JP6332862B2 - ダイナミックマイクロホンユニットおよびダイナミックマイクロホン - Google Patents
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Description
また、前記マグネット2の他方の極に接してテールヨーク4が具備されており、このテールヨーク4の周縁部が円環状に起立されて、この起立部の内周面と前記ポールピース3の周縁面との間で、円環状の磁気ギャップGを形成している。
そして、前記ポールピース3、マグネット2およびテールヨーク4には、これらの中心部を貫通するようにして、同心状に貫通孔5が形成されている。
この振動板7は、前面が半球状に突出するセンタードーム7aと、前記センタードーム7aの周縁に沿って環状に形成されると共に、その前面が円弧状に突出して形成されたサブドーム7bとにより構成されており、この振動板7の背面側のセンタードーム7aとサブドーム7bとの境界部分において、ボイスコイル8が例えば接着材を利用して振動板7に固着されている。
これにより、ボイスコイル8は磁気ギャップG中に生成された磁場を横切り、振動板7の振動に基づく音声信号をもたらすことができる。
またイコライザー9には、外部からの音波を前記振動板7に導くために、中央部に開口9aが、またその周囲に沿って複数個の開口9bが形成されている。
そして、減容部材13の中央部には、前記した磁気回路1を構成するマグネット2、ポールピース3、テールヨーク4に形成された貫通孔5と同心円状に貫通孔(磁気回路の貫通孔と同一の符号5で示す。)が形成されている。
これにより、前記振動板7の背面は前記貫通孔5を介して、前記した容器状の蓋体11内に形成される背部空気室12に連通されている。
この例に示す音響抵抗体14はシート状に形成されており、したがって減容部材13の中央部には平面状の凹陥部13aが形成され、この凹陥部13aを利用してシート状の音響抵抗体14が接着剤によって取り付けられている。
すなわち、振動板7の背面と磁気回路1を構成するポールピース3との間に、小容量の空気室が形成された場合には、この空気室が音響容量(C成分)として働く。
一方、前記したとおりボイスコイル8は磁気ギャップG内に配置されるために、ボイスコイル8の内側と外側に、それぞれ音響抵抗と音響質量が形成される。
この時の共振周波数は、マイクロホンユニットの主要集音帯域の上限あるいはそれ以上であることが望ましく、したがって、ポールピース3の前面に前記したレンズ状の減容部材13を配置して音響容量(C成分)を小さくし、共振周波数が前記集音帯域外となるように設定することが望まれる。
このために、前記凹陥部13aがなおも音響容量として作用し、この音響容量が前記磁気ギャップGに形成される音響質量(L成分)と作用して、マイクロホンユニットの集音帯域内において共振するという問題が残される。
さらにこの場合、前記減容部材が、円柱状に形成された前記音響抵抗によって、前記磁気回路上に支持された構成を好適に採用することができる。
そして第1の形態においては、前記連通路の直後における磁気回路に音響抵抗が取り付けられ、前記音響抵抗を介して背面空間に連通するように構成される。
また第2の形態においては、減容部材と磁気回路との間に沿って形成された前記連通路を薄空気層からなる音響抵抗とした構成が採用される。
これにより、振動板の背面に形成される空気室の音響容量をより小さく構成することが可能となり、前記した共振による周波数応答の乱れを効果的に防止することができるダイナミックマイクロホンユニットおよびこれを用いたダイナミックマイクロホンを提供することができる。
この減容部材21は、すでに説明したとおり、磁気回路1を構成するポールピース3の前面に取り付けられて、振動板7の背面空間に配置され、この背面空間の空気室の容積を減じる機能を果たす。
すなわち、減容部材21の前面は図1に示したとおり、センタードーム7aの背面に対峙し、センタードーム7aの背面に沿って球面状に形成されている。これにより減容部材21の前面とセンタードーム7aの背面との間には、0.5mm程度の一定の隙間が形成される。
すなわち図2Bに示すように、減容部材21の背面に施された扇状の切除部21bは、有底孔21aを中心として扇角θが約60度に設定されており、これが周方向に等間隔に3つの切除部21bが形成されている。したがって図2Bに示す扇状の切除部21b以外の残された面21cは、磁気回路1を構成するポールピース3への接合面として機能することになる。
この場合、減容部材21のポールピースへの接合面21cには、予め接着剤を塗布した状態で、減容部材21をポールピース3に接合することが望ましい。
この場合の連通路(切除部21b)による隙間は、好ましくは0.4mm程度に設定される。また連通路を形成させる前記切除部21bの扇角θは、必要に応じて例えば3〜60度の範囲で適宜設定することができる。
加えて、焼結プラスチック材には、ある程度の機械的強度を保有させることが可能であることから、前記したように磁気回路1に対する減容部材21の位置決めの手段として利用することができる。
したがって、振動板7の背面に形成される空気室と磁気ギャップGに形成される音響質量との共振による周波数応答の乱れを効果的に防止することができるダイナミックマイクロホンユニットを提供することができる。
この場合、図1に例えば仮想線で示したように、ユニットケース6の開口縁に複数の後部音響端子孔31を周方向に形成し、後部音響端子孔31のそれぞれにシート状の音響抵抗32を取り付けることで、振動板7の背面に双指向性成分を加えることができる。
これにより、図1に示す例とほぼ同一の作用効果を備えた単一指向性ダイナミックマイクロホンユニットを提供することができる。
すなわち前記サブドーム7bは、センタードーム7aの周縁に沿って環状に形成されると共に、その前面が円弧状に突出して形成されている。
これにより、第2の減容部材6aの前面と、サブドーム7bの背面との間には、0.5mm程度の一定の隙間が形成され、サブドーム7bの背面に形成される空気室の音響容量をより小さく設定することができる。
すなわち図4に示すように、シート状の音響抵抗23は、磁気回路1を構成するテールヨークの中央部に形成された貫通孔5を塞ぐようにして、例えば接着剤を利用して取り付けられている。
したがって、図4に示したダイナミックマイクロホンユニットの構成においても、図1に示したダイナミックマイクロホンユニットと同様の作用効果を得ることができる。
すなわち、この例に使用される減容部材21の構成は、図2Aおよび図2Bに示す切除部21bにより生成される磁気回路1との間の隙間をきわめて小さく設定し、減容部材21と磁気回路1との間に薄空気層による音響抵抗を形成させるものである。
この図5に示すダイナミックマイクロホンユニットの構成によると、振動板7の背面空間は、減容部材21と磁気回路1との間に沿って形成された薄空気層による音響抵抗21dを介して、背部空気室12に連通される。
これにより、すでに説明した図1に示す例と同様の作用効果を有するダイナミックマイクロホンユニットを提供することができる。
これにより、図3に基づいて説明した例と同様の作用効果を得ることができる。
2 マグネット
3 ポールピース
4 テールヨーク
5 貫通孔
6 ユニットケース
6a 第2減容部材
7 振動板
7a センタードーム
7b サブドーム
8 ボイスコイル
9 イコライザー
11 容器状蓋体
12 背部空気室
21 減容部材
21a 有底孔
21b 切除部(連通路)
21c 接合面
21d 薄空気層(音響抵抗)
22 音響抵抗(円柱状)
23 音響抵抗(シート状)
G 磁気ギャップ
Claims (7)
- 振動板と、
前記振動板に固着されるボイスコイルと、
前記ボイスコイルが配置される磁気ギャップを含み、この磁気ギャップ中に磁場を生成する磁気回路と、
前記磁気回路に取り付けられて、振動板の背面空間に配設され、この背面空間の空気室の容積を減じる減容部材と、
前記減容部材と前記磁気回路との間に沿って形成され、前記背面空間を前記磁気回路の後ろ側に形成されている背部空気室に連通させる連通路と、
前記磁気回路に取り付けられ、前記連通路と背部空気室との間に介在する音響抵抗と、 を備えることを特徴とするダイナミックマイクロホンユニット。 - 振動板と、
前記振動板に固着されるボイスコイルと、
前記ボイスコイルが配置される磁気ギャップを含み、この磁気ギャップ中に磁場を生成する磁気回路と、
前記磁気回路に取り付けられて、振動板の背面空間に配設され、この背面空間の空気室の容積を減じる減容部材と、
前記減容部材と前記磁気回路との間に沿って形成され、前記背面空間を前記磁気回路の後ろ側に形成されている背部空気室に連通させる薄空気層からなる音響抵抗と、
を備えることを特徴とするダイナミックマイクロホンユニット。 - 前記連通路と背部空気室との間には、前記磁気回路に形成された貫通孔が介在され、前記貫通孔に、円柱状に形成された前記音響抵抗が配置されていることを特徴とする請求項1に記載されたダイナミックマイクロホンユニット。
- 前記減容部材が、円柱状に形成された前記音響抵抗によって、前記磁気回路上に支持されていることを特徴とする請求項3に記載されたダイナミックマイクロホンユニット。
- 前記振動板は、前面が半球状に突出するセンタードームと、このセンタードームの周縁に沿って形成された環状のサブドームとにより構成され、前記減容部材におけるセンタードームに対峙する面は、前記センタードームの背面に沿って球面状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載されたダイナミックマイクロホンユニット。
- 前記サブドームは、前記センタードームの周縁に沿って環状に形成されると共に、その前面が円弧状に突出して形成され、前記サブドームの背面空間には、前記サブドームの背面に沿って環状に形成されると共に、その前面が円弧状に突出した第2の減容部材が、さらに配置されていることを特徴とする請求項5に記載されたダイナミックマイクロホンユニット。
- 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載されたダイナミックマイクロホンユニットを、マイクロホンケースに組み込んだことを特徴とするダイナミックマイクロホン。
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