以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。
[パチンコ遊技機1の概略構成例]
まず、図1〜図3を参照しつつ、パチンコ遊技機1の概略構成について説明する。ここで、図1は、パチンコ遊技機1の概略正面図である。図2は、第2大入賞口19の構成例について説明するための概略図である。図3は、パチンコ遊技機1の一部を示す平面図である。図1に例示されるように、パチンコ遊技機1は、入賞や判定に関する役物等が設けられた遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材3とを備えている。枠部材3は、遊技盤2と所定の間隔を隔てて平行配置された透明なガラス板を支持しており、このガラス板と遊技盤2とによって、遊技球が流下可能な遊技領域10が形成されている。
遊技者がハンドル20を握ってレバー21を時計方向に回転させると、上皿28に溜められた遊技球が発射装置(不図示)へと案内され、ハンドル20の回転角度に応じた打球力で遊技領域10へと発射される。この遊技領域10には、不図示の遊技クギや風車等が設けられており、発射された遊技球は、遊技領域10における上部位置へと案内され、遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤2に沿って落下する。なお、遊技球の発射は、遊技者が停止ボタン22を操作することによって一時的に停止される。
上皿28は、発射装置へ供給される遊技球及び賞球を溜めるものである。この上皿28の下方には、賞球を溜める下皿29が設けられている。この下皿29と近接配置された取り出しボタン23を遊技者が操作すると、下皿29の下面の一部が開口されて、下皿29に溜まった遊技球が下皿29の下方に配置された不図示の箱に落下する。なお、他の実施形態では、上皿28及び下皿29が1つの皿で構成されてもよい。
遊技者がハンドル20を小さい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「左打ち」を行うと、遊技球が相対的に弱い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印31に例示されるように遊技領域10における左側領域を流下する。一方、遊技者がハンドル20を大きい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「右打ち」を行うと、遊技球が相対的に強い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印32に例示されるように遊技領域10における右側領域を流下する。
左打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、第1始動口11、第2始動口12、2つの普通入賞口14、及び電動チューリップ17が設けられている。また、右打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、上記第2始動口12、第1大入賞口13、2つの普通入賞口14、ゲート16、上記電動チューリップ17、及び第2大入賞口19が設けられている。
遊技領域10に打ち出された遊技球は、遊技盤2に沿って流下する過程で、第1始動口11、第2始動口12、第1大入賞口13、普通入賞口14、及び第2大入賞口19のいずれかに入球して入賞する。これにより、入賞した箇所に応じた所定数の賞球が上皿28又は下皿29に払い出される。なお、入賞しなかった遊技球は、排出口18を介して遊技領域10から排出される。
第1始動領域としての第1始動口11は、常時開放されている始動口であり、第2始動領域としての第2始動口12は、普通電動役物としての電動チューリップ17が作動しているときだけ開放される始動口である。パチンコ遊技機1では、遊技球が第1始動口11を通過して入賞した場合、又は遊技球が第2始動口12を通過して入賞した場合、遊技者にとって有利な大当たり遊技(特別遊技)を実行するか否かが判定され、その判定結果が後述する表示器4に表示される。
なお、以下の説明では、第1始動口11への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第1特別図柄判定」と呼び、第2始動口12への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第2特別図柄判定」と呼び、これらの判定を総称して「特別図柄判定」と呼ぶものとする。
第1大入賞口13(第1入賞領域の一例)は、特別図柄判定の結果に応じて開放される。この第1大入賞口13の開口部には、第1大入賞口13を開閉するプレートが設けられている。第1大入賞口13は、通常はこのプレートによって閉塞されている。これに対して、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す所定の大当たり図柄が表示器4に停止表示された場合、上記プレートを作動させて第1大入賞口13を開放する大当たり遊技が実行される。大当たり遊技中は、所定条件(本実施形態では、第1大入賞口13への9個の遊技球の入賞、又は第1大入賞口13が開放されてから29.5秒の経過)を満たすまで第1大入賞口13が開放状態に維持されてから閉塞されるラウンド遊技が所定回数実行される。このため、遊技者は、大当たり遊技中に右打ちを行うことで、大当たり遊技が行われていないときに比べてより多くの賞球を得ることができる。
第2大入賞口19(第2入賞領域の一例)は、特別図柄判定の結果に応じて開放される。この第2大入賞口19の開口部には、図1及び図2に例示されるように、第2大入賞口19を開閉する第1羽根部材191が設けられている。後に詳述するが、大当たり遊技中は、上述した第1大入賞口13を開放する4回目のラウンド遊技に続いて、所定条件(本実施形態では、第2大入賞口19が開放されてから0.1秒の経過、又は第2大入賞口19への9個の遊技球の入賞或いは第2大入賞口19が開放されてから29.5秒の経過)を満たすまで第2大入賞口19が開放状態に維持されてから閉塞されるラウンド遊技が所定回数(本実施形態では1回)実行される。
この第2大入賞口19の内部(特別入賞領域)には、図2に例示されるように、第2大入賞口19に入賞した遊技球を検知する第2大入賞口スイッチ116と、この第2大入賞口スイッチ116を通過した遊技球を当たり領域としてのV領域195、又はハズレ領域196へと案内する第2羽根部材192と、V領域195への遊技球の進入を検知するV入賞口スイッチ117と、ハズレ領域196への遊技球の進入を検知する排出スイッチ118とが設けられている。
大当たり遊技が行われていないときには、第2大入賞口19が第1羽根部材191によって閉塞されると共に、V領域195が第2羽根部材192によって閉塞されている(図2(A)参照)。これに対して、大当たり遊技が開始されて第1大入賞口13を開放する4回目のラウンド遊技が終了すると、まず、第1羽根部材191が回動して第2大入賞口19が開放される(図2(B)参照)。これにより、第2大入賞口19内が、遊技球が進入し難い進入困難状態から進入し易い進入容易状態へと一時的に変化する。図2(B)に示される状態では、V領域195が第2羽根部材192によって閉塞されている。このため、第2大入賞口19内に進入した遊技球は、第2羽根部材192によってハズレ領域196へと案内される。
これに対して、第2大入賞口19の開放開始から所定時間(本実施形態では3秒)が経過すると、第2羽根部材192が設定時間(本実施形態では10秒)だけV領域195を開放した開姿勢(図2(C)参照)を維持した後にV領域195を閉塞する閉姿勢(図2(B)参照)に戻る。このため、第2大入賞口19が第1羽根部材191によって開放されると共にV領域195が第2羽根部材192によって開放されている間に、遊技球のV領域195への進入(以下「V入賞」ともいう。)が可能となる。
このように、本実施形態では、V領域195は、第1羽根部材191及び第2羽根部材192の両方が同時期に動作することによって、V領域195に対して遊技球が通過し難い通過困難状態から通過し易い通過容易状態へと一時的に変化する。
図2に例示されるように、V領域195に進入する遊技球は、V入賞口スイッチ117によって検知される。このV入賞口スイッチ117を通過した遊技球は、必ずV領域195を通過する。このため、V入賞口スイッチ117は、V領域195に対する遊技球の通過を検知する検知手段として機能することになる。また、このV入賞口スイッチ117は、確変スイッチとしての機能も併せ持つ。このため、第2大入賞口19に入賞した遊技球がこのV入賞口スイッチ117によって検知されると、大当たり遊技が終了した後に、大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い低確率状態からその確率が相対的に高い高確率状態へと移行する。また、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、この高確率状態への移行に伴い、第2始動口12が開放され易くなるいわゆる電チューサポート機能が付与される。後に詳述するが、本実施形態では、このように電チューサポート機能が付与される高確率状態は、最長で、第2特別図柄判定(又は第1特別図柄判定)が115回実行されるまで継続する。
なお、後に詳述するが、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、V領域195への遊技球の進入が困難な動作態様で第1羽根部材191及び第2羽根部材192を動作させる「通常大当たり」と、逆にV領域195への遊技球の進入が容易な動作態様で第1羽根部材191及び第2羽根部材192を動作させる「確変大当たり」との2種類の大当たりが用意されており、基本的には、後者の大当たりに当選した場合にのみ、上述した高確率状態への移行が可能となる。
また、ハズレ領域196に進入する遊技球は、排出スイッチ118によって検知される。この排出スイッチ118を通過した遊技球は、必ずハズレ領域196を通過する。
このように、第2大入賞口19内に進入した遊技球は、必ず第2大入賞口スイッチ116を通過し、その後、V領域195又はハズレ領域196を通過してから排出される。このため、パチンコ遊技機1では、V入賞口スイッチ117の検知結果及び排出スイッチ118の検知結果に基づいて、第2大入賞口19内から排出される遊技球の数を特定することができる。また、第2大入賞口スイッチ116の検知結果に基づいて、第2大入賞口19内に進入した遊技球の数を特定することができる。
なお、他の実施形態では、V入賞口スイッチ117がV領域195の下流或いはV領域195内に設けられていてもよいし、排出スイッチ118がハズレ領域196の下流或いはハズレ領域196内に設けられていてもよい。
電動チューリップ17は、第2始動口12に近接配置されており、一対の羽根部材を有している。この電動チューリップ17は、一対の羽根部材が第2始動口12を閉塞する閉姿勢(図1参照)と、第2始動口12を開放する開姿勢(不図示)とに姿勢変化可能に構成されている。
第2始動口12は、図1に例示されるように、通常は電動チューリップ17によって閉塞されている。これに対して、遊技球がゲート16を通過すると、賞球の払い出しは行われないものの、第2始動口12を開放するか否かが判定される。ここで、第2始動口12を開放すると判定された場合、電動チューリップ17の一対の羽根部材が規定時間開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数行われる。このように、第2始動口12は、電動チューリップ17が作動していないときには遊技球が通過し難い状態であるのに対して、電動チューリップ17が作動することによって遊技球が通過し易い状態となる。なお、以下の説明では、ゲート16に対する遊技球の通過を条件として実行される判定を「普通図柄判定」と呼ぶものとする。
普通入賞口14は、第1始動口11と同様に常時開放されており、遊技球の入賞によって所定個数の賞球が払い出される入賞口である。なお、第1始動口11等とは異なり、普通入賞口14に遊技球が入賞しても判定が行われることはない。
[パチンコ遊技機1の演出手段の構成例]
図1に例示されるように、遊技盤2又は枠部材3には、各種の演出を行うものとして、液晶表示装置5、スピーカ24、可動役物7、盤ランプ25、センターランプ30等が設けられている。また、枠部材3には、図1には示されていない枠ランプ37(図14参照)が内蔵されている。
液晶表示装置5は、演出画像を表示する画像表示装置であり、液晶表示装置5の表示画面は、遊技者によって視認され易い位置に設けられている。この表示画面には、例えば、特別図柄判定の判定結果を報知する装飾図柄、予告演出などを行うキャラクタやアイテム、特別図柄判定が保留されている数だけ表示される保留表示画像等の各種表示オブジェクトを含む演出画像が表示される。なお、画像表示装置は、EL表示装置等の他の画像表示装置によって構成されてもよい。
スピーカ24は、液晶表示装置5で行われる表示演出と同期するように、或いは非同期に、楽曲や音声、効果音等を出力して音による演出を行う。
可動役物7は、遊技盤2に対して可動に構成されており、可動役物7自体の動きと光との両方或いは一方によって各種の演出を行う。
盤ランプ25及び枠ランプ37は、点灯又は点滅のパターンの変更、発光色の変更等の光による各種の演出を行う。センターランプ30は、例えばカラーLEDを有して構成されており、発光色や発光パターンの変更等によって、各種の演出を行う。
[パチンコ遊技機1の操作手段の構成例]
図3に例示されるように、枠部材3には、遊技者が操作する操作手段として、演出ボタン26及び十字キー27が設けられている。演出ボタン26は、遊技者が押下することによって操作情報を入力するための押ボタンである。十字キー27は、遊技者が選択操作を行うためのいわゆる十字キーである。パチンコ遊技機1では、演出ボタン26又は十字キー27の操作に応じた演出が行われる場合がある。
[表示器4の構成例]
図4は、図1における表示器4の拡大図である。表示器4は、主に特別図柄判定や普通図柄判定に関する情報を表示するものであり、図4に例示されるように、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、第1特別図柄保留表示器43、第2特別図柄保留表示器44、普通図柄表示器45、普通図柄保留表示器46、遊技状態表示器47、ラウンド表示器48等を有して構成されている。
第1特別図柄表示器41は、第1特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第1特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって第1特別図柄判定の判定結果を報知する。第2特別図柄表示器42は、第2特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第2特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって第2特別図柄判定の判定結果を報知する。第1特別図柄表示器41及び第2特別図柄表示器42には、判定図柄として、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」(本実施形態では「確変大当たり」又は「通常大当たり」)であることを示す大当たり図柄、又は特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示すハズレ図柄が停止表示される。
第1特別図柄保留表示器43は、第1特別図柄判定の保留数を表示する。第2特別図柄保留表示器44は、第2特別図柄判定の保留数を表示する。
普通図柄表示器45は、普通図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから普通図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって普通図柄判定の判定結果を報知する。普通図柄保留表示器46は、普通図柄判定の保留数を表示する。遊技状態表示器47は、パチンコ遊技機1の電源投入時点における遊技状態を表示する。ラウンド表示器48は、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に大当たり図柄が停止表示されると、大当たり遊技中における第1大入賞口13及び第2大入賞口19の開放パターンを表示する。
なお、以下の説明では、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に表示される図柄を「特別図柄」と呼び、普通図柄表示器45に表示される図柄を「普通図柄」と呼ぶものとする。
[各種乱数を用いた判定方法と各種大当たりの説明]
次に、図5を参照しつつ、各種乱数を用いた判定方法について説明する。ここで、図5は、大当たり判定処理に使用される各種乱数を例示した説明図である。
図5(A)に例示される大当たり乱数は、大当たり遊技を実行するか否かを決定するための判定に使用される乱数であり、大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い低確率状態と、大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に高い高確率状態とのそれぞれについて、個別に設定されている。
本実施形態では、低確率状態に関して、「0」のみの1個の当選値が予め設定されており、低確率状態で遊技が制御されているときに、遊技球が第1始動口11(又は第2始動口12)に入賞したタイミングで取得された大当たり乱数がこの当選値と一致した場合に、大当たり遊技を実行する(大当たりである)と判定される。
また、高確率状態に関して、「0」〜「2」の3個の当選値が予め設定されており、高確率状態で遊技が制御されているときに、遊技球が第2始動口12(又は第1始動口11)に入賞したタイミングで取得された大当たり乱数がこれらの当選値のいずれかと一致した場合に、大当たり遊技を実行すると判定される。
ここで、大当たり乱数の取り得る範囲は、低確率状態と高確率状態とのいずれの場合も「0」〜「239」である。このため、低確率状態での大当たり当選確率は1/240であり、高確率状態での大当たり当選確率は3/240(=1/80)である。このため、本実施形態では、高確率状態のときには、低確率状態のときに比べて3倍大当たりとなり易い。
大当たり乱数に基づいて大当たりである(大当たり遊技を実行する)と判定された場合、始動口入賞時にその大当たり乱数と一緒に取得された図柄乱数が、大当たりの種類毎に予め設定された図柄乱数の乱数値のうちのどの乱数値と一致するかに基づいて、大当たりの種類を決定する処理が行われる。
図5(B)に例示されるように、本実施形態では、第1始動口入賞による大当たりの種類として、4R通常当たり、5R確変当たり、16R確変当たりの3種類が用意されている。ここで、4R通常当たりは、所定条件を満たすまで第1大入賞口13を長開放する4回の長開放ラウンド遊技を含む大当たり遊技が行われると共に、大当たり遊技が終了した後に、時短遊技状態で遊技が制御されることになる大当たりである。
5R確変当たりは、所定条件を満たすまで第1大入賞口13を長開放する4回の長開放ラウンド遊技と、所定条件を満たすまで第2大入賞口19を長開放する1回の長開放ラウンド遊技とを含む大当たり遊技が行われると共に、第2大入賞口19に係る長開放ラウンド遊技中に遊技球がV領域195を通過したことを条件として、大当たり遊技が終了した後に、確変遊技状態で遊技が制御されることになる大当たりである。
16R確変当たりは、所定条件を満たすまで第1大入賞口13を長開放する4回の長開放ラウンド遊技と、所定条件を満たすまで第2大入賞口19を長開放する1回の長開放ラウンド遊技と、所定条件を満たすまで第1大入賞口13を長開放する11回の長開放ラウンド遊技とを含む大当たり遊技が行われると共に、第2大入賞口19に係る長開放ラウンド遊技中に遊技球がV領域195を通過したことを条件として、大当たり遊技が終了した後に、確変遊技状態で遊技が制御されることになる大当たりである。
ここで、パチンコ遊技機1における遊技状態について説明する。本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、「通常遊技状態」、「確変遊技状態」、及び「時短遊技状態」の3つの遊技状態のいずれかで遊技が制御される(図8参照)。
「通常遊技状態」は、上述した低確率状態で特別図柄判定(大当たり判定)が行われると共に、いわゆる電チューサポート機能が付与されない通常の遊技状態である。すなわち、通常遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い確率(本実施形態では1/240:図5(A)参照)に設定される。また、普通図柄判定によって第2始動口12を開放すると判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/12)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に長い時間(例えば25秒)に設定され、且つ第2始動口12を開放すると判定された場合の第2始動口12の開放時間が相対的に短い時間(例えば0.1秒×1回)に設定される。
「確変遊技状態」は、上述した高確率状態で特別図柄判定が行われると共に、電チューサポート機能が付与される遊技状態である。すなわち、確変遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に高い確率(本実施形態では1/80:図5(A)参照)に設定される。また、普通図柄判定によって第2始動口12を開放すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば12/12)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に短い時間(例えば2秒)に設定され、且つ第2始動口12を開放すると判定された場合の第2始動口12の開放時間が相対的に長い時間(例えば1.6秒×3回)に設定される。
なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、遊技状態を確変遊技状態に移行させる大当たり(本実施形態では、5R確変当たり又は16R確変当たり)に当選して大当たり遊技が終了してから特別図柄判定が115回行われるまで確変遊技状態で遊技が制御される。そして、この115回の特別図柄判定が行われるまでに大当たりとならなかった場合は、115回目の特別図柄判定が行われた後に、遊技状態が確変遊技状態から通常遊技状態に戻される。
「時短遊技状態」は、上述した低確率状態で特別図柄判定が行われると共に、電チューサポート機能が付与される遊技状態である。すなわち、時短遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い確率(本実施形態では1/240)に設定される。また、普通図柄判定によって第2始動口12を開放すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば12/12)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に短い時間(例えば2秒)に設定され、且つ第2始動口12を開放すると判定された場合の第2始動口12の開放時間が相対的に長い時間(例えば1.6秒×3回)に設定される。
なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、遊技状態を時短遊技状態に移行させる大当たり(本実施形態では4R通常当たり)に当選して大当たり遊技が終了してから特別図柄判定が100回行われるまで時短遊技状態で遊技が制御される。そして、この100回の特別図柄判定が行われるまでに大当たりとならなかった場合は、100回目の特別図柄判定が行われた後に、遊技状態が時短遊技状態から通常遊技状態に戻される。
図5(B)に例示されるように、第1始動口11に遊技球が入賞した際に取得される図柄乱数の取り得る範囲は、本実施形態では「0」〜「99」である。これに対して、4R通常当たりに関して「0」〜「49」の50個の乱数値が割り当てられているので、50/100の割合で4R通常当たりとなる。また、5R確変当たりに関して「50」〜「89」の40個の乱数値が割り当てられているので、40/100の割合で5R確変当たりとなる。また、16R確変当たりに関して「90」〜「99」の10個の乱数値が割り当てられているので、10/100の割合で16R確変当たりとなる。
図6(A)は、第1始動口11に係る大当たりの内訳を示した説明図である。第1始動口入賞に係る各種大当たりに対して図5(B)に基づいて上述したように乱数値が予め設定されているので、遊技球が第1始動口11に入賞して大当たりとなった場合には、大当たり遊技が終了した後に、基本的には、50%の割合で確変遊技状態に移行することになり、残りの50%については、時短遊技状態に移行することになる。
一方、図5(C)に例示されるように、第2始動口入賞による大当たりの種類としては、上述した5R確変当たり及び16R確変当たりの2種類が用意されている。第2始動口12に遊技球が入賞した際に取得される図柄乱数の取り得る範囲も、「0」〜「99」である。これに対して、5R確変当たりに関して「0」〜「39」の40個の乱数値が割り当てられているので、40/100の割合で5R確変当たりとなる。また、16R確変当たりに関して「40」〜「99」の60個の乱数値が割り当てられているので、60/100の割合で16R確変当たりとなる。
図6(B)は、第2始動口12に係る大当たりの内訳を示した説明図である。第2始動口入賞に係る各種大当たりに対して図5(C)に基づいて上述したように乱数値が予め設定されているので、遊技球が第2始動口12に入賞して大当たりとなった場合には、大当たり遊技が終了した後に、100%の割合で確変遊技状態に移行することになる。このため、遊技者は、確変遊技状態で遊技が制御されているときに、大当たり遊技が終了してから115回転以内に大当たりを引き当てることで、有利な状態を継続させることができる。
[大当たり遊技の説明]
次に、図7を参照しつつ、大当たり遊技中の第1大入賞口13、第2大入賞口19、及びV領域195のそれぞれの状態変化について説明する。ここで、図7は、大当たり遊技について説明するためのタイムチャートである。
図7(A)には、4R通常当たりとなって大当たり遊技が行われる場合の大当たり遊技中の第1大入賞口13、第2大入賞口19、及びV領域195の状態変化が例示されている。4R通常当たりとなった場合、図7(A)に例示されるように、まず、所定条件が成立するまで第1大入賞口13を開放状態に維持した後に閉塞状態に戻す長開放ラウンド遊技が4回繰り返される。第1大入賞口13を開放するラウンド遊技に関する所定条件は、大当たりの種類に関わらず、第1大入賞口13への9個の遊技球の入賞、又は第1大入賞口13の開放開始から29.5秒の経過である。
第1大入賞口13に係る4ラウンド目の長開放ラウンド遊技が終了すると、第1羽根部材191を動作させて第2大入賞口19を0.1秒間だけ開放する短開放ラウンド遊技が行われる(図7(A)参照)。そして、この第2大入賞口19の開放開始から3秒が経過すると、第2羽根部材192を動作させてV領域195を10秒間開放する開放動作が行われる。
このように、4R通常当たりとなって大当たり遊技が行われる場合には、第2大入賞口19が0.1秒間という極めて短い時間しか開放されないため、第2大入賞口19に遊技球が入賞する可能性は極めて低い。また、第2大入賞口19の開放開始から3秒が経過するまではV領域195が開放されないため、仮に第2大入賞口19の開放時に第2大入賞口19内に遊技球が進入したとしても、その遊技球がV領域195に進入することはない。このように、4R通常当たりに係る大当たり遊技は、V領域195に対する遊技球の通過が容易である通過容易状態への移行を伴わない大当たり遊技である。
図7(B)には、5R確変当たりとなって大当たり遊技が行われる場合の大当たり遊技中の第1大入賞口13、第2大入賞口19、及びV領域195の状態変化が例示されている。5R確変当たりとなった場合、図7(B)に例示されるように、まず、4R通常当たりの場合と同様に、所定条件が成立するまで第1大入賞口13を開放状態に維持した後に閉塞状態に戻す長開放ラウンド遊技が4回繰り返される。
第1大入賞口13に係る4回目の長開放ラウンド遊技が終了すると、第2大入賞口19に9個の遊技球が入賞するか、又は第2大入賞口19の開放開始から29.5秒が経過するまで第1羽根部材191を動作させて第2大入賞口19を開放する長開放ラウンド遊技が行われる。そして、この第2大入賞口19の開放開始から3秒が経過すると、第2羽根部材192を動作させてV領域195を10秒間開放する開放動作が行われる。
このように、5R確変当たりとなって大当たり遊技が行われる場合には、第2大入賞口19及びV領域195がいずれも長開放される上に、それぞれの開放期間が時間的に重なる(図7(B)参照)。このため、遊技者は、普通に右打ちさえ行っていれば、5ラウンド目の長開放ラウンド遊技中に遊技球を容易にV入賞させることができる。そして、遊技球がV領域195を通過すると、大当たり遊技が終了した後に、確変遊技状態に移行することになる。このように、5R確変当たりに係る大当たり遊技は、V領域195の通過容易状態への移行を伴う大当たり遊技である。
図7(C)には、16R確変当たりとなって大当たり遊技が行われる場合の大当たり遊技中の第1大入賞口13、第2大入賞口19、及びV領域195の状態変化が例示されている。16R確変当たりとなった場合、図7(C)に例示されるように、5R確変当たりの場合と同様に、所定条件が成立するまで第1大入賞口13を開放状態に維持した後に閉塞状態に戻す4回の長開放ラウンド遊技と、所定条件が成立するまで第2大入賞口19を開放状態に維持した後に閉塞状態に戻す1回の長開放ラウンド遊技とが行われる。そして、第2大入賞口19に係る長開放ラウンド遊技が終了すると、所定条件が成立するまで第1大入賞口13を開放状態に維持した後に閉塞状態に戻す11回の長開放ラウンド遊技が行われる。
この16確変当たりとなって大当たり遊技が行われる場合についても、第2大入賞口19に係る5ラウンド目の長開放ラウンド遊技に伴ってV領域195が長開放されるので、遊技球がV領域195を通過したことを条件として、大当たり遊技が終了した後に、確変遊技状態に移行する。
このように、4R通常当たりの場合には大当たり遊技終了後に時短遊技状態に移行し、5R確変当たり又は16R確変当たりの場合には大当たり遊技終了後に確変遊技状態に移行する。なお、5R確変当たり又は16R確変当たりとなって大当たり遊技中に第2大入賞口19が長開放された場合であっても、遊技球が少なくとも1つはV領域195を通過したことがV入賞口スイッチ117によって検知されていなければ、確変状態には移行しない。このように、第2大入賞口19及びV領域195の開放中に遊技球が1つもV入賞しなかった場合には、4R通常当たりに対する大当たり遊技終了後と同様に、時短遊技状態に移行することになる。
[遊技の流れについて]
次に、図8を参照しつつ、パチンコ遊技機1における遊技の流れについて説明する。ここで、図8は、パチンコ遊技機1における遊技の流れについて説明するための説明図である。
上述したように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、通常遊技状態、確変遊技状態、又は時短遊技状態のいずれかの遊技状態で遊技が制御される。遊技盤2の盤面構成上、遊技領域10の左側領域に打ち出された遊技球が第1始動口11に入賞可能であるのに対して、遊技領域10の右側領域に打ち出された遊技球が第1始動口11に入賞することはない。また、通常遊技状態のときには第2始動口12が開放状態になり難く、且つ開放状態になったとしても第2始動口12に遊技球が入賞するのは稀である。このため、通常遊技状態のときに右打ちを行うメリットはない。このように、通常遊技状態は、遊技球を遊技領域10の左側領域に打ち出した方が右側領域に打ち出すよりも大当たりを引き当て易い左側有利状態である。このため、遊技者は、例えば液晶表示装置5に表示されるメッセージやスピーカ24から出力される音声ガイダンスに従って左打ちを行うことになる。
通常遊技状態のときに遊技者が左打ちを行って遊技領域10の左側領域に打ち出された遊技球が第1始動口11に入賞すると、第1特別図柄判定が行われ、第1特別図柄表示器41に特別図柄が変動表示された後にその第1特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄が停止表示される。ここで、第1特別図柄判定によって大当たり遊技を実行しないと判定された場合には、ハズレ図柄が停止表示される。一方、大当たり遊技を実行すると判定された場合には、図5(B)に基づいて上述した4R通常当たりを示す大当たり図柄、5R確変当たりを示す大当たり図柄、又は16R確変当たりを示す大当たり図柄が第1特別図柄表示器41に停止表示された後に、それぞれの大当たりに応じた大当たり遊技が行われる。
4R通常当たりを示す大当たり図柄が停止表示されると(図8(A)参照)、図7(A)に基づいて上述した大当たり遊技が行われる。この大当たり遊技中には、基本的に遊技球がV領域195を通過することはないため、大当たり遊技が終了すると、時短遊技状態に移行する(図8(B)参照)。
一方、5R確変当たりを示す大当たり図柄、又は16R確変当たりを示す大当たり図柄が停止表示されると(図8(C)参照)、図7(B)に基づいて上述した大当たり遊技、又は図7(C)に基づいて上述した大当たり遊技が行われる。これらの大当たり遊技中には、第2大入賞口19及びV領域195が同時期に長開放されるため、第2大入賞口19に係る長開放ラウンド遊技中に遊技球がV入賞していれば、大当たり遊技が終了した後に、確変遊技状態に移行する(図8(D)参照)。一方、第2大入賞口19に係る長開放ラウンド遊技中に遊技球がV入賞しなかった場合には、確変遊技状態ではなく時短遊技状態に移行する(図8(E)参照)。
遊技状態が確変遊技状態に移行すると、高確率状態で特別図柄判定が行われると共に、ゲート16に遊技球を通過させることで通常遊技状態のときに比べて第2始動口12が開放状態になり易くなる。このように、確変遊技状態は、遊技球を遊技領域10の右側領域に打ち出した方が左側領域に打ち出すよりも大当たりを引き当て易い右側有利状態である。このため、遊技者は、液晶表示装置5に表示されるメッセージやスピーカ24から出力される音声ガイダンスに従って右打ちを行うことになる。
確変遊技状態のときに遊技者が右打ちを行って遊技領域10の右側領域に打ち出された遊技球がゲート16を通過すると、普通図柄判定が行われる。上述したように、確変遊技状態における普通図柄判定では、12/12の割合で第2始動口12を開放すると判定され、その上、第2始動口12の開放時間が相対的に長い(本実施形態では1.6秒×3回)。このため、遊技領域10の右側領域に打ち出された遊技球が第2始動口12に容易に入賞して、高確率状態で第2特別図柄判定が行われる。このため、確変遊技状態においては、通常遊技状態のときに比べて、大当たりを容易に引き当てることができる。
右打ちされた遊技球が第2始動口12に入賞すると、第2特別図柄判定が行われ、第2特別図柄表示器42に特別図柄が変動表示された後にその第2特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄が停止表示される。ここで、第2特別図柄判定によって大当たり遊技を実行しないと判定された場合には、ハズレ図柄が停止表示される。一方、大当たり遊技を実行すると判定された場合には、図5(C)に基づいて上述した5R確変当たりを示す大当たり図柄、又は16R確変当たりを示す大当たり図柄が第2特別図柄表示器42に停止表示された後に、それぞれの大当たりに応じた大当たり遊技が行われる。
確変遊技状態で遊技が制御されているときには、上述したように電チューサポート機能が付与されて、第2始動口12に対する遊技球の入賞が容易になる。これに対して、第2始動口12に係る大当たりが図6(B)に基づいて上述したように設定されているため、確変遊技状態における大当たりは、基本的には、全て確変当たりとなる。このため、大当たり遊技中には、第2大入賞口19及びV領域195が同時期に長開放される。よって、第2大入賞口19に係る長開放ラウンド遊技中に遊技球がV入賞していれば、大当たり遊技が終了した後に、再び確変遊技状態に移行することになる(図8(F)及び(D)参照)。一方、第2大入賞口19に係る長開放ラウンド遊技中に遊技球がV入賞しなかった場合には、上述したように、確変遊技状態ではなく時短遊技状態に移行する(図8(E)参照)。
また、確変遊技状態に移行してから115回の第2特別図柄判定(又は第1特別図柄判定)が行われても大当たりとならなかった場合には、115回目の特別図柄判定に係る判定図柄が停止表示された後に、遊技状態が確変遊技状態から通常遊技状態に戻されることになる(図8(G)参照)。
一方、通常当たりに対する大当たり遊技が行われた場合、又は確変当たりに対する大当たり遊技中に遊技球がV入賞しなかった場合、いずれの場合も大当たり遊技が終了した後に時短遊技状態に移行する。この時短遊技状態では、特別図柄判定が低確率状態で行われるものの、確変遊技状態のときと同様に電チューサポート機能が付与されるため、第2始動口12への遊技球の入賞が容易である。すなわち、右側有利状態である。このため、遊技者が右打ちを行って遊技球を第2始動口12に入賞させることにより、時短遊技状態における大当たりも、確変遊技状態における大当たりと同様に、全て確変当たりとなる。
時短遊技状態で遊技が制御されているときに大当たりとなった場合、5R確変当たりを示す大当たり図柄、又は16R確変当たりを示す大当たり図柄が第2特別図柄表示器42に停止表示された後、それぞれの大当たりに応じた大当たり遊技が行われる(図8(H)参照)。そして、上述したように、第2大入賞口19に係る長開放ラウンド遊技中における遊技球のV入賞の有無に応じて、大当たり遊技終了後に、確変遊技状態又は時短遊技状態で遊技が制御される(図8(D)及び(E)参照)。
一方、時短遊技状態に移行してから100回の第2特別図柄判定(又は第1特別図柄判定)が行われても大当たりとならなかった場合、100回目の特別図柄判定に係る判定図柄が停止表示された後に、遊技状態が時短遊技状態から通常遊技状態に戻されることになる(図8(I)参照)。
[異常入賞時の報知制御]
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、遊技領域10の各所において本来であれば遊技球が検知されるはずがないタイミングで遊技球が検知された場合に、異常入賞が発生したと判断されて、以下のような報知制御が行われる。
図9は、各種異常入賞に対する報知制御について説明するための説明図である。図10は、異常入賞タイミングと報知制御タイミングとの関係を例示したタイムチャートである。図11は、大当たり遊技中ではないときの異常入賞に対する報知の具体例について説明するための説明図である。図12は、第2大入賞口19の短開放制御中に遊技球がV入賞した場合の報知の具体例について説明するための説明図である。図13は、センターランプ30の発光態様を例示した説明図である。
[大当たり遊技中ではないときに異常入賞があった場合の報知制御]
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中ではないときには、以下のような報知制御が行われる。
すなわち、第1大入賞口13の開放制御が行われていないときに第1大入賞口スイッチ115によって遊技球が検知された場合、不正遊技が行われた可能性がある。このため、第1大入賞口13の開放制御が行われていないときに第1大入賞口スイッチ115によって遊技球が検知される毎に、異常入賞球数A1が「1」加算した値に更新される。このよう更新処理の結果、異常入賞球数A1が「10」未満である場合、報知制御は行われない(図10(A)参照)。これは、遊技制御基板100に対するノイズの影響などが原因で異常入賞球数A1が誤って更新される可能性があり、また、いわゆる条件装置及び役物連続作動装置が作動していないとき(大当たり遊技中ではないとき)に第1大入賞口13に遊技球が入賞しても賞球の払い出しが行われないため、直ちに警告や報知を行わない方が好ましいからである。
ところで、第1大入賞口13の開放制御が行われていないときに第1大入賞口スイッチ115によって異常入賞が検知されていないときや、異常入賞が検知されたとしても異常入賞球数A1が「10」未満である場合には、枠ランプ37が演出制御基板130(図14参照)によって設定された演出内容に応じた発光パターンで発光する(図11(A)参照)。
これに対して、異常入賞球数A1が例えば「10」に達した場合、異常入賞の原因は遊技制御基板100に対するノイズの影響ではなく、不正遊技である可能性が高いと考えられる。このため、異常入賞球数A1が「10」以上になると、第1大入賞口13の開放制御が行われていないときに第1大入賞口スイッチ115によって異常入賞が検知される毎に、枠ランプ37を赤色で瞬間的に発光させる弱報知制御が行われる(図9(A)、図10(A)、及び図11(B)参照)。
このような不正入賞に応じたタイミングで枠ランプ37を瞬間的に赤色発光させるという通常とは異なる発光態様で枠ランプ27が発光することにより、不正遊技を行っている可能性がある遊技者に対して不正遊技を止めるように促すことができると共に、遊技者が不正遊技を行っている可能性があることをホール店員に報知することができる。
一方、枠ランプ37を赤色発光させる弱報知制御が第1大入賞口13に遊技球が異常入賞する毎に行われているにも拘わらず第1大入賞口13への異常入賞球数A1が「30」に達した場合、遊技者が警告を無視して不正遊技を継続して行っている可能性が極めて高いため、弱報知制御よりも強力な報知制御を行うことが好ましいと考えられる。
このため、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第1大入賞口13への異常入賞球数A1が「30」に達した場合、枠ランプ37を赤色で点滅させると共にスピーカ24から所定の警告音を出力する強報知制御が、ホール店員がパチンコ遊技機1の電源を切るまで継続して行われる(図9(A)、図10(A)、及び図11(C)参照)。
このような枠ランプ37の赤色点滅とスピーカ24からの警告音の出力とを継続させる強報知制御が行われることにより、不正遊技者に対して不正遊技の中止をより効果的に促すことができ、且つ不正遊技が行われていることをホール店員や周りの遊技者に効果的に報知することができる。
なお、電動チューリップ17が作動していないにも拘わらず第2始動口12への遊技球の入賞が検知された場合も、不正遊技が行われている可能性がある。このため、第2始動口12への異常入賞に対しても、第1大入賞口13に遊技球が異常入賞した場合と同様に、弱報知制御と強報知制御とが行われる(図10(C)参照)。
ところで、上述したように第2大入賞口19の開放制御(長開放制御又は短開放制御)が行われているときには、条件装置及び役物連続作動装置が作動した状態となっているため、遊技球が1つでもV入賞口スイッチ117に検知されると、大当たり遊技が終了した後に確変遊技状態で遊技が制御されることになる。このため、第2大入賞口19の開放制御中ではないにも拘わらず第2大入賞口19への遊技球の進入又は第2大入賞口19からの遊技球の排出が検知された場合には、速やかに効果的な報知制御を行うことが好ましい。
このため、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第2大入賞口19の開放制御中ではないにも拘わらず第2大入賞口19への遊技球の進入又は第2大入賞口19からの遊技球の排出が検知された場合には、その検知回数が「1」回であったとしても、強報知制御を行うこととしている(図9(A)、図10(B)、及び図11(C)参照)。
[大当たり遊技中に異常入賞があった場合の報知制御]
次に、大当たり遊技中に異常入賞があった場合に本実施形態におけるパチンコ遊技機1で行われる報知制御について図9(B)及び図12に基づいて説明する。
盤ランプ25及び枠3に内蔵された枠ランプ37は、図12(A)に例示されるように、通常は、演出制御基板130によって設定された演出内容に応じた発光パターンでそれぞれ発光する。これに対して、大当たり遊技中にV領域195に対する遊技球の異常入賞があった場合には、盤ランプ25及び枠ランプ37を通常とは異なる発光態様に制御する発光態様制御が行われる。
すなわち、第2大入賞口19の短開放ラウンド遊技中は、第2大入賞口19の開放期間とV領域195の開放期間とが重複することがないため(図7(A)参照)、基本的には、遊技球がV入賞口スイッチ117に検知されてV領域195を通過することはない。このため、通常大当たりに対する大当たり遊技中に遊技球がV入賞した場合には、遊技球が偶然V入賞したというよりも、不正遊技により遊技球がV入賞した可能性が極めて高いと考えられる。このような場合には、不正遊技を行った遊技者に対して何らかの警告を行うと共に、不正遊技が行われた可能性が高いことをホール店員に効果的に報知することが好ましい。
そこで、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第2大入賞口19が短開放しかされていないにも拘わらず遊技球が1個でもV領域195を通過した場合には、盤ランプ25を全消灯させると共に枠ランプ37を全点灯させるというように、盤ランプ25及び枠ランプ37を通常とは異なる特別な発光態様に制御することとしている。このような特別発光態様制御は、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、次回大当たりまで継続される。
[パンク時の報知制御]
次に、大当たり遊技中に第2大入賞口19の長開放制御が行われてV入賞が容易な状態になったにも拘わらずV入賞が発生せずにパンクした場合に行われる報知制御について、図9(B)及び図13に基づいて説明する。
ところで、第2大入賞口19の長開放ラウンド遊技中は、第2大入賞口19及びV領域195が同時に長開放されるため(図7(B)及び(C)参照)、基本的には、遊技者が右打ちさえ行っていれば遊技球がV入賞口スイッチ117に検知されてV領域195を通過するはずである。これに対して、第2大入賞口19及びV領域195が同時に長開放されたにも拘わらずこの長開放期間中に遊技球がV入賞せずにパンクした場合、その原因としては、以下の2つが考えられる。1つ目は、遊技者が第2大入賞口19及びV領域195が同時に長開放されることに気付かずに右打ちを行わなかったことである。2つ目は、第2羽根部材192やV入賞口スイッチ117の動作不良である。
第1羽根部材191や第2羽根部材192、V入賞口スイッチ117等が正常に動作しているものの、第2大入賞口19及びV領域195の長開放制御中に遊技者が右打ちを行わなかった場合、第2大入賞口19内に進入して第2大入賞口スイッチ116によって検知された遊技球の数と、第2大入賞口19内から排出された遊技球の数(V入賞口スイッチ117によって検知された遊技球の数と排出スイッチ118によって検知された遊技球の数との合計数)とが、いずれも「0」となる。
一方、第2大入賞口19及びV領域195の長開放制御中に遊技者が右打ちを行ったものの、第2羽根部材192又はV入賞口スイッチ117が正常に動作しなかった場合、第2大入賞口19内に進入して第2大入賞口スイッチ116によって検知された遊技球の数が、第2大入賞口19内から排出された遊技球の数(V入賞口スイッチ117によって検知された遊技球の数と排出スイッチ118によって検知された遊技球の数との合計数)よりも多くなる。これは、例えばV入賞口スイッチ117が故障している場合には、遊技球がV入賞口スイッチ117を通過してもその通過が検知されないためである。また、例えば第2羽根部材192が故障している場合には、第2大入賞口19内に進入した遊技球の流下が第2羽根部材192により規制されて、V入賞口スイッチ117と排出スイッチ118とのいずれにも検知されないためである。
したがって、第2大入賞口19内に進入した遊技球数から第2大入賞口19内から排出された遊技球数を減算した残存球数Z(差分球数)が「0」であるか否かに基づいて、第2大入賞口19及びV領域195の長開放制御中に遊技球がV入賞しなかった原因を特定することができる。
図13(A)は、通常時のセンターランプ30の発光態様を示している。図13(A)に例示されるように、センターランプ30は、パチンコ遊技機1においてその電源が投入されてから払い出された賞球の合計値を表す累計出玉を示唆する発光色で発光するように、その発光態様が制御される。具体的には、例えば、累計出玉が1万個未満である場合にはセンターランプ30が白色に発光し、累計出玉が1万個以上であり且つ2万個未満である場合にはセンターランプ30が赤色に発光し、累計出玉が2万個を超えるとセンターランプ30が虹色に発光する。
このため、遊技者やホール店員は、センターランプ30の色を見て、そのパチンコ遊技機1における累計出玉がどの程度であるかを容易に認識することができる。
なお、本実施形態では、通常時にセンターランプ30の発光態様によって累計出玉を示唆する場合について説明するが、センターランプ30の発光色によって大当たりに対する信頼度を示唆するようにしてもよい。すなわち、通常時にセンターランプ30が示唆する遊技情報は累計出玉に限定されるものではなく、他の遊技情報であってもよい。
一方、第2大入賞口19の長開放制御中に遊技球がV入賞しないパンクが発生して残存球数Zが「0」になった場合、遊技者が右打ちを行わなかったと判断されて、センターランプ30を次回大当たりまで専用色である紫色で点滅させる報知制御が行われる(図13(B)参照)。この報知制御は、残存球数Zが「0」以外の値となった場合にも同様に行われる。このため、例えばホール店員は、第2大入賞口19及びV領域195が長開放制御されたにも拘わらず遊技球がV入賞しなかったことを容易に把握することができる。
なお、残存球数Zが「0」でなかった場合には、センターランプ30を次回大当たりまで紫色で点滅させる報知制御に加えて、以下のような報知制御が行われる。すなわち、後述する遊技制御基板100(図14参照)のメインRAM103には、第2羽根部材192やV入賞口スイッチ117の動作不良が原因で第2大入賞口19の長開放制御中に遊技球のV入賞が適切に検知されなかった回数を示す検知エラー回数情報が記憶されており、残存球数Zが「0」にならないパンクが発生する毎に、検知エラー回数情報が示す検知エラー回数が「1」加算した値に更新される。そして、特別図柄の変動表示が行われておらず、また、特別図柄判定の権利も保留されていない客待ち状態に移行すると、検知エラー回数情報を含む客待ちコマンドが遊技制御基板100から演出制御基板130に送信され、客待ちコマンドが送信されてから設定時間(例えば30秒)経過後に表示される客待ち画面において、検知エラー回数が表示される。
このため、ホール店員は、例えば遊技者が遊技を行っていないときに、パチンコ遊技機1の電源が投入されてから今までに起こった検知エラー回数を容易に把握することができる。なお、客待ち画面には、検知エラー回数を示す数値のみが表示されるため、その数値が何を示すものであるかを予め知っているホール店員のみが検知エラー回数を把握することができ、ホール店員は、必要に応じて、例えばパチンコ遊技機1の修理を依頼したりすることができる。
以下、図9〜図13に基づいて上述した報知制御を実現するためのパチンコ遊技機1の内部構成やパチンコ遊技機1で行われる処理の一例について、詳細に説明する。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
遊技盤2の裏面側には、上皿28又は下皿29へと送り出される遊技球を溜めておく球タンクの他に、パチンコ遊技機1の動作を制御する制御装置が設けられている。図14に例示されるように、パチンコ遊技機1の制御装置は、各種判定やコマンドの送信といった遊技の進行を制御する遊技制御基板100、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて演出を統括的に制御する演出制御基板130、画像や音による演出を制御する画像音響制御基板140、各種のランプや可動体による演出を制御するランプ制御基板150等から構成されている。なお、制御装置の構成はこれに限定されるものではなく、例えば演出制御基板130、画像音響制御基板140、及びランプ制御基板150が1つの基板で構成されていてもよい。
[遊技制御基板100の構成例]
遊技制御基板100は、メインCPU101、メインROM102、及びメインRAM103を備えている。メインCPU101は、メインROM102に記憶されたプログラム等に基づいて、判定や払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。メインRAM103は、メインCPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
遊技制御基板100には、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、電動チューリップ制御部113、ゲートスイッチ114、第1大入賞口スイッチ115、第2大入賞口スイッチ116、V入賞口スイッチ117、排出スイッチ118、第1大入賞口制御部119、第2大入賞口制御部120、V入賞口制御部121、普通入賞口スイッチ122、及び表示器4を構成する各表示器41〜48が接続されている。
第1始動口スイッチ111は、第1始動口11に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。第2始動口スイッチ112は、第2始動口12に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。電動チューリップ制御部113は、遊技制御基板100からの制御信号に応じて、電動チューリップ17の一対の羽根部材に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第2始動口12を開閉する。ゲートスイッチ114は、遊技球がゲート16を通過したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。
第1大入賞口スイッチ115は、第1大入賞口13に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。第2大入賞口スイッチ116は、第2大入賞口19に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。V入賞口スイッチ117は、V領域195に進入する遊技球を検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。排出スイッチ118は、ハズレ領域196に進入する遊技球を検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。
第1大入賞口制御部119は、遊技制御基板100からの制御信号に基づいて、第1大入賞口13を閉塞するプレートに駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第1大入賞口13を開閉する。第2大入賞口制御部120は、遊技制御基板100からの制御信号に基づいて、第2大入賞口19を閉塞する第1羽根部材191(図2参照)に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第2大入賞口19を開閉する。V入賞口制御部121は、遊技制御基板100からの制御信号に基づいて、V領域195を開閉する第2羽根部材192(図2参照)に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、V領域195を開閉する。普通入賞口スイッチ122は、遊技球が普通入賞口14に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。
遊技制御基板100のメインCPU101は、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、第1大入賞口スイッチ115、第2大入賞口スイッチ116、又は普通入賞口スイッチ122からの検知信号が入力されると、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球の払い出しを払出制御基板(不図示)に指示し、払出制御基板からの情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。詳細な説明は省略するが、払出制御基板は、球タンクから遊技球を送り出す駆動モータを制御することによって、上皿28又は下皿29に遊技球を供給する。なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1は4つの普通入賞口14を有しているため、4つの普通入賞口スイッチ122を備えているが、図14においては、普通入賞口スイッチ122を1つだけ表記している。
メインCPU101は、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第1特別図柄判定を実行する。また、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第2特別図柄判定を実行する。そして、大当たりであると判定した場合には、第1大入賞口制御部119及び第2大入賞口制御部120を介して第1大入賞口13及び第2大入賞口19を開閉して大当たり遊技を実行する。また、第2大入賞口19に係るラウンド遊技に伴って、V入賞口制御部121を介してV領域195を開閉する。そして、V入賞口スイッチ117からの検知信号が入力された場合には、大当たり遊技終了後の遊技状態を確変遊技状態に設定し、V入賞口スイッチ117からの検知信号が入力されなかった場合には、大当たり遊技終了後の遊技状態を時短遊技状態に設定する。
また、メインCPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、取得した乱数を用いて普通図柄判定を実行する。そして、第2始動口12を開放すると判定した場合、電動チューリップ制御部113を介して電動チューリップ17を作動させることにより、第2始動口12を一時的に開放する。
また、メインCPU101は、表示器4を構成する各表示器41〜48に図4に基づいて上述した処理を実行させる。
[演出制御基板130の構成例]
演出制御基板130は、サブCPU131、サブROM132、サブRAM133、及びRTC(リアルタイムクロック)134を備えている。サブCPU131は、サブROM132に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。サブRAM133は、サブCPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。RTC134は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。
サブCPU131は、遊技制御基板100から送信される特別図柄判定や普通図柄判定、大当たり遊技等に関する遊技情報に基づいて演出内容を設定する。その際、演出ボタン26又は十字キー27からの操作情報の入力を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。サブCPU131は、設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信する。
[画像音響制御基板140の構成例]
画像音響制御基板140は、図には示されていないが、統括CPU、制御用ROM、制御用RAM、VDP(Video Display Processor)、音響DSP(Digital
Signal Processor)等を有して構成されている。統括CPUは、制御用ROMに記憶されたプログラムに基づいて、演出制御基板130において演出内容が設定された演出を表現する画像や音を制御する際の演算処理を行う。制御用RAMは、統括CPUが上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
統括CPUは、演出制御基板130からのコマンド及び制御用ROMに記憶されているプログラムに基づいて制御信号を生成してVDP及び音響DSPに出力することにより、VDP及び音響DSPの動作を制御する。
図には示されていないが、VDPは、演出画像の生成に必要な素材データを記憶する画像用ROM、演出画像の描画処理を実行する描画エンジン、及び描画エンジンによって描画された演出画像を液晶表示装置5に出力する出力回路を有している。描画エンジンは、統括CPUからの制御信号に基づいて、画像用ROMに記憶されている素材データを用いて、フレームバッファに演出画像を描画する。出力回路は、このフレームバッファに描画された演出画像を所定のタイミングで液晶表示装置5に出力する。
図には示されていないが、音響DSPには、楽曲や音声、効果音等に関する各種音響データを記憶する音響用ROMと、音響DSPによるデータ処理等の作業領域として使用されるSDRAMが接続されている。音響DSPは、統括CPUからの制御信号に対応する音響データを音響用ROMからSDRAMに読み出してデータ処理を実行し、データ処理後の音響データをスピーカ24へ出力する。
[ランプ制御基板150の構成例]
ランプ制御基板150は、図には示されていないが、ランプCPU、ランプROM、及びランプRAMを備えている。ランプCPUは、ランプROMに記憶されたプログラムに基づいて、可動役物7、遊技盤2に設けられた盤ランプ25、枠部材3に内蔵された枠ランプ37、及びセンターランプ30の動作を制御する際の演算処理を行う。ランプRAMは、ランプCPUが上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
ランプROMには、発光パターンデータ及び動作パターンデータが記憶されている。ここで、発光パターンデータは、可動役物7、盤ランプ25、枠ランプ37、及びセンターランプ30のそれぞれの発光パターンを示すデータである。動作パターンデータは、可動役物7の動作パターンを示すデータである。
ランプCPUは、ランプROMに記憶された発光パターンデータの中から、演出制御基板130から受信したコマンドに対応する発光パターンデータをランプRAMに読み出して、可動役物7の発光素子、盤ランプ25、枠ランプ37、及びセンターランプ30の各発光素子の発光を制御する。
また、ランプCPUは、ランプROMに記憶された動作パターンデータの中から、演出制御基板130から受信したコマンドに対応する動作パターンデータをランプRAMに読み出して、可動役物7を動作させるステッピングモータの駆動を制御する。
[遊技制御基板100によるタイマ割込み処理]
次に、図15を参照しつつ、遊技制御基板100において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図15は、遊技制御基板100において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。遊技制御基板100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図15に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図15以降のフローチャートに基づいて説明する遊技制御基板100の処理は、メインROM102に記憶されているプログラムに基づいてメインCPU101が発行する命令に従って行われる。
まず、メインCPU101は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数の各種乱数を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS1)。
ここで、大当たり乱数は、大当たり又はハズレを決定するための乱数である。図柄乱数は、大当たりであると判定された場合に、大当たりの種類を決定するための乱数である。リーチ乱数は、ハズレであると判定された場合に、リーチ有りの演出を行うか或いはリーチ無しの演出を行うかを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄が変動表示される際の変動パターンを決定するための乱数である。普通図柄乱数は、第2始動口12を開放するか否かを決定するための乱数である。大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数は、このステップS1の処理が行われる毎に「1」加算される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタとしてはループカウンタが使用されており、各乱数は、予め設定された最大値に達した後は「0」に戻る。
ステップS1の処理に続いて、メインCPU101は、各スイッチからの検知信号が入力された場合に、スイッチ処理を実行する(ステップS2)。このスイッチ処理については、図16に基づいて後に詳述する。
ステップS2の処理に続いて、メインCPU101は、特別図柄判定を実行し、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示させる処理等を含む特別図柄処理を実行する(ステップS3)。この特別図柄処理については、図20に基づいて後に詳述する。
ステップS3の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄判定を実行し、普通図柄表示器45に普通図柄を変動表示させてから普通図柄判定の結果を示す普通図柄を停止表示させる処理等を含む普通図柄処理を実行する(ステップS4)。この普通図柄処理については、図24に基づいて後に詳述する。
ステップS4の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄判定を行った結果、第2始動口12を開放すると判定した場合に、電動チューリップ制御部113を介して電動チューリップ17を作動させる電動チューリップ処理を実行する(ステップS5)。この電動チューリップ処理については、図25に基づいて後に詳述する。
ステップS5の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS3の処理で大当たりであると判定した場合に、第1大入賞口制御部119、第2大入賞口制御部120、及びV入賞口制御部121を制御して第1大入賞口13、第2大入賞口19、及びV領域195を開放する大入賞口開放制御処理を実行する(ステップS6)。この大入賞口開放制御処理については、図26〜図28に基づいて後に詳述する。
ステップS6の処理に続いて、メインCPU101は、遊技球の入賞に応じた賞球の払い出しを制御する賞球処理を実行する(ステップS7)。この賞球処理については、図30に基づいて後に詳述する。
ステップS7の処理に続いて、メインCPU101は、遊技球の異常入賞があったか否かを判定する処理などを含む異常入賞処理を実行する(ステップS8)。この異常入賞処理については、図31及び図32に基づいて後に詳述する。
ステップS8の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS8以前の処理ステップにおいてメインRAM103にセット(格納)された各種コマンドや演出内容を決定するために必要な情報を演出制御基板130に送信する送信処理を実行する(ステップS9)。
[遊技制御基板100によるスイッチ処理]
図16は、図15のステップS2におけるスイッチ処理の詳細フローチャートである。ステップS1の処理に続いて、メインCPU101は、図16に例示されるように、第1始動口スイッチ111からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各種乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力された時点の値を取得する処理等を含む第1始動口スイッチ処理を実行する(ステップS21)。この第1始動口スイッチ処理については、図17に基づいて後に詳述する。
次に、メインCPU101は、第2始動口スイッチ112からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各種乱数について、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力された時点の値を取得する処理等を含む第2始動口スイッチ処理を実行する(ステップS22)。この第2始動口スイッチ処理については、図18に基づいて後に詳述する。
そして、メインCPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される普通図柄乱数について、ゲートスイッチ114からの検知信号が入力された時点の値を取得するゲートスイッチ処理を実行する(ステップS23)。このゲートスイッチ処理については、図19に基づいて後に詳述する。
[遊技制御基板100による第1始動口スイッチ処理]
図17は、図16のステップS21における第1始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。図17に例示されるように、メインCPU101は、ステップS1の乱数更新処理に続いて、第1始動口スイッチ111からの検知信号(具体的には第1始動口スイッチ111が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第1始動口スイッチ111が「ON」になったか否かを判定する(ステップS210)。ここで、第1始動口スイッチ111が「ON」になったと判定した場合(ステップS210:YES)、メインRAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が、メインROM102に記憶されている第1特別図柄判定の最大保留数Umax1(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS211)。
メインCPU101は、保留数U1が最大保留数Umax1未満であると判定した場合(ステップS211:YES)、保留数U1の値を「1」加算した値に更新し(ステップS212)、第1特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得して、これらの乱数を対応付けてメインRAM103に格納する(ステップS213〜ステップS216)。
[遊技制御基板100による第2始動口スイッチ処理]
図18は、図16のステップS22における第2始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。図18に例示されるように、メインCPU101は、ステップS21の第1始動口スイッチ処理に続いて、第2始動口スイッチ112からの検知信号(具体的には第2始動口スイッチ112が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第2始動口スイッチ112が「ON」になったか否かを判定する(ステップS220)。
メインCPU101は、第2始動口スイッチ112が「ON」になったと判定した場合(ステップS220:YES)、メインRAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が、メインROM102に記憶されている第2特別図柄判定の最大保留数Umax2(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS221)。
メインCPU101は、保留数U2が最大保留数Umax2未満であると判定した場合(ステップS221:YES)、保留数U2の値を「1」加算した値に更新し(ステップS222)、第2特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得して、これらの乱数を対応付けてメインRAM103に格納する(ステップS223〜ステップS226)。
[遊技制御基板100によるゲートスイッチ処理]
図19は、図16のステップS23におけるゲートスイッチ処理の詳細フローチャートである。図19に例示されるように、メインCPU101は、ステップS22の第2始動口スイッチ処理に続いて、ゲートスイッチ114からの検知信号(ゲートスイッチ114が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、ゲートスイッチ114が「ON」になったか否かを判定する(ステップS230)。
メインCPU101は、ゲートスイッチ114が「ON」になったと判定した場合(ステップS230:YES)、メインRAM103に記憶されている普通図柄判定の保留数Tが、メインROM102に記憶されている普通図柄判定の最大保留数Tmax(例えば「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS231)。
メインCPU101は、保留数Tが最大保留数Tmax未満であると判定した場合(ステップS231:YES)、保留数Tを「1」加算した値に更新し(ステップS232)、この処理によって保留された普通図柄判定に使用される普通図柄乱数を取得してメインRAM103に格納する(ステップS233)。
[遊技制御基板100による特別図柄処理]
次に、図20を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される特別図柄処理の詳細について説明する。ここで、図20は、図15のステップS3における特別図柄処理の詳細フローチャートである。図20に例示されるように、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、大当たり遊技中であるか否かを判定する(ステップS301)。この大当たり遊技フラグは、大当たり遊技の実行中であるか否かを示すフラグであり、大当たり遊技の開始時に「ON」に設定され、大当たり遊技の終了時に「OFF」に設定される。すなわち、大当たり遊技フラグは、いわゆる条件装置及び役物連続作動装置が作動している間、「ON」に設定される。ここで、大当たり遊技中であると判定された場合(ステップS301:YES)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、大当たり遊技中ではないと判定した場合(ステップS301:NO)、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(ステップS302)。ここで、特別図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS302:NO)、メインRAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS303)。ここで、保留数U2が「1」以上であると判定した場合(ステップS303:YES)、保留数U2を「1」減算した値に更新する(ステップS304)。
メインCPU101は、保留数U2が「1」以上ではないと判定した場合(ステップS303:NO)、メインRAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS305)。ここで、保留数U1が「1」以上であると判定した場合(ステップS305:YES)、メインCPU101は、保留数U1を「1」減算した値に更新する(ステップS306)。
ステップS304の処理又はステップS306の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103の保留記憶領域に対するシフト処理を実行する(ステップS308)。メインRAM103には、特別図柄判定が実際に実行されるときにその特別図柄判定に使用される取得情報が記憶される判定用記憶領域と、保留されている特別図柄判定に関する取得情報を記憶する保留記憶領域とが設けられている。メインCPU101は、ステップS304の処理に続いてシフト処理を実行する場合には、第2特別図柄判定用の保留記憶領域に記憶されている最古の取得情報を判定用記憶領域にシフトさせると共に、残りの取得情報を判定用記憶領域側にシフトさせる。また、ステップS306の処理に続いてシフト処理を実行する場合には、第1特別図柄判定用の保留記憶領域に記憶されている最古の取得情報を判定用記憶領域にシフトさせると共に、残りの取得情報を判定用記憶領域側にシフトさせる。
ステップS308の処理に続いて、メインCPU101は、判定用記憶領域に記憶されている乱数に基づいて、大当たり判定処理を実行する(ステップS309)。この大当たり判定処理が実行されることによって、大当たりか否かが判定されると共に、大当たりであると判定された場合には大当たりの種類が決定される。そして、これらの処理の結果を示す判定図柄の設定情報がメインRAM103にセットされる。この大当たり判定処理については、図21に基づいて後に詳述する。
ステップS309の処理に続いて、メインCPU101は、特別図柄の変動パターンを選択する変動パターン選択処理を実行する(ステップS310)。この変動パターン選択処理については、図22に基づいて後に詳述する。
ステップS310の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS309の処理で設定した図柄の設定情報、この図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す情報、ステップS310の処理で設定した変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態に関する情報等を含む変動開始コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS311)。この変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の開始を指示するコマンドであって、ステップS9の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
ステップS311の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS311の処理でセットした変動開始コマンドに含まれている変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動表示を開始する(ステップS312)。その際、判定用記憶領域に第1特別図柄判定に係る取得情報(乱数)が記憶された状態でステップS309〜ステップS311の処理が行われた場合には第1特別図柄表示器41において特別図柄の変動表示が開始され、第2特別図柄判定に係る取得情報(乱数)が記憶された状態でステップS309〜ステップS311の処理が行われた場合には第2特別図柄表示器42において特別図柄の変動表示が開始される。
ステップS312の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている客待ちフラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS313)。この客待ちフラグは、パチンコ遊技機1が客待ち状態であるか否かを示すフラグであり、第1特別図柄判定の権利及び第2特別図柄判定の権利がいずれも保留されておらず、且つ特別図柄の変動表示が行われなくなったタイミングで「ON」に設定され、特別図柄の変動表示が再び開始されるときに「OFF」に設定される。
メインCPU101は、客待ちフラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS313:YES)、客待ちフラグを「OFF」に設定する(ステップS314)。そして、このステップS314の処理を実行した場合、又は客待ちフラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS313:NO)、ステップS312における変動表示を開始してからの経過時間である変動時間の計測を開始する(ステップS315)。
メインCPU101は、ステップS315の処理を実行した場合、又は特別図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS302:YES)、ステップS315における変動時間の計測開始から、ステップS310の処理によって選択された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS317)。ここで、変動時間が経過していないと判定された場合(ステップS317:NO)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、変動時間が経過したと判定した場合(ステップS317:YES)、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄が停止表示されることを通知する図柄確定コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS318)。この図柄確定コマンドは、ステップS9における送信処理によって演出制御基板130に送信される。これにより、液晶表示装置5に変動表示されていた装飾図柄を特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示させる処理等が行われることになる。
ステップS318の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS312の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了させる(ステップS319)。具体的には、ステップS309の処理で設定した判定図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)を、特別図柄を変動表示していた特別図柄表示器に停止表示させる。なお、この判定図柄の停止表示は、少なくとも所定の図柄確定時間(例えば1秒)が経過するまで継続される。
このように、メインCPU101は、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから大当たり判定処理の判定結果を示す判定図柄を第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示させる。
ステップS319の処理に続いて、メインCPU101は、上記ステップS315の処理で計測を開始した変動時間をリセットし(ステップS320)、大当たりである場合に大当たり遊技を開始させる処理等を含む停止中処理を実行する(ステップS321)。この停止中処理については、図23に基づいて後に詳述する。
メインCPU101は、保留数U1が「1」以上ではないと判定した場合(ステップS305:NO)、客待ちフラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS323)。ここで、客待ちフラグが「ON」に設定されていると判定された場合(ステップS323:YES)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、客待ちフラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS323:NO)、パチンコ遊技機1が客待ち状態になったことを通知する客待ちコマンドをメインRAM103にセットし(ステップS324)、客待ちフラグを「ON」に設定する(ステップS325)。この客待ちコマンドは、ステップS9の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
なお、本実施形態では、ステップS324の処理に応じて検知エラー回数情報を含む客待ちコマンドが演出制御基板130に送信される。
[遊技制御基板100による大当たり判定処理]
図21は、図20のステップS309における大当たり判定処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、判定用記憶領域に記憶された大当たり乱数に基づいて大当たり判定を実行する(ステップS3091)。具体的には、判定用記憶領域に記憶されている大当たり乱数が、予め設定された当選値と一致するか否かに基づいて、大当たりであるか否かを判定する。
ここでの当選値は、高確率時用大当たり乱数テーブル又は低確率時用大当たり乱数テーブルに規定されている大当たりの当選値である。高確率状態(確変遊技状態)のときに大当たり判定が実行される場合には高確率時用大当たり乱数テーブルに格納されている当選値(図5(A)に示される例では「0」〜「2」)が使用され、低確率状態(通常遊技状態又は時短遊技状態)のときに大当たり判定が実行される場合には低確率時用大当たり乱数テーブルに格納されている当選値(図5に示される例では「0」)が使用される。
このように、メインCPU101は、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞したことを契機として取得された大当たり乱数等の取得情報が判定用記憶領域に記憶されるといった始動条件が成立すると、その大当たり乱数に基づいて、遊技者にとって有利な大当たり遊技を実行するか否かを判定する。
ステップS3091の処理に続いて、メインCPU101は、大当たり判定の判定結果が大当たりであるか否かを判断する(ステップS3092)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3092:YES)、メインROM102に記憶されている大当たり時の図柄決定テーブルを参照して大当たりの種類を決定する(ステップS3093)。
具体的には、ステップS3091の大当たり判定に使用された大当たり乱数と一緒に判定用記憶領域に記憶されている図柄乱数が第1特別図柄判定に係るものである場合には、その図柄乱数が、第1始動口入賞用の図柄決定テーブル(図5(B)参照)に規定されているどの乱数値と一致するかに基づいて、大当たりの種類を決定する。一方、第2特別図柄判定に係るものである場合には、その図柄乱数が、第2始動口入賞用の図柄決定テーブル(図5(C)参照)に規定されているどの乱数値と一致するかに基づいて、大当たりの種類を決定する。
このように、メインCPU101は、大当たりの種類を決定することによって、大当たり遊技として、第2大入賞口19とV領域195との通過容易状態への移行を伴わない大当たり遊技(図7(A)参照:第1特別遊技)、又は第2大入賞口19とV領域195との通過容易状態への移行を伴う大当たり遊技(図7(B)及び(C)参照:第2特別遊技)を選択する。
そして、メインCPU101は、決定した大当たりの種類に応じた大当たり図柄の設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3094)。これにより、上記ステップS319の処理の際にここでセットされた大当たり図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に判定図柄として停止表示されて、その図柄に応じた大当たり遊技が行われることになる。
一方、メインCPU101は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3092:NO)、ハズレ図柄の設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3095)。これにより、上記ステップS319の処理の際にここでセットされたハズレ図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に判定図柄として停止表示される。この場合、大当たり遊技は行われない。
[遊技制御基板100による変動パターン選択処理]
図22は、図20のステップS310における変動パターン選択処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、図20のステップS309における大当たり判定処理を実行した後、ステップS3091の判定結果が大当たりであるか否かを判断する(ステップS3101)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3101:YES)、大当たり用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3102)。
一方、メインCPU101は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3101:NO)、判定用記憶領域に記憶されているリーチ乱数がメインROM102に記憶されているリーチ乱数の当選値と一致するか否かに基づいて、遊技者に対して大当たりを期待させるリーチ演出を行うか否かを判定する(ステップS3103)。ここで、リーチ演出を行うと判定した場合(ステップS3103:YES)、リーチ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3104)。逆に、リーチ演出を行わないと判定した場合(ステップS3103:NO)、ハズレ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3105)。
続いて、メインCPU101は、ステップS3102の処理、ステップS3104の処理、又はステップS3105の処理によってメインRAM103にセットされた変動パターンテーブルを参照して変動パターン乱数判定処理を実行する(ステップS3106)。具体的には、大当たり用変動パターンテーブル又はリーチ用変動パターンテーブルがメインRAM103にセットされた場合、判定用記憶領域に記憶されている変動パターン乱数に対応する変動パターンを、セットされている変動パターンテーブルから読み出すことによって変動パターンを選択する。
また、ハズレ用変動パターンテーブルがメインRAM103にセットされた場合、ステップS308のシフト処理が行われる直前に各種情報が記憶されていた保留記憶領域の数に基づいて特別図柄判定の保留数を特定し、特定した保留数と現在の時短の有無とに対応する変動パターンをハズレ用変動パターンテーブルから読み出すことによって変動パターンを選択する。
このようにして特別図柄の変動パターンが選択されることによって、特別図柄の変動時間が必然的に決定されることになる。
メインCPU101は、変動パターンを選択すると、選択した変動パターンの設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3107)。この変動パターンの設定情報は、上述したステップS309の大当たり判定処理によってメインRAM103にセットされた図柄の設定情報と共に変動開始コマンドに含まれて演出制御基板130に送信される。
[遊技制御基板100による停止中処理]
図23は、図20のステップS321における停止中処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、上記ステップS320の処理によって変動時間をリセットした後、図23に例示されるように、ステップS3092の処理と同様に、大当たりであるか否かを判断する(ステップS3211)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3211:YES)、メインRAM103に記憶されている大当たり遊技フラグを「ON」に設定する(ステップS3212)。
次に、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている時短遊技フラグ及び確変遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3213)。ここで、時短遊技フラグは、電チューサポート機能が付与される時短状態であるか否かを示すフラグであり、確変遊技フラグは、特別図柄判定において大当たりであると判定される確率が相対的に高い高確率状態であるか否かを示すフラグである。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、時短遊技フラグ及び確変遊技フラグの設定により遊技状態が制御される。すなわち、遊技状態を確変遊技状態に制御する場合には確変遊技フラグ及び時短遊技フラグの両方が「ON」に設定され、遊技状態を時短遊技状態に制御する場合には確変遊技フラグが「OFF」に設定されると共に時短遊技フラグが「ON」に設定され、遊技状態を通常遊技状態に制御する場合には確変遊技フラグ及び時短遊技フラグの両方が「OFF」に設定される。
ステップS3213の処理に続いて、メインCPU101は、大当たり遊技が開始されることを通知するためのオープニングコマンドをメインRAM103にセットする(ステップS3214)。このオープニングコマンドは、大当たりの種類、大当たり遊技中の第1大入賞口13と第2大入賞口19とV領域195との開放パターン等を含むものであり、ステップS9の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
一方、メインCPU101は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3211:NO)、時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS3216)。ここで、時短遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS3216:YES)、メインRAM103に記憶されている時短遊技残余回数Jを「1」減算した値に更新する(ステップS3217)。この時短遊技残余回数Jは、時短状態で特別図柄判定が実行される残り回数を示すものである。
ステップS3217の処理に続いて、メインCPU101は、時短遊技残余回数Jが「0」であるか否かを判定する(ステップS3218)。ここで、時短遊技残余回数Jが「0」であると判定した場合(ステップS3218:YES)、時短遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3219)。これにより、電チューサポート機能が付与されなくなる。
メインCPU101は、ステップS3219の処理を実行した場合、時短遊技フラグが「ON」ではないと判定した場合(ステップS3216:NO)、又は時短遊技残余回数Jが「0」ではないと判定した場合(ステップS3218:NO)、確変遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS3221)。
メインCPU101は、確変遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS3221:YES)、メインRAM103に記憶されている高確率遊技残余回数Kを「1」減算した値に更新する(ステップS3222)。この高確率遊技残余回数Kは、高確率状態で特別図柄判定が実行される残り回数を示すものである。
ステップS3222の処理に続いて、メインCPU101は、高確率遊技残余回数Kが「0」であるか否かを判定する(ステップS3223)。ここで、高確率遊技残余回数Kが「0」であると判定した場合(ステップS3223:YES)、確変遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3224)。これにより、特別図柄判定が低確率状態で行われるようになる。
このステップS3224の処理が行われた場合、確変遊技フラグが「ON」ではないと判定された場合(ステップS3221:NO)、高確率遊技残余回数Kが「0」ではないと判定された場合(ステップS3223:NO)、又はステップS3214の処理が行われた場合、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
[遊技制御基板100による普通図柄処理]
図24は、図15のステップS4における普通図柄処理の詳細フローチャートである。図24に例示されるように、メインCPU101は、ステップS3の特別図柄処理に続いて、メインRAM103に記憶されている補助遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS401)。この補助遊技フラグは、電動チューリップ17が規定時間だけ開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作を規定回数行う補助遊技中であるか否かを示すフラグであり、補助遊技中は「ON」に設定され、補助遊技中でないときは「OFF」に設定される。ここで、補助遊技フラグが「ON」に設定されていると判定された場合(ステップS401:YES)、ステップS5の電動チューリップ処理に処理が進められる。
メインCPU101は、補助遊技フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS401:NO)、普通図柄表示器45における普通図柄の変動表示中であるか否かを判定し(ステップS402)、普通図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS402:NO)、普通図柄判定の保留数Tが「1」以上であるか否かを判定する(ステップS403)。ここで、保留数Tが「1」以上ではないと判定された場合(ステップS403:NO)、ステップS5の電動チューリップ処理に処理が進められる。
メインCPU101は、保留数Tが「1」以上であると判定した場合(ステップS403:YES)、保留数Tを「1」減算した値に更新し(ステップS404)、当たり乱数判定処理を実行する(ステップS405)。具体的には、上記ステップS233(図19参照)の処理によってメインRAM103に記憶された普通図柄乱数の中で最初に取得された普通図柄乱数が、予めメインROM102に記憶されている普通図柄乱数の当選値のいずれかと一致するか否かに基づいて、普通図柄判定の判定結果が当たりであるか否かを判定する。
なお、メインROM102には時短状態用の当選値と非時短状態用の当選値とが記憶されており、時短状態の有無に応じた当選値を使用して普通図柄判定が行われる。そして、時短状態用の当選値の数が非時短状態用の当選値の数よりも多くなるように当選値が予め設定されているため、時短状態のときには、非時短状態のときに比べて普通図柄判定の判定結果が当たりになり易くなっている。
ステップS405の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS405の判定結果に基づいて、普通図柄判定の判定結果が当たりであるか否かを判断し(ステップS406)、当たりであると判断した場合(ステップS406:YES)、普通図柄表示器45に判定図柄として停止表示させる当たり図柄の設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS407)。逆に、普通図柄判定の判定結果が当たりではないと判断した場合(ステップS406:NO)、ハズレ図柄の設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS408)。
ステップS407又はステップS408の処理に続いて、メインCPU101は、時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、時短状態であるか否かを判断する(ステップS409)。ここで、時短状態ではないと判断した場合(ステップS409:NO)、普通図柄表示器45に普通図柄を変動表示させる普通図柄変動時間を例えば25秒にセットする(ステップS410)。逆に、時短状態であると判断した場合(ステップS409:YES)、普通図柄変動時間を例えば2秒にセットする(ステップS411)。このようにしてステップS410又はステップS411の処理によってセットされた普通図柄変動時間は、メインRAM103に一時的に記憶される。
ステップS410又はステップS411の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄表示器45による普通図柄の変動表示を開始させ(ステップS412)、その変動表示開始からの経過時間の計測を開始する(ステップS413)。
一方、メインCPU101は、普通図柄表示器45による普通図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS402:YES)、普通図柄の変動表示の開始から普通図柄変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS415)。具体的には、ステップS413の処理によって計測を開始した経過時間が、ステップS410又はステップS411でセットした普通図柄変動時間に達したか否かに基づいて、普通図柄変動時間が経過したか否かを判定する。ここで、普通図柄変動時間が経過していないと判定された場合(ステップS415:NO)、ステップS5の電動チューリップ処理に処理が進められる。
メインCPU101は、普通図柄変動時間が経過したと判定した場合(ステップS415:YES)、普通図柄表示器45における普通図柄の変動表示を終了させて、メインRAM103にセットされている設定情報が示す当たり図柄又はハズレ図柄を停止表示させる(ステップS416)。そして、ステップS413の処理で計測を開始した経過時間をリセットする(ステップS417)。次に、上記ステップS406の処理と同様に、普通図柄判定の判定結果が当たりであるか否かを判断する(ステップS418)。ここで、普通図柄判定の判定結果が当たりであると判断した場合(ステップS418:YES)、補助遊技フラグを「ON」に設定する(ステップS419)。このようにして補助遊技フラグが「ON」に設定されることにより、電動チューリップ17を動作させる補助遊技が開始されることになる。
[遊技制御基板100による電動チューリップ処理]
図25は、図15のステップS5における電動チューリップ処理の詳細フローチャートである。ステップS4の普通図柄処理に続いて、メインCPU101は、図25に例示されるように、補助遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS501)。ここで、補助遊技フラグが「ON」に設定されていないと判定された場合(ステップS501:NO)、ステップS6の大入賞口開放制御処理に処理が進められる。
メインCPU101は、補助遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS501:YES)、電動チューリップ17が動作中であるか否かを判定する(ステップS502)。ここで、電動チューリップ17が動作中ではないと判定した場合(ステップS502:NO)、ステップS409の処理と同様に、時短状態であるか否かを判断する(ステップS503)。ここで、時短状態ではないと判断した場合(ステップS503:NO)、電動チューリップ17の動作パターンとして、第2始動口12を例えば0.1秒間開放する動作を1回行う動作パターンの設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS504)。逆に、時短状態であると判断した場合(ステップS503:YES)、電動チューリップ17の動作パターンとして、第2始動口12を1.6秒間開放する動作を3回行う動作パターンの設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS505)。
メインCPU101は、ステップS504又はステップS505で動作パターンの設定情報をセットした後、セットした動作パターンでの電動チューリップ17の動作を電動チューリップ制御部113に開始させる(ステップS506)。
メインCPU101は、このステップS506の処理を実行することにより、第2始動口12を遊技球が通過し難い状態から通過し易い状態に制御する。
メインCPU101は、ステップS506の処理を実行した場合、又は電動チューリップ17の動作中であると判定した場合(ステップS502:YES)、ステップS506の処理で開始された電動チューリップ17の動作が完了したか否かを判定する(ステップS507)。ここで、電動チューリップ17の動作が完了したと判定した場合(ステップS507:YES)、補助遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS508)。これにより、補助遊技が終了される。
[遊技制御基板100による大入賞口開放制御処理]
以下、図26〜図28を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される大入賞口開放制御処理について説明する。ここで、図26〜図28は、図15のステップS6における大入賞口開放制御処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、ステップS5の電動チューリップ処理に続いて、図26に例示されるように、大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS601)。ここで、大当たり遊技フラグが「ON」に設定されていないと判定された場合(ステップS601:NO)、ステップS7の賞球処理に処理が進められる。
メインCPU101は、大当たり遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS601:YES)、例えばステップS3214(図23参照)の処理によって大当たり遊技に係るオープニングコマンドをセットしてからの経過時間が所定のオープニング時間に達したか否かに基づいて、大当たり遊技におけるオープニング中であるか否かを判定する(ステップS602)。
メインCPU101は、オープニング中ではないと判定した場合(ステップS602:NO)、大当たり遊技におけるエンディング中であるか否かを判定する(ステップS603)。具体的には、大当たり遊技における最終ラウンドのラウンド遊技が終了してからの経過時間が所定のエンディング時間に達したか否かに基づいて、エンディング中であるか否かを判定する。ここで、エンディング中であると判定された場合(ステップS603:YES)、後述するステップS643(図28参照)に処理が進められる。
メインCPU101は、大当たり遊技におけるエンディング中ではないと判定した場合(ステップS603:NO)、例えば前回のラウンド遊技が終了してから所定のインターバル時間が経過したか否かに基づいて、インターバル中(ラウンドと次のラウンドとの間)であるか否かを判定する(ステップS604)。ここで、インターバル中であると判定した場合(ステップS604:YES)、前回のラウンド遊技終了時に第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)が閉塞してから、後述するステップS608の処理で設定されたインターバル時間が経過したか否かを判定する(ステップS605)。ここで、インターバル時間が経過したと判定された場合(ステップS605:YES)、次のラウンド遊技を開始するタイミングになっているため、後述するステップS609に処理が進められる。逆に、インターバル時間が経過していないと判定された場合(ステップS605:NO)、ステップS7の賞球処理に処理が進められる。
メインCPU101は、オープニング中であると判定した場合(ステップS602:YES)、オープニング時間が経過したか否かを判定する(ステップS606)。ここで、オープニング時間が経過したと判定した場合(ステップS606:YES)、大当たり遊技のラウンド数Rmax、第1大入賞口13のプレート、第1羽根部材191、及び第2羽根部材192の動作パターン等を設定して、その設定情報をメインRAM103に格納する(ステップS608)。このステップS608の処理が実行されることによって、ラウンドと次のラウンドとの間のインターバル時間、最終ラウンド終了後のエンディング時間等の大当たり遊技に関する各種時間も併せて設定される。
メインCPU101は、ステップS608の処理を実行した場合、又はインターバル時間が経過したと判定した場合(ステップS605:YES)、メインRAM103に記憶されている第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)への遊技球の入賞数Yをリセットする(ステップS609)。このステップS609において、第1大入賞口13を開放するラウンド遊技の開始に際しては第1大入賞口13への遊技球の入賞数Yが「0」にリセットされ、第2大入賞口19を開放するラウンド遊技の開始に際しては第2大入賞口19への遊技球の入賞数Yが「0」にリセットされる。
ステップS609の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている大当たり遊技中のラウンド数Rを「1」加算した値に更新する(ステップS610)。このラウンド数Rは、大当たり遊技開始前は「0」に設定されており、ステップS610の処理が行われる毎に「1」加算される。
ステップS610の処理に続いて、メインCPU101は、ラウンド数Rが「5」であるか否かを判定する(ステップS611)。すなわち、第2大入賞口19に係るラウンド遊技を開始するか否かを判定する。ここで、ラウンド数Rが「5」ではないと判定した場合(ステップS611:NO)、第1大入賞口制御部119による第1大入賞口13の開放制御を開始する(ステップS612)。これにより、メインCPU101は、第1大入賞口13を遊技球が入賞し難い状態から入賞し易い状態へと変化させる。逆に、ラウンド数Rが「5」であると判定した場合(ステップS611:YES)、第2大入賞口制御部120による第2大入賞口19の開放制御(長開放制御又は短開放制御)を開始する(ステップS613)。メインCPU101は、第2大入賞口19の長開放制御を実行することによって第2大入賞口19を遊技球が入賞し難い状態から入賞し易い状態へと変化させ、第2大入賞口19の短開放制御を実行することによって第2大入賞口19を遊技球が入賞し難い状態を維持させる。
メインCPU101は、ステップS612の処理を実行した場合、又はステップS613の処理を実行した場合、いずれかの開放制御が開始されてからの経過時間である開放時間の計測を開始する(ステップS614)。具体的には、ステップS612の処理に続いてこのステップS614の処理を実行する場合は第1大入賞口13の開放制御の開始からの経過時間の計測を開始し、ステップS613の処理に続いてこのステップS614の処理を実行する場合は第2大入賞口19の開放制御の開始からの経過時間の計測を開始する。
メインCPU101は、ステップS611の処理に続いてステップS612の処理を実行したか否かに基づいて、第1大入賞口13の開放制御が開始されるか否かを判定する(ステップS615)。ここで、第1大入賞口13の開放制御が開始されると判定した場合(ステップS615:YES)、第1大入賞口13を長開放する長開放ラウンド遊技が開始されることを演出制御基板130に通知する通常ラウンド開始コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS616)。
一方、メインCPU101は、第1大入賞口13の開放制御が開始されないと判定した場合(ステップS615:NO)、すなわちステップS613の処理によって第2大入賞口19の開放制御が開始される場合、第2大入賞口19が長開放されるか否かを判断する(ステップS617)。具体的には、ステップS608の処理によって設定した第1羽根部材191の動作パターンが、長開放パターンであるか短開放パターンであるかに基づいて、第2大入賞口19が長開放されるか否かを判断する。なお、今回の大当たり遊技が通常大当たりによるものである場合には第1羽根部材191の動作パターンが短開放パターンに設定され、確変大当たりによるものである場合には第1羽根部材191の動作パターンが長開放パターンに設定される。
メインCPU101は、第2大入賞口19が長開放されると判断した場合(ステップS617:YES)、第2大入賞口19に係る長開放ラウンド遊技が開始されること(すなわち、V領域195が通過容易状態に移行すること)を演出制御基板130に通知する長開放ラウンド開始コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS618)。逆に、第2大入賞口19が長開放されないと判断した場合(ステップS617:NO)、すなわち第2大入賞口19が短開放される場合、第2大入賞口19に係る短開放ラウンド遊技が開始されること(すなわち、V領域195が通過容易状態に移行しないこと)を演出制御基板130に通知する短開放ラウンド開始コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS619)。
このようにしてメインRAM103にセットされた通常ラウンド開始コマンド、長開放ラウンド開始コマンド、又は短開放ラウンド開始コマンドは、ステップS9の送信処理によって演出制御基板130に送信される。このため、演出制御基板130のサブCPU131は、ラウンド遊技の開始時に遊技制御基板100から受信するコマンドがこれら3種類のコマンドのいずれであるかに基づいて、今回のラウンド遊技が、第1大入賞口13を長開放する長開放ラウンド遊技であるのか、第2大入賞口19を長開放する長開放ラウンド遊技であるのか、又は第2大入賞口19を短開放する短開放ラウンド遊技であるのかを容易に判別することができる。
メインCPU101は、ステップS616の処理を実行した場合、ステップS618の処理を実行した場合、又はステップS619の処理を実行した場合、図27に例示されるように、ステップS611の処理と同様に、ラウンド数Rが「5」であるか否かを判定する(ステップS621)。
メインCPU101は、ラウンド数Rが「5」であると判定した場合(ステップS621:YES)、V領域195の開放制御に関する以下の処理を実行する。すなわち、メインCPU101は、上述したステップS613の処理による第2大入賞口19の開放開始からの経過時間が、予め設定された設定時間(本実施形態では3秒:図7参照)と一致するか否かを判定する(ステップS622)。ここで、経過時間が設定時間と一致しないと判定された場合(ステップS622:NO)、後述するステップS624に処理が進められる。
メインCPU101は、経過時間が設定時間と一致すると判定した場合(ステップS622:YES)、V入賞口制御部121によるV領域195の開放制御を開始する(ステップS623)。具体的には、第2羽根部材192をハズレ領域196側に回動させる(図2(C)、図7(B)、及び図7(C)参照)。
メインCPU101は、ステップS623の処理を実行した場合、又は第2大入賞口19の開放開始からの経過時間が設定時間と一致しないと判定した場合(ステップS622:NO)、V入賞口スイッチ117(図2及び図14参照)が「ON」になったか否かを判定する(ステップS624)。ここで、V入賞口スイッチ117が「ON」になったと判定した場合(ステップS624:YES)、メインRAM103に記憶されているV入賞フラグを「ON」に設定する(ステップS625)。このV入賞フラグは、遊技球がV領域195を通過したか否か(V入賞したか否か)を示すフラグであり、通常は「OFF」に設定されているものの、V入賞口スイッチ117によって遊技球が検知されると「ON」に設定される。
メインCPU101は、このステップS625の処理に続いて、遊技球がV領域195を通過したことを演出制御基板130に通知するV入賞通知コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS626)。
メインCPU101は、ステップS626の処理を実行した場合、又はV入賞口スイッチ117が「ON」ではないと判定した場合(ステップS624:NO)、V領域195の閉塞タイミングであるか否かを判定する(ステップS627)。具体的には、上述したステップS623の開放制御の開始からの経過時間が所定時間(本実施形態では10秒:図7参照)と一致するか否かを判定する。ここで、閉塞タイミングではないと判定された場合(ステップS627:NO)、後述するステップS629に処理が進められる。
メインCPU101は、閉塞タイミングであると判定した場合(ステップS627:YES)、ステップS623の処理で開始したV入賞口制御部121によるV領域195の開放制御を終了する(ステップS628)。これにより、第2羽根部材192によってV領域195の入口であるV入賞口が閉塞される。
メインCPU101は、ステップS628の処理を実行した場合、V領域195の閉塞タイミングではないと判定した場合(ステップS627:NO)、又はラウンド数Rが「5」ではないと判定した場合(ステップS621:NO)、大入賞口スイッチからの検知信号の入力の有無に基づいて、大入賞口スイッチが「ON」になったか否かを判定する(ステップS629)。具体的には、第1大入賞口13に係るラウンド遊技中である場合には第1大入賞口スイッチ115からの検知信号の入力の有無に基づいて第1大入賞口スイッチ115が「ON」になったか否かを判定し、第2大入賞口19に係るラウンド遊技中である場合には第2大入賞口スイッチ116からの検知信号の入力の有無に基づいて第2大入賞口スイッチ116が「ON」になったか否かを判定する。
メインCPU101は、大入賞口スイッチが「ON」になったと判定した場合(ステップS629:YES)、遊技球の入賞数Yを「1」加算した値に更新する(ステップS630)。具体的には、第1大入賞口13に係るラウンド遊技中において、第1大入賞口スイッチ115が「ON」になったと判定した場合には第1大入賞口13への遊技球の入賞数Yを「1」加算した値に更新する。一方、第2大入賞口19に係るラウンド遊技中において、第2大入賞口スイッチ116が「ON」になったと判定した場合には第2大入賞口19への遊技球の入賞数Yを「1」加算した値に更新する。
メインCPU101は、ステップS630の処理を実行した場合、又は大入賞口スイッチが「ON」ではないと判定した場合(ステップS629:NO)、図28に例示されるように、大入賞口の開放開始からの経過時間が規定開放時間と一致するか否かを判定する(ステップS632)。具体的には、第1大入賞口13を長開放する長開放ラウンド遊技中である場合には、第1大入賞口13の開放開始からの経過時間が29.5秒と一致するか否かを判定する。また、第2大入賞口19を長開放する長開放ラウンド遊技中である場合には、第2大入賞口19の開放開始からの経過時間が29.5秒と一致するか否かを判定する。また、第2大入賞口19を短開放する短開放ラウンド遊技中である場合には、第2大入賞口19の開放開始からの経過時間が0.1秒と一致するか否かを判定する。
メインCPU101は、第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)の開放開始からの経過時間が規定開放時間と一致しないと判定した場合(ステップS632:NO)、メインRAM103に記憶されている今回のラウンド遊技における遊技球の入賞数Yが、メインROM102に記憶されている第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)の閉塞タイミングを規定する遊技球数Ymax(例えば「9」)と一致するか否かを判定する(ステップS633)。ここで、入賞数Yが遊技球数Ymaxと一致しないと判定された場合(ステップS633:NO)、ステップS7の賞球処理に処理が進められる。
なお、第2大入賞口19の短開放ラウンド遊技においては、第2大入賞口19への遊技球の入賞数Yとは無関係に、第2大入賞口19の開放開始から0.1が経過すると第2大入賞口19が閉塞される。このため、この短開放ラウンド遊技中においては、ステップS633の処理が省略され、ステップS632の判定結果のみに基づいて、ステップS7の賞球処理、又は後述するステップS634に処理が進められる。
メインCPU101は、入賞数Yが遊技球数Ymaxと一致すると判定した場合(ステップS633:YES)、又は大入賞口の開放開始からの経過時間が規定開放時間と一致すると判定した場合(ステップS632:YES)、大入賞口の開放制御を終了する(ステップS634)。具体的には、第1大入賞口13の開放制御中である場合には第1大入賞口制御部119に第1大入賞口13の開放制御を終了させ、第2大入賞口19の開放制御中である場合には第2大入賞口制御部120に第2大入賞口19の開放制御を終了させる。
ステップS634の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている大当たり遊技の現在のラウンド数Rが、上記ステップS608の処理によって設定されたラウンド数Rmax(本実施形態では「5」又は「16」)と一致するか否かを判定する(ステップS635)。ここで、ラウンド数Rがラウンド数Rmaxと一致しないと判定した場合(ステップS635:NO)、次のラウンド遊技の開始タイミングを制御するために、第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)が閉塞されてからの経過時間であるインターバル時間の計測を開始する(ステップS636)。このステップS636の処理によって計測が開始されたインターバル時間は、上記ステップS604の処理やステップS605の処理に使用される。
一方、メインCPU101は、ラウンド数Rがラウンド数Rmaxと一致すると判定した場合(ステップS635:YES)、エンディング時間の計測を開始し(ステップS637)、メインRAM103に記憶されているラウンド数Rをリセットする(ステップS638)。そして、メインRAM103に記憶されているV入賞フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS639)。
メインCPU101は、V入賞フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS639:NO)、すなわちV入賞フラグが「OFF」に設定されている場合、今回の大当たり遊技が終了した後に時短遊技状態で遊技が制御されることになるため、演出制御基板130にその旨を通知する時短移行通知エンディングコマンドをメインRAM103にセットする(ステップS640)。
一方、メインCPU101は、V入賞フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS639:YES)、今回の大当たり遊技が終了した後に確変遊技状態で遊技が制御されることになるため、演出制御基板130にその旨を通知する確変移行通知エンディングコマンドをメインRAM103にセットする(ステップS641)。
メインCPU101は、ステップS640の処理を実行した場合、ステップS641の処理を実行した場合、又はエンディング中であると判定した場合(ステップS603:YES)、設定エンディング時間が経過したか否かを判定する(ステップS643)。具体的には、上記ステップS637の処理によって計測を開始したエンディング時間が、上記ステップS608の処理によって設定された設定エンディング時間と一致するか否かを判定する。ここで、エンディング時間が設定エンディング時間と一致しないと判定された場合(ステップS643:NO)、ステップS7の賞球処理に処理が進められる。
メインCPU101は、設定エンディング時間が経過したと判定した場合(ステップS643:YES)、大当たり遊技終了後のパチンコ遊技機1の遊技状態を設定する遊技状態設定処理を実行する(ステップS644)。そして、大当たり遊技を終了させるために、大当たり遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS645)。
[遊技制御基板100による遊技状態設定処理]
図29は、図28のステップS644における遊技状態設定処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、設定エンディング時間が経過したと判定した場合(ステップS643:YES)、図29に例示されるように、メインRAM103に記憶されているV入賞フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS6441)。
メインCPU101は、V入賞フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS6441:YES)、メインRAM103に記憶されている確変遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS6442)、同じくメインRAM103に記憶されている高確率遊技残余回数Kを「115」に設定する(ステップS6443)。そして、メインRAM103に記憶されている時短遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS6444)、同じくメインRAM103に記憶されている時短遊技残余回数Jを高確率遊技残余回数Kと同じ「115」に設定する(ステップS6445)。
このステップS6442〜ステップS6445の処理が行われることにより、大当たり遊技が終了してから途中で大当たりが発生しなければ115回の特別図柄判定が行われるまで確変遊技状態で遊技が制御されることになる。
このように、メインCPU101は、V領域195に対する遊技球の通過に伴ってV入賞フラグが「ON」に設定されると、その通過前よりも遊技者に有利な確変遊技状態で遊技を制御する。
メインCPU101は、ステップS6445の処理を実行した場合、メインRAM103に記憶されているV入賞フラグを「OFF」に設定する(ステップS6446)。
一方、メインCPU101は、V入賞フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS6441:NO)、メインRAM103に記憶されている時短遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS6447)、同じくメインRAM103に記憶されている時短遊技残余回数Jを「100」に設定する(ステップS6448)。
このステップS6447及びステップS6448の処理が行われることにより、大当たり遊技が終了してから途中で大当たりが発生しなければ100回の特別図柄判定が行われるまで時短遊技状態で遊技が制御されることになる。
[遊技制御部100による賞球処理]
次に、図30を参照しつつ、遊技制御部100によって実行される賞球処理について説明する。ここで、図30は、図15のステップS7における賞球処理の詳細フローチャートである。
メインCPU101は、ステップS6の大入賞口開放制御処理に続いて、図30に例示されるように、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力されたか否かに基づいて、第1始動口スイッチ111が「ON」になったか否かを判定する(ステップS701)。ここで、第1始動口スイッチ111が「ON」になったと判定した場合(ステップS701:YES)、払出制御基板を制御して3個の賞球を払い出す(ステップS702)。
メインCPU101は、ステップS702の処理を実行した場合、又は第1始動口スイッチ111が「ON」になっていないと判定した場合(ステップS701:NO)、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力されたか否かに基づいて、第2始動口スイッチ112が「ON」になったか否かを判定する(ステップS703)。ここで、第2始動口スイッチ112が「ON」になったと判定した場合(ステップS703:YES)、払出制御基板を制御して3個の賞球を払い出す(ステップS704)。
このように、パチンコ遊技機1では、電動チューリップ17による第2始動口12の開放制御が行われているか否かに関わらず、第2始動口スイッチ112によって遊技球が検知されれば、賞球の払い出しが行われる。
メインCPU101は、ステップS704の処理を実行した場合、又は第2始動口スイッチ112が「ON」になっていないと判定した場合(ステップS703:NO)、普通入賞口スイッチ122が「ON」になったか否かを判定する(ステップS705)。ここで、普通入賞口スイッチ122が「ON」になったと判定した場合(ステップS705:YES)、払出制御基板を制御して10個の賞球を払い出す(ステップS706)。
メインCPU101は、ステップS706の処理を実行した場合、又は普通入賞口スイッチ122が「ON」になっていないと判定した場合(ステップS705:NO)、メインRAM103に記憶されている大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS708)。ここで、大当たり遊技フラグが「ON」に設定されていないと判定された場合(ステップS708:NO)、後述するステップS712に処理が進められる。
一方、メインCPU101は、大当たり遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS708:YES)、第1大入賞口スイッチ115からの検知信号が入力されたか否かに基づいて、第1大入賞口スイッチ115が「ON」になったか否かを判定する(ステップS709)。ここで、第1大入賞口スイッチ115が「ON」になっていないと判定した場合(ステップS709:NO)、第2大入賞口スイッチ116からの検知信号が入力されたか否かに基づいて、第2大入賞口スイッチ116が「ON」になったか否かを判定する(ステップS710)。
メインCPU101は、第1大入賞口スイッチ115が「ON」になったと判定した場合(ステップS709:YES)、又は第2大入賞口スイッチ116が「ON」になったと判定した場合(ステップS710:YES)、払出制御基板を制御して14個の賞球を払い出す(ステップS711)。
このように、メインCPU101は、第1大入賞口13又は第2大入賞口19に遊技球が入賞した場合に、条件装置及び役物連続作動装置が両方作動している大当たり遊技中に限り、賞球の払い出しを行う。
メインCPU101は、ステップS711の処理を実行した場合、大当たり遊技フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS708:NO)、又は第2大入賞口スイッチ116が「ON」になっていないと判定した場合(ステップS710:NO)、ステップS702の処理、ステップS704の処理、ステップS706の処理、及びステップS711の処理の少なくともいずれかの処理を行って賞球の払い出しがあったか否かを判定する(ステップS712)。
メインCPU101は、賞球の払い出しがあったと判定した場合(ステップS712:YES)、メインRAM103に記憶されている払出総賞球数を更新する(ステップS713)。詳細な説明は省略するが、通常時は、この払出総賞球数に基づいて、センターランプ30の発光色が決定される。
[遊技制御部100による異常入賞処理]
次に、図31及び図32を参照しつつ、遊技制御部100によって実行される異常入賞処理について説明する。ここで、図31及び図32は、図15のステップS8における異常入賞処理の詳細フローチャートである。
メインCPU101は、ステップS7の賞球処理に続いて、図31に例示されるように、第2始動口スイッチ112が「ON」になったか否かを判定する(ステップS801)。ここで、第2始動口スイッチ112が「ON」になっていないと判定された場合(ステップS801:NO)、後述するステップS809に処理が進められる。
メインCPU101は、第2始動口スイッチ112が「ON」になったと判定した場合(ステップS801:YES)、メインRAM103に記憶されている補助遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS802)。すなわち、電動チューリップ17が動作する補助遊技中であるか否かを判定する。
ところで、電動チューリップ17が動作する補助遊技中に第2始動口12に遊技球が入賞した場合、その入賞は、正常な入賞であると判断することができる。一方、電動チューリップ17が動作していない補助遊技中以外のときに第2始動口12に遊技球が入賞した場合、その入賞は、異常入賞である可能性が高い。
このため、メインCPU101は、補助遊技フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS802:NO)、メインRAM103に記憶されている異常入賞球数Dを「1」加算した値に更新する(ステップS803)。ここで、異常入賞球数Dは、パチンコ遊技機1の電源が投入されてから第2始動口12に対して異常入賞した遊技球の総数を示す情報であり、第2始動口12の開放制御中ではないにも拘わらず第2始動口12に遊技球が入賞するといった異常入賞が発生する毎に「1」加算した値に更新される。
このように、メインCPU101は、第2始動口12が遊技球の通過し難い状態に制御されているときに第2始動口12に入賞した遊技球の数を計数(カウント)する。
ステップS803の処理に続いて、メインCPU101は、異常入賞球数Dが「10」未満であるか否かを判定する(ステップS804)。ここで、異常入賞球数Dが「10」未満であると判定された場合(ステップS804:YES)、ステップS809に処理が進められる。
メインCPU101は、異常入賞球数Dが「10」未満ではないと判定した場合(ステップS804:NO)、異常入賞球数Dが「30」未満であるか否かを判定する(ステップS805)。ここで、異常入賞球数Dが「30」未満であると判定した場合(ステップS805:YES)、第2始動口12の開放制御が行われていないときに第2始動口スイッチ112によって異常入賞が検知される毎に枠ランプ37を赤色で瞬間的に発光させる弱報知制御(図11(B)参照)の実行を演出制御基板130に指示する弱警告コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS806)。
一方、メインCPU101は、異常入賞球数Dが「30」未満ではないと判定した場合(ステップS805:NO)、すなわち異常入賞球数Dが「30」に達した場合、枠ランプ37を赤色で点滅させると共にスピーカ24から所定の警告音を出力する処理をパチンコ遊技機1の電源が切られるまで継続させる強報知制御(図11(C)参照)の実行を演出制御基板130に指示する強警告コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS807)。
メインCPU101は、ステップS806の処理を実行した場合、ステップS807の処理を実行した場合、第2始動口スイッチ112が「ON」になっていないと判定した場合(ステップS801:NO)、補助遊技フラグが「ON」であると判定した場合(ステップS802:YES)、又は異常入賞球数Dが「10」未満であると判定した場合(ステップS804:YES)、大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS809)。ここで、大当たり遊技フラグが「ON」に設定されていると判定された場合(ステップS809:YES)、後述するステップS824(図32参照)に処理が進められる。
ところで、条件装置及び役物連続作動装置が作動している大当たり遊技中に第1大入賞口13又は第2大入賞口19に遊技球が入賞した場合、その入賞は、正常な入賞であると判断することができる。逆に、条件装置及び役物連続作動装置が作動していない大当たり遊技中以外のときに第1大入賞口13又は第2大入賞口19に遊技球が入賞した場合、その入賞は、異常入賞である可能性が高い。
このため、メインCPU101は、大当たり遊技フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS809:NO)、すなわち条件装置及び役物連続作動装置がいずれも作動していない場合、以下のような処理を実行する。すなわち、メインCPU101は、第1大入賞口スイッチ115からの検知信号が入力されたか否かに基づいて、第1大入賞口スイッチ115が「ON」になったか否かを判定する(ステップS810)。ここで、第1大入賞口スイッチ115が「ON」になっていないと判定された場合(ステップS810:NO)、後述するステップS817に処理が進められる。
メインCPU101は、第1大入賞口スイッチ115が「ON」になったと判定した場合(ステップS810:YES)、メインRAM103に記憶されている異常入賞球数A1を「1」加算した値に更新する(ステップS811)。ここで、異常入賞球数A1は、第1大入賞口13に対して異常入賞した遊技球の総数を示す情報であり、第1大入賞口13の開放制御中ではないにも拘わらず第1大入賞口13に遊技球が入賞するといった異常入賞が発生する毎に「1」加算した値に更新される。
このように、メインCPU101は、第1大入賞口13が遊技球の通過し難い状態に制御されているときに第1大入賞口13に入賞した遊技球の数を計数(カウント)する。
ステップS811の処理に続いて、メインCPU101は、異常入賞球数A1が「10」未満であるか否かを判定する(ステップS812)。ここで、異常入賞球数Dが「10」未満であると判定された場合(ステップS812:YES)、ステップS817に処理が進められる。
メインCPU101は、異常入賞球数A1が「10」未満ではないと判定した場合(ステップS812:NO)、異常入賞球数A1が「30」未満であるか否かを判定する(ステップS813)。ここで、異常入賞球数A1が「30」未満であると判定した場合(ステップS813:YES)、第1大入賞口13の開放制御が行われていないときに第1大入賞口スイッチ115によって異常入賞が検知される毎に枠ランプ37を赤色で瞬間的に発光させる弱報知制御(図11(B)参照)の実行を演出制御基板130に指示する弱警告コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS814)。
一方、メインCPU101は、異常入賞球数A1が「30」未満ではないと判定した場合(ステップS813:NO)、枠ランプ37を赤色で点滅させると共にスピーカ24から所定の警告音を出力する処理をパチンコ遊技機1の電源が切られるまで継続させる強報知制御(図11(C)参照)の実行を演出制御基板130に指示する強警告コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS815)。
このように、メインCPU101は、第1大入賞口13を遊技球が通過し難い状態に制御しているときに第1大入賞口13に入賞した遊技球の数を計数し、計数した遊技球数が第1設定数としての「10」(又は「30」)に達したか否かを判定し、第1設定数に達したと判定した場合には弱報知制御(又は強報知制御)を行う。
なお、本実施形態では、第1設定数が2種類用意されているため、2段階の報知制御が行われる場合について説明するが、第1設定数を1つ或いは3つ以上として、1種類或いは3種類以上の報知制御を行うようにしてもよい。
ところで、第1大入賞口13に遊技球を不正に入賞させる不正遊技が行われた場合、図30に基づいて上述したように、大当たり遊技中でなければ賞球の払い出しが行われず、不正入賞数に応じた必要な報知制御が2段階で行われるので、不正遊技者が極めて有利な状態になる可能性は低い。これに対して、V入賞口スイッチ117に対して遊技球を不正に通過させる不正遊技が行われた場合、たとえ第2大入賞口19の短開放制御中であったとしても条件装置及び役物連続作動装置が作動している大当たり遊技中であればV入賞が発生したと判定されてしまうため、不正遊技者に対して極めて有利な状態を与えてしまうおそれがある。
このような不正なV入賞を発生させる場合、不正遊技者が、例えば釣り糸を付けた遊技球を上皿28から遊技領域10を介して第2大入賞口19内に進入させると共に第2大入賞口19内に滞留させておき、第2大入賞口19を開放するラウンド遊技中に釣り糸を操作して遊技球をV入賞口スイッチ117に検知させるといった不正行為を行う可能性が高い。
そこで、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中ではないにも拘わらず第2大入賞口スイッチ116、V入賞口スイッチ117、又は排出スイッチ118によって遊技球が1球でも検知された場合には、強報知制御(図11(C)参照)を行うこととしている。具体的には、以下のような処理を実行する。
すなわち、メインCPU101は、ステップS814の処理を実行した場合、ステップS815の処理を実行した場合、第1大入賞口スイッチ115が「ON」になっていないと判定した場合(ステップS810:NO)、又は異常入賞球数A1が「10」未満であると判定した場合(ステップS812:YES)、第2大入賞口スイッチ116からの検知信号が入力されたか否かに基づいて、第2大入賞口スイッチ116が「ON」になったか否かを判定する(ステップS817)。
メインCPU101は、第2大入賞口スイッチ116が「ON」になっていないと判定した場合(ステップS817:NO)、V入賞口スイッチ117からの検知信号が入力されたか否かに基づいて、V入賞口スイッチ117が「ON」になったか否かを判定する(ステップS818)。ここで、V入賞口スイッチ117が「ON」になっていないと判定した場合(ステップS818:NO)、排出スイッチ118からの検知信号が入力されたか否かに基づいて、排出スイッチ118が「ON」になったか否かを判定する(ステップS819)。ここで、排出スイッチ118が「ON」になっていないと判定された場合(ステップS819:NO)、ステップS824に処理が進められる。
一方、メインCPU101は、第2大入賞口スイッチ116が「ON」になったと判定した場合(ステップS817:YES)、V入賞口スイッチ117が「ON」になったと判定した場合(ステップS818:YES)、又は排出スイッチ118が「ON」になったと判定した場合(ステップS819:YES)、メインRAM103に記憶されている異常入賞球数A2を「1」加算した値に更新する(ステップS820)。
ステップS820の処理に続いて、メインCPU101は、異常入賞球数A2が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS821)。ここで、異常入賞球数A2が「1」以上ではないと判定された場合(ステップS821:NO)、ステップS824に処理が進められる。
一方、メインCPU101は、異常入賞球数A2が「1」以上であると判定した場合(ステップS821:YES)、ステップS815の処理と同様に、強警告コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS822)。
このように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第2大入賞口19が遊技球の通過し難い状態に制御されているときに第2入賞口19内を通過した遊技球の数を計数し、計数した遊技球数が第2設定数(本実施形態では「1」)に達したか否かを判定し、第2設定数に達したと判定したら強報知制御を行う。
なお、本実施形態では、第2設定数が「1」に設定されている場合について説明したが、第2設定数は、第1設定数よりも小さい値であれば、例えば「2」であってもよい。また、本実施形態では遊技球が1個でも検知されれば強報知制御を行うこととしているので、ステップS821の判定処理を省略して、ステップS820の処理を行った場合には必ずステップS822の処理を行うようにしてもよい。
また、ここでは3つの検知スイッチの検知結果に基づいてステップS820の更新処理を行う場合について説明したが、他の実施形態では、2つ或いは1つの検知スイッチの検知結果に基づいてステップS820の更新処理を行うようにしてもよい。すなわち、例えば第2大入賞口スイッチ116及びV入賞口スイッチ117の検知結果に基づいてステップS820の更新処理を行うようにしたり、V入賞口スイッチ117のみの検知結果に基づいてステップS820の更新処理を行うようにしたりしてもよい。
メインCPU101は、ステップS822の処理を実行した場合、大当たり遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS809:YES)、排出スイッチ118が「ON」になっていないと判定した場合(ステップS819:NO)、又は異常入賞球数A2が「1」以上ではないと判定した場合(ステップS821:NO)、図32に例示されるように、例えば第2大入賞口制御部120の動作状況に基づいて、第2大入賞口19の長開放制御中であるか否かを判断する(ステップS824)。ここで、第2大入賞口19の長開放制御中ではないと判断された場合(ステップS824:NO)、ステップS9の送信処理に処理が進められる。
メインCPU101は、第2大入賞口19の長開放制御中であると判断した場合(ステップS824:YES)、第2大入賞口スイッチ116からNO
検知信号が入力されたか否かに基づいて、第2大入賞口スイッチ116が「ON」になったか否かを判定する(ステップS825)。
メインCPU101は、第2大入賞口スイッチ116が「ON」になったと判定した場合(ステップS825:YES)、メインRAM103に記憶されている残存球数Zを「1」加算した値に更新する(ステップS826)。ここで、残存球数Zは、第2大入賞口19内に残存している遊技球の数を示すものであり、第2大入賞口スイッチ116によって遊技球が検知される毎に「1」加算した値に更新され、V入賞口スイッチ117又は排出スイッチ118によって遊技球が検知される毎に「1」減算した値に更新される。
メインCPU101は、このステップS826の処理を繰り返すことによって、第2大入賞口19の長開放制御中に第2大入賞口19内に進入する遊技球の数を計数(カウント)する。
メインCPU101は、ステップS826の処理を実行した場合、又は第2大入賞口スイッチ116が「ON」になっていないと判定した場合(ステップS825:NO)、V入賞口スイッチ117からの検知信号が入力されたか否かに基づいて、V入賞口スイッチ117が「ON」になったか否かを判定する(ステップS827)。
メインCPU101は、V入賞口スイッチ117が「ON」になったと判定した場合(ステップS827:YES)、残存球数Zを「1」減算した値に更新する(ステップS828)。
メインCPU101は、ステップS828の処理を実行した場合、又はV入賞口スイッチ117が「ON」になっていないと判定した場合(ステップS827:NO)、排出スイッチ118からの検知信号が入力されたか否かに基づいて、排出スイッチ118が「ON」になったか否かを判定する(ステップS829)。
メインCPU101は、排出スイッチ118が「ON」になったと判定した場合(ステップS829:YES)、残存球数Zを「1」減算した値に更新する(ステップS830)。
このように、メインCPU101は、V入賞口スイッチ117の検知結果及び排出スイッチ118の検知結果に基づいてステップS828の処理又はステップS830の処理を繰り返すことによって、第2大入賞口19の長開放制御中に第2大入賞口19内から排出された遊技球の数を計数(カウント)する。
そして、メインCPU101は、ステップS826の処理と、ステップS828の処理と、ステップS830の処理とを必要に応じて行うことによって、第2大入賞口スイッチ116の検知結果に基づいて計数された遊技球数とV入賞口スイッチ117及び排出スイッチ118の検知結果に基づいて計数された遊技球数との差分に相当する残存球数Zを算出する。
ところで、大当たり遊技中に第2大入賞口19の長開放制御が行われたにも拘わらず遊技球のV入賞が検知されなかった場合、その原因としては、遊技者が長開放制御中に右打ちを行わなかったことと、例えばV入賞口スイッチ117が故障していることが考えられる。
第2大入賞口19の長開放制御中に右打ちを行われなかった場合、第2大入賞口スイッチ116によって検知される遊技球の数と、V入賞口スイッチ117によって検知される遊技球の数と、排出スイッチ118によって検知される遊技球の数とがいずれも「0」となる。すなわち、第2大入賞口19内に進入した遊技球の数と、第2大入賞口19内から排出される遊技球の数とが、いずれも「0」となる。このため、遊技者が右打ちを行わなかったことが原因で第2大入賞口19の長開放制御中にV入賞が発生しなかった場合には、残存球数Zが「0」となる。
一方、例えばV入賞口スイッチ117が故障していて、V入賞口スイッチ117を遊技球が通過してもその通過が検知されない場合、残存球数Zが正数となる。
このため、第2大入賞口19の長開放制御中に遊技球がV入賞しなかった場合、残存球数Zの値に基づいてその原因を特定することが可能であり、本実施形態では、以下のような処理が行われる。
すなわち、メインCPU101は、ステップS830の処理を実行した場合、又は排出スイッチ118が「ON」になっていないと判定した場合(ステップS829:NO)、ステップS613(図26参照)の処理によって開始された第2大入賞口19の長開放制御が終了したか否かを判断する(ステップS832)。ここで、第2大入賞口19の長開放制御が終了していないと判断された場合(ステップS832:NO)、ステップS9の送信処理に処理が進められる。
メインCPU101は、第2大入賞口19の長開放制御が終了したと判断した場合(ステップS832:YES)、メインRAM103に記憶されているV入賞フラグが「ON」に設定されているか否かを判断する(ステップS833)。すなわち、遊技球がV入賞口スイッチ117に検知されてV入賞が発生したか否かを判断する。
メインCPU101は、V入賞フラグが「ON」に設定されていないと判断した場合(ステップS833:NO)、パンクが発生したと判断して、メインRAM103に記憶されている残存球数Zが「0」であるか否かを判断する(ステップS834)。ここで、残存球数が「0」であると判断された場合(ステップS834:YES)、第2大入賞口19の長開放制御中に遊技者が右打ちを行わなかったと見なされて、ステップS9の送信処理に処理が進められる。
一方、メインCPU101は、残存球数Zが「0」ではないと判断した場合(ステップS834:NO)、V入賞口スイッチ117等の故障の可能性があると見なして、メインRAM103に記憶されている検知エラー回数情報を更新する(ステップS835)。この検知エラー回数情報は、第2大入賞口19の長開放制御中においてV入賞口スイッチ117による遊技球の検知エラー等が原因で遊技球がV入賞しなかった回数を示す情報である。この検知エラー回数情報は、ステップS324(図20参照)の処理によって、客待ちコマンドに含まれて演出制御基板130に送信される。これにより、液晶表示装置5に表示される客待ち画面において、検知エラー回数が表示されることになる。
このように、メインCPU101は、ステップS834の処理によって残存球数Zと所定の設定値(本実施形態では「0」)との大小関係を特定し、特定結果に応じてステップS835の処理を実行する。
[演出制御基板130によるタイマ割込み処理]
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、演出制御基板130のサブCPU131は、後述するタイマ割込み処理を行う周期であるCTC周期を設定する。そして、サブCPU131は、演出内容を決定するために用いられる演出乱数等を更新する乱数更新処理をCTC周期よりも短い所定周期で繰り返す。すなわち、サブCPU131は、パチンコ遊技機1が起動している間、所定周期で乱数更新処理を繰り返しつつ、CTC周期でタイマ割込み処理を繰り返す。
以下、図33を参照しつつ、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図33は、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。サブCPU131は、遊技制御基板100で行われるタイマ割込み処理と同様に、図33に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図33以降のフローチャートに基づいて説明する演出制御基板130で行われる処理は、サブROM132に記憶されているプログラムに基づいてサブCPU131が発行する命令に従って行われる。
サブCPU131は、まず、遊技制御基板100からのコマンドに応じた処理を行うコマンド受信処理を実行する(ステップS10)。このコマンド受信処理については、図34〜図36に基づいて後に詳述する。
ステップS10の処理に続いて、サブCPU131は、演出ボタン26又は十字キー27からの操作情報の入力の有無に基づいて、演出ボタン26又は十字キー27が操作されたか否かを判定する(ステップS11)。ここで、演出ボタン26又は十字キー27が操作されたと判定した場合(ステップS11:YES)、その旨を通知するための操作コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS12)。この操作コマンドが画像音響制御基板140及びランプ制御基板150へ送信されることによって、演出ボタン26又は十字キー27の操作に応じた演出上の効果を実現するための処理が行われる。
サブCPU131は、演出ボタン26及び十字キー27がいずれも操作されていないと判定した場合(ステップS11:NO)、又はステップS12の処理を実行した場合、送信処理を実行する(ステップS13)。具体的には、ステップS10やステップS12の処理によってサブRAM133にセットされたコマンドを画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信する。このコマンド送信処理が行われることによって、画像表示や音声出力等による演出の実行が画像音響制御基板140に対して指示され、各種ランプの点灯や可動体の動作による演出の実行等がランプ制御基板150に対して指示される。
ステップS13の処理に続いて、サブCPU131は、データ転送処理を実行する(ステップS14)。具体的には、画像音響制御に関するデータが画像音響制御基板140から送信されるので、そのデータをランプ制御基板150に転送する。これにより、液晶表示装置5及びスピーカ24によって行われている演出と同期するように、可動役物7や盤ランプ25等の演出媒体による演出がランプ制御基板150によって制御される。
[演出制御基板130によるコマンド受信処理]
図34〜図36は、図33のステップS10におけるコマンド受信処理の詳細フローチャートである。図34に例示されるように、サブCPU131は、まず、ステップS806(図31参照)の処理又はステップS814(図31参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された弱警告コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS101)。
サブCPU131は、弱警告コマンドを受信したと判定した場合(ステップS101:YES)、弱警告実行コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS102)。この弱警告実行コマンドは、第2始動口スイッチ112又は第1大入賞口スイッチ115によって異常入賞が検知される毎に、枠ランプ37を赤色で瞬間的に発光させる弱報知制御(図11(B)参照)の実行を指示するコマンドであって、ステップS13の送信処理によってランプ制御基板150に送信される。
このように、サブCPU131は、第1大入賞口13(又は第2始動口12)が遊技球の通過し難い状態に制御されているときに第1大入賞口13(又は第2始動口12)に入賞した遊技球数が「10」に達した場合に、弱報知制御を行う。
サブCPU131は、ステップS102の処理を実行した場合、又は弱警告コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS101:NO)、ステップS815(図31参照)の処理又はステップS822(図31参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された強警告コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS103)。
サブCPU131は、強警告コマンドを受信したと判定した場合(ステップS103:YES)、強警告実行コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS104)。この強警告実行コマンドは、第1大入賞口13への異常入賞球数が「30」に達した場合、又は第2大入賞口19の開放制御中ではないにも拘わらず第2大入賞口スイッチ116、V入賞口スイッチ117、又は排出スイッチ118によって遊技球が検知された場合に、枠ランプ37を赤色で点滅させると共にスピーカ24から所定の警告音を出力する処理をパチンコ遊技機1の電源OFFまで継続させる強報知制御(図11(C)参照)の実行を指示するコマンドであって、ステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。
このように、サブCPU131は、第1大入賞口13(又は第2始動口12)が遊技球の通過し難い状態に制御されているときに第1大入賞口13(又は第2始動口12)に入賞した遊技球数が「30」に達した場合、又は第2大入賞口19が遊技球の通過し難い状態に制御されているときに第2大入賞口スイッチ116、V入賞口スイッチ117、又は排出スイッチ118によって遊技球が検知された場合に、強報知制御を行う。
なお、本実施形態では、各種異常入賞球数の更新処理と判定処理とを遊技制御基板100において行う場合について説明したが、他の実施形態では、異常入賞がある毎にその旨を遊技制御基板100から演出制御基板130に通知して、これらの処理を演出制御基板130において行うようにしてもよい。
サブCPU131は、ステップS104の処理を実行した場合、又は強警告コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS103:NO)、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の実行中であるか否かを判定する(ステップS106)。具体的には、例えば、遊技制御基板100から送信された変動開始コマンドに含まれている特別図柄の変動パターンを示す情報に基づいて特別図柄の変動時間を特定し、その変動開始コマンドを受信してからその変動時間が経過したか否かに基づいて、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の実行中であるか否かを判定する。
サブCPU131は、変動演出の実行中ではないと判定した場合(ステップS106:NO)、ステップS311(図20参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS107)。ここで、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS107:YES)、その変動開始コマンドを解析する(ステップS108)。
この変動開始コマンドには、上述したように、大当たり判定処理の判定結果を示す図柄の設定情報、この図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す入賞始動口情報、特別図柄の変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等が含まれている。したがって、変動開始コマンドを解析することによって、特別図柄判定の種類と結果を特定することができる。すなわち、大当たりであるか或いはハズレであるか、大当たりである場合にはその大当たりの種類が何であるかを特定することができる。また、変動パターンの設定情報に基づいて変動パターンがハズレ用の変動パターンであるか否かを特定することにより、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらを行う必要があるのかを判断することができる。また、同じく変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動時間を特定することができる。また、遊技状態を示す情報に基づいて、パチンコ遊技機1の現在の遊技状態を特定することができる。
変動開始コマンドを解析すると、サブCPU131は、その解析結果に基づいて、変動演出パターン選択処理を実行する(ステップS109)。
図には示されていないが、サブROM132には、特別図柄の変動表示に伴う変動演出に関して、大当たり演出テーブル、ハズレリーチ有り演出テーブル、及びハズレリーチ無し演出テーブルの少なくとも3つの演出テーブルが記憶されている。これらの演出テーブルの各々には、遊技制御基板100において決定される変動パターン(変動時間)に対応するテーブルが複数設けられている。例えば、大当たり演出テーブルには、60秒用、80秒用、120秒用、及び160秒用のテーブルが設けられている。
サブCPU131は、これら複数のテーブルの中から、変動開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、1のテーブルを選択する。例えば、設定情報に「大当たり」を示す情報、変動時間が60秒である大当たり用の変動パターンを示す情報が含まれている場合、サブCPU131は、60秒用の大当たり演出テーブルを選択する。また、設定情報に「ハズレ」を示す情報、遊技状態が時短遊技状態であることを示す情報、変動時間が10秒であるハズレ用の変動パターンを示す情報が含まれている場合、サブCPU131は、10秒用のハズレリーチ無し演出テーブルを選択する。
演出テーブルにおいては、演出乱数と演出パターンとが対応付けられている。サブCPU131は、上述した乱数更新処理が行われる毎に更新される演出乱数について、変動開始コマンドを受信した時点の値を取得しておき、選択した演出テーブルに格納されている多数の演出パターンの中から、予め取得した演出乱数に対応する演出パターンを読み出すことによって、1つの演出パターンを選択する。
このような変動演出パターン選択処理が実行されることによって、装飾図柄の変動態様、リーチ演出の有無、演出ボタン26を用いた演出の有無、背景画像の種類等の変動演出を構成する各演出の態様が決定される。
次に、サブCPU131は、ステップS109の処理で選択した変動演出パターンの変動演出の開始を指示する変動演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS110)。この変動演出開始コマンドは、ステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、演出制御基板130において演出パターンが決定された変動演出が、画像音響制御基板140及びランプ制御基板150によって実現されることになる。
このステップS110の処理に応じた変動演出は、第2特別図柄表示器42(又は第1特別図柄表示器41)において特別図柄の変動表示が開始されてから特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄が停止表示されるまで行われる。
一方、サブCPU131は、変動演出の実行中であると判定した場合(ステップS106:YES)、ステップS318(図20参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された図柄確定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS111)。ここで、図柄確定コマンドを受信したと判定した場合(ステップS111:YES)、例えば特別図柄の変動表示に伴う変動演出の終了を指示する変動演出終了コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS112)。この変動演出終了コマンドは、ステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、ステップS110の処理に応じて開始された変動演出が終了することになる。
サブCPU131は、ステップS110の処理を実行した場合、又は変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS107:NO)、図35に例示されるように、ステップS3214の処理(図23参照)に応じて遊技制御基板100から送信されたオープニングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS114)。
サブCPU131は、オープニングコマンドを受信したと判定した場合(ステップS114:YES)、画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に対して所定のオープニング演出の開始を指示するオープニング演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS115)。なお、このステップS115の処理では、今回の大当たり遊技の契機となった大当たりの種類をオープニング演出中に報知するために、大当たりの種類を示す情報を含むオープニング演出開始コマンドがセットされる。
サブCPU131は、ステップS115の処理を実行した場合、又はオープニングコマンドを受信していないと判定した場合(ステップS114:NO)、ステップS616の処理(図26参照)に応じて遊技制御基板100から送信された通常ラウンド開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS116)。
サブCPU131は、通常ラウンド開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS116:YES)、所定の通常ラウンド中演出を開始するために、通常ラウンド中演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS117)。この通常ラウンド中演出開始コマンドは、ステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140に送信される。これにより、画像音響制御基板140によって現在のラウンド遊技のラウンド数を報知したりするための所定のラウンド中演出が開始される。
ステップS117の処理に続いて、サブCPU131は、今回の第1大入賞口13に係る長開放ラウンド遊技が4ラウンド目のラウンド遊技であるか否かを判定する(ステップS118)。具体的には、例えば、ステップS116の処理で受信したと判定した通常ラウンド開始コマンドが、今回の大当たり遊技が開始されてから4個目の通常ラウンド開始コマンドであるか否かに基づいて、4ラウンド目のラウンド遊技であるか否かを判定する。
サブCPU131は、今回の長開放ラウンド遊技が第1大入賞口13に係る4ラウンド目のラウンド遊技であると判定した場合(ステップS118:YES)、例えば遊技制御基板100から受信したオープニングコマンドに含まれている情報に基づいて、次のラウンド遊技が、第2大入賞口19の長開放ラウンド遊技であるか否かを判定する(ステップS119)。ここで、次のラウンド遊技が第2大入賞口19の長開放ラウンド遊技であると判定した場合(ステップS119:YES)、第2大入賞口19を狙った遊技球の打ち出しが必要になることを予告する予告演出の開始を指示するコマンドをサブRAM133にセットする(ステップS120)。
この予告演出開始コマンドがステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信されることにより、次のラウンド遊技が開始されたら第2大入賞口19を狙った遊技球の打ち出しが必要になることを遊技者に事前に報知するメッセージを液晶表示装置5に表示する演出等を含む予告演出が開始されることになる。
サブCPU131は、ステップS120の処理を実行した場合、通常ラウンド開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS116:NO)、今回の第1大入賞口13に係る長開放ラウンド遊技が4ラウンド目ではないと判定した場合(ステップS118:NO)、又は次のラウンド遊技が第2大入賞口19に係る長開放ラウンド遊技ではないと判定した場合(ステップS119:NO)、ステップS619の処理(図26参照)に応じて遊技制御基板100から送信された第2大入賞口19に係る短開放ラウンド開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS122)。
サブCPU131は、短開放ラウンド開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS122:YES)、所定の短開放ラウンド中演出を画像音響制御基盤140及びランプ制御基板150に開始させるための短開放ラウンド中演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS123)。
この短開放ラウンド中演出開始コマンドがステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される場合、第2大入賞口19が0.1秒間しか開放されずに直ぐにエンディングが開始されることになるので(図7(A)参照)、上述した予告演出が行われることはない。
サブCPU131は、ステップS123の処理を実行した場合、又は短開放ラウンド開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS122:NO)、ステップS618の処理(図26参照)に応じて遊技制御基板100から送信された第2大入賞口19に係る長開放ラウンド開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS124)。
サブCPU131は、長開放ラウンド開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS124:YES)、長開放ラウンド中演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS125)。
この長開放ラウンド中演出開始コマンドがステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される場合、第2大入賞口19が長開放されるので(図7(B)及び(C)参照)、第2大入賞口19を狙った遊技球の打ち出しを遊技者に積極的に促すメッセージを液晶表示装置5に表示する演出等を含む長開放ラウンド中演出が開始されることになる。
サブCPU131は、ステップS125の処理を実行した場合、又は長開放ラウンド開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS124:NO)、ステップS626の処理(図27参照)に応じて遊技制御基板100から送信されたV入賞通知コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS126)。
サブCPU131は、V入賞通知コマンドを受信したと判定した場合(ステップS126:YES)、V入賞報知演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS127)。
このV入賞報知演出開始コマンドがステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信されることにより、遊技球がV領域195を通過したことを報知する「V」などの文字を液晶表示装置5に表示する演出等を含むV入賞報知演出が開始されることになる。
サブCPU131は、ステップS127の処理を実行した場合、又はV入賞通知コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS126:NO)、図36に例示されるように、遊技制御基板100から送信されたエンディングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS129)。ここで、エンディングコマンドを受信していないと判定された場合(ステップS129:NO)、後述するステップS139に処理が進められる。
サブCPU131は、エンディングコマンドを受信したと判定した場合(ステップS129:YES)、そのエンディングコマンドがステップS641(図28参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された確変移行通知エンディングコマンドであるのか、又はステップS640(図28参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された時短移行通知エンディングコマンドであるのかを判断する(ステップS130)。
サブCPU131は、受信したエンディングコマンドが確変移行通知エンディングコマンドであると判断した場合(ステップS130:YES)、確変遊技状態への移行を通知するエンディング演出の開始を指示するコマンドをサブRAM133にセットする(ステップS131)。
このエンディング演出の開始コマンドがステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信されることにより、大当たり遊技の終了を報知すると共に、確変遊技状態に移行することを通知するための例えば「RUSH突入」といったメッセージを液晶表示装置5に表示する演出等を含むエンディング演出が行われる。
ところで、図12に基づいて上述したように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第2大入賞口19が短開放しかされていないにも拘わらず遊技球がV領域195を通過した場合には、そのことを示唆するために、盤ランプ25を全消灯させると共に枠ランプ37を全点灯させるというように、盤ランプ25及び枠ランプ37を通常時とは異なる特別な発光態様に制御する処理を次回大当たりまで継続させることとしている(図9(B)参照)。
サブCPU131は、このような特別発光態様制御を開始するために、ステップS131の処理に続いて、以下のような処理を実行する。すなわち、ステップS131の処理に続いて、エンディングコマンドの受信に先立って、第2大入賞口19のラウンド遊技に関するコマンドとして短開放ラウンド開始コマンドを受信したか否かに基づいて、今回の大当たり遊技中に第2大入賞口19が短開放されたか否かを判定する(ステップS132)。
サブCPU131は、第2大入賞口19が短開放されたと判定した場合(ステップS132:YES)、ランプ制御基板150に盤ランプ25を全消灯させると共に枠ランプ37を全点灯させる特別態様制御を開始させるための特別態様制御開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS133)。
一方、サブCPU131は、受信したエンディングコマンドが確変移行通知エンディングコマンドではないと判定した場合(ステップS130:NO)、すなわち時短移行通知エンディングコマンドを受信した場合、時短遊技状態への移行を通知するエンディング演出の開始を指示するコマンドをサブRAM133にセットする(ステップS135)。
このエンディング演出の開始コマンドがステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信されることにより、大当たり遊技の終了を報知すると共に、時短遊技状態に移行することを通知するための例えば「チャンスモード突入」といったメッセージを液晶表示装置5に表示する演出等を含むエンディング演出が行われる。
ところで、図13(B)に基づいて上述したように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第2大入賞口19及びV領域195の長開放制御中に遊技球のV領域195に対する通過が検知されなかった場合には、そのことを示唆する示唆演出として、センターランプ30を専用色である紫色で点滅させる制御を次回大当たりまで継続させることとしている(図9(B)及び図13(B)参照)。
サブCPU131は、このようなセンターランプ30の専用色点滅制御を開始するために、ステップS135の処理に続いて、以下のような処理を実行する。すなわち、ステップS135の処理に続いて、エンディングコマンドの受信に先立って、第2大入賞口19のラウンド遊技に関するコマンドとして長開放ラウンド開始コマンドを受信したか否かに基づいて、今回の大当たり遊技中に第2大入賞口19が長開放されたか否かを判定する(ステップS136)。
サブCPU131は、第2大入賞口19が長開放されたと判定した場合(ステップS136:YES)、ランプ制御基板150にセンターランプ30の専用色点滅制御を開始させるための専用色点滅制御開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS137)。
このように、サブCPU131は、V領域195が通過容易状態に移行することを通知する第2大入賞口19に係る長開放ラウンド開始コマンドを受信し、且つV領域195に対する遊技球の通過がV入賞口スイッチ117によって検知されなかったことを示すエンディングコマンドを受信した場合に、V領域195に対する通過容易状態への移行制御中にV領域195を遊技球が通過しなかったことを示唆する示唆演出として、センターランプ30に専用色点滅を実行させる。
なお、特別態様制御開始コマンド、及び専用色点滅制御開始コマンドは、センターランプ30の発光制御に関するコマンドであり、また、これらのコマンドに応じたセンターランプ30の発光制御は、液晶表示装置5やスピーカ24等による演出とは無関係に行われる。このため、本実施形態では、発光態様制御開始コマンド、及び専用色点滅制御開始コマンドは、画像音響制御基板140へは送信されず、ランプ制御基板150のみに送信される。
サブCPU131は、ステップS133の処理を実行した場合、ステップS137の処理を実行した場合、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合(ステップS129:NO)、第2大入賞口19が短開放されなかったと判定した場合(ステップS132:NO)、又は第2大入賞口19が長開放されなかったと判定した場合(ステップS136:NO)、客待ち演出中であるか否かを判定する(ステップS139)。具体的には、例えば、ステップS324(図20参照)の処理に応じて遊技制御基板100から客待ちコマンドを受信してから客待ち演出を開始させた後に変動開始コマンドを受信したか否かに基づいて、客待ち演出中であるか否かを判定する。
サブCPU131は、客待ち演出中ではないと判定した場合(ステップS139:NO)、遊技制御基板100から客待ちコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS140)。ここで、客待ちコマンドを受信したと判定した場合(ステップS140:YES)、客待ちコマンドを受信してからの経過時間の計測を開始し(ステップS141)、サブRAM133に記憶されている計測フラグを「ON」に設定する(ステップS142)。この計測フラグは、客待ちコマンドを受信してからの経過時間の計測中であるか否かを示すフラグであり、経過時間の計測中は「ON」に設定され、計測中でなければ「OFF」に設定される。
サブCPU131は、客待ちコマンドを受信していないと判定した場合(ステップS140:NO)、計測フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS143)。ここで、計測フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS143:YES)、又はステップS142の処理を実行した場合、客待ちコマンドを受信してから設定時間が経過したか否かを判定する(ステップS144)。具体的には、ステップS141の処理で計測を開始した経過時間が、サブROM132に記憶されている判定時間(例えば30秒)と一致するか否かを判定する。
サブCPU131は、設定時間が経過したと判定した場合(ステップS144:YES)、計測フラグを「OFF」に設定し(ステップS145)、経過時間をリセットする(ステップS146)。そして、遊技制御基板100から受信した客待ちコマンドに含まれている検知エラー回数情報を含む客待ち演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS147)。
この客待ち演出開始コマンドは、客待ち演出の開始を指示するコマンドであって、ステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、液晶表示装置5等を用いた客待ち演出が開始されることになり、液晶表示装置5において、客待ち演出画像と共に、検知エラー回数が表示されることになる。
[本実施形態の作用効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、第1大入賞口13(又は第2始動口12)と第2大入賞口19とに対して、それぞれの領域に対する異常入賞球数が個別に計測されると共に、報知制御を実行するか否かを決定するための判定に使用される閾値(設定値)が互いに異なる値に設定されている。このため、第1設定数(本実施形態では「10」と「30」)及び第2設定数(本実施形態では「1」)を適切な値に設定しておくことにより、異常入賞の種類に応じた適切な報知制御を実行することができる。
また、本実施形態では、第1大入賞口13に遊技球が入賞するよりも第2大入賞口19に遊技球が入賞する方が遊技者に有利になり易いので、第2設定数が第1設定数よりも小さい値に設定されていることにより、好適な報知制御を実現することができる。
また、本実施形態では、第2大入賞口19の開放制御中に遊技球が1個でもV入賞口スイッチ117に検知されれば大当たり遊技終了後に確変遊技状態に移行するという構成に対して、第2大入賞口19が遊技球の進入し難い状態に制御されているときに第2大入賞口スイッチ116、V入賞口スイッチ117、又は排出スイッチ118によって遊技球が検知されると強報知制御が行われる。このため、遊技者による不正遊技が原因で遊技者に有利な遊技状態に移行するのを未然に防止することができる。
また、本実施形態では、第2大入賞口19の長開放制御中に遊技球がV入賞しなかった場合にはその旨を示唆する示唆演出が行われる(図13(B)参照)。このため、例えばホール店員は、示唆演出に基づいて、第2大入賞口19が長開放制御されたにも拘わらず確変遊技状態に移行しないパンクが発生したことを容易に認識することができる。
また、本実施形態では、示唆演出を行うためにセンターランプ30が通常とは異なる演出態様に制御されるので、例えばホール店員は、センターランプ30の演出態様が通常と異なるか否かに基づいて、V領域195が通過容易状態に移行制御されていたにも拘わらず遊技球がV領域195を通過しなかったか否かを容易に把握することができる。
また、本実施形態では、液晶表示装置5やスピーカ24ではV領域195へのV入賞の有無とは無関係に特別図柄判定に関する演出が行われ、センターランプ30では示唆演出としての専用演出が行われる。このように、示唆演出が大当たりに関する通常演出を妨げないので、例えば、ホール店員及び遊技を行っている遊技者のうちのホール店員のみに示唆演出を気付かせることができる。すなわち、遊技を妨げることなく示唆演出を行うことができる。
[変形例]
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下の形態であってもよい。すなわち、上記実施形態では、遊技球がV領域195を通過すると回数限定の確変遊技状態に移行する場合について説明したが、遊技球がV領域195を通過した場合に例えば潜伏確変状態(電チューサポート機能が付与されない高確率状態)に移行する場合があるといった構成を採用してもよい。すなわち、本発明における第2遊技状態は、確変遊技状態以外の遊技状態であってもよい。
また、上記実施形態では、第1大入賞口13(又は第2始動口12)に関する弱報知制御を行うか否かを決定するための判定処理に使用される閾値が「10」であり、第1大入賞口13(又は第2始動口12)に関する強報知制御を行うか否かを決定するための判定処理に使用される閾値が「30」であり、第2大入賞口19に関する強報知制御を行うか否かを決定するための判定処理に使用される閾値が「1」である場合について説明したが、第2大入賞口19に関する判定処理に使用される閾値が第1大入賞口13(又は第2始動口12)に関する判定処理に使用される閾値よりも小さければ、これら3つの閾値(設定値)は他の値であっても構わない。また、第1大入賞口13に関する報知制御を行うか否かの判定に使用される閾値は1つであってもよい。また、第2大入賞口19に関する報知制御を行うか否かの判定に使用される閾値は2つ以上あってもよい。
また、上記実施形態では、異常入賞球数A1が「30」に達した場合に行われる報知制御と異常入賞球数A2が「1」に達した場合に行われる報知制御とが同じ報知制御である場合について説明したが、これらの報知制御は、互いに異なるものであってもよい。
また、上記実施形態で例示した報知制御の内容は単なる一例であって、不正遊技を行っている可能性がある遊技者に対して警告を行うことができるものであるか、或いは不正遊技が行われている可能性があることをホール店員に報知することができるものであれば、他の報知制御であっても構わない。他の報知制御としては、不正遊技が行われた可能性があることを示す情報を、例えば遊技制御基板100に接続された不図示の外部情報端子基板を介してホールコンピュータに送信する処理を含むものであってもよい。
また、他の実施形態では、パチンコ遊技機1が客待ち状態であって、遊技者がパチンコ遊技機1に対して所定の入力操作を行うための入力画面が表示されているときに、当該入力画面に検知エラー回数を表示するようにしてもよい。この場合、パチンコ遊技機1が客待ち状態に移行していたとしても、入力画面を表示させなければ検知エラー回数が表示されないため、遊技者に検知エラー回数が視認されるリスクを低減させることができる。
また、上記実施形態では、本発明を1種タイプのパチンコ遊技機に適用した場合について説明したが、本発明は、例えば1種2種混合タイプのパチンコ遊技機や2種タイプのパチンコ遊技機といった他のタイプの遊技機にも適用可能である。
また、上記実施形態において説明したパチンコ遊技機1の構成や各部材の動作態様は単なる一例に過ぎず、他の構成や動作態様であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。