JP5665697B2 - ダイナミックマイクロホンユニットおよびダイナミックマイクロホン - Google Patents

ダイナミックマイクロホンユニットおよびダイナミックマイクロホン Download PDF

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Description

本発明は、ダイナミックマイクロホンユニットおよびダイナミックマイクロホンに関するもので、特に、単一指向性ダイナミックマイクロホンユニットに有効な共振抑制構造に関するものである。
単一指向性ダイナミックマイクロホンは、無指向性成分と双指向性成分を組み合わせることによって単一指向性を得ている。上記無指向性成分は音響抵抗に依存し、双指向性成分は質量制御に依存する。単一指向性を実現するためには、抵抗成分の周波数応答を平坦にする必要があり、振動板の直後に音響抵抗を配置している。
図8は、従来の単一指向性ダイナミックマイクロホンユニットの一例を示している。図8において、符号1は、マイクロホンユニットの基体をなすユニットフレームを示している。ユニットフレーム1は、後述の磁気回路の一部を兼ねていて、外側ヨークとして機能している。ユニットフレーム1は、磁性体からなるほぼ円筒形状の部材で、中心孔の図8において下側の約半分が小径になって、上下方向の中間に段部が形成されている。
ユニットフレーム1の中心孔内には、上記段部に円板状のヨーク2が固定され、ヨーク2の上には円板状の磁石3が固定され、磁石3の上には円板状のポールピース4が固定されている。これらヨーク2、磁石3、ポールピース4は同径の中心孔21,31,41を有している。これらユニットフレーム1、ヨーク2、磁石3、ポールピース4は互いに接着によって結合されている。ユニットフレーム1を上記のように外側ヨークとすると、ヨーク2は内側ヨークとして機能している。ヨーク2の外周面はユニットフレーム1の内周面に密着しているのに対し、ポールピース4の外周面とユニットフレーム1の内周面との間には円形の間隙が生じている。磁石3から出る磁束は、ヨーク2、外側ヨークを兼ねるユニットフレーム1、上記間隙、ポールピース4で構成される磁気回路を通って磁石3に戻る。よって、上記間隙は磁気ギャップになっている。磁石3の外径はポールピース4の外径よりも小さく、上記磁気ギャップの下方に、磁気ギャップよりも幅広の空気室9が磁石3の外周に形成されている。
ユニットフレーム1の上端部外周には、円筒部材35が固定されている。円筒部材35は上端部内周側に内向きのフランジ36を有していて、このフランジ36がユニットフレーム1の上端部外周に接着などによって固定されている。上記フランジ36にはこのフランジ36を上下に貫通する孔37が複数箇所に設けられ、円筒部材35の内周面とユニットフレーム1の外周面との間に生じている円筒形状の空間が、上記孔37を経て、円筒部材35の上方の空間と連通している。上記孔37の上端は音響抵抗体18によって覆われている。
円筒部材35の上端部に振動板5の外周縁部が固着されている。振動板5は合成樹脂や金属の薄膜を素材としてなり、この素材を成形することによって、センタードーム51とこのセンタードーム51を囲むサブドーム52を備えている。センタードーム51は球面の一部を切り取った形であるのに対し、サブドーム52は断面が部分円弧形状でセンタードーム51の外周縁に連続して形成され、サブドーム52の外周縁部が円筒部材35の外周縁部に固着されている。振動板5は、上記のようにサブドーム52の外周縁部が円筒部材35に固着されるため、音波を受けるとその音圧によりサブドーム52の外周縁部を支点として前後方向(図8において上下方向)に振動することができる。
振動板5にはセンタードーム51とサブドーム52の境界に沿ってボイスコイル6が固着されている。ボイスコイル6は、細い導線を巻き回すことにより円筒形状に形成されかつ固められたもので、円筒形状の一端が振動板5に固着されている。振動板5のサブドーム52の外周縁部が上記のように固着されている状態で、ボイスコイル6が前記磁気ギャップ内に位置し、ボイスコイル6はユニットフレーム1からもポールピース4からも離間している。振動板5のサブドーム52は、円筒部材35の孔37および音響抵抗体18をこれらの上方で覆っている。
振動板5の背面側(図8において振動板5の下側)には、保護部材7がポールピース4の上面に固着されて配置されている。保護部材7の上面はドーム状に形成され、振動板5のセンタードーム51との間に一定間隔の隙間が保たれている。保護部材7は、前記ポールピース4、磁石3、ヨーク2の中心孔41、31、21に連通する中心孔71を有している。
振動板5の正面側には、振動板5の保護部材を兼ねたイコライザー8が、その外周縁部を円筒部材35の上端外周縁部に固着することによって配置されている。イコライザー8の中心部の天井面はドーム状に形成され、振動板5のセンタードーム51との間に一定間隔の隙間が保たれている。イコライザー8は外部からの音波を振動板5に導くための中心孔81およびこの中心孔81の周囲に複数の孔82を有している。
ユニットフレーム1の下端には蓋10が嵌められ、ユニットフレーム1の下端開口が塞がれることによって比較的大きな空気室11が形成されている。空気室11には不織布などを厚く重ねてなる音響抵抗体12が配置されている。音響抵抗体12は振動板5の背面側に配置されている。このように構成することにより、単一指向性のダイナミックマイクロホンユニットを得ることができる。
振動板5は、音波を受けるとその音圧の変化にしたがって前後に振動し、振動板5の振動とともにボイスコイル6も前後に振動する。ボイスコイル6が振動するとき前記磁気ギャップを通っている磁束をボイスコイル6が横切り、ボイスコイル6が音圧の変化に対応した音声信号を発電する。このようにして電気音響変換が行われ、例えば、サブドーム52の背面に沿って引き回されているボイスコイル6の両端から音声信号が外部に出力される。
上記のように構成されたマイクロホンユニットによれば、各部に形成されている音響質量、音響容量によって共振する。以下、この共振の原因について説明する。ユニットフレーム1が兼ねる外側ヨークの内周面とポールピース4の外周面との間に形成されている磁気ギャップは、ボイスコイル6が接触しない範囲で可能な限り狭くしている。磁気ギャップの磁束密度を高めてマイクロホンの感度を高めるためである。したがって、振動板5の背面側の空間が、ボイスコイル6によって、センタードーム51の背面側空間の音響容量Scと、サブドーム52の背面側空間の音響容量Ssに分割されているのと実質的に同じと考えることができる。
上記磁気ギャップの音響質量と音響抵抗はボイスコイル6によって内周側と外周側に分割される。ボイスコイル6の内周とポールピース4の外周面との間に生じている隙間による音響質量をmgi、音響抵抗をrgi、ボイスコイル6の外周面とユニットフレーム1が兼ねる外側ヨークの内周面との間に生じている隙間による音響質量をmgo、音響抵抗をrgoとする。また、ユニットフレーム1の内周面と磁石3の外周面との間に生じている前記空気室9の音響容量をSgとすると、上記二つの空間の音響容量ScとSsが、上記音響質量mgi、音響抵抗rgi、音響容量Sg、音響質量mgo、音響抵抗rgoを経てつながっている。
振動板5に前面側からかかる音圧をP1、前記ユニットフレーム1の空気室11内に配置された音響抵抗体12の音響抵抗をr1、空気室11の音響容量をS1、前記円筒部材35のフランジ36を上下に貫通しサブドーム52の背面側の空間Ssに至る孔37の音響質量をm1、孔37に入る音波の音圧をP2、上記孔37と上記空間Ssとの間に配置されている音響抵抗体18の音響抵抗値をr2、振動板5の前面側空気室の音響質量をmo、音響容量をSoとする。
図10は、上に述べた各音響質量、音響容量、音響抵抗を有してなる図8に示すマイクロホンユニットの等価回路を示す。図10において、音圧P1、音響質量mo、音響容量So、音響質量mgi、音響抵抗rgi、音響抵抗rgo、音響質量mgo、音響質量m1、音響抵抗r2、音圧P2が直列に接続されている。音響容量Soと音響質量mgiの接続点と、音圧P1と音圧P2の接続点とが、音響容量Scで接続されるとともに、直列接続された音響抵抗r1と音響容量S1で接続されている。また、音響抵抗rgiと音響抵抗rgoの接続点と、音圧P1と音圧P2の接続点とが、音響容量Sgで接続されている。さらに、音響質量mgoと音響質量m1の接続点と、音圧P1と音圧P2の接続点とが、音響容量Ssで接続されている。
図10から明らかなように、ボイスコイル6で分割されている磁気ギャップの内周側音響質量mgiと空気室9の音響容量Sgが共振回路を構成し、また、上記磁気ギャップの外周側音響質量mgoとサブドーム52の背面側空間の音響容量Ssが共振回路を構成している。特に、上記空気室9の容積は、ユニットフレーム1の下半部の空気室11の容積と比較して小さくなっており、その音響容量Sgが上記音響質量mgiと協働して共振しやすくなっている。
図11は、上記の共振を生じるマイクロホンユニットの周波数特性を、ユニットに対して0°すなわち真正面からの音波と、90°すなわち真横からの音波と、180°すなわち真後ろからの音波について測定したものである。図11から明らかなように、特定の周波数において共振してピークが発生し、周波数特性が劣化していることが分かる。また、単一指向性マイクロホンにおいては、低い周波数から高い周波数まで信号レベルが均一であることが望ましいが、従来の単一指向性マイクロホンによれば、図11に示すように、周波数帯域によって信号レベルがばらついている。このような周波数特性のマイクロホンによれば、指向性が不均一になり、特定の方向からの音波の音色が変化したように電気音響変換される難点がある。
上記共振を低減するために、空気室9の容積をより一層小さくして音響容量Sgを極小にし、音響質量mgiと共振しにくくすることが考えられる。図9に示す従来例はその一例である。この例では、磁石3の外周にスペーサ15を配置し、図8に示す従来例において磁石3の外周面とユニットフレーム1の内周面との間に生じていた空気室9の大半をスペーサ15で埋めている。スペーサ15は上端の外周側約半分が切除されて段部が形成され、この段部が、ボイスコイル6の下端と隙間をおいて対向し、ボイスコイル6の移動ストロークに対する逃げとなっている。スペーサ15の上記段部によって生じている空間が空気室9となっていて、空気室9の容積が極小になっており、よって、その音響容量も極小となり、音響質量mgiとの共振が生じにくくなっている。
ところで、マイクロホンユニットの感度を高めるためには、振動板5の有効面積すなわちメインドーム51の面積を大きくすることが有効である。メインドーム51の面積を大きくするとボイスコイル6の直径が大きくなり、振動板5の移動ストローク、したがってボイスコイル6の移動ストロークも大きくなる。それに伴い、ボイスコイル6が収容される上記空気室9の容積が大きくなため、空気室9の音響容量Sgを小さくすることは難しい。図9に示す従来例においても、マイクロホンユニットの外径が例えば40mm程度の大きさになると、空気室9の容積を小さくするには限界があり、音響質量mgiと音響容量Sgによる共振を回避することは難しい。
本発明に関連のある先行技術文献として特許文献1を挙げる。特許文献1記載の発明は、フレームヨークのフランジ部に指向回路としての開口を設けるとともに、この開口の後ろ側に、前面側が上記開口に対向して解放され、後面部に小さい開口を設けた小容積の気室を、指向抵抗体を介して設置し、共振回路を形成したものである。上記共振回路で目的の周波数で共振させることにより、指向回路の音響インピーダンスを下げ、正面特性である0°特性と後面方向特性である180°特性の音圧差を大きくしてハウリング現象を起こしにくくしている。
後で説明するように、本願発明は共振を防止して周波数特性を改善することを目的としているのに対し、特許文献1記載の発明は特定の周波数帯で共振させてハウリングを起こしにくくすることを目的としており、両者は目的が異なる。しかし、共振させるための構成と共振させないための構成には技術的に裏腹の関係があり、いずれも空気室と空気室につながる音波の通路をどのように形成するかに関して関連があるため、特許文献1を挙げた。
特開平11−275680号公報
図8、図9に示す従来のダイナミックマイクロホンユニットについて述べたように、従来のダイナミックマイクロホンユニットによれば、ボイスコイルの後ろ側の空気室の存在が、ボイスコイルとこのボイスコイルが配置されている磁気ギャップの音響質量とともに共振の要因となり、周波数特性を劣化させている。
そこで本発明は、従来のダイナミックマイクロホンユニットの問題点を解消すること、すなわち、ボイスコイルの後ろ側の空気室の存在が共振の要因となることを回避できるように構成を工夫し、良好な周波数特性を得ることができるダイナミックマイクロホンユニットおよびこのマイクロホンユニットを用いたダイナミックマイクロホンを提供することを目的とする。
本発明は、
音波を受けて振動する振動板と、
上記振動板に固着されて振動板とともに振動するボイスコイルと、
上記ボイスコイルが配置される磁気ギャップを含みこの磁気ギャップに磁場を生成する磁気回路と、
上記振動板の背面側に形成されていて音響抵抗が配置されている第1空気室と、
上記ボイスコイルの後方に形成されている第2空気室と、
上記第1空気室と第2空気室をつなぐ音波の連通路と、を備え、
上記磁気回路は、磁石とヨークとポールピースを有してなり、
上記ヨークは、内側ヨークとこの内側ヨークと一体に結合された外側ヨークを有していて、上記外側ヨークの内周面と上記ポールピースの外周面との間に上記磁気ギャップが形成され、
上記連通路は、上記内側ヨークに設けられた溝で形成されていることを最も主要な特徴とする。
音波の連通路が、磁気ギャップ部の音響質量を短絡することになって磁気ギャップ部の音響質量を実質的に無効にするため、ボイスコイル後方の第2空気室の音響容量と上記音響質量との共振を防止し、低音域から高音域までピークのない平坦で良好な周波数特性を得ることできる。
本発明に係るダイナミックマイクロホンユニットの実施例を示す縦断面図である。 上記実施例中の内側ヨークを示す平面図である。 上記ヨークの縦断面図である。 上記実施例中のスペーサを平面図である。 上記スペーサの縦断面図である。 上記実施例の等価回路図である。 上記実施例の周波数特性線図である。 従来のダイナミックマイクロホンユニットの一例を示す縦断面図である。 従来のダイナミックマイクロホンユニットの他の例を示す縦断面図である。 従来のダイナミックマイクロホンユニットの等価回路図である。 従来のダイナミックマイクロホンユニットの周波数特性線図である。
以下、本発明に係るダイナミックマイクロホンユニットの実施例を、図面を参照しながら説明するとともに、本発明に係るダイナミックマイクロホンについても言及する。なお、図8、図9に示す従来のダイナミックマイクロホンユニットの構成部分と同じ構成部分には共通の符号を付した。
図1において、符号1は、マイクロホンユニットの基体をなすユニットフレームを示している。ユニットフレーム1は、磁気回路の一部を兼ねていて、外側ヨークとして機能している。ユニットフレーム1は、磁性体からなるほぼ円筒形状の部材で、中心孔の図1において下側の約半分が小径になっていて、上記中心孔の上下方向の中間に段部が形成されている。
ユニットフレーム1の中心孔内には、上記段部に円板状の内側ヨーク2が固定され、内側ヨーク2の上には円板状の磁石3が固定され、磁石3の上には円板状のポールピース4が固定されている。これら内側ヨーク2、磁石3、ポールピース4は同径の中心孔21,31,41を有している。これらユニットフレーム1、内側ヨーク2、磁石3、ポールピース4は互いに接着によって結合されている。内側ヨーク2の外周面はユニットフレーム1の内周面に密着しているのに対し、ポールピース4の外周面とユニットフレーム1の内周面との間には円形の間隙が生じている。磁石3から出る磁束は、ヨーク2、外側ヨークを兼ねるユニットフレーム1、上記間隙、ポールピース4で構成される磁気回路を通って磁石3に戻る。よって、上記間隙は磁気ギャップになっている。
磁石3の外径はポールピース4の外径よりも小さく、磁石3の外周面とユニットフレーム1の内周面との間に生じている円形の空気室9にはリング状のスペーサ50が嵌められている。上記スペーサ50には、図4、図5に示すように、リングの外周縁部を上端から削り落すことにより低段部56が形成され、スペーサ50の内周縁部は厚さ(上下方向の寸法)が磁石3の厚さとほぼ同じ高段部54となっている。スペーサ50の外周には、周方向に等間隔で4箇所に切欠き58が形成されている。スペーサ50の半径方向における切欠き58の切り込み深さ寸法は、スペーサ50の半径方向における低段部56の寸法と同じになっている。スペーサ50の内周面は磁石3の外周面に接し、スペーサ50の外周面はユニットフレーム1の内周面に接している。したがって、上記空気室9はスペーサ50の低段部56の上方に生じている小さな容積の空気室に制限されている。また、空気室9はスペーサ50の上記切欠き58と連通している。
ユニットフレーム1の上端部外周には、円筒部材35が固定されている。円筒部材35は上端部内周側に内向きのフランジ36を有していて、このフランジ36がユニットフレーム1の上端部外周に接着などによって固定されている。円筒部材35は実質的にユニットフレーム1の一部を構成している。上記内向きのフランジ36にはこのフランジ36を上下に貫通する孔37が複数箇所に設けられ、円筒部材35の内周面とユニットフレーム1の外周面との間に生じている円筒形状の空間が、上記孔37を経て、円筒部材35の上方の空間と連通している。上記孔37の上端は音響抵抗体18によって覆われている。
実質的にユニットフレーム1の一部を構成している円筒部材35の上端部には、振動板5の外周縁部が固着されている。振動板5は合成樹脂や金属の薄膜を素材としてなり、この素材を成形することによって、センタードーム51とこのセンタードーム51の全周を囲むサブドーム52を備えている。センタードーム51は球面の一部を切り取った形であるのに対し、サブドーム52は断面が部分円弧形状でセンタードーム51の外周縁に連続してセンタードーム51と一体に形成されている。サブドーム52の外周縁部が円筒部材35の外周縁部に固着されている。振動板5は、上記のようにサブドーム52の外周縁部が円筒部材35に固着されているため、音波を受けるとその音圧によりサブドーム52の外周縁部を支点として前後方向(図1において上下方向)に振動することができる。
振動板5にはセンタードーム51とサブドーム52の境界に沿ってボイスコイル6が固着されている。ボイスコイル6は、細い導線を巻き回すことにより円筒形に形成されかつ定まった形を保つように固められたもので、円筒形の一端が振動板5に固着されている。振動板5のサブドーム52の外周縁部が上記のように固着されている状態で、ボイスコイル6が前記磁気ギャップ内に位置し、ボイスコイル6はユニットフレーム1からもポールピース4からも離間している。振動板5のサブドーム52は、円筒部材35の孔37および音響抵抗体18をこれらの上方で覆っている。
振動板5の背面側(図1において振動板5の下側)には、保護部材7がポールピース4の上面に固着されて配置されている。保護部材7の上面はドーム状に形成され、振動板5のセンタードーム51との間に一定間隔の隙間が保たれている。保護部材7は、前記ポールピース4、磁石3、ヨーク2の中心孔41、31、21に連通する中心孔71を有している。
振動板5の正面側には、振動板5の保護部材を兼ねたイコライザー8が、その外周縁部を円筒部材35の上端外周縁部に固着することによって配置されている。イコライザー8の中心部の天井面はドーム状に形成され、振動板5のセンタードーム51との間に一定間隔の隙間が保たれている。イコライザー8は外部からの音波を振動板5に導くための中心孔81および中心孔81の周囲に複数の孔82を有している。
ユニットフレーム1の下端開口には蓋10が嵌められて密閉され、ユニットフレーム1内に比較的大きな空気室11が形成されている。空気室11には不織布などを厚く重ねてなる音響抵抗体12が配置されている。音響抵抗体12は振動板5のメインドーム51の背面側に配置されている。空気室11を第1空気室、前記ボイスコイル6の後方の空気室9を第2空気室とする。第2空気室9は、ボイスコイル6の外周面側の磁気ギャップ、振動板5のサブドーム51の背面側空気室、磁気抵抗体18、円筒部材35の孔37、円筒部材35の内周面とユニットフレーム1の外周面との間の空間を経て外部に通じている。以上のようにして、単一指向性ダイナミックマイクロホンユニットが構成されている。本発明に係るダイナミックマイクロホンユニットの大きさは特に限定されないが、図示の実施例では、イコライザー8の外径を40mmとした。
本実施例の大きな特徴は、上記第1空気室11と第2空気室9をつなぐ音波の連通路が形成されていることである。上記連通路は、内側ヨーク2の構成を工夫することによって形成されている。内側ヨーク2は、図2、図3に示すように、磁石3との対向面(図1において上面)に、半径方向の溝22を有している。溝22は内側ヨーク2の周方向の4箇所に等間隔に設けられていて、各溝22は内側ヨーク2の外周と内側ヨーク2の中心孔21をつないでいる。内側ヨーク2は、各溝22の位置が前記スペーサ50に形成されている各切欠き58の位置に合うように位置合わせして配置され、各溝22で形成される空間と上記各切欠き58で形成される空間が連通している。内側ヨーク2の上面に磁石3の下面が接し、内側ヨーク2と磁石3との間に、上記各溝22からなる連通路が形成され、この連通路はさらにスペーサ50の各切欠き58を経て、第1空気室11と第2空気室9をつないでいる。
上記内側ヨーク2の各溝22の断面形状と上記各切欠き58の断面形状はともに矩形であり、かつ、これらの断面積はほぼ一致している。また、各溝22の断面積の合計は、ボイスコイル6の内周側とポールピース4との間で音響質量mgi、音響抵抗rgiを形成している間隙の平面方向から見た面積、およびボイスコイル6の外周側とユニットフレーム1との間で音響質量mgo、音響抵抗rgoを形成している間隙の平面方向から見た面積とほぼ同じになっている。
振動板5は、音波を受けるとその音圧の変化にしたがって前後に振動し、振動板5の振動とともにボイスコイル6も前後に振動する。ボイスコイル6は、前後に振動することによって前記磁気ギャップを通っている磁束を横切り、音圧の変化に対応した音声信号を発電する。このようにして電気音響変換が行われ、例えば、サブドーム52の背面に沿って引き回されているボイスコイル6の両端から音声信号が外部に出力される。
図6は、上記実施例の等価回路を示す。図6において、音圧P1、音響質量mo、音響容量So、音響質量mgi、音響抵抗rgi、音響抵抗rgo、音響質量mgo、音響質量m1、音響抵抗r2、音圧P2が直列に接続されている。音響容量Soと音響質量mgiの接続点と、音圧P1と音圧P2の接続点とが、音響容量Scで接続されるとともに、直列接続された音響抵抗r1と音響容量S1で接続されている。また、音響抵抗rgiと音響抵抗rgoの接続点と、音圧P1と音圧P2の接続点とが、音響容量Sgで接続されている。さらに、音響質量mgoと音響質量m1の接続点と、音圧P1と音圧P2の接続点とが、音響容量Ssで接続されている。ここまでの等価回路の構成は、図10に示す従来のダイナミックマイクロホンユニットの等価回路と同じである。
図6に示す本発明の実施例に係る等価回路が従来例と異なる点は、直列接続されている音響質量mgiと音響抵抗rgiに、直列接続されている音響質量myと音響抵抗ryが並列に接続されている点である。音響質量myは、第1空気室11と第2空気室9をつなぐ前記連通路、すなわち、前記内側ヨーク2の各溝22からなる気室の音響質量、音響抵抗ryは上記連通路の音響抵抗である。図1からわかるように、ボイスコイル6の内周側にポールピース4との間に生じている間隙を、上記連通路がバイパスした形になっていて、図6に示す等価回路でも、ボイスコイル6の内周側にポールピース4との間に生じている間隙の音響質量mgi、音響抵抗rgiを、上記連通路の音響質量myと音響抵抗ryがバイパスしている。
従来のダイナミックマイクロホンユニットについて説明したように、ボイスコイル6の内周側音響質量mgiと空気室9の音響容量Sgが共振回路を構成していて、この共振回路の共振によって音響特性を劣化させていた。これに対して、本発明の実施例によれば、音響質量mgi、音響抵抗rgiからなる直列接続に、上記連通路の音響質量myと音響抵抗ryからなる直列接続が並列に接続され、音響質量mgi、音響抵抗rgiからなる直列接続を音響質量myと音響抵抗ryからなる直列接続で短絡した形になっている。よって、音響質量mgiと音響容量Sgに起因する共振が、音響質量myと音響抵抗ryで軽減される。
図7は、本発明の実施例によって得られる周波数特性であって、真正面の音源すなわち0°の角度をもった音源と120°の角度をもった音源について測定した結果を示す。図7の周波数特性から明らかなように、全周波数帯域においてピークのない良好な周波数特性を得ることができる。また、120°の角度をもった音源からの周波数特性も全周波数帯域においてピークがなくかつ全周波数帯域において安定して出力レベルが抑制され、ハウリングの起こりにくい、単一指向性ダイナミックマイクロホンユニットとして良好な指向特性を持っていることがわかる。
以上説明した実施例にかかるダイナミックマイクロホンユニットは、これをマイクロホンケースに組み付けることにより、さらには、マイクロホンケースにマイクロホンユニットの出力信号を外部に出力するためのマイクロホンコネクタを組み付けることにより、ダイナミックマイクロホンが構成される。
1 ユニットフレーム(外側ヨーク)
2 内側ヨーク
3 磁石
4 ポールピース
5 振動板
6 ボイスコイル
8 イコライザー(保護部材)
9 第2空気室
11 第1空気室(後部空気室)
12 音響抵抗体
21 中心孔
22 連通路(溝)
50 スペーサ
56 低段部
58 切欠き

Claims (6)

  1. 音波を受けて振動する振動板と、
    上記振動板に固着されて振動板とともに振動するボイスコイルと、
    上記ボイスコイルが配置される磁気ギャップを含みこの磁気ギャップに磁場を生成する磁気回路と、
    上記振動板の背面側に形成されていて音響抵抗が配置されている第1空気室と、
    上記ボイスコイルの後方に形成されている第2空気室と、
    上記第1空気室と第2空気室をつなぐ音波の連通路と、を備え、
    上記磁気回路は、磁石とヨークとポールピースを有してなり、
    上記ヨークは、内側ヨークとこの内側ヨークと一体に結合された外側ヨークを有していて、上記外側ヨークの内周面と上記ポールピースの外周面との間に上記磁気ギャップが形成され、
    上記連通路は、上記内側ヨークに設けられた溝で形成されているダイナミックマイクロホンユニット。
  2. 上記磁石と内側ヨークとポールピースは中心孔を有し、上記連通路は上記内側ヨークの外周と上記内側ヨークの上記中心孔をつないでいる請求項1記載のダイナミックマイクロホンユニット。
  3. 上記内側ヨークの面に上記磁石の面が接し、上記内側ヨークと上記磁石との間に上記連通路が形成されている請求項1または2記載のダイナミックマイクロホンユニット。
  4. 上記外側ヨークは、ユニットフレームを兼ねている請求項1,2または3記載のダイナミックマイクロホンユニット。
  5. 上記磁石の外周にはリング状のスペーサが配置され、上記スペーサの外周には上記連通路に通じる切欠きが形成されている請求項1乃至4のいずれかに記載のダイナミックマイクロホンユニット。
  6. マイクロホンケースにダイナミックマイクロホンユニットが組み込まれてなるダイナミックマイクロホンであって、上記ダイナミックマイクロホンユニットは請求項1乃至5のいずれかに記載されているダイナミックマイクロホンユニットであるダイナミックマイクロホン
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