以下に、本発明の一実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態に係る内線電話システムの概略構成図である。
図示するように、本実施の形態に係る内線電話システムは、複数台の無線電話端末1−1〜1−3(以下、単に無線電話端末1とも称する)と、VPNルータ2と、を備えて構成される。無線電話端末1は、IP網(WAN)3経由でVPNルータ2とVPN接続することにより、IP網3上に構築されたVPNルータ2配下のプライベートネットワークに参加する。また、無線電話端末1は、IP電話の呼制御サーバ機能を有し、VPNルータ2配下のプライベートネットワークに参加している無線電話端末1のうちのいずれか一つの無線電話端末1が、呼制御サーバ機能を有効にしてIP電話網4に接続し、VPNルータ2配下のプライベートネットワークに参加している各無線電話端末1(自無線電話端末1を含む)の呼制御を実施する。なお、ここでは、図を分かり易くするため、IP電話網4をIP網3から離して表示しているが、IP電話網4は、実際には、IP網3上に構築される。
図2〜図4は、本実施の形態に係る内線電話システムにおける無線電話端末1の内線加入動作を説明するためのシーケンス図である。ここで、無線電話端末1−1〜1−3は、いずれも初期状態において、VPNルータ2配下のプライベートネットワークに参加しておらず、また、呼制御サーバ機能を無効にしているものとする。
まず、無線電話端末1−1が、内線電話システムに加入するための内線加入操作をユーザから受け付けたとする(S100)。これを受けて、無線電話端末1−1は、IP網3経由でVPNルータ2にVPN接続して(S101)、VPNルータ2配下のプライベートネットワークに参加する。
つぎに、無線電話端末1−1は、呼制御サーバ機能を有効にしている無線電話端末1から帰属許可通知が送られてくるまで、VPNルータ2配下のプライベートネットワークに帰属要求を複数回繰り返し同報送信する(S102)。しかし、この時点においてプライベートネットワークに参加している無線電話端末1は、無線電話端末1−1のみであり、したがって、帰属許可通知は送られてこない。
つぎに、無線電話端末1−1は、帰属許可通知が送られてくることなく、所定時間の経過によりタイムアウトすると(S103)、呼制御サーバ機能を有効にし(S104)、IP電話網4(具体的にはIP電話網4上の図示していない呼制御サーバ)に、内線電話システムの外線番号および無線電話端末1−1のアドレスを含む登録要求を送信する(S105)。そして、IP電話網4への登録が完了し(S106)、完了通知を受信したならば(S107)、無線電話端末1−1は、自身の内線番号、アドレスおよびユーザ情報を含む端末情報を呼制御対象の端末情報として登録するとともに、VPNルータ2配下のプライベートネットワークにサーバ起動通知を同報送信する(S108)。
その後、無線電話端末1−2が、ユーザから内線加入操作を受け付けたとする(S110)。これを受けて、無線電話端末1−2は、IP網3経由でVPNルータ2にVPN接続して(S111)、VPNルータ2配下のプライベートネットワークに参加する。
つぎに、無線電話端末1−2は、呼制御サーバ機能を有効にしている無線電話端末1から帰属許可通知が送られてくるまで、VPNルータ2配下のプライベートネットワークに帰属要求を複数回繰り返し同報送信する(S112)。ここで、無線電話端末1−1は、呼制御サーバ機能を有効にしているので、帰属要求を受信すると、この帰属要求の送信元である無線電話端末1−2に、帰属許可通知を送信する(S113)。
つぎに、無線電話端末1−2は、無線電話端末1−1から帰属許可通知を受信すると、この無線電話端末1−1を内線電話システムの呼制御サーバとして登録する。また、無線電話端末1−1に、無線電話端末1−2の内線番号、アドレスおよびユーザ情報を含む登録要求を送信する(S114)。
これを受けて、無線電話端末1−1は、無線電話端末1−2の内線番号、アドレスおよびユーザ情報を呼制御対象の端末情報として登録する(S115)。また、無線電話端末1−1は、呼制御対象(無線電話端末1−1、1−2)の端末情報を含む更新通知を、自無線電話端末1−1を除く呼制御対象の無線電話端末1−2に送信する(S116)。
無線電話端末1−2は、無線電話端末1−1から更新通知を受信すると、この更新通知に含まれている呼制御対象の端末情報を、内線電話システムに加入している無線電話端末1の端末情報として登録する(S117)。
また、無線電話端末1−1は、登録要求の送信元である無線電話端末1−2に、現在の呼制御状態(待受中)を含む状態通知を送信する(S118)。無線電話端末1−2は、無線電話端末1−1から状態通知を受信すると、自身の状態をこの状態通知に含まれている呼制御状態(ここでは待受中)に移行させる(S119)。
その後、内線電話システムの外線番号としてIP電話網4に登録された無線電話端末1−1に、IP電話網4から接続要求が着信したものとする(S120)。これを受けて、無線電話端末1−1は、自無線電話端末1−1を除く呼制御対象の無線電話端末1−2に、発信者番号の指定を伴う着信を知らせる状態通知を送信するとともに(S121)、着信表示および着信鳴動を行って、自身の状態を着信中に移行させる(S122)。また、無線電話端末1−2は、無線電話端末1−1からの着信を知らせる状態通知を受信すると、着信表示および着信鳴動を行って、自身の状態を着信中に移行させる(S123)。
つぎに、無線電話端末1−2が、着信応答操作をユーザから受け付けたとする(S124)。これを受けて、無線電話端末1−2は、無線電話端末1−1に着信応答要求を送信する(S125)。無線電話端末1−1は、無線電話端末1−2から着信応答要求を受信したならば、IP電話網4に接続応答を送信する(S126)。これにより、無線電話端末1−1およびVPNルータ2を介して、IP電話網4と無線電話端末1−2との間に通話路が確立され(S127)、無線電話端末1−2のユーザは、IP電話網4からの電話に対応することができる。
つぎに、無線電話端末1−1は、自無線電話端末1−1を除く呼制御対象の無線電話端末1−2に、発信者および応対者の電話番号の指定を伴う通話中を知らせる状態通知を送信するとともに(S128)、通話中表示を行って、自身の状態を通話中に移行させる(S129)。また、無線電話端末1−2は、無線電話端末1−1から通話中を知らせる状態通知を受信すると、通話表示を行って、自身の状態を通話中に移行させる(S130)。
ここで、IP電話網4からの電話が、無線電話端末1−2のユーザの近くにいる無線電話端末1−3のユーザに対するものであるため、無線電話端末1−2のユーザが、無線電話端末1−2に対して保留操作を行ったものとする(S131)。無線電話端末1−2は、ユーザから保留操作を受け付けると、無線電話端末1−1に保留要求を送信する(S132)。これを受けて、無線電話端末1−1は、IP電話網4からの電話を保留にする(S133)。また、自無線電話端末1−1を除く呼制御対象の無線電話端末1−2に、被保留者の電話番号の指定を伴う保留を知らせる状態通知を送信するとともに(S134)、保留表示を行って、自身の状態を保留中に移行させる(S135)。また、無線電話端末1−2は、無線電話端末1−1から保留を知らせる状態通知を受信すると、保留表示を行って、自身の状態を保留中に移行させる(S136)。
なお、無線電話端末1−2のユーザは、保留した電話を無線電話端末1−3に転送したいが、この時点において、無線電話端末1−3は内線電話システムに加入していない。そこで、無線電話端末1−2のユーザが、内線電話システムに加入して電話に対応するよう無線電話端末1−3のユーザに依頼し、これを受けて、無線電話端末1−3のユーザが、無線電話端末1−3に対して内線加入操作を行ったものとする(S137)。
無線電話端末1−3は、ユーザから内線加入操作を受け付けると、IP網3経由でVPNルータ2にVPN接続して(S138)、VPNルータ2配下のプライベートネットワークに参加する。
つぎに、無線電話端末1−3は、呼制御サーバ機能を有効にしている無線電話端末1から帰属許可通知が送られてくるまで、VPNルータ2配下のプライベートネットワークに帰属要求を複数回繰り返し同報送信する(S139)。ここで、無線電話端末1−1は、呼制御サーバ機能を有効にしているので、帰属要求を受信すると、この帰属要求の送信元である無線電話端末1−3に、帰属許可通知を送信する(S140)。
つぎに、無線電話端末1−3は、無線電話端末1−1から帰属許可通知を受信すると、この無線電話端末1−1を内線電話システムの呼制御サーバとして登録する。また、無線電話端末1−1に、無線電話端末1−3の内線番号、アドレスおよびユーザ情報を含む登録要求を送信する(S141)。
これを受けて、無線電話端末1−1は、無線電話端末1−3の内線番号、アドレスおよびユーザ情報を呼制御対象の端末情報として登録する(S142)。また、無線電話端末1−1は、呼制御対象(無線電話端末1−1、1−2、1−3)の端末情報を含む更新通知を、自無線電話端末1−1を除く呼制御対象の無線電話端末1−2、1−3に送信する(S143)。
無線電話端末1−2は、無線電話端末1−1から更新通知を受信すると、この更新通知に含まれている呼制御対象の端末情報に基づいて、自身に登録されている内線電話システムに加入している無線電話端末1の端末情報を更新する(S144)。また、無線電話端末1−3は、無線電話端末1−1から更新通知を受信すると、この更新通知に含まれている呼制御対象の端末情報を、内線電話システムに加入している無線電話端末1の端末情報として登録する(S145)。
また、無線電話端末1−1は、登録要求の送信元である無線電話端末1−3に、現在の呼制御状態を知らせる状態通知(被保留者の電話番号の指定を伴う保留を知らせる状態通知)を送信する(S146)。これを受けて、無線電話端末1−3は、この状態通知に含まれている呼制御状態に従い、保留表示を行って、自身の状態を保留中に移行させる(S147)。
その後、無線電話端末1−3が、保留応答操作をユーザから受け付けたとする(S148)。これを受けて、無線電話端末1−3は、無線電話端末1−1に保留応答要求を送信する(S149)。無線電話端末1−1は、無線電話端末1−3から保留応答要求を受信したならば、保留転送を行って保留中の電話を無線電話端末1−3に転送する(S150)。これにより、無線電話端末1−1およびVPNルータ2を介して、IP電話網4と無線電話端末1−3との間に通話路が確立され(S151)、無線電話端末1−3のユーザは、IP電話網4からの電話に対応することができる。
つぎに、無線電話端末1−1は、自無線電話端末1−1を除く呼制御対象の無線電話端末1−2、1−3に、発信者および応対者の電話番号の指定を伴う通話中を知らせる状態通知を送信するとともに(S152)、通話中表示を行って、自身の状態を通話中に移行させる(S153)。また、無線電話端末1−2、1−3は、無線電話端末1−1から通話中を知らせる状態通知を受信すると、通話中表示を行って、自身の状態を通話中に移行させる(S154、S155)。
図5は、本実施の形態に係る内線電話システムにおける無線電話端末1の呼制御サーバ変更動作を説明するためのシーケンス図である。ここで、無線電話端末1−1〜1−3は、VPNルータ2配下のプライベートネットワークに参加して本実施の形態に係る内線電話システムに加入しており、そのうち、無線電話端末1−1が呼制御サーバ機能を有効にしているのものとする。
呼制御サーバ機能を有効にしている無線電話端末1−1は、定期的、あるいは、受信電波強度が所定値以下に低下した、バッテリ残量が所定値以下に減少した等の所定イベント発生毎に、呼制御対象として端末情報が登録されている無線電話端末1−2、1−3に、端末状態要求を送信する(S160)。これを受けて、無線電話端末1−2、1−3は、受信電波強度、バッテリ残量等の端末状態を含む端末状態通知を無線電話端末1−1に送信する(S161、S162)。
つぎに、無線電話端末1−1は、無線電話端末1−2、1−3から受信した端末状態通知に含まれている無線電話端末1−2、1−3の端末状態と、自無線電話端末1−1の端末状態とを比較して、自無線電話端末1−1より良好な(より安定的に呼制御サーバとして稼働できる)端末状態を有する無線電話端末1が存在するか否かを調べることにより、呼制御サーバの変更要否を判断する(S163)。例えば、バッテリ残量が所定値以上かつ自無線電話端末1−1のバッテリ残量より大きく、しかも、受信電波強度が自無線電話端末1−1の受信電波強度より強い無線電話端末1が存在するか否かを調べ、このような無線電話端末1が存在する場合は、この無線電話端末1への呼制御サーバ変更の必要性ありと判断する。呼制御サーバ変更の必要性なしと判断した場合、つぎの端末状態要求の送信タイミングがくるのを待つ。一方、呼制御サーバ変更の必要性ありと判断した場合、以下の要領により、自無線電話端末1−1の呼制御サーバ機能を無効にして、新たな呼制御サーバとする無線電話端末1の呼制御サーバ機能を有効にする。ここでは、無線電話端末1−3への呼制御サーバ変更の必要性ありと判断されたものとする。
無線電話端末1−1は、無線電話端末1−3に予備サーバ要求を送信する(S164)。これを受けて、無線電話端末1−3は、自無線電話端末1−3を予備サーバに設定するとともに、無線電話端末1−1に予備サーバ応答を送信する(S165)。
無線電話端末1−1は、無線電話端末1−3から予備サーバ応答を受信すると、IP電話網4(具体的には、IP電話網4上の図示していない呼制御サーバ)に内線電話システムの外線番号および無線電話端末1−1のアドレスを含む登録解除要求を送信する(S166)。IP電話網4は、無線電話端末1−1から登録解除要求を受信すると、無線電話端末1−1の登録を解除し(S167)、登録解除完了通知を送信する(S168)。そして、無線電話端末1−1は、IP電話網4から登録解除完了通知を受信すると、自身の呼制御サーバ機能を無効にする(S169)。また、自無線電話端末1−1を除く呼制御対象の無線電話端末1−2、1−3に、サーバ停止通知を送信する(S170)。これを受けて、無線電話端末1−2、1−3は、無線電話端末1−1の呼制御サーバとしての登録を削除する。
また、無線電話端末1−3は、予備サーバであるので、呼制御サーバ機能を有効にし(S171)、IP電話網4(具体的にはIP電話網4上の図示していない呼制御サーバ)に、内線電話システムの外線番号および無線電話端末1−3のアドレスを含む登録要求を送信する(S172)。そして、IP電話網4への登録が完了し(S173)、完了通知を受信したならば(S174)、無線電話端末1−3は、自身の内線番号、アドレスおよびユーザ情報を呼制御対象の端末情報として登録するとともに、VPNルータ2配下のプライベートネットワークにサーバ起動通知を同報送信する(S175)。
無線電話端末1−1、1−2は、無線電話端末1−3からサーバ起動通知を受信すると、無線電話端末1−3を内線電話システムの呼制御サーバとして登録する。また、無線電話端末1−3に、無線電話端末1−1、1−2の内線番号、アドレスおよびユーザ情報を含む登録要求を送信する(S176、S177)。これを受けて、無線電話端末1−3は、無線電話端末1−1、1−2の内線番号、アドレスおよびユーザ情報を呼制御対象の端末情報として登録する(S178)。
つぎに、無線電話端末1−3は、呼制御対象(無線電話端末1−1、1−2、1−3)の端末情報を含む更新通知を、自無線電話端末1−3を除く呼制御対象の無線電話端末1−1、1−2に送信する(S179)。無線電話端末1−1、1−2は、無線電話端末1−3から更新通知を受信すると、この更新通知に含まれている呼制御対象の端末情報を、内線電話システムに加入している無線電話端末1の端末情報として登録する(S180、S181)。
また、無線電話端末1−3は、登録要求の送信元である無線電話端末1−1、1−2に、現在の呼制御状態(ここでは待受中)を含む状態通知を送信する(S182)。無線電話端末1−1、1−2は、無線電話端末1−3から状態通知を受信すると、自身の状態をこの状態通知に含まれている呼制御状態(ここでは待受中)に移行させる(S183、S184)。
つぎに、無線電話端末1の詳細を説明する。なお、VPNルータ2は、既存の装置を利用できるので、その詳細な説明を省略している。
図6は、無線電話端末1の概略機能構成図である。
図示するように、無線電話端末1は、無線インターフェース部100と、マンマシンインターフェース部101と、IP電話網通信部102と、VPN接続部103と、PN通信部104と、IP電話処理部105と、呼制御サーバ処理部106と、状態通信部107と、状態検知部108と、主制御部109と、を有する。
無線インターフェース部100は、図示していない無線アクセスポイントを介してIP網3に無線接続するためのインターフェースである。
マンマシンインターフェース部101は、ユーザが電話および各種操作を行うためのインターフェースであり、図示していないが、マイクと、スピーカと、ダイヤルキー等の操作部と、LCD、LED等のディスプレイと、を備える。
IP電話網通信部102は、無線インターフェース部100およびIP網3を介して、IP電話網4との通信を制御する。
VPN接続部103は、無線インターフェース部100およびIP網3を介してVPNルータ2にVPN接続する。これにより、無線電話端末1は、VPNルータ2配下のプライベートネットワークに参加する。
PN通信部104は、VPN接続部103を介して、VPNルータ2配下のプライベートネットワークに参加している他の無線電話端末1との通信を制御する。
IP電話処理部105は、IP電話機として動作するために必要な処理を行う。具体的には、SIP(Session Initiation Protocol)等の呼制御プロトコルに従い、呼制御サーバ経由で通信相手(IP電話網4あるいは他の無線電話端末1)と呼制御メッセージをやり取りすることにより、セッションの確立・解放を実施する。また、RTP(Realtime Transport Protocol)等の伝送プロトコルに従い、マンマシンインターフェース部101を介してユーザにより音声入力された音声信号を通話データに符号化し、この通話データをセッション経由で通信相手に送信するとともに、通信相手からセッション経由で通話データを受信し、この通話データを音声信号に復号してマンマシンインターフェース部101から音声出力する。
また、IP電話処理部105は、登録要求部1051と、状態反映部1052と、を有する。登録要求部1051は、呼制御サーバ処理部106が無効に設定されている場合に、PN通信部104を介して、呼制御サーバとして機能している無線電話端末1に、自無線電話端末1の登録要求を送信する。状態反映部1052は、PN通信部104を介して、呼制御サーバとして機能している無線電話端末1から呼制御状態の状態通知を受信した場合に、この状態通知が示す呼制御状態に応じた処理を実施する。例えば、呼制御状態が待受中ならば、マンマシンインターフェース部101のディスプレイに待受画面を表示する。また、呼制御状態が着信中ならば、マンマシンインターフェース部101のスピーカに着信音を出力するとともに、マンマシンインターフェース部101のディスプレイに着信画面を表示する。また、呼制御状態が通話中ならば、マンマシンインターフェース部101のディスプレイに通話中を表示する。また、呼制御状態が保留中ならば、マンマシンインターフェース部101のディスプレイに保留中を表示する。
呼制御サーバ処理部106は、呼制御サーバとして動作するために必要な処理を行う。具体的には、IP電話網4(具体的にはIP電話網4上の図示していない呼制御サーバ)に、本実施の形態に係る内線電話システムの外線番号および自無線電話端末1のアドレスを含む登録要求を送信して、自無線電話端末1をIP電話網4に登録する。また、SIP等の呼制御プロトコルに従い、自無線電話端末1を含むいずれかの無線電話端末1と通信相手(IP電話網4あるいは他の無線電話端末1)との間でやり取りされる呼制御メッセージを中継することにより、両者間にセッションを確立、あるいは両者間に確立されているセッションを解放する。
状態通信部107は、PN通信部104を介して、VPNルータ2配下のプライベートネットワークに参加している他の無線電話端末1と、受信電波強度およびバッテリ残量を含む端末状態を通信する。
状態検知部108は、自無線電話端末1の受信電波強度およびバッテリ残量を含む端末状態を検知する。
主制御部109は、自無線電話端末1の各部100〜108を統括的に制御する。また、主制御部109は、本実施の形態に係る内線電話システムに対する自無線電話端末1の加入処理および離脱処理を行う。さらに、主制御部109は、自無線電話端末1が内線電話システムに加入している場合に、この内線電話システムに加入しているすべての無線電話端末1のうち、いずれか一つの無線電話端末1のみが呼制御サーバとして機能するように、これらの無線電話端末1と連携して、呼制御サーバ機能の有効・無効を設定する。
図7は、無線電話端末1の動作を説明するためのフロー図である。なお、本フローは、無線電話端末1の電源が投入され、内線電話システムに加入していない状態から開始される。
主制御部109は、自無線電話端末1が本実施の形態に係る内線電話システムから離脱中に、マンマシンインターフェース部101を介してユーザから内線加入操作を受け付けると(S1でYES)、後述の内線加入処理を実施して(S2)、自無線電話端末1を内線電話システムに加入させる。そして、主制御部109は、自無線電話端末1が内線電話システムに加入している間、自無線電話端末1の呼制御サーバ機能が有効に設定されているか否かを監視し(S3)、有効に設定されているならば(S3でYES)、後述の各種設定・呼制御サーバ停止処理を実施し(S4)、無効に設定されているならば(S3でNO)、後述の各種設定・呼制御サーバ起動処理を実施する(S5)。
また、主制御部109は、自無線電話端末1が本実施の形態に係る内線電話システムに加入中に、マンマシンインターフェース部101を介してユーザから内線離脱操作を受け付けると(S6でYES)、後述の内線離脱処理を実施して(S7)、自無線電話端末1を内線電話システムから離脱させる。
図8は、図7に示す内線加入処理S2を説明するためのフロー図である。
まず、主制御部109は、PN通信部104に、VPNルータ2配下のプライベートネットワークへの参加を指示する。これを受けて、PN通信部104は、VPN接続部103を制御して、自無線電話端末1をVPNルータ2にVPN接続する(S201)。これにより、自無線電話端末1をVPNルータ2配下のプライベートネットワークに参加させる。
つぎに、PN通信部104は、VPN接続部103を介してVPNルータ2配下のプライベートネットワークに、帰属要求を同報送信する(S202)。そして、帰属要求に対する応答である帰属許可通知を所定時間内に受信しなかった場合(S203でNO)、帰属要求を所定回数送信していないならば(S204でNO)、S202に戻って帰属要求を再度同報送信する。
一方、S203において、帰属要求に対する応答である帰属許可通知を所定時間内に受信した場合(S203でYES)、PN通信部104は、帰属許可通知の送信元アドレスを主制御部109に通知する。これを受けて、主制御部109は、IP電話処理部105に、帰属許可通知の送信元アドレスを通知して内線電話システムへの加入を指示する。
IP電話処理部105の登録要求部1051は、主制御部109から内線電話システムへの加入を指示されると、主制御部109より受け取った帰属許可通知の送信元アドレスを呼制御サーバ(呼制御サーバ機能を有効にしている無線電話端末1)のアドレスとして登録する。また、登録要求部1051は、PN通信部104を介して、呼制御サーバのアドレスにより特定される無線電話端末1に、登録要求を送信する(S205)。そして、この無線電話端末1から更新通知を受信し、この更新通知から内線電話システムに加入中の各無線電話端末1の端末情報を読み出して登録する。これにより、自無線電話端末1の内線電話機としての設定が完了する(S206)。
つぎに、IP電話処理部105の状態反映部1052は、登録要求送信元の無線電話端末1から状態通知を受信して、この状態通知に含まれている呼制御状態を自無線電話端末1に反映させる(S207)。例えば、状態通知に含まれている呼制御状態が待受中ならば、マンマシンインターフェース部101のディスプレイに待受画面を表示するなどして、自無線電話端末1の状態を待受中に移行させる。また、状態通知に含まれている呼制御状態が着信中ならば、マンマシンインターフェース部101のスピーカを着信鳴動させるとともに、マンマシンインターフェース部101のディスプレイに着信を表示するなどして、自無線電話端末1の状態を着信中に移行させる。また、状態通知に含まれている呼制御状態が通話中ならば、マンマシンインターフェース部101のディスプレイに通話中を表示するなどして、自無線電話端末1の状態を通話中に移行させる。また、状態通知に含まれている呼制御状態が保留中ならば、マンマシンインターフェース部101のディスプレイに保留中を表示するなどして、自無線電話端末1の状態を保留中に移行させる。
また、S204において、帰属要求を所定回数送信していた場合(S204でYES)、PN通信部104は、帰属許可通知の受信待ちのタイムアウトを主制御部109に通知する。これを受けて、主制御部109は、呼制御サーバ機能を有効に設定し(S208)、呼制御サーバ処理部106を起動する。
呼制御サーバ処理部106は、主制御部109によって起動されると、まず、IP電話網通信部102を介してIP電話網4(具体的にはIP電話網4上の図示していない呼制御サーバ)に、内線電話システムの外線番号および自無線電話端末1のアドレスを含む登録要求を送信して、自無線電話端末1をIP電話網4に登録する(S209)。
つぎに、主制御部109は、PN通信部104を介して、VPNルータ2配下のプライベートネットワークに、サーバ起動通知を同報送信して(S210)、所定時間が経過するまでの間、VPNルータ2配下のプライベートネットワークに参加している無線電話端末1から登録要求が送られてくるのを待つ。ただし、内線加入時に自無線電話端末1の呼制御サーバ機能を有効にする場合、VPNルータ2配下のプライベートネットワークに参加している無線電話端末1は自無線電話端末1だけである。したがって、登録要求は送られてこない。この場合、主制御部109は、呼制御サーバ処理部106に、自無線電話端末1の端末情報のみを呼制御対象の端末情報として登録する(S211)。これにより、呼制御サーバ処理部106に、自無線電話端末1の呼制御に必要な情報が設定される。
それから、主制御部109は、IP電話処理部105に呼制御サーバのアドレスとして自無線電話端末1のアドレスを登録するとともに、呼制御サーバ処理部106に登録されている呼制御対象(自無線電話端末1)の端末情報を登録する。これにより、自無線電話端末1の内線電話機としての設定が完了する(S212)。
図9は、図7に示す各種設定・呼制御サーバ停止処理S4を説明するためのフロー図である。
主制御部109は、定期的に到来する端末状態要求タイミングを監視する(S401)。そして、端末状態要求タイミングが到来したならば(S401でYES)、S403に進む。
また、主制御部109は、状態検知部108から自無線電話端末1の最新の端末状態を取得し、この端末状態に基づいて自無線電話端末1が呼制御サーバ条件に適合しているか否かを判断する(S402)。具体的には、自無線電話端末1のバッテリ残量が所定量以上残存し、かつ受信電波強度が所定値以上である場合に、自無線電話端末1が呼制御サーバ条件に適合していると判断し、自無線電話端末1のバッテリ残量が所定量未満あるいは受信電波強度が所定値未満の場合に、自無線電話端末1が呼制御サーバ条件に適合していないと判断する。そして、自無線電話端末1が呼制御サーバ条件に適合していないと判断したならば(S402でNO)、S403に進む。
S403において、状態通信部107は、PN通信部104を介して、内線電話システムに加入中の他の無線電話端末1各々に、端末状態要求を送信する(S403)。ここで、端末状態要求を、VPNルータ2配下のプライベートネットワークに同報送信してもよい。そして、状態通信部107は、PN通信部104を介して、これらの無線電話端末1から端末状態通知を受信して(S404)、主制御部109に通知する。
主制御部109は、状態通信部107から内線電話システムに加入中の他の無線電話端末1各々の端末状態通知を受け取ったならば、状態検知部108から自無線電話端末1の最新の端末状態を取得する。そして、状態通信部107から受け取った各端末状態通知により特定される他の無線電話端末1各々の端末状態と、状態検知部108から取得した自無線電話端末1の端末状態とを比較して、呼制御サーバの変更要否を判断する(S405)。具体的には、S402において自無線電話端末1が呼制御サーバ条件に適合していないと判断された結果、S405を実施する場合、この呼制御サーバ条件に合致する他の無線電話端末1が存在するならば、呼制御サーバの変更「要」と判断し、これらの無線電話端末1を予備サーバ候補に設定する。また、S401において端末状態要求タイミングの到来と判断された結果、S405を実施する場合、上述の呼制御サーバ条件に合致し、かつ自無線電話端末1より有利な端末状態(例えば自無線電話端末1よりバッテリ残量が多くかつ受信電波感度が強い)を有する他の無線電話端末1が存在するならば、呼制御サーバの変更「要」と判断し、これらの無線電話端末1を予備サーバ候補に設定する。一方、呼制御サーバの変更「不要」と判断した場合は、S413に進む。
つぎに、主制御部109は、呼制御サーバの変更「要」と判断したならば(S406でYES)、自無線電話端末1の代わりに呼制御サーバ機能を有効にすべき無線電話端末1である予備サーバを決定する(S407)。例えば、S405で設定された予備サーバ候補のなかで、最も端末状態の良好な無線電話端末1を予備サーバ1に決定する。
つぎに、主制御部109は、PN通信部104を介して、予備サーバに決定した無線電話端末1に、予備サーバ要求を送信する(S408)。そして、主制御部109は、PN通信部104を介して、この無線電話端末1から予備サーバ応答を受信したならば(S409)、PN通信部104を介して、内線電話システムに加入中の他の無線電話端末1各々に、サーバ停止通知を送信する(S410)。ここで、サーバ停止通知を、VPNルータ2配下のプライベートネットワークに同報送信してもよい。それから、主制御部109は、呼制御サーバ処理部106にIP電話網4への登録解除を指示する。これを受けて、呼制御サーバ処理部106は、IP電話網通信部102を介してIP電話網4(具体的にはIP電話網4上の図示していない呼制御サーバ)に、内線電話システムの外線番号および自無線電話端末1のアドレスを含む登録解除要求を送信して、IP電話網4から自無線電話端末1を登録解除する(S411)。無線電話端末1のIP電話網4への登録が解除されると、主制御部109は、呼制御サーバ機能を無効に設定し(S412)、呼制御サーバ処理部106を停止する。
また、主制御部109は、呼制御サーバ処理部106の稼働中に、PN通信部104を介して他の無線電話端末1から帰属要求を受信した場合(S413でYES)、帰属要求の送信元に帰属許可通知を送信して(S414)、この帰属要求の送信元から登録要求が送られてくるのを待つ。そして、呼制御サーバ処理部106に、受信した登録要求に含まれている内線番号、アドレスおよびユーザ情報を、呼制御対象の端末情報として登録する(S415)。これにより、呼制御サーバ処理部106に、登録要求の送信元の呼制御に必要な情報が設定される。
それから、主制御部109は、PN通信部104を介して登録要求の送信元に、呼制御サーバ処理部106に登録されている各呼制御対象の端末情報を含む更新通知を送信する。また、IP電話処理部105に、呼制御サーバ処理部106に追加登録された呼制御対象の端末情報を、内線電話システムに新たに加入した無線電話端末1の端末情報として登録する。これにより、自無線電話端末1の内線電話機の設定を更新する(S416)。
また、主制御部109は、呼制御サーバ処理部106の稼働中に、PN通信部104を介して他の無線電話端末1から離脱要求を受信した場合(S417でYES)、呼制御サーバ処理部106に登録されている呼制御対象の端末情報から、離脱要求の送信元の端末情報を削除する(S418)。また、主制御部109は、PN通信部104を介して、呼制御サーバ処理部106に端末情報が登録されている呼制御対象の無線電話端末1各々に、これらの呼制御対象の端末情報を含む更新通知を送信する。さらに、主制御部109は、IP電話処理部105に登録されている無線電話端末1の端末情報から離脱要求の送信元の端末情報を削除し、自無線電話端末1の内線電話機の設定を更新する(S419)。
図10は、図7に示す各種設定・呼制御サーバ起動処理S5を説明するためのフロー図である。
状態通信部107は、PN通信部104を介して端末状態要求を受信すると(S501でYES)、状態検知部108から自無線電話端末1の最新の端末状態を取得する(S502)。そして、PN通信部104を介して端末状態要求の送信元に、取得した端末状態を含む端末状態通知を送信する(S503)。
主制御部109は、PN通信部104を介して更新通知を受信すると(S504でYES)、IP電話処理部105に登録されている内線電話システムに加入中の各無線電話端末1の端末情報を、この更新通知に含まれている各無線電話端末1の端末情報に変更する。これにより、自無線電話端末1の内線電話機としての設定を更新する(S505)。
また、主制御部109は、PN通信部104を介してサーバ起動通知を受信すると(S506でYES)、サーバ起動通知の送信元を内線電話システムの新たな呼制御サーバとしてIP電話処理部105に登録する。これを受けて、IP電話処理部105の登録要求部1051は、サーバ起動通知の送信元に、自無線電話端末1の内線番号、アドレスおよびユーザ情報を含む登録要求を送信する(S507)。
また、主制御部109は、PN通信部104を介して予備サーバ要求を受信すると(S508でYES)、自無線電話端末1を予備サーバに設定するとともに、PN通信部104を介して予備サーバ要求の送信元に、予備サーバ応答を送信する(S509)。それから、主制御部109は、予備サーバ要求の送信元からサーバ停止通知が送られてくるのを待つ(S510)。
つぎに、主制御部109は、PN通信部104を介して予備サーバ要求の送信元からサーバ停止通知を受信すると(S510でYES)、呼制御サーバ機能を有効に設定し(S511)、呼制御サーバ処理部106を起動する。
呼制御サーバ処理部106は、主制御部109によって起動されると、まず、IP電話網通信部102を介してIP電話網4(具体的にはIP電話網4上の図示していない呼制御サーバ)に、内線電話システムの外線番号および自無線電話端末1のアドレスを含む登録要求を送信して、自無線電話端末1をIP電話網4に登録する(S512)。
つぎに、主制御部109は、PN通信部104を介して、VPNルータ2配下のプライベートネットワークに、サーバ起動通知を同報送信して(S513)、所定時間が経過するまでの間、VPNルータ2配下のプライベートネットワークに参加している無線電話端末1から登録要求が送られてくるのを待つ。そして、呼制御サーバ処理部106に、所定時間内に受信した登録要求各々に含まれている内線番号、アドレスおよびユーザ情報を、呼制御対象の端末情報として、自無線電話端末1の端末情報とともに登録する(S514)。これにより、呼制御サーバ処理部106に、内線電話システムに加入中の各無線電話端末1の呼制御に必要な情報が設定される。
それから、主制御部109は、PN通信部104を介して各登録要求の送信元に、呼制御サーバ処理部106に登録された各呼制御対象の端末情報を含む更新通知を送信する。また、IP電話処理部105に呼制御サーバのアドレスとして自無線電話端末1のアドレスを登録するとともに、呼制御サーバ処理部106に登録された各呼制御対象の端末情報を、内線電話システムに加入中の各無線電話端末1の端末情報として登録する。これにより、自無線電話端末1の内線電話機としての設定が完了する(S515)。
図11は、図7に示す内線離脱処理S7を説明するためのフロー図である。
まず、主制御部109は、呼制御サーバ機能が有効に設定されているか、つまり呼制御サーバ処理部106が稼働中か否かを判断する(S701)。
呼制御サーバ機能が有効に設定されている場合(S701でYES)、主制御部109は、状態通信部107に端末状態の取得を指示する。これを受けて、状態通信部107は、PN通信部104を介して、内線電話システムに加入中の他の無線電話端末1各々に、端末状態要求を送信する(S702)。ここで、端末状態要求を、VPNルータ2配下のプライベートネットワークに同報送信してもよい。そして、状態通信部107は、PN通信部104を介して、これらの無線電話端末1から端末状態通知を受信して(S703)、主制御部109に通知する。
主制御部109は、状態通信部107から内線電話システムに加入中の他の無線電話端末1各々の端末状態通知を受け取ったならば、これらの無線電話端末1の中から、自無線電話端末1の代わりに呼制御サーバ機能を有効にすべき無線電話端末1である予備サーバを決定する(S704)。例えば、受信した端末状態通知に含まれている端末状態が最も良好な無線電話端末1(具体的には、受信電話感度が所定値以上であり、かつバッテリ残量が最も多い無線電話端末1)を予備サーバ1に決定する。
つぎに、主制御部109は、PN通信部104を介して、予備サーバに決定した無線電話端末1に、予備サーバ要求を送信する(S705)。そして、主制御部109は、PN通信部104を介して、この無線電話端末1から予備サーバ応答を受信したならば(S706)、PN通信部104を介して、内線電話システムに加入中の他の無線電話端末1各々に、サーバ停止通知を送信する(S707)。ここで、サーバ停止通知を、VPNルータ2配下のプライベートネットワークに同報送信してもよい。それから、主制御部109は、呼制御サーバ処理部106にIP電話網4への登録解除を指示する。これを受けて、呼制御サーバ処理部106は、IP電話網通信部102を介してIP電話網4(具体的にはIP電話網4上の図示していない呼制御サーバ)に、内線電話システムの外線番号および自無線電話端末1のアドレスを含む登録解除要求を送信して、IP電話網4から自無線電話端末1を登録解除する(S708)。無線電話端末1のIP電話網4への登録が解除されると、主制御部109は、呼制御サーバ機能を無効に設定し(S709)、呼制御サーバ処理部106を停止する。
その後、主制御部109は、PN通信部104にVPNルータ2配下のプライベートネットワークからの離脱を指示する。これを受けて、PN通信部104は、VPN接続部103を制御し、VPNルータ2とのVPN接続を切断する(S710)。これにより、自無線電話端末1を内線電話システムから離脱させる。
一方、呼制御サーバ機能が無効に設定されている場合(S701でNO)、主制御部109は、PN通信部104を介して、呼制御サーバとして登録されている無線電話端末1に、自無線電話端末1の内線番号、アドレスおよびユーザ情報を含む離脱要求を送信する(S711)。その後、主制御部109は、PN通信部104にVPNルータ2配下のプライベートネットワークからの離脱を指示する。これを受けて、PN通信部104は、VPN接続部103を制御し、VPNルータ2とのVPN接続を切断する(S712)。これにより、自無線電話端末1を内線電話システムから離脱させる。
つぎに、本実施の形態に係る内線電話システムに加入中の無線電話端末1のグラフィカルユーザインターフェースについて説明する。ここでは、無線電話端末1のマンマシンインターフェース部101がタッチパネルを備えている場合を例にとり説明する。
図12(A)は、無線電話端末1の待受画面を示す図である。
図において、符号120は、自無線電話端末1の内線番号およびユーザ名を表示するアイコンであり、符号121は、本実施の形態に係る内線電話システムの外線番号を表示するアイコンである。また、符号122は、内線ユーザの一覧を表示する窓であり、この窓122のなかに、内線電話システムに加入中の無線電話端末1各々の内線番号およびユーザ名を表示するアイコン123が表示される。窓122のなかに表示されるアイコン123は、呼制御サーバとして機能している無線電話端末1から更新通知を受信することで更新される。また、符号124〜127は、それぞれ、通話履歴を呼び出すためのアイコン、ダイヤル操作画面を呼び出すためのアイコン、電話帳を呼び出すためのアイコン、各種設定画面を呼び出すためのアイコンである。また、符号128は、自無線電話端末1の呼制御サーバ機能の状態(有効か無効か)を示すアイコンである。また、符号129は、自無線電話端末1の受信電波状態を表示するアイコンであり、符号130は、自無線電話端末1のバッテリ残量を表示するアイコンである。
図12(B)は、本実施の形態に係る内線電話システムが外線着信中である場合の無線電話端末1の表示例を示す図である。
この例では、図12(A)に示す待受画面において、外線番号のアイコン121が強調表示されるとともに、外線着信中であることを示すポップアップ131がこのアイコン121に紐付けられて表示されている。無線電話端末1は、呼制御サーバとして機能している無線電話端末1から外線着信中であることを示す状態通知を受信すると、この状態通知に含まれている発信者番号を特定し、ポップアップ131を待受画面に表示するとともに、アイコン121を強調表示する。
図13(A)は、本実施の形態に係る内線電話システムに加入中のいずれかの無線電話端末1が外線通話中である場合の無線電話端末1の表示例を示す図である。
この例では、図12(A)に示す待受画面において、外線番号のアイコン121および外線通話中の無線電話端末1のアイコン123が強調表示されるとともに、外線通話中であることを示すポップアップ132がこれらのアイコン121、123に紐付けられて表示されている。無線電話端末1は、呼制御サーバとして機能している無線電話端末1から外線通話中であることを示す状態通知を受信すると、この状態通知に含まれている外線番号および無線電話端末1の内線番号を特定し、ポップアップ131を待受画面に表示するとともに、アイコン121、および通話の当事者である無線電話端末1のアイコン123を強調表示する。
図13(B)は、本実施の形態に係る内線電話システムに外線着信した呼が保留中ある場合の無線電話端末1の表示例を示す図である。
この例では、図12(A)に示す待受画面において、外線番号のアイコン121が強調表示されるとともに、外線保留中であることを示すポップアップ133がこのアイコン121に紐付けられて表示されている。無線電話端末1は、呼制御サーバとして機能している無線電話端末1から外線保留中であることを示す状態通知を受信すると、この状態通知に含まれている通話相手の外線番号を特定し、ポップアップ133を待受画面に表示するとともに、アイコン121を強調表示する。
以上、本発明の一実施の形態を説明した。
本実施の形態によれば、呼制御サーバ機能を有する複数の無線電話端末1を、それぞれVPNルータ2にVPN接続することにより、これらの無線電話端末1を同じプライベートネットワークに参加させて、これらの無線電話端末1のうち、呼制御サーバ機能を有効にしたいずれか一つの無線電話端末1に、これらの無線電話端末1の呼制御を実施させることができる。このため、複数の無線電話端末1がIP網3を介して地理的に離れた位置に分散している場合でも、これらの無線電話端末1を用いて、呼制御サーバを特別に設置することなく、内線電話システムを構築することができる。
本実施の形態によれば、VPNルータ2配下のプライベートネットワークに新たに参加した無線電話端末1が、呼制御サーバ機能を有効にしている無線電話端末1に登録要求を送信して、この呼制御サーバ機能を有効にしている無線電話端末1の呼制御状態を取得し、この呼制御状態に応じた処理を行う。このため、無線電話端末1は、例えば、VPNルータ2配下のプライベートネットワークに参加した時点において呼出中あるいは保留中であった呼に応答することができる。
また、本実施の形態によれば、無線電話端末1は、自身の呼制御サーバ機能が有効に設定されている場合に、本実施の形態に係る内線電話システムに加入中の他の無線電話端末1各々から、受信電波強度およびバッテリ残量を含む端末状態を取得する。そして、自無線電話端末1より有利な(より安定して呼制御サーバとして稼働できる)端末状態にある無線電話端末1が存在するならば、この無線電話端末1に呼制御サーバの役割を依頼して、自身の呼制御サーバ機能を無効に設定する。そして、呼制御サーバ機能を有効に設定している無線電話端末1から呼制御サーバの依頼を受けた無線電話端末1が、この呼制御サーバ機能を有効に設定している無線電話端末1が呼制御サーバ機能を無効にしたことを確認して、自無線電話端末1の呼制御サーバ機能を有効に設定する。したがって、本実施の形態によれば、内線電話システムに加入している無線電話端末1の中で、良好な端末状態を有する無線電話端末1が呼制御サーバ機能を有効にするように、呼制御サーバ機能を有効する無線電話端末1を自動的に変更することができる。このため、より安定的に内線電話システムを構築することが可能となる。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
例えば、上記の実施の形態では、内線電話システムに加入中のいずれか一つの無線電話端末1が呼制御サーバ機能を有効にしてIP電話網4に接続することにより、内線電話システムに加入中のすべての無線電話端末1のIP電話による外線通話を可能としている。しかし、本発明はこれに限定されない。本発明は、内線電話システムに加入中のいずれか一つの無線電話端末1が呼制御サーバ機能を有効にして電話網に接続することにより、内線電話システムに加入中のすべての無線電話端末1の外線通話を可能とするものであればよい。例えば、呼制御サーバ機能を有効に設定している無線電話端末1を、IP電話網4に代えて、携帯電話網に接続してもよいし、あるいは、PHS網に接続してもよい。
また、上記の実施の形態では、呼制御サーバ機能を有効に設定している無線電話端末1から内線電話システムに加入中の各無線電話端末1に送信される更新通知、状態通知等に含める端末情報に、内線番号およびアドレスに加えてユーザ情報を含めているが、ユーザ情報は省略してもよい。この場合、各無線電話端末1において、内線番号あるいはアドレスをキーにして、各無線電話端末1が備える電話帳からユーザ情報を検索すればよい。
また、上記の実施の形態において、VPNルータ2は、IP網3に有線接続されたものでもよいし、あるいは無線接続されたものでもよい。IP網3に無線接続されるVPNルータ2の場合、特定の無線電話端末1にVPNルータ2の機能を持たせてもよい。
また、上記の実施の形態において、図6に示す無線電話端末1の機能構成は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよいし、あるいはDSP(Digital Signal Processor)などの計算機によりソフトウエア的に実現されるものでもよい。または、CPU、メモリ、HDD、DVD−ROM等の補助記憶装置、および無線LANアダプタ等の無線通信機を備えたPC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートホン等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することで実現されるものでもよい。