JP6331655B2 - インバータ制御装置 - Google Patents
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Description
図4は、このPLC機能内蔵型ドライブ制御装置の全体的な構成図であり、その概要を以下に説明する。
ここで、PLC部40及びドライブ制御部60は、CPU10が実行するソフトウェアにより構成されている。PLC部40は、ラダー演算部41、算術演算部42、入出力制御部43、及び通信制御部44と、ドライブ制御部60内の制御パラメータ61の読み出し/書き込みを行うドライブ制御演算部45と、を備えている。なお、インバータ制御パラメータ61は、制御に用いられるゲインやリミット値等である。
このため、制御スキャン同期部30を制御するCPU10の処理が複雑になり、高性能なCPU10が必要になるという問題がある。
例えば、PLCがアプリケーションプログラムにより電動機の運転周波数指令を出力し、ドライブ制御部では電動機の運転周波数の位相に合わせたPWM信号を出力する場合を考えてみる。この場合、運転周波数指令が更新されずに前回値のままであっても、動作の継続は可能であるが、PWM信号は、電動機の運転周波数に応じて定周期で進むだけの位相に応じて出力されることが望ましい。仮に、運転周波数指令が更新されないことに起因してPWM信号が出力されない状態が発生すると、電動機の運転を継続できなくなる。
そこで、本発明の解決課題は、高性能なCPUを用いることなく、高速かつ一定周期内でアプリケーションプログラムの実行部分とドライブ制御部分とを連携させ、しかも、アプリケーションプログラムの処理が設定時間内に終了しなかった場合でも、ドライブ制御部により演算されるPWM信号等の制御信号を欠落させずに支障のない範囲で負荷を継続的に運転可能としたインバータ制御装置を提供することにある。
前記インバータ制御装置の固有プログラムにより、処理の起動、時間管理及びデータ管理を行うシステム部と、
前記固有プログラムにより、前記運転指令に応じて前記電力変換器からの情報の入力、前記電力変換器に対する制御信号の出力、及び、外部への運転情報の出力を行う入出力I/F部と、
前記固有プログラムにより、前記制御信号を定周期で演算するドライブ制御部と、
前記負荷に応じて外部から供給される用途別のアプリケーションプログラムが格納され、前記システム部からの起動指令により前記アプリケーションプログラムを実行するアプリケーション部と、
前記アプリケーションプログラムを実行するために、前記アプリケーション部との間でデータの読み書きを行うためのメモリI/F部と、
を備え、
前記アプリケーション部が前記システム部により定周期処理にて起動され、前記アプリケーションプログラムによる出力データを前記メモリI/F部を介して前記ドライブ制御部の入力データとして用いる場合に、
前記システム部は、
前記アプリケーション部を起動してから設定時間内に前記アプリケーション部の処理が終了した時には、今回の定周期処理による前記アプリケーション部の出力データを前記メモリI/F部に複製し、前記設定時間内に前記アプリケーション部の処理が終了しなかった時には前記アプリケーション部の処理を終了させ、前回の定周期処理により設定時間内に前記アプリケーション部の処理が終了して前記メモリI/F部に複製したデータを、今回の定周期処理における前記アプリケーション部の出力データとして前記ドライブ制御部に使用させ、前記制御信号を演算させることを特徴とする。
また、アプリケーション部の処理時間が設定時間を超過した場合には前回の定周期処理によるアプリケーション部の出力データを使用することにより、安定的に運転を継続すると共に、設定時間を超過した回数が所定値を超えた場合にはアラームを出力して必要な保護動作を行うことで、システムの信頼性を高めることができる。
図1は、本実施形態に係るインバータ制御装置1Aの構成を示している。このインバータ制御装置1Aは、電力変換器1Bと共にインバータ1を構成し、電力変換器1Bは、電源(交流電源)2に接続されて負荷としての交流電動機3を可変速駆動する。ここで、電力変換器1Bは、電源2の交流電圧を整流して直流電圧に変換し、この直流電圧をIGBT等の半導体スイッチング素子の動作により所定の大きさ、周波数の交流電圧に変換して交流電動機3に供給するものである。
このインバータ制御装置1Aは、固有のプログラムとしてシステム部101、入出力I/F(インターフェース)部102、ドライブ制御部103及びメモリI/F部104を備えると共に、インバータ1の外部のPC4から通信機能等により供給されるアプリケーションプログラムを格納して実行するアプリケーション部105を備えている。
メモリI/F部104は、インバータ制御装置1A内のプログラムとアプリケーション部105との間の入出力データ、及び、アプリケーション部105の内部記憶データの読み書きを行う。なお、実際にデータが記憶されるメモリについては図示を省略してある。
図2は、アプリケーション部105による処理時間が設定時間未満である時(通常時)の処理の流れを示すシーケンス図である。
まず、システム部101が、入出力I/F部102を起動してディジタル入力(DI)信号、アナログ入力(AI)信号を電力変換器1Bから読み込む(処理S1)。次に、読み込んだディジタル入力信号、アナログ入力信号に基づき、アプリケーション部105が必要とするデータをメモリI/F部104に書き込む(処理S2)。
そして、アプリケーション部105からドライブ制御部103に実行結果を渡すために、メモリI/F部104にデータを書き込むことにより(処理S6)、アプリケーション部105の処理は終了する。この時、システム部101がアプリケーション部105の起動と同時に開始した処理時間の計測値が設定時間未満であれば、アプリケーション部105が今回使用したデータを出力データとしてメモリI/F部104に複製する(処理S7)。
そして、ドライブ制御部103は、電力変換器1BへのPWM信号やインバータ1の運転情報を演算し、ディジタル出力(DO)信号やアナログ出力(AO)信号を生成して入出力I/F部102に書き込み、システム部101に通知する(処理S11)。
上記の一連の処理を定周期で繰り返すことにより、インバータ1は交流電動機3を運転指令に従って駆動することができる。
図3において、図2に示した通常時の動作との違いは以下のとおりである。
すなわち、システム部101が計測したアプリケーション部105の処理時間が設定時間以上となった場合には、システム部101からアプリケーション部105に指令を送り、アプリケーション部105の処理を強制的に終了させる(処理S13)。更に、前回の定周期処理によってメモリI/F部104に複製しておいたデータを、アプリケーション部105の出力データとして書き戻す処理を行う(処理S14)。
なお、図3において、図2における処理S6(アプリケーション部105からメモリI/F部104にデータを書き込む処理)が欠落しているのは、アプリケーション部105の処理が途中で終了したことによるものである。
このような保護機能を備えることにより、インバータ1や交流電動機3が運転指令通りに動作しないことによる各機器の損傷を防ぐことが可能となる。
1A:インバータ制御装置
1B:電力変換器
101: システム部
102:入出力I/F部
103:ドライブ制御部
104:メモリI/F部
105:アプリケーション部
2:電源
3:交流電動機
4:PC
Claims (2)
- インバータを構成する電力変換器を運転して負荷に交流電力を供給するためのインバータ制御装置であって、外部からの運転指令に応じて前記電力変換器の半導体スイッチング素子を制御するインバータ制御装置において、
前記インバータ制御装置の固有プログラムにより、処理の起動、時間管理及びデータ管理を行うシステム部と、
前記固有プログラムにより、前記運転指令に応じて前記電力変換器からの情報の入力、前記電力変換器に対する制御信号の出力、及び、外部への運転情報の出力を行う入出力I/F部と、
前記固有プログラムにより、前記制御信号を定周期で演算するドライブ制御部と、
前記負荷に応じて外部から供給される用途別のアプリケーションプログラムが格納され、前記システム部からの起動指令により前記アプリケーションプログラムを実行するアプリケーション部と、
前記アプリケーションプログラムを実行するために、前記アプリケーション部との間でデータの読み書きを行うためのメモリI/F部と、
を備え、
前記アプリケーション部が前記システム部により定周期処理にて起動され、前記アプリケーションプログラムによる出力データを前記メモリI/F部を介して前記ドライブ制御部の入力データとして用いる場合に、
前記システム部は、
前記アプリケーション部を起動してから設定時間内に前記アプリケーション部の処理が終了した時には、今回の定周期処理による前記アプリケーション部の出力データを前記メモリI/F部に複製し、前記設定時間内に前記アプリケーション部の処理が終了しなかった時には前記アプリケーション部の処理を終了させ、前回の定周期処理により設定時間内に前記アプリケーション部の処理が終了して前記メモリI/F部に複製したデータを、今回の定周期処理における前記アプリケーション部の出力データとして前記ドライブ制御部に使用させ、前記制御信号を演算させることを特徴とするインバータ制御装置。 - 請求項1に記載したインバータ制御装置において、
前記アプリケーション部の処理時間が設定時間を超過した回数を記録する手段と、
前記回数が所定値以上になった時にアラームを出力する手段と、
を備えたことを特徴とするインバータ制御装置。
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