JP6335160B2 - 光学測定方法および光学測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光学測定方法および光学測定装置に関する。本発明は、あらゆるイメージング分野、限定しないが特に、顕微鏡法の分野であって、生物学、医学、薬学、半導体、材料研究、計量、制御、測定および観察の分野などだがこれに限定されない分野に適用されるほか、巨視的分野または微視的分野で光学的観察から情報を取得するためのあらゆる工程に適用される。
光学顕微鏡とは、一般に肉眼で見るには小さすぎる物体を見る、解析するまたは測定するのに使用される光学機器である。
本明細書では、生命科学のあらゆる生物学的実体を記載するのに「生物学の」(biological)という用語を用いるが、これはその母体が人間、動物または植物であるか、あるいはその観察、研究、診断または治療の目的が何であるかを問わない。この用語には、記載する技術の医学的な使用も含まれる。 顕微鏡法は、例えば、生物学的実体(物体)およびその動作を観察し、研究し、測定するために、生物学分野で使用されるものである。
広義には、人工視覚という用語は、人間または機械によって生産、建設または作製された物体または要素のあらゆる測定用途、計量または観察を説明し、例えば半導体を観察、研究、測定したり、材料を特徴付けたりするために使用される。
光回折限界、レイリー基準、エアリーディスクならびにその半径および直径に対して通常の定義が用いられる。本発明に関し、超解像、超解像した、超解像イメージングおよび超解像顕微鏡法という用語を使用して、光回折限界よりも高い解像度での光学データ取得、光学イメージング、顕微鏡法および人工視覚について記載する。通常の定義は、蛍光および蛍光色素分子に対して使用される。
ここで、顕微鏡法100の模範を示す図である図1を参照する。
光学顕微鏡は、顕微鏡10を使用して行う、光源(図示せず)を介した生体または非生体試料11への照明、および視覚による観察または検出モジュール12のいずれかを用いて、試料から放出、再放出、拡散、反射または伝送された光の時間依存測定を含む方法である。生物学において、試料は、異なる位置に置かれた1つまたは複数の異なる生物学的実体13および14を含むものである。このような物体の例には、とりわけ細胞、ウイルス、タンパク質およびDNAの断片がある。工業的な人工視覚において、試料は、例えば半導体素子であってよい。
顕微鏡法は、様々な特徴および目的を有する様々な方式に分けられる。この様々な方式、その特徴およびその利点に関する多くの記述が文献には広く存在し、例えばZeiss社[1]、Leica、Nikon社[2]、またはOlympus社のウェブサイト上で見られる。
顕微鏡法の用途は、多くの様々な方法で体系化できる。そのうちの1つは、微小な光源を表示するための顕微鏡法の方式を、連続物体を測定するための方式と区別することである。
光源が微小な場合の方が一見して遙かに単純である。物体は、少数の光源から成り立っており、光源は、物理的問題およびアルゴリズムの難点を大いに簡易化する少数のパラメータ(以下、これをディスクリプタと定義する)を用いて説明できる。連続物体の場合は、空間分布(あるいは、力学を考慮する場合は時空間分布)が異なることを説明し、本明細書でもこれを説明する。
蛍光顕微鏡法は、顕微鏡法の変形例の1つであり、多くの用途において他の顕微鏡法技術に取って代わったものである。蛍光顕微鏡とは、反射および吸収などの他の手段の代わり、またはこの手段に加えて蛍光現象を利用して、物体の特性または有機成分や無機成分の特性を研究するのに使用される光学顕微鏡である。
再度図1を参照し、生物学または人工視覚のいずれかで用いられて、例えば材料を特徴付けるための蛍光顕微鏡について今度は説明する。蛍光顕微鏡法では、1つの蛍光光子の物理的現象に基づいて起こる極小の点光源15から18である例えば蛍光色素分子を、所定の生体13および14の特定の位置に設定する。生体13および14自体が放出する光を観察する代わりに、点光源から放出される光を観察する。
試料は、点光源に吸収される波長または特定の波長の光に照明され、それによって様々なより長波長の光が放出される。蛍光により放出される光を集束する間、照明光は、分光フィルタを使用することで、より低い放出される蛍光から分離される。
蛍光顕微鏡法は、小さい光源、蛍光色素分子から放出される光を研究するものである。しかしながら、蛍光色素分子の密度が高い場合、蛍光色素分子は個別に解析されなくなり、連続物体として処理される。
この段階から、同じシステムで連続物体の観察が可能になり、光源の観察に限定されないことに注意することが重要である。
蛍光色素分子は、生体を可視化するための重要な道具になっている。200nmの分解能を越える細部を含む生物活動および生物情報が、蛍光顕微鏡法を用いて体系的に観察、測定される。この分解能限界は、レイリー基準によるものであり、この基準は、最良の場合、特別に設計されたシステム(系)では200nmに達する。以下に説明する超解像技術が出現するまでの長い間、蛍光顕微鏡法をはじめとする光学技術では、約200nmであるレイリー基準よりも小さい細部を可視化することは不可能であると認識されていた。
しかし、生体試料内では、200nmよりも小さい規模でこれ以外の基本的な生物活動も起きている。このレベルの空間分解能では、重要な現象を観察することができる。具体的には、細胞内規模での生物学的過程、細胞情報の転送、タンパク質のフォールティングおよびアンフォールディングならびにDNAおよびRNAの変化である。例えば、この細胞内情報の測定により、生物活動の理解に新たな道が開かれ、研究の経過観察および医学的診断に対する理解が深まることになる。
蛍光顕微鏡法の主な実施態様は、文献に詳細に記載されているように、共焦点顕微鏡であり、この共焦点顕微鏡は、走査機能または回転ディスクを備える顕微鏡、および広視野イメージングの顕微鏡に使用されることが多い。
次に、本発明および先行技術で共に使用される共焦点蛍光顕微鏡200を簡易化した図である図2を参照する。
図2の共焦点蛍光顕微鏡は、光学機器である。その主要ハードウェア部品を図2に示す。この部品は、
光源20、
光学機械フレーム(図示せず)、
立体フィルタ21、
顕微鏡対物レンズ22、および
検出アセンブリ23、
処理ユニット(図示せず)
を備える。
アーク灯またはレーザであってよい光源20は、蛍光に必要な光エネルギーを形成する。
光学機械フレーム(図示せず)は、あらゆる光学部品および補助光学器械の基盤であり、位置調整能力を備えている。光学機械フレームは、光学素子(図示せず)も備えており、この光学素子は、ビーム形状を加工する能力があり、顕微鏡対物レンズを用いてビームの焦点を最小サイズにすることができる。
光学機械フレームは、走査型共焦点蛍光顕微鏡の場合、空間走査機構(図示せず)または角度走査機構も備えて、被測定物体に対する点光源の位置を変更する。
また、走査機構は、
例えば並進プレートを使用して、物体を機械的に並進運動させること、
例えば一連のガルバノミラーもしくは音響光学式並進器を使用して、物体へ照射されるビームを光学的に走査すること、または機械的もしくは光学的なこれらの並進運動手段を組み合わせたものを使用すること
が可能である。
走査型共焦点蛍光顕微鏡では、情報は、走査機構を使用して点ごとに収集される。
回転ディスクタイプの共焦点蛍光顕微鏡では、複数のピンホールを有する回転ディスクも備えることができ、これによって複数の点を同時に照射することが可能になる。共焦点蛍光顕微鏡の回転ディスクでは、ピンホールに対応する一連の点が常時取得され、ディスクが回転することによって、特定の縦方向の位置に対して試料の表面全体を走査することができる。
立体フィルタ21は、様々に異なる光信号を誘導し、励起光による蛍光信号の混入を回避する。立体フィルタは、励起フィルタ210、ダイクロイックミラー211、および蛍光フィルタ212で構成される。フィルタおよびダイクロイックミラーは、励起の波長および蛍光色素分子の発光スペクトルの特徴に応じて選択される。
顕微鏡対物レンズ22は、光源が形成した光をレンズ24の焦点面で集光して、小サイズの配光分布パターンを形成し、最適な配光分布は、エアリーディスクからなる。顕微鏡対物レンズ22は、蛍光色素分子が放出する蛍光も集光する。
走査型共焦点蛍光の場合、システムをデスキャンできる、すなわち、反射光は、走査機構を通過して、走査によって生じる並進運動を補償することができる。
検出レンズ25は、検出器26の像面に、レンズ24の焦点面を拡大した像を形成する。
共焦点ピンホール27は、理論的には検出器26の像面に配置される。
実際のほとんどのシステムでは、共焦点ピンホール27は、中間結像面(図示せず)に配置され、検出器26の像面上に再び結像される。
検出器アセンブリ23は、全体的な照明量の蛍光度を検出し、これをデジタル信号に変換する。走査型共焦点顕微鏡の場合、検出器は、PMTまたはSPADなどの単一素子の検出器を備える。回転ディスクを使用する共焦点顕微鏡の場合、検出器は、CCD、EMCCD、CMOSまたはSPADのマトリクスなど、検出素子のマトリクスを備える。
光源からダイクロイックフィルタまでに取り付けられる部品はすべて、照明路201である。検出チャネル202は、ダイクロイックフィルタから検出器のアセンブリまでに取り付けられる全部品を表す。
共焦点顕微鏡の基本光学プロセスを、以下の6ステップ:
・ 解析分量に光を照射する
・ 蛍光色素分子によって蛍光を放出する
・ 蛍光色素分子を焦点面に結像させる
・ 解析した光を共焦点ピンホールによって焦点面に限定する
・ 解析した光を光電検出器によって一体にする
・ 測定した強度を画像の画素値として表示する
に分けることができる。
蛍光顕微鏡は、Nikon、Zeiss、LeicaおよびOlympusなど、数社のメーカーから入手可能である。蛍光顕微鏡は、蛍光に適した標準の顕微鏡でもよいし、蛍光用に特別に最適化した顕微鏡でもよい。現代の顕微鏡は、同じプラットフォームおよびほとんどの光学機械部品を使用する多くの様々な方式で動作することができる多用途機器であり、この方式には蛍光方式などがあるが、これに限定されない。ほとんどの蛍光顕微鏡は、最小限の修正でいくつかの追加機能を実行できる、オープンプラットフォームとして開発されている。その他の蛍光顕微鏡は、医学的診断または調剤など、特殊な作業に適応された専用の機器である。
超解像
新しい光学方法である超解像方法は、レイリー基準を下回る光源を区別することができる。これらの方法は、複数の企業、研究所および研究者によって開発されており、これらの方法、超解像顕微鏡を用いる機器のいくつかは市販されている。超解像法のいくつかの比較解析に関する文献が最近発行され、Schermellehらによる文献[3]などがある。
Zeiss社のウェブサイト[1]、およびNikon社のウェブサイト[2]には、超解像に関する最新の文献が掲載されている。
超解像を組み入れていない様々な既存の顕微鏡法および既存の顕微鏡では、最大で光回折限界までの顕微鏡観察が可能である。これでは、その使用分野は、限定された用途に縮小される。
新規な超解像技術では、分解能限界を超える情報を得ることができる。あらゆる既存の超解像技術の主な問題は、横方向の分解能、縦方向の分解能、速度、生体内の光毒性に必要な光度、様々な物体を測定する能力に関して現れる性能範囲が極めて限られている点である。
さらに、ほとんどの方法および機器が提供できるのは、良好な横方向の分解能か縦方向の分解能のいずれかの超解像であり、両方を提供できるものは稀である。
さらに、これらの機器はすべて複雑であり、高度なスキルを持つオペレータを必要とする。
さらに、これらの機器は、機器によっては、フィールドの深さが浅いことや、細胞に危険となるきわめて高い光度が必要であるなど、操作上の厳しい限界があるために、全体的に生物標本のわずかな部分しか観察できない。
超解像の方法および機器に伴うもう1つの問題は、ほとんどの機器が照明分量内で単一の蛍光色素分子の特性を回復することはできるが、複数の蛍光色素分子の存在を同時に認識してその特性を測定することはできないという点である。
超解像の方法および機器に伴うさらに別の問題は、これらの方法および機器が、使用者には標準の顕微鏡または共焦点顕微鏡に取って代わることのできる一般的な道具として見られ、認識されている点である。しかし、超解像の方法および機器には、簡素性、堅剛性、使いやすさ、および標準の顕微鏡の競争価格が欠けており、これが研究道具または一般的な診断道具としての使用を妨げている。
既存の超解像の方法および道具に伴うもう1つの問題は、これらの方法および道具のほとんどが、標準の顕微鏡に取って代わるように設計された独立型機器として設計されている点である。このような手法では、既存の機器を入れ替える必要があり、長年にわたって開発されてきた顕微鏡法のプラットフォームに関するあらゆるシステムや装置、あらゆる知識およびノウハウの刷新が必要である。
蛍光顕微鏡法および超解像のほとんどの方法および機器に伴うもう1つの問題は、これらの方法および道具が、画像取得の模範に基づいて設計されており、基本情報の実体は、2次元または3次元の1つ(または複数)の画像、あるいは1つ(または複数)のROI(Region Of Interest、関心領域)である点である。本発明内で後に記載するアルゴリズム法、体系的方法および超解像法は、これらの固有の柔軟性により、新たな取得法の開発を可能にするものである。動的かつ選択的なこれらの取得手順は、最適化した連続取得および相互作用的かつ異なる処理によって定義される。これらの取得手順によって、1つ以上の蛍光物体の形状、立体構造および動作に基づく基準によって定義された有益情報を、別々にまたは互いさらに洗練して最適化することができる。
そのため、蛍光色素分子の特性を高精度で測定できる超解像の方法および道具ならびにアルゴリズム法を提供する差し迫った必要性が依然としてある。同じ被照明分量内に配置された複数の蛍光色素分子の存在を検出し、定量する方法および道具を提供することも必要である。
蛍光顕微鏡法および超解像に関するほとんどの既存の方法および機器にみられるもう1つの問題は、これらの方法および機器が顕微鏡スライド上にある試料を研究するように設計されているという点である。しかしながら、共焦点顕微鏡は今日、診断対象の組織から放出される蛍光を照明して表示するために使用される光ファイバを用いて人体の内外を検査する生体内診断機器として多くの医学分野で使用されている。超解像は、現時点ではこのような生体内診断を実施するものではない。本発明の文脈で後に記載する、アルゴリズムを用いる体系的な超解像方法により、生検を行う必要性を低減し、患者の待ち時間を短縮する新規な生体内診断方法を開発することが可能になる。
本発明の第1の態様では、試料の空間または時空間分布を判断するための光学測定プロセスであって、試料が少なくとも1つの再放出光源を備え、前記少なくとも1つの再放出光源が、照射光に応じて光を試料に再放出するプロセスにおいて、
光学照射器を用いて、同じ光路に沿って広がるトポロジー群の異なる少なくとも2つの配光分布を試料に照射すること、
試料の前記少なくとも1つの再放出光源が再放出する光を検出すること;
検出光から少なくとも1つの光学画像を生成すること、および
光学画像をアルゴリズムで解析して、前記少なくとも1つの再放出光源の位置情報を得ること
を含む、プロセスを明らかにする。
試料への照射は、順に行ってもよいし、同時に行ってもよい。再放出光源は、点光源、構造物体であってよく、例えば線や円のセグメントまたは連続物体であってよい。
一実施形態によれば、光学照射器は、色収差が除去されている
一実施形態によれば、トポロジー群の異なる少なくとも2つの小規模な配光分布は、順に照射される。
一実施形態によれば、検出光からの少なくとも1つの光学画像の生成は、画像が照明される各瞬間に実行される。
1つの実施形態によれば、トポロジー群の異なる前記少なくとも2つの小規模な配光分布は、規則波と特異波との間または2つの特異波の間の干渉によって形成され、前記少なくとも2つの分布間の空間的相違は、以下のパラメータ:
a)規則波のパラメータのうちの少なくとも1つ;
b)少なくとも1つの特異波の少なくとも1つのパラメータ、および
c)規則波と特異波との間または2つの特異波の間の位相差
のうちの少なくとも1つを変化させることによって形成される。
一実施形態によれば、トポロジー群の異なる配光分布の照射は、円錐回折によって実行される。
一実施形態によれば、上記プロセスは、円錐回折を実施する少なくとも1つの円錐形結晶の入射および出射の偏光状態を変化させることによって照射を修正することも含む。
一実施形態によれば、トポロジー群の異なる配光分布の照射は、薄型結晶中の円錐回折によって実行される。
一実施形態によれば、上記プロセスは、トポロジー群の異なる少なくとも2つの小規模な配光分布を、光ファイバを介して光路部分に沿って伝送することも含む。
一実施形態によれば、光ファイバは、フォトニックファイバを含む。
一実施形態によれば、上記プロセスは、物理的作用を印加することによって、試料中で互いに最短距離を置いて位置している再放出光源を、顕微鏡法による位置特定技術を用いて一時的に分離することを含む。
一実施形態によれば、本方法は、光活性効果または光抑制効果によって、追加の波、規則波または特異波を用いた物理的効果を誘導することも含む。
一実施形態によれば、照射された配光分布の波は、多光子蛍光効果またはラマン効果によって、非線形的に相互作用する。
一実施形態によれば、光ファイバは、以前に形成されたトポロジー群の異なる小規模な配光分布を、様々な配光分布に対して異なる緩和を伴って伝送するように構成される。
一実施形態によれば、光ファイバは、ファイバ内で静的または動的に結合することで、光ファイバに導入された配光分布どうしの相互作用を生み出すように、かつ、ファイバから現れる配光分布がファイバ内に導入された配光分布とは異なるように配置される。
一実施形態によれば、再放出光源からの放出のスペクトル依存は、フェルスターのエネルギー移動効果によっても修正される。
一実施形態によれば、前記トポロジー群の異なる少なくとも2つの小規模な配光分布は、同じ場所に位置する。
一実施形態によれば、色収差が除去されたユニットは、スペクトル帯の波長幅がスペクトル帯の中央の波長の15%よりも大きい少なくとも1つの光源を備え、色収差が除去された光学ユニットは、スペクトル帯のどの波長に対しても同じ光路に広がって同じ場所に位置しているトポロジー群の異なる小規模な配光分布を形成する。
本発明の第2の態様では、試料の空間または時空間分布を判断するための測定装置であって、試料が少なくとも1つの再放出光源を備え、前記少なくとも1つの再放出光源が、照射光に応じて試料に光を再放出する、装置において、
− 同じ光路に広がるトポロジー群の異なる少なくとも2つの小規模な配光分布を試料に照射する、色収差が除去された照射モジュール、
− 試料の前記少なくとも1つの再放出光源から放出される光を検出できる検出モジュール、
− 検出光から少なくとも1つの光学画像を生成できる生成モジュールおよび
− 前記少なくとも1つの再放出光源の位置情報を得るために光学画像を解析できるアルゴリズム解析モジュール、
を備える装置を明らかにする。
一実施形態によれば、照射モジュールは、トポロジー群の異なる少なくとも2つの小規模な配光分布を順に照射するように構成される。
一実施形態によれば、生成モジュールは、画像が照明される各瞬間に、検出光から前記少なくとも1つの光学画像を生成するように構成される。
一実施形態によれば、
照射モジュールは、規則波と特異波との間または2つの特異波の間の干渉によって、トポロジー群の異なる前記少なくとも2つの小規模な配光分布を形成でき、前記少なくとも2つの分布間の空間的相違は、以下のパラメータ:
a)規則波のパラメータのうちの少なくとも1つ、
b)少なくとも1つの特異波の少なくとも1つのパラメータ、および
c)規則波と特異波との間または2つの特異波の間の位相差、
のうちの少なくとも1つを変化させることによって形成される。
一実施形態によれば、照射モジュールは、円錐回折によってトポロジー群の異なる配光分布の照射を実行するための少なくとも1つの円錐形結晶を備える。
一実施形態によれば、本装置は、前記少なくとも1つの円錐形結晶の入射および出射の偏光状態を変化させるように構成された照射修正手段も備える。
一実施形態によれば、前記少なくとも1つの円錐形結晶は、薄型結晶である。
一実施形態によれば、本装置は、トポロジー群の異なる少なくとも2つの小規模な配光分布を光路部分に沿って伝送することを実行するための光ファイバも備える。
一実施形態によれば、光ファイバは、フォトニックファイバを含む。
一実施形態によれば、本装置は、物理的作用を印加することによって、試料中で互いに最短距離を置いて位置している再放出光源を、顕微鏡法による位置特定技術を用いて一時的に分離できる一時的分離モジュールも備える。
一実施形態によれば、本装置は、光活性効果または光抑制効果によって、追加の波、規則波または特異波を用いた物理的効果を誘導する手段も備える。
一実施形態によれば、照射モジュールは、配光分布の波を照射するように構成され、波が多光子蛍光効果またはラマン効果によって非線形的に相互作用するようにする。
一実施形態によれば、光ファイバは、以前に形成されたトポロジー群の異なる小規模な配光分布を、様々な配光分布に対して異なる緩和を伴って伝送するように構成される。
一実施形態によれば、光ファイバは、ファイバ内で静的または動的に結合することで、光ファイバに導入された配光分布どうしの相互作用を生み出すように、かつ、ファイバから現れる配光分布がファイバ内に導入された配光分布とは異なるように配置される。
一実施形態によれば、本装置は、フェルスターのエネルギー移動効果によって再放出光源からの放出のスペクトル依存を修正する手段も備える。
一実施形態によれば、本装置は、追加の光学要素を加えるか本装置の内部要素を修正することで、色収差を除去するかアサーマルにするか、あるいは色収差を除去しかつアサーマルにするように修正される顕微鏡法装置を備える。
一実施形態によれば、追加された光学要素は、少なくとも1つのプリズム、ネットワーク、レンズまたは分散が逆である追加の結晶を備える。
一実施形態によれば、色収差が除去された照射モジュールは、同じ場所に位置しているトポロジー群の異なる少なくとも2つの小規模な配光分布を形成できる。
一実施形態によれば、色収差が除去された照射モジュールは、スペクトル帯の波長幅がスペクトル帯の中央の波長の15%よりも大きい少なくとも1つの光源を備え、スペクトル帯のどの波長に対しても同じ光路に広がって同じ場所に位置しているトポロジー群の異なる小規模な配光分布を形成するように構成される。
本発明の第3の態様は、試料の空間または時空間分布を決定するための光学測定プロセスであって、試料が少なくとも1つの再放出光源を備え、前記少なくとも1つの再放出光源が、規定の法則に従って照射光に応じて光を試料に再放出するプロセスにおいて、
円錐回折または単軸結晶を用いて、トポロジー群の異なる少なくとも2つの小規模な配光分布を、共通光路を有する光学系で試料に照射すること;
試料の前記少なくとも1つの再放出光源から放出される光を検出すること;
検出光から少なくとも1つの光学画像を生成すること、および
光学画像をアルゴリズムで解析して、前記少なくとも1つの再放出光源の位置情報を得ること
を含む、プロセスに関する。
1つの実施形態によれば、照射手段は、規則波と特異波との間または2つの特異波の間の干渉によって形成される、トポロジー群の異なる前記少なくとも2つの小規模な配光分布を形成でき、前記少なくとも2つの分布間の空間的相違は、以下のパラメータ:
a)規則波のパラメータのうちの少なくとも1つ;
b)少なくとも1つの特異波の少なくとも1つのパラメータ、および
c)規則波と特異波との位相差または2つの特異波の位相差
のうちの少なくとも1つを変化させることによって形成される。
一実施形態によれば、共通光路を有する光学系から出ていて、規則波とは波長が異なる特異波は、前記少なくとも1つの再放出光源を排除するか、前記少なくとも1つの再放出光源とは異なる励起状態の間を移行することで、規則波の作用を抑制する効果を生む。
一実施形態によれば、偏光分散効果は、共通光路を有する光学系が、動的に修正することなく1つの波長で規則波を形成し、別の波長で特異波を形成できるようにするために利用される。
本発明の第4の態様では、試料の空間または時空間分布を判断するための光学測定装置であって、試料が少なくとも1つの再放出光源を備え、前記少なくとも1つの再放出光源が規定の法則に従って照射光に応じて光を試料に再放出する装置において、
共通光路を有するトポロジー群の異なる少なくとも2つの小規模な配光分布を円錐回折によって試料に照射するための少なくとも1つの円錐または単軸結晶;
試料の前記少なくとも1つの再放出光源から放出される光を検出できる検出手段;
検出光から少なくとも1つの光学画像を生成できる生成手段、および
光学画像をアルゴリズムで解析して、前記少なくとも1つの再放出光源の位置情報を得られるアルゴリズム解析手段
を備える、装置を明らかにする。
一実施形態によれば、本装置は、
規則波と特異波との間または2つの特異波の間の干渉によって形成される、トポロジー群の異なる前記少なくとも2つの小規模な配光分布を形成するための干渉手段であって、前記少なくとも2つの分布間の空間的相違は、以下のパラメータ:
a)規則波のパラメータのうちの少なくとも1つ;
b)少なくとも1つの特異波の少なくとも1つのパラメータ、および
c)規則波と特異波との位相差または2つの特異波の位相差
のうちの少なくとも1つを変化させることによって形成される、干渉手段をさらに備える。
一実施形態によれば、共通光路を有する光学系から出ていて、規則波とは波長が異なる特異波は、前記少なくとも1つの再放出光源を排除するか、前記少なくとも1つの再放出光源とは異なる励起状態の間を移行することで、規則波の作用を抑制する効果を生む。
一実施形態によれば、本装置は、共通光路を有する光学系が、動的に修正することなく1つの波長で規則波を形成し、別の波長で特異波を形成できるようにするための偏光分散効果を生み出すための偏光分散手段を備える。
本発明のもう1つの態様では、人工視覚用の実施形態のうちのいずれか1つによるプロセスの使用を明らかにする。
本発明のもう1つの態様では、医学用途用の実施形態のうちのいずれか1つによるプロセスの使用を明らかにする。
本発明のもう1つの態様では、生物細胞を研究するための実施形態のうちのいずれか1つによるプロセスの使用を明らかにする。
本発明のもう1つの態様では、光学プロセスであって、
円錐回折に基づく無彩色光学ユニットを用いて、主要な入射規則波を少なくとも1つの補足的な入射規則波から物理的に分離すること(前記少なくとも1つの補足的な入射規則波は主要な規則波とは異なる)、
前記無彩色ユニット内の伝播で修正されていない主要な規則波と、前記少なくとも1つの補足的な規則波とが、現れている特異波にエネルギーの測定可能な部分を伝達し、現れている特異波が、前記少なくとも1つの補足的な規則波のエネルギーのみを含むようにすること;および
光学要素を偏光、吸収または分離して、現れている特異波を主要な入射規則波から分離すること
を含む、光学プロセスを明らかにする。
本発明の一実施形態によれば、主要な入射規則波および前記少なくとも1つの補足的な入射規則波は、偏光する。
本発明の一実施形態によれば、主要な入射規則波および前記少なくとも1つの補足的な入射規則波は、少なくとも部分的にコリメートされる。
本発明の一実施形態によれば、主要な規則波および前記少なくとも1つの補足的な規則波は、コリメートのそれぞれの度合いが異なる。
本発明の一実施形態によれば、主要な規則波および前記少なくとも1つの補足的な規則波は、それぞれの曲率半径パラメータが異なる。
本発明の一実施形態によれば、主要な規則波および前記少なくとも1つの補足的な規則波は、異なる発信源から出ていて、主要な規則波および前記少なくとも1つの補足的な規則波は、それぞれの発信源の横または縦の位置に応じて異なる。
本発明の一実施形態によれば、主要な規則波は、1つの発信源から出ていて、プロセスはさらに、現れている特異波の強度または位相の測定値から、発信源の横または縦の位置を判断することを含む。
本発明の一実施形態によれば、無彩色光学ユニットは、円錐回折に基づくものである。
本発明のもう1つの態様では、光学装置であって、
主要な入射規則波を少なくとも1つの補足的な入射規則波から物理的に分離するために、少なくとも1つの単軸結晶内の円錐回折または光の伝播に基づく少なくとも1つの無彩色光学モジュールであって、前記少なくとも1つの補足的な入射規則波が、主要な規則波とは異なり、
前記無彩色光学モジュールが、主要な規則波が前記結晶内の伝播で修正されないように構成され、前記少なくとも1つの補足的な規則波のエネルギーの測定可能な部分を、現れている特異波に伝達して、現れている特異波が前記少なくとも1つの補足的な規則波のエネルギーのみを含むようにする、無彩色光学モジュール;および
現れている特異波を主要な入射規則波から分離するために、偏光、吸収または分離する光学要素
を備える、光学装置を明らかにする。
本発明の一実施形態によれば、本装置は、主要な入射規則波および前記少なくとも1つの補足的な入射規則波を偏光するための偏光モジュールも備える。
本発明の一実施形態によれば、本装置は、主要な入射規則波および前記少なくとも1つの補足的な入射規則波を少なくとも部分的にコリメートするためのコリメートモジュールも備える。
本発明の一実施形態によれば、主要な規則波および前記少なくとも1つの補足的な規則波は、コリメートのそれぞれの度合いが異なる。
本発明の一実施形態によれば、主要な規則波および前記少なくとも1つの補足的な規則波は、それぞれの曲率半径パラメータが異なる。
本発明の一実施形態によれば、主要な規則波および前記少なくとも1つの補足的な規則波は、異なる発信源から出ていて、主要な規則波および前記少なくとも1つの補足的な規則波は、それぞれの発信源の横または縦の位置に応じて異なる。
本発明の一実施形態によれば、本装置は、現れている特異波の強度または位相の測定値から主要な規則波の発信源の横または縦の位置を判断するように構成された測定モジュールも備える。
本発明の一実施形態によれば、無彩色光学モジュールは、円錐回折に基づくものである。
本発明の少なくとも1つの実施形態の1つの目的は、蛍光顕微鏡法による超解像技術を、生物学およびさらに全般的には生命科学、またこれに加えて薬理学、医学および診断に対して提供し、これによって先行技術による装置の欠点を克服することである。
本発明の少なくとも1つの実施形態の目的の1つは、蛍光顕微鏡法による超解像技術を生物分野に提供して、蛍光色素分子の特性を高精度で測定することができ、同じ被照明分量内にある複数の蛍光色素分子の特性を認識・測定することができる光学系を達成することである。
本発明の少なくとも1つの実施形態のもう1つの目的は、蛍光顕微鏡法による超解像技術を生物分野に提供して、蛍光色素分子の特性を高精度で測定することである。
本発明の少なくとも1つの実施形態のもう1つの目的は、同じ被照明分量内にある複数の蛍光色素分子の特性を高精度で取得・測定する蛍光顕微鏡法による超解像技術を生物分野に提供することである。
本発明のもう1つの態様では、試料の構造物体または連続分布の少なくとも1つの発光ナノエミッタの空間位置を判断するための光学測定方法および色収差が除去された光学ユニットを提供し、本方法は、
試料中のトポロジー群の異なる少なくとも2つの一連の小規模な配光分布を照射すること;
前記少なくとも1つの発光ナノエミッタ、試料の構造物体または連続分布によって放出される光を検出すること;
検出光を基に、各配光分布に対して少なくとも1つの光学画像を生成すること;および
光学画像をアルゴリズムで解析し、前記少なくとも1つの発光ナノエミッタ、構造物体または連続分布の位置情報を得ること
を含む。
本発明のもう1つの態様は、複数の点光源の空間位置を判断するための色収差を除去する光学測定プロセスおよび色収差が除去された光学ユニットにも関し、本方法は、複数の点光源から放出される光を検出すること;放出された光を複数の検出器に対して分離して、同時または連続的に検出すること;点光源から放出され、前記点光源の空間位置によって異なる特定の検出器に誘導される光を均衡すること;検出光から光学画像を生成すること;および光学画像をアルゴリズムで解析して、複数の点光源の位置情報を得ること、を含む。
共焦点蛍光顕微鏡法に基づく本発明の実施形態についての説明は、必要な変更を加えて、共焦点のものでもそうでなくともその他の顕微鏡法方式に拡張できるとともに、生体、人工視覚またはその他のものを観察するかどうか、また物体が点光源、構造物体または連続物体で構成されるかどうかに関わらず、人工視覚にも拡張できる。
次に、本発明をよりよく理解できるように、以下の図面を参照して特定の好適な実施形態と結びつけて本発明を説明していく。
次に詳細な図面を特に参照するにあたり、表記した符号は、例として、本発明の好適な実施形態の考察を説明するために示したものであり、最も有益な説明と思われるもの、および本発明の原理および概念の局面を理解しやすいと思われるものを提供するためだけに示すものであることを強調しておく。この点に関して、本発明の基本的理解に必要である以上に本発明の構造的詳細を示す試みは一切しておらず、図面を用いた説明は、本発明のいくつかの形態が実際にどのように実施できるのかを当業者に明らかにするものである。
先行技術の共焦点蛍光顕微鏡の概略斜視図である。 本発明の実施形態および先行技術に係る超解像の蛍光顕微鏡法の概略図である。 本発明の実施形態に係る円錐回折モジュールの組み立てを示す簡易概略図である。 共焦点顕微鏡法および方法論を用いる、本発明の実施形態による2つの測定模範の概略図である。 顕微鏡法プラットフォームSRCDPを用いた測定方法の特定の実施態様の概略図である。 本発明の実施形態に係る横方向超解像モジュールの簡易概略図である。 偏光子の入射偏光および出射偏光に係る円錐回折モジュールの配光分布表であり、円錐回折パラメータρoのいくつかの値を示す図である。この配光分布は、Berry[4]が開発した式のシミュレーションで計算したものである。 本発明の実施形態に係る縦方向超解像モジュールを示す簡易概略図である。 本発明の実施形態に係る蛍光色素分子データの超解像アルゴリズム方法を示す簡易概略図である。 ディスクリプタの計算を示す簡易概略図である。 プラットフォームSRCDPの制御モジュールを示す簡易概略図である。
全図面を通して、同じ参照符号は同じ部分を指す。
定義および技術的補足
位相および偏光、偏光測定、ジョーンズベクトルおよびジョーンズマトリクス、ストークスパラメータならびにストークスパラメータおよびジョーンズパラメータの測定技術を説明するために、通常の定義を使用する。
ファイバのTEM00モードおよび英語の用語「フォトニック結晶ファイバ(Photonic Crystal Fiber、PCF)」および「ダブルコアフォトニック結晶ファイバ(dual core Photonic Crystal Fiber)」に対して、本明細書では通常の定義を使用する。
配光分布の中心またはセントロイドは、強度の重心である。配光分布の直径は、特異波の中心がゼロであること考慮せずに、規則波と特異波の両方の強度が最初にゼロであるときの直径である。
2つの配光分布は、その中心が一致しているか、その中心が光分布の寸法に対して小さい空間値の分だけ離れている場合は、同一位置にある。
本明細書では、基本のメートル法として発光波長を使用する。
本明細書では、以下の光学要素に対して通常の定義を使用する:光を伝送する、屈折するまたは反射するあらゆる光学手段を含めるように定義を拡張したレンズ、補助光学器械(他の2つの光学サブモジュールまたは光学モジュール間の幾何学パラメータまたは位相および/もしくは偏光のパラメータのいずれかを相互作用させ、調整するための光学サブモジュール)、偏光子、検光子、位相差板、偏光ビームスプリッタおよび非偏光ビームスプリッタ、偏光ビームコンバイナおよび非偏光ビームコンバイナ。
本明細書では、アジマス偏光子およびラジアル偏光子に対して通常の定義を使用する。暗示的または明示的に、アジマス偏光子およびラジアル偏光子に関して後に記載するいくつかの展開を、空間的に可変のあらゆる偏光要素に広げる。
本明細書では、誘導放出抑制顕微鏡法(STED)、基底状態抑制(GSD)、光活性化ローカライゼーション顕微鏡法(PALM)、確率的光学再構築顕微鏡法(STORM)、構造化照明顕微鏡法(SIM)、空間構造化照明顕微鏡法(SSIM)ならびにフェルスター共鳴エネルギー移動(FRET)およびローカライゼーション顕微鏡法などの様々な超解像技術に対して、通常の定義[5]を使用する。
本明細書では、「コンピュータ顕微鏡法」、「相関顕微鏡法」、「クロスプラットフォーム−顕微鏡法、FCS(蛍光相関分光法)」、FCCS−「蛍光相互相関分光法」、またはPCH(フォトンカウンティングヒストグラム)、RICS「ラスターイメージ相関分光法」またはFRAP−「光退色後蛍光回復解析」などの標準改造または超解像、蛍光または非蛍光の顕微鏡法についての様々な技術に対して通常の定義を使用する。
本明細書では、ハフ変換に対して通常の定義を使用する。
本明細書において、部分偏光子とは、2つの直線偏光(線二色性)または2つの円偏光(円二色性)に対する吸収が異なる部品またはモジュールを意味する。
偏光または位相の動的要素に言及して、偏光または位相が時間の経過とともに、制御された方法で離散的または継続的に変化する光学手段について説明する。
これらの偏光または位相の動的要素は、以下のものを含むがこれに限定されない:軸周りを回転する波長板、液晶技術に基づくライトバルブ、ポッケルスセルやケルセルとしても知られる電気光学装置、共振型電気光学装置、ファラデーセルとしても知られる磁気光学装置、音響光学装置もしくは弾性光学装置またはこれらの手段を任意に組み合わせたもの。
偏光状態が波長に依存する要素を説明するために、分散する偏光要素または位相要素に言及する。分散する偏光サブモジュールのうち最も簡易なものは、マルチモードまたは厚型の波長板である。
「セントロイドアルゴリズム」という用語を用い、セントロイドおよび場合によっては配光分布の幅(FWHM、全幅半値)を測定するための標準的な手順を指すために用いる。このアルゴリズムに関しては、1978年の文献Lindegren[6]など、多くの文献が出版されている。
このアルゴリズムの起源は、天文学および天文測定学であり、このアルゴリズムによって星の位置を高精度で測定することが可能になった。現在このアルゴリズムは、生物分野の超解像を含め、光学機器を扱う分野全体で使用されている。
本明細書では、以下の光学電子部品に対して通常の定義が使用される:光電検出器、CCD、EMCCD、CMOS、SPAD(単一光子アバランシェダイオード)およびSPADマトリクス。
本明細書では、以下の用語を使用する:
・ 光度の空間分布を表す光学画像、
・ 光学画像によって特定の瞬間に検出面に作成されたCCDの電荷の空間分布、CMOSに対する電流の空間分布またはSPADに対するイベントの空間分布を記述するための電子画像、
・ 電子画像を変換して作成した数字のマトリクスを記述するためのデジタル画像。
本文の読解および理解を簡易にするため、PMTまたはSPADなどの単一画素検出器の出力に対する画像用語を使用し、これを単一画素からなる画像と考える。
曖昧さが存在しない場合、または3種類の画像を区別する必要がない場合、一般の簡易な画像用語を使用する。
本明細書では、CCD、EMCCDおよびCMOSなどのマトリクス検出器に使用される専門用語を使用して画像を示した。SPADおよびSPADアレイの場合、測定結果は、光子が与える影響を時系列に並べたリストであり、各々の光子が影響を与えた時間および位置を詳細に示すものである。本明細書の説明を簡易にするため、この事例を画像の定義に含める。
本明細書で説明する画像は、縮小像であり、典型的には直径が5未満である低数のエアリーディスク径、および/または低数の画素で、典型的には4×4から32×32の画素と実質的に等しいサイズの画像であるであると特徴付けてよい。
デジタル画像Ajにおいて、添字mおよびnは、画素指数を表し、画素の原点は、これ以降の段落で定義する解析分量の中心を照射する箇所として選択される。
ストークスベクトルおよび偏光測定
偏光測定とは、入射光の偏光状態を測定することを指す。入射光の偏光状態は、1852年にジョージ・ガブリエル・ストークスが導入した一連の値であるストークスパラメータを用いて説明することができ、これは光学分野で使用される。
2つの光ビームの共伝播 多くの光学系および光学装置では、特性の異なる2つ(以上)のビームを使用する。ビームは、相互に作用できるか、順次または同時に照射できるかのいずれかである。これらのほとんどのシステム(系)および装置では、2つの光路は物理的に互いに離れている。この物理的な分離により、システムの工学レベルで解決可能ではあるが一連の制約ができ、システムの複雑性およびシステムのコストが実質的に際立つ。共通光路を有するシステムとは、わずかな変化を除いて2つの別々のビームが物理的に同じ光路に沿って広がる一連の装置を指す。
極座標における電場および角度モード
(式1)
光学分野では、電場成分、すなわち直交座標モード、デカルト座標モードまたは極座標モードでの振幅、位相および偏光を分解することが通例である。
ガウスモード、エルミートガウスモードおよびラゲールガウスモードなどの直交極座標モードでの多くの分解が、専門家に知られている。
本明細書では、電場の振幅を次式の超幾何ガウス(Hypergeometric−Gaussian modes、HyGG)で分解する方法を主に使用する:
(式2)
特異波
特異波は、中心の強度がゼロであり、方位角位相が2πの倍数分変動する。光学分野におけるこの研究テーマは、1974年にJ.FNyeおよびM.Berryによる重要文献[7]が最初であり、現在は「特異光学(singular optics)」として知られている。規則波および特異波の例を以下に説明する。
トポロジーおよび小規模な配光分布
以下に定義する小規模(コンパクト)であることの条件のうちの1つを満たせば、点光源の配光分布は小規模と考えられ、以下は、二者択一で非排他的な2つの条件である:
エアリー半径の1.75倍未満の半径の円にエネルギーの75%超が含まれる、あるいは
強度ゼロのラインで規定されエネルギーの65%超を含む光の範囲が、エアリー半径の2倍未満の半径の円内にある。
トポロジーの異なる点状の配光分布の様々な群を以下のように区別する:
光学分野で通常定義される規則分布。
2つの小規模な配光分布は、以下の条件のうち任意の少なくとも1つを満たせば、異なるトポロジー群とみなされる:
− 一方が規則的、他方が特異的である。
− 一方が点光源、他方がリング光源である。
あるいは、特定の分量に照射された2つの配光分布は、一緒に照射された面積の相当な部分で勾配が逆方向であれば、トポロジーが異なると考える。
発光ナノエミッタ
発光ナノエミッタとは、物体に付着した小さな二次発光体であり、波長の一部分よりも遙かに小さく、典型的には波長の5分の1よりも小さいサイズだがこれに限定されない。発光ナノエミッタは、入射エネルギーを吸収し、入射光と同じ波長または異なる波長で再度光を放出する。ナノエミッタが放出する光は、コヒーレント、部分的にコヒーレントまたは吸収光とインコヒーレントであってよい。ナノエミッタの主な例は、蛍光色素分子およびナノ粒子だが、その他多くの素子も含まれる。
本発明の内容におけるナノ発光体の定義は、以下の2つの条件によって決定される:
− 点光源の二次発光体を形成すること、および
− 人工的実体、生物学的実体または有機実体に対して発光体を所定位置に置くこと。
ナノエミッタを形成できる物理的機構は多数あり、この機構には、吸収、散乱または反射、蛍光、放出抑制[8]、光活性化現象、2つ以上の光子の蛍光、もしくは非弾性散乱、ラマン散乱、または専門家に公知のその他の物理的機構が含まれるがこれに限定されない。発光ナノエミッタによる電磁波の放出を説明するのに、光の放出という用語を使用し、この光は、コヒーレント、インコヒーレントまたは部分的にコヒーレントである。
生物学的実体または有機実体に付着する吸収性または反射性の散乱粒子を含めて、ナノエミッタの定義を拡張する。散乱粒子、拡散粒子、反射粒子または吸収粒子が電磁場に対して起こす行動を、バビネの原理に従って、粒子から出射する補助的な二次フィールドで、入射電磁場に重なるフィールドの逆位相を用いて形成するように、吸収粒子に対して実際に説明することができる。
本特許明細書では、単一のナノエミッタの複数のディスクリプタとは、特定の瞬間の点光源としてのナノエミッタを説明する一連の情報を指す。ナノエミッタは点光源であると考えられるため、ナノエミッタを表す情報はすべて、限定数のパラメータを含み、そのパラメータとはすなわち、ナノエミッタの空間内の位置、ナノエミッタの強度、ナノエミッタの強度のスペクトル特性、コヒーレンス、入射光に応じて蛍光色素分子が放出する光の位相および偏光である。
本明細書では、構造物体のディスクリプタに言及する。例えば、均一な線の場合、その線を表す情報にはすべて、限定数のパラメータ、すなわち空間内での線の向き、線の強度、入射光に応じて物体が放出する光のスペクトル、強度、コヒーレンス、位相および偏光の特徴が含まれる。
連続分布の場合、物体は、通常通り強度的リスクによって画像処理の際に表される。
しかしながら、ほとんどの場合、および本発明の記載では、ディスクリプタという名称を用いる場合は、ナノエミッタの複数のディスクリプタからなるサブセットを指し、このサブセットには、例えば発光スペクトルで区別される発光ナノエミッタのいくつかの個体が同じ試料内にあるときの蛍光色素分子の幾何学的位置、蛍光色素分子の強度、および蛍光色素分子の種類が含まれる。明細書内で用いるこのような簡易化によって、本発明の範囲が変化することはなく、本発明は、発光ナノエミッタのディスクリプタすべてをその範囲内に含める。
本発明の内容を理解しやすくするため、以下の説明では最も簡易な事例のみに言及し、この事例でのナノエミッタは蛍光色素分子であり、物理的な相互作用は、1つの光子を有する蛍光である。しかしながら、本明細書は、根底にある物理的現象がいかなるものであっても、以前に言及したまたは専門家に公知のあらゆる発光ナノエミッタに適用できる方法および概念の一般的記載を簡易化した説明であると解釈されるべきである。
注目すべきは、ナノエミッタは、入射強度の空間分布全体に影響を及ぼすことなく、正確に3次元の位置で入射光度またはフィールドをサンプリングする点である。本明細書では、この注目すべき特性を発光ナノエミッタのサンプリング能力という。
しかしながら、記載した本発明の好適な実施形態では、発光ナノエミッタのサンプリング能力がない構造物体および連続分布も測定する。
再度図1を参照する。この図は、所与の生体上に設置された一連のナノエミッタまたは構造物体を表し、一方が15および16、他方が17および18である。また、放出される光は、連続分布(図1に示していない)からなるものであってもよいし、ナノエミッタ、構造物体または連続分布を任意に組み合わせてなるものであってもよい。この一連のナノエミッタ、構造物体または連続分布を一連の「明るい生体」と称し、これらは、アルフレッド・コージブスキーが一般意味論で定義した意味での生物体のマップ(地図)を表す。しかしながら、説明を簡易化するために、一切の曖昧さが生じ得ない場合は、この生体を光を発する生体として呼ぶことが通例である。光を発する生体は、その生体に関する情報を含んでおり、その情報とは主に、例えば細胞を2つに分割する場合の時空間情報、時間に対するこの生体の位置および向き、ならびに形態学的情報である。
本発明の少なくとも1つの実施形態による測定系は、測定した地図を計算し、ナノエミッタ、構造物体を任意に組み合わせたもののディスクリプタの評価、または連続分布の空間分布の評価を実行する。測定したこの地図は、ノイズ、測定条件、系の限界または測定の不確かさが原因で、元の地図とは異なるものである。測定した地図のこの情報地図は、後に様々なレベルの抽象化に発展させることができる。直接的な測定の結果を示すこの第1の抽象化レベルは、一見して生物情報を含んでいないように見えるが、ナノエミッタ、構造物体または連続分布によって描かれる物理的な測定の結果であり、この結果は、標識した任意の実体であってもよい。
幾何学的抽象化レベルである第2のレベルでは、構造物体または連続分布のナノエミッタを幾何学的物体の形態に構築する。このレベルでは、発光物体およびその位置や向きなどの動的特性またはその形態についての描写が含まれる。このレベルでは、情報は依然として物理的なものであり、一連の物体を描写する幾何学情報である。幾何学情報は、測定した地図および潜在的にはシステムに無関係の補助的情報を、光スポットと物体との関係に対して使用する。
生物的抽象化レベルによって、測定した物体とその生物学的実体との構成上の関係を通して、生物学的事実をある程度理解することが可能になる。これには、生体に関する一連の情報、主に位置およびその動作、その形状ならびに形態が含まれる。生物情報は、測定した地図および幾何学情報ならびに潜在的には光学系に無関係の補助的情報を、光スポットと生物学的実体を含む物体との関係に対して使用する。このレベルでは、試料の生物的機能性に関する数々の結論を得ることができる。
機能的抽象化レベルによって、生物学的事実を理解することが可能になる。このレベルは、幾何学的情報とは相関のない機能情報からなり、「ウイルスは細胞に侵入したか」など、生物学の用語および専門用語を用いた質問に応答するものである。
情報についての追加のレベルを、制御および器械使用プロセスを含めて規定してよい。実際、さらに構造化した生物情報に到達するために、データ取得プロセスを自動化することでさらに発展した制御および器械使用プロセスを規定してよい。このようなプロセスの一例が、Steven Finkbeinerにより「Robotic Microscopy Systems(ロボットによる顕微鏡法システム)」[9]という名称で記載されている。
本明細書に規定している抽象化レベルについてのこの記載は、簡易化のために、生物学用に修正されている。この記載は、必要な変更を加えて、あらゆる視覚分野、生物学および医学分野、人工および産業分野に適用できる。
円錐回折
円錐回折または円錐屈折とは、1832年にハミルトンが予測し[10]、2ヶ月後にロイドが実験で確認した[11]光学現象である。円錐回折は、2軸結晶の光軸方向に入射した光ビームの伝搬を描くものである。
実際、2軸結晶では、光軸は、結晶軸xおよびzによって形成される面に位置している。軸zに対する角度はθであり、これは以下の法則に従って3つの屈折率によって異なる。
ハミルトンは、光が光線からなる中空の円錐形で出射することを予測した。円錐回折は、科学の歴史において重要な段階であり、電磁波の理論を証明する役割を果たした。
20世紀末の数年に再び円錐回折への関心が高まり、ベリー(Berry)らが学説を完成させ[4、12、13]、2009年に実験で証明された[14]。ここで、ベリーの理論、専門用語および定義について見ていくが、これには物理的作用の名前の変更も含まれ、この点からさらに厳密な円錐回折という用語を使用する。
しかしながら、「円錐回折」という用語はここに記載する技術とは関係のない他の2つの技術に対しても使用される点に注意することが重要である。
・ 斜めに入射する回折は、円錐回折とも呼ばれる。
・ 「円錐回折の取り付け」とは、回折ネットワークを取り付けることであり、この場合ネットワークは湾曲面に取り付けられる。
円錐回折は、理論的かつ実験的に著しい関心を呼んだが、「現実的な用途は一切発見されなかった」[15]。
歴史的に、円錐回折は、2軸結晶で観察されたものである。無機質または有機質の2軸結晶を説明するために円錐形結晶に言及して、円錐回折の現象について記載する。2軸結晶の非限定的な例のなかには、アラレ石、KTP、KTA、KBiW、LBO、KNbO3、MDT、YCOB、BIBO、DAST、POM、NPP、LAP、LiInS2およびLiInSe2がある。
他に、本質的により弱い円錐回折効果を形成する効果または短い光路に沿って円錐回折を形成する効果が存在する。これらの効果には、ポリマー、液晶および外部から誘導された複屈折効果が含まれる。ポリマーには、延伸ポリマーシートおよびカスケード重合[16]などが含まれるがこれに限定されず、液晶には、サーモトロピック2軸性ネマチック相[17]などが含まれるがこれに限定されず、誘導された複屈折の外部効果には、電気光学効果を形成する電場を中心対称性ではない立方晶系結晶に印加すること[18]、および光弾性変調器、[19]などが含まれるがこれに限定されない。
円錐回折によって形成された渦の位相は、幾何学的位相であり、したがって、本質的に色収差が除去されている
色彩による新たな効果は、光軸が分散すること、および波長に応じて円錐回折の方程式中にある様々なパラメータに依存することである。
光軸の色分散は、波長に応じて系の光軸に対して結晶の光軸の角度を形成する。これは、ほとんどの場合、屈折率のばらつきによるものである。
波長率は、波長によって異なり、セルマイヤー方程式に従う。したがって、光軸の角度は、波長に応じて変化し、結晶軸xおよびzによって形成される面に色による光軸の傾斜角を形成する。
これは、結晶の種類に大きく依存する。可視スペクトルで最も利用できる色収差が除去された結晶であるMDT結晶では、光軸の方向変化は0.1度未満で、540nmから700nmの間である。電気通信のIRで最も色収差が除去された結晶であるKTP結晶では、角度変化は0.05度で、1,350nmから2,100nmの間であり、電気通信枠では0.02度未満、1450nmから1650nmである。一方、θ0は、DASTなどのいくつかの有機結晶では波長に応じて大きく変化することがある。
光軸の色分散の補償は、幾何学的器械を使用して実行できる。光軸方向の色分散は、ガラスまたはその他の光学材料の自然分散を利用するか、ネットワークまたはプリズムを利用して補償できる。色収差を除去する手順は、この場合、幾何学器械に対して何らかの色収差を補正する標準の手順と変わらない。この手順は、市販の光学ソフトウェアパッケージのうちの1つを使用し、標的とする適切な機能を決定して計画し、最適化できる。
別の色収差を除去する概念は、色分散が強い場合と弱い場合とで逆の円錐回折の作用が起こる2つの異なる材料を使用することに基づいている。
波長に応じて円錐回折の方程式中にある様々なパラメータへの依存は、円錐回折作用の効果のパラメータを変えるものである。
後に定義する円錐線形結晶の場合、基本的な伝達関数は同じであり、明らかに波長とは無関係である。渦の伝達関数は、τ(λ)に等しい色効果の要因として示すことができる。
後に定義する正弦曲線の円錐形結晶の場合、円錐線形結晶とは挙動が異なる。基本波は波長によって異なり、渦波は波長とはほとんど無関係である。実際、シミュレーションから、渦波の形状は、パラメータθ0が0.5から0.75に変化した分わずかに変化しているだけであることがわかる。逆に、基本波の形状は波長によって異なり、この作用は、基本波と渦波との2つの波を利用する系を設計する際には考慮しなければならない。
次に、本発明の実施形態に係る円錐回折モジュール300の構成の簡易概略図である図3を参照する。
入射光30は、平行であると仮定するが、単純な光学手段を用いて他の状態に適応させてもよい。構成自体は、第1のレンズ31、円錐形結晶32および光学レンズ33を備える。2つの第1のレンズ31および33は、倍率1倍のケプラー望遠鏡の形態で構成されることが好ましい。以下にU0で表記する像空間内の第1のレンズ31の開口数は、以下に定義する円錐半径を介して円錐(回折)効果のパラメータを決定するものである。第1のレンズ31の焦点面には円錐の結像面35が配置され、前述の部分偏光子部29も加えられてよい。焦点レンズ36は、最終光スポットの規模を決定する。焦点レンズは、外部の顕微鏡対物レンズであってもよいし、または本発明のもう1つの実施形態で実施されるように、第2のレンズ33と一体化したものであってもよい。試料に照射される光の分布は、ベクトル効果を無視した状態の一次近似では、像面内の配光分布が縮小した像である。ベクトル効果の影響については以下で考察する。縮尺比率は、顕微鏡対物レンズに対してその倍率によって決定される。
円錐の結像面での空間変数をRとし、波のベクトルをUとし、これらを円筒座標ではR,θRおよびU,θUと表し、光の波長をλとする。
円錐形結晶32から出射する電場の挙動は、単一のパラメータである円錐半径R0によって全体的に特徴付けられる。この円錐半径は、結晶の材料および厚みによって異なる。
配光分布について以下で説明するために、標準のパラメータをスカラー回折理論の限界に取り入れて、顕微鏡対物レンズの円錐の結像面と焦点との両方で有効になるようにする。
円筒座標でρ,θRおよびu,θUと表される、正規化した半径位置ρ0、正規化した波数ベクトルu、正規化した円錐半径ρ0は、次式から得られる。
(式3)
(式4)
U0は、システムの開口数である。ρ0<2の場合、ここでは薄型の円錐形結晶を指し、ρ0<1の場合、ここでは線形で薄型の円錐形結晶の形状を指し、ρ0<0.5の場合、薄型で正弦曲線の円錐形結晶を指す。
薄型円錐の結晶から出射する波は、正規化座標ではE(ρ,θR)と表され、2つの波を積層して構成され、この2波は、本明細書では規則波である基本波EF(ρ)、および特異波である渦波EV(ρ,θR)を指す。この2波は、互いにコヒーレントであり、同一位置にあり、円偏光であり、キラリティが逆方向である。
(式5)
(式6)
この式において、EF(ρ)は、基本的なスカラー振幅であり、FV(ρ)は、渦が縮小したスカラーの大きさであり、両者は次式から得られる。
(式7)
薄型で線形の円錐形結晶の場合、基本波は、エアリーディスクによって近似されることができ、渦波は、次式で表される線形の渦に近似されることができる。
(式8)
部分偏光子29の動作が、パラメータαを用いた渦波のスケーリングであると仮定すると、ストークスパラメータを上記の式から推定することができ、βは直線偏光の角度である。
(式9)
発光体の送信の波長または反射の波長で、各々の次元でのサイズが3波長よりも小さい分量に位置する12個未満の発光体のような一連の発光点を説明するために、「スパースオブジェクト(スパースオブジェクト)」という用語を使用する。スパースオブジェクトを含むサイズが3波長未満の分量は、サイズの小さい解析分量を指す。
点状であるか連続している一連の発光体を説明するために連続物体という用語を使用し、これは、スパースオブジェクトの定義において前述した条件を満たしていないものである。
次に、共焦点顕微鏡における量的閉じ込めの概念を示す簡易図である図4aから図4cを参照する。
量的閉じ込めの機能は、3つのいずれの空間次元においても、試料の観察領域を可能な限り小さい分量の解析分量に限定することである。量的閉じ込めの機能は、2つの効果を組み合わせることによって解析分量を限定するものである。その効果とは、小さい面積、理想的にはエアリースポット50のサイズの面積に照射光を閉じ込めること、および図2の共焦点ピンホール28によって焦点のずれた光を取り除くことである。この2つの効果を重ね合わせると、小さい分量の解析分量60ができる。この分量は、システムが検出する基本細胞のサイズを決定するものである。
53から59の複数のナノエミッタからなるスパースオブジェクトまたは連続物体51について考える。試験的分量60内に位置決めした53から55までのナノエミッタは、これらのみが光源によって励起されると同時に、このナノエミッタによって放出される光子は検出器モジュールに到達する。照明する円錐部56および57内にはないナノエミッタは、入射光に照明されない。図2の共焦点ピンホール28の共役面にあるナノエミッタ58および59によって放出される光は、ほぼ全体的に図2の共焦点ピンホール28によって遮断される。
図4cのシステムに、2つの異なるデカルト座標を定義する。
符号「i」:符号「i」を付した軸は、解析分量61の中心を中心とする基準デカルト座標系を表す。
符号「a」:符号「a」を付した軸は、離散点62と考えるナノエミッタ上の各々の発光ナノエミッタに対する基準デカルト座標系を表す。
後述する本発明のもう1つの実施形態を用いる場合、解析している試料に渦が照射されれば、渦の中心を一般に解析分量の中心と定義する。
共焦点顕微鏡は、前述の量的閉じ込めを用いて解析分量を制限する。量的閉じ込めは、2つの効果を組み合わせることによって得られる。その効果とは、小さい面積、理想的にはエアリースポット50のサイズの面積に照射光を閉じ込めること、および共焦点ピンホール41によって焦点のずれた光を取り除くことである。この2つの効果を重ね合わせると、小さい分量の解析分量60ができる。この分量は、光学系が検出する基本細胞のサイズを決定するものである。
本発明の少なくとも1つの実施形態では、技術の基本的光学モジュールを作製するのに円錐回折を使用する。しかしながら、円錐回折に基づくモジュールを他の光学的概念に基づくモジュールで代用する代替実施態様で、同じ機能性を提供することが可能である。これらは、本発明の範囲内である。代替の光学的概念には、単軸結晶、波長格子、構造化されたレーザーモード、ホログラフィック部品およびその他の当業者に公知の技術などがあるが、これに限定されない。
これらの概念、技術ならびに光学機器および光電子機器は、例えばD.Goldsteinが執筆した書籍「Polarized Light」[20]、「Handbook of Confocal Microscopy」[21]、「Handbook of Optics」[22]に記載されている。
光学セマフォ
本発明のこの実施形態では、光の特性に応じて入射光を様々なチャネルまたは検出器に通すことのできる光学受動素子または能動素子を説明するために、光学セマフォという用語を使用する。最も簡易な事例は、光を波長に応じて2つのチャネルに分割する二色性のブレードである。
本発明のこの実施形態では、光を発光点の位置に応じて通す光学セマフォを説明するために、「位置依存光学セマフォ(Position Dependent Optical Semaphore、PDOS」という用語を使用する。PDOSは、各チャネルまたは検出器iに対して、基準分量の発光体の位置(x,y,z)に依存する一連の伝達関数Ti(x,y,z)によって決まる。PDOSの次数は、チャネルまたは検出器の数になる。PDOSは、伝達関数Ti(x,y,z)の和が解析分量の単位と等しい場合、解析分量の「損失がなくなる(英語でロスレス)」。
Minsky[23]が記載している共焦点ピンホールは、本発明のこの実施形態では、退化した次数1のPDOSであるとみなす。
ほとんどの場合では、PDOSの依存は、横の位置と縦の位置との複合関数である。しかしながら、本発明の実施形態では、光を発光点の縦位置に応じて通す光学セマフォを説明するために、「縦位置依存光学セマフォ(Longitudinal Position dependent Optical Semaphore、LPDOS」という用語を使用する。LPDOSは、各チャネルまたは検出器iに対して、基準分量の発光体の縦位置(z)に依存する一連の伝達関数Ti(z)によって決まる。PDOSの次数は、チャネルまたは検出器の数になる。LPDOSは、伝達関数Ti(z)の和が解析分量の単位と等しい場合、解析分量の「損失がなくなる(英語でロスレス)」。LPDOSは、系の横の範囲を限定する絞りに連結されていることが多い。
光ファイバによる伝送
光ファイバの主要な使用法は、TEM00モードのみを伝送することである。しかしながら、限定的ではないが主にフォトニック結晶ファイバ(Photonic Crystal Fiber、PCF)」と呼ばれるファイバに基づく光ファイバのいくつかの構成は、渦度が2以下である渦モードを含むさらに複雑なモードを、同時または異なるタイミングで伝送できる[24]。したがって、光ファイバを用いて、円錐回折によって形成された光学分布を排除して、光学系を抜本的に簡易化することが可能になる。
光ファイバを用いて、円錐屈折によって形成された光学分布を排除する可能性により、本発明の実施形態を多くの新たな用途に適用でき、例えば、限定はしないが胃や消化器の観察のほか、結腸および尿路の観察である。
また、いくつかのファイバ、「ダブルコアフォトニック結晶ファイバ」[25]によって、2つのモード間の相互作用が可能になり、そのうちの1つは渦モードであり、別の物理的機構を提供して多様な伝達関数を形成する。
複数の波長の測定
本発明の実施形態では、物体を単色の光で照明でき、例えば普通のレーザまたは単色ランプを用いる。この構成は、系の主なパラメータの1つが固定されていて明確に決定されるため、単純である。しかしながら、本発明の他の実施形態では、例えば複数のレーザを用いて離散的に、あるいは例えばスペクトルがより広いランプまたはレーザを用いて連続的に、物体を複数の波長で照明することもできる。
多くの既存の超解像システムでは、複数の波長で同時にまたは順に測定する。実際、同様の要素または異なる要素を、識別して分離できるようにスペクトル反応の異なる蛍光色素分子で標識することが可能である。以下の2つの異なる事例を示すことが重要である。
− 2つの異なる波長で発光し、同じ波長で励起する蛍光マーカーを使用する。
− 2つの異なる波長で発光し、2つの異なる波長で励起する蛍光マーカーを使用する。
2つの異なる波長で発光し、同じ波長で励起する蛍光マーカーを使用する事例では、1つの波長の測定値を2つ目の波長の測定値に対して再較正する問題が本質的に存在しないことに注意されたい。なぜなら、超解像の位置情報は、全く同じ光の照射から導かれるからである。
これによって、2つの異なる波長で蛍光色素分子の位置を正確に相対的に較正でき、実験的な較正システムのみによって制限され、波長の異なる2つの像間で再較正するという主な問題がなくなる。
円錐回折に基づいて光学系の色収差を除去することができれば、共通光路を有する光学系を多くの用途に実装する、特に記載した本発明の実施形態に実装するための選択手段ができる。
色収差の除去は、単軸結晶に基づく光学系に対しても可能であるほか、本発明のほとんどすべての代替実施形態に対しても可能であり、そのいずれにも実質的な複雑さは多少なりとも大きい。
その他の既存の蛍光系では、スペクトル成分がより広い光を使用してアーチファクトを減らし、主にスペックルの作用を減らす。
同じく、蛍光タンパク質のスペクトル特性により、フェルスターのエネルギー移動技術−フェルスター(蛍光)共鳴エネルギー移動(FRET)を利用して、分子細胞間が相互作用するポテンシャルを測定する。
非線形相互作用
材料中で起こる2つの光ビーム間の非線形相互作用が、例えばHell[8]やSchermellehら[3]が記載している超解像法である。これらの非線形相互作用には、2つの光子が相互作用する現象、STEDまたはGSD技術が基となる放出抑制効果、および確率的で自然な技術が基となる光活性効果、あるいは補足的な光学ビームによって起こる「確率的な点滅」、PALMおよびSTORMなどの作用があるが、これに限定されない。
情報
先験的情報および補足情報
記載した本発明の実施形態により、記載した光学プラットフォームまたは文脈上のプラットフォームの外部にある追加情報を組み入れて統合し、引用した抽象化レベル(地図、幾何学的な抽象化レベル、抽象化の生物学的レベルおよび抽象化の機能レベル)のうちの1つに対して試料から得た情報の精度を向上させることができる。
さらに全体的には、スペクトルの多様性、複数の波長で得られた情報、偏光の多様性、および様々な状態の偏光を照射して得られた情報で、利用可能な情報の範囲が拡大する。
例えば渦がゼロの場合にエネルギーがないという事実は、適切な情報であり、光子数に関する情報を「コスト」なしに取得する新たな可能性に道を開くものである。この状況は、例えば自家蛍光のような低蛍光現象を検出するために非常に重要である。
ここで、光学的な積分情報の概念を取り入れるが、この情報は、光学測定から回収するか、観察者が所与の視点からターゲット上の電磁波によって回収できるものである。この情報は、位置に関連する物体についての多くのパラメータ、物体を構成している材料、物体の温度、または物体の向きを含む。
一方、光学的な積分情報には、観察射へ向かう光路がない物体、例えば不透明なケース内に設置された要素の領域に関する情報、または光学転写を含まない物理的情報は含まれない。
超解像測定および回折限界
光学器械は、回折限界を通してどのような光学系の解像度も本質的に限定していると長年考えられていた。超解像技術の登場により(様々な分野で、様々な名称で)、様々な手段によってこの回折限界を超えられることがわかってきた。
基本波が形成した配光分布の重心で渦を照射して、強度が同じである2点の存在を検出するような本発明に記載した実施形態は、先験的な解像に限定されず、理想としては(無限数の光子を用いて)そのような解像度も得られ、これについては後に特殊な事例で説明していく。
頭字語頭字語
本明細書では、本発明の好適な実施態様に対して特異的なプラットフォーム、モジュールおよび光学系の名称として、「Super Resolution using Conical diffraction(円錐回折を用いた超解像)」の頭字語SRCDを使用する。
本明細書では、「Projected Sequence of Intensities with various Topologies(様々なトポロジーの一連の照射強度)」の頭字語PSITを使用する。
本明細書では、「Position Dependent Optical Semaphore(位置依存光学セマフォ)」の頭字語PDOSを使用する。
SRCDPプラットフォーム、つまり「円錐回折を用いた超解像プラットフォーム」は、測定方法論を実施し、円錐回折に基づく光学モジュールを使用する顕微鏡法用のプラットフォームである。SRCDPプラットフォームは、測定方法論の好適な実施態様である。
本明細書では、本発明の好適な実施態様に対するPSIT方法を実施する光学モジュールの名称として、頭字語LatSRCSを使用する。
本明細書では、本発明のPDOS方法の好適な実施態様を実施する光学モジュールの名称として、頭字語LongSRCSを使用する。
本発明のいくつかの実施形態には、新規な測定方法論、つまり本測定方法論、ならびに体系的アルゴリズム方法、ハードウェアツール、ソフトウェアツールならびにこれを実施するためのアルゴリズムからなる一連の整合性を持つものが含まれる。
実施形態に係る測定方法論によって、ナノサイズの光学データおよび超解像の像を取得することができる。本測定方法論は、原則的に、ナノエミッタで標識した超解像生体試料データの測定に使用されるものだが、これに限らない。
本発明のこの実施形態による測定方法論は、以下に記載する様々な測定方法およびアルゴリズム処理方法を用いて実施できる。とりわけ、本測定方法論は、PSITおよびPDOSと称する2つの新規な補足的測定方法を同時にまたは別々に用いて実施できる。
本発明のいくつかの実施形態は、PSIT測定方法およびPDOS測定方法を用いる測定方法論を実施する系(顕微鏡法に対するプラットフォーム、SRCDPプラットフォーム)にも関する。SRCDPプラットフォームは、本測定方法論の好適な実施態様である。
以下に詳細に記載するSRCDPプラットフォームは、主に、顕微鏡に搭載された2つのハードウェアモジュールである新規かつ補足的な2つの光学モジュール、つまり光学モジュールLatSRCSとLongSRCS、および超解像した試料の情報を再構築するアルゴリズムモジュールSRCDAを備える。さらに、SRCDPプラットフォームは、改良型検出モジュール、システムの制御モジュール、およびソフトウェア基盤を有する。
本測定方法論では、PSIT方法とPDOS方法の両測定方法を使用する。しかしながら、用途によっては両方法を使用する必要のないものがあり、その場合は、本発明の範囲内である簡易化した本測定方法論に言及する。
本発明のいくつかの実施形態は、ナノエミッタ分布およびナノエミッタを測定し、ナノエミッタを2次元または3次元でモニタリングするための本測定方法論を使用する方法にも関する。
さらに、本発明の特定の実施形態は、本方法論ならびにPSIT方法およびPDOS方法、SRCDプラットフォーム、光学モジュールLatSRCSおよびLongSRCSならびにSRCDAアルゴリズムの多数の実施変形例に関する。
測定方法論の模範
Minsky[19]が記載し、上記で説明した共焦点顕微鏡の機能性は、3つの空間的次元において、試料の観察領域を可能な限り小さいサイズの解析分量となる分量に限定することである。
当然その結果、共焦点蛍光顕微鏡では、読み出された情報は、単一の実体と考える解析分量全体に対する単一強度の値である。
さらに明確に言うならば、解析分量内のナノエミッタの位置に関する詳細情報は、先験的に共焦点顕微鏡では入手不可能なものである。被照明分量内での一層の区別を可能にするような新たな光学情報を生み出すことはできないというのが、一般的な見解であった。
次に、本発明の少なくとも1つの実施形態に係る測定方法論の模範を示す簡易な概念の図である図4dを参照する。本方法論の模範は、図4aで概略的に示した蛍光共焦点顕微鏡の模範よりも遙かに目標の高いものである。
図4dでは、顕微鏡対物レンズ22の焦点面に試験的分量60が設けられている。この試験的分量には、53から59のいくつかのナノエミッタからなるスパースオブジェクト51が含まれる。本方法を実施するシステムの結果は、再構築されたスパースオブジェクト63、ナノエミッタのリストおよびその特性リスト64である。しかしながら、図4dでわずかな物体を使用することは例示的なものであり、必要な変更を加えてこの図で連続物体を表すことも完全に可能である。
本発明の少なくとも1つの実施形態に係る方法を実施するシステムでは、共焦点顕微鏡法の寸法とほぼ同じ寸法である発光性の分量内で、いくつかのナノエミッタの特性を個別にかつ正確に回収することができる。この目的を達成するため、本発明のいくつかの実施形態に係る方法論は、時間と空間の両分野で、各々の被照明分量に対して大量の情報を光学的に形成するように設計される。
本発明の一実施形態に係る本測定方法論の最新のプロセスは、5つの光学ステップ、1つの光電子検出ステップおよびアルゴリズムステップからなる7ステップに分割することができる。
光学ステップ:
・ トポロジーの異なる一連の小規模な配光分布を解析分量に照射する。
・ ナノエミッタによって蛍光を放出する。
・ 蛍光色素分子を焦点面上にイメージングする。
・ 検出された反射光をいくつかの独立したチャネルに同時かつ/または連続的に分離する。
・ 任意に、解析光の焦点面内に限定する。
・ 検出ステップ
点状またはマトリクス状の1つ以上の光検出器によって光度を検出する。
アルゴリズムステップ:
・ 検出された一連の像から、スパースオブジェクトを構成するナノエミッタのリストを再構築する。
または
・ 検出された一連の像から、連続物体を構成する空間分布(または力学を考慮する場合は時空間)を再構築する。
本発明のもう1つの実施形態によれば、本測定方法論は、第1の光学ステップまたは第4の光学ステップのいずれかを省略して、前述の光学ステップを実施することからなる。
本方法論を実施する合成光学プロセスは、一連の照明および/またはチャネルの機能性および/または一連の照明の位置を測定データまたは外部情報に応じて変更することによって、システムの制御モジュールが制御する一連の光学測定プロセスを実行することを含む。本発明の一実施形態による方法論を実施する合成光学プロセスの一例を以下に詳述する。
PSIT測定方法
本発明の1つの実施形態によるPSIT測定方法では、トポロジーの異なる一連の配光分布を解析分量に照射する。
PSIT測定方法では、以下の機能を実施する。
○ 一連の放出、トポロジー群の異なる一連の小規模な配光分布を試料に照射する。
○ 各々の小規模な配光分布に対して、
・ 試料のナノエミッタによって発光する。
・ 光学顕微鏡を用いて、光学画像を作成する。
・ 光検出器で光学画像を取得し、デジタル画像を作成する。
さらに詳細には、次の点に注意されたい:
一連の伝送は、トポロジー群の異なる少なくとも2つの点状配光分布からなる。
一連の伝送は、ナノエミッタで標識した生体試料に照射される。各々のナノエミッタから出射する放出光は、各々のナノエミッタに対して、インコヒーレントの場合に光の強度に依存するか、コヒーレントの場合に電磁場に依存し、上記で考察したナノエミッタの前記光のサンプリング特性を有する発光ナノエミッタの3次元空間位置に入射する。
試料に照射される一連の伝送の各々の配光分布パターンに対して、光学画像が形成される。一連の伝送のすべての配光分布に対応する一連の画像を、画像シーケンスと称する。
この実施形態によるPSIT方法により、主に横方向の情報、すなわち各々のナノエミッタの横方向の位置を取得することができる。
好適な実施形態では、PSIT方法は、円錐回折によって形成され入射および出射の偏光状態が変化することによって修正される、トポロジーの異なる配光分布を照射することによって実施される。
PDOS方法
本発明の一実施形態によるPDOS方法には、ナノエミッタによって少なくとも2つの検出器の間に再放出された光を「光学セマフォ」で分布させることが含まれる。
理想的には、光学セマフォの機能は、異なる領域にある異なる検出器に試験的分量を分離することである。実際には、光学セマフォは、発光ナノエミッタの空間位置および様々な検出器の様々な位置に応じて、各々の検出器に対して、発光ナノエミッタが放出した光の伝達関数を生み出す。
好適な実施形態では、PDOS方法は、焦点面内または焦点面を超えて存在するナノエミッタから出射する非コリメート光から、レンズの焦点面に位置するナノエミッタから出射するコリメート光を様々な検出器に分離するために実施される。
その好適な実施形態におけるPDOS方法により、実質的に縦方向の情報、すなわち各々のナノエミッタの縦方向の位置を取得できる。
数学的には、本発明のいくつかの実施形態による方法は、空間内のナノエミッタの空間分布を、一連の画像からなる未処理情報に変換する伝達関数を提供するものである。アルゴリズムは、逆変換の操作を実行する。すなわちアルゴリズムは、未処理情報内の一連の画像から空間内のナノエミッタの空間分布を再構築する。
本発明の実施形態における情報
中間結果、生の情報は、検出ステップ終了時に得られる。生の情報は、一連の像Aop(m,n)を含み、oは配光分布を表し、pは検出チャネルから得た像を表す。
共焦点顕微鏡と同じように、測定プロセスでは、遙かに大きい物体内の小さい分量を解析する。したがって、共焦点顕微鏡のモジュールに似た追加のモジュールであって、走査プロセス、表面および/または3次元の物体の点データを統合し、解析し、可視化するソフトウェアモジュールを含むモジュールを追加する必要がある。
数学的な面では、このアルゴリズムは、逆問題またはパラメータ推定を解決する。モデル式が知られており、ナノエミッタの構成には、助変数を表示したモデルまたはそうではないモデルが先験的に使用されている。最も自然なモデルは、少数のナノエミッタ(スパースオブジェクト)を仮定するものだが、1次元構造の存在(線、曲線)または特殊なパターンを仮定する連続モデルも使用してよい。よって、逆問題およびパラメータ推定を解決するための専門家に公知の数学的手法をすべて使用することができる。本発明の一実施形態による測定方法論に対して特別に適応させたアルゴリズムの一例を後述する。
さらに、象徴的価値のために、互いにわずかな距離を置いて位置する2点を区別する問題に対する新たな解決法を取り上げる。Lord Rayleighが研究したこの問題は、多くの光学分野における解決基準の基本である。
そのため、本発明の実施形態の詳細な記載がよりよく理解されるように、また技術への貢献がよりよく評価されるように、発明の特徴を広範囲にわたって記載してきた。本発明のさらに他の多くの特徴を以下に説明する。
本発明の一実施形態による方法の好適な実施態様は、ハードウェアのプラットフォームおよびアルゴリズムであり、これは、図5に示すSRCDPプラットフォーム500のことである。
SRCDPプラットフォーム500は、前述のPSIT方法とPDOS方法の2つを組み合わせることによって本発明の一実施形態による方法を実施する。
1つの実施形態では、図5のプラットフォームSRCDPは、複数のナノエミッタを含む生体試料11を観察する。SRCDPプラットフォームによる生体試料の観察結果は、観察した試料を表す超解像情報を取得したものである。
図5のプラットフォームSRCDP500は、主に、そのハードウェア部分に、以下のものを備える:
・ 前述の共焦点顕微鏡と同様の適応したまたは最適化した共焦点顕微鏡であって、前述したような適切な部品をすべて有する共焦点顕微鏡200。
・ 標準の顕微鏡に搭載した、2つの新規かつ補足的な光学モジュール。この2つの新規な光学モジュールは、光学モジュールLatSRCS700およびLongSRCS800であり、これについては、図6および図8をそれぞれ参照してのちに詳述する。光学モジュールLatSRCS700は、本発明の一実施形態によるPSIT方法を実施するのに必要な照明ステップを実施する。光学モジュールLongSRCS800は、本発明の一実施形態によるPDOS方法の複数の出射画像の状態で光度を分布するステップを実施する。
・ 図8を参照して説明していくアルゴリズムモジュールSRCDA600は、プラットフォームSRCDPが作成した画像から生体試料の超解像情報を再構築することができる。
・ その他の補助的素子であって、プラットフォームの作製に必要な、コンピュータ66およびソフトウェア67などの素子。
PSIT方法を実施する光学モジュールLatSRCS
図6を参照して、本発明の一実施形態による光学モジュール、光学モジュールLatSRCS700、およびその顕微鏡法における特定の機能を説明する。
この実施形態に係る光学モジュールLatSRCS700は、試料内の複数のナノエミッタにトポロジーの異なる一連の小規模な配光分布を照射する光学モジュールである。各々のナノエミッタは、ナノエミッタへの入射強度に応じた一連の蛍光強度で蛍光を発し、ナノエミッタの横方向の位置を特徴づける。ほとんどの実施形態では、トポロジーの異なる小規模な配光分布は、定常波と特異波との間で振幅および位相が変化する干渉によって形成される。好適な実施形態では、規則波および特異波は、薄型の円錐形結晶によって形成される。
光学モジュールLatSRCS700は、共焦点顕微鏡200の照明路に位置し、共焦点顕微鏡対物レンズ200を用いてトポロジーの異なる一連の小規模な配光分布を試料11に照射する。円錐回折を用いる好適な実施形態では、試料11上の特定位置での入射強度は、各々の配光分布パターンに対して、ストークスパラメータの特定の組み合わせに比例する。
光学モジュールLatSRCS700は、蛍光色素分子に対して特有の前述した固有の特徴を使用し、ナノエミッタは、(ナノエミッタの)正確な位置に入射する光度をサンプリングし、入射光に応じて蛍光を再放出する。注目すべきは、測定した情報は、小規模な配光分布内のナノエミッタの位置に直接関係しているという点である。この情報は、蛍光色素分子の機能性、つまり光を吸収して再放出する能力によって硬直化され、光学連鎖が破壊される。この情報は、出射光分布として蛍光に保有され、検出アセンブリ65によって回収されることができる。
入射光が、トポロジーの異なる一連の小規模な配光分布に応じて時間とともに変化する場合、再放出された蛍光の強度は、同じ割合で変化する。再放出された一連の蛍光は、トポロジーの異なる一連の小規模な配光分布に比例する。この情報から、以下で説明するように、ナノエミッタの位置を読み出すことが可能になる。
本発明の実施形態によるPSIT方法は、トポロジーの異なる一連の小規模な配光分布を顕微鏡で照射し、わずかな物体および連続物体と相互作用し、顕微鏡の対物レンズ22で反射光を集光し、改良型検出アセンブリ65で蛍光を検出するか検出せず、適切なアルゴリズムで情報を解析するものである。いくつかの実施形態では、改良型検出アセンブリ65は、単一の検出器を備え、時間に応じた全体的な強度のみを回収するのに対し、他の実施形態では、改良型検出アセンブリは、小さい画素エリアを含み、蛍光の空間分布も回収する。複数の画像からなる読み出された情報をすべて、横方向の超解像画像と称する。
1つの実施形態では、被照明分量内に位置するナノエミッタが特定の横方向の超解像画像に及ぼす作用は、ナノエミッタの位置での入射光のストークスパラメータの特定の組み合わせに比例する。
横方向の超解像画像、つまりトポロジーの異なる小規模な配光分布によって作成された情報は、新規なものでありかつ先行技術にはみられなかったものである。この新規な情報により、ナノエミッタの位置の精度を向上させ、被照明分量内にあるナノエミッタの数を定量し、同じ分量内にある複数のナノエミッタを区別しやすくなる。
次に、本発明の実施形態に係る光学モジュールLatSRCS700の簡易概略図である図6を参照する。
図6は、光学モジュールLatSRCS700を示し、この光学モジュールは、図3の円錐回折モジュールの部品をすべて有し、この部品は、円錐回折モジュール300と同じように実装される。他の条件は補助光学器械を使用することで適応させることができるが、走査型共焦点顕微鏡の光源の光学器械は、色収差が除去され、無限の組み合わせがあると仮定される。光源から入る入射光30は平行である。光学モジュール700は、それ自体が、第1のレンズ31、色消しレンズ32、または、色収差を除去して前述した円錐形結晶の機能を実施するサブセット、および第2のレンズ33を備え、前述の部分偏光子29を加えてもよい。2つの第1のレンズ31および33は、倍率1のケプラー望遠鏡の形態で構成されることが好ましく、円錐の結像面、35は、レンズ31および33の共通焦点面に置かれる。第1のレンズ31の開口数は、以下に定義する正規化した円錐半径を介して、円錐回折効果のパラメータを決定する。第2の対物レンズ33は、光の平行性を復元して、これを顕微鏡内に投入する。第2の対物レンズは、さらに、偏光制御サブモジュール71を備え、例えば、回転1/4波長板、1対の液晶ライトバルブもしくはポッケルスセル72ならびに検光子73などを有する。ストークスパラメータの情報は、空間的に異なる一連の配光分布を介して連続情報に変換され、前述したような連続情報を保有することができる。
図7aを参照すると、この図は、正規化した円錐パラメータρ0が0.388である円錐形結晶を介して形成された配光分布を示し、この配光分布は、入射および出射で異なる偏光状態に対して、スカラー近似により計算されていて、入射または出射箇所に円偏光子または直線偏光子またはラジアル偏光子もしくはアジマス偏光子のいずれかを含んでいる。これらの配光分布は、ベクトル効果から円錐屈折を分離するために、対物レンズの焦点ではなくイメージングの中間面で計算されたものである。(入射および出射の)偏光状態は、直線偏光の場合の偏光角度および円偏光の場合の偏光のキラリティが特徴である。
図7bを参照すると、この図は、正規化した円錐パラメータρ0が0.818である円錐形結晶を介して形成された配光分布を示し、この配光分布は、入射および出射で異なる偏光状態に対して、スカラー近似により計算されていて、入射または出射箇所に円偏光子または直線偏光子またはラジアル偏光子もしくは方位偏光子のいずれかを含んでいる。これらの配光分布は、MMresearch社のソフトウェアDiffractを使用して計算されたものである。これらの配光分布は、ベクトル効果から円錐屈折(回折)を分離するために、対物レンズの焦点ではなくイメージングの中間面で計算されたものである。(入射および出射の)偏光状態は、直線偏光の場合の偏光角度および円偏光の場合の偏光のキラリティが特徴である。
これらの表は、多数の異なる伝達関数を示し、入射または出射箇所に含まれる円偏光子、直線偏光子、方位偏光子またはラジアル偏光子の事例を含んでいる。この説明は、図面に記載した円偏光子、直線偏光子、方位偏光子またはラジアル偏光子のほか、楕円偏光子、二色性偏光子または部分的に二色性の偏光子、および空間的に変化する偏光子の事例を含めることで完全にならなければならない。また、図7aおよび図7bに示したように、これらの伝達関数は、標準の円錐パラメータρ0に応じて大きく変化する。また、2つの円錐形結晶、または1つの円錐形結晶と1つの単軸結晶もしくは2軸結晶と(この場合、光は、円錐回折の方向とは異なる1つの伝播方向へ電波する)を次々に導入することで、2つの円錐形結晶について図7cに示したようにさらに多くの伝達関数が可能になる。
要約すると、本明細書では、円錐回折の伝達関数という用語を用いて、少数(<6)の結晶を次々に用いて得られる一連の伝達関数、および静的または動的で、空間的に均一であるか変化する偏光要素に言及する。
主に、以下の配光分布に注意する:
・ 基本配光分布:平行な円偏光子同士の間で得られる図7a00および図7a11であり、エアリー分布に近い分布。
・ 渦配光分布:交差円偏光子同士の間で得られる図7a01および図7a10。
・ 「三日月」分布と呼ぶ分布;副図7a0,2−5、7a1,2−5、7a2−5,0および7a2−5,1は、円偏光子と角度が変化する直線偏光子との間で得られる。この分布は非対称であり、軸は直線偏光子の軸に沿って回転する。
・ 「半月」分布と呼ぶ分布;副図7a42、7a35、7a24および7a53は、2つの交差偏光子の間で得られ、この分布は対称である。
・ より複雑な配光分布、図7bであり、0.5よりも大きい正規化した円錐パラメータρ0の結晶に対する分布。
・ 結晶間に静的または動的な偏光素子がある2つ(または2つ以上)の結晶が急峻な円錐形結晶(図示せず)を使用して、さらに別の配光分布を作成する。
様々な配光分布の実現は、入射または出射する偏光を修正して実行される。様々な配光分布は、同じ光路に続き、これらの分布を形成している光学系は、上記に定義したような共通光路を有する光学系である。異なる波長で異なる偏光を有する多数の偏光要素がある。これらの要素のうちの1つを使用すると、2つの波長で規則波か特異波のいずれかである2つの小さい波動を形成するか、1つの波長で規則波を形成し、かつもう1つの波長で特異波を形成する。このような装置により、いくつかの事例では光学系の耐性または振動によって制限される放出抑制の概念を、遙かに簡易に実装できる。
冗長性およびランダム位相の変化
図7に描いた基礎配光分布は、いくつかの方法で得られる。さらに、その方法のうちのいくつかを、他の基礎配光分布の線形的組み合わせとして得ることができ、例えば渦分布は、任意の2つの直交する「半月」配光分布を合わせたものから得ることができる。
この冗長性により、生体の多くの測定プロセスに必然的に存在するランダム位相の誤りをある程度平均化することができる。これによって、本発明の実施形態の測定方法論およびその適用性の確実性が強化される。
新規な配光分布は、基礎配光分布の数学的な組み合わせとして得ることもできる。4つの「三日月状の」分布を算術演算で組み合わせて計算した「偽渦」の配光分布は、原点の湾曲が激しいという特徴を有する。
PSIT方法は、元々は横方向の超解像ができるように設計されたものであったが、PSIT方法は、ナノエミッタの縦方向(長手方向)の位置を得るのに使用することもできる。実際、いくつかの基礎配光分布は、ナノエミッタの縦方向の位置の変化から(合理的な限度内で)比較的影響を受けないが、他の分布はかなり影響を受けやすい。一連の小規模な配光分布は、縦方向の位置に依存しないものと依存するものがあり、ナノエミッタの縦方向の位置を明らかにする。
さらに、ナノエミッタの縦方向の位置に強く依存する配光分布に対して、縦方向に互いにわずかにずれている一連の基礎配光分布を試料に照射することができ、これによって縦方向の情報を含む一連の画像ができる。
さらに、いくつかのさらに複雑な基礎配光分布は、さらに複雑な波の重なりで構成され、縦方向に強く依存して存在し、例えば、Zhangが記載した「3次元ダークスポット」[26]は、光を発する球体で3次元に囲まれたブラックスポットを形成する。これらの「3次元ダークスポット」は、ラゲールガウス関数の重畳で構成され、この関数は、Zhangが提案したように、ホログラムまたは位相板を使用するか、または本発明者が提案するように、1軸結晶または円錐形結晶を使用して、レーザ空洞の中で達成されることができる。
本測定方法論のこれらの変形例はすべて、本発明の一部と考えられる。しかし本発明者は、好適な実施態様で、横方向の測定および縦方向の測定を、離れているが補足関係にある2つの光学モジュールに分けて、各々のモジュールの複雑性を軽減することを選択した。
ベクトル効果
これまで展開した理論は、顕微鏡35の結像面内の配光分布を説明するものである。試料に照射光の分布は、幾何学的イメージングの理論によれば、像面内の配光分布を縮小した画像である。
しかしながら、文献で動的に記載されているように、開口数の高い対物レンズの場合、幾何学的イメージングの理論は適確ではなく、ベクトル効果を考慮しなければならない。これらの効果は、本質的に、縦方向に偏光成分が存在することで起こる。
再度図6を参照すると、ベクトル効果を緩和するためには、不変の最終的な検光子を維持し、不変または可変の追加素子、つまり出射の偏光を適応させるサブモジュール74を加えて出射の偏光を制御することが有利である可能性がある。円が対称である出力偏光であれば、ベクトル効果が大幅に低減されることを発見した。このような偏光は、円偏光ラジアル偏光またはアジマス偏光とすることができる。円偏光の場合、出力偏光を適応させるサブモジュール74は、単純に1/4波長位相差板である。この場合、縦方向の偏光素子は、渦が対称であり、ストークスパラメータの形状にわずかな変更を加えるだけで、開口数の高い顕微鏡対物レンズに対してでも、システムに問題なく組み入れられる。
このようにする代わりに、出射偏光を適応させるサブモジュール74は、可変的なものでもよく、小規模な配光分布の各々のトポロジーおよび対称性に適応させてもよい。
PDOS方法を実施する光学モジュールLongSRCS
以下に、光学モジュールLongSRCSについてさらに詳細に説明する。
本発明の一実施形態による縦方向の超解像系は、わずかな被照明分量内にある複数の点光源の入射光度を、各々の点光源の空間位置に応じて、別々の検出器または同じ検出器の異なる立体位置またはこの両方を合わせたものに誘導する。
さらに単純な言葉で言うならば、縦方向の点Aに位置する蛍光色素分子が放出する強度は、縦方向の点Bに位置するナノエミッタが放出する強度からは物理的に離れる。
本発明の一実施形態による光学モジュールLongSRCSにより、分量をスライス状に分離することができ、被照明分量の様々なスライス片は、様々な一連の検出器上で物理的に別々に離れる。
以下で説明する好適な実施形態では、光学モジュールLongSRCSは、被照明分量を少なくとも3つの隣接するスライス片に分離し、一連の独立した改良型検出器上で真ん中のスライス片を他の2つのスライス片から離し、同じ一連の改良型検出器上で残りの2つのスライス片の間に空間差異を形成する。
次に、本発明の実施形態に係る光学モジュールLongSRCS800の簡易概略図である図8を参照する。
光学モジュールLongSRCSは、わずかな光量にある複数の点光源の入射光度を、各々の点光源の縦方向の位置に応じて、別々の検出器または同じ検出器の異なる立体位置またはこの両方を合わせたものに誘導する。
好適な実施形態では、この光学モジュールは、縦方向の位置に応じて、80、80’または80”で示すナノエミッタに対して動作する。この光学モジュールは、第1のコリメーションレンズ81を備え、このレンズは、いくつかの実施形態では、顕微鏡対物レンズ4で構成されてよい。
ナノエミッタ80は、コリメーションレンズの焦点面82に位置し、コリメーションレンズ81から出射するナノエミッタ80から出る光は、コリメートされる(平行にされる)。
ナノエミッタ80’および80”は、コリメーションレンズの焦点面82の前と後ろに距離±Δzを隔てて置かれ、コリメーションレンズ81から出射するナノエミッタ80’または80”から出る光は、収束または発散する。
光学モジュールLongSRCSは、横変位の偏光ビームスプリッタ83の形態である、図8に示す偏光ビームセパレータを有する。偏光ビームスプリッタは、偏光していないと思われる入射光を、直交する直線偏光を含む2つの偏光チャネル84および85に分割する。このシステムは、入ってくる光がすでに偏光であるか、または偏光されていない光のために入射光度の半分を失うことを犠牲にすれば、2つではなく単一の偏光チャネルを使用することで簡易化できる。
2つの1/4波長板86および87は、各々のチャネルに対して、直線偏光を円偏光に変換する。
チャネル88および89のそれぞれには、色収差が除去された円錐形結晶、または、色収差を除去して、前述したような円錐形結晶の機能を実施するサブセットが置かれる。各々のチャネルでは、図3に記載したように、円錐回折の構成の主要対物レンズ31として機能する円錐回折構成がコリメーターレンズ81、ならびに円錐形結晶88および89で構成される。円錐回折パターンは、続いて第2のレンズ33をもって完全となる。
コリメーションレンズの焦点面82に位置するナノエミッタ80の場合、コリメーターレンズ81から出射する光は、前述したようにコリメートされる。円錐回折の構成を参照すると、像空間におけるコリメーションレンズ81の開口数および正規化した円錐半径はゼロであるため、ナノエミッタ80からビームに及ぶ円錐回折の効果はゼロである。したがって、円錐形結晶は、ナノエミッタが放出した蛍光の幾何学形状もその偏光も変更することはなく、キラリティが同じ円偏光のままである。
コリメーションレンズの焦点面82に位置していないナノエミッタ80’または80”の場合、光は発散または収束する。再度前述の円錐回折の構成を参照すると、コリメーションレンズ81の像面の開口数は、円錐回折の構成の第1のレンズ31と等しく、ゼロではない。プラスまたはマイナスの所与のデフォーカス値が±Δzの場合、円錐結晶から出射されるほとんどの光は渦波であり、この渦波の形状は渦で、キラリティが逆である。
各々のチャネルに位置する円錐回折の構成の機能性は、収束光または発散光に対する光の円偏光のキラリティを逆にすることによって、収束光または発散光とコリメート光とを区別することである。
他の2つの1/4波長板90および91は、各々のチャネルから出射する円偏光を直線偏光に変換する。各々のチャネルに対して、結晶が除去された場合に位相差板から出射されたであろう直線偏光をコリメーションの偏光と呼ぶ。
光学モジュールLongSRCSは、横方向に分離する4口のコンバイナ/セパレータ92として、図8に示すような4口のコンバイナ/セパレータを備える。この光学モジュールは、各々のチャネルに対して2つの偏光を分離し、2つのコリメートされた偏光を同じ光路、つまりコリメーション光路93で融合し、コリメートされた偏光に直交する偏光を別の光路、つまり非コリメート光路94で融合する。1/4波長板86、87、90および91の軸方向は、適正に決定しなければならない。合わさったビームは、元は偏向していないビームから来ているため、干渉しない。
コリメーション光路に入る入射光は、円錐回折の構成の第2のレンズ32として機能するコリメーション光路95の焦点レンズを使用して、コリメーション検出器96で集光される。
非コリメーション光路では、別のレンズ97が挿入され、この別のレンズ97は、コリメーションレンズ81とともに新たなレンズ系98を作り出し、この新たなレンズの焦点面99は、コリメーションレンズの焦点面82とは異なる位置、つまりナノエミッタ80’の位置に位置する。別の1/4波長板100が、1/4波長板90または91が起こす作用を取り消し、各々の偏光チャネルから入ってくるビームを反射時に円偏光に変換し、この円偏光は、円錐結晶88または89を出た後に偏光される。
コリメートされない経路には、別の円錐形結晶101が第3の円錐回折構成(補助的な円錐回折構成)としてレンズ光学系98とともに追加され、円錐回折構成の第1のレンズ31として作用する。
ナノエミッタ80’は、コリメーションレンズの焦点面82の前に、距離Δzを隔てて位置しているが、レンズ光学系98に対しては焦点面99に位置している。ナノエミッタ80’から来る光は、光が通過した偏光チャネル応じて、コリメーションレンズ81で構成される円錐回折構成のうちの1つ、および円錐形結晶88または89のうちの1つによって、すでに渦に変換されていたものである。ナノエミッタ80’から来る光は、レンズ系、98から出る際に、追加のレンズ97の後ろでコリメートさる。
新規な円錐回折構成を参照すると、像空間にあるレンズ系の開口数、および正規化した円錐半径は、ナノエミッタ80’に対してゼロであり、補助的回折構成が、ナノエミッタ80’から出射されるビームに及ぼす円錐回折効果はゼロである。したがって、円錐形結晶は、ナノエミッタが放出する蛍光の幾何学形状を変化させることはない。ナノエミッタ80’から来る光は、円錐形結晶89の前後で渦である。
ナノエミッタ80”は、コリメーションレンズの焦点面82の後ろに、レンズ系98に対して距離Δzを隔てて置かれ、集光位置99からは距離−2Δzを隔てて置かれ、ナノエミッタ80”から来る光は、レンズ系、98から出る際にフロントレンズ、97の後ろで合流する。ナノエミッタ80”から来る光は、光が通過した偏光チャネル応じて、コリメーションレンズ81で構成される円錐回折構成のうちの1つ、および円錐形結晶88または89のいずれか1つによって、すでに渦に変換されていたものである。円錐形結晶101は、ナノエミッタ80”から来る光を変化させ、および、材料に関連するパラメータ、すなわち円錐形結晶のサイズおよび向きについて、エアリーディスクとはわずかに異なる規則波に戻す。
非コリメート光路の対物レンズ102は、規則波104であってナノエミッタ80’ではなく特異波であるナノエミッタ80”を含む面を、画素化した検出アセンブリ103で焦点を合わせるように適応される。蛍光色素分子80”のような面104に位置する蛍光色素分子から出射する入射光は、完全に焦点が合わされ、画素化された検出器103の中心に位置する。面99に位置するナノエミッタから出射する入射光は、渦であるため、中心がゼロである外側の円に集光される。中心の強度と検出器の外部の強度とを別々に記録することによって、面104および99からくる入射光をわずかに重なった状態で分離することができる。さらに、対物レンズが検出器の面104で焦点を合わせるように計算されているため、ナノエミッタ80’のように面104に位置するナノエミッタは、わずかに位置がずれている。これによって、中心の渦の強度をさらに上げて重複を低減することで、光学モジュールLongSRCSの効果が改善される。
光学モジュールLongSRCS800の好適な実施形態をこのように簡易に説明することで、専門家に公知の変更を通して設計を変更して、多くの変形例および適応例が可能になる。この変更には、結晶の材料および方向、偏光部品の選択、偏光軸、カスケード素子、センサ数の選択またはナノエミッタ80’および80”の役割の入れ替えなどがあるが、これに限定されない。さらに、モジュールは、理想的には、一連の一体化したサブセットあるいはまた単一の一体化したユニットとして構成されるように調整される。
PDOS方法および横方向の測定
PDOS方法は、元は縦方向の超解像ができるように設計されたものだが、PDOS方法は、ナノエミッタの横方向の位置の測定にも使用できる。実際、基礎配光分布は、ナノエミッタの横方向の位置の変化にも影響を受けやすい。試料の面に対する光の照射が不可能な場合、PDOS方法の代わりにPSIT方法を用いて超解像測定を実施してもよい。
本測定方法論のこれらの変形例はすべて、本発明の範囲内である。しかし、本発明者は、好適な実施態様で、横方向の測定を縦方向の測定から分離して、離れて別々だが補足関係にある2つの光学モジュールに分けて、各々のアドオン(追加装置)の複雑性を軽減することを選択した。
検出モジュール
本測定方法論の可能性を考えると、作成された情報を検出して復元できるさらに複雑な検出モジュールが必要であるという結論に至る。走査型共焦点顕微鏡法では、検出器は、PMTまたはSPADとしての単一の素子で構成される検出器である。検出器の取得時間は、走査機構によって決まる。
本測定方法論は、いくつかの実施形態では、1つではなく2つ(またはそれ以上)の検出モジュールを必要とし、モジュールが2つの場合は、基本検出モジュールおよび渦検出モジュールを必要とする。さらに、本測定方法論は、いくつかの実施形態では、各々の被照明分量に対して、連続信号の識別・定量に必要であるために、画素時間よりも早いレートで、典型的には16×16の小さい空間格子に光学情報を取得する必要がある。
改良型検出モジュール65は、少画素数の小型検出器を用いて使用できる。このようなモジュールは、適切な技術がないために10年や20年前には不可能であっただろう。今日、少画素数、高速、少ノイズを特徴とする小型検出器が、いくつかの技術を基盤として利用でき、32×32など少画素数のSPADアレイが、近年最大1MHzの取得レートで登場している。改良型検出モジュール65は、CCD、EMCCDまたはCMOSセンサを用いても実装できる。少画素数のCCDセンサ、CMOSセンサおよびEMCCDセンサが存在し、あるいはこれを特別に設計できる。
さらに、CCDセンサ、CMOSセンサ、EMCCDセンサは、関心領域の特性、いくつかの検出器で利用可能なサブウインドウまたは「ビニング」、「クロップ」もしくは「ファーストキネティックス」モードの特性を利用して使用できる。
本明細書で用いる空間・時間情報は、各々の蛍光光子の位置およびこの蛍光光子が及ぼす効果の時間である。実際のシステムでは、空間・時間情報は、検出器のノイズによって損なわれ、これによって不正確な光子が形成され、不十分な検出によって、検出されていない光子が形成され、これによって性能が低下する。SPADアレイでは、各々の光子に対して、この光子を検出した画素および効果時間が受け取られ、すなわち完全な空間/時間情報が入手可能になる。CCDセンサ、CMOSセンサまたはEMCCDセンサの場合、複数のフレームを取得して、空間・時間情報を近似する必要がある。
いくつかの実施態様では、別々の検出器について言及する。多くの場合、センサは、物理的に離れているか、または単一の検出器の異なるエリアで構成されるか、またはこの2つの場合を組み合わせたものといずれかとすることができる。
SRCDAアルゴリズム
上記に詳述した再構築アルゴリズムは、PSIT方法およびPDOS方法を用いて解析した所与の分野の場合だけでなく、走査によって解析したさらに大規模な分野の場合にも適用される。走査の場合、直接のモデルは、照射された信号の様々な位置どうしの間を範囲に含めて、所与の点でさらに多く測定することを考慮することで、質が向上する。ただし、ずれて照射された信号を考慮しても、解像方法の面に新たな複雑さが加わることはない。なぜなら、このようなずれた信号は、照射された信号のリストに加わるだけだからである。
測定方法論を実施する合成光学プロセスのアルゴリズム
本発明の少なくとも1つの実施形態による合成光学プロセスは、SRCDAアルゴリズムの論理的補数である。実際に、SRCDAアルゴリズムで実現した再構築によって、画像の追加で測定性能が改善される結果を導くことができる。顕微鏡法プラットフォームSRCDPにより、PSIT方法またはPDOS方法の一連の配光分布から、1つ以上の追加画像を取得することができる。
以下に一例を説明する。
PSIT方法を用いた点の位置測定
PSIT方法は、ナノエミッタの位置を高精度で測定する技術として使用できる。
デカルト座標のx,yおよび極座標のρ,θの位置にナノエミッタが位置していると考える。基本波で構成される一連の照明、および直交軸に沿って並んだ2つのいわゆる「半月」分布をナノエミッタに照射する。
前処理手順で以下の2つの画像を作成する:
シーケンスの3画像の和で構成される「トップハット(top hat)」画像、および2つの半月画像の和で構成される渦画像。
第1のディスクリプタが、画像「トップハット」の重心のアルゴリズムを用いて計算されるデカルト位置である。
図10を参照すると、半径位置ρは、パラメータρaを測定することによって一義的に測定することができ、このパラメータは、渦波Ivに照明されたナノエミッタが放出した正規化強度と、基本波IFに照明されたナノエミッタが放出した正規化強度との間の強度比のアークタンジェントを、因子πで正規化したものに等しい。実際、
・ 基本波に照明されたナノエミッタが放出した正規化強度は、基本波の中心での1からエアリー半径での0まで変化する。
・ 渦波に照明されたナノエミッタが放出した正規化強度は、渦の中心での0から渦の最大の1まで変化し、エアリー半径よりもわずかに大きい値に向かう0に達する。比のアークタンジェントは、単調関数である。
方位角位置は、第1の半月分布IHに照射されたナノエミッタが放出する全体強度と、第2の半月分布Iveに照射されたナノエミッタが放出する全体強度との強度比を測定することによって測定できる。この2つの強度の比は、タンジェント二乗の法則である。
(式10)
両方とも測定するのは冗長である。この冗長性は、観察した物体を単一の点として定量し、試料内に潜在的に存在する他の物体から分離するための手段である。
ナノエミッタの位置を高精度で測定するための本発明の一実施形態によるPSIT方法を直接適用する方法が、局所で確率的に光学による再構築を行う新規な技術にこの測定技術を組み入れることである。確率的技術を適用できる可能性を制限するものの1つが、多数の画像を必要するために測定時間が長く光毒性が強い測定プロセスである。エアリーディスクよりも遙かに高い解像度で、マイクロ秒またはナノ秒の速さで発光体の位置を測定する、本発明の少なくとも1つの実施形態によるPSIT技術を使用すると、確率的技術を多くの新規な用途に拡大できる。
PSIT方法を用いてできた画像は、画像中の構造物体、線、円またはその他のものを認識するための一般的なハフ変換法を用いて処理してもよい。
高次元空間での表現:デカルト極座標表現
この結果は一般化することができる。本明細書では、デカルト座標表現と極座標表現を合わせた新たな平面表現をすべて紹介する。この表示を、デカルト極座標表現と名付けた。平面上の1点を、x、y、ρ、θの4つで表現する。この表現は、非ユークリッドであり、冗長である。同様の空間表現は、必要な変更を施して定義できる。
一見してこの表現は、必要ないように見える。つまり、これよりも遙かに単純な現実に対して著しく複雑である。平面上の1点の位置は、このようにする代わりに、デカルト座標のxとyを用いるか、または極座標のρとθを用いるかのいずれかで表現できることはよく知られている。
高次元空間での表現:ピタゴラスの空間
本明細書では、デカルト極座標表現の簡易バージョンのみを詳述し、このバージョンでは、1点を座標x、yおよびρで表現する。この空間をピタゴラスの空間と称する。
立体面積を幾何学の構成方程式ρ2=x2+y2を満たす3次元空間にある2次元の面と定義し、x、yおよびρを同時に測定する測定系を、前段落で記載したような測定系に、同じデータに対するセントロイドアルゴリズムを合わせたものとして仮定する。ピタゴラスの空間内の立体表面上に、1点を物理的に配置する。2つ以上の物理的な点の事例を考えてみる。測定する2点の重心は、全体的に立体表面の外側にあり、このエリアの外側に1点を作成する。この表現は、決定論アルゴリズムの数学的に形式化し、一般化して、隔離した点の事例を前述した点の集合の事例から分離するためのものである。
2点の識別および測定:新たな解像基準
次に、極座標でρ,θおよびρ,−θの位置の中心を境に対称に位置する強度が同じ2つのナノエミッタを考える。前段落に記載したシステムを使用する。
3つのディスクリプタにより、以下の結果になる:
・ セントロイドは、配光分布のセントロイドを測定し、これが原点になる。
・ 識別子ρは、2つのナノエミッタの共通の半径値を測定する。
・ 半月の場合にθと−θとの間に縮退を含むディスクリプタθは、値θを測定する。
前述したように、ディスクリプタρの値がゼロでなければ、検証した事例は1点ではなく2点以上であることがわかる。さらに、ディスクリプタρおよびθによって、レイリー基準で定義される分解能よりも遙かに高に分解能で2点の特徴を測定することができる。さらに、組み合わせたプロセスを用いると、この事例を3点以上の大半の事例から分離することが可能になる。さらに別の配光分布、つまりθ度傾斜した半月分布を試料に照射することができ、2点が存在するという仮定は、この画像結果に基づいて確認されるか無効にされる。実際、測定したエネルギーは、2点、1ラインまたはθ度の方向に並んだ一連の点に対してゼロになる。
測定は、先験的に限定されるものではない。もちろん、何よりも実際の解像度には限界があり、これは、信号の質、様々な変動および不完全に関係している。実際の限界を無視すれば、解像度の限界は、検出された光子の数に関連している。
制御モジュール
図11および図5を参照し、本発明の1つの好適な実施形態では、プラットフォームSRCDP500に組み込まれた様々な制御素子について記載する。
制御モジュール1100は、体系的な制御手順1101を用いて、プラットフォームSRCDP500の光学パラメータ、改良型検出モジュール65の電子パラメータ、およびアルゴリズム手順SRCDA、900の数学パラメータをモニタリングし修正して、システムまたはユーザが定義する基準に従って出射情報を最適化する。制御は、プラットフォーム、600、800および900の様々な素子の制御系1102、1103および1104を変更することによって達成される。制御系1100は、コンピュータ基盤によって中継される外部情報1105も、利用可能であれば使用する。注:1105は図11にはない。
本発明は、本明細書に含まれる記載または図面に示した記載に明記した詳細にその用途が限定されるものではないことは理解されることである。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施でき、実行できるものである。当業者は、本発明の範囲を逸脱しないかぎり、本発明の実施形態に前述したような様々な修正および変更を加えてよいことを容易に理解するであろう。
本測定方法論の代替実施態様
記載した本発明の実施形態は、蛍光共焦点顕微鏡に組み込まれることができる。本発明の実施形態による超解像系は、既存の顕微鏡法に加わる、またはこれに取って代わる新規な測定方法である。しかしながら、本発明の実施形態による超解像系は、他の顕微鏡法プラットフォームに同じように搭載されてもよい。例として記載したこれらの顕微鏡法プラットフォームには、広視野顕微鏡、暗視野顕微鏡、偏光顕微鏡、位相差顕微鏡、微分干渉顕微鏡、ステレオ顕微鏡、ラマン顕微鏡、ライブセルイメージング、細胞選別、細胞運動などの特定のタスク専用の顕微鏡、または例えば参考文献{Nikon.,2011#1290}に記載されているようなその他の任意の光学顕微鏡法用の器械などがあるが、これに限定されない。
多方式モードという本発明のもう1つの実施形態では、顕微鏡プラットフォームは、以下の追加モジュールの少なくとも1つをさらに備えている。
− 顕微鏡法方式が以下のものとは異なる少なくとも1つの追加モジュール:
− 別の方式で超解像するモジュール、
− 分子方式および蛍光で標識された分子の相互作用を測定するモジュール、
− 細胞内の分子の相互作用を解析するモジュール。
多方式モードから派生した本発明のもう1つの実施形態では、顕微鏡法プラットフォームは、共焦点モードおよび/または「フルフィールド」モードを組み入れるように構成されている。このような実施形態では、顕微鏡の共通の構成要素に加えて、いくつかの同じ光学構成要素のほか、本発明の実施形態に記載したプラットフォームで使用する検出ツールまたはアルゴリズムツールを備えることができる。
多方式モードから派生した本発明のもう1つの実施形態では、顕微鏡法プラットフォームは、偏光の異方性か、ジョーンズパラメータまたはストークスパラメータの測定のいずれかである偏光測定を組み入れるように構成されている。このような実施形態では、顕微鏡の共通の構成要素に加えて、いくつかの同じ光学構成要素のほか、本発明の実施形態に記載したプラットフォームで使用する検出ツールまたはアルゴリズムツールを備えることができる。
多方式モードから派生した本発明のもう1つの実施形態では、顕微鏡法プラットフォームは、光励起インパルス応答の外部領域で蛍光を排除するために刺激される放出を用いて、ローカライゼーション顕微鏡法システムまたは放出抑制システムのいずれかを組み入れるように構成されている。このような実施形態では、顕微鏡の共通の構成要素に加えて、いくつかの同じ光学構成要素のほか、本発明の実施形態に記載したプラットフォームで使用する検出ツールまたはアルゴリズムツールを備えることができる。
本発明の少なくとも1つの実施形態による顕微鏡法プラットフォームは、例えば眼科での観察だがこれに限定されない医学用途に使用できる。このような使用法には、解像度がミクロン単位になる生体または医学的物体を測定することを含むことができ、この解像度は、例えば1から10μmである。
本発明の少なくとも1つの実施形態による顕微鏡法プラットフォームは、例えば胃や消化器の観察のほか、結腸および尿路の観察などだがこれに限定されない医学用途に使用できる。これらの実施形態では、例えば光ファイバを介して情報を取得できる。
本発明のもう1つの実施形態では、プラットフォームは、自家蛍光などだがこれに限定されない低蛍光現象を測定することに特化している。
本発明の少なくとも1つの実施形態によるPSIT方法の特定の実施形態では、規則波および特異波は、光軸32の方向に並んだ2軸結晶を通って入射する規則波の円錐回折と伝播によって形成される。
本発明の少なくとも1つの実施形態によるPSIT方法のもう1つの実施形態では、規則波および特異波は、2軸結晶の代わりに、好適な実施形態の光軸32の方向に並んだ単軸結晶を通って入射する規則波の伝播によって形成される。
本発明の少なくとも1つの実施形態によるPSIT方法のもう1つの実施形態では、規則波および特異波は、位相板(スパイラル位相板など)またはサブ波長格子を光学系のフーリエ面に設置するか、適切なホログラフィー光学要素を設置することによって形成される。
上記から派生したPSIT方法の一実施形態では、位相要素または偏光要素は、例えば液晶要素のマトリクス、またはポッケルス効果、ファラデー効果もしくはケル効果のある母材など、動的で制御可能なものである。マトリクスは、別々の領域またはモノリシックの区画の形態のいずれかでピクセル化されてよい。
本発明の少なくとも1つの実施形態によるPSIT方法の一実施形態では、モード間の相互作用は、静的または動的に形成され、フォトニックファイバ内で相互作用する。
本発明の少なくとも1つの実施形態によるPSIT方法の一実施形態では、「トポロジー群の異なる少なくとも2つの小規模な配光分布」の伝送は、非限定だがフォトニックファイバなど光ファイバによって達成される。
本発明の少なくとも1つの実施形態によるPSIT方法のもう1つの実施形態では、(図示せず)厚い点に、試料の照明は、少なくとも2つの合成した一連の小規模な配光分布を含み、合成した小規模な配光分布はそれぞれ、それ自体が同時に照射される少なくとも2つの単純で小規模な配光分布で構成される。前記少なくとも2つの単純で小規模な配光分布は、互いに光学的にコヒーレント、部分的にコヒーレントまたはインコヒーレントであり、前記少なくとも2つの単純で小規模な配光分布は、異なる空間位置に位置し、前記少なくとも2つの単純で小規模な配光分布は、その配光分布の横方向の中心の位置、縦方向の中心の位置、偏光、振幅または位相などの特徴のうちの少なくとも1つが異なる。単純で小規模な一連の配光分布は、トポロジー群の異なる小規模な配光分布を含む。
(図示せず)PSIT方法のもう1つの実施形態では、小規模な配光分布は、マルチモードレーザーの異なるモードで形成され、一連の小規模な配光分布は、モードを連続的に作成するか、またはその代わりに、モード間のエネルギーのバランスを制御することによって形成される。
(図示せず)PSIT方法のもう1つの実施形態では、規則波と特異波との関係は、動的に変化する。
(図示せず)PSIT方法のもう1つの実施形態では、規則波および特異波は、入射ビームを(少なくとも)2つの光路に物理的に分離することによって形成され、1つの光路での規則ビームから特異ビームへの変換は、位相板もしくは螺旋位相板、ホログラフィック光学素子、サブ波長格子、1軸結晶もしくは2軸結晶などの公知の手段またはこれらを組み合わせたものによって実現され、2つのビームはビームコンバイナを用いて再び合成され、単一のビームになる。この実施形態では、小規模な配光分布の区別は、合成したビームまたは各々のビームのいずれかに対して、分離後および再合成前に別々に行うことができる。
PSIT方法のもう1つの実施形態では、(図示せず)動的モニタリング系は、小規模な配光分布もしくは小規模な配光分布のシーケンスを高精度で空間に移動させることができる制御可能なミラー、電気光学装置もしくは音響光学装置または圧電アクチュエーターなどの手段を備えるが、これに限定されない。動的モニタリング系では、小規模な配光分布の位置および順序は、少なくとも1つの特定のターゲットを追跡するように動的に制御される。
PSIT方法のもう1つの実施形態では、(図示せず)黒の蛍光色素分子、小規模な配光分布または小規模な配光分布を数学的に組み合わせたものは、小規模な配光分布の中心で強度がゼロになるように構成される。
このシステムは、小規模な配光分布を空間内に移動させるように適応した手段を備え、これらの手段は、時間に応じて蛍光色素分子を追跡し、蛍光色素分子をその配光分布の中心に配置するために使用される。蛍光色素分子が動くことなく小規模な配光分布の中心に配置されると、その位置は、蛍光色素分子から出射する蛍光がなくとも高精度で測定され、これによって退色作用が実質的に低減される。蛍光色素分子の動きは、小規模な配光分布の位置が適切に動くことによって補償され、放出される少量の蛍光を用いて蛍光色素分子が追跡される。
PSIT方法のもう1つの実施形態では、ナノエミッタの位置は、発光体の位置での光度は小さいものの重要な情報が生じるように選択された配光分布を用いることで、良好な精度で得られる。この別の実施形態は、自家蛍光効果などだがこれに限定されない全体的に少ない光子のみを届けられる低発光の発光体に特に適応している。
PSIT方法のもう1つの実施形態では、(図示せず)動的シーケンスの選択に関して、システムは、配置の仮説または第1の一連の測定値に基づいて、小規模な配光分布の最適なシーケンスを決定する。
PSIT方法のもう1つの実施形態では、(図示せず)シーケンスの選択および小規模な配光分布の動的配置に関して、システムは、小規模な配光分布もしくは小規模な配光分布を組み合わせたものを高精度で空間に移動させることができる制御可能なミラー、電気光学装置もしくは音響光学装置または圧電アクチュエーターなどの手段を備えるが、これに限定されない。システムは、配置の仮説または第1の一連の測定値に基づいて、小規模な配光分布の最適なシーケンスおよび位置を決定する。
PSIT方法のもう1つの実施形態では、三角形分割のPSIT方法、前述したPSIT方法の2つ以上の測定プロセスは、照射軸の異なる同じ試料で実行される。2つの測定間で横方向の位置が変化することにより、発光ナノエミッタの縦方向の位置を測定することができる。
PSIT方法のもう1つの実施形態では、平行にするPSIT方法で、光は、マイクロレンズアレイ、またはその他の専門家に公知の光学手段に入射し、これによって一連の配光分布を平行にすることができ、これらの配光分布は、光学モジュールによって修正されて、多数の離散点に対してPSIT方法が同時に実行される。
PSIT方法のもう1つの実施形態では、マルチスペクトルのPSIT方法(図示せず)で、試料は、連続的または同時に、少なくとも2つの一連の照明によって照明され、各々のシーケンスが異なる波長で光を試料に照射する。
PSIT方法のもう1つの実施形態では、不変または可変の追加の偏光要素を検光子の後ろに設置して、試料に照射光の分布の偏光を制御し、ベクトル効果を制限するか、偏光の多様性を形成するか、試料成分の偏光パラメータを測定する。
PSIT方法のもう1つの実施形態では、出来上がった画像は、画像内の特徴を認識するために、一般的なハフ変換法を用いて処理される。
PSIT方法のもう1つの実施形態では、点滅効果を利用して、互いに短い距離を置いて位置している光源を一時的に分離する。この点滅効果は、自然なものであってもよいし、例えば追加の波、規則波または特異波が光活性効果または光抑制効果によって起こすものであってもよい。極めて高速で情報を取得するこの実施形態では、順に発光する点の位置特定プロセスで、前述した照射分布に応じて再発光された強度に対して点を位置特定するプロセスを使用する。
PSIT方法のもう1つの実施形態では、波は同時に照射され、多光子蛍光効果(二光子蛍光を含む)またはラマン効果によって、非線形的に相互作用する。
PSIT方法のもう1つの実施形態では、配光分布は、共通光路を有する光学系によって形成され、ファイバの中に導入されて、前述したトポロジー群の異なる小規模な配光分布がファイバの出口で生じるようにし、この構成により、光学系で顕微鏡の配光分布を形成でき、顕微鏡の設計および使用が簡易になる。PSIT方法のこの実施形態では、ファイバを伝送に使用して、以前に形成された様々な光学モードを、モードに応じて変化できる緩和を潜在的に伴って伝送できる。PSIT方法のこの実施形態では、ファイバは、モード間に相互作用を起こすこともでき、ファイバから現れるモードは、システムがファイバの静的または動的な結合を考慮して使用するように設計されていれば、ファイバに入射するモードとは異なっていてよい。
PSIT方法のもう1つの実施形態では、蛍光色素分子の放出のスペクトル依存も、フェルスターのエネルギー移動効果または同等の効果によって変化する。
PSIT方法のもう1つの実施形態では、トポロジーの異なる配光分布の照射は、円錐回折によって実行され、系は、当業者に公知の分散要素などであって、プリズムおよびネットワークなどの別の要素を追加することで、あるいはレンズなどの内部要素を修正するか、逆の分散を有する2つ以上の結晶を使用して、色収差をなくすために修正されている。
PSIT方法のもう1つの実施形態では、トポロジーの異なる配光分布の照射は、円錐回折によって実行され、系は、当業者に公知の分散要素などであって、プリズムおよびネットワークなどの別の要素を追加することで、あるいはレンズなどの内部要素を修正するか、逆の分散を有する2つ以上の結晶を使用して、色収差をなくすために修正されている。
PSIT方法のもう1つの実施形態では、トポロジーの異なる配光分布の照射は円錐回折によって実行され、系は、当業者に公知の温度に依存する光学要素などの別の要素を追加することで、あるいはレンズなどの内部要素を修正するか、温度依存が逆の2つ以上の結晶を使用して、アサーマルにするために修正されている。
本発明のもう1つの実施形態では、共通光路を有する光学系から出ていて、規則波とは波長が異なる可能性がある特異波は、蛍光色素分子を排除するか、蛍光色素分子とは異なる励起状態の間を移行することで、規則波の作用を抑制する効果を生む。この実施形態は、HellおよびWichmannによる元の記載{Hell,1994#1288}とは異なり、共通光路を有する光学系を使用して、系の複雑さおよび配列を大幅に簡易化し、系の堅剛性を改善してコストを下げている。
前回の実施形態から派生した本発明の実施形態では、円錐回折または単軸結晶を用いる共通光路を有する光学系から出ていて、規則波とは波長が異なる可能性がある特異波は、蛍光色素分子を排除するか、蛍光色素分子とは異なる励起状態の間を移行することで、規則波の作用を低減する効果を生む。
前回の実施形態から派生した本発明の実施形態では、共通光路を有する光学系では、円錐回折または単軸結晶を使用し、規則波および特異波は、動的な偏光要素の作用または追加の分散偏光要素のいずれかによって得られる。この実施形態は、HellおよびWichmannによる元の記載{Hell,1994#1288}とは異なり、共通光路を有する光学系を使用して、系の複雑さおよび配列を大幅に簡易化し、系の堅剛性を改善してコストを下げている。
(図示せず)PDOS方法のもう1つの実施形態では、縦方向の位置に応じて異なる点光源から来る光の誘導は、焦点面で行われる。これは、横方向の位置によって異なる偏光特性を有する素子を用いて実行される。設定面に対して縦方向に配置された点から入ってくる光は、所定位置に入射し、特別な偏光特性を持ち、縦方向の(および横方向の)異なる位置にある点からの入射光は、異なる偏光特徴を有する焦点面上の他の位置に入射する。
本発明の使用方法および利用方法についてのさらに踏み込んだ考察に関しては、上記の説明文から明らかでなるはずである。したがって、使用形態および動作形態に関する考察は一切記載しない。
この点に関して、本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前提として、本発明は、以下の説明文に記載の要素または図面に示した要素の詳細な構成および編成に対する適用例に限定されるものではないことは自明である。本発明は、他の実施形態も可能であり、様々な方法で実施し、実行することができる。さらに、本明細書で使用した用語および専門用語は、説明を目的とするものであって、限定するものではないことは自明である。
本明細書に引用した参照文献は、本発明に適用できる多くの原理を教示するものである。したがって、これらの出版物の全内容を参照によって本明細書に組み入れ、必要に応じて追加または代替の特徴および/または技術情報を教示するものとして組み入れる。
ファイバ:伝送
光ファイバを使用する利点は、基本モードであるTEM00モードで伝送し、それのみで伝送する点である。しかしながら、光ファイバのいくつかの構成は、主に、だが排他的ではなく、「フォトニック結晶ファイバ」と呼ばれるファイバに基づいていて、渦モードを含むさらに複雑なモードで、同時であっても同時でなくても伝送できる。したがって、円錐屈折によって形成された光学分布を光ファイバを用いて排除して、光学系を動的に簡易化することが可能になる。
また、いくつかのファイバ、「ダブルコアフォトニック結晶ファイバ」、{Li,2012#1286}によって、2つのモード間の相互作用が可能になり、そのうちの1つは渦モードであり、別の物理的機構を提供して多様な伝達関数を形成する。
本発明は、本発明の適用が、本明細書に記載した説明文または図面に示した内容に記載の詳細に限定されるものではないと理解されるべきである。本発明は、他の実施形態も可能であり、様々な方法で実施し、実行することができる。当業者は、添付の特許請求の範囲に定義した本発明の範囲を逸脱しないかぎり、上記に記載したような本発明の実施形態に様々な修正および変更を適用してよいことを容易に理解するであろう。
SRCDAアルゴリズムのもう1つの実施形態である組み合わせSRCDAアルゴリズムでは、蛍光色素分子の位置は、(特定の解像ピッチで)格子上に離散していて、最大でk個の蛍光色素分子の可能な位置すべてを格子上で体系的に走査して、再構築が行われる(kは、本方法のパラメータとみなすか、あるいは測定した強度を用いて推定するか、あるいは異なる測定値を用いて推定する)。k組の各位置に対して、逆問題の解決は、極めて簡易になる(例えば強度の推定は、ニュートン法を数回反復して行える)。
SRCDAアルゴリズムのもう1つの実施形態であるエントロピーSRCDAアルゴリズムでは、照射された信号を選択して、再構築エントロピーを最大にする点に順に位置決めして追加の測定を行う。したがって、この動的なモードは、系の精度を測定数に対して最適にする。
SRCDAアルゴリズムのもう1つの実施形態である曖昧なSRCDAアルゴリズムでは、蛍光色素分子が吸収した光子量を最小にするように照射された信号を選択して順に位置決めして、追加の測定を行う。この実施形態は、収集した情報と吸収された光子量との間で最適な妥協点を見い出して、エントロピーモードと組み合わせることができる。
多くの超解像技術は、波長の一区分よりも小さいサイズの点光源を測定することに基づいている。記載した実施形態による超解像技術により、点光源を測定できるだけでなく、例えば、主に線、円さらには連続物体のセグメントなどの構造物体も測定できる。生物学では、この拡大解釈により、フィラメント、ニューロンおよびいくつかの微小管などの主要な生物学的実体の測定が可能になる。
本発明を理解しやすくするための実施形態の説明では、顕微鏡法、さらに詳細には生物学、またさらに詳細には蛍光生物学における用途を紹介しているが、用途は、顕微鏡法の一般的な用途、および人工視覚を含む視覚分野全体に拡大できる。
本発明の実施形態は、例えば眼科観察などがだこれに限定されない多くの医学用途に対して異なる光学系を選択することで適用できる。この適用分野は、解像度がミクロン単位になる生体または医学的物体を測定することに相当し、この解像度は、1から10μmである。
また、本発明の実施形態は、後に説明するように、光ファイバを介して適用されてもよい。これによって、例えば、限定はしないが胃や消化器の観察のほか、結腸および尿路の観察など、さらに多くの用途が可能になる。
本発明は、本発明の適用が、本明細書に述べた説明文または図面に示した内容に記載の詳細に限定されるものではないと理解されるべきである。本発明は、他の実施形態も可能であり、様々な方法で実施し、実行することができる。当業者は、添付の特許請求に定義した本発明の用途の分野を逸脱しないかぎり、上記に記載したような本発明の実施形態に様々な修正および変更を適用してよいことを容易に理解するであろう。
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Claims (30)

  1. 規定の法則に従って照射光に応じた光を放出する少なくとも1つの再放出光源を備えた試料の空間または時空間分布を判断するための光学測定方法であって、
    色収差が除去された光学照射器を用いて、同じ光路に広がるトポロジー群の異なる第1の小規模な配光分布及び第2の小規模な配光分布を前記試料に照射すること;
    前記試料の前記少なくとも1つの再放出光源が放出する光を検出すること;
    検出光から、第1の小規模な配光分布に照射された前記少なくとも1つの再放出光源の第1の光学画像および第2の小規模な配光分布に照射された前記少なくとも1つの再放出光源の第2の光学画像を生成すること;および
    前記第1および第2の光学画像をアルゴリズムで解析して、前記少なくとも1つの再放出光源の位置情報を得ること
    を含む、方法。
  2. 前記トポロジー群の異なる第1および第2の小規模な配光分布は、順に照射される、請求項1に記載の方法。
  3. 検出光からの第1および第2の光学画像の前記生成は、画像に照明される瞬間に実行される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記トポロジー群の異なる第1および第2の小規模な配光分布は、規則波と特異波との間または2つの特異波の間の干渉によって形成され、前記第1および第2の分布間の空間的相違は、以下のパラメータ:
    a)前記規則波のパラメータのうちの少なくとも1つ、
    b)少なくとも1つの特異波の少なくとも1つのパラメータ、および
    c)前記規則波と前記特異波との間または前記2つの特異波の間の位相差
    のうちの少なくとも1つを変化させることによって形成される、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の方法。
  5. トポロジー群の異なる配光分布の前記照射は、円錐回折によって実行される、請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の方法。
  6. 円錐回折を起こす少なくとも1つの円錐形結晶の入射および出射の偏光状態を変化させることによって、前記照射を修正することをさらに含む、請求項5に記載の方法。
  7. トポロジーの異なる配光分布の前記照射は、薄型結晶の円錐回折によって実行される、請求項5または6に記載の方法。
  8. 前記トポロジー群の異なる第1および第2の小規模な配光分布を、光ファイバを介して光路部分に沿って伝送することをさらに含む、請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記光ファイバは、フォトニックファイバを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記試料中で互いに最短距離を置いて位置している再放出光源を、追加の波、規則波または特異波を用いた光活性効果または光抑制効果によるローカライゼーション顕微鏡法を用いて一時的に分離することを含む、請求項1〜9のうちいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記トポロジー群の異なる第1および第2の小規模な配光分布は、同じ場所に位置する、請求項1〜10のうちいずれか一項に記載の方法。
  12. 規定の法則に従って照射光に応じた光を放出する少なくとも1つの再放出光源を備えた試料の空間または時空間分布を判断するための測定装置であって、
    − 同じ光路に広がるトポロジー群の異なる第1の小規模な配光分布及び第2の小規模な配光分布を前記試料に照射する、色収差が除去された照射モジュール;
    − 前記試料の前記少なくとも1つの再放出光源から放出される光を検出できる検出モジュール;
    − 検出光から、第1の小規模な配光分布に照射された前記少なくとも1つの再放出光源の第1の光学画像および第2の小規模な配光分布に照射された前記少なくとも1つの再放出光源の第2の光学画像を生成できる生成モジュール;および
    − 前記少なくとも1つの再放出光源の位置情報を得るために前記第1および第2の光学画像を解析できるアルゴリズム解析モジュール
    を備える装置。
  13. 前記照射モジュールは、前記トポロジー群の異なる第1の小規模な配光分布及び第2の小規模な配光分布を順に照射するように構成される、請求項12に記載の装置。
  14. 前記生成モジュールは、前記画像が照明される各瞬間に、検出光から前記第1および第2の光学画像を生成するように構成される、請求項12または13に記載の装置。
  15. 前記照射モジュールは、規則波と特異波との間または2つの特異波の間の干渉によって、前記トポロジー群の異なる前記第1の小規模な配光分布及び第2の小規模な配光分布を形成でき、前記第1および第2の分布間の空間的相違は、以下のパラメータ:
    a)前記規則波のパラメータのうちの少なくとも1つ;
    b)少なくとも1つの特異波の少なくとも1つのパラメータ、および
    c)前記規則波と前記特異波との間または前記2つの特異波の間の位相差
    のうちの少なくとも1つを変化させることによって形成される、
    請求項12〜14のうちいずれか一項に記載の装置。
  16. 前記照射モジュールは、円錐回折によってトポロジー群の異なる配光分布の照射を起こすための少なくとも1つの円錐形結晶を備える、請求項12〜15のうちいずれか一項に記載の装置。
  17. 前記少なくとも1つの円錐形結晶の入射および出射の偏光状態を変化させるように構成された照射修正手段をさらに備える、請求項16に記載の装置。
  18. 前記少なくとも1つの円錐形結晶は、薄型結晶である、請求項16または17に記載の装置。
  19. 前記トポロジー群の異なる第1の小規模な配光分布及び第2の小規模な配光分布を前記光路部分に沿って伝送することを実行するための光ファイバをさらに備える、請求項12〜18のうちいずれか一項に記載の装置。
  20. 前記光ファイバは、フォトニックファイバを含む、請求項19に記載の装置。
  21. 前記試料中で互いに最短距離を置いて位置している再放出光源を、追加の波、規則波または特異波を用いた光活性効果または光抑制効果によるローカライゼーション顕微鏡法を用いて一時的に分離できる一時的分離モジュールをさらに備える、請求項12〜20のうちいずれか一項に記載の装置。
  22. 少なくとも1つのプリズム、ネットワーク、レンズまたは分散が逆である追加の結晶を加えるか前記装置の内部要素を修正することで、色収差を除去するアサーマルにするか、あるいは色収差を除去しかつアサーマルにするように修正される顕微鏡法装置を備える、請求項12〜21のうちいずれか一項に記載の装置。
  23. 前記色収差が除去された照射モジュールは、同じ場所に位置しているトポロジー群の異なる第1の小規模な配光分布及び第2の小規模な配光分布を形成できる、請求項12〜22のうちいずれか一項に記載の装置。
  24. 規定の法則に従って照射光に応じた光を放出する少なくとも1つの再放出光源を備えた試料の空間または時空間分布を決定するための光学測定方法であって
    錐回折または単軸結晶を用いて、トポロジー群の異なる第1の小規模な配光分布及び第2の小規模な配光分布を、共通光路を有する光学系で前記試料に照射すること;
    前記試料の前記少なくとも1つの再放出光源から放出される光を検出すること;
    検出光から、第1の小規模な配光分布に照射された前記少なくとも1つの再放出光源の第1の光学画像および第2の小規模な配光分布に照射された前記少なくとも1つの再放出光源の第2の光学画像を生成すること、および
    前記第1および第2の光学画像をアルゴリズムで解析して、前記少なくとも1つの再放出光源の位置情報を得ること
    を含む、方法。
  25. 前記トポロジー群の異なる前記第1の小規模な配光分布及び第2の小規模な配光分布を形成できる前記照射手段は、規則波と特異波との間または2つの特異波の間の干渉によって形成され、前記第1および第2の分布間の空間的相違は、以下のパラメータ:
    a)前記規則波のパラメータのうちの少なくとも1つ;
    b)少なくとも1つの特異波の少なくとも1つのパラメータ、および
    c)前記規則波と前記特異波との位相差または前記2つの特異波の位相差
    のうちの少なくとも1つを変化させることによって形成される、
    請求項24に記載の方法。
  26. 共通光路を有する光学系から出ていて、前記規則波とは波長が異なる特異波は、前記少なくとも1つの再放出光源を排除するか、前記少なくとも1つの再放出光源とは異なる励起状態の間を移行することで、前記規則波の作用を抑制する効果を生む、請求項25に記載の方法。
  27. 規定の法則に従って照射光に応じた光を放出する少なくとも1つの再放出光源を備えた試料の空間または時空間分布を決定するための光学測定装置であって、
    共通光路を有し、トポロジー群の異なる第1の小規模な配光分布及び第2の小規模な配光分布を円錐回折によって前記試料に照射するための少なくとも1つの円錐または単軸結晶、
    前記試料の前記少なくとも1つの再放出光源から放出される光を検出できる検出手段、
    検出光から、第1の小規模な配光分布に照射された前記少なくとも1つの再放出光源の第1の光学画像および第2の小規模な配光分布に照射された前記少なくとも1つの再放出光源の第2の光学画像を生成できる生成手段、および
    前記第1および第2の光学画像をアルゴリズムで解析して、前記少なくとも1つの再放出光源の位置情報を得られるアルゴリズム解析手段
    を備える、装置。
  28. 規則波と特異波との間または2つの特異波の間の干渉によって、前記トポロジー群の異なる前記第1の小規模な配光分布及び第2の小規模な配光分布を形成するための干渉手段であって、前記第1および第2の分布間の空間的相違は、以下のパラメータ:
    a)前記規則波のパラメータのうちの少なくとも1つ;
    b)少なくとも1つの特異波の少なくとも1つのパラメータ、および
    c)前記規則波と前記特異波との位相差または前記2つの特異波の位相差
    のうちの少なくとも1つを変化させることによって形成される、干渉手段をさらに備える、請求項27に記載の装置。
  29. 共通光路を有する光学系から出ていて、前記規則波とは波長が異なる前記特異波は、前記少なくとも1つの再放出光源を排除するか、前記少なくとも1つの再放出光源とは異なる励起状態の間を移行することで、前記規則波の作用を抑制する効果を生む、請求項28に記載の装置。
  30. 前記共通光路を有する光学系が、動的に修正することなく1つの波長で規則波を形成し、別の波長で特異波を形成できるようにするための偏光分散効果を生み出すための偏光分散手段を備える、請求項28に記載の装置。
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