以下に、本発明の好ましい形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図においては、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、構成要素毎に縮尺を異ならせてあるものであり、本発明は、これらの図に記載された構成要素の数量、構成要素の形状、構成要素の大きさの比率、および各構成要素の相対的な位置関係のみに限定されるものではない。
(第1の実施形態)
以下に、本発明の実施形態の一例を説明する。内視鏡接続チューブ100は、流体を送出する流体供給源60と、内視鏡200が備える管路201内と、を接続するためのものである。流体供給源60と管路201とが接続された状態においては、流体供給源60から送出された流体が内視鏡接続チューブ100を経由して管路201内に送り込まれる。
図1に示すように、本実施形態では一例として、流体供給源60は、内視鏡リプロセッサ1に含まれている。内視鏡リプロセッサ1は、内視鏡200に対して、再生処理を施す装置である。ここでいう再生処理とは特に限定されるものではなく、水によるすすぎ処理、有機物等の汚れを落とす洗浄処理、所定の微生物を無効化する消毒処理、全ての微生物を排除もしくは死滅させる滅菌処理、またはこれらの組み合わせ、のいずれであってもよい。
なお、以下の説明において、上方とは比較対象に対してより地面から遠ざかった位置のことを指し、下方とは比較対象に対してより地面に近づいた位置のことを指す。また、以下の説明における高低とは、重力方向に沿った高さ関係を示すものとする。
内視鏡リプロセッサ1は、制御部5、電源部6、処理槽2、流体供給源60および作動流体供給源80を備える。
制御部5は、演算装置(CPU)、記憶装置(RAM)、補助記憶装置、入出力装置および電力制御装置等を具備して構成することができ、使用者からの指示に従って所定のプログラムを実行し、内視鏡リプロセッサ1を構成する各部位の動作を制御する構成を有している。以下の説明における内視鏡リプロセッサ1に含まれる各構成の動作は、特に記載がない場合であっても制御部5によって制御される。
操作部7および表示部8は、制御部5と使用者との間の情報の授受を行うユーザインターフェースを構成する。操作部7は、例えばプッシュスイッチやタッチセンサ等の、使用者からの動作指示を受け付ける操作部材を含む。使用者からの動作指示は、操作部7により電気信号に変換され、制御部5に入力される。使用者からの動作指示とは、例えば再生処理の開始指示等である。なお、操作部7は、制御部5との間で有線通信または無線通信を行う内視鏡リプロセッサ1の本体部1aと分離した電子機器に備えられる形態であってもよい。
また、表示部8は、例えば画像や文字を表示する表示装置、光を発する発光装置、音を発するスピーカ、振動を発するバイブレータ、またはこれらの組み合わせ、を含む。表示部8は、制御部5から使用者に対して情報を出力する。なお、表示部8は、制御部5との間で有線通信または無線通信を行う内視鏡リプロセッサ1の本体部1aと分離した電子機器に備えられる形態であってもよい。
電源部6は、内視鏡リプロセッサ1の各部位に電力を供給する。電源部6は、商用電源等の外部から得た電力を各部位に分配する。なお、電源部6は、発電装置やバッテリーを備えていてもよい。
処理槽2は、開口部を有する凹形状であり、内部に液体を貯留することが可能である。処理槽2内には、内視鏡200を配置することができる。処理槽2には、複数の内視鏡200が配置可能であってもよい。
処理槽2の上部には、処理槽2の開口部を開閉する蓋3が設けられている。処理槽2内において内視鏡に再生処理を施す場合には、処理槽2の開口部は蓋3によって閉じられる。
処理槽2には洗浄液ノズル15、薬液ノズル12、排液口11、循環口13、循環ノズル14、内視鏡管路接続部16、検知用管路接続部62および作動流体用管路接続部83が設けられている。
洗浄液ノズル15は、洗浄液管路51を介して、洗浄液を貯留する洗浄液タンク50に連通する開口部である。洗浄液は、洗浄処理に用いられる。洗浄液管路51には、洗浄液ポンプ52が設けられている。洗浄液ポンプ52は制御部5に接続されており、洗浄液ポンプ52の動作は制御部5によって制御される。洗浄液ポンプ52を運転することにより、洗浄液タンク50内の洗浄液が、処理槽2内に移送される。
薬液ノズル12は、薬液管路26を介して薬液タンク20に連通する開口部である。薬液タンク20は、薬液を貯留する。薬液タンク20が貯留する薬液の種類は特に限定されるものではないが、本実施形態では一例として、薬液は消毒処理に用いられる消毒液、または滅菌処理に用いられる滅菌液である。消毒液または滅菌液としては、過酢酸水溶液が挙げられる。
薬液管路26には、薬液ポンプ27が設けられている。薬液ポンプ27を運転することにより、薬液タンク20内の薬液が、薬液管路26および薬液ノズル12を経由して、処理槽2内に移送される。
また、本実施形態では一例として、薬液は、再生処理に用いられた後にも薬効を有している場合には、再使用可能である。よって、内視鏡リプロセッサ1は、処理槽2内の薬液を回収して薬液タンク20内に戻す構成を備える。処理槽2内の薬液を回収して薬液タンク20内に戻す構成については後述する。
排液口11は、処理槽2内の最も低い箇所に設けられた開口部である。排液口11は、排出管路21に接続されている。排出管路21は、排液口11と切替バルブ22とを連通している。切替バルブ22には、回収管路23および廃棄管路25が接続されている。切替バルブ22は、排出管路21を閉塞した状態、排出管路21と回収管路23とを連通した状態、または排出管路21と廃棄管路25とを連通した状態、に切り替え可能である。切替バルブ22は制御部5に接続されており、切替バルブ22の動作は制御部5によって制御される。
回収管路23は、薬液タンク20と切替バルブ22とを連通している。また、廃棄管路25は内視鏡リプロセッサ1から排出される液体を受け入れるための排液設備と切替バルブ22とを連通している。
切替バルブ22を閉状態とすれば、処理槽2内に液体を貯留することができる。また、処理槽2内に薬液が貯留されている時に、切替バルブ22を排出管路21と回収管路23とが連通した状態とすれば、薬液が処理槽2から薬液タンク20に移送される。また、切替バルブ22を排出管路21と廃棄管路25とが連通した状態とすれば、処理槽2内の液体が廃棄管路25を経由して排液設備に送出される。なお、本実施形態では一例として、廃棄管路25には、処理槽からの液体の排液を促進するための排液ポンプ24が設けられている。
循環口13は、処理槽2の底面付近に設けられた開口部である。循環口13は、循環管路13aに連通している。循環管路13aは、内視鏡循環管路30および処理槽循環管路40の二つの管路に分岐している。
内視鏡循環管路30は、循環管路13aと後述するチャンネルブロック32とを連通している。内視鏡循環管路30には、流体送出ポンプ33が設けられている。流体送出ポンプ33は、稼働することにより内視鏡循環管路30内の流体をチャンネルブロック32に向かって移送する。
チャンネルブロック32には、前述の内視鏡循環管路30の他に、吸気管路34、アルコール管路38および送出管路31が接続されている。チャンネルブロック32は、送出管路31と、内視鏡循環管路30、吸気管路34およびアルコール管路38とを接続している。チャンネルブロック32は、内視鏡循環管路30、吸気管路34およびアルコール管路38のそれぞれから、チャンネルブロック32内へ向かう方向にのみ流体の流れを許容する逆止弁が設けられている。すなわち、チャンネルブロック32内から、内視鏡循環管路30、吸気管路34およびアルコール管路38に向かって流体が流れないようになっている。
吸気管路34は、一方の端部が大気に開放されており、他方の端部がチャンネルブロック32に接続されている。なお、図示しないが、吸気管路34の一方の端部には、通過する気体を濾過するフィルタが設けられている。エアポンプ35は、吸気管路34に設けられており、稼働することにより吸気管路34内の気体をチャンネルブロック32に向かって移送する。
アルコール管路38は、アルコールを貯留するアルコールタンク37とチャンネルブロック32とを連通している。アルコールタンク37内に貯留されるアルコールは、例えばエタノールが挙げられる。アルコール濃度については、適宜に選択することができる。アルコールポンプ39は、アルコール管路38に設けられており、稼働することによりアルコールタンク37内のアルコールをチャンネルブロック32に向かって移送する。
流体送出ポンプ33、エアポンプ35およびアルコールポンプ39は、制御部5に接続されており、これらの動作は制御部5によって制御される。処理槽2内に液体が貯留されている場合に、流体送出ポンプ33の運転を開始すれば、処理槽2内の液体が、循環口13、循環管路13aおよび内視鏡循環管路30を経由して、送出管路31に送り込まれる。また、エアポンプ35の運転を開始すれば、空気が送出管路31に送り込まれる。また、アルコールポンプ39の運転を開始すれば、アルコールタンク37内のアルコールが送出管路31に送り込まれる。
送出管路31は、内視鏡管路接続部16に接続されている。内視鏡管路接続部16は、後述する内視鏡接続チューブ100を介して内視鏡200に設けられた口金202に接続される。チャンネルブロック32から送出管路31に送出された流体は、内視鏡管路接続部16を介して、内視鏡200の口金202に連通する管路201内に導入される。
検知用管路接続部62および作動流体用管路接続部83は、後述する内視鏡接続チューブ100が接続される部位である。
送出管路31、流体送出ポンプ33、内視鏡管路接続部16および検知用管路接続部62は、後述する流体を送出する流体供給源60を構成する。また、作動流体用管路接続部83は、後述する作動流体を送出する作動流体供給源80を構成する。
処理槽循環管路40は、循環管路13aと循環ノズル14とを連通している。循環ノズル14は、処理槽2内に設けられた開口部である。処理槽循環管路40には、流液ポンプ41が設けられている。流液ポンプ41は制御部5に接続されており、流液ポンプ41の動作は制御部5によって制御される。
また、処理槽循環管路40の流液ポンプ41と循環ノズル14との間には、三方弁42が設けられている。三方弁42には、給水管路43が接続されている。三方弁42は、循環ノズル14と処理槽循環管路40とを連通した状態、または循環ノズル14と給水管路43とを連通した状態、に切り替え可能である。
給水管路43は、三方弁42と水供給源接続部46とを連通している。給水管路43には、給水管路43を開閉する水導入バルブ45および水を濾過する水フィルタ44が設けられている。水供給源接続部46は、例えばホース等を介して、水を送出する水道設備等の水供給源49に接続される。
三方弁42および水導入バルブ45は、制御部5に接続されており、これらの動作は制御部5によって制御される。
処理槽2内に液体が貯留されている場合に、三方弁42を循環ノズル14と処理槽循環管路40とを連通した状態として、流液ポンプ41の運転を開始すれば、処理槽2内の液体が、循環口13、循環管路13aおよび処理槽循環管路40を経由して、循環ノズル14から吐出される。
また、三方弁42を、循環ノズル14と給水管路43とを連通した状態として、水導入バルブ45を開状態とすれば、水供給源49から供給された水が循環ノズル14から吐出される。循環ノズル14から吐出された水は、処理槽2内に導入され、処理槽2内に配置された内視鏡等をすすぐためのすすぎ水等として用いられる。
図2は、流体供給源60、作動流体供給源80および内視鏡接続チューブ100の構成を示す図である。また、図3および図4は、内視鏡接続チューブ100のコネクタ部101の構成を示す断面図である。
流体供給源60は、内視鏡接続チューブ100が備える送流体管路111が接続される内視鏡管路接続部16と、内視鏡接続チューブ100が備える検知用管路112が接続される検知用管路接続部62と、を備える。
また、流体供給源60は、内視鏡管路接続部16および検知用管路接続部62から流体を送出する構成を備える。この構成は特に限定されるものではないが、本実施形態では一例として単一のポンプである流体送出ポンプ33から送出される流体を、内視鏡管路接続部16または検知用管路接続部62に切り替えて導く三方弁63を備えている。
より具体的には、流体供給源60は、流体送出ポンプ33と内視鏡管路接続部16とを接続する送出管路31、送出管路31の流体送出ポンプ33から内視鏡管路接続部16までの区間と検知用管路接続部62とを接続する検知用流体送出管路61、および送出管路31と検知用流体送出管路61との接続部に設けられた三方弁63を備える。
三方弁63は、制御部5に接続されており、三方弁63の動作は制御部5によって制御される。三方弁63は、流体送出ポンプ33から送出される流体を内視鏡管路接続部16に導く状態と、当該流体を検知用管路接続部62に導く状態とに切り替えることができる。
また、流体供給源60は、内視鏡管路接続部16から送出される流体の流量を検知する流量測定部71と、検知用管路接続部62から送出される流体の流動の有無を検知する検知部70と、を備える。これらの構成は特に限定されるものではないが、本実施形態では一例として、流体送出ポンプ33から送出される流体の流量を検知する流量測定部71が検知部70を兼ねる。すなわち、本実施形態では、流量測定部71と検知部70とは一体である。流量測定部71や検知部70には、例えば流量センサや圧力センサが用いられる。
より具体的には、流量測定部71は、送出管路31の流体送出ポンプ33から三方弁63までの区間に配置されており、当該区間を流れる流体の流量を測定する。したがって、三方弁63が流体送出ポンプ33と内視鏡管路接続部16とを連通する状態である場合には、流量測定部71は、内視鏡管路接続部16から送出される流体の流量を検知することができる。また、三方弁63が流体送出ポンプ33と検知用管路接続部62とを連通する状態である場合には、流量測定部71は、検知用管路接続部62から送出される流体の流動の有無を検知することができる。このように、本実施形態では、流量測定部71が検知部70を兼ねている。
作動流体供給源80は、内視鏡接続チューブ100が備える作動流体用管路113が接続される作動流体用管路接続部83を備え、作動流体用管路接続部83から作動流体を送出する。
作動流体の形態は特に限定されるものではないが、本実施形態では一例として、作動流体は空気である。よって、作動流体供給源80は、作動流体である空気を所定の圧力で送出するエアコンプレッサ82と、エアコンプレッサ82および作動流体用管路接続部83を接続する空気送出管路81と、を備える。また、空気送出管路81には、内部の空気を外部に排出するための排気弁84が設けられている。エアコンプレッサ82および排気弁84は制御部5に接続されており、これらの動作は制御部5によって制御される。空気送出管路81には、エアコンプレッサ82から送出される空気の圧力を調整する圧力レギュレータが設けられていてもよい。
なお、エアコンプレッサ82は、内視鏡リプロセッサ1が備えるエアポンプ35を兼ねていてもよい。この場合には、内視鏡リプロセッサ1は、エアコンプレッサ82から送出される空気を、作動流体用管路接続部83に導く状態と、当該空気をチャンネルブロック32に導く状態とに切り替える切替バルブを備える。
次に、内視鏡接続チューブ100の構成を説明する。
内視鏡接続チューブ100は、コネクタ部101、送流体管路111、検知用管路112および作動流体用管路113を備える。
内視鏡接続チューブ100は、流体供給源60の内視鏡管路接続部16から送出される流体の一部または全部を、内視鏡200の口金202に設けられた開口部202a内に導く装置である。口金202の開口部202aは、内視鏡200が備える管路201に連通している。
口金202の形状は特に限定されるものではないが、本実施形態では一例として、口金202は、内視鏡200の外表面から突出する円筒形状であり、端面202bに開口部202aが形成されている。
コネクタ部101は、当該コネクタ部101を内視鏡200の口金202に対向するよう保持する保持部102を備える。本実施形態では一例として、保持部102は、筒形状である口金202の側面202cに設けられた凸部である係止部203と係合し、コネクタ部101を口金202に対して所定の位置に保持する。なお、保持部102は、内視鏡200の外表面において口金202とは異なる位置に設けられた係止部と係合する構成を有していてもよい。なお、保持部102と係止部203とが接触する面積は、より小さい方が好ましい。
図3および図4は、保持部102が内視鏡200と係合し、コネクタ部101が口金202の近傍に保持されている状態を示している。また、図3および図4では、保持部102と係止部203を省略し図示していない。
送流体管路111の第1端部111aは、コネクタ部101において開口している。また、送流体管路111の第2端部111bは、流体供給源60の内視鏡管路接続部16に接続可能である。
送流体管路111の第1端部111aは、保持部102によりコネクタ部101が口金202の近傍に保持されている状態において、口金202の開口部202aに向かい合って開口する位置に配置される。
送流体管路111の第1端部111aには、シール部104が配設されている。シール部104は、口金202の開口部202aを囲うように口金202に密着する密着面104aを備える。密着面104aは、例えば環状である。図4は、シール部104の密着面104aが、口金202に密着した状態を示している。密着面104aが口金202に密着した状態においては、送流体管路111の内部と口金202の開口部202aの内部とが、気密に接続される。すなわち、図4に示すように密着面104aが口金202に密着した状態においては、流体供給源60から送流体管路111内に送出される流体の全てが、外部に漏れることなく口金202の開口部202a内に導入される。
本実施形態では、シール部104は、送流体管路111の第1端部111aの内周面に沿って設けられた環状のゴム製の部材であり、内側に口金202が嵌合する。そして、シール部104の密着面104aは、シール部104内に嵌合している口金202の側面202cの周方向全体に密着する。
検知用管路112の第1端部112aは、シール部104の密着面104a内において開口している。言い換えれば、検知用管路112の第1端部112aの開口は、周囲を密着面104aにより囲まれている。したがって、密着面104aが口金202に密着した状態においては、検知用管路112の第1端部112aは閉塞される。
また、検知用管路112の第2端部112bは、流体供給源60の検知用管路接続部62に接続可能である。図4に示すように密着面104aが口金202に密着した状態においては、流体供給源60から検知用管路112内に流体が送出されたとしても、検知用管路112内の流体は流動しない。
図5は、シール部104の密着面104aおよび検知用管路112の第1端部112aの形状を示す断面図である。前述のように、密着面104aは、口金202の側面202cに周方向全体にわたって密着する環状である。そして、シール部104は、環状である密着面104a内において当該密着面104aの延在方向に沿って設けられた環状の溝104bを有する。検知用管路112の第1端部112aは、溝104b内に開口している。
したがって、本実施形態では、シール部104の密着面104aが口金202の側面202cに周方向全体にわたって密着している場合にのみ、検知用管路112が側面202cによって閉塞される。言い換えれば、密着面104aの一部が口金202から離間している場合には、検知用管路112は閉塞されない。
例えば、本実施形態とは異なり、検知用管路112の第1端部112aが密着面104aの周方向の一部分のみにおいて開口している場合には、密着面104aの当該部分のみが密着していれば検知用管路112が閉塞される。この場合には、密着面104aの当該部分を除く箇所において密着面が口金202から離間していたとしても、検知用管路112が閉塞されてしまう。
一方、本実施形態では、シール部104の一部に切れ目等の欠損が生じてしまい、密着面104aが部分的に口金202から離間してしまう場合において、確実に検知用管路112が閉塞されないようにすることができる。すなわち本実施形態では、密着面104aが部分的に口金202から離間してしまう場合において、流体供給源60から検知用管路112内に流体が送出されれば、検知用管路112内の流体が流動する。
そして、本実施形態の内視鏡接続チューブ100は、保持部102により送流体管路111の第1端部111aが口金202に対向するよう保持された状態において、シール部104を密着面104aが口金202に密着した第1位置および密着面104aが口金202から離間した第2位置の間で移動させる切替部103を備える。図3は、シール部104が第2位置に位置している状態を示しており、図4は、シール部104が第1位置に位置している状態を示している。
切替部103によるシール部104の移動は、例えば内視鏡リプロセッサ1の使用者の手指により加えられる力によって行われる形態であってもよいし、また例えば内視鏡リプロセッサ1または内視鏡接続チューブ100が備える機構により発生される力によって行われる形態であってもよい。
本実施形態では一例として、切替部103は、作動流体供給源80から供給される流体の圧力に応じてシール部104を第1位置および第2位置の間で移動させる構成を有する。
具体的には、切替部103は、コネクタ部101内に形成された筒状の空間であるシリンダ部103aと、シリンダ部103a内を進退移動するピストン状の移動部103bとを備える、いわゆる空圧シリンダの形態を有する。保持部102により送流体管路111の第1端部111aが口金202に対向するよう保持された状態において、移動部103bは、移動方向のうちの一方の側に向かって移動した場合に口金202に接近し、移動方向のうちの一方の側に向かって移動した場合に口金202から遠ざかる。
移動部103bの移動方向のうちの一方の側に向かう面には、送流体管路111の第1端部111aが開口している。また、移動部103bの移動方向のうちの他方の側に向かう面と、シリンダ部103aの内壁により画成される空間103d内には、作動流体用管路113の第1端部113aが開口している。作動流体用管路113の第2端部113bは、作動流体供給源80の作動流体用管路接続部83に接続可能である。また、切替部103は、移動部103bを、移動部103bの移動方向のうちの他方の側に向かって付勢する付勢部材103cを備える。送流体管路111の第1端部111aは、移動部103bの移動方向のうちの一方の側に向かって開口している。
以上のように構成された本実施形態の切替部103では、作動流体供給源80から所定の圧力の空気がシリンダ部103aの空間103d内に供給された場合に、図4に示すように移動部103bが口金202に接近する方向に移動し、シール部104の密着面104aが口金202に密着する。なお、シリンダ部103aと移動部103bの間には、空間103d内の気密性を向上させるため、Oリング等のシール部材が設けられてもよい。
また、作動流体供給源80からの空気の供給が行われていない場合には、図3に示すように、付勢部材103cの付勢力によって移動部103bが口金202から遠ざかる方向に移動し、シール部104の密着面104aが口金202から離間する。なお、本実施形態では作動流体を空気としているが、作動流体は空気に限定されるものではなく、他の気体や液体であってもよい。
以上に説明したように、本実施形態の内視鏡接続チューブ100において、シール部104が口金202に密着する第1の位置に位置している場合には、送流体管路111の第1端部111aから送出される流体は、全量が管路201内に送り込まれる。また、本実施形態の内視鏡接続チューブ100において、シール部104が口金202から離間した第2の位置に位置している場合には、送流体管路111の第1端部111aから送出される流体の一部が口金202の周囲に漏れ出し、残りの流体が管路201内に送り込まれる。
次に、以上に説明した構成を有する内視鏡接続チューブ100を備える内視鏡リプロセッサ1の動作について説明する。図6は、内視鏡200が備える管路201の閉塞や狭窄等の詰まりの有無を検知する詰まり検知動作を実行する際の制御部5による制御のフローチャートである。また、図7は、内視鏡200が備える管路201内に流体を送り込む送流体動作を実行する際の制御部5による制御のフローチャートである。
図6に示す詰まり検知動作は、内視鏡リプロセッサ1による内視鏡200への再生処理中の任意の段階で実行される。詰まり検知動作は、再生処理中に複数回実行されてもよい。詰まり検知動作の開始時点においては、図2に示すように、内視鏡接続チューブ100の送流体管路111、検知用管路112および作動流体用管路113は、それぞれ内視鏡管路接続部16、検知用管路接続部62および作動流体用管路接続部83に接続された状態である。また、詰まり検知動作の開始時点においては、内視鏡接続チューブ100の保持部102は、内視鏡200に係合している。
また、詰まり検知動作の開始時点においては、流体供給源60の流体送出ポンプ33および作動流体供給源80のエアコンプレッサ82は停止した状態である。すなわち、詰まり検知動作の開始時点においては、内視鏡接続チューブ100のシール部104は、口金202から離間した第2位置に位置している。
詰まり検知動作では、まずステップS100において、制御部5は、作動流体供給源80による作動流体の供給を開始する。具体的には、制御部5は、排気弁84を閉状態とし、エアコンプレッサ82の運転を開始する。ステップS100の実行により、所定の圧力の作動流体である空気が、作動流体用管路113を経由して切替部103のシリンダ部103a内に送り込まれる。なお、制御部5は、シリンダ部103aの空間103d内の圧力が所定の値以上に保たれていれば、エアコンプレッサ82の運転を一時的に停止しても構わない。
したがって、ステップS100の実行により、切替部103は、シール部104を第1位置に移動させる。すなわち、ステップS100の実行後は、図4に示すように、シール部104の密着面104aが、口金202に密着した状態となる。
次に、ステップS110において、制御部5は、流体供給源60による検知用管路112内への流体の送出を開始する。具体的には、制御部5は、三方弁63を流体送出ポンプ33と検知用管路接続部62とが接続される状態に切り替え、その後に流体送出ポンプ33の運転を開始する。ステップS110の実行により、流体供給源60によって検知用管路112内に流体が送り込まれる。
次に、ステップS120において、制御部5は、検知用管路112内における流体の流動が検知部70により検知されたか否かを判定する。具体的に本実施形態では、制御部5は、流量測定部71によって検出される流体の流量がゼロである場合に、検知用管路112内における流体の流動が検知部70により検知されていない、と判定する。一方、制御部5は、流量測定部71によって検出される流体の流量がゼロを超える値である場合に、検知用管路112内における流体の流動が検知部70により検知された、と判定する。
前述のように、検知用管路112の第1端部112aは、シール部104の密着面104a内において開口している。したがって、ステップS120の実行時において、シール部104の密着面104aが理想的に口金202に密着している場合には、検知用管路112は、口金202によって閉塞されるため、検知用管路112内における流体の流動が検知部70により検知されない。検知用管路112内における流体の流動が検知部70により検知されない場合には、制御部5は、ステップS150に移行して、シール部104と口金202との密着状態に不良はないと判定し、後述するステップS160に移行する。
一方、もしステップS120の実行時において、シール部104の密着面104aが口金202から離間している場合には、検知用管路112は、口金202によって閉塞されないため、流体供給源60から検知用管路112内に送り込まれた流体は、第1端部112aから流れ出す。したがって、ステップS120の実行時においてシール部104の密着面104aが口金202から離間している場合には、検知用管路112内における流体の流動が検知部70により検知される。
検知用管路112内における流体の流動が検知部70により検知された場合には、制御部5は、ステップS130に移行してシール部104と口金202との密着状態に不良が有ると判定する。そして、ステップS140において、制御部5は、表示部8により、使用者に対してシール部104と口金202との密着状態に不良が有ることを警告する表示動作を実行する。そして、ステップS210において、制御部5は、作動流体供給源80による作動流体の供給動作と、流体供給源60による流体の供給動作を停止する。
このように、本実施形態の内視鏡接続チューブ100および内視鏡リプロセッサ1は、シール部104と口金202との密着状態に不良があるか否かを検知することができる。
シール部104と口金202との密着状態に不良が生じる原因としては、シール部104が破損している場合や、切替部103によるシール部104の移動が正しく行われていない場合等の、内視鏡接続チューブ100の機械的な故障や不具合が考えられる。また、シール部104と口金202との密着状態に不良が生じる原因としては、使用者による保持部102と内視鏡200とを係合させる操作が正しく行われていない場合や、作動流体用管路113を作動流体用管路接続部83に接続する操作が正しく行われていない場合等の、操作ミスが考えられる。
ステップS120およびステップS150において、シール部104と口金202との密着状態に不良が無いと判定した場合には、制御部5は、ステップS160において、流体供給源60による送流体管路111内への流体の送出を開始する。具体的には、制御部5は、三方弁63を流体送出ポンプ33と内視鏡管路接続部16とが接続される状態に切り替える。なお、制御部5は、三方弁63の切替動作の期間中は、流体送出ポンプ33の運転を一時的に停止してもよい。ステップS160の実行により、流体供給源60によって送流体管路111内に流体が送り込まれる。
そして、ステップS170において、制御部5は、流量測定部71による測定結果に基づき、流体供給源60から送出される流体の流量が、所定の閾値以上であるか否かを判定する。
ステップS170の実行時においては、シール部104と口金202とが密着した状態であることから、送流体管路111の第1端部111aから送出される全ての流体が内視鏡200の管路201内を通過した後に処理槽2内に流れ出る。したがって、管路201内において生じる流体の流動抵抗に応じて、流体供給源60から送出される流体の流量が変化する。
ステップS170において、流体供給源60から送出される流体の流量が閾値以上である場合には、制御部5は、ステップS200に移行し、内視鏡200の管路201に閉塞や狭窄等の詰まりが発生していないと判定する。そして、ステップS210に移行し、制御部5は、作動流体供給源80による作動流体の供給動作と、流体供給源60による流体の供給動作を停止する。
一方、ステップS170において、流体供給源60から送出される流体の流量が閾値未満である場合には、制御部5は、ステップS180に移行し、管路201に閉塞や狭窄等の詰まりが発生していると判定する。そして、ステップS190に移行し、制御部5は、表示部8により、使用者に対して内視鏡200の管路201に詰まりが発生していることを警告する表示動作を実行する。そして、制御部5は、ステップS210に移行し、作動流体供給源80による作動流体の供給動作と、流体供給源60による流体の供給動作を停止する。さらに、制御部5は、排気弁84を開状態とし、空気送出管路81および作動流体用管路113内の圧力を開放する。本実施形態における詰まり検知動作は以上で終了する。
図7に示す送流体動作は、内視鏡リプロセッサ1による内視鏡200への再生処理の実行中において、例えば洗浄液、消毒液または滅菌液等の薬液や、すすぎ水等の流体を、管路201内に流し込む場合に実行される。送流体動作の実行時には、管路201内だけでなく口金202の周囲も流体と触れさせる必要があることから、シール部104が口金202から離間していることが求められる。
送流体動作の開始時点においては、図2に示すように、内視鏡接続チューブ100の送流体管路111、検知用管路112および作動流体用管路113は、それぞれ内視鏡管路接続部16、検知用管路接続部62および作動流体用管路接続部83に接続された状態である。また、送流体動作の開始時点においては、内視鏡接続チューブ100の保持部102は、内視鏡200に係合している。
また、送流体動作の開始時点においては、流体供給源60の流体送出ポンプ33および作動流体供給源80のエアコンプレッサ82は停止した状態であり、排気弁84は開状態である。したがって、送流体動作の開始時点においては、内視鏡接続チューブ100のシール部104は、口金202から離間した第2位置に位置している。
送流体動作では、まずステップS300において、制御部5は、流体供給源60による検知用管路112内への流体の送出を開始する。具体的には、制御部5は、三方弁63を流体送出ポンプ33と検知用管路接続部62とが接続される状態に切り替え、その後に流体送出ポンプ33の運転を開始する。ステップS300の実行により、流体供給源60によって検知用管路112内に流体が送り込まれる。
次に、ステップS310において、制御部5は、検知用管路112内における流体の流動が検知部70により検知されたか否かを判定する。具体的に本実施形態では、制御部5は、流量測定部71によって検出される流体の流量が閾値以上である場合に、検知用管路112内における流体の流動が検知部70により検知された、と判定する。
前述のように、検知用管路112の第1端部112aは、シール部104の密着面104a内において開口している。したがって、ステップS310の実行時において、シール部104の密着面104aが口金202から離間している場合には、検知用管路112は、口金202によって閉塞されない。したがってこの場合には、流体供給源60から検知用管路112内に送り込まれた流体は、第1端部112aから流れ出す。よって、ステップS120の実行時においてシール部104の密着面104aが口金202から離間している場合には、検知用管路112内における流体の流動が検知部70により検知される。
ステップS310において、検知用管路112内における流体の流動が検知部70により検知された場合には、制御部5は、ステップS320に移行し、シール部104が正常に口金202から離間していると判定する。すなわち、ステップS320において、検知用管路112内における流体の流動が検知部70により検知された場合とは、切替部103によるシール部104の移動が正常に行われた場合に生じる。そしてステップS330に移行し、制御部5は、後述するステップS360を実行する。
一方、もしステップS310の実行時において、シール部104の密着面104aが口金202から離間していない場合には、検知用管路112は、口金202によって閉塞されるため、検知用管路112内の流体は流動しない。したがって、ステップS310の実行時においてシール部104の密着面104aが口金202から離間していない場合には、検知用管路112内における流体の流動が検知部70により検知されない。
検知用管路112内における流体の流動が検知部70により検知されない場合には、制御部5は、ステップS330に移行してシール部104が口金202から離間していないと判定する。そして、ステップS340において、制御部5は、表示部8により、使用者に対して切替部103によるシール部104の移動が正常に完了していないことを警告する表示動作を実行する。そして、ステップS380において、制御部5は、流体供給源60による流体の供給動作を停止する。
ステップS320において、シール部104が正常に口金202から離間していると判定した後には、制御部5は、ステップS360に移行し、流体供給源60による送流体管路111内への流体の送出を開始する。具体的には、制御部5は、三方弁63を流体送出ポンプ33と内視鏡管路接続部16とが接続される状態に切り替える。なお、制御部5は、三方弁63の切替動作の期間中は、流体送出ポンプ33の運転を一時的に停止してもよい。ステップS360の実行により、送流体管路111の第1端部111aから送出される流体の一部が口金202の周囲に漏れ出し、残りの流体が管路201内に送り込まれる。
そして、ステップS370において、制御部5は、流体供給源60による送流体管路111内への流体の送出を所定の時間継続した後に、ステップS380に移行して、流体供給源60による流体の供給動作を停止する。本実施形態における送流体動作は以上で終了する。
以上に説明したように、本実施形態の内視鏡接続チューブ100および内視鏡リプロセッサ1は、検知部70による検知用管路112内の流体の流動の有無の検知結果に基づいて、シール部104が口金202から離間した状態であるか否かを自動的に検出することが可能である。言い換えれば本実施形態の内視鏡接続チューブ100および内視鏡リプロセッサ1は、検知部70による検知用管路112内の流体の流動の有無の検知結果に基づいて、シール部104が口金202に密着した状態であるか否かを自動的に検出することが可能である。
前述のように、シール部104が口金202に密着していれば、内視鏡接続チューブ100は流体の全量を管路201内に流し込む状態であり、シール部104が口金202から離間していれば、内視鏡接続チューブ100は流体の一部を口金202の周囲に漏らす状態である。したがって、本実施形態の内視鏡接続チューブ100および内視鏡リプロセッサ1は、内視鏡接続チューブ100が流体の全てを管路201内に流し込む状態であるか否かを検知することが可能である。
なお、以上に説明した本実施形態の内視鏡リプロセッサ1は、詰まり検知動作時において、内視鏡接続チューブ100が流体の全てを管路201内に流し込む状態であるか否かを検知する構成を有しているが、内視鏡リプロセッサ1が、内視鏡接続チューブ100が流体の全てを管路201内に流し込む状態であるか否かを検知する動作を実行する目的や時期は本実施形態に限られない。例えば、内視鏡リプロセッサ1は、管路201内のみに流体を流し込む動作を実行する際に、内視鏡接続チューブ100が流体の全てを管路201内に流し込む状態であるか否かを検知する動作を実行してもよい。この場合、管路201内のみに流体を流し込む動作を実行することにより、内視鏡リプロセッサ1による管路201内の洗浄性や消毒性を向上させることができる。
また、本実施形態の内視鏡接続チューブ100では、シール部104の密着面104aが口金202の側面202cに周方向全体にわたって密着する環状であり、検知用管路112の第1端部112aは、当該密着面104aの延在方向に沿って彫設された溝104b内に開口している。このため、本実施形態では、密着面104aの周方向の一部のみが口金202から離間している場合であっても、検知用管路112は閉塞されない。よって、本実施形態の内視鏡接続チューブ100および内視鏡リプロセッサ1は、シール部104が正常に口金202に密着した状態であるか否かを確実に検知することができる。
以上に説明した本実施形態では、シール部104は、内側に口金202が挿入される環状であり、口金202の側面202cに密着する密着面104aを有しているが、シール部104の形状は本実施形態に限られるものではない。図8および図9に、シール部104の第1の変形例を示す。図8は、本変形例においてシール部104が第2の位置に位置している状態を示しており、図9は、本変形例においてシール部104が第1の位置に位置している状態を示している。
本変形例のシール部104は、口金202の端面202bに密着する密着面104aを有する。端面202bの中央部には、開口部202aが形成されおり、端面202bは開口部202aを囲う環状の面を有する。シール部104の密着面104aは、当該端面202bに対向するように配設された環状の面であり、シール部104は、口金202の開口部202aを囲うように端面202bに密着することにより、送流体管路111の第1端部111aと開口部202aの内部とを接続する。また、検知用管路112の第1端部112aは、密着面104a内において開口している。
本変形例のように、シール部104が第1の位置に位置している場合において、シール部104の内側に口金202が挿入されない形態であっても、内視鏡接続チューブ100は、シール部104を移動させることにより、流体の一部を口金202の周囲に漏らす状態と、全てを管路201内に流し込む状態とを切り替えることが可能である。
また、本変形例においても、シール部104が口金202に密着した状態である場合に、検知用管路112が口金202によって閉塞される。したがって、本変形例の内視鏡接続チューブ100および内視鏡リプロセッサ1は、検知部70による検知用管路112内の流体の流動の有無の検知結果に基づいて、シール部104が口金202から離間した状態であるか否かを自動的に検出することが可能である。
次に、図10に、シール部104の第2の変形例を示す。図10に示す本変形例のシール部104は、複数の部材に分割されている。具体的に本変形例のシール部104は、送流体管路111の第1端部111aの開口の深さ方向に沿って離間して配置された第1シール部材104cおよび第2シール部材104dにより構成されている。
第2シール部材104dは、第1シール部材104cよりも流体管路111の第1端部111aの開口の深い位置に配置されている。第1シール部材104cおよび第2シール部材104dは、それぞれが口金202に密着する環状の密着面104aを備えている。本変形例では、第1シール部材104cおよび第2シール部材104dの間の隙間が溝104bである。すなわち、本変形例では、第1シール部材104cおよび第2シール部材104dの間に、検知用管路112の第1端部112aが開口している。
このような本変形例においても、検知用管路112の第1端部112aは、周囲を第1シール部材104cおよび第2シール部材104dの密着面104aにより囲まれた状態となる。
よって、本変形例の内視鏡接続チューブ100は、シール部104を移動させることにより、流体の一部を口金202の周囲に漏らす状態と、全てを管路201内に流し込む状態とを切り替えることが可能である。
そして、本変形例においても、シール部104が口金202に密着した状態である場合に、検知用管路112が口金202によって閉塞される。したがって、本変形例の内視鏡接続チューブ100および内視鏡リプロセッサ1は、検知部70による検知用管路112内の流体の流動の有無の検知結果に基づいて、シール部104が口金202から離間した状態であるか否かを自動的に検出することが可能である。
(第2の実施形態)
以下に、本発明の第2の実施形態を説明する。以下では第1の実施形態との相違点のみを説明するものとし、第1の実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜に省略する。
本実施形態は、内視鏡接続チューブ100が検知部70を備える点が第1の実施形態と異なる。図11、図12および図13は、本実施形態の内視鏡接続チューブ100の構成を示す断面図である。
本実施形態の検知部70は、検知用管路112内に配置され、検知用管路112内を進退移動する進退部70aと、進退部70aを検知用管路112の第1端部112aに向けて付勢する付勢部70bと、検知用管路112内のうちの、進退部70aの移動範囲の少なくとも一部を検知用管路112の外から観察可能とする観察窓70cと、を備える。
本実施形態の検知用管路112は、第2端部112bがコネクタ部101から外側に向かって突出する筒形状であり、透明な材料により形成されている。検知用管路112の第2端部112bは閉塞されている。また、進退部70aは、移動範囲のうちの最も第2端部112b側に移動した場合に、検知用管路112のコネクタ部101から外側に向かって突出している部分に到達する。したがって、本実施形態では、検知用管路112のコネクタ部101から突出している部分が観察窓70cとなる。
以上のように構成された本実施形態の検知部70では、図13に矢印Fで示すように、検知用管路112の第1端部112aから検知用管路112内に流体が流れ込んだ場合に、進退部70aが第2端部112bに近づく方向に移動する。この場合において、進退部70aは、観察窓70cを通して外部から視認可能な位置に位置している。
また、本実施形態の検知部70では、検知用管路112の第1端部112aからの流体の流入が無い場合には、進退部70aは付勢部70bの付勢力によって、検知用管路112の第1端部112aに近い位置に保持される。この場合において、進退部70aは、観察窓70cを通して外部から視認できない位置に位置している。
したがって、本実施形態によれば、使用者が観察窓70cを通して進退部70aの位置を確認することにより、使用者は、検知用管路112内への第1端部112aからの流体の流入の有無を知ることができる。
例えば、流体供給部60から送流体管路111への流体の送出が行われている場合において、進退部70aが観察窓70cを通して視認できない状態であれば、使用者はシール部104が口金202と密着していると判断することができる。また、流体供給部60から送流体管路111への流体の送出が行われている場合において、進退部70aが観察窓70cを通して視認可能な状態であれば、使用者はシール部104が口金202と離間していると判断することができる。
(第3の実施形態)
以下に、本発明の第3の実施形態を説明する。以下では第1の実施形態との相違点のみを説明するものとし、第1の実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜に省略する。
図14に示す本実施形態は、流体供給部60の構成が第1の実施形態と異なる。本実施形態の流体供給部60では、検知部70が、流量測定部71とは別の構成として配設されている。
図14に示すように、本実施形態の、検知用流体送出管路61は、送出管路31の流量測定部71および流体送出ポンプ33の間の区間と、検知用管路接続部62とを接続している。送出管路31と検知用流体送出管路61との接続部には、三方弁等の弁機構は設けられていない。したがって、流体送出ポンプ33から送出される流体は、内視鏡管路接続部16に接続される送流体管路111および検知用管路接続部62に接続される検知用管路112の双方に送り込まれる。そして、本実施形態の検知部70は、検知用管路接続部62を流れる流体の流量を測定する流量センサである。
本実施形態の流体供給部60は、前述のように、送流体管路111および検知用管路112の双方に同時に流体を送出する。そして本実施形態の流体供給部60は、送流体管路111および検知用管路112のそれぞれにおける流量を測定可能である。
したがって、本実施形態の内視鏡接続チューブ100および内視鏡リプロセッサ1では、検知部70による検知用管路112内の流体の流動の有無の検知結果に基づいて、シール部104が口金202から離間した状態であるか否かを自動的に検出する動作と、送流体管路111を経由して管路201内に流体を送出する動作と、を同時に実行することが可能となる。
具体的には、図6に示す詰まり検知動作において、ステップS110からステップS150の動作と、ステップS160からステップS200の動作を同時に実行することができる。また、図7に示す送流体動作において、ステップS300からS320の動作と、ステップS360からS370の動作を同時に実行することができる。
したがって本実施形態の内視鏡接続チューブ100および内視鏡リプロセッサ1は、第1の実施形態に比してより短い時間で詰まり検知動作および送流体動作を完了することができる。
(第4の実施形態)
以下に、本発明の第4の実施形態を説明する。以下では第1の実施形態との相違点のみを説明するものとし、第1の実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜に省略する。
図15に示す本実施形態は、流体供給部60の構成が第1の実施形態と異なる。本実施形態の流体供給部60では、検知部70が、流量測定部71とは別の構成として配設されている。
図15に示すように、本実施形態の検知用流体送出管路61には、開閉弁72が配設されている。そして、検知部70は、検知用流体送出管路61の開閉弁72および検知用管路接続部62の間の区間に配設された圧力センサである。また、本実施形態では、送出管路31と検知用流体送出管路61との接続部には、三方弁は設けられていない。
本実施形態の流体供給部60は、前述のように、送流体管路111および検知用管路112の双方に同時に流体を送出する。そして本実施形態では、流体供給部60により検知用管路112内に所定の圧力で流体が送り込まれている状態において開閉弁72を閉状態とし、その後の検知用管路112(検知用流体送出管路61)内の流体の圧力の変化を検知部70により測定することにより、検知用管路112内の流体の流動の有無を検知する。
例えば、シール部104が口金202と密着しており、検知用管路112内の流体が流動しない場合であれば、開閉弁72を閉じた後に検知部70によって測定される圧力に変化は生じない。一方、シール部104が口金202から離間しており、検知用管路112内の流体が第1端部112aから流出する場合であれば、開閉弁72を閉じた後に検知部70によって測定される圧力は低下する。
このように、本実施形態の内視鏡接続チューブ100および内視鏡リプロセッサ1も、検知部70による検知用管路112内の流体の流動の有無の検知結果に基づいて、シール部104が口金202から離間した状態であるか否かを自動的に検出することが可能である。
(第5の実施形態)
以下に、本発明の第5の実施形態を説明する。以下では第1の実施形態との相違点のみを説明するものとし、第1の実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜に省略する。
本実施形態は、内視鏡接続チューブ100の構成が第1の実施形態と異なる。第1の実施形態では、内視鏡接続チューブ100のシール部104は、口金202に密着または離間する密着面104aを有している。一方、本実施形態の内視鏡接続チューブ100のシール部104は、内視鏡200の外表面200aに密着または離間する密着面104aを有している。本実施形態の密着面104aは、口金202の開口部202aを囲うように内視鏡200の外表面200aに密着する。
図16および図17に、本実施形態の内視鏡接続チューブ100の断面図を示す。図16は、密着面104aが内視鏡200の外表面200aから離間した状態を示しており、図17は、密着面104aが内視鏡200の外表面200aに密着した状態を示している。
本実施形態では、密着面104aに設けられた検知用管路112の第1端部112aの開口は、密着面104aが内視鏡200の外表面200aに密着することによって、内視鏡200の外表面200aによって閉塞される。また、密着面104aが内視鏡200の外表面200aから離間すれば、検知用管路112の第1端部112aは開いた状態となる。
本実施形態の内視鏡接続チューブ100および内視鏡リプロセッサ1によっても、第1の実施形態と同様に、内視鏡接続チューブ100が流体の全てを管路201内に流し込む状態であるか否かを検知することが可能である。
本発明は、前述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う内視鏡接続チューブおよび内視鏡リプロセッサもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本出願は、2017年3月15日に日本国に出願された特願2017−50067号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の開示内容は、本願明細書、請求の範囲、図面に引用されたものとする。