JP6339475B2 - 眼鏡フレームの跳ね上げ機構 - Google Patents
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Description
この種の跳ね上げ機構の中には、眼鏡レンズの跳ね上げ方向に回転するカムと、このカムの周面に形成された被係合部と係合する係合部材と、この係合部材を前記被係合部に押し付ける弾性部材とを有する構成のものがある(例えば特許文献1参照)。
カム等を用いた機械式のものは、任意の角度位置にレンズを位置決めすることができるものの、構成が複雑になって故障の原因になったり、価格が高くなる等の問題がある。また、着脱自在な補助眼鏡も市販されているが、着脱のために跳ね上げとは別の機構が必要になったり、価格がさらに高くなる等の問題がある。
そこで、磁石を用いて補助メガネを眼鏡のフレーム本体に着脱自在に取り付けるようにしたり、跳ね上げたときなどに補助眼鏡のレンズ位置を固定するようにするなど、上記した機械式の跳ね上げ機構の一部を補う技術も種々提案されている(例えば特許文献2,3参照)。
前記第一の磁着体又は前記第二の磁着体を設ける位置は、跳ね上げ機能を阻害しないところであれば特に限定されず、フレームのブリッジ部分やレンズの上方の部分であってもよい。また、請求項2に記載するようにレンズ又はフレームに埋設してもよい。跳ね上げ機構は一カ所であってもよいが二カ所に設けてもよい。
また、「角形」には、所定の回動角度位置で前記眼鏡レンズを位置決めできる範囲内であれば、転動しやすいように一部又は全部の角部が面取りされたものも含まれる。
請求項3に記載するように、前記転動面の一端又は両端に、前記第二の磁着体の転動又は移動を規制するストッパを設けてもよい。
なお、請求項5に記載するように前記第二の磁着体が五角以上の多角形であるものとしてもよい。また、眼鏡レンズは別の枢着機構によってフレームに対して取り付けられていてもよいが、請求項6に記載するように前記第一の磁着体と前記第二の磁着体とにより着脱自在に前記眼鏡フレームに取り付けられていてもよい。
なお、本発明においては、前記転動面上に前記第一の磁着体のN極とS極とが交互に配置されていて、前記第二の磁着体が転動することで前記第二の磁着体のS極とN極が前記第一の磁着体のN極とS極に磁着されるように構成してもよい。
図1は、本発明の跳ね上げ機構を備えた眼鏡の一実施形態にかかり、その全体構成を説明する斜視図である。
なお、この実施形態では、眼鏡のフロントフレームに取り付けた補助眼鏡のレンズを本発明の跳ね上げ機構により跳ね上げ自在としたものを例に挙げて説明する。
本発明の跳ね上げ機構3は、フロントフレーム13と補助眼鏡2のフレーム23との間に設けられ、跳ね上げ機構3により補助眼鏡2のレンズ24をフレーム23とともに眼鏡1に対して跳ね上げることができるようになっている。
図2は、本発明の跳ね上げ機構の第一の実施形態にかかり、(a)は補助眼鏡2のレンズ24を降ろして眼鏡1のレンズ14の前面に位置させた状態を示す側面図、(b)はレンズ24を跳ね上げる途中の状態を示す側面図、(c)はレンズ24を跳ね上げた状態を示す側面図である。
この実施形態の跳ね上げ機構(符号31で示す)は、眼鏡1のフロントフレーム13に形成された支持体311と、この支持体311の前面に突出して設けられた第一の磁着体312とを有している。
第二の磁着体313は四角形状に形成され、第一の磁着体312の先端は平坦状の転動面312aとして形成されている。そして、この第二の磁着体313の一面を第一の磁着体312の転動面312aに磁着させることで、補助眼鏡2がフロントフレーム13に装着される。
この実施形態では、第一の磁着体312及び第二の磁着体313のいずれか一方が磁石で形成され、他方が鋼やステンレス等の磁着性金属で形成されている。磁石としては、永久磁石の中で最も強力な磁着力を有するネオジウム磁石を用いるのが好ましい。
第二の磁着体313に、第一の磁着体312と第二の磁着体313との磁着力に抗した力で、図2の紙面に直交する軸を中心とする回転力を付与すると、第二の磁着体313は第一の磁着体312に磁着されたまま転動面312a上で回転する。
補助眼鏡2のレンズ24を眼鏡1のレンズ14の前面に位置させた状態(図2(a)の状態)から、レンズ24をレンズ14に対して跳ね上げ方向(図2(b)の矢印Iで示す方向)に回転させると、第二の磁着体313が第一の磁着体312に磁着されたまま転動面312a上で回転する(図2(b)参照)。
そして、レンズ24をほぼ水平位置まで回転させたときに、第二の磁着体313の前記一面に隣接する他面が転動面312aに磁着される。
これにより、レンズ24が前記水平位置で固定される(図2(c)参照)。
図3は、本発明の跳ね上げ機構の第二の実施形態にかかり、(a)はレンズ24を降ろして眼鏡1のレンズ14の前面に位置させた状態を示す側面図、(b)はレンズ24を跳ね上げた状態を示す側面図である。
この実施形態の跳ね上げ機構(符号32で示す)において第一の磁着体322はレンズ14に埋め込まれ、第二の磁着体323はレンズ24に埋め込まれている。また、第一の磁着体322は、レンズ14の前面側に露出する転動面322aにS極を有する磁石322bと転動面322aにN極を有する磁石322cとから構成されている。
この実施形態のようにレンズ14,24に磁石322b,322c及び第二の磁着体323を埋め込む場合は、埋め込みを容易にするためにこれらの磁石の形状を円柱状とするとよい。
なお、レンズ24をレンズ14の前面に位置させたときにレンズ14,24の間に若干の隙間ができるように、第二の磁着体323の一端をレンズ24の後面から少し突出させるとよい。
レンズ24をレンズ14の前面に位置させた状態(図3(a)の状態)から、レンズ24をレンズ14に対して跳ね上げ方向(図3(b)の矢印IIで示す方向)に回転させると、第二の磁着体323が第一の磁着体322に磁着されたまま転動面322a上で回転する。
そして、レンズ24をほぼ水平位置まで回転させたときに、第二の磁着体323のN極が磁石322bのS極に対峙し、S極が磁石322cのN極に対峙して第二の磁着体323が転動面322aに磁着される。これにより、レンズ24が前記水平位置で固定される(図3(b)参照)。
図4は、本発明の跳ね上げ機構の第三の実施形態にかかり、(a)はレンズ24を降ろして眼鏡1のレンズ14の前面に位置させた状態を示す側面図、(b)はレンズ24を跳ね上げた状態を示す側面図である。
この実施形態の跳ね上げ機構(符号33で示す)の基本構成は第一の実施形態の跳ね上げ機構31と同じとしてあるので、第一の実施形態と同一部位、同一部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図5は、本発明の跳ね上げ機構の第四の実施形態にかかり、(a)はレンズ24を降ろして眼鏡1のレンズ14の前面に位置させた状態を示す側面図、(b)はレンズ24を第一段階まで跳ね上げた状態を示す側面図、(c)はレンズ24を第二段階まで跳ね上げた状態を示す側面図である。
この実施形態の跳ね上げ機構(符号34で示す)の基本構成は、第三の実施形態の跳ね上げ機構33と同じとしてある。そのため、この実施形態において第三の実施形態と同一部位、同一部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
また、転動面332aには、図示するように第二の磁着体343と当接して第二の磁着体343の転動を規制するストッパ332bを設けてもよい。
図6は、本発明の跳ね上げ機構の第五の実施形態にかかり、(a)はレンズ24を降ろして眼鏡1のレンズ14の前面に位置させた状態を示す側面図、(b)はレンズ24を跳ね上げた状態を示す側面図である。
この実施形態の跳ね上げ機構(符号35で示す)の基本構成は、第三の実施形態の跳ね上げ機構33と同じとしてある。そのため、この実施形態において第三の実施形態と同一部位、同一部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
例えば、図6に示す例では、傾斜角45°の転換部352cを設けてあるが、このような転換部352cを設けることで、四角形の第二の磁着体313を用いた図示の例では、レンズ24の跳ね上げ角を135°に調整することが可能である。
図7は、本発明の跳ね上げ機構の第六の実施形態にかかり、レンズ24を降ろして眼鏡1のレンズ14の前面に位置させた状態を示す側面図である。
この実施形態の跳ね上げ機構(符号36で示す)の基本構成は、第四の実施形態の跳ね上げ機構34と同じとしてある。そのため、この実施形態において第四の実施形態と同一部位、同一部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第一の磁着体362の転動面362aは、図示のように第二の磁着体343が嵌り込むV溝又は凹溝とすることができる。そして、レンズ24を跳ね上げ方向に回転させると、V溝又は凹溝の中に嵌め込まれた状態で第二の磁着体343が転動する。第二の磁着体343はV溝又は凹溝に嵌め込まれることによって一定の力以下では転動が規制されるから、この実施形態では転動面352aがストッパとしての機能も有している。
図8は、本発明の跳ね上げ機構の第七の実施形態にかかり、フレーム側に係合部を設け、眼鏡レンズ側にこの係合部と係合する被係合部とを設けて、眼鏡レンズ24が容易にフレームから脱落しないようにした例を説明する図である。
フロントフレーム13の跳ね上げ機構(符号37で示す)は、フロントフレーム13に形成された支持体371と、この支持体371に設けられた第一の磁着体372とを有している。このような支持体371は、フロントフレーム13のブリッジ部分又はフロントフレーム13の端部に設けるのが好ましい。
支持体371には係合部23bが挿入できる溝371aが形成され、係合部23bが抜脱される入口371dの上下には、規制部371b,371cが形成されている。この規制部371b,371cによって決定される入口371dの幅sは、係合部23bが溝371a内に挿入されたときに、フレーム23又はレンズ24を上下に動かしても係合部23bが入口371dから容易に抜脱しない幅としてある。また、下方の規制部371c及び/又は係合部23bには、必要に応じて、フレーム23又はレンズ24を下方(図8の矢印I方向)に回動させて規制部371cと係合部23bとが当接したときに、係合部23bの先端を入口371dに導くことができるように、テーパ状又は円弧状の案内部を形成するとよい。
この実施形態において第一の磁着体372は支持体371の内部に埋設され、第二の磁着体373はフレーム23又はレンズ24の内部に埋設されている。そして、第一の磁着体372が埋設された支持体371の前面が転動面372aとして形成されている。この第二の磁着体373を第一の磁着体312の転動面312aに磁着させることで、補助眼鏡2がフロントフレーム13に装着される。
なお、先の実施形態と同様に、一方(第一の磁着体312又は第二の磁着体313)を金属とし、他方を磁石としてもよいが、第一の磁着体312及び第二の磁着体313の両方を磁石とする場合は、二つの磁石を例えば図示するように(図の黒塗の部分がN極)配置するとよい。
この状態では、規制部371bによって係合部23bは前方(図8の紙面左方向)に移動することはできず、かつ、フレーム23又はレンズ24の上下方向の移動は規制部371b及び規制部371cによって規制されているので、補助眼鏡2がフロントフレーム13から容易に脱落することはない。
例えば、上記の説明では補助眼鏡のレンズ24の跳ね上げを前提に説明したが、本発明は眼鏡1のレンズ14の跳ね上げにも適用が可能である。また、本発明の跳ね上げ機構3はブリッヂや智など他の部分に設けることも可能である。
また、前記第一の磁着体又は前記第二の磁着体を設ける位置は上記の説明に限定されず、利用者の視界や跳ね上げ機構の機能を阻害しないところであれば特に限定されない。フレームのブリッジ部分に設けてもよいし、レンズやフレームに埋設してもよい。また、跳ね上げ機構は一カ所であってもよいし二カ所又は三カ所以上に設けてもよい。
また、第一〜第七の実施形態と同様の作用を奏するのであれば、第一の磁着体312,322,332,352,362,372及び第二の磁着体313,323,333,343,373の両方を磁石で形成してもよい。
また、本発明で磁着体313等を「角形」としているが、磁着体313等が転動したときに眼鏡レンズ24を所定の回動角度で位置決めできるのであれば、角形の一部又は全部の角部に、磁着体313等を転動しやすくするための面取りが施されていてもよい。
11 テンプル
12 智
13 フロントフレーム
14 レンズ
15 ヒンジ
2 補助眼鏡
23 フレーム
24 レンズ
3,31〜36 跳ね上げ機構
311 支持体
312,322,332,352,362 第一の磁着体
312a,322a,332a,352a 転動面
362a 転動面(V溝又は凹溝)
332b ストッパ
352c 転動方向の転換部
313,323,333,343 第二の磁着体
Claims (7)
- 眼鏡レンズを所定の跳ね上げ位置まで跳ね上げ自在にする眼鏡フレームの跳ね上げ機構において、
フレーム本体側に設けられた第一の磁着体と、眼鏡レンズ側に設けられ前記第一の磁着体に磁着する角形の第二の磁着体とを有し、
前記第一の磁着体には、前記第二の磁着体との磁着状態を維持しつつ前記第二の磁着体を転動させる転動面が形成され、
前記転動面は、前記第二の磁着体の少なくとも二辺と同じかそれよりも長い長さを有し、前記眼鏡レンズの跳ね上げ時に、前記第二の磁着体が前記第一の磁着体に磁着されたまま前記転動面上で回転しつつ上方に移動すること、
を特徴とする眼鏡フレームの跳ね上げ機構。 - 前記第一の磁着体及び前記第二の磁着体の少なくとも一方をレンズ又はフレームに埋設したことを特徴とする請求項1に記載の眼鏡フレームの跳ね上げ機構。
- 前記転動面の一端又は両端に、前記第二の磁着体の転動又は移動を規制するストッパを設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の眼鏡フレームの跳ね上げ機構。
- 前記転動面の途中部位に、前記第二の磁着体の転動方向を転換する転動方向転換部を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の眼鏡フレームの跳ね上げ機構。
- 前記第二の磁着体が五角以上の多角形であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の眼鏡フレームの跳ね上げ機構。
- 前記眼鏡レンズが前記第一の磁着体と前記第二の磁着体とにより着脱自在に前記眼鏡フレームに取り付けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の眼鏡フレームの跳ね上げ機構。
- 前記フレーム本体側に設けられた係合部と、眼鏡レンズ側に設けられた被係合部とを有し、前記第二の磁着体が前記転動面上で転動することで前記係合部と前記被係合部が係脱することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の眼鏡フレームの跳ね上げ機構。
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