JP6338407B2 - リニアモータ用電機子 - Google Patents

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Description

本発明は、リニアモータの固定子又は可動子として用いられる電機子に関する。
リニアモータに用いられる電機子は、コアと、コアにモータ駆動方向に複数設けられるティース部と、ティース部に巻き回されるコイルを備える。コイルが通電により発熱すると、コアの温度上昇により電機子の性能に悪影響を及ぼす恐れがある。この対策として、通常、ティース部間に形成されるスロット部には冷却管が配置される(特許文献1参照)。冷却管内に供給される冷媒によりコアが冷却され、その温度上昇が抑えられる。
特開2008−35698号
コアの温度上昇を効果的に抑えるうえで、冷却管によるコアの冷却性能が良好であるほと好ましい。本発明者は、このような要求を実現するうえで、電機子の構造に関して改善の余地があると認識するに至った。
本発明は、こうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷却管によるコアの冷却性能を改善できる技術を提供することにある。
本発明のある態様は、リニアモータ用電機子に関する。リニアモータ用電機子は、リニアモータ用の電機子であって、複数の金属板を積層して構成されるコアと、コアを冷却するための冷却管と、を備え、複数の金属板のそれぞれには貫通部が形成され、その貫通部が金属板の積層方向に連なることにより、冷却管の一部を収容する管収容部が形成され、管収容部には、複数の金属板それぞれの貫通部を画定する壁部により、金属板の積層方向に沿って凹凸部が形成されることを特徴とする。
この態様によれば、コアの管収容部に凹凸部が形成されるため、管収容部内の空気、樹脂材等の熱媒と管収容部の内面との接触面積が増加する。よって、管収容部から熱媒に抜熱され易くなり、冷却管や自然空冷によるコアの冷却効率が向上する。
本発明のある態様によれば、冷却管による電機子のコアの冷却性能を改善できる。
第1実施形態に係る電機子が用いられるリニアモータを示す側面断面図である。 第1実施形態に係る電機子を示す分解斜視図である。 第1実施形態に係る電機子コアの管収容部内に配置される冷却管を示す正面断面図である。 第1実施形態に係る電機子コアの管収容部内に配置される冷却管を示す拡大平面断面図である。 第1実施形態に係る電機子コアの管収容部内に配置される冷却管を示す拡大側面断面図である。 第1実施形態に係る第1金属板と第2金属板を示す側面図である。 第2実施形態に係る電機子が用いられるリニアモータを示す側面断面図である。 第2実施形態に係る電機子コアの端部を示す平面断面図である。
(第1の実施の形態)
図1は第1実施形態に係る電機子40が用いられるリニアモータ10を示す。リニアモータ10は、界磁子30と、電機子40を備える。界磁子30が固定子であり、電機子40が可動子である。以下、リニアモータ10のモータ駆動方向を方向Xとし、方向Xの方向軸と垂直な面内において直交する2方向を方向Y、方向Zとして説明する。
界磁子30は、界磁子コア31と、複数の磁石33を備える。界磁子コア31はモータ駆動方向Xに延びる直方体状の部材である。各磁石33は永久磁石であるが、電磁石でもよい。各磁石33は、モータ駆動方向Xに異なる磁極(N極、S極)が交互に位置するように設けられる。
電機子40は、界磁子30と間隔を空けて配置される。図2は電機子40の分解斜視図を示す。電機子40は、電機子コア41を備える。電機子コア41は、複数の金属板47を積層して構成される。各金属板47は、かしめ、溶着、接着剤等により一体化される。金属板47は電磁鋼板であるが、これに限られない。
電機子コア41は、図1に示すように、バックヨーク部42と、複数(図示は9個)のティース部43と、複数(図示は10個)のスロット部45と、一対のサイドヨーク部46を備える。バックヨーク部42は、モータ駆動方向Xに直方体状に延びる。各ティース部43は、バックヨーク部42からモータ駆動方向Xに間隔を空けて突出する。各スロット部45は、ティース部43に対してモータ駆動方向Xの両側に形成される。サイドヨーク部46は、バックヨーク部42のモータ駆動方向Xの両端側から突出する。ティース部43、スロット部45、サイドヨーク部46は、界磁子30と対向する電機子コア41の内側部41aに設けられる。なお、方向Yはティース部43の突出方向に対応し、方向Zは金属板47の積層方向に対応する。
電機子コア41は、ティース部43とスロット部45がモータ駆動方向Xに交互に設けられる凹凸形状、つまり、櫛歯形状を有する。各ティース部43にはそれぞれコイル49が巻き回され、スロット部45内にはコイル49が配置される。
以上のリニアモータ10は、コイル49の通電により生じる磁界と磁石33の磁界との相互作用により電機子40に推力が発生し、モータ駆動方向Xに電機子40が移動する。
電機子40は、電機子コア41等の他に、冷却管50と、複数の管収容部60と、樹脂材90を更に備える。
冷却管50は銅等の金属材料を素材とする。冷却管50は、図1、図2に示すように、モータ駆動方向Xに間隔を空けて設けられる複数(図示は10個)のコア冷却部51と、隣り合うコア冷却部51の端部をつなぐ連設部53とを含む。コア冷却部51は管収容部60の数に対応した数が設けられる。コア冷却部51の断面は円筒状に形成される。冷却管50は、各コア冷却部51と連設部53とが波状に蛇行するように設けられ、その内側に連続した流路が形成される。この冷却管50は管体を曲げ加工することにより製作される。
管収容部60は、電機子コア41の外側部41bにおいて、モータ駆動方向Xに間隔を空けて複数(図示は10個)設けられる。図3は管収容部60内に配置される冷却管50を示す正面断面図である。管収容部60は、各金属板47のそれぞれに形成される管用貫通部64が、積層方向Zに連なることにより形成される。管用貫通部64は金属板47を板厚方向に貫通している。管収容部60には冷却管50の一部であるコア冷却部51が収容される。各金属板47の管用貫通部64はティース部43の突出方向Yに開口部61が設けられる溝状に形成される。
冷却管50は、図1、図3に示すように、別々の管収容部60内に各コア冷却部51が配置され、電機子コア41より積層方向Zの外側に連設部53が配置される。冷却管50に水等の冷媒を送り込むと、その流路の流入側(図2のP1部)から流出側(図2のP2部)に向かう方向Qに冷媒が流れ、コア冷却部51内の冷媒により電機子コア41が冷却される。
図4は管収容部60内に配置される冷却管50の拡大平面断面図である。図5はその拡大側面断面図である。図4では樹脂材90を省略している。図5(a)は図4のA−A線断面図、(b)は図4のB−B線断面図でもある。
複数の金属板47には第1金属板47Aと第2金属板47Bが含まれる。第1金属板47Aと第2金属板47Bは積層方向Zに交互に積層される。各金属板47は管用貫通部64を画定する壁部の位置が相違し、その詳細は後述する。
各金属板47の管用貫通部64は、冷却管50を挟んでモータ駆動方向Xに対向する一対の対向壁部63により画定される。以下、図5中の左側の対向壁部63を左側壁部63Lといい、右側の対向壁部63を右側壁部63Rという。各対向壁部63には、溝底側に設けられる底辺部65と、底辺部65に連なる側辺部67とが形成される。底辺部65は、開口部61側から溝底側に向かうにつれて溝幅が狭まるように円弧状に傾斜する。側辺部67は、開口部61側から底辺部65に平面状に延びる。
冷却管50のコア冷却部51と管収容部60の内面の間には樹脂材90が充填される。樹脂材90はモールド樹脂等であり、空気より熱伝達率が大きい素材が用いられる。樹脂材90の充填により、冷却管50と電機子コア41の間で熱伝達され易くなり、冷却管50による電機子コア41の冷却性能が良好となる。
ここで、管収容部60には、図4に示すように、第1金属板47Aと第2金属板47Bのそれぞれの左側壁部63Lにより、積層方向Zに沿って第1凹凸部71Aが形成される。また、管収容部60には、第1金属板47Aと第2金属板47Bのそれぞれの右側壁部63Rにより、積層方向Zに沿って第2凹凸部71Bが形成される。
第1金属板47Aでは、その左側壁部63Lにより第1凹凸部71Aの第1凸部分75Aが形成される。また、第1金属板47Aの右側壁部63Rと、これに積層方向Zに隣り合う第2金属板47Bの右側壁部63Rとにより、第2凹凸部71Bの第1凹部分77Aが形成される。
第2金属板47Bでは、その右側壁部63Rにより第2凹凸部71Bの第2凸部分75Bが形成される。また、第2金属板47Bの左側壁部63Lと、これに積層方向Zに隣り合う第1金属板47Aの左側壁部63Lとにより、第1凹凸部71Aの第2凹部分77Bが形成される。以下、第1凹凸部71Aと第2凹凸部71Bを総称するときは凹凸部71といい、第1凸部分75A、第2凸部分75Bを総称するときは凸部分75といい、第1凹部分77A、第2凹部分77Bを総称するときは凹部分77という。
冷却管50は、図5(b)に示すように、第1凹凸部71Aの第1凸部分75Aを形成する第1金属板47Aの左側壁部63Lの底辺部65と接触する。また、冷却管50は、図5(a)に示すように、第2凹凸部71Bの第2凸部分75Bを形成する第2金属板47Bの右側壁部63Rの底辺部65と接触する。冷却管50は、これら第1金属板47Aの左側壁部63Lと、第2金属板47Bの右側壁部63Rとに接触した状態で保持される。
この接触により、冷却管50は、第1金属板47Aと第2金属板47Bの管用貫通部64の溝底面から間隔を空けて保持され、それらの溝底面と冷却管50の間に積層方向Zに貫通する空間部69が形成される。図5ではこの空間部69の範囲Sを一点鎖線で示す。この空間部69には樹脂材90が充填される。
図6(a)は第1金属板47Aの側面図であり、図6(b)は第2金属板47Bの側面図である。各金属板47のそれぞれにはコイル用貫通部44が板厚方向に貫通して形成される。スロット部45は、各金属板47のコイル用貫通部44が積層方向Zに連なることにより形成される。
第1金属板47Aは、第2金属板47Bのモータ駆動方向Xの中心線Lcに対して線対称の形状を有する。つまり、第1金属板47Aを中心線Lc周りに反転させたものが第2金属板47Bとなる。第1金属板47Aについて、図6(a)の左側から右側にかけてのコイル用貫通部44、管用貫通部64に44−1〜44−10、64−1〜64−10と番号を割り振る。これらコイル用貫通部44−1〜44−10、64−1〜64−10は、第1金属板47Aを反転させると、図6(b)の右側から左側にかけてのコイル用貫通部44−1〜44−10、管用貫通部64−1〜64−10の位置に移動する。
第1金属板47Aは、複数のコイル用貫通部44が中心線Lcに対して線対称の形状を有する。たとえば、第1金属板47Aのコイル用貫通部44−2とコイル用貫通部44−9は中心線Lcに対して線対称の形状を有する。このことは、図示の例において、中心線Lcから等距離Lの位置にある部位周りの形状が同じことからも把握できる。他のコイル用貫通部44−1とコイル用貫通部44−10や、コイル用貫通部44−3〜44−8も同様である。
また、第1金属板47Aは、一の管用貫通部64の内側領域が、中心線Lcに対して線対称の位置において、他の管用貫通部64の内側領域と部分的に重なる形状を有する。たとえば、第1金属板47Aの管用貫通部64−2と管用貫通部64−9の内側領域をそれぞれS1、S2とする。管用貫通部64−2の内側領域S1は、中心線Lcに対して線対称の位置において領域S1’として形成され、その領域S1’は管用貫通部64−9の内側領域S2と部分的に重なる。図6(a)では各領域S1’、S2の重なる範囲S3にハッチングをつけて示す。他の管用貫通部64−1と管用貫通部64−10や、管用貫通部64−3〜64−8も同様である。
これらにより、第1金属板47Aと第2金属板47Bは、積層方向Zに重ねたときに、それぞれのコイル用貫通部44を画定する壁部により凹凸が形成されず、それぞれの管用貫通部64の壁部により凹凸部71が形成される。
なお、各金属板47の成形方法は特に限られない。たとえば、各管用貫通部64、コイル用貫通部44を有する金属板47を単一の金型を用いた一回の打ち抜き加工により成形し、それを第1金属板47Aとして用いて、第1金属板47Aを反転させたものを第2金属板47Bとして用いてもよい。この他にも、各管用貫通部64、コイル用貫通部44となるべき部位を複数回の打ち抜き加工を繰り返して成形した第1金属板47A、第2金属板47Bを用いてもよい。
次に、電機子コア41の管収容部60内に冷却管50を固定するための方法の一例を説明する。
まず、管収容部60内に冷却管50を配置する。冷却管50は、管収容部60の開口部61から管収容部60の溝底側に挿入する。このとき、冷却管50は、第1金属板47Aまたは第2金属板47Bの一方の対向壁部63の底辺部65に接触すると、その底辺部65に沿って自重により移動し、他方の対向壁部63に接触し、第1金属板47Aと第2金属板47Bの対向壁部63により安定して支持される。つまり、底辺部65の傾斜により、冷却管50を挿入するだけで、第1金属板47Aと第2金属板47Bの対向壁部63により安定して支持される位置に冷却管50を位置決めできる。
つづいて、冷却管50と管収容部60の内面とにより囲まれた箇所に樹脂材90を充填する。この箇所には溶融樹脂を流し込み、その溶融樹脂を硬化させることにより樹脂材90を充填する。このとき、冷却管50と管収容部60の溝底面の間に積層方向Zに貫通する空間部69が形成されるため、その空間部69を通して溶融樹脂を流し込み易くなる。なお、溶融樹脂は管収容部60の積層方向Zの開口から流し込んでもよいし、その突出方向Yの開口部61から流し込んでもよい。
以上、本実施形態に係る電機子40によれば、電機子コア41の管収容部60に凹凸部71が形成されるため、管収容部60内に充填される熱媒としての樹脂材90と管収容部60の内面との接触面積が増加する。よって、管収容部60から樹脂材90に抜熱され易くなり、冷却管50や自然空冷による電機子コア41の冷却効率が向上する。
また、冷却管50は管体を曲げ加工して製作されるため、曲げ加工時に加わる曲げ力によりうねりが生じ易い。かりに、電機子コア41の管収容部60に凹凸部71が形成されないと、冷却管50のコア冷却部51に突出方向Yのうねりがあるとき、コア冷却部51の突出方向Yの外周面と電機子コア41との接触面積が減少し、電機子コア41と冷却管50の間で熱伝達され難くなる。この点、本実施形態によれば、冷却管50が第1金属板47Aの左側壁部63Lと、第2金属板47Bの右側壁部63Rに接触するため、冷却管50に突出方向Yのうねりがあるときでも、電機子コア41と冷却管50の接触面積が増加する。よって、その接触部分を通して冷却管50と電機子コア41の間で熱伝達され易くなり、冷却管50による電機子コア41の冷却性能が良好となる。
また、第1金属板47Aは第2金属板47Bの中心線Lcに対して線対称の形状を有するため、同じ形状の金属板47を裏返したものを積層方向Zに重ねるだけで管収容部60に凹凸部71が形成される。よって、第1金属板47Aと第2金属板47Bを別々に成形する手間が抑えられ、製作コストの増加が抑えられる。
[第2実施形態]
図7は第2実施形態に係る電機子コア41の側面断面図である。図8(a)は図7のC部の平面断面図であり、図8(b)は図7のD部の平面断面図である。第2実施形態では電機子コア41の形状が第1実施形態と異なる。以下の実施の形態では、第1の実施の形態で説明した要素と同一の要素に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
電機子コア41には、図8(a)に示すように、複数の金属板47それぞれのモータ駆動方向Xの一端部48aにより積層方向Zに沿って第3凹凸部81Aが形成される。第1金属板47Aでは、そのモータ駆動方向Xの一端部48aにより、第3凹凸部81Aの第3凸部分83Aが形成される。また、第2金属板47Bのモータ駆動方向Xの一端部48aと、これに積層方向Zに隣り合う第1金属板47Aの一端部48aとにより、第3凹凸部81Aの第3凹部分85Aが形成される。
また、電機子コア41には、図8(b)に示すように、複数の金属板47それぞれのモータ駆動方向Xの他端部41dにより積層方向Zに沿って第4凹凸部81Bが形成される。第2金属板47Bでは、そのモータ駆動方向Xの他端部48bにより、第4凹凸部81Bの第4凸部分83Bが形成される。また、第1金属板47Aのモータ駆動方向Xの他端部48bと、これに積層方向Zに隣り合う第2金属板47Bの他端部48bとにより、第4凹凸部81Bの第4凹部分85Bが形成される。以下、第3凹凸部81Aと第4凹凸部81Bを総称して凹凸部81という。
以上の電機子40によれば、各金属板47A、47Bのモータ駆動方向Xの端部41c、41dに凹凸部81が形成されるため、その端部41cの表面に接触する空気等の熱媒と、各金属板47A、47Bの端部41c、41dとの接触面積が大きくなる。よって、電機子コア41から熱媒に抜熱され易くなり、自然空冷による電機子コア41の冷却効率が向上する。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎない。また、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が可能である。
上述の実施形態では、本発明に係る電機子40を可動子に適用した例を説明したが、固定子に適用されてもよい。固定子に適用される場合も、電機子40は、界磁子30である可動子と対向する電機子コア41の内側部41aにティース部43が設けられ、そのティース部43にコイル49が巻き回される。
電機子コア41の管用貫通部64はティース部43の突出方向Yに開口部52が形成される溝状に形成されたが、その開口部52がなくともよい。また、管用貫通部64の形状は上述のものに限定されない。また、冷却管50が配置される管収容部60は、スロット部45が形成される電機子コア41の内側部41aとは逆側の外側部41bに形成されたが、その管収容部60としてスロット部45が用いられてもよい。この場合、管収容部60としてのスロット部45内に冷却管50が配置され、そのスロット部45に積層方向Zに沿って凹凸部71が形成される。
冷却管50に複数のコア冷却部51を設け、各コア冷却部51を複数の管収容部60内に配置し、単一の冷却管50により一つの電機子コア41を冷却する例を説明した。変形例では、複数の管収容部60内に別々の冷却管50を配置し、複数の冷却管50により一つの電機子コア41を冷却してもよい。また、コア冷却部51の断面は円筒状に形成されたが、角筒状等に形成されてもよい。
複数の金属板47の積層順序は、第1金属板47Aと第2金属板47Bが交互に積層される場合の他、単数又は複数を一単位とする第1金属板47Aと第2金属板47Bが積層方向Zに規則的に積層されてもよいし、不規則に積層されてもよい。また、第1金属板47A、第2金属板47Bと形状が異なる他の金属板が積層されてもよい。また、第2金属板47Bは第1金属板47Aの中心線Lcに対して線対称の形状を有していなくともよい。この場合、第1金属板47Aと第2金属板47Bを別々に準備することになる。
また、第1金属板47Aや第2金属板47Bの形状は上述のものに限られない。第1実施形態では複数のコイル用貫通部44が中心線Lcに対して線対称の形状を有し、一の管用貫通部64の内側領域が、中心線Lcに対して線対称の位置において、他の管用貫通部64の内側領域と部分的に重なる形状を有した。この対称軸となる中心線は金属板のモータ駆動方向Xの中心線Lcである必要はなく、その中心線Lcからモータ駆動方向Xにずれた位置に対称軸が設けられてもよい。
10・・・リニアモータ、40・・・電機子、41・・・コア、47・・・金属板、47A・・・第1金属板、47B・・・第2金属板、50・・・冷却管、60・・・管収容部、63・・・対向壁部、65・・・底辺部、71・・・凹凸部、81・・・凹凸部、90・・・樹脂材。

Claims (6)

  1. リニアモータ用の電機子であって、
    複数の金属板を積層して構成されるコアと、
    前記コアを冷却するための冷却管と、を備え、
    前記複数の金属板のそれぞれには貫通部が形成され、その貫通部が金属板の積層方向に連なることにより、前記冷却管の一部を収容する管収容部が形成され、
    前記管収容部には、前記複数の金属板それぞれの貫通部を画定する壁部により、金属板の積層方向に沿って凹凸部が形成され、
    前記複数の金属板の貫通部は、前記冷却管を挟んで対向する一対の対向壁部により画定され、
    前記管収容部には、前記複数の金属板それぞれの一方の対向壁部により、金属板の積層方向に沿って第1凹凸部が形成され、前記複数の金属板それぞれの他方の対向壁部により、金属板の積層方向に沿って第2凹凸部が形成され、
    前記金属板には、第1金属板と、前記第1金属板と前記積層方向に隣り合う第2金属板とが含まれ、
    前記冷却管は、前記第1凹凸部の凸部分を形成する前記第1金属板の対向壁部と、前記第2凹凸部の凸部分を形成する前記第2金属板の対向壁部とに接触した状態で保持されることを特徴とするリニアモータ用電機子。
  2. 前記複数の金属板の貫通部は溝状に形成され、
    前記一対の対向壁部には開口側から溝底側に向かうにつれて溝幅が狭まるように傾斜する底辺部が形成され、
    前記冷却管は、前記第1凹凸部の凸部分を形成する第1金属板の対向壁部の底辺部と、前記第2凹凸部の凸部分を形成する第2金属板の対向壁部の底辺部とに接触した状態で保持されることを特徴とする請求項に記載のリニアモータ用電機子。
  3. 前記複数の金属板の貫通部は溝状に形成され、
    前記冷却管は、前記第1凹凸部の凸部分を形成する第1金属板の対向壁部と、前記第2凹凸部の凸部分を形成する第2金属板の対向壁部とに接触することにより、これらの溝底面から間隔を空けて保持されることを特徴とする請求項またはに記載のリニアモータ用電機子。
  4. 前記第1金属板は、前記第2金属板のモータ駆動方向の中心線に対して線対称の形状を有することを特徴とする請求項からのいずれかに記載のリニアモータ用電機子。
  5. 前記管収容部と前記冷却管の間に充填される樹脂材を更に備えることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のリニアモータ用電機子。
  6. 前記複数の金属板それぞれのモータ駆動方向の端部により、前記金属板の積層方向に沿って凹凸部が形成されることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のリニアモータ用電機子。
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