以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、或いはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。また、以下の実施形態では、説明の便宜上、車体前後方向における前側を「前」、後側を「後」と称し、車高方向における上側を「上」、下側を「下」と称し、車体前方に向いて車幅方向における左側を「左」、右側を「右」と称する。
この実施形態では、本発明に係る送風装置について、これを適用した車両用の空調ユニットを例に挙げて説明する。図1は、この空調ユニット1が組み込まれたインストルメントパネル101(二点鎖線で示す)を車室内から見た正面図である。図2(a)は、このインストルメントパネル101の助手席側部分を示す斜視図である。図2(b)は、送風装置5の送風口123を正面から見たインストルメントパネル101の部分拡大図である。図3は、図2(a)のIII−III線における縦断面図である。
図1に示すインストルメントパネル101は、車両後方に向かって上側に傾斜した姿勢の図示しないフロントウインドガラスの下方で車室前部に配設されている。具体的には、インストルメントパネル101は、車幅方向に延びるインパネレインフォースメント(不図示)に支持されて車体に取り付けられることで、エンジンルームと車室とを区画するダッシュパネルの後方側(車室側)に装備されている。図示のインストルメントパネル101は、右ハンドル仕様車用のパネルである。
インストルメントパネル101は、図1及び図2(a)に示すように、速度計やエンジン回転計などの計器類及びウォーニングランプなどが取り付けられる樹脂製のインストルメントパネル本体103を備える。このインストルメントパネル本体103の助手席側下部には、車体後方に向けて開口する略矩形状の収容開口部105が設けられている。そして、インストルメントパネル101は、この収容開口部105に、例えば小物類を収容するための樹脂製のグローブボックス107が上開き可能に装着された構成を有する。
また、インストルメントパネル101は、車体後方に向かって膨出しつつ車幅方向に延びる形状を有している。このインストルメントパネル101において後方側に位置するインパネ後端部101aのうち収容開口部105の上側に位置する部分は、図2(a)及び図3に示すように、インストルメントパネル101のうちフロントウインドガラスに臨む上面部101bから後方側へ下向きに延び、当該上面部101bに対し後側下方に傾斜している。
また、インストルメントパネル101の車幅方向における中央部分には、同パネル101内に設置される空調ユニット1の温度、風向き及び風量を操作するダイヤル式の操作部を備える操作パネルやオーディオ機器などのAV機器が取り付けられるセンターパネル部109が設けられている。インストルメントパネル本体103のうちインパネ後端部101aの下端部分を構成する部分には、前方に凹む段差部111がこのセンターパネル部109とインストルメントパネル本体103の左端との間に亘って形成されている。
このインストルメントパネル本体103の段差部111には、当該段差部111の凹みを覆う加飾パネル113が取り付けられている。この加飾パネル113は、車幅方向に細長く延びる縦断面コ字状の樹脂成形品であって、段差部111の上側面に当接する上壁部113aと、この上壁部113aの後端から下方に延びて車室内空間に臨む主壁部113bと、この主壁部113bの下端から前方に延びる下壁部113cとを備える。インストルメントパネル本体103のうちこの加飾パネル113の下側には、収容開口部105の上側を仕切る上側仕切り壁114との間に送風口123が形成されている。
グローブボックス107は、収容物を収容するボックス本体115に収容開口部105を開閉するリッド部117が一体に接合された構造を有する。ボックス本体115は、前壁部115a、後壁部115b、底壁部115c及び左右の両側壁部115dで上方を開口させて形成されている。リッド部117は、収容開口部105とほぼ同じ略矩形状に形成されている。このリッド部117の前側表面には、複数の溶着リブ119が前方へ突出させて設けられている。そして、リッド部117は、これら複数の溶着リブ119をボックス本体115の後壁部115bの後側面に振動溶着により溶着させることでボックス本体115に接合されている。
ボックス本体115の後壁部115bは、図示しないが、ボックス本体115から車幅方向に張り出した部分を有し、その張り出した部分の下端前面に、車幅方向に貫通したC字状の嵌合溝を有する軸受が設けられている。他方、インストルメントパネル本体103における収容開口部105の左右の両側壁下部には、図示しない支軸が車幅方向に突出させて設けられている。グローブボックス107は、この支軸をボックス本体115の後壁部115bに設けられた軸受に回動可能に嵌合させることで、前後方向に回動するように構成されている。
グローブボックス107のリッド部117は、グローブボックス107を奥側に向けて前回りに回動させたときに、グローブボックス107が図3に示す閉じ位置となって収容開口部105を閉じるようになっている。また、リッド部117は、グローブボックス107を手前側(車室側)に向けて後回りに回動させたときに、グローブボックス107が開き位置となって収容開口部105を開くようになっている。
このグローブボックス107のリッド部117の上縁のうち車幅方向における中央部分には、切欠き部121が下方に凹んで一辺を上方に開放した車幅方向に延びる細長い略矩形状に形成されている。この切欠き部121の下面は、リッド部117が収容開口部105を閉じた状態で、インパネ後端部101aの下端、つまりインストルメントパネル本体103の段差部111下端及び加飾パネル113の下壁部113cと上下方向に隙間を隔てて対向することにより、これらインストルメントパネル本体103の段差部111下端及び加飾パネル113の下壁部113cと共に送風口123を形成している。
すなわち、送風口123は、インストルメントパネル本体101に形成された部分と、グローブボックス107のリッド部117に設けられた切欠き部121と加飾パネル113の下壁部113cとに囲まれて形成された部分とで構成される。送風口123は、車幅方向に細長く延びる扁平なスリット形状に形成されていて、風向きを制御するためのフィンやルーバーなどを備えていないシンプルな開口である。この送風口123の開口形状については後に詳述する。
空調ユニット1は、上記インストルメントパネル101の裏側に設置され、送風口123から車室内空間に空気を送風するようになっている。空調ユニット1は、図1に示すように、取り込んだ空気の温度を調節する空調装置3と、車室内又は車外の空気を取り込んで空調装置3に送り込むと共に、この空調装置3で温度調節された調和空気を車室内空間に送風する送風装置5とを備えている。
空調装置3は、図示しないが、例えば冷却用熱交換器と加熱用熱交換器とを備え、インストルメントパネル101のセンターパネル部109に設けられた操作パネルの温度操作部と車室内の温度を検出する温度センサとからの入力信号に基づいて調和空気の目標温度を設定し、両熱交換器のうち少なくともいずれか一方を駆動させることで目標温度に見合った温度の調和空気を生成するようになっている。
送風装置5は、車室内又は車外の空気を空調装置3に送風するブロア7と、空調装置3で生成された調和空気を通すエアダクト9と、空調装置3からエアダクト9に送風される送風量を制御する風量制御部11とを備えている。ブロア7は、空調装置3及び風量制御部11を介してエアダクト9に空気を送風する送風源である。エアダクト9は、両端が開放された筒状の吹出筒体13と、この吹出筒体13の左側の開放端に接続された左側ダクト15Lと、吹出筒体13の右側の開放端に接続された右側ダクト15Rとを備える。
左側ダクト15Lは、吹出筒体13の左側端部から同筒体13の右側にまで延びる形状を有し、吹出筒体13に沿って同筒体13の前側に位置している。この左側ダクト15Lのうち吹出筒体13との接続側とは反対側の開放端は、風量制御部11に接続されている。また、右側ダクト15Rのうち吹出筒体13との接続側とは反対側の開放端も、風量制御部11に接続されている。これら左側ダクト15L及び右側ダクト15Rは、各々接続された開放端から吹出筒体13の内部に調和空気を導入するようになっている。
左側ダクト15L及び右側ダクト15Rは共に、樹脂成形品であって、ブロー成形や射出成形などにより成形される。以降では、左側ダクト15L及び右側ダクト15Rについて区別しない場合には、単に「ダクト15」と称することがある。
図4は、図3のIV−IV線における断面図である。図5は、吹出筒体13とこれに収容される風向き制御部材29の分解斜視図である。図6は、送風口123及びその周辺の拡大断面図である。吹出筒体13は、図3及び図4に示すように、その筒長さ方向を車幅方向に沿わせた姿勢でインストルメントパネル101の裏側で送風口123の前側近傍に対応する箇所に設けられている。この吹出筒体13は、図5に示すように、その主体をなす円筒形の本体部17の周壁に、後方へ突出してその突出端に吹出口19を有する突出吹出部21が設けられた構成を有する。この吹出筒体13も、樹脂成形品であって、射出成形などにより成形される。
吹出筒体13の本体部17は円周状の内周面17aを有し、吹出筒体13の内周面17aのうち吹出口19に対応する部分も円周状に形成されている。突出吹出部21は、吹出筒体13の本体部17のうち筒長さ方向、つまり左右方向における両端部を除く部分に設けられている。この突出吹出部21は、上下方向に互いに対向する上壁部21a及び下壁部21bと、これら上壁部21aと下壁部21bとの間を左右両側で塞ぐ一対の側壁部21cとからなる。
突出吹出部21のうち上壁部21aと下壁部21bとは、吹出筒体13の本体部17から後方(突出端側)に向かって互いに接近するように吹出口19の開口中心線に対して傾斜している。具体的には、上壁部21aは、吹出筒体13の本体部17から後方に向かって斜め下方に延び、下壁部21bは、吹出筒体13の本体部17から後方に向かって斜め上方に延びている。そして、これら上壁部21a及び下壁部21bの吹出筒体13内側に面する内面は、吹出口19を境として上下方向の両側に位置し、吹出筒体13の本体部17から吹出口19に向かって互いに接近するように延びている。他方、突出吹出部21の各側壁部21cは、前後方向に互いに平行に延びている。
吹出口19は、これら上壁部21a及び下壁部21b、一対の側壁部21cの突出端で囲まれて、送風口123に対応して筒長さ方向に細長く延びる扁平なスリット形状に形成されている。吹出口19と送風口123とは、図6に示すように、これら吹出口19及び送風口123の両周縁部に全周に亘って密着する軟質のシール部材25を挟んで接続されており、製品誤差や組付けのばらつきによって吹出口19と送風口123との間に隙間が形成されるのを防止している。これによって、エアダクト9を通して送風口123に送られる空気がインストルメントパネル101の裏側に漏れることを防止でき、このような空気漏れに起因する送風量の低下を防ぐことができる。シール部材25は、例えばウレタン材やゴム材等などからなる。
また、吹出筒体13のうち一方の開放端(図5に示す例では右側の開放端)の周縁部において上側部分及び後側部分には、左右方向に凹条に延びると共に吹出筒体13の側方(図5に示す例では右側方)に開放された位置決め溝27が90度程度の間隔をあけて形成されている。この吹出筒体13の内部には、吹出口19から吹き出る風の向き、ひいては送風口123から車室内空間に吹き送られる風の向きを制御する風向き制御部材29が、上記位置決め溝27を用いて位置決めして収容されている。
風向き制御部材29は、図4及び図5に示すように、この吹出筒体13の内部中心に挿通された回転軸31と、この回転軸31を吹出筒体13の左右両側でそれぞれ回転自在に支持する一対の軸受け部33と、これら一対の軸受け部33の間で回転軸31に支持された可動仕切板35と、一対の軸受け部33の間で回転軸31の後方に配置された固定仕切板37とを備える。
各軸受け部33は、回転軸31が挿通される筒状の保持部39と、吹出筒体13の内周面に外周面を当接させて配置される円環状の外輪部41と、これら保持部39と外輪部41とを連結する複数(図5に示す例では4つ)の連結部43とを備え、これら保持部39、外輪部41及び連結部43が一体に形成されて車輪のような形状をなしている。
各連結部43は、保持部39から外輪部41の半径方向に真っ直ぐ延びる細い小片板状に形成されている。これら複数の連結部43は、互いに間隔をあけて、例えば保持部39の上下左右に四方へ放射状に延びるように配置されている。軸受け部33は、このように隣り合う連結部43の間を通して吹出筒体13の内部中央側へ調和空気を送れるようになっている。
また、各軸受け部33の後側部分には、隣り合う連結部43の間を部分的に閉塞する閉塞板45が設けられている。この閉塞板45は、後側に位置する連結部43の外側方、つまり左側にある軸受け部33であれば当該連結部43の左側、右側にある軸受け部33であれば当該連結部43の右側にそれぞれ一体に形成されている。そのことで、ダクト15から吹出筒体13の内部に導入された調和空気は、軸受け部33を通過する際に、閉塞板45で閉塞された後側部分からは吹出筒体13の内部中央側へ流れず、閉塞板45よりも吹出筒体13の背面側(前側)を通して吹出筒体13の内部中央側へ流れることとなる。
回転軸31は、これら一対の軸受け部33の各保持部39に挿通され、各軸受け部33から左右両側方に突出している。回転軸31のうち右側の軸受け部33から右方に突出した右端側の部分は、スピードナット47で留めることにより当該軸受け部33に抜け止めされている。また、回転軸31のうち左側の軸受け部33から左方に突出した左端側の部分は、左側ダクト15Lに形成された挿通孔49にも挿通されてエアダクト9の外部に突出している。
そして、回転軸31の左端部分は、エアダクト9の外側にて従動ギヤ51で留めることにより、左側ダクト15Lに抜け止めされている。この回転軸31の左端部分31aの外周面には、ローレット加工が施されており、この加工部分31aが従動ギヤ51の軸受孔に圧入されることで、従動ギヤ51が回転軸31の左端部分に固定されている。
可動仕切板35は、この回転軸31に沿って延びる矩形帯板状に形成されており、吹出筒体13内の吹出口19に対応する位置において、吹出筒体13の内部を回転軸31から当該吹出筒体13の内周面である円周状面17aに亘って半径方向に仕切っている。可動仕切板35のうち吹出筒体の円周状面17a側に位置する外端は、その円周状面17aに接しているか、若しくは吹出筒体13の円周状面17aから若干離間してその円周状面17aに近接した状態となっている。
可動仕切板35の左右両側には、当該可動仕切板35を回転軸31に取り付けるための一対の取付け片53が設けられている。この取付け片53は、回転軸31に挿通される挿通孔を有し、この挿通孔に回転軸31を圧入することで回転軸31に固定されている。こうして、可動仕切板35は、回転軸31の回転動作に伴い、回転軸31を中心に吹出筒体13の円周状面17aに沿う方向に回転可能であり、回転軸31と一体に回転させることで吹出筒体13の内部での仕切り位置を変えることが可能になっている。これによって、送風装置5は、吹出口19を通して送風口123から車室内空間に吹き送られる風の向きを上下方向で変えることができる。
すなわち、ダクト15から吹出筒体13の内部に導入された調和空気は、可動仕切板35の仕切り位置が所定の位置、例えば可動仕切板35の外端を前側寄りに向けた位置である場合に、この可動仕切板35により、吹出筒体13の内周面17aに沿って吹出筒体13の左側から見て時計回りに流れる上回り気流と反時計回りに流れる下回り気流とに分離される。上回り気流は、吹出筒体13の内周面のうち本体部17の上側から突出吹出部21の上壁部21aにかけての部分を経由して斜め下方に向かって吹出口19へ流れる。他方、下回り気流は、吹出筒体13の内周面のうち本体部17の下側から突出吹出部21の下壁部21bにかけての部分を経由して斜め上方に向かって吹出口19へ流れる。
これら2つの気流は、互いに逆回りに吹出筒体13の内周面に沿って吹出口へ流れ、吹出口19及びその付近にて衝突しつつ合流し、その合流した調和空気が吹出口19を通して送風口123から外部に吹き出される。可動仕切板35で分離される2つの気流は、吹出筒体13の内周面のうち可動仕切板35から吹出口19までの当該気流を沿わせる部分が長いほど、吹出口19から吹き出る際の指向性が高まる上に、当該気流が流れる空間が拡大し、それに伴い風量が増大する。このことから、可動仕切板35の仕切り位置を変えることによって、これら2つの気流による送風強さのバランスが変わり、吹出口19から吹き出る風の向きを上下方向で変えることができる。
送風装置5は、可動仕切板35の回転動作を操作する回転操作手段55をさらに備える。回転操作手段55は、上述した回転軸31の左端部分31aに固定された従動ギヤ51と、この従動ギヤ51と噛み合う駆動ギヤ57が出力軸に設けられたモータ59とを有する。モータ59は、正転と逆転とで回転方向を切替え可能なモータである。
可動仕切板35は、このモータ59を駆動させて、駆動ギヤ57の回転動力が従動ギヤ51を介し回転軸31に伝達されることで、回転軸31ともども回転する。回転操作手段55は、インストルメントパネル101のセンターパネル部109に設けられた操作パネルの風向き操作部からの風向きを設定する入力信号に基づき、モータ59の駆動及びその回転方向の切替えを実行し、可動仕切板35の回転動作を操作するようになっている。
また、固定仕切板37は、回転軸31に沿って延びる帯板状に形成され、回転軸31と僅かな隙間をあけて離間した状態で回転軸31と吹出口19との間に配置されており、可動仕切板35により分離される2つに気流(上回り気流及び下回り気流)が流れる空間を吹出口19手前で仕切っている。
固定仕切板37の左右両端は、対応する軸受け部33において保持部39の後側に位置する連結部43と一体に形成されている。換言すると、一対の軸受け部33のうち保持部39の後側に位置する両連結部43は、固定仕切板37を介して互いに連結されている。この固定仕切板37は、吹出口19側に臨む後端が左右方向において閉塞板45と並ぶ位置まで回転軸31側から吹出口19側に延びている。
また、一対の軸受け部33のうち一方の軸受け部33(図5に示す例では右側の軸受け部33)の外輪部41外周面において上側部分及び後側部分には、左右方向に凸条に延びる位置決め突片61が90度程度の間隔をあけて設けられている。風向き制御部材29は、これら位置決め突片61を吹出筒体13の位置決め溝27内に側方からスライドさせて嵌め入れることで、固定仕切板37の後端が吹出口19側に臨む所定の姿勢とした状態に位置決めされる。
風量制御部11は、図示しないが、左側ダクト15L及び右側ダクト15R毎にこれら各ダクト15への送風量を調節するダンパを備え、上記風向き操作部からの風向きを設定する入力信号に基づき、ブロア7により送風される左側ダクト15Lと右側ダクト15Rとに対する送風量、ひいては左側ダクト15Lから吹出筒体13の内部に送風される送風量と右側ダクト15Rから吹出筒体13の内部に送風される送風量とを個別に制御するようになっている。
上記構成の送風装置5では、回転操作手段55で可動仕切板35を回転させて可動仕切板35による吹出筒体13の内部での仕切り位置を変えることにより、吹出口19を通して送風口123から車室内空間に吹き送られる風の向きが上下方向に変えられ、且つ、左側ダクト15L及び右側ダクト15Rのうち少なくとも一方のダクト15からの吹出筒体13の内部に対する送風量を風量制御部11で変えることにより、送風口123から吹き送られる風の向きが左右方向で変えられる。
このように上下左右に風向きを調節可能な送風装置5の送風口123は、図2(b)及び図3に示すように、吹出口19側から車室内空間側に向かうに従って広がる略台形状の内部空間を有する形状に形成されている。
具体的には、インパネ後端部101aの下端のうち送風口123の内面上側を形成する部分、つまり加飾パネル113の下壁部113cは、車体後方に向かって上方に傾斜していて、吹出筒体13の突出吹出部21のうち上壁部21a内面の延長線上よりも上側に位置している。また、グローブボックス107のリッド部117に設けられた切欠き部121のうち送風口123の内面下側を形成する下面部分121aは、車体後方に向かって下方に傾斜していて、吹出筒体13の突出吹出部21のうち下壁部21a内面の延長線上よりも下側に位置している。こうして、送風口123の上下方向における幅は、吹出筒体13の吹出口19側から車室内空間側に向かうに連れて広がっている。
また、グローブボックス107のリッド部117上縁の切欠き部121のうち送風口123の車幅方向における左右両側面を形成する各側面部分121b,121cは、車体後方に向かって車幅方向における外側に傾斜している。すなわち、切欠き部121のうち送風口123の左側面を形成する側面部分121bは、車体後方に向かって左側に傾斜している。他方、切欠き部121のうち送風口123の右側面を形成する側面部分121cは、車体後方に向かって右側に傾斜している。こうして、送風口123の左右方向における幅は、吹出筒体13の吹出口19側から車室内空間側に向かうに連れて広がっている。送風口123は、上記のような形状に形成されていることで、吹出筒体13の吹出口19から吹き出される風を阻害しないようになっている。
以下に、送風装置5の風向き制御について、図7(a)〜(c)及び図8(a)〜(c)を参照しながら説明する。図7(a)〜(c)は、送風装置5での上下方向の風向き制御のバリュエーションの一例を示すインストルメントパネル101の送風口123及びその周辺の縦断面図である。図8(a)〜(c)は、送風装置5での左右方向の風向きのバリュエーションの一例を示すインストルメントパネル101の送風口123及びその周辺の横断面図である。
なお、これら図7(a)〜(c)及び図8(a)〜(c)中に実線で示す矢印は、吹出筒体13の内部での調和空気及び送風口123から送風される調和空気の流れを示している。また、図8(a),(b)中に一点鎖線で示す矢印は、吹出筒体13の内部に滞留した圧縮空気を示している。また、図8(a)〜(c)では、吹出筒体13だけを図示し、風向き制御部材29については図示を省略している。
まず、図7(a)〜(c)を参照しながら、送風装置5の送風口123から送風される風の向きを上下方向に制御する動作を説明する。
送風装置5は、操作パネルの風向き操作部から風向きを最も上向きに入力する入力信号が入力された場合には、必要に応じて回転操作手段55のモータ59を駆動させて可動仕切板35を回転させることにより、図7(a)に示すように、可動仕切板35の外端を吹出口19の上端縁寄りの位置に向けた状態とする。
この場合、ダクト15から吹出筒体13の内部に導入された調和空気は、吹出筒体13の内部と外部との気圧差により、吹出筒体13の内周面に沿って吹出筒体13の左側から見て反時計回りに流れ、当該内周面のうち本体部17の下側から下壁部21bを経由して斜め上方に向かって吹出口19へ流れ、吹出口19を通して送風口123から車室内空間へそのまま斜め上方に吹き送られる。こうして、送風口123から吹き送られる風の向きが最も上方に向けられる。
また、送風装置5は、風向き操作部から風向きを最も下向きに設定する入力信号が入力された場合には、必要に応じて回転操作手段55のモータ59を駆動させて可動仕切板35を回転させることにより、図7(b)に示すように、可動仕切板35の外端を吹出口19の下端縁寄りの位置に向けた状態とする。
この場合、ダクト15から吹出筒体13の内部に導入された調和空気は、吹出筒体13の内部と外部との気圧差により、吹出筒体13の内周面に沿って吹出筒体13の左側から見て時計回りに流れ、当該内周面のうち本体部17の上側から上壁部21aを経由して斜め下方に向かって吹出口19へ流れ、吹出口19を通して送風口123から車室内空間へそのまま下方に吹き送られる。こうして、送風口123から吹き送られる風の向きが最も下方に向けられる。
また、送風装置5は、風向き入力手段から風向きを上下方向の中央向きに設定する入力信号が入力された場合には、必要に応じて回転操作手段55のモータ59を駆動させて可動仕切板35を回転させることにより、図7(c)に示すように、可動仕切板35の外端を固定仕切板37とは正反対の方向に向けた状態とする。
この場合、ダクト15から吹出筒体13の内部に導入された調和空気は、可動仕切板35で下回り気流と上回り気流とに分離される。これら2つの気流は、互いに逆回りに吹出筒体13の内周面に沿って吹出口19へ流れ、吹出口19及びその付近にて衝突しつつ合流し、その合流した調和空気が吹出口19を通して送風口123から車室内空間に吹き送られる。
このとき、可動仕切板35で分離された下回り気流と上回り気流とによる調和空気の送風強さは、吹出筒体13の内部での可動仕切板35の仕切り位置が吹出筒体13の内部を上下半分に仕切る位置にあることから同じレベルになるので、ダクト15から吹出筒体13の内部に導入された導入空気は、送風口123から上下方向の中央に向けて吹き送られる。こうして、送風口123から吹き送られる風の向きが上下方向の中央に向けられる。
また、図示しないが、送風装置5は、風向き操作部から風向きを上下方向の中央向きに対して若干上向きに設定する信号が入力された場合には、必要に応じて回転操作手段55のモータ59を駆動させて可動仕切板35を回転させることにより、可動仕切板35の外端を上側斜め前方に向けた状態とする。
この場合、吹出筒体13の内部での可動仕切板35による仕切り位置が、吹出筒体13の内部を、上回り気流の流れる空間が相対的に狭く、下回り気流の流れる空間が相対的に広くなるように仕切る位置にあることから、下回り気流による調和空気の送風強さが上回り気流による調和空気の送風強さよりも強くなる。そのことで、ダクト15から吹出筒体13の内部に導入された調和空気は、下回り気流による風に押され、吹出口19を通して送風口123から車室内空間に上向き加減で吹き送られる。こうして、送風口123から吹き送られる風の向きが若干上方に向けられる。
また、送風装置5は、風向き操作部から風向きを上下方向の中央向きに対して若干下向きに設定する信号が入力された場合には、必要に応じて回転操作手段55のモータ59を駆動させて可動仕切板35を回転させることにより、可動仕切板35の外端を下側斜め前方に向けた状態とする。
この場合、吹出筒体13の内部での可動仕切板35による仕切り位置が、吹出筒体13の内部を、上回り気流の流れる空間が相対的に広く、下回り気流の流れる空間が相対的に狭くなるように仕切る位置にあることから、上回り気流による調和空気の送風強さが下回り気流による調和空気の送風強さよりも強くなる。そのことで、ダクト15から吹出筒体13の内部に導入された調和空気は、上回り気流による風に押され、吹出口19を通して送風口123から車室内空間に下向き加減で吹き送られる。こうして、送風口123から吹き送られる風の向きが若干下方に向けられる。
その他、送風装置5は、風向き操作部から上下方向における上記以外の風向きを設定する入力信号が入力された場合にも、吹出筒体13の内部での可動仕切板35による仕切り位置を回転操作手段55でその入力信号に応じた位置に変える。そのことにより、送風口123から車室内空間に吹き送られる風の向きが上下方向における所定の方向に向けられる。
次に、図8(a)〜(c)を参照しながら、送風装置5の送風口123から送風される風の向きを左右方向に制御する動作を説明する。
送風装置5は、風向き操作部から風向きを最も左向きに設定する入力信号が入力された場合には、風量制御部11によって、左側ダクト15Lに対する送風量をなくす、つまり左側ダクト15Lへの送風を止めると共に、右側ダクト15Rに対する送風量を上記操作パネルの風量操作部で乗員に設定された風量レベルの送風量として、右側ダクト15Rだけに空調装置3からの調和空気を送風する。
この場合、右側ダクト15Rから吹出筒体13の内部に導入された調和空気は、図8(a)に示すように、吹出筒体13の内部を右から左に流れ、その流れが吹出筒体13の内部と外部との気圧差により吹出口19側に誘導されて吹出口19に向かう斜め左方の流れに変わり、吹出口19を通して送風口123から車室内空間にそのまま斜め左方に吹き送られる。こうして、送風口123から吹き送られる風の向きが最も左方に向けられる。
また、送風装置5は、風向き操作部から風向きを最も右向きに設定する入力信号が入力された場合には、風量制御部11によって、右側ダクト15Rに対する送風量をなくす、つまり右側ダクト15Rへの送風を止めると共に、左側ダクト15Lに対する送風量を風量操作部で乗員に設定された風量レベルの送風量として、左側ダクト15Lだけに空調装置3からの調和空気を送風する。
この場合、左側ダクト15Lから吹出筒体13の内部に導入された調和空気は、図8(b)に示すように、吹出筒体13の内部を左から右に流れ、その流れが吹出筒体13の内部と外部との気圧差により吹出口19側に誘導されて吹出口19に向かう斜め右方の流れに変わり、吹出口19を通して送風口123から車室内空間へそのまま右方に吹き送られる。こうして、送風口123から吹き送られる風の向きが最も右方に向けられる。
また、送風装置5は、風向き操作部から風向きを左右方向の中央向きに設定する入力信号が入力された場合には、風量制御部11によって、左側ダクト15Lへの送風強さと右側ダクト15Rへの送風強さとが同じレベルとなるようにこれら左側ダクト15L及び右側ダクト15Rに対する送風量を、風量操作部で乗員に設定された風量レベルの送風量に設定する。
この場合、左側ダクト15L及び右側ダクト15Rから吹出筒体13の内部にそれぞれ導入された調和空気は、図8(c)に示すように、吹出筒体13の内部と外部との気圧差によって、吹出口19側に誘導され、吹出口19を通してから送風口123から車室内空間に吹き送られる。その過程で、左側ダクト15Lから吹出筒体13の内部に導入された調和空気と、右側ダクト15Rから吹出筒体13の内部に導入された調和空気とは、吹出口19及びその付近で衝突しつつ合流する。このとき、左側ダクト15Lから導入された調和空気と、右側ダクト15Rから導入された調和空気とは、送風強さが同じレベルであるので、送風口123から左右方向の中央に向けて吹き送られる。こうして、送風口123から吹き送られる風の向き左右方向の中央に向けられる。
また、図示しないが、送風装置5は、風向き操作部から風向きを左右方向の中央向きに対して若干左向きに設定する入力信号が入力された場合には、風量制御部11によって、右側ダクト15Rへの送風強さが左側ダクト15Lへの送風強さよりも強くなるようにこれら左側ダクト15L及び右側ダクト15Rに対する送風量を、風量操作部で乗員に設定された風量レベルの送風量に設定する。
この場合、左側ダクト15L及び右側ダクト15Rから吹出筒体13の内部にそれぞれ導入された調和空気は、吹出筒体13の内部と外部との気圧差によって、吹出口19側に誘導され、吹出口19及びその付近で衝突しつつ合流し、吹出口19を通して送風口123から車室内空間へ吹き送られる。このとき、右側ダクト15Rから導入された調和空気の送風強さが左側ダクト15Lから導入された調和空気の送風強さよりも強いので、これら左側ダクト15L及び右側ダクト15Rから吹出筒体13の内部に導入された調和空気は、右側ダクト15Rから吹出口19に向かって斜め左方に流れる風に押されて、送風口123から左向き加減で吹き送られる。こうして、送風口123から吹き送られる風の向きが若干左方に向けられる。
また、送風装置5は、風向き操作部から風向きを左右方向の中央向きに対して若干右向きに設定する入力信号が入力された場合には、風量制御部11によって、左側ダクト15Lへの送風強さが右側ダクト15Rへの送風強さよりも強くなるようにこれら左側ダクト15L及び右側ダクト15Rに対する送風量を、風量操作部で乗員に設定された風量レベルの送風量に設定する。
この場合、左側ダクト15L及び右側ダクト15Rから吹出筒体13の内部にそれぞれ導入された調和空気は、吹出筒体13の内部と外部との気圧差によって、吹出口19側に誘導され、吹出口19及びその付近で衝突しつつ合流し、吹出口19を通して送風口123から車室内空間へ吹き送られる。このとき、左側ダクト15Lから導入された調和空気の送風強さが右側ダクト15Rから導入された調和空気の送風強さよりも強いので、これら左側ダクト15L及び右側ダクト15Rから吹出筒体13の内部に導入された調和空気は、左側ダクト15Lから吹出口19に向かって斜め右方に流れる風に押されて、送風口123から右向き加減で吹き送られる。こうして、送風口123から吹き送られる風の向きが若干右方に向けられる。
その他、送風装置5は、風向き操作部から左右方向における上記以外の風向きを設定する入力信号が入力された場合には、風量制御部11によって、左側ダクト15Lへの送風強さと右側ダクト15Rへの送風強さとの関係がその入力信号に応じたバランスとなるようにこれら左側ダクト15L及び右側ダクト15Rに対する送風量を設定する。そのことにより、送風口123から車室内空間に吹き送られる風の向きが左右方向における所定の方向に向けられる。
以上の如く、送風装置5は、回転操作手段55で可動仕切板35の回転動作を操作することにより、送風口123から吹き送られる風の向きを上下方向で調節し、風量制御部11で左側ダクト15L及び右側ダクト15Rに対する送風量を個別に制御することにより、送風口123から吹き送られる風の向きを左右方向に調節することができる。また、これら上下方向と左右方向との風向き制御の組合せによれば、送風口123から車室内空間に吹き送られる風の向きを上下方向と左右方向との中間方向、つまり左上方向、右上方向、左下方向及び右下方向にも調節することができる。
−実施形態の効果−
この実施形態によると、インストルメントパネル101のうち上面部101bから下向きに延びるインパネ後端部101aの下端とグローブボックス107のリッド部117の上縁との間に送風口123を設けるようにしたから、送風口123が乗員の目に付き難い。また、インストルメントパネル101の裏側において送風口123に接続される吹出口19が周壁に設けられた吹出筒体13を車幅方向に沿わせた姿勢で備え、この吹出筒体13の内部に風向き制御部材29を設け、この風向き制御部材29で送風口123から吹き出される風の向きを上下方向で変えるようにしたので、送風口123を、風向きを制御するための可動式のフィンやルーバーなどを持たない開口だけのシンプルな構造とすることができる。これによって、送風口123をよりいっそう目立たなくすることができ、たとえ乗員の視界に入ってもグローブボックス107のリッド部117上縁とインストルメントパネル本体103との境界線(見切り線)と一体化し馴染んでいるので注意を引かず、インストルメントパネル101の意匠性を向上させることができる。
さらに、この実施形態によると、送風口123を上下方向における幅が吹出口19側から車室内空間側に向かうに従って広がる形状にしたので、吹出口19から吹き出される風が上下方向に風向きを変えても送風口123で阻害されることをなくせる。そのことで、吹出筒体13内の風向き制御部材29による上下方向への風向きの調節範囲が送風口123の空気吹出し側の開口幅で制限されるのを回避でき、送風口123から吹き送られる風の上下方向での風向きの調節範囲を広げることができる。
また、この実施形態によると、送風口123を左右方向における幅が吹出口19側から車室内空間側に向かうに従って広がる形状にしたので、吹出口19から吹き出される風が左右方向に風向きを変えても送風口123で阻害されることをなくせる。そのことで、吹出筒体13内の風向き制御部材29による左右方向への風向きの調節範囲が送風口123の空気吹出し側の開口幅で制限されるのを回避でき、送風口123から吹き送られる風の左右方向での風向きの調節範囲を広げることができる。これにより、送風口123の車幅方向における幅よりも左右方向に広い範囲に亘って送風口123から風を吹き送ることができ、その分だけ送風口123を車幅方向に短くして送風口123をよりいっそう目立たなくすることができる。
したがって、この実施形態によれば、インストルメントパネル101の意匠性を向上させ、且つ送風口123から吹き送られる風向きを上下方向に広い範囲で調節な可能な利便性に優れた送風装置5及びこれを備えた空調ユニット1を実現することができる。
しかも、この実施形態の送風装置5を構成する風向き制御部材29が収容された吹出筒体13を含むエアダクト9は、車両前後方向に設置スペースを大きく必要としないので、設置箇所の自由度が高くなり、従来は設置の難しかった助手席の正面におけるインストルメントパネル101の裏側にも設置することができる。
なお、上記実施形態では、送風口123がグローブボックス107のリッド部117上縁の車幅方向における中央部分に設けられているとしたが、これに限らず、送風口123は、グローブボックス107のリッド部117の上縁全体に沿って形成されていてもよい。すなわち、グローブボックス107のリッド部117の上縁が車幅方向に真っ直ぐ延び、このリッド部117の上端全体がインパネ後端部101aの下端と上下方向に隙間を隔てて対向することにより送風口123を形成していても構わない。
また、上記実施形態では、グローブボックス107のリッド部117上縁の切欠き部121のうち送風口123の車幅方向における左右両側面を形成する各側面部分121b,121cが車体後方に向かって車幅方向における外側に傾斜しているとしたが、これに限らず、切欠き部121のうち送風口123の左側面を形成する側面部分121bだけが車体後方に向かって車幅方向における外側(左側)に傾斜していてもよく、切欠き部121のうち送風口123の右側面を形成する側面部分121cだけが車体後方に向かって車幅方向における外側(右側)に傾斜していても構わない。
また、上記実施形態では、送風口123の左右方向における幅が吹出筒体13の吹出口19側から車室内空間側に向かうに連れて広がっているとしたが、これに限らず、送風口123の左右方向における幅は、前後方向において一定であってもよい。
また、上記実施形態では、加飾パネル113の下壁部113cとグローブボックス107の切欠き部121のうち下面部分121aとが吹出口側から車室内空間側に向かって互いに離間するように傾斜した構成を例に挙げて説明したが、これに限らず、例えば加飾パネル113の下壁部113c及び切欠き部121の下面部分121aのうち一方が前後方向に水平に延びていてもよく、要求される風向きの調節範囲を満足するように送風口123の上下方向における幅が吹出筒体13の吹出口19側から車室内空間側に向かうに連れて広がっていればよい。
また、上記実施形態では、可動仕切板35をモータ59の動力を利用して回転させる構成を例に挙げて説明したが、これに限らず、モータ59に代えて回転軸31を回転させるための操作レバーを回転操作手段55として設け、この操作レバーを用いて手動で可動仕切板35を回転させる構成であってもよい。
また、上記実施形態では、吹出筒体13の両端が開放され、吹出筒体13の両開放端に接続された各ダクト15とから同筒体13の内部に調和空気を導入し、少なくとも一方のダクト15からの吹出筒体13の内部に対する送風量を風量制御部11で変えることで送風口123から吹き送られる風の向きを左右方向で変えることが可能な構成について説明したが、これに限らず、吹出筒体13は一端だけが開放されて他端が閉塞されたものであって、吹出筒体13の一開放端に接続されたダクト15から同筒体13の内部に調和空気を導入し、可動仕切板35の回転動作によって送風口123から吹き送られる風の向きを上下方向だけに変える構成であってもよい。
また、上記実施形態では、風量制御部11が左側ダクト15L及び右側ダクト15Rに対する送風量を調節するダンパを備えているとしたが、左側ダクト15L及び右側ダクト15Rに対する送風量を個別に制御できるものであれば、ダンパ以外のもので左側ダクト15L及び右側ダクト15Rに対する送風量を調節してもよい。