、正中線を含む面上に結紮糸を掛ける方法と同様の方法を用いた。
さらに、別の分割方法として、対象とする歯胚の正中線を含む面を、鋭利な25G針を用いて、組織を潰さないように切断することにより切断した歯胚(切断歯胚)を作製した。
(2−2.結紮歯胚の生体外器官培養法)
上記の歯胚分割方法により作製した結紮歯胚または切断歯胚を生体外での器官培養をするために、シリコングリースを塗布したペトリディッシュにCellmatrix type 1−A (Nitta gelatin、Osaka、Japan)を滴下し、結紮歯胚または切断歯胚を1つずつのせてから、37℃にて5分間静置した。5分間の静置によりコラーゲンゲルが固化してから、Cell Culture Insert(BD)を置いた12well Plate(BD)に置く。プレートには10%FBS(JBS)、0.1mg/ml L−Ascolbic Acid(Sigma)、2mM L−Glutamine(GIBCO)添加D−MEM(Sigma)を380μl加え、37℃、5%CO条件下で培養を行った。尚、培地交換は2日毎に行った。
(2−3.HE染色による組織解析)
器官培養後の結紮歯胚または切断歯胚をマイルドホルム(Wako)にて24時間固定した。その後、パラフィン(McCormick scientific)包埋をし、組織学的解析のために、結紮歯胚または切断歯胚から4μm厚の切片を作製した。作製した切片はヘマトキシリン−エオジン染色(HE染色:hematoxylin−eosin stain)を行い、AxioCAM MRc5(Zeiss)を設置したAxio Imager A1(Zeiss)を用いて顕鏡を行った。
(2−4.結果)
器官培養開始から6日目、歯胚を結紮により2つに分割した群では、結紮歯胚の上皮組織と間葉組織は分断され、2つ正常な歯胚の発生が確認された(図1)。また、歯胚を結紮により3つに分割した分においても同様に、3つの正常な歯胚の発生が確認された(図2)。このことから、結紮による歯胚分割は可能であることが示唆された。また、切断歯胚においても、上皮・間葉組織の陥入が認められたことから、切断による歯胚分割も同様に可能であることが示唆された(図3)。
(3.歯胚の異所的発生)
結紮歯胚または切断歯胚をマウス腎皮膜下に移植し、正常な歯胚が形成されるかについて観察を行った。より具体的には、結紮歯胚または切断歯胚をマウス腎皮膜下に移植後、28日目に摘出したものを、マイクロCTによる解析および組織学的解析を行い、結紮歯胚および切断歯胚における歯胚形成の評価を行った。
(3−1.生体外器官培養後の結紮歯胚の腎皮膜下移植)
深麻酔下においてC57BL/6マウスの腎臓に位置する背中の毛を剃毛し、皮膚と腹膜を約1cm切開した。次に、切開した部分より、リングピンセット(Feather)を用いて腎臓を生体外へ引き出した。腎皮膜を、剃刀(Feather)を用いて約2〜3cm切開し、腎臓と腎皮膜間に、上記2−1と同様の方法により作製した結紮歯胚または切断歯胚を押し込んだ。その後、腎臓を生体中に戻し、筋層と皮膚をそれぞれ縫合した。なお、結紮歯胚を移植する際、結紮歯胚の周りに付着するコラーゲンゲルを取り除いた後に、スぺーサー内に入れて、スペーサーとともに結紮歯胚を移植した。28日後に結紮歯胚または切断歯胚が正常に歯へ発生するかを評価した。
(3−2.マイクロCT撮影)
結紮歯胚または切断歯胚を移植したC57BL/6マウスは、移植直後、移植日から14日目、28日目、42日目、50日目において、継時的にマイクロCT撮影(In vivo Micro X−ray CT System; R_mCT、 リガク)を行った。マイクロCT撮影により取得した画像データは、統合画像処理ソフト(i−VIEW−3DX、 モリタ)を用いて、移植後の結紮歯胚または切断歯胚とレシピエントの歯槽骨とにおける結合、および、歯の発生を経時的に評価した。
(3−3.HE染色による組織解析)
移植後28目において、結紮歯胚または切断歯胚由来の歯をレシピエントマウスより摘出した。摘出した結紮歯胚または切断歯胚由来の歯をマイルドホルム(Wako)にて24時間固定した。また、結紮歯胚または切断歯胚由来の歯は、マイルドホルムによる固定後、10%クエン酸ナトリウム−22.5%ギ酸脱灰液にて2日間脱灰操作を行った。その後、パラフィン(McCormick scientific)包埋をし、組織学的解析のために、結紮歯胚または切断歯胚由来の歯より6μm厚の切片を作製した。作製した切片はヘマトキシリン−エオジン染色を行い、AxioCAM MRc5(Zeiss)を設置したAxio Imager A1(Zeiss)を用いて顕鏡を行った。
(3−4.結果)
マイクロCT画像から、結紮歯胚または切断歯胚より得られた2本の歯の周囲および中隔に骨様硬組織が認められ、歯根膜腔も確認できた(図4、図5)。さらに、HE染色後の組織像からも、結紮歯胚または切断歯胚より得られた2つの歯は、それぞれ歯槽骨および歯根膜を有することが確認できた(図4、図5)。これにより、結紮歯胚または切断歯胚より得られた歯に天然歯と同等の組織構造を有することが認められ、分割された歯胚より歯が発生していることが示された。
(4.歯胚分割のための時期および歯胚分割方法の検討)
最適な歯胚の分割時期および分割方法をさらに検討するため、胎齢13日から17日までの各発生段階の歯胚を、結紮または切断し、得られた結紮歯胚および切断歯胚について6日間器官培養を行った。また、器官培養後の結紮歯胚および切断歯胚についてHE染色による組織解析を行った。なお、歯胚分割方法、生体外器官培養法、およびHE染色による組織解析については、上記2−1、2−2、2−3に記載の方法と同様にして行った。
(4−1.結果)
その結果、図6に示すとおり、器官培養6日目において、胎齢13日由来の歯胚を分割した歯胚は結紮歯胚および切断歯胚ともに、発生が進む歯胚と、発生が進まない歯胚が混在していた。胎齢14日、胎齢15日、胎齢16日由来の歯胚を分割した歯胚は、結紮歯胚および切断歯胚ともに上皮組織・間葉組織が完全に分割され、正常に発生が進んだ。しかし、胎齢17日由来の歯胚を分割した歯胚では、結紮歯胚は上皮組織・間葉組織は完全に分断されていたものの、切断歯胚では上皮の落ち込みが認められず、間葉組織が露出された状態のものが見られる場合があった。
マウスにおいて、胎齢14日〜胎齢15日における歯胚は帽状期にあり、また、胎齢16日〜胎齢17日における歯胚は鐘状期にあることが知られている。よって、帽状期および鐘状期前期にある歯胚であれば、結紮により分割された歯胚であっても切断により分割された歯胚であっても、正常に発生することが確認できた。また、鐘状期の後期になると、切断により分割された歯胚は、正常に発生することができなくなる場合があるため、鐘状期後期における歯胚の分割方法は、結紮による方法が好ましいことが確認できた。
(5.口腔内移植モデルにおける歯胚の萌出の解析)
結紮歯胚または切断歯胚を口腔内に移植することにより、正常な構造を有した歯の発生および歯の萌出が可能であるかをCTマイクロ撮影した画像にて解析を行った。
(5−1.分割された歯胚の口腔内移植)
深麻酔下において、4週齢のC57BL/6マウスの下顎第一臼歯歯槽窩の筋肉線維を、25G注射針(Natume)を用いて切断した。その後、下顎第一臼歯歯冠部を外科用ピンセット(Natume)で把持して抜歯した。下顎第一臼歯抜歯後2〜3週間で下顎第一臼歯喪失部位を自然治癒させた。次に、外科用メス(Natume)を用いて下顎第一臼歯喪失部位の口腔粘膜を約1mm程度切開した。口腔粘膜切開後、歯科用マイクロモーター(Viva−Mate Plus)および歯科用リーマー(MANI)を用いて歯槽骨を切削し、直径0.8mm、深さ1.2mmの移植窩を形成させた。
移植する歯胚として、上記2−1と同様の方法により結紮歯胚を作製し、上記2−2と同様の方法により6日間器官培養を行った後の歯胚を用いた。器官培養後の歯胚は、当該歯胚に付着するコラーゲンゲルを取り除いてから移植に用いた。移植する際は、顕微鏡下で歯胚の向きを確認して歯の萌出方向を正常歯と一致させた状態で移植した。移植後は、8−0ナイロン縫合糸(ベアーメディック)で移植部位の歯肉を縫合した。また、移植後、50日間目まで歯胚が正常に発生するかを評価した。
なお、CTマイクロ撮影は、上記3−2と同様の方法により行った。
(5−2.結果)
その結果、図7に示すとおり、口腔内へ移植した結紮歯胚の周囲に骨様組織が認められ、歯根膜腔も認められた。すなわち、1つの歯胚から分割した歯胚の移植によって、複数の歯が発生・萌出できることが示された。
(6.歯胚分割における発生メカニズム解析− in situ hybridization)
上記の結果より、結紮歯胚または切断歯胚をマウス腎皮膜下あるいはマウス口腔内に移植することにより、正常な構造を有した歯への発生が確認された。この結果から、表現型の解析の他に、結紮または切断により分割した歯胚の発生段階における遺伝子発現を天然歯と比較するために、in situ hybridizationによる遺伝子解析を行った。
より具体的には、歯胚の発生段階におけるエナメルノットの形成を確認する為に、マウス胎齢14.5日目の歯胚を結紮することにより得られた結紮歯胚(E14.5結紮歯胚)におけるShh、FGF4の発現解析を行った。なお、ShhおよびFGF4は、ともに歯の発生を制御するシグナルセンターであるエナメルノットに発現する代表的な遺伝子である。Shhは歯胚発生における上皮系細胞および間葉系細胞の相互作用の境界面で上皮細胞側に発現する。またFGF4は1stエナメルノット、2ndエナメルノットに発現する。FGF4の2ndエナメルノット発現部位は、将来の歯の咬頭になる部分である。マウスの胎齢14.5日目における歯胚では、1stエナメルノットが形成されることが知られており、胎齢16日目における歯胚では、2ndエナメルノットが形成されることが知られている。
また、各遺伝子の発現解析は、器官培養1日目〜6日目における歯胚を用いて行った。
(6−1.in situ hybridization)
上記2−1に記載の方法と同様の方法にて、マウス胎齢14.5日目の歯胚より結紮歯胚を作製し、上記2−2に記載の方法により器官培養を行った。器官培養後の結紮歯胚を作製し、上記2−2に記載の方法により器官培養を行った。器官培養の期間は、上述の通り、1日〜6日とし、器官培養1日目、2日目、3日目、4日目、5日目、および6日目の結紮歯胚における遺伝子の発現解析を行った。
器官培養1日目〜6日目の各結紮歯胚は、4%パラホルムアルデヒド溶液にて24時間固定した後、10%ギ酸クエン酸ナトリウム−22.5%ギ酸脱灰液を用いて72時間の脱灰操作を行った。その後、12.5%(w/v)、25%(w/v)のSucrose溶液を用いて12時間ずつ浸漬し、OCT compound(Miles Inc、Naperville、IL)を用いて凍結包埋した。包埋後は10μm厚の切片(クライオスタット、CM3050S;Leica microsystems)を作製し、Dig標識されたShhプローブまたはFGF4プローブで遺伝子発現の解析を行った。
(6−2.結果)
その結果、図8に示すとおり、器官培養1日目〜4日目までに結紮歯胚でFGF4の発現が認められた。また、器官培養6日目までを通して全ての期間、Shhの発現を確認することができた。発現解析結果より、器官培養1日目において、1stエナメルノットの形成を確認することができた。また、器官培養3日目において、2ndエナメルノットの形成を確認することができた。また、器官培養3日目以降において、Shhの領域から結紮歯胚の歯冠幅が確認できた。このように、結紮歯胚を器官培養したものであっても、正常なエナメルノットの形成を確認することができた。
(7.分割された歯胚から発生した歯の生理機能の解析)
口腔内に発生・萌出した、上記の方法によって分割された歯胚由来の歯が組織学的に正常であるだけでなく、天然歯と同等の、歯根膜の機能や中枢との連携機能などの生理機能が備わっているかを解析した。発生した歯に対して実験的な矯正力を付与し、歯根膜を介した生理的な骨リモデリングによる歯の移動がなされるかについて実験を行い、マイクロCT撮影した画像および遺伝子発現解析により評価した。具体的には、分割された歯胚由来の歯に対する矯正後、マイクロCT撮影した画像により、矯正した歯の移動を確認した。また、矯正力を付与した歯の周囲骨で骨リモデリングが生じていることを確認するために、破骨細胞のマーカーであるCsf−1および骨芽細胞のマーカーであるOCNの遺伝子発現解析を行った。
さらに、分割された歯胚由来の歯に形成された歯根膜内および歯髄内に神経が侵入しているかを免疫組織学的解析により確認した。また、末梢から中枢への刺激伝達が可能であるかを、矯正実験または露髄実験を行った際の、延髄におけるc−fosタンパク質の発現検出により解析した。
(7−1.矯正による歯の移動および骨リモデリング)
実験には、上記5−1に記載の方法と同様の方法で歯胚を移植され、当該歯胚由来の2本の歯の萌出が確認されたマウスを用いた。本実施例において、当該2本の歯のうち、近心側のものを「近心歯」、遠心側のものを「遠心歯」と呼ぶ。実験は深麻酔下のマウスにおいて行った。上顎切歯のエナメル表層を一層、歯科用マイクロモーター(Viva−Mate Plus)を用いて切削し、歯科用エッチング材を用いて歯面表層を脱灰させた。0.1mmから5.0mmの範囲では50gの牽引力を発揮するNi−Tiクローズドコイル(TOMY INTERNATIONAL)を、分割された歯胚由来の歯と上顎切歯の間に設置し、コイルの一端を萌出した近心歯の歯頚部に8−0ナイロン縫合糸(ベアーメディック)を用いて結紮し、さらにもう一端を上顎切歯歯頚部と結紮した。上顎切歯歯頚部に結紮したナイロン糸は、装置脱離防止のため、歯科用コンポジットレジン(ジーシー)を硬化させ上顎切歯歯頚部に固定した。6日後にコイルを取り除き、上記の2本の歯の間を隔離させた状態でコンポジットレジンにて固定し、7日後に上記3−2に記載の方法と同様の方法でマイクロCT撮影した画像にて解析を行った。また、上記6−1に記載の方法と同様の方法により、10μm厚の切片を作製し、Dig標識されたCsf−1プローブおよびOCNプローブを用いて遺伝子発現の解析を行った。
(7−2.結果)
その結果、図9に示すとおり、近心(切歯側)に牽引した近心歯(△2)は近心へ移動しており、遠心歯(△1)は遠心へ移動していることが認められた。また、牽引された近心歯の圧迫側(近心側)の骨に破骨細胞のマーカーであるCsf−1の発現が認められ、牽引側(遠心側)の骨に骨芽細胞のマーカーであるOCNの発現が認められた。この発現解析結果より、分割された歯胚由来の歯においても、矯正力の付与により、歯根膜を介した骨リモデリングが生じることが明らかとなった。
(7−3.歯への神経侵入)
上記5−1に記載の方法と同様の方法にて、マウスの口腔内に分割された歯胚を移植し、50日後にマイクロCT撮影にて分割された歯胚由来の歯の萌出を確認した後、上顎骨を摘出した。摘出した上顎骨をマイルドホルムにて24時間固定の後、10%EDTA脱灰液にて14日間脱灰操作を行った。その後、凍結包埋し、50μm厚の切片を作製した。当該切片に対して、神経線維の侵入解析のためには、神経線維を染色する抗NF抗体(CHEMICON、rat anti−Neurofilament H、TA51)を、自律神経の侵入解析のためには、交感神経を染色する抗NPY抗体(abcam、rabbit anti−Neuropeptide Y、poly)を、知覚神経の侵入解析のためには、抗CGRP抗体(AbD serotec、Goat anti−rat Calcitonin gene related peptide、poly)を用いて免疫組織学的解析を行った。
(7−4.結果)
その結果、図10に示すとおり、分割された歯胚由来の歯に形成された歯根膜内および歯髄内に神経侵入がなされていることが確認できた。これにより、分割された歯胚由来の歯は天然歯と同等の組織構造を有することが明らかとなった。
(7−5.三叉神経脊髄路核における痛みの感知)
上記7−3で確認された、分割された歯胚由来の歯の神経において、末梢から中枢への刺激伝達が可能であるかを解析するため、矯正実験および露髄実験の2時間後、灌流固定し、摘出した延髄をマイルドホルムにて2時間固定した。固定後、12.5%(w/v)、25%(w/v)のSucrose溶液を用いて12時間ずつ浸漬し、OCT compound(Miles Inc)を用いて凍結包埋した。包埋後は50μm厚の切片を作製し、c−fos(Santa Cruz Biotechnology,Inc.、c−Fos Antibody(4)、poly)抗体を用いて免疫組織学的解析を行った。
矯正実験は上記7−1に記載の方法と同様の方法にて行い、露髄実験のため、歯科用マイクロモーターを用いて分割された歯胚由来の歯の歯冠を切削し、歯髄を露出させて行った。
灌流固定は、まず、深麻酔下において、胸骨の下部まで開腹し内蔵が観察できるようにし、胸部は皮膚のみを筋膜が露呈するようにした。次に、胸骨の先端の剣状突起をピンセットでもちながら左右肋骨を肩の方向に切開し、そのまま胸骨を頭部方向に反転した。横隔膜を切開し、肋骨を切除して心臓を露呈させ、注射針を心尖部から左心室に向かってゆっくりと刺した後、注射針を固定した。膨れた右心房(右心耳)を素早く大きく切開し、脱血が完了するまでPBS(−)を流し、脱血が完了したら、PBS(−)からパラホルムアルデヒド溶液に切り替えて20分程度灌流固定を行った。
(7−6.結果)
その結果、図11に示すとおり、矯正刺激または露髄刺激を加えなかったコントロールと比較して、分割された歯胚由来の歯は、天然歯と同様に、矯正実験および露髄実験による刺激により、延髄においてドット状にc−fosタンパク質の発現が検出された。このことから、分割された歯胚由来の歯でも、天然歯と同様に末梢から中枢への刺激伝達が可能であることが示された。

Claims (10)

  1. 上皮組織の層および間葉組織の層を含む1つの単離された歯胚から複数の歯を製造する方法であって、
    (a)上皮組織の層および間葉組織の層を含む1つの単離された歯胚を、完全に又は部分的に分割する工程、
    ここで、
    前記分割が、分割された各歯胚部分がそれぞれ、前記上皮組織の層の一部、および、前記間葉組織の層の一部を含むように分割するものであることを特徴とする、および、
    (b)前記分割された歯胚を、in vitroで培養、または、ヒトを除く動物の生体内においてin vivoで培養することにより、複数の歯を形成させる工程、
    を含むことを特徴とする、
    方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、
    前記工程(a)が、前記「上皮組織の層および間葉組織の層を含む1つの単離された歯胚」を結紮糸で結紮することにより、前記「上皮組織の層および間葉組織の層を含む1つの単離された歯胚」を部分的に分割する工程であることを特徴とする、
    方法。
  3. 請求項2に記載の方法であって、
    前記「上皮組織の層および間葉組織の層を含む1つの単離された歯胚」が、帽状期から鐘状期後期までの発生段階にあることを特徴とする、
    方法。
  4. 請求項1に記載の方法であって、
    前記工程(a)が、前記「上皮組織の層および間葉組織の層を含む1つの単離された歯胚」を切断することにより、前記「上皮組織の層および間葉組織の層を含む1つの単離された歯胚」を完全に分割する工程であることを特徴とする、
    方法。
  5. 請求項4に記載の方法であって、
    前記「上皮組織の層および間葉組織の層を含む1つの単離された歯胚」が、帽状期から鐘状期前期までの発生段階にあることを特徴とする、
    方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法であって、
    前記工程(a)において、前記分割が、分割された各歯胚部分がサイズにおいて均等となるように分割するものであることを特徴とする、
    方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法であって、
    前記「上皮組織の層および間葉組織の層を含む1つの単離された歯胚」が、動物の生体から採取された歯胚であることを特徴とする、
    方法。
  8. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法であって、
    前記工程(b)が、前記分割された各歯胚を、歯の成長サイズを制御できるデバイス内に配置し、in vitroで培養、または、ヒトを除く動物の生体内においてin vivoで培養することにより、複数の歯を形成させる工程であり、
    ここで、
    前記デバイスは、前記歯胚が最大許容値以上に伸長することを防止可能な構成であり、且つ、内部に配置された歯胚が前記デバイス外部と連通可能な構成である、
    方法。
  9. 請求項8に記載の方法であって、
    前記工程(b)が、前記分割された各歯胚を前記デバイス内に配置し、ヒトを除く動物の生体内においてin vivoで培養することにより、複数の歯を形成させる工程であり、
    前記デバイスが、さらに、前記動物の生体内の組織から前記歯胚に過剰な圧力がかかることを防止可能な構成であることを特徴とする、
    方法。
  10. ヒトを除く動物の欠損した歯の修復方法であって、
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法により製造された歯を、前記欠損した部位に移植する工程を含む、方法。
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