しかしながら、上述したような一方の無線通信装置から放送される情報を他方の無線通信装置にて受信して処理する無線通信システムでは、放送される情報を受信する無線通信装置では常に一様の処理がなされるので、その放送される情報に基づいたサービスの提供態様が限られる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、放送される情報を受信する無線通信装置側に対するサービスの提供態様の多様化を図ることのできる無線通信システムを提供するものである。
本発明に係る無線通信システムは、所定の通信手順に従って情報を放送する第1無線通信装置と、該第1無線通信装置から放送される情報を受信して処理を実行する第2無線通信装置とを有する無線通信システムであって、前記第2無線通信装置は、前記第1無線通信装置から放送される所定情報が正常に受信されたときに、当該所定情報を受信する際の電波強度を取得する受信電波強度取得手段と、該受信電波強度取得手段にて取得された前記電波強度を所定の基準に従って判定する受信電波強度判定手段と、該受信電波強度判定手段での判定結果に応じて、前記第1無線通信装置から放送される前記所定情報を受信した際に実行すべき処理を決める実行処理制御手段とを有し、前記実行処理制御手段が前記受信電波強度判定手段での判定結果に応じて決める前記第1無線通信装置から放送される前記所定情報を受信した際に実行すべき処理は、前記第1無線通信装置と前記所定の通信手順以外の手順に従って行う通信処理を含む構成となる。
このような構成により、第2無線通信装置が第1無線通信装置から放送される所定情報を正常に受信したときに、第2無線通信装置において、当該所定情報を受信する際の電波強度が取得され、その電波強度が所定の基準に従って判定される。そして、第2無線通信装置では、その判定結果に応じて第1無線通信装置から放送される前記所定情報を受信した際に実行すべき処理が決定される。第2無線通信装置は、第1無線通信装置から放送される前記所定情報を受信した際に前記決定された処理を実行する。そして、第2無線通信装置が第1無線通信装置から放送される所定情報を正常に受信したときに、第2無線通信装置では、前記所定情報を受信する際の電波強度についての所定の基準に従った判定結果に応じて、前記第1無線通信装置と前記所定の通信手順以外の手順に従って行う通信処理が、前記第1無線通信装置から放送される前記所定情報を受信した際に実行すべき処理として決められる。第2無線通信装置は、第1無線通信装置から放送される前記所定情報を受信した際に、前記第1無線通信装置と前記所定の通信手順以外の手順に従って行う通信処理を実行する。
第2無線通信装置が第1無線通信装置から放送される情報を受信する際の電波強度は、一般に第1無線通信装置と第2無線通信装置との間の距離に対応する。従って、前記電波強度の判定結果に基づいて決められた第1無線通信装置から放送される前記所定情報を受信した際に実行すべき処理は、第1無線通信装置と第2無線通信装置との間の距離に応じて決められたものといい得る。
前記所定の通信手順は、ブルートゥースローエナジー(Bluetooth Low Energy)の規格に基づいた通信手順とすることができる。
本発明に係る無線通信システムにおいて、前記受信電波強度判定手段は、前記電波強度が所定の基準値以上であるか否かを判定する強度比較判定手段を有し、前記実行処理制御手段は、前記強度比較判定手段にて前記電波強度が前記所定値以上であると判定されたときに、所定の第1処理を前記第1無線通信装置から放送される前記所定情報を受信した際に実行すべき処理として決める構成とすることができる。
このような構成により、第2無線通信装置において、第1無線通信装置から放送される所定情報を受信する際の電波強度が所定の基準値以上であると判定された場合、所定の第1処理が第1無線通信装置から放送される前記所定情報を受信した際に実行すべき処理として決められる。この場合、第2無線通信装置は、第1無線通信装置から放送される前記所定情報を受信した際に前記第1処理を実行する。
本発明に係る無線通信システムにおいて、前記実行処理制御手段は、前記強度比較判定手段にて前記電波強度が前記所定値以上ではないと判定されたときに、前記第1処理と異なる第2処理を前記第1無線通信装置から放送される前記所定情報を受信した際に実行すべき処理として決める構成とすることができる。
このような構成により、第2無線通信装置において、第1無線通信装置から放送される所定情報を受信する際の電波強度が所定の基準値以上でないと判定された場合、前記第1処理と異なる第2処理が第1無線通信装置から放送される前記所定情報を受信した際に実行すべき処理として決められる。この場合、第2無線通信装置は、第1無線通信装置から放送される前記所定情報を受信した際に前記第2処理を実行する。
本発明に係る無線通信システムにおいて、前記実行処理制御手段は、前記強度比較判定手段にて前記電波強度が前記所定値以上ではないと判定されたときに、前記第1無線通信装置から放送される前記所定情報を受信した際に実行すべき処理が無いと決める構成とすることができる。
このような構成により、第2無線通信装置において、第1無線通信装置から放送される所定情報を受信する際の電波強度が所定の基準値以上でないと判定された場合、第1無線通信装置から放送される前記所定情報を受信した際に実行すべき処理が無いと決められる。この場合、第2無線通信装置は、第1無線通信装置から放送される前記所定情報を受信した際に実行すべき処理を実行しない。
本発明に係る無線通信システムにおいて、前記受信電波強度判定手段にて用いられる前記基準を表す基準情報は、前記第2無線通信装置に置かれている構成とすることができる。
このような構成により、第2無線通信装置において、第1無線通信装置から放送される所定情報を受信する際の電波強度が、当該第2無線通信装置に置かれた基準情報にて表される基準に従って判定される。この場合、第2無線通信装置に判定のための基準を表す基準情報を外部から提供する必要がない。
第2無線通信装置に基準情報が置かれるとは、その基準情報が第2無線通信装置内に利用可能な状態であればよく、記憶部内に保存されることでも、また、前記受信電波強度判定手段として機能するアプリケーションソフトウエアに含まれていることでもよい。
本発明に係る無線通信システムにおいて、前記第1無線通信装置から放送される前記所定情報は、前記第2無線通信装置の前記受信電波強度判定手段にて用いられる前記基準を表す基準情報を含み、前記第2無線通信装置は、前記第1無線通信装置から放送される前記所定情報を受信した際に前記基準情報を取得する基準取得手段を有する構成とすることができる。
このような構成により、第2無線通信装置が第1無線通信装置から放送される所定情報を正常に受信したときに、第2無線通信装置において、第1無線通信装置から放送される所定情報を受信する際の電波強度が、当該受信された所定情報から取得される基準情報にて表される基準に従って判定される。この場合、第2無線通信装置に判定のための基準を表す基準情報を置いておく必要がない。
本発明に係る無線通信システムにおいて、前記第2無線通信装置は、前記受信電波強度判定手段にて用いられる前記基準を表す基準情報を、前記第1無線通信装置以外の機器から取得する基準取得手段を有する構成とすることができる。
このような構成により、第2無線通信装置は、第1無線通信装置以外の機器から基準情報を取得する。そして、第2無線通信装置が第1無線通信装置から放送される所定情報を正常に受信したときに、第2無線通信装置において、第1無線通信装置から放送される所定情報を受信する際の電波強度が、前記機器から取得された基準情報にて表される基準に従って判定される。この場合、電波強度の判定のための基準を表す基準情報を第2無線通信装置に置いておく必要も、また、第1無線通信装置から取得する必要もない。
本発明に係る無線通信システムにおいて、前記第1無線通信装置から放送される前記所定情報は、前記第2無線通信装置において実行されるべき処理を表す実行処理情報を含み、前記実行処理情報にて表される処理は、前記実行処理制御手段が前記受信電波強度判定手段での判定結果に応じて決める前記第1無線通信装置から放送される前記所定情報を受信した際に実行すべき処理として決められる構成とすることができる。
このような構成により、第2無線通信装置が第1無線通信装置から放送される所定情報を正常に受信したときに、第2無線通信装置では、前記所定情報を受信する際の電波強度についての所定の基準に従った判定結果に応じて、前記所定情報に含まれる実行処理情報にて表される処理が、前記第1無線通信装置から放送される前記所定情報を受信した際に実行すべき処理として決められる。第2無線通信装置は、第1無線通信装置から放送される前記所定情報を受信した際に前記実行処理情報にて表される処理を実行する。
本発明に係る無線通信システムにおいて、前記第2無線通信装置は、携帯端末であって、当該携帯端末の姿勢を検出する姿勢検出器を有し、前記実行処理制御手段は、前記姿勢検出器にて検出される当該携帯端末の姿勢が所定の状態であるときに、前記第1無線通信装置から放送される前記所定情報を受信した際に実行すべき処理を決める構成とすることができる。
このような構成により、携帯端末である第2無線通信装置が第1無線通信装置から放送される所定情報を正常に受信したときに、第2無線通信装置では、姿勢検出器にて当該第2無線通信装置(携帯端末)の姿勢が検出される。そして、その検出される姿勢が所定の状態であると、第2無線通信装置では、前記所定情報を受信する際の電波強度についての所定の基準に従った判定結果に応じて、前記第1無線通信装置から放送される前記所定情報を受信した際に実行すべき処理決定される。所定の状態の姿勢にある第2無線通信装置は、第1無線通信装置から放送される前記所定情報を受信した際に、前記決定された処理を実行する。
本発明に係る無線通信装置は、外部無線通信装置から所定の手順に従って放送される情報を受信して処理を実行する無線通信装置であって、前記外部無線通信装置から放送される所定情報が正常に受信されたときに、当該所定情報を受信する際の電波強度を取得する受信電波強度取得手段と、該受信電波強度取得手段にて取得された前記電波強度を所定の基準に従って判定する受信電波強度判定手段と、該受信電波強度判定手段での判定結果に応じて、前記外部無線通信装置から放送される前記所定情報を受信した際に実行すべき処理を決める実行処理制御手段とを有し、前記実行処理制御手段が前記受信電波強度判定手段での判定結果に応じて決める前記外部無線通信装置から放送される前記所定情報を受信した際に実行すべき処理は、前記外部無線通信装置と前記所定の通信手順以外の手順に従って行う通信処理を含む構成となる。
このような構成により、外部無線通信装置から放送される所定情報が正常に受信されると、当該所定情報を受信する際の電波強度が取得され、その電波強度が所定の基準に従って判定される。その判定結果に応じて外部無線通信装置から放送される前記所定情報を受信した際に実行すべき処理が決定される。そして、この無線通信装置は、外部無線通信装置から放送される前記所定情報を受信した際に前記決定された処理を実行する。そして、無線通信装置が外部無線通信装置から放送される所定情報を正常に受信したときに、無線通信装置では、前記所定情報を受信する際の電波強度についての所定の基準に従った判定結果に応じて、前記外部無線通信装置と前記所定の通信手順以外の手順に従って行う通信処理が、前記外部無線通信装置から放送される前記所定情報を受信した際に実行すべき処理として決められる。無線通信装置は、外部無線通信装置から放送される前記所定情報を受信した際に、前記外部無線通信装置と前記所定の通信手順以外の手順に従って行う通信処理を実行する。
本発明に係るプログラムは、外部無線通信装置から所定の手順に従って放送される情報を受信する無線通信装置での処理をコンピュータにて実行させるためのプログラムであって、前記外部無線通信装置から放送される所定情報が正常に受信されたときに、当該所定情報を受信する際の電波強度を取得する受信電波強度取得ステップと、該受信電波強度取得ステップにて取得された前記電波強度を所定の基準に従って判定する受信電波強度判定ステップと、該受信電波強度判定ステップでの判定結果に応じて、前記外部無線通信装置から放送される前記所定情報を受信した際に実行すべき処理を決める実行処理制御ステップとを前記コンピュータに行わせ、前記実行処理制御ステップが前記受信電波強度判定ステップでの判定結果に応じて決める前記外部無線通信装置から放送される前記所定情報を受信した際に実行すべき処理は、前記外部無線通信装置と前記所定の通信手順以外の手順に従って行う通信処理を含む構成となる。
本発明に係る無線通信システムによれば、第2無線通信装置では、第1無線通信装置から放送される前記所定情報を受信した際に、その際の電波強度の所定の基準に従った判定結果に応じて決められた前記決定された処理が実行されるので、第1無線通信装置から放送される情報を受信する第2無線通信装置側に対して、受信電波強度に応じた、即ち、第1無線通信装置までの距離に応じた多様な態様にてサービスを提供することができる。
また、本発明に係る無線通信装置によれば、外部無線通信装置から放送される情報を受信する際に、受信電波強度に応じた、即ち、前記外部無線装置までの距離に応じた多様な態様にてサービスを受けることができる。
また、本発明に係るプログラムによれば、外部無線通信装置から放送される情報を受信する際に、受信電波強度に応じた、即ち、前記外部無線通信装置までの距離に応じた多様な態様にてサービスを受けることのできる無線通信装置での処理をコンピュータに行わせることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
本発明の実施の一形態に係る無線通信システムは、図1に示すように構成される。
図1において、この無線通信システムは、送信機10(第1無線通信装置:Bluetooth端末)と、1または複数の携帯端末20a、20b、20c(第2無線通信装置:例えば、スマートフォン)とから構成される。送信機10と各携帯端末20a、20b、20cとは、例えば、ブルートゥースローエナジー(Bluetooth Low Energy:以下、ブルートゥースLEという)の規定に基づいた通信手順に従って相互に近距離無線通信を行う。送信機10は、ブルートゥースLEに規定されたPeripheralとして機能し、各携帯端末20a、20b、20cは、ブルートゥースLEに規定されたCentralとして機能する。
送信機10は、図2に示すように、所定の情報を含むAdvertize Packet(ADV_IND)を放送(ブロードキャスト)している。各携帯端末20a、20b、20cは、送信機10から放送されるADV_INDを受信する。ADV_INDは、例えば、図3Aに示すフォーマットにて、図3Aに示す内容の情報を含む。即ち、ADV_INDの1バイト目がデータサイズを表す情報(値)を、2バイト目がデータタイプを表す情報(値)を、3バイト目〜5バイト目が送信機10を特定するID番号(値)を、それぞれ表す。
各携帯端末20a、20b、20cは、図4に示すように構成される。なお、以下、携帯端末を総称する場合、参照番号20を用いる。
携帯端末20は、処理ユニット21、移動体通信ユニット22、BT通信ユニット23、表示部24、操作部25、記憶部26及び加速度センサユニット27を有している。処理ユニット21は、コンピュータユニット(CPUを含む)を備えており、アプリケーションプログラム等のプログラムに従って処理を実行する。移動体通信ユニット22は、処理ユニット21の制御のもと、所定の移動体通信網を介して他の通信装置(携帯端末、固定端末等)と音声通信及びデータ通信を行う。BT通信ユニット23は、処理ユニット21の制御のもと、Bluetooth(登録商標)の規定(Bluetooth Classic、Bluetooth Low Energy)に基づいた通信手順に従って送信機10と近距離通信を行う。記憶部26にはアプリケーションプログラム等のプログラム、処理ユニット21での処理に必要な情報、処理ユニット11での処理により得られた情報等、各種の情報が格納されている。処理ユニット21は、操作部25からの操作情報に基づいて記憶部26に格納されたプログラムに従って各種処理を実行し、また、処理により得られる情報を表示部24に表示させることができる。加速度センサユニット27は、三軸(X軸、Y軸、Z軸)方向の加速度を検出し、処理ユニット21は、加速度センサユニット27からの検出信号(三軸方向の加速度を表す)に基づいて携帯端末20の姿勢を判定することができる。
携帯端末20の処理ユニット21は、例えば、ブルートゥースLEに基づいて送信機10から放送されるADV_INDを受信する際に実行すべき処理を、例えば、図5に示す手順(アプリケーションプログラム)に従って決定して、その処理を実行する。
図5において、処理ユニット21は、送信機10から放送されるADV_IND(図3A、図3B参照)がBT通信ユニット23にて正常に受信されるか否かを繰り返し判定している(S11)。その過程で、BT通信ユニット23によって前記ADV_INDが正常に受信されたと判定すると(S11でYES)、処理ユニット21は、BT通信ユニット23が前記ADV_INDを受信する際の電波強度S(RSSI:Received Signal Strength Indication)を取得する(S12:受信電波強度取得手段)。この受信強度Sは、一般に送信機10と携帯端末20との間の距離に対応する。
処理ユニット21は、判定基準となる4つの閾値−40dB、−50dB、−60dB及び−70dBを用いて、前記取得した電波強度Sが、−40dB以上(S≧−40dB)、−40dB未満−50dB以上(−40dB>S≧−50dB)、−50dB未満−60dB以上(−50dB>S≧−60dB)、−60dB未満−70dB以上(−60dB>S≧−70dB)及び−70dB未満(−70dB>S)の5つの範囲のうちのいずれの範囲にあるか否かを判定する(S13〜S16:受信電波強度判定手段)。処理ユニット21は、前記電波強度Sが前記5つの範囲のうちのいずれの範囲にあるかに応じて、ポイント付与処理により付与すべきポイント数を決める、即ち、何ポイントのポイント付与処理を実行すべきかを決める(S17〜S20:実行処理制御手段)。具体的には、前記電波強度Sが−70dB未満の範囲にあると(S13でNO、S14NO、S15でNO、S16でNO)、ポイント付与処理により付与すべきポイント数が0ポイント(0p)に決められ、即ち、付与すべきポイントが無いことが決められ、前記電波強度Sが−60dB未満−70dB以上(−60dB>S≧−70dB)の範囲にあると(S13でNO、S14でNO、S15でNO、S16でYES)、ポイント付与処理により付与すべきポイント数が5ポイント(5p)に決められ(S20)、また、前記電波強度Sが−50dB未満−60dB以上(−50dB>S≧−60dB)の範囲にあると(S13でNO、S14でNO、S15でYES)、ポイント付与処理により付与されるべきポイント数が15ポイント(15p)に決められる(S19)。更に、電波強度Sが−40dB未満−50dB以上(−40dB>S≧−50dB)の範囲にあると(S13でNO、S14でYES)、ポイント付与処理により付与すべきポイント数が30ポイント(30p)に決められ(S18)、電波強度Sが−40dB以上(S≧−40dB)の範囲にあると(S13でYES)、ポイント付与処理により付与されるべきポイント数が50ポイント(50p)に決められる(S17)。
処理ユニット21は、上記のようにして、ポイント付与処理により付与されるべきポイント数を決める(S17〜S20)と、予め定めた終了条件(例えば、最初の受信強度取得からの経過時間に基づいた条件や終了操作が行われた等の条件)が満足されたか否かを判定する(S21)。そして、前記終了条件が満足されていないと(S21でNO)と、処理ユニット21は、再度、送信機10から放送されるADV_INDがBT通信ユニット23にて正常に受信されるか否かを繰り返し判定する(S11)状態になる。以後、処理ユニット21は、送信機10から放送されるADV_INDがBT通信ユニット23にて受信される毎に(S11でYES)、その際の電波強度Sを取得し(S12)、その受信強度Sの前記4つの閾値(−40dB、−50dB、−60dB、−70dB)に基づいた判定結果に応じてポイント付与処理により付与すべきポイント数を決める。
なお、上述したように終了条件が満たされずに(S21でNO)、ポイント付与処理にて付与されるべきポイント数が、送信機10から放送されるADV_INDが受信される際の電波強度Sに応じて繰り返し決められる過程で、そのポイント付与処理にて付与すべきポイント数は、前回決められたポイント数より今回決められたポイント数が低い場合には、前回決められたポイント数に維持され、前回決められたポイント数より今回決められたポイント数が高い場合に、今回決められたポイント数に更新される。
上述した処理の過程で終了条件が満たされると(S21でYES)、処理ユニット21は、その時点で決められているポイント数(確定ポイント数)のポイント付与処理を、送信機10から放送されるADV_INDを受信した際に実行すべき処理として決め、そのポイント付与処理を実行する(S22)。その後、ポイント付与に係る処理を終了する。
上述したような無線通信システムによれば、携帯端末20(第2無線通信装置)では、送信機10(第1無線通信装置)から放送されるADV_INDを受信した際に、その際の電波強度Sの前記4つの閾値(−40dB、−50dB、−60dB、−70dB)に基づいた判定結果に応じて決められたポイント数のポイント付与処理が実行されるので、送信機10から放送されるADV_INDを受信する携帯端末20に対して、受信電波強度Sに応じた、即ち、送信機10までの距離に応じた多様な態様にてポイント付与サービスを提供することができる。
人に対するサービスの対象となる物と当該人との間の距離は、当該物に対する当該人の興味の度合いやその人が当該物に対してアクションを行なおうとする意志の強さを表し得る。このようなことを考慮して、前述した無線通信システムは、例えば、展示品等の物により近づいた者に対してより多くのポイントを付与するポイント付与システムとして利用することができる。この場合、送信機10が展示物等の物の近傍に設置される。
このようなポイントシステム(無線通信システム)によれば、携帯端末20を所持した者が展示物等の物(送信機10)より近くに接近すると、携帯端末20において送信機10から放送されるADV_INDを受信した際の電波強度Sが大きくなって、より高いポイント数が付与される。即ち、展示物等の物により高い興味を持っていると推定される者に対してより高いポイント数を付与することができる。
上述した無線通信システムでは、受信電波強度Sの判定基準を表4つの閾値(基準情報)、及び送信機10から放送される所定情報(ADV_IND)を受信する際に系端端末20において実行されるべきポイント付与処理にて付与されるポイント数を表す情報(実行処理情報)は、携帯端末20の処理ユニット21が実行するアプリケーションプログラム(アプリケーションソフトウエア)に記述されるものであったが、前記基準情報や実行処理情報は、携帯端末20の記憶部26に処理ユニット21によって利用可能に記録されているものであっても、送信機10から提供されるものであっても、送信機10以外の機器から提供されるものであってもよい。
例えば、受信電波強度Sの判定基準を表4つの閾値(基準情報)、及び送信機10から放送される所定情報(ADV_IND)を受信する際に携帯端末20において実行されるべきポイント付与処理にて付与されるポイント数を表す情報(実行処理情報)が送信機10から提供される無線通信システムでは、それら基準情報及び実行処理情報は、送信機10から放送される所定情報(ADV_IND)に含めることができる。この場合、送信機10から放送されるADV_INDは、例えば、図6Aに示すフォーマットにて図6Bに示す内容の情報を含む。即ち、前述した例(図3A及び図3B参照)と同様に1バイト目がデータサイズを表す情報(値)を、2バイト目がデータタイプを表す情報(値)を、3バイト目〜5バイト目が送信機10を特定するID番号(値)を、それぞれ表す。更に、6バイト目が第1閾値Th1を表す情報(値=−40dB)を、7バイト目が付与ポイント数Pt=Aを表す情報(値=50)を、8バイト目が第2閾値Th2を表す情報(値=−50dB)を、9バイト目が付与ポイント数Pt=Bを表す情報(値=30)を、10バイト目が第3閾値Th3を表す情報(値=−60dB)を、11バイト目が付与ポイント数Pt=Cを表す情報(値=15)を、12バイト目が第4閾値Th4を表す情報(値=−70dB)を、13バイト目が付与ポイント数Pt=Dを表す情報(値=5)を、それぞれ表す。上記第1閾値Th1〜第4閾値Th4の4つの閾値によって、上述した例(図5参照)と同様に、受信電波強度Sの5つの範囲(S≧Th1=−40dB、Th1=−40dB>S≧Th2=−50dB、Th2=−50dB>S≧Th3=−60dB、Th3=−60dB>S≧Th4=−70dB、Th4=−70dB>S)が規定される。そして、前記5つの範囲に対してポイント数50p、30p、15p、5p、0p(ポイント付与しない)が前述した例と同様に対応づけられる。
送信機10から放送される上記のようなフォーマットのADV_INDを受信する携帯端末20の処理ユニット21は、例えば、図7に示す手順(アプリケーションプログラム)に従って処理を実行する。
図7において、処理ユニット21は、送信機10から放送されるADV_IND(図6A、図6B参照)がBT通信ユニット23にて正常に受信されるか否かを繰り返し判定している(S31)。その過程で、BT通信ユニット23によって前記ADV_INDが正常に受信されたと判定すると(S31でYES)、処理ユニット21は、当該ADV_INDの解析が既に終了しているか否かを判定し(S32)、その解析がまだ終了していなければ(S32でNO)、処理ユニット21は、受信したADV_INDを解析して、基準情報(閾値)及び実行処理情報(ポイント数)を取得する。具体的には、受信電波強度Sの5つの範囲(S≧Th1=−40dB、Th1=−40dB>S≧Th2=−50dB、Th2=−50dB>S≧Th3=−60dB、Th3=−60dB>S≧Th4=−70dB、Th4=−70dB>S)及び当該5つの範囲に対応付けられたポイント数50p、30p、15p、5p、0p(ポイント付与しない)が取得され、これらの情報が記憶部26に格納される。
以後、処理ユニット21は、記憶部26に格納された基準情報(閾値)及び実行処理情報(ポイント数)を用いて、前述した例と同様の処理を実行する。
即ち、処理ユニット21は、BT通信ユニット23が前記ADV_INDを受信する際の電波強度S(RSSI)を取得すると(S34)、その電波強度Sが判定基準となる4つの閾値Th1=−40dB、Th2=−50dB、Th3=−60dB及びTh4=−70dBで決まる5つの範囲のいずれにあるかを判定する(S35、S36、S37、S38:図5におけるS13〜S16に対応)。そして、処理ユニット21は、その判定結果に応じて、ポイント付与処理により付与すべきポイント数を決める(S39、S40、S41、S42:図5におけるS17〜S20に対応)。以後、処理ユニット21は、終了条件が満足されるまで(S43でYESになるまで)、送信機10から放送されるADV_INDがBT通信ユニット23にて受信される(S31でYES)毎に、当該ADV_INDの解析が既に済んでいることを確認して(S32でYES)、電波強度Sの取得(S34)、電波強度Sの判定(S35〜S38)及びポイント付与処理にて付与すべきポイント数の決定(S39〜S42)の各処理を実行する。
その過程で、終了条件が満たされると(S43でYES)、処理ユニット21は、その時点で決められているポイント数(確定ポイント数)のポイント付与処理を、送信機10から放送されるADV_INDを受信した際に実行すべき処理として決め、そのポイント付与処理を実行する(S44)。その後、ポイント付与に係る処理を終了する。
上述した無線通信システムによれば、前述した例と同様に、携帯端末20(第2無線通信装置)では、送信機10(第1無線通信装置)から放送されるADV_INDを受信した際に、その際の電波強度Sの前記4つの閾値(−40dB、−50dB、−60dB、−70dB)に基づいた判定結果に応じて決められたポイント数のポイント付与処理が実行されるので、送信機10から放送されるADV_INDを受信する携帯端末20に対して、受信電波強度Sに応じた、即ち、送信機10までの距離に応じた多様な態様にてポイント付与サービスを提供することができる。また、送信機10から放送される所定情報ADV_INDに受信電波強度Sの判定基準(4つの閾値)の情報(基準情報)及び実行すべき処理(ポイント数)の情報(実行処理情報)が含まれているので、多くの携帯端末20にて利用され得る前記判定基準及び実行すべき処理(サービスの内容)を容易に変更することができる。
携帯端末20は、前述した基準情報(4つの閾値)及び実行する処理(ポイント数)の情報を送信機10以外の機器、例えば、所定のネットワーク上に設けられたサーバから取得することができる。この場合、無線通信システムの基本構成は、図8に示されるようになる。
図8において、本発明の実施の形態に係る無線通信システムは、上述した例と同様に、送信機10(第1無線通信装置)と一又は複数の携帯端末20a、20b、20b(第2無通信装置)から構成される。また、サーバ30は、所定のネットワーク100(インターネット及び移動体通信網を含む)及び基地局31を介して各携帯端末20a、20b、20cと情報の送受が可能である。各携帯端末20a、20b、20cは、図4に示すように構成され、移動体通信ユニット22が、サーバ30と情報の送受を行う。
携帯端末20(20a,20b,20c)の処理ユニット21は、例えば、図9に示す手順(アプリケーションプログラム)に従って処理を実行する。
図9において、処理ユニット21は、送信機10から放送されるADV_IND(図3A、図3B参照)がBT通信ユニット23にて正常に受信されるか否かを繰り返し判定している(S51)。その過程で、BT通信ユニット23によって前記ADV_INDが正常に受信されたと判定すると(S51でYES)、処理ユニット21は、サーバ30からの応答を既に確認したか否かを判定し(S52)、その応答をまだ確認していなければ(S52でNO),処理ユニット21は、受信したADV_INDを解析して送信機IDを取得する(S53)。そして、処理用ニット21は、移動体通信ユニット22を介して、サーバ30に送信機IDを送るとともに、サービス(基準情報(閾値)及び実行処理情報(ポイント数))についての問い合わせを送る(S54)。以後、処理ユニット21は待ち状態になる(S55でNO)。
サーバ30は、送信機IDに対応させて、その送信機IDで特定される送信機10から放送されるADV_INDを受信する携帯端末20に対して提供するサービス(例えば、受信電波強度に応じたポイント付与サービス)についての情報を管理している。そして、携帯端末20から前記送信機IDとともにサービスの問い合わせを受けると、その送信機IDに対応付けて管理しているサービスの内容を表す情報、例えば、基準情報(閾値)及び実行処理情報(ポイント数)を携帯端末20に送る。
携帯端末20において、移動体通信ユニット22によってサーバ30から送られてくるサービスの内容を表す情報が移動体通信ユニット22にて受信されると、処理ユニット21はサーバ30から応答が送られてきた(S55でYES)として、そのサーバからの応答情報を解析する。そして、処理ユニット21は、その応答情報に含まれるサービスの内容を表す、例えば、前述した受信電波強度Sの判定基準となる4つの閾値(基準情報)と、それら4つの閾値で決まる受信強度Sの5つの範囲に対応づけられたポイント付与処理にて付与すべきポイント数(実行処理情報)とを取得し(S56)、記憶部26に格納する。
以後、処理ユニット21は、記憶部26に格納された基準情報(閾値)及び実行処理情報(ポイント数)を用いて、前述した例(図7参照)と同様の処理を実行する。
即ち、処理ユニット21は、BT通信ユニット23が前記ADV_INDを受信する際の電波強度S(RSSI)を取得する(S57)。そして、基準情報(閾値)を用いてその電波強度Sの判定(図7におけるS35〜S38参照)を行い、その判定結果に応じて、ポイント付与処理により付与すべきポイント数を決める(S39〜S42)。以後、処理ユニット21は、終了条件が満足されるまで(図7におけるS43でYESになるまで)、送信機10から放送されるADV_INDがBT通信ユニット23にて受信される(S51でYES)毎に、サーバ30からの応答を既に確認したことを確認して(S52でYES)、電波強度Sの取得(S57)、電波強度Sの判定(図7におけるS35〜S38参照)及びポイント付与処理にて付与すべきポイント数の決定(図7におけるS39〜S42参照)の各処理を実行する。
その過程で、終了条件が満たされると(図7におけるS43でYES)、処理ユニット21は、その時点で決められているポイント数(確定ポイント数)のポイント付与処理を、送信機10から放送されるADV_INDを受信した際に実行すべき処理として決め、そのポイント付与処理を実行する(S44)。その後、ポイント付与に係る処理を終了する。
上述した無線通信システムによれば、前述した各例と同様に、携帯端末20(第2無線通信装置)では、送信機10(第1無線通信装置)から放送されるADV_INDを受信した際に、その際の電波強度Sの所定の基準(閾値)に基づいた判定結果に応じて決められたポイント数のポイント付与処理が実行されるので、送信機10から放送されるADV_INDを受信する携帯端末20に対して、受信電波強度Sに応じた、即ち、送信機10までの距離に応じた多様な態様にてポイント付与サービスを提供することができる。また、ポイント付与サービスの内容がサーバ30から提供されるので、多くの携帯端末20にて利用され得る前記判定基準及び実行すべき処理(サービスの内容)を容易に変更することができ、多彩なサービスを提供することができる。
前述した各例では、携帯端末20では、送信機10から放送される所定情報ADV_INDが受信された際の電波強度Sの判定結果に応じて実行すべき処理が複数の処理(ポイント数)のうちのいずれかに決められるものであったが、これに限られない。例えば、送信機10から放送される所定情報ADV_INDが受信された際の電波強度Sが極めて高い場合に、所定の処理を実行すべき処理として決め、電波強度Sがその極めて高い強度に達しない場合には、実行すべき処理が無い、即ち、実行すべき上記所定の処理を行わないと決めるようにしてもよい。この場合、携帯端末20の処理ユニット21は、例えば、図10に示す手順(アプリケーションプログラム)に従って処理を実行する、
図10において、処理ユニット21は、送信機10から放送されるADV_IND(図3A、図3B参照)がBT通信ユニット23にて正常に受信されるか否かを繰り返し判定している(S61)。その過程で、BT通信ユニット23によって前記ADV_INDが正常に受信されたと判定すると(S61でYES)、処理ユニット21は、BT通信ユニット23が前記ADV_INDを受信する際の電波強度S(RSSI)を取得する(S62)。そして、処理ユニット21は、取得した電波強度Sが、所定の閾値(−40dB)以上であるか否かを判定する(S63)。携帯端末20が送信機10に極めて近接した状態にあって、前記電波強度Sが前記閾値(−40dB)以上であると(S63でYES)、処理ユニット21は、ポイント付与処理により付与すべきポイント数を50ポイント(50p)に決め(S64)、終了条件が満足されているか否かを判定する(S65)。一方、前記電波強度Sが前記閾値(−40dB)に達していないと(S63でNO)、処理ユニット21は、ポイント付与処理により付与すべきポイント数を決めることなく、即ち、前記ポイント付与処理を行わないことを決めて、終了条件が満足されているか否かを判定する(S65)。
以後、終了条件が満足されていない場合(S65でNO)、処理ユニット21は、BT通信ユニット23にて送信機10から放送されるADV_INDが正常に受信される(S61でYES)毎に、同様の処理を実行する。なお、電波強度Sが閾値(−40dB)以上であると判定され(S63でYES)、ポイント付与処理にて付与されるべきポイント数が50ポイントと決められると(S64)、その後、電波強度Sが閾値(−40dB)に達しなくなっても、ポイント付与処理にて付与されるべきポイント数は50ポイントに維持される。
上記の処理の過程で、終了条件が満たされると(S65でYES)、処理ユニット21は、その時点で決められているポイント数(確定ポイント数:50ポイント)のポイント付与処理を、送信機10から放送されるADV_INDを受信した際に実行すべき処理として決め、そのポイント付与処理を実行する(S66)。その後、ポイント付与に係る処理を終了する。一方、前記ポイント付与処理を行わないことが決められた場合(S63でNOの場合)、そのポイント付与処理は行われずに(0ポイントのポイント付与処理が行われて)、当該処理を終了する。
上述した無線通信システムによれば、携帯端末20が送信機10に極めて近い位置に位置付けられた場合のみに、当該携帯端末20において所定のポイント数(50ポイント)を付与するポイント付与処理が実行されるので、疑似的にNFC(Near Field Communication)を模したユーザインタフェースを実現することができる。即ち、送信機10を収容したボックス等に携帯端末20がタッチされた場合に限り、所定のサービスに係る情報を携帯端末20に提供することができる。
前述した各例では、携帯端末20において決められる送信機10から放送される所定情報ADV_INDを受信した際に行うべき処理(ポイント付与処理)は、送信機10に関わりなく携帯端末20により実行されるものであったが、これに限定されない。送信機10から放送される所定情報ADV_INDを受信した際に携帯端末20が行うべき処理は、送信機10との通信処理を含むことができる。
送信機10から放送される所定情報ADV_INDを受信した際に携帯端末20が行うべき処理が、当該所定情報ADV_INDの送受に用いられる前記ブルートゥースLEの規定に基づいた通信手順と異なる、例えば、ブルートゥースクラシック(Bluetooth Classic)の規定に基づいた通信手順に従って実行される通信処理を含む場合、前記所定情報ADV_INDは、例えば、図11Aに示すフォーマットで図11Bに示す内容の情報を含む。即ち、前述した例(図3A及び図3B参照)と同様に1バイト目がデータサイズを表す情報(値)を、2バイト目がデータタイプを表す情報(値)を、3バイト目〜5バイト目が送信機10を特定するID番号(値)を、それぞれ表す。更に、6バイト目〜11バイト目が送信機10のBTアドレス、12バイト目〜13バイト目がPinコードを表す。これらBTアドレス及びPinコードは、ブルートゥースクラシックの規定に基づいた通信手順に従った通信に必要なペアリング情報である。
携帯端末20の処理ユニット21は、例えば、図12に示す手順(アプリケーションプログラム)に従って処理を実行する。
図12において、処理ユニット21は、処理ユニット21は、ブルートゥースLEに規定される通信手順に従って送信機10から放送されるADV_IND(図11A、図11B参照)がBT通信ユニット23にて正常に受信されるか否かを繰り返し判定している(S71:図13における手順(1)参照)。その過程で、BT通信ユニット23によって前記ADV_INDが正常に受信されたと判定すると(S71でYES)、処理ユニット21は、BT通信ユニット23が前記ADV_INDを受信する際の電波強度S(RSSI)を取得する(S72)。処理ユニット21は、前記取得した電波強度Sが、所定の閾値(−40dB)以上であると判定すると(S73でYES)、前記受信したADV_INDを解析して、送信機10についてのBTアドレス及びPinコードを取得する(S74)。
そして、処理ユニット21は、ブルートゥースクラシック(Bluetooth Classic)の規定に基づいた通信手順に従って行われる送信機10との通信処理を、送信機10から放送される所定情報ADV_INDを受信した際に実行すべき処理として決め、その通信処理を実行する(S75〜S78)。即ち、処理ユニット21は、BT通信ユニット23に対して、前記BTアドレス及びPinコードを用いて送信機10とのペアリング処理を実行させ(S75:図13における手順(2)参照)、BT通信ユニット23を送信機10に接続させる(S76:図13における手順(3)参照)。このように、BT通信ユニット23が送信機10と接続された状態になると、処理ユニット21は、BT通信ユニット23に対して、送信機10と1対1の通信を開始させる(S77:図13における手順(4)参照)。この通信において、BT通信ユニット23と送信機10との間で情報の送受が行われる。そして、携帯端末20では、BT通信ユニット23にて受信された送信機10からの情報をサービスの内容を表す情報として得ることができる。
上記送信機10との通信の過程で、処理ユニット21は、送信機10との接続が切断されたことを確認すると(S78:図13における手順(5)参照)、終了条件が満足されているか否かを判定する(S79)。一方、前記電波強度Sが前記閾値(−40dB)に達していないと(S73でNO)、処理ユニット21は、送信機10との通信を開始することなく、即ち、ブルートゥースクラシックの規定に基づいた通信手順に従った送信機10との通信処理を行わないことを決めて、終了条件が満足されているか否かを判定する(S79)。
以後、終了条件が満足されていない場合(S79でNO)、処理ユニット21は、ブルートゥースLEの規定に基づいた通信手順に従って送信機10から放送される所定情報ADV_INDがBT通信ユニット23にて受信される(S71でYES)毎に、同様の処理(S72〜S79)を実行する。
上述した無線通信システムによれば、前述した例と同様に、NFC(Near Field Communication)を利用したBluetoothハンドオーバーを模したユーザインタフェースを実現することができる。携帯端末20を送信機10に近接させたときに、携帯端末20において送信機10から配信されるサービスに係る情報を受信することができる。
また、携帯端末20の処理ユニット21は、図14に示す手順(アプリケーションプログラム)に従って処理を実行することができる。この場合、所定情報ADV_INDの放送及び受信に用いられる通信手順と同じブルートゥースLEの規定に基づいた通信手順に従って行われる送信機10との通信処理が、送信機10から放送される所定情報ADV_INDを受信した際に実行すべき処理として決められる。
図14において、処理ユニット21は、処理ユニット21は、ブルートゥースLEに規定される通信手順に従って送信機10から放送されるADV_IND(図3A、図3B参照)がBT通信ユニット23にて正常に受信されるか否かを繰り返し判定している(S81:図15における手順(1)参照)。その過程で、BT通信ユニット23によって前記ADV_INDが正常に受信されたと判定すると(S81でYES)、処理ユニット21は、BT通信ユニット23が前記ADV_INDを受信する際の電波強度S(RSSI)を取得する(S82)。処理ユニット21は、前記取得した電波強度Sが、所定の閾値(−40dB)以上であると判定すると(S83でYES)、処理ユニット21は、BT通信ユニット23に対して、CNNECT_REQを送信機10に送信させ(図15における手順(2)参照)、BT通信ユニット23を送信装置に接続させる(S84:図15における手順(3)参照)。このように、BT通信ユニット23が送信機10と接続された状態になると、処理ユニット21は、BT通信ユニット23に対して、送信機10との通信を開始させる(S85:図15における手順(4)参照)。この通信において、BT通信ユニット23と送信機10との間でブルートゥースLEの規定に基づいた通信手順に従って情報の送受が行われる。そして、携帯端末20では、BT通信ユニット23にて受信された送信機10からの情報をサービスの内容を表す情報として得ることができる。
上記送信機10との通信の過程で、処理ユニット21は、送信機10との接続が切断されたことを確認すると(S86:図15における手順(5)参照)、終了条件が満足されているか否かを判定する(S87)。一方、前記電波強度Sが前記閾値(−40dB)に達していないと(S83でNO)、処理ユニット21は、送信機10との通信を開始することなく、即ち、ブルートゥースLEの規定に基づいた通信手順に従った送信機10との通信処理を行わないことを決めて、終了条件が満足されているか否かを判定する(S89)。
以後、終了条件が満足されていない場合(S87でNO)、処理ユニット21は、ブルートゥースLEの規定に基づいた通信手順に従って送信機10から放送される所定情報ADV_INDがBT通信ユニット23にて受信される(S71でYES)毎に、同様の処理(S72〜S79)を実行する。
上述した無線通信システムによれば、前述した例と同様に、NFC(Near Field Communication)を模したユーザインタフェースを実現することができ、携帯端末20を送信機10に近接させたときに、携帯端末20と送信機10はよりセキュアな1対1の通信を行うことができる。
更に、携帯端末20の姿勢に基づいて、送信機10から放送される所定情報ADV_INDを受信した際に実行すべき処理を制御することができる。この場合、前記所定情報ADV_INDは、例えば、図16Aに示すフォーマットで図16Bに示す内容の情報を含む。即ち、前述した例(図3A及び図3B参照)と同様に1バイト目がデータサイズを表す情報(値)を、2バイト目がデータタイプを表す情報(値)を、3バイト目〜5バイト目が送信機10を特定するID番号(値)を、それぞれ表す。更に、6バイト目がX軸方向の加速度の基準についての情報(値)を、7バイト目がY軸方向の加速度の基準についての情報(値)を、8バイト目がZ軸方向の加速度の基準についての情報(値)を、それぞれ表す。前記X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の加速度の基準によって、携帯端末20の姿勢についての条件、例えば、Z軸方向に重力1Gがかかっている水平姿勢が表される。
携帯端末20の処理ユニット21は、例えば、図17に示す手順(アプリケーションプログラム)に従って処理を実行する。
図17において、処理ユニット21は、ブルートゥースLEの規定に基づいた通信手順に従って送信機10から放送されるADV_IND(図16A、図16B参照)がBT通信ユニットにて正常に受信されるか否かを繰り返し判定している(S91)。その過程で、BT通信ユニット23によって前記ADV_INDが正常に受信されたと判定すると(S91でYES)、処理ユニット21は、当該ADV_INDの解析が既に終了しているか否かを判定し(S92)、その解析がまだ終了していなければ(S92でNO)、処理ユニット21は、受信したADV_INDを解析して、携帯端末20の姿勢条件を表す三軸方向(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向)の加速度基準値を取得する(S93)。この三軸方向の加速度基準値(姿勢条件)は、記憶部26に格納される。
そして、処理ユニット21は、加速度センサユニット27の検出信号に基づいて三軸方向の加速度に係る検出値を取得する(S93)。処理ユニット21は、その取得した加速度に係る検出値にて表される携帯端末20の姿勢が前記加速度基準値にて表される姿勢条件を満足するか否かを判定する(S95)。携帯端末20の姿勢が、例えば、図18Aに示すように、前記姿勢条件である送信機10と平行、即ち、水平姿勢であると判定すると(S95でYES)、処理ユニット21は、BT通信ユニット23が前記ADV_INDを受信する際の電波強度S(RSSI)を取得する(S96)。以後、前述した処理(図10参照)と同様に、携帯端末20が送信機10に極めて接近した状態にあって、前記電波強度Sが所定閾値(−40dB)以上であると(S97でYES)、処理ユニット21は、ポイント付与処理により付与すべきポイント数を50ポイント(50p)に決め(S98)、終了条件が満足されているか否かを判定する(S99)。一方、前記電波強度Sが前記閾値(−40dB)に達していないと(S97でNO)、処理ユニット21は、ポイント付与処理により付与すべきポイント数を決めることなく、即ち、前記ポイント付与処理を行わないことを決めて、終了条件が満足されているか否かを判定する(S99)。
また、一方、携帯端末20の姿勢が、例えば、図18Bに示すように、前記姿勢条件である送信機10と平行、即ち、水平姿勢でないと判定した(S95でNO)場合にも、処理ユニット21は、ポイント付与処理により付与すべきポイント数を決めることなく、即ち、前記ポイント付与処理を行わないことを決めて、終了条件が満足されているか否かを判定する(S99)。
以後、終了条件が満足されていない場合(S99でNO)、処理ユニット21は、BT通信ユニット23にて送信機10から放送されるADV_INDが正常に受信される(S91でYES)毎に、前記ADV_INDの解析が既に済んでいることを確認しつつ(S92でYES)、同様の処理を実行する。上記の処理の過程で、終了条件が満たされると(S99でYES)、処理ユニット21は、前述したのと同様に、その時点で決められているポイント数(確定ポイント数:50ポイント)のポイント付与処理を、送信機10から放送されるADV_INDを受信した際に実行すべき処理として決め、そのポイント付与処理を実行する(S100)。その後、ポイント付与に係る処理を終了する。一方、電波強度Sの条件が満たされない場合(S97でNOの場合)または携端端末20の姿勢に係る条件が満たされない場合(S95でNOの場合)、そのポイント付与処理は行われずに(0ポイントのポイント付与処理が行われて)、当該処理を終了する。
上述した無線通信システムによれば、携帯端末20が送信機10に極めて近い位置に位置付けられた場合であって、携帯端末20の姿勢が所定の姿勢条件(例えば、水平姿勢)を満足する場合にのみに、当該携帯端末20において所定のポイント数(50ポイント)を付与するポイント付与処理が実行されるので、疑似的にNFC(Near Field Communication)を模したユーザインタフェースを実現することができる。即ち、送信機10を収容したボックス等に正しい姿勢(例えば、水平姿勢)で携帯端末20がタッチされた場合に限り、所定のサービスに係る情報を携帯端末20に提供することができる。
上述した例では、送信機10(第1無線通信装置)は、固定無線通信装置であったが、これに限定されず、送信機10は、移動無線通信装置であってもよい。
また、基準情報(例えば、閾値)と実行処理情報(例えば、ポイント数)とは、携帯端末20に別々の通信装置から提供されるものであってもよい。