JP6339884B2 - イミダゾール化合物およびそれを含有するリポソーム - Google Patents

イミダゾール化合物およびそれを含有するリポソーム Download PDF

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Description

本発明は、新規なイミダゾール化合物、好適にはリポソームの膜構成脂質として有用なイミダゾール化合物、およびそれを含有するリポソームに関する。
近年、外部のpHに応答して、リポソーム内部への有用物質の封入または標的細胞での放出を制御することのできるリポソームの検討がなされている。特に、核酸のような電荷を有する有効成分を送達するキャリアにおいて、pH依存的な電荷特性を有するpH応答性脂質をリポソームの膜構成脂質として使用することが検討されている(特許文献1)。
これまでに、イミダゾール部位を含む化合物(特許文献2、3)、ヒスチジン部位とグルタミン酸ジアルキルエステル部位を含む化合物(特許文献4)などがpH応答性脂質として開示されている。
特表2005−517739号公報 特表2005−526727号公報 米国特許第6093816号 国際公報2006/118327号パンフレット
しかし、pH応答性脂質として機能する公知のイミダゾール化合物、またはヒスチジン部位とグルタミン酸ジアルキルエステル部位を含む化合物において、化合物自体の安定性に問題があり、例えば、リポソームの膜構成脂質として使用するには十分ではなかった。
本発明は、化合物自体の安定性が高い、新規なイミダゾール化合物を提供することを解決すべき課題とした。また、本発明は、化合物自体の安定性が高く、リポソームの膜構成脂質として有用な、新規なイミダゾール化合物を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、分子末端に特定のジアルキルアミノ基を有し、かつ、分子内に特定の繰り返し構造を有する新規のイミダゾール化合物を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、課題を解決するための手段は以下の通りである。
[1] 下記一般式(1)で表される化合物であって、
Figure 0006339884
式(1)において、
Zは、置換基を有してもよいイミダゾリル基であり、
は、置換基を有してもよい炭素数1〜4のアルキレン基であり、
Xは、酸素原子または下記式(2)で表される基であり、
Figure 0006339884
*は、結合の位置であり、
nは、2〜4の整数であり、
mは、1〜20の整数であり、
は、炭素数1〜6の二価の連結基であり、
Yは、下記式(3)で表される基であり、
Figure 0006339884
およびRは、同一または異なって、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、
は、水素原子または置換基であり、
およびRは、同一または異なって、炭素数1〜40のアルキル基である、化合物。
[2] Lが、下記式(4)で表されるアルキレン基である、[1]に記載の化合物。
Figure 0006339884
式中、*は結合位置を表す。
[3] [1]または[2]に記載の化合物を含有するリポソーム。
本発明によれば、新規なイミダゾール化合物を提供することができる。また、本発明によれば、化合物自体の安定性が高く、リポソームの膜構成脂質として有用な、新規のイミダゾール化合物を提供することができる。
実施例1における化合物I−7のH−NMRの図である。 実施例2における化合物I−88のH−NMRの図である。 実施例3における化合物I−90のH−NMRの図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本明細書において、特にことわらない限り、置換基は下記の置換基群Aを意味する。置換基群Aに挙げられる置換基は、いずれもさらに置換基を有してもよい。
置換基群A:ハロゲン原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数3〜30のシクロアルキル基、炭素数5〜30のビシクロアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数3〜30のシクロアルケニル基、炭素数5〜30のビシクロアルケニル基、炭素数2〜30のアルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、複素環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、炭素数2から30のアルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、炭素数1〜30のアルキルスルホニルアミノ基、アリールスルフォニルアミノ基、メルカプト基、炭素数1〜30のアルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、炭素数1〜30のアルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、炭素数1〜30のアルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基、炭素数1〜30のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールアゾ基、複素環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、オキソ基
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
炭素数1〜30のアルキル基としては、直鎖状であっても分岐状であってもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基などが挙げられる。
炭素数3〜30のシクロアルキル基としては、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基などが挙げられる。
炭素数5〜30のビシクロアルキル基としては、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基などが挙げられる。
炭素数2〜30のアルケニル基としては、直鎖状であっても分岐状であってもよく、ビニル基、アリル基、プレニル基などが挙げられる。
炭素数3〜30のシクロアルケニル基としては、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基などが挙げられる。
炭素数5〜30のビシクロアルケニル基としては、ビシクロ[1,2,2]ヘプト−2−エン−1−イル基などが挙げられる。
炭素数2〜30のアルキニル基としては、エチニル基、プロパルギル基などが挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
複素環基としては、例えば、2−フラニル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリニル基などが挙げられる。
炭素数1〜30のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基などが挙げあれる。
アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基などが挙げられる。
複素環オキシ基としては、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基などが挙げられる。
アシルオキシ基としては、例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基などが挙げられる。
カルバモイルオキシ基としては、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基などが挙げられる。
炭素数2から30のアルコキシカルボニルオキシ基としては、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基などが挙げられる。
アリールオキシカルボニルオキシ基としては、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基などが挙げられる。
アシルアミノ基としては、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基などが挙げられる。
アミノカルボニルアミノ基としては、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。
アリールオキシカルボニルアミノ基としては、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。
炭素数1〜30のアルキルスルホニルアミノ基としては、例えば、メチルスルホニルアミノ基などが挙げられる。
アリールスルホニルアミノ基としては、例えば、フェニルスルホニルアミノ基などが挙げられる。
炭素数1〜30のアルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる。
アリールチオ基としては、例えば、フェニルチオ基などが挙げられる。
複素環チオ基としては、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基などが挙げられる。
炭素数1〜30のアルキルスルフィニル基としては、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基などが挙げられる。
アリールスルフィニル基としては、例えば、フェニルスルフィニル基などが挙げられる。
炭素数1〜30のアルキルスルホニル基としては、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基などが挙げられる。
アリールスルホニル基としては、例えば、フェニルスルホニル基などが挙げられる。
アシル基としては、例えば、ホルミル基、アセチル基、ピバロイル基などが挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、例えば、フェノキシカルボニル基などが挙げられる。
炭素数1〜30のアルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。
アリールアゾ基としては、例えば、フェニルアゾ基などが挙げられる。
本発明の一つの観点である、一般式(1)で表されるイミダゾール化合物(以下、本発明の化合物と称することがある)について詳述する。
Figure 0006339884
一般式(1)において、Zは置換基を有してもよいイミダゾリル基である。イミダゾリル基がL1に結合される位置は、特に限定されないが、例えば、1位、2位、4位、5位のいずれであってもよい。結合の位置は、2位、4位、5位であることが好ましく、4位、5位であることがより好ましい。
Zのイミダゾリル基が置換基を有する場合、置換基としては特に限定されないが、置換基群Aから選択される置換基であることが好ましく、メチル基、t−ブチル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、t−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基および9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基から選択される置換基であることがより好ましい。
Zとしては、無置換のイミダゾリル基であることがさらに好ましい。
一般式(1)において、Lは置換基を有してもよい炭素数1〜4のアルキレン基である。Lのアルキレン基の炭素数は、2〜4であることが好ましく、2〜3であることがより好ましく、2であることがさらに好ましい。
のアルキレン基が置換基を有する場合、置換基としては特に限定されないが、置換基群Aから選択される置換基であることが好ましく、置換基を有してもよいアミノ基であることがより好ましい。アミノ基の置換基としては、置換基群Aから選択される置換基であることが好ましく、t−ブトキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、フタロイル基、4−トルエンスルホニル基および2−ニトロベンゼンスルホニル基から選択される置換基であることがより好ましい。
のアルキレン基としては、下記式(4)で表される基であることが特に好ましい。
Figure 0006339884
式中、*は結合位置を表す。本発明では、*−CH<の結合位置が、一般式(1)の>C=O側と結合し、かつ*−CH2−の結合位置が、一般式(1)のZ側と結合することが好ましい。
一般式(1)において、Xは酸素原子または下記式(2)で表される基である。
Figure 0006339884
式(2)において、Rは水素原子または置換基を表す。置換基としては、置換基群Aの中から選ばれる窒素原子に置換可能な任意の基であることが好ましく、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、t−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基および9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基から選択される置換基であることがより好ましい。
Xとして、酸素原子、または式(2)で表される基においてRが水素原子として表される基であることが特に好ましい。
一般式(1)において、RおよびRは、同一または異なって、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基である。炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜3のアルキル基であることがさらに好ましい。RおよびRは、いずれも水素原子であるか、または、どちらか一方がメチル基であり、もう一方が水素原子であることが特に好ましい。
一般式(1)において、nは2〜4の整数であり、2〜3の整数であることが好ましく、2であることがより好ましい。
また、一般式(1)において、mは1〜20の整数であり、1〜10の整数であることが好ましく、1〜6の整数であることがより好ましく、1〜4の整数であることがさらに好ましく、1〜2の整数であることが特に好ましい。
一般式(1)において、Lは炭素数1〜6の二価の連結基である。Lは、炭素数1〜6の二価の連結基であれば特に限定されないが、置換基を有してもよい直鎖状、分岐状または環状のアルキレン基、アリーレン基であることが好ましく、炭素数2〜6の直鎖状のアルキレン基であることがより好ましい。
アルキレン基の置換基としては、特に限定されないが、置換基群Aから選択される置換基であることが好ましく、オキソ基であることがより好ましい。
一般式(1)において、Yは下記式(3)で表される基である。
Figure 0006339884
式(3)において、RおよびRは、同一または異なって、炭素数1〜40のアルキル基である。炭素数4〜32のアルキル基であることが好ましく、炭素数6〜28のアルキル基であることがより好ましく、炭素数8〜24のアルキル基であることがさらに好ましい。また、直鎖状、分岐状または環状であってもよく、置換基を有していてもよい。置換基としては、置換基群Aが挙げられる。
およびRは、同一または異なって、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、イコシル基、ドコシル基、テトラコシル基から選択される基であることが特に好ましい。
以下、本発明の一般式(1)で表される化合物の例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0006339884
Figure 0006339884
Figure 0006339884
Figure 0006339884
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Figure 0006339884
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Figure 0006339884
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本発明の一般式(1)で表される化合物は、特定のエーテル結合を繰り返し単位で含む構造と、ジアルキルアミノ基を有する末端構造を有する。
例えば、本発明の化合物をリポソーム膜構成脂質として使用する場合、末端にジアルキルアミノ基が効果的な疎水基として機能する。一方、エーテル結合を繰り返し単位で含む構造は親水性が高い構造であることから、リポソームの形成時には分散性の向上に寄与すると考えられる。本発明の一般式(1)で表される化合物は、これらの部分構造が機能することで、リポソーム膜構成脂質として非常に優れた効果を有する。
また、本発明の一般式(1)で表される化合物は、Lで表されるアルキレン基を有する。そのため、分子内環化反応を防ぐことができ、本発明の一般式(1)で表される化合物は、安定性に優れる。
以下に、一般式(1)で表される化合物の製造方法を示す。
一般式(1)で表される化合物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、公知のペプチド合成の方法を組み合わせて製造することができる。反応工程において、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基を保護あるいは脱保護することが必要な場合は、既知の任意の保護基を用いることができる。
必要に応じて溶媒の存在下で上記反応を行うことができる。使用される溶媒の種類は特に制限されず、例えば、水または任意の有機溶媒(テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ニトロメタン、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、プロパノール、酢酸メチル、酢酸エチル、ヘキサン、ヘプタン、N−メチルピロロドン、N−エチルピロリドンなど)および、これらの混合物などが挙げられる。
エステル化あるいはアミド化を行う必要がある場合は、酸触媒(例えば、硫酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸など)を用いる方法、縮合剤(例えば、1,3−ジシクロヘシシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、カルボニルジイミダゾール、N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール、3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジンなど)を用いる方法、エステル交換法、エステルからアミドへの交換など公知の任意の方法から選択して行うことができる。また、エステル化あるいはアミド化の反応は、液相中で行っても、固相合成法で行ってもよい。
一般式(1)で表される化合物および中間体の合成においては、必要に応じて未反応原料、副生成物、その他の不純物との分離精製を行ってもよい。分離精製は常法により行えばよく、例えば、有機溶媒を用いた抽出操作、再結晶、貧溶媒を用いた晶析、シリカゲルあるいは分子ふるいを用いたクロマトグラフィー法など既知の任意の方法から選択することができる。
本発明の別の観点である、一般式(1)で表されるイミダゾール化合物を含むリポソームについて詳述する。
本発明のリポソームは、本発明の化合物を含有するリポソームを含む組成物である。本発明のリポソームは、本発明の化合物の他に、リポソームを構成する脂質を少なくとも含有する。例えば、本発明のリポソームは、本発明の化合物、リポソームを構成する脂質、および細胞等に導入される物質(例えば、核酸等)と共に、物質を細胞等へ導入するための組成物として用いることができる。
本発明のリポソームにおいて、本発明の化合物の含有量は、導入される物質の種類、用途、組成物の形態等に応じて適宜決定すればよいが、全脂質量に対して0.5〜50モル%とするのが好ましく、1〜10モル%とするのがより好ましい。
本発明のリポソームに用いられる脂質としては、例えば、ホスファチジルエタノールアミン類、ホスファチジルコリン類、ホスファチジルセリン類、ホスファチジルイノシトール類、ホスファチジルグリセロール類、カルジオリピン類、スフィンゴミエリン類、プラスマロゲン類、ホスファチジン酸類などのリン脂質、コレステロール、コレスタノールなどのステロール類等を挙げることができ、これらは1種または2種以上を組み合せて用いることができる。このうち、リン脂質とステロール類を組み合わせて用いるのが好ましい。リン脂質における脂肪酸残基は特に限定されるものではないが、炭素数12〜18の飽和または不飽和脂肪酸残基を挙げることができ、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オレオイル基、リノレイル基等が好ましい。
本発明のリポソームでの脂質の配合量は、本発明の化合物を含めてリン脂質は全脂質量に対して50〜100モル%とするのが好ましく、60〜100モル%とするのがより好ましい。また、ステロール類は全脂質量に対して0〜50モル%であることが好ましく、0〜40モル%であることがより好ましい。
本発明のリポソームに適用される導入される物質としては、オリゴヌクレオチド、DNA、RNA、デオキシリボースとリボース両糖を含む核酸、合成人工核酸、PEG、抗体、膜透過性ペプチドや脂質等が直接結合した機能性人工核酸のいずれでもよく、例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド、アンチセンスDNA、アンチセンスRNA、siRNA、miRNAなどのショートオリゴヌクレオチド;酵素、サイトカイン等の生理活性物質;アンチセンスRNA、siRNA、miRNAをコードする遺伝子;ペプチド核酸等を挙げることができる。
本発明のリポソームは、水系溶媒に分散した形態であることが好ましく、一重層または多重層などの形態をとることができる。分散状態でのリポソームの粒径は限定されないが、平均粒径が5nm〜5μmであり、150〜250nmであることが好ましい。平均粒径の測定は、公知のものを利用することができ、限定されるものではないが、本発明のリポソームが分散した液を、水または用いた緩衝液に10〜50倍の範囲で希釈して、例えば、大塚電子株式会社のゼータ電位・粒径測定システムを用いて測定することができる。
本発明のリポソームの製造方法について説明する。製造方法は限定されないが、リポソームの構成成分全てまたは一部を有機溶媒等に溶解させ、エバポレータによる減圧乾固または噴霧乾燥機による噴霧乾燥などを行うことによって製造できる。そして、適宜必要に応じて、水系溶媒に分散したい場合、上記の乾燥した混合物を水系溶媒に添加し、さらにホモジナイザー等の乳化機、超音波乳化機、高圧噴射乳化機等により乳化することで製造することができる。
本発明のリポソームの水系溶媒(分散媒)の組成は、限定されないが、例えば、リン酸塩緩衝液、クエン酸塩緩衝液、リン酸塩緩衝化生理食塩液等の緩衝液、生理食塩水、細胞培養用の培地などを挙げることができる。
以下の実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
[実施例1:化合物I−7の合成]
下記の合成スキームに従って、化合物I―7を合成した。
Figure 0006339884
(中間体1の合成)
反応容器に、2−アミノエトキシエタノール10.0g(95.1mmol)、1−ブロモヘキサデカン58.1g(190.2mmol)、ジメチルスルホキシド100mL、炭酸カリウム52.6g(380.4mmol)を取り、内温60℃で2時間加熱したのち、内温80℃で4時間40分加熱した。室温に戻し、酢酸エチルを加え、分液ロートにて有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製を行って、中間体1を34.2g得た(収率65%)。H−NMRのデータにおいて、各プロトンのピークが特徴的な位置に観察されたことから、中間体1であると同定した。
(中間体2の合成)
反応容器に、N−α,N−τ−ジ(t−ブトキシカルボニル)−L−ヒスチジン・ジシクロヘキシルアンモニウム塩5.36g(10.0mmol)、ジクロロメタン50mLを取り、内温を0℃とした。塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド2.30g(12.0mmol)を加え、0℃で1時間撹拌した。中間体1 5.54g(10.0mmol)、4−ジメチルアミノピリジン122mg(1mmol)を加え、0℃で30分撹拌した後、25℃で12時間反応させた。溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製を行って、中間体2を7.0g得た(収率78%)。H−NMRのデータにおいて、各プロトンのピークが特徴的な位置に観察されたことから、中間体2であると同定した。
(化合物I−7の合成)
反応容器に、中間体2 4.95g(5.6mmol)、ジクロロメタン5mLを取り、内温0℃で撹拌して均一溶液とした。トリフルオロ酢酸5.0g(44.5mmol)を加え、内温0℃で30分間撹拌した後、トリフルオロ酢酸2.5g(22.3mmol)を加えて室温で3時間撹拌した。反応混合物を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で中和した後、酢酸エチルで有機層を抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、化合物I−7を1.87g得た(収率49%)。H−NMRのデータにおいて、各プロトンのピークが特徴的な位置に観察されたことから、化合物I−7であると同定した。
[実施例2:化合物I−88の合成]
下記の合成スキームに従って、化合物I―88を合成した。
Figure 0006339884
(中間体3の合成)
反応容器に、8−(t−ブトキシカルボニル)アミノ−3,6−ジオキサオクタン酸・ジシクロヘキシルアンモニウム塩2.0g(4.5mmol)、テトラヒドロフラン20mLを取り、内温0℃とした。カルボニルジイミダゾール729.4mg(4.95mmol)を加え、内温0℃で30分間、次いで、内温25℃で30分間撹拌した。ジヘキサデシルアミン2.31g(4.95mmol)を加え、室温で12時間、次いで50℃で7時間撹拌した。
反応混合物に酢酸エチルを加え、水、飽和食塩水にて順次洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後に、溶媒を減圧留去した。得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、中間体3を1.77g(収率55%)得た。H−NMRのデータにおいて、各プロトンのピークが特徴的な位置に観察されたことから、中間体3であると同定した。
(中間体4の合成)
反応容器に、中間体3 1.77g(1.49mmol)、ジクロロメタン20mLを取り、内温0℃で撹拌して均一溶液とした。トリフルオロ酢酸2.8g(25mmol)を加え、内温0℃で1時間撹拌した後、室温で12時間撹拌した。反応混合物を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で中和した後、酢酸エチルで有機層を抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、中間体4を993mg得た(収率65%)。H−NMRのデータにおいて、各プロトンのピークが特徴的な位置に観察されたことから、中間体4であると同定した。
(中間体5の合成)
反応容器に、中間体4 993mg(1.6mmol)、ビス(BOC)−L−ヒスチジン−N−ヒドロキシスクシイミジルエステル809mg(1.8mmol)、テトラヒドロフラン5mLを取り、0℃で撹拌した。トリエチルアミン181mg(1.8mmol)を加え、25℃に昇温して12時間撹拌した。酢酸エチルを加え、クエン酸水溶液、水で順次洗浄した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機層を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、中間体5を1.41g得た(収率91%)。H−NMRのデータにおいて、各プロトンのピークが特徴的な位置に観察されたことから、中間体5であると同定した。
(化合物I−88の合成)
反応容器に、中間体5 1.41g(1.48mmol)、ジクロロメタン2mLを取り、0℃で溶解させた。トリフルオロ酢酸1.66g(14.8mmol)を加え、0℃で1時間、25℃で3時間撹拌した。反応混合物を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で中和した後、酢酸エチルで有機層を抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、化合物I−88を833mg得た(収率75%)。H−NMRのデータにおいて、各プロトンのピークが特徴的な位置に観察されたことから、化合物I−88であると同定した。
[実施例3:化合物I−90の合成]
下記の合成スキームに従って、化合物I―90を合成した。
Figure 0006339884
(中間体6の合成)
反応容器に、11−(t−ブトキシカルボニル)アミノ−3,6, 9−トリオキサウンデカン酸・ジシクロヘキシルアンモニウム塩1.1g(2.33mmol)、テトラヒドロフラン20mLを取り、内温0℃とした。カルボニルジイミダゾール416.1mg(2.56mmol)を加え、内温0℃で30分間、次いで、内温25℃で30分間撹拌した。ジヘキサデシルアミン1.09g(2.33mmol)を加え、室温で2時間、次いで40℃で6時間撹拌した。
反応混合物に酢酸エチルを加え、水、飽和食塩水にて順次洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後に、溶媒を減圧留去した。得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、中間体3を1.04g(収率59%)得た。H−NMRのデータにおいて、各プロトンのピークが特徴的な位置に観察されたことから、中間体6であると同定した。
(中間体7の合成)
反応容器に、中間体6 1.04g(1.38mmol)、ジクロロメタン3mLを取り、内温0℃で撹拌して均一溶液とした。トリフルオロ酢酸1.5g(13.8mmol)を加え、内温0℃で1時間撹拌した後、室温で12時間撹拌した。反応混合物を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で中和した後、酢酸エチルで有機層を抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、中間体7を789mg得た(収率87%)。H−NMRのデータにおいて、各プロトンのピークが特徴的な位置に観察されたことから、中間体4であると同定した。
(中間体8の合成)
反応容器に、中間体7 789mg(1.2mmol)、ビス(BOC)−L−ヒスチジン−N−ヒドロキシスクシイミジルエステル600mg(1.3mmol)、テトラヒドロフラン10mLを取り、0℃で撹拌した。トリエチルアミン131mg(1.3mmol)を加え、25℃に昇温して12時間撹拌した。酢酸エチルを加え、クエン酸水溶液、水で順次洗浄した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機層を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、中間体8を919mg得た(収率77%)。H−NMRのデータにおいて、各プロトンのピークが特徴的な位置に観察されたことから、中間体8であると同定した。
(化合物I−90の合成)
反応容器に、中間体8 919mg(0.93mmol)、ジクロロメタン2mLを取り、0℃で溶解させた。トリフルオロ酢酸2.07g(18.5mmol)を加え、0℃で1時間、25℃で3時間撹拌した。反応混合物を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で中和した後、酢酸エチルで有機層を抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、化合物I−90を306mg得た(収率42%)。H−NMRのデータにおいて、各プロトンのピークが特徴的な位置に観察されたことから、化合物I−90であると同定した。
[実施例4:化合物I−7を用いたリポソームの調製]
油相の調製
(コアセルベーション法)
L-α-ジパルミトイルホスファチジルコリン、化合物I−7、コレステロール、N−(カルボニル−メトキシポリエチレングリコール2000)−1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミンナトリウム塩(以下、DSPE−PEG)を26/22/44/4のモル比となるようそれぞれ31mg、38mg、33mg、19mg量りエタノール0.3mL、酢酸エチル0.7mLを加えて溶解させ、油相とした。
核酸保持リポソームの調整
上述の工程で得た油相に、後述のsiRNA5mgを滅菌水0.263mLで溶解した核酸水溶液0.25mL、さらに滅菌水を1.0mL添加し、55℃で10分間加熱した。その後攪拌しながら室温で放冷した。つづいて100mMヒスチジン溶液を用いて室温で透析し、エタノール/酢酸エチル混合溶媒を除去した。得られた液をエクストルーダー(Avanti Polar Lipids社製Mini Extruder)を用い、0.4μmフィルターを通過させることで整粒して、核酸保持リポソームを得た。
[実施例5:化合物I−88を用いたリポソームの調製]
油相の調整においてL-α-ジパルミトイルホスファチジルコリン、化合物I−88、コレステロール、DSPE−PEGを26/22/44/4のモル比となるようそれぞれ31mg、40mg、33mg、19mg量り取った以外は実施例4と同様に調整した。
[実施例6:化合物I−90を用いたリポソームの調製]
油相の調整においてL-α-ジパルミトイルホスファチジルコリン、化合物I−90、コレステロール、DSPE−PEGを26/22/44/4のモル比となるようそれぞれ38mg、40mg、33mg、19mg量り取った以外は実施例4と同様に調整した。
[比較例1:比較化合物を用いたリポソームの調製]
油相の調整においてL-α-ジパルミトイルホスファチジルコリン、特許文献4(国際公報2006/118327号パンフレット)に記載の下記化合物C−1、コレステロール、DSPE−PEGを26/22/44/4のモル比となるようそれぞれ38mg、38mg、33mg、19mg量り取った以外は実施例2と同様に調整した。
特許文献4に記載の化合物C-1は、以下の化合物である。
Figure 0006339884
化合物C−1は、国際公報2006/118327号パンフレットに記載の合成法を用いて得た。
siRNAは以下の配列のものを使用した。
5’−GUUCAGACCACUUCAGCUU−3’(sense鎖)(配列番号1)
3’−CAAGUCUGGUGAAGUCGAA−5’(antisense鎖)(配列番号2)
粒径の測定
脂質粒子の粒径は、脂質粒子分散液を水、または用いた緩衝液に10〜50倍の範囲で希釈して大塚電子株式会社のゼータ電位・粒径測定システムを用いて測定した。
表1に実施例1〜3の化合物を用いて実施例4〜6で調製したリポソームと、比較例1で調製したリポソームの粒径およびゼータ電位の評価結果を示す。
Figure 0006339884
実施例1、実施例2、および実施例3で得られた化合物はいずれも非常に安定であり、リポソーム膜構成脂質としても非常に有用であった。また、実施例4、実施例5、および実施例6で調製したリポソームも非常に安定であり、核酸送達キャリアとして非常に有用であった。しかしながら、比較例1で調製したリポソームは、リポソーム形成直後から凝集物(沈殿物)を与え、リポソームの安定性が十分でなかった。
細胞における標的mRNA残存率の評価
(1)脂質粒子の細胞へのトランスフェクション
0.9×103個のTOV112D細胞(ヒト卵巣癌細胞株)を播種した24穴プレートに対し、翌日、培地を200μLのOpti-MEM(登録商標)に交換した。次に、処理濃度の3倍濃度になるようにOpti-MEM(登録商標)で希釈した100μLの実施例4〜6で調製したリポソーム分散液を24穴プレートに添加した(全液量300μl)。その後、5%COインキュベーター中で24時間から48時間培養した。
(2)全RNA抽出
培養後、RNeasy Mini Kit(QIAGEN社、登録商標)を用いて細胞から全RNAを抽出した。抽出後の全RNA濃度の吸光度を測定後、RNA濃度が5ng/μLとなるようにRNase free水で希釈した。
(3)定量PCR反応
逆転写反応とPCR反応はQUANTIFAST PROBE RTPCR KIT(QIAGEN社、登録商標)を用いて行った。用いたsiRNA遺伝子に対するプライマー/プローブはTaqMan Gene expression assay(ABI、登録商標)を使用し、Mx3000P(アジレント・テクノロジー株式会社、登録商標)を用いて定量PCRを実施した。PCRのコンディションは50℃ 30分;95℃ 15分;94℃ 15秒;60℃ 30秒 (40 サイクル)とした。内部標準はTaqMan Encogeneous Control Human ACTB(ABI、登録商標)を使用した。得られたデータは△△CT法を用いトランスフェクション未処理に対する相対定量でmRNA残存率として算出した。
表2に実施例4〜6で調製したリポソームのmRNA残存率の評価結果を示す。
Figure 0006339884
上記の結果から、実施例4〜6に示す本発明の化合物と核酸を含むリポソーム分散液は、いずれも高いmRNAの産生抑制効果を示し、細胞外(血中)で核酸分子を安定に保持することができ、速やかに細胞質中で核酸を放出して標的細胞内で効率よく核酸本来の機能を発揮させることができることがわかった。すなわち、本発明の化合物を含むリポソームは、核酸キャリアとして有用である。
本発明の化合物は、新規なイミダゾール化合物である。また、本発明の化合物は、安定性が高く、リポソームの膜構成脂質として用いることができる。さらに、本発明の化合物を含むリポソームは、核酸キャリアとして有用である。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物であって、
    Figure 0006339884
    式(1)において、
    Zは、置換基を有してもよいイミダゾリル基であり、
    は、置換基を有してもよい炭素数1〜4のアルキレン基であり、
    Xは、酸素原子または下記式(2)で表される基であり、
    Figure 0006339884
    *は、結合の位置であり、
    nは、であり、
    mは、1〜20の整数であり、
    は、置換基を有してもよい、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状または環状のアルキレン基またはアリーレン基であり、
    Yは、下記式(3)で表される基であり、
    Figure 0006339884
    およびRは、同一または異なって、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、
    は、水素原子または置換基であり、
    およびRは、同一または異なって、置換基を有してもよい炭素数1〜40のアルキル基であり、
    置換基は、置換基群Aから選択される置換基である、化合物。
    置換基群A:ハロゲン原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数3〜30のシクロアルキル基、炭素数5〜30のビシクロアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数3〜30のシクロアルケニル基、炭素数5〜30のビシクロアルケニル基、炭素数2〜30のアルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、炭素数2から30のアルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、炭素数1〜30のアルキルスルホニルアミノ基、アリールスルフォニルアミノ基、メルカプト基、炭素数1〜30のアルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、炭素数1〜30のアルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、炭素数1〜30のアルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基、炭素数1〜30のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールアゾ基、複素環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、オキソ基:
  2. が、下記式(4)で表されるアルキレン基である、請求項1に記載の化合物。
    Figure 0006339884
    式中、*は結合位置を表す。
  3. 請求項1または2に記載の化合物を含有するリポソーム。
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