JP6341877B2 - 蒸発濃縮装置 - Google Patents

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Description

本発明は、蒸発濃縮装置に関する。さらに詳しくは、原液中の水分を蒸発させて濃縮液を得る蒸発濃縮装置に関する。
ニッケル・コバルト湿式製錬の電解工程では、電解採取により、例えば塩化コバルト水溶液に含まれるコバルトを電気コバルトとして回収する。電解採取は、電解槽に電解始液として塩化コバルト水溶液を供給し、電解槽に挿入されたアノードとカソードとの間に電流を流すことにより行われる。電解槽から排出された電解廃液はコバルト濃度が低下した塩化コバルト水溶液である。この電解廃液は蒸発濃縮装置により所定のコバルト濃度まで濃縮された後、再び電解始液として電解槽に供給される。このプロセスはニッケルの電解採取においても同様である。
蒸発濃縮装置では、原液として電解廃液を蒸発器に供給し、低圧下で加熱することで水分を蒸発させ、所定の濃度まで濃縮した濃縮液を排出する。蒸発器内では塩化コバルト水溶液の水分が蒸発するとともに、原液に含まれる塩素の一部も気化される。塩素を含有する水蒸気は金属腐食性を有するため、蒸発器から排出された水蒸気が通るステンレス製の部材が腐食されるという問題がある。
特許文献1には、蒸発器において水蒸気とともに生成された酸性ガスを蒸気ダクト内においてアルカリ液散布装置から散布されるアルカリ液と接触させることにより中和し、除去することが開示されている。これにより、蒸気ダクトの腐食を防止している。また、アルカリ液散布装置から散布されるアルカリ液の流量は、凝縮水のpH値が水汚濁防止法に規定されている排水規制値の範囲内となるように、揮発性酸液を含む水溶液の酸濃度に基づいて計算により求められることが開示されている。
特開2007−098320号公報
pH計は大気圧下で用いないと正確にpHを測定できない。また、pH計は測定対象液の液位が安定していないと測定値にバラつきが生じる。ところが、蒸発器内は低圧に維持されている。また、凝縮水は間欠的に排出されるため液位が安定しない。そのため、正確にpHを測定できず、中和剤の流量を適切に調整できないという問題がある。
本発明は上記事情に鑑み、凝縮水のpHに基づき中和剤の流量を適切に調整できる蒸発濃縮装置を提供することを目的とする。
第1発明の蒸発濃縮装置は、原液が供給される蒸発器と、前記蒸発器に設けられ、前記原液を加熱する間接式加熱器と、前記蒸発器内において発生した水蒸気を前記間接式加熱器の入口ヘッダに導く水蒸気ダクトと、前記水蒸気ダクト内を流れる前記水蒸気に中和剤を散布する中和剤散布装置と、前記間接式加熱器の出口ヘッダから排出された凝縮水を一時貯留する凝縮水タンクと、前記凝縮水タンクから排出された前記凝縮水を大気圧下で貯留するモニタタンクと、前記モニタタンクに設けられ、前記凝縮水のpHを測定するpH計と、を備え、前記中和剤散布装置から散布される前記中和剤の流量は、前記pH計の測定値に基づき調整されることを特徴とする。
第2発明の蒸発濃縮装置は、第1発明において、前記モニタタンクの液位を測定する液位計と、前記モニタタンクから前記凝縮水を排出する排出配管と、前記排出配管に設けられた制御弁と、前記液位計の測定値が目標値を維持するように前記制御弁を制御する制御器と、を備えることを特徴とする。
第3発明の蒸発濃縮装置は、第1または第2発明において、前記モニタタンクから排出された前記凝縮水を前記出口ヘッダに導く排出配管を備えることを特徴とする。
第1発明によれば、凝縮水を大気圧下で貯留するモニタタンクにpH計が設けられているので、凝縮水のpHを正確に測定できる。そのため、凝縮水のpHに基づき中和剤の流量を適切に調整できる。
第2発明によれば、モニタタンクの液位が安定するので、凝縮水のpHをバラつきなく測定できる。
第3発明によれば、凝縮水が凝縮水タンクとモニタタンクとの間を循環するので、凝縮水のpHを均一にでき、凝縮水のpHを正確に測定できる。
一実施形態に係る蒸発濃縮装置の説明図である。 遊離有効塩素の化学平衡とpHとの関係を示すグラフである。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る蒸発濃縮装置1は蒸発器10を備えている。蒸発器10は気密性を有する容器であり、図示しない真空ポンプによりその内部は低圧(例えば、15〜20kPa)に維持されている。また、蒸発器10には間接式加熱器20が設けられており、その内部の温度は例えば58〜63℃に維持されている。蒸発器10内に供給された原液を低圧下で加熱することにより、原液中の水分を蒸発させて濃縮液を得る。
蒸発濃縮装置1により電解廃液を濃縮する場合、原液は電解廃液である。例えば、塩化浴のコバルト電解採取工程から排出された電解廃液は塩化コバルト水溶液である。塩化浴のニッケル電解採取工程から排出された電解廃液は塩化ニッケル水溶液である。塩化コバルト水溶液や塩化ニッケル水溶液を濃縮する場合、金属濃度40〜70g/Lの原液(電解廃液)を濃縮して、金属濃度50〜80g/Lの濃縮液(電解始液)を得る。
蒸発器10の上部には原液散布ノズル11が設けられている。蒸発器10の底部と原液散布ノズル11とは、ポンプ12を有する原液循環配管13で接続されている。原液循環配管13の途中には原液供給配管14が接続されている。
原液供給配管14から供給された新規の原液は原液散布ノズル11により間接式加熱器20に向かって散布される。原液が間接式加熱器20により加熱されることで、原液中の水分が蒸発する。蒸発器10内を流下した原液は蒸発器10の底部に貯留される。蒸発器10の底部に貯留された原液は、ポンプ12の駆動により原液循環配管13を流れ、再び原液散布ノズル11に導かれる。このように原液は蒸発器10内を循環し、その過程で水分が蒸発して濃縮液となる。
原液循環配管13は途中で濃縮液排出配管15に分岐している。濃縮液排出配管15にはポンプ16が設けられている。蒸発器10において所定の濃度まで濃縮された濃縮液は、ポンプ16の駆動により濃縮液排出配管15から排出される。
間接式加熱器20は、蒸発器10の内部に設けられた複数の加熱管21と、加熱管21の入口端に接続された入口ヘッダ22と、加熱管21の出口端に接続された出口ヘッダ23とからなる。入口ヘッダ22に供給された熱媒体は加熱管21を通った後、出口ヘッダ23から排出される。
蒸発器10の上部には水蒸気ダクト24の一端が接続されている。この水蒸気ダクト24の他端は間接式加熱器20の入口ヘッダ22に接続されている。また、水蒸気ダクト24の途中にはヒートポンプ25が設けられている。蒸発器10内において原液中の水分が蒸発して発生した水蒸気は水蒸気ダクト24を介して入口ヘッダ22に導かれる。その途中で水蒸気はヒートポンプ25により圧縮され温度が上昇する(例えば5℃上昇する)。このように、蒸発器10内において発生した水蒸気は間接式加熱器20の熱媒体として利用される。
また、入口ヘッダ22には水蒸気供給配管26が接続されている。水蒸気供給配管26からは新規の水蒸気が供給される。この水蒸気も間接式加熱器20の熱媒体として利用される。
なお、ヒートポンプ25に代えて蒸気エジェクタを用いてもよい。この場合、水蒸気供給配管26から供給される高圧の水蒸気により、蒸発器10内において発生した水蒸気を吸引し、蒸気エジェクタから吐出される水蒸気を入口ヘッダ22に供給するよう構成すればよい。
出口ヘッダ23には水蒸気排出配管27および凝縮水排出配管28が接続されている。入口ヘッダ22に供給された水蒸気は加熱管21を介して出口ヘッダ23に導かれる。その後、水蒸気は水蒸気排出配管27に設けられたポンプ29により吸引され、系外に排出される。また、水蒸気は加熱管21において原液と熱交換することにより一部が凝縮水となる。その凝縮水は出口ヘッダ23に導かれた後、凝縮水排出配管28から排出される。
ところで、塩化コバルト水溶液や塩化ニッケル水溶液など塩素を含有する水溶液を原液として用いる場合、蒸発器10内では原液中の水分が蒸発するとともに、原液に含まれる塩素も気化される。そのため、蒸発器10から排出される水蒸気には塩素が含まれる。
塩素を含有する水蒸気は金属腐食性を有する。この水蒸気から生じた凝縮水には塩素が次亜塩素酸の形態で含まれているため、凝縮水も金属腐食性を有する。ヒートポンプ25や加熱管21などのステンレス製の部材は塩素を含有する水蒸気や凝縮水により腐食される。特に、加熱管21に孔食が生じると、蒸発器10内の気圧が上昇して、蒸発器10の効率が低下してしまう。
また、ステンレス製の部材が腐食されると凝縮水に鉄が溶出する。さらに、加熱管21に孔食が生じると、鉄を含有する凝縮水が加熱管21に形成された孔を介して蒸発器10の内部に浸入する。そうすると、濃縮液に鉄が混入してしまう。
塩化コバルト水溶液を用いた電解採取においては、電解槽から排出された電解廃液を蒸発濃縮装置1により濃縮した後、再び電解始液として電解槽に供給することが行われる。上記のごとく濃縮液(電解始液)に鉄が混入すると、不純物である鉄が製品(電気コバルト)に電着するため、製品の品位が低下してしまう。
そこで、水蒸気ダクト24には中和剤散布装置30が設けられている。中和剤散布装置30は例えば水蒸気ダクト24の内部に設けられた噴霧器である。中和剤散布装置30により、水蒸気ダクト24内を流れる水蒸気に中和剤を散布することで、水蒸気を中和する。これによりヒートポンプ25や加熱管21などのステンレス製の部材の腐食を防止できる。これにより、蒸発濃縮装置1の寿命を長くすることができる。ヒートポンプ25や加熱管21の素材として耐腐食性を有するチタンなどの高価な素材を採用する必要がなく、ステンレスなどの安価な素材を採用することができるので、設備コストを削減できる。
なお、中和剤散布装置30の取り付け場所は水蒸気ダクト24であれば特に限定されないが、ヒートポンプ25の吸気口付近が好ましい。このような位置に中和剤散布装置30を取り付ければ、稼働中のヒートポンプ25に直接中和剤を散布でき、ヒートポンプ25の腐食を十分に防止できるからである。
また、中和剤は水蒸気ダクト24を流れる水蒸気の流れに沿って散布することが好ましい。中和剤を水蒸気の流れに逆らって散布すると、中和剤が蒸発器10まで逆流して原液に混入する恐れがあるからである。
中和剤散布装置30には中和剤を供給する中和剤供給部40が接続されている。中和剤供給部40は、中和剤を貯留する中和剤タンク41と、中和剤タンク41に接続された中和剤供給配管42と、中和剤供給配管42に設けられた中和剤ポンプ43とからなる。中和剤供給配管42は後述の凝縮水循環配管51を介して中和剤散布装置30に接続されている。中和剤ポンプ43の駆動により中和剤が中和剤散布装置30に供給され、中和剤が水蒸気ダクト24内を流れる水蒸気に散布される。また、中和剤ポンプ43の吐出量を調整することで、水蒸気に散布される中和剤の流量を調整できる。
中和剤としては特に限定されないが、塩素を中和する場合にはアルカリ液、特に水酸化ナトリウム水溶液が好適に用いられる。塩素を含有する水蒸気に散布される水酸化ナトリウム水溶液の濃度は0.2〜1.0%が好ましい。濃度が1.0%より高い場合、水蒸気中の塩素と水酸化ナトリウムとが反応して塩化ナトリウムや次亜塩素ナトリウムが生成される。これらが装置の内壁に付着すると孔食発生の起点となる。また、これらがヒートポンプ25のファンに付着すると、動バランスが崩れてしまう。濃度が0.2%未満の場合、中和剤としての効果が不十分となる。
中和剤タンク41に貯留された中和剤の濃度が前記濃度よりも高い場合には、中和剤を希釈してから中和剤散布装置30に供給すればよい。本実施形態では、間接式加熱器20から排出された凝縮水で中和剤を希釈する構成としている。
間接式加熱器20の出口ヘッダ23は凝縮水排出配管28により凝縮水タンク50に接続されている。したがって、出口ヘッダ23から排出された凝縮水は凝縮水タンク50に一時貯留される。凝縮水タンク50は気密性を有する容器である。また、出口ヘッダ23内の水蒸気はポンプ29により吸引されているため、出口ヘッダ23内および凝縮水タンク50は負圧となっている。
凝縮水タンク50には凝縮水循環配管51の一端が接続されている。凝縮水循環配管51の他端は中和剤散布装置30に接続されている。凝縮水循環配管51には凝縮水ポンプ52が設けられている。凝縮水ポンプ52の駆動により、凝縮水タンク50に貯留された凝縮水が中和剤散布装置30に導かれる。その途中で中和剤タンク41から供給された中和剤と凝縮水とが混合され、希釈された中和剤が中和剤散布装置30に供給される。また、凝縮水ポンプ52の吐出量を調整することで、中和剤に対する凝縮水の混合比率を調整できる。
凝縮水タンク50から排出された凝縮水のうち余剰分は凝縮水排出配管54を介して系外に排出される。
中和剤散布装置30から散布する中和剤の流量は凝縮水のpHに基づき調整される。塩素を中和する場合には、凝縮水がpH10以上となるように中和剤の流量を調整することが好ましい。図2に示すように、塩素を含む水溶液はpHに依存してCl2、HClO、ClO-の各形態が所定の比率で存在する。pH5から7の領域では次亜塩素酸態濃度が高い。pH7以上では有効塩素存在率が低下し、特にpH10以上の領域では次亜塩素酸がなくなるため、金属腐食性が著しく低下する。そのため、凝縮水がpH10以上であれば、ヒートポンプ25や加熱管21などのステンレス製の部材の腐食を十分に防止できる。
本実施形態は凝縮水のpHを測定するためにモニタタンク60を設けたところに特徴を有する。
前記凝縮水循環配管51には凝縮水ポンプ52の下流に採取配管61の一端が接続されている。採取配管61の他端はモニタタンク60に接続されている。凝縮水タンク50から排出された凝縮水の一部が採取配管61を介してモニタタンク60に供給される。モニタタンク60は上部が開放されたタンクである。そのため、モニタタンク60では凝縮水が大気圧下で貯留される。
モニタタンク60には凝縮水のpHを測定するpH計62が設けられている。このpH計62の測定値に基づき中和剤の流量を調整できる。
モニタタンク60には排出配管63の一端が接続されている。排出配管63の他端は間接式加熱器20の出口ヘッダ23に接続されている。モニタタンク60に貯留された凝縮水は排出配管63を介して排出される。排出された凝縮水は排出配管63により出口ヘッダ23に導かれ、再び凝縮水タンク50に排出される。
排出配管63には制御弁64が設けられている。制御弁64には制御弁64の開閉を制御する制御部65が接続されている。制御部65はCPUやメモリなどで構成されたコンピュータで構成されてもよいし、単純な電子回路で構成されてもよい。前述のごとく、出口ヘッダ23内は負圧となっている。そのため、制御弁64を開にすると、モニタタンク60内の凝縮水はその負圧により出口ヘッダ23に吸引される。
モニタタンク60には凝縮水の液位を測定する液位計66が設けられている。液位計66の測定値は制御部65に入力されている。制御部65は液位計66の測定値が目標値を維持するように制御弁64の開閉を制御する。
制御部65は例えば以下のように制御弁64を制御する。液位計66の測定値が上限値に達すると制御部65は制御弁64を開とする。そうすると、モニタタンク60から凝縮水が排出され、液位が下がる。液位計66の測定値が下限値に達すると、制御部65は制御弁64を閉とする。そうすると、採取配管61から供給される凝縮水によりモニタタンク60の液位が上がる。このようにして、モニタタンク60の液位が一定に維持される。なお、上記例のように液位の目標値を上限値と下限値とからなる幅で設定してもよいし、ただ1つの値として定めてもよい。
pH計62はその構造上負圧下では正確にpHを測定できない。これに対して、本実施形態では凝縮水を大気圧下で貯留するモニタタンク60にpH計62が設けられているので、凝縮水のpHを正確に測定できる。
また、pH計62は測定対象液の液位が安定しないと測定値にバラつきが生じる。出口ヘッダ23からは凝縮水が間欠的に排出されるため、この凝縮水のpHをそのまま測定しようとすると測定値にバラつきが生じる。これに対して、本実施形態では出口ヘッダ23から排出された凝縮水を一度凝縮水タンク50に貯留した後、モニタタンク60に供給している。凝縮水タンク50とモニタタンク60の二段構成とすることで、モニタタンク60には凝縮水が連続的に静かに供給される。また、モニタタンク60の液位は、制御弁64、制御部65および液位計66が協働することで一定に維持される。そのため、モニタタンク60の液位が安定するので、凝縮水のpHをバラつきなく測定できる。
さらに、モニタタンク60から排出された凝縮水は出口ヘッダ23に戻される。これにより、凝縮水が凝縮水タンク50とモニタタンク60との間を循環するので、凝縮水の局所的な濃淡が少なくなり凝縮水のpHを均一にできる。その結果、凝縮水のpHを正確に測定できる。
以上のように、凝縮水のpHを正確に測定できるため、凝縮水のpHに基づき中和剤の流量を適切に調整できる。また、凝縮水のpHに基づき中和剤の流量を調整することで、原液の溶存塩素負荷が変動する場合にも、その変動に追従して中和剤の流量を適切に増減できる。
中和剤の流量調整は、pH計62の測定値を監視し、測定値の上下動に合わせて中和剤ポンプ43の吐出量を増減させることにより行われる。塩素を中和する場合、pH計62の測定値がpH10以上となるように中和剤の流量を調整すれば、ヒートポンプ25や加熱管21などのステンレス製の部材の腐食を十分に防止できる。
中和剤の流量調整は作業員が手動で行ってもよい。この場合、作業員がpH計62の測定値を監視し、その測定値に基づいて中和剤ポンプ43の吐出量を調整する。これに代えて、制御装置により自動で中和剤の流量調整を行ってもよい。この場合、制御装置はpH計62の測定値に基づいて中和剤ポンプ43の吐出量を制御するよう構成される。このような構成とすれば人員コストを削減できる。
また、中和剤の濃度を調整することもできる。例えば、凝縮水ポンプ52の吐出量を一定として凝縮水の流量を一定とする。一方で中和剤ポンプ43の吐出量を調整することで中和剤の流量を調整する。これにより中和剤と凝縮水との混合比率を調整することで中和剤の濃度を調整できる。中和剤ポンプ43の吐出量を一定として凝縮水ポンプ52の吐出量を調整してもよいし、中和剤ポンプ43と凝縮水ポンプ52の両方の吐出量を調整してもよい。中和剤として水酸化ナトリウム水溶液を用いる場合、希釈した後の水酸化ナトリウム水溶液の濃度が0.2〜1.0%となるように、中和剤と凝縮水との混合比率を調整すればよい。
つぎに、実施例を説明する。
(実施例)
上記実施形態の蒸発濃縮装置1を用いて、電解廃液(塩化コバルト水溶液)の濃縮を行った。中和剤としては水酸化ナトリウム水溶液を用いた。pH計62の測定値に基づき、凝縮液のpHが10となるように中和剤の流量を調整した。
実施例における運転状況は表1に示す通りである。
凝縮水のpHが10以上であることから、凝縮水の金属腐食性は低くなっていることが分かる。6ヶ月ごとに装置の点検を行ったが、孔食の発生は確認されなかった。
(比較例)
上記実施形態の蒸発濃縮装置1において、中和剤の散布を行わずに運転を行った。比較例における運転状況は表2に示す通りである。
凝縮水のpHが上記の領域では、凝縮水中の塩素は遊離塩素を含む次亜塩素酸であり金属腐食性を有する。そのため、装置を長期間運転した場合にはステンレス製の部材は凝縮水により腐食される。発生した孔食を溶接して補修する作業が2ヶ月ごとに必要であった。
1 蒸発濃縮装置
10 蒸発器
20 間接式加熱器
21 加熱管
22 入口ヘッダ
23 出口ヘッダ
24 水蒸気ダクト
25 ヒートポンプ
30 中和剤散布装置
40 中和剤供給部
50 凝縮水タンク
60 モニタタンク
61 採取配管
62 pH計
63 排出配管
64 制御弁
65 制御部
66 液位計

Claims (3)

  1. 原液が供給される蒸発器と、
    前記蒸発器に設けられ、前記原液を加熱する間接式加熱器と、
    前記蒸発器内において発生した水蒸気を前記間接式加熱器の入口ヘッダに導く水蒸気ダクトと、
    前記水蒸気ダクト内を流れる前記水蒸気に中和剤を散布する中和剤散布装置と、
    前記間接式加熱器の出口ヘッダから排出された凝縮水を一時貯留する凝縮水タンクと、
    前記凝縮水タンクから排出された前記凝縮水を大気圧下で貯留するモニタタンクと、
    前記モニタタンクに設けられ、前記凝縮水のpHを測定するpH計と、を備え
    前記中和剤散布装置から散布される前記中和剤の流量は、前記pH計の測定値に基づき調整される
    ことを特徴とする蒸発濃縮装置。
  2. 前記モニタタンクの液位を測定する液位計と、
    前記モニタタンクから前記凝縮水を排出する排出配管と、
    前記排出配管に設けられた制御弁と、
    前記液位計の測定値が目標値を維持するように前記制御弁を制御する制御器と、を備える
    ことを特徴とする請求項1記載の蒸発濃縮装置。
  3. 前記モニタタンクから排出された前記凝縮水を前記出口ヘッダに導く排出配管を備える
    ことを特徴とする請求項1または2記載の蒸発濃縮装置。
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