JP6341171B2 - 電子端末、及びその制御方法とプログラム - Google Patents

電子端末、及びその制御方法とプログラム Download PDF

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Description

本発明は電子端末、及びその制御方法とプログラムの技術に関する。
ディスプレイ上にタッチパネルを搭載したスマートフォン等の小型電子機器がある。ユーザは、当該小型電子機器のタッチパネル上に表示されたアイコンやリストに対して、タップやフリックといった操作を行うことにより電子機器のタッチパネルを操作する。そのような小型電子機器においては片手による操作を行うときもある。
近年、小型電子機器のタッチパネルが大型化する傾向にある。特に大型のタッチパネルを備えた小型電子機器において片手で操作する場合に、タッチパネル上で指が届く範囲が限られるため、例えばアイコン等が、持ち手の指が届かない位置に配置されていた場合、ユーザがそのアイコンのタップ操作をスムーズに行えず、両手で操作することになる。
特許文献1には、検知された接触位置を中心とする所定半径の扇形の円弧上の位置に、複数のアイコンの表示位置を変更してタッチパネルに表示させて、片手操作できる位置にアイコンの配列を移動する技術が開示されている。
特許文献2には、使用者の操作により下方向へのスクロール表示指示があった場合、少なくとも画面の最上部に表示されるオブジェクトを更にスクロールさせることで、最上部にあったオブジェクトを片手によるタッチ操作の可能な位置まで移動させて固定表示し、所定時間後に、その固定表示可能な位置に一旦表示されていたオブジェクトを再び画面の最上部の表示位置にスクロールして戻すといった、最上部に表示されるオブジェクトを片手で操作させる位置まで移動するスクロールの技術が開示されている。
特開2013−229004号公報 特開2015−35219号公報
しかしながら、先行技術では、持ち手の指では届かない領域にある操作オブジェクトを特定することは出来ないといった課題がある。
本発明は、電子機器をユーザが手に持った状態で、持ち手の指では届かないタッチパネル上のオブジェクトを簡単に操作することが可能な仕組みを提供することを目的とする。
本発明は、タッチパネル上に表示されるオブジェクトの操作を受け付ける電子端末で読み取り実行可能なプログラムであって、前記電子端末を、スワイプ操作を受け付ける受付手段と、前記受け付けたスワイプ操作から、スワイプ操作された方向を特定する方向特定手段と、前記特定した方向の線上で遠方に表示されているオブジェクトが、前記特定した方向に近づく方向に表示されるよう配置する再配置手段と、前記タッチパネル上の複数箇所での座標を結んだデータを記憶するデータ記憶手段と、前記受け付けたスワイプ操作と前記タッチパネル上のデータとが交差するか否かを判定する交差判定手段と、して機能させ、前記交差判定手段による交差するか否かの判定結果に従って、前記再配置手段が前記特定した方向の線上で遠方に表示されているオブジェクトの再配置結果を変えるためのプログラム
本発明により、電子機器をユーザが手に持った状態で、持ち手の指では届かないタッチパネル上のオブジェクトを簡単に操作することが可能な仕組みを提供することが可能となる。
本発明の実施形態におけるシステム構成図である 本発明の実施形態における各種情報を管理するデータテーブルの例を示す図である。 一般的なスマートフォン等の小型電子端末の画面表示例を示す図である。 本発明の実施形態における特殊動作軌道の登録画面例を示す図である。 本発明の実施形態における特殊動作軌道の登録実行例を示す図である。 本発明の実施形態における特殊動作軌道の登録完了時の画面例を示す図である。 本発明の実施形態における特殊動作が実行される操作方法を示す図である。 本発明の実施形態における通常動作が実行される操作方法を示す図である。 本発明の実施形態における特殊動作軌道のマージンの概念を示す図である。 本発明の実施形態における特殊動作の例1を示す図である。 本発明の実施形態における特殊動作の例2を示す図である。 本発明の実施形態における特殊動作軌道の登録フロー1を示す図である。 本発明の実施形態における特殊動作軌道の登録フロー2を示す図である。 本発明の実施形態における特殊動作軌道の使用フローを示す図である。 本発明の実施形態における座標判定フローを示す図である。 本発明の実施形態における特殊動作軌道付近から操作を行った場合に、特殊動作を実行するか否かを設定する設定画面を示した図。 本発明の実施形態における特殊動作と通常操作の切り替え処理を表すフローチャートである。 本発明の実施形態における電子端末のハードウエア構成を示した図。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態における小型電子端末101の機能構成の一例を示す図である。尚、小型電子端末101とは、スマートフォンや携帯電話端末、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット端末などを示す。
本発明の形態では、小型電子端末101は、入力受付部102、入力制御部103、表示部104、表示制御部105、情報記憶部106、情報管理部107から構成される。
入力受付部102は、ユーザが指などを用いて小型電子端末101に搭載されたタッチパネルをタッチした際に、その接触に関する情報を静電式(静電容量)または感圧式(圧力)で検知するものである。接触に関する情報とは、例えばタッチパネル上での接触位置及び接触状態が挙げられる。接触位置とはタッチパネル上で静電容量または圧力を検知した座標であり、1箇所の接触位置は横方向(X座標)及び縦方向(Y座標)で表すことができる。接触状態とは、タッチパネル上に指などが接触している状態または離れている状態を表す。なお、タッチパネルには、抵抗膜方式や光学式等のものもある。
入力制御部103は、入力受付部102が検知した接触に関する情報を受け取る。入力制御部103は、受け取った情報を元に、タッチパネルに発生したイベントであると判断する。
本特許では、それぞれの各イベントを以下のように定義する。
タッチパネルに指を接触(タッチパネルをポンと押した)させることを押下操作、そのままタッチパネルから指を離さずに接触位置を移動させることをドラッグ操作、押下操作後にタッチパネルから指を離すことをリリース操作、またタッチパネル上を掃うようにすること(押下後、一定上の速度でドラッグを継続し、リリースする)をフリック操作、スワイプ操作と定義する。
表示部104は、文章を配列した文字列や、画像、アイコン、選択ボタンなどの情報を表示する。例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどを指す。スマートフォン等の小型電子機器では、表示部104の上に入力受付部102が配置されており、表示部104でボタン画像等が表示された箇所に押下等の操作をすることで、あたかもボタン画像を直接操作したかのような操作性を実現している。
表示制御部105は、表示部104に表示する情報を管理する。
情報記憶部106は、小型電子端末101の動作上必要になる各種の情報を記憶する媒体である。例えば、HDDなどを指す。
情報管理部107は、入力制御部103や表示制御部105から受け取る各種情報を情報記憶部106に格納したり、また情報記憶部106から各種情報を取り出すといった処理を行う。
図2は、情報記憶部106に記憶される、各種情報のテーブルの1例を示す図である。
座標情報管理テーブル108は、後述する特殊動作軌道の座標情報を管理するデータテーブルである。
座標情報管理テーブル108には、カーブ状の軌跡が一連のスライド操作として登録されているものである。つまりインデックスの0〜ENDまでを繋げた複数箇所の座標位置が、図5に示したスライド操作によって得られたカーブ状の軌跡ということである。
特殊動作実行フラグ109及び特殊動作軌道マージン110は、後述する特殊動作の実行時に参照する情報である。
このように、小型電子端末101にインストールされたプログラムは、図5に示したような指のスライド操作によって、複数箇所での座標を結んだカーブ状の軌跡を、ユーザが小型電子端末101を手で持った状態の持ち手で操作可能な端部データとして特定(端部データ特定手段)し、座標情報管理テーブル108は端部データ記憶手段として機能することになる。ここで、端部データとはユーザが小型電子端末101を手で持った状態で、ユーザの指が届く限界のことを示している。
あるいは、指でカーブ状の軌跡を描いた操作によって、複数箇所での座標を結んだカーブ状の軌跡を、単純にカーブ状の形状をしているカーブデータとして特定(カーブデータ特定手段)し、座標情報管理テーブル108はカーブデータ記憶手段として機能することになる。ここで、カーブデータとはユーザの指が届く限外ではなく、ユーザの指が届く領域内にあるカーブ状の軌跡のことを示している。
単純にカーブ状の形状をしているカーブデータとして特定した場合、カーブデータを登録することができる(カーブデータ登録手段)。
図3は、小型電子端末101の表示部104に表示される、アプリケーションを立ち上げた後の一画面中の構成を示した例である。
この時、操作可能なボタンコントロール(201〜206)や、コンテンツ(207)等が表示されている。
201〜206は、操作可能なボタンコントロールであり、ユーザが、ボタンコントロールが表示されている箇所に対して押下等の操作をすることで、所定の動作が発生する。
また、アプリケーションを立ち上げる前の一画面中には、アプリケーション毎の起動アイコン等を配列させて、表示部104に表示させてもよい。
また、アプリケーションを立ち上げた後の一画面中には、インターネットブラウザで表示されるインターネット記事(文字列)やURL(リンク情報を)表示部104に表示させてもよい。さらにこの場合には、指で画面内をフリック操作した場合に、インターネットブラウザで表示されている記事(文字列)やURL(リンク情報)だけが下方にスクロールすることになる。
図4乃至図6は、小型電子端末101に特殊動作軌道を登録するための登録画面の画面遷移を表示した例である。
まず図4では、ユーザに親指の届く範囲の外縁をスライド操作するように促す画面の表示例である。
次に図5では、ユーザが小型電子端末101を手で持った状態、ユーザが実際に親指の届く範囲の限界(端部)をスライド操作している様子を示す図である。
ここで、301はユーザの親指であり、開始点から終了点まで矢印の示す方向に画面上を親指でなぞってスライド操作している。
302は、ユーザの親指がスライド操作をした軌道(タッチパネルで発生したイベントの座標データ)を示すものであり、ユーザのスライド操作に追従して表示される。この302が、図2で説明した端部データとして機能することになる。
このように、手で持った状態での親指のスライド操作によって、座標取得手段が、タッチパネル上の複数箇所での座標を取得することなる。また、変形例としてタッチパネル上の3箇所以上のタップ操作によっても、座標取得手段が記タッチパネル上の複数箇所での座標を取得することも可能である。
ユーザが実際に親指の届く範囲の外縁(端部)をスライド操作している様子を説明したが、登録する操作の変形例としては、ユーザの一指し指等で、開始点から終了点まで矢印の示す方向に画面上を指でなぞるスライド操作をすることで、スライド操作をした軌道(タッチパネルで発生したイベントの座標データ)をカーブデータとして登録させてもよい。
最後に図で6は、特殊動作軌道の事前登録が完了したことを表示する画面表示例である。ここでは図5での登録操作が完了後に、登録された特殊動作軌道(303)を表示している。
図7は、事前登録した特殊動作軌道設定をユーザが使用する特殊動作の開始位置の例である。
図8は、事前登録した特殊動作軌道設定をユーザが使用しない通常動作の開始位置の例である。
まず、図7では、ユーザが特殊動作軌道303上の座標を親指でスワイプ操作を開始した(特殊動作軌道303上の座標で押下を行う)場合である。
また、図8は、ユーザが特殊動作軌道303上ではない座標を親指でスワイプ操作を開始した(特殊動作軌道303外の座標で押下を行う)場合である。
図9は、なお、事前登録した特殊動作軌道設定をユーザが使用する場合に、軌道の誤差を埋める許容幅となるマージンを説明した図である。マージンが登録されているので特殊動作軌道303上の座標から少しずれた箇所から操作を開始しても、特殊動作が行われるようになる。
402、403は特殊動作軌道303からのマージン(許容幅)を示す。この例では、特殊動作軌道303上の座標からずれていても、402から403で示される範囲内の座標からスワイプ操作を開始した場合でも特殊動作が行われる。特殊動作軌道マージンは、情報記憶部106に記憶される(特殊軌道マージン110)。特殊軌道マージンは、予めシステム側で固定値を持っていてもよいし、ユーザが自由に許容幅を設定できるようにしてもよい。
図10は、事前登録した特殊動作軌道設定をユーザが使用する特殊動作の第1の実施例である。
図11は、事前登録した特殊動作軌道設定をユーザが使用する特殊動作の第2の実施例である。
なお、図10、図11には画面上に特殊動作軌道303が表示されているが、特殊動作軌道303は常時表示しなくてもよい。特殊動作軌道303上の座標に押下した場合のみ画面上に表示させるようにするなど、様々な形態を取り得る。
特殊動作とは、小型電子端末を片手で操作した場合の操作性を向上させるような動作のことである。本特許では一例として、図10、図11に示すように、片手による操作時に、親指が届かない領域(特殊動作軌道303の外側)に表示されている操作対象(操作オブジェクト)を、親指が届く範囲(特殊動作軌道303の内側)でも操作できるようにする動作を挙げている。両図とも、特殊動作軌道303上の座標501から操作を開始し、座標503までスワイプ操作を行った場合の動作例を示している。
図10の場合、特殊動作により、点ABC501の4点で囲まれた範囲の表示内容が、スワイプ方向502へのスワイプ操作後に、点AB’C’503での4点で囲まれた範囲のサイズに拡大表示される例を示している。
ここでは、点ABC501の4点で囲まれた範囲の対角線504が、スワイプ方向502の移動距離に追従して、点AB’C’503の4点で囲まれた範囲で囲まれた範囲の対角線505内に拡大表示されている。
図11の場合、特殊動作により、点EFG501の4点で囲まれた範囲の表示内容が、スワイプ方向502へのスワイプ操作後に、点E’F’G’503の位置に表示が移動する例を示している。ここでは、点EFG501で示される表示内容がそのまま、スワイプ方向502の移動距離、移動方向に追従して、506の矢印が示す方向に移動し、点E’F’G’503の位置に再配置されて表示されている。
なお、再配置の移動量を算出する場合は、情報記憶部106に前回イベント発生座標を記憶しておき、当該イベントの発生座標と比較するなどの方法を用いてもよい。
なお、ここで示した拡大表示および表示の移動方法については、一般的なGUI(グラフィカルユーザインタフェース)画面で実装されている方法を用いてもよい。
図12を説明する。
図12は、特殊動作軌道を小型電子端末に新規登録する場合のフローチャートを示したものである。
S601では、表示制御部105が表示部104に、ユーザに指の届く範囲の外縁をスライドするように促す画面(図4)を表示する。
S602では、入力受付部102がタッチパネルに発生した各イベントを受け付け、入力制御部103にイベント座標情報を渡す。入力制御部103は、受け取った情報を元にタッチパネルに発生した各イベント(押下、スライド、リリース等)を判定する。
S603の判定の結果、タッチパネルに発生した各イベントがリリース以外(押下またはドラッグ)であった場合はS604に進む。つまり特殊動作軌道の登録処理を継続することになる。
S604で、入力制御部103は各イベントでの座標情報を情報管理部107に順次渡す。情報管理部107は、順次受け取った情報を、情報記憶部106で管理している座標情報管理テーブル108に順次保存していく。また入力制御部103は、順次保存した座標情報を表示制御部105に渡して、表示制御部105は受け取った座標を元に、イベントが発生した特殊動作軌道を示す内容を確認のために表示部104に表示する。
ここで、小型電子端末が、入力制御部103は各イベントでの座標情報を情報管理部107に順次渡すことがユーザの操作に従ったタッチパネル上の複数箇所での座標を取得する座標取得手段である。
なお、S604の処理については、スライド時に大量のイベントが発生する為、全ての座標情報を渡さずに、イベントの3回につき1回だけ処理を行うなどの間引き処理を行ってもよい。
S603の判定の結果、タッチパネルに発生したイベントがリリースであった場合、S605に進む。
S605では、表示制御部105が表示部104に、特殊動作軌道の登録が完了した旨及び登録された特殊動作軌道を表示(図6)して登録処理を終了する。
なお、図12のフローでは、リリースをした時点で登録処理を終了するようになっているが、登録終了ボタン(図4には不図示)を設けて、ユーザが該当のボタンを選択した場合に、登録処理を終了するようにしてもよい。
図13を説明する。
図13は登録終了ボタンを設けた場合の登録処理フローの変形例を示す。図12のフローとの差分を中心に説明する。
S601〜S602は図12と同様の処理を行う。なお、前述のとおり、S601において、ユーザに指の届く範囲の外縁をドラッグするように促す画面で、図4の内容に加えて、登録終了ボタン(不図示)を表示する。
S610で、入力制御部103は、受け取った情報を元に、登録終了ボタンが押下されたかを判定する。
S610の判定の結果、登録終了ボタンが押されていない場合、S604に進む。(特殊動作軌道の登録を継続する)
S610の判定の結果、登録終了ボタンが押された場合、S605に進む。
S604、S605の処理内容は図12のフローと同様である。
図14を説明する。
図14は、事前登録した特殊動作軌道設定をユーザが使用する場合の特殊動作を示すフローチャートである。
S701で、入力受付部102がタッチパネルに発生した各イベントを受け付け、入力制御部103にイベント座標情報を渡す。入力制御部103は、受け取った情報を元にタッチパネルに発生したイベントが(押下、ムーブ、リリース等)のどれかを判定する。
尚、ここでムーブとはスワイプ操作を含んだイベントである。つまり、S701ではスワイプ操作を受け付けることができる(受付手段)。
S702のイベント判定の結果、タッチパネルに発生したイベントが押下であれば、S703に進む。
S703では、入力制御部103が、初めに押下イベントが発生した座標が特殊動作軌道303上であるかを主に判定する処理を実行する。S703の詳細な座標判定処理のフローチャートについては図15で説明する。
S704では、S703での特殊動作軌道判定の結果、押下イベントが初めに発生した座標が特殊動作軌道303上であると判断した場合(図7で示した状態)にS705に進む。
S705で、情報管理部107は、情報記憶部106に格納された特殊動作を実行するフラグの値を「ON」に設定する。つまり特殊動作を実行するフラグの値がここで、「ON」に設定されて、S708でムーブが継続されている間は、特殊動作を実行するONフラグに連動して、図10あるいは図11に示した特殊動作が実行されることになる。その後、S701に戻る。
あるいは、変形例として、特殊動作を実行するフラグの値を「ON」に設定した時点で、持ち手では操作できないタッチパネル上の第1の領域に表示されている操作オブジェクトの表示形態を切替る指示を受け付けてもよい。
つまり、押下イベントが初めに発生した座標が特殊動作軌道303上であると判断したことを、操作オブジェクトの表示形態を切替る指示として受け付けてもよい。(指示受付手段)
S704の判定の結果、押下イベントが初めに発生した座標が特殊動作軌道303上でない場合は、特殊動作を実行するフラグの値を「ON」に設定せずにS707に進む。
S707では、図7で説明したような通常動作のイベント処理を実行する。通常のイベント処理とは、押下やリリース、ドラッグイベントにより実行される所定の処理であり、例えば押下イベントが、画面に表示されたボタンコントロール上で発生した場合に、該当のボタンコントロールが押されたような表示にする(表示制御部105がボタンコントロールの表示内容を更新して表示部104に表示する)、またその状態で、同ボタンコントロール上でリリースイベントが発生した場合に、該当のボタンコントロールが押された状態が解除され、該当ボタンで定義された所定の動作を行う。また、スワイプイベントに応じて、画面の表示内容をスクロールさせるなどの動作も挙げられる。S707の実行後、S701に戻る。
S702のイベント判定の結果、タッチパネルに発生したイベントがリリース(指を離す操作)であればS706に進む。
S706で、情報管理部107は、特殊動作を実行するフラグの値を「ON」に設定されていた場合も、情報記憶部106に格納された特殊動作実行フラグの値を「OFF」に設定して、図10あるいは図11に示した特殊動作が終了されることになる。その後、S707で通常のイベント処理を実行し、S701に戻る。
S702のイベント判定の結果、タッチパネルに発生したイベントがムーブであれば、S708に進む。
S708で、情報管理部107は、情報記憶部106に格納された特殊動作実行フラグの値を参照して、ON判定の結果、特殊動作実行フラグがONであれば、S709に進む。
なおここで、特殊動作を実行するフラグの値を「ON」に設定されている間にスワイプ操作された方向を特定している(方向特定手段)。
S709では、図10、図11で例示したような特殊動作をムーブ中に連動して行う。
このようにS709の特殊動作では、S808の交差判定手段によって交差していると判定された場合に、S708で特定した方向による線上でスワイプ操作がなされた位置よりも遠方にある操作オブジェクトを、スワイプ操作がなされた位置に近づくように配置していることになる(再配置手段)。
このようにS709の特殊動作では、切替る指示に従って、記憶している端部データを用いて第1の領域(特殊動作軌道303の外側)にある操作オブジェクトを、端部データを境界にして反対側であるタッチパネル上の第2の領域(特殊動作軌道303の内側)でも操作可能な表示形態に切り替ていることになる(表示形態切替手段)。
S708の判定の結果、特殊動作実行フラグがOFFであると判断した場合、S707に進む。S707で通常のイベント処理を実行し、S701に戻る。
なお、本フローでは、図10、図11に示したような特殊動作が開始されるフローを示したが、特殊動作の終了(すなわち、図10で示した拡大表示や図11に示した移動表示を、元の表示(通常倍率、通常の表示位置)に戻す)方法については、一定時間経過後、またはダブルタップ(押下を一定時間内に2回行うこと)が発生した場合に通常表示に戻すなど、様々な方法が適用可能である。
図15を説明する。
図15は、図14のS703で実行する座標判定処理の詳細処理を表すフローチャートである。
S801で、入力制御部103は、判定結果を始めに「軌道上ではない」に初期化する。
S802で、入力制御部103は、判定処理で使用するカウンタ(counter)も0に初期化する。
S803で、入力制御部103は、情報管理部107を通じて、情報記憶部106で管理している特殊動作軌道マージン110の値を取得する。
S804で、入力制御部103は、情報管理部107を通じて、情報記憶部106で管理している座標情報管理テーブル108を取得する。入力制御部103は、座標情報管理テーブル108の、counter番目のインデックスの座標情報を参照し、該当データがテーブルの終端であるか判定する。
S804の判定の結果、counter番目のインデックスの座標情報がテーブルの終端でなければ、S805に進む。
S805で、入力制御部103は、counter番目のインデックスの座標情報から、X座標、Y座標の値を取得する。(それぞれDB_X、DB_Yと後述する)
S806、S807では、入力受付部102から受け取った座標情報(タッチパネル上で発生したイベント)のX座標、Y座標(それぞれ、受信_X、受信_Yと後述)が、特殊動作軌道303と特殊軌道マージン110の範囲内(図4−Cの矢印で示される領域)で発生したかどうかを判定する。
S806で、入力制御部103は、受信_XとDB_Xの座標の間に以下の関係が成立するか判定する。

( DB_X − 特殊動作軌道マージン ) ≦ 受信_X ≦ ( DB_X + 特殊動作軌道マージン )
S806の判定の結果、受信_Xが範囲内である場合、S807に進む。S807で、入力制御部103は、受信_YとDB_Yの座標の間に以下の関係が成立するか判定する。

( DB_Y − 特殊動作軌道マージン ) ≦ 受信_Y ≦ ( DB_Y + 特殊動作軌道マージン )
S807の判定の結果、受信_Yが、特殊動作軌道の範囲内である場合、S808に進む。また、ここでは、特殊動作軌道の範囲内であるかを判定しているが、変形例として、スワイプ操作がカーブデータのカーブ状の軌跡をまたがって交差するか否かを判定してもよい(交差判定手段)。
つまり、ユーザのスワイプ操作が、予め設定されているカーブデータと交差したと判断できるユーザ操作の場合に、交差判定手段が交差した(YES)と判断してもよいということである。
S808で、入力制御部103は、特殊動作軌道の範囲内である場合、判定結果を「軌道上である」に更新し、判定結果を返して処理を終了する。
S806、S807の判定の結果、受信_X、受信_Yのいずれかが範囲内ではない場合、S809に進む。
S809で、入力制御部103は、座標情報管理テーブル108の次のデータを参照するために、counterを1増やす。その後、S804に戻る。
S804の判定の結果、counterで示されるインデックスの座標情報がテーブルの終端であれば、処理を終了する。この場合、判定結果は「軌道上ではない」のまま返すことになる。すなわち、受信したイベントの座標が、特殊動作軌道303および特殊動作軌道マージンの範囲外であったことを示す。
図16は、特殊動作軌道付近から操作を行った場合に、特殊動作を実行するか否かを設定する設定画面の表示例である。
表示部104に、小型電子端末の各種機能設定を行う一覧が表示されていて、そのうちの一つの項目として、特殊動作の有効/無効を切り替える項目(特殊操作モード)が表示されている。
901は、特殊動作の有効/無効を切り替える項目であり、項目名の右側に表示されたボタンを選択することで設定が切り替わる。「ON」のボタンを選択すると特殊動作が有効になり、特殊動作軌道付近からドラッグ操作を行った場合に、特殊動作が実行されるようになる。一方、「OFF」のボタンを選択すると特殊動作が無効になり、特殊動作軌道付近からドラッグ操作を行った場合に特殊動作が実行されず、通常の動作(ドラッグに追従して画面の表示内容がスクロールする等)が実行される。
このように設定画面では、S807の交差判定手段によって交差すると判定した場合に、スワイプ操作がなされた位置に近づくように配置するか否かの切替設定を記憶している(設定記憶手段)。
あるいは、記憶した端部データを用いて記第2の領域でも操作可能な表示形態に切り替えるか否かの切替設定を記憶している(設定記憶手段)。
図17は、特殊動作と通常操作の切り替え処理を表すフローチャートである。
S1001で、表示制御部105が表示部104に、特殊動作の有効/無効を設定する項目(図16の901)を表示する。
S1002で、入力制御部103は、特殊動作の設定ボタンが押されたことを検知する。
S1002で、「ON」ボタンが選択されたと判定した場合、S1003に進む。S1003で、情報管理部107は、情報記憶部106に格納された座標情報管理テーブル108を参照し、特殊動作軌道が登録されているか判定する。
つまり、記憶する切替設定に基づいて、交差判定手段によって交差すると判定した場合に、再配置手段が前記操作オブジェクトを近づくように配置するかを決定することになる。
また、記憶する切替設定に基づいて、S705で切替る指示を受けつけた場合に、表示形態切替手段が操作オブジェクトを第2の領域でも操作可能な表示形態に切り替えるかを決定することになる。
S1003の判定の結果、特殊動作軌道が登録されていなければ、S1004に進む。
S1005で、図14に示した特殊処理フローが開始される。
S1002で、「OFF」ボタンが選択されたと判定した場合、S1006に進む。S1006では、通常のイベント処理を実行するフローが開始される。通常のイベント処理を実行するフローでは、特殊動作軌道が登録されていて、かつ特殊動作軌道付近でドラッグ操作を開始しても図14に示したような特殊動作フローを実行せずに、通常のイベント処理を行う。
図18を説明する。
図18において、1はCPUで、システムバス4に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM2あるいは外部メモリ11には、CPU1の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。
3はRAMで、CPU1の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU1は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM2あるいは外部メモリ11からRAM3にロードして、該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
また、5は入力コントローラで、キーボード(KB)9や不図示のマウス等のポインティングデバイス等からの入力を制御する。6はビデオコントローラで、CRTディスプレイ(CRT)10等の表示器への表示を制御する。なお、図18では、CRT10と記載しているが、表示器はCRTだけでなく、液晶ディスプレイ等の他の表示器であってもよい。これらは必要に応じて管理者が使用するものである。
7はメモリコントローラで、ブートプログラム,各種のアプリケーション,フォントデータ,ユーザファイル,編集ファイル,各種データ等を記憶する外部記憶装置(ハードディスク(HD))や、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ11へのアクセスを制御する。
8は通信I/Fコントローラで、ネットワーク(例えばLAN)を介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
なお、CPU1は、例えばRAM3内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、CRT10上での表示を可能としている。また、CPU1は、CRT10上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
本発明を実現するための後述する各種プログラムは、外部メモリ11に記録されており、必要に応じてRAM3にロードされることによりCPU1によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられる定義ファイル及び各種情報テーブル等も、外部メモリ11に格納されており、これらについての詳細な説明も後述する。
また、本願発明におけるプログラムは、図12乃至図15、図17に示すフローチャートの処理方法をコンピュータが読み取り実行可能なプログラムであり、本願発明の記憶媒体は処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムとして、外部メモリに記憶されている。
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本願発明の目的が達成されることは言うまでもない。
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本願発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,DVD−ROM,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM,シリコンディスク等を用いることができる。
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
また、本願発明は、複数の電子機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる電子機器に適用してもよい。また、本願発明は、システムあるいは電子機器にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本願発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは電子機器が、本願発明の効果を享受することが可能となる。
さらに、本願発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ,データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは電子機器が、本願発明の効果を享受することが可能となる。
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本願発明に含まれるものである。
101 小型電子端末

Claims (4)

  1. タッチパネル上に表示されるオブジェクトの操作を受け付ける電子端末で読み取り実行可能なプログラムであって、
    前記電子端末を、
    スワイプ操作を受け付ける受付手段と、
    前記受け付けたスワイプ操作から、スワイプ操作された方向を特定する方向特定手段と、
    前記特定した方向の線上で遠方に表示されているオブジェクトが、前記特定した方向に近づく方向に表示されるよう配置する再配置手段と、
    前記タッチパネル上の複数箇所での座標を結んだデータを記憶するデータ記憶手段と、
    前記受け付けたスワイプ操作と前記タッチパネル上のデータとが交差するか否かを判定する交差判定手段と、
    して機能させ、
    前記交差判定手段による交差するか否かの判定結果に従って、前記再配置手段が前記特定した方向の線上で遠方に表示されているオブジェクトの再配置結果を変えるためのプログラム。
  2. 前記交差判定手段によって前記交差すると判定した場合に前記再配置手段が前記特定した方向の線上で遠方に表示されているオブジェクトが前記特定した方向に近づく方向に表示されるよう配置し、前記交差判定手段によって交差しないと判定した場合に前記再配置手段が前記特定した方向の線上で遠方に表示されているオブジェクトの配置は変更しないように機能させるための請求項1に記載のプログラム。
  3. タッチパネル上に表示されるオブジェクトの操作を受け付ける電子端末であって、
    スワイプ操作を受け付ける受付手段と、
    前記受け付けたスワイプ操作から、スワイプ操作された方向を特定する方向特定手段と、
    前記特定した方向の線上で遠方に表示されているオブジェクトが、前記特定した方向に近づく方向に表示されるよう配置する再配置手段と、
    前記タッチパネル上の複数箇所での座標を結んだデータを記憶するデータ記憶手段と、
    前記受け付けたスワイプ操作と前記タッチパネル上のデータとが交差するか否かを判定する交差判定手段と、
    を備え、
    前記交差判定手段による交差するか否かの判定結果に従って、前記再配置手段が前記特定した方向の線上で遠方に表示されているオブジェクトの再配置結果を変えることを特徴とする電子端末。
  4. 電子端末のタッチパネル上の複数箇所での座標を結んだデータを記憶するデータ記憶手段を備え、前記タッチパネル上に表示されるオブジェクトの操作を受け付ける前記電子端末の制御方法であって、
    前記電子端末の受付手段が、スワイプ操作を受け付ける受付工程と、
    前記電子端末の方向特定手段が、前記受け付けたスワイプ操作から、スワイプ操作された方向を特定する方向特定工程と、
    前記電子端末の再配置手段が、前記特定した方向の線上で遠方に表示されているオブジェクトが、前記特定した方向に近づく方向に表示されるよう配置する再配置工程と、
    前記電子端末の交差判定手段が、前記受け付けたスワイプ操作と前記タッチパネル上のデータとが交差するか否かを判定する交差判定工程と、
    を含み、
    前記交差判定工程における交差するか否かの判定結果に従って、前記再配置工程において前記特定した方向の線上で遠方に表示されているオブジェクトの再配置結果を変えることを特徴とする制御方法。
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