JP6338928B2 - コチニール色素中のタンパク質の定量分析方法 - Google Patents

コチニール色素中のタンパク質の定量分析方法 Download PDF

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Description

本発明は、コチニール色素中のタンパク質の定量分析方法に関する。
従来、医薬品、化粧品、及び食品の着色料として、様々な色素が用いられている。
近代、合成色素の発達により天然色素の使用は減少する傾向にあったが、近年では、自然志向の高まりと共に、再び、天然色素が好まれるようになっている。
しかし、天然色素は、動植物等の天然物から抽出及び精製を行って得られるものであるので、天然物に含まれるタンパク質等の残存が問題になることがある。
従来から医薬品や食品等の着色料として広く用いられている天然酸性色素であるコチニール色素は、メキシコ、中央アメリカ及び南米国の砂漠地帯に産するサボテン科のベニコイチジク(Nopalea coccinellifera)等に寄生するカイガラムシ科エンジムシ(Coccus cacti L.)の雌の体内に含まれる赤色色素に由来する。このため、コチニール色素は、前記エンジムシを原料としてその乾燥体を水又はアルコールで抽出して調製されている。コチニール色素の主要な色素成分は、カルミン酸である。
前記の如く昆虫を原料として調製されるコチニール色素には、夾雑タンパク質が含まれており、これがアレルゲンとして、アレルギーを引き起こす可能性がある、という報告がなされており(非特許文献1)、及び少数ながらコチニールアレルギーの症例報告がある(非特許文献2)。
そして、コチニール色素が含有するアレルゲンとして、23kD、28kD、38kD及び50kDのタンパク質が報告されている(非特許文献1〜5)。
また、穐山らは、38kDのアレルゲンタンパクを明らかにし、それを含む夾雑タンパク(30kD以上の画分)を抗原として用いたサンドイッチELISA(酵素免疫定量)法を報告している。
本願出願人は、この点に鑑み、アレルギーの原因となるエンジムシ由来の特定のタンパク質(分子量6,000以上のタンパク質)を除去する方法を開発し、これを開示した(特許文献1、特許文献2)。
ところで、コチニール色素中のタンパク質の量は、食品添加物公定書第8版(厚生労働省)において、セミミクロケルダール法での測定値として、2.2%以下でなければならないと定められている。
従来、このようなコチニール色素は、アレルギー症状の原因とはならないと考えられている。
しかし、2012年に、消費者庁は、これまで独立行政法人国民生活センターや地方自治体の消費生活センター等にはコチニール色素を原因とするアレルギー症状の事例は寄せられていないとしながらも、コチニール色素を含む飲料と急性アレルギー反応に関する国内の研究情報が消費者庁に提供されたことを受けて、コチニール色素に関する注意喚起を行った。
特許第4129577号公報 特許第4184148号公報
Lizaso, M. T. et al., Ann. Allergy Asthma Immunol., 84 (5), p.549-552 (2000) 山川有子, 臨床皮膚科, 66, (1), 8-13 (2012) Chung K. et al., Allergy, 56, p.73-77 (2001) 日本食品化学研究復興財団 第15回研究成果報告書, p.95-99 (2009) 日本食品化学研究復興財団 第16回研究成果報告書, p.46-52 (2010) 第104回 日本食品衛生学会要旨, p.53 (2012)
前述の背景から、コチニール色素中のタンパク質の精密な定量分析(本明細書中、用語「定量分析」は、検出、及び検出限界以下(又は未満)であることの分析を包含する。)が必要とされている。
前述のセミミクロケルダール法は、タンパク質そのものの量ではなく窒素の量の測定に基づく方法なので、その測定値としてのタンパク質の量は、実際のアレルゲンタンパク質の量に比べて極めて大きい。従って、コチニール色素中のタンパク質を所定量以下に制限すれば、アレルゲンタンパク質の量は、それよりも著しく少量になる。このことは、コチニール色素中に含有されるアレルゲンタンパク質の量を低く抑える目的に合致している。
しかし、このことから同時に理解されるように、セミミクロケルダール法は、アレルゲンタンパク質の定量、及び個々のアレルゲンタンパク質の検出のようなタンパク質の精密な分析を行うことには適さない。
一般に、タンパク質の精密な分析法においては、高精度の定量法であるブラッドフォード法(Bradford法)、及びタンパク質を分子量によって分離できるSDS−Page法が利用されている。
しかし、コチニール色素の主要な色素成分であるカルミン酸は、当該ブラッドフォード法及びSDS−Page法に原理的に干渉するので、従来、コチニール色素中に含有されるアレルゲンタンパク質の分析にこれらの方法を利用することはできなかった。従って、この問題は、色価が高いコチニール色素において顕著である。
一方、非特許文献6に記載の方法のように、酵素免疫定量(ELISA)法のうち、サンドイッチELISA法によれば、ブラッドフォード法及びSDS−Page法等の方法を利用しなくても、単一又は複数のアレルゲンの精密な分析を行うことは可能であるが、当該方法は、各アレルゲンに特異的な抗体を用いる方法なので、複数の種類のアレルゲンタンパク質を総合的又は網羅的に簡便に分析することには適さない。このため、アレルゲンである可能性があるタンパク質(すなわち、未知のアレルゲン)も分析することは、困難である。
また、酵素免疫定量(ELISA)法のうち、分析対象であるタンパク質を固相に直接吸着させる直接吸着法によれば、複数の種類のアレルゲンタンパク質を総合的又は網羅的に簡便に分析することができる。しかし、酸性溶液中のタンパク質は当該固相に充分に吸着できないか、一旦吸着してもインキュベーション等の間に剥離してしまうので、従来の直接吸着法は、酸性色素であるコチニール色素中に含有されるタンパク質の分析に用いることはできない。
従って、本発明は、コチニール色素中に含有されるタンパク質の精密な分析が可能な定量分析方法を提供することを目的とする。また、本発明は、コチニール色素中に含有されるタンパク質の総合的又は網羅的かつ簡便な分析が可能な分析方法を提供することを更なる目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、コチニール色素試料を所定のゲル濾過処理に付すこと(前処理段階A)によって、コチニール色素中に含有されるタンパク質をコチニール色素の色素成分から分離できることを見出し、及びこのことにより、コチニール試料から、当該タンパク質の分析に干渉するコチニール色素成分を、当該タンパク質の精密な分析が可能になる程度まで除去できること、言い方を換えれば、分析の対象であるタンパク質を選択的に集められることを見出した。
ここで、本発明者らの検討により、天然酸性色素の色価が高い場合は、前処理段階Aのみでは当該分離が不充分である問題が明らかになったが、本発明者らは、更に、このように特に色価が高い天然酸性色素試料の場合でも、前処理段階Aに先立ち、所定の限外濾過処理(前処理段階B)によって、前記分離が可能になることを見出した。
本発明者らは、これにより、酸性色素であるコチニール色素中に含有されるタンパク質(特に、夾雑アレルゲンタンパク質)の直接吸着ELISA法による分析を可能にした。
本発明者らは、かかる知見に基づき、更なる研究の結果本発明を完成するに至った。
本発明は、次の態様を含む。
項1. コチニール色素試料中のタンパク質の定量分析方法であって、
(1)タンパク質を含有する可能性があるコチニール色素試料を、固定相としてデキストラン及びその誘導体、並びにアガロース及びその誘導体から選択される1種以上の多糖類の架橋物を用い、かつ移動相として5mM以上の塩濃度及び1.5〜9の範囲内のpHを有する水性溶液を用いるゲル濾過に付し、タンパク質を含有する可能性がある溶離液を回収することを含むコチニール色素試料の前処理段階A、及び
(2)前記前処理段階Aを経た前記コチニール色素試料を直接吸着ELISA法により分析する段階
を含む分析方法。
項2. 前記水性溶液のpHが7〜9の範囲内である項1に記載の定量分析方法。
項3. 前記水性溶液のpHが7.5〜8.5の範囲内である項2に記載の定量分析方法。
項4. 前記水性溶液の塩濃度が5〜55mMの範囲内である項1〜3のいずれか1項に記載の定量分析方法。
項5. 前記水性溶液の塩濃度が10〜50mMの範囲内である項4に記載の定量分析方法。
項6. 前記水性溶液がリン酸緩衝液である項1〜5のいずれか1項に記載の定量分析方法。
項7. 前処理段階Aの前に、更に、前記コチニール色素試料を分画分子量3kD以上の限外濾過に付して、色素成分の少なくとも一部を除去する前処理段階Bを含む
項1〜6のいずれか1項に記載の定量分析方法。
項8. 前記コチニール色素試料が40以上の色価を有する場合に前処理段階Bを実施する
項7に記載の定量分析方法。
項9. 前記コチニール色素試料が、コチニール色素試料、アントシアニン色素試料、又はベニバナ色素試料である項1〜8のいずれか1項に記載の定量分析方法。
項10. タンパク質分析用のコチニール色素試料の調製方法であって、
タンパク質を含有する可能性があるコチニール色素試料を、固定相としてデキストラン及びその誘導体、並びにアガロース及びその誘導体から選択される1種以上の多糖類の架橋物を用い、かつ移動相として5mM以上の塩濃度及び1.5〜9の範囲内のpHを有する水性溶液を用いるゲル濾過に付し、タンパク質を含有する可能性がある溶離液を回収するゲル濾過段階
を含む調製方法。
項11. 前記水性溶液のpHが7〜9の範囲内である項10に記載の調製方法。
項12. 前記水性溶液のpHが7.5〜8.5の範囲内である項11に記載の調製方法。
項13. 前記水性溶液の塩濃度が5〜55mMの範囲内である項10〜12のいずれか1項に記載の調製方法。
項14. 前記水性溶液の塩濃度が10〜50mMの範囲内である項13に記載の調製方法。
項15. 前記水性溶液がリン酸緩衝液である項10〜14のいずれか1項に記載の調製方法。
項16. 前記ゲル濾過段階の前に、更に、前記コチニール色素試料を分画分子量3kD以上の限外濾過に付して、コチニール色素を除去する限外濾過段階を含む
項10〜15のいずれか1項に記載の調製方法。
項17. 前記コチニール色素試料が40以上の色価を有する場合に前記限外濾過段階を実施する
項16に記載の調製方法。
項18. 項10〜17のいずれか1項に記載の調製方法で得られたタンパク質分析用のコチニール色素試料を分析することを含む
コチニール色素試料中のタンパク質の調製方法。
項19.前記コチニール色素試料が、コチニール色素試料、アントシアニン色素試料、又はベニバナ色素試料である項10〜18のいずれか1項に記載の調製方法。
項20.コチニール色素中のタンパク質の直接吸着ELISA法による分析のためのコチニール色素試料の前処理方法であって、タンパク質を含有する可能性があるコチニール色素試料を、固定相としてデキストラン及びその誘導体、並びにアガロース及びその誘導体から選択される1種以上の多糖類の架橋物を用い、かつ移動相として5mM以上の塩濃度及び1.5〜9の範囲内のpHを有する水性溶液を用いるゲル濾過に付し、タンパク質を含有する可能性がある溶離液を回収するゲル濾過段階
を含む前処理方法。
項21. 前記水性溶液のpHが7〜9の範囲内である項20に記載の前処理方法。
項22. 前記水性溶液のpHが7.5〜8.5の範囲内である項21に記載の前処理方法。
項23. 前記水性溶液の塩濃度が5〜55mMの範囲内である項20〜22のいずれか1項に記載の前処理方法。
項24. 前記水性溶液の塩濃度が10〜50mMの範囲内である項23に記載の前処理方法。
項25. 前記水性溶液がリン酸緩衝液である項20〜24のいずれか1項に記載の前処理方法。
項26. 前記ゲル濾過段階の前に、更に、前記コチニール色素試料を分画分子量3kD以上の限外濾過に付して、コチニール色素を除去する限外濾過段階を含む
項20〜25のいずれか1項に記載の前処理方法。
項27. 前記コチニール色素試料が40以上の色価を有する場合に前記限外濾過段階を実施する項26に記載の前処理方法。
本発明によれば、コチニール色素中のタンパク質(特に、アレルゲンタンパク質)の精密な分析方法が提供される。更に、本発明によれば、コチニール色素中のタンパク質(特に、アレルゲンタンパク質)の総合的又は網羅的かつ簡便な分析が可能な分析方法が提供される。
本明細書中、「コチニール色素」は、カイガラムシ科エンジムシ(Coccus cacti L.)から得られた色素である。
コチニール色素の主要な色素成分は、カルミン酸である。
本明細書中、「コチニール色素試料」とは、本発明の分析方法に供される当該色素の試料の他に、本発明の分析方法における各段階を経た試料を意味する場合がある。これらの意味は、その前後の文脈によって理解される。
コチニール色素試料中のタンパク質の分析方法
本発明のコチニール色素試料中のタンパク質の分析方法は、
(1)タンパク質を含有する可能性があるコチニール色素試料を、固定相としてデキストラン及びその誘導体、並びにアガロース及びその誘導体から選択される1種以上の多糖類の架橋物を用い、かつ移動相として5mM以上の塩濃度及び1.5〜9の範囲内のpHを有する水性溶液を用いるゲル濾過に付し、タンパク質を含有する可能性がある溶離液を回収することを含むコチニール色素試料の前処理段階A、及び
(2)前記前処理段階Aを経た前記コチニール色素試料を直接吸着ELISA法により分析する段階(分析段階)
を含む。
前処理段階A
前処理段階Aでは、タンパク質を含有する可能性があるコチニール色素試料を、固定相としてデキストラン及びその誘導体、並びにアガロース及びその誘導体から選択される1種以上の多糖類の架橋物を用い、かつ移動相として5mM以上の塩濃度及び1.5〜9の範囲内のpHを有する水性溶液を用いるゲル濾過に付し、タンパク質を含有する可能性がある溶離液を回収する。
本発明の分析方法の分析対象は、コチニール色素試料中のタンパク質である。本明細書中、用語「タンパク質」は、ペプチドを包含し得る。
当該分析対象であるタンパク質は、好ましくは、前記アレルゲンタンパク質である。
当該分析対象であるタンパク質は、単一物であってもよく、混合物であってもよい。
当該分析対象であるタンパク質が混合物である場合、当該混合物は、公知の38kD、23kD、及び17kDのアレルゲンタンパク質を含有し得、更に、他のタンパク質を含有し得るので、(存在するならば)未知のアレルゲンタンパク質を含有し得る。すなわち、本発明の分析方法によれば、未知のアレルゲンタンパク質を包含するタンパク質を網羅的に分析することが可能である。
当該分析対象であるタンパク質は、熱等により変性していてもよい。
本発明の分析方法の分析対象であるタンパク質は、通常、エンジムシ(Coccus cacti L.)由来のタンパク質である。
本発明の分析方法に供される試料は、通常、タンパク質を含有するコチニール色素試料であるが、本発明の分析方法は、コチニール色素試料がタンパク質を含有しないこと(又は、タンパク質の含有量が検出限界以下又は未満であること)を確認する目的でも利用できる。
従って、本発明の分析方法は、タンパク質を含有する可能性がある、あらゆるコチニール色素試料に適用できる。
前処理段階Aのゲル濾過においては、固定相としてデキストラン及びその誘導体、並びにアガロース及びその誘導体から選択される1種以上の多糖類の架橋物が用いられる。すなわち、当該ゲル濾過におけるゲルは、当該架橋物のゲルである。
当該架橋物の好ましい例は、1−クロロ−2,3−エポキシ−プロパン架橋デキストランゲルを包含する。
前処理段階Aのゲル濾過においては、移動相として、5mM以上の塩濃度及び1.5〜9の範囲内のpHを有する水性溶液が用いられる。
当該移動相としての水性溶液のpHは、好ましくは7〜9の範囲内であり、より好ましくは7.5〜8.5の範囲内である。
当該pHがこのような範囲内であることにより、前処理段階Aのゲル濾過において、コチニール色素試料中の色素成分とタンパク質とが充分に分離される。
pHの調整は、酸性物質、塩基性物質、及び緩衝剤(例、リン酸緩衝剤)等の添加のような慣用の用法により行えばよい。これらの物質は、1種単独で、又は2種以上の組み合わせで用いることができる。
当該移動相としての水性溶液の塩濃度は、好ましくは5〜55mMの範囲内であり、より好ましくは10〜50mMの範囲内である。
当該塩濃度がこのような範囲内であることにより、前処理段階Aのゲル濾過において、コチニール色素試料中の色素成分とタンパク質とが充分に分離される。
塩濃度の調整は、塩の添加のような慣用の用法により行えばよい。当該塩の例は、NaCl、及び緩衝剤(例、リン酸緩衝剤)を含む。これらの物質は、1種単独で、又は2種以上の組み合わせで用いることができる。
前記水性溶液は、好ましくは、リン酸緩衝液である。これにより、塩濃度とpHとを同時に好適な範囲内に調整できる。リン酸緩衝液は、リン酸緩衝剤を含有する。リン酸緩衝液は、塩濃度の調整のため、更に塩(例、塩化ナトリウム)を含有してもよい。
前処理段階Aのゲル濾過は、一般的なゲル濾過の方法と同様に実施すればよい。
具体的には、コチニール色素試料を固定相であるゲルに負荷し、当該ゲルに移動相を通して、溶出液を回収する。
前記固定相は、好ましくは、コチニール色素の負荷の前に、前記移動相に用いられる水性溶液と同じ組成の水性溶液を用いて平衡化される。
通常、コチニール色素は、粉末、塊、液体又はペースト状である。コチニール色素試料は、例えば、これらの形態、その水溶液の形態、又はその懸濁液の形態でゲルに負荷できるが、好ましくは、その水溶液の形態、又はその懸濁液の形態で、前処理段階Aに付される。すなわち、コチニール色素試料は、水性溶液中に溶かされ、または懸濁されて、前処理段階Aに付される。当該水性溶液の好適な例は、前記で説明した移動相としての水性溶液を含む。
当該ゲル濾過において、コチニール色素に含有されるタンパク質は、コチニール色素の色素成分よりも先に溶出する傾向がある。
この傾向に基づき、タンパク質を含有する画分(又はタンパク質を含有する可能性がある画分)を選択して集めることにより、コチニール色素試料から、当該タンパク質の分析に干渉する色素成分を、当該タンパク質の精密な分析が可能になる程度まで除去できる。
すなわち、前処理段階Aを経たコチニール色素試料は、元のコチニール色素試料に比べて、タンパク質含有量に対する色素成分含有量が減少している。
前処理段階B
コチニール色素試料の色価が40以上の場合、前処理段階Aのみでは、コチニール色素試料から、コチニール色素中のタンパク質の分析に干渉する色素成分を、当該タンパク質の精密な分析が可能になる程度まで除去できない場合がある。
この場合、コチニール色素試料を分画分子量3kD以上の限外濾過に付して、コチニール色素試料中の色素成分の少なくとも一部(言い換えると、一部又は全部)を除去できる。すなわち、前処理段階Bを経たコチニール色素試料は、元のコチニール色素試料に比べて、タンパク質含有量に対する色素成分含有量が減少している。これにより、その後の前処理段階Aで、コチニール色素中のタンパク質の分析に干渉する色素成分を、当該タンパク質の精密な分析が可能になる程度まで除去できるようになる。なお、前処理段階Bにおいてコチニール色素の色素成分の全部が除去された場合、前処理段階Aを行う必要は無いが、その場合でも、前処理段階Aを行う場合は、本発明の範囲内である。
当該限外濾過は、限外濾過膜を用いて実施できる。
当該限外濾過においては、遠心等により、コチニール色素を含有する液の限外濾過膜の通過を促進させられる。当該遠心の条件は、技術常識により適当に設定できるが、例えば、4000×g、40分間程度である。
コチニール色素が含有するタンパク質は、限外濾過膜を通過せずに、当該限外濾過膜の上のコチニール色素試料中に残る。
好ましくは、コチニール色素試料にリン酸緩衝液を加えて限外濾過を繰り返すことにより、コチニール色素試料を洗浄すること、言い換えれば、色素成分を更に除去することができる。当該洗浄は、色価が40未満になるまで、繰り返すことが好ましく、具体的には、例えば、4〜5回繰り返される。
当該限外濾過は、例えば、限外濾過膜を備え、限外濾過に使用できる市販の遠心式ろ過ユニット(例、Amicon−15(商品名、ミリポア社))を用いて、その説明書の記載に従って実施できる。
前処理段階Bは、例えば、コチニール色素試料の色価が40以上である場合に実施するように分析のスキームを定めてもよいが、コチニール色素試料の色価に限らず実施してもよい。
なお、本明細書中、色価とは、着色料溶液の可視部での極大吸収波長における吸光度を測定し、10w/v%溶液の吸光度に換算した数値であり、色価は、好適には、第8版食品添加物公定書に記載の方法に従って、測定される。
タンパク質の分析段階
必要に応じて、所望により、タンパク質の分析段階の前の適当な段階、好ましくは、前処理段階Aの後に、タンパク質を含有する可能性があるコチニール色素試料を濃縮してもよい。当該濃縮は、限外濾過等の慣用の方法により実施すればよい。当該限外濾過は、例えば、限外濾過に使用できる市販の遠心式ろ過ユニット(例、Amicon−4(商品名、ミリポア社))を用いて、その説明書の記載に従って実施できる。
タンパク質の分析は、直接吸着ELISA法により、行われる。
直接吸着ELISA法としては、公知の直接吸着ELISA法を採用すればよい。
具体的には、例えば、当該方法は、
(1)前記前処理段階Aを経たコチニール色素試料の溶液を、固相に接触させて、当該溶液中に含有されるタンパク質を当該固相に吸着させる工程;
(2)後記の検出工程で検出されないタンパク質を更に当該固相に吸着させる工程(ブロッキング工程);
(3)分析対象であるタンパク質に特異的な抗体を固相に吸着した当該タンパク質(分析対象タンパク質)に接触させて、当該タンパク質に結合させる工程;
(4)当該タンパク質(分析対象タンパク質)に結合しなかった抗体を前記固相から除去する工程;及び
(5)前記固相に残った抗体を定量する工程
を含む方法である。
当該直接吸着ELISA法は、通常の直接吸着ELISA法の、条件、材料、及び操作を採用して実施すればよい。
前記「前処理段階Aを経たコチニール色素試料の溶液」は、当該試料を、水系溶媒に溶解することによって得られる。
当該水系溶媒としては、例えば、炭酸ナトリウム緩衝液等の緩衝液が挙げられる。当該水系溶媒のpHは、通常、9〜11の範囲内である。
前記「固相」の材料は、直接吸着ELISA法に通常に用いられる固相の材料であることができ、その例としては、例えば、プラスチック、及びガラスが挙げられる。特に、本発明の分析方法では、直接吸着ELISA法に通常に用いられる材料の固相、すなわち、酸性溶液中のタンパク質が充分に吸着できないか、又は一旦吸着してもインキュベーション等の間に剥離してしまう材料の固相を用いることができる点で、優れている。
前記「固相」の形態は、直接吸着ELISA法に通常に用いられる固相の形態であることができ、その例は、チューブ、マイクロプレート、及びビーズを包含する。
前記前処理段階Aを経たコチニール色素試料の溶液を、固相に接触させる方法としては、固相の形態に応じて、通常の方法を採用すればよい。
当該接触の温度は、通常、4〜37℃の範囲内である。当該接触の時間は、通常、接触温度が4℃の場合は6〜12時間、37℃の場合は2〜4時間の範囲内である。
前記「ブロッキング工程」で用いられる「後記の検出工程で検出されないタンパク質」は、直接吸着ELISA法のブロッキング工程で通常用いられるタンパク質であることができ、その例は、スキムミルク、及びアルブミンを含む。当該工程は、例えば、当該タンパク質の溶液を当該固相に接触させることにより、行えばよい。
当該接触の温度は、通常、30〜37℃の範囲内である。当該接触の時間は、通常、1〜3時間の範囲内である。
前記「分析対象であるタンパク質に特異的な抗体」は、例えば、分析対象であるタンパク質(分析対象タンパク質)を抗原として用いて温血動物に免疫を行ない、及び当該免疫動物から「分析対象であるタンパク質に特異的な抗体」を採取する等の公知の方法によって調製すればよい。当該抗体は、「前記固相に残った抗体を定量する工程」における定量のため、標識されていてもよいが、標識されていないものを用いることが簡便である。
当該免疫原としての分析対象タンパク質は、例えば、コチニール色素試料から、透析膜(分画分子量:3.5〜5k)を用いる等の公知の精製方法により調製すればよい。
当該タンパク質に結合しなかった抗体を前記固相から除去する工程は、例えば、前記固相の表面を、0.05〜1%の界面活性剤、例えばポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートを含むリン酸緩衝液等で洗浄することにより、実施すればよい。
「前記固相に残った抗体」の定量は、「前記固相に残った抗体」が標識されている場合は、その標識化方法に応じた方法で実施すればよく、及び「前記固相に残った抗体」が標識されていない場合は、例えば、当該抗体(前記固相に残った抗体)に特異的に反応する標識化抗体(二次抗体)を用い、当該標識化抗体(二次抗体)の標識化方法に応じた方法で当該標識化抗体(二次抗体)を定量することによって実施すればよい。かかる二次抗体としては、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)抗ウサギ−ヤギIgG抗体が挙げられ、商業的に入手可能である。
タンパク質分析用のコチニール色素試料の調製方法、及びコチニール色素中のタンパク質の分析のためのコチニール色素試料の前処理方法
本発明は、別の側面では、タンパク質分析用のコチニール色素試料の調製方法、又はコチニール色素中のタンパク質の分析のためのコチニール色素試料の前処理方法であることができる。これらの方法は、前記分析方法において説明した前処理方法と同様に実施できる。
以下に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
1)コチニール色素抽出液の調製および色価の測定
カイガラムシ科エンジムシ(Coccus cacti L.)の虫体の乾燥粉末10gに対し、水100mLを加え、室温下で60分間攪拌抽出し、ろ紙(ADVANTEC 5A(110mm)、東洋濾紙株式会社)でろ過した抽出液をコチニール色素抽出液とした。
本抽出液の主色素成分はアントラキノン系カルミン酸である。
色素抽出液を0.1N塩酸水で適度に希釈し、可視部での最大吸収波長(410nm)における吸光度を測定した。当該吸光度を10w/v%溶液の吸光度に換算した値を色価とした。
様々な色価(0.31、0.63、1.25、2.5、5、10、20、又は40)のコチニール色素抽出液を用いた予備的検討により、コチニール色素抽出液の色価が2.5を超える場合、その色素成分によってタンパク定量(Bradford法)が干渉を受けることを確認した(表1参照)。
2.5を超える様々な色価(色価:10、20、30、40、50、60、70、80)のコチニール色素抽出液について、以下に示す前処理段階Aを実施した。
2)前処理段階A
ゲル濾過カラムとして、1−クロロ−2,3−エポキシ−プロパン架橋デキストランゲル8.3mLをカラム1.45×5.0cmに充填した市販のゲルろ過クロマトグラフィーカラム(PD−10カラム/GEヘルスケア社、商品名)を用いた。
同カラムを予め50mMリン酸緩衝液(pH8.0)で平衡化し、コチニール色素抽出液1mLを負荷した。
次いで、50mMリン酸緩衝液(pH8.0)を当該カラムに注入し、溶出液を1mLずつ13画分、分取した。
各タンパク溶出画分を、それぞれ、分子量3kDでの分画性能をもつ再生セルロースメンブレン限外ろ過ユニット(Amicon Ultra/Merck社、商品名)を用いて1mLに濃縮した。
当該濃縮溶液の一部をBradford法によるタンパク質定量に供し、各画分におけるタンパク質の有無を評価した。その結果、タンパク質溶出画分はNo.4〜8の画分であった。一方、タンパク質定量を妨害する色素成分の溶出は、No.9以降の画分であった。色素成分の溶出は、吸光度(620nm)(有効数字2桁)によって検出した(吸光度測定のブランクとしては、50mMリン酸緩衝液(pH8.0)を用いた)。
表1中、色価について、表中の記号は、以下のことを示す。
− :吸光度が0.00
± :吸光度が0.01以上0.10未満
+ :吸光度が0.10以上0.40未満
++:吸光度が0.40以上
ここで、画分の吸光度が0.01以上0.10未満の場合、当該画分はコチニールを含有するが、この程度の小量であれば、直接吸着ELISA法における分析対象タンパク質の固相への吸着に問題を生じない。
すなわち、表1から理解されるように、コチニール色素抽出液の色価の上限が10〜40の場合、当該前処理により、コチニール色素抽出液中の分析対象タンパク質を、色素成分から充分に分離できること、及び、このことにより、色素成分を、当該分析対象タンパク質の直接吸着ELISA法による分析が可能になる程度まで除去できること、が確認された。
このことは、逆に言えば、当該処理でコチニール色素成分からタンパク質を分離可能なコチニール色素抽出液の色価の上限は40であったことを意味する。
色価が40以上のコチニール色素抽出液について、以下の前処理段階Bを実施した。
3)前処理段階B
分画分子量3kDの限外ろ過ユニット(商品名:Amicon−15、ミリポア社)を用いて、色価が40以上のコチニール色素抽出液を、色価が40未満となるように限外濾過(4,000×g、40分間を4〜5回)し、前処理段階Aに供した。
なお、前処理段階Aと、前処理段階B及びAと、において、市販の標準タンパク混合品(Precision Plus Protein Standards/BioRad社:商標)を用いて、添加回収試験を行なった結果、当該タンパク質の回収率は84%以上であり、充分に高かった。(前処理段階Aのみで90%、前処理段階B及びAで84%)
3)タンパク質の定量分析
3−1)試料
粗抽出液:カイガラムシ科エンジムシ(Coccus cacti L.)の虫体乾燥粉砕物10gに水300mLを加えて加熱抽出した後、ろ紙(ADVANTEC 5A(110mm)、東洋濾紙株式会社)でろ過し、そのろ過液を得た。
タンパク質抗原試料:前記粗抽出液を透析膜(分画分子量:3.5-5kD)で処理し、その凍結乾燥物を得た。
抗コチニール夾雑タンパク質IgG抗体:タンパク質抗原試料を9週令雌ウサギ(JW)に免疫した。4週後の血清を回収し、プロテインAカラムで精製した。
HRP標識抗ウサギ-ヤギIgG抗体:市販品(Bio-Rad社製)を用いた。
コチニール標準タンパク質溶液:前記タンパク質抗原試料の溶液を前記前処理段階B、及びAによって精製した。なお、当該溶液は、検量線の作成用に用いるとともに、被検物である前記粗抽出液のコチニールタンパク質溶液としても用いた。
精製コチニール色素:特許第4184148号公報の実施例1に記載の方法で、精製コチニール色素を調製した。具体的には、次の方法で精製コチニール色素を調製した。
エンジムシ乾燥粉末35kgに苛性ソーダでpH7.5に調整した水800Lを加えて90〜100℃で20〜30分間攪拌しながらコチニール色素を抽出した。抽出後、60メッシュ金網にて固液分離した液(コチニール抽出液)にクエン酸を加え、コチニール抽出液をpH4に調整し、約50℃まで冷却したところで、タンパク質分解酵素0.1%を添加して上記温度にて3時間攪拌した。次いで、得られたタンパク質分解処理液をクエン酸でpH3に調整した後、濾過助剤及び珪藻土を配合してろ紙濾過し、タンパク質分解液約250Lを得た。このコチニールタンパク質分解処理液(色価7.81、pH3.0、256g)を樹脂塔に充填した吸着樹脂アンバーライトXAD−1180(50mL)に通液してコチニール色素を吸着させ、次いで該樹脂を硫酸でpH1.5に調整した下記表の濃度のエタノール水200mLで洗浄した。次いで水200mLで洗浄した後、1.65重量%クエン酸三ナトリウムの20%エタノール溶液(pH8.3)40mL、20%エタノール40mL、イオン交換水を用いてコチニール色素を溶出し、溶出液100mLを得た。前記吸脱着処理を繰り返し行い、得られた溶出液を40℃減圧濃縮した。
精製コチニール色素のコチニールタンパク質溶液:色価40未満の精製コチニール色素の場合は、前記前処理段階Aを行ってコチニールタンパク質溶液を調製し、一方、色価40以上の精製コチニール色素の場合は、前記前処理段階Bで色価40未満にし、及び前記前処理段階Aを行ってコチニールタンパク質溶液を調製した。
市販コチニール色素:日本国外製の商業的に入手可能な製品A、B、及びCを購入して使用した。
市販コチニール色素のコチニールタンパク質溶液:色価40未満のコチニール色素の場合は、前記前処理段階Aを行ってコチニールタンパク質溶液を調製し、一方、色価40以上コチニール色素の場合は、前記前処理段階Bで色価40未満にし、及び前記前処理段階Aを行ってコチニールタンパク質溶液を調製した。
3−2)試薬・試液
実施例においては、以下の試薬・試液を用いた。
コチニール標準タンパク溶液(25ppm)
抗コチニール夾雑蛋白質-ウサギIgG(4.0 mg/mL)
100mM 炭酸ナトリウム緩衝液(以下CBS)
9.57 mM リン酸緩衝液(以下PBS)
Skim Milk Powder(和光純薬:198-10605)
抗ウサギIgG-ヤギIgG(BIO-RAD:172-1019)
TMBパーオキシダーゼ基質キット(BIO-RAD:172-1067)
硫酸 特級(和光純薬:000-74435)
3−3)直接吸着ELISA法
コチニール標準タンパク質溶液を炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.5)で希釈し、検量線用標準液(0.05〜1ppm)とした。また、各色素試料(粗抽出液、精製コチニール色素、並びに製品A、B、及びC)のコチニールタンパク質溶液も同様に希釈して試験液とした。両液を96wellプレートに4℃下で一晩振とうして固定化した。洗浄は0.05%Tween20-PBSで行った。ブロッキングは5%casein-PBSで行った。一次抗体反応は、抗コチニール夾雑タンパク質IgG抗体で行った。二次抗体反応は、HRP標識抗ウサギ-ヤギIgG抗体で行った。発色にはTMBを使用し、2N硫酸で反応停止後、吸光度(450nm)を測定した。添加回収試験は、コチニール標準タンパク質溶液を定量下限相当濃度で試験液に添加し測定した。
[結果]本法の定量下限は0.05ppmであった。また、添加したコチニール標準タンパク質(0.1、0.05ppm)の回収率は89%、86%であった。従って、本発明の分析方法の性能は充分に高いことが確認された。本法で粗抽出液及び精製コチニール色素試料(色価80当たり)の夾雑タンパク質の量を測定した結果、それぞれ、粗抽出液 300ppm、製品A 4〜10ppm(ロットによるばらつき)、製品B 14ppm、製品C 4ppmであった。一方、精製コチニール色素試料では夾雑タンパク質は検出されなかった。
また、当該試験では、加熱抽出した色素中のタンパクを抗原としており、その検出対象は、加熱による夾雑タンパク質の変性物を含む幅広いものであってもよいことが確認された。
本発明は、コチニール色素中のタンパク質の分析に利用できる。

Claims (8)

  1. コチニール色素中のタンパク質の定量分析方法であって、
    (1)タンパク質を含有する可能性があるコチニール色素試料を、固定相としてデキストラン及びその誘導体、並びにアガロース及びその誘導体から選択される1種以上の多糖類の架橋物を用い、かつ移動相として5mM以上の塩濃度及び1.5〜9の範囲内のpHを有する水性溶液を用いるゲル濾過に付し、タンパク質を含有する可能性がある溶離液を回収することを含むコチニール色素試料の前処理段階A、及び
    (2)前記前処理段階Aを経た前記コチニール色素試料を直接吸着ELISA法により分析する段階
    を含む分析方法。
  2. 前記水性溶液のpHが7〜9の範囲内である請求項1に記載の定量分析方法。
  3. 前記水性溶液のpHが7.5〜8.5の範囲内である請求項2に記載の定量分析方法。
  4. 前記水性溶液の塩濃度が5〜55mMの範囲内である請求項1〜3のいずれか1項に記載の定量分析方法。
  5. 前記水性溶液の塩濃度が10〜50mMの範囲内である請求項4に記載の定量分析方法。
  6. 前記水性溶液がリン酸緩衝液である請求項1〜5のいずれか1項に記載の定量分析方法。
  7. 前処理段階Aの前に、更に、前記コチニール色素試料を分画分子量3kD以上の限外濾過に付して、色素成分の少なくとも一部を除去する前処理段階Bを含む
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の定量分析方法。
  8. 前記コチニール色素試料が40以上の色価を有する場合に前処理段階Bを実施する
    請求項7に記載の定量分析方法。
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