JP6341854B2 - 遊技機 - Google Patents

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本発明は、遊技媒体を用いた遊技を行うぱちんこ遊技機(一般に「パチンコ機」とも称する。)や回胴式遊技機(一般に「パチスロ機」とも称する。)等の遊技機に関するものである。
従来、始動口に遊技球が入球したことに基づいて当りとするか否かの抽選を行い、抽選結果が当りとなった場合には、通常の遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機が知られている。この種の遊技機として、特別遊技状態の際、遊技球が特定領域を通過した場合には、所定の遊技利益を付与可能な遊技機が知られていた(例えば、
特許文献1)。
特開2013-103091号公報
上記遊技機は、特定領域に対する遊技球の入球の難易を抽選結果に基づいて変えるようにして、所定の遊技利益に対する期待が増減するように構成されているものの、なんらかの異常や不正が生じ遊技利益の付与態様が想定と異なるものになると、遊技者や遊技場運営事業者に不利益および不信感を与えてしまう虞があった。本発明は、係る課題を解決するために、遊技球が特定領域を通過した場合に所定の遊技利益を付与可能な遊技機において、遊技者や遊技場運営事業者に不利益や不信感を与えることを抑制する遊技機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、
遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて抽選を行ない、該抽選の結果が所定の結果である場合に、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御し、前記特別遊技状態にて遊技媒体が特定領域を通過した場合に、所定の遊技利益を付与し得る遊技機であって、
前記特定領域を遊技媒体が通過する可能性の異なる複数態様で前記特別遊技状態を制御し得る特別遊技状態制御手段と、
前記特別遊技状態にて所定条件が成立した場合に、所定の演出制御を行う周辺制御手段と、
を備え、
前記特別遊技状態制御手段は、前記特定領域を遊技媒体が通過する可能性の低い通過困難態様で前記特別遊技状態を制御する場合と、前記特定領域を遊技媒体が通過する可能性の高い通過容易態様で前記特別遊技状態を制御する場合とを有するものであって、
前記始動領域のうちの第1の始動領域を遊技媒体が通過したことに基づく抽選が行われた場合には、前記始動領域のうちの第2の始動領域を遊技媒体が通過したことに基づく抽選が行われた場合よりも、前記特別遊技状態制御手段によって前記通過困難態様で前記特別遊技状態が制御され得る可能性が高く、且つ、前記通過容易態様で前記特別遊技状態が制御され得る可能性が低いものであり、
前記特定領域を遊技媒体が通過し得る特定期間は、前記特別遊技状態に制御される期間の開始時および終了時を除く所定の中途期間が設定されており、
前記周辺制御手段は、
前記通過困難態様で制御された前記特別遊技状態の前記中途期間にて前記特定領域を遊技媒体が通過した場合に、前記通過容易態様で制御された前記特別遊技状態の前記中途期間にて前記特定領域を遊技媒体が通過したときには行われることのない第1態様で前記特定領域の通過を知らせる第1異常報知制御を、報知開始の条件が成立することに基づいて開始するものであり、
前記通過容易態様で制御された前記特別遊技状態の前記中途期間にて前記特定領域を遊技媒体が通過しなかった場合に、前記通過容易態様で制御された前記特別遊技状態の前記中途期間にて前記特定領域を遊技媒体が通過したときには行われることのない第2態様で前記特定領域の非通過を知らせる第2異常報知制御を、報知開始の条件が成立することに基づいて開始するものであり、
前記第1異常報知制御または前記第2異常報知制御を行っている間に前記第1の始動領域を遊技媒体が通過したことに基づく抽選、又は、前記第2の始動領域を遊技媒体が通過したことに基づく抽選が行われた場合だけでなく、前記第1異常報知制御または前記第2異常報知制御を行っている間に前記通過困難態様または前記通過容易態様で前記特別遊技状態に新たに制御された場合であっても、実行中の前記第1異常報知制御または前記第2異常報知制御を引き続き行うことが可能であり、該新たに制御された前記特別遊技状態の前記中途期間における前記特定領域に対する遊技媒体の通過有無に関する結果が得られて該結果に基づく新たな異常を特定したとしても、実行中の前記第1異常報知制御または前記第2異常報知制御をクリアすることなく残存させ、
さらに、前記第1の始動領域を遊技媒体が通過したことに基づく抽選、および、前記第2の始動領域を遊技媒体が通過したことに基づく抽選が行われていない待機遊技状態が開始されても、実行中の前記第1異常報知制御または前記第2異常報知制御をクリアすることなく残存させる
ことを特徴とする。
また、遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて抽選を行ない、該抽選の結果が所定の結果である場合に、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御し、前記特別遊技状態にて遊技媒体が特定領域を通過した場合に、所定の遊技利益を付与し得る遊技機であって、
前記特定領域を遊技媒体が通過する可能性の異なる複数態様で前記特別遊技状態を制御し得る特別遊技状態制御手段と、
前記特別遊技状態にて所定条件が成立した場合に、所定の演出制御を行う周辺制御手段と、
を備え、
前記特別遊技状態制御手段は、前記特定領域を遊技媒体が通過する可能性の低い通過困難態様で前記特別遊技状態を制御する場合と、前記特定領域を遊技媒体が通過する可能性の高い通過容易態様で前記特別遊技状態を制御する場合とを有するものであって、
前記始動領域のうちの第1の始動領域を遊技媒体が通過したことに基づく抽選が行われた場合には、前記始動領域のうちの第2の始動領域を遊技媒体が通過したことに基づく抽選が行われた場合よりも、前記特別遊技状態制御手段によって前記通過困難態様で前記特別遊技状態が制御され得る可能性が高く、且つ、前記通過容易態様で前記特別遊技状態が制御され得る可能性が低いものであり、
前記特定領域を遊技媒体が通過し得る特定期間は、前記特別遊技状態に制御される期間の開始時および終了時を除く所定の中途期間が設定されており、
前記周辺制御手段は、
前記通過困難態様で制御された前記特別遊技状態の前記中途期間にて前記特定領域を遊技媒体が通過した場合に、前記通過容易態様で制御された前記特別遊技状態の前記中途期間にて前記特定領域を遊技媒体が通過したときには行われることのない所定態様で前記特定領域の通過を知らせる異常報知制御を、報知開始の条件が成立することに基づいて開始するものであり、
前記異常報知制御を行っている間に前記第1の始動領域を遊技媒体が通過したことに基づく抽選、又は、前記第2の始動領域を遊技媒体が通過したことに基づく抽選が行われた場合だけでなく、前記異常報知制御を行っている間に前記通過困難態様または前記通過容易態様で前記特別遊技状態に新たに制御された場合であっても、実行中の前記異常報知制御を引き続き行うことが可能であり、該新たに制御された前記特別遊技状態が前記通過困難態様であり、且つ、当該新たに制御された特別遊技状態の前記中途期間にて前記特定領域を遊技媒体が通過したとしても、実行中の前記異常報知制御をクリアすることなく残存させ、
さらに、前記第1の始動領域を遊技媒体が通過したことに基づく抽選、および、前記第2の始動領域を遊技媒体が通過したことに基づく抽選が行われていない待機遊技状態が開始されても、実行中の前記異常報知制御をクリアすることなく残存させる
ことを特徴とする。
本発明によれば、不利益や不信感を与えることを抑制する遊技機を提供することができる。
本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の右側面図である。 パチンコ機の平面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機を前から見た斜視図である。 パチンコ機を後ろから見た斜視図である。 本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見たパチンコ機の斜視図である。 パチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図である。 パチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。 パチンコ機における扉枠の正面図である。 扉枠の背面図である。 扉枠を右前から見た斜視図である。 扉枠を左前から見た斜視図である。 扉枠を後ろから見た斜視図である。 扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 扉枠の皿ユニットを前から見た斜視図である。 皿ユニットを後ろから見た斜視図である。 皿ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 皿ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 皿ユニットの演出操作ユニットを前から見た斜視図である。 演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。 演出操作ユニットを主な部材毎に分解して上から見た斜視図である。 演出操作ユニットを主な部材毎に分解して下から見た分解斜視図である。 演出操作ユニットの取付ベースユニットを分解して上から見た分解斜視図である。 取付ベースユニットを分解して下から見た分解斜視図である。 演出操作ユニットのタッチユニットを分解して上から見た分解斜視図である。 タッチユニットを分解して下から見た分解斜視図である。 演出操作ユニットのボタンユニットを分解して上から見た分解斜視図である。 ボタンユニットを分解して下から見た分解斜視図である。 皿ユニットの平面図である。 図31におけるA−A断面において演出操作ユニットの部位を拡大して示す断面図である。 図31におけるB−B断面において演出操作ユニットの部位を拡大して示す断面図である。 (a)は皿ユニットの扉右下演出ユニットの正面図であり、(b)は扉右下演出ユニットの右側面図である。 扉右下演出ユニットを前から見た斜視図である。 扉右下演出ユニットを後ろから見た斜視図である。 図34(b)の扉右下演出ユニットにおけるC−C断面図である。 扉右下演出ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 扉右下演出ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 扉右下演出ユニットの回転体内部ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 回転体内部ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は扉右下演出ユニットの扉右下回転体が前を向いた状態の正面図であり、(b)は扉右下回転体が後ろを向いた状態の正面図である。 (a)は皿ユニットの上皿球抜きユニットを皿ユニットベースに取付けた状態で前から見た斜視図であり、(b)は上皿球抜きユニットを皿ユニットベースに取付けた状態で後ろから見た斜視図である。 上皿球抜きユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 上皿球抜きユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は皿ユニットの下皿球抜きユニットを前から見た斜視図であり、(b)は下皿球抜きユニットを後ろから見た斜視図である。 遊技盤の正面図である。 遊技盤を後方から俯瞰した斜視図である。 パチンコ機におけるセンター役物等の正面図である。 センター役物等を右前から見た斜視図である。 センター役物等の背面図である。 センター役物から表面プレートを分解した分解斜視図である。 表面プレートを取り外したセンター役物の正面図である。 センター役物からアタッカユニットを分解した分解斜視図である。 表面プレートおよびアタッカユニットを取り外したセンター役物の正面図である。 表面プレートを取り外したセンター役物の斜視図である アタッカユニットを取り外したセンター役物の背面図である。 アタッカユニットを取り外したセンター役物の斜視図である。 アタッカユニットを取り外したセンター役物からハズレ球誘導路カバーを分解した分解斜視図である。 アタッカユニットを取り外したセンター役物からハズレ球誘導路カバーを取り外した背面図である。 (a)は、アタッカユニットの正面図、(b)は、その背面図、(c)は、その斜視図である。 アタッカユニットの分解斜視図である。 (a)は、アタッカユニットベースの正面図、(b)は、その背面図、(c)は、その右前から見た斜視図、(d)は、その右後から見た斜視図である。 (a)は、誘導路振分ユニットの正面図、(b)は、その背面図、(c)は、その斜視図である。 (a)は、右アタッカ開放ユニットの正面図、(b)は、その背面図、(c)は、その斜視図、(d)は、右アタッカ開放ユニットの要部を右前から見た分解斜視図、(e)は、右アタッカ開放ユニットの要部を右後から見た分解斜視図である。 誘導路振分ユニットの正面図、(b)は、(a)のA−A線断面図である。 誘導路振分ユニットの側面図、(b)は、(a)のB−B線断面図である。遊技盤を後方から俯瞰した斜視図である。 主制御基板、払出制御基板及び周辺制御基板のブロック図である。 図68のつづきを示すブロック図である。 主基板を構成する払出制御基板とCRユニット及び度数表示板との電気的な接続を中継する遊技球等貸出装置接続端子板に入出力される各種検出信号の概略図である。 図68のつづきを示すブロック図である。 周辺制御MPUの概略を示すブロック図である。 液晶及び音制御部における音源内蔵VDP周辺のブロック図である。 パチンコ遊技機の電源システムを示すブロック図である。 図74のつづきを示すブロック図である。 主制御基板の回路を示す回路図である。 停電監視回路を示す回路図である。 主制御基板と周辺制御基板との基板間の通信用インターフェース回路を示す回路図である。 払出制御部の回路等を示す回路図である。 払出制御入力回路を示す回路図である。 図80の続きを示す回路図である。 払出モータ駆動回路を示す回路図である。 CRユニット入出力回路を示す回路図である。 主制御基板との各種入出力信号、及び外部端子板への各種出力信号を示す入出力図である。 主制御基板から払出制御基板へ送信される各種コマンドの一例を示すテーブルである。 主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドの一例を示すテーブルである。 図86の主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドのつづきを示すテーブルである。 主制御基板が受信する払出制御基板からの各種コマンドの一例を示すテーブルである。 主制御基板におけるメイン処理の一例を示すフローチャートである。 電源断発生時処理の一例を示すフローチャートである。 タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。 特別制御処理の一例を示すフローチャートである。 始動口入賞処理を示すフローチャートである。 変動開始処理を示すフローチャートである。 変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。 変動中処理の一例を示すフローチャートである。 大当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。 小当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。 大当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。 小当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄用乱数記憶手段におけるテーブル構成を示す説明図である。 大当りの種別毎にそれぞれの特性を示す表である。 通常外部不利遊技状態にて選択されうる変動パターンテーブルの一例を示す図である。 サブメイン処理の一例を示すフローチャートである。 16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。 コマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御処理の一例を示すフローチャートである。 装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)の一例を示すフローチャートである。 第1演出モードでの停止図柄の決定処理(ステップS1225a)の一例を示すフローチャートである。 第2演出モードでの停止図柄の決定処理(ステップS1225b)の一例を示すフローチャートである。 (a)は、大当り時の延長演出パターンを説明する図であり、(b)は、小当り時の延長演出パターンを説明する図であり、(c)は、大当り時のチャレンジボーナス演出パターンを説明するための図であり、(d)は、小当り時のチャレンジボーナス演出パターンを説明するための図である。 主制御MPU4100a側から演出コマンド「01H」〜「04H」のいずれかを受信したときに液晶表示装置1400にて現れる表示演出の一例を示すタイムチャートである。 主制御MPU4100a側から演出コマンド「09H」〜「11H」のいずれかを受信したときに液晶表示装置1400にて現れる表示演出の一例を示すタイムチャートである。 (a)は、第1の演出モードにあるときの大当り期待度などを各演出内容シリーズの別にそれぞれ示す表であり、(b)は、第2の演出モードにあるときのチャレンジボーナス突入期待度などを各演出内容シリーズの別にそれぞれ示す表である。 第1の演出モードにあるときの演出コマンド「01H」に対応付けされる表示演出パターンについての別例を示すタイムチャートである。 第1の演出モードにあるときの演出コマンド「02H」に対応付けされる表示演出パターンについての別例を示すタイムチャートである。 導光板を備える遊技盤を前方から俯瞰した斜視図である。 この遊技盤の正面図ある。 左右一対の導光板が液晶表示パネルの左右の両側で互いに最も離間した状態の斜視図である。 左右一対の導光板が液晶表示パネルの中央に向かって移動し始めた状態の斜視図である。 左右一対の導光板が液晶表示パネルの中央に向かってさらに移動する状態の斜視図である。 左右一対の導光板が液晶表示パネルの中央に向かってさらに移動して互いに最も接近した状態の斜視図である。 ガイド装置の垂直部の内面を表す斜視図と、その一部拡大図である。 ガイド装置の垂直部と第1の光源装置との組み立て斜視図である。 ガイド装置の水平部の斜視図である。 液晶表示領域側から見た、導光板の駆動装置及び左導光板の組立分解斜視図である。 左右の導光板と駆動装置ガイド装置とを背面から見た斜視図である。 左右の導光板と駆動装置ガイド装置とを背面から見た斜視図(液晶表示装置の図示を省略)である。 導光板の演出パターンの制御のためのタイミングチャートである。 導光板を液晶表示領域の前面で前後に移動させるためのガイド装置に、導光板が前後方向に移動可能に装着されている状態を示す斜視図である。 導光板を液晶表示領域の前面で前後に移動させるためのガイド装置に、導光板が前後方向に移動可能に装着されている状態を示す他の斜視図である。 導光板を液晶表示領域の前面で前後に移動させるためのガイド装置に、導光板が前後方向に移動可能に装着されている状態を示すさらに他の斜視図である。 導光板を液晶表示領域の前面で前後に移動させるためのガイド装置に、導光板が前後方向に移動可能に装着されている状態を示すさらに他の斜視図である。 導光板を備える遊技盤の斜視図である。 導光板と液晶と光源装置との配置を示す正面図である。 移動光源装置と直動機構とを導光板側からみた斜視図である。 移動光源装置と直動機構とを導光板外からみた斜視図である。 導光板と光源装置と直動機構との組立分解斜視図である。 第1の図柄を表出する導光板の正面図である。 第2の図柄を表出する導光板の正面図である。 第2の図柄を部分的に表出する導光板の正面図である。 第1の図柄を部分的に表出する導光板の正面図である。 第2の図柄を部分的に連続に表出する導光板の正面図である。 第1の図柄を部分的に連続に表出する導光板の正面図である。 第1の図柄と第2の図柄との融合図柄を表出する導光板の正面図である。 第1の図柄と第2の図柄との融合図柄を表出する導光板の他の正面図である。 導光板を用いた演出の流れを説明するシーケンス図である。 表示された図柄による大当りの種類を示す表である。 大入賞口の開放態様を示す表である。 図149の補足を示す表である。 大当り遊技状態の手順を示すフローチャートである。 時短有図柄2〜6のいずれかが表示された場合における第11ラウンド近傍のタイムチャートである。 時短有図柄1が表示された場合における第11ラウンド近傍のタイムチャートである。 パラメータの管理テーブルの一例である。 パラメータの設定処理のフローチャートである。 遊技履歴情報報知形態設定処理のフローチャートである。 遊技履歴情報報知実行処理のフローチャートである。 図柄表示装置の画面に色背景に重ねて異常識別記号が表示されている形態の一例である。 駆動可能な回転役物を利用した履歴情報の報知の一例である。 履歴情報一覧の形態の一例である。 履歴情報一覧の形態の他の例である。 履歴情報一覧の形態のさらに他の例である。 履歴情報一覧の報知処理のフローチャートである。
本発明の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して詳細に説明する。まず、図1乃至図9を参照して本実施形態のパチンコ機1の全体構成について説明する。図1は本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。図2はパチンコ機の右側面図であり、図3はパチンコ機の平面図であり、図4はパチンコ機の背面図である。図5はパチンコ機を前から見た斜視図であり、図6はパチンコ機を後ろから見た斜視図である。図7は本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見たパチンコ機の斜視図である。図8はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図であり、図9はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される枠状の外枠2と、外枠2の前面を開閉可能に閉鎖する扉枠3と、扉枠3を開閉可能に支持していると共に外枠2に開閉可能に取付けられている本体枠4と、本体枠4に前側から着脱可能に取付けられると共に扉枠3を通して遊技者側から視認可能とされ遊技者によって遊技球が打込まれる遊技領域5aを有した遊技盤5と、を備えている。
パチンコ機1の外枠2は、図8及び図9等に示すように、上下に離間しており左右に延びている上枠部材10及び下枠部材20と、上枠部材10及び下枠部材20の両端同士を連結しており上下に延びている左枠部材30及び右枠部材40と、を備えている。上枠部材10、下枠部材20、左枠部材30、及び右枠部材40は、前後の幅が同じ幅に形成されている。また、上枠部材10及び下枠部材20の左右の長さに対して、左枠部材30及び右枠部材40の上下の長さが、長く形成されている。
また、外枠2は、左枠部材30及び右枠部材40の下端同士を連結し下枠部材20の前側に取付けられる幕板部材50と、上枠部材10の正面視左端部側に取付けられている外枠側上ヒンジ部材60と、幕板部材50の正面視左端側上部と左枠部材30とに取付けられている外枠側下ヒンジ部材70と、を備えている。外枠2の外枠側上ヒンジ部材60と外枠側下ヒンジ部材70とによって、本体枠4及び扉枠3が開閉可能に取付けられている。
パチンコ機1の扉枠3は、正面視の外形が四角形で前後に貫通している貫通口111を有した枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられ遊技球を貯留可能な上皿201及び下皿202を有した皿ユニット200と、扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられるトップユニット350と、扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられる左サイドユニット400と、扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられる右サイドユニット450と、扉枠ベースユニット100の前面右下部に皿ユニット200を貫通して取付けられ上皿201に貯留された遊技球を遊技盤5の遊技領域内へ打込むために遊技者が操作可能なハンドルユニット500と、扉枠ベースユニット100の後面下部に取付けられ遊技領域内へ打ち損じた遊技球を受けて皿ユニット200の下皿202へ排出するファールカバーユニット520と、扉枠ベースユニット100の後面下部に取付けられ上皿201の遊技球を球発射装置680へ送るための球送りユニット540と、扉枠ベースユニット100の後面に取付けられ貫通口111を閉鎖するガラスユニット560と、ガラスユニット560の後面下部を覆う防犯カバー580と、を備えている。
パチンコ機1の本体枠4は、一部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベース600と、本体枠ベース600の正面視左側の上下両端に取付けられ外枠2の外枠側上ヒンジ部材60及び外枠側下ヒンジ部材70に夫々回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150が夫々回転可能に取付けられる本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640と、本体枠ベース600の正面視左側面に取付けられる補強フレーム660と、本体枠ベース600の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球を打込むための球発射装置680と、本体枠ベースの正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット700と、本体枠ベース600の正面視上辺及び左辺に沿って後側に取付けられており遊技者側へ遊技球を払出す逆L字状の払出ユニット800と、本体枠ベース600の後面下部に取付けられている基板ユニット900と、本体枠ベース600の後側に開閉可能に取付けられ本体枠ベース600に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー980と、を備えている。
本体枠4の払出ユニット800は、本体枠ベース600の後側に取付けられる逆L字状の払出ユニットベース801と、払出ユニットベース801の上部に取付けられており上方へ開放された左右に延びた箱状で図示しない島設備から供給される遊技球を貯留する球タンク802と、球タンク802の下側で払出ユニットベース801に取付けられており球タンク802内の遊技球を正面視左方向へ誘導する左右に延びたタンクレール803と、払出ユニットベース801における正面視左側上部の後面に取付けられタンクレール803からの遊技球を蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット820と、球誘導ユニット820の下側で払出ユニットベース801から着脱可能に取付けられており球誘導ユニット820により誘導された遊技球を払出制御基板ボックス950に収容された払出制御基板からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置830と、払出ユニットベース801の後面に取付けられ払出装置830によって払出された遊技球を下方へ誘導すると共に皿ユニット200における上皿201での遊技球の貯留状態に応じて遊技球を通常放出口又は満タン放出口の何れかから放出させる上部満タン球経路ユニット850と、払出ユニットベース801の下端に取付けられ上部満タン球経路ユニット850の通常放出口から放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の貫通球通路526へ誘導する通常誘導路及び満タン放出口から放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の満タン球受口530へ誘導する満タン誘導路を有した下部満タン球経路ユニット860と、を備えている。
本体枠4の基板ユニット900は、本体枠ベース600の後側に取付けられる基板ユニットベース910と、基板ユニットベース910の正面視左側で本体枠ベース600の後側に取付けられ内部に低音スピーカを有したスピーカユニット920と、基板ユニットベース910の後側で正面視右側に取付けられ内部に電源基板が収容されている電源基板ボックス930と、スピーカユニット920の後側に取付けられており内部にインターフェース制御基板が収容されているインターフェース制御基板ボックス940と、電源基板ボックス930及びインターフェース制御基板ボックス940に跨って取付けられており内部に遊技球の払出しを制御する払出制御基板が収容された払出制御基板ボックス950と、を備えている。
パチンコ機1の遊技盤5は、図8及び図9等に示すように、遊技球が打込まれる遊技領域5aの外周を区画し球発射装置680から発射された遊技球を遊技領域5aの上部に案内する案内レール1001を有した前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられると共に遊技領域5aの後端を区画する平板状の遊技パネル1100と、遊技パネル1100の後側の下部に取付けられており上方に開放された箱状の基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後側に取付けられておりパチンコ機1の遊技を制御するための主制御基板を内部に収容した主制御基板ボックス1300と、遊技パネル1100の前側で遊技領域5a内に取付けられ遊技領域5a内に打込まれた遊技球を受入可能な複数の入賞口を有した表ユニット(図示は省略)と、基板ボックス1200の上側で遊技パネル1100の後側に取付けられ遊技パネル1100を通して遊技者側から視認可能な液晶表示装置を有した裏ユニット(図示は省略)と、を備えている。
本実施形態のパチンコ機1は、上皿201に遊技球を貯留した状態で、遊技者がハンドルレバー504を回転操作すると、球発射装置680によってハンドルレバー504の回転角度に応じた強さで遊技球が遊技盤5の遊技領域5a内へ打込まれる。そして、遊技領域5a内に打込まれた遊技球が、図示しない入賞口に受入れられると、受入れられた入賞口に応じて、所定数の遊技球が払出装置830によって上皿201に払出される。この遊技球の払出しによって遊技者の興趣を高めることができるため、上皿201内の遊技球を遊技領域5a内へ打込ませることができ、遊技者に遊技を楽しませることができる。
パチンコ機1の扉枠3について、図10乃至図16を参照して説明する。図10はパチンコ機における扉枠の正面図であり、図11は扉枠の背面図である。図12は扉枠を右前から見た斜視図であり、図13は扉枠を左前から見た斜視図であり、図14は扉枠を後ろから見た斜視図である。図15は扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図16は扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠3は、正面視の外形が四角形で枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられる皿ユニット200と、扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられるトップユニット350と、扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられる左サイドユニット400と、扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられる右サイドユニット450と、扉枠ベースユニット100の前面右下部に皿ユニット200を貫通して取付けられるハンドルユニット500と、を備えている。
また、扉枠3は、扉枠ベースユニット100の後面下部に取付けられるファールカバーユニット520と、扉枠ベースユニット100の後面下部に取付けられる球送りユニット540と、扉枠ベースユニット100の後面に取付けられ貫通口111を閉鎖するガラスユニット560と、ガラスユニット560の後面下部を覆う防犯カバー580と、を備えている。
扉枠3の扉枠ベースユニット100は、図15及び図16に等に示すように、外形が縦長の長方形で前後に貫通している貫通口111を有した板状の扉枠ベース110と、扉枠ベース110の前面で正面視右下隅に取付けられておりハンドルユニット500を取付けるための筒状のハンドル取付部材120と、扉枠ベース110の後側に取付けられている枠状の補強ユニット130と、補強ユニット130の正面視左端側の上下両端に取付けられており前方へ突出して本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640に回転可能に取付けられる扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150と、扉枠ベース110の後側に回動可能に取付けられておりガラスユニット560を着脱可能に取付けるためのガラスユニット取付部材160と、を備えている。
扉枠3の皿ユニット200は、詳細は後述するが、上下に列設されており前方へ膨出しており遊技球を貯留可能な上皿201及び下皿202と、上皿201及び下皿202が取付けられていると共に扉枠ベースユニット100の前面に取付けられる板状の皿ユニットベース210と、上皿201の前側で皿ユニットベース210に取付けられ画像を表示可能な上皿液晶表示装置244、遊技者が操作可能なタッチパネル246及び上皿演出ボタン257を有している演出操作ユニット220と、上皿201及び下皿202を前側から覆う皿ユニットカバー260と、正面視上皿201の右側に配置されており遊技状態に応じて回転する扉右下回転体270Aを有している扉右下演出ユニット270と、扉右下演出ユニット270を前側から覆う透明な演出ユニットカバー300と、上皿201に貯留されている遊技球を下皿202へ抜くための上皿球抜きユニット310と、下皿202に貯留されている遊技球を下方へ抜くための下皿球抜きユニット320と、遊技ホールの島設備においてパチンコ機1と隣接して配置される球貸機(図示は省略する。CRユニットとも称す)を操作するための球貸操作ユニット330と、皿ユニットベース210の上部に取付けられており発光装飾可能な上皿トップ装飾部材340と、を主に備えている。
扉枠3のトップユニット350は、図15及び図16等に示すように、扉枠ベースユニット100の前面において上辺に沿って取付けられる一部が透光性を有したユニットベース360と、ユニットベース360の前面で左右の中央に取付けられており前方へ膨出している透光性を有したトップ装飾部材370と、トップ装飾部材370内に取付けられており高音域のサウンドを出力するトップスピーカ(図示は省略)と、ユニットベース360の後側に取付けられており前面に複数のLEDが取付けられている扉枠上装飾基板380と、を備えている。
扉枠3の左サイドユニット400は、図15及び図16等に示すように、扉枠ベースユニット100の前面で貫通口111の左側外周縁に沿って取付けられる平板状のユニットベース410と、ユニットベース410の前面に取付けられており上端がトップユニット350のトップ装飾部材370の左端まで延びている透光性を有した左サイド装飾部材420と、左サイド装飾部材420の前側で正面視扉枠3の左上隅となる位置に取付けられており左スピーカ(図示は省略)を有した左スピーカユニット430と、ユニットベース410の後側に取付けられており前面に複数のLEDが取付けられた扉枠左装飾基板440と、を備えている。
扉枠3の右サイドユニット450は、図15及び図16等に示すように、扉枠ベースユニット100の前面で貫通口111の右側外周縁に沿って取付けられる平板状のユニットベース460と、ユニットベース460の前側に取付けられており上端がトップユニット350のトップ装飾部材370の右端まで延びている透光性を有した右サイド装飾部材470と、右サイド装飾部材470の前面で正面視扉枠3の右上隅となる位置に取付けられており右スピーカ(図示は省略)を有した右スピーカユニット480と、ユニットベース460と右サイド装飾部材470との間に取付けられており前面に複数のLEDが取付けられた扉枠右装飾基板(図示は省略)と、を備えている。
扉枠3のハンドルユニット500は、図15及び図16等に示すように、扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材120に取付けられるハンドル本体502と、ハンドル本体502に回動可能に取付けられており遊技者が回動操作可能なハンドルレバー504と、ハンドルレバー504の前側からハンドル本体502に取付けられておりハンドル本体502と協働してハンドルレバー504を回動可能に支持しているハンドルカバー506と、を備えている。また、ハンドルユニット500は、図示は省略するが、ハンドル本体502内に取付けられておりハンドルレバー504の回転角度を検知するハンドル操作センサと、ハンドル本体502に取付けられており遊技者が操作可能なストップボタンと、ハンドル本体502内に取付けられており遊技者とハンドルレバー504との接触を検知する接触検知センサと、を備えている。
扉枠3のファールカバーユニット520は、図15及び図16等に示すように、扉枠ベースユニット100の後側に取付けられ前側が開放された浅い箱状のユニット本体522と、ユニット本体522の前面に取付けられている平板状の蓋部材524と、を主に備えている。ファールカバーユニット520は、正面視左上隅において前後に貫通しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路と皿ユニット200の上皿球供給口210aとを連通させる貫通球通路526と、貫通球通路526の正面視右側で後方へ向かって開口しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路と連通可能な満タン球受口528と、満タン球受口528の正面視右側で上方へ向かって開口しており本体枠4の球発射装置680により発射されにも関わらず遊技領域5a内へ到達しなかった遊技球(ファール球)を受けるファール球受口530と、正面視右下隅で前方へ向かって開口しており満タン球受口528及びファール球受口530に受入れられた遊技球を放出すると共に皿ユニット200の下皿球供給口210cと連通する球放出口532と、を備えている。
扉枠3の球送りユニット540は、図15及び図16等に示すように、左右に延びており後側が開放された箱状のユニット本体542と、ユニット本体542の後側に取付けられており前側が開放された箱状でファールカバーユニット520の正面視右側で扉枠ベースユニット100の後側に着脱可能に取付けられるユニットカバー544と、前方へ向かって開口しており皿ユニット200の上皿201に貯留されている遊技球が進入する球進入口546と、球進入口546に進入した遊技球を放出可能とされており後方へ向かって開口している球放出口548と、球進入口546に進入した遊技球を排出可能とされており球進入口546の下側で前方へ向かって開口している球排出口550と、を備えている。また、球送りユニット540は、図示は省略するが、球進入口546から進入した遊技球を一つずつ球放出口548から放出させるための球送りソレノイドと、球進入口546から進入した遊技球を球放出口548側又は球排出口550側の何れかに切換える切換機構と、を備えている。
扉枠3のガラスユニット560は、図15及び図16等に示すように、扉枠ベースユニット100の貫通口111よりも大きい枠状のユニット枠562と、ユニット枠562の前後両側に取付けられておりユニット枠562の枠内を閉鎖する一対のガラス板564と、を備えている。
扉枠3の皿ユニット200について、図17乃至図33を参照して詳細に説明する。図17は扉枠の皿ユニットを前から見た斜視図であり、図18は皿ユニットを後ろから見た斜視図である。図19は皿ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図20は皿ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図21は皿ユニットの演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、図22は演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。図23は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して上から見た斜視図であり、図24は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して下から見た分解斜視図である。図25は演出操作ユニットの取付ベースユニットを分解して上から見た分解斜視図であり、図26は取付ベースユニットを分解して下から見た分解斜視図である。
また、図27は演出操作ユニットのタッチユニットを分解して上から見た分解斜視図であり、図28はタッチユニットを分解して下から見た分解斜視図である。図29は演出操作ユニットのボタンユニットを分解して上から見た分解斜視図であり、図30はボタンユニットを分解して下から見た分解斜視図である。図31は皿ユニットの平面図であり、図32は図31におけるA−A断面において演出操作ユニットの部位を拡大して示す断面図であり、図33は図31におけるB−B断面において演出操作ユニットの部位を拡大して示す断面図である。
更に、図34(a)は皿ユニットの扉右下演出ユニットの正面図であり、(b)は扉右下演出ユニットの右側面図であり、図35は扉右下演出ユニットを前から見た斜視図であり、図36は扉右下演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図37は、図34(b)の扉右下演出ユニットにおけるC−C断面図である。図38は扉右下演出ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図39は扉右下演出ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図40は扉右下演出ユニットの回転体内部ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図41は回転体内部ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図42(a)は扉右下演出ユニットの扉右下回転体が前を向いた状態の正面図であり、(b)は扉右下回転体が後ろを向いた状態の正面図である。
また、図43(a)は皿ユニットの上皿球抜きユニットを皿ユニットベースに取付けた状態で前から見た斜視図であり、(b)は上皿球抜きユニットを皿ユニットベースに取付けた状態で後ろから見た斜視図である。図44は上皿球抜きユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図45は上皿球抜きユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。また、図46(a)は皿ユニットの下皿球抜きユニットを前から見た斜視図であり、(b)下皿球抜きユニットを分解して前から見た分解斜視図である。
皿ユニット200は、扉枠ベースユニット100から前方へ膨出している。この皿ユニット200は、払出装置830から払出され遊技領域5a内に打込むための遊技球を貯留する上皿201と、上皿201の下側に配置されており上皿201から供給される遊技球を貯留可能な下皿202と、を備えている。また、皿ユニット200は、扉枠ベースユニット100に取付けられる平板状の皿ユニットベース210と、皿ユニットベース210の前面上部に取付けられると共に左右中央より左側が前方へ大きく膨出しており上皿201を形成している上皿本体212と、皿ユニットベース210の前面下部で左右中央に取付けられると共に前方へ大きく膨出しており下皿202を形成している下皿本体214と、を備えている。
また、皿ユニット200は、上皿本体212の前側及び皿ユニットベース210の前面に取付けられる演出操作ユニット220と、上皿本体212、下皿本体214、及び演出操作ユニットの前側及び下側を覆い皿ユニットベース210の前面に取付けられる皿ユニットカバー260と、演出操作ユニット220の右側に配置されており皿ユニットベース210の前面右部に取付けられる扉右下演出ユニット270と、扉右下演出ユニット270の前側を覆い皿ユニットベース210の前面に取付けられる演出ユニットカバー300と、皿ユニットベース210を前後から挟むように取付けられており上皿本体212の上皿201内に貯留されている遊技球を下皿202へ抜き取るための上皿球抜きユニット310と、下皿本体214の下側に取付けられており下皿202に貯留されている遊技球を下方へ排出するための下皿球抜きユニット320と、を備えている。
更に、皿ユニット200は、演出操作ユニット220の上面に取付けられており遊技ホールの島設備においてパチンコ機1と隣接して配置される球貸機を操作するための球貸操作ユニット330と、皿ユニットベース210の上部に取付けられており発光装飾可能な上皿トップ装飾部材340と、皿ユニットカバー260の後側で皿ユニットベース210の前面左側に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLEDを備えている皿ユニット左装飾基板345と、演出ユニットカバー300の後側且つ扉右下演出ユニット270の下側で皿ユニットベース210の前面右側に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLEDを備えている皿ユニット右装飾基板346と、皿ユニットベース210の後側に取付けられており後述する上皿前装飾基板233、上皿後装飾基板235、上皿液晶基板241、加振装置242、タッチパネル246、演出ボタン装飾基板251、演出ボタン押圧センサ258、扉右下中継基板281、皿ユニット左装飾基板345、及び皿ユニット右装飾基板346と遊技盤5の図示しない周辺制御基板との接続を中継する皿ユニット中継基板347と、を備えている。
皿ユニット200の皿ユニットベース210は、図19及び図20に示すように、扉枠ベースユニット100の全幅に亘って左右に長く延びている。皿ユニットベース210は、正面視左上隅付近で前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている上皿球供給口210aと、上皿球供給口210aの下側で前後に貫通していると共に上下に延びている複数の長穴からなるスピーカスリット210bと、正面視左右中央の下部において前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている下皿球供給口210cと、下皿球供給口210cの正面視右上側で前後に貫通していると共に上下に延びており上部が上皿本体212の右端に位置する上皿球送り口210dと、を備えている。
また、皿ユニットベース210は、上皿球送り口210dの正面視左側で前後に貫通している内周が四角形の透口210eと、透口210eの下辺から前方へ板状に突出している受片210fと、上皿球送り口210dの正面視右上側で前後に貫通している逃し口210gと、正面視右下隅で前後に貫通しており扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材120が挿通されるハンドル挿通口210hと、正面視右隅付近で前後に貫通しており施錠ユニット700の鍵シリンダ710が挿通されるシリンダ挿通口210iと、筒状の下皿球供給口210cの正面視右側の側面において後端から前方へ向かって切欠かれている切欠部210jと、を備えている。
皿ユニット200の上皿本体212は、図19及び図20に示すように、正面視左右の中央より左側の方が大きく前方へ膨出しており、上方及び後方へ開放された容器状に形成されている。上皿本体212は、正面視右端側に左方及び後方へのみ開放されており遊技球が流通可能な誘導通路部212aを備えている。この上皿本体212では、底面が全体的に右端を低くするように傾斜している。詳述すると、上皿本体212を皿ユニットベース210に取付けた状態で、上皿本体212の底面が、上皿球供給口210aの下側の位置から上皿球送り口210dの上端から遊技球の外径よりも若干下側の位置へ向かって低くなるように傾斜している。これにより、上皿球供給口210aから前方へ放出された遊技球を、上皿本体212内に受けて貯留することができると共に、受けた遊技球を誘導通路部212aの右端側から上皿球送り口210dへ供給することができる。
また、上皿本体212は、底面の後端側で左右の中央から右端付近まで延びている金属製のアース金具212bを備えている。このアース金具212bは、図示は省略するが、電気的に接地(アース)されており、遊技球が接触することで、遊技球に帯電した静電気を除去することができる。
皿ユニット200の下皿本体214は、図19及び図20に示すように、前端辺に対して後端辺が長い平面視台形で、上方及び後方が開放された容器状に形成されている。下皿本体214は、底面に上下に貫通しており下皿球抜きユニット320によって閉鎖可能とされている球抜き孔214aを備えており、球抜き孔214aへ向かって低くなるように底面が傾斜している。この下皿本体214は、皿ユニットベース210の下皿球供給口210cから前方へ放出された遊技球を受けて貯留することができると共に、球抜き孔214aから遊技球を皿ユニット200の下方へ排出することができる。
皿ユニット200の演出操作ユニット220は、図21乃至図24に示すように、正面視左右の中央で皿ユニットベース210及び上皿本体212に取付けられる取付ベースユニット220Aと、取付ベースユニット220Aに取付けられるタッチユニット220Bと、タッチユニット220Bの正面視左側で取付ベースユニット220Aに取付けられるボタンユニット220Cと、タッチユニット220Bと取付ベースユニット220Aとの間に介装される円筒状の複数のダンパ222と、タッチユニット220B及びボタンユニット220Cの外周を上側から覆うように取付ベースユニット220Aに取付けられるユニットカバー224と、取付ベースユニット220Aの正面視右端に取付けられる装飾部材226と、を備えている。
演出操作ユニット220のダンパ222は、円筒状に形成されており、外周面における軸方向の中央に溝222aが全周に亘って形成されている。本実施形態におけるダンパ222は、合成ゴムによって形成されている。複数のダンパ222によって、タッチユニット220Bが叩かれた時の衝撃を緩和させて取付ベースユニット220や皿ユニットベース210側へ作用する負荷(衝撃)を低減させることができると共に、タッチユニット220Bの後述する加振装置242による振動が、取付ベースユニット220や皿ユニットベース210側へ伝達されるのを低減させることができる。
演出操作ユニット220の取付ベースユニット220Aは、図23乃至図26に示すように、皿ユニットベース210の前面に取付けられ上方が開放された浅い箱状の取付ベース230と、取付ベース230の上側に取付けられると共に後端が上皿本体212の前端に取付けられ上側からタッチユニット200Bを収容可能な上方が開放された浅い箱状の
ユニットケース231と、ユニットケース231の前端に取付けられる横長の上皿前レンズ部材232と、上皿前レンズ部材232とユニットケース231との間に配置され前面に複数のLEDを備えた上皿前装飾基板233と、上皿前レンズ部材232の前側を覆いユニットカバー224に取付けられる透光性を有した上皿前装飾部材234と、を備えている。
また、取付ベースユニット220Aは、ユニットケース231の後端に取付けられており上方へ向かって光を照射可能な複数のLEDを備えた上皿後装飾基板235と、上皿後装飾基板235の上側に配置されユニットカバー224に取付けられる透光性を有した上皿後装飾部材236と、上皿後装飾部材236の前側においてユニットカバー224とユニットケース231とによって挟持され上皿後装飾基板235からの光を導いて上端が線状に発光可能な線状発光レンズ部材237と、上皿後装飾部材236の正面視右側でユニットカバー224に取付けられる筒状のボタン取付部材238と、ボタン取付部材238によって上下にスライド可能に取付けられる上皿球抜きボタン239と、を備えている。
取付ベース230は、前後の略中央から前側に、前方へ向かうに従って低くなるように傾斜している平板状の取付側受部230aと、取付側受部230aを貫通しており左右に離間した二つの貫通口230bと、貫通口230bの周縁から下方へ延出している筒状の筒状受部230cと、を備えている。貫通口230bは、内周が四角形に形成されている。筒状受部230cは、下方へ向かうに従って窄まるように角錐筒状に形成されている(図33を参照)。詳述すると、筒状受部230cは、前側の内周壁が取付側受部230aの面に対して略垂直に延びており、後側の内周壁が取付側受部230aの面に対して下方へ向かうに従って前方へ向かうように傾斜して延びている。また、筒状受部230cは、左右両側の内周壁が取付側受部230aの面の垂直に対して下端(先端)同士が僅かに接近するように傾斜して延びている。
ユニットケース231は、上方へ開放されておりタッチユニット220Bを収容可能な収容凹部231aと、収容凹部231aの底面の正面視左右両端付近から夫々前後に離間して一対ずつ上方へ円柱状に突出している横支持ピン231bと、収容凹部231aの底面の前端付近から左右に離間して上方へ円柱状に突出している一対の前支持ピン231cと、収容凹部231aにおいて底面の前後端側の左右中央から上方へ突出している中央支持突起231dと、収容凹部231aの底面の下側から下方へ向かうに従って窄まるように角錐状に突出しており左右に離間した二つの受突部231eと、を備えている。
また、ユニットケース231は、収容凹部231aよりも正面視左側で上下に円形に貫通しておりボタンユニット220Cの下部が挿通される挿通孔231fと、上面における挿通孔231fの周りに配置されておりボタンユニット220Cを取付けるためのボタンユニット取付部231gと、収容凹部231aの後側の外周壁において左右に延びていると共に上端から下方へ窪み線状発光レンズ部材237の線状発光部237bが配置される切欠部231hと、を備えている。
ユニットケース231の収容凹部231aは、平面視の形状が、左右に延びた四角形と、その四角形の左右両辺から外側へ突出した台形とを組合せた形状に形成されている。また、収容凹部231aは、左右両側の台形の部位の底面に対して、四角形の部位の底面が、下方へ低く形成されている。この収容凹部231aの底面の段差は、ダンパ222の高さ(軸方向の長さ)よりも若干低く形成されている。
四つの横支持ピン231bは、収容凹部231aにおける台形の部位の底面から上方へ突出しており、筒状のダンパ222内へ挿入可能に形成されている。また、横支持ピン231bは、上端側に、上端側へ向かうに従って直径が小さくなる円錐台状のテーパ部231iを備えている(図32を参照)。横支持ピン231bは、収容凹部231aの底面からテーパ部231iの中間までの距離が、ダンパ222の長さと同じとされており、全体がダンパ222よりも長く形成されている。一対の前支持ピン231cは、筒状のダンパ222内へ挿入可能とされており、ダンパ222の半分の長さよりも若干長く形成されている。
中央支持突起231dの上端は、収容凹部231aにおける台形の部位の底面と同じ高さまで突出している。受突部231eは、外周が四角形の円錐台状に形成されている。二つの受突部231eは、取付ベース230の二つの貫通口230bと対応した位置に形成されている。受突部231eは、前側の外周壁が収容凹部231aの底面に対して略垂直に延びており、後側の外周壁が収容凹部231aの底面に対して下方へ向かうに従って前方へ向かうように傾斜して延びている。また、受突部231eは、左右両側の外周壁が収容凹部231aの面の垂直に対して下端(先端)同士が僅かに接近するように傾斜して延びている。受突部231eの外周壁の形状は、取付ベース230の筒状受部230cの内周壁の形状と対応している。この受突部231eは、組立てた状態で、下端が取付ベース231の貫通口230a内に挿入されると共に、筒状受部230cの内周壁との間に僅かな隙間が形成される。
上皿前装飾部材234は、皿ユニット200が組立てられた状態で、前面が外部に露出する。上皿後装飾基板235は、上皿後装飾部材236を発光装飾させるための複数の装飾用LED235aと、線状発光レンズ部材237を発光装飾させるための複数の周縁用LED235bと、を備えている。
線状発光レンズ部材237は、上皿後装飾部材236よりも左右が長く形成されており、上皿後装飾基板235の複数の周縁用LED235bの上側に配置される受光部237aと、受光部237aと連続しユニットケース231の切欠部231hに嵌め込まれる平板状の線状発光部237bと、を備えている。線状発光レンズ部材237は、線状発光部237bをユニットケース231の切欠部231hに嵌め込むことで、線状発光部237aの前面が収容凹部231aの内周壁の一部を形成する。また、線状発光レンズ部材237は、皿ユニット200が組立てられた状態で、線状発光部237bの上端が外部に露出する。この線状発光レンズ部材237は、周縁用LED235bからの光を受光部237aで受光することができ、受光部237aで受光した光を線状発光部237bへ導光して線状発光部237bの上端全体を(線状に)発光させることができる。
上皿球抜きボタン239は、ボタン取付部材238によって上下にスライド可能に取付けられ、ボタン取付部材238よりも下方へ延出している延出片239aを備えている。この上皿球抜きボタン239を下方へ押圧することで、上皿球抜きユニット310を動作させて上皿201内に貯留されている遊技球を、上皿201から下皿202へ排出する(抜く)ことができる。
取付ベースユニット220Aは、四つの横支持ピン231bと二つの前支持ピン231cに夫々挿入されたダンパ222によって、タッチユニット220Bを弾性的に支持することができる。また、タッチユニット220Bが取付けられるユニットケース231の下方へ突出している二つの受突部231eの外周面と、ユニットケース231の下側で受突部231eの下端が挿入されている取付ベース230の筒状受部の内周面との間に僅かな隙間を形成している。これにより、タッチユニット220B側からユニットケース231が下方へ移動するような力(衝撃)が作用した時に、その力が直ちに取付ベース230の取付側受部230aに伝達されず、ユニットケース231の収容凹部231aの底面が下方へある程度撓んで受突部231eの下端の外周面が筒状受部230cの内周面に当接することで、取付ベース230側へ力が伝達される。つまり、ユニットケース231から取付ベース230へ力を伝達させる際に、ユニットケース231が撓むため、その撓みによって力をある程度減衰させて取付ベース230へ伝達させることができる。
また、ユニットケース231の受突部231e及び取付ベース230の筒状受部230cは、それらが形成されている面(タッチユニット220Bの上面と平行な面)に対して傾斜した外周面及び内周面を備えているため、受突部231eから筒状受部230cへ伝達される力の一部が、筒状受部230cが備えられている取付側受部230aの底面に沿った方向へ作用する。これにより、受突部231e(ユニットケース231)側からの力が分散し、取付ベース230に対して一方向へ大きな力が作用するのを回避させることができ、取付ベース230が破損し難くなる。
演出操作ユニット220のタッチユニット220Bは、図27及び図28に示すように、上方が開放された浅い箱状の下ケース240と、下ケース240内に上側から取付けられる上皿液晶基板241と、下ケース240内において上皿液晶基板241の左右両外側に配置される一対の加振装置242と、一対の加振装置242及び上皿液晶基板241の上側を覆うと共に下ケース240に取付けられ上方が開放された浅い箱状のベース部材243と、ベース部材243内に上側から挿入され上皿液晶基板241によって制御され画像を表示可能な上皿液晶表示装置244と、上皿液晶表示装置244の外周を覆う薄い金属板からなる枠状のアース金具245と、アース金具245及び上皿液晶表示装置244の上面を覆う透明なタッチパネル246と、タッチパネル246の外周を上側から覆いベース部材243を通して下ケース240に取付けられる枠状の上カバー247と、を備えている。
また、タッチユニット220Bは、下ケース240、ベース部材243及び上カバー247を組立てた状態で、それらの後端面において、下ケース240の下端から上カバー247の上端まで上下に延びていると共に、下ケース240等の後端面の左右の略全長に亘って延びており、下ケース240、ベース部材243及び上カバー247の後端面に貼付けられている防水性を有したシート状の防水シール248を備えている。
下ケース240は、外形がユニットケース231の収容凹部213aの内形と対応しており、収容凹部213a内に収容可能に形成されている。下ケース240は、左右に延びた長方形状の基板取付部240aと、基板取付部240aの左右両側から夫々台形に突出している平板状の突出部240bと、各突出部240bをダンパ222の外径と同じ内形で上下に貫通していると共に一部が左右方向外側へ開放されており前後に離間して形成された一対のダンパ取付凹部240cと、ダンパ取付凹部240cの内周面から突出しているフランジ部240dと、突出部240bにおける一対のダンパ取付凹部240cの間で基板取付部240a寄りに配置され加振装置242が取付けられる加振装置取付部240eと、を備えている。
下ケース240のダンパ取付凹部240cは、平面視の形状がC字状に形成されており、C字の開放されている側からダンパ222を挿入させることができる。また、フランジ部240dは、ダンパ取付凹部240cの上下の略中央で、ダンパ取付凹部240cのC字状の内周面の全周に亘って備えられている。このフランジ部240dは、ダンパ222の溝222a内に挿入可能とされている。
加振装置242は、小型の加振駆動モータ242aと、加振駆動モータ242aの回転軸に重心が偏芯して取付けられる錘242bと、を備えている。この加振装置242は、加振駆動モータ242aによって錘242bを回転させることで、振動を発生させることができる。
ベース部材243は、上皿液晶表示装置244が上側から挿入され浅い箱状に形成された液晶取付凹部243aと、液晶取付凹部243aの左右両側から外方へ延出している延出部243bと、延出部243bの先端で下ケース240のダンパ取付凹部240cと対応する位置で上下に貫通しており上側が大径に座グリされたネジ孔243cと、ネジ孔243cの下端側に形成されており下端へ向かうに従って直径が大きくなるC面取り状のテーパ部243d(図32を参照)と、を備えている。
ベース部材243のネジ孔243cの下側の内径は、ユニットケース231における横支持ピン231bのテーパ部231iよりも先端側が通過することができると共に、テーパ部231iよりも基端側(下側)が通過することができない大きさに形成されている。
タッチパネル246は、衝撃に強く割れ難い強化ガラスと、強化ガラスの上面に備えられた静電容量方式の透明なセンサシートと、強化ガラス及びセンサシートの外周を覆う枠状の保護カバーと、を備えている。
タッチユニット220Bは、下ケース240の左右に夫々一対ずつ備えられたダンパ取付凹部240c内に、C字の開放されている側からダンパ222を挿入して、ダンパ222を取付けることができる。この際に、ダンパ取付凹部240cの内周面から突出しているフランジ部240dが、ダンパ222の溝222a内に挿入される。これにより、ダンパ取付凹部240c内のダンパ222が、軸方向へ移動するのが規制される。ダンパ取付凹部240cにダンパ222を取付けた状態では、ダンパ222の上端がベース部材243の延出部243bの下面に当接すると共に、ダンパ222の下端が下ケース240の下端(下面)よりも下方へ突出する。
また、タッチユニット220Bは、一対の加振装置242の加振駆動モータ242aが、下ケース240とベース部材243との間に挟持されている。一対の加振装置242は、夫々独立して振動を発生させることができる。
また、タッチユニット220Bは、タッチパネル246を通して上皿液晶表示装置244に表示される画像を上側から視認することができる。そして、上皿液晶表示装置244にボタン等の画像を表示させ、遊技者がその画像のボタンを操作するようにタッチパネル246に触れることで、画像のボタンを操作することができる。
更に、タッチユニット220Bは、後側の外周面に防止水シール248が貼付けられているため、皿ユニット200上で飲み物等の液体をこぼした時に、その液体がタッチユニット220B内に浸入するのを防止することができ、タッチユニット220Bが液体の浸入によって破損するのを防止することができる。
演出操作ユニット220のボタンユニット220Cは、図29及び図30に示すように、取付ベースユニット220Aにおけるユニットケース231のボタンユニット取付部231gに取付けられる円筒状のユニット本体250と、ユニット本体250の下側に配置され上面にLEDが備えられた演出ボタン装飾基板251と、演出ボタン装飾基板251の下側を覆いユニット本体250の下側に取付けられる基板カバー252と、を備えている。
また、ボタンユニット220Cは、ユニット本体250内に上側から上下へスライド可能に挿入される筒状のボタンベース253と、ボタンベース253とユニット本体250との間に配置されボタンベース253を上方へ付勢するバネ部材254と、ボタンベース253内に挿入され演出ボタン装飾基板251のLEDからの光を上方へ導くことが可能な導光部材255と、導光部材255の上側に配置され複数の微小なプリズムを備えたシート状の拡散レンズ部材256と、拡散レンズ部材256の上側を覆いボタンベース253に取付けられる透光性を有した上皿演出ボタン257と、演出ボタン装飾基板251の上面に取付けられておりボタンベース253の下降端への移動を検知する演出ボタン押圧センサ258と、を備えている。
ユニット本体250は、外周面の下端から外方へ延出しボタンユニット取付部231gに取付けられる三つの取付片250aと、内周面の下端から内方へ延出しているフランジ状の棚部250bと、内周面に沿って棚部250bを貫通している一対の貫通口250cと、を備えている。
ボタンベース253は、棚部250bの内周に挿入される筒状の下筒部253aと、下筒部253aの上端から上方へ向かうに従って直径が大きくなる円錐筒状の上筒部253bと、上筒部253bの上端から下方へ延出しており下端がユニット本体250の貫通口250cを貫通可能とされていると共に下端から外方へ突出しユニット本体250の下面と係合(当接)可能な爪を有する一対の係合爪部253cと、上筒部253bの外周面から上端の外径よりも短く外方へ放射状に突出しており下端がユニット本体250の棚部250bの上面と当接可能な複数の平板状の当接片253dと、下筒部253a及び上筒部253bの外周面から外方へ平板状に延出しており演出ボタン押圧センサ258に検知される検知片253eと、を備えている。
バネ部材254は、図示するように、コイルバネとされている。このバネ部材254は、下端がユニット本体250の棚部250bの上面に当接され、上端がボタンベース253における複数の当接片253dによって支持される。
導光部材255は、ボタンベース253における上筒部253bの上部に嵌め込まれる円盤状の本体部255aと、本体部255aの下面から下方へボタンベース253の下筒部253aの下端付近まで延びている円柱状の複数の導光部255bと、を備えている。複数の導光部255bは、演出ボタン装飾基板251のLEDと対応するように備えられており、LEDからの光を導いて本体部255aの上面全体から放出させることができる。
このボタンユニット220Cは、ボタンベース253、導光部材255、拡散レンズ部材256、及び上皿演出ボタン本体が一体的に組立てられており、それらが一緒にユニット本体250内を上下にスライドすることができる。これらボタンベース253等は、バネ部材254の付勢力によって、上皿演出ボタン257の上面がユニット本体250の上端よりも上方へ突出すると共に、ボタンベース253の一対の係合爪部253cがユニット本体250の下面と係合することで、これ以上の上昇が規制され、上皿演出ボタン257等が上昇端に位置した状態となる。
バネ部材254の付勢力に抗して上皿演出ボタン257を下方へ押圧すると、上皿演出ボタン257等が下降し、ボタンベース253の検知片253eが、演出ボタン押圧センサ258によって検知され、上皿演出ボタン257の押圧操作が検知される。上皿演出ボタン257の押圧により、ボタンベース253が下降すると、ボタンベース253の複数の当接片253dの下端が、ユニット本体250の棚部250bの上面に当接し、これ以上の下降が規制され、上皿演出ボタン257等が下降端に位置した状態となる。
また、ボタンユニット220Cは、演出ボタン装飾基板251のLEDを発光させることで、上皿演出ボタン257を発光装飾させることができる。演出ボタン装飾基板251のLEDは、フルカラーLEDとされており、上皿演出ボタン257を様々な色に発光装飾させることができる。
本実施形態の演出操作ユニット220は、図32に示すように、組立てた状態で、タッチユニット220Bの下ケース240のダンパ取付凹部240cに取付けられたダンパ222の下端が、下ケース240の下面よりも下方へ突出していることから、取付ベースユニット220Aのユニットケース231の収容凹部231aの底面と、タッチユニット220Bの下ケース240の下面との間に、隙間が形成される。また、ユニットケース231の四つの横支持ピン231bの先端面(上端面)は、ベース部材243のネジ孔243cの座グリの底面と一致しており、横支持ピン231bに対するタッチユニット220Bの上方へ移動が、横支持ピン231bの上端にねじ込まれたビス227の頭部の平座金によって規制されている。また、横支持ピン231bの上端側に形成されたテーパ部231iと、ベース部材243のネジ孔243cの下端側に形成されたテーパ部243dとは、互いに離間している。
また、演出操作ユニット220は、図33に示すように、ユニットケース231の前支持ピン231cに挿入されているダンパ222の上面は、収容凹部231aの底面における横支持ピン231b側の底面よりも若干上方へ突出している。また、ユニットケース231の収容凹部231aの底面と、下ケース240の下面との間に隙間が形成されていることから、ユニットケース231の前支持ピン231cに挿入されたダンパ222の上面と、下ケース240の下面との間にも隙間が形成されている。また、ユニットケース231の中央支持突起231dの上面と下ケース240の下面との間にも隙間が形成されている。つまり、タッチユニット220Bは、左右両側の横支持ピン231bに挿入されたダンパ222によって、下面が宙に浮いた状態で取付ベースユニット220Aに取付けられている。
更に、演出操作ユニット220は、取付ベースユニット220Aの取付ベース230における下方へ窄まる角錐筒状の筒状受部230c内に、上側からタッチユニット220Bが取付けられているユニットケース231における下方へ窄まる角錐状の受突部231eの下端が挿入されている。この筒状受部230cの内周壁と、受突部231eの外周壁との間には、僅かな隙間が形成されている。これにより、通常の状態では、取付ベース230には、ユニットケース231の内側(収容凹部231aの中央側)が宙に浮いた状態で、ユニットケース231の外周付近のみが取付けられている。
また、演出操作ユニット220は、図21等に示すように、タッチユニット220Bにおいて遊技領域5aに近い後側の辺に沿って線状発光レンズ部材237の線状発光部237bの上端が線状(帯状)に露出している。線状発光部237bの上端の長さは、タッチユニット220Bの後辺の長さの約2/3である。このタッチユニット220Bの後辺に沿って露出している線状発光部237bの上端の後側に、上皿後装飾部材236が配置されている。また、上皿後装飾部材236の正面視右側に、上皿球抜きボタン239が配置されている。更に、タッチユニット220Bの正面視左側に、ボタンユニット220Cが配置されている。
この演出操作ユニット220は、遊技領域5a内に遊技球を打込むことで変化する遊技状態に応じて、遊技者に対して様々な演出を提示することができる。例えば、タッチユニット220Bの上皿液晶表示装置244に画像を表示させることで、透明なタッチパネル246を通して画像(演出画像)を遊技者に提示して楽しませることができる。
この上皿液晶表示装置244に表示される画像として、操作ボタンを模した画像を表示させると共に、タッチパネル246のセンサシート246bによるタッチの検知を受付可能とすることで、遊技者に対して画像の操作ボタンを操作させることができ、タッチパネル246を用いた演出を楽しませることができる。タッチパネル246を用いた演出の際に上皿液晶表示装置244に表示される画像は、操作ボタンに限定するものではなく、様々な画像を表示させることができる。
また、演出操作ユニット220では、タッチユニット220Bを複数のダンパ222によってユニットケース231から浮いた状態で支持しているため、遊技状態に応じて加振装置242を動作させることで、タッチユニット220Bを振動させることができる。タッチパネル246を用いた演出の際に、加振装置242によってタッチパネル246(タッチユニット220B)を振動させることで、加振装置242による振動をタッチパネル246に接触している遊技者の指や手等に伝達させて、遊技者に対して画像の操作ボタンを操作しているにも関わらず恰も実体のある操作ボタンを操作しているように錯覚させて驚かせることができ、タッチパネル246と振動による演出を遊技者に楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、演出操作ユニット220では、タッチユニット220Bの正面視左側にボタンユニット220Cを備えているため、遊技状態に応じて遊技者に上皿演出ボタン257を押圧操作させて、上皿演出ボタン257の操作を楽しませることができる。詳述すると、タッチパネル246における画像の操作ボタンでは、タッチパネル246に触れるだけであるため実際の操作ボタンと比較して操作感に欠ける嫌いがあるが、上皿演出ボタン257では現実に押圧操作することができるため、上皿演出ボタン257の操作に違和感を与えてしまうことがなく、上皿演出ボタン257の操作を快適に楽しませることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
この演出操作ユニット220は、前方へ膨出している皿ユニット200において上皿201が備えられている部位に配置されているため、タッチユニット220Bやボタンユニット220Cを用いた演出中以外においても、遊技者がタッチユニット220B等を上から叩く虞がある。これに対して、演出操作ユニット220では、タッチユニット220Bをダンパ222によって下側のユニットケース231から浮いた状態で支持しているため、タッチユニット220Bが上から叩かれても、ダンパ222の弾性力によってその衝撃をある程度吸収することができる。詳述すると、タッチユニット220Bが叩かれたり等して上から衝撃(荷重)が作用すると、左右の横支持ピン231bが挿入されているダンパ222に伝達され、タッチユニット220Bが下降しながらダンパ222が圧縮される。横支持ピン231bに支持されたダンパ222が圧縮されることで、タッチユニット220Bからの衝撃が吸収される。
そして、更に、衝撃によってタッチユニット220Bが下降すると、下ケース240の下面が、前支持ピン231cが挿入されているダンパ222の上端に当接し、タッチユニット220Bの下降に伴って前支持ピン231cに支持されているダンパ222が下方へ圧縮される。これにより、横支持ピン231bに支持されているダンパ222に加えて、前支持ピン231cに支持されているダンパ222によっても、タッチユニット220Bからの衝撃が吸収される。
タッチユニット220Bに作用する衝撃によってタッチユニット220Bが更に下降すると、タッチユニット220Bの下ケース240の下面がユニットケース231における収容凹部231aの左右両側の底面と中央支持突起231dの上面とに当接する。これにより、タッチユニット220Bからの衝撃が、複数のダンパ222介さず、タッチユニット220Bからユニットケース231へ直接作用することとなる。
更に、タッチユニット220Bが下降すると、中央支持突起231dからの荷重によってユニットケース231の収容凹部231aの底面が、その中央が下方へ移動するように撓むこととなる。この収容凹部231aの底面の撓みによる弾性力によって、タッチユニット220Bからの衝撃が吸収される。この収容凹部231aの底面が撓むことで、収容凹部231aの底面の下側から下方へ突出している一対の受突部231eが下降する。そして、タッチユニット220Bからの衝撃によって受突部231eが更に下降すると、受突部231eの外周壁の下端側が、取付ベース230の筒状受部230cの内周壁に当接し、タッチユニット220Bからの衝撃が、ユニットケース231から取付ベース230へ伝達されることとなる。
受突部231eの外周壁と筒状受部230cの内周壁は、夫々が下方へ窄まる角錐状に形成さていることから、受突部231eから筒状受部230c(取付ベース230側)へ伝達される荷重が、取付ベース230の取付側受部230aの底面に沿った方向と底面に垂直な方向とに分散されて伝達される。このように、タッチユニット220Bに作用した衝撃が、取付ベース230に伝達されるまでに、その衝撃を吸収する構成が幾重にも配置されているため、タッチユニット220Bに作用した衝撃を十分に吸収して緩和させることができ、その衝撃によって、タッチユニット220B、ユニットケース231、取付ベース230等を破損し難くすることができる。
また、演出操作ユニット220は、遊技状態に応じて上皿後装飾基板235の周縁用LED235bによりタッチユニット220Bの後側の外周縁に沿って延びている線状発光レンズ部材237の線状発光部237bの上端を線状に発光させることができる。これにより、遊技者の関心をタッチユニット220Bへ引付けることができ、タッチユニット220Bにおける上皿液晶表示装置244に表示される画像や、タッチパネル246を用いたタッチ演出等を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、遊技状態に応じて、上皿後装飾基板235の装飾用LED235aによりタッチパネル220Bの後側(線状発光部237bよりも後側)に配置されている上皿後装飾部材236を発光装飾させることができる。この上皿後装飾部材236を発光装飾させることで、線状発光レンズ部材237の線状発光部237bの発光と同様に、遊技者の関心をタッチユニット220B等の演出操作ユニット220へ引付けることができ、演出操作ユニット220によって提示される演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、上皿液晶基板241や上皿液晶表示装置244を備えたタッチユニット220Bを、取付ベースユニット220Aの取付ベース230とユニットケース231とによって、皿ユニットカバー260の後述する上皿下被覆部262の上面よりも高い位置に配置していると共に、タッチユニット220Bの後側の外周面に防水シール248を貼付けている。これにより、上皿201において、外気に触れることで上皿本体212や遊技球の表面で結露した水(水滴)が、上皿201の下方(上皿下被覆部262上)へ流動しても、タッチユニット220B内へ結露した水が浸入するのを防止することができ、タッチユニット220Bにおいて不具合が発生するのを防止することができる。
また、図33に示すように、上皿後装飾部材236や線状発光レンズ部材237を発光装飾させる上皿後装飾基板235を、上皿201の底面よりも高い位置に配置しているため、上皿201で結露した水滴にさらされることがなく、上皿後装飾基板235においてショートや腐蝕等の不具合が発生するのを防止することができる。
皿ユニット200の皿ユニットカバー260は、図17乃至図20に示すように、左右に延びていると共に、左右の中央が前方へ膨出しており、後方へ開放された殻状に形成されている。皿ユニットカバー260は、左右の略中央で前方へ開口しており後端が皿ユニットベース210によって閉鎖される下皿開口部261と、下皿開口部261の内周壁における天板側(上側)を形成しており上皿本体212及び演出操作ユニット220の下側を覆う上皿下被覆部262と、下皿開口部261の正面視左側に配置されており本体枠4のスピーカユニット920の低音スピーカからの音を透過させるスピーカグリル263と、スピーカグリル263の上側に配置され皿ユニット左装飾基板345によって発光装飾される皿ユニット左装飾部材264と、下皿開口部261の正面視右側に配置されておりハンドルユニット500のハンドル本体502の後部が通過するハンドル口265と、皿ユニットカバー260の底面を形成しており下皿本体214の下側を覆う底板部266と、左右の中央で底板部266を上下に貫通しており下皿球抜きユニット320によって閉鎖される底板開口部267と、を備えている。
下皿開口部261は、内周壁の底板側(下側)が下皿本体214によって閉鎖される。スピーカグリル263及び皿ユニット左装飾部材264は、金属板に複数の孔を設けたパンチングメタルによって構成されている。
この皿ユニットカバー260は、正面視左側の表面が滑らかな感じに形成されているのに対して、右側の表面がゴツゴツした感じに形成されている。また、正面視の右側は、略全体的に透光性を有している。
皿ユニットカバー260は、皿ユニット200に組立てた状態で、タッチユニット220Bの上面と上皿下被覆部262の下面との間が、片手で掴むことが可能な間隔に形成されている。これにより、遊技者が、タッチユニット220Bをタッチ操作する際に、下皿開口部261の上側を掴むことで、タッチする指(手や腕)を安定させることができ、タッチユニット220Bのタッチ操作を行い易くできる。
詳述すると、組立てた状態では、タッチユニット220Bの前端上面と上皿下被覆部262の下面との間の厚さが約25mmに、タッチユニット220Bの後端上面と上皿下被覆部262の下面との間の厚さが約50mmに、上皿下被覆部262の前端からタッチユニット220Bの後端までの前後の距離が約60mmに、夫々形成されている。また、タッチユニット220Bの上面が、水平に対して約20度傾斜している。これにより、タッチユニット220Bの上面と上皿下被覆部262の下面との間を、遊技者の手で掴むことができる。
皿ユニット200の扉右下演出ユニット270は、図34乃至図42に示すように、ハンドルユニット500の上側、且つ、演出操作ユニット200の右側に配置されており、遊技状態に応じて回転すると共に発光装飾する球状の扉右下回転体270Aを備えている。扉右下演出ユニット270は、皿ユニットベース210の前面で逃し口210gを閉鎖するように取付けられ扉右下回転体270Aを回転可能に支持するユニットベース271と、ユニットベース271に取付けられている扉右下駆動モータ272と、扉右下駆動モータ272の回転軸に固定されている駆動ギア273と、駆動ギア273と噛合し扉右下回転体270Aに取付けられている従動ギア274と、従動ギア274を回転可能に支持しておりユニットベース271に取付けられている軸部材275と、を備えている。
また、扉右下演出ユニット270は、従動ギア274とは扉右下回転体270Aの反対側に取付けられておりユニットベース271に回転可能に支持されている回転体側軸受部材276と、扉右下回転体270Aの従動ギア274とは反対側をユニットベース271と協働して回転可能に支持しているベース側軸受部材277と、ユニットベース271に取付けられており扉右下回転体270Aの回転位置を検知可能な二つの回転検知センサ278と、扉右下回転体270Aの正面視左側でユニットベース271に取付けられている装飾部材279と、ユニットベース271の後側に取付けられており前面に複数のLEDを備えた扉右下ベース装飾基板280と、ユニットベース271の後側に取付けられており扉右下駆動モータ272、回転検知センサ278、扉右下ベース装飾基板280、及び後述する扉右下回転体装飾基板291と周辺制御基板(図示は省略)との接続を中継する扉右下中継基板281と、を備えている。
扉右下回転体270Aは、外殻を構成し夫々が半球殻状の前外殻部材285及び後外殻部材286と、前外殻部材285と後外殻部材286との間に配置される回転体内部ユニット290と、を備えている。前外殻部材285及び後外殻部材286は、回転軸を中心に半円形状の切欠部285a,286aが夫々形成されている。前外殻部材285は、透光性を有した半球殻状の表面に、金属光沢を有し周方向へ帯状に延びている帯装飾285bと、帯装飾285bの中央に配置されているハート形のハート装飾285cと、を備えている。一方、後外殻部材286は、透光性を有した半球殻状の表面に、金属光沢を有し周方向へ帯状に延びている帯装飾286bを備えている。前外殻部材285と後外殻部材286とを合わせた時に、前外殻部材285の帯装飾285bと後外殻部材286の帯装飾286bとが繋がるように形成されている。
回転体内部ユニット290は、図40及び図41に示すように、円盤状で両面に複数のLEDが備えられている扉右下回転体装飾基板291と、扉右下回転体装飾基板291の中心に取付けられており扉右下回転体装飾基板291の面に対して垂直に延びており先端が軸部材275に取付けられる円柱状の第一固定軸部材292と、第一固定軸部材292とは扉右下回転体装飾基板291の反対側に取付けられており扉右下回転体装飾基板291の面に対して垂直に延びており先端がユニットベース271及びベース側軸受部材277に取付けられる円筒状の第二固定軸部材293と、を備えている。図示は省略するが、第二固定軸部材293の内部には、扉右下中継基板281と扉右下回転体装飾基板291とを接続する配線コードが挿入されている。
また、回転体内部ユニット290は、扉右下回転体装飾基板291の両側に配置されており前外殻部材285及び後外殻部材286の内側に取付けられる平板で円環状の透明なリフレクタベース294と、リフレクタベース294に取付けられており円環状で軸方向外側へ開いた朝顔状の第一リフレクタ295と、第一リフレクタ295の円環内を通してリフレクタベース294に取付けられており中心に六角形の貫通孔296aを有した第二リフレクタ296と、を備えている。第一リフレクタ295及び第二リフレクタ296は、表面に金属光沢を有したメッキ層が備えられており、扉右下回転体装飾基板291からの光を反射させることができる。また、第一リフレクタ295及び第二リフレクタ296には、放射状に延びた平板状のリブが複数備えられている。
この回転体内部ユニット290は、扉右下回転体装飾基板291、第一固定軸部材292、及び第二固定軸部材293と、リフレクターベース294、第一リフレクタ295、及び第二リフレクタ296とが、相対回転可能に互いに分離している。
ユニットベース271は、扉右下回転体270Aの後側に配置される環状のリング部271aと、リング部271aの外周におけるリング部271aの中心に対して正面視斜め右上の部位から前方へ平板状に突出している第一突出片271bと、リング部271aの外周における第一突出片271bとは反対側の部位から前方へ平板状に突出している第二突出片271cと、第二突出片271cの前端から後方へ向かってU字状に窪み第二固定軸部材293の先端が挿入される軸受溝271dと、を備えている。
扉右下駆動モータ272は、第一突出片271bの外側の側面(右側の側面)に、回転軸が貫通した状態で取付けられる。従動ギア274は、駆動ギア273よりも大径に形成されている。軸部材275は、第一突出片271bの前端に取付けられる取付部275aと、取付部275aから筒状に突出している筒状軸部275bと、を備えている。この軸部材275は、筒状軸部275bの外周によって従動ギア274を回転可能に支持できると共に、筒状軸部275bの内周によって第一固定軸部材292の先端を回転不能に支持できる。
回転体側軸受部材276は、第二固定軸部材293が回転可能に挿入される軸受孔276aと、外方へ延出している平板状の検知片276bと、を備えている。ベース側軸受部材277は、ユニットベース271における第二突出片271cの前端のU字状の軸受溝271dの開放されている前端側を閉鎖するように、第二突出片271cの前端に取付けられる。二つの回転検知センサ278は、扉右下回転体270Aの回転軸を挟んで対称に第二突出片271cに取付けられる。二つの回転検知センサ275は、扉右下回転体270Aのハート装飾285cが前方を向く回転位置(図42(a)を参照)と、ハート装飾285cが後方を向く回転位置(図42(b)を参照)とを、夫々検知することができる。
本実施形態の扉右下演出ユニット270は、遊技状態に応じて、扉右下駆動モータ272によって扉右下回転体270Aを回転させることができると共に、ハート装飾285cが前方を向くように停止するか否かで、遊技者に対してチャンスの到来等を示唆することができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、扉右下演出ユニット270は、扉右下回転体270A内部の扉右下回転体装飾基板291が回転不能に取付けられていることから、扉右下回転体270Aの回転中に、扉右下回転体装飾基板291(のLED)を発光させると、扉右下回転体270Aの回転につれて扉右下回転体装飾基板291から照射される光の位置が移動すると共に、第一リフレクタ295や第二リフレクタ296によって反射誘導される光の方向が変化するため、扉右下回転体装飾基板291のLEDを点滅させなくても、光が点滅しているように扉右下回転体270Aを発光装飾させたり、LEDから多様な色の光を照射することで扉右下回転体270Aを虹色に発光装飾させたりすることができ、遊技者を楽しませることができる。
皿ユニット200の演出ユニットカバー300は、図19及び図20に示すように、扉右下演出ユニット270における球状の扉右下回転体270Aの前側を覆う半球状で透明な回転体カバー部301と、回転体カバー部301の外周に形成されており皿ユニットカバー260の正面視右側の装飾と連続した装飾部302と、回転体カバー部301の下部右側において前後に貫通しており施錠ユニット700の鍵シリンダ710が挿通されるシリンダ挿通口303と、を備えている。
演出ユニットカバー300全体が、後方が開放された容器状で透光性を有している。この演出ユニットカバー300は、回転体カバー部301の上側が扉右下演出ユニット270の扉右下ベース装飾基板280によって発光装飾されると共に、回転体カバー部301の下側が皿ユニット右装飾基板346によって発光装飾される。
皿ユニット200の上皿球抜きユニット310は、図43乃至図45に示すように、皿ユニットベース210の透口210e及び受片210fを前側から覆うように皿ユニットベース210の前面に取付けられ後方が開放された縦長箱状で上部に上皿球抜きボタン239の延出片239aが挿通可能な挿通口311aを有しているカバー311と、カバー311内における皿ユニットベース210の透口210eの正面視左上となる位置に取付けられている前ベース部材312と、前ベース部材312によって回転可能に支持されており上皿球抜きボタン239の押圧により回動する押圧伝達部材313と、押圧伝達部材313を上皿球抜きボタン239が上昇する方向へ付勢している第一バネ部材314と、を備えている。
また、上皿球抜きユニット310は、皿ユニットベース210の上皿球送り口210dを後側から閉鎖するように皿ユニットベース210の後側に取付けられている後ベース部材315と、後ベース部材315と皿ユニットベース210との間に配置されていると共に後ベース部材315によって昇降可能に取付けられており上側から押圧伝達部材313が接触している上皿球抜きスライダ316と、上皿球抜きスライダ316を上方へ付勢している第二バネ部材317と、を備えている。
前ベース部材312は、皿ユニットベース210の前面と平行に延びておりカバー311に取付けられる平板状のベース部312aと、ベース部312aの左右両辺から前方へ平板状に延出している一対の延出片312bと、延出片312bの前端から後方へU字状に凹んだ軸支部312cと、ベース部312aの前面下端付近に備えられており第一バネ部材314の後端が係止される鉤状のバネ係止部(図示は省略)と、を備えている。
押圧伝達部材313は、両端が前ベース部材312の一対の軸支部312c内へ回転可能に挿入される横長円柱状の軸部313aと、軸部313aから後方へ平板状に延出している後方延出片313bと、後方延出片313bの上面における正面視左端付近から上方へ平板状に延出しており上皿球抜きボタン239の延出片239cの下端が当接可能な上方延出片313cと、後方延出片313bの下面における正面視右端から下方へ平板状に延出している下方延出片313dと、軸部313aにおける正面視左端付近の下側から下方へ突出しており第一バネ部材314の前端が係止される鉤状のバネ係止部313eと、を備えている。下方延出片313dは、後方へ向かうに従って下方へ延びる三角形に形成されており、下端が上皿球抜きスライダ316と当接可能とされている。
後ベース部材315は、皿ユニットベース210の後面と平行に平板状に延びており皿ユニットベース210に取付けられるベース部315aと、ベース部315aの前面で左右に離間して備えられており上皿球抜きスライダ316の左右両端をスライド可能に支持するスライダ支持部315bと、ベース部315aの上端における皿ユニットベース210の上皿球送り口210dの上部と対応する位置に前方へ開口していると共にベース部315aの後側で下方へ開口し遊技球が流通可能な上部入口315cと、を備えている。
また、後ベース部材315は、ベース部315aの後側で上部入口315cと連続して下方へ延びていると共に後方へ開放されており下端が後方へ湾曲している第一誘導路315dと、第一誘導路315dの下側から下方へ延びた後に正面視左方へ延びて左端が左方へ開放されており全体が後方へ開放されているL字状の第二誘導路315eと、第二誘導路315eにおける左方へ延びた部位の後端側を閉鎖している平板状の通路蓋315fと、L字状の第二誘導路315eに二辺が囲まれるようにベース部315aを前後に貫通している開口部315gと、ベース部315aの前面から前方へボス状に突出しており第二バネ部材317の上端が係止されるバネ係止部315hと、を備えている。
後ベース部材315におけるL字状の第二誘導路315eは、左方へ延びた部位が、左方へ向かうに従って低くなるように傾斜している。この第二誘導路315eの左端は、図43(b)に示すように、皿ユニットベース210における筒状の下皿球供給口210cの切欠部210jに挿入されており、第二誘導路315eと下皿球供給口210cとが互いに連通している。
上皿球抜きスライダ316は、平板状で左右両端が後ベース部材315のスライダ支持部315bにスライド可能に支持されるスライダベース316aと、スライダベース316aの上端における正面視中央より左側から前方へ皿ユニットベース210の透口210eを通って受片210fの上側へ延出し上面に押圧伝達部材313の下方延出片313dの下端が当接可能な伝達片316bと、伝達片316bの下側でスライダベース316aの後側から下方へ向かうに従って後方へ突出している三角状の作動伝達部316cと、スライダベース316aの前面から突出しており第二バネ部材317の下端が係止される鉤状のバネ係止部316dと、を備えている。
上皿球抜きユニット310は、皿ユニット200を組立てた状態で、後ベース部材315の上部入口315cが、上皿本体212の誘導通路部212aの正面視右端側となる下端に開口している。これにより、上皿201内の遊技球を、上部入口315cからベース部315aの後側の第一誘導部315dを介して球送りユニット540へ供給することができる。
また、上皿球抜きユニット310は、上皿球抜きボタン239を下方へ押圧すると、上皿球抜きボタン239の延出片239aによって押圧伝達部材313が、第一バネ部材314の付勢力に抗して軸部313aを中心に、下方延出片313dの下端が下方へ移動する方向へ回動する。押圧伝達部材313の回動に伴って下方延出片313dの下端が下方へ移動すると、下方延出片313dの下端が当接している上皿球抜きスライダ316の伝達片316bによって上皿球抜きスライダ316が第二バネ部材317の付勢力に抗して下方へスライドする。
この上皿球抜きスライダ316が下方へスライドすることで、作動伝達部316cが、球送りユニット540の切換機構を動作させて球送りユニット540内での流路が切換えられて、第一誘導路315d側が第二誘導路315e側と連通した状態となる。これにより、上皿201内の遊技球が、上部入口315c、第一誘導路315d、球送りユニット540、及び第二誘導路315eを通って、下皿球供給口210cから下皿202へ排出され、上皿201内の遊技球を抜くことができる。
なお、上皿球抜きボタン239の下方への押圧を解除すると、第一バネ部材314及び第二バネ部材317の付勢力によって、上皿球抜きスライダ316や上皿球抜きボタン239が上昇し、元の状態に復帰することができる。
皿ユニット200の下皿球抜きユニット320は、図46等に示すように、皿ユニットカバー260の底板開口部267を閉鎖するように下皿本体214の下側に取付けられ下皿本体214の球抜き孔214aと一致する開口部321aを有している平板状の下皿球抜きベース321と、下皿球抜きベース321上を左右にスライドし開口部321aを閉鎖可能な平板状のスライド蓋322と、スライド蓋322の前端に取付けられており皿ユニットカバー260の前面から外部へ露出する摘み部323と、スライド蓋322によって開口部321aを閉鎖する方向へスライド蓋322を付勢しているバネ部材324と、バネ部材324の付勢力に抗してスライド蓋322を、開口部321aを開放している位置に保持する保持装置325と、を備えている。
下皿球抜きベース321の開口部321aは、正面視左右中から右寄りの位置に形成されている。この下皿球抜きベース321は、下皿本体212に取付けることで、下皿球抜きベース321と下皿本体212との間でスライド蓋322を左右へスライド可能に支持することができる。スライド蓋322は、正面視左端側に保持装置325によって保持される保持突起322aを備えている。
保持装置325は、下皿球抜きベース321に取付けられる本体325aと、本体325aから開閉可能に突出しており保持突起322aを掴むことができる一対の保持爪325bと、を備えている。保持装置325は、開いている一対の保持爪325aの間に、保持突起322aを挿入して本体325a側へ押圧すると、一対の保持爪325bが閉じて保持突起322aを保持すると共に、一対の保持爪325bが閉じた状態で維持される。この状態で、保持突起322aを本体325a側へ移動させると、一対の保持爪325aが開いた状態となり、保持突起322aの保持が解除される。
この下皿球抜きユニット320は、摘み部323(スライド蓋322)が正面視右側へ移動している状態では、開口部321aと下皿本体214の球抜き孔214aとの間にスライド蓋322が位置し、下皿202内の遊技球が、球抜き孔214aから下方へ抜けることがなく、下皿202内に遊技球を貯留させることができる。
この状態から、摘み部323を左側へ操作することでスライド蓋322が左方へスライドし、開口部321aと球抜き孔214aとが連通する。これにより、下皿202内の遊技球が球抜き孔214a及び開口部321aを通って皿ユニット200の下方へ抜けるようになり、下皿202内の遊技球を抜くことができる。この際に、スライド蓋322の保持突起322aが、保持装置325の一対の保持爪325bによって保持されるため、摘み部323の操作をやめてもスライド蓋322が開いたままの状態となり、下皿202内の遊技球を抜き続けることができる。
スライド蓋322を閉めるには、摘み部323を左側へ僅かに操作すると、一対の保持爪325bが開いて保持突起322aの保持が解除され、バネ部材324の付勢力によってスライド蓋322が右側へスライドして、球抜き孔214aを閉鎖する。このように、下皿球抜きユニット320の摘み部323を操作することで、下皿202に遊技球を貯留させたり、下皿202に貯留された遊技球を抜いたりすることができる。
皿ユニット200の球貸操作ユニット330は、図19及び図20等に示すように、演出操作ユニット220における正面視右端付近の上面に取付けられ透光性を有しているユニットケース331と、ユニットケース331の上面に露出しており遊技者が操作可能な球貸ボタン332と、球貸ボタン332の後側でユニットケース331の上面に露出しており遊技者が操作可能な返却ボタン333と、返却ボタン333の後側でユニットケース331の上面を通して遊技者側から視認可能とされている表示部334と、を備えている。
この球貸操作ユニット330は、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸機に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、球貸ボタン332を押すと、所定数の遊技球を皿ユニット200の上皿201内へ貸出す(払出す)ことができると共に、返却ボタン333を押すと貸出された分の残りを引いた上で投入した現金の残金やプリペイドカードが返却される。また、表示部334には、球貸機に投入した現金やプリペイドカードの残数、或は、球貸機が故障した時のエラーコード等、が表示される。
皿ユニット200の上皿トップ装飾部材340は、図19及び図20等に示すように、皿ユニットベース210の上端における左右中央に取付けられ左右に帯状に延びた透光性を有する上皿トップレンズ340aと、上皿トップレンズ340aの下側に取付けられており上面に複数のLEDが取付けられた上皿トップ装飾基板340bと、を備えている。
この上皿トップ装飾部材340は、上皿トップ装飾基板340bのLEDを発光させることで、上皿トップレンズ340aを帯状に発光させることができる。この上皿トップ装飾部材340は、演出操作ユニット200の後側に配置されていることから、上皿後装飾部材236や線状発光レンズ部材237等の発光装飾と同様に、上皿トップ装飾部材340を発光装飾させることで、遊技者の関心をタッチユニット220B等の演出操作ユニット220へ引付けることができ、演出操作ユニット220によって提示される演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
本実施形態の皿ユニット200は、遊技領域5aの下側の遊技球を貯留する上皿201を有した皿ユニット200の上面における演出操作ユニット220のタッチユニット220Bに、遊技領域5a内に遊技球を打込むことで変化する遊技状態に応じて上皿液晶表示装置244に画像を表示させる際に、上皿液晶表示装置244の遊技領域5aに近い側の後側の外周縁に沿って帯状の線状発光レンズ部材237、上皿後装飾部材236、及び上皿トップ装飾部材340等を発光させることができるため、遊技者の視線が遊技領域5a内に集中していても、視線(視界)の外側から入る線状発光レンズ部材237等の光に気付くことができ、遊技者の視線(関心)を線状発光レンズ部材237等つまり上皿液晶表示装置244側へ引き付けることができる。従って、上皿液晶表示装置244において、遊技状態に応じて画像等の演出を提示する際に、線状発光レンズ部材237等を発光させることで、遊技者に対して上皿液晶表示装置244による演出の提示に気付かせることができ、上皿液晶表示装置244による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、皿ユニット200に遊技状態に応じて画像を表示可能な上皿液晶表示装置244を備えていることから、チャンスの到来を示唆する画像を表示させるようにした場合、遊技領域5a外に配置されている上皿液晶表示装置244によってチャンスの到来が示唆されることとなるため、遊技者に対して遊技領域5a内での遊技と、遊技領域5a外の上皿液晶表示装置244での演出との両方を気に掛けさせることができる。従って、遊技領域5a内と遊技領域5a外(上皿液晶表示装置244)とを気に掛けさせることで、スピード感のあるタイトな遊技を楽しませることができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができると共に、上皿液晶表示装置244においてチャンスの到来を示唆する画像を表示する時に、線状発光レンズ部材237等を発光させることで、遊技者を上皿液晶表示装置244に注目させることができ、チャンスの到来を確実に認識させて遊技者を楽しませることができる。この場合、遊技者によっては、遊技領域5a内と遊技領域5a外との両方が気になることで、どちらにも集中できなくなって興趣を低下させてしまう虞があるが、遊技状態(チャンスの到来)に応じて線状発光レンズ部材237等が発光するため、線状発光レンズ部材237等が発光するまでは遊技領域5a内へ集中することができ、遊技領域5a内での遊技を楽しませることができると共に、線状発光レンズ部材237等の発光時には上皿液晶表示装置244での演出を楽しませることができ、遊技にメリハリを付けて飽き難くすることができる。
また、遊技領域5aの下側で遊技者側へ膨出した皿ユニット200に上皿液晶表示装置244を備えているため、上皿液晶表示装置244が遊技者から近い位置に配置されることとなる。これにより、本パチンコ機1の正面に位置している遊技者によって上皿液晶表示装置244が隠れ易くなり、上皿液晶表示装置244を隣や後ろの他の遊技者からは見え難くなるため、上皿液晶表示装置244により提示される演出を当該遊技者のみに楽しませることができる。従って、上皿液晶表示装置244による演出を楽しんでいる時に、他の遊技者によって覗かれることで、不快に感じて興趣を低下させてしまうのを低減させることができると共に、上皿液晶表示装置244による演出の提示の際に線状発光レンズ部材237等が発光することで、上皿液晶表示装置244による演出を見逃し難くすることができ、上皿液晶表示装置244による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、線状発光レンズ部材237等を帯状に発光させるようにしているため、点状に発光させる場合と比較して、線状発光レンズ部材237等の発光を目立ち易くすることができ、遊技者の意識が遊技領域5a内に集中していても、線状発光レンズ部材237等の発光に気付かせ易くすることができ、上皿液晶表示装置244やタッチパネル246等による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。また、線状発光レンズ部材237等を帯状に発光させるため、他の発光装飾体等の発光とは異なる発光態様となり、発光装飾体等の発光と誤認してしまうのを低減させることができ、確実に線状発光レンズ部材237等の発光に気付かせることができる。
また、上皿液晶表示装置244の外周縁のうち遊技領域5aに近い後側の位置に線状発光レンズ部材237等を配置しているため、線状発光レンズ部材237等を発光させた時に、線状発光レンズ部材237等の光を遊技者の視界に入り易くすることができ、線状発光レンズ部材237等の発光に気付かせて上皿液晶表示装置244の演出を楽しませることができる。
また、上皿201等を有している皿ユニット200の上面に上皿液晶表示装置244等を有した演出操作ユニット200を備えており、皿ユニット200の上皿201は遊技領域5a内に打込むための遊技球の量を確認するための遊技者がある程度の頻度で視線を向けることから、上皿201へ視線を向けた際に上皿液晶表示装置244や線状発光レンズ部材237等が視界に入り易く、線状発光レンズ部材237の発光に気付き易くなる。また、遊技者が上皿201へある程度の頻度で視線を向けることから、視線を遊技領域5a内から上皿201(上皿液晶表示装置244)へ向け易い。従って、線状発光レンズ部材237等の発光に気付いた時に、即座に視線を上皿液晶表示装置244へ移すことができ、上皿液晶表示装置244により提示される演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、遊技領域5aの下側に演出操作ユニット200を配置しており、下側から遊技者へ線状発光レンズ部材237等からの光が照射されるため、遊技領域5aの上側に配置した場合と比較して、遊技者の目に入り易く線状発光レンズ部材237等の発光に気付かせ易くすることができ、遊技者を上皿液晶表示装置244に確実に注目させることが可能となり、演出操作ユニット200による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、遊技領域5aの左右方向の中央と対応する位置に演出操作ユニット200(上皿液晶表示装置244)を配置しているため、遊技者の視線の中心が遊技領域5a内のどの位置にあっても、線状発光レンズ部材237等からの光に気付き易くすることができ、遊技者を確実に上皿液晶表示装置244へ注目させることが可能となり、演出操作ユニット200による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、演出操作ユニット200にタッチパネル246を備えているため、画像による演出の他に、遊技者にタッチパネル246を操作させる演出も行うことができ、多彩な演出によって遊技者を楽しませることができると共に、遊技者にタッチパネル246を操作させることで、演出に参加させることができ、遊技者に対して能動的に演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、タッチユニット220Bの後側の外周縁に沿って配置された線状発光レンズ部材237(線状発光部237b)が、上皿201における遊技球を球送りユニット540(球発射装置680)へ送る誘導通路部212aに沿って配置されていると共に、誘導通路部212aとの間に上皿球抜きユニット310を動作させる上皿球抜きボタン239を配置されている。つまり、遊技者が遊技に必要な遊技球を確認する場所の近傍に線状発光レンズ部材237が備えられており、遊技中でも遊技者が気にする位置に線状発光レンズ部材237を配置した構成としているため、線状発光レンズ部材237の発光に気付かせることができ、遊技者の関心をタッチユニット220Bに引付けてタッチユニット220Bによる演出(上皿液晶表示装置244による演出画像、タッチパネル246のタッチ操作、等)のタイミングに気付き易くすることができる。
また、上皿液晶基板241や上皿液晶表示装置244を備えたタッチユニット220Bを、取付ベースユニット220Aの取付ベース230とユニットケース231とによって、皿ユニットカバー260の上皿下被覆部262の上面よりも高い位置に配置していると共に、タッチユニット220Bの後側の外周面に防水シール248を貼付けているため、上皿201において、外気に触れることで上皿本体212や遊技球の表面で結露した水(水滴)が、上皿201の下方(上皿下被覆部262上)へ流動しても、タッチユニット220B内へ結露した水が浸入するのを防止することができ、タッチユニット220Bにおいて不具合が発生するのを防止することができる。
また、図33に示すように、上皿後装飾部材236や線状発光レンズ部材237を発光装飾させる上皿後装飾基板235を、上皿201の底面よりも高い位置に配置しているため、上皿201で結露した水滴にさらされることがなく、上皿後装飾基板235においてショートや腐蝕等の不具合が発生するのを防止することができる。
更に、皿ユニット200の演出操作ユニット220において、加振装置242によってタッチパネル246と上皿液晶表示装置244とを備えたタッチユニット220Bを振動させた際に、タッチユニット220Bが複数(二つ)のダンパ222を挟んで浮いた状態で取付ベースユニット220Aのユニットケース231に取付けられているため、タッチユニット220B(加振装置242)の振動がダンパ222によって吸収・減衰されて取付ベースユニット220Aに伝わることとなり、取付ベースユニット220Aの振動を低減させることができる。従って、タッチユニット220Bのタッチパネル246をタッチ操作した際に、加振装置242によってタッチユニット220Bを振動させると、タッチユニット220Bのみが振動することとなるため、遊技者に対してタッチユニット220Bのタッチパネル246の操作感を十分に付与することができ、遊技者にタッチパネル246のタッチ操作を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、加振装置242によってタッチユニット220Bを振動させることができるため、遊技者に対してタッチパネル246の操作感の他に、タッチユニット220Bの振動によって驚かせたり、タッチパネル246を操作するタイミングを示唆したりすることができ、タッチユニット220Bのタッチパネル246による操作演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、タッチユニット220Bを複数のダンパ222によって下側から支持しているため、タッチユニット220Bを上側から叩いたり強く押したりしてタッチユニット220Bに衝撃や荷重等が加えられても、ダンパ222によってその衝撃等を吸収することが可能となるため、衝撃等によってタッチユニット220Bや取付ベースユニット220A等が破損してしまうのを低減させることができ、タッチユニット220B等の破損により遊技が中断することで遊技者の興趣が低下してしまうのを抑制することができる。
また、タッチユニット220Bの操作する部位をタッチパネル246としていることから、遊技者が操作する際には、ボタンを押圧操作する場合と比較して、タッチパネル246に触れている時間が長くなるため、タッチパネル246に触れた時に加振装置242でタッチユニット220Bを振動させると、その振動を遊技者の指(手)に確実に伝達させることができる。従って、遊技者の指が振動することでタッチパネル246を操作していることを遊技者に実感させることができるため、十分な操作感を付与することができ、遊技者にタッチパネル246の操作を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、タッチユニット220Bの上皿液晶表示装置244に表示される画像を変更することで、タッチ操作(ボタン)の種類を簡単に変更することができ、多様な演出に対応することが可能となり、多様な演出によって遊技者を飽き難くして興趣が低下するのを抑制することができる。更に、タッチユニット220Bにタッチパネル246を備えているため、従来の押圧ボタンと比較して、タッチ、タップ(シングルタップ、ダブルタップ)、ドラッグ、フリック、ピンチ(ピンチアウト、ピンチイン)、スワイプ、タッチアンドホールド、等の様々な操作を行うことができる。これにより、より多彩な操作演出を行うことができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、タッチユニット220Bを、取付ベースユニット220A(ユニットケース231)に対して上方へ移動不能且つ下方へ移動可能に取付けるようにしており、複数のダンパ222の弾性力(付勢力)によってタッチユニット220Bが上側の移動端に押し付けられた状態となるため、タッチパネル246の操作中にタッチユニット220Bを動き難くすることができ、タッチパネル246の操作を的確に行い易くすることができる。また、タッチユニット220Bが動き難くなることから、遊技者に対してタッチユニット220Bが動かないものであると思わせることができ、動かないと思っていたタッチユニット220Bが遊技状態に応じて加振装置242により振動することで遊技者を驚かせることができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、互いに離間した複数の加振装置242によってタッチユニット220Bを振動させるようにしているため、例えば、タッチパネル246において遊技者が操作する部位に近い位置の加振装置242を駆動させることで、強い振動を伝達させることができる。従って、タッチパネル246において、遊技者が操作すべき位置と異なる位置を操作した場合、遊技者に伝達される振動が異なることとなるため、遊技者に対して、操作を間違えていることを知らせることが可能となり、遊技者に対して正しい操作を行わせることができ、タッチパネル246を用いた操作演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、互いに離間した複数の加振装置242を備えているため、各加振装置242の振動の周波数や強さ等を適宜制御することで、タッチパネル246の任意の位置で共振現象を発生させることができる。従って、遊技者が操作した任意の位置で共振現象が発生するように各加振装置242を制御することで、より一層の操作感を付与したり、遊技者を大いに驚かせたりすることができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、タッチユニット220Bが上側から叩かれたり強く押されたりしてタッチユニット220Bに衝撃や荷重等が作用した場合、タッチユニット220Bの左右両端側がダンパ222を挟んでユニットケース231に取付けられているため、ダンパ222とタッチユニット220Bの撓りとによって上側からの衝撃等をある程度吸収して(減衰させて)ユニットケース231側へ伝達させることができる。また、ユニットケース231側では、ユニットケース231の外縁が下側の取付ベース230に取付けられているため、ユニットケース231を介したタッチユニット220B側からの衝撃や荷重等を、取付ベース230に対して広く分散させて伝達させることができる。この際に、ユニットケース231の下面から下方へ突出した受突部231eの外周壁と、取付ベース230の取付側受部230aの底面において受突部231eが挿入されている筒状受部230cの内周壁との間に隙間が形成されているため、タッチユニット220Bからの衝撃や荷重等によって、ユニットケース231が下方へ撓んだ後に、受突部231eと筒状受部230cとが当接してユニットケース231から取付ベース230へ衝撃等が伝達されることとなり、ユニットケース231の撓みによって、衝撃等が更に減衰された状態で取付ベース230に伝達される。この受突部231eの外周壁と筒状受部230cの内周壁は、下方へ窄まっているため、受突部231eと筒状受部230cとが当接すると、受突部231e(ユニットケース231)側からの衝撃や荷重等が、取付ベース230の取付側受部230aの底面に対して斜め方向へ伝達され、取付ベース230の取付側受部230aの底面に垂直な方向と底面に沿った方向とに分解されることとなり、取付ベース230を撓ませようする底面に垂直な方向(下方向)の力が小さくなって取付ベース230側へ伝達される。従って、タッチユニット220Bが上側から叩かれたり強く押されたりしても、複数のダンパ222、ユニットケース231、取付ベース230によって、その衝撃等を効果的に減衰させることができ、タッチユニット220Bや取付ベースユニット220Aが破損するのを抑制することができる。
パチンコ機1によると、遊技領域5aの下側で前方へ膨出した皿ユニット200の皿ユニットカバー260の上面にタッチパネル246と上皿演出ボタン257を備えていることから、遊技領域5a内に遊技球を打込むことで変化する遊技状態に応じてタッチパネル246や上皿演出ボタン257を用いた演出(操作演出)を遊技者に提示して演出中に遊技者にタッチパネル246や上皿演出ボタン257を操作させることで、能動的に遊技者を演出に参加させることができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。そして、タッチパネル246を備えた皿ユニットカバー260における下皿開口部261(上皿下被覆部262)の上側の上下の厚さを、遊技者の手で掴むことができる15mm〜50mmの範囲内の厚さとしているため、遊技者がタッチパネル246を操作する際に、遊技者がタッチパネル246と上皿下被覆部262の間を掴みながらタッチパネル246を操作することができ、タッチパネル246を的確に操作することができる。
詳述すると、タッチパネル246の上面と上皿下被覆部262の下面との間の厚さを手で掴むことができる15mm〜50mmの範囲内の厚さとしているので、例えば、親指を除いた指を上皿下被覆部262の下面に当接させた状態で、親指をタッチパネル246の上側へ位置させると、親指の移動範囲内にタッチパネル246が位置することとなり、親指でタッチパネル246を操作することが可能となる。この状態では、親指を除いた指が上皿下被覆部262の下面に当接しているため、親指を安定させることが可能となり、親指によってタッチパネル246の所望する位置に触れたり、タッチパネル246上で指を所望する方向へ移動させたりすることができ、タッチパネル246の操作性を良くしてタッチパネル246を的確に操作することができる。また、親指を上皿下被覆部262の下面に当接させた場合は、その他の指でタッチパネル246を操作することができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。従って、タッチパネル246が操作し易くなることから、タッチパネル246を用いた演出の際に、的確にタッチパネル246を簡単に操作することができ、タッチパネル246の操作による演出により遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、タッチパネル246を、皿ユニットカバー260の前端から後方へ60mmまでの範囲内に備えており、タッチパネル246と上皿下被覆部262とを前端側から掴んでタッチパネル246を操作する際に、操作する指が届く範囲にタッチパネル246が配置されるため、指を安定させた状態でタッチパネル246を操作することができ、タッチパネル246を用いた演出を楽しませて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、タッチパネル246の上面を、前方側から後方側へ向かうに従って高くなるように傾斜させているため、タッチパネル246の面が遊技者側を向いてタッチパネル246が見易くなり、遊技者によるタッチパネル246の操作性を良くすることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。
また、タッチパネル246の上面が後方側へ向かうに従って高くなることから、タッチパネル246と上皿下被覆部262との間の厚さが後方側へ向かうに従って厚くなるため、後方側へ向かうに従って皿ユニット200の強度・剛性が高くなる。従って、タッチパネル246が上側から叩かれたり強く押圧されたりしても、タッチパネル246や皿ユニットカバー260等を壊れ難くすることができ、タッチパネル246等の破損によって遊技が中断することで遊技者の興趣が低下してしまうのを低減させることができる。
また、タッチパネル246を通して上側から視認可能とされた上皿液晶表示装置244を備えているため、遊技者に対してタッチパネル246を操作させる際に、上皿液晶表示装置244によってタッチパネル246の操作目的に応じた画像を表示させることで、遊技者がタッチパネル246の操作方法を知らなくても表示された画像の内容によってタッチパネル246を操作することができ、タッチパネル246の操作性を良くすることができる。
また、上皿液晶表示装置244を備えているため、遊技状態に応じて演出画像を表示させることで、タッチパネル246の操作演出の他に、演出画像によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者を飽き難くして遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、タッチパネル246を左右の中央に配置しているため、タッチパネル246が見易くなると共に、遊技者の左右両手の何れの側からも同じ距離となり、遊技者の使い易い側の手でタッチパネル246を操作すれば良く、使い易い手でタッチパネル246を操作させることでタッチパネル246の操作性を良くすることができる。従って、タッチパネル246を用いた演出が行われる際に、タッチパネル246を即座に視認して操作することができ、操作演出に対して素早く対応できることで遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、遊技者が操作可能な上皿演出ボタン257を備えており、遊技状態に応じて提示される操作演出において、タッチパネル246によるタッチ操作に加えて、上皿演出ボタン257による押圧操作を行わせることができるため、多様な操作演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽き難くして遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、タッチパネル246の後辺に沿って遊技球を貯留する上皿201(上皿本体212)の一部(誘導通路部212a)が上方へ開口しているため、例えば、上皿201の誘導通路部212aに、親指を除いた指を係止させ、親指でタッチパネル246を操作することで、誘導通路部212aに係止させた指によって親指を安定させることができ、タッチパネル246の操作性を良くして上述と同様の作用効果を奏することができると共に、タッチパネル246と上皿下被覆部262との間を掴んだり誘導通路部212aに指を係止したりすることで、タッチパネル246を操作する指を安定させて操作性を高めることができるため、遊技者の癖や好みに応じて指を安定させるための手の置き方を選択させることができ、より多様な遊技者に対応することが可能となり、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
続いて、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤5の構成例について、図47、図48を参照して説明する。図47は遊技盤5を前方から俯瞰した斜視図であり、図48は遊技盤5を後方から俯瞰した斜視図である。図示するように、パチンコ機1における遊技盤5は外レール6002及び内レール6003を有し、遊技球が打ち込まれる遊技領域5aの外周を区画形成する枠状の前構成部材6001と、前構成部材6001の後側で遊技領域5aを閉鎖するように配置された遊技パネル1100と、遊技領域5aの外側でアウト口よりも左側の前構成部材6001下部に配置された機能表示ユニット6040と、遊技領域5aの略中央部分に配置され遊技パネル1100に支持される枠状のセンター役物2300と、遊技パネル1100の後側に取付けられる裏ユニット3000と、裏ユニット3000の後側に遊技パネル1100及びセンター役物(枠状装飾体)2300の枠内を通して遊技者側から視認可能に取付けられ所定の演出画像を表示可能な演出表示手段としての液晶表示装置1400と、を主に備えている。
センター役物2300の上部にはロゴを模したロゴ可動役物6200が正面視で右側を中心として遊技盤の中心に向けて反時計方向に往復傾動可能に設けられ、また、センター役物2300の右側には人(ゾンビ)の頭部を模したゾンビ可動役物6201が正面視で遊技パネル1100の右側から中心に向けて直線状に進退可能に設けられている。後述の周辺制御基板は遊技状態に合わせて、可動役物の可動態様を制御する。
図48に示すように、裏ユニット3000は、遊技パネル1100の後側に取付けられており、主に、遊技パネル1100から所定距離後側へ離れた位置に液晶表示装置1400を支持する裏箱3001と、裏箱3001内において、液晶表示装置1400の前方に配置される所定の可動役物を備えて構成されている。裏箱3001の下方には盤用基板ホルダ6023が固定されている。盤用基板ホルダ6023には、その裏面に遊技動作を制御する主制御基板を収納する主制御基板ボックス6024が備えられている。また、裏箱3001の背面には、周辺制御基板が収納される周辺基板ボックス6022が取り付けられている。
図49は、センター役物の正面図、図50は、センター役物等を右前から見た斜視図、図51は、センター役物の背面図である。図52は、センター役物から表面プレートを分解した分解斜視図、図53は、表面プレートを取り外したセンター役物の正面図、図54は、センター役物からアタッカユニットを分解した分解斜視図、図55は、表面プレートおよびアタッカユニットを取り外したセンター役物の正面図、図56は、表面プレートを取り外したセンター役物の斜視図である。図57は、アタッカユニットを取り外したセンター役物の背面図、図58は、アタッカユニットを取り外したセンター役物の斜視図、図59は、アタッカユニットを取り外したセンター役物からハズレ球誘導路カバーを分解した分解斜視図である。図60は、アタッカユニットを取り外したセンター役物からハズレ球誘導路カバーを取り外した背面図である。図61(a)は、アタッカユニットの正面図、(b)は、その背面図、(c)は、その斜視図、図62は、アタッカユニットの分解斜視図である。図63(a)は、アタッカユニットベースの正面図、(b)は、その背面図、(c)は、その右前から見た斜視図、(d)は、その右後から見た斜視図である。図64(a)は、誘導路振分ユニットの正面図、(b)は、その背面図、(c)は、その斜視図である。図65(a)は、右アタッカ開放ユニットの正面図、(b)は、その背面図、(c)は、その斜視図、(d)は、右アタッカ開放ユニットの要部を右前から見た分解斜視図、(e)は、右アタッカ開放ユニットの要部を右後から見た分解斜視図である。図66(a)は、誘導路振分ユニットの正面図、(b)は、(a)のA−A線断面図、図67(a)は、誘導路振分ユニットの側面図、(b)は、(a)のB−B線断面図である。
図49に示すように、パチンコ機1Aにおいては、盤面の幅方向略中央位置であって、高さ方向の中央よりもやや低い位置に、第一始動口2001が設けられている。また、第一始動口2001の直下には、第二始動口2008が設けられている。さらに、第二始動口2008の直下に下大入賞口2003が設けられている。第一始動口2001に遊技球が入球することで、第一特別図柄が変動表示され、第二始動口2008に遊技球が入球することで、第二特別図柄が変動表示される。第一始動口2001は上側が開放されており遊技球が常時受入可能となっている。
第二始動口2008は、左右両側に略直立状態で配置された一対の羽根状の可動片2008A,2008Bによって第一始動口2001との間が閉鎖された状態となっており、図示の状態では第二始動口2008における一対の羽根状の可動片が開放して遊技球が第二始動口2008に受入可能な状態となっている。この第二始動口2008における一対の可動片は、下端側が回動可能に軸支されており、上端側を互いに近接させる方向に回転させて閉塞させることにより、第二始動口2008への遊技球の受入が不能な状態となるようになっている。このように、第二始動口2008は、一対の可動片により可変入賞口となっている。
下大入賞口は、その開口を閉鎖可能な横長矩形状の開閉部材2003によって開閉可能とされている。この開閉部材は、下辺が回動可能に軸支されており、略垂直な状態では下大入賞口2003(説明の都合上、下大入賞口を「2003」とする。)を閉鎖して遊技球を受入不能とすることができるとともに、上辺が前側へ移動するように回動すると下大入賞口2003を開放して遊技球を受入可能とすることができるようになっている。このように、下大入賞口2003は、可変入賞口となっている。遊技盤の右下は、後に説明する右アタッカユニット6900(図61等参照)の領域となっている。これには右大入賞口ソレノイド6923に相当する下大入賞口ソレノイドが設けられている。下大入賞口ソレノイドを作動させることにより、下大入賞口2003を開閉可能とされている。第一始動口2001や第二始動口2008へ遊技球が受入れられる(始動入賞する)ことで行われる特別抽選(大当り抽選)の結果に応じて(特別抽選の結果が「大当り」又は「小当り」の時に)アタッカソレノイドの駆動により、下大入賞口2003、又は、右大入賞口7000が開閉されるようになっている。後述のように、大当り遊技において、下大入賞口2003が開放される複数ラウンドの所定ラウンド間に、右大入賞口7000を開閉するラウンドが一つ又は複数挿入されている。右大入賞口7000が開放されて、右大入賞口に入球した遊技球が、特定領域(後述の確変領域6770)の開放に合わせて上手く特定領域に入ることができれば、遊技機は、大当り遊技の終了後に遊技状態を、一定の変動回数になるまで確率変動状態にする等の所定の遊技利益が発生するようにしている。遊技機は、大当りの抽選結果に基づいて、大入賞口の開放と特定領域の開放とのタイミングを制御することによって、特定領域への遊技球の入球の難易、頻度、確率、期待度、可能性を変えることによって、遊技者に与えられる遊技利益が異なるようになっている。
図49および図50等に示すセンター役物2700は、パネルの略中央を貫通するように大きく形成された開口部に対して、前側から挿入された上で、遊技パネルの前面に固定されるものある。このセンター役物2700は、遊技領域の大半を占める大きさで枠状に形成されている。
センター役物2700を正面視した際における下方位置の上辺には、上段ステージ2701が設けられ、上段ステージ2701の下方には下段ステージ2702が設けられている。下段ステージ2702における幅方向略中央位置には、遊技球誘導溝2703が形成されている。また、センター役物2700における左辺の高さ方向略中央よりやや下の位置には、遊技球が通過可能な開口面積を有するワープ孔2704が形成されており、ワープ孔2704を通過した遊技球は、遊技球排出孔2705から排出される。遊技球排出孔2705から排出された遊技球は、下段ステージ2702へと案内される。
下段ステージ2702に案内された遊技球は、そのほとんどが下段ステージ2702を左右方向に揺動し、遊技球誘導溝2703またはその左右の凹み2703A,2703Bから下方に落下する。遊技球誘導溝2703の下方には、第一始動口2001が配設されており、遊技球誘導溝2703から落下した遊技球は、他の軌道を辿って第一始動口2001に到達した遊技球よりも第一始動口2001への入賞が容易となりやすくされている。
また、遊技球誘導溝2703の左右の凹み2703A,2703Bから落下した遊技球については、遊技球誘導溝2703から落下した遊技球よりは第一始動口2001に入賞しにくい傾向があるものの、その他の軌道を辿って第一始動口2001に到達した遊技球よりも第一始動口2001に入賞し易くなる。このため、概して、ワープ孔2704を通過して下段ステージ2702に案内された遊技球は、下段ステージ2702を通過しない遊技球よりも第一始動口2001への入賞が容易となるようにされている。
さらに、上段ステージ2701には、たとえば第一始動口2001の周囲に設けられた釘(いわゆるジャンプ釘)などによってはねられた遊技球が到達することがある。このジャンプ釘によってはねた遊技球は、下段ステージA3に到達することもあり、この場合にも、遊技球誘導溝2703またはその左右の凹み2703A,2703Bから落下した遊技球が第1始動口2001に入賞し易くなるのは、ワープ孔2704を通過した場合と同様である。
また、センター役物2700における右側には、図52および図53等に示すように、遊技球誘導路ユニット6500が設けられている。遊技球誘導路ユニット6500は、主に中空のチューブの形態に形成された樹脂部製品からなり、遊技領域の右側で上下に亘って遊技パネルに取り付けられている。
遊技球誘導路ユニット6500の開始端6501は遊技領域の右端部の最上部よりもやや低い位置で開放されて構成されており、開始端6501の上方には、小さめの面積の開放領域2005b(図50)が形成されている。この開放領域には、普通ゲート2005aが形成されている。右打ちされて反射板6010b(図47参照)で跳ね返され、遊技領域の右側を流下しようとする遊技球の多くは、開放領域2005bに入り、普通ゲート2005aを通過し、または普通ゲート2005aを通過することなく開始端6501に誘導され、開始端6501から遊技球誘導路ユニット6500内に供給される。遊技球誘導路ユニット6500の開始端6501の下方には、直線部6502が形成されており、開始端6501から供給された遊技球は、直線部6502へと案内される。
図55にも示すように、直線部6502は、比較的長い幅を持ってほぼ垂直に下降した直線状に形成されている。この直線部6502における遊技球誘導路ユニットの前面側には、と同様に、その後面側に向かって突出する、断面半球状の凸状体6502aが複数設けられ、後面部からも前面部に向かって突出する凸状体6502bが設けられている。前面側にある凸状体6502aと後面側にある凸状体6502bは千鳥状に形成されているため、直線部6502内を流下する遊技球は千鳥状に配置された複数の凸状体に順番に接触して前後に短く曲がりながら進むため遊技球の落下速度が緩和され、遊技球の挙動を制御し易くなる。凸状体の前後方向の高さは、遊技球誘導路ユニット6500を通過する遊技球の進行を損なわない範囲で設定されている。なお、遊技球の落下速度を調整するために、一部の凸状体の遊技球の進行方向の幅を、大きくするようにしてもよい。
遊技球誘導路ユニット6500の遊技領域下側領域には、アタッカユニット収容領域6600が形成されている。アタッカユニット収容領域6600における前面には、表面プレート6601が設けられており、図52に示すように、表面プレート6601の裏側には空間部6602が形成されている。表面プレート6601には、意匠が施されたランプ部材が設けられており、この裏側に位置する空間に右アタッカユニット6900(図54)を作動させる図示しないアタッカユニット作動基板が設けられている。
アタッカユニット収容領域6600の上方には、直線部6502に続く屈曲部6503が形成されている。屈曲部6503は、誘導路を右側から左側に屈曲されるように形成されており、その傾斜角度がおよそ30°程度とされている。その下流側の数カ所に直線部6502と同様の凸状体が設けられている。これらの凸状体によっても、遊技球の移動速度を緩和させている。さらに、屈曲部6503の左端における排出部近傍では、その傾斜角度がわずかに大きくされている。
屈曲部6503の排出部の下方には、図55および図56にも示すように、緩傾斜部6504が形成されている。緩傾斜部6504は、その傾斜角度が5°程度とされており、落下する遊技球の速度を低下させながらも、遊技球が滞留しにくくなる角度に設定されている。この緩傾斜部6504の途中位置に、下大入賞口2003に対する右大入賞口7000が形成されており、大入賞口が右アタッカユニット6900における右大入賞口開閉部材6933(図53)によって塞がれている。右アタッカユニット6900については、後にさらに説明する。
緩傾斜部6504の左端部には、排出部6505が設けられている。排出部6505を通過した遊技球は、下大入賞口2003の方向に向けて排出される。遊技球誘導路ユニット6500における、開始端6501、直線部6502、屈曲部6503、緩傾斜部6504、および排出部6505は、いずれも遊技球の直径よりもやや広い幅を有しており、1個の遊技球が余裕を持って通過できる一方で、複数の遊技球が並んで通過することができない幅とされている。このため、開始端6501から遊技球誘導路ユニット6500に導入された遊技球は、その内部に導入された順に、遊技球誘導路ユニット6500内を通過する。
さらに、アタッカユニット収容領域6600においては、緩傾斜部6504における大入賞口の下方には、その一部の下面から下方に向けた落下誘導路6506が形成されている。この落下誘導路6506を通過した遊技球は、後述する誘導路振分部材6923に案内される。落下誘導路6506における上端開口部からなる右大入賞口7000は、通常時は、大入賞口開閉部材6933によって閉塞されており、所定の条件が満たされることで、大入賞口開閉部材6933が移動して落下誘導路6506の上端開口部が開放されて、落下誘導路6506を遊技球が通過可能となり、大入賞口への遊技球の入賞が可能となる。
右大入賞口7000の幅は、遊技球の直径よりやや広めの幅であり、遊技球の直径の2倍より小さい幅とされている。このため、右大入賞口7000に遊技球が入球する際、2個の遊技球が並んで入球することはないようにされており、大入賞口開閉部材6933が開放された状態のときに緩傾斜部6504を通過する遊技球は、右大入賞口7000に整然と並んで誘導されることとなる。
また、右大入賞口7000の下方位置であり、落下誘導路6506の下端部に相当する位置には、遊技球通過口6604が形成されている。落下誘導路6506を通過した遊技口は、遊技球通過口6604を通ってアタッカユニット収容領域の裏側に向けて案内される。
他方、緩傾斜部6504における右方向に延長した位置には、上アウト口6800が設けられている。上アウト口6800は、緩傾斜部6504よりも上方に配置されているため、遊技球は、上アウト口6800には入りにくい構造とされている。さらに、緩傾斜部6504と上アウト口6800との間には、下側から上方に向けた突起部が設けられており、この突起部によって上アウト口6800への遊技球の入球がより困難とされている。
さらに、アタッカユニット収容領域6600における上アウト口6800が形成された位置の背面側には、図59および図60に示すように下方に延在するアウト球誘導路6801が設けられている。アウト球誘導路6801の表面側には、図57および図58に示すように、ハズレ球誘導路カバー6802が取り付けられている。ハズレ球誘導路カバー6802は、アウト球誘導路6801の形状に沿った形状をなしている。ハズレ球誘導路カバー6802でアウト球誘導路801が覆われていることで、アウト球誘導路6801を通過する遊技球がアウト球誘導路801からはみ出さないようにされて、下方に確実に案内される。
また、アタッカユニット収容領域6600の背面側には、図51および図54に示すように、右アタッカユニット6900が設けられている。右アタッカユニット6900は、図61および図62に示すように、アタッカユニットベース6910、誘導路振分ユニット6920、および右アタッカ開放ユニット6930を備えている。
アタッカユニットベース6910は、正面視して略L字形状をなしている。このアタッカユニットベース6910は、その水平部が、高さ方向にある程度の厚みを持ち、その鉛直部が幅方向にある程度の厚みを持った形状に形成されている。また、アタッカユニットベース6910における水平部に誘導路振分ユニット6920が設けられており、鉛直部に右アタッカ開放ユニット6930が設けられている。
さらに、アタッカユニットベース6910には、図63(a)(c)に示すように、その鉛直部における上方位置に、貫通孔6940が形成されている。貫通孔6940は、右大入賞口開閉部材6933の幅よりもわずかに広い幅を有しており、右大入賞口開閉部材6933が出し入れ可能とされている。また、アタッカユニットベース6910の鉛直部における水平部との境目部分の近傍位置に、遊技球が導入可能とされた遊技球導入口6950が形成されている。落下誘導路6506を通過し、遊技球通過口6604を通過した遊技球は、遊技球導入口6950を通過してアタッカユニットベース6910の背面側に誘導される。
また、図63(b)(d)にも示すように、アタッカユニットベース6910における下端部には、通常領域6960および確変領域6970が並設されている。さらに、アタッカユニットベース6910における背面側であって、遊技球導入口6950と通常領域6960または確変領域6970との間には、振分誘導路6980が形成されている。振分誘導路6980に導入された遊技球は、通常領域6960または確変領域6970に振り分けられる。通常領域6960または確変領域6970の上端部には、それぞれ通常領域センサ6991および確変領域センサ6992が設けられている。通常領域6960に誘導される遊技球は通常領域センサ6991によって検出され、確変領域6970に誘導される遊技球は確変領域センサ6992によって検出される。
これらの通常領域6960および確変領域6970は、アタッカユニットベース6910の背面側に配置されており、さらに言えば、アタッカユニット収容領域6600における空間部6602の背面側に配置されている。また、通常領域6960に誘導される遊技球を検出する通常領域センサ6991および確変領域6970に誘導される遊技球を検出する確変領域センサ6992も、アタッカユニットベース6910の背面側、さらには、アタッカユニット収容領域6600における空間部6602の背面側に配置されている。このため、通常領域センサ6991や確変領域センサ6992といった検出部材は、遊技者から遠い位置、具体的には、センター役物におけるアタッカユニット収容領域6600やアタッカユニットベース6910を隔てた位置に配置されている。
誘導路振分ユニット6920は、図64にも示すように、誘導路振分ソレノイド収容ケース6921および誘導路振分ソレノイド6922を備えている。誘導路振分ソレノイド6922は、誘導路振分ユニット6920における背面側に配置されており、誘導路振分ソレノイド収容ケース6921に収容されている。
また、誘導路振分ユニット6920は、誘導路振分部材6923を備えている。誘導路振分部材6923は、図63に示すように、振分誘導路6980に配設されており、遊技球導入口6950を通過してアタッカユニットベース6910の背面側に誘導された遊技球を通常領域6960または確変領域6970に振り分ける。
誘導路振分部材6923は、図示しないリンク機構を介して誘導路振分ソレノイド6922と接続されており、誘導路振分ソレノイド6922を作動させることにより、誘導路振分部材6923の位置が変化する。ここで、誘導路振分部材6923が図67(b)に示す起立状態となっているときには、遊技球導入口6950から導入された遊技球は、通常領域6960に振り分けられる。また、誘導路振分部材6923が図67(b)に示す状態からその先端が左側に揺動して、通常領域6960を塞ぐ傾斜状態となったときには、遊技球導入口6950から導入された遊技球は、確変領域6970に振り分けられる。
誘導路振分部材6923は、起立状態にあるとき、振分誘導路6980から通常領域6960に至るまでの領域から外れた領域において起立しており、傾斜状態となったときに、振分誘導路6980から通常領域6960に至るまでの領域に入り込んで遊技球を確変領域6970に誘導する。このため、起立状態にある誘導路振分部材6923は、振分誘導路6980を通過して通常領域6960に到達する遊技球が触れることがない位置に配置されている。
右アタッカ開放ユニット6930は、図65にも示すように、右大入賞口ソレノイド収容ケース6931および右大入賞口ソレノイド6932を備えている。このうち、右大入賞口ソレノイド収容ケース6931は、右大入賞口ソレノイド収容ケース上部6934および右大入賞口ソレノイド収容ケース下部6935を備えている。右大入賞口ソレノイド6932は、右アタッカ開放ユニット6930における背面側に配置されており、右大入賞口ソレノイド収容ケース6931に収容されている。
また、右アタッカ開放ユニット6930は、右大入賞口開閉部材6933を備えている。右大入賞口開閉部材6933は、図66に示すように、貫通孔6940を介して右アタッカユニット6900の前面側に突出可能とされている。右大入賞口開閉部材6933が突出しているときには、図63等に示すように、右大入賞口開閉部材6933が、遊技球誘導路ユニット6500における緩傾斜部6504の下面と略面一となるようにされている。
このため、右大入賞口開閉部材6933が突出して右大入賞口7000を閉鎖しているときには、緩傾斜部6504を通過する遊技球は、そのまま排出部6505へと移動する。一方、右大入賞口開閉部材6933が引き込まれて右大入賞口7000を開放しているときには、緩傾斜部6504を通過する遊技球は、右大入賞口7000を通過しいて落下誘導路6506へと移動する。ここで、緩傾斜部6504、排出部6505、および右大入賞口7000は、いずれも遊技球の直径よりも少し広い幅を持って形成されている。このため、緩傾斜部6504内を移動する遊技球は、排出部6505および右大入賞口7000の何れに対しても、整然と並んでスムーズに移動することとなる。排出部6505から排出される遊技球は、第二始動口2008に向かって放出される。遊技状態が時短状態である場合には、遊技球を右打ちすることによって、排出部6505から排出される遊技球は、第一始動口2001にほぼ入球されることなく、非時短状態よりも高頻度に開放される第二始動口2008に入球され易くなる。
さらに、右大入賞口開閉部材6933は、図示しないリンク機構を介して右大入賞口ソレノイド6932と接続されており、右大入賞口ソレノイド6932を作動させることにより、右大入賞口開閉部材6933の出し入れが可能とされている。ここで、右大入賞口開閉部材6933が突出しているときには、緩傾斜部6504における大入賞口が閉鎖され、遊技球は排出部6505に案内される。一方、右大入賞口開閉部材6933が引き込まれているときには、緩傾斜部6504における大入賞口が開放され、遊技球は、落下誘導路6506に誘導され、さらには、振分誘導路6980を介して通常領域6960または確変領域6970に振り分けられる。
下大入賞口2003、又は、右大入賞口は、特別抽選の結果が「大当り(特別当り)」の際、条件装置が作動したのちに有効ゲート6010n(図55参照)への遊技球の受け入れがあったことを条件に、アタッカソレノイドの駆動により開閉可能とされる。有効ゲートは、条件装置が作動した後での物連続作動装置を有効にするための特殊ゲートである。有効ゲートは、大当りが当選されたときに、役物連続作動装置が作動するタイミングを遅延させることのできる機能をパチンコ機1に持たせるべく用意されたものである。有効ゲート6010nは直線部6502の終端近傍に設定されている。直線部6502の始端には演出ゲート6011が形成されている。演出ゲート6011を遊技球が通過すると遊技球の通過情報は周辺制御基板(又は主制御基板)に供給され、周辺制御基板は遊技球の演出ゲート6011の通過を契機として、遊技球の右打ちを有効にする遊技状態において液晶表示装置1400を含む演出装置の所定演出情報を形成する。直線部6502内を通過する遊技球は、その落下速度が緩和されることによって、演出ゲート6011を通過してから有効ゲート6010nを通過するまで時間を稼ぐことができる。したがって、その分、周辺制御基板は液晶表示装置等での演出に掛けられる時間に余裕を持つことが出来るため、効果的な演出を遊技者に対して提供することができる。
次に、パチンコ遊技機1の各種制御を行う制御基板について、図68〜図73を参照して説明する。図68は主制御基板、払出制御基板及び周辺制御基板のブロック図であり、図69は図68のつづきを示すブロック図であり、図70は主基板を構成する払出制御基板とCRユニット及び度数表示板との電気的な接続を中継する遊技球等貸出装置接続端子板に入出力される各種検出信号の概略図であり、図71は図68のつづきを示すブロック図であり、図72は周辺制御MPUの概略を示すブロック図であり、図73は液晶及び音制御部における音源内蔵VDP周辺のブロック図である。
パチンコ遊技機1の制御構成は、図68に示すように、主制御基板4100、払出制御基板4110及び周辺制御基板4140から主として構成されており、各種制御が分担されている。まず、主制御基板について説明し、続いて払出制御基板、電源基板、そして周辺制御基板について説明する。
遊技の進行を制御する主制御基板4100は、図68に示すように、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御するとともに電源投入時から所定時間が経過した後に実行されるとともに遊技動作を制御するメイン制御プログラムなどの各種制御プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPU4100aと、各種検出スイッチからの検出信号が入力される主制御入力回路4100bと、各種信号を外部の基板等へ出力するための主制御出力回路4100cと、可動役物用等各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆動回路4100dと、予め定めた電圧の停電又は瞬停の兆候を監視する停電監視回路4100eと、を主として備えている。
主制御MPU4100aには、その内蔵されているRAM(以下、「主制御内蔵RAM」と記載する。)や、その内蔵されているROM(以下、「主制御内蔵ROM」と記載する。)のほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
また、主制御MPU4100aは、不揮発性のRAMが内蔵されている。この不揮発性のRAMには、主制御MPU4100aを製造したメーカによって個体を識別するためのユニークな符号(世界で1つしか存在しない符号)が付された固有のIDコードが予め記憶されている。この一度付されたIDコードは、不揮発性のRAMに記憶されるため、外部装置を用いても書き換えることができない。主制御MPU4100aは、不揮発性のRAMからIDコードを取り出して参照することができる。
主制御入力回路4100bは、その各種入力端子に各種検出スイッチからの検出信号がそれぞれ入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられず、リセット機能を有していない。このため、主制御入力回路4100bは、後述する主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、主制御入力回路4100bは、その各種入力端子に入力されている各種検出スイッチからの検出信号に基づく情報が後述する主制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく各種信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
主制御出力回路4100cは、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されたオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、その各種入力端子に各種信号を外部の基板等へ出力するための各種信号が入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられるリセット機能を有するリセット機能付き主制御出力回路4100caと、リセット端子が設けられていないリセット機能を有しないリセット機能なし主制御出力回路4100cbと、から構成されている。リセット機能付き主制御出力回路4100caは、後述する主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力される回路として構成されている。つまり、リセット機能付き主制御出力回路4100caは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する主制御システムリセットによりリセットされることによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から全く出力されない回路として構成されている。これに対して、リセット機能なし主制御出力回路4100cbは、後述する主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、リセット機能なし主制御出力回路4100cbは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する主制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
第一始動口2001、第二始動口2008夫々に入球した遊技球を検出する始動口スイッチ3022(第一始動口スイッチと第二始動口スイッチとを総称している。)、及び一般入賞口に入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ3020からの検出信号や停電監視回路4100eからの信号は、主制御入力回路4100bを介して主制御MPU4100aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。また、普通ゲート2005a、有効ゲート6010nを通過した遊技球を検出するゲートスイッチ2352(夫々のスイッチを総称している。)、下大入賞口2003に入球した遊技球を検出するカウントスイッチと右大入賞口7000に入球した遊技球を検出するカウントスイッチ(これらスイッチを2110として総称している。)、及び、裏ユニット3000に取り付けられて磁石を用いた不正行為を検出する磁気検出スイッチ3024からの検出信号は、遊技盤5に取り付けられたパネル中継端子板4161、そして主制御入力回路4100bを介して主制御MPU4100aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。図68には図示しないが、通常領域センサ6991および確変領域センサ6992からの検出信号についても同様である。
主制御MPU4100aは、これらの各スイッチからの検出信号に基づいて、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路4100caに駆動信号を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路4100caから主制御ソレノイド駆動回路4100dに制御信号を出力し、主制御ソレノイド駆動回路4100dからパネル中継端子板4161を介して始動口ソレノイド(可動片2008a,b駆動用ソレノイド)2105及びアタッカソレノイド2108、誘導路振分ソレノイド6922、右大入賞口ソレノイド6932に駆動信号を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路4100caに駆動信号を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路4100caからパネル中継端子板4161、そして機能表示基板1191を介して第一特別図柄表示器1185、第二特別図柄表示器1186、第一特別図柄記憶表示器1184、第二特別図柄記憶表示器1187、普通図柄表示器1189、普通図柄記憶表示器1188、遊技状態表示器1183、及びラウンド表示器1190に駆動信号を出力したりする。
また、主制御MPU4100aは、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路4100caに遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路4100caから払出制御基板4110に各種情報(遊技情報)を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路4100caに信号(停電クリア信号)を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路4100caから停電監視回路4100eに信号(停電クリア信号)を出力したりする。
なお、本実施形態おいて、始動口スイッチ3022、ゲートスイッチ2352、及び、カウントスイッチ2110等には、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いているのに対して、一般入賞口スイッチ3020には、接触タイプのON/OFF動作式のメカニカルスイッチを用いている。これは、遊技球が第一始動口2001や第二始動口2008に頻繁に入球するし、ゲートも頻繁に通過するため、始動口スイッチ3022、及び、ゲートスイッチ2352による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、始動口スイッチ3022、及びゲートスイッチ2352には、寿命の長い近接スイッチを用いている。また、遊技者にとって有利となる大当り遊技状態が発生すると、大入賞口2003,7000が開放されて遊技球が頻繁に入球するため、カウントスイッチ2110による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、カウントスイッチ2110にも、寿命の長い近接スイッチを用いている。センサ6991,699のスイッチについても同様である。これに対して、遊技球が頻繁に入球しない一般入賞口には、一般入賞口スイッチによる検出も頻繁に発生しない。このため、一般入賞口スイッチには、近接スイッチより寿命が短いメカニカルスイッチを用いている。
また、主制御MPU4100aは、その所定のシリアル出力ポートの出力端子からリセット機能なし主制御出力回路4100cbに払い出しに関する各種コマンドをシリアルデータとして送信することにより、リセット機能なし主制御出力回路4100cbから払出制御基板4110に各種コマンドをシリアルデータとして送信する。払出制御基板4110は、主制御基板4100からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(払主ACK信号)を主制御基板4100に出力する。この信号(払主ACK信号)が主制御入力回路4100bを介して主制御MPU4100aの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。
また、主制御MPU4100aは、払出制御基板4110からのパチンコ遊技機1の状態に関する各種コマンドをシリアルデータとして主制御入力回路4100bで受信することにより、主制御入力回路4100bからその所定のシリアル入力ポートの入力端子で各種コマンドをシリアルデータとして受信する。主制御MPU4100aは、払出制御基板4110からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(主払ACK信号)を、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路4100caに出力し、リセット機能付き主制御出力回路4100caから払出制御基板4110に信号(主払ACK信号)を出力する。
また、主制御MPU4100aは、その所定のシリアル出力ポートの出力端子からリセット機能なし主制御出力回路4100cbに遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ遊技機1の状態に関する各種コマンドをシリアルデータとして送信することにより、リセット機能なし主制御出力回路4100cbから周辺制御基板4140に各種コマンドをシリアルデータとして送信する。
ここで、周辺制御基板4140へ各種コマンドをシリアルデータとして送信する主周シリアル送信ポートについて簡単に説明する。主制御MPU4100aは、主制御CPUコア4100aaを中心として構成されており、主制御内蔵RAMのほかに、主制御各種シリアルI/Oポートの1つである主周シリアル送信ポート4100ae等がバス4100ahを介して回路接続されている(図78を参照)。主周シリアル送信ポート4100aeは、周辺制御基板4140へ各種コマンドを主周シリアルデータとして送信するものであり、送信シフトレジスタ4100aea、送信バッファレジスタ4100aeb、シリアル管理部4100aec等を主として構成されている(図78を参照)。主制御CPUコア4100aaは、コマンドを送信バッファレジスタ4100aebにセットして送信開始信号をシリアル管理部4100aecに出力すると、このシリアル管理部4100aecが送信バッファレジスタ4100aebにセットされたコマンドを送信バッファレジスタ4100aebから送信シフトレジスタ4100aeaに転送して主周シリアルデータとして周辺制御基板4140に送信開始する。本実施形態では、送信バッファレジスタ4100aebの記憶容量として32バイトを有している。主制御CPUコア4100aaは、送信バッファレジスタ4100aebに複数のコマンドをセットした後にシリアル管理部4100aecに送信開始信号を出力することによって複数のコマンドを連続的に周辺制御基板4140に送信している。
なお、主制御基板4100に各種電圧を供給する電源基板851は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板4100に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)BC0(図74を参照)を備えている。このキャパシタBC0により主制御MPU4100aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を主制御内蔵RAMに記憶することができるようになっている。主制御内蔵RAMに記憶される各種情報は、電源投入時から予め定めた期間内に後述する払出制御基板4110の操作スイッチ860aが操作されると、操作スイッチ860aからの操作信号(RAMクリア信号)が払出制御基板4110から出力され、主制御入力回路4100bを介して、主制御MPU4100aの所定の入力ポートの入力端子に入力され、これを契機として、主制御MPU4100aによって主制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)されるようになっている。
遊技球の払い出し等を制御する払出制御基板4110は、図69に示すように、払い出しに関する各種制御を行う払出制御部4120と、各種機能を兼用する操作スイッチ860aと、パチンコ遊技機1の状態を表示するエラーLED表示器860bと、を備えている。また、RAMクリアスイッチとしての機能を兼ね備える操作スイッチ860aは、操作されることによって出力された検出信号に基づいて、主制御MPU4100aに内蔵されているRAM(以下、「主制御内蔵RAM」と記載する。)に記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリア信号を出力する。
払い出しに関する各種制御を行う払出制御部4120は、図69に示すように、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御するとともに電源投入時から所定時間が経過した後に実行される遊技媒体の払出動作を制御する払出制御プログラムを含む各種制御プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである払出制御MPU4120aと、払い出しに関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される払出制御入力回路4120bと、各種信号を外部の基板等へ出力するための払出制御出力回路4120cと、払出モータ744に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路4120dと、CRユニット6との各種信号をやり取りするためのCRユニット入出力回路4120eと、を備えている。払出制御MPU4120aには、その内蔵されているRAM(以下、「払出制御内蔵RAM」と記載する。)や、その内蔵されているROM(以下、「払出制御内蔵ROM」と記載する。)のほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
払出制御プログラムは、払出制御MPU4120aの制御によって、主制御基板4100からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンドをそれぞれ払出制御I/Oポート4120bを介して払主シリアルデータ送信信号としてシリアル方式でシリアルデータを受信する。また、払出制御プログラムは、遊技球の払出動作にエラーが発生したことを契機として枠状態1コマンド(第1のエラー発生コマンドに相当)を生成したり、エラー解除部としての操作スイッチ860aの操作信号(検出信号)に基づいて16ビット(2バイト)のエラー解除ナビコマンド(第1のエラー解除コマンドに相当)を作成し、これらエラー発生コマンド及びエラー解除ナビコマンドをそれぞれ、払主シリアルデータ送信信号としてシリアル方式のシリアルデータとして、払出制御I/Oポート4120bを介して主制御基板4100の受信ポートに対して出力する(コマンド送信手段)。また、この払出制御プログラムは、電源投入時から所定時間が経過した後、即ち、払出制御部メイン処理が実行されたり払出制御部タイマ割り込み処理が実行されて払出制御が開始された後に、その払出動作に関してエラーが発生した場合、操作スイッチ860aの操作に伴って発生した検出信号に基づいて当該エラーを解除するとともに当該エラーに応じた警告情報の出力などを停止させる(エラー解除制御手段)。
また、この払出制御プログラムは、扉枠開放スイッチ618からその開放操作に伴う検出信号(扉枠開放検出信号)が入力されると扉枠開放コマンドの(第1の扉枠開放コマンド)を出力するともに、本体枠開放スイッチ619からその開放操作に伴う検出信号(本体枠開放検出信号)が入力されると本体枠開放コマンド(第1の本体枠開放コマンド)を出力する。一方、また、この払出制御プログラムは、扉枠開放スイッチ618からその閉鎖操作に伴う検出信号(扉枠閉鎖検出信号)が入力されると扉枠閉鎖コマンド(第1の扉枠閉鎖コマンド)のを出力するともに、本体枠開放スイッチ619からその閉鎖操作に伴う検出信号(本体枠閉鎖検出信号)が入力されると本体枠閉鎖コマンド(第1の本体枠閉鎖コマンド)を出力する。
払出制御入力回路4120bは、その各種入力端子に各種検出スイッチからの検出信号がそれぞれ入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられず、リセット機能を有していない。このため、払出制御入力回路4120bは、後述する払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、払出制御入力回路4120bは、その各種入力端子に入力されている各種検出スイッチからの検出信号に基づく情報が後述する払出制御システムリセットによりリセ
ットされないことによって、その情報に基づく各種信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
払出制御出力回路4120cは、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されたオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、その各種入力端子に各種信号を外部の基板等へ出力するための各種信号が入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられるリセット機能を有するリセット機能付き払出制御出力回路4120caと、リセット端子が設けられていないリセット機能を有しないリセット機能なし払出制御出力回路4120cbと、から構成されている。リセット機能付き払出制御出力回路4120caは、後述する払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力される回路として構成されている。つまり、リセット機能付き払出制御出力回路4120caは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する払出制御システムリセットによりリセットされることによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から全く出力されない回路として構成されている。これに対して、リセット機能なし払出制御出力回路4120cbは、後述する払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、リセット機能なし払出制御出力回路4120cbは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する払出制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
賞球装置の供給通路内に遊技球の有無を検出する球切れスイッチ750、及び賞球装置の賞球通路内を流下する遊技球を検出する計数スイッチ751からの検出信号は、まず賞球装置の賞球ケース内基板、そして払出制御入力回路4120bを介して払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。賞球装置の回転検出盤に形成された検出スリットを検出するための回転角スイッチ752からの検出信号は、まず賞球装置の回転角スイッチ基板753、そして賞球ケース内基板、そして払出制御入力回路4120bを介して払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
また、本体枠に対する扉枠の開放を検出する扉枠開放スイッチ618、及び外枠に対する本体枠の開放を検出する本体枠開放スイッチ619からの検出信号は、払出制御入力回路4120bを介して払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
また、満タンスイッチ550からの検出信号は、まずハンドル中継端子板192、電源基板851、そして払出制御入力回路4120bを介して払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
払出制御MPU4120aは、主制御基板4100からの払い出しに関する各種コマンドを、払出制御入力回路4120bを介して、そのシリアル入力ポートの入力端子でシリアルデータ方式で受信したり、操作スイッチ860aの操作信号(検出信号)を、払出制御入力回路4120bを介して主制御基板4100に対して出力する。払出制御MPU4120aは、主制御基板4100からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(払主ACK信号)を、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路4120caから主制御基板4100に信号(払主ACK信号)を出力する。
また、払出制御MPU4120aは、そのシリアル出力ポートの出力端子から、パチンコ遊技機1の状態を示すための各種コマンドをシリアルデータとしてリセット機能なし払出制御出力回路4120cbに送信することにより、リセット機能なし払出制御出力回路4120cbから主制御基板4100に各種コマンドをシリアルデータとして送信する。主制御基板4100は、払出制御基板4110からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(主払ACK信号)を払出制御基板4110に出力する。この信号(主払ACK信号)が払出制御入力回路4120bを介して払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。
また、払出制御MPU4120aは、その所定の出力ポートの出力端子から、払出モータを駆動するための駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路4120caから駆動信号を払出モータ駆動回路に出力し、払出モータ駆動回路から駆動信号を、賞球ケース内基板を介して払出モータに出力したり、その所定の出力ポートの出力端子から、パチンコ遊技機1の状態をエラーLED表示器860bに表示するための駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路4120caから駆動信号をエラーLED表示器860bに出力したりする。
エラーLED表示器860bは、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示してパチンコ遊技機1の状態を表示している。エラーLED表示器860bが表示して報知する内容としては、次のようなものがある。例えば、図形「−」が表示されているときには「正常」である旨を報知し、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨(具体的には、主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間において電気的な接続に異常が生じている旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨(具体的には、球切れスイッチ750からの検出信号に基づいて賞球装置740の供給通路内に遊技球がない旨)を報知し、数字「2」が表示されているときには「球がみ」である旨(具体的には、回転角スイッチ752からの検出信号に基づいて賞球装置740の供給通路と連通する振分空間の入り口において払出回転体と遊技球とがその入り口近傍でかみ合って払出回転体が回転困難となっている旨)を報知し、数字「3」が表示されているときには「計数スイッチエラー」である旨(具体的には、計数スイッチ751からの検出信号に基づいて計数スイッチ751に不具合が生じている旨)を報知し、数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨(具体的には、払い出し動作のリトライ回数が予め設定された上限値に達した旨)を報知し、数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨(具体的には、満タンスイッチ550からの検出信号に基づいて貯留された遊技球で満タンである旨)を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨(払出制御基板4110からCRユニット6までに亘るいずれかにおいて電気的な接続が切断されている旨)を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中(賞球ストック(未払出)あり)」である旨(具体的には、まだ払い出していない遊技球の球数が予め定めた球数に達している旨)を報知している。
また、払出制御MPU4120aは、その所定の出力ポートの出力端子から、実際に払い出した遊技球の球数等をリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路4120caから図示しない抵抗を介して外部端子板784に実際に払い出した遊技球の球数等を出力したりする。
また、払出制御基板4110は、主制御基板4100からの遊技に関する各種情報(遊技情報)を図示しない抵抗を介して外部端子板に出力している。外部端子板は、図示しない複数のフォトカプラ(赤外LEDとフォトICとが内蔵されて構成されている。)が設けられており、これらの複数のフォトカプラを介して、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータに遊技球の球数等及び各種情報(遊技情報、遊技球の払出動作に関するエラー内容或いはエラーがあった旨)をそれぞれ伝えるようになっている。外部端子板とホールコンピュータとは、複数のフォトカプラにより電気的に絶縁された状態となっており、パチンコ遊技機1の外部端子板を経由してホールコンピュータへ異常な電圧が印加されてホールコンピュータが誤動作したり故障したりしないようになっているし、ホールコンピュータからパチンコ遊技機1の外部端子板を経由して遊技を進行する主制御基板4100や払出等を制御する払出制御基板4110に異常な電圧が印加されて誤動作したり故障したりしなしようになっている。ホールコンピュータは、パチンコ遊技機1が払い出した遊技球の球数等やパチンコ遊技機1の遊技情報を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
球貸スイッチ365aからの遊技球の球貸要求信号、及び返却スイッチ365bからのプリペイドカードの返却要求信号は、まず度数表示板365、主扉中継端子板880、そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力されるようになっている。CRユニット6は、球貸要求信号に従って貸し出す遊技球の球数を指定した信号を、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して払出制御基板4110にシリアル方式で送信し、この信号がCRユニット入出力回路4120eを介して払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。また、CRユニット6は、貸し出した遊技球の球数に応じて挿入されたプリペイドカードの残度を更新するとともに、その残度を残度数表示器365cに表示するための信号を、遊技球等貸出装置接続端子板869、主扉中継端子板880、そして度数表示板365に出力し、この信号が残度数表示器365cに入力されるようになっている。また、残度数表示器365cに隣接するCRユニットランプ365dは、CRユニット6からの供給電圧が遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して入力されるようになっている。
なお、払出制御基板4110に各種電圧を供給する電源基板851は、電源遮断時にでも所定時間、払出制御基板4110に電力を供給するためのバックアップ電源としてのキャパシタBC1(図74を参照)を備えている。このキャパシタBC1により払出制御MPU4120aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を払出制御内蔵RAM(払出記憶部)に記憶することができるようになっている。払出制御内蔵RAMに記憶される各種情報は、電源投入時から予め定めた期間内に操作スイッチ860aが操作されると、その操作信号が払出制御入力回路4120bを介して、払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力され、払出制御MPU4120aは払出制御内蔵RAMに記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリア信号として判断し、これを契機として、払出制御MPU4120aによって払出制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)されるようになっている。この操作信号(RAMクリア信号)は、リセット機能なし払出制御出力回路4120cbに出力され、リセット機能なし払出制御出力回路4120cbから主制御基板4100に出力されるようにもなっている。
ここで、払出制御部4120とCRユニット6とにおける各種信号のやり取り、及びCRユニット6と度数表示板365とにおける各種信号のやり取りについて、図70に基づいて説明する。遊技球等貸出装置接続端子板869は、CRユニット6と払出制御基板4110との基板間の電気的な接続を中継するほかに、CRユニット6と度数表示板365との基板間の電気的な接続も中継している(正確には、遊技球等貸出装置接続端子板869は、主扉中継端子板880を介して度数表示板365と電気的に接続されており、CRユニット6と遊技球等貸出装置接続端子板869とが電気的に接続され、遊技球等貸出装置接続端子板869と主扉中継端子板880とが電気的に接続され、そして主扉中継端子板880と度数表示板365とが電気的に接続されている)。CRユニット6と遊技球等貸出装置接続端子板869との基板間、遊技球等貸出装置接続端子板869と払出制御基板4110との基板間、遊技球等貸出装置接続端子板869と主扉中継端子板880との基板間、及び遊技球等貸出装置接続端子板869と度数表示板365との基板間は、各配線(ハーネス)によって電気的にそれぞれ接続されている。また、電源基板851からの後述するAC24Vが遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に供給されている。CRユニット6は、この供給されたAC24Vから所定電圧VL(本実施形態では、直流+12V(DC+12V、以下「+12V」記載する。))を、内蔵する図示しない電圧作成回路により作成してグランドLGとともに、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して払出制御基板4110に供給する一方、遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して度数表示板365に供給している。
度数表示板365にはスイッチ365aと返却スイッチ365bが実装され、また、セグメント表示器である残度数表示器365cが実装されている。
球貸スイッチ365a及び返却スイッチ365bは、CRユニット6からのグランドLGが遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して電気的に接続されている。球貸スイッチ365aは、貸球ボタン361が押圧操作されると、球貸スイッチ365aのスイッチが入り(ONし)、球貸スイッチ365aからの球貸操作信号TDSが主扉中継端子板880そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力されるようになっている。返却スイッチ365bは、返却ボタン362が押圧操作されると、返却スイッチ365bのスイッチが入り(ONし)、返却スイッチ365bからの返却操作信号RESが主扉中継端子板880そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力されるようになっている。
残度数表示器365cは、セグメント表示器が3個一列に並設されたものであり、これら3桁のセグメント表示器のうち1桁のセグメント表示器ずつ順次駆動する、いわゆるダイナミック点灯方式によって3桁のセグメント表示器が点灯制御されるようになっている。このような点灯制御によって、残度数表示器365cは、CRユニット6に挿入されたプリペイドカードの残額を表示したり、CRユニット6のエラーを表示したりする。残度数表示器365cは、3桁のセグメント表示器のうち1桁のセグメント表示器を指定するためのデジット信号DG0〜DG2(計3本の信号)と、この指定した1桁のセグメント表示器を点灯させて表示させる内容を指定するためのセグメント駆動信号SEG−A〜SEG−G(計7本の信号)と、がCRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して入力されると、この入力された、デジット信号DG0〜DG2及びセグメント駆動信号SEG−A〜SEG−Gに従って1桁のセグメント表示器が順次発光され、これらの3桁のセグメント表示器の発光による内容が貸出残表示部363を通して視認することができるようになっている。
なお、残度数表示器365cに隣接してCRユニットランプ365dが度数表示板365に実装されている。このCRユニットランプ365dは、CRユニット6からの所定電圧VLが遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して入力されている。所定電圧VLは、CRユニットランプ365dを介して遊技球等貸出装置接続端子板869に実装された電流制限抵抗を通って球貸可能信号TDLとしてCRユニット6に入力されている。CRユニット6は、内蔵する電圧作成回路で電源基板851から供給されたAC24Vから所定電圧VLを作成しており、球貸スイッチ365a及び返却スイッチ365bが有効である球貸可能な状態である場合には球貸可能信号TDLの論理を制御してCRユニットランプ365dを発光させ、この発光が貸出残表示部363を通して視認することができるようになっている。また、セグメント駆動信号SEG−A〜SEG−Gは、遊技球等貸出装置接続端子板869に実装された電流制限抵抗を通って残度数表示器365cに入力されている。
CRユニット6は、貸球ボタンが押圧操作されて球貸スイッチ365aからの球貸操作信号TDSが度数表示板365から主扉中継端子板880そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介して入力されると、貸球要求信号であるBRDYを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板4110(払出制御MPU4120a)に出力するようになっている。そしてCRユニット6は、1回の払出動作で所定の貸球数(本実施形態では、25球であり、金額として100円に相当する。)を払い出すための1回の払出動作開始要求信号であるBRQを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板4110(払出制御MPU4120a)に出力するようになっている。BRDY及びBRQが入力される払出制御基板4110(払出制御MPU4120a)は、1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるための信号であるEXSを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力したり、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨又は不可能である旨を伝えるための信号であるPRDYを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力したりする。なお、例えば、貸球ボタン361が押圧操作されると、200円分の遊技球が払い出されるように、ホールの店員等がCRユニット6に予め設定している場合には、1回の払出動作が連続して2回行われるようになっており、100円分の25球が払い出されると、続けて100円分の25球が払い出され、計200円分の50球が払い出されることとなる。
CRユニット6は、返却ボタン362が押圧操作されて返却スイッチ365bからの返却操作信号RESが度数表示板365から主扉中継端子板880そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介して入力されると、プリペイドカードを図示しない挿入口から排出して返却するようになっている。この返却されたプリペイドカードは、貸球ボタン361が押圧操作された結果、払い出された遊技球の球数に相当する金額が減算された残額が記憶されている。
次に、電源基板851について簡単に説明する。電源基板851は、パチンコ島設備から供給され交流24ボルト(AC24V)を電気的に接続したり、電気的に遮断したりすることができる電源スイッチ852と、各種電源を生成する電源制御部855と、打球発射装置の発射ソレノイドによる発射制御及び球送ソレノイドによる球送制御を行う発射制御部と、を備えている。
電源制御部855は、電源スイッチ852が操作されてパチンコ島設備から供給される交流24ボルト(AC24V)を整流する同期整流回路855aと、同期整流回路855aで整流された電力の力率を改善する力率改善回路855bと、力率改善回路855bで力率が改善された電力を平滑化する平滑化回路855cと、平滑化回路855cで平滑化された電力から各種基板に供給するための各種直流電源を作成する電源作成回路855dと、を備えている。
発射ソレノイドによる発射制御と、球送による球送制御と、を行う発射制御部857は、発射制御回路857aを主として構成されている。発射制御回路857aは、遊技球を遊技領域5aに向かって打ち出す強度(発射強度)を電気的に調節するポテンショメータ512からの操作信号と、手のひらや指が触れているか否かを検出するタッチスイッチ516からの検出信号と、遊技者の意志によって遊技球の打ち出し(発射)を強制的に停止するか否かを検出する発射停止スイッチ518からの検出信号と、がハンドル中継端子板192を介して、入力されている。また、発射制御回路857aは、CRユニット6と遊技球等貸出装置接続端子板869とが電気的に接続されると、その旨を伝えるCR接続信号が払出制御基板4110を介して入力されている。
発射制御回路857aは、ポテンショメータ512からの操作信号に基づいて遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す(発射する)ための駆動電流を調整して発射ソレノイド654に出力する制御を行っている。
周辺制御基板4140は、図71に示すように、主制御基板4100からの各種コマンドに基づいて演出制御を行う周辺制御部4150と、遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244の描画制御を行うとともにタッチパネル246の接触状態の検知制御を行う一方、本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れる音楽や効果音等の音制御を行う液晶及び音制御部4160と、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを保持するリアルタイムクロック(以下、「RTC」と記載する。)制御部4165と、本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れる音楽や効果音等の音量を、つまみ部を回動操作することにより調節する音量調整ボリュームと、を備えている。
演出制御を行う周辺制御部4150は、図71に示すように、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPU4150aと、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御するとともに電源投入時から所定時間が経過した後に実行されるとともに演出動作を制御するサブ制御プログラムなどの各種制御プログラム、各種データ、各種制御データ及び各種スケジュールデータを記憶する周辺制御ROM4150bと、後述する液晶及び音制御部4160の音源内蔵VDP4160aからのVブランク信号が入力されるごとに実行される周辺制御部定常処理をまたいで継続される各種情報(例えば、遊技盤側液晶表示装置1400に描画する画面を規定するスケジュールデータや各種LED等の発光態様を規定するスケジュールデータなどを管理するための情報など)を記憶する周辺制御RAM4150cと、日をまたいで継続される各種情報(例えば、大当り遊技状態が発生した履歴を管理するための情報や特別な演出フラグの管理するための情報など)を記憶する周辺制御SRAM4150dと、周辺制御MPU4150aが正常に動作しているか否かを監視するための周辺制御外部ウォッチドックタイマ4150e(以下、「周辺制御外部WDT4150e」と記載する。)と、を備えている。また、周辺制御部4150は、演出ゲート6011のスイッチによる遊技球の通過情報や、演出ボタン257等演出操作手段の操作の入力情報を受けて演出動作を制御している。
周辺制御RAM4150cは、瞬停が発生して電力がすぐ復帰する程度の時間しか記憶された内容を保持することができず、電力が長時間遮断された状態(長時間の電断が発生した場合)ではその内容を失うのに対して、周辺制御SRAM4150dは、電源基板に設けられた大容量の電解コンデンサ(以下、「SRAM用電解コンデンサ」と記載する。)によりバックアップ電源が供給されることにより、記憶された内容を50時間程度、保持することができるようになっている。電源基板にSRAM用電解コンデンサが設けられることにより、遊技盤5をパチンコ遊技機1から取り外した場合には、周辺制御SRAM4150dにバックアップ電源が供給されなくなるため、周辺制御SRAM4150dは、記憶された内容を保持することができなくなってその内容を失う。
周辺制御外部WDT4150eは、周辺制御MPU4150aのシステムが暴走していないかを監視するためのタイマであり、このタイマがタイマアップすると、ハードウェア的にリセットをかけるようになっている。つまり、周辺制御MPU4150aは、一定期間内(タイマがタイマアップするまで)に周辺制御外部WDT4150eのタイマをクリアするクリア信号を周辺制御外部WDT4150eに出力しないときには、リセットがかかることとなる。周辺制御MPU4150aは、一定期間内にクリア信号を周辺制御外部WDT4150eに出力するときには、周辺制御外部WDT4150eのタイマカウントを再スタートさせることができるため、リセットがかからない。
周辺制御MPU4150aは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数内蔵しており、主制御基板4100からの各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、遊技盤4の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをランプ駆動基板用シリアルI/Oポートから図示しない周辺制御出力回路を介してランプ駆動基板4170に送信したり、遊技盤4に設けた各種可動体を作動させるモータやソレノイド等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための遊技盤側モータ駆動データをモータ駆動基板用シリアルI/Oポートから周辺制御出力回路を介してモータ駆動基板4180に送信したり、扉枠に設けたダイヤル駆動モータ等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための扉側モータ駆動データを枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートから周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板、そして周辺扉中継端子板を介して枠装飾駆動アンプ基板に送信したり、扉枠の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データを枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートから周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板、そして周辺扉中継端子板を介して枠装飾駆動アンプ基板に送信したりする。
主制御基板4100からの各種コマンドは、図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御MPU4150aの主制御基板用シリアルI/Oポートに入力されている。また、操作ユニット400に設けられた、ダイヤル操作部の回転(回転方向)を検出するための回転検出スイッチからの検出信号、及び押圧操作部の操作を検出するための押圧検出スイッチからの検出信号は、枠装飾駆動アンプ基板に設けた図示しない扉側シリアル送信回路でシリアル化され、このシリアル化された操作ユニット検出データが扉側シリアル送信回路から、周辺扉中継端子板、枠周辺中継端子板、そして周辺制御入力回路を介して、周辺制御MPU4150aの操作ユニット検出用シリアルI/Oポートに入力されている。
遊技盤5に設けた各種可動体(可動役物)の原位置や可動位置等を検出するための各種検出スイッチ(例えば、フォトセンサなど)からの検出信号、さらに、演出ゲート6011のゲートスイッチからの検出信号、演出ボタン等の押圧スイッチからの検出信号は、モータ駆動基板4180等に設けた図示しない遊技盤側シリアル送信回路でシリアル化され、このシリアル化された検出データが遊技盤側シリアル送信回路から周辺制御入力回路を介して、周辺制御MPU4150aのモータ駆動基板用シリアルI/Oポートに入力されている。周辺制御MPU4150aは、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの入出力を切り替えることにより周辺制御基板4140とモータ駆動基板4180との基板間における各種データのやり取りを行うようになっている。
なお、周辺制御MPU4150aは、ウォッチドックタイマを内蔵(以下、「周辺制御内蔵WDT」と記載する。)しており、周辺制御内蔵WDTと周辺制御外部WDT4150eとを併用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
次に、マイクロコンピュータである周辺制御MPU4150aについて説明する。周辺制御MPU4150aは、図72に示すように、周辺制御CPUコア4150aaを中心として、周辺制御内蔵RAM4150ab、周辺制御DMA(Direct Memory Accessの略)コントローラ4150ac、周辺制御バスコントローラ4150ad、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御アナログ/デジタルコンバータ(以下、周辺制御A/Dコンバータと記載する)4150ak等から構成されている。
周辺制御CPUコア4150aaは、周辺制御内蔵RAM4150ab、周辺制御DMAコントローラ4150acに対して、内部バス4150ahを介して、各種データを読み書きする一方、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御A/Dコンバータ4150akに対して、内部バス4150ah、周辺制御バスコントローラ4150ad、そして周辺バス4150aiを介して、各種データを読み書きする。
また、周辺制御CPUコア4150aaは、周辺制御ROM4150bに対して、内部バス4150ah、周辺制御バスコントローラ4150ad、そして外部バス4150hを介して、各種データを読み込む一方、周辺制御RAM4150c、及び周辺制御SRAM4150dに対して、内部バス4150ah、周辺制御バスコントローラ4150ad、そして外部バス4150hを介して、各種データを読み書きする。
周辺制御DMAコントローラ4150acは、周辺制御内蔵RAM4150ab、周辺制御ROM4150b、周辺制御RAM4150c、及び周辺制御SRAM4150d等の記憶装置と、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御A/Dコンバータ4150ak等の入出力装置と、の装置間において、周辺制御CPUコア4150aaを介すことなく、独立してデータ転送を行う専用のコントローラであり、DMA0〜DMA3という4つのチャンネルを有している。
具体的には、周辺制御DMAコントローラ4150acは、周辺制御MPU4150aに内蔵される周辺制御内蔵RAM4150abの記憶装置と、周辺制御MPU4150aに内蔵される、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御A/Dコンバータ4150ak等の入出力装置と、の装置間において、周辺制御CPUコア4150aaを介すことなく、独立してデータ転送を行うために、周辺制御内蔵RAM4150abの記憶装置に対して、内部バス4150ahを介して、読み書きする一方、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御A/Dコンバータ4150ak等の入出力装置に対して、周辺制御バスコントローラ4150ad及び周辺バス4150aiを介して、読み書きする。
また、周辺制御DMAコントローラ4150acは、周辺制御MPU4150aに外付けされる、周辺制御ROM4150b、周辺制御RAM4150c、及び周辺制御SRAM4150d等の記憶装置と、周辺制御MPU4150aに内蔵される、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御A/Dコンバータ4150ak等の入出力装置と、の装置間において、周辺制御CPUコア4150aaを介すことなく、独立してデータ転送を行うために、周辺制御ROM4150b、周辺制御RAM4150c、及び周辺制御SRAM4150d等の記憶装置に対して、周辺制御バスコントローラ4150ad及び外部バス4150hを介して、読み書きする一方、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御A/Dコンバータ4150ak等の入出力装置に対して、周辺制御バスコントローラ4150ad及び周辺バス4150aiを介して、読み書きする。
周辺制御バスコントローラ4150adは、内部バス4150ah、周辺バス4150ai、及び外部バス4150hをコントロールして周辺制御MPUコア4150aaの中央処理装置と、周辺制御内蔵RAM4150ab、周辺制御ROM4150b、周辺制御RAM4150c、及び周辺制御SRAM4150d等の記憶装置と、周辺制御各種シリアルI/Oポート4150ae、周辺制御内蔵WDT4150af、周辺制御各種パラレルI/Oポート4150ag、及び周辺制御A/Dコンバータ4150ak等の入出力装置と、の各種装置間において、各種データのやり取りを行う専用のコントローラである。
周辺制御各種シリアルI/Oポート4150aeは、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポート、モータ駆動基板用シリアルI/Oポート、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポート、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポート、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポート、主制御基板用シリアルI/Oポート、及び操作ユニット情報取得用シリアルI/Oポートを有している。
周辺制御内蔵ウォッチドックタイマ(周辺制御内蔵WDT)4150afは、周辺制御MPU4150aのシステムが暴走していないかを監視するためのタイマであり、このタイマがタイマアップすると、ハードウェア的にリセットをかけるようになっている。つまり、周辺制御CPUコア4150aaは、ウォッチドックタイマをスタートさせた場合には、一定期間内(タイマがタイマアップするまで)にそのタイマをクリアするクリア信号を周辺制御内蔵WDT4150afに出力しないときには、リセットがかかることとなる。周辺制御CPUコア4150aaは、ウォッチドックタイマをスタートさせて一定期間内にクリア信号を周辺制御内蔵WDT4150afに出力するときには、タイマカウントを再スタートさせることができるため、リセットがかからない。
周辺制御各種パラレルI/Oポート4150agは、遊技盤側モータ駆動ラッチ信号、扉側モータ駆動発光ラッチ信号等の各種ラッチ信号を出力するほかに、周辺制御外部WDT4150eにクリア信号を出力したり、遊技盤4に設けた各種可動体の原位置や可動位置等を検出するための各種検出スイッチからの検出信号をモータ駆動基板4180に設けた図示しない遊技盤側シリアル送信回路でシリアル化して、このシリアル化された可動体検出データを遊技盤側シリアル送信回路から周辺制御MPU4150aのモータ駆動基板用シリアルI/Oポートで受信するための可動体情報取得ラッチ信号を出力したり、扉枠5における上部装飾ユニットの上部装飾基板に実装されたLEDの点灯信号を出力したりする。このLEDは、高輝度の白色LEDであり、大当り遊技状態の発生が確定している旨を伝えるための確定告知ランプとなっている。本実施形態では、LEDと周辺制御各種パラレルI/Oポート4150agとが電気的に直接接続された構成を採用することにより、LEDと周辺制御各種パラレルI/Oポート4150agとの経路を短くすることで遊技上重量な意味を持つLEDの点灯制御についてノイズ対策を講ずることができる。なお、LEDの点灯制御については、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理において実行されるようになっており、このLEDを除く他のLED等は、後述する周辺制御部定常処理において実行されるようになっている。
周辺制御A/Dコンバータは、音量調整ボリュームと電気的に接続されており、音量調整ボリュームのつまみ部が回動操作されることにより抵抗値が可変し、つまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、アナログ値からデジタル値に変換して、値0〜値1023までの1024段階の値に変換している。本実施形態では、1024段階の値を7つに分割して基板ボリューム0〜6として管理している。基板ボリューム0では消音、基板ボリューム6では最大音量に設定されており、基板ボリューム0から基板ボリューム6に向かって音量が大きくなるようにそれぞれ設定されている。基板ボリューム0〜6に設定された音量となるように液晶及び音制御部4160(後述する音源内蔵VDP4160a)を制御して本体枠3に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから音楽や効果音が流れるようになっている。このように、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから音楽や効果音が流れるようになっている。
なお、本実施形態では、音楽や効果音のほかに、パチンコ遊技機1の不具合の発生やパチンコ遊技機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音や、遊技演出に関する内容等を告知する(例えば、遊技盤側液晶表示装置1400に繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりする等。)ための告知音も本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカから流れるが、報知音や告知音は、つまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されずに流れる仕組みとなっており、消音から最大音量までの音量をプログラムにより液晶及び音制御部4160(後述する音源内蔵VDP4160a)を制御して調整することができるようになっている。このプログラムにより調整される音量は、上述した7段階に分けられた基板ボリュームと異なり、消音から最大音量までを滑らかに変化させることができるようになっている。これにより、例えば、ホールの店員等が音量調整ボリュームのつまみ部を回動操作して音量を小さく設定した場合であっても、本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカ130から流れる音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの、パチンコ遊技機1に不具合が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときには大音量(本実施形態では、最大音量)に設定した報知音を流すことができる。したがって、演出音の音量を小さくしても、報知音によりホールの店員等が不具合の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。また、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により設定されている現在の基板ボリュームに基づいて、広告音を流す音量を小さくして音楽や効果音の妨げとならないようにしたりする一方、広告音を流す音量を大きくして音楽や効果音に加えて遊技盤側液晶表示装置1400で繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりすることもできる。
周辺制御ROM4150bは、周辺制御部4150、液晶及び音制御部4160、RTC制御部4165等を制御する各種制御プログラム、各種データ、各種制御データ、及び各種スケジュールデータを予め記憶されている。各種スケジュールデータには、遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244に描画する画面を生成する画面生成用スケジュールデータ、各種LEDの発光態様を生成する発光態様生成用スケジュールデータ、音楽や効果音等を生成する音生成用スケジュールデータ、及びモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動態様を生成する電気的駆動源スケジュールデータ等がある。画面生成用スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244に描画する画面の順序が規定されている。発光態様生成用スケジュールデータは、各種LEDの発光態様を規定する発光データが時系列に配列されて構成されている。音生成用スケジュールデータは、音指令データが時系列に配列されて構成されており、音楽や効果音が流れる順番が規定されている。この音指令データには、後述する液晶及び音制御部4160の音源内蔵VDP4160aの内蔵音源における複数の出力チャンネルのうち、どの出力チャンネルを使用するのかを指示するための出力チャンネル番号と、音源内蔵VDP4160aの内蔵音源における複数のトラックのうち、どのトラックに音楽及び効果音等の音データを組み込むのかを指示するためのトラック番号と、が規定されている。電気的駆動源スケジュールデータは、モータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データが時系列に配列されて構成されており、モータやソレノイド等の電気的駆動源の動作が規定されている。
なお、周辺制御ROM4150bに記憶されている各種制御プログラムは、周辺制御ROM4150bから直接読み出されて実行されるものもあれば、後述する周辺制御RAM4150cの各種制御プログラムコピーエリアに電源投入時等においてコピーされたものが読み出されて実行されるものもある。また周辺制御ROM4150bに記憶されている、各種データ、各種制御データ及び各種スケジュールデータも、周辺制御ROM4150bから直接読み出されるものもあれば、後述する周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリアに電源投入時等においてコピーされたものが読み出されるものもある。
また、周辺制御ROM4150bには、RTC制御部4165を制御する各種制御プログラムの1つとして、遊技盤側液晶表示装置1400の使用時間に応じて遊技盤側液晶表示装置1400の輝度を補正するための輝度補正プログラムが含まれている。この輝度補正プログラムは、遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合には、遊技盤側液晶表示装置1400の経年変化にともなう輝度低下を補正するものであり、後述するRTC制御部4165の内蔵RAMから遊技盤側液晶表示装置1400を最初に電源投入した日時、現在の日時、輝度設定情報等を取得して、この取得した輝度設定情報を補正情報に基づいて補正する。この補正情報は、周辺制御ROM4150bに予め記憶されている。輝度設定情報は、後述するように、遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトであるLEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と、現在設定されている遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトであるLEDの輝度と、が含まれているものであり、例えば、遊技盤側液晶表示装置1400を最初に電源投入した日時と現在の日時とから、遊技盤側液晶表示装置1400を最初に電源投入した日時からすでに6月を経過している場合には、周辺制御ROM4150bから対応する補正情報(例えば、5%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である5%だけさらに上乗せした80%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトの輝度を調節して点灯し、遊技盤側液晶表示装置1400を最初に電源投入した日時からすでに12月を経過している場合には、周辺制御ROM4150bから対応する補正情報(例えば、10%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である10%だけさらに上乗せした85%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトの輝度を調節して点灯する。
周辺制御MPU4150aに外付けされる周辺制御RAM4150cは、図72に示すように、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報のうち、バックアップ対象となっているものを専用に記憶するバックアップ管理対象ワークエリア4150caと、このバックアップ管理対象ワークエリア4150caに記憶されている各種情報がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccと、周辺制御ROM4150bに記憶されている各種制御プログラムがコピーされたものを専用に記憶する各種制御プログラムコピーエリア4150cdと、周辺制御ROM4150bに記憶されている、各種データ、各種制御データ、及び各種スケジュールデータ等がコピーされたものを専用に記憶する各種制御データコピーエリア4150ceと、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報のうち、バックアップ対象となっていないものを専用に記憶するバックアップ非管理対象ワークエリア4150cfと、が設けられている。
なお、パチンコ遊技機1の電源投入時(瞬停や停電による復電時も含む。)には、バックアップ非管理対象ワークエリア4150cfに対して値0が強制的に書き込まれてゼロクリアされる一方、バックアップ管理対象ワークエリア4150ca、バックアップ第1エリア4150cb、及びバックアップ第2エリア4150ccについては、パチンコ遊技機1の電源投入時に主制御基板4100からの電源投入コマンドがRAMクリア演出開始及びそれぞれの状態演出開始を指示するものである(例えば、電源投入時から予め定めた期間内に図68に示した操作スイッチ860aが操作された時における演出の開始を指示したりするものである)であるときにはゼロクリアされる。
バックアップ管理対象ワークエリア4150caは、後述する液晶及び音制御部4160の音源内蔵VDP4160aからのVブランク信号が入力されるごとに実行される周辺制御部定常処理において更新される各種情報である演出情報(1fr)をバックアップ対象として専用に記憶するBank0(1fr)と、後述する1msタイマ割り込みが発生するごとに実行される周辺制御部1msタイマ割り込み処理において更新される各種情報である演出情報(1ms)をバックアップ対象として専用に記憶するBank0(1ms)と、から構成されている。ここで、Bank0(1fr)及びBank0(1ms)の名称について簡単に説明すると、「Bank」とは、各種情報を記憶するための記憶領域の大きさを表す最小管理単位であり、「Bank」に続く「0」は、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報を記憶するための通常使用する記憶領域であることを意味している。つまり「Bank0」とは、通常使用する記憶領域の大きさを最小管理単位としているという意味である。そして、後述するバックアップ第1エリア4150cbからバックアップ第2エリア4150ccに亘るエリアに設けられる、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」とは、「Bank0」と同一の記憶領域の大きさを有していることを意味している。「(1fr)」は、後述するように、音源内蔵VDP4160aが1画面分(1フレーム分)の描画データを遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244に出力すると、周辺制御MPU4150aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号を周辺制御MPU4150aに出力するようになっているため、Vブランク信号が入力されるごとに、換言すると、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるところから、「Bank0」、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4]にそれぞれ付記されている(演出情報(1fr)や後述する演出バックアップ情報(1fr)についても、同一の意味で用いる)。「(1ms)」は、後述するように、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるところから、「Bank0」、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4]にそれぞれ付記されている(演出情報(1ms)や後述する演出バックアップ情報(1ms)についても、同一の意味で用いる)。
Bank0(1fr)には、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caa、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cab、受信コマンド記憶領域4150cac、RTC情報取得記憶領域4150cad、及びスケジュールデータ記憶領域4150cae等が設けられている。ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaには、遊技盤4の各装飾基板に設けた複数のLEDへの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データSL−DATがセットされる記憶領域であり、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabには、扉枠5の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データSTL−DATがセットされる記憶領域であり、受信コマンド記憶領域4150cacには、主制御基板4100から送信される各種コマンドを受信してその受信した各種コマンドがセットされる記憶領域であり、RTC情報取得記憶領域4150cadには、RTC制御部4165(後述するRTC41654aのRTC内蔵RAM4165aa)から取得した各種情報がセットされる記憶領域であり、スケジュールデータ記憶領域4150caeには、主制御基板4100(主制御MPU4100a)から受信したコマンドに基づいて、この受信したコマンドと対応する各種スケジュールデータがセットされる記憶領域である。スケジュールデータ記憶領域4150caeには、周辺制御ROM4150bから各種制御データコピーエリア4150ceにコピーされた各種スケジュールデータが読み出されてセットされるものもあれば、周辺制御ROM4150bから各種スケジュールデータが直接読み出されてセットされるものもある。
Bank0(1ms)には、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150caf、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cag、可動体情報取得記憶領域4150cah、及び操作ユニット情報取得記憶領域4150cai等が設けられている。枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafには、扉枠5に設けたダイヤル駆動モータ414等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされる記憶領域であり、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagには、遊技盤4に設けた各種可動体を作動させるモータや
ソレノイド等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされる記憶領域であり、可動体情報取得記憶領域4150cahには、遊技盤5に設けた各種検出スイッチからの検出信号に基づいて遊技盤に設けた各種可動体の原位置や可動位置等を取得した各種情報がセットされる記憶領域であり、操作ユニット情報取得記憶領域4150caiには、操作ユニットに設けられた各種検出スイッチからの検出信号に基づいてダイヤル操作部の回転(回転方向)及び押圧操作部の操作等を取得した各種情報(例えば、操作ユニットに設けられた各種検出スイッチからの検出信号に基づいて作成するダイヤル操作部の回転(回転方向)履歴情報、及び押圧操作部405の操作履歴情報など。)がセットされる記憶領域である。
なお、Bank0(1fr)のランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caa及び枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabと、Bank0(1ms)の枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150caf及びモータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagとは、第1領域及び第2領域という2つの領域にそれぞれ分割されている。
ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaは、後述する周辺制御部定常処理が実行されると、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaの第1領域に、遊技盤側発光データSL−DATがセットされ、次の周辺制御部定常処理が実行されると、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaの第2領域に遊技盤側発光データSL−DATがセットされるようになっており、周辺制御部定常処理が実行されるごとに、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaの第1領域、第2領域に遊技盤側発光データSL−DATが交互にセットされる。周辺制御部定常処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部定常処理においてランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaの第2領域に遊技盤側発光データSL−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部定常処理が実行された際に、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域4150caaの第1領域にセットした遊技盤側発光データSL−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabは、周辺制御部定常処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabの第1領域に、扉側発光データSTL−DATがセットされ、次の周辺制御部定常処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabの第2領域に扉側発光データSTL−DATがセットされるようになっており、周辺制御部定常処理が実行されるごとに、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabの第1領域、第2領域に扉側発光データSTL−DATが交互にセットされる。周辺制御部定常処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部定常処理において枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabの第2領域に扉側発光データSTL−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部定常処理が実行された際に、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域4150cabの第1領域にセットした扉側発光データSTL−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafは、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafの第1領域に、扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされ、次の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafの第2領域に扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされるようになっており、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafの第1領域、第2領域に扉側モータ駆動データSTM−DATが交互にセットされる。周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理において枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafの第2領域に扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された際に、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域4150cafの第1領域にセットした扉側モータ駆動データSTM−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagは、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagの第1領域に、遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされ、次の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagの第2領域に遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされるようになっており、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagの第1領域、第2領域に遊技盤側モータ駆動データSM−DATが交互にセットされる。周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理においてモータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagの第2領域に遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された際に、モータ駆動基板側送信データ記憶領域4150cagの第1領域にセットした遊技盤側モータ駆動データSM−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
次に、バックアップ管理対象ワークエリア4150caに記憶されている各種情報である演出情報がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccについて説明する。バックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccは、2つのバンクを1ペアとする2ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容である演出情報(1fr)は、演出バックアップ情報(1fr)として、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccに周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される内容である演出情報(1ms)は、演出バックアップ情報(1ms)として、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccに周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされる。1ページの整合性は、そのページを構成する2つのバンクの内容が一致しているか否かにより行う。
具体的には、バックアップ第1エリア4150cbは、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)を1ペアとし、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)を1ペアとする、計2ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)に周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される記憶は、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)に周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)の内容が一致しているか否かにより行うとともに、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)の内容が一致しているか否かにより行う。
また、バックアップ第2エリア4150ccは、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)を1ペアとし、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)を1ペアとする、計2ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)に周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される記憶は、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)に周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)の内容が一致しているか否かにより行うとともに、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)の内容が一致しているか否かにより行う。
このように、本実施形態では、バックアップ第1エリア4150cbは、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)を1ペアとし、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)を1ペアとする、計2ペアを1ページとして管理するためのエリアであり、バックアップ第2エリア4150ccは、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)を1ペアとし、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)を1ペアとする、計2ペアを1ページとして管理するためのエリアである。各ページの先頭と終端とには、つまりバックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccの先頭と終端とには、それぞれ異なるIDコートが記憶されるようになっている。
また、本実施形態では、通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容である演出情報(1fr)は、演出バックアップ情報(1fr)として、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccに周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される内容である演出情報(1ms)は、演出バックアップ情報(1ms)として、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア4150cb及びバックアップ第2エリア4150ccに周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされるようになっているが、これらの周辺制御DMAコントローラ4150acによる高速コピーを実行するプログラムは共通化されている。つまり本実施形態では、演出情報(1fr)、演出情報(1ms)を、共通の管理手法(共通のプログラムの実行)で情報を管理している。
周辺制御MPU4150aに外付けされる周辺制御SRAM4150dは、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報のうち、バックアップ対象となっているものを専用に記憶するバックアップ管理対象ワークエリア4150daと、このバックアップ管理対象ワークエリア4150daに記憶されている各種情報がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア4150db及びバックアップ第2エリア4150dcと、が設けられている。なお、周辺制御SRAM4150dに記憶された内容は、パチンコ遊技機1の電源投入時(瞬停や停電による復電時も含む。)に主制御基板4100からの電源投入コマンドがRAMクリア演出開始及びそれぞれの状態演出開始を指示するものである(例えば、電源投入時から予め定めた期間内に図68に示した操作スイッチ860aが操作された時における演出の開始を指示したりするものである)ときにおいても、ゼロクリアされない。この点については、上述した周辺制御RAM4150cのバックアップ管理対象ワークエリア4150ca、バックアップ第1エリア4150cb、及びバックアップ第2エリア4150ccがゼロクリアされる点と、全く異なる。また、パチンコ遊技機1の電源投入後、所定時間内において、操作ユニット400のダイヤル
操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側液晶表示装置1400に表示されるようになっている。この設定モードの画面に従って操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで、周辺制御SRAM4150dに記憶されている内容(項目)ごとに(例えば、大当り遊技状態が発生した履歴など。)クリアすることができる一方、周辺制御RAM4150cに記憶されている内容(項目)については、全く表示されず、設定モードにおいてクリアすることができないようになっている。この点についても、周辺制御RAM4150cと周辺制御SRAM4150dとで全く異なる。
バックアップ管理対象ワークエリア4150daは、日をまたいで継続される各種情報である演出情報(SRAM)(例えば、大当り遊技状態が発生した履歴を管理するための情報や特別な演出フラグの管理するための情報など)をバックアップ対象として専用に記憶するBank0(SRAM)から構成されている。ここで、Bank0(SRAM)の名称について簡単に説明すると、「Bank」とは、上述したように、各種情報を記憶するための記憶領域の大きさを表す最小管理単位であり、「Bank」に続く「0」は、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報を記憶するための通常使用する記憶領域であることを意味している。つまり「Bank0」とは、通常使用する記憶領域の大きさを最小管理単位としているという意味である。そして、後述するバックアップ第1エリア4150dbからバックアップ第2エリア4150dcに亘るエリアに設けられる、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」とは、「Bank0」と同一の記憶領域の大きさを有していることを意味している。「(SRAM)」は、周辺制御MPU4150aに外付けされる周辺制御SRAM4150dに記憶されている各種情報がバックアップ対象となっていることから、「Bank0」、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4]にそれぞれ付記されている(演出情報(SRAM)や後述する演出バックアップ情報(SRAM)についても、同一の意味で用いる)。
次に、バックアップ管理対象ワークエリア4150daに記憶されている各種情報である演出情報(SRAM)がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア4150db及びバックアップ第2エリア4150dcについて説明する。バックアップ第1エリア4150db及びバックアップ第2エリア4150dcは、2つのバンクを1ペアとする、この1ペアを1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に記憶される内容である演出情報(SRAM)は、演出バックアップ情報(SRAM)として、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア4150db及びバックアップ第2エリア4150dcに周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされる。1ページの整合性は、そのページを構成する2つのバンクの内容が一致しているか否かにより行う。
具体的には、バックアップ第1エリア4150dbは、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)を1ペアとする、この1ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)に周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)の内容が一致しているか否かにより行う。
また、バックアップ第2エリア4150dcは、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)を1ペアとする、この1ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)に周辺制御DMAコントローラ4150acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)の内容が一致しているか否かにより行う。
このように、本実施形態では、バックアップ第1エリア4150dbは、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)を1ペアとする、この1ペアを1ページとして管理するためのエリアであり、バックアップ第2エリア4150dcは、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)を1ペアとする、この1ペアを1ページとして管理するためのエリアである。各ページの先頭と終端とには、つまりバックアップ第1エリア4150db及びバックアップ第2エリア4150dcの先頭と終端とには、それぞれ異なるIDコートが記憶されるようになっている。
遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244の描画制御と本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れる音楽や効果音等の音制御とを行う液晶及び音制御部4160は、図71に示すように、音楽や効果音等の音制御を行うための音源が内蔵(以下、「内蔵音源」と記載する。)されるとともに遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244の描画制御を行う音源内蔵VDP(Video Display Processorの略)4160aと、遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244に表示される画面の各種キャラクタデータに加えて音楽や効果音等の各種音データを記憶する液晶及び音制御ROM4160bと、シリアル化された音楽や効果音等をオーディオデータとして枠装飾駆動アンプ基板194に向かって送信するオーディオデータ送信IC4160cと、を備えている。この液晶及び音制御ROM4160bには、後述する画面や画像の表示に用いるスプライトデータとして、例えばリング状表示物(環状の表示物)の表示に用いる環状画像データ、後述する操作メニュー背景画像の表示に用いる操作メニュー背景画像データ、後述する少なくとも1つの選択表示物の表示に用いる選択表示物画像データ、後述するボリュームスケールを含む音量調整画面の表示に用いる音調調整背景画像データ、後述する音量調整アイコンの表示に用いる音量設定アイコン画像データ等の他、遊技者から見て本体枠3の背面における各部位の位置が視認可能な本体枠背面画像の表示に用いる本体枠背面画像データ、サービスモード画面の表示に用いるサービスモード画面画像データ、休憩タイマー設定画面の表示に用いる休憩タイマー設定画面画像データ、及び、休憩中画面の表示に用いる休憩中画面画像データが格納されている。なお、液晶及び音制御ROM4160bは、操作ユニットの押圧操作部(操作部)を操作すべき旨を促すための示唆表示物の表示に用いる示唆表示物画像データをも格納している。
周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、主制御基板4100からのコマンドと対応する画面生成用スケジュールデータを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域に4150caeにセットし、このスケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた画面生成用スケジュールデータの先頭の画面データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して音源内蔵VDP4160aに出力した後に、後述するVブランク信号が入力されたことを契機として、スケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた画面生成用スケジュールデータに従って先頭の画面データに続く次の画面データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して音源内蔵VDP4160aに出力する。このように、周辺制御MPU4150aは、スケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた画面生成用スケジュールデータに従って、この画面生成用スケジュールデータに時系列に配列
された画面データを、Vブランク信号が入力されるごとに、先頭の画面データから1つずつ音源内蔵VDP4160aに出力する。
また、周辺制御MPU4150aは、主制御基板4100からのコマンドと対応する音生成用スケジュールデータの先頭の音指令データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して周辺制御RAM4150cのスケジュールデータ記憶領域に4150caeにセットし、このスケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた音生成用スケジュールデータの先頭の音指令データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して音源内蔵VDP4160aに出力した後に、Vブランク信号が入力されたことを契機として、スケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた音生成用スケジュールデータに従って先頭の音指令データに続く次の音指令データを、周辺制御部4150の周辺制御ROM4150b又は周辺制御RAM4150cの各種制御データコピーエリア4150ceから抽出して音源内蔵VDP4160aに出力する。このように、周辺制御MPU4150aは、スケジュールデータ記憶領域4150caeにセットされた音生成用スケジュールデータに従って、この音生成用スケジュールデータに時系列に配列された音指令データを、Vブランク信号が入力されるごとに、先頭の音指令データから1つずつ音源内蔵VDP4160aに出力する。
音源内蔵VDP4160aは、上述した内蔵音源のほかに、周辺制御MPU4150aから画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて、図73に示すように、液晶及び音制御ROM4160bから遊技盤側キャラクタデータ及び上皿側キャラクタデータを抽出してスプライトデータを作成して遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを生成するためのVRAMも内蔵(以下、「内蔵VRAM」と記載する。)している。音源内蔵VDP4160aは、内蔵VRAM上に生成した描画データのうち、遊技盤側液晶表示装置1400に対する画像データをチャンネルCH1から遊技盤側液晶表示装置1400に出力するとともに、上皿側液晶表示装置244に対する画像データをチャンネルCH2から上皿側液晶表示装置244に出力することで、遊技盤側液晶表示装置1400と上皿側液晶表示装置244との同期化を図っている。また、音源内蔵VDP4160aは、タッチパネル246の接触面の接触状態に応じた検知信号が入力され、検知信号を受け取ると、周辺制御MPU4150aに対して出力することにより、演出制御プログラムがタッチパネル246の接触面の接触状態を把握することができる。このように、周辺制御MPU4150aが遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244に表示する1画面分(1フレーム分)の画面データを音源内蔵VDP4160aに出力すると、音源内蔵VDP4160aは、この入力された画面データに基づいて液晶及び音制御ROM4160bからキャラクタデータを抽出してスプライトデータを作成して遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAM上で生成し、この生成した描画データうち、遊技盤側液晶表示装置1400に対する画像データをチャンネルCH1から遊技盤側液晶表示装置1400に出力するとともに、上皿側液晶表示装置244に対する画像データをチャンネルCH2から上皿側液晶表示装置244に出力する。つまり、「1画面分(1フレーム分)の画面データ」とは、遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAM上で生成するためのデータのことである。
また、音源内蔵VDP4160aは、1画面分(1フレーム分)の描画データを、チャンネルCH1から遊技盤側液晶表示装置1400に出力するとともに、上皿側液晶表示装置244に対する画像データをチャンネルCH2から上皿側液晶表示装置244に出力すると、周辺制御MPU4150aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号を周辺制御MPU4150aに出力する。本実施形態では、遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が出力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。周辺制御MPU4150aは、このVブランク信号が入力されたことを契機として、後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理を実行するようになっている。ここで、Vブランク信号が出力される間隔は、遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244の液晶サイズによって多少変化する。また、周辺制御MPU4150aと音源内蔵VDP4160aとが実装された周辺制御基板4140の製造ロットにおいてもVブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合がある。
なお、音源内蔵VDP4160aは、フレームバッファ方式が採用されている。この「フレームバッファ方式」とは、遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244の画面に描画する1画面分(1フレーム分)の描画データをフレームバッファ(内蔵VRAM)に保持し、このフレームバッファ(内蔵VRAM)に保持した1画面分(1フレーム分)の描画データを、遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244に出力する方式である。
また、音源内蔵VDP4160aは、主制御基板4100からのコマンドに基づいて周辺制御MPU4150aから上述した音指令データが入力されると、図73に示すように、液晶及び音制御ROM4160bに記憶されている音楽や効果音等の音データを抽出して内蔵音源を制御することにより、音指令データに規定された、トラック番号に従って音楽及び効果音等の音データをトラックに組み込むとともに、出力チャンネル番号に従って使用する出力チャンネルを設定して本体枠3に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れる音楽や効果音等をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力する。
なお、音指令データには、音データを組み込むトラックの音量を調節するためのサブボリューム値も含まれており、音源内蔵VDP4160aの内蔵音源における複数のトラックには、音楽や効果音等の演出音の音データとその音量を調節するサブボリューム値のほかに、パチンコ遊技機1の不具合の発生やパチンコ遊技機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音の音データとその音量を調節するサブボリューム値が組み込まれる。具体的には、演出音に対しては、上述した、音量調整ボリューム4140aのつまみ部が回動操作されて調節された基板ボリュームがサブボリューム値として設定され、報知音に対しては、音量調整ボリューム4140aのつまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されず最大音量がサブボリューム値として設定されるようになっている。演出音のサブボリューム値は、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで後述する設定モードへ移行して調節することができるようになっている。
また、音指定データには、出力するチャンネルの音量を調節するためのマスターボリューム値も含まれており、音源内蔵VDP4160aの内蔵音源における複数の出力チャンネルには、音源内蔵VDP4160aの内蔵音源における複数のトラックうち、使用するトラックに組み込まれた演出音の音データと、使用するトラックに組み込まれた演出音の音量を調節するサブボリューム値と、を合成して、この合成した演出音の音量を、実際に、本体枠に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠5に設けたスピーカ130から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力するようになっている。
本実施形態では、マスターボリューム値は一定値に設定されており、合成した演出音の音量が最大音量であるときに、マスターボリューム値まで増幅されることにより、本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れる音量が許容最大音量となるように設定されている。具体的には、演出音に対しては、複数のトラックのうち、使用するトラックに組み込まれた演出音の音データと、使用するトラックに組み込まれた演出音の音量を調節するサブボリューム値として設定された音量調整ボリューム4140aのつまみ部が回動操作されて調節された基板ボリュームと、を合成して、この合成した演出音の音量を、実際に、本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力し、報知音に対しては、使用するトラックに組み込まれた報知音の音データと、使用するトラックに組み込まれた報知音の音量を調節するサブボリューム値として設定された音量調整ボリューム4140aのつまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されず最大音量と、を合成して、この合成した報知音の音量を、実際に、本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した報知音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力する。
ここで、演出音が本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れている場合に、パチンコ遊技機1の不具合の発生やパチンコ遊技機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するため報知音を流す制御について簡単に説明すると、まず演出音が組み込まれているトラックのサブボリューム値を強制的に消音に設定し、この演出音が組み込まれたトラックの音データと、その消音に設定したサブボリューム値と、報知音が組み込まれたトラックの音データと、報知音の音量が最大音量に設定されたサブボリューム値と、を合成し、この合成した演出音の音量と報知音の音量とを、実際に、本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音及び報知音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力する。
つまり、実際に、本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れる音は、最大音量の報知音だけが流れることとなる。このとき、演出音は消音となっているため、本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れないものの、演出音は、上述した音生成用スケジュールデータに従って進行している。本実施形態では、報知音は所定期間(例えば、90秒)だけ本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れるようになっており、この所定期間経過すると、これまで消音に強制的に設定された音生成用スケジュールデータに従って進行している演出音の音量が、音量調整ボリューム4140aのつまみ部が回動操作されて調節された基板ボリュームがサブボリューム値として再び設定され(このとき、操作ユニットのダイヤル操作部や押圧操作部を操作することで設定モードへ移行して調節されている場合には、その調節された演出音のサブボリューム値に設定され)、本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れるようになっている。
このように、演出音が本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れている場合に、パチンコ遊技機1の不具合の発生やパチンコ遊技機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するため報知音が流れるときには、演出音の音量が消音になって報知音が本体枠3に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れるものの、この消音となった演出音は、音生成用スケジュールデータに従って進行しているため、報知音が所定期間経過して本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れなくなると、演出音は、報知音が流れ始めたところから再び流れ始めるのではなく、報知音が流れ始めて所定期間経過した時点まで音生成用スケジュールデータに従って進行したところから再び流れ始めるようになっている。
液晶及び音制御ROM4160bは、図73に示すように、遊技盤側液晶表示装置1400の表示領域に描画するための遊技盤側キャラクタデータと、上皿側液晶表示装置244の表示領域に描画するための上皿側キャラクタデータと、が予め記憶されるとともに、音楽、効果音、報知音、及び告知音等の各種の音データも予め記憶されている。
オーディオデータ送信IC4160cは、音源内蔵VDP4160aからのシリアル化したオーディオデータが入力されると、右側オーディオデータをプラス信号、マイナス信号とする差分方式のシリアルデータとして枠装飾駆動アンプ基板194に向かって送信するとともに、左側オーディオデータをプラス信号、マイナス信号とする差分方式のシリアルデータとして枠装飾駆動アンプ基板に向かって送信する。これにより、本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから各種演出に合わせた音楽や効果音等がステレオ再生されるようになっている。
なお、オーディオデータ送信IC4160cは、周辺制御基板4140から枠装飾駆動アンプ基板194に亘る基板間を、左右それぞれ差分方式のシリアルデータとしてオーディオデータを出力することにより、例えば、左側オーディオデータのプラス信号、マイナス信号にノイズの影響を受けても、プラス信号に乗ったノイズ成分と、マイナス信号に乗ったノイズ成分と、を枠装飾駆動アンプ基板で合成して1つの左側オーディオデータにする際に、互いにキャンセルし合ってノイズ成分が除去されるようになっているため、ノイズ対策を講じることができる。
年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを保持するRTC制御部4165は、図71に示すように、RTC4165aを中心として構成されている。このRTC4165aには、カレンダー情報と時刻情報とが保持されるRAM4165aaが内蔵(以下、「RTC内蔵RAM4165aa」と記載する。)されている。RTC4165aは、駆動用電源及びRTC内蔵RAM4165aaのバックアップ用電源として電池4165b(本実施形態では、ボタン電池を採用している。)から電力が供給されるようになっている。つまりRTC4165aは、周辺制御基板4140(パチンコ遊技機1)からの電力が全く供給されずに、周辺制御基板4140(パチンコ遊技機1)と独立して電池4165bから電力が供給されている。これにより、RTC4165aは、パチンコ遊技機1の電力が遮断されても、電池4165bからの電力供給により、カレンダー情報や時刻情報を更新保持することができるようになっている。
周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、RTC4165aのRTC内蔵RAM4165aaからカレンダー情報や時刻情報を取得して上述した周辺制御RAM4150cのRTC情報取得記憶領域4150cadにセットし、この取得したカレンダー情報や時刻情報に基づく演出を遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244で繰り広げることができるようになっている。このような演出としては、例えば、12月25日であればクリスマスツリーやトナカイの画面が遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244で繰り広げられたり、大晦日であれば新年カウントダウンを実行する画面が遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244で繰り広げられたりする等を挙げることができる。カレンダー情報や時刻情報は、工場出荷時に設定される。
なお、RTC内蔵RAM4165aaには、カレンダー情報や時刻情報のほかに、遊技
盤側液晶表示装置1400のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合にはLEDの輝度設定情報が記憶保持されている。周辺制御MPU4150aは、遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合には、RTC内蔵RAM4165aaから輝度設定情報を取得してバックライトの輝度調整をPWM制御により行う。輝度設定情報は、遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトであるLEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と、現在設定されている遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244のバックライトであるLEDの輝度と、が含まれている。
また、RTC内蔵RAM4165aaには、カレンダー情報、時刻情報や輝度設定情報のほかに、カレンダー情報、時刻情報、及び輝度設定情報をRTC内蔵RAM4165aaに最初に記憶した年月日及び時分秒の情報として入力日時情報も記憶されている。
周辺制御MPU4150aは、遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244のバックライトが冷陰極管タイプのものが装着されている場合には、バックライトのON/OFF制御もしくはONのみとするようになっている。
RTC内蔵RAM4165aaに記憶される、カレンダー情報、時刻情報、輝度設定情報、及び入力日時情報等の各種情報は、遊技機メーカの製造ラインにおいて設定される。製造ラインにおいては、例えば遊技盤側液晶表示装置1400の表示テスト等の各種テストを行うため、遊技盤側液晶表示装置1400を最初に電源投入した日時として入力日時情報が製造ラインで入力された年月日及び時分秒である製造日時に設定される。
このように、RTC内蔵RAM4165aaには、カレンダー情報や時刻情報のほかに、遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合における輝度設定情報、及び入力日時情報等、パチンコ遊技機1の機種情報(例えば、低確率や高確率における大当り遊技状態が発生する確率など)とは独立して維持が必要な情報を記憶保持することができるようになっている。
また、RTC内蔵RAM4165aaに記憶保持される輝度設定情報等は、パチンコ遊技機1が設置されるホールの環境によっては製造日時に設定された遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトの輝度では明るすぎたり、暗すぎたりする場合もある。そこで、操作ユニットのダイヤル操作部や押圧操作部を操作することで設定モードへ移行してバックライトの輝度を所定の輝度に調節することができるようになっている。パチンコ遊技機1の電源投入後、所定時間内において、操作ユニットのダイヤル操作部や押圧操作部を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側液晶表示装置1400に表示されるほかに、客待ち状態となって遊技盤側液晶表示装置1400によるデモンストレーションが行われている期間内において、操作ユニットのダイヤル操作部や押圧操作部を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側液晶表示装置1400に表示されるようになっている。この設定モードの画面に従って操作ユニット400のダイヤル操作部や押圧操作部を操作することでカレンダー情報、時刻情報を再設定したり、遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトの輝度を所望の輝度に調節したりすることができる。この調節された遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトの所望の輝度は、輝度設定情報に記憶されるLEDの輝度としてそれぞれ上書き(更新記憶)されるようになっている。
なお、設定モードでは、周辺制御MPU4150aは、上述した輝度補正プログラムを実行することにより、遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合には、遊技盤側液晶表示装置1400の経年変化にともなう輝度低下を補正する。周辺制御MPU4150aは、RTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaから、入力日時情報を取得して遊技盤側液晶表示装置1400を最初に電源投入した日時を特定し、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを取得して現在の日時を特定し、遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトであるLEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と現在設定されている遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトであるLEDの輝度とを有する輝度設定情報を取得する。この取得した輝度設定情報を周辺制御ROM4150bに予め記憶されている補正情報に基づいて補正する。
例えば、遊技盤側液晶表示装置1400を最初に電源投入した日時と現在の日時とから、遊技盤側液晶表示装置1400を最初に電源投入した日時からすでに6月を経過している場合には、周辺制御ROM4150bから対応する補正情報(例えば、5%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である5%だけさらに上乗せした80%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトの輝度を調節して点灯し、遊技盤側液晶表示装置1400を最初に電源投入した日時からすでに12月を経過している場合には、周辺制御ROM4150bから対応する補正情報(例えば、10%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である10%だけさらに上乗せした85%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側液晶表示装置1400のバックライトの輝度を調節して点灯する。
なお、RTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaから、直接、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを取得して現在の日時を特定してもいいし、後述する周辺制御部電源投入時処理の現在時刻情報取得処理において周辺制御RAM4150cのRTC情報取得記憶領域4150cadにおける、カレンダー情報記憶部にセットされて周辺制御基板4140のシステムにより更新される現在のカレンダー情報と、時刻情報記憶部にセットされて周辺制御基板4140のシステムにより更新される現在の時刻情報と、を取得して現在の日時を特定してもいい。
音量調整ボリュームは、上述したように、本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れる音楽や効果音等の音量を、つまみ部を回動操作することにより調節することができるようになっている。音量調整ボリュームは、上述したように、そのつまみ部が回動操作されることにより抵抗値が可変するようになっており、電気的に接続された周辺制御A/Dコンバータ4150akがつまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、アナログ値からデジタル値に変換して、値0〜値1023までの1024段階の値に変換している。本実施形態では、上述したように、1024段階の値を7つに分割して基板ボリューム0〜6として管理している。基板ボリューム0では消音、基板ボリューム6では最大音量に設定されており、基板ボリューム0から基板ボリューム6に向かって音量が大きくなるようにそれぞれ設定されている。基板ボリューム0〜6に設定された音量となるように液晶及び音制御部4160(音源内蔵VDP4160a)を制御して本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから音楽や効果音が流れるようになっている。
このように、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により本体枠に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから音楽や効果音が流れるようになっている。また、本実施形態では、上述したように、音楽や効果音のほかに、パチンコ遊技機1の不具合の発生やパチンコ遊技機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音や、遊技演出に関する内容等を告知する(例えば、遊技盤側液晶表示装置1400に繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したり等。)ための告知音も本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れるが、報知音や告知音は、つまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されずに流れる仕組みとなっており、消音から最大音量までの音量をプログラムにより液晶及び音制御部4160(音源内蔵VDP4160a)を制御して調整することができるようになっている。
このプログラムにより調整される音量は、上述した7段階に分けられた基板ボリュームと異なり、消音から最大音量までを滑らかに変化させることができるようになっている。これにより、例えば、ホールの店員等が音量調整ボリュームのつまみ部を回動操作して音量を小さく設定した場合であっても、本体枠に設けたスピーカボックス820に収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れる音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの、パチンコ遊技機1に不具合が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときには大音量(本実施形態では、最大音量)に設定した報知音を流すことができる。したがって、演出音の音量を小さくしても、報知音によりホールの店員等が不具合の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。
また、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により設定されている現在の基板ボリュームに基づいて、広告音を流す音量を小さくして音楽や効果音の妨げとならないようにしたりする一方、広告音を流す音量を大きくして音楽や効果音に加えて遊技盤側液晶表示装置1400及び上皿側液晶表示装置244で繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりすることもできる。
なお、本実施形態では、音量調整ボリュームのつまみ部を回動操作することにより音楽や効果音の音量を調節するようになっていることに加えて、操作ユニットのダイヤル操作部や押圧操作部を操作することで設定モードへ移行して音楽や効果音の音量を調節することができるようになっている。パチンコ遊技機1の電源投入後、所定時間内において、操作ユニットのダイヤル操作部や押圧操作部を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側液晶表示装置1400に表示されるほかに、客待ち状態となって遊技盤側液晶表示装置1400によるデモンストレーションが行われている期間内において、操作ユニットのダイヤル操作部や押圧操作部を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側液晶表示装置1400に表示されるようになっている。この設定モードの画面に従って操作ユニットのダイヤル操作部や押圧操作部を操作することで音楽や効果音の音量を所望の音量に調節することができる。具体的には、音量調整ボリュームのつまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、周辺制御A/Dコンバータ4150akZがアナログ値からデジタル値に変換して、この変換した値に対して、操作ユニットのダイヤル操作部や押圧操作部の操作に応じて所定値を加算又は減算することによって、基板ボリュームの値を増やしたり、又は減らしたりすることができるようになっている。この調節された音量は、音源内蔵VDP4160aの内蔵音源における複数のトラックのうち、音楽や効果音等の演出音の音データが組み込まれたトラックに対して、サブボリューム値として設定更新されて演出音の音量の調節に反映されるものの、上述した報知音や告知音の音量に調節に反映されないようになっている。
このように、本実施形態では、音量調整ボリュームのつまみ部を直接回動操作することにより音楽や効果音の音量を調節する場合と、操作ユニットのダイヤル操作部や押圧操作部の操作に応じて所定値を加算又は減算することによって、基板ボリュームの値を増やしたり、又は減らしたりすることにより音楽や効果音の音量を調節する場合と、の2つの方法がある。音量調整ボリューム4140aは、周辺制御基板4140に実装されているため、本体枠を外枠から必ず開放した状態にする必要がある。そうすると、音量調整ボリュームのつまみ部を回動操作することができるのは、ホールの店員となる。ところが、ホールの店員が調節した音量では、遊技者にとって小さく感じて音楽や効果音を聞き取り難い場合もあるし、遊技者にとって大きく感じて音楽や効果音をうるさく感じる場合もある。そこで、パチンコ遊技機1の電源投入後、所定時間内において、操作ユニットのダイヤル操作部や押圧操作部を操作したり、客待ち状態となって遊技盤側液晶表示装置1400によるデモンストレーションが行われている期間内において、操作ユニットのダイヤル操作部や押圧操作部を操作したりした場合には、設定モードを行うための画面が遊技盤側液晶表示装置1400に表示され、この設定モードの画面に従って操作ユニットのダイヤル操作部や押圧操作部を操作することで音楽や効果音の音量を所望の音量に調節することができるようになっている。これにより、遊技者は所望の音量に音楽や効果音の音量を調節することができるため、ホールの店員が調節した音量を小さく感じて音楽や効果音を聞き取り難い場合には、操作ユニットのダイヤル操作部や押圧操作部を操作して所望の音量まで大きくすることができるし、ホールの店員が調節した音量を大きく感じて音楽や効果音をうるさく感じる場合には、操作ユニットのダイヤル操作部や押圧操作部を操作して所望の音量まで小さくすることができる。
また、本実施形態では、パチンコ遊技機1において遊技が行われていない状態が所定時間継続され、客待ち状態となって遊技盤側液晶表示装置1400によるデモンストレーションが繰り返し行われると(例えば、10回)、前回、パチンコ遊技機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量がキャンセルされて、音量が初期化されるようになっている。この音量の初期化では、ホールの店員が調節した音量、つまりホールの店員が音量調整ボリュームのつまみ部を直接回動操作して調節した音量となるようになっている。これにより、前回、パチンコ遊技機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量を小さく感じて音楽や効果音を聞き取り難い場合には、今回、パチンコ遊技機1の前面に着座して遊技を行う遊技者が操作ユニットのダイヤル操作部や押圧操作部を操作して所望の音量まで大きくすることができるし、前回、パチンコ遊技機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量を大きく感じて音楽や効果音をうるさく感じる場合には、今回、パチンコ遊技機1の前面に着座して遊技を行う遊技者が操作ユニットのダイヤル操作部や押圧操作部を操作して所望の音量まで小さくすることができる。
次に、パチンコ遊技機1の電源システムについて、図74及び図75を参照して説明する。図74はパチンコ遊技機の電源システムを示すブロック図であり、図75は図74のつづきを示すブロック図である。まず、電源基板について説明し、続いて各制御基板等に供給される電源について説明する。なお、各種基板のグランド(GND)や各種端子板のグランド(GND)は、電源基板851のグランド(GND)と電気的に接続されており、同一グランド(GND)となっている。
電源基板は、電源コードと電気的に接続されており、この電源コードのプラグがパチンコ島設備の電源コンセントに差し込まれている。電源スイッチを操作すると、パチンコ島設備から供給されている電力が電源基板に供給され、パチンコ遊技機1の電源投入を行うことができる。
電源基板は、図74に示すように、電源制御部855、発射制御部857を備えている。電源制御部855は、パチンコ島設備から供給される交流24ボルト(AC24V)から各種直流電圧を作成したり、主制御基板4100や払出制御基板4110へのバックアップ電源を供給する回路であり、発射制御部は打球発射装置の発射ソレノイドや球送ユニット球送ソレノイドを駆動制御する回路である。
電源制御部855は、同期整流回路855a、力率改善回路855b、平滑化回路855c、電源作成回路855d、キャパシタBC0,BC1を備えている。パチンコ島設備から供給されているAC24Vは、電源基板851を介して遊技球等貸出装置接続端子板869に供給されるとともに、同期整流回路855aに供給されている。この同期整流回路855aは、パチンコ島設備から供給され交流24ボルト(AC24V)を整流して力率改善回路855bに供給している。この力率改善回路855bは、整流された電力の力率を改善して直流+37V(DC+37V、以下、「+37V」と記載する。)を作成して平滑化回路855cに供給している。この平滑化回路855cは、供給される+37Vのリップルを除去して+37Vを平滑化させて発射制御部857の発射制御回路857a及び電源作成回路855dにそれぞれ供給している。
キャパシタBC0は、主制御基板4100の主制御MPU4100aに内蔵されたRAM(主制御内蔵RAM)へのバックアップ電源を供給し、キャパシタBC1は、払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御MPU4120aに内蔵されたRAM(払出制御内蔵RAM)へのバックアップ電源を供給している。
発射制御部857の発射制御回路857aは、平滑化回路855cから供給される+37Vを駆動電源として、回転ハンドル本体の回転位置に見合う打ち出し強度(発射強度)で遊技球を遊技領域5aに向かって打ち出す(発射する)ための駆動電流を調整して発射ソレノイドに出力する制御を行う一方、球送ユニットの球送ソレノイドに一定電流を出力することにより球送ユニットの球送部材が皿ユニットの上皿に貯留された遊技球を1球受け入れ、球送部材が受け入れた遊技球を打球発射装置側へ送る制御を行う。
電源作成回路855dは、平滑化回路855cから供給される+37Vから直流+5V(DC+5V、以下、「+5V」と記載する。)、直流+12V(DC+12V、以下、「+12V」と記載する。)、及び直流+24V(DC+24V、以下、「+24V」と記載する。)をそれぞれ作成して払出制御基板4110及び枠周辺中継端子板868にそれぞれ供給している。+5Vが印加されて供給される電源系統が+5V電源ライン、+12Vが印加されて供給される電源系統が+12V電源ライン、そして+24Vが印加されて供給される電源系統が+24V電源ラインとなる。
電源作成回路855dで作成される+5Vは、後述するように、払出制御基板4110に供給されている。払出制御基板4110に供給される+5Vは、払出制御フィルタ回路4110aを介して払出制御MPU4120aの電源端子に印加されるとともに、ダイオードPD0を介して払出制御内蔵RAMの電源端子に印加されるようになっている。電源作成回路855dで作成される+12Vは、払出制御基板4110を介して主制御基板4100の+5V作成回路4100gに供給されている。この+5V作成回路4100gは、払出制御基板4110からの+12Vから主制御MPU4100aの制御基準電圧である+5Vを作成している。+5V作成回路4100gで作成される+5Vは、主制御フィルタ回路4100hを介して主制御MPU4100aの電源端子に供給されるとともに、ダイオードMD0を介して主制御内蔵RAMの電源端子に供給されるようになっている。
電源基板のキャパシタBC1のマイナス端子は、グランド(GND)と接地される一方、キャパシタBC1のプラス端子は、払出制御基板4110の払出制御内蔵RAMの電源端子と電気的に接続されるとともに、払出制御基板4110のダイオードPD0のカソード端子とも電気的に接続されている。つまり、電源基板の電源作成回路で作成される+5Vは、払出制御MPU4120aの電源端子に向かって電流が流れるとともに、ダイオードPD0により順方向である払出制御内蔵RAMの電源端子と、キャパシタBC1のプラス端子と、に向かって電流が流れるようになっている。このように、キャパシタBC1は、電源基板の電源作成回路で作成される+5Vが払出制御基板4110、そして再び払出制御基板4110から電源基板に戻ってくるという電気的な接続方法により、+5Vが供給されて充電することができるようになっている。これにより、電源作成回路で作成される+5Vが払出制御基板4110に供給されなくなった場合には、キャパシタBC1に充電された電荷が払VBBとして払出制御基板4110に供給されるようになっているため、払出制御MPU4120aの電源端子にはダイオードPD0により電流が妨げられて流れず払出制御MPU4120aが作動しないものの、払出制御内蔵RAMの電源端子には払VBBが供給されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
電源基板のキャパシタBC0のマイナス端子は、グランド(GND)と接地される一方、キャパシタBC0のプラス端子は、払出制御基板4110を介して主制御基板4100の主制御内蔵RAMの電源端子と電気的に接続されるとともに、主制御基板4100のダイオードMD0のカソード端子とも電気的に接続されている。つまり、+5V作成回路4100gで作成される+5Vは、主制御MPU4100aの電源端子に向かって電流が流れるとともに、ダイオードMD0により順方向である主制御内蔵RAMの電源端子と、キャパシタBC0のプラス端子と、に向かって電流が流れるようになっている。このように、キャパシタBC0は、+5V作成回路4100gで作成される+5Vが主制御基板4100、そして払出制御基板4110から電源基板に供給されるという電気的な接続方法により、+5Vが供給されて充電することができるようになっている。これにより、電源基板851の電源作成回路で作成される+12Vが払出制御基板4110を介して主制御基板4100の+5V作成回路4100gに供給されなくなって+5V作成回路4100gが+5Vを作成することができなくなった場合には、キャパシタBC0に充電された電荷が主VBBとして、払出制御基板4110を介して、主制御基板4100に供給されるようになっているため、主制御MPU4100aの電源端子にはダイオードMD0により電流が妨げられて流れず主制御MPU4100aが作動しないものの、主制御内蔵RAMの電源端子には主VBBが供給されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
次に、各制御基板等に供給される電圧についての概要を説明し、続いて、主として払出制御基板に供給される電圧、そして主制御基板に供給される電圧について説明する。
電源基板の電源作成回路で作成された+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、図74に示すように、払出制御基板4110に供給され、これら3種類の電圧のうち、+12V及び+24Vという2種類の電圧は、払出制御基板4110を介して主制御基板4100に供給されている。また電源基板の電源作成回路で作成された+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、枠周辺中継端子板に供給されるとともに、この枠周辺中継端子板を介して、周辺制御基板4140及び周辺扉中継端子板にそれぞれ供給されている。
周辺制御基板4140に供給される+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、図75(a)に示すように、ランプ駆動基板4170のランプ駆動回路4170a及びモータ駆動基板4180の駆動源駆動回路4180aにそれぞれ供給されている。ランプ駆動基板4170のランプ駆動回路4170aは、遊技盤4の各種装飾基板に点灯信号、点滅信号や階調点灯信号等の各種信号を出力し、モータ駆動基板4180の駆動源駆動回路4180aは、遊技盤のモータやソレノイド等の電気的駆動源に駆動信号を出力する。
周辺制御基板4140は、枠周辺中継端子板から供給される+5Vから直流3.3V(DC+3.3V、以下、「+3.3V」と記載する。)を作成する+3.3V作成回路4140bを備えている。+3.3V作成回路4140bが作成する+3.3Vは、遊技盤側液晶表示装置1400の液晶モジュール1900a、上皿側液晶表示装置244の液晶モジュール470a及びタッチパネル246のタッチパネルモジュール480aにそれぞれ供給されている。また、周辺制御基板4140に供給される+12Vは、遊技盤側液晶表示装置1400のバックライト電源1900b及び上皿側液晶表示装置244のバックライド電源470bにそれぞれ供給されている。
これに対して、周辺扉中継端子板に供給される+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、図75(b)に示すように、枠装飾駆動アンプ基板194に供給されている。枠装飾駆動アンプ基板194は、周辺扉中継端子板882から供給される+12Vから直流+9V(DC+9V、以下、「+9V」と記載する。)を作成する+9V作成回路194aを備えている。+9V作成回路194aが作成する+9Vとともに、周辺扉中継端子板882から供給される+5V、+12V、及び+24Vという計4種類の電圧が扉枠5の各種装飾基板等に供給されている。
払出制御基板4110は、図74に示すように、払出制御MPU4120a等のほかに、払出制御フィルタ回路4110a等を備えている。この払出制御フィルタ回路4110aは、電源基板851からの+5Vが供給されており、この+5Vからノイズを除去している。この+5Vは、ダイオードPD0を介して電源基板851のキャパシタBC1に供給されるほかに、例えば、払出制御部4120の払出制御MPU4120a等に供給されている。電源基板851からの+12Vは、例えば、払出制御部4120の払出制御入力回路4120b等に供給されるとともに、払出制御基板4110を介して、外部端子板784の外部通信回路784aに供給されている。この外部端子板784の外部通信回路784aは、パチンコ遊技機1が払い出した遊技球の球数やパチンコ遊技機1の遊技情報等を伝える信号を遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータへ出力する回路である。ホールコンピュータは、外部通信回路784aから出力される信号から、パチンコ遊技機1が払い出した遊技球の球数やパチンコ遊技機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。なお、電源基板851からの+24は、払出制御基板4110において何ら使用されずに、払出制御基板4110を介して、主制御基板4100に供給されている。
主制御基板4100は、図74に示すように、主制御MPU4100a等のほかに、+5V作成回路4100g、主制御フィルタ回路4100h、停電監視回路4100e等を備えている。+5V作成回路4100gは、電源基板851からの+12Vが払出制御基板4110を介して供給され、この+12Vから主制御MPU4100aの制御基準電圧である+5Vを作成している。主制御基板4100において、+5V作成回路4100gが作成する+5Vが印加されて供給される電源系統が+5V電源ラインとなる。本実施形態では、電源基板851の電源作成回路855dで作成される+5V電源ラインと、主制御基板4100の+5V作成回路4100gで作成される+5V電源ラインと、が電気的に接続されることがないように回路構成されているため、電源基板851の電源作成回路855dで作成される+5V電源ラインが主制御基板4100の各種電子部品と電気的に接続されることがないし、主制御基板4100の+5V作成回路4100gで作成される+5V電源ラインが主制御基板4100を除く他の基板等の各種電子部品と電気的に接続されることもない。
主制御フィルタ回路4100hは、+5V作成回路4100gで作成される+5Vが供給されており、この+5Vからノイズを除去している。この+5Vは、ダイオードMD0を介して電源基板851のキャパシタBC0に供給されるほかに、例えば、主制御MPU4100a等に供給されている。払出制御基板4110からの+12Vは、例えば、主制御入力回路4100b等に供給され、払出制御基板4110からの+24Vは、例えば、主制御ソレノイド駆動回路4100d等に供給されている。
停電監視回路4100eは、電源基板851からの+12V及び+24Vが払出制御基板4110を介して供給されており、これら+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を監視している。停電監視回路4100eは、+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を検出すると、停電予告として停電予告信号を主制御MPU4100aに出力する。停電予告信号は、主制御基板4100、そして払出制御基板4110の払出制御入力回路4120bを介して払出制御MPU4120aに入力される。また、停電予告信号は、主制御基板4100を介して周辺制御基板4140に入力される。また、停電予告信号は、周辺制御基板4140、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、図75(b)に示すように、枠装飾駆動アンプ基板194に入力されるとともに、この枠装飾駆動アンプ基板194を介して、扉枠の装飾基板等にそれぞれ入力されるようになっている。
本実施形態では、停電監視回路4100eは、+12V電源ラインと+24V電源ラインとの2つの電源ラインに印加される電圧をそれぞれ監視することによって、+12V電源ライン又は+24V電源ラインの一方の電源ラインに印加される電圧を監視する場合と比べて、停電又は瞬停等の電源断の兆候をより正確に把握することができる。
次に、図68に示した主制御基板4100の回路等について、図76〜図78を参照して説明する。図76は主制御基板の回路を示す回路図であり、図77は停電監視回路を示す回路図であり、図78は主制御基板と周辺制御基板との基板間の通信用インターフェース回路を示す回路図である。まず、図74に示した主制御フィルタ回路4100hについて説明し、続いて主制御基板4100で作成された電源、主制御システムリセット、主制御水晶発振器、主制御入力回路、停電監視回路、主制御MPUへの各種入出力信号、そして主制御基板4100と周辺制御基板4140との基板間の通信用インターフェース回路について説明する。
主制御基板4100は、図68及び図74に示した、主制御MPU4100a、主制御入力回路4100b、主制御出力回路4100c、主制御ソレノイド駆動回路4100d、停電監視回路4100e、+5V作成回路4100g、及び主制御フィルタ回路4100hのほかに、周辺回路として、図76に示すように、リセット信号を出力する主制御システムリセットMIC1、クロック信号を出力する主制御水晶発振器MX0(本実施形態では、24メガヘルツ(MHz))を主として構成されている。
主制御フィルタ回路4100hは、図76に示すように、主制御3端子フィルタMIC0を主として構成されている。この主制御3端子フィルタMIC0は、T型フィルタ回路であり、フェライトで磁気シールドした減衰特性の優れたものである。主制御3端子フィルタMIC0は、その1番端子に、+5V作成回路4100gで作成される+5Vが印加され、その2番端子がグランド(GND)と接地され、その3番端子からノイズ成分を除去した+5Vが出力されている。1番端子に印加される+5Vは、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC0の他端と電気的に接続されることにより、まずリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている。
3番端子から出力される+5Vは、一端がグランド(GND)と接地される、コンデンサMC1及び電解コンデンサMC2(本実施形態では、静電容量:470マイクロファラッド(μF))の他端とそれぞれ電気的に接続されることにより、さらにリップルが除去されて平滑化されている。この平滑化された+5Vは、主制御システムリセットMIC1の電源端子、主制御水晶発振器MX0の電源端子であるVDD端子、主制御MPU4100aの電源端子であるVDD端子等にそれぞれ印加されている。
主制御MPU4100aのVDD端子は一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC3の他端と電気的に接続され、VDD端子に印加される+5Vはさらにリップルが除去されて平滑化されている。主制御MPU4100aの接地端子であるVSS端子はグランド(GND)と接地されている。
また、主制御MPU4100aのVDD端子は、コンデンサMC3と電気的に接続されるほかに、ダイオードMD0のアノード端子と電気的に接続されている。ダイオードMD0のカソード端子は、主制御MPU4100aに内蔵されているRAM(主制御内蔵RAM)の電源端子であるVBB端子と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC4の他端と電気的に接続されている。この主制御内蔵RAMのVBB端子は、ダイオードMD0のカソード端子及びコンデンサMC4の他端と電気的に接続されるほかに、抵抗MR0を介して、図74に示した電源基板851のキャパシタBC0のプラス端子と電気的に接続されている。つまり、主制御フィルタ回路4100hによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、主制御MPU4100aのVDD端子に印加されるとともに、ダイオードMD0を介して、主制御内蔵RAMのVBB端子と、キャパシタBC0のプラス端子と、に印加されるようになっている。これにより、上述したように、図73に示した電源基板851の電源作成回路855dで作成される+12Vが払出制御基板4110を介して主制御基板4100の+5V作成回路4100gに供給されなくなって+5V作成回路4100gが+5Vを作成することができなくなった場合には、キャパシタBC0に充電された電荷が主VBBとして主制御基板4100に供給されるようになっているため、主制御MPU4100aのVDD端子にはダイオードMD0により電流が妨げられて流れず主制御MPU4100aが作動しないものの、主制御内蔵RAMのVBB端子には主VBBが印加されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
主制御フィルタ回路4100hによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、図76に示すように、主制御システムリセットMIC1の電源端子に印加されている。主制御システムリセットMIC1は、主制御MPU4100a及びリセット機能付き主制御出力回路4100caにそれぞれリセットをかけるものであり、遅延回路が内蔵されている。主制御システムリセットMIC1の遅延容量端子には、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC5の他端と電気的に接続されており、このコンデンサMC5の容量によって遅延回路による遅延時間を設定することができるようになっている。具体的には、主制御システムリセットMIC1は、電源端子に入力された+5Vがしきい値(例えば、4.25V)に達すると、遅延時間経過後に出力端子からシステムリセット信号を出力する。
主制御システムリセットMIC1の出力端子は、主制御MPU4100aのリセット端子であるSRST端子及びリセット機能付き主制御出力回路4100caのリセット端子とそれぞれ電気的に接続されている。出力端子は、オープンコレクタ出力タイプであり、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR1の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC6の他端と電気的に接続されている。このコンデンサMC6によりリップルが除去されて平滑化されている。出力端子は、電源端子に入力される電圧がしきい値より大きいときにはプルアップ抵抗MR1により+5V側に引き上げられて論理がHIとなり、この論理が主制御MPU4100aのSRST端子及びリセット機能付き主制御出力回路4100caのリセット端子にそれぞれ入力される一方、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さいときには論理がLOWとなり、この論理が主制御MPU4100aのSRST端子及びリセット機能付き主制御出力回路4100caのリセット端子にそれぞれ入力される。主制御MPU4100aのSRST端子及びリセット機能付き主制御出力回路4100caのリセット端子はそれぞれ負論理入力であるため、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さい状態となると、主制御MPU4100a及びリセット機能付き主制御出力回路4100caにリセットがかかる。なお、電源端子は一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC7の他端と電気的に接続されており、電源端子に入力される+5Vはリップルが除去されて平滑化されている。また、接地端子はグラント(GND)と接地されており、NC端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
主制御フィルタ回路4100hによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、図76に示すように、主制御水晶発振器MX0の電源端子であるVDD端子に印加されている。このVDD端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC8の他端と電気的に接続されており、VDD端子に入力される+5Vは、さらにリップルが除去されて平滑化されている。また、この平滑化された+5Vは、VDD端子のほかに、出力周波数選択端子であるA端子、B端子、C端子及びST端子にもそれぞれ印加されている。主制御水晶発振器MX0は、これらのA端子、B端子、C端子及びST端子に+5Vがそれぞれ印加されることにより、24MHzのクロック信号を出力端子であるF端子から出力する。
主制御水晶発振器MX0のF端子は、主制御MPU4100aのクロック端子であるCLK端子と電気的に接続されており、24MHzのクロック信号が入力されている。なお、主制御水晶発振器MX0の接地端子であるGND端子はグランド(GND)と接地されており、主制御水晶発振器MX0のF端子の分周波を出力するD端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
主制御入力回路4100bは、図68に示した、一般入賞口スイッチ3020、始動口スイッチ3022、磁気検出スイッチ304、カウントスイッチ2110、ゲートスイッチ2352からの検出信号のほかに、図69に示した払出制御基板4110に備える操作スイッチからの操作信号(RAMクリア信号)等が入力される回路である。各スイッチからの検出信号が入力される回路構成は、同一であるため、ここでは、操作スイッチからの操作信号(RAMクリア信号)が入力される回路について説明する。
まず、操作スイッチは、上述したように、電源投入時から予め定めた期間内において払出制御基板4110の払出制御MPU4120aに内蔵されるRAM(払出制御内蔵RAM)、及び主制御基板4100の主制御MPU4100aに内蔵されるRAM(主制御内蔵RAM)をクリアする場合に操作されたり、電源投入後においてエラー報知されている際に、そのエラーを解除するために操作されたりするようになっており、電源投入時から予め定めた期間内におけるRAMクリアを行う機能と、電源投入後(RAMクリアとして機能を奏する期間を経過した後、つまり電源投入時から予め定めた期間が経過した後)におけるエラー解除を行う機能と、を有している。主制御基板4100には、払出制御基板4110が有するエラー解除を行う機能を有していないため、電源投入時から予め定めた期間内に操作スイッチからの操作信号が入力されると、主制御内蔵RAMをクリアするためのRAMクリア信号として判断して主制御内蔵RAMをクリアする処理を行う。
主制御基板4100には、操作スイッチが操作されていないときには払出制御基板4110から論理がLOWとなった操作信号が入力される一方、操作スイッチが操作されているときには払出制御基板4110から論理がHIとなった操作信号が払出制御基板4110から入力されるようになっている(この点の詳細な説明について後述する)。
電源投入時から予め定めた期間内において払出制御基板4110に備える操作スイッチからの操作信号を伝える伝送ラインは、図76に示すように、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR2の他端と電気的に接続されるとともに抵抗MR3を介してトランジスタMTR0のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR0のベース端子は、抵抗MR3と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR4の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR0のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタMTR0のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR5の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICMIC10(非反転バッファICMIC10は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(MIC10A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA0と電気的に接続されている。
払出制御基板4110における操作スイッチからの操作信号を出力する回路は、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されるオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、操作スイッチからの操作信号を伝える伝送ラインがプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられている。主制御基板4100は、操作スイッチが操作されていないときには払出制御基板4110からの操作信号がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなって入力される一方、操作スイッチが操作されているときには払出制御基板4110からの操作信号がプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなって入力される。
抵抗MR3,MR4、及びトランジスタMTR0から構成される回路は、操作スイッチ860aからの操作信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
操作スイッチが操作されていないときには、論理がLOWとなった操作信号がトランジスタMTR0のベース端子に入力されることでトランジスタMTR0がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタMTR0のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR5により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった操作スイッチからの操作信号が主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。主制御MPU4100aは、入力端子PA0に入力される操作スイッチからの操作信号の論理値がHIであるときには主制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものでないと判断する。
一方、操作スイッチが操作されているときには、プルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった操作信号がトランジスタMTR0のベース端子に入力されることでトランジスタMTR0がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタMTR0のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった操作スイッチからの操作信号が主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。主制御MPU4100aは、入力端子PA0に入力される操作スイッチからの操作信号の論理値がLOWであるときには主制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものであると判断する。
なお、操作スイッチからの操作信号は、プルアップ抵抗MR2により+12V側に引き上げられている。これは、操作スイッチからの操作信号が払出制御基板4110を介して入力されているためである。つまり、主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間においては、基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、制御基準電圧である+5Vよりも高い電圧である+12Vを用いて信号の信頼性を高めている。そこで、本実施形態では、主制御基板4100に直接入力される、一般入賞口スイッチ3020、始動口スイッチ3022からの検出信号は、プルアップ抵抗により+5V側に引き上げられる一方、図68に示したパネル中継端子板4161を介して入力される、磁気検出スイッチ3024、カウントスイッチ2110、一般入賞口スイッチ3020、有効ゲートのゲートスイッチ、及び、普通抽選の契機となるゲートスイッチからの検出信号は、主制御基板4100に直接入力されないため、操作スイッチからの操作信号と同様に、プルアップ抵抗により+12V側に引き上げられている。
主制御基板4100は、図74に示したように、電源基板851から+12V及び+24Vという2種類の電圧が払出制御基板4110を介して供給されており、+12V及び+24Vが停電監視回路4100eに入力されている。停電監視回路4100eは、+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を監視しており、停電又は瞬停の兆候を検出すると、停電予告として停電予告信号を、主制御MPU4100aのほかに、払出制御基板4110の払出制御MPU4120aや周辺制御基板4140に出力する。ここでは、まず停電監視回路の構成について説明し、続いて+24Vの停電又は瞬停の監視、+12Vの停電又は瞬停の監視、そして停電予告信号の出力について説明する。
停電監視回路4100eは、図77に示すように、シャント式安定化電源回路MIC20、オープンコレクタ出力タイプのコンパレータMIC21、DタイプフリップフロップMIC22、トランジスタMTR20〜MTR23を主として構成されている。
シャント式安定化電源回路MIC20の基準電圧入力端子であるREF端子、及びカソード端子であるK端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR20の他端と電気的に接続されて+5Vが印加されており、REF端子に入力される電流が抵抗MR20により制限されている。K端子は、コンパレータMIC21の比較基準電圧となるリファレンス電圧Vref(本実施形態では、2.495Vが設定されている。)を出力する。K端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC20の他端と電気的に接続されており、K端子から出力されるリファレンス電圧Vrefは、コンデンサMC20によりリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている。なお、シャント式安定化電源回路MIC20のアノード端子であるA端子はグランド(GND)と接地されている。
コンパレータMIC21は、2つの電圧比較回路を備えており、その1つ(MIC21A)を、+24Vの監視電圧V1とリファレンス電圧Vrefとを比較するために用いているとともに、残りの1つ(MIC21B)を、+12Vの監視電圧V2とリファレンス電圧Vrefとを比較するために用いている。MIC21Aのプラス端子である3番端子は、+24Vの監視電圧V1が印加され、MIC21Aのマイナス端子である2番端子は、リファレンス電圧Vrefが印加されている。MIC21Bのプラス端子である5番端子は、+12Vの監視電圧V2が印加され、MIC21Bのマイナス端子である6番端子は、リファレンス電圧Vrefが印加されている。これらの比較結果は、DタイプフリップフロップMIC22に入力されている。このDタイプフリップフロップMIC22は、2つのDタイプフリップフロップ回路を備えており、その1つ(MIC22A)を本実施形態に用いている。コンパレータMIC21の電源端子であるVcc端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC21の他端と電気的に接続されており、コンパレータMIC21の電源端子であるVcc端子に印加される+5Vは、コンデンサMC21によりリップルが除去されて平滑化され、コンパレータMIC21のグランド端子であるGND端子は、グランド(GND)と接地されている。
+24Vの停電又は瞬停の監視は、上述したように、コンパレータMIC21のMIC21Aが+24Vの監視電圧V1とリファレンス電圧Vrefとを比較することにより行われている。+24Vの監視電圧V1が印加されるコンパレータMIC21のMIC21Aのプラス端子である3番端子は、図77に示すように、一端が+24V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR21の他端と、一端がグランド(GND)に接地される抵抗MR22の他端と、が電気的に接続されるとともに抵抗MR21,MR22の他端と、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC23の他端と、が電気的に接続されている。コンパレータMIC21のMIC21Aのプラス端子である3番端子に印加される+24Vの監視電圧V1は、抵抗MR21,MR22による抵抗比によって+24Vが分圧され、コンデンサMC23によりリップルが除去されて平滑化されている。抵抗MR21,MR22の値は、+24Vが停電又は瞬停した際に、その電圧が+24Vから落ち始めて予め設定した停電検知電圧V1pf(本実施形態では、21.40Vに設定されている。)となったときに、+24Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefと同値になるように設定されている。
コンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子は、オープンコレクタ出力となっており、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR23の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC24の他端と電気的に接続されてDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子と電気的に接続されている。コンデンサMC24は、ローパスフィルタとしての役割を担っている。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいときには、+24Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefより大きくなり、コンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子に印加される電圧は、プルアップ抵抗MR23により+5V側に引き上げられ、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいときには、+24Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefより小さくなり、コンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子に印加される電圧は、グランド(GND)側に引き下げられ、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
+12Vの停電又は瞬停の監視は、上述したように、コンパレータMIC21のMIC21Bが+12Vの監視電圧V2とリファレンス電圧Vrefとを比較することにより行われている。+12Vの監視電圧V2が印加されるコンパレータMIC21のMIC21Bのプラス端子である5番端子は、図77に示すように、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される抵抗の他端と、一端がグランド(GND)に接地される抵抗MR25の他端と、が電気的に接続されるとともに抵抗MR24,MR25の他端と、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC25の他端と、が電気的に接続されている。コンパレータMIC21のMIC21Bのプラス端子である5番端子に印加される+12Vの監視電圧V2は、抵抗MR24,MR25による抵抗比によって+12Vが分圧され、コンデンサMC25によりリップルが除去されて平滑化されている。抵抗MR24,MR25の値は、+12Vが停電又は瞬停した際に、その電圧が+12Vから落ち始めて予め設定した停電検知電圧V2pf(本実施形態では、10.47Vに設定されている。)となったときに、+12Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefと同値になるように設定されている。
コンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子は、オープンコレクタ出力となっており、上述したMIC21Aの出力端子である1番端子と電気的に接続されているため、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR23の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC24の他端と電気的に接続されてDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子と電気的に接続されている。コンデンサMC24は、上述したように、ローパスフィルタとしての役割を担っている。
+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいときには、+12Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefより大きくなり、コンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子に印加される電圧は、プルアップ抵抗MR23により+5V側に引き上げられ、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
一方、+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいときには、+12Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefより小さくなり、コンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子に印加される電圧は、グランド(GND)側に引き下げられ、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
DタイプフリップフロップMIC22は、クロック入力端子である1CK端子に入力されるクロック信号のエッジの変化により、D入力端子である1D端子に入力される信号の値(論理)を記憶し、この記憶値(論理)を、出力端子である1Q端子から出力するとともに、その記憶値(論理)を反転させた値を、出力端子である負論理1Q端子から出力する。また、DタイプフリップフロップMIC22は、クリア端子であるCLR端子に論理がLOWとなった信号が入力されると、ラッチ状態を解除してプリセット端子であるPR端子に入力されている信号の論理を反転させた信号を出力端子である1Q端子から出力する(このとき、1Qから出力される信号の論理を反転させた信号、つまりプリセット端子であるPR端子に入力されている信号の論理と同一の論理となった信号を負論理1Q端子から出力する)一方、クリア端子であるCLR端子に論理がHIとなった信号が入力されると、ラッチ状態をセットする。また、DタイプフリップフロップMIC22は、クリア端子であるCLR端子に論理がHIとなった信号が入力されてラッチ状態をセットするようになっている際に、プリセット端子であるPR端子に論理がLOWとなった信号が入力されると、論理をHIとする信号を出力端子である1Q端子から出力する状態を維持する(このとき、1Qから出力される信号の論理を反転させた信号を負論理1Q端子から出力する状態を維持する)。
DタイプフリップフロップMIC22は、本実施形態において、D入力端子である1D端子、及びクロック入力端子である1CK端子は、グランド(GND)とそれぞれ接地されているため、クロック入力端子である1CK端子に入力されるクロック信号のエッジの変化がなく、D入力端子である1D端子に入力される信号の値(論理)を記憶して出力端子である1Q端子から出力することがないように回路構成されている。DタイプフリップフロップMIC22は、プリセット端子であるPR端子に、上述したように、+24Vの停電又は瞬停の監視を行うコンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子からの信号と、+12Vの停電又は瞬停の監視を行うコンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子からの信号と、が入力され、これらの信号に基づいて、出力端子である1Q端子から信号を出力する。なお、電源端子であるVcc端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC22の他端と電気的に接続されており、DタイプフリップフロップMIC22の電源端子であるVcc端子に印加される+5Vは、コンデンサMC22によりリップルが除去されて平滑化され、接地端子であるGND端子は、グランド(GND)と接地され、出力端子である1Q端子の論理を反転する負論理1Q端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
DタイプフリップフロップMIC22は、本実施形態において、クリア端子であるCLR端子に主制御MPU4100aからの停電クリア信号がリセット機能付き主制御出力回路4100caを介して入力されている。この停電クリア信号は、主制御MPU4100aが行う後述する主制御側電源投入時処理において、出力開始されて所定時間経過後に停止されるようになっている。CLR端子は負論理入力であるため、主制御MPU4100aからの停電クリア信号は、リセット機能付き主制御出力回路4100caを介してその論理がLOWとなってCLR端子に入力される。DタイプフリップフロップMIC22は、CLR端子に停電クリア信号が入力されると、ラッチ状態を解除するようになっており、このとき、プリセット端子であるPR端子に入力された論理を反転して出力端子である1Q端子から出力する。
一方、主制御MPU4100aからの停電クリア信号の出力が停止されると、リセット機能付き主制御出力回路4100caを介してその論理がHIとなってCLR端子に入力される。DタイプフリップフロップMIC22は、CLR端子に停電クリア信号が入力されないときには、ラッチ状態をセットするようになっており、PR端子に論理がLOWとなって入力された状態をラッチする。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子は、主制御入力回路4100bを介して主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1と電気的に接続され、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号が停電予告信号として主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力されるようになっている。また、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子は、リセット機能なし主制御出力回路4100cbと電気的に接続され、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号をリセット機能なし主制御出力回路4100cbから払出制御基板4110に払出停電予告信号として出力するとともに、周辺制御基板4140に周辺停電予告信号として出力する。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子と、主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1と、を電気的に接続する主制御入力回路4100bは、図77に示すように、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子が、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR26の他端と電気的に接続されるとともに抵抗MR27を介してトランジスタMTR20のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR20のベース端子は、抵抗MR27と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR28の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR20のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタMTR20のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR29の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICMIC23(非反転バッファICMIC23は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(MIC23A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1と電気的に接続されている。
抵抗MR27,MR28、及びトランジスタMTR20から構成される回路は、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR20のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられてトランジスタMTR20がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。一方、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR20のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられてトランジスタMTR20がONし、スイッチ回路もONすることとなる。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がLOWとなってトランジスタMTR20のベース端子に入力されることでトランジスタMTR20がOFFする。これにより、トランジスタMTR20のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR29により+5V側に引き上げられて非反転バッファICMIC23を介して論理がHIとなった停電予告信号が主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がHIとなってトランジスタMTR20のベース端子に入力されることでトランジスタMTR20がONする。これにより、トランジスタMTR20のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて非反転バッファICMIC23を介して論理がLOWとなった停電予告信号が主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
また、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を払出制御基板4110に払出停電予告信号として出力するリセット機能なし主制御出力回路4100cbは、図77に示すように、オープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子が上述した主制御入力回路4100bの抵抗MR26と電気的に接続されて抵抗MR30を介して前段のトランジスタMTR21のベース端子と電気的に接続されている。前段のトランジスタMTR21のベース端子は、抵抗MR30と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR31の他端と電気的に接続されている。前段のトランジスタMTR21のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR32の他端と電気的に接続されるとともに抵抗MR33を介して後段のトランジスタMTR22のベース端子と電気的に接続されている。後段のトランジスタMTR22のベース端子は、抵抗MR33と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR34の他端と電気的に接続されている。後段のトランジスタMTR22のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC26の他端と電気的に接続され、そして配線(ハーネス)を介して払出制御基板4110と電気的に接続されている。なお、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して、払出制御基板4110と電気的に接続されると、払出制御基板4110における図69に示した払出制御部4120の払出制御入力回路4120bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続されるとともに図69に示した払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続される。
抵抗MR30,MR31、及び前段のトランジスタMTR21から構成される回路は前段のスイッチ回路であり、抵抗MR33,MR34、及び後段のトランジスタMTR22から構成される回路は後段のスイッチ回路であり、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号によりON/OFFするものである。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がLOWであるときには、前段のトランジスタMTR21のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて前段のトランジスタMTR21がOFFし、前段のスイッチ回路もOFFすることとなり、後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加される電圧である、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR32により+5V側に引き上げられることで後段のトランジスタMTR22がONし、後段のスイッチ回路もONすることとなる。一方、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR21のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられてトランジスタMTR21がONし、前段のスイッチ回路もONすることとなり、後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加される電圧である、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることで後段のトランジスタMTR22がOFFし、後段のスイッチ回路もOFFすることとなる。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がLOWとなって前段のトランジスタMTR21のベース端子に入力されることで前段のトランジスタMTR21がOFFする。これにより、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR32により+5V側に引き上げられて後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加されることで後段のトランジスタMTR22がONする。これにより、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して払出制御基板4110においてグランド(GND)側に引き下げられることで論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御基板4110に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がHIとなって前段のトランジスタMTR21のベース端子に入力されることで前段のトランジスタMTR21がONする。これにより、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)に引き下げられて後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加されることで後段のトランジスタMTR22がOFFする。これにより、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御入力回路4120bにおいてプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられることで論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御基板4110に入力される。
また、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を周辺制御基板4140に周辺停電予告信号として出力するリセット機能なし主制御出力回路4100cbは、図77に示すように、オープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子が上述した主制御入力回路4100bの抵抗MR26と電気的に接続されて抵抗MR35を介してトランジスタMTR23のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR23のベース端子は、抵抗MR35と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR36の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR23のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタMTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して周辺制御基板4140と電気的に接続されている。なお、トランジスタMTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して周辺制御基板4140と電気的に接続されると、図71に示した周辺制御基板4140における周辺制御部4150の図示しない周辺制御入力回路において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続されるとともに図71に示した周辺制御MPU4150aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続される。
抵抗MR35,MR36、及びトランジスタMTR23から構成される回路は、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR23のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられてトランジスタMTR23がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。一方、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR23のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられてトランジスタMTR23がONし、スイッチ回路もONすることとなる。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がLOWとなってトランジスタMTR23のベース端子に入力されることでトランジスタMTR23がOFFする。これにより、トランジスタMTR23のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して周辺制御基板4140における周辺制御部4150の払出制御入力回路においてプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられることで論理がHIとなった周辺停電予告信号が周辺制御基板4140に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がHIとなってトランジスタMTR23のベース端子に入力されることでトランジスタMTR23がONする。これにより、トランジスタMTR23のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して周辺制御基板4140においてグランド(GND)側に引き下げられることで論理がLOWとなった周辺停電予告信号が周辺制御基板4140に入力される。
このように、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を主制御MPU4100aに停電予告信号として伝える主制御入力回路4100bと、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を周辺制御基板4140に周辺停電予告信号として出力するリセット機能なし主制御出力回路4100cbと、にはトランジスタがそれぞれ1つであり、主制御MPU4100aに入力される停電予告信号と周辺制御基板4140に入力される周辺停電予告信号との論理が同一論理となっているのに対して、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を払出制御基板4110に払出停電予告信号として出力するリセット機能なし主制御出力回路4100cbにはトランジスタが前段と後段との2つであり、払出停電予告信号の論理は、主制御MPU4100aに入力される停電予告信号の論理と周辺制御基板4140に入力される周辺停電予告信号の論理とを反転させた論理となっており、停電予告信号の論理及び周辺停電予告信号の論理と異なっている。
また、主制御入力回路4100bのトランジスタMTR20のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR29の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICMIC23を介して主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1と電気的に接続されているのに対して、リセット機能なし主制御出力回路4100cbの後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して、払出制御基板4110における払出制御部4120の払出制御入力回路4120bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗の他端と電気的に接続されているとともに、リセット機能なし主制御出力回路4100cbのトランジスタMTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して、周辺制御基板4140における周辺制御部4150の払出制御入力回路において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗と電気的に接続されている。これは、主制御入力回路4100bのトランジスタMTR20のコレクタ端子と主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1との端子間においては、主制御入力回路4100bのトランジスタMTR20と主制御MPU4100aとが主制御基板4100に実装されているため、主制御MPU4100aの制御基準電圧である+5Vを用いた停電予告信号の論理(ON/OFF信号)によって停電予告を行うのに対して、主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間、及び主制御基板4100と周辺制御基板4140との基板間においては、基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、主制御MPU4100a、払出制御MPU4120a、及び周辺制御MPU4150aの制御基準電圧である+5Vよりも高い電圧である+12Vを用いた停電予告信号の論理(ON/OFF信号)によって停電予告を行っている。
次に、主制御MPU4100aへの各種入出力信号について、図76を参照して説明する。主制御MPU4100aのシリアル入力ポートのシリアルデータ入力端子であるRXA端子は、図68に示した払出制御基板4110からのシリアルデータが主制御入力回路4100bを介して払主シリアルデータ受信信号として受信される。一方、主制御MPU4100aのシリアル出力ポートのシリアルデータ出力端子であるTXA端子及びTXB端子は、TXA端子から、払出制御基板4110に送信するシリアルデータを主払シリアルデータ送信信号としてリセット機能なし主制御出力回路4100cbに送信してリセット機能なし主制御出力回路4100cbから払出制御基板4110に主払シリアルデータ送信信号を送信し、TXB端子から、図68に示した周辺制御基板4140に送信するシリアルデータを主周シリアルデータ送信信号としてリセット機能なし主制御出力回路4100cbに送信してリセット機能なし主制御出力回路4100cbから周辺制御基板4140に主周シリアルデータ送信信号を送信する。
主制御MPU4100aの所定の入力ポートの各入力端子には、上述した操作信号(RAMクリア信号)が入力されるほかに、例えば、上述した主払シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える払出制御基板4110からの払主ACK信号が主制御入力回路4100bを介して入力されたり、図68に示した始動口スイッチ3022等の各種スイッチからの検出信号が主制御入力回路4100bを介してそれぞれ入力されたり等する。
一方、主制御MPU4100aの所定の出力ポートの各出力端子からは、例えば、上述した払主シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える主払ACK信号をリセット機能付き主制御出力回路4100caに出力してリセット機能付き主制御出力回路4100caから主払ACK信号を払出制御基板4110に出力したり、図68に示した、始動口ソレノイド2105に対して、リセット機能付き主制御出力回路4100caに駆動信号を出力してリセット機能付き主制御出力回路4100caから主制御ソレノイド駆動回路4100dを介して始動口ソレノイド2105に駆動信号を出力したり、図68に示した第一特別図柄表示器1185等の各種表示器に対して、リセット機能付き主制御出力回路4100caにそれぞれ駆動信号を出力してリセット機能付き主制御出力回路4100caから各種表示器に駆動信号をそれぞれ出力したり等する。
次に、主制御基板4100と周辺制御基板4140との基板間の通信用インターフェース回路について、図78を参照して説明する。主制御基板4100は、図74に示した電源基板851からの+12Vが払出制御基板4110を介して供給され、+5V作成回路4100gは、この+12Vから主制御MPU4100aの制御基準電圧である+5Vを作成している。主制御基板4100から周辺制御基板4140へ送信される主周シリアルデータ送信信号は、主制御基板4100と周辺制御基板4140との基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、主制御MPU4100aの制御基準電圧である+5Vよりも高い電圧である+12Vを用いて送信されることによってその信頼性が高められている。
具体的には、主制御基板4100は、リセット機能なし主制御出力回路4100cbを通信用インターフェース回路として機能させており、通信用インターフェース回路は、抵抗MR50、抵抗MR51,MR52、及びトランジスタMTR50を主として構成されている。これに対して、周辺制御基板4140には、通信用インターフェース回路として、ダイオードAD10、電解コンデンサAC10(本実施形態では、静電容量:47μF)、フォトカプラAIC10(赤外LEDとフォトICとが内蔵されて構成されている。)を主として構成されている。
主制御基板4100のダイオードMD50のアノード端子には、電源基板851から供給される+12Vが払出制御基板4110を介して印加され、ダイオードMD50のカソード端子には、マイナス端子がグランド(GND)と接地される電解コンデンサMC50(本実施形態では、静電容量:220マイクロファラッド(μF))のプラス端子と電気的に接続されている。ダイオードMD50のカソード端子は、電解コンデンサMC50のプラス端子と電気的に接続されるほかに、配線(ハーネス)を介して、周辺制御基板4140のフォトカプラAIC10のアノード端子(1番端子)と電気的に接続されている。これにより、例えば停電又は瞬停が発生することにより、電源基板851からの電力が払出制御基板4110を介して主制御基板4100に供給されなくなった場合には、電解コンデンサMC50に充電された電荷が+12Vとして主制御基板4100から周辺制御基板4140のフォトカプラAIC10のアノード端子に印加し続けることができるようになっている。
このように、主制御MPU4100aの電源端子であるVDD端子には、停電又は瞬停が発生した場合に、図76に示した電解コンデンサMC2(本実施形態では、静電容量:470μF)に充電された電荷が+5Vとして印加されるようになっているため、主制御MPU4100aに内蔵される主周シリアル送信ポート4100aeは、少なくとも、その送信バッファレジスタ4100aebに主制御CPUコア4100aaがセットしたコマンドをシリアル管理部4100aecにより送信シフトレジスタ41aeaに転送して送信シフトレジスタ4100aeaから主周シリアルデータとして送信完了することができる。
主制御基板4100から周辺制御基板4140へ送信される主周シリアルデータ送信信号は、上述したように、主制御基板4100と周辺制御基板4140との基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、主制御MPU4100aの制御基準電圧である+5Vよりも高い電圧である+12Vを用いて送信されることによってその信頼性が高められている。
そこで、本実施形態では、停電又は瞬停が発生した場合に、電解コンデンサMC50に充電された電荷が+12Vとして主制御基板4100から周辺制御基板4140のフォトカプラAIC10のアノード端子に印加されるようになっているため、主制御MPU4100aに内蔵される主周シリアル送信ポート4100aeは、その送信バッファレジスタ4100aebに主制御CPUコア4100aaがセットしたコマンドをシリアル管理部4100aecにより送信シフトレジスタ41aeaに転送して送信シフトレジスタ4100aeaから主周シリアルデータとして送信すると、トランジスタMTR50のコレクタ端子から+12Vにより論理をHIとする主周シリアルデータ送信信号を送信することができるようになっている。
なお、本実施形態では、主制御MPU4100aに内蔵される主周シリアル送信ポート4100aeの送信バッファレジスタ4100aebの記憶容量が32バイトを有しており、また1パケットが3バイトのデータから構成されているため、送信バッファレジスタ4100aebに最大で10パケット分のデータが記憶されるようになっている。また、本実施形態では、主制御MPU4100aから送信される主周シリアルデータの転送ビットレートが19200bpsに設定されている。
フォトカプラAIC10のカソード端子(3番端子)は、抵抗AR10、そしてその配線(ハーネス)を介して、主制御基板4100のトランジスタMTR50のコレクタ端子と電気的に接続されている。周辺制御基板4140の抵抗AR10は、フォトカプラAIC10の内蔵赤外LEDに流れる電流を制限するための制限抵抗である。
図76に示した主制御MPU4100aから主周シリアルデータ送信信号を出力するTXB端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR50の他端と電気的に接続されるとともに抵抗MR51を介してトランジスタMTR50のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR50のベース端子は、抵抗MR51と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR52の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR50のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地されている。
抵抗MR51,MR52、及びトランジスタMTR50から構成される回路はスイッチ回路であり、主周シリアルデータ送信信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR50のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられてトランジスタMTR50がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、周辺制御基板4140のフォトカプラAIC10の内蔵赤外LEDに順方向の電流が流れないため、フォトカプラAIC10がOFFする。一方、主周シリアルデータ送信信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR50のベース端子に印加される電圧が抵抗MR50により+5V側に引き上げられてトランジスタMTR50がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、周辺制御基板4140のフォトカプラAIC10の内蔵赤外LEDに順方向の電流が流れるため、フォトカプラAIC10がONする。
周辺制御基板4140のダイオードAD10のアノード端子には、電源基板851から供給される+5Vが枠周辺中継端子板868を介して印加されて、ダイオードAD10のカソード端子が、マイナス端子がグランド(GND)と接地される電解コンデンサAC10のプラス端子と電気的に接続されている。ダイオードAD10のカソード端子は、電解コンデンサAC10のプラス端子と電気的に接続されるほかに、フォトカプラAIC10の電源端子であるVcc端子(6番端子)と電気的に接続されている。フォトカプラAIC10のエミッタ端子(4番端子)は、グランド(GND)と接地され、フォトカプラAIC10のコレクタ端子(5番端子)は、電解コンデンサAC10のプラス端子と電気的に接続されるプルアップ抵抗AR11により+5V側に引き上げられて周辺制御MPU4150aの主制御基板用シリアルI/Oポートの入力端子と電気的に接続されている。フォトカプラAIC10がON/OFFすることによりフォトカプラAIC10のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が主周シリアルデータ送信信号として周辺制御MPU4150aの主制御基板用シリアルI/Oポートの入力端子に入力される。
これにより、上述したように、例えば停電又は瞬停が発生することにより、電源基板851から供給される+5Vが枠周辺中継端子板868を介して周辺制御基板4140に供給されなくなった場合には、電解コンデンサAC10に充電された電荷が+5VとしてフォトカプラAIC10のVcc端子に印加し続けることができるようになっている。電又は瞬停が発生した際に、電解コンデンサAC10からの+5Vが印加されることにより、主制御MPU4100aのTXB端子から周辺制御基板4140へ送信される主周シリアルデータ送信信号は、主制御MPU4100aに内蔵される主周シリアル送信ポート4100aeの送信バッファレジスタ4100aebにセットされたデータが送信完了することができるようになっており、送信途中の主周シリアルデータ送信信号、つまり主周シリアルデータが寸断されることなく、また欠落されることなく周辺制御基板4140で確実に受信されるようになっている。
主制御MPU4100aのTXB端子から周辺制御基板4140へ送信される主周シリアルデータ送信信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR50のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられてトランジスタMTR50がOFFすることでフォトカプラAIC10がOFFするようになっているため、フォトカプラAIC10のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗AR11により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった主周シリアルデータ送信信号が周辺制御MPU4150aの主制御基板用シリアルI/Oポートの入力端子に入力される一方、主制御MPU4100aのTXB端子から周辺制御基板4140へ送信される主周シリアルデータ送信信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR50のベース端子に印加される電圧が抵抗MR50により+5V側に引き上げられてトランジスタMTR50がONすることでフォトカプラAIC10がONするようになっているため、フォトカプラAIC10のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった主周シリアルデータ送信信号が周辺制御MPU4150aの主制御基板用シリアルI/Oポートの入力端子に入力される。このように、フォトカプラAIC10のコレクタ端子から出力される主周シリアルデータ送信信号の論理は、主制御MPU4100aのTXB端子から周辺制御基板4140へ送信される主周シリアルデータ送信信号の論理と、同一の論理となっている。
このように、本実施形態では、主制御MPU4100aの制御基準電圧である+5Vが印加される+5V電源ラインと、ダイオードMD50を介して印加される通信用電圧である+12Vが印加される+12V電源ラインと、が停電又は瞬停が発生して制御基準電圧及び通信用電圧が低下した際の対策が施されている。つまり、主制御MPU4100aに内蔵される主周シリアル送信ポート4100aeに対しては、+5V電源ラインと、主制御フィルタ回路4100hの電解コンデンサMC2を第1の補助電源とする電解コンデンサMC2のプラス端子と、が電気的に並列接続されることにより、停電又は瞬停が発生して+5V電源ラインから印加される制御基準電圧が低下しても、第1の補助電源である主制御フィルタ回路4100hの電解コンデンサMC2のプラス端子からの制御基準電圧が印加されることによって、制御基準電圧が印加された状態を維持することができるようになっているし、抵抗MR50、抵抗MR51,MR52、及びトランジスタMTR50から構成されて通信用インターフェース回路として機能させるリセット機能なし主制御出力回路4100cbに対しては、+12V電源ラインに印加される+12Vが通信用電圧としてダイオードMD50のアノード端子に印加され、このダイオードMD50のカソード端子と、第2の補助電源である電解コンデンサMC50のプラス端子と、が電気的に並列接続されることにより、停電又は瞬停が発生して+12V電源ラインからダイオードMD50を介して印加される通信用電圧が低下しても、第2の補助電源である電解コンデンサMC50のプラス端子からの通信用電圧が印加されることによって、通信用電圧が印加された状態を維持することができるようになっている。これにより、主制御基板4100から周辺制御基板4140へ送信中のコマンドの寸断を防止することができ、また欠落を防止することができるため、周辺制御基板4140は、送信中のコマンドを確実に受信することができる。したがって、停電の発生直後や瞬停時におけるコマンドの取りこぼしを解消することができる。
また、主制御MPU4100aに内蔵される主周シリアル送信ポート4100aeの送信バッファレジスタ4100aebにセットされた複数のコマンドを主周シリアルデータとしてすべて、抵抗MR50、抵抗MR51,MR52、及びトランジスタMTR50から構成されて通信用インターフェース回路として機能させるリセット機能なし主制御出力回路4100cbを介して、周辺制御基板4140へ送信完了することができるように、主制御フィルタ回路4100hの電解コンデンサMC2の静電容量として470μFが設定され、電解コンデンサMC50の静電容量として220μFが設定されている。これにより、主制御基板4100から周辺制御基板4140へ送信中に停電又は瞬停が発生しても、送信バッファレジスタ4100aebにセットされた複数のコマンドを主周シリアルデータとしてすべてインターフェース回路として機能させるリセット機能なし主制御出力回路4100cbを介して周辺制御基板4140へ送信完了することができるため、周辺制御基板4140は、送信バッファレジスタ4100aebにセットされた複数のコマンドを寸断することなく、また欠落することなく確実に受信することができる。
次に、図69に示した払出制御基板4110の回路等について、図79〜図84を参照して説明する。図79は払出制御部の回路等を示す回路図であり、図80は払出制御入力回路を示す回路図であり、図81は図80の続きを示す回路図であり、図82は払出モータ駆動回路を示す回路図であり、図83はCRユニット入出力回路を示す回路図であり、図84は主制御基板との各種入出力信号、及び外部端子板への各種出力信号を示す入出力図である。まず、払出制御フィルタ回路について説明し、続いて払出制御部の回路、そして主制御基板との各種入出力信号及び外部端子板への各種出力信号について説明する。
払出制御フィルタ回路4110aは、図79に示すように、払出制御3端子フィルタPIC0を主として構成されている。この払出制御3端子フィルタPIC0は、T型フィルタ回路であり、フェライトで磁気シールドした減衰特性の優れたものである。払出制御3端子フィルタPIC0の1番端子は、図84に示した電源基板851からの+5Vが印加されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC0の他端と電気的に接続されており、電源基板851からの+5VがコンデンサPC0により、まずリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている。払出制御3端子フィルタPIC0の2番端子は、グランド(GND)と接地され、払出制御3端子フィルタPIC0の3番端子は、ノイズ成分を除去した+5Vを出力している。
払出制御3端子フィルタPIC0の3番端子は、一端がグランド(GND)と接地される、コンデンサPC1、及び電解コンデンサPC2(本実施形態では、静電容量:180マイクロファラッド(μF))の他端とそれぞれ電気的に接続されることにより、払出制御3端子フィルタPIC0の3番端子から出力される+5Vからさらにリップルが除去されて平滑化されている。この平滑化された+5Vは、後述する、払出制御システムリセットPIC1の電源端子、払出制御水晶発振器PX0の電源端子であるVCC端子、払出制御MPU4120aの電源端子であるVDD端子等にそれぞれ印加されている。
払出制御MPU4120aのVDD端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC3の他端と電気的に接続され、VDD端子に印加される+5VはコンデンサPC3によりさらにリップルが除去されて平滑化されている。払出制御MPU4120aの接地端子であるVSS端子はグランド(GND)と接地されている。
また、払出制御MPU4120aのVDD端子は、コンデンサPC3と電気的に接続されるほかに、ダイオードPD0のアノード端子と電気的に接続されている。ダイオードPD0のカソード端子は、払出制御MPU4120aに内蔵されているRAM(払出制御内蔵RAM)の電源端子であるVBB端子と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC4の他端と電気的に接続されている。この払出制御内蔵RAMのVBB端子は、ダイオードPD0のカソード端子及びコンデンサPC4の他端と電気的に接続されるほかに、抵抗PR0を介して、図74に示した電源基板851のキャパシタBC1のプラス端子と電気的に接続されている。つまり、払出制御フィルタ回路4110aによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、払出制御MPU4120aのVDD端子に印加されるとともに、ダイオードPD0を介して、払出制御内蔵RAMのVBB端子と、キャパシタBC1のプラス端子と、に印加されるようになっている。これにより、上述したように、図74に示した電源基板851の電源作成回路855dで作成される+5Vが払出制御基板4110に供給されなくなった場合には、キャパシタBC1に充電された電荷が払VBBとして払出制御基板4110に供給されるようになっているため、払出制御MPU4120aのVDD端子にはダイオードPD0により電流が妨げられて流れず払出制御MPU4120aが作動しないものの、払出制御内蔵RAMのVBB端子には払VBBが印加されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
払出制御部4120は、払出制御MPU4120a、払出制御入力回路4120b、払出制御出力回路4120c、払出モータ駆動回路4120d、CRユニット入出力回路4120eのほかに、周辺回路として、図79に示すように、リセット信号を出力する払出制御システムリセットPIC1、クロック信号を出力する払出制御水晶発振器PX0(本実施形態では、8メガヘルツ(MHz))を主として構成されている。ここでは、まず払出制御システムリセットについて説明し、続いて払出制御水晶発振器、払出制御入力回路、払出モータ駆動回路、CRユニット入出力回路、そして払出制御MPUへの各種入出力信号について説明する。
払出制御フィルタ回路4110aによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、図79に示すように、払出制御システムリセットPIC1の電源端子に印加されている。払出制御システムリセットPIC1は、払出制御MPU4120a及びリセット機能付き払出制御出力回路4120caにそれぞれリセットをかけるものであり、遅延回路が内蔵されている。払出制御システムリセットPIC1の遅延容量端子には、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC5の他端と電気的に接続されており、このコンデンサPC5の容量によって遅延回路による遅延時間を設定することができるようになっている。具体的には、払出制御システムリセットPIC1は、電源端子に入力された+5Vがしきい値(例えば、4.25V)に達すると、遅延時間経過後に出力端子からシステムリセット信号を出力する。
払出制御システムリセットPIC1の出力端子は、払出制御MPU4120aのリセット端子であるSRT0端子及びリセット機能付き払出制御出力回路4120caのリセット端子とそれぞれ電気的に接続されている。出力端子は、オープンコレクタ出力タイプであり、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR1の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC6の他端と電気的に接続されている。このコンデンサPC6は、ローパスフィルタとしての役割を担っている。出力端子は、電源端子に入力される電圧がしきい値より大きいときにはプルアップ抵抗PR1により+5V側に引き上げられて論理がHIとなり、この論理が払出制御MPU4120aのSRT0端子及びリセット機能付き払出制御出力回路4120caのリセット端子にそれぞれ入力される一方、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さいときには論理がLOWとなり、この論理が払出制御MPU4120aのSRT0端子及びリセット機能付き払出制御出力回路4120caのリセット端子にそれぞれ入力される。払出制御MPU4120aのSRT0端子及びリセット機能付き払出制御出力回路4120caのリセット端子はそれぞれ負論理入力であるため、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さい状態となると、払出制御MPU4120a及びリセット機能付き払出制御出力回路4120caにリセットがかかる。なお、電源端子は一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC7の他端と電気的に接続されており、電源端子に入力される+5Vはリップルが除去されて平滑化されている。また、接地端子はグラント(GND)と接地されており、NC端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
払出制御フィルタ回路4110aによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、図79に示すように、払出制御水晶発振器PX0の電源端子であるVCC端子に入力されている。このVCC端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC8の他端と電気的に接続されており、VCC端子に入力される+5Vはさらにリップルが除去されて平滑化されている。また、この平滑化された+5Vは、VCC端子のほかに、払出制御水晶発振器PX0の出力許可(Output Enable)端子であるOE端子にも印加されている。払出制御水晶発振器PX0は、そのOE端子に+5Vが印加されることにより、8MHzのクロック信号を出力端子であるOUT端子から出力する。
払出制御水晶発振器PX0のOUT端子は、払出制御MPU4120aのクロック端子であるMCLK端子と電気的に接続されており、8MHzのクロック信号が払出制御MPU4120aに入力されている。なお、払出制御水晶発振器PX0の接地端子であるGND端子はグラント(GND)と接地されている。
払出制御入力回路4120bは、図79に示した、扉枠開放スイッチ618、本体枠開放スイッチ619、図74に示した主制御基板4100に備える停電監視回路4100eからの払出停電予告信号が入力される回路、図69に示したハンドル中継端子板、そして電源基板851を介して満タンスイッチ550からの検出信号が入力される回路、操作スイッチ860aからの操作信号が入力される回路等である。まず、扉枠開放スイッチからの検出信号が入力される回路について説明し、続いて本体枠開放スイッチからの検出信号が入力される回路、停電監視回路からの払出停電予告信号が入力される回路、満タンスイッチからの検出信号が入力される回路、そして操作スイッチからの操作信号が入力される回路について説明する。なお、満タンスイッチや、図69に示した、球切れスイッチ750、計数スイッチ751、及び回転角スイッチ752等の各種検出スイッチは、出力端子がオープンコレクタ出力タイプであるため、各種検出スイッチからの検出信号が入力される回路構成はほぼ同一であるため、ここでは、満タンスイッチからの検出信号が入力される回路について説明する。
扉枠開放スイッチ618は、常閉形(ノーマルクローズ(NC))を用いており、扉枠が本体枠から開放された状態でスイッチがON(導通)し、扉枠が本体枠に閉鎖された状態でスイッチがOFF(切断)するようになっている。扉枠開放スイッチ618の2番端子は、グランド(GND)に接地される一方、扉枠開放スイッチ618の1番端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR20の他端と電気的に接続されるとともに抵抗PR21を介してトランジスタPTR20のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR20のベース端子は抵抗PR21と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR22の他端と電気的に接続されている。また、扉枠開放スイッチ618の1番端子は、プルアップ抵抗PR20と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC20の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR20のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR20のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR23の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC20(非反転バッファICPIC20は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC20A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA0と電気的に接続されている。トランジスタPTR20がON/OFFすることによりトランジスタPTR20のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が扉開放信号として払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。
また、扉枠開放スイッチ618の1番端子は、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR21を介してトランジスタPTR20のベース端子と電気的に接続されるほか、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR24を介してトランジスタPTR21のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR21のベース端子は抵抗PR24と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR25の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR21のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR21のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して外部端子板784と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR21のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して外部端子板784と電気的に接続されると、外部端子板784において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR21がON/OFFすることによりトランジスタPTR21のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が外端枠扉開放情報出力信号として外部端子板784に入力される。
更に、扉枠開放スイッチ618の1番端子は、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR21を介してトランジスタPTR20のベース端子と電気的に接続されるとともに、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR24を介してトランジスタPTR21のベース端子と電気的に接続されるほか、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR26を介してトランジスタPTR22のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR22のベース端子は抵抗PR26と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR27の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR22のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR22のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して図68に示した主制御基板4100と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR22のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して主制御基板4100と電気的に接続されると、図68に示した主制御基板4100の主制御入力回路4100bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR22がON/OFFすることによりトランジスタPTR22のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が主枠扉開放信号として主制御基板4100に入力される。
プルアップ抵抗PR20及びコンデンサPC20から構成される回路は、スイッチ信号発生回路であり、扉枠5が本体枠3から開放される際に、又は扉枠5が本体枠3に閉鎖される際に、扉枠開放スイッチ618を構成する接点が短時間ON/OFFを繰り返すバタつき現象による扉枠開放スイッチ618からの電圧の変動を吸収する機能も有する回路として構成されている。
抵抗PR21,PR22、及びトランジスタPTR20から構成される回路と、抵抗PR24,PR25、及びトランジスタPTR21から構成される回路と、抵抗PR26,PR27、及びトランジスタPTR22から構成される回路と、は扉枠開放スイッチ618からの検出信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
扉枠5が本体枠3から開放された状態では、扉枠開放スイッチ618がONしているため、トランジスタPTR20のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR20がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR20のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR23により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった扉枠開放信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。また、扉枠5が本体枠3から開放された状態では、扉枠開放スイッチ618がONしているため、トランジスタPTR21のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR21がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR21のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して外部端子板784のプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力される。また、扉枠5が本体枠3から開放された状態では、扉枠開放スイッチ618がONしているため、トランジスタPTR22のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR22がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板4100の主制御入力回路4100bのプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった主枠扉開放信号が主制御基板4100に入力される。
一方、扉枠5が本体枠3から閉鎖された状態では、扉枠開放スイッチ618がOFFしているため、トランジスタPTR20のベース端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR20がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR20のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった扉枠開放信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。また、扉枠5が本体枠3から閉鎖された状態では、扉枠開放スイッチ618がOFFしているため、トランジスタPTR21のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR21がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR21のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力される。また、扉枠5が本体枠3から閉鎖された状態では、扉枠開放スイッチ618がOFFしているため、トランジスタPTR22のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR22がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR22のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった主枠扉開放信号が主制御基板4100に入力される。
このように、扉枠5が本体枠3から開放された状態では、扉枠開放スイッチ618がONすることにより、論理がHIとなった扉枠開放信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力され、論理がHIとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力され、論理がHIとなった主枠扉開放信号が主制御基板4100に入力される一方、扉枠5が本体枠3に閉鎖された状態では、扉枠開放スイッチ618がOFFすることにより、論理がLOWとなった扉枠開放信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力され、論理がLOWとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力され、論理がLOWとなった主枠扉開放信号が主制御基板4100に入力される。
本体枠開放スイッチ619は、常閉形(ノーマルクローズ(NC))を用いており、本体枠が外枠から開放された状態でスイッチがON(導通)し、本体枠が外枠に閉鎖された状態でスイッチがOFF(切断)するようになっている。本体枠開放スイッチ619の2番端子は、グランド(GND)に接地される一方、本体枠開放スイッチ619の1番端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR28の他端と電気的に接続されるとともに抵抗PR29を介してトランジスタPTR23のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR23のベース端子は抵抗PR29と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR30の他端と電気的に接続されている。また、本体枠開放スイッチ619の1番端子は、プルアップ抵抗PR28と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC21の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR23のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR23のコレクタ端子は、上述したトランジスタPTR21のコレクタ端子と電気的に接続されるとともに、配線(ハーネス)を介して外部端子板784と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して外部端子板784と電気的に接続されると、外部端子板784において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR23がON/OFFすることによりトランジスタPTR23のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が外端枠扉開放情報出力信号として外部端子板784に入力される。
また、本体枠開放スイッチ619の1番端子は、プルアップ抵抗PR28により+5V側に引き上げられて抵抗PR29を介してトランジスタPTR23のベース端子と電気的に接続されるほか、プルアップ抵抗PR28により+5V側に引き上げられて抵抗PR31を介してトランジスタPTR24のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR24のベース端子は抵抗PR31と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR32の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR24のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR24のコレクタ端子は、上述したトランジスタPTR22のコレクタ端子と電気的に接続されるとともに、配線(ハーネス)を介して図68に示した主制御基板4100と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR24のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して主制御基板4100と電気的に接続されると、図68に示した主制御基板4100の主制御入力回路4100bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR24がON/OFFすることによりトランジスタPTR24のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が主枠扉開放信号として主制御基板4100に入力される。
プルアップ抵抗PR28及びコンデンサPC21から構成される回路は、スイッチ信号発生回路であり、本体枠3が外枠2から開放される際に、又は本体枠3が外枠2に閉鎖される際に、本体枠開放スイッチ619を構成する接点が短時間ON/OFFを繰り返すバタつき現象による本体枠開放スイッチ619からの電圧の変動を吸収する機能も有する回路として構成されている。
抵抗PR29,PR30、及びトランジスタPTR23から構成される回路と、抵抗PR31,PR32、及びトランジスタPTR24から構成される回路と、は本体枠開放スイッチ619からの検出信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
本体枠3が外枠2から開放された状態では、本体枠開放スイッチ619がONしているため、トランジスタPTR23のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR23がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR23のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して外部端子板784のプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力される。また、本体枠3が外枠2から開放された状態では、本体枠開放スイッチ619がONしているため、トランジスタPTR24のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR24がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR24のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板4100の主制御入力回路4100bのプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった主枠扉開放信号が主制御基板4100に入力される。
一方、本体枠3が外枠2に閉鎖された状態では、本体枠開放スイッチ619がOFFしているため、トランジスタPTR23のベース端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR28により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR23がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR23のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して外部端子板784においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力される。また、本体枠3が外枠2に閉鎖された状態では、本体枠開放スイッチ619がOFFしているため、トランジスタPTR24のベース端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR28により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR24がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR24のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板4100においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった主枠扉開放信号が主制御基板4100に入力される。
このように、本体枠3が外枠2から開放された状態では、本体枠開放スイッチ619がONすることにより、論理がHIとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力され、論理がHIとなった主枠扉開放信号が主制御基板4100に入力される一方、本体枠3が外枠2に閉鎖された状態では、本体枠開放スイッチ619がOFFすることにより、論理がLOWとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力され、論理がLOWとなった主枠扉開放信号が主制御基板4100に入力される。
本実施形態では、上述したように、扉枠5が本体枠3に閉鎖された状態と、本体枠3が外枠2から開放された状態と、のうち、いずれか一方の状態又は両方の状態となった場合でも、主制御基板4100に対しては主枠扉開放信号が入力されるようになっているため、図68に示した主制御基板4100の主制御MPU4100aは、主枠扉開放信号に基づいて、扉枠5が本体枠3から開放された状態であるか、それとも本体枠3が外枠2から開放された状態であるかを判別することができないものの、扉枠5及び/又は本体枠3が開放されているという遊技者が通常遊技中に生じない状態が発生していることを判断することができるし、外部端子板784に対しては外端枠扉開放情報出力信号が入力されるようになっているため、この外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784を介してホールコンピュータに伝わり、ホールコンピュータは、外端枠扉開放情報出力信号に基づいて、扉枠5が本体枠3から開放された状態であるか、それとも本体枠3が外枠2から開放された状態であるかを判別することができないものの、扉枠5及び/又は本体枠3が開放されているという遊技者が通常遊技中に生じない状態が発生していることを判断することができる。
また、本実施形態では、上述したように、扉枠開放スイッチ618、本体枠開放スイッチ619をノーマルクローズのスイッチを採用したことにより、何らかの原因により扉枠開放スイッチ618が短絡してスイッチがON(導通)する状態となっても、扉枠5が本体枠3から開放された状態となり、何らかの原因により本体枠開放スイッチ619が短絡してスイッチがON(導通)する状態となっても、本体枠3が外枠2から開放された状態となる。このように、扉枠開放スイッチ618及び本体枠開放スイッチ619をノーマルクローズのスイッチを採用することにより、短絡時にでも、主枠扉開放信号を主制御基板4100に出力することができるとともに、外端枠扉開放情報出力信号を、外部端子板784を介してホールコンピュータに伝えることができる。
なお、扉枠開放スイッチ618及び本体枠開放スイッチ619をノーマルクローズのスイッチから、常開形(ノーマルオープン(NO))のスイッチ(扉枠開放スイッチ618'及び本体枠開放スイッチ619')に替えると、扉枠開放スイッチ618'は、扉枠5が本体枠3から閉鎖された状態でスイッチがON(導通)し、扉枠5が本体枠3に開放された状態でスイッチがOFF(切断)する。本体枠開放スイッチ619'は、本体枠3が外枠2から閉鎖された状態でスイッチがON(導通)し、本体枠3が外枠2に開放された状態でスイッチがOFF(切断)する。そうすると、何らかの原因により扉枠開放スイッチ618'が断線してスイッチがOFF(切断)する状態となっても、扉枠5が本体枠3から開放された状態となるし、また、何らかの原因により本体枠開放スイッチ619'が断線してスイッチがOFF(切断)する状態となっても、本体枠3が外枠2から開放された状態となる。このように、扉枠開放スイッチ618'及び本体枠開放スイッチ619'をノーマルオープンのスイッチを採用しても、断線時にでも、主枠扉開放信号を主制御基板4100に出力することができるとともに、外端枠扉開放情報出力信号を、外部端子板784を介してホールコンピュータに伝えることができる。
主制御基板4100に備える停電監視回路4100eからの払出停電予告信号を伝える伝送ラインは、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR40の他端と電気的に接続されるとともに抵抗PR41を介してトランジスタPTR40のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR40のベース端子は抵抗PR41と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR42の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR40のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR40のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR43の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC40(非反転バッファICPIC40は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC40A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA1と電気的に接続されている。トランジスタPTR40がON/OFFすることによりトランジスタPTR40のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が払出停電予告信号として払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
抵抗PR41,PR42、及びトランジスタPTR40から構成される回路は、主制御基板4100に備える停電監視回路4100eからの払出停電予告信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
停電監視回路4100eは、上述したように、電源基板851からの+12V及び+24Vという2種類の電圧の停電又は瞬停の兆候を監視しており、停電又は瞬停の兆候を検出すると、リセット機能なし主制御出力回路4100cbを介して停電予告として払出停電予告信号を払出制御基板4110に出力する。停電監視回路4100eは、+12V及び+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候を監視し、上述したように、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して払出制御基板4110においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御基板4110に入力される一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して上述したプルアップ抵抗PR40により+12V側に引き上げられることで論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御基板4110に入力される。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、つまり+12V及び+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候がないときには、論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御基板4110に入力されるため、トランジスタPTR40のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR40がOFFし、トランジスタPTR40のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗PR43により+5V側に引き上げられる。これにより、トランジスタPTR40のコレクタ端子から論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、つまり+12V及び/又は+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候があるときには、論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御基板4110に入力されるため、停電監視回路4100eからの払出停電予告信号によりトランジスタPTR40のベース端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR40により+12V側に引き上げられることでトランジスタPTR40がONし、トランジスタPTR40のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられる。これにより、トランジスタPTR40のコレクタ端子の論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
このように、+12V及び/又は+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候があるときには、論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される一方、+12V及び+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候がないときには、論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力されるようになっている。これは、上述したように、+12V及び/又は+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候があるときには、論理がHIとなった停電予告信号が主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される一方、+12V及び+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候がないときには、停電予告信号が主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力されるようになっているため、停電監視回路4100eからの停電予告による、払出制御MPU4120aに入力される払出停電予告信号の論理と、主制御MPU4100aに入力される停電予告信号の論理と、が同一論理となっている。
満タンスイッチ550からの検出信号は、ハンドル中継端子板、そして電源基板851を介して、払出制御基板4110に入力されている。この満タンスイッチ550の出力端子は、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されるオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、払出制御基板4110において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR44aの他端と電気的に接続されるとともに満タンスイッチ用3端子フィルタPIC50の1番端子と電気的に接続されている。この満タンスイッチ用3端子フィルタPIC50は、T型フィルタ回路であり、フェライトで磁気シールドした減衰特性の優れたものである。
満タンスイッチ用3端子フィルタPIC50の2番端子は、グランド(GND)と接地され、満タンスイッチ用3端子フィルタPIC50の3番端子は、抵抗PR44bを介して、満タンスイッチ用3端子フィルタPIC50の1番端子と電気的に接続されるとともに、抵抗PR45を介してトランジスタPTR41のベース端子と電気的に接続されている。これにより、満タンスイッチ550の検出信号は、満タンスイッチ用3端子フィルタPIC50において、ノイズ成分が除去されてトランジスタPTR41のベース端子に入力される。トランジスタPTR41のベース端子は、抵抗PR45が電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)に接地される抵抗PR46の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と電気的に接続されるコンデンサPC40の他端と電気的に接続されている。コンデンサPC40は、ローパスフィルタとしての役割を担っている。トランジスタPTR41のエミッタ端子は、グランド(GND)に接地され、トランジスタPTR41のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR47の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC40(非反転バッファICPIC40は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC40B)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA2と電気的に接続されている。トランジスタPTR41がON/OFFすることによりトランジスタPTR41のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が満タン信号として払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA2に入力される。
抵抗PR45,PR46、及びトランジスタPTR41から構成される回路は、満タンスイッチ550からの検出信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
満タンスイッチ550は、上述したように、ファールカバーユニット540の第二球通路における収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かを検出するものである。本実施形態では、収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっていないときには、満タンスイッチ550の出力端子に印加される電圧がハンドル中継端子板、そして電源基板851を介して、払出制御基板4110においてプルアップ抵抗44aにより+12V側に引き上げられて論理がHIとなった信号が払出制御基板4110に入力される一方、収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているときには、満タンスイッチ550の出力端子に印加される電圧がハンドル中継端子板、そして電源基板851を介して、払出制御基板4110においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった信号が払出制御基板4110に入力される。
収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっていないときには、満タンスイッチ550の出力端子に印加される電圧がハンドル中継端子板192、そして電源基板851を介して、払出制御基板4110においてプルアップ抵抗44aにより+12V側に引き上げられて論理がHIとなった信号が上述したトランジスタPTR41のベース端子に入力されることでトランジスタPTR41がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR41のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった満タン信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA2に入力される。
一方、収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているときには、満タンスイッチ550の出力端子に印加される電圧がハンドル中継端子板、そして電源基板851を介して、払出制御基板4110においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった信号が上述したトランジスタPTR41のベース端子に入力されることでトランジスタPTR41がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR41のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗PR47により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった満タン信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA2に入力される。
なお、本実施形態では、満タンスイッチ550からの検出信号は、満タンスイッチ用3端子フィルタPIC50を介して、抵抗PR45、抵抗PR46、及びトランジスタPTR41から構成されるスイッチ回路に入力される回路構成としていたが、図69に示した、球切れスイッチ750、計数スイッチ751、及び回転角スイッチ752等の各種検出スイッチからの検出信号は、満タンスイッチ用3端子フィルタPIC50のようなT型フィルタ回路を介さずに各スイッチ回路に直接入力される回路構成となっている。満タンスイッチ550は、扉枠に取り付けられるファールカバーユニットに設けられているため、本体枠3に取り付けられる賞球装置に設けられる球切れスイッチ750、計数スイッチ751、及び回転角スイッチ752等と比べると、検出信号を伝送する経路が極めて長くなり、ノイズの影響を極めて受けやすい。
満タンスイッチ550は、ファールカバーユニットの第二球通路における収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かを検出するものであり、払出制御MPU4120aは、満タンスイッチ550からの検出信号に基づいて、収容空間が貯留された遊技球で満タンであると判断すると、払出モータ7の駆動制御を強制的に停止して払出回転体による遊技球の払い出しを停止する制御を行うようになっている。つまり、満タンスイッチ550からの検出信号を伝える伝送経路(伝送ライン)にノイズが侵入すると、払出制御MPU4120aは、収容空間が貯留された遊技球で満タンでもないのに、払出モータ744の駆動制御を強制的に停止して払出回転体による遊技球の払い出しを停止するという場合もあるし、収容空間が貯留された遊技球で満タンであるにもかからず、払出モータ744を駆動制御して払出回転体を回転させて遊技球の払い出しを継続することにより上述した賞球通路の上流側まで遊技球で満たされると、払出回転体そのものが回転することができなくなって払出モータ744に負荷が異常にかかり、払出モータが過負荷となって異常発熱して故障したり、払出モータの回転軸を払出回転体の回転運動に伝達する機構等が故障したりするという場合もある。そこで、このような問題が発生しないように、満タンスイッチ550からの検出信号を、まず満タンスイッチ用3端子フィルタPIC50において、ノイズ成分が除去するように回路構成を採用した。
操作スイッチ860aの出力端子である1番端子及び2番端子は、グランド(GND)に接地され、操作スイッチ860aの出力端子である3番端子及び4番端子は、プルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられて抵抗PR49を介して前段のトランジスタPTR42のベース端子と電気に接続されている。前段のトランジスタPTR42のベース端子は、抵抗PR49と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR50の他端と電気的に接続されている。また、操作スイッチ860aの出力端子である4番端子は、プルアップ抵抗PR48と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC41の他端と電気的に接続されている。前段のトランジスタPTR42のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、前段のトランジスタPTR42のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR51の他端と電気的に接続されるとともに抵抗PR52を介して後段のトランジスタPTR43のベース端子と電気的に接続されている。後段のトランジスタPTR43のベース端子は、抵抗PR52と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR53の他端と電気的に接続されている。後段のトランジスタPTR43のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、後段のトランジスタPTR43のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR54の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC40(非反転バッファICPIC40は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC40C)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA3と電気的に接続されている。前段及び後段のトランジスタPTR42,PTR43がON/OFFすることにより後段のトランジスタPTR43のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がRWMCLR信号として払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA3に入力される。
また、操作スイッチ860aの出力端子である3番端子及び4番端子は、プルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられて抵抗PR49を介して前段のトランジスタPTR42のベース端子と電気に接続されるほか、プルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられて抵抗PR55を介してトランジスタPTR44のベース端子と電気に接続されている。トランジスタPTR44のベース端子は、抵抗PR55と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR56の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR44のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR44のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して主制御基板4100と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR44のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して主制御基板4100と電気的に接続されると、図76に示した、主制御基板4100の主制御入力回路4100bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR2の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR44がON/OFFすることによりトランジスタPTR44のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がRAMクリア信号として主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。
プルアップ抵抗PR48及びコンデンサPC41から構成される回路は、スイッチ信号発生回路であり、操作スイッチ860aが押圧操作される際に、操作スイッチ860aを構成する接点が短時間ON/OFFを繰り返すバタつき現象による操作スイッチ860aからの電圧の変動を吸収する機能も有する回路として構成されている。
抵抗PR49,PR50、及びトランジスタPTR42から構成される回路は前段のスイッチ回路であり、抵抗PR52,PR53、及びトランジスタPTR43から構成される回路は後段のスイッチ回路であり、抵抗PR55,PR56、及びトランジスタPTR44から構成される回路はスイッチ回路であり、操作スイッチ860aからの操作信号によりON/OFFするものである。
操作スイッチ860aは、上述したように、電源投入時から予め定めた期間内において払出制御基板4110の払出制御MPU4120aに内蔵されるRAM(払出制御内蔵RAM)、及び主制御基板4100の主制御MPU4100aに内蔵されるRAM(主制御内蔵RAM)をクリアする場合に操作されたり、電源投入後においてエラー報知されている際に、そのエラーを解除するために操作されたりするようになっており、電源投入時から予め定めた期間内におけるRAMクリアを行う機能と、電源投入後(RAMクリアとして機能を奏する期間を経過した後、つまり電源投入時から予め定めた期間が経過した後)におけるエラー解除を行う機能と、を有している。操作スイッチ860aからの操作信号は、電源投入時から予め定めた期間内におけるRAMクリアを行う機能においては、RAMクリア信号となる一方、電源投入後(電源投入時から予め定めた期間が経過した後)におけるエラー解除を行う機能においては、エラー解除信号となる。
操作スイッチ860aが操作されていないときには、操作スイッチ860aの出力端子である3番端子及び4番端子がプルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられることで論理がHIとなった操作信号が前段のトランジスタPTR42のベース端子に入力されて前段のトランジスタPTR42がONし、前段のスイッチ回路もONすることとなり、後段のトランジスタPTR43のベースに印加される電圧である、前段のトランジスタPTR43のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることで後段のトランジスタPTR43がOFFし、後段のスイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、後段のトランジスタPTR43のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗PR54により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったRWMCLR信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA3に入力される。払出制御MPU4120aは、電源投入時から予め定めた期間内において、入力端子PA3に入力されるRWMCLR信号の論理がHIであるときには払出制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものではないと判断し、電源投入後(電源投入時から予め定めた期間が経過した後)において、入力端子PA3に入力されるRWMCLR信号の論理がHIであるときにはエラー解除を行うことを指示するものではないと判断する。
また、操作スイッチ860aが操作されていないときには、操作スイッチ860aの出力端子である3番端子及び4番端子がプルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった操作信号がトランジスタPTR44のベース端子に入力されてトランジスタPTR44がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR44のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板4100においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったRAMクリア信号が主制御基板4100に入力される。主制御基板4100の主制御MPU4100aは、電源投入時から予め定めた期間内に論理がLOWであるRAMクリア信号が入力されているときには、上述したように、図76に示した、この論理がLOWであるRAMクリア信号がトランジスタMTR0のベース端子に入力されることでトランジスタMTR0がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタMTR0のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR5により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったRAMクリア信号が主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。主制御MPU4100aは、入力端子PA0に入力されるRAMクリア信号の論理がHIであるときには主制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものではないと判断する。
一方、操作スイッチ860aが操作されているときには、操作スイッチ860aの出力端子である3番端子及び4番端子がグランド(GND)側に引き下げられることで論理がLOWとなった操作信号が前段のトランジスタPTR42のベース端子に入力されて前段のトランジスタPTR42がOFFし、前段のスイッチ回路もOFFすることとなり、後段のトランジスタPTR43のベースに印加される電圧である、前段のトランジスタPTR42のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗PR51により+5V側に引き上げられることで後段のトランジスタPTR43がONし、後段のスイッチ回路もONすることとなる。これにより、後段のトランジスタPTR43のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったRWMCLR信号が払出制御MPU4120aの入力ポートPAの入力端子PA3に入力される。払出制御MPU4120aは、電源投入時から予め定めた期間内において、入力端子PA3に入力されるRWMCLR信号の論理がLOWであるときには払出制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものであると判断し、電源投入後(電源投入時から予め定めた期間が経過した後)において、入力端子PA3に入力されるRWMCLR信号の論理がLOWであるときにはエラー解除を行うことを指示するものであると判断する。
また、操作スイッチ860aが操作されているときには、操作スイッチ860aの出力端子である3番端子及び4番端子がプルアップ抵抗PR48によりグランド(GND)側に引き下げられることで論理がLOWとなった操作信号がトランジスタPTR44のベース端子に入力されてトランジスタPTR44がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR44のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板4100の主制御入力回路4100bのプルアップ抵抗MR2により+12V側に引き上げられて論理がHIとなったRAMクリア信号が主制御基板4100に入力される。主制御基板4100の主制御MPU4100aは、電源投入時から予め定めた期間内に論理がHIであるRAMクリア信号が入力されているときには、上述したように、図76に示した、この論理がHIであるRAMクリア信号がトランジスタMTR0のベース端子に入力されることでトランジスタMTR0がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタMTR0のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったRAMクリア信号が主制御MPU4100aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。主制御MPU4100aは、入力端子PA0に入力されるRAMクリア信号の論理がLOWであるときには主制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものであると判断する。
次に、払出モータに駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路4120dについて説明する。払出モータ駆動回路4120dは、図82に示すように、電圧切替回路4120da、ドライブICPIC60を主として構成されている。電圧切替回路4120daの電源入力端子1,2は、+12V電源ライン及び+5V電源ラインとそれぞれ電気的に接続されて+12及び+5Vがそれぞれ印加され、電圧切替回路4120daの接地端子は、グランド(GND)と接地されている。電圧切替回路4120daの電源切替入力端子は、電圧切替信号が入力される。この電圧切替信号は、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力され、リセット機能付き払出制御出力回路4120caから電圧切替回路4120daの電源切替入力端子に出力されるようになっている。電圧切替回路4120daの電源出力端子は、ツェナーダイオードPZD60を介して、ドライブICPIC60のカソード端子である3番端子及び10番端子とそれぞれ電気的に接続されるとともに、払出モータ744の電源端子と電気的に接続され、電圧切替回路4120daの電圧切替入端子に入力される電圧切替信号に基づいて、+12V又は+5Vを、モータ駆動電圧として、ツェナーダイオードPZD60を介して、ドライブICPIC60のカソード端子である3番端子及び10番端子にそれぞれ供給するとともに、払出モータ744に供給する。
ドライブICPIC60は、4つのダーリントンパワートランジスタを備えており、本実施形態では、ドライブICPIC60のエミッタ端子である6番端子及び7番端子は、それぞれグランド(GND)と接地され、ドライブICPIC60のベース端子である1番端子、5番端子、8番端子、そして12番端子は、払出モータ駆動信号が抵抗PR60〜PR63を介してそれぞれ入力される。ドライブICPIC60のコレクタ端子である2番端子、4番端子、9番端子、そして11番端子は、ドライブICPIC60のベース端子である1番端子、5番端子、8番端子、そして12番端子とそれぞれ対応しており、ドライブICPIC60のベース端子である1番端子、5番端子、8番端子、そして12番端子に払出モータ駆動信号が抵抗PR60〜PR63を介してそれぞれ入力されると、励磁信号である駆動パルスを払出モータ744と対応する各相(/B相、B相、A相、/A相)にそれぞれ出力する。この払出モータ駆動信号は、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力され、リセット機能付き払出制御出力回路4120caから抵抗PR60〜PR63を介してドライブICPIC60のベース端子である1番端子、5番端子、8番端子、そして12番端子にそれぞれ出力されるようになっている。これらの駆動パルスは、払出モータ744の各相(/B相、B相、A相、/A相)に流す励磁電流のスイッチングにより行われ、払出モータ744を回転させる。なお、このスイッチングにより各相(/B相、B相、A相、/A相)の駆動パルス(励磁信号)を遮断したときには逆起電力が発生する。この逆起電力がドライブICPIC60の耐圧を超えると、ドライブICPIC60が破損するため、保護として、ドライブICPIC60のカソード端子である3番端子及び10番端子の前段に上述したツェナーダイオードPZD0を電気的に接続する回路構成を採用した。
次に、図70に示したCRユニット6との各種信号を入出力するためのCRユニット入出力回路4120eについて説明する。払出制御基板4110は、CRユニット6から、上述したように、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、貸球要求信号であるBRDYと、1回の払出動作開始要求信号であるBRQと、が入力され、また図70に示した電源基板851から供給されるAC24Vから作成した、所定電圧VL(+12V)及びグランドLGが供給される一方、払出制御基板4110から、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるEXS信号と、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨又は不可能である旨を伝えるPRDY信号と、を出力する。これらの各種信号等を入出力する入出力回路は、図83に示すように、フォトカプラPIC70〜PIC74(赤外LEDとフォトトランジスタとが内蔵されている。)を主として構成されている。
CRユニット6からの所定電圧VLは、抵抗PR70を介して、フォトカプラPIC70のアノード端子に印加されている。フォトカプラPIC70のカソード端子は、CRユニット6からのグランドLGと電気的に接続されている。抵抗PR60は、フォトカプラPIC70の内蔵赤外LEDに流れる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC70のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときには、フォトカプラPIC70がONする一方、フォトカプラPIC70のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されていないときには、フォトカプラPIC70がOFFするようになっている。フォトカプラPIC70のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、フォトカプラPIC70のコレクタ端子は、抵抗PR71を介してトランジスタPTR70のベース端子と電気的に接続されるほかに、抵抗PR72を介してトランジスタPTR71のベース端子と電気的に接続されている。フォトカプラPIC70のコレクタ端子は、抵抗PR71と電気的に接続されるほかに、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR73の他端と電気的に接続されている。
トランジスタPTR70のベース端子は、抵抗PR71と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR74の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR70のエミッタ端子は、グランド(GND)に接地され、トランジスタPTR70のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR75の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC80(非反転バッファICPIC80は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC80A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して図79に示した払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR70がON/OFFすることによりトランジスタPTR70のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がCR接続信号1として払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
一方、トランジスタPTR71のベース端子は、抵抗PR72と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR76の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR71のエミッタ端子は、グランド(GND)に接地され、トランジスタPTR71のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して電源基板851と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR71のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して電源基板851と電気的に接続されると、電源基板851において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR71がON/OFFすることによりトランジスタPTR71のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がCR接続信号として電源基板851に入力される。
抵抗PR71,PR74、及びトランジスタPTR70から構成される回路は、フォトカプラPIC70のON/OFFによりON/OFFするスイッチ回路である。
CRユニット6からの所定電圧VLがフォトカプラPIC70のアノード端子に印加されていないときには、フォトカプラPIC70がOFFし、プルアップ抵抗PR73により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR70がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR70のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったCR接続信号1が払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
一方、CRユニット6からの所定電圧VLがフォトカプラPIC70のアノード端子に印加されているときには、フォトカプラPIC70がONし、トランジスタPTR70のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR70がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR70のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PTR75により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったCR接続信号1が払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
抵抗PR72,PR76、及びトランジスタPTR71から構成される回路も、フォトカプラPIC70のON/OFFによりON/OFFするスイッチ回路である。
CRユニット6からの所定電圧VLがフォトカプラPIC70のアノード端子に印加されていないときには、フォトカプラPIC70がOFFし、プルアップ抵抗PR73により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR71がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR71のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して電源基板851においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったCR接続信号が電源基板851に入力される。
一方、CRユニット6からの所定電圧VLがフォトカプラPIC70のアノード端子に印加されているときには、フォトカプラPIC70がONし、トランジスタPTR71のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR71がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR71のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して電源基板851のプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなったCR接続信号が電源基板851に入力される。
CRユニット6からの所定電圧VLは、フォトカプラPIC70のアノード端子のほかに、抵抗PR77を介して、フォトカプラPIC71のアノード端子にも印加されている。フォトカプラPIC71のカソード端子は、CRユニット6からのBRDYが入力されている。抵抗PR77は、フォトカプラPIC71の内蔵赤外LEDに流がれる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC71のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRDYの論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC71がONする一方、フォトカプラPIC71のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRDYの論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC71がOFFするようになっている。フォトカプラPIC71のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、フォトカプラPIC71のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR78の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC80(非反転バッファICPIC80は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC80B)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続されている。フォトカプラPIC71がON/OFFすることによりフォトカプラPIC71のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がBRDY信号として払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
フォトカプラPIC71のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRDYの論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC71がONするため、フォトカプラPIC71のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったBRDY信号が払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。一方、フォトカプラPIC71のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRDYの論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC71がOFFするため、フォトカプラPIC71のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR78により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったBRDY信号が払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。このように、フォトカプラPIC71のコレクタ端子から出力されるBRDY信号の論理は、CRユニット6からのBRDYの論理と同一の論理となっている。
CRユニット6からの所定電圧VLは、フォトカプラPIC70のアノード端子、及びフォトカプラPIC71のアノード端子のほかに、抵抗PR79を介して、フォトカプラPIC72のアノード端子にも印加されている。フォトカプラPIC72のカソード端子は、CRユニット6からのBRQが入力されている。抵抗PR79は、フォトカプラPIC72の内蔵赤外LEDに流がれる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC72のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRQの論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC72がONする一方、フォトカプラPIC72のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRQの論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC72がOFFするようになっている。フォトカプラPIC72のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、フォトカプラPIC72のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR80の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC80(非反転バッファICPIC80は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC80C)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続されている。フォトカプラPIC72がON/OFFすることによりフォトカプラPIC72のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がBRQ信号として払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
フォトカプラPIC72のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRQの論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC72がONするため、フォトカプラPIC72のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったBRQ信号が払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。一方、フォトカプラPIC72のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRQの論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC72がOFFするため、フォトカプラPIC72のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR80により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったBRQ信号が払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。このように、フォトカプラPIC72のコレクタ端子から出力されるBRQ信号の論理は、CRユニット6からのBRQの論理と同一の論理となっている。
払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるEXS信号は、リセット機能なし払出制御出力回路4120cbに出力され、リセット機能なし払出制御出力回路4120cbから抵抗PR81を介してフォトカプラPIC73のカソード端子に入力されている。フォトカプラPIC73のアノード端子は、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR82の他端と電気的に接続されている。抵抗PR82は、フォトカプラPIC73の内蔵赤外LEDに流がれる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC73のアノード端子に抵抗PR82を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるEXS信号の論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC73がONする一方、フォトカプラPIC73のアノード端子に抵抗PR82を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるEXS信号の論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC73がOFFするようになっている。フォトカプラPIC73のエミッタ端子は、CRユニット6からのグランドLGと接地され、フォトカプラPIC73のコレクタ端子は、プルアップ抵抗PR83により、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6内において所定電圧VLに引き上げられてその内蔵制御装置と電気的に接続されている。フォトカプラPIC73がON/OFFすることによりフォトカプラPIC73のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がEXSとしてCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。
フォトカプラPIC73のアノード端子に抵抗PR82を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるEXS信号の論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC73がONするため、フォトカプラPIC73のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったEXSがCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。一方、フォトカプラPIC73のアノード端子に抵抗PR82を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるEXS信号の論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC73がOFFするため、フォトカプラPIC73のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR83により所定電圧VLに引き上げられて論理がHIとなったEXSがCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。このように、フォトカプラPIC73のコレクタ端子から出力されるEXSの論理は、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるEXS信号の論理と同一の論理となっている。
払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子から貸球を払い出すための払出動作が可能である旨又は不可能である旨を伝えるPRDY信号は、抵抗PR84を介して、フォトカプラPIC74のカソード端子に入力されている。フォトカプラPIC74のアノード端子は、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR85の他端と電気的に接続されている。抵抗PR85は、フォトカプラPIC74の内蔵赤外LEDに流がれる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC74のアノード端子に抵抗PR85を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU41
20aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるPRDY信号の論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC74がONする一方、フォトカプラPIC74のアノード端子に抵抗PR85を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるPRDY信号の論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC74がOFFするようになっている。フォトカプラPIC74のエミッタ端子は、CRユニット6からのグランドLGと接地され、フォトカプラPIC74のコレクタ端子は、プルアップ抵抗PR86により、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6内において所定電圧VLに引き上げられてその内蔵制御装置と電気的に接続されている。フォトカプラPIC74がON/OFFすることによりフォトカプラPIC74のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がPRDYとしてCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。
フォトカプラPIC74のアノード端子に抵抗PR85を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるPRDY信号の論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC74がONするため、フォトカプラPIC74のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったPRDYがCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。一方、フォトカプラPIC74のアノード端子に抵抗PR85を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるPRDY信号の論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC74がOFFするため、フォトカプラPIC74のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR86により所定電圧VLに引き上げられて論理がHIとなったPRDYがCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。このように、フォトカプラPIC74のコレクタ端子から出力されるPRDYの論理は、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路4120cbを介して出力されるPRDY信号の論理と同一の論理となっている。
次に、払出制御MPU4120aの各種入出力ポートの入出力端子から入出力される各種入出力信号について説明する。
払出制御MPU4120aのシリアル入力ポートのシリアルデータ入力端子であるRXD端子は、図79に示すように、主制御基板4100からのシリアルデータが払出制御入力回路4120bを介して主払シリアルデータ受信信号として受信される。一方、払出制御MPU4120aのシリアル出力ポートのシリアルデータ出力端子であるTXD端子からは、主制御基板4100に送信するシリアルデータを払主シリアルデータ送信信号としてリセット機能なし払出制御出力回路4120cbに送信してリセット機能なし払出制御出力回路4120cbから主制御基板4100に払主シリアルデータ送信信号を送信する。
払出制御MPU4120aの所定の入力ポートの各入力端子には、上述した、RWMCLR信号、払出停電予告信号、扉開放信号、満タン信号、CRユニット6からの各種信号(BRQ信号、BRDY信号、CR接続信号1等)等がそれぞれ入力されるほかに、例えば、上述した払主シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える主制御基板4100からの主払ACK信号が払出制御入力回路4120bを介して入力されたり、図69に示した、球切れスイッチ750、計数スイッチ751、及び回転角スイッチ752等からの検出信号が払出制御入力回路4120bを介してそれぞれ入力されたり等する。
一方、払出制御MPU4120aの所定の出力ポートの各出力端子からは、上述したEXS信号及びPRDY信号をリセット機能なし払出制御出力回路4120cbにそれぞれ出力してリセット機能なし払出制御出力回路4120cbからEXS信号及びPRDY信号をCRユニット入出力回路4120eに出力したり、上述した電圧切替信号をリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力してリセット機能付き払出制御出力回路4120caから電圧切替信号を電圧切替回路4120daに出力したり、払出モータ駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力してリセット機能付き払出制御出力回路4120caから払出モータ駆動信号を、払出モータ駆動回路4120dを介して払出モータ744に出力したりするほかに、例えば、上述した主払シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える払主ACK信号をリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力してリセット機能付き払出制御出力回路4120caから払主ACK信号を主制御基板4100に出力したり、図69に示したエラーLED表示器860bの駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路4120caに出力してリセット機能付き払出制御出力回路4120caから駆動信号をエラーLED表示器860bに出力したり等する。
次に、払出制御基板4110と主制御基板4100との各種入出力信号と、払出制御基板4110から外部端子板784への各種出力信号について、図84を参照して説明する。
払出制御基板4110は、主制御基板4100と各種入出力信号のやり取りを行う。具体的には、図84(a)に示すように、払出制御基板4110は、上述した、払主シリアルデータ送信信号、払主ACK信号、操作信号(RAMクリア信号)、主枠扉開放信号等を、主制御基板4100に出力する。これらの出力される信号は、主制御基板4100の主制御入力回路4100bのプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられている。
一方、払出制御基板4110は、上述した、主払シリアルデータ受信信号、主払ACK信号、及び操作信号(RAMクリア信号)のほかに、15ラウンド大当り情報出力信号、及び2ラウンド大当り情報出力信号等の大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力信号、始動口入賞情報出力信号等の遊技に関する遊技情報信号や払出停電予告信号等が主制御基板4100から入力される。これらの入力される信号は、払出制御基板4110の払出制御部4120の払出制御入力回路4120bのプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられている。
払出制御基板4110は、外部端子板784に各種信号を出力する。具体的には、図84(b)に示すように、上述した外端枠扉開放情報出力信号のほかに、払出モータが実際に払い出した遊技球の球数を示す賞球数情報出力信号、主制御基板4100から払出制御基板4110を介して、15ラウンド大当り情報出力信号、及び2ラウンド大当り情報出力信号等の大当り情報出力信号に加えて、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力信号、及び始動口入賞情報出力信号等の遊技情報信号等を、外部端子板784に出力する。これらの出力される信号は、外部端子板784のプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられている。
外部端子板784から出力される信号は、図示しない遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータに伝わるようになっており、ホールコンピュータは、遊技者の遊技等を監視している。なお、例えば、15ラウンド大当り情報出力信号又は2ラウンド大当り情報出力信号を1つの大当り情報出力信号としてホールコンピュータに出力する場合には、ホールコンピュータは、ラウンドが2回となった大当りの回数(2ラウンド大当りの発生回数)と、ラウンドが15回となった大当りの回数(15ラウンド大当りの発生回数)と、が合算されたものがパチンコ遊技機1の大当りの回数となる。このため、ホールコンピュータは、その合算された大当り回数から、2ラウンド大当りの発生回数や15ランド大当りの発生回数を把握することができないので、実際にパチンコ遊技機1で発生した大当り回数が多いのが、2ラウンド大当りであるのか、それとも15ラウンド大当りであるのかを、把握することができない。またパチンコ遊技機1の上方に図示しないデータカウンタが配置されており、遊技者の中には、このデータカウンタに表示された大当り遊技状態の発生回数等を参考にして遊技を行うか否かを選択する者もいる。
ところが、データカウンタに表示された大当り遊技状態の発生回数は、実際には2ラウンド大当りの発生回数に偏っている場合もあるので、遊技者が遊技を開始しても、2ラウンド大当りばかり発生して15ラウンド大当りがなかなか発生しないこともある。このように、データカウンタに表示された大当り遊技状態の発生回数は、遊技者に期待感を与えることはできるものの、必要以上に遊技者の射幸心をあおりかねない。
そこで、本実施形態では、大当り情報出力信号として、15ラウンド大当り情報出力信号と2ラウンド大当り情報出力信号とを別々にホールコンピュータに出力することにより、ホールコンピュータは、2ラウンド大当りの発生回数と、15ラウンド大当り発生回数と、を正確に把握することができるようになっている。したがって、ホールコンピュータは、実際にパチンコ遊技機1で発生した大当り回数の多いのが、2ラウンド大当りであるのか、それとも15ラウンド大当りであるのかを、把握することができるし、データカウンタには15ラウンド大当りの発生回数と2ラウンド大当りの発生回数とを別々に又は15ラウンド大当りの発生回数のみを大当り遊技状態の発生回数として表示することができるので、必要以上に遊技者の射幸心をあおることもない。
なお、本実施形態では、2ラウンド大当り情報出力信号は2ラウンド大当りが発生して終了するまでの期間においてホールコンピュータに出力された状態となっており、15ラウンド大当り情報出力信号も15ラウンド大当りが発生して終了するまでの期間においてホールコンピュータに出力された状態となっている。本実施形態のように、2ラウンド大当り情報出力信号及び15ラウンド大当り情報出力信号をホールコンピュータに出力する方法のほかに、例えば、2ラウンド大当りが発生すると、2ラウンド大当り情報出力信号が所定期間だけホールコンピュータに出力される状態とし、15ラウンド大当りが発生すると、15ラウンド大当り情報出力信号が所定期間だけホールコンピュータに出力される状態とする、このような2ラウンド大当り情報出力信号及び15ラウンド大当り情報出力信号を同一の所定期間だけホールコンピュータに出力する方法も挙げることができる。
次に、主制御基板4100から払出制御基板4110へ送信される各種コマンドと、主制御基板4100から周辺制御基板4140へ送信される各種コマンドについて、図85〜図88を参照して説明する。図84は主制御基板から払出制御基板へ送信される各種コマンドの一例を示すテーブルであり、図86は主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドの一例を示すテーブルであり、図87は図86の主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドのつづきを示すテーブルであり、図88は主制御基板が受信する払出制御基板からの各種コマンドの一例を示すテーブルである。まず、主制御基板から払出制御基板へ送信される払い出しに関するコマンドである賞球コマンドについて説明し、続いて主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドについて説明し、主制御基板が受信する払出制御基板からの各種コマンドについて説明する。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、図68に示した、一般入賞口スイッチ、始動口スイッチ3022、及びカウントスイッチ2110等の各種入賞スイッチからの検出信号が入力されると、これらの検出信号に基づいて、予め定めた球数の遊技球を賞球として払い出すための賞球コマンドを払出制御基板へ送信する。この賞球コマンドは、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドである。本実施形態では、パチンコ遊技機1とCRユニット6(パチンコ遊技機1と通信して、パチンコ遊技機1(賞球装置740)の払出モータを駆動して貯留皿である、貸球として遊技球を払い出す装置とが電気的に接続されている場合には(このようなパチンコ遊技機を「CR機」という。)、図85(a)に示すように、主制御基板4100から払出制御基板4110に送信する賞球コマンドには、コマンド10H〜コマンド1EH(「H」は16進数を表す。)が用意されており、コマンド10Hでは賞球1個が指定され、コマンド11Hでは賞球2個が指定され、・・・、コマンド1EHでは賞球15個が指定されている。この指定された賞球数だけ、払出制御基板4110は、払出モータを駆動して遊技球を払い出す制御を行う。
また、パチンコ遊技機1と球貸し機とが遊技場(ホール)に隣接して設置され、パチンコ遊技機1と球貸し機が電気的に接続されている場合には(このようなパチンコ遊技機を「一般機」という。)、図85(b)に示すように、主制御基板4100から払出制御基板4110に送信する賞球コマンドには、コマンド20H〜コマンド2EHが用意されており、コマンド20Hでは賞球1個が指定され、コマンド21Hでは賞球2個が指定され、・・・、コマンド2EHでは賞球15個が指定されている。この指定された賞球数だけ、払出制御基板4110は、払出モータ744を駆動して遊技球を払い出す制御を行う。
なお、CR機及び一般機の共通のコマンドとして、図85(c)に示すように、コマンド30Hが用意されており、このコマンド30Hではセルフチェックが指定されている。送信側は、コマンド送信後、所定期間、受信側からコマンドの受け取り確認として出力するACK信号が入力されない場合に、コマンド30Hを送信して、ACK信号が入力されるか否かをチェックすることで接続状態を確認する。本実施形態におけるCR機の場合では、払出制御基板4110がCRユニット6との接続状態を確認する。
次に、主制御基板4100から周辺制御基板4140へ送信される各種コマンドについて説明する。主制御基板4100の主制御MPU4100aは、遊技の進行に基づいて周辺制御基板4140に各種コマンドを送信する。これらの各種コマンドは、2バイト(16ビット)の記憶容量を有するコマンドであり、図86及び図87に示すように、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドの種類を示すステータスと、1バイト(8ビット)の記憶容量を有する演出のバリエーションを示すモードと、から構成されている。
各種コマンドは、図86、図87に示すように、特図1同調演出関連、特図2同調演出関連、大当り関連、電源投入、普図同調演出関連、普通電役演出関連、報知表示、状態表示、及びその他に区分されている。
特図1同調演出関連は、図68に示した始動口スイッチ3022からの検出信号に基づくものであり、その区分には、図86に示すように、図67に示した機能表示基板1191の第一特別図柄表示器1185に関する、特図1同調演出開始、特別図柄1指定、特図1同調演出終了、及び変動時状態指定という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「A*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
特図1同調演出開始コマンドは、モードで指定された演出パターンで特図同調演出開始を指示するものであり、特別図柄1指定コマンドは、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するものであり、特図1同調演出終了コマンドは、特図1同調演出終了を指示するものであり、変動時状態指定コマンドは、確率及び時短状態を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、特図1同調演出開始コマンドは、特別図柄1変動開始時に送信され、特別図柄1指定コマンドは、特図1同調演出開始の直後に送信され、特図1同調演出終了コマンドは、特別図柄1変動時間経過時(特別図柄1確定時)に送信され、変動時状態指定コマンドは、特図当落情報指定の直後に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には後述する主制御側タイマ割り込み処理の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
特図2同調演出関連は、第二始動口2008のスイッチからの検出信号に基づくものであり、その区分には、図86に示すように、図67に示した機能表示基板1191の第二特別図柄表示器1186に関する、特図2同調演出開始、特別図柄2指定、及び特図2同調演出終了という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「B*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
特図2同調演出開始コマンドは、モードで指定された演出パターンで特図同調演出開始を指示するものであり、特別図柄2指定コマンドは、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するものであり、特図2同調演出終了は、特図2同調演出終了を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、特図2同調演出開始コマンドは、特別図柄2変動開始時に送信され、特別図柄2指定コマンドは、特図2同調演出開始の直後に送信され、特図2同調演出終了コマンドは、特別図柄2変動時間経過時(特別図柄2確定時)に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
大当り関連という区分には、図86に示すように、大当りオープニング、大入賞口1開放N回目表示、大入賞口1閉鎖表示、大入賞口1カウント表示、大当りエンディング、大当り図柄表示、小当りオープニング、小当り開放表示、小当りカウント表示、及び小当りエンディングという名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「C*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
大当りオープニングコマンドは、大当りオープニング開始を指示するものであり、大入賞口1開放N回目表示コマンドは、1〜16ラウンド目の大入賞口1開放中開始(下大入賞口2003又は右側大入賞口7000のN回目のラウンドの開放中又は開放開始)を指示するものであり、大入賞口1閉鎖表示コマンドは、ラウンド間の大入賞口1閉鎖中開始(下大入賞口2003又は右側大入賞口7000のラウンド間の閉鎖中又は閉鎖開始)を指示するものであり、大入賞口1カウント表示コマンドは、カウント0〜10個をカウントした旨(図68に示したカウントスイッチ2110によって検出された、下大入賞口2003又は右側大入賞口7000に入球した遊技球の球数)を伝えるものであり、大当りエンディングコマンドは、大当りエンディング開始を指示するものであり、大当り図柄表示コマンドは、大当り図柄情報表示を指示するものである。
また、小当りオープニングコマンドは、小当りオープニング開始を指示するものであり、小当り開放表示コマンドは、小当り開放中開始(小当り時における、下大入賞口2003又は右側大入賞口7000の開放中又は開放開始)を指示するものであり、小当りカウント表示コマンドは、小当り中大入賞口入賞演出(小当り中における、下大入賞口2003又は右側大入賞口7000に入球した遊技球がカウントスイッチ2110によって検出された場合における演出)を指示するものであり、小当りエンディングコマンドは、小当りエンディング開始を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、大当りオープニングコマンドは、大当りオープニング開始時に送信され、大入賞口1開放N回目表示コマンドは、1〜16ラウンド目の大入賞口1開放時(下大入賞口2003又は右側大入賞口7000のN回目のラウンドの開放時)に送信され、大入賞口1閉鎖表示コマンドは、大入賞口1閉鎖時(下大入賞口2003又は右側大入賞口7000の閉鎖開始)に送信され、大入賞口1カウント表示コマンドは、大入賞口1開放時及び大入賞口1へのカウント変化時(下大入賞口2003又は右側大入賞口7000の開放時、及び、下大入賞口2003又は右側大入賞口7000に入球した遊技球がカウントスイッチ2110によって検出された時)に送信され、大当りエンディングコマンドは、大当りエンディング開始時に送信され、大当り図柄表示コマンドは、大入賞口開放時(下大入賞口2003又は右側大入賞口7000の開放時)に送信される。
また、小当りオープニングコマンドは、小当りオープニング開始時に送信され、小当り開放表示コマンドは、小当り開放時(小当り時における、下大入賞口2003又は右側大入賞口7000の開放時)に送信され、小当りカウント表示コマンドは、小当り中大入賞口入賞時(小当り中における、下大入賞口2003又は右側大入賞口7000に入球した遊技球がカウントスイッチ2110によって検出された時)に送信され、小当りエンディングコマンドは、小当りエンディング開始時に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
電源投入という区分には、図86に示すように、電源投入という名称の各種コマンドから構成されている。この電源投入コマンドには、ステータスとして「D*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
電源投入コマンドは、RAMクリア演出開始及びそれぞれの状態演出開始を指示するものである(例えば、図69に示した電源投入時に払出制御基板4110の操作スイッチ860aが操作された時における演出の開始を指示したりするものである)。
電源投入コマンドの送信タイミングとして、主制御基板電源投入時RAMクリア及びRAMクリア以外の時に送信される。具体的には、パチンコ遊技機1の電源投入時、停電又は瞬停から復帰するときであって、払出制御基板4110の操作スイッチ860aが操作されたときに、後述する主制御側電源投入時処理が実行されて主制御側タイマ割り込み処理の周辺制御基板コマンド送信処理で電源投入コマンドが送信される。
普図同調演出関連は、図68に示したゲートスイッチ2352からの検出信号に基づくものであり、その区分には、図86に示すように、機能表示基板の普通図柄表示器に関する、普図同調演出開始、普図柄指定、普図同調演出終了、及び変動時状態指定という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「E*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
普図同調演出開始コマンドは、モードで指定された演出パターンで普図同調演出開始を指示するものであり、普図柄指定コマンドは、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するものであり、普図同調演出終了コマンドは、普図同調演出終了を指示するものであり、変動時状態指定コマンドは、確率及び時短状態を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、普図同調演出開始コマンドは、普通図柄1変動開始時に送信され、普図柄指定コマンドは、普図同調演出開始の直後に送信され、普図同調演出終了コマンドは、普通図柄変動時間経過時(普通図柄確定時)に送信され、変動時状態指定コマンドは、普図当落情報指定の直後に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
普通電役演出関連は、図68に示した始動口ソレノイド2105の駆動により開閉される可動片2008a,bに関するものであり、その区分には、図86に示すように、普図当りオープニング、普電開放表示、及び普図当りエンディングという名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「F*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
普図当りオープニングコマンドは、普図当りオープニング開始を指示するものであり、普電開放表示コマンドは、普電開放中開始(可動片が始動口ソレノイドの駆動により拡開した状態)を指示するものであり、普図当りエンディングコマンドは、普図当りエンディング開始を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、普図当りオープニングコマンドは、普図当りオープニング開始時に送信され、普電開放表示コマンドは、普電開放時(可動片が始動口ソレノイドの駆動により拡開する時)に送信され、普図当りエンディングコマンドは、普図当りエンディング開始時に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
報知表示の区分には、図87に示すように、入賞異常表示、接続異常表示、断線・短絡異常表示、磁気検出スイッチ異常表示、扉枠開放、扉枠閉鎖、本体枠開放、及び本体枠閉鎖という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「6*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
入賞異常表示コマンドは、大当り中(条件装置作動中)以外に大入賞口に入賞した時(大当り中でもないのに、下大入賞口2003下大入賞口2003に遊技球が入球してその遊技球をカウントスイッチ2110が検出した時)に入賞異常報知の開始を指示するものであり、接続異常表示コマンドは、例えば、主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間に亘る経路において電気的な接続異常がある場合に接続異常報知の開始を指示するものであり、断線・短絡異常表示コマンドは、例えば、主制御基板4100と、始動口スイッチ3022、カウントスイッチ2110等との電気的な接続の断線・短絡が生じた場合に断線・短絡異常表示の開始を指示するものであり、磁気検出スイッチ異常表示コマンドは、図67に示した磁気検出スイッチ3024に異常が生じた場合に磁気検出スイッチ異常報知の開始を指示するものである。
また、扉枠開放コマンドは、図79に示した、払出制御基板4110を介して入力される扉枠開放スイッチ618からの検出信号(開放信号)に基づいて、扉枠5が本体枠3に対して開放された状態である場合に、扉開放報知を指示するものであり、扉枠閉鎖コマンドは、その扉枠開放スイッチ618からの検出信号に基づいて、扉枠5が本体枠3に対して閉鎖された状態である場合に扉開放報知終了を指示するものである。一方、本体枠開放コマンドは、図69に示した、払出制御基板4110を介して入力される本体枠開放スイッチ619からの検出信号(開放信号)に基づいて、本体枠が外枠に対して開放された状態である場合に、本体枠開放報知を指示するものであり、本体枠閉鎖コマンドは、その本体枠開放スイッチ619からの検出信号に基づいて、本体枠が外枠に対して閉鎖された状態である場合に本体枠開放報知終了を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、入賞異常表示コマンドは、大当り中(条件装置作動中)以外に大入賞口に入賞した時に送信され、接続異常表示コマンドは、主制御基板4100から払出制御基板4110へのコマンド送信時に払出制御基板4110からのACK返信(ACK信号)がなかった時に送信され、断線・短絡異常表示コマンドは、始動口スイッチ3022、カウントスイッチ2110等のうち、いずれが断線または短絡状態となった時に送信され、磁気検出スイッチ異常表示コマンドは、磁気検出スイッチ3024の異常を検知した時に送信される。また、扉枠開放コマンドは、扉開放を検知した時(扉枠開放スイッチ618からの検出信号に基づいて、扉枠5が本体枠3に対して開放された状態である場合)に送信され、扉枠閉鎖コマンドは、扉閉鎖を検知した時(扉枠開放スイッチ618からの検出信号に基づいて、扉枠が本体枠に対して閉鎖された状態である場合)に送信される。本体枠開放コマンドは、本体枠開放を検知した時(本体枠開放スイッチ619からの検出信号に基づいて、本体枠が外枠に対して開放された状態である場合)に送信され、本体枠閉鎖コマンドは、本体枠閉鎖を検知した時(本体枠開放スイッチ619からの検出信号に基づいて、本体枠3が外枠2に対して閉鎖された状態である場合)に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
状態表示の区分には、図87に示すように、枠状態1コマンド(エラー発生コマンドに相当)、エラー解除ナビコマンド(エラー解除コマンドに相当)及び枠状態2コマンドという名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「7*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド及び枠状態2コマンドは、それぞれ、払出制御基板4110から送信された1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドであり、これらの詳細な説明は、後述する。なお、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、払出制御基板4110からの枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンドを受信すると、図87に示すように、「7*H」をステータスとして設定するとともに、その受信したコマンドをそのままモードとして設定する。つまり、主制御MPU4100aは、払出制御基板4110からの枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンドを受信すると、これら受信したコマンドに付加情報である「7*H」を付加することにより、2バイト(16ビット)の記憶容量を有するコマンドに整形する。
整形された、枠状態1コマンドは、電源復旧時、枠状態の変化時、及びエラー解除ナビ時に送信され、エラー解除ナビコマンドは、エラー解除ナビ時に送信され、枠状態2コマンドは、電源復旧時、及び枠状態の変化時に送信される。なお、これら整形された、枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
テスト関連の区分には、図87に示すように、テストという名称の各種コマンドから構成されている。このテストコマンドには、ステータスとして「8*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
テストコマンドは、周辺制御基板4140の各種検査を指示するものである(例えば、図71に示した、周辺制御部4150、液晶及び音制御部4160、ランプ駆動基板4170、モータ駆動基板4180、及び枠装飾駆動アンプ基板194等の各種基板の検査を行うものである)。
テストコマンドの送信タイミングとして、主制御基板電源投入時RAMクリア及びRAMクリア以外の時に送信される。具体的には、パチンコ遊技機1の電源投入時、停電又は瞬停から復帰するときであって、払出制御基板4110の操作スイッチ860aが操作されたときに、後述する主制御側電源投入時処理が実行されて主制御側タイマ割り込み処理の周辺制御基板コマンド送信処理でテストコマンドが送信される。
その他の区分には、図87に示すように、始動口入賞、変動短縮作動終了指定、高確率終了指定、特別図柄1記憶、特別図柄2記憶、普通図柄記憶、特別図柄1記憶先読み演出、及び特別図柄2記憶先読み演出という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「9*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
始動口入賞コマンドは、始動口入賞演出開始を指示するものであって、始動口スイッチ3022からの検出信号に基づいて第一始動口2001又は第二始動口2008に遊技球が入球した場合における演出の開始と、をそれぞれ指示するものであり、変動短縮作動終了指定コマンドは、変動短縮作動状態から変動短縮非作動状態への状態移行を指示するものであり、高確率終了指定コマンドは、高確率状態から低確率状態への状態移行を指示するものであり、特別図柄1記憶コマンドは、特別図柄1保留0〜4個(第一始動口2001に遊技球が入球して機能表示基板の第一特別図柄表示器で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない球数(保留数))を伝えるものであり、特別図柄2記憶コマンドは、特別図柄2保留0〜4個(第二始動口2008に遊技球が入球して機能表示基板の第二特別図柄表示器で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない球数(保留数))を伝えるものであり、普通図柄記憶コマンドは、普通図柄1保留0〜4個(普通ゲート部2005aを遊技球が通過して機能表示基板の普通図柄表示器で普通図柄の変動表示に未だ使用されていない球数(保留数))を伝えるものであり、特別図柄1記憶先読み演出コマンドは、特別図柄1保留が機能表示基板の第一特別図柄表示器で特別図柄の変動表示に使用される前に、先読みしてその特別図柄1保留に基づく第一特別図柄表示器による表示結果の予告を報知する先読み演出開始を指示するものであり、特別図柄2記憶先読み演出コマンドは、特別図柄2保留が機能表示基板の第二特別図柄表示器で特別図柄の変動表示に使用される前に、先読みしてその特別図柄2保留に基づく第二特別図柄表示器による表示結果の予告を報知する先読み演出開始を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、始動口入賞コマンドは、始動口入賞時(第一始動口スイッチからの検出信号に基づいて第一始動口2001に遊技球が入球した時や、第二始動口スイッチからの検出信号に基づいて第二始動口2008に遊技球が入球した時)に、本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから主に音声でその旨を報知するために送信され、変動短縮作動終了指定コマンドは、規定回数の変動短縮を消化した変動確定後の停止期間終了時(はずれ停止期間経過後)に送信され、高確率終了指定コマンドは、「高確率N回」の場合の高確率回数を消化した変動確定後の停止期間終了時(はずれ停止期間経過後)に送信され、特別図柄1記憶コマンドは、特別図柄1作動保留球数変化時(第一始動口2001に遊技球が入球して機能表示基板の第一特別図柄表示器で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない保留数がある状態において、さらに第二始動口2008に遊技球が入球して保留数が増加した時や、その保留数から第二特別図柄表示器で特別図柄の変動表示に使用してその保留数が減少した時)に送信され、特別図柄2記憶コマンドは、特別図柄2作動保留球数変化時(第二始動口2008に遊技球が入球して機能表示基板の第二特別図柄表示器で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない保留数がある状態において、さらに第二始動口2008に遊技球が入球して保留数が増加した時や、その保留数から第二特別図柄表示器で特別図柄の変動表示に使用してその保留数が減少した時)に送信され、普通図柄記憶コマンドは、普通図柄1作動保留球数変化時(ゲート部2005aを遊技球が通過して機能表示基板の普通図柄表示器で普通図柄の変動表示に未だ使用されていない保留数がある状態において、さらにゲート部を遊技球が通過して保留数が増加した時や、その保留数から普通図柄表示器普通図柄の変動表示に使用してその保留数が減少した時)に送信され、特別図柄1記憶先読み演出コマンドは、特別図柄1作動保留球数増加時(第一始動口2001に遊技球が入球して保留数が増加した時)に送信され、特別図柄2記憶先読み演出コマンドは、特別図柄2作動保留球数増加時(第二始動口2008に遊技球が入球して保留数が増加した時)に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
ところで、始動口入賞コマンドは、上述したように、始動口入賞時に、本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから主に音声でその旨を報知するために送信されるが、図71に示した周辺制御基板4140が始動口入賞コマンドをどのように利用するかについては、パチンコ遊技機の仕様によって異なる場合もある。例えば、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカ130から音声で報知するほかに、不正行為の有無を監視するためにも利用するという仕様のものである。これに対して、他のパチンコ遊技機では、周辺制御基板4140が始動口入賞コマンドを単に受信するだけで、本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから音声で報知しない仕様のものもある。
次に、主制御基板4100が受信する払出制御基板4110からの各種コマンドについて説明する。
払出制御基板4110からの各種コマンドの区分には、図88に示すように、枠状態1、エラー解除ナビ及び枠状態2という名称のコマンドから構成されており、枠状態1、エラー解除ナビ、そして枠状態2の順で優先順位が設定されている。
枠状態1コマンド(エラー発生コマンドに相当)には、球切れ、満タン、50個以上のストック中、接続異常及びCR未接続が用意されており、球切れではビット0(B0、「B」はビットを表す。)に値1がセットされ、満タンではビット1(B1)に値1がセットされ、50個以上のストック中ではビット2(B2)に値1がセットされ、接続異常ではビット3(B3)に値1がセットされ、CR未接続ではビット4(B4)に値1がセットされる。枠状態1コマンドのビット5(B5)〜ビット7(B7)には、B5に値1、B6に値0、そしてB7に値0がセットされている。
エラー解除ナビコマンド(エラー解除コマンドに相当)には、球がみ、計数スイッチエラー及びリトライエラーが用意されており、球がみではビット2(B2)に値1がセットされ、計数スイッチエラーではビット3(B3)に値1がセットされ、リトライエラーではビット4(B4)に値1がセットされる。ここで、「計数スイッチエラー」とは、図69に示した計数スイッチ751の不具合が生じているか否かを示すものである。「リトライエラー」とは、リトライ動作によるつじつまの合わない遊技球の払い出しが繰り返し行われたことを示すものである。エラー解除ナビコマンドのビット(B0)、ビット(B1)、及びビット5(B5)〜ビット7(B7)には、B0に値0、B1に値0、B5に値0、B6に値1、そしてB7に値0がセットされている。
枠状態2コマンドには、球抜き中が用意されており、球抜き中ではビット0(B0)に値1がセットされる。枠状態2コマンドのビット1(B1)〜ビット7(B7)には、B1に値0、B2に値0、B3に値0、B4に値0、B5に値1、B6に値1、そしてB7に値0がセットされている。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、枠状態1コマンドは、電源復旧時、枠状態の変化時、及びエラー解除ナビ時に送信され、エラー解除ナビコマンドは、エラー解除ナビ時に送信され、枠状態2コマンドは、電源復旧時、及び枠状態の変化時に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には後述する払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるコマンド送信処理で送信される。
次に、主制御基板4100(特に主制御MPU4100a)で実行される制御処理の例について、図89乃至図101を参照して説明する。図89は、主制御基板におけるメイン処理の一例を示すフローチャートである。図90は、電源断発生時処理の一例を示すフローチャートである。図91はタイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。図92は、特別制御処理の一例を示すフローチャートである。図93は、始動口入賞処理を示すフローチャートである。図94は、変動開始処理を示すフローチャートである。図95は、変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図96は、変動中処理の一例を示すフローチャートである。
また、97は、大当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。図98は、小当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。図99は、大当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。図100は、小当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。なお、タイマ割込処理は、主制御基板4100に搭載される主制御MPU4100aにより所定のタイミング(本実施形態では、4ms毎)で実行される。図101は、特別図柄用乱数記憶手段におけるテーブル構成を示す説明図である。
メイン処理は、図89に示すように、パチンコ機1へ電力の供給が開始されると、主制御MPU4100aは、電源投入時処理を実行する(ステップS1)。この電源投入時処理では、主制御基板4100(主制御MPU4100a)のRAMに記憶されているバックアップデータが正常であるか(停電発生時の設定値となっているか)否か判別し、正常であればRAMに記憶されているバックアップデータに従って停電発生時の状態に戻す処理(復電時処理)を実行し、バックアップデータが異常であればRAMをクリアしてCPU周辺のデバイス設定(通常の初期設定、割込タイミングの設定、等)を行う。
なお、遊技途中でパチンコ機1への電力供給が停止すると、RAMに現在の遊技状態がバックアップデータとして記憶される。また、電源投入時処理にてRAMに記憶されているバックアップデータのクリアを指示するRAMクリアスイッチがオンであれば、RAMをクリアし、通常の初期設定を行う。また、電源投入時処理において、主制御基板4100(主制御MPU4100a)のRAMにバックアップデータが保存されていない場合には、RAMをクリアし、通常の初期設定を行う。
また、電源投入時処理では、通常の初期設定を実行した時に周辺制御基板4140に、主制御基板4100が起動したことを示す電源投入コマンドを送信可能な状態にセットする処理も実行される。電源投入コマンドは、主制御基板4100が起動したことを周辺制御基板4140に通知するものである。なお、パチンコ機1を設置する遊技ホールの閉店時等にパチンコ機1への電力供給を停止した場合(電源を落とした場合)にもRAMにバックアップデータが記憶され、再びパチンコ機1への電力供給を開始した時には電源投入時処理が実行される。
この電源投入時処理が終了すると、主制御MPU4100aは、遊技用の各処理を繰返し実行するループ処理を開始する。このループ処理の開始時には、主制御MPU4100aは、まず、停電予告信号が検知されているか否かを判定する(ステップS2)。なお、この実施の形態では、パチンコ機1にて使用する電源電圧は、電源基板によって生成される。すなわち、パチンコ機1に搭載される複数種類の装置はそれぞれ異なる電源電圧で動作するため、外部電源からパチンコ機1に供給される電源電圧を電源基板にて所定の電源電圧に変換した後、各装置に供給している。しかして、停電が発生し、外部電源から電源基板に供給される電源電圧が所定の電源電圧以下となると、電源基板から主制御基板4100に電源電圧の供給が停止することを示す停電予告信号が送信される。そして、ステップS2で主制御基板4100に搭載される主制御MPU4100aにより停電予告信号を検知すると、電源断発生時処理を実行する(ステップS4)。
この電源断発生時処理は、停電後に電源基板に供給される電源電圧(この実施の形態では、24V)が復旧した場合に(以下、復電と呼ぶ)、遊技機の動作を停電前の状態から開始するために停電発生時の状態を主制御基板4100(主制御MPU4100a)のRAMにバックアップデータとして記憶する処理である。処理内容は後述するが、本実施例においては、図示する通り、電源断発生時処理は、割込処理ではなく、ループの開始直後に停電予告信号の検知有無に応じて実行される分岐処理としてメイン処理(主制御処理)内に組み込まれている。
ところで、ステップS2で停電予告信号が検知されていない場合、すなわち外部電源からの電力が正常に供給されている場合には、遊技にて用いられる各種乱数を更新する乱数更新処理2を行う(ステップS3)。なお、乱数更新処理2にて更新される乱数については後述する。
次に、電源断発生時処理は、図90に示すように、メイン処理において、停電予告信号が検出された時に実行される処理である。主制御MPU4100aは、まず、割込処理が実行されないように割込禁止設定を行う(ステップS4a)。そして、主制御基板4100(主制御MPU4100a)のRAMのチェックサムを算出し、RAMの所定領域に保存する(ステップS4b)。このチェックサムは、復電時に停電前のRAMの内容が保持されているか否かをチェックするのに使用される。
続いて、主制御MPU4100aは、RAMの所定領域に設けられたバックアップフラグに、電源断発生時処理が行われたことを示す規定値を設定する(ステップS4c)。以上の処理を終えると、主制御MPU4100aは、RAMへのアクセスを禁止し(ステップS4d)、無限ループに入って電力供給の停止に備える。なお、この処理では、ごく短時間の停電等(以下、「瞬停」と呼ぶ)によって、電源電圧が不安定となることにより、電源断発生時処理が開始されてしまった場合、実際には電源電圧は停止されないため、上記処理では、無限ループから復帰することができなくなる虞れがある。かかる弊害を回避するため、本実施例の主制御MPU4100aには、ウォッチドックタイマが設けられており、所定時間、ウォッチドックタイマが更新されないとリセットがかかるように構成されている。ウォッチドックタイマは、正常に処理が行われている間は定期的に更新されるが、電源断発生時処理に入り、更新が行われなくなる。これにより、瞬停によって、電源断発生時処理に入り、無限ループに入った場合でも、所定期間経過後にリセットがかかり、電源投入時と同じプロセスで主制御MPU4100aが起動するようになっている。
次に、タイマ割込処理は、メイン処理の実行中に主制御基板4100に搭載される主制御MPU4100aにより4ms毎にタイマ割込処理が実行されるものであり、図91に示すように、主制御MPU4100aは、レジスタの退避処理を実行した後(ステップS10)、ステップS11からステップS18の処理を実行する。ステップS11のスイッチ入力処理では、上述したスイッチ(ゲートスイッチ、始動口センサ、カウントセンサ、一般入賞スイッチ等)の検出信号を監視する処理を実行する。ステップS12の乱数更新処理1では、遊技にて用いられる各種乱数を更新する処理を実行する。なお、この実施の形態では、乱数更新処理1にて更新される乱数と、上述した乱数更新処理2にて更新される乱数と、は異なる。乱数については後述するが、乱数更新処理2にて更新される乱数を乱数更新処理1でも更新するようにしてもよい。ステップS13の払出動作処理では、スイッチ入力処理(ステップS11)にて検出された信号に基づいて払出制御基板4110に遊技球の払出しを指示する払出コマンドを設定する。
また、ステップS14の普通制御処理では、遊技の進行状態に基づいて、普通図柄を変動させると共に、普通電動役物(可動片2008a,b)を制御し、第二始動口2008の開閉状態を変化させる処理を実行する。ステップS15の特別制御処理では、遊技の進行状態に基づいて特別図柄表示器641,642で第一特別図柄(第一識別図柄)及び第二特別図柄(第二識別図柄)を変動表示させたり、特別電動役物(すなわちアタッカソレノイドによって下大入賞口2003、右大入賞口を開閉する開閉部材、右大入賞口を開閉する開閉部材)を制御し、これらのの開閉状態を変化させたりする処理を実行する。
続くステップS16の出力データ設定処理では、パチンコ機1の外部(例えば、管理コンピュータ等)に遊技状態を示す状態信号を出力する処理、特図始動記憶表示器(図示せず)に駆動信号を出力する処理、等を実行する。ステップS17のコマンド送信処理では、演出コマンドを周辺制御基板4140に送信する処理を実行する。また、コマンド送信処理では、パチンコ機1への電力供給が開始された時に電源投入時処理(ステップS1)でセットされた電源投入コマンドを周辺制御基板4140に送信する処理も行われる。ステップS11からステップS17の処理を実行すると、レジスタの復帰処理(ステップS18)を実行して、処理を終了する。
ここで、上述した乱数更新処理1(ステップS12)および乱数更新処理2(ステップS3)で、主制御基板4100の主制御MPU4100aにより更新される各種乱数について説明する。この実施の形態では、遊技にて用いられる各種乱数として、大当り遊技状態を発生させるか否かの判定(大当り判定、大当り抽選とも呼ぶ)に用いられる大当り判定用乱数、大当り判定において大当り遊技状態を発生させると判定されたときに特別図柄の停止図柄(大当りの種別(確変大当りや、ラウンド数など)に対応付けされている図柄)を決定するために用いられる大当り図柄用乱数、大当り抽選にて大当りと小当りとのいずれでもない旨(ハズレ)判断されたときにリーチ演出などの高期待演出を行うか否かについての判定(リーチ判定)に用いられるリーチ判定乱数、特別図柄表示器641,642に表示されている特別図柄の変動表示パターン(変動時間など)を決定するために用いられる変動表示パターン乱数(変動時間用乱数)、第二始動口2008を開閉する可動片を開放状態に制御するか否かの判定(普通抽選当り判定)に用いられる普通当り判定用乱数、等がある。
また、後述するが、この実施の形態にかかる大当り判定用乱数は、大当りに落選(ハズレ)された旨判断されたときに行われる特定の条件が満たされているか否かについての判断にも供される。また、大当り図柄用乱数は、大当りに当選された旨判断されたときに行われる大当りの種別(確率変動機能や時短機能を作動させるか否かや、大当り遊技(特別ボーナス遊技)における下大入賞口2003、右大入賞口7000の開放態様などが決定付けされている大当りの種別)にかかる判断にも供される。
これらの乱数のうち、乱数更新処理1では、大当り遊技状態の発生に関わる大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、および可動片2008a,bを開放状態に制御するか否かに関わる普通図柄当り判定用乱数の更新を行う。すなわち、大当り遊技状態の発生および可動片2008a,bを開放状態に制御するか否かに関わる判定に用いられる乱数は所定のタイミングとして4ms毎に更新される。このようにすることにより、それぞれの乱数での所定期間における確率(大当り遊技状態を発生させると判定する確率、可動片を開放状態に制御すると判定する確率)を一定にすることができ、遊技者が不利な状態となることを防止することができる。一方、乱数更新処理2では、大当り遊技状態の発生、及び普通抽選に関わらないリーチ判定乱数、及び変動表示パターン乱数等の更新を行う。
次に、図92に基づいて特別制御処理について説明する。図92は、特別制御処理の一例を示すフローチャートである。
この特別制御処理では、まず、第一・第二始動口入賞処理(ステップS110)を行う。この第一・第二始動口入賞処理では、第一始動口2001や第二始動口2008に遊技球が入賞したか否かについての判断などが行われる。そして、この第一・第二始動口入賞処理(ステップS110)が行われた後、図中に示す複数の処理(ステップS120〜ステップS230)のうち、処理フラグの状態に応じた処理を選択的に行うこととなる。
より具体的には、第一・第二始動口入賞(入球)処理(ステップS110)を終えると、まず、処理フラグが0であるか否かを判断し(ステップS120)、処理フラグが0であれば(ステップS120におけるYES)、変動開始処理(ステップS130)を実行する。この変動開始処理(ステップS130)では、大当り抽選の結果に基づいて特別図柄の変動表示を開始するための設定などが行われた後、処理フラグが「1」に更新される。
一方、処理フラグが0でなければ(ステップS120におけるNO)、処理フラグが1であるか否かを判断する(ステップS140)。そしてこの結果、処理フラグが1であれば(ステップS140におけるYES)、変動パターン設定処理(ステップS150)を実行する。この変動パターン設定処理では、第一特別図柄表示器または第二特別図柄表示器に表示される特別図柄(識別図柄)の変動パターン(第一特別図柄表示器または第二特別図柄表示器のいずれかにおいて特別図柄(識別図柄)の変動表示を開始してから停止表示するまでの変動時間など)が決定された後、処理フラグが「2」に更新される。
また一方、処理フラグが1でなければ(ステップS140におけるNO)、処理フラグが2であるか否かを判断する(ステップS170)。そしてこの結果、処理フラグが2であれば(ステップS170におけるYES)、変動中処理(ステップS180)を実行する。この変動中処理では、変動パターン設定処理(ステップS150)にて設定された変動時間をタイマにより監視し、タイムアウトしたことに基づいて第一特別図柄表示器または第二特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を停止させる。そしてこの後、変動開始処理(ステップS130)にて大当りが当選されている旨判断されているときには、処理選択フラグが「3」に更新される。これに対し、大当りには落選しているものの、特定の条件が成立されている旨判断されている(小当りに当選されている)ときには、処理選択フラグが「4」に更新される。ただし、大当りに落選しており、且つ特定条件の成立もしていないとき(純ハズレ)には、処理選択フラグは「0」に更新される。すなわちこの場合、次の割込処理では、変動開始処理(ステップS130)から再びやり直すこととなる。
また一方、処理フラグが2でなければ(ステップS170におけるNO)、処理フラグが3であるか否かを判断する(ステップS190)。そしてこの結果、処理フラグが3であれば(ステップS190におけるYES)、大当り遊技開始処理(ステップS200)を実行する。この大当り遊技開始処理では、大当りの種別が判断され、その種別に応じた下大入賞口2003、右大入賞口7000における開放態様(ラウンド回数、開放時間および遊技球の入賞制限個数など)がセットされた後、処理フラグが「5」に更新される。
また一方、処理フラグが3でなければ(ステップS190におけるNO)、処理フラグが4であるか否かを判断する(ステップS210)。そしてこの結果、処理フラグが4であれば(ステップS210におけるYES)、小当り遊技開始処理(ステップS220)を実行する。この小当り遊技開始処理では、小当りに応じた下大入賞口2003又は右大入賞口7000における開放態様(開閉部材の開放動作を制御するための開放回数および開放時間など)がセットされた後、処理フラグが「6」に更新される。
また一方、処理フラグが4でなければ(ステップS210におけるNO)、処理フラグが5であるか否かを判断する(ステップS230)。そしてこの結果、処理フラグが5であれば(ステップS230におけるYES)、大当り遊技処理(ステップS240)を実行する。この大当り遊技処理では、大当り遊技開始処理(ステップS200)においてセットされた下大入賞口2003又は右大入賞口7000における開放態様に基づいて開閉部材にかかる開閉動作が制御される。また、大当り遊技が終了する場合には、確率変動機能や時短機能を作動させるか否かについての判断などが行われた後、処理フラグが「0」に更新される。すなわちこの場合、次の割込処理では、変動開始処理(ステップS130)から再びやり直すこととなる。
また一方、処理フラグが5でなければ(ステップS230におけるNO)、処理フラグは6であるとして、小当り遊技処理(ステップS250)を実行する。この小当り遊技処理(ステップS250)では、小当り遊技開始処理(ステップS220)においてセットされた下大入賞口2003又は右大入賞口7000における開放態様に基づいて開閉部材2006にかかる開閉動作が制御される。また、小当り遊技処理が終了する場合には、処理フラグが「0」に更新される、すなわちこの場合、次の割込処理では、変動開始処理(ステップS130)から再びやり直すこととなる。
このように、ステップS130、ステップS150、ステップS180、ステップS200、ステップS220、ステップS240、及びステップS250の処理のいずれかが処理フラグの状態に基づいて選択的に実行された時点で、特別制御処理は終了される。
次に、第一・第二始動口入賞処理(ステップS110の処理)について図93に基づいて説明する。図93は、第一・第二始動口入賞処理の一例を示すフローチャートである。
この第一・第二始動口入賞処理(ステップS110)においては、大きくは、第一始動口2001や第二始動口2008に遊技球が入賞された否かについての判断にかかる処理と、該入賞があった旨判断されたことを条件に、該当する特別図柄(第一特別図柄、もしくは第二特別図柄)の保留状態の更新にかかる処理とが行われる。
したがって、主制御MPU4100aは、まず、第二始動口センサから検出信号が出力されたか否かについての判断を行う。そしてこの結果、第二始動口センサ(スイッチ)から検出信号が出力された旨判断されたときには、第二始動口2008への遊技球の入賞があった旨判断し(ステップS201にてYES)、次にステップS202の処理を行う。このステップS202の処理では、第二大当り抽選用の各種乱数(大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数など)を取得し、主制御基板4100(主制御MPU4100a)のRAMに設けられている第二保留数カウンタの値が上限値となる4未満であるか否かについての判断を行う。そしてこの結果、第二保留数カウンタが4未満であれば、第二始動保留記憶処理(ステップS203)、及び保留履歴更新処理(ステップS204)を順次に行う。
すなわちこの場合、主制御MPU4100aは、まず、第二始動保留記憶処理(ステップS203)として、第二始動口2008に遊技球が入賞したことによって取得された各種データ(大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数など)を、特別図柄の種類や保留順に対応付けしつつ所定の記憶領域(RAM)に記憶する。次いで、保留履歴更新処理(ステップS204)として、RAMに設けられている第二保留数カウンタのカウンタ値に1を加算することとなる。
なお、ステップ203の処理においては、第二始動口2008への遊技球の入賞があった旨(より正確には、特別図柄の種類や保留順など)が示される入賞通知コマンドをセットし、こうしてセットされた入賞通知コマンドが上述のコマンド送信処理(ステップS17)にて周辺制御基板4140に対して送信されるようにしてもよい。このような構成では、周辺制御基板4140による制御を通じて、液晶表示装置1400などに第二始動口2008側の保留表示をする場合にこれを迅速に更新させることができるようになる。
一方、上記ステップS201の処理において、第二始動口センサからの検出信号が出力されていない旨判断されたときや、上記ステップS202の処理において、第二保留数カウンタの値が上限値となる4である旨判断されたときは、次にステップS205の処理として、第一始動口センサから検出信号が出力されたか否かについての判断を行う。そしてこの結果、第一始動口センサから検出信号が出力された旨判断されたときは、第一始動口2001への遊技球の入賞があった旨判断し(ステップS205にてYES)、次にステップS206の処理を行う。このステップS206の処理では、第一大当り抽選用の各種乱数(大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数など)を取得し、主制御MPU4100aのRAMに設けられている第一保留数カウンタの値が上限値となる4未満であるか否かについての判断を行う。そしてこの結果、第一保留数カウンタが4未満であれば、第一始動保留記憶処理(ステップS207)、及び保留履歴更新処理(ステップS208)を順次に行う。
すなわちこの場合、主制御MPU4100aは、まず、第一始動保留記憶処理(ステップS207)として、第一始動口2001に遊技球が入賞したことによって取得した各種データ(大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数など)を、特別図柄の種類や保留順に対応付けしつつ所定の記憶領域(RAM)に記憶する。次いで、保留履歴更新処理(ステップS208)として、RAMに設けられている第一保留数カウンタのカウンタ値に1を加算することとなる。
なお、ステップ207の処理においても、第一始動口2001への遊技球の入賞があった旨(より正確には、特別図柄の種類や保留順など)が示される入賞通知コマンドをセットし、こうしてセットされた入賞通知コマンドが上述のコマンド送信処理(ステップS17)にて周辺制御基板4140に対して送信されるようにしてもよい。このような構成では、周辺制御基板4140による制御を通じて、液晶表示装置1400などに第一始動口2001側の保留表示をする場合についてもこれを迅速に更新させることができるようになる。
他方、上記ステップS205の処理において、第一始動口2001への遊技球の入賞がなかった旨判断されたときや、上記ステップS206の処理において、第一保留数カウンタのカウンタ値が上限値となる4に達している旨判断されたときは、この時点で、当該第一・第二始動口入賞処理を終了する。
なお、この実施の形態では、第二始動口2008への入賞処理(ステップS201〜ステップS204)を実行したのちに、第一始動口2001への入賞処理(ステップS205〜ステップS208)を実行している。ただし、これに代えて、第一始動口2001への入賞処理を実行したのちに、第二始動口2008への入賞処理を実行する態様であってもよい。
また、主制御MPU4100aは、取得された各種乱数に基づく先行判定処理を実行し、入賞通知コマンドとして、更に先行判定処理の結果を表すコマンドを、周辺制御基板4140に送信する場合がある。先行判定処理は、ステップS203、S207で記憶された乱数を用いた抽選(例えば、後述の大当り抽選、小当り抽選、変動表示パターンの決定)に先立って行われ、その抽選結果を事前に判定する処理である。先行判定処理では、ステップS203、S207で記憶された乱数と、先行判定テーブルとを用いて行われる。先行判定テーブルは、当該乱数を用いた抽選に利用されるテーブルと同様又は類似するテーブルである。先行判定処理では、当該乱数と先行判定テーブルとを比較することによって、当該乱数を用いた抽選が行われた場合の抽選結果(大当りまたは小当りの当否と、大当りの種類と、変動表示パターン等)が判定される(このように抽選に先行して行われる判定は、「先読み判定」とも呼ばれる)。周辺制御基板4140は、受信した入賞通知コマンド(先行判定結果)を反映した演出を、当該乱数を利用した抽選が行われるよりも前に、実現してもよい(このような演出は、「先読み演出」とも呼ばれる)。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、先行判定テーブルの内容は、抽選に利用されるテーブルの内容と同じである。ただし、先行判定テーブルの内容の少なくとも一部が、抽選に利用されるテーブルの内容と異なっていても良い。
また、主制御MPU4100aは、遊技状態が特定の条件を満たしている場合にのみ、先行判定処理の結果を表す入賞通知コマンドを送信し、特定の条件を満たしていない場合には、先行判定処理の結果を表さない入賞通知コマンドを送信してもよい。例えば、第一始動口2001への入賞に起因する変動表示が、入賞後すぐには開始されず保留される場合に、主制御MPU4100aは、当該入賞に関する先行判定処理の結果を表す入賞通知コマンドを送信してもよい。ここで、大当り遊技状態と、時短遊技状態とにおいては、主制御MPU4100aは、先行判定処理の結果を表す入賞通知コマンドを送信せずに、先行判定処理の結果を表さない入賞通知コマンドを送信してもよい。第二始動口2008に関する特定の条件も、同様であってよい。
処理フラグが「0」のときに実行される変動開始処理(ステップS130)では、主制御MPU4100aは、まず、特別図柄表示器641、642に対応する二つの保留数カウンタの値(第一始動記憶数及び第二始動記憶数)がいずれも「0」であるか否かを判断する(ステップS301)。ここで、特別図柄表示器641,642に対応する二つの保留数カウンタにおける値とは、第一始動記憶及び第二始動記憶にかかる保存領域(特別図柄用乱数記憶手段4515,4532(図94参照)に格納される乱数値の数をそれぞれ示すものである。したがって、このステップS301において保留数カウンタの値がいずれも「0」であれば(YES)、第一大当り抽選及び第二大当り抽選に関する始動条件がいずれも成立していないと判別され、次にステップS318の処理として、処理フラグを「1」に更新した時点で変動開始処理を終了する。
一方、第一始動記憶数及び第二始動記憶数がいずれも「0」でなければ(ステップS301におけるNO)、保留状態とされている大当り抽選の実行にかかる順序を更新すべく、特別図柄用乱数記憶手段4515,4532におけるシフト処理を行う(ステップS302〜ステップS310)。
ちなみに、図101(a)に示されるように、第一特別図柄用乱数記憶手段4515には、四つの記憶領域(記憶領域[1]4515a〜記憶領域[4]4515d)が設けられており、それら記憶領域は、第一始動記憶数(「1」〜「4」)の値にそれぞれ対応付けられている。また、図101(b)に示されるように、第二特別図柄用乱数記憶手段4532にも、四つの記憶領域(記憶領域[1]4532a〜記憶領域[4]4532d)が設けられており、それら記憶領域は、第二始動記憶数(「1」〜「4」)の値にそれぞれ対応付けられている。なお、各記憶領域4515a〜4515d,4532a〜4532dには、大当り判定用乱数が記憶される大当り判定用乱数記憶領域4580と、大当り図柄用乱数やリーチ判定用乱数、変動表示パターン乱数などが記憶される大当り図柄用乱数記憶領域4581とがそれぞれ設けられている。
すなわち、主制御MPU4100aは、特別図柄の変動に際し、乱数記憶領域におけるシフト処理(ステップS302〜ステップS310)として、これら記憶手段4515、4532にて記憶されている乱数を適宜操作することとなる。後述するが、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、第一特別図柄側の抽選処理にて大当りが当選された場合と、第二特別図柄側の抽選処理にて大当りが当選された場合とで遊技者に付与される利益(大当り遊技の後の確率変動に対する期待値)が第二特別図柄側の抽選の方が高くなるようにしている。
この点、乱数記憶領域におけるシフト処理(ステップS302〜ステップS310)では、第一特別図柄の抽選の実行が後回しにされて、第二始動口2008への入賞に基づく抽選(第二特別図柄の抽選)が先に消化されるように、上記記憶手段4515、4532にて記憶されている乱数を操作するようにしている。これにより、時短機能が作動する遊技状態においては、先に消化される側である第二特別図柄の抽選(変動)の保留状態が途切れないように、同抽選(変動)の実行契機となる上記第二始動口2008への遊技球の入賞が容易な状態へと変化させる頻度が高められる制御が行われることから、第二特別図柄側の抽選(変動)のみの連続実行によって、遊技者には所定の利益に対する期待度が高い状態での遊技を継続することができる。
したがって、図93、図101に示されるように、乱数記憶領域におけるシフト処理(ステップS302〜ステップS310)に際しては、まず、ステップS302の処理として、優先的に消化される側である第二特別図柄表示器642に対応する保留数カウンタの値(第二始動記憶数)が「0」であるか否か、すなわち第二特別図柄用乱数記憶手段4532の記憶領域[1]4532aに乱数が記憶されていないかを判断する。そしてこの結果、第二特別図柄用乱数記憶手段4532の記憶領域[1]4532aに乱数が記憶されている旨判断された場合は(ステップS302におけるNO)、同記憶領域[1]4532aから第二特別図柄に関する乱数を読み出してこれを取得する(ステップS303)。すなわち後述するが、こうして読み出された乱数(大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、リーチ判定用乱数、変動表示パターン乱数)が、大当りの抽選にかかる処理はもとより、特別図柄の変動パターン(変動時間や、停止表示態様など)の設定にかかる処理や、大入賞口の開閉態様の設定にかかる処理、遊技状態の設定にかかる処理、等々に供されることにより第二始動口2008への遊技球の入賞を契機とした第二始動遊技が進行されうるようになる。
次いで、主制御MPU4100aは、第二特別図柄側の抽選(変動)にかかる消化順位を更新すべく、n番目(nは2以上の自然数)の各記憶領域(記憶領域[2]4532b〜記憶領域[4]4532d)に記憶される各種乱数を、n−1番目の記憶領域(記憶領域[1]4532a〜記憶領域[3]4532c)にそれぞれシフトする(ステップS304)。これにより、少なくとも記憶領域[4]4532dには空きが生じるようになり、この記憶領域[4]4532dに第二特別図柄についての新たな始動情報(保留)が記憶可能とされるようになる。
そしてこの後、主制御MPU4100aは、第二特別図柄側の遊技(第二始動遊技)が進行される状態にあることが示されるように、特別図柄変動フラグに「1」をセットする(ステップS305)。またさらに、第二特別図柄側の抽選(変動)にかかる保留数を更新すべく、第二特別図柄に対応する保留数カウンタを「1」減算する(ステップS306)。またこの際、こうして更新された第二特別図柄側の抽選(変動)にかかる保留数が第二特別図柄記憶表示器644における点灯態様にも反映されるようにランプの点灯にかかる駆動制御が行われる。なお、こうして「1」にセットされた特別図柄変動フラグについては、当該変動開始処理が終了して以降、例えば、処理フラグが「0」に更新されるときにリセットされる。
これに対し、図94、図101に示されるように、ステップS302の処理において、第二特別図柄用乱数記憶手段4532の記憶領域[1]4532aに乱数が記憶されていない旨判断された場合は(ステップS302におけるYES)、第一特別図柄用乱数記憶手段4515の記憶領域[1]4515aから第一特別図柄に関する乱数を読み出してこれを取得する(ステップS307)。すなわち後述するが、こうして読み出された乱数が、大当りの抽選にかかる処理はもとより、特別図柄の変動パターンの設定にかかる処理や、開閉部材2006の開閉態様の設定にかかる処理、遊技状態の設定にかかる処理、等々に供されることにより第一始動口2001への遊技球の入賞を契機とした第一始動遊技が進行されうるようになる。
次いで、主制御MPU4100aは、第一特別図柄側の抽選(変動)にかかる消化順位を更新すべく、n番目(nは2以上の自然数)の各記憶領域(記憶領域[2]4515b〜記憶領域[4]4515d)に記憶される各種乱数を、n−1番目の記憶領域(記憶領域[1]4515a〜記憶領域[3]4515c)にそれぞれシフトする(ステップS308)。これにより、少なくとも記憶領域[4]4515dには空きが生じるようになり、この記憶領域[4]4515dに第一特別図柄についての新たな始動情報(保留)が記憶可能とされるようになる。
そしてこの後、主制御MPU4100aは、第一特別図柄側の遊技(第一始動遊技)が進行される状態にあることが示されるように、特別図柄変動フラグに「2」をセットする(ステップS309)。またさらに、第一特別図柄側の抽選(変動)にかかる保留数を更新すべく、第一特別図柄に対応する保留数カウンタを「1」減算する(ステップS310)。またこの際、こうして更新された第一特別図柄側の抽選(変動)にかかる保留数が第一特別図柄記憶表示器643における点灯態様にも反映されるように同ランプ643の点灯にかかる駆動制御が行われる。なお、こうして「2」にセットされた特別図柄変動フラグについても同様、当該変動開始処理が終了して以降、例えば、処理フラグが「0」に更新されるときにリセットされる。
その後、確率変動機能作動中か否か、すなわち高確率である確率変動状態か否かを判別し(ステップS312)、確率変動状態でない場合には(ステップS312にてNO)、確率変動未作動時の大当り判定テーブル、すなわち大当りとなる確率が低く設定されたテーブルを選択し、一方、確率変動状態の場合には(ステップS312にてYES)、確率変動作動時のテーブル、すなわち大当りとなる確率が高く設定されたテーブルを選択する。なお、遊技機のタイプに応じて、例えば、大当り確率が低い所謂マックスタイプの遊技機では、確率変動未作動時(すなわち通常時)には、大当りとなる確率が、例えば、約1/400に設定され、確率変動作動時(すなわち高確率時)には、大当りとなる確率が約10/400に設定される。
ステップS313又はステップS314の処理において、何れかのテーブルが選択された後、そのテーブルに基づき、ステップS303又はステップS307の処理にて取得された、いずれかの特別図柄に関する大当り判定用乱数が、大当りに相当する乱数(大当り値)であるか否かを判別する(ステップS315(大当り抽選))。そして、大当り値である場合には(ステップS315にてYES)、同じくステップS303又はステップS307の処理にて取得された、何れかの特別図柄に関する大当り図柄用乱数に基づいて大当りの種別を判定する(ステップS316)。その後、大当りの種別に応じたフラグをON状態(セット)にして(ステップS317)、ステップS318に移行する。
一方、取得した乱数が大当り値でないハズレである場合には(ステップS315にてNO)、その乱数が小当りに相当する乱数(小当り値)であるか否かを判別する(ステップS319)。そして、小当り値である場合には(ステップS319にてYES)、予め定められた特定の条件が満たされているとして小当りフラグを「ON」にし(ステップS320)、ステップS318に移行する。ただし、小当り値でない場合には(ステップS319にてNO)、予め定められた特定の条件は満たされていないとして、ステップS320を経由することなく、ステップS318に移行する。ステップS318では、処理フラグを「1」に更新し、変動開始処理を終了する。なお、例えば、小当りとなる確率は、遊技状態にかかわらず3/400に設定される。
ところで、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、第一特別図柄と第二特別図柄とのいずれの抽選であるかにかかわらず、大当り図柄用乱数として例えば0〜99の乱数幅で発生する乱数値が用意されており、上記ステップS303又はステップS307の処理においては、これら乱数値のうち一つが大当り図柄用乱数の値として取得される。そして、この取得された乱数値は、上記ステップS316の処理にて大当りの種別を決定付ける処理に供されるようになっており、例えば、同乱数値が0〜52であれば大当りAと判定され、53〜57であれば大当りBと判定され、58〜63であれば大当りCと判定され、64〜81であれば大当りDと判定され、82〜99であれば大当りEのように判定される。大当りA〜Dは、遊技球の確変領域6970の通過に対する期待度の大小によって分類される。
ちなみに、このような大当り(条件装置の作動を伴う当り)に対し、小当り(条件装置の作動を伴わない当り)が当選された場合は、大入賞口の開閉を、小時間開閉パターンで少数回(本実施形態では、2回)繰り返す小開放当り遊技(小当り遊技)が行われるだけであり、小開放当り遊技(小当り遊技)が行われる前と同遊技が行われた後とで遊技状態が異なるようなことはない。なお、小時間開閉パターンとは、大入賞口を閉状態から開状態とした後に、所定小時間経過、或いは、所定の小個数の遊技球が下大入賞口2003又は右大入賞口7000に入賞の何れかの条件が充足すると開閉部材を閉状態に戻すパターンである。小開放当たり遊技(小当り遊技)では、特典として少量の賞球が遊技者に獲得可能とされる。
上記ステップS317の処理では、大当りの種別に応じた大当りフラグをON状態(セット)にする。
次に、大当り抽選(ステップS315)の結果などに基づいて特別図柄の変動パターンが設定される変動パターン設定処理について説明する。図95は、変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。
同図に示されるように、処理フラグが「1」のときに実行される変動パターン設定処理(ステップS150)では、主制御MPU4100aは、まず、ステップS401の処理として、大当りフラグが「ON」であるか否かを判断する。そしてこの結果、大当りフラグが「ON」である旨判断されたときは(ステップS401におけるYES)、大当りに当選されているときの変動パターンが設定されるべく、後述の大当り変動パターンテーブル設定処理を行う(ステップS402)。
これに対し、上記ステップS401の処理において、大当りフラグが「ON」でない旨判断されたときは、次にステップS403の処理として、小当りフラグが「ON」であるか否かを判断する。そしてこの結果、小当りフラグが「ON」である旨判断されたときは(ステップS403におけるYES)、ハズレではなるものの特定の条件が満たされている状態にあるとして、小当りに当選されているときの変動パターンが設定されるべく、後述の小当り変動パターンテーブル設定処理を行う(ステップS404)。
一方、上記ステップS403の処理において、小当りフラグが「ON」でない旨判断されたときは、次にステップS405の処理として、大当りへの当選の期待度が高い高期待演出(例えばリーチ演出など)を行うべきか否かを判断する。このステップS405の処理では、例えば、上記ステップS303(図95参照)の処理にて取得されたリーチ判定用乱数が所定の当り値であるときに高期待演出を行うと判断され、取得されたリーチ判定用乱数が所定の当り値でないときには高期待演出を行わないと判断される。そしてこの結果、高期待演出を行うべきであると判断されると(ステップS405におけるYES)、高期待演出を行うときの変動パターンが設定されるべく、後述の高期待ハズレ変動パターンテーブル設定処理を行う(ステップS406)。
なお、リーチ判定用乱数に対して用意される所定の当り値の数については、現在の遊技状態において、通常外部不利遊技状態(確変機能、時短機能がいずれも非作動)、通常外部有利遊技状態(時短機能のみ作動)、確変外部不利遊技状態(確変機能のみ作動)、及び確変外部有利遊技状態(確変機能、時短機能がいずれも作動)の各遊技状態の別に異ならしめるようにしてもよい。例えば、通常外部不利遊技状態においては、リーチ判定用乱数が所定の当り値であることに基づいて高期待演出を行うべきであると判断される確率は「1/12」、通常外部有利遊技状態や確変外部有利遊技状態においては、リーチ時の期待度がより高められるように(若しくは、効率の良い保留消化が行われるように)、より低い確率をもって高期待演出を行うべきであると判断されるようにしてもよい。また逆に、確変外部不利遊技状態においては、大当りである可能性をより高い頻度で意識付けさせることができるように、より高い確率をもって高期待演出を行うべきであると判断されるようにしてもよい。
また一方、上記ステップS405の処理において、大当りへの当選の期待度が高い高期待演出を行うべきでないと判断されると(ステップS405におけるNO)、高期待演出が行われないときのハズレ変動パターン(通常のハズレ変動パターン)が設定されるべく、低期待ハズレ変動パターンテーブル設定処理を行う(ステップS407)。
ここで、低期待ハズレ変動パターンテーブル設定処理にて設定されるテーブルは、複数の遊技状態の別にそれぞれ対応付けされるかたちで用意されており、例えば、通常遊技状態においては、保留数が所定値以上であるときに短縮変動が行われるようになっている。
時短機能が作動する遊技状態においては、第二特別図柄側の抽選(変動)にかかる保留数が途切れ難くなるように変動時間が設定されている。より具体的には、第二特別図柄側の保留数が所定値以下であるときには、時短機能が作動する遊技状態にあるにもかかわらず短縮変動を採用せず、通常遊技状態において短縮変動が採用されないときの変動時間と同等以上の長さをもった変動時間(通常遊技状態における短縮変動よりも長い変動時間)のみが選択されるようになっている。また、第一特別図柄側の変動時間についてはその保留数にかかわらず短縮変動を採用せず、通常遊技状態において短縮変動が採用されないときの変動時間と同等以上の長さをもった変動時間のみが選択されるようになっている。これにより、時短機能が作動する遊技状態にあるときは、小当りが当選されうる第一特別図柄側の保留が消化されることが抑制されるようになり、ひいては当該パチンコ機1に小当りが搭載されていることを遊技者に気付かせ難くすることができるようになる。
そして後述するが、図95に示されるように、ステップS402、ステップS404、ステップS406、及びステップS407のいずれかの処理において、変動パターンにかかる選択テーブルが設定されると、上記主制御MPU4100aは、次にステップS410の処理として、該設定された選択テーブルに基づいて特別図柄の変動パターンを決定する。次いで、ステップS411の処理として、こうして決定された特別図柄の変動パターン(変動時間)を演出コマンドとしてセットするとともに、大当りフラグ(ステップS317)や小当りフラグ(ステップS320)の状態に基づいて当選情報コマンド(当たりにかかる当落や、小当りを含めてその当選種を示すコマンド)をセットする。
またさらに、上記決定された変動パターンに応じた変動時間の値をタイマにセットし(ステップS412)、特図LED作動フラグをONにセットする(ステップS413)。この特図LED作動フラグがONにセットされると、上記ステップS305又は上記ステップS309の処理にて設定された特別図柄変動フラグの値に基づいて、第一特別図柄表示器または第二特別図柄表示器としての複数のLEDの点灯パターンにかかる変動表示が開始されるようになる。そしてこの後、処理フラグを「2」に更新し(ステップS414)、変動パターン設定処理を終了する。
ところで、この変動パターン設定処理で設定された変動パターンは、上記ステップS411の処理にてセットされる演出コマンドとして、図91に示したコマンド送信処理(ステップS17)によって周辺制御基板4140に送信される。これにより、液晶表示装置1400においては、周辺制御基板4140側による後述の制御を通じて、上記演出コマンドにより示される変動パターンと上記当選情報コマンドにより示される情報とに基づいて、大当り抽選の結果が示されるように表示演出が行われるようになる。
ただし後述するが、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、大当り抽選の結果が条件装置の作動を伴わない当り(小当り)であるとき、液晶表示装置1400における表示演出については、上記設定された変動パターンの変動時間内で終了させることなく、第一特別図柄表示器または第二特別図柄表示器としての複数のLEDの点灯パターンにかかる変動表示の停止後の期間にまで延長(演出時間を延長)させた上で、条件装置の作動を伴う当り(大当り)に落選されたことを示すように実行されうるようにしてもよい(図111(b)の延長演出パターン)。すなわち、この場合、特別図柄の停止後、小開放当り遊技の実行に際し、賞球の獲得を煽るような表示演出が現れなくなることはもとより、大当りの落選であることが示されてから比較的早く次変動(特別図柄の保留消化)に移行させることができるようになり、上記大入賞口の開閉部材が動作するまでの演出として何らかの期待を持たせてしまう可能性がある間延びも好適に回避されるようになる。
また、これも後述するが、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、特別図柄の停止後に大当りの落選であることが示される上述の小当り時の表示演出(延長ハズレ演出)に対し、特別図柄の停止後に大当りに当選されたことが示される表示演出(延長大当り演出)も用意している。すなわち、大当り抽選の結果が条件装置の作動を伴う当り(大当り)であるとき、液晶表示装置1400における表示演出については、上記設定された変動パターンの変動時間内で終了させることなく、第一特別図柄表示器または第二特別図柄表示器としての複数のLEDの点灯パターンにかかる変動表示の停止後の期間にまで延長させた上で、条件装置の作動を伴う当り(大当り)に当選されたことを示すように実行されうるようにしている(図111(b)の延長演出パターン)。
すなわちこの場合、上述の小当り時の表示演出が大当りの落選時に現れる単なるハズレ演出(高期待ハズレ変動パターン)として位置付けされることとなる。これにより、条件装置の作動を伴わない当り(小当り)が搭載されているパチンコ機1であることが気付かれ難くなり、ひいては小当りの当選に応じて開閉部材2006が動作することによる遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。
ただし、パチンコ機1の機能表示ユニットとしては、7セグメントLEDに代えて、特定の記号をなさない八つのLED群を採用するようにしてもよい。この例では、7セグメントLEDにより構成した第一特別図柄表示器と第二特別図柄表示器を、夫々八つのLED群によって構成したものである。また、第一特別図柄記憶表示器と第二特別図柄記憶表示器、夫々四つのLED群により構成すると共に、普通図柄記憶表示器を、二つのLEDにより構成するようにしている。
この機能表示ユニットでも上記と同様の作用効果を奏することができる他に、第一特別図柄表示器と第二特別図柄表示器を何らの記号もなさない八つのLED群で構成するようにしているので、数字記号による意味を持つ7セグメントLEDを用いた場合と比較して、遊技者に対して表示される特別図柄を憶え難くすることができる。従って、機能表示ユニットで表示されている内容が判り辛いので、遊技中に機能表示ユニットの表示が気掛かりとなって遊技に専念し難くなるのを抑制することができ、遊技球の動き、可動演出や演出画像等に専念させて遊技をより楽しませることができるようになっている。
そして、このような機能表示ユニットを採用した場合は、小当りの当選時における複数のLED(特別図柄)の点灯態様(特別図柄の停止時)については、大当りの当選時における複数のLED(特別図柄)の点灯態様(特別図柄の停止時)から1つのLEDが点灯しているか否かだけの違いとされるなど、互いに近似した態様として現れるように制御することが望ましい。すなわちこの場合、液晶表示装置1400における表示演出が特別図柄の停止後の期間にまで延長されたときに、同図柄(複数のLED)を見てもいずれの結果であるのかすぐ(少なくとも演出延長後に当落が明示されるまでの短い時間が経過するまでの間)には把握し難くなる。したがって、同延長された表示演出(延長演出)に集中させることができるようになることはもとより、特別図柄(複数のLED)に対する興味が減退されることによって特別図柄の停止後の期間にまで延長された表示演出であることすら遊技者が認識し難くすることができるようになる。これにより、延長演出が現れたときの特殊性によって当該パチンコ機1に小当りが搭載されていることが推測されてしまうようなことが抑制されるようになり、ひいては小当りの当選に応じて開閉部材2006が動作することによる遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。
次に、図103に基づいて大当り時の変動パターン決定処理について説明する。図103は、通常時の大当り変動パターンテーブルT1、通常時の小当り変動パターンテーブルT2、及び通常時の高期待ハズレ変動パターンテーブルT3の一例を示す一覧表図である。なお、同図103の当落の欄に記載の○は大当りを意味し、△はハズレ時の特定条件の成立(小当り)を意味し、×はハズレ時の特定条件の不成立(純ハズレ)を意味する。
上述の通り、いま、上記ステップS401(図95参照)の処理において、大当りフラグがONである旨判断されたとすると、主制御MPU4100aは、ステップS402(図95参照)の処理として、大当りに当選されているときの変動パターンが設定されるべく、大当り変動パターンテーブル設定処理を行う。
この大当り変動パターンテーブル設定処理では、まず、通常外部不利遊技状態(確変機能、時短機能がいずれも非作動)、通常外部有利遊技状態(時短機能のみ作動)、確変外部不利遊技状態(確変機能のみ作動)、及び確変外部有利遊技状態(確変機能、時短機能がいずれも作動)のいずれの遊技状態にあるかを判断する。すなわち、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、各遊技状態の別に異なる大当り変動パターンテーブル(図示は割愛する)が用意されており、通常外部不利遊技状態(確変機能、時短機能がいずれも非作動)にある旨判断されたときには、大当りの種別にかかわらず図103に示した通常時の大当り変動パターンテーブルT1を選択するようにしている。
そして上述の通り、こうして通常時の大当り変動パターンテーブルT1が選択されると、主制御MPU4100aは、該選択されたテーブルT1を参照しつつ、上記ステップS303(図94参照)の処理にて取得された変動表示パターン乱数に基づいて特別図柄の変動パターンを決定する(ステップS410)。なおここでは、第一特別図柄表示器または第二特別図柄表示器(LED)の停止(点灯)態様も決定される。
ここで、特別図柄の変動表示パターン乱数として例えば「0」〜「99」までの値が取得され得るとすると、通常時の大当り変動パターンテーブルT1では、これら「0」〜「99」までの値のうち、9個の特定の値が変動番号1(変動時間Ta1)に割り振られており(大当り時の選択率9%)、20個の特定の値が変動番号5(変動時間Tb1)に割り振られており(大当り時の選択率20%)、30個の特定の値が変動番号9(変動時間Tc1)に割り振られており(大当り時の選択率30%)、40個の特定の値が変動番号12(変動時間Td1)に割り振られており(大当り時の選択率40%)、1個の特定の値が変動番号15(変動時間Te)に割り振られている(大当り時の選択率1%)。このように、大当り確定の変動番号15を除けば、変動番号が大きくなるにつれて特定の値(大当り値)の割り振られる数が大きくなる傾向を持たせている。
なお後述するが、変動番号1(変動時間Ta1)が選択されたときには、液晶表示装置1400において演出内容「a(若しくは、a´)」が現れているもとで大当りに当選されたことが示される表示演出が行われ、変動番号5(変動時間Tb1)が選択されたときには、液晶表示装置1400において演出内容「b(若しくは、b´)」が現れているもとで大当りに当選されたことが示される表示演出が行われ、変動番号9(変動時間Tc1)が選択されたときには、液晶表示装置1400において演出内容「c(若しくは、c´)」が現れているもとで大当りに当選されたことが示される表示演出が行われ、変動番号12(変動時間Td1)が選択されたときには、液晶表示装置1400において演出内容「d(若しくは、d´)」が現れているもとで大当りに当選されたことが示される表示演出が行われ、変動番号15(変動時間Te1)が選択されたときには、液晶表示装置1400において演出内容「e」が現れているもとで大当りに当選されたことが示される表示演出が行われる。ちなみに、演出内容a、演出内容a´、演出内容b、演出内容b´、演出内容c、演出内容c´、演出内容d、演出内容d´、演出内容eはいずれも、液晶表示装置1400にて現れる表示演出の種類(例えば、リーチ演出の種類やストーリー演出の種類)の異なるものである。
また、これも後述するが、変動時間の長さとしては、変動時間Ta1よりも変動時間Tb1のほうが長くなっており、変動時間Tb1よりも変動時間Tc1のほうが長くなっており、変動時間Tc1よりも変動時間Td1のほうが長くなっており、変動時間Td1よりも変動時間Teのほうが長くなっている。
そして上述の通り、このような通常時の大当り変動パターンテーブルT1において、上記ステップS303(図94参照)の処理にて取得された変動表示パターン乱数に基づいて特別図柄の変動パターンが決定されると、該決定された変動パターンに対応付けされている演出コマンド(例えば、変動番号1であればコマンド「01H」)と、当選情報コマンド(当りにかかる当落や、小当りを含めてその当選種を示すコマンド)とをそれぞれセットする(ステップS411)。またさらに、上記決定された変動パターンに対応付けされている変動時間の値(例えば、変動番号1であれば変動時間Ta1)をタイマにセットし(ステップS412)、特図LED作動フラグをONにセットし(ステップS413)、処理フラグを「2」に更新(ステップS414)することとなる。
一方、大当り変動パターンテーブル設定処理を行うにあたり、通常外部不利遊技状態とは異なる他の遊技状態である旨判断されたときには、該判断された遊技状態に対応付けされている大当り変動パターンテーブルを選択し、該選択したテーブルに基づいて変動パターンを決定し、該決定された変動パターンに応じた各種コマンドを設定することとなるが、この説明については割愛する。
なお、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、通常外部不利遊技状態において、第一特別図柄側の抽選(変動)と第二特別図柄側の抽選(変動)とのいずれによって大当りが当選されたかにかかわらず、通常時の大当り変動パターンテーブルT1を選択することとしたが、第一特別図柄側の抽選(変動)が行われるときと、第二特別図柄側の抽選(変動)が行われるときとで、異なる内容とされた大当り変動パターンテーブルを選択することにより異なる内容の表示演出が現れるようにしてもよい。
また、通常外部不利遊技状態(確変機能、時短機能がいずれも非作動)にある旨判断されたときには、大当りの種別にかかわらず図103に示した通常時の大当り変動パターンテーブルT1を選択するようにしたが、大当りの種別に応じた大当りフラグの状態に基づいて、大当りの種別毎に用意された通常時の大当り変動パターンテーブルのいずれかを選択的に用いるようにしてもよい。
すなわちこの場合、大当りの種別に応じて変動パターンの選択率を異ならしめることができるようになり、特定の変動パターンが現れたときには特定種別の大当りである確率を高くするなどの偏りが持たせられるようになる。また、変動時間が同じ場合であっても変動番号(演出コマンド)を大当りの種別に応じて異ならしめることができるようになり、この場合には、演出コマンドを確認するだけで、変動パターンはもとより、大当りの種別を把握することができるようになる。このため、周辺制御基板4140側にて演出コマンドと当選情報コマンドとを比較してその適正性を判断するようにすれば、主制御基板4100との間での通信にかかる信頼度の向上を図ることができるようになる。
次に、図103に基づいて小当り時の変動パターン決定処理について説明する。
上述の通り、いま、上記ステップS403(図95参照)の処理において、小当りフラグがONである旨判断されたとすると、主制御MPU4100aは、ステップS404(図95参照)の処理として、小当りに当選されているときの変動パターンが設定されるべく、小当り変動パターンテーブル設定処理を行う。
この小当り変動パターンテーブル設定処理では、まず、通常外部不利遊技状態(確変機能、時短機能がいずれも非作動)、通常外部有利遊技状態(時短機能のみ作動)、確変外部不利遊技状態(確変機能のみ作動)、及び確変外部有利遊技状態(確変機能、時短機能がいずれも作動)のいずれの遊技状態にあるかを判断する。すなわち、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、各遊技状態の別に異なる小当り変動パターンテーブル(図示は割愛する)が用意されており、通常外部不利遊技状態(確変機能、時短機能がいずれも非作動)にある旨判断されたときに、図103に示した通常時の小当り変動パターンテーブルT2を選択するようにしている。
そして上述の通り、こうして通常時の小当り変動パターンテーブルT2が選択されると、主制御MPU4100aは、該選択されたテーブルT2を参照しつつ、上記ステップS303(図94参照)の処理にて取得された変動表示パターン乱数に基づいて特別図柄の変動パターンを決定する(ステップS410)。なおここでは、第一特別図柄表示器または第二特別図柄表示器(LED)の停止(点灯)態様も決定される。
ここで、特別図柄の変動表示パターン乱数として例えば「0」〜「99」までの値が取得され得るとすると、通常時の小当り変動パターンテーブルT2では、これら「0」〜「99」までの値のうち、35個の特定の値が変動番号2(変動時間Ta2)に割り振られており(小当り時の選択率35%)、30個の特定の値が変動番号6(変動時間Tb2)に割り振られており(小当り時の選択率30%)、30個の特定の値が変動番号10(変動時間Tc2)に割り振られており(小当り時の選択率20%)、5個の特定の値が変動番号13(変動時間Td2)に割り振られている(小当り時の選択率5%)。このように、変動番号が大きくなるにつれて特定の値(小当り値)の割り振られる数が小さくなる傾向を持たせている。
なお後述するが、変動番号2(変動時間Ta2)が選択されたときには、液晶表示装置1400において演出内容「a(若しくは、a´)」が現れているもとで大当り抽選の結果が示される表示演出が行われ、変動番号6(変動時間Tb2)が選択されたときには、液晶表示装置1400において演出内容「b(若しくは、b´)」が現れているもとで大当り抽選の結果が示される表示演出が行われ、変動番号10(変動時間Tc2)が選択されたときには、液晶表示装置1400において演出内容「c(若しくは、c´)」が現れているもとで大当り抽選の結果が示される表示演出が行われ、変動番号13(変動時間Td2)が選択されたときには、液晶表示装置1400において演出内容「d(若しくは、d´)」が現れているもとで大当り抽選の結果が示される表示演出が行われる。ちなみに、大当り抽選の結果が示されるこのような表示演出としては、例えば、大当りに落選されたことが示される表示演出や、開閉部材2006の動作によって賞球獲得が可能とされる遊技状態に移行することが示される表示演出(大当りに当選された場合にも現れる表示演出)などが適宜に採用される。
また、これも後述するが、変動時間の長さとしては、変動時間Ta2は、変動時間Ta1を基準としてこれに合わせた長さの時間(同一、若しくは近似した時間)として設定されており、変動時間Ta1(変動番号1)や、変動時間Ta2(変動番号2)が選択されたときにはいずれも演出内容「a(若しくは、a´)」が現れているもとで、大当り抽選としていかなる結果が得られたかについての対の演出が現れる。また、変動時間Tb2は、変動時間Tb1を基準としてこれに合わせた長さの時間(同一、若しくは近似した時間)として設定されており、変動時間Tb1(変動番号5)や、変動時間Tb2(変動番号6)が選択されたときにはいずれも演出内容「b(若しくは、b´)」が現れているもとで、大当り抽選としていかなる結果が得られたかについての対の演出が現れる。また、変動時間Tc2は、変動時間Tc1を基準としてこれに合わせた長さの時間(同一、若しくは近似した時間)として設定されており、変動時間Tc1(変動番号9)や、変動時間Tc2(変動番号10)が選択されたときにはいずれも演出内容「c(若しくは、c´)」が現れているもとで、大当り抽選としていかなる結果が得られたかについての対の演出が現れる。また、変動時間Td2は、変動時間Td1を基準としてこれに合わせた長さの時間(同一、若しくは近似した時間)として設定されており、変動時間Td1(変動番号12)や、変動時間Td2(変動番号13)が選択されたときにはいずれも演出内容「d(若しくは、d´)」が現れているもとで、大当り抽選としていかなる結果が得られたかについての対の演出が現れる。
そして上述の通り、このような通常時の小当り変動パターンテーブルT2において、上記ステップS303(図94参照)の処理にて取得された変動表示パターン乱数に基づいて特別図柄の変動パターンが決定されると、該決定された変動パターンに対応付けされている演出コマンド(例えば、変動番号2であればコマンド「02H」)と、当選情報コマンド(当たりにかかる当落や、小当りを含めてその当選種を示すコマンド)とをそれぞれセットする(ステップS411)。またさらに、上記決定された変動パターンに対応付けされている変動時間の値(例えば、変動番号2であれば変動時間Ta2)をタイマにセットし(ステップS412)、特図LED作動フラグをONにセットし(ステップS413)、処理フラグを「2」に更新(ステップS414)することとなる。
一方、小当り変動パターンテーブル設定処理を行うにあたり、通常外部不利遊技状態とは異なる他の遊技状態である旨判断されたときには、該判断された遊技状態に対応付けされている小当り変動パターンテーブルを選択し、該選択したテーブルに基づいて変動パターンを決定し、該決定された変動パターンに応じた各種コマンドを設定することとなるが、この説明については割愛する。ただし、時短機能が作動する遊技状態(外部有利遊技状態)において小当りが当選された場合は、単一の変動パターンが決定されて、期待感を煽ることなく淡々と表示処理(例えば、純ハズレ時の低期待演出と同じ表示処理)されるようにすることが望ましい。
次に、図103に基づいて高期待演出時の変動パターン決定処理について説明する。
上述の通り、いま、上記ステップS405(図95参照)の処理において、高期待演出を行うべきであると判断されたとすると、主制御MPU4100aは、ステップS406(図95参照)の処理として、高期待演出を行うときの変動パターンが設定されるべく、高期待ハズレ変動パターンテーブル設定処理を行う(ステップS406)。
この高期待ハズレ変動パターンテーブル設定処理においても、まず、通常外部不利遊技状態(確変機能、時短機能がいずれも非作動)、通常外部有利遊技状態(時短機能のみ作動)、確変外部不利遊技状態(確変機能のみ作動)、及び確変外部有利遊技状態(確変機能、時短機能がいずれも作動)のいずれの遊技状態にあるかを判断する。すなわち、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、各遊技状態の別に異なる高期待ハズレ変動パターンテーブル(図示は割愛する)が用意されており、通常外部不利遊技状態(確変機能、時短機能がいずれも非作動)にある旨判断されたときに、図103に示した通常時の高期待ハズレ変動パターンテーブルT3を選択するようにしている。
そして上述の通り、こうして通常時の高期待ハズレ変動パターンテーブルT3が選択されると、主制御MPU4100aは、該選択されたテーブルT3を参照しつつ、上記ステップS303(図94参照)の処理にて取得された変動表示パターン乱数に基づいて特別図柄の変動パターンを決定する(ステップS410)。なおここでは、第一特別図柄表示器641または第二特別図柄表示器642(LED)の停止(点灯)態様も決定される。
ここで、特別図柄の変動表示パターン乱数として例えば「0」〜「99」までの値が取得され得るとすると、通常時の高期待ハズレ変動パターンテーブルT3では、これら「0」〜「99」までの値のうち、40個の特定の値が変動番号3(変動時間Ta3)に割り振られており(高期待ハズレ時の選択率40%)、17個の特定の値が変動番号4(変動時間Ta4)に割り振られており(高期待ハズレ時の選択率17%)、25個の特定の値が変動番号7(変動時間Tb3)に割り振られており(高期待ハズレ時の選択率25%)、13個の特定の値が変動番号8(変動時間Tb4)に割り振られており(高期待ハズレ時の選択率13%)、3個の特定の値が変動番号11(変動時間Tc3)に割り振られており(高期待ハズレ時の選択率3%)、2個の特定の値が変動番号14(変動時間Td3)に割り振られている(高期待ハズレ時の選択率2%)。このように、変動番号が大きくなるにつれて特定の値(ハズレ値)の割り振られる数が小さくなる傾向を持たせている。
なお後述するが、変動番号3(変動時間Ta3)が選択されたときには、液晶表示装置1400において演出内容「a、発展なし(若しくは、a´)」が現れているもとで大当りに落選されたことが示される表示演出が行われ、変動番号4(変動時間Ta4)が選択されたときには、液晶表示装置1400において演出内容「a、発展あり」が現れているもとで大当りに落選されたことが示される表示演出、若しくは液晶表示装置1400において演出内容「c´」が現れているもとで大当りに落選されたことが示される表示演出が行われ、変動番号7(変動時間Tb3)が選択されたときには、液晶表示装置1400において演出内容「b、発展なし(若しくは、b´)」が現れているもとで大当りに落選されたことが示される表示演出が行われ、変動番号8(変動時間Tb4)が選択されたときには、液晶表示装置1400において演出内容「b、発展あり」が現れているもとで大当りに落選されたことが示される表示演出、若しくは液晶表示装置1400において演出内容「d´」が現れているもとで大当りに落選されたことが示される表示演出が行われ、変動番号11(変動時間Tc3)が選択されたときには、液晶表示装置1400において演出内容「c(若しくは、c´)」が現れているもとで大当りに落選されたことが示される表示演出が行われ、変動番号14(変動時間Td3)が選択されたときには、液晶表示装置1400において演出内容「d(若しくは、d´)」が現れているもとで大当りに落選されたことが示される表示演出が行われる。ちなみに、後述するが、変動番号4、8のときは、周辺制御基板4140側での制御モードに応じて異なる演出内容でのハズレ演出パターンとして現れるようになっており、これによって当該ハズレ演出パターンの変動番号4,8の対となる大当り演出パターンの変動番号が変動番号1,5と変動番号9,12との間で変更されるようになることから、周辺制御基板4140側での制御モードに応じて大当り期待度の異なる演出パターンが現れるようにすることができるようになる。
また、これも後述するが、変動時間の長さとしては、変動時間Ta3は、変動時間Ta1を基準としてこれに合わせた長さの時間(同一、若しくは近似した時間)として設定されており、変動時間Ta1(変動番号1)や、変動時間Ta2(変動番号2)、変動時間Ta3(変動番号3)が選択されたときにはいずれも演出内容「a」が現れているもとで、大当り抽選としていかなる結果が得られたかについての対の演出が現れる。ただし、変動時間Ta1(変動番号1)や、変動時間Ta2(変動番号2)が選択されたときには、開閉部材によって下大入賞口2003が開閉される前のオープニング期間にまで演出内容「a」にかかる演出が延長される場合があることから、こうした延長演出が行われるときの対となるハズレ演出パターンとして、変動時間Ta3(変動番号3)よりも長い変動時間Ta4(変動番号4)が用意されている。また、この変動時間Ta4(変動番号4)は、変動時間Tc3(変動番号11)を基準としてこれに合わせた長さの時間(同一、若しくは近似した時間)としても設定されており、これによって周辺制御基板4140側での制御によっては、変動時間Tc3(変動番号11)の演出パターンとして用いることもできるようになっている。これにより、当該ハズレ演出パターンの変動番号4の対となる大当り演出パターンの変動番号が変動番号1と変動番号9との間で変更されるようになることは上述した通りである。
またさらに、変動時間Tb3は、変動時間Tb1を基準としてこれに合わせた長さの時間(同一、若しくは近似した時間)として設定されており、変動時間Tb1(変動番号5)や、変動時間Tb2(変動番号6)、変動時間Tb3(変動番号7)が選択されたときにはいずれも演出内容「b」が現れているもとで、大当り抽選としていかなる結果が得られたかについての対の演出が現れる。ただし、変動時間Tb1(変動番号5)や、変動時間Tb2(変動番号6)が選択されたときには、開閉部材によって下大入賞口2003が開閉される前のオープニング期間にまで演出内容「b」にかかる演出が延長される場合があることから、こうした延長演出が行われるときの対となるハズレ演出パターンとして、変動時間Tb3(変動番号7)よりも長い変動時間Tb4(変動番号8)が用意されている。また、この変動時間Tb4(変動番号8)は、変動時間Td3(変動番号14)を基準としてこれに合わせた長さの時間(同一、若しくは近似した時間)としても設定されており、これによって周辺制御基板4140側での制御によっては、変動時間Td3(変動番号14)の演出パターンとして用いることもできるようになっている。これにより、当該ハズレ演出パターンの変動番号8の対となる大当り演出パターンの変動番号が変動番号5と変動番号12との間で変更されるようになることは上述した通りである。
そして上述の通り、このような通常時の高期待ハズレ変動パターンテーブルT3において、上記ステップS303(図94参照)の処理にて取得された変動表示パターン乱数に基づいて特別図柄の変動パターンが決定されると、該決定された変動パターンに対応付けされている演出コマンド(例えば、変動番号3であればコマンド「03H」)と、当選情報コマンド(当たりにかかる当落や、小当りを含めてその当選種を示すコマンド)とをそれぞれセットする(ステップS411)。またさらに、上記決定された変動パターンに対応付けされている変動時間の値(例えば、変動番号3であれば変動時間Ta3)をタイマにセットし(ステップS412)、特図LED作動フラグをONにセットし(ステップS413)、処理フラグを「2」に更新(ステップS414)することとなる。
一方、大当り変動パターンテーブル設定処理を行うにあたり、通常外部不利遊技状態とは異なる他の遊技状態である旨判断されたときには、該判断された遊技状態に対応付けされている高期待変動パターンテーブルを選択し、該選択したテーブルに基づいて変動パターンを決定し、該決定された変動パターンに応じた各種コマンドを設定することとなるが、この説明については割愛する。
このような通常時の大当り変動パターンテーブルT1、通常時の小当り変動パターンテーブルT2、及び通常時の高期待ハズレ変動パターンテーブルT3によれば、大当り期待度は、表示演出aよりも表示演出bのほうが高くなり、表示演出bよりも表示演出cのほうが高くなり、表示演出cよりも表示演出dのほうが高くなり、表示演出dよりも表示演出eのほうが高くなる。特に、表示演出eについては、大当りが当選されているときにのみ現れうることから、同演出eが現れた時点で大当りに当選されていることが確定されるようになる。
次に、処理フラグが「2」のときに実行される変動中処理(ステップS180)について説明する。図96は、変動中処理の一例を示すフローチャートである。
同図に示されるように、変動中処理(ステップS180)では、主制御MPU4100aは、まず、ステップS501の処理として、上記ステップS412(図95参照)の処理にてタイマにセットされた変動時間がタイムアップしたか否かを判断する。タイマにセットされた変動時間がタイムアップしていなければ(ステップS501におけるNO)、変動中処理を終了する。
タイマにセットされた変動時間がタイムアップしていれば(ステップS501におけるYES)、上記ステップS413の処理にてONにセットした特図LED作動フラグをOFFにセットする(ステップS502)。この特図LED作動フラグがOFFにセットされると、上記ステップS305又は上記ステップS309の処理にて設定された特別図柄変動フラグの値に基づいて、第一特別図柄表示器または第二特別図柄表示器としての複数のLEDの点灯パターンにかかる変動表示(特別図柄の変動)が終了されるようになる。また、液晶表示装置1400において大当り抽選についての表示演出が行われているときにはこれを終了させるべく、周辺制御基板4140に対し、同表示演出における演出結果が確定表示されるべき旨を示す確定停止コマンドをセットする(ステップS503)。なお、この確定停止コマンドは、図91に示したコマンド送信処理(ステップS17)によって周辺制御基板4140に送信される。これにより、液晶表示装置1400においては、周辺制御基板4140側による後述の制御を通じて、同表示演出における演出結果を確定表示させるようになる。ただし、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、周辺制御基板4140における制御モードによっては、確定停止コマンドを受信したにもかかわらず液晶表示装置1400における表示演出を終了させずに、その後のオープニング期間まで当該表示演出が延長されるように制御することがあることは上述した通りである。
次いで、大当りフラグがONであるか否かを判断する(ステップS504)。大当りフラグがONであれば(ステップS504におけるYES)、大当りに当選されたことが示されるように特別図柄が変動停止された処理段階にあるとして処理フラグを「3」に更新し(ステップS505)、当該変動中処理を終了する。
一方、大当りフラグがONでなく大当りに落選されたハズレであるときは(ステップS504におけるNO)、次にステップS506の処理として、小当りフラグがONであるか否かを判断する。小当りフラグがONであれば(ステップS506におけるYES)、小当りに当選されたことが示されるように特別図柄が変動停止された処理段階にあるとして処理フラグを「4」に更新し(ステップS507)、当該変動中処理を終了する。
また一方、小当りフラグがONでなく純ハズレ(特定条件が満たされないハズレ)であるときは(ステップS506におけるNO)、大当りと小当りとのいずれにも落選されたことが示されるように特別図柄が変動停止された処理段階にあるとして処理フラグを「0」に更新し(ステップS508)、当該変動中処理を終了する。すなわちこの場合、次の割り込み制御が行われる際に、上記ステップS130の処理にて保留消化されることを条件に、特別図柄にかかる次変動が行われることとなる。
次に、処理フラグが「3」のときに実行される大当り遊技開始処理(ステップS200)について説明する。図97は、大当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。
同図に示されるように、大当り遊技開始処理(ステップS200)では、主制御MPU4100aは、まず、ステップS601の処理として、条件装置を作動させる。次いで、ステップS2602の処理として、通常外部不利遊技状態や通常外部有利遊技状態にあるときよりも条件装置の作動を伴う当り(大当り)の当選確率を高くする機能(確率変動機能)が作動中(確率変動状態)であるか否かを判断する。そしてこの結果、確変外部不利遊技状態、及び確変外部有利遊技状態のいずれかの遊技状態にあり、確率変動機能が作動中である旨判断されたときには(ステップS602におけるYES)、この確率変動機能の作動を停止させる(ステップS603)。
そして次に、ステップS604の処理として、こうして確率変動機能の作動が停止されたもとで、上記第二始動口2008に遊技球が入球され易くする機能(時短機能)が作動中(時短遊技状態)であるか否かを判断する。なお、上記ステップS602の処理にて確率変動機能が作動中である旨判断されなかったときには、上記ステップS603の処理を実行することなく当該ステップS604の処理に移行する。そしてこの結果、通常外部有利遊技状態、及び確変外部有利遊技状態のいずれかの遊技状態にあり、時短機能が作動中である旨判断されたときには(ステップS604におけるYES)、この時短機能の作動を停止させる(ステップS605)。
そして次に、こうして確率変動機能と時短機能との作動がいずれも停止されたもとで大当り遊技が行われるべく、ステップS606の処理として、同大当り遊技にて下大入賞口2003又は右大入賞口7000が繰り返し開放されるラウンド遊技の最大回数や、各ラウンド遊技にてこれら大入賞口に遊技球が入球可能とされる上限数(所定の大個数)や、各ラウンド遊技における大入賞口の開閉部材の開閉動作制限時間(長時間開閉パターンの所定長時間)など、大当り遊技における開放態様をセットする。すなわち、このステップS606の処理では、まず、上記ステップS317(図94参照)の処理にてセットされた大当りフラグに基づいて、大当りの種別が判断される。そして、こうして判断された大当りの種別ごとに対応付けされて用意されている「大当り遊技における開放態様」にかかる情報が主制御基板4100(主制御MPU4100a)のROMなどから読み出され、該読み出された情報がセットされることとなる。これにより、大当りの種別に応じた上述の開放態様をもって大当り遊技が実行可能とされるようになる。なお、上記ステップS604の処理にて時短機能が作動中である旨判断されなかったときには、上記ステップS605の処理を実行することなく当該ステップS606の処理を行うこととなる。
そしてその後、大当り遊技が行われるのに先立って、大当り遊技が行われる前のインターバル演出(例えば、「おめでとう」などのオープニング演出や、「出玉獲得のチャンス!」などのチャレンジボーナス演出)が実行可能とされるように、特別図柄の停止時から特別ボーナス遊技(大当り遊技)が開始されるまでの時間などが示される大当り時のインターバル演出コマンドをセットする(ステップS607)。ただし上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、大当りの当選時においては、上記液晶表示装置1400における表示演出が特別図柄の停止後の期間にまで延長される演出(上述の如くの延長演出)が実行されうることから、こうしてセットされるインターバル演出コマンドとしてもこれを踏まえたものとして用意されている。すなわち、小当り当選時にも現れる延長演出に要する時間との関係上、大当りの種別にかかわらず特定の一定時間(例えば8秒)が示されるインターバル演出コマンドのみがセットされるようになっている。そして、こうしてセットされたインターバル演出コマンドが、図91に示したコマンド送信処理(ステップS17)によって周辺制御基板4140に送信されることで、当該コマンドにより示される特定の一定時間(例えば8秒)においては、周辺制御基板4140側による後述の制御を通じて、液晶表示装置1400にて上述の如くのインターバル演出と上述の如くの延長演出とのいずれかが選択的に行われるようになる。
次いで、上記ステップS607の処理にてセットされたインターバル演出コマンドに対応付けされたインターバル演出タイマ(例えば8秒)をセットするとともに(ステップS608)、処理フラグを「5」に更新し(ステップS609)、当該大当り遊技開始処理を終了する。
次に、処理フラグが「4」のときに実行される小当り遊技開始処理(ステップS220)について説明する。図98は、小当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。
同に示されるように、小当り遊技開始処理(ステップS220)では、主制御MPU4100aは、まず、小開放当り遊技(小当り遊技)が行われるべく、ステップS701の処理として、同小当り遊技にて下大入賞口2003又は右大入賞口7000が繰り返し開放される回数(この実施の形態では、2回)や、開放時に大入賞口に遊技球が入球可能とされる上限数(所定の小個数)や、開放時に大入賞口開閉部材の開閉動作制限時間(小時間開閉パターン)など、小開放当り遊技(小当り遊技)における開放態様をセットする。
そしてその後、小開放当り遊技(小当り遊技)が行われるのに先立って、小遊技が行われる前のインターバル演出(例えば、「出玉獲得のチャンス!」などのチャレンジボーナス演出)が実行可能とされるように、特別図柄の停止時から小ボーナス遊技(小当り遊技)が開始されるまでの時間などが示される小当り時のインターバル演出コマンドをセットする(ステップS702)。ただし上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、小当りの当選時においては、上記液晶表示装置1400における表示演出が特別図柄の停止後の期間にまで延長される演出(上述の如くの延長演出)が実行されうることから、こうしてセットされるインターバル演出コマンドとしてもこれを踏まえたものとして用意されている。すなわち、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、大当り当選時にも現れる延長演出に要する時間との関係上、小当り当選時の図柄乱数(大当り図柄用乱数)にかかわらず特定の一定時間(例えば8秒)が示されるインターバル演出コマンドのみがセットされるようにしている。延長演出が現れるときのこうした時間設定によって小当りの存在が推測されてしまうようなことが抑制されるようになり、ひいては小当りの当選に応じて開閉部材が動作することによる遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。
次いで、上記ステップS702の処理にてセットされたインターバル演出コマンドに対応付けされたインターバル演出タイマ(例えば8秒)をセットするとともに(ステップS703)、処理フラグを「6」に更新し(ステップS704)、当該小当り遊技開始処理を終了する。
なお後述するが、こうしてセットされたインターバル演出コマンドが、図91に示したコマンド送信処理(ステップS17)によって周辺制御基板4140に送信されることで、液晶表示装置1400においては、周辺制御基板4140側による後述の制御を通じて、上記インターバル演出コマンドにより示される時間だけインターバル演出が行われるようになる。
次に、処理フラグが「5」のときに実行される大当り遊技処理(ステップS240)について説明する。図99は、大当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。
同図に示されるように、大当り遊技処理(ステップS240)では、主制御MPU4100aは、まず、ステップS801の処理として、大当り遊技が既に行われている状態にあることを示す大当り遊技中フラグがON状態(セット)にあるか否かを判断する。
ここで、この大当り遊技中フラグは、当該大当り遊技処理(ステップS240)に移行してすぐの処理状況にあるときにはOFF状態に操作されている。したがって、当該大当り遊技処理(ステップS240)に移行してすぐの処理状況にあるときには、大当り遊技中フラグはON状態(セット)にない旨判断され(ステップS801におけるNO)、次にステップS802の処理を行う。
このステップS802の処理では、上述のインターバル演出(大当り確定のオープニング演出、下大入賞口2003又は右大入賞口7000の開放確定(ボーナス遊技の実行確定)のチャレンジボーナス演出、若しくは延長演出)が終了したか否か、すなわち上記ステップS607(図97参照)の処理にてセットされたインターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップしたか否かについての判断を行う。インターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップしておらず、上述のインターバル演出(大当り確定のオープニング演出、下大入賞口2003又は右大入賞口7000の開放確定のチャレンジボーナス演出、若しくは延長演出)が未だ実行中である場合には(ステップS802におけるNO)、当該大当り遊技処理を一旦終了し、ステップS801及びステップS802の処理を通じてインターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップするまで待機する(割込処理を繰り返す)こととなる。
ただし、この実施の形態にかかる主制御MPU4100aでは、こうした処理が行われた結果、インターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップした場合であっても(ステップS802におけるYES)、これのみをもって大当り遊技が開始されるようなことがないように、インターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップされた以降、有効ゲート(特図ゲート)6010n(特定の受入口)を遊技球が通過したか否かについての判断を行う(ステップS803)。そしてこの結果、有効ゲート6010nを遊技球が通過した旨判断されないときは、当該大当り遊技処理を一旦終了し、ステップS803の処理において有効ゲート6010nを遊技球が通過した旨判断されるまで待機する(割込処理を繰り返す)ことで、インターバル演出タイマにより予め定められている時間(ここでは8秒)がタイムアップした以降に有効ゲート6010nに遊技球が受け入れられるまでは大入賞口の開閉手段を動作させることなくこれを閉状態にて延長維持制御させるようにしている。
このような大入賞口の閉制御期間にかかる延長制御によれば、大当りが当選されたことに基づいて特別図柄が停止されてから大当り遊技が開始されるまでの閉制御期間(開閉部材が閉状態にて維持制御される期間)のうち、特別図柄が停止されてからインターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップするまでの時間を「特別図柄が停止表示されてからの予め定められた長さをもった第1の閉制御期間」とするとき(ステップS802)、この第1の閉制御期間が経過した後には、「不定の長さをもった閉制御期間としての第2の閉制御期間」がさらに現れるようになる(ステップS803)。したがって、予め定められた長さをもった閉制御期間としての属性と、不定の長さをもった閉制御期間としての属性とを相互に利用した斬新な演出を実現することができるようになる。
より具体的には、第1の閉制御期間(ここでは8秒)については、例えば、上述の通り、上記設定された特別図柄の変動パターンの変動時間との加算時間として用い、この加算時間を一単位として、液晶表示装置1400における表示演出を特別図柄の変動表示に対して延長させて行うなど、予め定められた長さをもった閉制御期間としての属性を利用した演出を実現することができるようになる。大当り抽選にかかる表示演出が、特別図柄の変動時間と第1の閉制御期間とを加算した時間分の演出内容をもって実行される場合に対し、第2の閉制御期間(ここでは、有効ゲート6010nを遊技球が通過するまでの時間)については、例えば、同期間を利用して開閉部材が動作するまでの長編ムービーを液晶表示装置1400にて流すことなど、不定の長さをもった閉制御期間としての属性を利用した演出を実現することができるようになる。すなわち、第2の閉制御期間(ここでは、有効ゲート6010nを遊技球が通過するまでの時間)については、遊技者によって適宜に同期間を終了させることが可能であることから、長編ムービーなどの冗長な演出を実現した場合であっても、演出の間延びによって遊技興趣の低下などの弊害が生じることがなく、演出の幅を広げることができるようになる。
そして、こうした処理が行われた結果、ステップS803の処理において有効ゲート6010nを遊技球が通過した旨判断された場合には、役物連続作動装置が作動することによって大当り(条件装置の作動を伴う当り)の当選に応じた開閉部材の動作(大当り遊技)が可能とされる状態に移行する。すなわちこの場合、主制御MPU4100aは、まず、ステップS804の処理として、大当り遊技を開始させることを示す大当り開始コマンドをセットするとともに、大当り遊技が既に行われている状態にあることを示す上記大当り遊技中フラグをON状態に操作(セット)し、次にステップS805の処理に移行する。
こうしてセットされた大当り開始コマンドが、図91に示したコマンド送信処理(ステップS17)によって周辺制御基板4140に送信されることで、液晶表示装置1400においては、周辺制御基板4140側による後述の制御を通じて、上記大当り遊技中における表示演出が行われるようになる。また、大当り遊技中フラグをON状態に操作(セット)するようにしたことで、次回以降の割り込み制御にて当該大当り遊技処理(ステップS240)が開始されるときには、このようなステップS801〜ステップS804の処理を行うことなく、大当り遊技の実行にかかる処理を行うべくの以下のステップS805の処理から行われるようになる。なお、有効ゲートが設けられていない遊技機の形態では、このステップ802,803は設定されない。
ステップS805の処理では、大入賞口(2003又は7000)が開放中か否かを判断する。開放中の場合には(ステップS805におけるYES)、次にステップS806の処理として、大入賞口の開放時間(開放した後の経過時間)が上記ステップS606(図90参照)の処理にて設定された開閉動作制限時間(所定長時間、若しくは所定中時間)に達したか否かを判断する。そしてこの結果、この開閉動作制限時間が経過した旨判断されたときは(ステップS806にてYES)、開閉部材2006を閉動作させることにより大入賞口を閉鎖する(ステップS808)。
ただし、上記ステップS806の処理において、上記設定された開閉動作制限時間が未だ経過していない旨判断された場合であっても(ステップS806にてNO)、大入賞口が開放された後に同大入賞口に入球した遊技球の個数が、上記ステップS606の処理にて設定された上限数(例えば10個)以上になっている場合には(ステップS807にてYES)、上記ステップS808の処理に移行して大入賞口を閉鎖する。これに対し、上記設定された開閉動作制限時間が未だ経過しておらず(ステップS806にてNO)、大入賞口に入球した遊技球の個数も上限数に未だ達していない場合には(ステップS807にてNO)、大入賞口を開放状態にて維持したままで、大当り遊技処理を終了する。
一方、上記ステップS805の処理において、大入賞口が開放中でない旨判断された場合には、開閉部材2006による大入賞口の開放回数(ラウンド遊技の回数)が、上記ステップS606(図90参照)の処理にて設定された最大回数に到達しているか否かを判別する(ステップS809)。そして、到達していない場合には(ステップS809にてNO)、開閉部材を作動して大入賞口を開放し(ステップS810)、大当り遊技処理を終了する。
また一方、上記ステップS809の処理において、ラウンド遊技が既に最大回数分だけ行われた旨判断されたときは、役物連続作動装置の作動が停止することによって大当り(条件装置の作動を伴う当り)に当選されたことに応じた開閉部材の動作(大当り遊技)が不可能とされる状態に移行することとなる。すなわちこの場合、主制御MPU4100aは、ステップS811〜ステップS817の処理を実行することにより、例えばステップS317(図94参照)の処理にて大当りフラグとは別に主制御基板4100(主制御MPU4100a)のRAMにて記憶されている当該大当り遊技の実行契機とされた大当りの当選種に基づいて、大当り遊技後の遊技状態を設定してから当該大当り遊技処理を終了させる。なお、ここでの当選種とは、確率変動機能や時短機能を作動させる当選種であるか否かについてのものであり、例えば当該大当り遊技の実行契機とされた大当りが大当りCである場合には、当該大当りである旨判断されたときの遊技状態に応じて時短機能を作動させるものであるか否かについての情報の内容が異なることとなる。
すなわち、まず、大当りフラグと大当り遊技中フラグとをそれぞれOFF状態に操作し(ステップS811)、当該大当り遊技の実行契機とされた大当りの当選種を判別する(ステップS812、ステップS814)。ここで、ステップS812の処理では、既述の確変領域6970を遊技球が通過したか否かが判定される。そしてこの結果、これが否定された場合には確率変動機能を作動させることなく、次に上記ステップS814の処理に移行する。これに対し、上記ステップS812の処理が肯定された場合には、確率変動機能を作動させてから(ステップS813)、次に上記ステップS814の処理に移行する。
また、ステップS814の処理では、時短機能を作動させる当選種であるか否かが判断される。そしてこの結果、時短機能を作動させる当選種でない旨判断されたときには、時短機能を作動させることなく条件装置の作動を停止するとともに(ステップS816)、処理フラグを「0」をセットした時点で(ステップS817)、大当り遊技処理を終了する。これに対し、上記ステップS814の処理にて、時短機能を作動させる当選種である旨判断されたときには、時短機能を作動させてから(ステップS815)、条件装置の作動を停止するとともに(ステップS816)、処理フラグを「0」をセットした時点で(ステップS817)、大当り遊技処理を終了する。
このような大当り遊技開始処理によれば、ステップS807の処理にてラウンド遊技が最大回数に到達した旨判断されるまでの間、大入賞口は、大当りの種別に応じた開放態様(ステップS806、ステップS807、ステップS809)をもって繰り返し開放されるようになり、ひいては大当りの種別に応じた賞球が遊技者によって獲得可能とされるようになる。
次に、処理フラグが「6」のときに実行される小当り遊技処理(ステップS250)について説明する。図100は、小当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。
同図に示されるように、小当り遊技処理(ステップS250)においても、主制御MPU4100aは、まず、ステップS901の処理として、小当り遊技が既に行われている状態にあることを示す小当り遊技中フラグがON状態(セット)にあるか否かを判断する。
ここで、この小当り遊技中フラグは、当該小当り遊技処理(ステップS250)に移行してすぐの処理状況にあるときにはOFF状態に操作されている。したがって、当該小当り遊技処理(ステップS250)に移行してすぐの処理状況にあるときには、小当り遊技中フラグはON状態(セット)にない旨判断され(ステップS901におけるNO)、次にステップS902の処理を行う。
このステップS902の処理では、上述のインターバル演出(チャレンジボーナス演出、若しくは延長演出)が終了したか否か、すなわち上記ステップ703(図98参照)の処理にてセットされたインターバル演出タイマにより予め定められている時間(ここでは8秒)がタイムアップしたか否かについての判断を行う。インターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップしておらず、上述のインターバル演出(チャレンジボーナス演出、若しくは延長演出)が未だ実行中である場合には(ステップS902におけるNO)、当該小当り遊技処理を一旦終了し、ステップS901及びステップS902の処理を通じてインターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップするまで待機することとなる。
ただし、この実施の形態にかかる小当り遊技処理(ステップS250)では、大当り遊技処理(ステップ240)とは異なり、こうした処理が行われた結果、インターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップした場合には(ステップS902におけるYES)、これのみをもって小当り遊技が開始されるべく、次にステップS903の処理として、小当り遊技を開始させることを示す小当り開始コマンドをセットするとともに、小当り遊技が既に行われている状態にあることを示す上記小当り遊技中フラグをON状態に操作(セット)するようにしている。すなわちこの場合、上述の第2の閉制御期間が現れないこと(一定の長さを持った第1の閉制御期間からの延長制御がないこと)を遊技者が確認しさえすれば、条件装置の作動を伴う当り(大当り)に応じたボーナス遊技が行われるかもしれないことに対する期待感を完全に取り除いた上で(虚偽的な情報が多い演出による報知などではなく、遊技進行にかかる制御の有無によって期待感を取り除いた上で)遊技を行うことができるようにしている。
また、後述するが、上記ステップS903の処理にてセットされた小当り開始コマンドが、図91に示したコマンド送信処理(ステップS17)によって周辺制御基板4140に送信されることで、液晶表示装置1400においては、周辺制御基板4140側による後述の制御を通じて、上記小当り遊技中における表示演出が行われるようになる。また、小当り遊技中フラグをON状態に操作(セット)するようにしたことで、次回以降の割込処理にて当該小当り遊技処理(ステップS250)が開始されるときには、このようなステップS902、ステップS903の処理を行うことなく、小当り遊技の実行にかかる処理を行うべくの以下のステップS904の処理から行われるようになる。
ステップS904の処理では、大入賞口が開放中か否かを判断する。開放中の場合には(ステップS904におけるYES)、次にステップS905の処理として、大入賞口の開放時間(開放した後の経過時間)が上記ステップS701(図98参照)の処理にて設定された開閉動作制限時間(小時間開閉パターンの所定小時間)に達したか否かを判別する。そしてこの結果、この開閉動作制限時間が経過した旨判断されたときは(ステップS905にてYES)、開閉部材2006を閉動作させることにより大入賞口を閉鎖する(ステップS907)。
ただし、上記ステップS905の処理において、上記設定された開閉動作制限時間が未だ経過していない旨判断された場合であっても(ステップS905にてNO)、大入賞口が開放された後に同大入賞口に入球した遊技球の個数が、上記ステップS701の処理にて設定された上限数以上になっている場合には(ステップS906にてYES)、上記ステップS907の処理に移行して大入賞口を閉鎖する。これに対し、上記設定された開閉動作制限時間が未だ経過しておらず(ステップS905にてNO)、大入賞口に入球した遊技球の個数も上限数に未だ達していない場合には(ステップS905にてNO)、大入賞口を開放状態にて維持したままで、小当り遊技処理を終了する。
一方、上記ステップS904の処理において、大入賞口が開放中でない旨判断された場合には、開閉部材による下大入賞口の開放回数が、上記ステップS701(図98参照)の処理にて設定された最大回数に到達しているか否かを判別する(ステップS908)。そして、到達していない場合には(ステップS908にてNO)、開閉部材2006を作動して大入賞口を開放し(ステップS909)、小当り遊技処理を終了する。
また一方、上記ステップS908の処理において、開閉部材による大入賞口の開放回数が既に最大回数分だけ行われた旨判断されたときは、小当りフラグと小当り遊技中フラグとをそれぞれOFF状態に操作し(ステップS910)、処理フラグを「0」をセットした時点で(ステップS911)、小当り遊技処理を終了する。
このような小当り遊技処理によれば、ステップS906の処理にて開閉部材による大入賞口の開放が最大回数に到達した旨判断されるまでの間、大入賞口は、大当りに応じた開放態様と比較すれば大入賞口への遊技球の入球は困難とされる開放態様ではあるものの、こうした開放態様に応じた分の賞球が遊技者によって獲得可能とされるようになる。
次に、周辺制御基板4140に搭載されている周辺制御MPU4150aによって実行される処理について、図104乃至図110を参照して説明する。図104は、サブメイン処理の一例を示すフローチャートであり、図105は、16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。図106は、コマンド解析処理(ステップS1100)の一例を示すフローチャートである。図107は、演出制御処理(ステップS1200)の一例を示すフローチャートである。図108は、装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)の一例を示すフローチャートである。図109は、第1演出モードでの停止図柄の決定処理(ステップS1225a)の一例を示すフローチャートであり、図110は、第2演出モードでの停止図柄の決定処理(ステップS1225b)の一例を示すフローチャートである。
サブメイン処理では、図104に示すように、パチンコ機1への電力供給が開始されると、周辺制御MPU4150aによって初期設定処理を行う(ステップS1001)。この初期設定処理では、周辺制御基板4140に搭載される周辺制御RAM4140eをクリアする処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS1001)が終了すると、16ms経過フラグTがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS1002)。
ここで、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4150aは、2msが経過する毎に割込処理としての2ms定常処理を実行するものとなっている。すなわち、この2ms定常処理では、16ms経過監視カウンタのカウンタ値がカウントアップ(カウンタ値に「1」を加算)されるようになっている。そして、2msが経過する毎にこうしてカウントアップが繰り返し行われた結果、同カウンタ値が8になったとき(16msが経過したとき)には、16ms経過フラグTがセットされるとともに、16ms経過監視カウンタのカウンタ値がリセットされる。
この点、上記ステップ1002の処理では、このような16ms経過フラグTが上述の2ms定常処理にてセットされるまでこれを監視することとなる(ループ処理)。そしてこの結果、16ms経過フラグがセットされている旨判断したときには(ステップ1002のYes)、16ms経過フラグをリセットした上で(ステップS1003)、後述の16ms定常処理を行うことで(ステップS1004)、当該16ms定常処理が16ms経過する毎に行われるようにしている。
この16ms定常処理では、主制御基板4100から受信した各種の演出コマンドに基づいて液晶表示装置1400、扉枠5や遊技盤4に備えられた各装飾基板のLED、扉枠5や本体枠3のスピーカを制御する処理が実行される。16ms定常処理が終了すると、上記ステップS1002の処理に戻り、16ms経過フラグTが上述の2ms定常処理にてセットされるまでこれを再び監視することとなる(ループ処理)。
図105に示されるように、16ms定常処理では、周辺制御MPU4150aが、まず、ステップS1100の処理として、主制御基板4100から受信した各種の演出コマンドを解析(コマンド解析処理)する。次いで、上記解析された演出コマンドに基づいて、液晶表示装置1400の演出表示にかかる制御(演出制御処理)を実行する(ステップS1200)。より具体的には、液晶表示装置1400の演出表示にて現われうる予告演出の設定や、液晶表示装置1400の演出表示にて現われうる装飾図柄の停止図柄の決定、等々を行う。
そして次に、周辺制御MPU4150aは、演出効果を促進させる効果音(例えばBGM)を発生させるための、スピーカの音出力にかかる音制御処理を実行する(ステップS1300)。またさらに、扉枠5や遊技盤4に備えられた各装飾基板による発光装飾にかかる発光装飾制御処理を実行する(ステップS1400)。
そしてこの後、ランプ駆動基板や、液晶制御基板対し、上記各処理S1200〜S1400にてセットされたコマンド(後述の表示コマンドのほか、音出力コマンドや、発光装飾コマンドなど)が送信される情報出力処理を行う(ステップS1500)。これにより、液晶表示装置1400や、スピーカー121,391、扉枠や遊技盤に備えられた各装飾基板などを通じて、上記セットされたコマンドに応じた演出が行われるようになる。
この情報出力処理(ステップS1500)が行われた後は、演出制御処理(ステップS1200)にて各種設定に用いられる乱数が更新される乱数更新処理を実行した時点で(ステップS1600)、当該16ms定常処理を終了する。
なお、こうしたステップS1100〜ステップS1600の処理(16ms定常処理)は16ms以内に終了される処理量として設定されているが、仮に、16ms定常処理を開始してから16msの時間が経過した時点でステップS1600の処理までの実行が終了されていなかった場合であっても、上記ステップS1100の処理(コマンド解析処理から)に戻ることなく、その時点で実行途中の処理をそのまま継続するかたちで上記ステップS1600の処理まで行うこととなる。すなわち、16ms定常処理の実行中に16ms経過したときには、16ms経過フラグのセットのみを行い、当該16ms定常処理の終了後にステップS1002で16ms経過フラグがセットされていると判別されたときに16ms定常処理を開始する。
また、この実施形態にかかる周辺制御MPU4150aでは、16ms定常処理にて乱数更新処理(ステップS1600)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理および16ms定常処理の何れか一方または両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
次に、コマンド解析処理(ステップS1100の処理)について、図106を参照しつつ説明する。
同図106に示されるように、コマンド解析処理では、周辺制御基板4140(周辺制御MPU4150a)が、まず、ステップS1101の処理として、主制御基板4100からの演出コマンドが当該周辺制御基板4140の受信コマンド格納領域(RAM)に記憶されているか否かを判断する(ステップS1101)。
すなわち、この実施の形態にかかる周辺制御基板4140は、主制御基板4100から演出コマンドを受信すると、16ms定常処理等の他の処理を中断してコマンド受信割込処理を発生させ、このコマンド受信割込処理において、主制御基板4100からの演出コマンドを周辺制御基板4140の受信コマンド格納領域(RAM)に記憶するものとなっている。なお、受信コマンド格納領域には、主制御基板4100からの演出コマンドの受信順に対応して複数の領域が設けられており、コマンド受信割込処理では、それら演出コマンドが、その受信順に対応付けされるかたちでこうした複数の領域の別にそれぞれ記憶されるようになっている。
この点、上記ステップS1101の処理では、受信コマンド格納領域の内容を確認し、演出コマンドが記憶されていれば、主制御基板4100からの受信順が最も早い演出コマンドを上記受信コマンド格納領域から読み出すこととなる(ステップS1102)。
次いで、該読み出した演出コマンドが上記ステップS411(図104参照)の処理にて上記主制御基板4100側にてセットされた演出コマンドのうちのパターンコマンド(変動パターンを示すコマンド)であるか否かを判断する(ステップS1103)。そしてこの結果、同演出コマンドである旨判断されたときは(ステップS1103にてYES)、周辺制御基板4140の変動表示パターン格納領域(RAM)に変動パターンコマンドを記憶するとともに、変動パターン受信フラグをセットした時点で(ステップS1104)、当該コマンド解析処理を終了する。
一方、上記読み出した演出コマンドがパターンコマンド(図103に示したコマンド)でない旨判断されたときは(ステップS1103にてNO)、該読み出した演出コマンドが上記ステップS411(図102参照)の処理にて上記主制御基板4100側にてセットされた演出コマンドのうちの当選情報コマンド(当たりにかかる当落や、小当りを含めてその当選種を示す当選情報コマンド)であるか否かを判断する(ステップS1105)。そしてこの結果、同演出コマンドである旨判断されたときは(ステップS1105にてYES)、周辺制御基板4140の当選情報格納領域(RAM)に当選情報コマンドを記憶した時点で(ステップS1106)、当該コマンド解析処理を終了する。
また一方、上記読み出した演出コマンドが当選情報コマンドでない旨判断されたときは(ステップS1105にてNO)、周辺制御基板4140の対応する格納領域(RAM)にて受信した演出コマンドに対応したフラグをセットした時点で(ステップS1107)、当該コマンド解析処理を終了する。なお、こうした演出コマンドとしては、例えば、上記ステップS503(図96参照)の処理にて上記主制御基板4100側にてセットされる確定停止コマンドや、上記ステップS606(図97参照)や上記ステップS702(図98参照)の処理にて上記主制御基板4100側にてセットされるインターバル演出コマンドや、上記ステップS803(図99参照)の処理にて上記主制御基板4100側にてセットされる大当り開始コマンドや、上記ステップS903(図100参照)の処理にて上記主制御基板4100側にてセットされる小当り開始コマンドなどがある。
次に、演出制御処理(ステップS1200の処理)について、図107を参照しつつ説明する。
同図に示されるように、この演出制御処理は、遊技の進行状態を示す処理選択フラグの値に基づいて、装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)、装飾図柄変動処理(ステップS1220)、大当り表示処理(ステップS1230)、及び小当り表示処理(ステップS1240)のいずれかの処理を選択的に行うものとなっている。
すなわち後述するが、処理選択フラグが「0」のときに実行される装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)では、上記ステップS1104(図106参照)の処理にて操作されうる変動パターン受信フラグがセットされていることを条件に、装飾図柄の変動表示を含めて、液晶表示装置1400における表示演出を開始させるべくの処理を行う。例えば、パターンコマンドや当選情報コマンドに基づいて表示演出パターン(装飾図柄の停止図柄や、上述の延長演出の有無など)を決定し、該決定した表示演出パターンに応じた(液晶制御基板に対しての)表示コマンドをセットするほか、予告演出にかかる設定、等々の処理も行う。
また、処理選択フラグが「1」のときに実行される装飾図柄変動処理(ステップS1220)では、基本的には、上記ステップS1107(図106参照)の処理にて操作されうる確定停止コマンドに対応したフラグがセットされていることを条件に、大当り抽選の結果が示されるように、装飾図柄の変動表示を含めて、液晶表示装置1400における表示演出を終了させるべくの(液晶制御基板4150に対しての)表示コマンドをセットする、等々の処理を行う。また、当該処理の終了に際しては、確定停止コマンドに対応したフラグがリセットされる。
また、処理選択フラグが「2」の時に実行される大当り表示処理(ステップS1230)では、上記ステップS1107(図106参照)の処理にて操作されうる大当り時のインターバル演出コマンドに対応したフラグや、大当り開始コマンドに対応したフラグがセットされていることを条件に、大入賞口が開放されることを液晶表示装置1400にて示す表示や、大当り遊技状態中の表示(例えば、ラウンド表示等)をさせる制御をそれぞれ行う。また、当該処理の終了に際しては、大当り時のインターバル演出コマンドに対応したフラグや、大当り開始コマンドに対応したフラグがリセットされる。
また、処理選択フラグが「3」の時に実行される小当り表示処理(ステップS1240)では、上記ステップS1107(図106参照)の処理にて操作されうる小当り時のインターバル演出コマンドに対応したフラグや、小当り開始コマンドに対応したフラグがセットされていることを条件に、大入賞口が開放されることを液晶表示装置1400にて示す表示や、小当り遊技状態中の演出表示をさせる制御をそれぞれ行う。また、当該処理の終了に際しては、小当り時のインターバル演出コマンドに対応したフラグや、小当り開始コマンドに対応したフラグがリセットされる。
ただし上述の通り、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4150aでは、液晶表示装置1400における大当り時や小当り時の表示演出については、上記受信されたパターンコマンドにより示される変動時間内で終了させることなく、第一特別図柄表示器または第二特別図柄表示器としての複数のLEDの点灯パターンにかかる変動表示の停止後の期間(インターバル期間)にまで延長させた上で、この延長後の表示演出において大当り抽選の結果が示されうる場合を持たせるようにしている。
すなわちこの場合、後述するが、上記装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)では、主制御基板4100から受信したパターンコマンドにより示される変動時間よりも長い、インターバル期間における延長演出に要する時間をも含めた表示演出パターンを決定し、該決定した表示演出パターンに応じた(液晶制御基板4150に対しての)表示コマンドをセットすることとなる。また、上記装飾図柄変動処理(ステップS1220)では、確定停止コマンドに対応したフラグがセットされているにもかかわらず、液晶表示装置1400における表示演出が終了していない中途の演出段階が現れているもとで、当該処理を終了させることとなる。
そして、上記大当り表示処理(ステップS1230)、若しくは上記小当り表示処理(ステップS1240)において、こうして延長された表示演出が、上記装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)にてセットされた表示コマンドにより示される内容に応じたものとして継続して行われるべくの処理を行うこととなる。したがって、この延長時の処理では、インターバル演出コマンドに対応したフラグがセットされている場合であっても、該コマンドに応じた演出制御(大入賞口が開放されることを示す表示制御など)を行うことはない。
なお上述の通り、当該演出制御処理におけるステップS1210〜1230の処理においてセットされたコマンドは、図106に示した情報出力処理(ステップS1500)によって液晶制御基板4150に送信される。これにより、液晶制御基板側による制御を通じて、液晶表示装置1400において上記コマンドにより示される内容(表示演出パターンなど)の表示演出が現れるようになる。
演出制御処理は、また、タッチパネル処理を行う。このタッチパネル処理では、演出制御処理が、タッチパネル246から受け取った検知信号に基づいて、タッチパネル246の接触面における接触状態を検知する。この演出制御処理は、上記接触状態に基づく接触部分の中心を示すタッチパネル246の接触面の座標値を取得し、この座標値で表される位置を検出ポイントとして特定し、この初期位置を含む操作情報を取得する。なお、この演出制御処理は、このような座標値を取得するのみならず接触面の範囲を取得するようにしても良い。このタッチパネル処理の詳細については後述する。
次に、処理選択フラグが「0」のときに実行される装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)について説明する。図108は、装飾図柄変動開始処理の一例を示すフローチャートである。
同図108に示されるように、装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)では、周辺制御MPU4150aは、まず、ステップS1221の処理として、上記ステップS1104(図106参照)の処理にて操作されうる変動パターン受信フラグがON状態(セット)にあるか否かを判断する。すなわち、このステップ1221の処理では、主制御基板4100側にて所定の始動条件(ステップS301におけるYES)が成立されることに基づいて、上記ステップS1104(図106参照)の処理にて上記変動パターン受信フラグがON状態に操作されるのを待つこととなる。
そして、変動パターン受信フラグがON状態に操作されるまでの間、周辺制御MPU4150aでは、以下のステップS1232〜ステップS1237の処理によってデモ演出や演出モードにかかる制御を行う。
すなわち、まず、液晶表示装置1400においてデモ演出を実行している状態にあるか否かを判断し(ステップS1232)、同状態にない旨判断されたときには、前回の図柄変動などの表示演出が終了してから所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS1236)。そしてこの結果、所定時間が経過した旨判断されたときには、液晶表示装置1400においてデモ演出を開始させるべくの(液晶制御基板4150に対しての)表示コマンドをセットすることとなる。そして、こうしてセットされた表示コマンドが、図106に示した情報出力処理(ステップS1500)によって液晶制御基板4150に送信されることで、液晶制御基板4150側による制御を通じて、液晶表示装置1400においてデモ演出が実行されるようになる。
なお、上記ステップS1236の処理において所定時間が経過した旨判断されなかったときは、当該装飾図柄変動開始処理を一旦終了し、変動パターン受信フラグがセットされるか(ステップS1221におけるYES)、所定時間が経過するか(ステップS1236におけるYES)のどちらかの条件が満たされるまで待機することとなる。
また、このような処理(ステップS1236、ステップS1237)を行った結果、上記ステップS1232の処理にて、液晶表示装置1400においてデモ演出を実行している状態にある旨判断された場合は(ステップS1232におけるYES)、演出モードに対する遊技者による操作が許容されている状態にあるか否かを判断する(ステップS1233)。
すなわち上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、大当り抽選の結果が条件装置の作動を伴わない当り(小当り)、若しくは条件装置の作動を伴う当り(大当り)であるとき、液晶表示装置1400における表示演出については、上記主制御基板4100側にて設定された変動パターンの変動時間内で終了させることなく、第一特別図柄表示器または第二特別図柄表示器としての複数のLEDの点灯パターンにかかる変動表示の停止後の期間にまで延長させた上で、条件装置の作動を伴う当り(大当り)に当選したか否かについての表示演出が現れうる表示演出パターン(延長演出パターン)を選択しうる第1の演出モードと、チャレンジボーナス演出パターンを選択しうる第2の演出モードとを用意している。
ここで、第1の演出モードにあるときに選択されうる延長演出パターンと、第2の演出モードにあるときに選択されうるチャレンジボーナス演出パターンとの概要をそれぞれ説明する。図111(a)は、大当り時の延長演出パターンを説明するための図であり、図111(b)は、小当り時の延長演出パターンを説明するための図であり、図111(c)は、大当り時のチャレンジボーナス演出パターンを説明するための図であり、図111(d)は、小当り時のチャレンジボーナス演出パターンを説明するための図である。
第1の演出モードにおいて、開閉部材2006の動作によって賞球を得る機会(ボーナス遊技)が提供されることとなる結果が得られた場合は、特別図柄の変動停止後の期間まで延長された演出内容をもった延長時の表示演出パターン(延長演出パターン)が選択されうる。
例えば、図111(a)に示されるように、大当りが当選されたことに基づいて延長時の表示演出パターン(延長演出パターン)が選択されたとき、周辺制御MPU4150aは、まず、特別図柄の変動開始に合わせるように(変動パターン受信フラグがセットされていることに基づいて)、液晶表示装置1400における表示演出を開始させる。ただしこの後、確定停止コマンドに対応したフラグ(特別図柄の変動終了時)やインターバル演出コマンドに対応したフラグ(オープニング期間への突入)がセットされた状況になっても、液晶表示装置1400における表示演出についてはこれを終了することなく継続させることとなる。
すなわち上述の通り、この実施の形態にかかる主制御MPU4100aでは、大当りが当選されたことに基づいて特別図柄が停止されてから大当り遊技が開始されるまでの閉制御期間については、特別図柄が停止されてからインターバル演出タイマにより予め定められている時間(ここでは8秒)がタイムアップするまでの時間(予め定められた長さをもった第1の閉制御期間)、及び、インターバル演出タイマにより予め定められている時間(ここでは8秒)がタイムアップしてから有効ゲート6010nを遊技球が通過するまでの時間(不定の長さをもった第2の閉制御期間)として制御するようにしている。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4150aでは、大当りが当選されたことに基づいて延長時の表示演出パターン(延長演出パターン)が選択されたときは、図111(a)に示されるように、特別図柄が停止されてからインターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップするまでの時間(一定の長さをもった第1の閉制御期間)分だけ、特別図柄の変動時間に対して延長するかたちで、大当り抽選にかかる表示演出を行うようにしている。なお、このような表示演出としては、例えば、特定のキャラクタが敵キャラクタとのバトルに挑んでいる様子が映し出された演出などとして実現することができる。
そして、一定の長さをもった第1の閉制御期間が経過し、不定の長さをもった第2の閉制御期間として制御されるときに、液晶表示装置1400にて現れている演出内容を、大当り抽選の結果が条件装置の作動を伴う当り(大当り)であるか否かについての当落情報が明示される当落明示演出に切り替えるようにしている。なおここでは、当落明示演出については、大当り抽選の結果が条件装置の作動を伴う当り(大当り)であることが明示される大当り演出として行われることとなり、例えば、特定のキャラクタが敵キャラクタとのバトルに勝利した様子が映し出された演出などとして実現することができる。また、1つの表示演出パターンが、大当り抽選にかかる表示演出と、その演出結果が現れる当落明示演出とからなるものであることに鑑みれば、この実施の形態にかかる大当り時の延長演出パターンとは、特別図柄の変動が停止されてから第1の閉制御期間が終了した後の、不定の長さをもった第2の閉制御期間内にまで演出内容が延長された演出パターンであるといえる。
そしてこの後は、不定の長さをもった第2の閉制御期間が未だに継続されていることを条件に、当該第2の閉制御期間内における演出として、遊技球を比較的強く打ち出すことにより、センター役物2300の右側の遊技領域605に遊技球を流下させる右打ち遊技を行うことによって大当り遊技を開始すべき旨を促す大当り遊技前のオープニング演出が液晶表示装置1400にて現れるように制御する。そしてこの結果、遊技者によって右打ち遊技が行われると、センター役物2300の右側の遊技領域605に打ち込まれた遊技球が有効ゲート6010nを通過することとなり、ひいては大当り開始コマンドがセットされることとなる。これにより、第2の閉制御期間が終了されることで、大入賞口が開放される大当り遊技が開始されるようになる(図106参照)。なおこの際、ラウンド表示器648では、ラウンド数を示すように点灯する。
また、こうして不定の長さをもった第2の閉制御期間が終了し、下大入賞口2003が開放される大当り遊技が開始(大当り開始コマンドに対応したフラグがセット)されると、例えば、液晶表示装置1400にて現れている演出(当落明示演出、若しくはオープニング演出)を、同演出の内容が仮に中途段階にあったとしても、1ラウンド目のラウンド遊技が開始されたことを示す大当り遊技中演出に強制的に切り替えるかたちで実行する。ただしその一方で、一定の長さをもった第1の閉制御期間が終了した以降に有効ゲート6010nを遊技球が通過しない限りは、不定の長さをもった第2の閉制御期間が終了することはない(大当り開始コマンドに対応したフラグがセットされない)ことから、1ラウンド目のラウンド遊技が開始されたことを示す大当り遊技中演出に強制的に切り替えられることもない。
このような大当り時の延長演出パターンによれば、特別図柄の停止時から一定の長さをもった第1の閉制御期間が経過した以降、少なくとも操作ハンドル部410が操作されなければ、有効ゲート6010nを遊技球が通過しないことから、大当り遊技の開始前演出(第2の閉制御期間中の演出)にて演出進行が停滞し続けることとなる。すなわちこの場合、遊技者は、大当り遊技の開始前演出(第2の閉制御期間中の演出)の意味するところを確実に理解するまで操作ハンドル部を操作しないようにしておくことで、当該開始前演出にて演出進行を停滞させ続けることができるようになる。またその一方で、操作ハンドル部の操作によって有効ゲート6010nを遊技球が通過したときには、大当り遊技の開始前演出が終了して次の演出(大当り遊技中演出)に進行するようになることから、遊技者の各々のペースに合わせたマイペース演出が実現されるようになり、換言すれば、演出の進行にかかるスピード感を老若男女問わずに幅広い客層に合わせた演出として実現させることができるようになる。
またさらに、このような大当り時の延長演出パターンにあっては、大当り遊技の開始前演出からこうして演出が進行されない状況(周辺制御MPU4150aによる演出の停滞制御)にある限り、主制御MPU4100aは、不定の長さをもった第2の閉制御期間が終了されないように制御することで、遊技が進行して大当り遊技(賞球獲得が可能とされるボーナス遊技)が実行されてしまうようなことを回避するようにしている。したがって、遊技者側からすれば、自分のペースに合わせるように演出の進行にかかるスピードを調整するだけで、この調整された演出スピードに合わせるように遊技が進行されるように見えるようになり、これによって遊技の進行スピードを気にすることなく、液晶表示装置1400におけるマイペース演出を楽しむことができるようになる。
このように、大当り時の延長演出パターンとは、一定の長さをもった第1の閉制御期間が終了した後に、こうした閉制御期間が延長されるかたちで現れる第2の閉制御期間をある程度の時間分だけ継続させることを前提とした演出パターンであり、当該第2の閉制御期間内においては、同演出パターンにおける一部の演出内容(当落明示演出)と、大当り遊技前のオープニング演出(右打ち遊技を行うことによって大当り遊技を開始すべき旨を促す演出)とが行われうるようになっている。そして、これらの演出に対する各遊技者の理解スピードに合わせて当該第2の閉制御期間を適宜のタイミングにて終了させ、ひいては大当り遊技を適宜のタイミングにて開始させることが可能とされている。なお、第2の閉制御期間が必要以上に延長されないように主制御基板に対してタイマを設けてもよい。第1閉制御期間が終了後規定時間を経過すると主制御基板は大当り開始コマンドを強制的にセットすることができる。主制御基板はタイマをセットするか否かを抽選によって決定してもよい。
ただしその一方で、このような第2の閉制御期間とは、少なくとも操作ハンドル部410が操作されることに基づいて終了されるもの(不定の長さをもった期間)であることから、例えば、一定の長さをもった第1の閉制御期間が終了してすぐに操作ハンドル部410の操作によって有効ゲート6010nを遊技球が通過するように遊技した場合は、当落明示演出をその演出途中でカット、若しくはその演出自体をほぼ出現させることなく(演出飛ばし)、次の演出(大当り遊技中演出)に迅速に進行させることも可能としてもよい。また上述の通り、こうして演出が早く進行されたときには、遊技制御これ自体も早く進行することとなり、大当り遊技がより早い段階にて開始されることとなる。したがって、液晶表示装置1400におけるマイペース演出を実現しつつも、ベテランなどの遊技者にとっては、演出飛ばしなどによって遊技をより早く進行させることによって効率が良くストレスのない迅速な遊技・演出性能を楽しむことができるようにしている。
特に、当落明示演出(大当り演出)が行われた後の、右打ちを促す遊技説明が行われるオープニング演出に要する時間(遊技時間)は、遊技者にとっては、2回目以降の遊技においては無駄な時間でしかないことが多い。ただし、大当り時の延長演出パターンによれば、こうしたオープニング演出に要する時間(遊技時間)を用意しておきつつも、遊技者に対して無駄な時間としてしか機能しないような場合にはこれを適宜にカットして、演出と遊技とをより早く進行させることができるようにしている。これにより、各遊技者に対してそれぞれに合った演出と遊技とを提供することができるようになる。
ちなみに、大当り抽選の結果が条件装置の作動を伴う当り(大当り)であるか否かについての当落情報が示されるための演出時間(当落明示演出の時間)をもカットして演出(遊技)をより早く進行させた場合には、大当り時の延長演出パターンにおける最終的な演出結果(例えば、キャラクタがバトルに勝利するか否かなど)が十分に現れないままで、またさらにはオープニング演出すらも現れることなく、大当り遊技中演出(ラウンド演出など)が突然現れることとなる。すなわちこの場合、大当り時の延長演出パターンは、その演出結果が十分に現れる前の途中段階にて終了されることとなり、オープニング演出すらも割愛して大当り遊技を早期に開始させることができるようになる。
ところで、不定の長さをもった第2の閉制御期間内の演出では、まず、大当り抽選の結果が条件装置の作動を伴う当り(大当り)であることが明示される当落明示演出が行われた後、右打ち遊技を行うことによって大当り遊技を開始させるべき旨を促すオープニング演出が行われる。ただし、オープニング演出を所定時間だけ行った後(若しくは、オープニング演出を行いながら)、大当り時専用の長編ムービーを流すようにしてもよい。不定の長さをもった第2の閉制御期間によれば、このような冗長な演出を実現した場合であっても、演出の間延びによって遊技興趣の低下などの弊害が生じることがなく、演出の幅を広げることができるようになる。
また、この第2の閉制御期間においては、所定の操作手段(操作ボタンユニット等)に対する操作受け付けを許容し、該ボタンが操作されたことに基づいて遊技抽選の結果についての期待度が示されうる操作系演出(例えば、大当り遊技のラウンド数や、大当り遊技後の遊技状態などについての期待度を示唆する演出など)を行うようにしてもよい。すなわちこの場合、遊技者は、操作可能とされる有効期限(操作受け付けが許容される期間)を気にすることなく、自分のペースにて操作することのできる操作系演出を実現することができるようになる。
また、この実施の形態にかかる主制御MPU4100aは、大当りの当選時にあって、特別図柄の停止時から一定の長さをもった第1の閉制御期間が終了した時点ではラウンド表示器648における点灯が行われないように制御している。そして、第1の閉制御期間が終了した以降に有効ゲート6010nを遊技球が通過したことを条件に同制御を解除することで、ラウンド表示器における点灯が行われるようにしている。これにより、第2の閉制御期間においては、ラウンド表示器が消灯されているもとで液晶表示装置1400にて当落明示演出を行うことができるようになる。また、第2の閉制御期間にてどれだけの演出停滞が生じた場合であっても、大当り遊技におけるラウンド数が遊技者に容易に把握可能とされてしまうことが回避されるようになる。
これに対し、同図111(b)に示されるように、小当りが当選されたことに基づいて延長時の表示演出パターン(小当り時の延長演出パターン)が選択されたときも、特別図柄が停止されてからインターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップするまでの時間(一定の長さをもった第1の閉制御期間)分だけ、特別図柄の変動時間に対して延長するかたちで、大当り抽選にかかる表示演出を行うようにしている。なお、このような表示演出としては、例えば、特定のキャラクタが敵キャラクタとのバトルに挑んでいる様子が映し出された演出などとして実現することができる。
ただし上述の通り、この実施の形態にかかる主制御MPU4100aでは、小当りが当選されたことに基づいて特別図柄が停止されてから小開放当り遊技(小当り遊技)が開始されるまでの閉制御期間(オープニング期間)については、特別図柄が停止されてからインターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップするまでの時間(一定の長さをもった第1の閉制御期間)のみからなるように制御している。したがって、このような小当り時の延長演出パターンにあっては、一定の長さをもった第1の閉制御期間(ここでは8秒)が経過し、小開放当り遊技(小当り遊技)が開始されるときに、液晶表示装置1400にて現れている演出内容を、大当り抽選の結果が条件装置の作動を伴う当り(大当り)であるか否かについての当落情報が明示される当落明示演出に切り替えるようにしている。なおここでは、当落明示演出については、大当り抽選の結果が条件装置の作動を伴う当り(大当り)に落選したハズレであることが明示されるハズレ演出として行われることとなり、例えば、特定のキャラクタが敵キャラクタとのバトルに敗北した様子が映し出された演出などとして実現することができる。また、1つの表示演出パターンが、大当り抽選にかかる表示演出と、その演出結果が現れる当落明示演出とからなるものであることに鑑みれば、この実施の形態にかかる小当り時の延長演出パターンとは、特別図柄の変動が停止されてから第1の閉制御期間が終了した後の、小開放当り遊技(小当り遊技)が行われる期間内にまで演出内容が延長された演出パターンであるといえる。
このような小当り時の延長演出パターンによれば、大当りに落選したハズレであることが示されてから比較的早く次変動(特別図柄の保留消化)にかかる表示演出に移行させることができるようになる。またさらに、小開放当り遊技(小当り遊技)が行われている期間内にまで演出内容が延長されるようにしたことで、小開放当り遊技(小当り遊技)の実行期間中においては、液晶表示装置1400に注目が向かう分だけ開閉部材の動作が注目され難くなる。すなわちこの場合、いわゆる高期待のハズレ演出(開閉部材が動作しないハズレ演出)であるときと同じような態様で演出内容が進行するようになることから、大当り時の延長演出パターンに対するハズレ演出パターン(対の演出)として位置づけされるようになり、ひいては条件装置の作動を伴わない当り(小当り)が搭載されているパチンコ機1であることが気付かれ難くなる。
しかも、この実施の形態にかかるパチンコ機1によれば、このような小当りの当選に応じた小開放当り遊技(小当り遊技)が行われるときの開閉部材の動作態様と近似、若しくは同一の動作態様をもって開閉部材を動作させる大当り遊技や、これを前提とした潜伏演出状態(いわゆる小当りを用いた潜伏演出状態)などは用意されていない。すなわち、第1の演出モードにあるときの大当り時の延長演出パターン(図111(a)参照)と、小当り時の延長演出パターン(図111(b)参照)とは、あくまでも小当りが搭載されているパチンコ機1であることを把握し難くする、といった技術思想(従来とは逆の技術思想)に基づいてなされたものであって、このような技術思想のもとで、特別図柄の変動及び停止、第1の閉制御期間、大入賞口の開放、といった小当り時における一連の挙動が大当り時にも現れることに鑑み、各演出パターンにおける演出内容をそれぞれ延長させたものとなっている。
なお、この実施の形態にかかる大当り時の延長演出パターンと、小当り時の延長演出パターンとでは、図111(a)、(b)に示されるように、特別図柄が停止されてからインターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップするまでの時間(第1の閉制御期間)が経過した以降においてのみ、大当り抽選の結果が条件装置の作動を伴う当り(大当り)であるか否かについての情報が示されるようにしている(当落明示演出)。ただし、これらの延長演出パターンについては、第1の閉制御期間内にまで延長させるかたちで大当り抽選にかかる表示演出を行うものであれば、同表示演出のうち、第1の閉制御期間内にて現れる演出部分にて、大当り抽選の結果が条件装置の作動を伴う当り(大当り)であるか否かについての当落情報が示されるようにしてもよい。このような場合であっても、少なくとも大当りに落選したハズレであることが示されてから比較的早く次変動(特別図柄の保留消化)にかかる表示演出に移行させることはできる。なおこの場合、大当り時の当落明示演出においては、大当りに当選されていることが既に把握されているもとでキャラクタがバトルに勝利したことを祝福する大当り時の専用演出や、右打ちを促す遊技説明のための演出などが現れるとともに、小当り時の当落明示演出においては、大当りに落選したハズレであることが既に把握されているもとでキャラクタがバトルに敗北して悔しがる様子を映した小当り時の専用演出などが現れることとなる。
このような第1の演出モードにあるときの延長演出パターンに対し、第2の演出モードにおいて、開閉部材2006の動作によって賞球を得る機会(ボーナス遊技)が提供されることとなる結果が得られた場合は、液晶表示装置1400においては賞球獲得が可能とされる当りに当選されたことが示されるチャレンジボーナス演出パターンが選択されうる。このチャレンジボーナス演出パターンとは、大入賞口の開放によって賞球獲得が可能とされる当りとして大当りはもとより、小当りもその1つの種類(当りの種別)として扱われる表示演出パターンである。
例えば、図111(c)に示されるように、第2の演出モードにおいて、大当りが当選されたことに基づいてチャレンジボーナス演出パターンが選択されると、周辺制御MPU4150aでは、特別図柄の変動開始に合わせるように(変動パターン受信フラグがセットされていることに基づいて)、液晶表示装置1400における表示演出を開始させる。そして、こうして開始された表示演出を、特別図柄の変動終了に合わせるように(確定停止コマンドに対応したフラグがセットされていることに基づいて)終了させる。
ただし、この表示演出は、大当りの当落にかかる抽選結果が示されるものではなく、下大入賞口2003が開放されることによる賞球獲得の機会が付与される当り(大当り、若しくは小当り)に当選されているか否かが示されるものとなっている(チャレンジボーナスにかかる当落演出)。より具体的には、大当り、若しくは小当りに当選されているときは、特別図柄の変動期間内にて、大入賞口が開放されることによる賞球獲得の機会が付与されることが示される特定の表示画像が現れることとなる。なおこの場合、遊技者は、大入賞口の開放によって遊技者が獲得可能とされる賞球数がどの程度のものであるかは把握できないものの、大入賞口の開放によって賞球が獲得可能とされることは把握可能とされるようになる。
このようにチャレンジボーナスにかかる当落演出にて特定の表示画像が現れた後は、周辺制御MPU4150aは、インターバル演出コマンド(大当り時)に対応したフラグがセットされることに基づいて、大入賞口の開放によって遊技者が獲得可能とされる賞球数がどの程度のものであるかについてのチャレンジボーナス演出を開始させるべくの開始前演出を行う。なお後述するが、チャレンジボーナス演出は、特別図柄が停止されてからインターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップするまでの時間(一定の長さをもった第1の閉制御期間)が経過した以降、有効ゲート6010nを遊技球が通過することを条件に開始される。
ここで、チャレンジボーナス演出を開始させるべくの開始前演出では、インターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップするまでの第1の閉制御期間を利用して、操作ハンドル部の操作量(右打ち遊技によって有効ゲート6010nを狙うこと)や操作タイミングについての説明が行われる。
この実施の形態にかかる周辺制御MPU4150aでは、このような開始前演出として、操作ハンドル部の操作タイミングが液晶表示装置1400におけるカウントダウン表示によって示されるカウントダウン演出を行うようにしてもよい。このカウントダウン演出とは、例えば、右打ち遊技によって有効ゲート6010nを狙うことを説明しつつ、例えば3〜5秒程度のカウントダウン表示が行われるものであり、このカウントダウン表示が「0」に変わったときに操作ハンドル部410が適切な操作量で操作されると、当該第1の閉制御期間が終了してすぐに有効ゲート6010nを遊技球が通過するようになる。
したがって、このようなカウントダウン演出によれば、同演出の指示通りに操作ハンドル部410が操作されたときには、インターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップしてから比較的早く大当り開始コマンドのセットによって第2の閉制御期間が終了され、ひいては遊技者が獲得可能とされる賞球数がどの程度のものであるかについてのチャレンジボーナス演出と大当り遊技(特別ボーナス遊技)とが早期に開始されるようになる。なおこの際、ラウンド表示器では、ラウンド数を示すように点灯する。
すなわち、大当り時のチャレンジボーナス演出パターンにおけるこのような演出進行によれば、インターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップしてから有効ゲート6010nを遊技球が通過するまでの時間(不定の長さをもった第2の閉制御期間)を、該時間が存在しない後述の小当り時のチャレンジボーナス演出パターン(図111(d)参照)の場合と比較してもこれを演出的には無視できる程度に短くすることができるようになる。すなわち、上述のカウントダウン演出とは、このことを意図してなされたものであって、不定の長さをもった第2の閉制御期間を早期に終了させてこれをカットさせることで、後述の小当り時のチャレンジボーナス演出パターン(図111(d)参照)の場合と同様、一定の長さをもった第1の閉制御期間のみが大当り遊技前(チャレンジボーナス演出前)のインターバル期間として現れるかたちでの遊技進行(演出進行)を促すようにしている。これにより、大入賞口の開放によって賞球獲得が可能とされる当りとして大当りはもとより、小当りもその1つの種類(当りの種別)として扱われることとなり、チャレンジボーナス演出においては、長開放当たり遊技と中開放当たり遊技とはもとより、小開放当たり遊技を含めて、いずれの遊技態様が現れるかについての演出表示を行うことができるようになる。
また、この実施の形態にかかる主制御MPU4100aは、大当りの当選時にあって、特別図柄の停止時から一定の長さをもった第1の閉制御期間が終了した時点ではラウンド表示器648における点灯が行われないように制御している。そして、第1の閉制御期間が終了して以降に有効ゲート6010nを遊技球が通過したことを条件に同制御を解除することで、ラウンド表示器648における点灯が行われるようにしている。これにより、液晶表示装置1400にてチャレンジボーナス演出が行われるのに先立って、ラウンド表示器648の点灯によって大当りに当選されていることや、大当り遊技(特別ボーナス遊技)におけるラウンド数が遊技者に容易に把握可能とされてしまうことが回避されるようになる。
しかも、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4150aでは、カウントダウン表示が「0」に変わった以降は、遊技球が打ち出されてから有効ゲート6010nを通過するまでの時間を以下の先行演出(図示略)によって演出的に埋めるようにすることで、インターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップしてから有効ゲート6010nを遊技球が通過するまでの時間(不定の長さをもった第2の閉制御期間)の存在が演出的にさらに隠匿されうるようにしている。
また、図示は割愛するが、この実施の形態にかかるカウントダウン演出では、カウントダウン表示が「0」に変わるタイミングを、インターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップするよりも若干だけ早いタイミング(第1の閉制御期間内)にて設定するようにしている。このようなカウントダウン演出によれば、操作ハンドル部410の操作によって遊技球が発射されてから有効ゲート6010nを同遊技球が通過するまでの時間の少なくとも一部が、第1の閉制御期間と第2の閉制御期間とのうち、第1の閉制御期間側の時間として含まれうるように遊技可能とされるようになり、ひいては不定の長さをもった第2の閉制御期間をその分(第1の閉制御期間側の時間として含まれる分)だけ短くすることができるようになる。なおこの場合、先行演出については、第2の閉制御期間に対しても先行して開始されることとなり、第1の閉制御期間と第2の閉制御期間とを跨ぐ可能性のある演出として位置づけされることとなる。
ここで、このようなカウントダウン演出から先行演出を経てチャレンジボーナス演出へと繋がる一連の演出内容としては、例えば、カウントダウン演出においては、液晶表示装置1400におけるカウントダウン表示と併せて、「カウントダウン表示が「0」になるタイミングで右打ち遊技を開始することにより敵キャラクタを攻撃しろ!」といった旨の演出表示を行い、有効ゲート2500を遊技球が通過(大当り開始コマンドに対応したフラグがセット)したことに基づいて、仕掛けた攻撃の結果が示されるチャレンジボーナス演出を開始させる、等々、によって実現することができる。
また、チャレンジボーナス演出としては、例えば、仕掛けた攻撃の結果として、敵キャラクタに対する攻撃が回避されたときには小開放当たり遊技であることを示し、敵キャラクタに対して攻撃は命中したものの倒しきれなかったときには中開放当たり遊技であることを示し、敵キャラクタが攻撃によって倒れたときには長開放当たり遊技であることを示すことなどによって実現することができる。若しくは、敵キャラクタに対して攻撃は命中したものの倒しきれなかったときには、中開放当たり遊技と長開放当たり遊技とのいずれかであることを示し、その後のラウンド演出において、中開放当たり遊技と長開放当たり遊技とのいずれであるのかを明示するようにしてもよい。このようなチャレンジボーナス演出によれば、敵キャラクタに対して攻撃がヒットしさえすれば、獲得可能とされる賞球量はもとより、小当りの可能性が排除された分だけ、遊技者に有利な遊技状態への移行期待度についてもこれを飛躍的に高めることができるようになる。
ただし、このような大当り時のチャレンジボーナス演出パターンにおいては、カウントダウン演出におけるカウントダウン表示が「0」に変わってからも長い時間にわたって操作ハンドル部410が操作されないような事態が生じることも想定される。すなわちこの場合、不定の長さをもった第2の閉制御期間が長い時間にわたって継続されることとなるが、この第2の閉制御期間においては、液晶表示装置1400にてカウントダウン表示が「0」のままで表示されるなど、新たな演出が出現されないようにしておくことが、このような事態を生じさせる遊技者の興味を薄らげる上でより望ましい。
ただし、チャレンジボーナス演出パターンが出現した状況にあって、このような演出進行が停滞される事態は、大当りに当選された場合に限られるものであり、後述の小当り時のチャレンジボーナス演出パターン(図111(d)参照)の場合には生じ得ないものとなっている。すなわちこの場合、何らの演出も新たに行われない演出停滞の状態(無演出状態)にありながら、小開放当たり遊技が行われる可能性が排除された分だけ、獲得可能とされる賞球量はもとより、遊技者に有利な遊技状態への移行期待度についてもこれが飛躍的に高められるようになる。
なお、カウントダウン演出については、カウントダウン表示によって実現することとしたが、操作ハンドル部を操作すべき特定のタイミングが把握可能とされるように行われるものであれば、必ずしもカウントするものでなくてもよい。
これに対し、同図111(d)に示されるように、第2の演出モードにおいて、小当りが当選されたことに基づいてチャレンジボーナス演出パターンが選択されたときも、周辺制御MPU4150aは、特別図柄の変動開始に合わせるように(変動パターン受信フラグがセットされていることに基づいて)、液晶表示装置1400における表示演出を開始させる。そして、こうして開始された表示演出を、特別図柄の変動終了に合わせるように(確定停止コマンドに対応したフラグがセットされていることに基づいて)終了させる。
また、これも同様、小当り時のチャレンジボーナス演出パターンにおいても、特別図柄の変動期間にて行われるこうした演出(チャレンジボーナスにかかる当落演出)において、大入賞口が開放されることによる賞球獲得の機会が付与されることが示される特定の表示画像が現れる。これにより、遊技者は、大入賞口の開放によって遊技者が獲得可能とされる賞球数がどの程度のものであるかは把握できないものの、大入賞口の開放によって賞球が獲得可能とされることは把握可能とされるようになる。
また、このようにチャレンジボーナスにかかる当落演出にて特定の表示画像が現れた後は、周辺制御MPU4150aは、インターバル演出コマンド(小当り時)に対応したフラグがセットされていることに基づいて、大入賞口の開放によって遊技者が獲得可能とされる賞球数がどの程度のものであるかについてのチャレンジボーナス演出を開始させるべくの開始前演出を行う。
ただし上述の通り、小当りの当選時においては、特別図柄が停止されてから小開放当り遊技(小当り遊技)が開始されるまでの閉制御期間(オープニング期間)については、特別図柄が停止されてからインターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップするまでの時間(一定の長さをもった第1の閉制御期間)のみからなっており、同タイマがタイムアップしたときには、有効ゲート6010nへの遊技球の通過の有無にかかわらず小開放当り遊技(小ボーナス遊技)が開始されるようになっている(図98参照)。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4150aでは、小当りのチャレンジボーナス演出パターンにおいては、本来、操作ハンドル部の操作(有効ゲート6010nへの遊技球の通過)は遊技や演出を進行させる上で必要ないにもかかわらず、チャレンジボーナス演出を開始させるべくの開始前演出として、上述の大当り時のチャレンジボーナス演出パターンの場合と同様、インターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップするまでの第1の閉制御期間を利用して、操作ハンドル部410の操作タイミングが液晶表示装置1400におけるカウントダウン表示によって示されるカウントダウン演出を行うようにしてもよい。
小当り時のチャレンジボーナス演出パターンによれば、同演出の指示通りに操作ハンドル部が操作されたときには、カウントダウン演出から先行演出を経てチャレンジボーナス演出へと繋がる、大当り時のチャレンジボーナス演出パターンのときと同じ一連の演出内容によってチャレンジボーナス演出が開始されることとなる。これにより、大入賞口の開放によって賞球獲得が可能とされる当りとして大当りはもとより、小当りもその1つの種類(当りの種別)として扱われることとなり、チャレンジボーナス演出においては、長開放当たり遊技と中開放当たり遊技はもとより、小開放当たり遊技を含めて、いずれの遊技態様が現れるかについての演出表示を行うことができるようになる。
小当り時のチャレンジボーナス演出パターンにおいては、第1の閉制御期間が終了してからすぐに小開放当り遊技(小当り遊技)が開始されるにもかかわらず、カウントダウン演出にてカウントダウン表示が「0」に変わってからも長い時間にわたって操作ハンドル部が操作されないような事態が生じることも想定される。この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4150aは、カウントダウン表示が「0」に変わった時点で、液晶表示装置1400にて先行演出を虚偽開始させるとともに、該先行演出を虚偽開始してから所定の仮転動時間(例えば0.5秒)が経過したときにはさらにチャレンジボーナス演出をも虚偽開始させるように制御している。
小当り時のチャレンジボーナス演出パターンにおいては、操作ハンドル部に対する操作を必要とする操作系演出が行われたか否かにかかわらず、液晶表示装置1400においては、カウントダウン演出から先行演出を経てチャレンジボーナス演出へと繋がる一連の演出内容が虚偽的に現れることとなる(虚偽演出)。したがって、遊技者は、操作ハンドル部に対する操作の有無や、有効ゲート6010nへの遊技球の通過の有無などを確認することで、液晶表示装置1400を確認しようとする周囲の野次馬よりも先行して小開放当たり遊技が行われることを把握可能とされており、これによって即座に遊技中断するなどの知的な行為を見せ付けることができるようになる。
このように、第1の演出モードにおける延長演出パターンとは、上述の通り、不定の長さをもった第2の閉制御期間をある程度の時間分だけ継続させることによって小当りの存在これ自体を隠匿することを狙った演出パターンであり、小当り時の演出パターンにも存在する一定の長さをもった第1の閉制御期間内にまで演出内容を延長させた上で、小当り時の演出パターンには存在し得ない第2の閉制御期間内において大当り遊技前のオープニング演出(右打ち遊技を行うことによって大当り遊技を開始すべき旨を促す演出)が行われるようにしている。これに対し、第2の演出モードにおけるチャレンジボーナス演出パターンとは、不定の長さをもった第2の閉制御期間をできる限り出現させないことによって小当りをも当りの1つとして扱うことを狙った演出パターンであり、大当り遊技前のオープニング演出(右打ち遊技を行うことによって大当り遊技を開始すべき旨を促す演出)としても、小当り時の演出パターンにも存在する一定の長さをもった第1の閉制御期間内にて完結しうるように行うものとなっている。
第1の演出モード時における延長演出パターンと第2の演出モード時におけるチャレンジボーナス演出パターンとによる、不定の長さをもった第2の閉制御期間が存在することを前提としたこのような演出構造(第2の閉制御期間内での右打ち遊技を促すタイミングを異ならせる演出構造)によれば、1つの演出コマンドに基づく表示演出パターン(特別図柄の変動時間が同一)であっても、第1の演出モード時と第2の演出モード時とで特別図柄(装飾図柄)の変動が開始されてから大当り遊技が開始されるまでに要する演出時間の長さを大きく異ならせることが可能となり、これによって主制御MPU4100a側でのロジックを逐一変更しなくても演出内容が大きく異なる多種多様の演出を実現させることができるようになる。
ところで、このような大当り時のチャレンジボーナス演出パターン(図111(c)参照)と小当り時のチャレンジボーナス演出パターン(図111(d)参照)とによれば、当り時の表示演出(特定の表示画像)が現れた時点で、少なくとも特定数(例えば、少量の賞球(本実施形態では、40〜50個程度))の賞球は獲得可能とされるように賞球を得る機会が提供されることが遊技者に把握されているもとで、あとはどれだけの賞球数をボーナスとして上積み可能とされるか、といったラウンド抽選的な要素のあるチャレンジボーナス演出として行われるようになる。
またさらに、賞球数の上積みがあったときには、遊技者に有利な遊技状態(確率変動機能や時短機能が作動する遊技状態)への変更が行われる可能性も生じる。したがって、このようなチャレンジボーナス演出においては、条件装置の作動を伴う当りの当選確率(1/400)に対し、条件装置の作動を伴わない当りの当選確率(3/400)を加えたより高い確率(1/100)をもって、遊技者に対して賞球が払い出されうること(換言すれば、開閉部材が動作すること)のみならず、遊技者に有利な遊技状態に移行されうることをも意識付けさせることができるようになる。これにより、低く設定されている大当り(特別当り)の当選確率によって、単調なハズレ演出ばかりが繰り返し表示されるようなことが回避されるようになり、遊技興趣の低下が抑制されるようになる。
また、このようなチャレンジボーナス演出によれば、大当りに落選した場合であっても、特定の条件を満たしているときには、液晶表示装置1400において当り時の表示演出(特定の表示画像)が現れるように制御して遊技者に対して賞球が払い出されうることと、遊技者に有利な遊技状態への変更とを意識付けさせるにもかかわらず、大入賞口の動作に際しては、大当りに当選されているときには現れない特定画像(操作ハンドル部に対する操作がないにもかかわらず先行演出やチャレンジボーナス演出などの虚偽演出が行われたときに現れる画像など)を液晶表示装置1400において表示させうるようにしている。すなわちこの場合、大当りの当選に応じて大入賞口が開放されるまでの間は、特定画像(虚偽演出)が出現するか否かの待ち演出期間としても機能しうることとなる。特に、特定画像(虚偽演出)が出現したときには、遊技者に有利な遊技状態への変更がないことはもとより、遊技者によって獲得可能とされる賞球数としても、同特定画像(虚偽演出)が出現しないときよりも大幅に少ない賞球数しか獲得可能とされないようになってしまうことから、遊技者が得られる利益のこのようなギャップの大きさも相まって、大当りが当選されたことが示される演出(第1の閉制御期間からの停滞演出)が現れたときの遊技興趣をより高めることができるようになる。
そして、このような2つの演出モードが採用される構成によれば、延長演出パターンを選択しうる第1の演出モードでは、小開放当り遊技(小当り遊技)の実行に際し、遊技者に対して賞球が払い出されうること(換言すれば、開閉部材が動作すること)を意識付けさせない演出が行われうるのに対し、チャレンジボーナス演出パターンを選択しうる第2の演出モードでは、小開放当り遊技(小当り遊技)の実行に際し、遊技者に対して賞球が払い出されうること(換言すれば、開閉部材が動作すること)を意識付けさせる演出が行われうることとなる。これにより、チャレンジボーナス演出パターンを選択しうる第2の演出モードでは、延長演出パターンを選択しうる第1の演出モードにあるときよりも高い確率(大当りの当選確率「1/400」に、小当りの当選確率「3/400」を加えたより高い確率「1/100)」)をもって、遊技者に対して賞球が払い出されうることを意識付けさせる演出が現れるようになり、こうした演出モードの使い分けによって、条件装置の作動を伴った遊技状態の変化を生じさせずとも、遊技者に対して賞球が払い出されうるボーナス遊技(開閉部材による大入賞口2の開放)の実行確率がその都度変化するかのようなより深みのある演出を実現することができるようになる。なお、こうした演出を実現することができるのは、第1の演出モードにおいて小当りが搭載されているパチンコ機1であることを遊技者に気付かれ難くした上で、第2の演出モードでは、大入賞口の開放によって賞球獲得が可能とされる当りとして大当りはもとより、小当りもその1つの種類として扱われる表示演出を行うようにしているからである。
特に、この実施の形態にかかるパチンコ機1(周辺制御MPU4150a)では、このような延長演出パターンを選択しうる第1の演出モードと、チャレンジボーナス演出パターンを選択しうる第2の演出モードとのいずれかの演出モードに強制決定されて、該強制決定されている演出モードからの遊技者の操作による変更が許容されないモード強制期間を創出するモード強制制御手段を備えている。
例えば、当該パチンコ機1がホールに納品されてからの第1の所定期間(例えば、1ヶ月間などの所定の月日が経過するまでの期間)を第1の演出モードに強制決定しておき、その第1の所定期間が経過してからの第2の所定期間(例えば、次の1ヶ月間などの所定の月日が経過するまでの期間)を第2の演出モードに強制決定するように上記モード強制期間の創出にかかる制御を行うようにした場合には、最初の1ヶ月間は、上述の如く小当りが搭載されていることを隠すように演出が行われることによって、大当りの当選確率のもとで遊技者に対して賞球が払い出されうるパチンコ機1として稼動する。これに対し、次の1ヶ月間は、大入賞口の開放によって賞球獲得が可能とされる当りの1つの種類として小当りが扱われる演出が行われることによって、大当りの当選確率よりも高い確率のもとで遊技者に対して賞球が払い出されうるパチンコ機1として稼動するようになり、1つの遊技仕様しか搭載されていないパチンコ機1でありながら、最初の第1の所定期間においては小当りの存在が気付かれ難くされていたことも相まって、液晶表示装置1400における演出内容はもとより、出玉獲得にかかる遊技仕様すらも異なる別のパチンコ機が新たに稼動したかのような印象を遊技者に与えることができるようになる。なお、第2の所定期間が経過した後は、デモ演出中における操作手段に対する遊技者の操作に応じて演出モードが設定可能とされるようになる。
この点、図108に示されるように、上記ステップS1233の処理では、周辺制御MPU4150aが、まず、内蔵RTC4140aaのカレンダ情報や時刻情報などの時間情報に基づいて、第1の演出モードと第2の演出モードとのいずれかの演出モードに強制決定されているモード強制期間にあるか否かを判断する。そしてこの結果、第1の演出モードに強制決定されている旨判断したときや(例えば、当該パチンコ機1がホールに納品されてからの第1の所定期間にあるときなど)、第2の演出モードに強制決定されている旨判断したとき(例えば、第1の所定期間が経過してからの第2の所定期間にあるときなど)は、遊技者の操作による演出モードの変更は許容されないとして(ステップS1233におけるNO)、当該装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)を一旦終了する。すなわちこの場合、デモ演出が実行されているもとで(ステップS1232におけるYES)、変動パターン受信フラグがセットされる(ステップS1221におけるYES)のを待つこととなる。
一方、内蔵RTC4140aaのカレンダ情報や時刻情報などの時間情報に基づいて、第1の演出モードと第2の演出モードとのいずれかの演出モードに強制決定されている上記モード強制期間にない旨判断されたときは(例えば、第2の所定期間が既に経過している場合など)、遊技者の操作による演出モードの変更が許容される状態にあるとして(ステップS1233におけるYES)、次にステップS1234の処理を行う。
このステップS1234の処理では、演出モードを変更させるべくの遊技者による操作があったか否かを判断する。ここで、遊技者による操作としては、例えば、操作ボタンユニットやサブボタンに対する操作などであり、デモ演出が行われているもとでメインボタンやサブボタンが操作されると、液晶表示装置1400において演出モードの選択画面を出現させる表示制御を行うようにしておくことが考えられる。そしてこの場合、こうした選択画面が現れているときに、サブボタン372に対する操作で特定の演出モードを選択し、該選択された特定の演出モードをメインボタンに対する操作により決定させたときに、演出モードを変更させるべくの遊技者による操作があった旨判断され(ステップS1234におけるYES)、該決定された演出モードに変更するべく同演出モードにかかる設定処理を行うこととなる(ステップS1235)。
なお、こうした遊技者による操作対象となる手段としては、操作ボタンユニットのメインボタンやサブボタンでなくてもよく、タッチパネルによる近接操作なども含めて、遊技者による所定の操作が可能なものであればよい。また、遊技者による操作があったときの処理としても、液晶表示装置1400における表示に変化を生じさせる制御(選択画面の出現、選択時の表示、決定時の表示など)のほか、例えば、透過性をもった遊技パネル600における背面からの発光色を変更(青色から赤色に変更など)させるなど、所定の装飾部材における演出態様を異ならしめることで、演出モードが切り替えられたことを遊技者に対して示すようにしてもよい。
他方、上記ステップS1221の処理において、上記ステップS1104(図99参照)の処理にて操作されうる変動パターン受信フラグがON状態(セット)にある旨判断されたときは、主制御基板4100側にて所定の始動条件(ステップS301におけるNO)が成立された状態にあるとして、液晶表示装置1400における表示演出を開始させるべくの以下のステップS1222〜ステップS1227の処理を行う。
すなわち、周辺制御MPU4150aは、まず、変動パターン受信フラグをOFF状態に操作(リセット)する(ステップS1222)。そしてこの上で、遊技状態フラグが通常外部不利遊技状態にあることを示しているか否かを判断する(ステップS1223)。なお、この遊技状態フラグは、例えば、大当り遊技の終了に際し(例えば、大当り表示処理(ステップS1230))、当該大当り遊技後に制御される遊技状態の種類を示すように操作されるものである。
そして、遊技状態フラグが通常外部不利遊技状態にあることを示しているときは(ステップS1223におけるYES)、次にステップS1224の処理として、上記ステップS1235の処理における演出モードの設定状態、若しくは内蔵RTC4140aaのカレンダ情報や時刻情報などの時間情報に基づいて、第1の演出モードの設定状態にあるか否かを判断する。そしてこの結果、第1の演出モードに強制決定される期間にあるか、若しくは遊技者の操作による演出モードの変更が許容される期間において第1の演出モードが設定されている状態にあるときは、第1の演出モードの設定状態にある旨判断し(ステップS1224におけるYES)、次にステップS1225aの処理を行う。
このステップS1225aの処理では、第1の演出モードの設定状態にあるときの演出パターンテーブルを参照しつつ、周辺制御基板4140(周辺制御MPU4150a)のRAMの変動表示パターン格納領域にて記憶されている変動パターンにかかる情報と、周辺制御基板4140(周辺制御MPU4150a)のRAMの当選情報格納領域にて記憶されている当選情報とに基づいて、液晶表示装置1400における演出パターン及び停止図柄を決定する。
次いで、予告判定乱数に基づいて予告演出を実行するか否かの判断が行われる予告選択処理を実行する(ステップS1226a)。すなわち、第1の演出モードにあるときと第2の演出モードにあるときとでは、液晶表示装置1400における演出パターンはもとより、予告演出の実行頻度やその演出内容が変わってくることから、この予告選択処理では、第1の演出モードの設定状態にあるときの予告演出テーブルにおいて、適宜の予告判定乱数に基づいて予告演出にかかる演出態様(予告演出パターン)を決定することとなる。
そして、こうして決定された第1の演出モード時における演出パターン、停止図柄、及び予告演出パターンにそれぞれ対応付けされている表示コマンド(予告コマンド)をセットし(ステップS1227)、処理選択フラグを「1」に更新した時点で(ステップS1228)、当該装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)を終了する。すなわち、こうしてセットされた表示コマンドや予告コマンドが、図105に示した情報出力処理(ステップS1500)によって液晶及び音制御部4160に送信されることで、液晶表示装置1400においては、液晶及び音制御部4160側による制御を通じて、上記表示コマンドにより示される内容(延長演出パターンなど)の表示演出が現れるとともに、上記予告コマンドにより示される内容の予告演出が現れるようになる。
一方、上記ステップS1224の処理において、第2の演出モードに強制決定される期間にあるか、若しくは遊技者の操作による演出モードの変更が許容される期間において第2の演出モードが設定されている状態にあるときは、第1の演出モードの設定状態にない旨判断し(ステップS1224におけるNO)、次にステップS1225bの処理を行う。このステップS1225bの処理では、第2の演出モードの設定状態にあるときの演出パターンテーブルを参照しつつ、周辺制御基板4140(周辺制御MPU4150a)のRAMの変動表示パターン格納領域にて記憶されている変動パターンにかかる情報と、周辺制御基板4140(周辺制御MPU4150a)のRAMの当選情報格納領域にて記憶されている当選情報とに基づいて、液晶表示装置1400における演出パターン及び停止図柄を決定する。次いで、第2の演出モードの設定状態にあるときの予告演出テーブルにおいて、予告演出を実行するか否かの判断を含めて、適宜の予告判定乱数に基づいて予告演出にかかる演出態様(予告演出パターン)が決定される予告選択処理を実行する(ステップS1226b)。
そして、こうして決定された第2の演出モード時における演出パターン、停止図柄、及び予告演出パターンにそれぞれ対応付けされている表示コマンド(予告コマンド)をセットし(ステップS1227)、処理選択フラグを「1」に更新した時点で(ステップS1228)、当該装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)を終了する。すなわち、こうしてセットされた表示コマンドや予告コマンドが、図98に示した情報出力処理(ステップS1500)によって液晶及び音制御部4160に送信されることで、液晶表示装置1400においては、液晶及び音制御部4160側による制御を通じて、上記表示コマンドにより示される内容の表示演出が現れるとともに、上記予告コマンドにより示される内容の予告演出が現れるようになる。
他方、上記ステップS1223の処理において、遊技状態フラグが通常外部不利遊技状態にあることを示していない旨判断されたときは(ステップS1223におけるNO)、詳述は割愛するが、現在の遊技状態に応じた演出テーブルに基づいて演出パターンや停止図柄を決定するとともに(ステップS1229)、現在の遊技状態に応じた予告演出テーブルにおいて、予告演出を実行するか否かの判断を含めて、適宜の予告判定乱数に基づいて予告演出にかかる演出態様(予告演出パターン)が決定される予告選択処理を実行することとなる(ステップS1230)。
そして、こうして決定された現在の遊技状態に応じた演出パターン、停止図柄、及び予告演出パターンにそれぞれ対応付けされている表示コマンド(予告コマンド)をセットし(ステップS1227)、処理選択フラグを「1」に更新した時点で(ステップS1228)、当該装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)を終了する。すなわち、こうしてセットされた表示コマンドや予告コマンドが、図105に示した情報出力処理(ステップS1500)によって液晶及び音制御部4160に送信されることで、液晶表示装置1400においては、液晶及び音制御部4160側による制御を通じて、上記表示コマンドにより示される内容の表示演出が現れるとともに、上記予告コマンドにより示される内容の予告演出が現れるようになる。
図109は、第1の演出モード時の演出パターン及び停止図柄の決定処理(ステップS1225a)についての一例を示すフローチャートである。
同図に示されるように、このステップS1225aの処理では、まず、上記ステップS1104(図106参照)の処理にて変動表示パターン格納領域に記憶された変動パターンコマンドを読み出し、この変動パターンコマンドに対応付けされている演出パターンを決定する(ステップS1301)。ここで、第1の演出モード時の演出パターン決定テーブルにおいては、1つの変動パターンコマンドに対しては、複数の演出パターンが対応付けされていてもよいし(図115、図106参照)、1つの演出パターンのみが対応付けされていてもよい(図112、図113参照)。なお、複数の演出パターンが対応付けされているときは、所定の演出用乱数を用いた演出抽選の結果に基づいていずれかの演出パターンを決定するか、大当りの種別に基づいていずれかの演出パターンを決定することとなる。
こうして特定の演出パターンが決定された後は、装飾図柄が停止されるときに現れる停止図柄(停止時の図柄組み合わせ)を決定することとなる。すなわち後述するが、液晶表示装置1400における装飾図柄については、特別図柄の停止時に表示演出が終了されない上記延長演出パターンが採用されている場合も含めて、特別図柄の変動停止に合わせるように(確定停止コマンドがセットされていることに基づいて)停止するものとなっている。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4150aでは、当該停止図柄の決定に際しては、「延長演出パターン」と、「延長演出パターンではないものの、同延長演出パターンの対となる演出として用意されうるハズレ演出パターン」とのいずれかの演出パ
ターンが上記ステップS1301の処理にて決定されているかについての判断を行う(ステップS1302)。そしてこの結果、それら演出パターンのいずれかが決定されているときは、予め定められた延長時の停止図柄(特定のリーチハズレ図柄など)を決定した時点で(ステップS1303)、当該ステップS1225a(図108参照)の処理を終了する。すなわちこの場合、オープニング期間においては、延長時の停止図柄をもって装飾図柄が停止表示されている状態のもとで、キャラクタなどのストーリーを中心とした表示演出の内容が延長(発展)されるかたちで継続して現れることとなり、その後に、大当りに当選したか否かについての結果が明示されるようになる。
これに対し、「延長演出パターン」と、「延長演出パターンではないものの、同延長演出パターンの対となる演出として用意されうるハズレ演出パターン」とのいずれの演出パターンとも異なる通常の演出パターン(図112(c)、図115参照)が決定されているときは、ステップS1304〜ステップS1310の処理を通じて、当選情報コマンドにより示される大当り抽選の結果に応じた停止図柄を決定することとなる。
すなわち、まず、上記ステップS1106(図106)の処理にて当選情報格納領域に記憶された当選情報コマンドに基づいて大当り抽選の結果が大当りであるか否かについての判断を行う(ステップS1304)。そしてこの結果、大当り抽選の結果が大当りであるときは、大当り時専用の停止図柄を決定した時点で(ステップS1305)、当該ステップS1225a(図108参照)の処理を終了する。
また、大当り抽選の結果が大当りでないときは(ステップS1304におけるNO)、同結果が小当りであるか否かについての判断を行うとともに(ステップS1306)、大当り抽選の結果が小当りであるときは、小当り時専用の停止図柄を決定することとなる(ステップS1307)。ただし、第1演出モードにあるとき、小当りについてはその存在が隠匿されるようにその演出コマンドは上記延長演出パターンに全て対応付けされるようにしていることから、上記ステップS1306の処理では必ず、大当り抽選の結果が小当りでない旨判断されることとなり、次にステップS1308の処理として、リーチが形成される表示演出(高期待ハズレ演出)であるか否かについての判断が行われる。
そしてこの結果、リーチが形成される表示演出であるときは、リーチハズレの停止図柄を決定した時点で(ステップS1309)、当該ステップS1225a(図108参照)の処理を終了するのに対し、リーチが形成される表示演出でないときは、リーチが形成されない不揃いの停止図柄を決定した時点で(ステップS1310)、当該ステップS1225a(図108参照)の処理を終了する。
図110は、第2の演出モード時の演出パターン及び停止図柄の決定処理(ステップS1225b)についての一例を示すフローチャートである。
同図110に示されるように、このステップS1225bの処理では、まず、上記ステップS1104(図106参照)の処理にて変動表示パターン格納領域に記憶された変動パターンコマンドを読み出し、この変動パターンコマンドに対応付けされている演出パターンを決定する(ステップS1321)。ここで、第2の演出モード時の演出パターン決定テーブルにおいても、1つの変動パターンコマンドに対しては、複数の演出パターンが対応付けされていてもよいし、1つの演出パターンのみが対応付けされていてもよい。なお、複数の演出パターンが対応付けされているときは、所定の演出用乱数を用いた演出抽選の結果に基づいていずれかの演出パターンを決定するか、大当りの種別に基づいていずれかの演出パターンを決定することとなる。
こうして特定の演出パターンが決定された後は、装飾図柄が停止されるときに現れる停止図柄(停止時の図柄組み合わせ)を決定することとなる。すなわち上述の通り、第2の演出モードにおいては、液晶表示装置1400における装飾図柄については、賞球獲得が可能とされる抽選結果が得られたときに、特別図柄の変動停止に合わせるように(確定停止コマンドがセットされていることに基づいて)当り時の停止図柄(特定の表示画像)を停止させるものとなっている。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4150aでは、当該停止図柄の決定に際しては、上記ステップS1106(図105参照)の処理にて当選情報格納領域に記憶された当選情報コマンドに基づいて、大当り抽選の結果が、賞球獲得が可能とされる当り(大当り、若しくは小当り)であるか否かについての判断を行う(ステップS1322、ステップS1324)。そしてこの結果、大当り抽選の結果が、賞球獲得が可能とされる当り(大当り、若しくは小当り)であるときは(ステップS1322におけるYES、若しくはステップS1324におけるYES)、大入賞口の開放確定であることが把握可能となるボーナスチャレンジ停止図柄を決定した時点で(ステップS1323)、当該ステップS1225b(図108参照)の処理を終了する。なお、ボーナスチャレンジ停止図柄としては、例えば、大当り図柄組み合わせの構成要素とはならない特殊図柄をその変動中に出現させた上で、停止時の図柄組み合わせに同特殊図柄が含まれるもの、等々によって実現することができる。
そしてこの場合、ボーナスチャレンジ停止図柄が現れた後のオープニング期間においては、例えば、少なくとも特定数(例えば、少量の賞球(本実施形態では、40〜50個程度))の賞球は獲得可能とされるように賞球を得る機会が提供されることが遊技者に把握されているもとで、あとはどれだけの賞球数をボーナスとして上積み可能とされるか、といったラウンド抽選的な要素のあるチャレンジボーナス演出が行われることとなる。
一方、大当り抽選の結果が、賞球獲得が可能とされる当り(大当り、若しくは小当り)でないときは(ステップS1322とステップS1324とのいずれの処理においてもNO)、次にステップS1325の処理として、リーチが形成される表示演出であるか否かについての判断が行われる。
そしてこの結果、リーチが形成される表示演出であるときは、リーチハズレの停止図柄を決定した時点で(ステップS1326)、当該ステップS1225b(図108参照)の処理を終了するのに対し、リーチが形成される表示演出でないときは、リーチが形成されない不揃いの停止図柄を決定した時点で(ステップS1327)、当該ステップS1225b(図108参照)の処理を終了する。
以下、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4150aによるこうした各種処理(ステップS1210〜S1240)が進行されたときに現れる表示演出の一例について説明する。図112は、主制御MPU4100a側から図103に示した演出コマンド「01H」〜「04H」のいずれかを受信したときに液晶表示装置1400にて現れる表示演出の一例を示すタイムチャートである。
同図112(a)に示されるように、いま、第1の演出モードに設定されているときに、主制御MPU4100a側にて大当りが当選されたことに基づいて、図103に示した変動時間Ta1をもった特別図柄にかかる変動が開始されたとすると(タイミングt0)、液晶表示装置1400においては、演出コマンド「01H」に対応付けされている大当り時の表示演出a(例えば、特定のミッションaを成功させることができるか(キャラクタAが敵を倒すことができるか)否かなど)の内容をもった延長演出パターンの動的表示が開始される。そして、こうして開始された表示演出aの内容をもった延長演出パターン(演出コマンド「01H」)は、変動時間Ta1の経過によって特別図柄の変動が停止されるタイミングt1が到来した状況にあっても、当該表示演出aを終了させることなく(特定のミッションaを成功も失敗もさせることなく)これを継続させる。
また、演出コマンド「01H」のときの延長演出パターンの動的表示に際しては、装飾図柄の変動も開始させている。ただし上述の通り、この装飾図柄の変動については、特別図柄の変動が停止されるタイミングt1において延長時のハズレ停止態様をもって確定停止させるようにしている。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4150aでは、装飾図柄の確定停止に際しては、変動時間Ta1の時間内に当該装飾図柄を延長時のハズレ停止態様にて仮停止させるようにしている。そして、こうして装飾図柄が延長時のハズレ停止態様にて仮停止されているもとで、変動時間Ta1の経過によって同装飾図柄が確定停止されるまでの間に、液晶表示装置1400における表示演出aについてはこれが継続されるか否かについての継続期待演出(例えば、敵からの攻撃を受けて倒れているキャラクタAが立ち上がることができるか否かなど)を行うようにしている。
すなわちこの場合、図103に示したコマンド「03H」に対応付けされている後述の表示演出a(発展なし、ハズレ)が用意されていることで、タイミングt1を経過した時点においても当該表示演出aが継続されているときにはこれが「発展後の表示演出a(特定のミッションaを成功させるチャンスが残された演出)」として機能することとなる。したがって、この「発展後の表示演出a」が現れているときには、特別図柄の変動が停止された後の第1の閉制御期間にあるにもかかわらず、遊技者側からみれば、特別図柄が未だ変動されているものとして把握されうるようになる。また、液晶表示装置1400における装飾図柄についても、確定停止された後の状況にあるにもかかわらず、仮停止の状態が維持されているものとして把握されうるようになり、ひいては上述の延長時のハズレ停止態様が覆されるかたちで大当りに当選されていることが示されるチャンスが未だ残っているように見せることができるようになる。
ただしこの際、表示演出aの内容をもった延長演出パターン(演出コマンド「01H」)については、当該液晶表示装置1400のうちの大きな表示領域(表示領域の中央や全体)にて行うようにした上で、装飾図柄の変動表示については、こうした表示演出aに対して当該液晶表示装置1400のうちの小さな表示領域(表示領域の端部分などの注目され難い箇所)においてのみ行われるようにすることが、装飾図柄の動きに注目させることなく、表示演出aにおける特定のミッションaを成功させることができるか否かによって大当り抽選の結果を遊技者に把握させる(キャラクタによる結果表示を行う)ようにする上でより望ましい。
すなわち、演出コマンド「01H」に対応付けされている表示演出a(大当り)の内容をもった延長演出パターンでは、特別図柄の変動が停止された後の第1の閉制御期間においては、実際のところは装飾図柄が確定停止されているにもかかわらず、仮停止時における継続期待演出に成功した(例えば、敵からの攻撃を受けて倒れているキャラクタAが立ち上がった)このような期待感が持たされているもとで、「発展後の表示演出a」が現れることとなる。この「発展後の表示演出a」では、主制御MPU4100a側の第1の閉制御期間の終了タイミングt2までの時間を利用して、例えばキャラクタAが再び敵に立ち向かう様子が映し出されるなど、特定のミッションaを成功させることができるか否かについての演出が行われる。
ただし後述するが、主制御MPU4100a側の第1の閉制御期間におけるこうした「発展後の表示演出a(特定のミッションaを成功させることができるか否かについての演出)」は、図103に示したコマンド「02H」に対応付けされている表示演出a(小当り)の内容をもった延長演出パターンにおいても行われる。そして上述の通り、第1の演出モードにあるときは小当りが搭載されているパチンコ機1であることを気付かれ難くするべく、表示演出a(小当り)においては、大当りの落選であることが示されてから比較的早く次変動(特別図柄の保留消化)に移行させるようにすることがより望ましい。
そこで、演出コマンド「01H」に対応付けされている表示演出a(大当り)の内容をもった延長演出パターンでは、第1の閉制御期間の終了タイミングt2が到来するまでの間には、特定のミッションaに成功した様子(キャラクタAが敵を倒す)は示されることなく、特定のミッションaを成功させることができるか否かについての演出(キャラクタAが敵に攻撃を仕掛けて、これが成功するか否かといった演出)のみが現れるようにしている。これにより、第1の閉制御期間の終了タイミングt2以降に特定のミッションaに成功した様子が示されるかたちで大当り明示演出aが現れうるようになり、当該演出コマンド「01H」に対応付けされている表示演出パターンが「演出内容aをもった演出パターンのうちの当り演出パターン」として機能するようになる。
ただし上述の通り、大当り時の延長演出パターンにおいては、一定の長さをもった第1の閉制御期間が終了した後、こうした閉制御期間が延長されるかたちで不定の長さをもった第2の閉制御期間がさらに現れるようになっている。そして、当該第2の閉制御期間内において、大当り時の延長演出パターンにおける一部の演出内容(大当り明示演出a)と、大当り遊技前のオープニング演出(右打ち遊技を行うことによって大当り遊技を開始すべき旨を促す演出)とが行われうるようにしている。そして、これらの演出に対する各遊技者の理解スピードに合わせて操作ハンドル部410が適宜のタイミングにて操作された結果、有効ゲート6010nを遊技球が通過すると(タイミングtx)、第2の閉制御期間が終了し、ひいては大当り遊技と大当り遊技中演出とが開始されるようになる。なお、大当り遊技中における演出の詳細については後述する。
また、これも図111(a)を参照しつつ上述した通りであるが、タイミングt2からタイミングtxまでの第2の閉制御期間は、操作ハンドル部410が操作されることに基づいて終了されるもの(不定の長さをもった期間)であることから、例えば、一定の長さをもった第1の閉制御期間が終了してすぐに操作ハンドル部410の操作によって有効ゲート6010nを遊技球が通過するように遊技した場合は、大当り明示演出aやオープニング演出などはその時点でカット、若しくはその演出自体をほぼ出現させることなく(演出飛ばし)、次の演出(大当り遊技中演出)に強制進行されることとなる。
これに対し、同図111(b)に示されるように、いま、第1の演出モードに設定されているときに、主制御MPU4100a側にて小当りが当選されたことに基づいて、図103に示した変動時間Ta2(ここでは、変動時間Ta1と同じ時間に設定されているものとして説明する)をもった特別図柄にかかる変動が開始されたとすると(タイミングt0)、液晶表示装置1400においては、演出コマンド「02H」に対応付けされている小当り時の表示演出a(例えば、特定のミッションaを成功させることができるか(キャラクタAが敵を倒すことができるか)否かなど)の内容をもった延長演出パターンの動的表示が開始される。そして、こうして開始された表示演出aの内容をもった延長演出パターン(演出コマンド「02H」)も、演出コマンド「01H」に対応付けされている延長演出パターン(図112(a)参照)のときと同様、変動時間Ta2の経過によって特別図柄の変動が停止されるタイミングt1が到来した状況にあっても、当該表示演出aを終了させることなく(特定のミッションaを成功も失敗もさせることなく)これを継続させる。
また、演出コマンド「02H」に対応付けされている表示演出a(小当り)の内容をもった延長演出パターンの動的表示に際しても、装飾図柄の変動は開始させている。また、この装飾図柄の変動について、特別図柄の変動が停止されるタイミングt1において延長時のハズレ停止態様をもって確定停止させる点も、演出コマンド「01H」に対応付けされている延長演出パターン(図112(a)参照)のときと同様である。なお、この延長時のハズレ停止態様は、大当りのときと小当りのときとで大当りの抽選結果が異なっているにもかかわらず、単一の表示態様が採用されており、その表示態様に区別はされていない。
またさらに、こうして装飾図柄が延長時のハズレ停止態様にて仮停止されているもとで、変動時間Ta2の経過によって同装飾図柄が確定停止されるまでの間に、液晶表示装置1400における表示演出aについてはこれが継続されるか否かについての継続期待演出(例えば、敵からの攻撃を受けて倒れているキャラクタAが立ち上がることができるか否かなど)を行うようにしている点についても、演出コマンド「01H」に対応付けされている延長演出パターン(図112(a)参照)のときと同様である。
すなわち、演出コマンド「02H」に対応付けされている表示演出a(小当り)の内容をもった延長演出パターンにおいても、特別図柄の変動が停止された後の第1の閉制御期間においては、実際のところは装飾図柄が確定停止されているにもかかわらず、仮停止時における継続期待演出に成功した(例えば、敵からの攻撃を受けて倒れているキャラクタAが立ち上がった)このような期待感が持たされているもとで、「発展後の表示演出a」が現れることとなる。そして、この「発展後の表示演出a」では、主制御MPU4100a側の第1の閉制御期間の終了タイミングt2までの時間を利用して、例えばキャラクタAが再び敵に立ち向かう様子が映し出されるなど、特定のミッションaを成功させることができるか否かについての演出が行われる。
またさらに、これも同様、第1の閉制御期間の終了タイミングt2が到来するまでの間には、特定のミッションaに成功した様子(キャラクタAが敵を倒す)は示されることなく、特定のミッションaを成功させることができるか否かについての演出(キャラクタAが敵に攻撃を仕掛けて、これが成功するか否かといった演出)が現れる。ただし、図111(b)を参照しつつ上述した通り、演出コマンド「02H」に対応付けされている表示演出a(小当り)の内容をもった延長演出パターンでは、一定の長さをもった第1の閉制御期間が終了した後、こうした閉制御期間が延長されるかたちで不定の長さをもった第2の閉制御期間がさらに現れることはない。したがって、第1の閉制御期間の終了タイミングt2以降、演出コマンド「02H」のときの小開放当り遊技(小当り遊技)における大入賞口の開放にかかる制御の終了タイミングt3までの間、特定のミッションaに失敗した様子が示されるかたちでハズレ明示演出aが現れることとなる。これにより、当該演出コマンド「02H」に対応付けされている表示演出パターンが「演出内容aをもった演出パターンのうちのハズレ演出パターン」として機能するようになる。
このハズレ明示演出aでは、例えば、キャラクタAによる攻撃がかわされて敵が逃亡してしまうとともに、その後、キャラクタAが悔しがる様子を映し出すなど、大当りの落選演出として行われる。
このような演出コマンド「01H」、「02H」に対応付けされている延長演出パターンによれば、特別図柄の始動タイミングt0から大入賞口の開放終了タイミングt3(若しくは、第2の閉制御期間内における大当り明示演出aが終了するタイミング)までの時間が、大当りの当落にかかる1つの演出として機能することとなることから、こうした演出に遊技者の注視先を向けることができるようになり、ハズレ明示演出aが行われているときにおける大入賞口の開放、ひいては小当りが搭載されているパチンコ機1であることを気付かせ難くすることができるようになる。
なお、こうした作用効果を得る上では、大入賞口が開放していることを遊技者が確認しても何らの情報も得られないようにしておく(同開放を確認する理由になりうる事象を排除した構成にしておく)ことが重要である。例えば、小開放当り遊技(小当り遊技)のときと同一、若しくは近似した開放態様をもって大入賞口を開放させる大当り遊技が実行されうるようなパチンコ機1では、同開放を確認することで、その後、条件装置の作動を条件に遊技状態が変更される可能性があることを認識することができるようになる。また、大当りの低い当選確率に見合わない出球が少ない大当りに当選してしまったという、遊技を辞める契機ともなりうる情報を遊技者は得ることができることから、大入賞口の開放に注視を向けさせてしまう一因ともなりかねない。
一方、同図112(c)に示されるように、いま、第1の演出モードに設定されているときに、主制御MPU4100a側にて大当りと小当りとのいずれにも当選されないハズレ(純ハズレ)が得られたことに基づいて、図103に示した変動時間Ta3(ここでは、タイミングt0〜t1の時間と同じ時間に設定されているものとして説明する)をもった特別図柄にかかる変動が開始されたとすると(タイミングt0)、液晶表示装置1400においては、演出コマンド「03H」に対応付けされているハズレ時の表示演出a(例えば、特定のミッションaを成功させることができるか(キャラクタAが敵を倒すことができるか)否かなど)の内容をもった非延長の表示演出パターンの動的表示が開始される。ただし、こうして開始される表示演出aの内容をもった表示演出パターン(演出コマンド「03H」)は、変動時間Ta3の経過によって特別図柄の変動が停止されるタイミングt1が到来した時点で、当該表示演出aを延長させることなく(特定のミッションaを失敗させるかたちで)これを終了させる。
より具体的には、演出コマンド「03H」に対応付けされているハズレ時の表示演出a(発展なし)の内容をもった表示演出パターンの動的表示に際しても、装飾図柄の変動は開始させる。また、この装飾図柄の変動においても、特別図柄の変動が停止されるタイミングt1において延長時のハズレ停止態様をもって確定停止させるにあたり、同装飾図柄を延長時のハズレ停止態様にて仮停止させるようにしている。なお、この延長時のハズレ停止態様については、大当りのときと小当りのときと当該ハズレのときとで単一の表示態様が現れるようにしている。
また、こうして装飾図柄が延長時のハズレ停止態様にて仮停止されているもとで、変動時間Ta3の経過によって同装飾図柄が確定停止されるまでの間に、液晶表示装置1400における表示演出aについてはこれが継続されるか否かについての継続期待演出(例えば、敵からの攻撃を受けて倒れているキャラクタAが立ち上がることができるか否かなど)を行うようにしている点についても、演出コマンド「01H」、「02H」に対応付けされている延長演出パターン(図112(a)、(b)参照)のときと同様である。
ただし、演出コマンド「03H」に対応付けされているハズレ時の表示演出a(発展なし)の内容をもった表示演出パターンにおいては、仮停止時における継続期待演出に失敗し(例えば、敵からの攻撃を受けて倒れているキャラクタAが立ち上がらなかった様子が示され)、特定のミッションに失敗したことが遊技者に把握されるようにしている。このような演出パターンを用意したことで、図112(a)、(b)、(d)に示されるタイミングt1以降も継続される演出パターンを、発展ありの演出パターンとして機能させることができるようになる。
また一方、同図112(d)に示されるように、いま、第1の演出モードに設定されているときに、主制御MPU4100a側にて大当りと小当りとのいずれにも当選されないハズレ(純ハズレ)が得られたことに基づいて、図103に示した変動時間Ta4(ここでは、タイミングt0〜t3の時間と同じ時間に設定されているものとして説明する)をもった特別図柄にかかる変動が開始されたとすると(タイミングt0)、液晶表示装置1400においては、演出コマンド「04H」に対応付けされているハズレ時の表示演出a(例えば、特定のミッションaを成功させることができるか(キャラクタAが敵を倒すことができるか)否かなど)の内容をもった非延長の表示演出パターンの動的表示が開始される。ただし、こうして開始される表示演出aの内容をもった表示演出パターン(演出コマンド「03H」)は、非延長の表示演出パターンであるにもかかわらず、演出コマンド「01H」〜「03H」のときの特別図柄の変動時間ta1〜ta3の経過によってタイミングt1が到来した状況にあっても、当該表示演出aを終了させることなく(特定のミッションaを成功も失敗もさせることなく)これを継続させる。またさらに、表示演出パターン(演出コマンド「04H」)の動的表示に際しては、装飾図柄の変動を開始させるものの、この装飾図柄の変動についても、上記タイミングt1において終了させることなくこれを継続させるものとなっている。
すなわち、ハズレ(純ハズレ)の場合、大当りや小当りの場合とは異なり、大入賞口の開放制御に要する時間はもとより、大入賞口の開放に先立ってこれを閉状態にて維持させる第1の閉制御期間も用意されることなくすぐに次変動に移行されてしまうことから、特別図柄の変動時間に対して表示演出aに要する時間を延長させることは行い難い実情にある。
この点、演出コマンド「04H」に対応付けされている表示演出パターン(表示演出a)については、主制御MPU4100aにおいて、小当り時の変動開始タイミングt0から大入賞口の開放終了タイミングt3までの時間を基準としてこれに合わせた長さの変動時間Ta4が選択されたときに採用されるものとして用意している。したがって、この表示演出パターン(表示演出a)では、演出コマンド「01H」〜「03H」に対応付けされている表示演出パターン(表示演出a)のときと同様、液晶表示装置1400においては表示演出aの内容をもった演出が現れるものの、タイミングt1において特別図柄が停止されることはない、そもそもより長い時間をもった表示演出となっている。
すなわちこの場合、特別図柄と装飾図柄とについてはそれらいずれの変動についても、上記タイミングt1において延長時のハズレ停止態様をもって確定停止させることはないにもかかわらず、それら図柄のうち、装飾図柄については、演出コマンド「01H」〜「03H」に対応付けされている表示演出パターンのときと同様、変動時間Ta4に対しては単なる中途段階でしかないタイミングt1が経過する前の段階にて延長時のハズレ停止態様にて仮停止させる。そして、こうして装飾図柄が延長時のハズレ停止態様にて仮停止されているもとで、タイミングt1が到来するまでの間に、液晶表示装置1400における表示演出aについてはこれが継続されるか否かについての継続期待演出(例えば、敵からの攻撃を受けて倒れているキャラクタAが立ち上がることができるか否かなど)を行うこととなる。なお、この延長時のハズレ停止態様は、大当りのときと小当りのときと当該ハズレ(純ハズレ)のときとで大当りの抽選結果も変動時間も異なっているにもかかわらず、単一の表示態様が採用されており、その表示態様に区別はされていない。
そして、こうして装飾図柄が仮停止されているもとで継続期待演出に成功した(例えば、敵からの攻撃を受けて倒れているキャラクタAが立ち上がった)このような期待感が持たされているもとで、「発展後の表示演出a」が現れることとなる。ただしこの後、仮停止されている装飾図柄が再び変動状態に戻されることはなく、演出コマンド「01H」〜「03H」に対応付けされている表示演出パターンのときと同様、表示演出aに対して当該液晶表示装置1400のうちの小さな表示領域(表示領域の端部分などの注目され難い箇所)においてその停止状態(「01H」〜「03H」のときは確定停止、「04H」のときは仮停止)がタイミングt2まで維持されることとなる。
この「発展後の表示演出a」では、変動時間Ta4の時間内にて例えばキャラクタAが再び敵に立ち向かう様子が映し出されるなど、特定のミッションaを成功させることができるか否かについての演出が行われる。ただし、演出コマンド「01H」〜「03H」に対応付けされている表示演出パターンのときと同様、上記タイミングt2が到来するまでの間には、特定のミッションaに成功した様子(キャラクタAが敵を倒す)は示されることなく、特定のミッションaを成功させることができるか否かについての演出(キャラクタAが敵に攻撃を仕掛けて、これが成功するか否かといった演出)のみが現れるようにしている。
そして、タイミングt2以降、演出コマンド「02H」のときの小開放当り遊技(小当り遊技)における大入賞口の開放にかかる制御の終了タイミングt3までの間、特定のミッションaに失敗した様子が示されるかたちでハズレ明示演出aが現れることとなる。このハズレ明示演出aでは、演出コマンド「02H」のときと同様、例えば、キャラクタAによる攻撃がかわされて敵が逃亡してしまうとともに、その後、キャラクタAが悔しがる様子を映し出すなど、大当りの落選演出として行われる。これにより、当該演出コマンド「04H」に対応付けされている表示演出パターンが「演出内容aをもった演出パターンのうちのハズレ演出パターン」として機能するようになる。
このように、第1の演出モードにおいては、大当り抽選の結果がハズレであることに基づいて、液晶表示装置1400において特定の演出内容(表示演出a)が現れる特定のハズレ演出パターン(演出コマンド「04H」)にかかる表示制御を行うときは、主制御MPU4100a側にて特定の変動時間(変動時間Ta4)が決定されたときに、該決定された特定の変動時間(変動時間Ta4)内にて特定の演出内容(表示演出a)が現れるかたちで特定のハズレ演出パターンにかかる表示制御を行うようにしている。それにもかかわらず、大当り抽選の結果が当りであることに基づいて、液晶表示装置1400において特定の演出内容(表示演出a)が現れる、上記特定のハズレ演出パターン(演出コマンド「04H」)に対しての当り演出パターン(演出コマンド「01H」)にかかる表示制御を行うときは、主制御MPU4100a側にて上記特定の変動時間(変動時間Ta4)よりも短い変動時間(変動時間Ta1)が決定されたときに、該決定された短い変動時間(変動時間Ta1)のみならず、少なくとも所定のインターバル期間(第1の閉制御期間、第2の閉制御期間)を加えたより長い時間を演出時間として設定し、この演出時間内にて特定の演出内容(表示演出a)が現れるかたちで特定の当り演出パターンにかかる表示制御を行うようにした。
このような演出手法によれば、特別図柄の停止後の所定のインターバル期間においても、液晶表示装置1400においては当りが当選されているか否かについての当落演出と、オープニング演出とが行われるようになる。また、これらの演出については適宜にカットして演出や遊技を進行させることができるようになっており、テンポのよい演出進行(遊技進行)を実現することができるようになる。また、こうした特定の演出内容(表示演出a)の表示演出パターンが現れたときには、その途中段階にて特別図柄が停止されるか否かといった点にも注目すべき演出要素が加わるようになり、同停止が確認されたときには、大入賞口の開放による賞球獲得の機会が付与されることが把握可能とされることで、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
また、演出コマンド「01H」、「02H」のときの延長演出パターンに対し、演出コマンド「04H」のときの当該表示演出パターンを用意するようにしたことで、「発展後の表示演出a」が現れたときの大当り期待度を、大当りと小当りとの出現比率に制約された範囲内で設定せざるを得なくなってしまうようなことが回避されるようになり、小当りが搭載されていることを認識し難くするこのような演出体系のもとであっても、図103に示されるようなより自由度の高い演出設計を行うことができるようになる。
また、演出コマンド「04H」のときの当該表示演出パターンでは、タイミングt1以降も特別図柄は変動していることから、遊技者に特別図柄の変動状態が確認された場合であっても何ら問題はない。そして、このような非延長の演出パターンを、上記延長演出パターンに対して混在させるかたちで用意したことで、延長演出パターンにおける特別図柄の停止状態が確認された場合であっても、遊技者に対して見間違いかもしれない意識付けを促すことができるようになる。
また、演出コマンド「04H」のときの当該表示演出パターンでは、ハズレ明示演出aが行われているときに下大入賞口2003は開放されないことから、遊技者に下大入賞口2003が確認された場合であっても何ら問題はない。そして、このような非開放のハズレ明示演出aを、上記演出コマンド「02H」のときのハズレ明示演出aに対して混在させるかたちで用意したことで、ハズレ明示演出aにおける下大入賞口2003の開放が確認された場合であっても、遊技者に対して見間違いかもしれない意識付けを促すことができるようになる。
なお、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4150aでは、演出コマンド「01H」、「02H」、「04H」のときの表示演出パターンにおいては、タイミングt2が到来するまでの間には、特定のミッションaに成功したか否か(キャラクタAが敵を倒すか否か)は示されることがないようにしたが、タイミングt2の到来に先立って、特定のミッションaに成功したか否か(キャラクタAが敵を倒すか否か)が示されるようにしてもよい。すなわちこの場合、同結果表示が現れて以降、大当り明示演出若しくはハズレ明示演出が行われることとなるが、このような演出手法であっても、小当り時の表示演出aにおいては、小当り時の第1の閉制御期間の大部分が表示演出aに用いられることはもとより、その後に、キャラクタAが悔しがる様子を映し出すなど、大当りの落選演出が現れることで、大当りの落選演出が行われてから比較的早く次変動(特別図柄の保留消化)に移行させるようにすることはできる。
ところで、このような表示演出は、第1の演出モードにおいて、主制御MPU4100a側から図103に示した演出コマンド「01H」〜「04H」のいずれかが受信されたときに現れることは上述した通りである。そして、遊技者は、第1の演出モードにおけるこのような遊技性(演出性)を実現する上で特に必要とされていない小当りの存在を意識することなく、大当りの当選確率をもって大当りが当選されるか否かについての遊技を楽しむこととなる。
ただし、主制御MPU4100a側から図103に示した演出コマンド「01H」〜「04H」のいずれかが受信された場合であっても、第2の演出モードに設定されているときは、主制御MPU4100a側からの当該演出コマンド「01H」〜「04H」これ自体の内容はもとより、通常外部不利遊技状態であることに何らの変化も生じていないにもかかわらず、小当りの当選による大入賞口の開放を前提とした演出内容の表示演出パターンを一転して積極的に採用することで、第1の演出モードにあるときと比較して、大入賞口の開放による賞球獲得の機会頻度が大幅に増大されたかのような遊技性(演出性)を実現するようにしている。
すなわち、同図112(a)に示されるように、いま、第2の演出モードに設定されているときに、主制御MPU4100a側にて大当りが当選されたことに基づいて、図103に示した変動時間Ta1をもった特別図柄にかかる変動が開始されたとすると(タイミングt0)、液晶表示装置1400においては、演出コマンド「01H」に対応付けされている大当り時の表示演出a´の内容をもった非延長の表示演出パターンの動的表示と、装飾図柄の変動とをそれぞれ開始させる。
ただし、この第2の演出モードにおける表示演出a´は、第1の演出モードにおける表示演出aとはその内容が異なっており、例えば、特定のミッションa´を成功させることができるか(この実施の形態では、装飾図柄を、大入賞口の開放確定であることが把握可能となるボーナスチャレンジ停止図柄にて停止表示させることができるか)否かなどの内容をもった表示演出パターン(チャレンジボーナス演出パターン)として用意されている。したがって、装飾図柄の変動表示としても、当該液晶表示装置1400の表示領域の全体にわたって(少なくとも表示領域の中央部分など、注目され易い箇所において)行われるようにしている。このように、第2の演出モードにおいては、装飾図柄の動きに注目させ、ボーナスチャレンジ停止図柄が所定の図柄ライン上に現れる停止表示態様をもって装飾図柄を停止表示させることができるか否かによって大当り抽選の結果を遊技者に把握させるようにしている。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4150aでは、第1の演出モードと第2の演出モードとで、装飾図柄の表示形態についてもこれを異ならしめるようにしている。例えば、第1の演出モードにおける装飾図柄は数字を主体とした比較的小さな図柄画像であるのに対し、第2の演出モードにおける装飾図柄はキャラクタを主体とした比較的大きな図柄画像として表示されるなど、第2の演出モードにおいては装飾図柄がより注目され易い表示形態として設定されている。
そして、演出コマンド「01H」のときの非延長の表示演出パターンでは、タイミングt1が到来するまでの変動時間Ta1において、例えば、このような装飾図柄を、ボーナスチャレンジ停止図柄が現れる停止表示態様をもって停止表示させるように適宜のキャラクタが奮闘するなどの内容をもった表示演出a´が現れるとともに、特別図柄の変動が停止されるタイミングt1においては、大入賞口の開放により賞球獲得が可能とされることが遊技者に把握可能とされるようにボーナスチャレンジ停止図柄が所定の図柄ライン上に現れる停止表示態様をもって装飾図柄が確定停止されることとなる。これにより、当該演出コマンド「01H」に対応付けされている表示演出パターンが「演出内容a´をもった演出パターンのうちの当り演出パターン」として機能するようになる。
また、こうして装飾図柄が、ボーナスチャレンジ停止図柄が現れる停止表示態様をもって確定停止されたとき、液晶表示装置1400においては、第1の閉制御期間を利用し、大入賞口の開放によって遊技者が獲得可能とされる賞球数がどの程度のものであるかについてのチャレンジボーナス演出の開始前演出として、操作ハンドル部410の操作タイミングが液晶表示装置1400におけるカウントダウン表示によって示されるカウントダウン演出a´を行うようにしている。
ここで、このカウントダウン演出a´とは、上述の通り、例えば、右打ち遊技によって有効ゲート6010nを狙うことを説明しつつ、例えば3〜5秒程度のカウントダウン表示が行われるものであり、このカウントダウン表示が「0」に変わったときに操作ハンドル部410が適切な操作量で操作されると、当該第1の閉制御期間が終了してすぐに有効ゲート6010nを遊技球が通過するようになる。
したがって、このようなカウントダウン演出a´によれば、同演出の指示通りに操作ハンドル部410が操作されたときには、図105(a)に示されるように、第1の閉制御期間の終了タイミングt2が到来してからすぐに有効ゲート6010nを遊技球が通過することによって第1の演出モードの場合よりも第2の閉制御期間の終了タイミングtxが早期に到来することとなる。これにより、遊技者が獲得可能とされる賞球数がどの程度のものであるかについてのチャレンジボーナス演出が、第1の閉制御期間の終了タイミングt2が到来してから比較的早期に開始されるようになり、当該演出において、いずれの開放態様(長開放当り遊技、中開放当り遊技、小開放当り遊技)をもって大入賞口が開放されるかなどが示されるようになる。すなわちこの場合、遊技者は、大当り遊技はもとより、小開放当り遊技(小当り遊技)のときにも大入賞口に対して遊技球を打ち出すこととなり、これによって第1の演出モードにあるときと比較して、大入賞口の開放による賞球獲得の機会頻度が大幅に増大されたかのような遊技性(演出性)が実現されるようになる。なお、大当り遊技中における演出の詳細については後述する。
ところで、これも図111(c)を参照しつつ上述したが、このような大当り時のチャレンジボーナス演出パターンにおいては、カウントダウン演出a´におけるカウントダウン表示が「0」に変わってからも長い時間にわたって操作ハンドル部が操作されないような事態が生じることも想定される。すなわちこの場合、不定の長さをもった第2の閉制御期間が長い時間にわたって継続されることとなるが、この第2の閉制御期間においては、液晶表示装置1400にてカウントダウン表示が「0」のままで表示されるなど、新たな演出が出現されないようにしておくことが、このような事態を生じさせる遊技者の興味を薄らげる上でより望ましい。
ただし、チャレンジボーナス演出パターンが出現した状況にあって、このような演出進行が停滞される事態は、大当りに当選された場合に限られるものであり、後述の小当り時のチャレンジボーナス演出パターン(図111(d)、図112(b)参照)の場合には生じ得ないものとなっている。すなわちこの場合、何らの演出も新たに行われない演出停滞の状態(無演出状態)にありながら、小開放当たり遊技が行われる可能性が排除された分だけ、獲得可能とされる賞球量はもとより、遊技者に有利な遊技状態への移行期待度についてもこれが飛躍的に高められるようになる。
これに対し、同図112(b)に示されるように、いま、第2の演出モードに設定されているときに、主制御MPU4100a側にて小当りが当選されたことに基づいて、図103に示した変動時間Ta2(ここでは、タイミングt0〜t1の時間と同じ時間に設定されているものとして説明する)をもった特別図柄にかかる変動が開始されたとすると(タイミングt0)、液晶表示装置1400においては、演出コマンド「02H」に対応付けされている小当り時の表示演出a´の内容をもった非延長の表示演出パターンの動的表示と装飾図柄の変動と、をそれぞれ開始させる。
そして、こうして開始された表示演出a´の内容をもった非延長の表示演出パターン(演出コマンド「02H」)も、タイミングt1が到来するまでの変動時間Ta2において、例えば、このような装飾図柄を、ボーナスチャレンジ停止図柄が現れる停止表示態様をもって停止表示させるように適宜のキャラクタが奮闘するなどの内容をもった表示演出a´が現れるとともに、特別図柄の変動が停止されるタイミングt1においては、大入賞口の開放により賞球獲得が可能とされることが遊技者に把握可能とされるようにボーナスチャレンジ停止図柄が所定の図柄ライン上に現れる停止表示態様をもって装飾図柄が確定停止されることとなる。これにより、当該演出コマンド「02H」に対応付けされている表示演出パターンが「演出内容a´をもった演出パターンのうちの当り演出パターン」として機能するようになる。
ただし上述の通り、小当りの当選時においては、特別図柄が停止されてから小開放当り遊技(小当り遊技)が開始されるまでの閉制御期間(オープニング期間)については、特別図柄が停止されてからインターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップするまでの時間(一定の長さをもった第1の閉制御期間)のみからなっており、同タイマがタイムアップしたときには、有効ゲート6010nへの遊技球の通過の有無にかかわらず小開放当り遊技(小当り遊技)が開始されるようになっている(図100参照)。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4150aでは、演出コマンド「02H」のときの表示演出パターンの場合であっても、演出コマンド「01H」のときの表示演出パターンの場合と同様、装飾図柄がボーナスチャレンジ停止図柄の現れる停止表示態様をもって確定停止されたときは、第1の閉制御期間を利用し、大入賞口の開放によって遊技者が獲得可能とされる賞球数がどの程度のものであるかについてのチャレンジボーナス演出の開始前演出として、操作ハンドル部の操作タイミングが液晶表示装置1400におけるカウントダウン表示によって示されるカウントダウン演出a´を行うようにしている。
すなわち、第2の演出モードにあるときの表示演出パターンでは、大当りと小当りとについてはいずれも大入賞口を開放させる当りであるとして同様に扱っており、装飾図柄の変動が開始されるタイミングt0からチャレンジボーナス演出が行われるまでの演出内容では区別されておらず、同演出の指示通りに操作ハンドル部が操作されたときには、カウントダウン演出a´から先行演出(図示略)を経てチャレンジボーナス演出へと繋がる、大当り時のチャレンジボーナス演出パターン(演出コマンド「01H」)のときと同じ一連の演出内容によってチャレンジボーナス演出が開始されることとなる。したがって、大入賞口の開放によって賞球獲得が可能とされる当りとして大当りはもとより、小当りもその1つの種類(当りの種別)として扱われることとなり、チャレンジボーナス演出においては、長開放当たり遊技と中開放当たり遊技はもとより、小開放当たり遊技を含めて、いずれの遊技態様が現れるかについての演出表示を行うことができるようになる。これにより、第1の演出モードにあるときと比較して、大入賞口の開放による賞球獲得の機会頻度が大幅に増大されたかのような遊技性(演出性)が実現されるようになる。なお、長開放当たり遊技、中開放当たり遊技、小開放当たり遊技のうち、小開放当たり遊技は比較的短い時間にて終了してしまうことに鑑み、大当りA〜E等と小当りとのうち、小当りが当選されているか否かについては、第1の閉制御期間内における演出において大当りの当選時には現れない特定画像を表示させることにより遊技者が把握可能とされるようにしてもよい。
このように、演出コマンド「02H」のときの表示演出パターンについては、1つの演出コマンドに基づく表示演出パターンでありながらも、・小当りを賞球獲得の機会が付与されないノーチャンスのハズレとして(純ハズレ時の演出パターン(演出コマンド「04H」)と同様に)扱われる第1の演出モード時の延長演出パターン、及び・小当たりを賞球獲得の機会が付与されるハイチャンスの当りとして(大当り時の演出パターン(演出コマンド「01H」)と同様に)扱われる第2の演出モード時の非延長の表示演出パターン(チャレンジボーナス演出パターン)のいずれかとして選択的に実行されるものである。すなわちこの場合、当落にかかる演出情報が周辺制御MPU4150a側にて適宜に逆転されることとなり、これによって主制御MPU4100a側でのロジックを逐一変更しなくても演出内容が大きく異なる多種多様の演出を実現させることができるようになる。
また、さらに言えば、小開放当たり遊技(小当り遊技)とは、特典として少量の賞球(本実施形態では、40〜50個程度)しか実質的に遊技者に獲得可能とされないばかりか、小開放当り遊技(小当り遊技)が行われる前よりも遊技者にとって有利な遊技状態に移行されることもないものであることから、開閉部材2006が動作するにもかかわらず遊技興趣が低下しかねない点でその遊技設定上での扱いに注意を要するものといえる。したがって、従来は、小当りを搭載するにあたっては、小開放当たり遊技(小当り遊技)と同じような挙動をもって大当り遊技が行われるとともにその後には有利な遊技状態に移行させるように機能する特定の当選種をまずは用意しておき、小開放当たり遊技(小当り遊技)が行われる状況にあっては、当該特定の当選種の当選に応じた大当り遊技である可能性を遊技者に意識付けさせることで、小開放当り遊技(小当り遊技)が行われるときの遊技興趣の維持を図るようにすることが大前提とされていた。ただし、このような従来の遊技機であっても、特定の当選種に当選された場合は、通常遊技状態においては極めて低く設定される大当りの当選確率のもとでようやく大当りに当選されたにもかかわらず、この低い確率に見合った分の賞球が獲得可能とされないことによる遊技興趣の低下(大当り確率と大当りの実質確率とのズレによる遊技興趣の低下)が避けられないものとなっていた。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1とは、小当りを搭載するにあたって、小開放当たり遊技(小当り遊技)と同じような挙動をもって大当り遊技が行われるとともにその後には有利な遊技状態に移行させるように機能する特定の当選種が用意されない点で、小開放当り遊技(小当り遊技)が行われるときの遊技興趣の低下の抑制を図るべく技術思想が従来の遊技機とはそもそも大きく異なるものとなっている。
すなわち、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、小当りを搭載するにあたって、遊技者によって獲得可能とされる賞球量の異なる複数種の大当り遊技が実行されうるように大当りの当選種別を用意することとしている。そして、大入賞口の開放に際しては、まず、大当り抽選において大入賞口の開放が確定される抽選結果(多量の出玉獲得が期待される大当り,そうではない大当り、小量の出玉獲得が期待される小当り)が得られたか否かについての表示演出が行われるようにしている(当りの種別にかかわらずチャレンジボーナス演出パターンが現れるようにしている)。そしてこの結果、同抽選結果が得られていることが示されたときは、少なくとも小量の出玉は獲得可能とされている状態にあることが遊技者に把握可能とされているもとで、あとはどれだけの出玉を上積みさせることができるか(小量の出玉獲得から、中量、若しくは多量の出玉獲得まで上積みさせることができるか)についてのチャレンジボーナス演出がさらに行われるようにしている。
またさらに、賞球数の上積みがあったときには、遊技者に有利な遊技状態(確率変動機能や時短機能が作動する遊技状態)への変更が行われる可能性も生じる。この点、この実施の形態では、どれだけの出玉が上積みされるかによって(多量の出玉獲得が期待される大当り,若しくは中量の出玉獲得が期待される大当り)、確率変動機能の作動に対する期待度(確率変動機能の作動する遊技状態への移行確率)を異ならせるようにしている。すなわちこの場合、大入賞口の開放が終了した後に確率変動機能の作動する遊技状態への変更が行われる確率がそれぞれ異なるように複数種類用意されている動作態様のいずれが現れるかについてのチャレンジボーナス演出として機能するようになる。したがって、このようなチャレンジボーナス演出においては、条件装置の作動を伴う当りの当選確率「1/400」に対し、条件装置の作動を伴わない当りの当選確率「3/400」を加えたより高い確率「1/100」をもって、遊技者に対して賞球が払い出されうること(換言すれば、開閉部材2006が動作すること)のみならず、遊技者に有利な遊技状態に移行されうることをも意識付けさせることができるようになる。
しかも、このようなチャレンジボーナス演出によれば、小量の出玉が獲得可能とされることがデフォルトの演出状態として位置付けされていることから、大当りの当選に応じた多量の出玉獲得があるか否かが基本遊技(基本演出)とされる従来の遊技機とは異なり、小量の出玉が獲得可能とされる小開放当り遊技(小当り遊技)が行われる場合であっても、デフォルトの演出状態に即したかたちで大入賞口が開放されただけであることから、遊技興趣の低下は抑制されるようになる。またさらに、第2の演出モードにあるときには、小量の出玉が獲得可能とされることがデフォルトの演出状態として位置付けされている分だけ、その当り演出の出現確率(チャレンジボーナスへの突入確率)としてもより高い確率(大当りの当選確率に、小当りの当選確率が加算されたより高い確率)に設定されており、これによって低い確率に見合った分の賞球が獲得可能とされないことによって遊技興趣が低下してしまうようなことも回避されている。
そして、このような遊技・演出性を実現しているチャレンジボーナス演出パターンが第2の演出モードにおいて持たせられるべく、第1の演出モードにおいても、小当りにかかる抽選が行われることはもとより、小当りの当選時には、大当りの当選時における特別図柄の変動時間Ta1〜Td1を基準としてこれに合わせた長さの変動時間Ta2〜Td2が選択されうるようになっている。ただし、第1の演出モードでは、本来、小当りは必要なく、大当たり確率に基づいて大当りに当選されたか否かについての表示演出が基本的に行われるようになっている。したがって、第1の演出モードにおいては、小当りが搭載されているパチンコ機であることが遊技者に気付かれ難い表示演出を実現することが好都合であるが、液晶表示装置1400において特別図柄の変動停止時に大当り抽選の結果が現れる演出手法を単純に採用した場合には、特別図柄の停止後、小開放当り遊技(小当り遊技)の実行に際してのオープニング期間やその後の大入賞口の開放期間の存在が目立ってしまい、遊技興趣が低下しかねない。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、上述の通り、第1の演出モードにおいては、確定停止コマンドに対応したフラグがセットされるタイミングt1(特別図柄の変動終了時)にあっても、液晶表示装置1400における表示演出を終了させることはなくこれを継続させる。また、第1の閉制御期間への突入に際しては、タイミングt1においてインターバル演出コマンドに対応したフラグがセットされることとなるが、周辺制御MPU4150aは、大入賞口が開放されることが示されるインターバル演出に切り替えることなく同コマンドのセットを無視し、液晶表示装置1400における表示演出を継続させる。そして、第1の閉制御期間が終了して第2の閉制御期間が開始されるタイミングt2にあるときに、液晶表示装置1400における表示演出を、大当り抽選の結果が条件装置の作動を伴う当り(大当り)であるか否かについての当落情報が示される当落明示演出、さらにはオープニング演出に切り替えるかたちで実行する。
すなわちこの場合、上述の小当り時の演出が大当りの落選時に現れる一演出として位置付けされることはもとより、特別図柄の停止後、小開放当り遊技(小当り遊技)の実行に際しての第1の閉制御期間やその後の大入賞口の開放期間にまでわたって行うようにしたことで、大当りの落選であることが示されてから比較的早く次変動(特別図柄の保留消化)にかかる表示演出に移行させることができるようになる。これにより、いわゆる高期待のハズレ演出であるときと同じような態様で演出が進行するようになることから、条件装置の作動を伴わない当り(小当り)が搭載されているパチンコ機1であることが気付かれ難くなり、ひいては小当りの当選に応じて開閉部材2006が動作することによる遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。
そして、このような第1の演出モードと第2の演出モードとが用意されるパチンコ機1にあって、特に、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4150aは、上述の通り、第1の演出モードと第2の演出モードとのいずれかの演出モードに強制決定されて、該強制決定されている演出モードからの遊技者の操作による変更が許容されないモード強制期間を創出するモード強制制御手段を備えている。そしてこの上で、当該パチンコ機1がホールに納品されてからの第1の所定期間(例えば、1ヶ月間)を第1の演出モードに強制決定しておき、その第1の所定期間が経過してからの第2の所定期間(例えば、次の1ヶ月間)を第2の演出モードに強制決定するように上記モード強制期間の創出にかかる制御を行うようにしている。
このようなモード強制期間によれば、ホール側は、第1の所定期間は、上述の如くの延長演出パターンが現れることによって、小当りが搭載されていながらも遊技者に対してはこれを隠匿させつつ、大当りの当選確率「1/400」に基づいて液晶表示装置1400における表示演出において当り表示を行うことで、大当りの当選確率「1/400」のもとで遊技者に対して賞球が払い出されうる第1の遊技仕様のパチンコ機の稼動を開始させることができるようになる(第1の新装開店)。また、こうして第1の所定期間が経過した後の第2の所定期間においては、大入賞口の開放によって賞球獲得が可能とされる当りとして大当りはもとより、小当りもその1つの種類として扱われる上述のチャレンジボーナス演出パターンが現れるようにしたことで、第1の所定期間においては小当りの存在が気付かれ難くされていることも相まって、大当りの当選確率「1/400」よりも高い確率「1/100」に基づいて、液晶表示装置1400における表示演出において当り表示が行われるようになる。
すなわちこの場合、大当りの当選確率「1/400」に小当りの当選確率「3/400」を加えたより高い確率「1/100」のもとで遊技者に対して賞球が払い出されうる新たな第2の遊技仕様のパチンコ機の稼動を開始させることができるようになる(第2の新装開店)。これにより、本来は1つの遊技仕様しか搭載されていないパチンコ機1でありながら、液晶表示装置1400における演出内容はもとより、出玉獲得にかかる遊技仕様すらも異なる別のパチンコ機が新たに稼動するかのような印象を遊技者に与えることができるようになる。
またさらに、このようなモード強制期間によれば、所定の月日(第1の所定期間)が経過していない状態にあり、特定の日時(第2の所定期間)にある旨判断されない限りは、第1の演出モードからの変更制御が許容されないのみならず、複数の演出モードのうちの一部の演出モード(第2の演出モード)は未だ出現されることなく隠匿されたままでの演出制御が行われることとなる。すなわちこの場合、当該パチンコ機1がホールに納品されてから月日が経過するにつれて、それまで隠されていた演出機能が徐々に露わになっていくこととなり、最終的には、露わになった演出機能を遊技者の操作によって選択的に用いることができるようになることから、長い月日にわたって遊技興趣の維持を図ることができるようになる。
一方、同図112(c)に示されるように、いま、第2の演出モードに設定されているときに、主制御MPU4100a側にて大当りと小当りとのいずれにも当選されないハズレ(純ハズレ)が得られたことに基づいて、図103に示した変動時間Ta3(ここでは、タイミングt0〜t1の時間と同じ時間に設定されているものとして説明する)をもった特別図柄にかかる変動が開始されたとすると(タイミングt0)、液晶表示装置1400においては、演出コマンド「03H」に対応付けされているハズレ時の表示演出a´の内容をもった非延長の表示演出パターンの動的表示と、装飾図柄の変動とをそれぞれ開始させる。
そして、こうして開始された表示演出a´の内容をもった非延長の表示演出パターン(演出コマンド「03H」)も、タイミングt1が到来するまでの変動時間Ta3において、例えば、このような装飾図柄を、ボーナスチャレンジ停止図柄が現れる停止表示態様をもって停止表示させるように適宜のキャラクタが奮闘するなどの内容をもった表示演出a´が現れる。ただし、特別図柄の変動が停止されるタイミングt1においては、適宜のキャラクタによる奮闘の甲斐なく、ボーナスチャレンジ停止図柄が所定の図柄ライン上に現れない停止表示態様をもって装飾図柄が確定停止されることとなる(チャレンジボーナス演出パターン)。これにより、当該演出コマンド「03H」に対応付けされている表示演出パターンが「演出内容a´をもった演出パターンのうちのハズレ演出パターン」として機能するようになる。
このように、演出コマンド「03H」のときの表示演出パターンについては、演出モードにかかわらず「非延長の表示演出パターン」とされている。したがって、同表示演出パターンは、第1の演出モードにあるときは、「延長演出パターン」が採用される大当り時の表示演出aの内容を持った演出パターン(演出コマンド「01H」)との間での演出時間にズレが生じることから、大当り時の表示演出aの内容を持った演出パターンに対してのハズレ時の演出パターンとして機能することはできず、表示演出aの内容が発展することなくその中途段階にて終了してしまう中途演出パターンとしてのみ機能することとなることは上述した通りである。
これに対し、第2の演出モードにあるときは、演出コマンド「01H」のときの大当り時の表示演出a´の内容を持った表示演出パターンが「非延長の表示演出パターン(チャレンジボーナス演出パターン)」として現れることから、同演出パターン(演出コマンド「01H」)との間での演出時間にズレが生じることがなく、大当り時の表示演出a´の内容を持った演出パターン(演出コマンド「01H」)に対してのハズレ時の演出パターン(ボーナスチャレンジ停止図柄が所定の図柄ライン上に現れない演出パターン)として機能することとなる。また上述の通り、第2の演出モードにあるときは、演出コマンド「02H」のときの小当り時の表示演出a´の内容を持った「非延長の表示演出パターン」も、当り時の演出パターン(ボーナスチャレンジ停止図柄が所定の図柄ライン上に現れる演出パターン)として現れることから、この演出パターン(演出コマンド「02H」)に対しても、ハズレ時の演出パターン(ボーナスチャレンジ停止図柄が所定の図柄ライン上に現れない演出パターン)として機能することとなる。
また一方、同図112(d)に示されるように、いま、第2の演出モードに設定されているときに、主制御MPU4100a側にて大当りと小当りとのいずれにも当選されないハズレ(純ハズレ)が得られたことに基づいて、図96に示した変動時間Ta4(ここでは、タイミングt0〜t3の時間と同じ時間に設定されているものとして説明する)をもった特別図柄にかかる変動が開始されたとすると(タイミングt0)、液晶表示装置1400においては、演出コマンド「04H」に対応付けされているハズレ時の表示演出c´の内容をもった非延長の表示演出パターンの動的表示が開始される。
すなわち、演出コマンド「04H」のときの表示演出パターンについては、上記演出コマンド「03H」のときの表示演出パターンが、第1の演出モードにあるときに、大当り時の表示演出aの内容を持った演出パターン(演出コマンド「01H」)に対してのハズレ時の演出パターンとして機能することができないことに鑑み、これ(第1の演出モードにあるときのハズレ時の演出パターン)を補填すべく用意されたものである。したがって、演出コマンド「04H」のときの表示演出パターンは、演出コマンド「03H」のときの表示演出パターンとは逆に、第2の演出モードにあるときに、「非延長の演出パターン」が採用される大当り時の表示演出a´の内容を持った演出パターン(演出コマンド「01H」)との間での演出時間にズレが生じることとなり、大当り時の表示演出a´の内容を持った演出パターンに対してのハズレ時の演出パターンとして機能することはできないものとなっている。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、図103に示した変動番号「9」のときの変動時間Tc1や、変動番号「10」のときの変動時間Tc2を、変動番号「4」のときの当該変動時間Ta4と同じ長さをもった変動時間として用意することとしている。すなわちこの場合、第2の演出モードにあるときは、演出コマンド「09H」のときの大当り時の表示演出c´の内容を持った後述の表示演出パターン(図106(a)参照)が「非延長の表示演出パターン」として現れることから、同演出パターン(演出コマンド「09H」)との間での演出時間にズレが生じることがなくなる。したがって、演出コマンド「04H」のときの表示演出パターンについては、第2の演出モードにあるときは、演出コマンド「04H」に対応付けされているハズレ時の表示演出c´の内容をもった非延長の表示演出パターンの動的表示として開始させるようにすることで、大当り時の表示演出c´の内容を持った演出パターン(演出コマンド「09H」)に対してのハズレ時の演出パターン(ボーナスチャレンジ停止図柄が所定の図柄ライン上に現れない演出パターン)として機能させるようにしている。
なお、こうして開始された表示演出c´の内容をもった非延長の表示演出パターン(演出コマンド「04H」)では、タイミングt3が到来するまでの変動時間Ta4において、例えば、このような装飾図柄を、ボーナスチャレンジ停止図柄が現れる停止表示態様をもって停止表示させるように適宜のキャラクタが奮闘するなどの内容をもった表示演出c´が現れる。ただし、特別図柄の変動が停止されるタイミングt3においては、適宜のキャラクタによる奮闘の甲斐なく、ボーナスチャレンジ停止図柄が所定の図柄ライン上に現れない停止表示態様をもって装飾図柄が確定停止されることとなる。
このように、演出コマンド「04H」のときの表示演出パターンについては、特定のハズレ変動時間Ta4が選択されているときに現れるものであるが、主制御MPU4100aからの演出コマンド(変動時間)が異なる2種類の演出内容a、c´の大当り表示演出パターンに対しての各ハズレ表示演出パターンとして機能しうるものとなっており、それら大当り表示演出パターンのいずれに対してのハズレ表示演出パターンとして機能するかについては、第1の演出モードと第2の演出モードとのいずれに設定されているかに基づいて選択的に設定されるようになっている。これにより、2つの大当り時の演出コマンド「01H」、「09H」については、第1の演出モードにあるときと、第2の演出モードにあるときとで、それら大当り時の演出コマンド「01H」、「09H」の大当り表示演出パターンに対して用意されるハズレ表示演出パターンの出現確率が変化しうるようになる。
より具体的には、演出コマンド「01H」の大当り演出パターンについては、第1の演出モードにおいては、ハズレ時の演出コマンド「04H」がそのハズレ演出パターンとして採用されるにもかかわらず、第2の演出モードにおいては、ハズレ時の演出コマンド「04H」がそのハズレ演出パターンとして採用されることはない。したがって、演出コマンド「01H」の大当り演出パターンについては、第1の演出モードよりも、第2の演出モードのときのほうが演出コマンド「04H」のハズレ演出パターンに対する出現確率が高くなるようになる。また、演出コマンド「09H」の大当り演出パターンについては、第1の演出モードにおいては、ハズレ時の演出コマンド「04H」がそのハズレ演出パターンとして採用されることはないにもかかわらず、第2の演出モードにおいては、ハズレ時の演出コマンド「04H」がそのハズレ演出パターンとして採用されるようになる。したがって、演出コマンド「09H」の大当り演出パターンについては、第2の演出モードよりも、第1の演出モードのときのほうが演出コマンド「04H」のハズレ演出パターンに対する出現確率が高くなるようになる。これにより、主制御MPU4100a側でのロジックを逐一変更しなくても、演出モードに応じて期待度の異なる多種多様の表示演出パターンを出現させることができるようになる(図114参照)。
なお、こうした特殊演出を実現することのできる理由としては、1つのハズレ変動時間Ta4に対し、その特別図柄の停止タイミングt3までを演出時間として用いることによって互いの演出の長さを調整した演出コマンド「09H」の大当り演出パターンと、当該ハズレ変動時間Ta4よりも短い変動時間Ta1でありながらも、少なくとも図柄停止後の第1の閉制御期間をも演出時間として加算して用いることによって互いの演出の長さを調整した演出コマンド「01H」の大当り演出パターン(第1の演出モード)とが用意されているからにほかならない。すなわち、こうして演出時間の調整された大当り演出パターンを用意することで、1つのハズレ変動時間Ta4に対し、変動時間Ta1、Tc1の異なる演出コマンド「01H」、「09H」の大当り演出パターンを対応付け可能とし、このハズレ変動時間Ta4が選択されたときは、周辺制御MPU4150a側にていずれの演出内容a、c´を出現させるかを決定することができるようになる。またさらに、演出時間として加算されるこのような第1の閉制御期間としても、大入賞口を開放させる当り(大当り、若しくは小当り)に当選されたときには、その種別にかかわらず一定の長さをもった時間(例えば、8秒)として設定されるようにしていることも、特に小当り時の演出パターンをも含ませてこうした特殊演出を実現する上で重要である。
図113は、主制御MPU4100a側から図103に示した演出コマンド「09H」〜「11H」のいずれかを受信したときに液晶表示装置1400にて現れる表示演出の一例を示すタイムチャートである。
同図113(a)に示されるように、いま、第1の演出モードに設定されているときに、主制御MPU4100a側にて大当りが当選されたことに基づいて、図103に示した変動時間Tc1をもった特別図柄にかかる変動が開始されたとすると(タイミングt0)、液晶表示装置1400においては、演出コマンド「09H」に対応付けされている大当り時の表示演出c(例えば、特定のミッションcを成功させることができるか(キャラクタCが敵を倒すことができるか)否かなど)の内容をもった延長演出パターンの動的表示が開始される。そして、こうして開始された表示演出cの内容をもった延長演出パターン(演出コマンド「09H」)は、変動時間Tc1の経過によって特別図柄の変動が停止されるタイミングt3が到来した状況にあっても、当該表示演出cを終了させることなく(特定のミッションcを成功も失敗もさせることなく)これを継続させる。
すなわち上述の通り、図103に示した変動番号「9」のときの変動時間Tc1は、変動番号「4」のときの当該変動時間Ta4と同じ長さをもった変動時間として用意されるものではあるものの、第1の演出モードに設定されているときは、このような「延長演出パターン」が採用されることから、同演出パターン(演出コマンド「04H」)との間での演出時間にズレが生じるものとなっている。したがって、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、第1の演出モードにあるときは、変動番号「4」のときの表示演出パターンとの間で演出的な関連性(大当り演出パターン、ハズレ演出パターン)は持たせられていない。
また、演出コマンド「09H」のときの延長演出パターンの動的表示に際しては、装飾図柄の変動も開始させている。ただし、この装飾図柄の変動については、特別図柄の変動が停止されるタイミングt3において延長時のハズレ停止態様をもって確定停止させるようにしている。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4150aでは、装飾図柄の確定停止に際しては、変動時間Tc1の時間内に当該装飾図柄を延長時のハズレ停止態様にて仮停止させるようにしている。そして、こうして装飾図柄が延長時のハズレ停止態様にて仮停止されているもとで、変動時間Tc1の経過によって同装飾図柄が確定停止されるまでの間に、液晶表示装置1400における表示演出cについてはこれが継続されるか否かについての継続期待演出(例えば、敵からの攻撃を受けて倒れているキャラクタCが立ち上がることができるか否かなど)を行うようにしている。
すなわちこの場合、図103に示したコマンド「11H」に対応付けされている後述の表示演出c(発展なし、ハズレ)が用意されていることで、タイミングt3を経過した時点においても当該表示演出cが継続されているときにはこれが「発展後の表示演出c(特定のミッションcを成功させるチャンスが残された演出)」として機能することとなる。したがって、この「発展後の表示演出c」が現れているときには、特別図柄の変動が停止された後の第1の閉制御期間にあるにもかかわらず、遊技者側からみれば、特別図柄が未だ変動されているものとして把握されうるようになる。また、液晶表示装置1400における装飾図柄についても、確定停止された後の状況にあるにもかかわらず、仮停止の状態が維持されているものとして把握されうるようになり、ひいては上述の延長時のハズレ停止態様が覆されるかたちで大当りに当選されていることが示されるチャンスが未だ残っているように見せることができるようになる。
ただしこの際、表示演出cの内容をもった延長演出パターン(演出コマンド「09H」)については、当該液晶表示装置1400のうちの大きな表示領域(表示領域の中央や全体)にて行うようにした上で、装飾図柄の変動表示については、こうした表示演出cに対して当該液晶表示装置1400のうちの小さな表示領域(表示領域の端部分などの注目され難い箇所)においてのみ行われるようにすることが、装飾図柄の動きに注目させることなく、表示演出cにおける特定のミッションcを成功させることができるか否かによって大当り抽選の結果を遊技者に把握させるようにする上でより望ましい。
すなわち、演出コマンド「09H」に対応付けされている表示演出c(大当り)の内容をもった延長演出パターンでは、特別図柄の変動が停止された後の第1の閉制御期間においては、実際のところは装飾図柄が確定停止されているにもかかわらず、仮停止時における継続期待演出に成功した(例えば、敵からの攻撃を受けて倒れているキャラクタCが立ち上がった)このような期待感が持たされているもとで、「発展後の表示演出c」が現れることとなる。この「発展後の表示演出c」では、主制御MPU4100a側の第1の閉制御期間の終了タイミングt4までの時間を利用して、例えばキャラクタCが再び敵に立ち向かう様子が映し出されるなど、特定のミッションcを成功させることができるか否かについての演出が行われる。
ただし後述するが、主制御MPU4100a側の第1の閉制御期間におけるこうした「発展後の表示演出c(特定のミッションcを成功させることができるか否かについての演出)」は、図103に示したコマンド「10H」に対応付けされている表示演出c(小当り)の内容をもった延長演出パターンにおいても行われる。そして上述の通り、第1の演出モードにあるときは小当りが搭載されているパチンコ機1であることを気付かれ難くするべく、表示演出c(小当り)においては、大当りの落選であることが示されてから比較的早く次変動(特別図柄の保留消化)に移行させるようにすることがより望ましい。
そこで、演出コマンド「09H」に対応付けされている表示演出c(大当り)の内容をもった延長演出パターンでは、第1の閉制御期間の終了タイミングt4が到来するまでの間には、特定のミッションcに成功した様子(キャラクタCが敵を倒す)は示されることなく、特定のミッションcを成功させることができるか否かについての演出(キャラクタCが敵に攻撃を仕掛けて、これが成功するか否かといった演出)が現れるようにしている。これにより、オープニング演出の終了タイミングt4以降に特定のミッションcに成功した様子が示されるかたちで大当り明示演出cが現れうるようになり、当該演出コマンド「09H」に対応付けされている表示演出パターンが「演出内容cをもった演出パターンのうちの当り演出パターン」として機能するようになる。
ただし上述の通り、大当り時の延長演出パターンにおいては、一定の長さをもった第1の閉制御期間が終了した後、こうした閉制御期間が延長されるかたちで不定の長さをもった第2の閉制御期間がさらに現れるようになっている。そして、当該第2の閉制御期間内において、大当り時の延長演出パターンにおける一部の演出内容(大当り明示演出c)と、大当り遊技前のオープニング演出(右打ち遊技を行うことによって大当り遊技を開始すべき旨を促す演出)とが行われうるようにしている。そして、これらの演出に対する各遊技者の理解スピードに合わせて操作ハンドル部410が適宜のタイミングにて操作された結果、有効ゲート6010nを遊技球が通過すると(タイミングty)、第2の閉制御期間が終了し、ひいては大当り遊技と大当り遊技中演出とが開始されるようになる。なお、大当り遊技中における演出の詳細については後述する。
また、これも図104(a)を参照しつつ上述した通りであるが、タイミングt4からタイミングtyまでの第2の閉制御期間は、操作ハンドル部410が操作されることに基づいて終了されるもの(不定の長さをもった期間)であることから、例えば、一定の長さをもった第1の閉制御期間が終了してすぐに操作ハンドル部410の操作によって有効ゲート6010nを遊技球が通過するように遊技した場合は、大当り明示演出cやオープニング演出などはその時点でカット、若しくはその演出自体をほぼ出現させることなく(演出飛ばし)、次の演出(大当り遊技中演出)に強制進行されることとなる。
これに対し、いま、第1の演出モードに設定されているときに、主制御MPU4100a側にて小当りが当選されたことに基づいて、図103に示した変動時間Tc2(ここでは、変動時間Tc1と同じ時間に設定されているものとして説明する)をもった特別図柄にかかる変動が開始されたとすると(タイミングt0)、液晶表示装置1400においては、演出コマンド「10H」に対応付けされている小当り時の表示演出c(例えば、特定のミッションcを成功させることができるか(キャラクタCが敵を倒すことができるか)否かなど)の内容をもった延長演出パターンの動的表示が開始される。そして、こうして開始された表示演出cの内容をもった延長演出パターン(演出コマンド「10H」)も、演出コマンド「09H」に対応付けされている延長演出パターン(図106(a)参照)のときと同様、変動時間Tc2の経過によって特別図柄の変動が停止されるタイミングt3が到来した状況にあっても、当該表示演出cを終了させることなく(特定のミッションcを成功も失敗もさせることなく)これを継続させる。
また、演出コマンド「10H」に対応付けされている表示演出c(小当り)の内容をもった延長演出パターンの動的表示に際しても、装飾図柄の変動は開始させている。また、この装飾図柄の変動について、特別図柄の変動が停止されるタイミングt3において延長時のハズレ停止態様をもって確定停止させる点も、演出コマンド「09H」に対応付けされている延長演出パターン(図106(a)参照)のときと同様である。なお、この延長時のハズレ停止態様が、大当りのときと小当りのときとで大当りの抽選結果が異なっているにもかかわらず、単一の表示態様が採用されており、その表示態様に区別はされていないことは上述した通りである。
またさらに、こうして装飾図柄が延長時のハズレ停止態様にて仮停止されているもとで、変動時間Tc2の経過によって同装飾図柄が確定停止されるまでの間に、液晶表示装置1400における表示演出cについてはこれが継続されるか否かについての継続期待演出(例えば、敵からの攻撃を受けて倒れているキャラクタCが立ち上がることができるか否かなど)を行うようにしている点についても、演出コマンド「09H」に対応付けされている延長演出パターン(図113(a)参照)のときと同様である。
すなわち、演出コマンド「10H」に対応付けされている表示演出c(小当り)の内容をもった延長演出パターンにおいても、特別図柄の変動が停止された後の第1の閉制御期間においては、実際のところは装飾図柄が確定停止されているにもかかわらず、仮停止時における継続期待演出に成功した(例えば、敵からの攻撃を受けて倒れているキャラクタCが立ち上がった)このような期待感が持たされているもとで、「発展後の表示演出c」が現れることとなる。そして、この「発展後の表示演出c」では、主制御MPU4100a側の第1の閉制御期間の終了タイミングt4までの時間を利用して、例えばキャラクタCが再び敵に立ち向かう様子が映し出されるなど、特定のミッションcを成功させることができるか否かについての演出が行われる。
またさらに、これも同様、第1の閉制御期間の終了タイミングt4が到来するまでの間には、特定のミッションcに成功した様子(キャラクタCが敵を倒す)は示されることなく、特定のミッションcを成功させることができるか否かについての演出(キャラクタCが敵に攻撃を仕掛けて、これが成功するか否かといった演出)が現れる。ただし、図111(b)を参照しつつ上述した通り、演出コマンド「10H」に対応付けされている表示演出c(小当り)の内容をもった延長演出パターンでは、一定の長さをもった第1の閉制御期間が終了した後、こうした閉制御期間が延長されるかたちで不定の長さをもった第2の閉制御期間がさらに現れることはない。したがって、第1の閉制御期間の終了タイミングt4以降、演出コマンド「10H」のときの小開放当り遊技(小当り遊技)における下大入賞口2003の開放にかかる制御の終了タイミングt5までの間、特定のミッションcに失敗した様子が示されるかたちでハズレ明示演出cが現れることとなる。これにより、当該演出コマンド「10H」に対応付けされている表示演出パターンが「演出内容cをもった演出パターンのうちのハズレ演出パターン」として機能するようになる。
このハズレ明示演出cでは、例えば、キャラクタCによる攻撃がかわされて敵が逃亡してしまうとともに、その後、キャラクタCが悔しがる様子を映し出すなど、ハズレ明示演出aとは異なる大当りの落選演出として行われる。
このような演出コマンド「09H」、「10H」に対応付けされている延長演出パターンによれば、特別図柄の始動タイミングt0から大入賞口の開放終了タイミングt5(若しくは、第2の閉制御期間内における大当り明示演出cが終了するタイミング)までの時間が、大当りの当落にかかる1つの演出として機能することとなることから、こうした演出に遊技者の注視先を向けることができるようになり、ハズレ明示演出cが行われているときにおける大入賞口の開放、ひいては小当りが搭載されているパチンコ機1であることを気付かせ難くすることができるようになる。
一方、同図113(c)に示されるように、いま、第1の演出モードに設定されているときに、主制御MPU4100a側にて大当りと小当りとのいずれにも当選されないハズレ(純ハズレ)が得られたことに基づいて、図103に示した変動時間Tc3(ここでは、タイミングt0〜t3の時間と同じ時間に設定されているものとして説明する)をもった特別図柄にかかる変動が開始されたとすると(タイミングt0)、液晶表示装置1400においては、演出コマンド「11H」に対応付けされているハズレ時の表示演出c(例えば、特定のミッションcを成功させることができるか(キャラクタCが敵を倒すことができるか)否かなど)の内容をもった非延長の表示演出パターンの動的表示が開始される。ただし、こうして開始される表示演出cの内容をもった表示演出パターン(演出コマンド「11H」)は、変動時間Tc3の経過によって特別図柄の変動が停止されるタイミングt3が到来した時点で、当該表示演出cを延長させることなく(特定のミッションcを失敗させるかたちで)これを終了させる。
より具体的には、演出コマンド「11H」に対応付けされているハズレ時の表示演出c(発展なし)の内容をもった表示演出パターンの動的表示に際しても、装飾図柄の変動は開始させる。また、この装飾図柄の変動においても、特別図柄の変動が停止されるタイミングt3において延長時のハズレ停止態様をもって確定停止させるにあたり、同装飾図柄を延長時のハズレ停止態様にて仮停止させるようにしている。
また、こうして装飾図柄が延長時のハズレ停止態様にて仮停止されているもとで、変動時間Tc3の経過によって同装飾図柄が確定停止されるまでの間に、液晶表示装置1400における表示演出cについてはこれが継続されるか否かについての継続期待演出(例えば、敵からの攻撃を受けて倒れているキャラクタCが立ち上がることができるか否かなど)を行うようにしている点についても、演出コマンド「09H」、「10H」に対応付けされている延長演出パターン(図113(a)、(b)参照)のときと同様である。
ただし、演出コマンド「11H」に対応付けされているハズレ時の表示演出c(発展なし)の内容をもった表示演出パターンにおいては、仮停止時における継続期待演出に失敗し(例えば、敵からの攻撃を受けて倒れているキャラクタCが立ち上がらなかった様子が示され)、特定のミッションに失敗したことが遊技者に把握されるようにしている。このような演出パターンを用意したことで、図113(a)、(b)に示されるタイミングt3以降も継続される演出パターンを、発展ありの演出パターンとして機能させることができるようになる。
なお、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4150aでは、演出コマンド「09H」、「10H」のときの表示演出パターンにおいても、タイミングt4が到来するまでの間には、特定のミッションcに成功したか否か(キャラクタCが敵を倒すか否か)は示されることがないようにしたが、タイミングt4の到来に先立って、特定のミッションcに成功したか否か(キャラクタCが敵を倒すか否か)が示されるようにしてもよい。すなわちこの場合、同結果表示が現れて以降、大当り明示演出若しくはハズレ明示演出が行われることとなるが、このような演出手法であっても、小当り時の表示演出cにおいては、小当り時の第1の閉制御期間の大部分が表示演出cに用いられることはもとより、その後に、キャラクタCが悔しがる様子を映し出すなど、大当りの落選演出が現れることで、大当りの落選演出が行われてから比較的早く次変動(特別図柄の保留消化)に移行させるようにすることはできる。
ところで、このような表示演出は、第1の演出モードにおいて、主制御MPU4100a側から図103に示した演出コマンド「09H」〜「11H」のいずれかが受信されたときに現れることは上述した通りである。そして、遊技者は、第1の演出モードにおけるこのような遊技性(演出性)を実現する上で特に必要とされていない小当りの存在を意識することなく、大当りの当選確率をもって大当りが当選されるか否かについての遊技を楽しむこととなる。
ただし、主制御MPU4100a側から図103に示した演出コマンド「09H」〜「11H」のいずれかが受信された場合であっても、第2の演出モードに設定されているときは、主制御MPU4100a側からの当該演出コマンド「09H」〜「11H」これ自体の内容はもとより、通常外部不利遊技状態であることに何らの変化も生じていないにもかかわらず、小当りの当選による大入賞口の開放を前提とした演出内容の表示演出パターンを一転して積極的に採用することで、第1の演出モードにあるときと比較して、大入賞口の開放による賞球獲得の機会頻度が大幅に増大されたかのような遊技性(演出性)を実現するようにしている。
すなわち、同図113(a)に示されるように、いま、第2の演出モードに設定されているときに、主制御MPU4100a側にて大当りが当選されたことに基づいて、図103に示した変動時間Tc1をもった特別図柄にかかる変動が開始されたとすると(タイミングt0)、液晶表示装置1400においては、演出コマンド「09H」に対応付けされている大当り時の表示演出c´の内容をもった非延長の表示演出パターンの動的表示と、装飾図柄の変動とをそれぞれ開始させる。
ただし、この第2の演出モードにおける表示演出c´は、第1の演出モードにおける表示演出cとはその内容が異なっており、例えば、特定のミッションc´を成功させることができるか(この実施の形態では、装飾図柄を、大入賞口の開放確定であることが把握可能となるボーナスチャレンジ停止図柄にて停止表示させることができるか)否かなどの内容をもった表示演出パターン(チャレンジボーナス演出パターン)として用意されている。したがって、装飾図柄の変動表示としても、当該液晶表示装置1400の表示領域の全体にわたって(少なくとも表示領域の中央部分など、注目され易い箇所において)行われるようにしている。このように、第2の演出モードにおいては、装飾図柄の動きに注目させ、ボーナスチャレンジ停止図柄が所定の図柄ライン上に現れる停止表示態様をもって装飾図柄を停止表示させることができるか否かによって大当り抽選の結果を遊技者に把握させるようにしている。
そして、演出コマンド「09H」のときの非延長の表示演出パターン(チャレンジボーナス演出パターン)では、タイミングt3が到来するまでの変動時間Tc1において、例えば、このような装飾図柄を、ボーナスチャレンジ停止図柄が現れる停止表示態様をもって停止表示させるように適宜のキャラクタが奮闘するなどの内容をもった表示演出c´が現れるとともに、特別図柄の変動が停止されるタイミングt3においては大入賞口の開放により賞球獲得の機会が付与されることが遊技者に把握可能とされるように、ボーナスチャレンジ停止図柄が所定の図柄ライン上に現れる停止表示態様をもって装飾図柄が確定停止されることとなる。これにより、当該演出コマンド「09H」に対応付けされている表示演出パターンが「演出内容c´をもった演出パターンのうちの当り演出パターン」として機能するようになる。
また、こうして装飾図柄がボーナスチャレンジ停止図柄が現れる停止表示態様をもって確定停止されたとき、液晶表示装置1400においては、第1の閉制御期間を利用し、大入賞口の開放によって遊技者が獲得可能とされる賞球数がどの程度のものであるかについてのチャレンジボーナス演出c´の開始前演出として、操作ハンドル部の操作タイミングが液晶表示装置1400におけるカウントダウン表示によって示されるカウントダウン演出c´を行うようにしている。
ここで、このカウントダウン演出c´とは、上述の通り、例えば、右打ち遊技によって有効ゲート6010nを狙うことを説明しつつ、例えば3〜5秒程度のカウントダウン表示が行われるものであり、このカウントダウン表示が「0」に変わったときに操作ハンドル部410が適切な操作量で操作されると、当該第1の閉制御期間が終了してすぐに有効ゲート6010nを遊技球が通過するようになる。ただし後述するが、このカウントダウン演出c´は、上述のカウントダウン演出a´とは期待度が異なっていることから、演出内容としてもこれを互いに異なるもの(例えば、背景色が異なるなど)として行うようにしている。
したがって、このようなカウントダウン演出c´によれば、同演出の指示通りに操作ハンドルが操作されたときには、図113(a)に示されるように、第1の閉制御期間の終了タイミングt4が到来してからすぐに有効ゲート6010nを遊技球が通過することによって第1の演出モードの場合よりも第2の閉制御期間の終了タイミングtyが早期に到来することとなる。これにより、遊技者が獲得可能とされる賞球数がどの程度のものであるかについてのチャレンジボーナス演出が、第1の閉制御期間の終了タイミングt4が到来してから比較的早期に開始されるようになり、当該演出において、いずれの開放態様(長開放当り遊技、中開放当り遊技、小開放当り遊技)をもって大入賞口が開放されるかなどが示されるようになる。すなわちこの場合、遊技者は、大当り遊技はもとより、小開放当り遊技(小当り遊技)のときにも大入賞口に対して遊技球を打ち出すこととなり、これによって第1の演出モードにあるときと比較して、大入賞口の開放による賞球獲得の機会頻度が大幅に増大されたかのような遊技性(演出性)が実現されるようになる。なお、大当り遊技中における演出の詳細については後述する。
ところで、これも図111(c)を参照しつつ上述したが、このような大当り時のチャレンジボーナス演出パターンにおいては、カウントダウン演出c´におけるカウントダウン表示が「0」に変わってからも長い時間にわたって操作ハンドル部410が操作されないような事態が生じることも想定される。すなわちこの場合、不定の長さをもった第2の閉制御期間が長い時間にわたって継続されることとなるが、この第2の閉制御期間においては、液晶表示装置1400にてカウントダウン表示が「0」のままで表示されるなど、新たな演出が出現されないようにしておくことが、このような事態を生じさせる遊技者の興味を薄らげる上でより望ましい。
ただし、チャレンジボーナス演出パターンが出現した状況にあって、このような演出進行が停滞される事態は、大当りに当選された場合に限られるものであり、後述の小当り時のチャレンジボーナス演出パターン(図111(d)、図113(b)参照)の場合には生じ得ないものとなっている。すなわちこの場合、何らの演出も新たに行われない演出停滞の状態(無演出状態)にありながら、小開放当たり遊技が行われる可能性が排除された分だけ、獲得可能とされる賞球量はもとより、遊技者に有利な遊技状態への移行期待度についてもこれが飛躍的に高められるようになる。
これに対し、同図113(b)に示されるように、いま、第2の演出モードに設定されているときに、主制御MPU4100a側にて小当りが当選されたことに基づいて、図103に示した変動時間Tc2(ここでは、タイミングt0〜t3の時間と同じ時間に設定されているものとして説明する)をもった特別図柄にかかる変動が開始されたとすると(タイミングt0)、液晶表示装置1400においては、演出コマンド「10H」に対応付けされている小当り時の表示演出c´の内容をもった非延長の表示演出パターンの動的表示と装飾図柄の変動と、をそれぞれ開始させる。
そして、こうして開始された表示演出c´の内容をもった非延長の表示演出パターン(演出コマンド「10H」)も、タイミングt3が到来するまでの変動時間Tc2において、例えば、このような装飾図柄を、ボーナスチャレンジ停止図柄が現れる停止表示態様をもって停止表示させるように適宜のキャラクタが奮闘するなどの内容をもった表示演出c´が現れるとともに、特別図柄の変動が停止されるタイミングt3においては、ボーナスチャレンジ停止図柄が所定の図柄ライン上に現れる停止表示態様をもって装飾図柄が確定停止されることとなる。これにより、当該演出コマンド「10H」に対応付けされている表示演出パターンが「演出内容c´をもった演出パターンのうちの当り演出パターン」として機能するようになる。
ただし上述の通り、小当りの当選時においては、特別図柄が停止されてから小開放当り遊技(小当り遊技)が開始されるまでの閉制御期間(オープニング期間)については、特別図柄が停止されてからインターバル演出タイマ(ここでは8秒)がタイムアップするまでの時間(一定の長さをもった第1の閉制御期間)のみからなっており、同タイマがタイムアップしたときには、有効ゲート6010nへの遊技球の通過の有無にかかわらず小開放当り遊技(小当り遊技)が開始されるようになっている(図100参照)。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4150aでは、演出コマンド「10H」のときの表示演出パターンの場合であっても、演出コマンド「09H」のときの表示演出パターンの場合と同様、装飾図柄がボーナスチャレンジ停止図柄の現れる停止表示態様をもって確定停止されたときは、第1の閉制御期間を利用し、大入賞口の開放によって遊技者が獲得可能とされる賞球数がどの程度のものであるかについてのチャレンジボーナス演出の開始前演出として、操作ハンドル部の操作タイミングが液晶表示装置1400におけるカウントダウン表示によって示されるカウントダウン演出c´を行うようにしている。
すなわち、第2の演出モードにあるときの表示演出パターンでは、大当りと小当りとについてはいずれも大入賞口を開放させる当りであるとして同様に扱っており、装飾図柄の変動が開始されるタイミングt0からチャレンジボーナス演出が行われるまでの演出内容では区別されておらず、同演出の指示通りに操作ハンドル部410が操作されたときには、カウントダウン演出c´から先行演出(図示略)を経てチャレンジボーナス演出へと繋がる、大当り時のチャレンジボーナス演出パターン(演出コマンド「09H」)のときと同じ一連の演出内容によってチャレンジボーナス演出が開始されることとなる。したがって、大入賞口の開放によって賞球獲得が可能とされる当りとして大当りはもとより、小当りもその1つの種類(当りの種別)として扱われることとなり、チャレンジボーナス演出においては、長開放当たり遊技と中開放当たり遊技はもとより、小開放当たり遊技を含めて、いずれの遊技態様が現れるかについての演出表示を行うことができるようになる。これにより、第1の演出モードにあるときと比較して、大入賞口の開放による賞球獲得の機会頻度が大幅に増大されたかのような遊技性(演出性)が実現されるようになる。なお、長開放当たり遊技、中開放当たり遊技、小開放当たり遊技のうち、小開放当たり遊技は比較的短い時間にて終了してしまうことに鑑み、大当りA〜E等と小当りとのうち、小当りが当選されているか否かについては、第1の閉制御期間内における演出において大当りの当選時には現れない特定画像を表示させることにより遊技者が把握可能とされるようにしてもよい。
このように、演出コマンド「10H」のときの表示演出パターンについては、1つの演出コマンドに基づく表示演出パターンでありながらも、小当りを賞球獲得の機会が付与されないノーチャンスのハズレとして扱われる第1の演出モード時の延長演出パターン、及び、小当たりを賞球獲得の機会が付与されるハイチャンスの当りとして(大当り時の演出パターン(演出コマンド「09H」)と同様に)扱われる第2の演出モード時の非延長の表示演出パターンのいずれかとして選択的に実行されるものである。すなわちこの場合、当落にかかる演出情報が周辺制御MPU4150a側にて適宜に逆転されることとなり、これによって主制御MPU4100a側でのロジックを逐一変更しなくても演出内容が大きく異なる多種多様の演出を実現させることができるようになる。
一方、同図113(c)に示されるように、いま、第2の演出モードに設定されているときに、主制御MPU4100a側にて大当りと小当りとのいずれにも当選されないハズレ(純ハズレ)が得られたことに基づいて、図103に示した変動時間Tc3(ここでは、タイミングt0〜t3の時間と同じ時間に設定されているものとして説明する)をもった特別図柄にかかる変動が開始されたとすると(タイミングt0)、液晶表示装置1400においては、演出コマンド「11H」に対応付けされているハズレ時の表示演出c´の内容をもった非延長の表示演出パターンの動的表示と、装飾図柄の変動とをそれぞれ開始させる。
そして、こうして開始された表示演出c´の内容をもった非延長の表示演出パターン(演出コマンド「11H」)も、タイミングt3が到来するまでの変動時間Tc3において、例えば、このような装飾図柄を、ボーナスチャレンジ停止図柄が現れる停止表示態様をもって停止表示させるように適宜のキャラクタが奮闘するなどの内容をもった表示演出c´が現れる。ただし、特別図柄の変動が停止されるタイミングt3においては、適宜のキャラクタによる奮闘の甲斐なく、ボーナスチャレンジ停止図柄が所定の図柄ライン上に現れない停止表示態様をもって装飾図柄が確定停止されることとなる(チャレンジボーナス演出パターン)。これにより、当該演出コマンド「11H」に対応付けされている表示演出パターンが「演出内容c´をもった演出パターンのうちのハズレ演出パターン」として機能するようになる。
このように、演出コマンド「11H」のときの表示演出パターンについては、演出モードにかかわらず「非延長の表示演出パターン」とされている。したがって、同表示演出パターンは、第1の演出モードにあるときは、「延長演出パターン」が採用される大当り時の表示演出cの内容を持った演出パターン(演出コマンド「09H」)との間での演出時間にズレが生じることから、大当り時の表示演出cの内容を持った演出パターンに対してのハズレ時の演出パターンとして機能することはできず、表示演出cの内容が発展することなくその中途段階にて終了してしまう中途演出パターンとしてのみ機能することとなることは上述した通りである。
これに対し、第2の演出モードにあるときは、演出コマンド「09H」のときの大当り時の表示演出c´の内容を持った表示演出パターンが「非延長の表示演出パターン」として現れることから、同演出パターン(演出コマンド「09H」)との間での演出時間にズレが生じることがなく、大当り時の表示演出c´の内容を持った演出パターン(演出コマンド「09H」)に対してのハズレ時の演出パターン(ボーナスチャレンジ停止図柄が所定の図柄ライン上に現れない演出パターン)として機能することとなる。また上述の通り、第2の演出モードにあるときは、演出コマンド「10H」のときの小当り時の表示演出c´の内容を持った「非延長の表示演出パターン」も、当り時の演出パターン(ボーナスチャレンジ停止図柄が所定の図柄ライン上に現れる演出パターン)として現れることから、この演出パターン(演出コマンド「10H」)に対しても、ハズレ時の演出パターン(ボーナスチャレンジ停止図柄が所定の図柄ライン上に現れない演出パターン)として機能することとなる。
このように、演出コマンド「09H」のときの表示演出パターンは、図112(a)に示した演出コマンド「01H」のときの表示演出パターンに相当しており、演出コマンド「10H」のときの表示演出パターンは、図112(b)に示した演出コマンド「02H」のときの表示演出パターンに相当しており、演出コマンド「11H」のときの表示演出パターンは、図112(c)に示した演出コマンド「03H」のときの表示演出パターンに相当しており、相当する演出パターンの間では、互いの演出内容こそ異なるものの、自身に宛がわれた演出シリーズ(演出内容aシリーズ、演出内容cシリーズ)に対しては互いにほぼ同様の役割を持った演出パターンとして機能するものとなっている。
ただし、演出内容cシリーズ(演出コマンド「09H」〜「11H」)においては、演出内容aシリーズ(演出コマンド「01H」〜「04H」)における演出コマンド「04H」に相当する表示演出パターンは用意されていない。すなわち、演出内容cシリーズにおいても、演出コマンド「04H」に相当する表示演出パターンを用意してしまうと、第1の演出パターンにおいては、演出コマンド「09H」のときの表示演出パターンに対してのハズレ表示演出パターンとしてこれを有効に機能させることができるものの、第2の演出パターンにおいては、演出コマンド「09H」のときの表示演出パターンに対してのハズレ表示演出パターンとして機能させることができないことから、比較的長い時間が持たせられているにもかかわらず、大当り図柄組み合わせが現れることのないハズレ専用の表示演出パターンとして存在することとなり、これによって遊技興趣が低下しかねないことを懸念したものである。
したがって、第1の演出モードにあるとき、演出コマンド「09H」のときの当り演出パターンに対しては、そのハズレ演出パターンとして、特定の条件が満たされないハズレ(純ハズレ)時の演出パターンが採用されることがなくなり、特定の条件が満たされたときの演出パターン(演出コマンド「10H」のときの表示演出パターン)のみが、当該ハズレ(純ハズレ)時の演出パターンに代わる唯一の存在として機能するようになる。すなわちこの場合、演出内容cシリーズ(演出コマンド「09H」〜「11H」)では、演出内容aシリーズ(演出コマンド「01H」〜「04H」)とは異なり、「発展後の表示演出c」が現れたときの大当り期待度を、大当りと小当りとの出現比率に制約された範囲内で設定せざるを得なくなる。しかしながら、演出内容cシリーズ(演出コマンド「09H」〜「11H」)の演出内容cについては、演出内容aシリーズ(演出コマンド「01H」〜「04H」)の演出内容aよりも長い時間が持たされており、その大当り期待度としても演出内容aよりも高い期待度の演出として実行されるものとなっている。したがって、「発展後の表示演出c」が現れたときの大当り期待度については、大当りと小当りとの出現比率に制約された範囲内であってもこれを要求されている後述の適正値として設定することは比較的容易となっている。
また、演出内容aシリーズ(演出コマンド「01H」〜「04H」)のうちの演出コマンド「04H」に対応付けされている表示演出パターンについては、第2の演出モードにあるときは、演出内容aシリーズの当り演出パターン(演出コマンド「01H」、「02H」)ではなく、演出内容cシリーズの当り演出パターン(演出コマンド「09H」、「10H」)に対してのハズレ演出パターンとして機能させることで、大当り図柄組み合わせが現れることのないハズレ専用の表示演出パターンとして存在してしまうことを回避するようにしていることは上述した通りである。したがって、演出内容cシリーズ(演出コマンド「09H」〜「11H」)では、第2の演出モードにあるときは、当り演出パターン(演出コマンド「09H」、「10H」)に対して用意されているハズレ演出パターン(演出コマンド「11H」)の比率よりも、演出コマンド「04H」の表示演出パターンの選択確率が加えられた分だけハズレ演出パターンがより高い確率をもって出現するようになっている。
また、詳細は割愛するが、図103に示した演出内容bシリーズの演出コマンド「05H」、「06H」、「07H」、「08H」にそれぞれ対応付けされている各表示演出パターンは、演出内容aシリーズの演出コマンド「01H」、「02H」、「03H」、「04H」にそれぞれ対応付けされている各表示演出パターン(図112(a)〜(d)参照)と同じ態様をもった表示演出パターンとして設定されている。またさらに、図103に示した演出内容dシリーズの演出コマンド「12H」、「13H」、「14H」にそれぞれ対応付けされている各表示演出パターンは、演出内容cシリーズの演出コマンド「09H」、「10H」、「11H」にそれぞれ対応付けされている各表示演出パターン(図113(a)〜(c)参照)と同じ態様をもった表示演出パターンとして設定されている。すなわち、図103に示した演出内容bシリーズの演出コマンド「05H」、「06H」、「07H」、「08H」にそれぞれ対応付けされている各表示演出パターンと、図103に示した演出内容dシリーズの演出コマンド「12H」、「13H」、「14H」にそれぞれ対応付けされている各表示演出パターンとの間での演出関係が、演出内容aシリーズの演出コマンド「01H」、「02H」、「03H」、「04H」にそれぞれ対応付けされている各表示演出パターン(図112(a)〜(d)参照)と、演出内容cシリーズの演出コマンド「09H」、「10H」、「11H」にそれぞれ対応付けされている各表示演出パターン(図113(a)〜(c)参照)との間での上述した演出関係となるように設定されている。
図113(a)は、第1の演出モードにあるときの大当り期待度などを各演出内容シリーズの別にそれぞれ示す表であり、図113(b)は、第2の演出モードにあるときのチャレンジボーナス突入期待度などを各演出内容シリーズの別にそれぞれ示す表である。なお、確率を示す数値については、小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までの数値として示していることから、各要素の確率合計値が100%とならない場合がある。
このような表示演出パターンにかかる設定態様によれば、第1の演出モードにおいて当り演出が現れる期待度である大当り期待度については、同図113(a)に示されるように、演出内容aの表示演出パターンが出現したときの大当り期待度は「0.5%」であり、演出内容bの表示演出パターンが出現したときの大当り期待度は「1.5%」であり、演出内容cの表示演出パターンが出現したときの大当り期待度は「13.7%」であり、演出内容dの表示演出パターンが出現したときの大当り期待度は「33.1%」である。なお、演出内容eの表示演出パターンが出現したときには大当り期待度が「100%」となることから、表中においてはこれを割愛している。この演出内容eの表示演出パターンでは、演出モードにかかわらず、大当りに当選されていることの確定演出が現れる。
また、第1の演出モードにあるときに出現しうる各表示演出パターンが発展した段階にあるときの大当り期待度(当り演出が現れる期待度)については、発展後の演出内容aが出現したときの大当り期待度が「1.3%」であり、発展後の演出内容bが出現したときの大当り期待度が「3.7%」であり、発展後の演出内容cが出現したときの大当り期待度が「25%」であり、発展後の演出内容dが出現したときの大当り期待度が「72.7%」である。
これに対し、第2の演出モードにおいて当り演出が現れる期待度であるチャレンジボーナス突入期待度については、同図113(b)に示されるように、演出内容a´の表示演出パターンが出現したときのチャレンジボーナス突入期待度は「7.9%」であり、演出内容b´の表示演出パターンが出現したときのチャレンジボーナス突入期待度は「11.8%」であり、演出内容c´の表示演出パターンが出現したときのチャレンジボーナス突入期待度は「15.4%」であり、演出内容d´の表示演出パターンが出現したときのチャレンジボーナス突入期待度は「10%」である。
すなわち上述の通り、演出内容a〜dのうちの演出内容a、bの各表示演出パターンに限っては、延長演出パターンとして設定されている大当り演出パターン(演出コマンド「01H」、演出コマンド「05H」)に対して当該第1の演出モードにあるときにしかハズレ演出パターンとして機能し得ない非延長の表示演出パターン(演出コマンド「04H」、演出コマンド「08H」)を用意することとしている。そしてこの上で、こうして用意された非延長の表示演出パターン(演出コマンド「04H」、演出コマンド「08H」)を、第2の演出モードにおいては、演出内容c´の当り演出パターン(演出コマンド「09H」、演出コマンド「10H」)と、演出内容d´の当り演出パターン(演出コマンド「12H」、演出コマンド「13H」)とに対する各ハズレ演出パターンとしてそれぞれ転用するようにした。
このような演出コマンド「04H」、「08H」に対応付けされた表示演出パターンによれば、第1の演出モードにあるときには、発展後の演出内容a、bを含めて、当り演出が現れる期待度(大当り期待度)は低くなるものの、演出内容a、bの各表示演出パターンの出現確率は(演出内容c、dの各表示演出パターンに対して)高められるようになり、これによって大当りに対する期待の持てない表示演出パターンばかりが繰り返し行われるようなことを回避させることができるようになる。またさらに、演出内容c、dの各表示演出パターンについては、発展後の演出内容c、dを含めて、出現確率は低くなるものの、演出内容c、dの各表示演出パターンにおいて当り演出が現れる期待度(大当り期待度)は(演出内容a、bの各表示演出パターンに対して)高められるようになり、これによって特定の表示演出パターン(演出内容c、d)が現れたときの遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
また逆に、このような演出コマンド「04H」、「08H」に対応付けされた表示演出パターンは、第2の演出モードにあるときには、演出内容c,dシリーズの表示演出パターンとして一転して用いられることによって、演出内容c,dシリーズの出現確率がその分だけ高められるようになる(出現確率に対する操作)。これにより、演出内容a〜dの間における出現確率や当り演出が現れる期待度の格差を第1の演出モードにあるときよりも縮小させることができるようになり、主制御MPU4100a側でのロジックを逐一変更しなくても演出内容が大きく異なる多種多様の演出を実現させることができるようになる。
しかも、第2の演出モードにあるとき、当り演出が現れる期待度(チャレンジボーナス突入期待度)についての演出内容間における格差については、演出コマンド「04H」、「08H」に対応付けされた表示演出パターンが演出内容c,dシリーズの表示演出パターンとして一転して用いられることのほか、大入賞口の開放によって賞球獲得が可能とされる当りとして大当りはもとより、小当りもその1つの種類として扱われることによってもさらに縮小させるようにしている(当り演出が現れる期待度の格差を縮小させる操作)。
このような第2の演出モードにあるときの演出態様によれば、演出内容a´〜d´の表示演出パターンは、演出内容a´〜d´の種類にかかわらずいずれも比較的出現し易くなる。また、賞球獲得の機会付与が確定されるチャレンジボーナス演出の突入確率(当り演出の実行確率)についても、第1の演出モードにあるときよりも均等化されることとなり(ここでは、演出内容a´〜d´の種類の間で±10%の範囲内)、上述の出現確率の格差が埋められたことも相まっていずれの演出内容a´〜d´が現れた場合であっても、遊技者は、賞球獲得の機会が付与されることを期待し易くなる。
この点、第2の演出モードにあるときは、チャレンジボーナス演出に突入(実行)したときの「大入賞口がいかなる態様(長開放当り遊技、中開放当り遊技、小開放当り遊技)をもって開放されるか」といった演出に特徴を持たせていることから、演出内容a´〜d´の表示演出パターンとしても、いずれかに偏って出現させる場合よりも、いずれも比較的出現し易くするほうが遊技興趣の低下を抑制する上でより望ましい。
すなわち、図113(b)に示されるように、この実施の形態にかかる演出内容a´〜d´の表示演出パターンでは、長、中開放当り遊技の出現確率については、演出内容a´が最も小さくなっており、演出内容b´、c´、d´の順に次第に大きくなっている。また、小開放当り遊技の出現確率については、演出内容a´が最も大きくなっており、演出内容b´、c´、d´の順に次第に小さくなっている。したがって、演出内容a´の表示演出パターンが現れた場合には、小開放当り遊技により大入賞口が開放される可能性は確かに高いものの、特典として少なくとも少量の賞球(本実施形態では、40〜50個程度)は獲得可能とされることが確定されているもとで、長開放当り遊技や中開放当り遊技により大入賞口が開放されることへの期待感のある色合いの演出として楽しむことができるようになる。また、演出内容d´の表示演出パターンが現れた場合には、長開放当り遊技や中開放当り遊技により大入賞口が開放される確率が、小開放当り遊技により大入賞口が開放される確率よりも高くなっていることから、特典として少なくとも少量の賞球は獲得可能とされることが確定されているというよりは、むしろ長開放当り遊技や中開放当り遊技により大入賞口が開放されるか否かといった色合いの演出として機能することとなる。そして、演出内容b´、c´の表示演出パターンは、こうした演出内容a´の表示演出パターンと、演出内容d´の表示演出パターンとの間くらいの色合いの演出としてそれぞれ機能することとなるが、演出内容b´の表示演出パターンのほうが、演出内容a´の表示演出パターンの演出の色合いが濃く、演出内容c´の表示演出パターンのほうが、演出内容d´の表示演出パターンの演出の色合いが濃くなっている。したがって、このような演出内容a´〜d´の表示演出パターンがいずれも比較的出現し易くなっていることで、遊技者は、様々な色合いの演出を楽しむことができるようになる。
またさらに、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、演出内容間における当り演出が現れる期待度の格差を第1の演出モードにあるときよりも縮小させる上述の操作については、当り演出が現れる期待度の大小関係が演出モードに応じて逆転されるかたちで行うこととしている。より具体的には、同106(a)、(b)に示されるように、第1の演出モードにあるときは、演出内容b、cの期待度がそれぞれ「1.5%」、「13.7%」であり、演出内容dの期待度「33.1%」よりも小さくなっているのに対し、第2の演出モードにあるときは、演出内容b´、c´の期待度がそれぞれ「11.8%」、「15.4%」であり、演出内容d´の期待度「10%」よりも大きくなっている。このような設定態様によっても、主制御MPU4100a側でのロジックを逐一変更しなくても演出内容が大きく異なる多種多様の演出を実現させることができるようになる。
ただし、演出内容d´の演出パターンが現れたときは、演出内容b´、c´の演出パターンが現れたときよりも当たり演出(チャレンジボーナス演出)が実行される期待度(確率)は確かに低いものの、チャレンジボーナス演出に突入しさえすれば、演出内容b´、c´の演出パターンのときよりも高い確率で長、中開放当り遊技により大入賞口が開放されるようになっており、多量の出玉を獲得し易いものになっている。したがって、演出内容b´、c´の演出パターンと、演出内容d´の演出パターンとについては、遊技者に応じて好みの分かれるところであり、表示演出パターンに応じてこうした様々な色合いが持たせられていることで、遊技興趣の低下が抑制されるようになる。
次に、通常外部不利遊技状態にあるときの大当り抽選の結果に基づいて、大入賞口の開放にかかる制御が行われているときに液晶表示装置1400にて現れる演出例について説明する。
図103、図112(a)及び図113(a)に示されるように、この実施の形態にかかるパチンコ機1によれば、第1の演出モードにおいては、大当りの種類に応じて演出内容が異なっていることがなく、且つその種類は示されることなく秘匿にされたままで大入賞口の開放にかかる制御(ここでは、大当り遊技にかかる制御)が開始されることとなる。したがって、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、第1の演出モードにおいては、大入賞口の開放にかかる制御が行われているときの期間を利用して、大当りの種類や当該期間が終了した後の遊技状態などが示されうる演出を行うこととなる。
一方、図103、図112(a)及び図113(a)に示されるように、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、第2の演出モードにおいては、下大入賞口2003を開放させる契機となる当りの種類に応じて演出内容が異なっていることがなく、且つその種類は示されることなく秘匿にされたままで大入賞口の開放にかかる制御(ここでは、大当り遊技、若しくは小当り遊技にかかる制御)が開始されることとなる。したがって、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、第2の演出モードにおいては、大入賞口の開放にかかる制御が行われているときの期間を利用して、当りの種類(大当り、小当り、大当りの種類)や当該期間が終了した後の遊技状態などが示されうる上述のチャレンジボーナス演出を行うこととなる。
すなわち、第2の演出モードにおける開放中演出(チャレンジボーナス演出)においては、まず、大入賞口がいかなる態様(長開放当り遊技、中開放当り遊技、小開放当り遊技)をもって開放されるかについての出玉量にかかる情報(ビッグボーナス、レギュラーボーナス、若しくはスモールボーナスなど)が示される演出を行うこととなる。そしてこの結果、長開放当り遊技により大入賞口が開放されていることが示されたときは(ビッグボーナス)、大当りAの当選に基づいて確変の期待が持てる有利遊技状態に制御されることが自ずと示されることとなる。また、小開放当り遊技により下大入賞口2003が開放されていることが示されたときは(スモールボーナス)、小当りの当選であり、遊技状態が変更されることはないことが自ずと示されることとなる。
なお、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、所定の潜伏演出状態を特定の回数(例えば、10回)の特別図柄が変動するまでの期間に限定して行うこととしている。例えば、同期間の終了時まで特定の敵キャラクタと遭遇しなかったときには、確変外部不利遊技状態にあることを示す一方で、同期間中に特定の敵キャラクタと遭遇したときには所定のバトル演出を行うようにしている。そして、このバトル演出にてキャラクタが勝利したときには、大当りに当選されていることを示すとともに、同キャラクタが敗北したときには、通常外部不利遊技状態にあることを示すことで、同期間の終了を待つことなく当該潜伏演出状態を終了させるようにしている。
このように、遅くとも特定の回数(例えば、10回)の特別図柄が変動するまでの期間が終了するまでの間には現在の遊技状態が示される潜伏演出手法によれば、遊技者としてはいずれの遊技状態にあるのかを純粋に楽しみやすくなり、時短機能が作動しないにもかかわらず長期にわたって遊技状態が秘匿にされることによる遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。
ところで、図112(a)を参照しつつ上述した例では、第1の演出モードにあるときの図103に示した演出コマンド「01H」には、表示演出aの内容をもった「延長演出パターン」のみが対応付けされているが、図115に示されるように、当該「延長演出パターン」のほか、表示演出aの内容をもった「非延長の表示演出パターン」も対応付けされているようにしてもよい。
すなわちこの場合、第1の演出モードにおいて、図103に示した演出コマンド「01H」が受信された場合、周辺制御MPU4150aは、表示演出aの内容をもった「延長演出パターン」と、表示演出aの内容をもった「非延長の表示演出パターン」とのいずれかを選択し、該選択した表示演出パターンの動的表示を液晶表示装置1400にて開始させることとなる。
ここで、表示演出aの内容をもった「延長演出パターン」と、表示演出aの内容をもった「非延長の表示演出パターン」との選択にかかる手法としては、例えば、(イ)乱数に基づく所定の演出抽選の結果に基づいて、表示演出aの内容をもった「延長演出パターン」と、表示演出aの内容をもった「非延長の表示演出パターン」とのいずれかを選択する手法や、(ロ)大当り抽選にて当選されている大当りの種別に基づいて、表示演出aの内容をもった「延長演出パターン」と、表示演出aの内容をもった「非延長の表示演出パターン」とのいずれかを選択する手法等々のほか、(イ)及び(ロ)を組み合わせた手法などを採用することができる。
そしてこのうち、(イ)の手法を採用する場合には、取得されうる乱数の値のうちのどれだけの値が「延長演出パターン」と「非延長の表示演出パターン」とにそれぞれ対応付けされるか、といった予め対応付けされている乱数値の比率によって、第1の演出モードにおいて、図103に示した演出コマンド「01H」が受信された場合における表示演出aの内容をもった「延長演出パターン」と、表示演出aの内容をもった「非延長の表示演出パターン」との各出現確率が定められることとなる。こうした出現確率の設定については、「非延長の表示演出パターン」よりも「延長演出パターン」のほうが現れたときのほうが、大当り期待度が高くなるようにしておくことが、当該表示演出パターンの最後まで演出を楽しませる上でより望ましい。
また、(ロ)の手法を採用する場合には、特定の当選種(例えば、大当りA)が当選されているとき、表示演出aの内容をもった「非延長の表示演出パターン」の動的表示を液晶表示装置1400にて開始させることとなる。このような演出手法によれば、タイミングt1においては少なくとも特定の当選種(例えば、大当りA)についての当落結果が示されるようになる。
例えば、特別図柄の停止タイミングt1において「非延長の表示演出パターン」による大当り図柄(大当りであることが明示される大当り明示演出)が現れたときには、遊技者にとって最も有利度の高い「大当りA」に当選されたことが把握可能となり、第1の閉制御期間においては、液晶表示装置1400にて「おめでとう!」などの遊技者を祝福するオープニング演出が行われるようになる。そして、例えば、第1の閉制御期間が終了し、第2の閉制御期間が開始されるタイミングt2において、右打ち遊技によって大当り遊技を開始させるべき旨の演出表示に切り替えるようにすれば、有効ゲート6010nを遊技球が通過するタイミングtxが延長時の表示演出パターンの場合よりも比較的早く到来し易くなり、この後の大当り遊技において、当該「大当りA」専用の大当り演出が行われることとなる。ただし、特別図柄の停止タイミングt1において「非延長の表示演出パターン」による当り演出(大当りであることが明示される大当り明示演出)が現れなかったときには、遊技者にとって最も有利度の高い「大当りA」には当選されていないことが逆に把握可能とされるようになる。そしてこの場合は、「延長演出パターン」による上述の継続期待演出を経て、大当り明示演出が現れたとき、それ以外のいずれかが当選されたことが把握可能とされることとなる。
また、(イ)及び(ロ)を組み合わせた手法を採用する場合には、大当りの種別毎に演出抽選テーブルを用意しておき、この演出抽選テーブルを参照しつつ、取得された乱数値に基づいて、表示演出aの内容をもった「延長演出パターン」と、表示演出aの内容をもった「非延長の表示演出パターン」とのいずれかを選択することとなる。すなわち、大当りの種別毎に演出抽選テーブルが用意されることで、各テーブルにおける「延長演出パターン」と「非延長の表示演出パターン」との選択率を異ならしめることができるようになる。これにより、例えば、「延長演出パターン」と「非延長の表示演出パターン」とのいずれで大当りに当選されていることが明示されるかによって、当選されている大当りの種別の期待度を異ならしめることができるようになるほか、「非延長の演出パターン」のほうが大当り期待度は低いものの大当りであることが明示されたときには最も有利度の高い「大当りA」である期待度は高くなっており、「延長演出パターン」のほうが大当り期待度は高いものの大当りであることが明示されたときには最も有利度の高い「大当りA」である期待度は低くなっている、といったような演出設定を行うことも可能となる。
なお、「延長演出パターン」と「非延長の表示演出パターン」との選択にかかる手法については、上述の演出コマンド「01H」の表示演出パターンのほか、図103に示した演出コマンド「05H」、「09H」、「12H」の各表示演出パターンについても同様に採用することはできる。ただし、演出コマンド「01H」、「05H」の表示演出パターンに採用した場合には、当り演出パターンとしての当該表示演出パターンに対し、演出コマンド「03H」、「07H」の表示演出パターンをハズレ演出パターンとして機能させることができるようになる。
また、図113(a)を参照しつつ上述した例では、第1の演出モードにあるときの図103に示した演出コマンド「02H」には、表示演出aの内容をもった「延長演出パターン」のみが対応付けされているが、図106に示されるように、当該「延長演出パターン」のほか、表示演出cの内容をもった「延長演出パターン」も対応付けされているようにしてもよい。
すなわち、こうして演出コマンド「02H」に対応付けされる「表示演出cの内容をもった延長演出パターン」では、特別図柄の停止タイミングt1を延長して表示演出が行われるものであるにもかかわらず、その演出内容としては、第1の演出モードにあるときの演出コマンド「11H」の表示演出パターン(図113(c)参照)でしかなく、大当り期待度がより高くなる発展後の表示演出が現れない演出内容とされることとなる。したがって、第1の演出モードにおいて、図103に示した演出コマンド「02H」が受信された場合、その一部を、このような発展後の表示演出が現れない演出内容に割り振るようにすることで、第1の演出モードにあるときの発展後の表示演出の出現確率を低く抑えたままで、小当りの当選確率をより高く設定することができるようになる。そしてこの場合、第2の演出モードにあるときは、小当りの当選確率がより高く設定された分だけチャレンジボーナス演出への突入確率(当り演出が現れる期待度)が高められるようになり、これによって下大入賞口2003の開放による賞球獲得の機会をより高い確率で付与することができるようになる。
なおこの場合、第1の演出モードにおいて、図103に示した演出コマンド「02H」が受信されたときには、周辺制御MPU4150aは、「表示演出aの内容をもった延長演出パターン」と、「表示演出cの内容をもった延長演出パターン」とのいずれかを選択し、該選択した表示演出パターンの動的表示を液晶表示装置1400にて開始させることとなる。また、「表示演出aの内容をもった延長演出パターン」と、「表示演出cの内容をもった延長演出パターン」との選択にかかる手法としては、例えば、乱数に基づく所定の演出抽選の結果に基づいて、「表示演出aの内容をもった延長演出パターン」と、「表示演出cの内容をもった延長演出パターン」とのいずれかを選択する手法を採用することができる。この手法を採用した場合、取得されうる乱数の値のうちのどれだけの値が「表示演出aの内容をもった延長演出パターン」と、「表示演出cの内容をもった延長演出パターン」とにそれぞれ対応付けされるか、といった予め対応付けされている乱数値の比率によって、第1の演出モードにおいて、図103に示した演出コマンド「02H」が受信された場合における「表示演出aの内容をもった延長演出パターン」と、「表示演出cの内容をもった延長演出パターン」との各出現確率が定められることとなる。
また、「表示演出aの内容をもった延長演出パターン」と、「表示演出cの内容をもった延長演出パターン」との選択にかかる手法については、上述の演出コマンド「02H」の表示演出パターンのほか、図103に示した演出コマンド「06H」の表示演出パターンについても同様に採用することはできる。この演出コマンド「06H」の表示演出パターンに採用した場合は、「表示演出bの内容をもった延長演出パターン」と、「表示演出dの内容をもった延長演出パターン」との選択を行うこととなる。
また、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、大当り確定用の図103に示した変動パターン(変動番号「15」、演出コマンド「15H」)を用意することとしたが、この変動パターンについては割愛してもよい。すなわちこの場合、第2の演出モードにおける大入賞口の開放に際しては、チャレンジボーナス演出パターンを必ず出現させることができるようになる。
ところで、大当りの際の遊技の処理パターンが、役物連続作動装置の開始を遊技球が有効ゲート6010nを通過することを契機としている形態(既述のチャレンジボーナスの場合)では、そもそも、小当たりが当選された場合に、遊技者に大当りではないことが容易に把握されてしまう問題がある。すなわち、条件装置の作動を伴う大当りの場合では、右打ちされた遊技球が遊技球誘導路ユニット6050に供給されて遊技球が有効ゲート6010nに導かれ、これを通過することによって、役物連続作動装置が有効化されて大入賞口が開放される。このように、条件装置の作動を伴う大当りでは役物連続作動装置の作動が遊技者のタイミングに委ねられているのに対して、条件装置の作動を伴わない小当りの場合には、遊技球が有効ゲート6010nを通過するか否かには関係なく、即ち、役物連続作動装置が作動しなくても、一定の長さをもった第1の閉制御期間経過後、大入賞口が開放されてしまう。したがって、液晶表示装置1400(上皿側液晶表示装置244)から右打ちを教示されても、遊技者が意図的あるか否かは別にして右打ちをしない遊技者、あるいは、遅れて右打ちをしようとしている遊技者には、抽選結果が大当りであるか、又は、小当たりであるかが容易に判別できてしまう。
そこで、この実施形態の遊技機1では、右打ちされた遊技球が有効ゲート6010nを通過する前に演出ゲート6011を通過させ、遊技球が有効ゲート6010nを通過するのに先駆けて先行演出(予告演出)が実行されるようにした。したがって、遊技者は抽選結果が大当りであるか小当たりであるかに拘わらず先行演出に期待して、液晶表示装置の教示に基づいて直ちに右打ちを行い、遊技状態が小当たりであっても第1の閉制御期間内に遊技球は有効ゲート6010nを通過するようになる。この結果、抽選結果が小当たりの場合でも、右打ちされた遊技球が有効ゲート6010nを通過したのち大入賞口が開放(短期間開放)されるようになるため、遊技者には抽選結果が大当りであるか、又は、小当たりであるかが、俄かには判別し難いようになる。
本実施形態の遊技機では、遊技領域5aの右側に遊技球誘導路ユニット6050を設けて、右打ちされた全ての遊技球が遊技球誘導路ユニット6050に供給されるようにしている。遊技球誘導路ユニット6050の入口端は遊技領域5aの右上で開口しているため、右打ちされて遊技領域5aの右側に到達した遊技球は即遊技球誘導路ユニット6050に進入することになる。その後、遊技球が遊技球誘導路ユニット6050の開口部直下の演出ゲート6011を通過した後、必ず、有効ゲート6010nを通過する。したがって、遊技球が演出ゲート6011を通過した段階では遊技球が有効ゲート6010nを通過していないものの、遊技球が有効ゲートを通過する事に対する先駆けの演出が遊技機によって行われてもよいことになる。
既述のとおり遊技球の落下速度は、遊技球誘導路ユニットで緩和されるため、遊技球は所定時間を費やして遊技球誘導路ユニット6050内を通過して遊技球誘導路ユニット下部の有効ゲート6010nに至る。このように、遊技機は、遊技球が演出ゲート6011を通過してから有効ゲート6010nを通過するまでに遊技球が自由落下する場合に比較して時間を稼ぐことができるために、この稼いだ時間を利用して遊技球が演出ゲート6011を通過した際に発生される先行演出、示唆演出、予告選出等の各種の演出処理のための処理時間を十分に長くとって、演出の品質を向上することができる。
既述の遊技機は、液晶表示装置1400の前面を左右に夫々移動可能な一対の導光板1400Aを備えている。図117は、導光板1400Aを備える遊技盤を前方から俯瞰した斜視図であり、図118はこの遊技盤の正面図ある。
次に、導光板について説明する。液晶表示部1400(視認領域)の前面で、可動役物の可動領域の前面又はその後面には、矩形状の導光板1400Aが設けられている(図117、図118参照)。導光板1400Aは、透明アクリル、透明ガラスなどの透光性の板であり、遊技者は導光板を介して液晶表示部1400の視認領域に表示される装飾図柄や表示演出を認識できようになっている。導光板の平面部(表面)には、文字や図柄あるいは模様などの表示情報を記録するドットパターン(凹凸部)が形成されている。したがって、導光板の正面、背面以外の側方の端面に光源からの投射光(出射光、照射光)を導光板内に入光させるようにするとドットパターンに応じて光が導光板の前面側に屈折して表示情報が表出される。
ドットパターンは、導光板に対する出射光の方向に応じて夫々異なる複数の態様の表示情報を表出可能に構成される。例えば、導光板の側端面に向けて光源から射出された光と、導光板の下端面に向けて光源から射出された光とでは導光板に対する方向や角度が互いに異なり、夫々異なる画像を導光板に表出可能である(特開2006-75362号参照)。光源として、例えば、フルカラーLED等の発光素子を利用することができる。
次に、導光板を移動させるための駆動機構ついて詳しく説明する。導光板の駆動機構は、図119から122に示すように、液晶表示パネル1400−1の前面で左右に移動可能な一対の透明導光板1400A-1、1400A−2と、これら導光板に対する駆動装置10000と、導光板に対するガイド装置10002とを備えて構成されている。図119は左右一対の導光板が液晶表示パネルの左右の両側で互いに最も離間した状態の斜視図である。図120は、左右一対の導光板が液晶表示パネルの中央に向かって移動し始めた状態の斜視図である。図121は、左右一対の導光板が液晶表示パネルの中央に向かってさらに移動する状態の斜視図である。図122は、左右一対の導光板が液晶表示パネルの中央に向かってさらに移動して互いに最も接近した状態の斜視図である。図119から図122において、矢印は左右の導光板1400A-1、1400A−2の移動方向を示す。
既述のガイド機構10002は全体が「コ」の字型からなり、導光板1400A−1,1400A−2の側面に臨む左右の垂直部10004と、導光板の下面に臨む水平部10006を備えている。垂直部10004及び水平部10006とも、その導光板側内面が導光板の端面部分を導光板の移動を可能にしながら収容できるように断面が矩形状に形成されている。
図119に示すように、左右の導光板1400A−1,1400A−2が互いに最も離間した状態(第1の状態)では、左右の導光板の夫々は、ガイド装置10002の垂直部10004にその一部が収容されている。図124に示すように、ガイド装置10002の垂直部10004は導光板の側端面に近接しながら臨む第1の光源装置10100を備えている。図123は垂直部10004の内面を表す斜視図と、その一部拡大図であり、図124は、垂直部10004と第1の光源装置10100の組み立て斜視図である。第1の光源装置10100は、列状に並んだ複数の発光素子10010を有すると共に、複数の発光素子の配列長は導光板の側端面の長さ以上になっており、複数の発光素子からの投射光は導光板の側端面の全長に亘って導光板内に供給されるようになっている。垂直部10004の内面には導光板と液晶パネル1400−1とを仕切る仕切り壁10016が長さ方向に延設されているとともに、仕切り壁に隣接する内面10014に液晶パネル1400−1の側端が当接して支持されるようになっている。なお、液晶パネル1400-1は、導光板1400A−1,1400A−2とは別体に組みつけられてもよい。導光板1400A−1,1400A−2と液晶パネルとは所定の隙間を介して配置されている。
符号10012は複数の発光素子に対するコネクタである。発光素子の配列長が導光板のサイズ以上であることによって、導光板と光源装置のとの位置合わせが正しく行われないことがあっても、光源装置から導光板に表出されるべき全画像に光が行き亘るように、導光板の端面に対して光が投射されるようになっている。
図125に示すように、ガイド装置10002の水平部10006は、左右の導光板1400A−1,1400A−2の左右方向の移動をガイドする。液晶表示パネルの中央領域で左右の導光板が互いに最も接近した状態(図122:第2の状態)において、水平部10006の内面には、左右の導光板の下端面に近接しながら均等に臨むように第2の光源装置10200が設けられている(図125)。図125は、第2の光源装置10200と水平部10006との組立分解斜視図である。第2の光源装置10200も、列状に並んだ複数の発光素子10010を有し、複数の発光素子の配列長は左右の導光板の下端面の合計長さ以上になっている。水平部10006は、左右の導光板1400A−1、1400A−2の下端面が摺動自在に収容される凹部10104を備えている。液晶パネル1400−1を固定するための第2の凹部を備えていてもよい。以上説明したガイド装置は遊技盤5に固定されている。
図123において、符号10017は、導光板1400A−1,1400A−2の互いに離間する方向への移動を規制するストッパである。このストッパ10017は、互いに向き合う一対の凸条体から構成されており、左右の導光板1400A−1,1400A−2の側端面がこれに向き合う光学素子10010に接触しないように、左右の導光板が互いに最も離れている状態でも導光板と導光板の側端面に向き合う複数の発光素子との位置関係を適正に保つことができる。
次に、左右の導光板に対する駆動装置10000について説明する。図126は、液晶表示領域側から見た、駆動装置10000及び左導光板1400A−1の組立分解斜視図である。図127、図128は、左右の導光板1400A−1、1400A−2と、駆動装置10000と、ガイド装置10002とを背面から見た斜視図であり、図128は晶パネル1400−1の図示を省略している。
駆動装置10000は、第1の状態(図119)における導光板の位置(第1の位置)と、第2の状態(図122)における導光板の位置(第2の位置)との間で、一対の導光板1400A−1、1400A−2とを同時にあるいは別個に移動させる。左右の導光板の夫々の上端面に沿うように、フランジ10201が導光板の上端面から液晶表示部に向かって直角に延設されている。フランジの上面には、導光板の幅方向に沿ってラック10202が形成されている。
導光板の上方には、左右一対のステッピングモータ10204,10206を固定するためのベースプレート10208が設けられている。夫々のモータの先端にはピニオン10210が固定され(図126)、ピニオン10210はベースプレートの矩形開放部10212を介して導光板のラック10202に噛合可能に構成されている。左モータ10204のピニオンは左導光板1400A−1のラック10202に接続し、右モータ10206のピニオンは右導光板1400A−2のラック10202に接続している。したがって、周辺制御基板4140は、左右一対のモータによって左右の導光板を同時あるいは別々に液晶視認領域の前面で左右に移動できるようになっている。
図119に示すように、左右の導光板1400A−1、1400A−2が第1の位置にあるときには、左右の導光板は最も離れて、液晶表示領域の中心領域10050は導光板によって遮られることなく表示情報が直接遊技者に到達する。導光板は透明であるため導光板を経ても液晶表示情報は視認可能であるものの、導光板に形成されたドットパターンによって液晶表示情報が不鮮明になる虞はある。左右の導光板が第1の位置にあるときには、左右の導光板の液晶表示領域の中央寄り略半分は液晶表示領域の前面に位置しているため、当該略半分に表出された情報10040,10042(女の子の画像)は遊技者に視認可能である。左右の導光板夫々の残りの略半分は、例えば、センター役物の背部に位置している。一方、図122に示すように、左右の導光板が第2の位置にあるときには、左右の導光板が、液晶表示領域の前面で互いに最も接近した状態で液晶表示領域のほぼ全面を覆うようになっている。
第1の光源装置10100の発光素子10010(図123参照)から出射された光は導光板の側端面から導光板の幅方向(左右方向)に沿って導光板内に進入する。導光板内に侵入した光はドットパターンによって正面側(遊技者側)に回折して、図119に示すように、左導光板1400A−1には、所定の表示情報としての女の子Aの小画像(第1の情報)10040が遊技者に視認可能に表出され、右導光板1400A−2には表示情報としての女の子Bの小画像(第1の情報)10042が遊技者に視認可能に表出される。
第2の光源装置10200の発光素子10010(図125参照)から出射された光は導光板の下端面から導光板内に進入して導光板に形成されたドットパターンに基づいて正面側(遊技者側)に回折する。図122に示すように、左導光板1400A−1には所定の表示情報としての女の子Bの左半分の大画像10060(第2の情報)が遊技者に視認可能に表出される。右導光板1400A−2には所定の表示情報としての女の子Bの右半分の大画像10062(第2の情報)が遊技者に視認可能に表出される。左右一対の導光板夫々の第2情報が組み合わされる(合体される)ことによって女の子A全体の大画像10064が遊技者に表示される。
周辺制御基板4140は、モータ駆動回路を介して左右一対のモータ10204,10206(図119参照)の夫々の特性(回転方向、回転速度)を制御する。さらに、周辺制御基板4140は、左右の導光板の夫々の位置を、所定のセンサあるいはステッピングモータの回転量に基づいて求めることができる。周辺制御基板4140は、また、発光駆動回路を介して、第1の光源装置10100と第2の光源装置10200の夫々の発光素子10010の発光・消光の制御、発光色の制御、発光強度の制御等を左右の導光板夫々の状態(導光板の停止、導光板の移動、導光板の位置等)に基づいて制御することができる。
周辺制御基板4140は、遊技の結果、例えば、特別図柄に基づく抽選結果を含む主制御基板4100からのコマンドに基づいて、導光板を利用した導光演出の要否を抽選等によって決定し、導光演出の「要」を決定すると、導光板の演出の態様を導光演出パターンテーブルの中から抽選によって決定、選択、設定等する。周辺制御基板4140は、主制御基板4100からの演出コマンドに基づいて特別図柄の変動時間の情報を判定し、特別図柄の変動時間に基づいて装飾図柄の変動時間を決定する。周辺制御基板4140は、装飾図柄の変動開始後変動時間内で導光演出を実行する。導光演出とは、光源装置における発光素子の発光から消灯・導光板の移動開始から移動終了までの一連の演出を包含する。
導光板の演出の態様には、左右の導光板の夫々について、第1の位置と第2の位置のどちらをとるのかということと、第1の光源装置に依る発光、及び/又は、第2の光源装置に依る発光とに基づいて、複数のパターンがある。
例えば、
(第1の演出パターン)左右の導光板とも第1の位置にあり、共に第1の光源装置を点灯する、
(第2の演出パターン)左の導光板が第1の位置から第2の位置に移動し、右の導光板が第1の位置で、左の導光板部分で第2の光源装置を点灯し、右導光板の第1の光源装置を点灯する、
(第3の演出パターン)右の導光板が第2の位置に移動し、左の導光板が第1の位置で、右の導光板の部分で第2の光源装置を点灯し、左導光板の第1の光源を点灯する、
(第4の演出パターン)左右の導光板が第1の位置で両導光板に対する第1の光源装置を点灯し、左右の導光板が第2の位置に移動して第2の光源装置を点灯させる等、
複数のパターンがある。
導光演出のパターンの違いに応じて、大当りに対する期待度が変わるようにすることもできる。例えば、周辺制御基板4140は、第4の演出パターンを、大当りに対する期待度が最も高い前兆演出として、導光演出パターンテーブルから選択するようにしてもよい。周辺制御基板4140は、導光演出を発光装飾処理(図105のS1400)として実行する。
次に、第4の演出パターンを具体的に説明する。図129は、第4の演出パターンの制御のためのタイミングチャートである。t0−t1の間、左右の導光板1400A−1,1400A−2は、共に第1の位置に存在する。t1のタイミングで、第1の光源装置10100の発光素子10010が発光し、t2のタイミングで、左右の導光板1400A−1,1400A−2が移動を開始するとともに、第2の光源装置10200の発光素子10010が発光する。t2―t1の期間では、左右の導光板の夫々の液晶表示領域中心側の略半分が視認領域にあり、左右の導光板の夫々の側端面に第1の光源装置からの出射光が進入して、図119に示すように、第1の画像としての女の子Aの小画像10040が左導光板1400A−1の液晶表示部の中心側の半分に表示され、同様に、第1の画像としての女の子Bの小画像10042が右導光板1400A−2の液晶表示部の中心側半分に表示される。
左右の導光板が第1の位置(図119)から第2の位置に移動し始めると(図120)、導光板の側端面への第1の光源装置からの入光量が漸減するため、t3の時点で第1の光源装置からの光投射がオフされるまで、第1の画像10040,10042の表示強度が漸減する。一方、t2の時点から左右の導光板が第1の位置から第2の位置に向けて移動し始めると共に、第2の光源装置からの光出射がオンされるため、t2の時点から左右の導光板の移動に合わせて下端面から導光板内へ入光量が漸増して導光板に形成される第2の画像10060,10062の表示強度が漸増する。t2の時点からt3の時点迄は、第1の画像の表示強度が漸減しつつ第2の画像の表示強度が漸増し、t3の時点で第1の光源装置からの光投射がオフされて第1の画像の表出が消失する(図121)。図120に示すように、この間、表示強度が漸減する第1の画像10040,10042と表示強度が漸増する第2の画像10060、10062との融合画像が表出される。周辺制御基板4140は、第1の光源装置からの発光強度、発光色等と、第2光源装置からの発光強度、発光色等を適宜調整することによって、遊技者に対して融合画像が明瞭に視認できるようにすることができる。また、第1の光源装置からの発光と第2光源装置からの発光とを短い間隔で切り替えることにより、遊技者が融合画像を明瞭に視認可能にすることができる。またさらに、第1の光源装置からの発光色と、第2光源装置からの発光色を適宜調整することによって、両方の光が合成された後での融合画像の発光色を変えることができる。
t3の時点からt4の時点で第2の画像の表示強度がさらに漸増してt4の時点(左右の導光板が第2の位置に到達)で第2の画像の表示強度が相対的に最大となると同時に、第2の画像10060と第2画像10062とによって女の子Bの全体画像16064が完成される(図122)。t4の時点からt5の時点までは左右の導光板は第2の位置に留まっているために、女の子Bの全体画像の表示が継続され、t5の時点で第2の光源装置からの光投射がオフされて第2の画像が消失する。t5の時点から左右の導光板は第2の位置から第1の位置に復帰する。
周辺制御基板4140が左右の導光板を移動させることによって、光源装置からの導光板への投射方向を変化させ、これ基づいて、導光板の前面側に表出される情報を変化させることができる。そして、表出される情報の強度は導光板の移動に基づいて漸減或いは漸増する。導光板の移動前では導光板に光の第1の出射方向に基づく第1の画像が表出され、導光板が移動し始めると、第1の画像と光の第2の出射方向に基づく第2の画像との融合画像が表出され、導光板の移動後では第2の画像が表出される。この結果、従前のように固定された導光板に変化がない固定された画像を表出させるか、あるいは、表出させないかといった単調な導光板の演出とは異なり導光演出が多彩になり、遊技に対する興趣感が向上される。
既述の導光演出では、導光板の移動に合わせて光源装置からの発光を制御することを説明したが、導光板の移動に同期させることなく光源装置の発光制御を行うこともできる。例えば、左右の導光板が第1の位置にあるときに、遊技者に分かるように、第2の光源装置から発光させることによって、左右の導光板が実際には第2の位置に移動しなくても左右の導光板が第2の位置に移動することに期待を持たせる予兆演出が可能となる。
既述の実施形態では左右1対の導光板を液晶表示領域に対して左右に移動させることを説明したが、導光板を液晶表示領域に対して前後に移動させることも可能である。図130は一つの矩形状導光板1400Aを、液晶表示領域の前面で前後に移動させるためのガイド装置10200に、導光板1400Aが前後方向に移動可能に装着されている状態を示す斜視図である。ガイド装置10104は、前後方向に移動する導光板1400Aの一つの側端面と下端面とを保持可能に全体L型に形成されていて、導光板1400Aを後述の第1の位置、第2の位置、そして、第3の位置の夫々で保持することができるように構成されている。
第1の位置では、導光板の下端面に対するガイド装置の水平部10006の内面10300に、第1の光源装置として、導光板1400Aの左右の幅方向に沿って列状に配列された複数の発光素子10010が配置され、第2の位置では、導光板の側端面に対するガイド装置の垂直部10004の内面10302に、第2の光源装置として、導光板の上下の方向に沿って列状に配列された複数の発光素子10010Aが配置されている。そして、第3の位置では、導光板の端面に対するガイド装置の内面には光源装置は配置されていない。図130は導光板1400Aが第3の位置で外装装置10200に支持されている状態を示している。したがって、周辺制御基板4140が導光板1400Aを、導光板1400Aの前後スライド機構によって、第1の位置、第2の位置、そして、第3の位置に前後方向に移動させることによって、導光板を利用した光演出が可能になる。前後動スライド機構としては、後述のベルト機構、或いはボールねじ、リニアガイドを適用することができる。
図131に示すように、第1位置では導光板1400Aの下端面から導光板の高さ方向に光が入光されて第1の画像である女の子B10500が導光板に表出され、図132に示すように、第2位置では導光板の側端面から導光板の左右方向に出射光が入光されて第2の画像である女の子A10502が導光板に表出される。図130に示すように、第3の位置では、どの方向からの出射光が導光板内に入光されないために、導光板には画像は表出されない。
図133に示すように、第1の位置と第2の位置との間を導光板が移動する過程では、導光板への入光方向が徐々に、あるいは、連続的に変化されながら、導光板に第1の光源装置と第2の光源装置とから同時に光が入光され得るため、第1の画像と第2の画像との融合画像10504が表出され、導光板が第1の位置から第2の位置に移動する過程で、第1の画像が融合画像を経て第2の画像に変化し、導光板が第2の位置から第1の位置に移動する過程で、第2の画像が融合画像を経て第1の画像に変化する。導光板が第1の位置と第2の位置との間にある場合では、第1の光源装置と第2の光源装置のどちらからの入光量が多いかによって融合画像における第1の画像と第2の画像との強度のバランスが変わってくる。この実施形態によって、導光板の移動によって、導光板に対する射出光の方向を変化させることで導光板の前面側に表出される画像を変えることができる。
なお、この実施形態では、導光板1400A−1,1400A−2に対して第1の光源装置15100と第2の光源装置10200からの光以外の投射を極力防止するため、導光板1400A−1,1400A−2の側端面のうち第1の光源装置15100と第2の光源装置15200のいずれからも光投射が予定されていない部位(たとえば、左右の導光板1400A−1,1400A−2のうちの対向する側面部位)について、光が入光されないような入光防止手段(例えば入光を遮断するメッキ蒸着や、非透光性のシールを貼る等)を設けている。これにより意図しないタイミングで導光板に画像が表出されることを防止できるため、遊技者に違和感を与えることを防止できる。また、導光板に表出される表示情報(画像)は、上述したようなキャラクタを模した絵柄に限らず、文字等のメッセージや模様等であってもよい。さらにまた、導光板の駆動態様は、上述した左右方向への移動や前後方向への移動に限らず、他の移動態様であってもよい。例えば、上下方向への移動や、回転移動等を例示でき、移動前後で光が投射される端面(導光板の)を変えることができる形態のものであれば、どのような移動態様であってもよい。
次に、導光板を用いた演出の他の実施形態について説明する。既述の実施形態では、導光板を可動にして光源装置を固定としたが、以下に説明する実施形態は、導光板を固定として光源装置を可動にしたものである。図134は、液晶パネル1400-1の前面にある、固定された導光板1400Aに対して、後述のとおり、光源装置15002,15012を導光板の周囲で動作可能にした演出装置を備えた遊技盤の斜視図である。後述のとおり、光源装置15002,15012は装飾体内にあって、遊技者から違和感なく視認できるようになっている。
図135は、この実施形態に係る導光板1400Aと液晶パネル1400−1と光源装置10004等との配置に係る正面図である。導光板1400Aは液晶パネル1400−1の前面を覆うことが出来る大きさの矩形状に形成されている。第1の固定光源装置10004は、導光板1400Aの左側端面に光を投射可能となるように導光板1400Aの左方に固定的に位置しており、導光板の左側端面の全長に亘って光を導光板内にその幅方向に投射する複数の光学素子10010を備えている。第2の固定光源装置1006は、導光板の下側端面に光を投射可能となるように導光板1400Aの下方に固定的に位置しており、導光板の下側端面の全長に亘って光を導光板内にその高さ方向に投射する複数の光学素子10011を備えている。第1の固定光源装置10004と第2の固定光源装置10006の構成は既述の光源装置と同様であればよい。
さらに、第1の移動(可能)光源装置15002が導光板の上側端面を導光板の左右方向に進退可能に設けられ、第2の移動(可能)光源装置15004が導光板の右側端面を導光板の上下方向に進退可能に設けられている。第1の移動光源装置は、導光板の上側端面の幅より小さい幅を持つヘッド15002と、当該ヘッドの左右方向の移動を案内する直動機構15000とを備えている。ヘッド15002は、導光板の上側端面に近接して臨み、直動機構15000によって上側端面に沿って往復動可能になっている。ヘッド15002の内面には導光板の上側端面に近接して臨む複数の発光素子15004がヘッドの移動方向に沿って列状に配列されている。
同様に、第2の移動光源装置15012は導光板の右側端面の幅より小さい幅を持つヘッド15012と、当該ヘッドに対する直動機構15010を備えている。ヘッド15012は、導光板の右側端面に近接して臨み、直動機構によって右側端面に沿って往復動可能になっている。ヘッドの内面には導光板の右側端面に向いて複数の発光素子15014がヘッド15012の移動方向に沿って列状に配列されている。
移動光源装置15002(15012)と移動光源装置の移動を実行する直動機構1500(15010)とが図136,137に夫々示されている。図136は、移動光源装置15002(15012)と直動機構1500(15010)とを導光板側からみた斜視図であり、図137は、移動光源装置と直動機構とを導光板外からみた斜視図である。第1の移動光源装置と第2の移動光源装置夫々の直動機構15000(15010)は、ベースプレート15100と、ベースプレートの長さ方向の両端に位置する一対のプーリ15102、15104と、一対のプーリに巻回されるベルト15106と、プーリ15104を駆動させてベルトを回転させるためのモータ15108と、を備えている。ベルト15106の導光板の端面側にはヘッド15002(15012)の矩形状の小プレート15110が固定されている。直動機構は遊技者から視認し難いように、遊技盤の所定領域に固定されている。
小プレート15110には、導光板の端面側に向いた第1の光学素子群15004(15014)と、遊技者の正面側に向いた第2の光学素子群15108が保持されている。小プレート15110は、第1の光学素子群15004(15014)と第2の光学素子群15108とを互いに異なる側になるように保持して、第1の光学素子群から投射された光の進行方向と第2の光学素子群から投射された光の進行方向とが重ならないようにすることにより、第1の光学素子群からの投射光と第2の光学素子群からの投射光との混在を防ぐようにしている。小プレートは、両投射光の混在を遮蔽するために、非透光性の素材や非透過性のための装飾(シールの添付)が施されて構成されている。
直動機構は、小プレート15110をベルト15106に固定するためのクランプ15120を備えている。小プレート15110には図示しない装飾体が取り付けられ、第2の光学素子群15108が点灯することによって、装飾体を電飾可能な可動装飾体として動作させることができる。装飾体は遊技者の視認可能領域に配置される(図134参照)。なお、第1の移動光源装置15002、第2の移動光源装置15012を遊技者から視認できないように配置してもよい。
導光板に対する、移動光源装置や固定光源装置の組み付け時の誤差やこれら光源装置の長期使用による導光板と光源装置の位置合わせの対策として、予めこれらの誤差や位置ずれを見込んで、移動光源装置や固定光源装置を導光板に対して設定、設置すればよい。例えば、移動光源装置の移動距離を導光板の端面の長さよりも長くしておくことや小プレート15110に対して多めに発光素子を配置しておくことが考えられる。
図138は、液晶パネル1400−1、導光板1400A、第1の固定光源装置10004、第2の固定光源装置10006、第1の移動光源装置15002、第1の直動機構15000、第2の移動光源装置15012、第2の直動機構15010の組立分解斜視図である。符号15170はL型フレームであり、その縦部15172の溝に第1の固定光源装置10004が嵌入され、その横部15174の溝に第2の固定光源装置10006が嵌入されている。なお、L型フレームは遊技者に視認し難いように遊技盤体に対して固定されればよい。
第1の固定光源装置10004、第2の固定光源装置10006、第1の移動光源装置15002、そして、第2の移動光源装置15012と、による導光体の演出パターンについて、第1の固定光源装置10004が導光板1400Aに対して点灯するか否か、第2の固定光源装置10006が導光板に対して点灯するか否か、第1の移動光源装置15002が装飾体を点灯させるか否か、移動(移動方向、移動速度など)するか否か、導光板に対して点灯するか否か、第2の移動光源装置10006が装飾体を点灯させるか否か、移動(移動方向、移動速度など)するか否か、導光板に対して点灯するか否か、の組み合わせに応じて多彩な演出パターンがある。
例えば、次のようなパターンがある。
#1:第1の固定光源装置が点灯
#2:第2の固定光源装置が点灯
#3:第1の移動光源装置が移動(装飾体点灯)
#4:第1の移動光源装置が移動(導光板点灯)
#5:第1の移動光源装置が移動(装飾体点灯・導光板点灯)
#6:第2の移動光源装置が移動(装飾体点灯)
#7:第2の移動光源装置が移動(導光板点灯)
#8:第2の移動光源装置が移動(装飾体点灯・導光板点灯)
#9:第1・2の移動光源装置が移動(装飾体点灯)
#10:第1・2の移動光源装置が移動(導光板点灯)
#11:第1・2の移動光源装置が移動(装飾体点灯・導光板点灯)
演出パターンの違いによって、大当り遊技等の有利遊技に対上述した#1の演出パターンが最も期待度が低く、#2の演出パターン、#3の演出パターン、#4の演出パターン・・・の順に期待度が高くなり、#11の演出パターンが最も期待度が高くなるように、パターン選択テーブルに各演出パターンを設定しておき、有利遊技の当落抽選の結果等に基づいて一の演出パターンが選択・決定されるように制御される。
また、導光板への光の出射を固定光源装置と移動光源装置との組み合わせによって実行されるようにしてもよい。例えば、次のようにして、導光手段への光の出射方向を切り替えてもよい。第1の固定光源装置から導光板への光の出力→第1の移動光源装置の移動中に導光板への光の出力→第2の固定光源装置から導光板への光の出力→第2の移動光源装置の移動中に導光板への光の出力→第1の固定光源装置から導光板への光の出力・・・・といったサイクルで導光手段への光の投射方向や投射範囲を切り替える制御を行うことが例示できる。このようにすることで、導光板の演出が単調や固定化されたものでなく変化に富んだ形態になり、遊技者の注目を惹き、遊技者に飽きられないといった遊技効果を奏することが出来る。また、第1の移動光源装置、第2の移動光源装置と、を、移動させることなく導光板に対して点灯させるパターンもあってもよい。
また、第1の移動光源装置及び第2の移動光源装置のモータ15108の駆動制御回路は、モータにパルス信号を供給してモータの回転速度、回転方向を制御することができる。周辺制御基板4140は、駆動制御回路からモータに供給されるパルス信号に基づいて、ヘッド15002(15012)の導光板の端面に対する位置を判定可能である。周辺制御基板4140は、主制御基板4100からのコマンドに基づいて、第1の固定光源装置10004、第2の固定光源装置10006、第1の移動光源装置15002、そして、第2の移動光源装置15012と、を用いた導光体の演出のパターンを決定、選択、設定するなどを行い、光学素子の駆動制御回路、モータの駆動制御回路に駆動制御信号を出力する。
次に、導光板を固定とし光源装置を可動にした場合での演出の第1の例を具体的に説明する。図139に示すように、導光板1400Aは、第1の固定光源装置10004からの照射光に応じて表出される第1の図柄15080(星を模した複数の絵柄)と、図140に示すように、第2の固定光源装置10006からの照射光に応じて表出される第2図柄15082(星座のシンボルの絵柄の複数)とを有している。第1の固定光源装置10004によって導光板の端面の全長にわたって光が照射されると、これら第1の図柄15080の全体が導光板に表出される。また、第2の固定光源装置10006によって導光板の端面の全長にわたって光が照射されると、第の2図柄15082の全体が導光板に表出される。
また、第1の移動光源装置15002が導光板1400Aに対する点灯を行いながら移動すると、図141に示すように、第1の移動光源装置の移動軌跡にある第2の図柄の対象部分15086が移動に連動、同期、関連して表出される。また、第2の移動光源装置15012が導光板1400Aに対する点灯を行いながら移動すると、図142に示すように、その移動の軌跡の範囲にある第1の図柄の対象部分15088が移動にしたがって表出される。なお、この演出の態様では、第1の固定光源装置10002、第2の固定光源装置10004、第1の移動光源装置15002、および、第2の移動光源装置15012が同時に導光板に向かって点灯することはなく夫々は個別に点灯する制御が行われる。
このように、第1の図柄15080を一斉に表出させたり、第1の図柄を部分的に移動光源装置15012の移動に連動させながら表出させたり、第2の図柄15082を一斉に表出させたり、第2の図柄を部分的に移動光源装置15002の移動に連動させながら表出させたりすることが可能となり、導光板を用いた演出が多様化されて遊技者の遊技意欲を高めることができるといった遊技効果が得られる。さらに、第1の移動光源装置15002や第2の移動光源装置1501の移動速度を複数パターン設けておくことで、移動光源装置の移動の軌跡の範囲にある図柄の対象部分の変化の態様を多彩にすることが可能となり、より一層遊技興趣を高められる。
第1の固定光源装置10004が列状に配置された複数の光学素子を順番に点灯することによって、第1の図柄15080の対象部分15088を順番に表出させ、第2の固定光源装置10006が列状に配置された複数の光学素子を順番に点灯することによって、第2の図柄15082の対象部分15086を順番に表出させることは一応可能ではある。しかしながら、この構成による対象部分の変化は光学素子のオンオフに基づく断続的なものになるのに対して、光源装置を移動する場合では、図143、図144に示すように、対象部分の変化はフェードイン、フェードアウトを伴う連続的で円滑な形態を奏するものになる。
次に、導光板を固定とし光源装置を可動にした場合での演出の第2の例を具体的に説明する。既述の第1の例では、第1の移動光源装置15002と第2の移動光源装置15012とが同時に導光板側に点灯することはなく、夫々は個別に点灯して移動する制御が行われることを説明したが、第2の例では、第1の移動光源装置と第2の移動光源装置が同時に点灯する演出の態様を説明する。
第2の例では、図145に示すように、第1の移動光源装置15002からの投射光によって表出される対象部分の画像15086と、第2の移動光源装置15012からの投射光によって表出される対象部分の画像15088とが、導光板1400Aに表出される。対象部分の画像15086はY軸方向に展開され、対象部分の画像15088はX軸方向に展開される。これら対象部分の画像の交差領域に、融合画像15089が表出される。このように導光板から画像が多彩かつ多様的に出現されることにより、導光板の演出が変化に富んだものになる。どの融合画像が表出されるかに応じて大当り遊技への当選期待度を変化させることもできる。
さらに、第1の移動光源装置15002と第2の移動光源装置15012とが移動中では、図146に示すように、対象部分の画像15086と対象部分の画像15088とが、移動光源の移動に合わせて連続的に変化するため、遊技者にとっては、対象部分の画像15086と対象部分の画像15088がどの部分で交差してどのような融合画像が表出されるかについて、期待と緊張感を持つことが可能になる。特に、例えば、移動光源装置が狭い範囲で往復する、移動光源装置の移動速度が変化する等での移動形態において、これが顕著となる。
次に、図147に基づいて、第1の移動光源装置(装飾体)15002と第2の移動光源装置(装飾体)15012とを利用した導光板1400Aによる導光演出の第3の例について、演出の流れを具体的に説明する。説明の都合上、導光板に表出される画像を既述のものとは異なるようにしている。即ち、星形の第1の図柄に代えて「■■■」が、星座のシンボルの第2の図柄に代えて「○×○」が導光板に表出されるようにしている。
(1)は第1の移動光源装置15002と第2の移動光源装置15012について、第1の発光素子群(導光板側)15600、及び、第2の発光素子群(遊技者側)15602がともに点灯していない状態の正面図である。第1の移動光源装置15002と第2光源装置15012の少なくとも一方が動作する場合、それに先駆けて、導光板1400Aの後方の液晶表示部に、例えば、「○○(装飾体としての移動光源装置に対する呼称)に注目!」等のメッセージやこれを想起させる画像を表示するなど、導光板の演出に期待させる手段を設けてもよい。遊技者は導光板を介して、このメッセージを視認することができる。
(2)は第1の移動光源装置15002と第2移動光源装置15012について、第2の発光素子群(遊技者側)15602がともに点灯して装飾体の電飾が行われて移動を開始した状態である。第2の発光素子群(遊技者側)15602がともに点灯することによって、遊技者に第1の移動光源装置と第2移動光源装置の移動を期待、予感等させることができる。この状態においても、後方の液晶表示部に導光板の演出を一層期待させるための情報を継続的に出力するようにしてもよい。
(3)では、第1の移動光源装置15002と第2移動光源装置15012について、第2の発光素子群(遊技者側)15602がともに消灯して、移動しながら第1の発光素子群15600を点灯させている状態である。第1の移動光源装置15002の位置に応じて、その軌跡の範囲にある、第2図柄の関連部分(○×○)16010と、第2移動光源装置15012の位置に応じて、その軌跡の範囲にある、第1図柄の関連部分(■■■)16012とが表出される。第1の移動光源装置の軌跡領域と第2の移動光源装置の軌跡領域との交差部に第1図柄の関連部分と第2図柄の関連部分との融合画像16014が表出される。この融合画像の形態によって、有利遊技に期待度を変えることができる。この状態では、後方の液晶表示部には、例えば、大当り等の有利遊技に対する期待を想起させる所定の情報16000が第1・2の図柄の関連部分(○×○)の近傍に表示される。
(4)は融合画像16014が(×と■)であり、(5)では融合画像16014が(○と■)であることを示している。(5)の態様の方が(4)の態様のものより大当りに対する期待度を高くすればよい。(5)では、(4)との差別化のために、さらに第2の発光素子群15062が点灯されるようにしてもよい。(4)、(5)では、後方の液晶表示装部に、例えば、第1図柄の関連部16010(○×○)の近傍に、「当たり!」や「残念」のメッセージ16000が表示されるようにしてもよい。なお、遊技者に導光板1400Aに表出される画像が確認され易いように、導光板における表出図柄の領域裏の液晶表示領域ででは背景色を暗くして、遊技者が導光板の表出画像を確認し易くすればよい。
図139から図147にかけて説明した演出の形態によれば、一つ又は複数の移動光源装置の移動の形態に応じて導光板の表出画像の態様を多彩にすることができるために、従来のように導光板の表出画像の態様が単調、固定的であったにすぎなかったものが遊技者に対して変化に富んだ興趣豊かなものになる。
さらに、図145−図147に示すように、複数の移動光源装置の移動の形態に応じて導光板での表出画像(融合画像)が変化するために、融合画像に注目する遊技者にとっては、導光板の演出がさらに多彩になって遊技興趣を一層向上することができる。
以上、説明した導光板演出の実施形態に依れば、光源装置の移動によって、導光板へ投射される光の方向、範囲等の特性を変化させることができるために、移動が導光板に表出される情報の変化を誘起させ、光源装置の移動と導光板からの情報変化とを関連させることができ、遊技者に多彩な導光板演出を与えるこができる。
光源装置の移動の態様を、導光板に対して水平方向として説明したが、導光板の厚さ方向に移動できるものでもよい。また、導光板と光源装置とを共に移動可能な構成にしてもよく、導光板と光源装置との位置関係が相対的に変化されるものであればよい。また、光源装置、導光板の移動形態が回転移動可能な構成になるものでもよい。
なお、移動光源装置は導光板の端面に対して1基としたが、2基以上でもよい。直動機構としては、リニアガイド、ボールねじでもよい。
次に、既述の遊技機の大当りの種別について詳説する。大当り抽選に当選したときに、第一特別図柄(図148における特図1)と第二特別図柄(図148における特図2)として表示された図柄によって大当りの態様が異なり得る。また、その態様の振分についても第一特別図柄と第二特別図柄とでは異なるものとされている。例えば、図148に示すように、第一特別図柄として、時短有図柄1が停止表示された場合には、「特定領域非通過_出玉有10R時短20回」が決定される。第一特別図柄として、時短有図柄2が停止表示された場合には、「特定領域通過_出玉有12R1時短100回」が決定される。第一特別図柄として、時短有図柄3が停止表示された場合には、「特定領域通過_出玉有12R2時短100回」が決定される。
さらに、第二特別図柄として、時短有図柄4が停止表示された場合には、「特定領域通過_出玉有12R3時短100回」が決定される。第二特別図柄として、時短有図柄5が停止表示された場合には、「特定領域通過_出玉有12R4時短100回」が決定される。第二特別図柄として、時短有図柄6が停止表示された場合には、「特定領域通過_出玉有12R5時短100回」が決定される。
例えば、第一特別図柄における時短有図柄1が停止表示される確率は110/200、時短有図柄2が停止表示される確率は86/200、時短有図柄3が停止表示される確率は4/200とされている。一方、第二特別図柄における時短有図柄4が停止表示される確率は180/200、時短有図柄4が停止表示される確率は18/200、第二特別図柄における時短有図柄4が停止表示される確率は2/200とされている。
「特定領域非通過_出玉有10R時短20回」は、大当り遊技状態終了後に、いわゆる確率変動遊技状態に移行せずに通常遊技状態に移行し、かつ時短遊技状態の回数が20回で終了する大当りであり、遊技者にとってはあまり好ましくない大当りとなりえる。一方、「特定領域通過_出玉有12R1(〜5)時短100回」は、大当り遊技状態終了後に、いわゆる確率変動遊技状態に移行し、かつ時短遊技状態の回数が100回継続する大当りであり、遊技者にとっては好ましい大当りとなりえる。ここで、第一特別図柄が停止表示されることによる抽選では、遊技者にとって好ましくなくなりえる「特定領域非通過出玉有10R時短20回」の割合が「特定領域通過_出玉有12R1(2)時短100回」の混合割合よりも高い割合とされている。一方、第二特別図柄が停止表示されることによる抽選では、常に遊技者にとって好ましくなりえる「特定領域通過_出玉有12R3(〜5)時短100回」となる。
なお、遊技機1Aにおいては、時短遊技状態中は、時短遊技状態中でない(非時短遊技状態中)と比較して、普通ゲート2005aを通過した際に行われる普通図柄による当り(普通抽選)の当選確率が高くなるとともに、普通図柄の変動時間が短くなる制御が実行される。このため、時短遊技状態中は、大当り抽選が短時間で多く実行される。また、時短遊技中は、普通図柄による当りが頻繁に起こり、第二始動口2008の可動片2008a,2008bが頻繁に開放するので、第二特別図柄の変動回数が第一特別図柄の変動回数よりも多くなることがある。
続いて、大当り遊技状態に移行した際における大入賞口の開放態様について説明する。遊技機1Aでは、大入賞口としては、下大入賞口2003および右大入賞口7000があるところ、どの大当りの際にどちらの大入賞口がどのように開放されるかを説明する。大入賞口の開放にあたり、時短有図柄1〜6のいずれが表示された場合でも、大入賞口の開放ラウンド数は、例えば、12ラウンドとされる。以下、第nラウンドの開放をRnとして説明する。
図149に示すように、まず、大入賞口の最初の開放が行われるまでに開始インターバルが設定される。開始インターバルの時間は、時短有図柄1,4,5が表示された場合には「パターンa」、時短有図柄3が表示された場合には「パターンb」、時短有図柄5,6が表示された場合には「パターンc」となる。
このうち、図150(a)に示すように、「パターンa」は、低確率状態(通常状態)であって時短未作動のときには12336(m秒)、高確率状態(確変状態)であって時短作動のときには4000(m秒)、低確率で時短作動のときには4000(m秒)とされている。また、「パターンb」は、低確率状態であって時短未作動のときには9100(m秒)、高確率状態であって時短作動のときには4000(m秒)、低確率で時短作動のときには4000(m秒)とされている。さらに、「パターンc」は、低確率状態であって時短未作動のときには9100(m秒)、高確率状態であって時短作動のときには8(m秒)、低確率で時短作動のときには8(m秒)とされている。
開始インターバル時間が経過すると、R1(第1ラウンド)の大入賞口の開放が行われる。大入賞口の開放パターンについて、まず時短有図柄1が表示された場合について説明する。時短有図柄1が表示された場合のR1(第1ラウンド)の開放では、下大入省口2003が「パターンA」で開放する。「パターンA」での開放は、図150(b)に示すように、29秒間の開放が行われた後に2秒間の閉鎖が行われる。このときの開放時間の合計が29秒となる。「パターンA」の開放は、いわば下大入賞口2003長開放となる。
以後、R2(第2ラウンド)からR10(第10ラウンド)までは、下大入賞口2003が「パターンA」で開放する。それから、R11(第11ラウンド)では、右大入賞口7000が「パターンD」で開放する。「パターンD」の開放では、図150(b)に示すように、0.08秒間の開放が行われた後に1.9秒間の閉鎖が行われる。このときの開放時間の合計が0.08秒となる。「パターンD」の開放は、いわば右大入賞口短縮開放となる。右大入賞口7000の開放は、R1〜R12のうち、R11のみで行われる。
続くR12(第12ラウンド)では、下大入省口2003が「パターンB」で開放する。「パターンB」の開放では、図150(b)に示すように、0.08秒間の開放が行われた後に6秒間の閉鎖が行われる。このときの開放時間の合計が0.08秒となる。「パターンB」の開放は、いわば下大入賞口短縮開放となる。時短有図柄1が表示された場合の大入賞口の開放は、このようにして継続する。
また、時短有図柄2が表示された場合には、まず、R1(第1ラウンド)の開放として下大入省口2003が「パターンA」で開放する。続いて、R2(第2ラウンド)からR10(第10ラウンド)までは、下大入賞口2003が「パターンA」で開放する。ここまでは、時短有図柄1が表示された場合と同様のパターンで大入賞口の開放が行われる。
続くR11(第11ラウンド)では、右大入賞口7000が「パターンC」で開放する。「パターンC」の開放では、図150(b)に示すように、右大入賞口7000が2回の開放を行う。1回目には、0.08秒の開放が行われ、続いて、2秒の閉鎖が行われる。続いて、2回目には、25秒の開放が行われ、続いて、2秒の閉鎖が行われる。このように、R11(第11ラウンド)での右大入賞口7000の開放時間は、合計して25.1秒(25.08秒)となる。「パターンC」の開放は、いわば右大入賞口長開放となる。そして、R12(第12ラウンド)では、下大入省口2003が「パターンA」で開放する。時短有図柄2が表示された場合の大入賞口の開放は、このようにして継続する。
また、時短有図柄3〜6が表示された場合には、いずれも時短有図柄2が表示された場合と同様のパターンで大入賞口の開放が行われる。
このように、時短有図柄1が表示された場合、R1(第1ラウンド)〜R10(第10ラウンド)までは長開放となる「パターンA」での開放が行われるものの、R11(第11ラウンド)、R12(第12ラウンド)では、「パターンD」「パターンB」の短縮開放となる。短縮開放では、下大入賞口2003,7000の開放時間がわずかに0.08秒であり、大入賞口に遊技球が入球することは稀である。このため、時短有図柄1が表示された場合には、賞球を得られるという意味では、実質的に10ラウンドの大入賞口の開放が行われることとなる。
一方、時短有図柄2〜6が表示された場合には、R1(第1ラウンド)〜R12(第10ラウンド)までは長開放となる「パターンA」「パターンC」での開放が行われる。このため、実質的に12ラウンドの大入賞口の開放が行われることとなるので、時短有図柄1が表示された場合よりも多くの遊技球が払い出される可能性が高くなる。
これらの時短有図柄1〜6の役割については、図149および図150(c)にその概要を示している。時短有図柄1は、大当り開始演出として基本演出を表示する際の時短有図柄であり、大当り遊技状態が終了した後には確変遊技状態ではなく通常遊技状態に移行する際に表示される図柄である。
また、時短有図柄2,4は、大当り開始演出として基本演出を表示する際の時短有図柄であり、大当り遊技状態が終了した後には確変遊技状態に移行する際に表示される図柄である。さらに、時短有図柄3,5は、大当り開始演出としてプレミア演出を表示する際の時短有図柄であり、大当り遊技状態が終了した後には確変遊技状態に移行する際に表示される図柄である。また、時短有図柄6は、時短有図柄5と同様の構成とされた差し替え用のダミーデータである。
遊技機1Aは、停止表示された特別図柄が大当り図柄であると判断した場合には、停止表示された大当り図柄が時短有図柄1〜6のいずれであるかを判定し、停止表示された大当り図柄を図149に示す大入賞口開放態様決定テーブルに参照し、停止表示された大当り図柄に応じた情報(開始インターバル等を含む大入賞口開放態様)を設定する。図151は、この処理の特徴を説明するフローチャートである。主制御基板4100(主制御MPU)は、大当り遊技を開始すると、ラウンド終了フラグがONとなっているか否かを判断する(S2101)。ラウンド終了フラグは、大入賞口に遊技球が所定個数、たとえば9個入賞したとき、あるいは図149(b)に示す規定の開放時間が経過したときにONとなる。ここで、ラウンド終了フラグがONとなっていないと判断した場合には、ラウンド終了フラグがONとなるまでステップS2101の処理を繰り返す。
一方、ラウンド終了フラグがONとなっていると判断した場合には、次のラウンドの開放があるか否かを判断する(S2102)。この判断は、現在のラウンドが最終ラウンドであるか否かによって行われ、最終ラウンドでない場合に、次のラウンドがあると判断する。
ここで、次のラウンドがあると判断した場合には、次のラウンドでは、右大入賞口7000を開放するか否かを判断する(S2103)。図149に示すように、次のラウンドが第11ラウンドである場合には、右大入賞口7000を開放すると判断し、それ以外のラウンドでは、下大入賞口2003を開放するため、右大入賞口7000を開放しないと判断する。
その結果、右大入賞口7000を開放すると判断した場合には、確変領域有効フラグをONにする(S2104)。確変領域有効フラグをONとした場合、確変領域センサ6992が遊技球を検出した場合に、大当り後の遊技状態を規定変動回数分確率変動状態にするための確変フラグをONとする。また、確変領域有効フラグがONとなっていないときには、確変領域センサ6992が遊技球を検出しても、確変フラグがONとならない。
確変領域有効フラグをONとしたら、右大入賞口7000を開放する(S2105)。それから、確変領域センサ6992が遊技球を検出し、かつその検出が1回目の検出であるか否かを判断する(S2106)。ここで、確変領域センサ6992が遊技球を検出しておらず、あるいは検出した回数が2回目以降である場合には、ステップS2110に進む。
また、確変領域センサ6992が遊技球を検出し、かつその検出が1回目の検出であると判断した場合には、確変フラグをONにする(S2107)。
それから、ラウンド終了フラグがONとなっているか否かを判断する(S2110)。ここで、右大入賞口7000に遊技球が所定数入球し、あるいは右大入賞口7000の開放時間が規定の時間となった場合には、ラウンド終了フラグをONとするとともに、ラウンド終了フラグがONとなっていると判断する。それ以外の場合にはラウンド終了フラグがONとなっていないと判断して、ステップS2106に戻って同様の処理を繰り返す。
さらに、ラウンド終了フラグがONとなっていると判断した場合には、所定時間が経過した後に確変領域有効フラグをOFFにする(S2111)。それから、ステップS2102に戻って、同様の処理を繰り返す。また、ステップS2103において、右大入賞口7000を開放しないと判断した場合には、下大入賞口2003を開放する(S2112)。それから、ラウンド終了フラグがONとなっているか否かを判断する(S2113)。ここで、下大入賞口2003に遊技球が所定数入球し、あるいは右大入賞口7000の開放時間が規定の時間となった場合には、ラウンド終了フラグをONとするとともに、ラウンド終了フラグがONとなっていると判断し、ステップS2102に戻って同様の処理を繰り返す。それ以外の場合にはラウンド終了フラグがONとなっていないと判断して、ステップS2113の処理を繰り返す。
また、ステップS2102において、次のラウンドの開放がないと判断した場合には、エンディングデータをセットする(S2114)。エンディングデータとしては、エンディング演出を表示する時間をセットする。エンディング演出を表示する時間は、所定の時間に定められている。また、エンディングデータに応じたエンディングデータコマンドを周辺制御基板4140に送信する。
それから、エンディング時間が経過したか否かを判断する(S2115)。ここで、エンディング時間が経過していない場合には、エンディング時間が経過するまで、ステップS2115の処理を繰り返す。一方、エンディング時間が経過したと判断した場合には、確変フラグがONとなっているか否かを判断する(S2116)。ここで、確変フラグがONとなっていると判断した場合には、遊技状態を確変遊技状態にセットする(S2117)。それから確変フラグをOFFにし(S2118)、変動パターンテーブルを再セットする(S2119)。続いて、時短状態をセットして(S2120)、処理を終了する。また、ステップS2116において、確変フラグがONとなっていないと判断した場合には、ステップS2119に進み、変動パターンテーブルを再セットし(S2119)、時短状態をセットして(S2120)、処理を終了する。時短状態をセットする際には、表示された図柄が時短有図柄1である場合には時短回数を20回にセットし、時短有図柄2〜6の場合には、時短回数を例えば150回にセットする。
なお、時短状態をセットするにあたり、ここでは、大当り遊技状態の終了後の遊技状態の移行先の登録番号として下記の設定を行っている。
登録番号0:確変領域6970を通過していない状態(時短100回)
登録番号1:確変領域6970を通過した状態(時短150回)
そして、大当り遊技状態に移行した時に登録番号0をセットセットしておき、遊技球が確変領域6970を通過した場合には、登録番号をインクリメント(+1)して登録番号1をセットしている。このような設定をすることにより、たとえば他のパチンコ機でプログラムを使用する場合に、時短の回数が変わった場合でも、その変更に容易に対応することができる。
また、大当り遊技状態中、右大入賞口7000に入球した遊技球が確変領域6970に誘導されると、大当り遊技状態が終了した後の遊技状態が確変遊技状態となる。一方、右大入賞口7000に入球した遊技球が確変領域6970に誘導されることなく、すべて通常領域6960に誘導されたときには、大当り遊技状態が終了した後の遊技状態が通常遊技状態となる。ただし、いずれの場合も時短遊技状態へ移行する。
さらに、表示された特別図柄の種類によって、誘導路振分ユニット6920における振分部材6923の作動態様が変化し、右大入賞口7000に入球した遊技球を通常領域6960と確変領域6970とのいずれに振り分けるかを制御している。大当り遊技状態中、右大入賞口7000が開放されるのは、第11ラウンドのみであり、この第11ラウンド中において、右アタッカユニット6900や誘導路振分ユニット6920による右大入賞口7000に入球した遊技球の誘導が行われる。右大入賞口7000への入球や通常領域6960または確変領域6970への誘導は、右大入賞口開閉部材6933の開閉制御および誘導路振分部材6923の傾動制御によって行われる。
具体的に、右大入賞口開閉部材6933が開放したときに遊技球が右大入賞口7000に入球可能とされる。右大入賞口7000に入球した遊技球は、遊技球導入口6950を通して誘導路振分ユニット6920の背面側における振分誘導路6980に誘導される。ここで、誘導路振分部材6923が図67(b)に示す状態となっているときには、遊技球導入口6950から導入された遊技球は、通常領域6960に振り分けられる。また、誘導路振分部材6923が図67(b)に示す状態からその先端が左側に揺動して、通常領域6960を塞ぐ状態となったときには、遊技球導入口6950から導入された遊技球は、確変領域6970に振り分けられる。このうち、右大入賞口開閉部材6933は、右大入賞口ソレノイド6932によって開閉させられ、誘導路振分部材6923は誘導路振分ソレノイド6922によって傾斜させられる。
以下に、大当り遊技状態中における各ラウンド中の右大入賞口および下大入賞口の開閉動作および下大入賞口ソレノイド、右大入賞口ソレノイド6932、および誘導路振分ソレノイド6922のON−OFF状態について説明する。図152は、時短有図柄2〜6のいずれかが表示された場合における第11ラウンド近傍のタイムチャート、図153は、時短有図柄1が表示された場合における第11ラウンド近傍のタイムチャートである。
図152に示すように、時短有図柄2〜6のいずれかが表示された場合には、第11ラウンドが開始する際、特別図柄は停止し、条件装置および役物連続作動装置は作動している。また、特別電動役物1は、第11ラウンドが開始されたときに作動する特別電動役物1が作動する前が第10ラウンド中となり、特別電動役物1が作動した時点から第11ラウンドが開始する。また、特別電動役物1の作動が終了して停止した後、次に特別電動役物2が作動するまでが第12ラウンド中となる。なお、特別電動役物1は、右大入賞口7000に対応する特別電動役物であり、特別電動役物2は、下大入賞口2003に対応する特別電動役物である。また、特別電動役物1の作動が開始したときに確変領域有効フラグがONとなり、特別電動役物1の作動が終了したときに確変領域有効フラグがOFFとなる。ただし、特別電動役物1の作動中であっても、確変領域有効フラグをOFFとする時間を設定するようにすることもできる。たとえば、誘導路振分ソレノイド6922がONとなっている間、あるいは誘導路振分ソレノイド6922がONとなっている間および誘導路振分ソレノイド6922がOFFとなってから数秒たとえば2秒間に確変領域フラグがONとなるようにすることもできる。
特別電動役物1の作動中、右大入賞口7000は、2度の開放動作を行う。1回目の開放動作は、特別電動役物1が作動を開始すると同時に開放し、0.08秒間(Y2)の開放を行う。その後、2秒間閉鎖状態が継続し、2秒が経過した時点(Z)で2回目の開放動作を行う。2回目の開放動作は、25秒間(Y3)継続する。右大入賞口7000が開放してから25秒間が経過した後、右大入賞口7000が閉鎖する。その後、2秒間が経過することで、第11ラウンドが終了する。なお、右大入賞口7000の1回目の開放と2回目に開放で右大入賞口7000に所定数、たとえば9個の遊技球が入球したときには、開放時間の経過を待つことなく、その遊技球の入球を検出した時点で右大入賞口7000を閉鎖する。そして、2秒間の経過を待って第11ラウンドが終了する。ただし、右大入賞口7000の1回目の開放時間は0.08秒とごく短時間であるため、ここで右大入賞口7000に遊技球が入球することはごく稀となる。
また、右大入賞口7000の開放は、右大入賞口ソレノイド6932をONとすることによって開放し、OFFとすることによって閉鎖する。このため、右大入賞口ソレノイド6932をON−OFFするタイミングは、右大入賞口7000が開放しているタイミングと同期している。
さらに、誘導路振分ソレノイド(振分装置ソレノイド)6922は、第11ラウンドが開始したと同時、言い換えると、右大入賞口ソレノイド6932がONとなって右大入賞口7000が開放したと同時にONとなる。誘導路振分ソレノイド6922がONとなると、起立状態にあった誘導路振分部材6923が傾斜状態となり、右大入賞口7000に入球した遊技球が確変領域6970に誘導可能となる。
ここでONとされた右大入賞口ソレノイド6932は、0.06秒(Y4)が経過したときにOFFとなり、誘導路振分部材6923が起立状態に復帰する。このため、誘導路振分部材6923は、右大入賞口7000の1回目の開放の途中で起立状態に復帰することとなる。また、右大入賞口7000に入球した遊技球が誘導路振分部材6923の位置に到達するまでのタイムラグを考慮すると、右大入賞口7000の1回目の開放で仮に遊技球が右大入賞口7000に入球したとしても、この遊技球が傾斜状態の誘導路振分部材6923によって確変領域6970に誘導されることはほぼないこととなる。
さらに、0.02秒が経過して、右大入賞口7000が閉鎖した後、右大入賞口7000の2回目の開放が行われるときに、同時に誘導路振分ソレノイド6922がONとなり、右大入賞口7000に入球した遊技球が確変領域6970に誘導可能となる。それから、25.9秒(Y5)が経過した時点、言い換えると、右大入賞口7000が閉鎖してから0.9秒(Y5のハッチング部分)が経過した後に誘導路振分ソレノイドがOFFとなり、誘導路振分部材6923が起立状態に復帰する。
ここで、仮に、誘導路振分ソレノイド6922が右大入賞口ソレノイド6932と同期して作動し、右大入賞口7000が閉鎖すると同時に誘導路振分部材6923が起立状態に復帰した場合、右大入賞口7000の閉鎖間際で右大入賞口7000に入球した遊技球が誘導路振分部材6923の位置に到達した時点では、すでに誘導路振分部材6923が起立状態に復帰してしまい、確変領域6970への誘導がなしえないことがある。この点、誘導路振分ソレノイド6922は、右大入賞口7000が閉鎖してから0.9秒が経過した後にOFFとなる。大入賞口7000から誘導路振分ソレノイド6922に到達するまでの時間を考慮した場合、0.9秒あれば十分であると考えられる。このため、大入賞口7000が閉鎖するぎりぎりの時点で入球した遊技球であっても、誘導路振分部材6923が起立状態に復帰する前に誘導路振分部材6923に到達することができ、確変領域6970に誘導されることとなる。なお、右大入賞口7000の閉鎖間際で右大入賞口7000に入球した遊技球を確変領域6970に誘導するために右大入賞口7000が閉鎖した後誘導路振分ソレノイド6922をOFFとするまでの時間を0.9秒としているが、この遊技球を確変領域6970に誘導できる時間であれば0.9秒を前後する時間とすることもできる。
なお、特別電動役物2は、第11ラウンド中は作動することがない。合わせて、第11ラウンド中は、下大入賞口2003は開放することなく閉鎖状態を維持する。さらには、下大入賞口ソレノイドは、OFF状態を維持してON状態となることはない。
続いて、時短有図柄1が表示された場合について説明する。図153に示すように、時短有図柄1が表示された場合は、第11ラウンドが開始する際、時短有図柄2〜6のいずれかが表示された場合と同様、特別図柄は停止し、条件装置および役物連続作動装置は作動している。また、特別電動役物1は、第11ラウンドが開始されたときに作動する。特別電動役物1が作動する前が第10ラウンド中となり、特別電動役物1が作動した時点から第11ラウンドが開始する。また、特別電動役物1の作動が終了して停止した後、次に特別電動役物2が作動するまでが第12ラウンド中となる。
特別電動役物1の作動中、右大入賞口7000は、時短有図柄2〜6のいずれかが表示された場合と異なり、1度の開放動作を行う。右大入賞口7000の開放動作は、特別電動役物1が作動を開始すると同時に開放し、0.08秒間(Y5)の開放を行う。その後、1.9秒間閉鎖状態が継続する。右大入賞口7000が閉鎖してから1.9秒間が経過することで、第11ラウンドが終了する。なお、右大入賞口7000の開放により所定数、たとえば9個の遊技球が入球したときには、開放時間の経過を待つことなく、その遊技球の入球を検出した時点で右大入賞口7000を閉鎖する。ただし、右大入賞口7000の開放時間は0.08秒とごく短時間であるため、ここで右大入賞口7000に遊技球が入球することはほとんどない。また、右大入賞口ソレノイド6932をON−OFFするタイミングは、右大入賞口7000が開放しているタイミングと同期している。
さらに、誘導路振分ソレノイド(振分装置ソレノイド)6922は、第11ラウンドが開始し、右大入賞口ソレノイド6932がONとなって右大入賞口7000が開放したと同時にONとなり、誘導路振分部材6923が傾斜状態となり、右大入賞口7000に入球した遊技球が確変領域6970に誘導可能となる。それから0.06秒が経過したときに誘導路振分ソレノイド6922がOFFとなり、誘導路振分部材6923が起立状態に復帰する。この場合も、時短有図柄2〜6が表示された場合と同様に、遊技球が傾斜状態の誘導路振分部材6923によって確変領域6970に誘導されることはほぼないこととなる。よって、時短有図柄1が表示された場合には、確変領域6970に誘導可能となるように誘導路振分部材6923が傾斜状態となることはあるものの、誘導路振分部材6923が傾斜状態となっているときに遊技球が右大入賞口7000に入球していることはほとんどないので、実質的に、時短有図柄1が表示された場合には、確変領域6970に遊技球が誘導されることはないこととなる。
このように、時短有図柄2〜6が表示された場合には、第11ラウンドで右大入賞口7000に入球した遊技球がほぼ確実に確変領域6970に誘導されることとなる。その一方で、時短有図柄1が表示された場合には、第11ラウンドを含めた全てのラウンドにおいて、右大入賞口7000に遊技球が入球することはほとんどなく、さらには、右大入賞口7000に遊技球が入球したとしてもこの遊技球が確変領域6970に誘導されることはほとんどない。したがって、実質的には、時短有図柄1〜6のいずれが表示されるかによって、大当り遊技状態が終了した後に確変遊技状態に移行するか通常遊技状態に移行するかが決定されることなる。このため、たとえば確変遊技状態に移行するか否かの抽選やそのための各種センサによる検出を行なわずに済ませることができる。ただし、このような抽選等を行う態様とすることもできる。
また、確変遊技状態への移行について、この種の抽選が行われる際に、不正行為が行われる可能性があり、この不正行為による損失を防ぐために、各種センサにより誤検出や抽選結果との整合の確認等を行うことがあるが、この種の確認等を行うことなく不正を抑制することができる。仮に、時短有図柄1が表示されたときに確変領域6970に遊技球が入球していると、不正行為が行われた可能性が濃厚ではあるが、確変領域6970に遊技球が誘導されること自体を禁止していないので、不正行為と決めつけることもできない。そこで、時短有図柄1が表示されたときに確変領域6970に遊技球が誘導されたことを検出した際には、不正行為を検出した場合の信号と異なる信号を出力することにより、不正行為発生の可能性を知らせることができる。ただ、このときの信号は、不正行為が発生した場合よりも報知の度合いが小さなものとすることができる。
以上の構成を有する本態様に係る遊技機においては、確変領域6970は、アタッカユニットベース6910の背面側、さらには、アタッカユニット収容領域6600における空間部6602の背面側に配置されている。このため、ガラス板564(図12参照)から見た場合に所定領域よりも奥に配置されており、ガラス板564と確変領域6970との間で所定の距離が保持されている。
したがって、遊技機の表面側から磁石を用いて確変領域6970に対する遊技球の通過を検出する確変領域センサ6992に不正行為を画策しても、磁石の磁力が届かず、あるいは届きにくくなるので、不正行為を抑制することができる。また、ピアノ線等を用いて不正行為を画策したとしても、遊技機の表面側から確変領域6970までの距離が長いことから、ピアノ線等の操作が煩雑となるので、不正行為を抑制することができる。
なお、右大入賞口7000に入球した遊技球を通常領域6960または確変領域6970に振り分ける誘導路振分部材6923は、ガラス板564を介して遊技者から視認可能とされているが、誘導路振分部材6923は、表面プレート6601を介して視認することとなる。このため、ガラス板564を介して遊技球が確変領域6970に振り分けられることが視認可能となりつつも、確変領域6970に対する遊技球の通過を検出する確変領域センサ6992は視認困難または視認不能とされている。さらに、誘導路振分部材6923や確変領域6970は遊技機の右下隅部に配置され、遊技者の目が届きにくい位置に配置されている。このような位置に確変領域6970等が配置されていることで、不正行為の抑制に寄与されている。
さらには、確変領域6970に対する遊技球の通過を誤認識させる不正行為を抑制することができるので、不正な確変遊技状態への移行を抑制することができる。その結果、確変遊技状態に移行したことによる遊技場における多大な損害の発生を効果的に抑制することができる。
また、不正行為の抑制にあたり、確変領域6970の近辺、たとえば右アタッカユニット6900の内部、あるいは振分誘導路6980、さらには誘導路振分部材6923等に不正感知センサを設けることもできる。このような不正感知センサを設けることにより、不正行為の抑制に一層寄与することができる。不正感知センサとしては、たとえば不正に磁石が用いられると想定される場合には磁石センサを用いるなど、想定される不正の態様に応じたセンサを適宜決定することができる。
さらに、右大入賞口7000を通過した遊技球を一旦は奥に移動させることで視認困難にするとともに、大入賞口7000から確変領域6980に遊技球が移動するまでの間に、遊技球の視認を妨げる妨視手段を配設することもできる。このような妨視手段を設けることにより、遊技球が確変領域6970に到達するタイミングを認識しにくくさせることができる。その結果、不正の抑制にさらに寄与することができる。
また、誘導路振分部材6923は、起立状態にあるとき、振分誘導路6980から通常領域6960に至るまでの領域から外れた領域において起立しており、起立状態にある誘導路振分部材6923は、振分誘導路6980を通過して通常領域6960に到達する遊技球が触れることがない位置に配置されている。このため、誘導路振分部材6923が起立状態にあって傾斜状態にないときには、振分誘導路6980から通常領域6960に遊技球が振り分けられる際には、誘導路振分部材6923に対して遊技球が触れないあるいは触れにくい状態とすることができる。
したがって、誘導路振分部材6923が起立状態にあるとき、遊技球が誘導路振分部材6923に触れて傾斜してしまい、確変領域6950に遊技球が誘導されてしまう事態を抑制できる。さらに、誘導路振分部材6923が傾斜状態にあるのは、時短有図柄2〜6が表示された場合の第11ラウンド等の短い時間のみとされている。このため、誘導路振分部材6923に対して遊技球が接触する時間は短くなるので、その分誘導路振分部材6923の消耗も抑制することができる。
さらには、予定されていない確変領域6970に対する遊技球通過を抑制することができる。その結果、予定されていない状態における確変遊技状態への移行によって、遊技場で発生する可能性がある多大な損害の発生を効果的に抑制することができる。
なお、上記の例では、右大入賞口7000に入球した遊技球を通常領域6960に誘導する際には、誘導路振分部材6923を振分誘導路6980から通常領域6960に至るまでの領域から外れた領域において起立状態として遊技球との接触を抑制しているが、他の態様により、遊技球を通常領域6960に誘導する場合には通常領域6960に誘導路振分部材6923に対する遊技球の接触を根絶させる態様とすることもできる。たとえば、右大入賞口7000に入球した遊技球を通常領域6960に誘導する際には、誘導路振分部材6923を振分誘導路6980から通常領域6960に至るまでの領域から外れた領域であり、かつ、遊技球を確変領域6970に誘導する際に誘導路振分部材6923を配置する位置よりも高い位置等に配置しておくことで、誘導路振分部材6923に対する遊技球の接触を根絶させる態様とすることができる。
他方、右大入賞口7000の幅は、遊技球の直径よりもわずかに広く、少なくとも遊技球の直径の2倍よりは狭い幅とされ、並列した複数の遊技球の通過を抑制する幅とされている。このため、規定数より多い遊技球の右大入賞口7000に対する入賞を抑制することができ、遊技球の払出の過多を抑制することができる。
既述のとおり、本実施形態の遊技機は、特別遊技中(大当り)の右大入賞口7000のラウンド開放の際に、特定領域(確変領域6970)を遊技球が通過することに基づいて所定の遊技利益(大当り後、一定変動数に対する確率変動)を付与するように構成されている。右大入賞口開閉部材6933が開放し、振り分け装置ソレノイド6923が作動して特定領域が十分な期間開放されていると(長開放状態)、緩傾斜部6504を転動する遊技球が落下誘導路6506に進入し、次いで、特定領域6970を通過することができる(図152参照)。
一方、右大入賞口開閉部材6933が開放するものの、振り分け装置ソレノイド6923の作動期間が短く、特定領域が極めて短時間しか開放されないと(短開放状態)、緩傾斜部6504を転動する遊技球が落下誘導路6506に進入しても、特定領域6970ではなく、通常領域6960を通過できるだけなので、大当り終了後の遊技において、既述の遊技利益(確率変動)が発生されるものではない。
右大入賞口開閉部材6933の動作パターンと振り分け装置6923の動作パターンとの組み合わせについて、既述の長開放状態と短開放状態との割合をどのように設定するかによって、既述の大当り遊技後の確率変動遊技に対する期待度を所定ものに変化させることができる。既述の遊技機では、図148に示すように、特別図柄1に基づく大当りでは、ほぼ半分強の割合で、右大入賞口開閉部材6933と振り分け装置ソレノイド692との連携挙動が短開放状態に制御されるのに対して、特別図柄2に基づく大当りでは、全ての割合で、右大入賞口開閉部材6933と振り分け装置6923との連携挙動が長開放状態に制御される。したがって、特別図柄2に基づく大当りの遊技の方が特別図柄1に基づく大当りよりも、遊技者にとって有利なものになっている。
このように、本実施形態の遊技機は、特定領域を遊技球が通過することよって所定の遊技利益を受けられるという特性を持つが故に、次のような問題の可能性がある。第1に、遊技機が既述の長開放状態にありながら、遊技球が特定領域6970を通過しなかった場合には、大当り終了後、確率変動状態が発生せず、単なる通常遊技状態での時短状態となる。これは、多分に、右大入賞口が長開放されているにも拘らず、遊技球の発射が中断されるなど、遊技者側の事情に帰属するものであるが、稀に、球詰まり、発射装置の不具合があるかもしれない。第2に、右大入賞口が既述の短開放に過ぎないものでありながら、遊技球が特定領域6970を通過した場合である。これは、不正行為による可能性が高い。しかしながら、従来の遊技機では、このような障害や不正等の異常があったにもかかわらず、大当り後遊技において、異常を発見、判定、判別等確認することができなかった。したがって、遊技者側では本来得られると思っていた遊技利益が得られなかったとする誤解が鬱積し、一方で、遊技場運営事業者でも同様に不正行為に対する疑いを鬱積したままとなり、双方にとって遊技を円滑に進行させる上で問題があった。
そこで、本実施形態の遊技機は、大当り遊技の都度、大当り遊技の程度や属性等を発見、判定、評価、分析等確認し、その結果を履歴情報として報知することによって、遊技者及び遊技場運営事業者の双方に、既述の障害や不正等の異常を確認、評価、判定する機会を与えることができるようにした。遊技機は、遊技の属性に関連する複数種類のパラメータを定め、実際の大当り遊技から各パラメータの値を設定、抽出、作成する等した上でこれを記録し、記録情報に基づいて報知形態を決定、作成する等した後、履歴情報を報知する。
パラメータとしては、例えば、1.特別図柄1に基づく大当りか、特別図柄2に基づく大当りか、という特別図柄に関係するパラメータ(パラメータa)、2.既述の長開放状態を備える大当りか(図150の時短有図柄2−6)、短開放状態を備える大当りか(時短有図柄1)という、大当り種別に関するパラメータ(パラメータb)、3.短開放状態の大当りでありながら、特定領域6970を遊技球が通過したか、しなかったかという、遊技結果に関する第1のパラメータ(パラメータc)、4.長開放状態の大当りでありながら、特定領域6970を遊技球が通過できたか、できなかったかという、遊技結果に関する第2のパラメータ(パラメータd)がある。
各パラメータの識別フラグは、例えば、2ビットの情報によって、次のように管理されている。
パラメータa:(0,1) 特別図柄1に基づく大当り
(1,0) 特別図柄2に基づく大当り
パラメータb:(0,1) 長開放状態の大当り
(1,0) 短開放状態の大当り
パラメータc:(0,1) 短開放時に特定領域の通過なし
(1,0) 短開放時に特定領域の通過あり
パラメータd:(0,1) 長開放時に特定領域の通過あり
(1,0) 長開放時に特定領域の通過なし
遊技機の周辺制御基板(周辺制御MPU4150b)は、大当りの都度、主制御基板4110からのコマンドに基づいて、これらパラメータを設定して、これをRAM領域(周辺制御RAM4150c)にテーブル等の形式で累積記録する。図154は、周辺制御RAM4150cに記録されたパラメータの管理テーブルである。大当りの順にレコード(#1〜#n:#nが最新のレコード)を追加し、各レコードに作成されたパラメータ(a1,b1,c1,d1〜a,b,c,d)の値を記録する。RTC〜RTCは、各パラメータが設定された際のRTC制御部4165によって作成されたRTCの日時データである。管理テーブルの上限レコード数は、少なくとも、遊技台の一日稼働に十分なものであることが好ましく、例えば、99個であればよい。仮に、この数を越えるレコードを記録する場合、最も古いレコードを削除したうえで以後のレコードを順次シフトして、最新のレコードを記録すればよい。さらに、遊技機は、パラメータ管理テーブルに基づいて、履歴情報の報知形態を決定して、履歴情報を報知(出力)する。
次に、パラメータの設定処理を図155に基づいて説明する。遊技機の周辺制御基板(周辺制御MPU4150b)が主制御基板4100からのコマンドに基づいて、処理フラグ「3」(図92)を認識すると、図155のフローチャートを開始する。先ず、周辺制御基板4140(4150a)は、コマンドに基づいて、大当りが第1特別図柄に基づくものか否かを判定し(S12400)、これを否定する場合には、大当りが第2特別図柄に基づくものとして、パラメータaの第1ビットに「1」をセットする(S12440)。上記判定を肯定する場合には、パラメータaの第2ビットに「1」をセットする(S12420)。
次に、周辺制御基板4140は、大当りの種別を判定する(S12460)。大当りの種別は、主制御基板4100からのコマンドの一部に含まれているため、周辺制御基板4140は、大当りの種別が既述の長開放状態を含む大当りか、短開放状態を含む大当りかを判別する。後者であることを判別すると、パラメータbの第1ビットに「1」をセットする(S12480)。一方、大当り種別が長開放状態を含む大当りを判定すると(S12460)、パラメータbの第2ビットに「1」をセットする(S12500)。
周辺制御基板4140は、パラメータbの第1ビットに「1」を設定すると、主制御基板4100からのコマンドに基づいて、特定領域6970での遊技球の通過状態に係るフラグ(Vフラグ)の情報をチェックする(S12520)。主制御MPU4100aは、確変領域センサ6992から遊技球に通過の特定領域6770の通過に伴うオン信号を受信すると、RAMのVフラグ領域に「1」をセットする。周辺制御基板4140は、主制御基板4100からのコマンドに基づいて、Vフラグ「1」を検出しない場合には、大当り遊技が終了したか否か(大入賞口の開放の最終ラウンドが収容したか否か)を判定し(S12560)、これを肯定する場合には、パラメータcの第2ビットに「1」を設定する(S12580)。大当り遊技が継続中であることを判定すると、Vフラグのチェックを繰り返す。周辺制御基板4140はVフラグが「1」であることを判定すると、パラメータcの第1ビットに「1」を設定する(S12540)。周辺制御基板4140は、パラメータcの設定を完了すると、パラメータa,b,c,dの値をその時のRTC情報とともに、既述の管理テーブル(図154)に登録し(S12680)、次いで、パラメータa,b,c,dの夫々を(0,0)にリセットする(S12700)。
周辺制御基板4140は、S12460において、大当り種別を長開放状態の大当りであることを判定すると、パラメータbの第2ビットに「1」をセットする(S12500)。次いで、Vフラグデータをチェックし(S12600)、Vフラグに「1」がセットされていることを判定すると、パラメータdの第2ビットに「1」を設定する(S12620)。一方、S12600において、Vフラグに「1」がセットされていないことを判定すると、大当り遊技の終了の有無を判定する(S12640)。大当り遊技の継続中を判定すると、Vフラグのチェックを継続し、大当り遊技の終了を判定するとパラメータdの第1ビットに「1」を設定する(S12660)。周辺制御基板4140はパラメータdの設定を終了すると、パラメータa,b,c,dの値をその時のRTC情報とともに、既述のテーブルに登録し(S12680)、次いで、パラメータa,b,c,dの夫々を(0,0)にリセットする(S12700)。以上によって、周辺制御基板4140はパラメータの設定処理を終了する。なお、パラメータcの値が設定される場合にはパラメータdの値が設定されない。
以上説明したパラメータの設定のフローチャートによれば、特別図柄1に基づく大当りであって、大当り種別が短開放状態の大当りであり、特定領域6970に遊技球が入球した場合、パラメータは、次のように設定される。
パラメータa:(0,1)
パラメータb:(1,0)
パラメータc:(1,0)
パラメータd:(0,0)
一方、特別図柄1に基づく大当りであって、大当り種別が短開放状態の大当りであり、特定領域6970に遊技球が入球した場合、パラメータは、次のように設定される。
パラメータa:(0,1)
パラメータb:(1,0)
パラメータc:(1,0)
パラメータd:(0,0)
周辺制御基板4140は、これらパラメータの組み合わせから、特別図柄1に基づく大当りであって、大当り種別が短開放状態の大当りでありながら、特定領域6970に遊技球が入球した遊技履歴を後に判定することができる。この状態は、何らかの不正な遊技によって生じる疑いがある。
次に、特別図柄1あるいは特別図柄2に基づく大当りであって、大当り種別が長開放状態の大当りであり、特定領域6970に遊技球が入球した場合、パラメータは、次のとおりである。
パラメータa:(0,1)又は(1,0)
パラメータb:(0,1)
パラメータc:(0,0)
パラメータd:(0,1)
一方、特別図柄1あるいは特別図柄2に基づく大当りであって、大当り種別が長開放状態の大当りであり、特定領域6970に遊技球が入球しなかった場合では、パラメータは、次のように設定される。
パラメータa:(0,1)又は(1,0)
パラメータb:(0,1)
パラメータc:(0,0)
パラメータd:(1,0)
周辺制御基板4140は、これらパラメータの組み合わせから、特別図柄1あるいは特別図柄2に基づく大当りであって、大当り種別が長開放状態の大当りでありながら、特定領域6970に遊技球が入球できなかった遊技履歴を後に判定することができる。この状態は、遊技球の発射の中断等、不正以外の理由によって生じることになる。
次に、遊技機は、パラメータ管理テーブル(図154)に基づいて、履歴情報の報知形態を設定(選択)する。履歴情報の報知としては、例えば、遊技盤側液晶表示装置1400への表示による出力、上皿側液晶表示装置244への表示による出力、前述した各種のスピーカからの音による出力、前述した各種のランプを介した光による出力、周辺制御基板4140によって管理され、複数種類の遊技盤の間で共用される情報表示装置1400Aへの表示による出力、又は、役物を利用した出力、あるいはこれらの組み合わせが例示できる。なお、周辺制御基板4140の諸処理を主制御基板4100が実行するようにすれば、主制御基板4100から外部端子基板を介してホールコンピュータへ履歴情報を出力することもできる。本実施例では、情報表示装置1400Aへの表示による報知を例示する。
履歴情報の出力に至る一連の処理は、後述のとおり、遊技履歴情報報知形態設定処理(図156)と、遊技履歴情報報知実行処理(図157)と、遊技履歴情報一覧報知処理(図163)と、から構成され、本実施例では、大当たり遊技終了時に実行される。先ず、遊技履歴情報報知形態設定処理を図156に示すフローチャートに基づいて説明する。周辺制御基板4140は、所定の開始条件が成立すると、遊技履歴情報報知形態設定処理を開始する。本実施例では、「開始条件」の1つとして「大当たり遊技の終了」が設定されており、大当たり遊技が終了すると、該終了した大当り遊技に対して設定されたパラメータa〜dに基づいて遊技履歴情報報知形態設定処理が開始される。先ず、周辺制御基板4140は、パラメータ管理テーブル(図154)の全レコードをリードする(S13000)。次いで、標準報知形態設定処理を実行する(S13020)。標準報知形態設定処理は、最新のレコードに係るパラメータ(a,b,c,d)に基づいて、直近の大当たりに関する履歴情報の報知形態を設定・選択するための処理である。標準報知形態選択処理において、各パラメータは次のように処理される。
パラメータa
(0,1):第1特別図柄に基づく大当り←パターン1を設定
(1,0):第2特別図柄に基づく大当り←パターン2を設定
パラメータb
(0,1):長開放状態の大当り←パターンIを設定
(1,0):短開放状態の大当り←パターンIIを設定
パラメータc
(1,0):短開放放状態の大当り時に特定領域への入球あり←パターンaを設定
(0,1):短開放放状態の大当り時に特定領域への入球なし←パターンbを設定
パラメータd
(1,0):長開放放状態の大当り時に特定領域への入球なし←パターンAを設定
(0,1):長開放放状態の大当り時に特定領域への入球あり←パターンBを設定
周辺制御基板4140は、選択・設定されたパターンのデータをRAM(周辺制御SRAM4150d)の所定領域に保存する。次いで、周辺制御基板4140は、パラメータ管理テーブルの全レコードを解析して、履歴情報の報知形態として、異常報知形態が必要か否かを判定する(S13040)。既述のとおり、「短開放放状態の大当り時に特定領域への入球あり」、「長開放放状態の大当り時に特定領域への入球なし」は、大当り後の一定数の変動が終了するまで大当りの当選確率を高確率状態にするという遊技利益の発生のために、遊技球が特定領域6970に入球する過程で何らかの異常状態があった結果である。そして、こうした異常が連続して発生する場合には、不正や不具合等が発生したまま遊技進行している可能性が高い。したがって、周辺制御基板4140は、パラメータ管理テーブルの全レコードを解析して、「異常」に関するパラメータの頻度、全記録データに対する割合等を解析して、前記標準報知形態に異常報知形態を付加するか否かを判定する。標準報知形態に代えて異常報知形態のみを出力してもよい。周辺制御基板4140は、パラメータcに係る異常(短開放放状態の大当り時)と、パラメータdに係る異常(長開放放状態の大当り時)とは、既述のとおりお互いに異質なものであるために、通常、パラメータcとパラメータdとを区別して判定するが、両者を合わせて判定することを敢えて妨げる程のものではない。
例えば、最新の大当りに係るパラメータcのレコード(c)と、一つ前の大当りに係るレコード(cn-1)とが共に(1,0)である場合には、短開放状態の大当でありながら特定領域への入球が2回連続であったため、何らかの不正や不具合等が発生したまま遊技進行している可能性が高いことになる。同様に、最新の大当りに係るパラメータdのレコード(d)と、一つ前の大当りに係るレコード(dn-1)とが共に(1,0)である場合には、長開放放状態の大当り時でありながら特定領域への入球出来なかったことが2回連続であったため、遊技者側で遊技内容を理解できていなかったために、遊技球の発射が中断された等の事情が想定される。周辺制御基板4140は、このように、同種の異常が連続した場合には、「連続異常」を表す態様での履歴情報の報知が必要であると判定する。なお、異常を示すパラメータ値の累積発生回数や発生頻度等を所定の規定値と比較して、連続異常に匹敵する異常であるか否かを判定してもよい。なお、「連続」でなくても、一度の不正データを「異常」と判定してよもい。
周辺制御基板4140は、S13040の判定を肯定すると、異常報知形態設定処理を実行する(S13060)。この処理では、「連続異常」を表す態様での履歴情報の報知をどのような形態で行うかを選択・設定する。周辺制御基板4140は、設定した形態をRAMの所定領域に記録し、履歴情報一覧作成処理S13080(後述)を行い、遊技履歴情報報知形態設定処理を終了する。
・パラメータa
(1,0):第1特別図柄に基づく大当り(パターン1):図柄表示装置に青背景を表示
(0,1):第2特別図柄に基づく大当り(パターン2):図柄表示装置に赤背景を表示
・パラメータb
(1,0):長開放状態の大当り(パターンI):図柄表示装置に金背景を表示
(0,1):短開放状態の大当り(パターンII):図柄表示装置に銀背景を表示
・パラメータc
(1,0):短開放放状態の大当り時に特定領域への入球あり(パターンa):色背景に重ねて異常識別記号(u)を表示
(0,1):短開放放状態の大当り時に特定領域への入球なし(パターンb):特になし(異常識別記号(u)(m)の表示なし)
・パラメータd
(1,0):長開放放状態の大当り時に特定領域への入球なし(パターンA):色背景に重ねて異常識別記号(m)を表示
(0,1):長開放放状態の大当り時に特定領域への入球あり(パターンB):特になし(異常識別記号(u)(m)の表示なし)
図158は、図柄表示装置1400Aの画面に色背景に重ねて異常識別記号(u)又は(m)が表示されている形態の一例である。
次いで、周辺制御基板4140は、RAMの該当領域を参照して、異常報知形態の設定データがあるか否かをチェックする(S14040)。異常報知形態の設定データを確認すると、異常報知形態データに基づいて「連続異常」を表す態様の履歴情報とするための付加報知形態を作成し、付加報知形態と標準報知形態とを合わせた統合報知形態を作成する。異常報知形態のデータが存在しない場合には、付加報知形態と標準報知形態とを合わせた統合報知形態を作成しない。こうして作成された統合報知形態により、「連続異常」を表す態様の履歴情報が報知可能となる。周辺制御基板4140は、付加報知形態に基づいて、例えば、標準報知形態に対する強調処理や、飾り処理等の付加処理を実行し、統合報知形態を作成する。例を示すと、付加報知形態を「画像の点滅表示」とした場合、付加報知形態を有さない統合報知形態は、「標準報知形態の常時表示(点灯表示)」となり、付加報知形態を有する統合報知形態は、「標準報知形態の点滅表示」となる。付加報知形態としては、他にも標準報知形態の形状を変えたり、標準報知形態に他の形態を付加させたりする等が考えられる。また、異常データの累積数や頻度等異常の発生の程度に応じた付加報知形態を設けることとしてもよい。例えば、付加報知形態として「点滅間隔の長い画像の点滅表示(例えば1秒ごとに点滅)」と「点滅間隔の短い画像の点滅表示(例えば0.5秒ごとに点滅)」とを設け、異常データの累積数が1回の場合には、付加報知形態を付加せず、異常データの累積数が2回の場合には、「点滅間隔の長い画像の点滅表示(例えば1秒ごとに点滅)」を付加報知形態として付加し、異常データの累積数が3回以上の場合には、「点滅間隔の短い画像の点滅表示(例えば0.5秒ごとに点滅)」を付加報知形態として付加する等が例示できる。
そして、周辺制御基板4140は、作成された形態での報知を実行して(S14060)、フローチャートを終了する。なお、本実施例では、履歴情報の報知の終了条件を「次の大当り遊技が開始されること」にしている。すなわち、本実施例では、履歴情報の報知期間を「大当り遊技の終了後から、次回の大当り遊技が開始されるまでの全遊技期間(過言すれば、第1特別図柄、第2特別図柄の変動表示中および停止表示中、有効ゲート6010nの通過までの当り待機期間中、およびデモ期間中、およびエラー期間中を含むすべての期間)」にすればよく、次に大当たり遊技が実行されるまで、遊技の進行内容に拘らず、同一の履歴情報を表示し続けることができるようにしている。この履歴情報により、直近で終了した大当りの進行に異常が生じたか否かを、遊技の進行を妨げることなく、外部からいつでも確認・判別可能となり、また、それらの証拠を残すことが可能となる。結果、不正行為の可能性を早期に発見したり、発射等の異常を早期に発見したり、あるいは、遊技者が受けた不利益に対する対処等を図ることが可能となり、遊技者や遊技場運営事業者の双方に不利益や不信感を与えることを抑制する(安心感を与える)ことが可能となる。
また、履歴情報の報知期間は、次のようにしても良い。例えば、履歴情報の報知期間を「大当りの後の時短遊技が終了してから次回の大当りが開始されるまで」や、「大当り後の遊技状態が低確率状態の場合であって、大当り終了後から次の大当りが開始されるまで」や、「大当り後の遊技状態が高確率状態の場合であって、通常遊技状態に変化してから次の大当りが開始されるまで」や、「遊技場運営事業者により所定の表示開始操作(遊技機裏面に設けられる図示しない表示開始スイッチに対する操作など)がなされてから所定期間(表示開始操作がなされてから10分の経過、第1特別図柄、第2特別図柄のの10回の変動表示の終了など)が経過するまで」等で報知を実行するようにしてもよい。
情報表示装置1400A等での遊技履歴情報の報知態様は、遊技盤側液晶表示装置1400に表示される第4図柄の表示態様とは別なものである。第4図柄は、前述した装飾図柄よりも小さく表示されるものであって、第1始動口に基づく抽選と第2始動口に基づく抽選の夫々に基づいて変動表示する図柄であり、抽選結果の当り又は外れを「○」、「×」等で表示する。これに対して、既述の履歴情報は、大当り遊技の終了後、第1始動口に基づく抽選と第2始動口に基づく抽選とが行われても、これらには実質的に影響されず、特定領域に対する遊技球の動作態様に関する出力(履歴情報)が維持、継続される。履歴情報を遊技盤側液晶表示装置1400以外と異なる部材である情報表示装置1400Aにおいて実行すれば、履歴情報を第4図柄と明確に区別して外部に伝達・認識させることが可能となる。
また、パラメータの種類に応じて履歴情報の報知期間を変えてもよい。例えば、パラメータc,dに関する履歴情報の報知は、大当りが終了してから次回の大当りが開始されるまでの全遊技期間で遊技の進行内容に拘らず実行するものとするのに対して、パラメータa,bに関する履歴情報の報知は、大当りが終了してから所定期間(表示開始操作がなされてから10分の経過、第1特別図柄、第2特別図柄のの10回の変動表示の終了など)が経過するまでの期間で実行する等が例示できる。周辺制御基板4140は、大当りの都度、履歴情報を更新するので、遊技者及び遊技場運営事業者は、最新の履歴情報を確認することができる。したがって、遊技場運営事業者は、履歴情報によって、大当りが短開放状態であるにも拘わらず、特定領域6770に遊技球が入球するなど、不正行為のおそれがある異常状態に基づいて遊技利益を得たものであるか、大当りが長開放状態であるにも拘わらず、特定領域6770に遊技球を入球出来なかったなど、遊技者側の誤操作に起因する異常状態に基づいて遊技利益が得られなかったものであるかを、簡単かつ確実に判断することができる。
また、特定領域6970を遊技球が通過すれば、大当り終了後規定変動回数に到達するまで、遊技球の右打ちを継続していれば、遊技球が第1始動口2003に入球することはないが、遊技球の左打ちによって第1始動口に入球して短開放状態の大当りに当選すると、大当り終了後の遊技状態が低確率状態になる。遊技者が、得られた筈の高確率状態が失われたと誤解しても、遊技場運営事業者は履歴情報に基づいてこの誤解を遊技者に丁寧に解説することができるようになる。
次に、既述の履歴情報一覧作成処理(S13080)について説明する。既述の標準報知形態及び異常報知形態は、直近の大当りの遊技履歴に対して行われるものであるが、履歴情報一覧は、過去の複数の大当りに係る遊技履歴を含む詳細な履歴情報として作成される。履歴情報一覧の形態には、過去全ての大当りに係る履歴情報を含む形態、既述の異常な遊技に係る大当りの履歴情報のみを含む形態がある。図160は前者の形態であり、図161及び図162は後者の形態である。履歴情報一覧には、第1特別図柄に基づく大当り(特1当り)か第2特別図柄に基づく大当り(特2当り)かを区別する項目、特定領域6970を遊技球が通過した(V入賞あり)か特定領域6970を遊技球が通過しなかった(V入賞なし)かを区別する項目、短開放状態の大当り(V短開放)か長開放状態の大当り(V長開放)かを区別する項目、そして、RTCの実時間データとが、例えば、含まれている。
周辺制御基板4140は、所定のポリシーにしたがって、履歴情報の一覧の形態を決定すると共に、パラメータ管理テーブル(図154)に基づいて履歴情報一覧を作成し、これをRAMの所定領域に記録する。なお、図162では、短開放状態の大当りでありながら遊技球が特定領域6770を通過した場合、その後に続く、第2特別図柄に基づく一つ又は複数の大当りは、既述のとおり不正行為に起因する可能性が高いために、これら大当りを異常なものとして取り扱っている。
周辺制御基板4140は、履歴情報一覧の報知処理を図163のフローチャートにしたがって実行する。このフローチャートは、例えば、タイマ割り込み処理に基づいて開始される。周辺制御基板4140は、RAMに履歴情報一覧データがあるか否かを判定し(S15000)、これを肯定すると、デモ期間(客待ち状態となって遊技盤側液晶表示装置1400によるデモンストレーションが行われている期間内)か否かを判定する(S15020))。そして、この判定を肯定する場合には、履歴情報一覧の報知を実行する(S15060)。履歴情報一覧報知は、遊技盤側液晶表示装置又は上皿側液晶表示装置に表出されることによって実行される。デモ期間中でない場合には、報知要求があったか否かを判定し(S15040)、これを肯定する場合にも、履歴情報一覧の報知を実行する(S15060)。遊技盤側液晶表示装置又は上皿側液晶表示装置に表示されたメニューに対して、所定の操作を実行することによって、報知要求を設定することができる。周辺制御基板4140は、デモ画面表示が終了する迄、又は、履歴情報一覧の報知要求が終了されるまで、履歴情報一覧の報知を継続することができる。履歴情報一覧の報知によって、遊技者及び遊技場運営事業者とも、大当り遊技の履歴を容易に確認することができる。これにより、過去に実行された複数回の大当りの進行に異常が生じたか否かを、容易に確認・判別可能となり、また、それらの証拠を残すことが可能となる。結果、不正行為の可能性を発見したり、発射等の異常を発見したり、あるいは、遊技者が受けた不利益に対する対処等を図ることが可能となり、遊技者や遊技場運営事業者の双方に不利益や不信感を与えることを抑制する(安心感を与える)ことが可能となる。
また、情報表示装置1400Aでの履歴情報の報知に代えて、既述のように、例えば、図159に示すように、駆動可能な回転役物を利用した履歴情報の報知も可能である。この形態では、左右方向に並ぶ3つの回転役物(1)−(3)が外部から視認可能なように、遊技盤の所定領域に設けられている。最も左側に位置する第1連目の回転役物(1)は、パラメータaに係るもので、外周面に「赤背景の部位」と「青背景の部位」とを有し、回転することによって「赤背景の部位」と「青背景の部位」とを切り変えることが可能であり、停止することで「赤背景の部位」と「青背景の部位」のうちの一方を外部から視認可能となるように表示する。また、中間に位置する第2連目の回転役物(2)は、パラメータbに係るもので、外周面に「金背景の部位」と「銀背景の部位」とを有し、回転することによって「金背景の部位」と「銀背景の部位」とを切り変えることが可能であり、停止することで「金背景の部位」と「銀背景の部位」のうちの一方を外部から視認可能となるように表示する。また、最も右側に位置する第3連目の回転役物(3)は、パラメータc、dに係るもので、外周面に、「識別記号uが記載された部位」と「識別記号mが記載された部位」、「両方の識別記号が記載されていない部位(異常状態ではない部位)」とを有し、回転することによって、これら部位を切り変えることが可能であり、停止することで、いずれかの部位を外部から視認可能となるように表示する。周辺制御基板4140は、上述した各パラメータに基づいて3つの回転役物の回転および停止を制御するものであり、3つの回転役物の停止態様の組み合わせで前回の大当りに係る履歴情報の報知を可能とする。さらに、このような回転役物を利用した報知形態にて、電源断やRAMクリア等があっても、各回転役物を初期位置に戻す初期化動作を行なわないようにしておくようにしてもよい。このようにすることで、周辺制御基板4140にバックアップ等が搭載されていなくとも、電源断やRAMクリア等があっても、前回の大当りに係る履歴情報の報知を確実に維持し続けることができる。
また、情報表示装置1400Aでの履歴情報の報知に代えて、遊技盤側液晶表示装置1400に履歴情報を表示するようにしてもよい。この場合には、前述した第4図柄との区別を明確にするために、第4図柄が表示される表示領域(例えば、遊技盤側液晶表示装置1400の右上隅の表示領域)とは別の表示領域(例えば、遊技盤側液晶表示装置1400の左下隅の表示領域)で履歴情報を表示することが好ましい。また、情報表示装置1400Aでの履歴情報の報知に代えて、所定のLEDランプ等を遊技の進行状態に応じた態様(上述したパラメータa〜dの組み合わせによって発光色が異なる等)で発光させることで履歴情報を報知するようにしてもよい。
なお、特定領域6970に遊技球が通過すると、大当り遊技の終了後、規定変動数に到達するまで、遊技状態が高確率状態に設定されるタイプの遊技機に対して、本発明が適用されることを説明したが、大当り遊技の終了後、次の大当りに当選するまで、遊技状態が高確率状態に設定されるタイプの遊技機に対して本発明を適用するようにしてもよい。このタイプの遊技機においては、大当りに占める短開放状態の大当りの割合を前者の遊技機よりも大きくすることによって、期待される遊技利益の均衡を図るようにすればよい。
さらにまた、また、既述の遊技機では、大当り遊技の終了後の高確率状態の終了契機が規定回数の変動であったが、大当り抽選の都度、高確率状態を低確率状態に転落させるため抽選を行い、転落抽選に当選した場合に、高確率状態を終了させるタイプの遊技機に対して本発明を適用してもよい。このようなタイプの遊技機の場合は、転落抽選に当選した後にも、次の大当りが開始されるまで継続して履歴情報を表示するようにすればよい。
遊技球が特定領域を通過した場合に、大当り遊技の条件装置を成立させるタイプの遊技機においても、本発明を適用して、特定領域に対する遊技球の動作形態の履歴情報が報知されるようにしてもよい。この遊技機は、例えば、第1始動口及び第2始動口への遊技球の入球に基づいて、小当りの抽選を行い、小当りに当選した場合に大入賞口を低ラウンド数開放し、この間に、特定領域に遊技球が入球した場合に大当りを発生させる、所謂一種二種混合機として知られている。
また、本実施形態のパチンコ機は、以下の構成を備えていてもよい。すなわち、主制御基板4100が、既述の短開放状態の大当りにおける右大入賞口7000を用いたラウンドの終了時に、既述のVフラグに「1」がセットされたことを判定すると、不正遊技に準ずる遊技の検出情報として既述の外部端子版を介して、大当り遊技中ホールコンピュータに必要情報を出力するようにしてもよい。「不正遊技に準ずる遊技」とは磁気センサ等によって検出され得る不正遊技とは断定できないものの、不正な遊技操作に基づく可能性が高いものとして分類される。したがって、ホールコンピュータは、「不正遊技に準ずる遊技」として、「不正遊技」と区別した形態で遊技場運営管理者に必要な報知を行うことができる。また、主制御基板4100が、既述の短開放状態の大当りにおける右大入賞口7000を用いたラウンドの終了時に、既述のVフラグに「1」がセットされたことを判定すると、周辺制御基板4140に「不正遊技に準ずる遊技」に係る報知表示コマンドを送信し、周辺制御基板は、当該コマンドを受けると、大当り遊技中或いは大当り終了後に、「不正遊技に準ずる遊技」に特化した報知を実行することができる。また、主制御基板4100が、既述の長開放状態の大当りにおける右大入賞口7000を用いたラウンドの終了時に、既述のVフラグに「1」がセットされていないことを判定すると、「遊技者支援要請」情報として、既述の外部端子版を介して、大当り遊技中ホールコンピュータに必要情報を出力する。「遊技者支援要請」とは長開放状態大当りでありながら、Vフラグ「1」が成立しない状態では、遊技者が大当り時の遊技操作を誤っている可能性があるため、遊技者に対する支援を求める情報である。したがって、ホールコンピュータは、「遊技者支援要請」に基づいて、遊技場運営管理者に必要な注意のための報知を行うことができる。また、主制御基板4100が、既述の長開放状態の大当りにおける右大入賞口7000を用いたラウンドの終了時に、既述のVフラグに「1」がセットされていないことを判定すると、周辺制御基板4140に「遊技者支援要請」に係る報知表示コマンドを送信し、周辺制御基板は、当該コマンドを受けると、大当り遊技終了後に、「遊技者支援要請」に特化した報知、例えば、大当り遊技中には、右打ちを継続させなければならないことを示す報知を実行することができる。
なお、上記実施形態においてパチンコ機とは、遊技者が遊技機に投入する媒体である遊技球等の投入媒体と、遊技者が行う実質的な遊技に用いられる媒体である遊技媒体とを同一のものとした遊技機であり、投入された例えば遊技球等の媒体を用いて遊技が行われるタイプの遊技機の一種である。具体的には、「操作ハンドルの操作に対応して遊技球を発射する発射装置と、多数の障害釘、センター役物、表示手段等の適宜の機器が組み込まれたり、始動入賞口、大入賞口、通過口、到達口等の遊技球が入球する適宜の入球口が設けられた遊技領域と、発射装置から遊技領域に遊技球を導くレールと、遊技領域に導かれた遊技球の入球口への入球に応じたり、複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて、所定数の遊技球を賞球として払い出す払出手段とを備えるもの」である。
また、パチンコ機としては、種々のタイプのものがあり、一般に「デジパチ」と称されるものに代表される「入球口への入球状態を検出する入球状態検出手段(即ち、遊技状態検出手段)と、入球状態検出手段によって入球が検出されると所定の抽選を行う抽選手段と、抽選手段の抽選結果に応じて特別図柄を変動させると共に変動を停止させる特別図柄表示手段とを備えたもの」や「加えて、特別図柄の変動中に、複数の装飾図柄からなる装飾図柄列を変動表示させるとともに、所定のタイミングでキャラクタ等を出現させる演出画像表示手段をさらに備えるもの」、一般に「複合機」と称されるものに代表される「役物内での遊技球の振分けによって抽選を行う抽選手段と始動口に入賞することによって抽選を行う抽選手段とを備えたもの」、一般に「アレパチ」と称されるものに代表される「例えば16個等の所定個数の遊技球により1ゲームが行われ、1ゲームにおける複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて所定個数の遊技球の払出しを行うもの」等を例示することができる。
また、上述の実施形態における演出表示装置は、液晶表示装置であることが好ましいが、必ずしも液晶表示装置に限られない。EL表示装置、プラズマ表示装置およびCRT等の表示装置等であってもよい。
1 パチンコ機
2 外枠
3 扉枠
4 本体枠
5 遊技盤
5a 遊技領域
200 皿ユニット
201 上皿(貯留部)
210 皿ユニットベース
212 上皿本体(貯留部)
212a 誘導通路部
220 演出操作ユニット
220A 取付ベースユニット
220B タッチユニット
220C ボタンユニット
244 上皿液晶表示装置(画像表示装置)
246 タッチパネル
257 上皿演出ボタン(押圧ボタン)
260 皿ユニットカバー(膨出部材)
261 下皿開口部
262 上皿下被覆部

Claims (2)

  1. 遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて抽選を行ない、該抽選の結果が所定の結果である場合に、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御し、前記特別遊技状態にて遊技媒体が特定領域を通過した場合に、所定の遊技利益を付与し得る遊技機であって、
    前記特定領域を遊技媒体が通過する可能性の異なる複数態様で前記特別遊技状態を制御し得る特別遊技状態制御手段と、
    前記特別遊技状態にて所定条件が成立した場合に、所定の演出制御を行う周辺制御手段と、
    を備え、
    前記特別遊技状態制御手段は、前記特定領域を遊技媒体が通過する可能性の低い通過困難態様で前記特別遊技状態を制御する場合と、前記特定領域を遊技媒体が通過する可能性の高い通過容易態様で前記特別遊技状態を制御する場合とを有するものであって、
    前記始動領域のうちの第1の始動領域を遊技媒体が通過したことに基づく抽選が行われた場合には、前記始動領域のうちの第2の始動領域を遊技媒体が通過したことに基づく抽選が行われた場合よりも、前記特別遊技状態制御手段によって前記通過困難態様で前記特別遊技状態が制御され得る可能性が高く、且つ、前記通過容易態様で前記特別遊技状態が制御され得る可能性が低いものであり、
    前記特定領域を遊技媒体が通過し得る特定期間は、前記特別遊技状態に制御される期間の開始時および終了時を除く所定の中途期間が設定されており、
    前記周辺制御手段は、
    前記通過困難態様で制御された前記特別遊技状態の前記中途期間にて前記特定領域を遊技媒体が通過した場合に、前記通過容易態様で制御された前記特別遊技状態の前記中途期間にて前記特定領域を遊技媒体が通過したときには行われることのない第1態様で前記特定領域の通過を知らせる第1異常報知制御を、報知開始の条件が成立することに基づいて開始するものであり、
    前記通過容易態様で制御された前記特別遊技状態の前記中途期間にて前記特定領域を遊技媒体が通過しなかった場合に、前記通過容易態様で制御された前記特別遊技状態の前記中途期間にて前記特定領域を遊技媒体が通過したときには行われることのない第2態様で前記特定領域の非通過を知らせる第2異常報知制御を、報知開始の条件が成立することに基づいて開始するものであり、
    前記第1異常報知制御または前記第2異常報知制御を行っている間に前記第1の始動領域を遊技媒体が通過したことに基づく抽選、又は、前記第2の始動領域を遊技媒体が通過したことに基づく抽選が行われた場合だけでなく、前記第1異常報知制御または前記第2異常報知制御を行っている間に前記通過困難態様または前記通過容易態様で前記特別遊技状態に新たに制御された場合であっても、実行中の前記第1異常報知制御または前記第2異常報知制御を引き続き行うことが可能であり、該新たに制御された前記特別遊技状態の前記中途期間における前記特定領域に対する遊技媒体の通過有無に関する結果が得られて該結果に基づく新たな異常を特定したとしても、実行中の前記第1異常報知制御または前記第2異常報知制御をクリアすることなく残存させ、
    さらに、前記第1の始動領域を遊技媒体が通過したことに基づく抽選、および、前記第2の始動領域を遊技媒体が通過したことに基づく抽選が行われていない待機遊技状態が開始されても、実行中の前記第1異常報知制御または前記第2異常報知制御をクリアすることなく残存させる
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて抽選を行ない、該抽選の結果が所定の結果である場合に、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御し、前記特別遊技状態にて遊技媒体が特定領域を通過した場合に、所定の遊技利益を付与し得る遊技機であって、
    前記特定領域を遊技媒体が通過する可能性の異なる複数態様で前記特別遊技状態を制御し得る特別遊技状態制御手段と、
    前記特別遊技状態にて所定条件が成立した場合に、所定の演出制御を行う周辺制御手段と、
    を備え、
    前記特別遊技状態制御手段は、前記特定領域を遊技媒体が通過する可能性の低い通過困難態様で前記特別遊技状態を制御する場合と、前記特定領域を遊技媒体が通過する可能性の高い通過容易態様で前記特別遊技状態を制御する場合とを有するものであって、
    前記始動領域のうちの第1の始動領域を遊技媒体が通過したことに基づく抽選が行われた場合には、前記始動領域のうちの第2の始動領域を遊技媒体が通過したことに基づく抽選が行われた場合よりも、前記特別遊技状態制御手段によって前記通過困難態様で前記特別遊技状態が制御され得る可能性が高く、且つ、前記通過容易態様で前記特別遊技状態が制御され得る可能性が低いものであり、
    前記特定領域を遊技媒体が通過し得る特定期間は、前記特別遊技状態に制御される期間の開始時および終了時を除く所定の中途期間が設定されており、
    前記周辺制御手段は、
    前記通過困難態様で制御された前記特別遊技状態の前記中途期間にて前記特定領域を遊技媒体が通過した場合に、前記通過容易態様で制御された前記特別遊技状態の前記中途期間にて前記特定領域を遊技媒体が通過したときには行われることのない所定態様で前記特定領域の通過を知らせる異常報知制御を、報知開始の条件が成立することに基づいて開始するものであり、
    前記異常報知制御を行っている間に前記第1の始動領域を遊技媒体が通過したことに基づく抽選、又は、前記第2の始動領域を遊技媒体が通過したことに基づく抽選が行われた場合だけでなく、前記異常報知制御を行っている間に前記通過困難態様または前記通過容易態様で前記特別遊技状態に新たに制御された場合であっても、実行中の前記異常報知制御を引き続き行うことが可能であり、該新たに制御された前記特別遊技状態が前記通過困難態様であり、且つ、当該新たに制御された特別遊技状態の前記中途期間にて前記特定領域を遊技媒体が通過したとしても、実行中の前記異常報知制御をクリアすることなく残存させ、
    さらに、前記第1の始動領域を遊技媒体が通過したことに基づく抽選、および、前記第2の始動領域を遊技媒体が通過したことに基づく抽選が行われていない待機遊技状態が開始されても、実行中の前記異常報知制御をクリアすることなく残存させる
    ことを特徴とする遊技機。
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