JP6331361B2 - 寿命推定装置、レーザー光照射システム、寿命推定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザー光を照射する装置の寿命を推定する寿命推定装置等に関する。
物品のあて先や物品名を描画するラベルとして感熱性の記録媒体(以下、感熱記録媒体という)が用いられることがある。感熱記録媒体は温度に応じて発色する性質を持っている。例えば工場で使われるコンテナには、コンテナ内の物品の配送先や物品名が記載されたラベルが貼付されている。このラベルに感熱記録媒体を用いることで、熱ヘッド等を利用して文字や記号を書き込むことができる。
この熱ヘッドに、レーザー光を照射する形態のもの(以下、レーザー光照射装置という)が用いられる場合がある。レーザー光照射装置は、レーザーダイオードなどの光源から感熱記録媒体に対してレーザー光の方向を変えながら照射することで文字等を記述する。光源の位置は固定なので、レーザー光照射装置はガルバノミラーを用いてレーザー光の照射方向を変えて感熱記録媒体を走査し、指定どおりの数字、文字、図形、バーコード等を描画することを可能にしている。
ガルバノミラーの可動部は例えばベアリングで支持されているため、繰り返し動作することで摩耗する。摩耗すると、レーザー光照射装置が指示した方向にレーザー光を照射することが徐々にできなくなるので、摩耗した状態で描画すると指定された数字等を描画できなくなり、描画されたラベルを使用できなくなるおそれがある。したがって、正常に描画するためには、ガルバノミラーが指示通りの数字等を描画できないほどに劣化する前にメンテナンスすることが好ましい。
ガルバノミラーの交換時期を把握するために、ガルバノミラーの寿命算定方法が考案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、ガルバノミラーに搭載したセンサーでガルバノミラーの動作時間又は反転回数から寿命に到達するまでの期間を算出するレーザー加工装置が開示されている。
また、レーザー光を走査する技術分野でないが産業用ロボットの寿命推定が行われる場合がある(例えば、特許文献2参照。)。特許文献2には、産業用ロボットの1サイクルにおけるギアの同一歯面の負荷の総和、1サイクルにおけるギアの同一歯面の噛合い回数の総和をそれぞれ算出し、各歯面毎に両者の積算値を算出し、積算値の中の最大負荷と該最大負荷が作用する歯面の噛み合い回数と産業用ロボットの動作サイクル回数とに基づいてギアの摩耗量を算出する寿命推定装置が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載されたレーザー加工装置では、ガルバノミラーに取り付けられた角度センサにより動作時間や反転した回数を測定しているため、実際にレーザー加工装置が稼働しなければガルバノミラーの寿命がどの程度であるかを推測できないという問題がある。また、ガルバノミラーに角度センサが取り付けられていることに付随する問題として、角度センサが負荷となり、レーザー光照射装置の描画時間が遅くなってしまうなどのパフォーマンス低下につながる可能性もある。
また、特許文献2に開示された寿命推定装置は、主にアームを連結するギアの摩耗量から寿命量を算出するものであり、必ずしもレーザー光照射装置の寿命の算定には使用できないという問題がある。
本発明は、上記課題に鑑み、センサを用いることなくレーザー光照射装置の寿命を推定可能な寿命推定装置を提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明は、レーザー光の方向を制御する方向制御ミラーの制御データを取得する取得手段と、前記制御データから方向制御ミラーに加わる負荷値を算出する負荷値算出手段と、前記負荷値と前記方向制御ミラーの上限負荷値から前記方向制御ミラーの寿命を推定する寿命推定手段と、を有し、前記取得手段は、前記制御データから、方向制御ミラーの動作量又は動作速度の少なくとも一方を取得し、前記負荷値算出手段は、前記動作量が第1閾値未満の前記制御データの数、前記動作速度が第2閾値以上の前記制御データの数、又は、前記動作量が第1閾値未満かつ前記動作速度が第2閾値以上の前記制御データの数に基づき前記負荷値を算出する、ことを特徴とする。
センサを用いることなくレーザー光照射装置の寿命を推定可能な寿命推定装置を提供することができる。
レーザー光照射装置としての書込制御装置の寿命の算出方法について説明する図の一例である。 レーザー書込システムの概略を説明する図の一例である。 寿命推定装置の配置例を説明する図の一例である。 書込制御装置のハードウェア構成図の一例である。 寿命推定装置、書込制御装置のハードウェアブロック図の一例である。 寿命推定装置の機能ブロック図の一例である。 ストロークデータの一例を示す図である。 走査命令の一例を示す図である。 曲線を有する図形の走査命令の生成について説明する図の一例である。 バーコードから作成される走査命令を説明する図の一例である。 感熱記録媒体にレーザー光が走査して形成されるラベルの内容の一例を示す図である。 走査距離を説明する図の一例である。 「あ」という文字を描画する場合の描画順の例を示す図の一例である。 ガルバノミラーの走査距離又は空走距離から求められる負荷値Qを説明する図の一例である。 ガルバノミラーの走査速度又は空走速度から求められる負荷値Vを説明する図の一例である。 寿命推定装置の動作手順の一例を示す図である。 線分の角度を説明する図の一例である。 ラベル例を示す図である。 寿命推定装置の機能ブロック図の一例である(実施例2)。 寿命推定装置の動作手順を説明する図の一例である(実施例2)。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。
図1は、レーザー光照射装置としての書込制御装置の寿命の算出方法について説明する図の一例である。レーザー発振器22から照射されたレーザー光はガルバノミラー24で反射して感熱記録媒体14に到達する。ガルバノミラー24の向きは、文字などから作成された走査命令により制御されて変わるため、レーザー光が照射された状態で向きが変わることで感熱記録媒体14を走査し線分を描画することができる。
このガルバノミラー24に加わる負荷は、長い線分を描画する場合よりも短い線分を描画する場合の方が大きいと考えられる。ガルバノミラー24の向きが変化する角度で表現すると、小さい角度で走査する方が大きい角度で走査するよりも負荷が大きい。
また、ガルバノミラー24に加わる負荷は、走査速度(又は空走速度)が大きい方が、走査速度(又は空走速度)が小さい場合よりも大きいと考えられる。
したがって、ガルバノミラー24に加わる負荷は、短い線分を速い速度で描画するほど大きくなる。本実施形態では、この知見に基づき、線分の長さに応じた負荷値と走査速度(又は空走速度)に応じた負荷値でガルバノミラー24に加わる負荷値を定量化する。例えば、線分の長さに応じた負荷値をQ1、走査速度(又は空走速度)に応じた負荷値をV1とすると、1線分の負荷値P1は下式で表すことができる。
P1=Q1×V1
1つのラベルは複数の線分により構成されているので、ラベルに含まれる全ての線分の負荷値P1を合計すると、1枚のラベルが描画される場合の負荷値を算出できる。このように、線分の負荷値を、線分の長さに応じた負荷値と走査速度(又は空走速度)に応じた負荷値とで重みづけすることで、ガルバノミラー24が小刻みに動作する場合には、大きく動作する場合よりも、ガルバノミラー24の負荷を大きく算出できるので、寿命の算出精度を向上できる。
以下ではガルバノミラーの寿命の算出方法を説明するが、書込制御装置20にはレーザー発振器やガルバノモーターなど他の部品が含まれており、レーザー発振器やガルバノモーターにも寿命がある。しかし、ガルバノミラーの寿命が来れば書込制御装置20も稼働できなくなるので、ガルバノミラーの寿命を求めることは書込制御装置20の寿命の要因の1つを求めることに相当する。
また、以下では、寿命の算出対象をガルバノミラーと記載するが、このガルバノミラーにはガルバノモーター、ベアリング等のガルバノミラーを駆動させる部品も含まれているものとする。
〔構成例〕
図2は、レーザー書込システム100の概略を説明する図の一例である。レーザー書込システム100は書込制御装置20と画像処理装置30を有している。書込制御装置20、又は、書込制御装置20と画像処理装置30はレーザーマーカーと呼ばれる場合がある。
図示するように、コンベア11上をコンテナ13が移動している。コンテナ13には感熱記録媒体14が装着(固定)、貼付、又は、着脱可能に保持されている。宛先などが描画された感熱記録媒体14は関係者によりラベルとして認識される。コンベア11が形成する搬送経路には、感熱記録媒体14と対面する位置に書込制御装置20が配置されている。書込制御装置20はコンテナ13の通過をセンサなどで検出し、感熱記録媒体14に宛先などを描画する。
画像処理装置30は、印字情報から走査命令を作成する。印字情報は画像処理装置30や外部の装置が保持している。コンテナ13が書込制御装置20の正面に到達すると、作成された走査命令を元に、書込制御装置20はコンテナ13の感熱記録媒体14に対しレーザー光を照射して宛先などを描画する。
なお、レーザー書込システム100は複数、配置されていてもよい。この場合、複数の書込制御装置20が同時に感熱記録媒体14に描画できるので描画時間を短縮できる。また、1つの画像処理装置30に対し複数の書込制御装置20を配置してもよい。
書込制御装置20と画像処理装置30は有線又は無線で接続されている。LANなどのネットワークを介して接続されていてもよいし、シリアル通信で接続されていてもよい。なお、必ずしも接続されている必要はなく、画像処理装置30が生成した走査命令を書込制御装置20が取得できればよい。例えば、記憶媒体を介して走査命令を受け渡すこともできる。また、書込制御装置20と画像処理装置30が一体の装置として構成されてもよい。すなわち、図示する形態は一例である。
図3は、寿命推定装置40の配置例を説明する図の一例である。寿命推定装置40は、走査命令からガルバノミラー24の寿命を推定する装置である。したがって、一般的な情報処理装置の機能を有し走査命令を参照することができれば寿命推定装置40を実現できる。
図3(a)では、寿命推定装置40は画像処理装置30の内部に配置されている。この場合、寿命推定装置40は、画像処理装置30が作成した走査命令から寿命を推定できる。
図3(b)では、寿命推定装置40は書込制御装置20の内部に配置されている。この場合、寿命推定装置40は、書込制御装置20が描画に用いる走査命令から寿命を推定できる。
図3(c)では、レーザー書込システム内に寿命推定装置40が配置されている。すなわち、レーザー書込システム内に書込制御装置20と画像処理装置30とは別に寿命推定装置40が配置される。この場合、寿命推定装置40は画像処理装置30が作成した走査命令又は書込制御装置20が描画に用いる走査命令から寿命を推定できる。
図3(d)では、レーザー書込システム100の外部に寿命推定装置40が配置されている。寿命推定装置40は、書込制御装置20又は画像処理装置30の少なくとも一方と、有線又は無線で接続されている。LANなどのネットワークを介して接続されていてもよいし、シリアル通信で接続されていてもよい。この場合、寿命推定装置40は、書込制御装置20又は画像処理装置30から走査命令を受信して寿命を推定する。また、ネットワークを介して接続されている場合、寿命推定装置40はサーバとして構築されていてもよい。寿命推定装置40は、書込制御装置20又は画像処理装置30からの要求に応じて寿命を推定することができる。
図3(e)では、レーザー書込システム100と接続されることなく寿命推定装置40が配置されている。寿命推定装置40、及び、書込制御装置20又は画像処理装置30の少なくとも一方は、外部メモリー50の装着インタフェースを有している。この場合、寿命推定装置40は、例えばサービスマンが書込制御装置20又は画像処理装置30から外部メモリーに複写した走査命令を、外部メモリー50から読み出して寿命を推定する。
図4は、書込制御装置20のハードウェア構成図の一例を示す。書込制御装置20は、全体制御装置21、レーザー発振器22、ガルバノモーター23、ガルバノミラー24、スポット径調整レンズ25、及び、焦点距離調整レンズ26を有している。なお、図4は主要な構成を示したものであり、図示する以外の構成を備えていることが一般的である。
全体制御装置21は、例えば、書込制御装置20に装着された基板、書込制御装置20のCPUなど、書込制御装置20の全体を制御するものである。全体制御装置21は画像処理装置30とのインタフェースを有している。
レーザー発振器22は、半導体レーザー(LD(Laser Diode))であるが、例えば、気体レーザー、固体レーザー、液体レーザー等でもよい。ガルバノモーター23は、ガルバノミラー24の反射面の向きを2軸に制御する例えばサーボモータである。ガルバノミラー24は方向制御ミラーの一例であり、ガルバノミラー24の他、方向を制御できるミラーであればよい。例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーなどでもよい。
スポット径調整レンズ25は、レーザー光のスポット径を大きくするレンズであり、焦点距離調整レンズ26はレーザー光を収束させて焦点距離を調整するレンズである。焦点距離は焦点距離調整レンズ26から感熱記録媒体14までの距離とほぼ一致する。
感熱記録媒体14は、表面から深さ方向に向かって、例えば、保護層、熱可逆性フィルムで構成された記録層、基材層、バックコート層という4層をもって構成されている。感熱記録媒体14は、柔軟性と同時にある程度の強度特性を有するように構成され、繰り返し使用することができる。感熱記録媒体14は、感熱紙と呼ばれることがあるが、植物繊維のみから作成されるものではなく、植物繊維を一切含まない場合もある。
感熱記録媒体14には、その一部に書き換え可能な可逆表示領域としてのリライタブル表示領域が設けられている。このような感熱記録媒体14はリライタブルペーパと呼ばれる。リライタブル表示領域は、熱可逆性(Thermo-Chromic)フィルム等の可逆性感熱記録媒体により構成される。 この可逆性感熱記録媒体には、温度に依存して透明度が可逆的に変化する態様と、温度に依存して色調が可逆的に変化する態様とがある。
本実施例では、温度に依存して色調が可逆的に変化する可逆記録媒体で、記録層にロイコ染料と顕色剤を含むことで、リライタブル特性を実現する熱可逆性フィルムを使用する。
すなわち、発色は、消色状態から融点以上(例えば約180℃)に加熱し、ロイコ染料と顕色剤とが混合した溶融状態から急冷することによって行なう。 この場合、染料と顕色剤が結合したまま凝集し、ある程度規則的に集合した状態を形成して発色状態が固定される。
一方、消色は、発色状態を溶融しない温度(例えば130から170℃)に再加熱することにより行なう。この場合、発色の集合状態が崩れ、顕色剤が単独で結晶化して分離することによって消色状態になる。ロイコ染料は、無色又は淡色の染料前駆体であり、特に制限はなく、従来公知のもの中から適宜選択することができる。
また、感熱記録媒体14はリライタブルである必要はなく、ライトワンスタイプ(一度、描画されたら描画内容は消去できないタイプ)の感熱記録媒体でもよい。
なお、感熱記録媒体14は例えば、A4サイズの大きさであるが、感熱記録媒体14の大きさをどの程度にするかは適宜設計できる。
図5(a)は、寿命推定装置40のハードウェアブロック図の一例を示す。寿命推定装置40は、上記のように情報処理装置を用いて実現できる。情報処理装置としては、パソコン、ワークステーション、タブレットPC、サーバ等が知られているが、どのような呼称でもよい。
寿命推定装置40は、CPU101、ROM102、RAM103、HDD104、ネットワークI/F105、グラフィックボード106、キーボード107、マウス108、メディアドライブ109、及び、光学ドライブ110を有する。
CPU101は、HDD104に記憶されたプログラム130を実行して寿命推定装置40の全体の動作を制御する。ROM102は、IPL(Initial Program Loader)やBIOSなどが記憶されている。RAM103は、CPU101がプログラム130を実行する際のワークエリア(プログラムやデータが一時的に記憶される)として使用される。
HDD104にはCPU101が実行するプログラム130やOSが記憶される。このプログラム130は、寿命推定装置40が走査命令から寿命を推定するプログラムである。ネットワークI/Fはネットワークに接続するための例えばイーサネットカード(登録商標)であり、主にレイヤ1、2の処理を提供する。レイヤ3以上の処理は、OSに含まれるTCP/IPのプロトコルスタックやプログラムが提供する。
グラフィックボード106は、CPU101がビデオRAMに書き込んだ描画コマンドを解釈してディスプレイ120にウィンドウ、メニュー、カーソル、文字又は画像などの各種情報を表示する。ディスプレイは表示装置であるが、タッチパネル機能を有していてもよい。
キーボード107は、文字、数値、各種指示などのための複数のキーを備え、ユーザの操作を受け付けCPU101に通知する。同様に、マウス108はカーソルの移動、メニューなどの処理対象の選択、処理内容などのユーザの操作を受け付ける。
メディアドライブ109は、フラッシュメモリ等の記録メディア121に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。光学ドライブ110は、着脱可能な記録媒体の一例としてのCD(コンパクトディスク)、DVD、Blu−Lay等の記録媒体122に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。また、上記各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン112を備えている。
プログラム130は、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、コンピュータで読み取り可能な記録メディア121や記録媒体122に記録して配布される。また、プログラム130は、不図示のサーバからインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで寿命推定装置40に配布されてもよい。
なお、画像処理装置30のハードウェア構成は、寿命推定装置40と同様に情報処理装置により実現できるので説明は省略する。
図5(b)は、書込制御装置20のハードウェア構成図の一例を示す。図5(b)は、主にソフトウェアによって書込制御装置20の全体制御装置21を実装する場合のハードウェア構成図であり、コンピュータを実体としている。コンピュータを実体とせず書込制御装置20の全体制御装置21を実現する場合、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定機能向けに生成されたICを利用することができる。
書込制御装置20は、CPU201、メモリ202、光学ドライブ203、通信装置204、ハードディスク205、入力装置206、及び、ディスプレイ207を有する。ハードディスク205には、文字、数字、記号、図形を描画する走査命令が登録された走査命令DB32、走査命令に基づきレーザー発振器22やガルバノモータ23を制御する制御プログラム220が記憶されている。
CPU201は、ハードディスク205から制御プログラム220を読み出し実行し、感熱記録媒体14に文字等を描画する。メモリ202は、DRAMなどの揮発性メモリで、CPU201が制御プログラム220を実行する際の作業エリアとなる。入力装置206は、マウスやキーボードなど書込制御装置20を制御する指示をユーザが入力するための装置である。ディスプレイ207は、例えば制御プログラム220が指示する画面情報に基づき所定の解像度や色数で、GUI(Graphical User Interface)画面を表示するユーザインターフェイスとなる。タッチパネルでもよい。例えば、描画の開始や停止などを受け付けるメニュー画面や現在の描画内容、描画枚数などを表示できる。
光学ドライブ203は、記憶媒体230を脱着可能に構成され、記憶媒体230からデータを読み出し、また、記録媒体230にデータを書き込む際に利用される。制御プログラム220は記憶媒体230に記憶された状態で配布され、記憶媒体230から読み出されハードディスク205にインストールされる。なお、制御プログラム220は、ネットワークを介して接続した所定のサーバからダウンロードすることができる。
記憶媒体230は、CD、DVD、Blu−Layディスクなどである。この他、書込制御装置20は、SDカード、マルチメディアカード、xDカード等、着脱可能な可搬型の不揮発性のメモリを装着可能でもよい。通信装置204は、例えばイーサネットカード(登録商標)や、シリアル通信装置(USB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、Bluetooth(登録商標)等)であり、画像処理装置30と通信し、走査命令を受信するために使用される。
〔寿命推定装置の機能について〕
図6は、寿命推定装置40の機能ブロック図の一例を示す。書込制御装置20は、画像処理装置30が作成した走査命令に基づいてレーザー光を照射する。また、寿命推定装置40は走査命令から寿命を推定するので、まず走査命令の作成について説明する。
<走査命令>
画像処理装置30は、印字情報31から走査命令を作成する。走査命令は特許請求の範囲の制御データの一例である。印字情報31は、数字・文字・記号のストロークデータ、図形データ、バーコード等などである。
図7(a)は、ストロークデータの一例を示す。このストロークデータはストロークフォントから描画された「1」という数字のフォントデータである。ストロークフォントは、線分(直線又は曲線のいずれでもよい)の組み合わせで形状(グリフ)が定義されるので、フォントデータには、各線分の端点の座標が定義されている。この座標は、文字又は記号をビットマップにラスタライズした場合のビットマップの外接矩形の頂点(例えば左上)を原点に指定されている。
図示するフォントデータの場合、座標(48、48)から座標(176、48)までが第1画、座標(112、48)から座標(112、448)までが第2画、座標(112、448)から座標(48、352)までが第3画、である。
画像処理装置30は、このような3つの線分から書込制御装置20に適したストロークを生成する。感熱記録媒体14がライトワンスタイプのものであれば、ストロークに描画順を付与して線分を表す座標を並べ、走査速度や、描画パワーを設定することで走査命令を生成できる。
しかし、感熱記録媒体14がリライタブルタイプの場合、ストロークの交点が感熱記録媒体14に熱負荷を与えるおそれがあるため、画像処理装置30は交点を排除する処理を行う。よって、画像処理装置30はこれらの線分の座標から、文字に重複が生じるか否かを判定する。交点がある場合、互いの線分の重複量は線分の太さになるので、この重複量だけ一方の線分を短縮する。
図7(b)は、重複が排除された「1」の描画例を示す。図7(a)では3つの線分から構成されていたが、重複が排除された結果、線分は4つになっている。ストローク1は、走査開始点の座標が(48,48)、走査終了点の座標が(80,48)、ストローク2は、走査開始点の座標が(80,400)、走査終了点の座標が(48,352)、ストローク3は、走査開始点の座標が(144,48)、走査終了点の座標が(176,48)、ストローク4は、走査開始点の座標が(112,48)、走査終了点の座標が(112,448)、である。
画像処理装置30はここで走査順(書き順)を設定する。走査順は、走査距離が最小になるように求める方法、残存熱の影響を考慮して、線分の走査終了点と次の線分の走査開始点が接近しないように決定する方法などがある。
なお、図7では説明のためストロークデータから重複のない線分を生成したが、日本語、英語等で文字の形状は固定なので、予め数字・文字・記号毎に線分を作成しておくことができる。
図8(a)は、図7(b)で作成された線分の座標の一例を示す図である。このように、線分の座標、描画順が定まれば、画像処理装置30は走査命令を作成できる。図8(b)は図7(b)の線分から作成された走査命令の一例を示す。
左端の列の〔0〕〜〔6〕は書込制御装置20が描画する走査命令の順番である。「レーザー」の列はON又はOFFが設定され、ONはレーザー光の照射を、OFFはレーザー光が照射されないことをそれぞれ示す。「Sp」の列は走査開始点を、「Ep」の列は走査終了点をそれぞれ示す。「速度」の列は走査速度又は空走速度が設定される。走査速度はレーザー光が照射された状態で走査開始点から走査終了点までガルバノミラーの向きが変わる場合の速度を、空走速度はレーザー光が照射されない状態で走査開始点から走査終了点までガルバノミラーの向きが変わる場合の速度をそれぞれ意味する。走査速度は"1"、空走速度は"2"としたが、空走速度>走査速度であるとする。「パワー」の列はレーザー光の照射パワーが設定される。
走査速度とレーザー光のパワーは、互いに発色性に影響するので、ユーザは感熱記録媒体14の発色性を考慮して走査速度とレーザー光のパワーを書込制御装置20に入力しておくことができる。ユーザは、例えば数字・文字・記号、図形、バーコードなどの描画対象に応じて走査速度やレーザー光のパワーを設定できる。
なお、1つのラベルの中で、走査速度又は空走速度はそれぞれ一定である必要はなく、変更することが可能である。
図9は、曲線を有する図形の走査命令の生成について説明する図の一例である。円のような図形は曲線で構成されているが、書込制御装置20は曲線を直接、描画できないため、画像処理装置30が予め曲線を短い直線(線分AB, 線分BC,…)の集まりに変換しておく。円の図形が中心座標と半径で与えられた場合、円の形状を特定できるので所定の円弧毎に端点を抽出し、端点間を連結する線分を作成する。
図10は、バーコードから作成される走査命令を説明する図の一例である。ここではバーコードを例に説明するが、2次元バーコードにも好適に適用できる。図10(a)は、ユーザが書込制御装置20に与えるバーコードを模式的に示す図である。バーコードにはいくつか派生した規格があるが(例えば、日本ではJAN (Japanese Article Number))、いずれもバー部分とスペースの幅の組み合わせにより数桁の0〜9の数字を表す。0〜9の数字をどのようにバー部分とスペースに置き換えるかの変換規則は規格により決まっており、コンピュータは数字列(例えば、最大12個)をバーコードに変換して印刷でき、スキャナはバーコードを元の数字に逆変換することができる。
画像処理装置30は、入力された数字列に変換規則を適用しバーの位置情報を算出する。これにより、図10(a)の各バー部分の位置情報を決定できる。例えば、図では左から2番目のバーの位置情報の左上の頂点が(0,200)、右下の頂点が(30,0)となっている。位置情報は座標の取り方によって変わるのであくまで一例である。
レーザー光は感熱記録媒体上でスポット光になるので、バーを黒く発色(濃度を高くする)させるには、書込制御装置20がバーの領域を塗りつぶすようになぞる(走査する)必要がある。そこで、図10(b)に示すように、画像処理装置30は、バーの位置情報に基づき、ベクトルデータを生成する。すなわち、一辺から他方の辺まで到達する垂直線を抽出することでベクトルデータを生成する。ベクトルとベクトルの間には一定の間隔(ピッチPh)がある。ピッチ(水平方向の間隔)は、スポット光の径、レーザー光のパワー、及び、感熱記録媒体14の発色性能などにより予め決定されているものとする(ピッチ自体は調整可能である)。このように作成されたベクトルデータの2つの端点の一方が走査開始点、他方が走査終了点となる。画像処理装置30が速度とパワーを設定することで走査命令を作成できる。
なお、図10の手法は、図形や不定型な領域を塗りつぶす場合にも好適に適用できる。すわなち、四角形であれば図10と同様に塗りつぶす走査命令で描画できる。また、三角形や円なども任意の方向から平行に塗りつぶす走査命令で描画できる。
図11は、感熱記録媒体14にレーザー光が走査して形成されるラベルの内容の一例を示す図である。このラベルには、複数の数字141、文字142、バーコード143等が描画されている。これらの描画対象が、走査命令に変換され走査命令DB32に格納されている。書込制御装置20は走査命令に基づきレーザー光を照射することで、ラベルの内容が描画された感熱記録媒体14が得られる。感熱記録媒体14に描画された文字などの形状は交点が解消されるなどの変更が施されているが、ほぼ図11の形状どおりのものが得られる。寿命推定装置40は走査命令DB32に記憶されているラベルの走査命令を読み出してガルバノミラー24の寿命を推定する。
なお、本実施例ではラベルと呼ばれるが、レーザー光の照射により感熱記録媒体14に文字等が描画されたものはどのように呼ばれてもよい。例えば、名札、付箋、レッテル、張り紙、看板、掲示物などと呼ばれる場合がある。
<寿命推定装置>
続いて、図6に基づき寿命推定装置40について説明する。寿命推定装置40は、ガルバノミラー動作解析部41、動作負荷計算部42、印字負荷計算部43、及び、寿命算出部44を有する。
ガルバノミラー動作解析部41は、書込制御装置20が描画する走査命令の各線分の座標から、1線分毎にガルバノミラー24の動作量を解析する。具体的には、線分の走査開始点と走査終了点からガルバノミラー24の走査距離又は走査角度を算出する。なお、ガルバノミラー動作解析部41は、動作負荷計算部42のため、走査命令DB32から走査速度又は空走速度を読み出しておく。
図12は、走査距離を説明する図の一例である。ガルバノミラー24の中心と感熱記録媒体14の距離が一定の場合、ガルバノミラー24の走査角度θと走査距離Lは1対1に対応する。距離が一定でないとしても、走査角度θが大きいほど走査距離Lも大きくなるのは同じである。また、ガルバノミラー24は走査開始点と走査終了点を走査角度α(走査開始時の向きと走査終了時の向き)に変換している。したがって、書込制御装置20の動作量は走査開始点と走査終了点の距離から算出することができる。
例えば、図8(b)の〔0〕番目の走査命令の場合、ガルバノミラー動作解析部41は走査開始点(48,48)と走査終了点(80,48)に基づき、走査距離Lを算出する。
走査距離L=√{(80−48)+(48−48)
なお、線分(レーザーがONされる)に限らず、レーザーがOFFのままガルバノミラーの向きが変わる場合も動作する点では同じなので、同様に動作量を算出する。 図8(a)の〔1〕番目の走査命令の場合、ガルバノミラー動作解析部41は走査開始点(80,48)と走査終了点(80,400)に基づき、空走距離を算出する。
空走距離=√{(80−80)+(400−48)
また、書込制御装置20は、X方向にレーザー光を照射するガルバノミラーと、X方向に垂直なY方向に照射するガルバノミラーとの2つのミラーを備えていることが多い。このため、X方向にレーザー光を走査するガルバノミラーとY方向にレーザー光を走査するガルバノミラーそれぞれで寿命を算出したい場合がある。この場合、X方向の走査距離LxとY方向の走査距離Lyが別々に算出される。例えば、走査開始点(48,48)と走査終了点(80,48)の場合、走査距離Lx、Lyは以下のようになる。
X方向の走査距離Lx=80−48
Y方向の走査距離Ly=48−48
このように、1つのラベルの全ての走査命令について、走査距離又は空走距離を算出することで、ガルバノミラー24の動作量が解析される。
次に、動作負荷計算部42について説明する。まず、動作負荷の考え方を説明する。
図13は、「あ」という文字を描画する場合の描画順の例を示す図の一例である。前述のように、書込制御装置20は文字、図形、バーコードなどラベルを構成する要素を線分の集合体として描画するため、「あ」という文字は複数の線分に分解されて走査命令が生成される。図13の「あ」上にある5-0〜5-36までの数字は、「あ」を構成する線分の始点とその描画順を示している。
図13において、ガルバノミラー24が、例えば5-0から5-1までの比較的長い水平直線部分を描画する場合と、5-28から5-29を含む前後の直線部分を描画する場合では、後者のほうがガルバノミラー24に与える負荷が大きい。これは、線分が描画される場合に生じる加速と減速が短時間に発生するためである。
そこで、この考え方に基づき負荷値を定義する。負荷値は、走査距離(又は空走距離)のみ、走査速度(又は動作速度)のみ、又は、走査距離(又は空走距離)と走査速度(又は動作速度)の組み合わせにより定義される。以下、(i)走査距離(又は空走距離)、走査速度(又は動作速度)を負荷値の算出に適切な値に変換する場合と、(ii) 動作の回数から求める場合とを説明する。
(i) 走査距離(又は空走距離)、走査速度(又は動作速度)を負荷値の算出に適切な値に変換する場合
ガルバノミラー24の走査距離又は空走距離に応じた負荷値をQとすると、後者のガルバノミラー24の動作ほうがガルバノミラー24の走査距離又は空走距離に応じた負荷値Qの値が大きくなるように負荷値Qが定義される。負荷値Qは特許請求の範囲の動作量負荷情報の一例である。
さらに、ガルバノミラー24の走査速度又は空走速度によってガルバノミラー24にかかる負荷が異なると考えられる。例えば、同じ走査距離又は空走距離でも高速度でガルバノミラー24が動作した場合と、低速度でガルバノミラー24が動作した場合があるとする。この場合、ガルバノミラー24の動作速度に応じた負荷値をVとすると、高速度でガルバノミラー24が動作した場合のほうが、動作速度に応じた負荷値Vは大きくなる。負荷値Vは特許請求の範囲の速度負荷情報の一例である。
図14(a)は、ガルバノミラー24の走査距離又は空走距離から負荷値Qを求めるためのマップの一例であり、図14(b)はガルバノミラー24の走査距離又は空走距離から負荷値Qを求めるためのテーブルの一例である。この例では、ガルバノミラー24の走査距離又は走査距離が小さいほどガルバノミラー24の負荷値Qが大きくなる関係が示されている。
なお、図14(a)は一例であり、走査距離又は動作距離に対し、負荷値Qが一定の領域を有していたり、走査距離又は動作距離に対し負荷値Qが左上がりの直性で表されていてもよい。
図15(a)は、ガルバノミラー24の走査速度又は空走速度から負荷値Vを求めるためのマップの一例であり、図15(b)はガルバノミラー24の走査速度又は空走速度から負荷値Vを求めるためのテーブルの一例である。この例では、ガルバノミラー24の走査速度又は走査速度が大きいほどガルバノミラー24の負荷値Vが大きくなる関係が示されている。
なお、図15(a)は一例であり、走査速度又は動作速度に対し、負荷値Vが一定の領域を有していたり、走査速度又は動作速度に対し負荷値Vが右上がりの直性で表されていてもよい。
動作負荷計算部42は、ガルバノミラー動作解析部41が解析した走査距離又は空走距離に応じて図14(b)のテーブルに対応づけられた負荷値Qを読み出す。また、速度については走査命令の「速度」を使用して、図15(b)のテーブルに対応づけられた負荷値Vを読み出す。
そして、動作負荷計算部42は、1つの線分毎に、負荷値Piを以下のように決定する。なお、iは走査命令の番号である。
Pi=Qi×Vi
このように負荷値Piを算出することで、線分が短く速度が大きいと負荷値Piを大きく算出することができ、線分が長く速度が小さいと、負荷値Piを小さく算出することができる。線分が短く速度が小さい場合、又は、線分が長く速度が大きい場合は、中程度の負荷値Piを算出することができる。したがって、ガルバノミラーにかかる負荷を精度よく定量化できる。
「Pi=Qi×Vi」は、走査距離(又は空走距離)と走査速度(又は動作速度)の組み合わせに基づく負荷値の算出である。これに対し、走査距離(又は空走距離)のみ、走査速度(又は動作速度)のみに基づき負荷値の算出する場合は、Qi又はViのみを決定する。
続いて、印字負荷計算部43について説明する。印字負荷計算部43は、1枚のラベルに描画する際のガルバノミラー24にかかる負荷値Pを算出する。すなわち、動作負荷計算部42が計算した1つの線分毎の負荷値Piを全て加算する。線分はレーザー光の照射のON/OFFのいずれも含むため、ガルバノミラーの1つ(1回の)の動作方向毎に負荷値Piを全て加算する。したがって、1枚のラベルが形成される際にガルバノミラー24がn回動作する場合、ガルバノミラー24にかかる負荷値Pは、以下のようにn回の動作でPiの合計となる。
P=P1+P2+・・・+Pn
同様に、走査距離(又は空走距離)のみから負荷値を算出する場合は、ガルバノミラー24にかかる負荷値Pは、以下のようにn回の動作のQiの合計となる。
P=Q1+Q2+・・・+Qn
走査速度(又は動作速度)のみから負荷値を算出する場合は、ガルバノミラー24にかかる負荷値Pは、以下のようにn回の動作のViの合計となる。
P=V1+V2+・・・+Vn
なお、X方向とY方向で別々のガルバノミラーが走査する場合は、それぞれのガルバノミラーについて負荷値Pが算出される。
(ii) 動作の回数から求める場合
この場合も負荷値は、走査距離(又は空走距離)のみ、走査速度(又は動作速度)のみ、又は、走査距離(又は空走距離)と走査速度(又は動作速度)の組み合わせにより定義される。
まず、走査距離(又は空走距離)のみから負荷値を算出する場合を説明する。短くガルバノミラーが動く場合にガルバノミラーに高い負荷が加わるため、動作負荷計算部42は短くガルバノミラーが動く回数をカウントする。すなわち、動作負荷計算部42は、走査距離(又は空走距離)を算出し、閾値より走査距離(又は空走距離)が短い線分の数をカウントする。閾値は実験的に決定される。この場合、印字負荷計算部43は、1枚のラベルにおける短い線分の数をカウントして負荷値とする。
P=1枚のラベルにおいて閾値より短い線分の数
次に、走査速度(又は空走速度)のみから負荷値を算出する場合を説明する。速くガルバノミラーが動く場合にガルバノミラーに高い負荷が加わるため、動作負荷計算部42は速くガルバノミラーが動く回数をカウントする。すなわち、動作負荷計算部42は、走査命令の走査速度(又は空走速度)を読み出し、走査速度(又は空走速度)が閾値以上の線分の数をカウントする。閾値は実験的に決定される。例えば、ガルバノミラーが動く速さが走査速度と空走速度(空走速度の方が速いとする)で異なる場合、走査命令からレーザー光が照射されない線分の数をカウントする。この場合、印字負荷計算部43は、1枚のラベルにおいて空走速度が閾値以上の線分の数をカウントして負荷値とする。
P=1枚のラベルにおいて閾値より走査が速い線分の数
また、走査距離(又は空走距離)と走査速度(又は動作速度)の組み合わせにより負荷値を算出する場合を説明する。短くかつ速くガルバノミラーが動く場合にガルバノミラーに高い負荷が加わるため、動作負荷計算部42は短くかつ速くガルバノミラーが動く回数をカウントする。したがって、例えば、走査命令から、レーザー光が照射されない線分のうち、短い線分の数がカウントされる。この場合、印字負荷計算部43は、1枚のラベルにおいて空走距離が閾値未満の、レーザー光が照射されない線分の数をカウントして負荷値とする。
P=1枚のラベルにおいて閾値より短くかつ閾値より速い線分の数
なお、いずれの場合も線分の数そのものを負荷値とするほか、変換テーブルや変換式などでカウントされた数を負荷値に変換してもよい。
次に、寿命算出部44について説明する。寿命算出部44は、ガルバノミラー24の負荷上限値Pmaxに達するまでに、ラベルを残り何枚描画できるか、又は、残り何日まで描画できるかといった寿命に達するまでの値を計算する。
まず、ガルバノミラー24の負荷上限値をPmaxとする。書込制御装置20が未稼働(まだ、ラベルを描画していない新品状態)の場合は、ガルバノミラー24の負荷上限値Pmax を1枚のラベルの負荷値Pで割ると、ガルバノミラー24の寿命に達するまでに何枚ラベルが描画できるか算定することができる。
さらに、例えば工場や物流センターでは書込制御装置20の1日の稼働時間や1日の描画回数が決まっている場合が多いため、1日に作成されるラベルの枚数を特定することができる。例えば、書込制御装置20が未稼働の場合において、1日M枚のラベルを描画する工場の場合、ガルバノミラー24の負荷上限値PmaxをP×M(枚)で割ると、ガルバノミラー24の寿命まで何日使用可能か求めることができる。
使用可能日数=Pmax/(P×M)
負荷上限値Pmaxは、例えばガルバノミラー24のメーカから提供される耐用年数から求められる。耐用年数が、1日の使用時間を設定して標準的なラベルを描画した場合の1日のラベルの描画枚数から算定されているものとする。この場合、標準的なラベルから負荷値P0を求め、1日のラベルの描画枚数を掛け、さらに日にちに変換した耐用年数を掛ければ、負荷上限値Pmaxが得られる。また、安全係数(例えば80%〜90%)を乗じて、負荷上限値Pmaxを算出してもよい。
なお、負荷上限値Pmaxも、負荷値Pと同様に、走査距離(又は空走距離)のみ、走査速度(又は動作速度)のみ、又は、走査距離(又は空走距離)と走査速度(又は動作速度)の組み合わせにより算出される。また、上記の(i)(ii)のそれぞれの方法で算出可能であるため、負荷値Pの算出方法に応じて算出された負荷上限値Pmaxにより寿命を算出すればよい。
〔動作手順〕
図16は、寿命推定装置40の動作手順の一例を示す図である。走査命令DB32には1つのラベルの走査命令が格納されているものとする。
ガルバノミラー動作解析部41は、1つの線分の走査命令を読み出す(S1−1)。
動作負荷計算部42は、1つの線分について負荷値Piを算出する(S1−2)。
印字負荷計算部43は、1つの線分について計算された負荷値Piを、1枚のラベルを描画するときにかかる負荷値Pに加算する(S1−3)。すなわち、1つの線分の負荷値Piが算出される毎に加算していく。
次に、印字負荷計算部43は、ラベル1枚を描画する際の全ての走査命令が抽出されたかを判定する(S1−4)。ラベル1枚を描画する際のガルバノミラー24の全ての走査命令が抽出されていない場合(S1−4のNo)、ステップS1−1に戻りステップS1−3までの処理を繰り返す。
ラベル1枚を描画する際のガルバノミラー24の全ての走査命令が抽出された場合(S1−4のYes)、寿命算出部44は、ラベル1枚あたりのガルバノミラー24にかかる負荷値Pを元に、ガルバノミラー24の負荷上限値Pmaxに達するまでの期間又は描画可能枚数を計算する(S1−5)。
以上説明したように、本実施例の寿命推定装置40は、ガルバノミラー24に加わる負荷が、短い線分を速い速度で描画するほど大きくなることに着目して線分毎の負荷値Piを算出して1枚のラベル分を合計するので、ガルバノミラー24に加わる負荷を精度よく算出できる。また、負荷上限値Pmaxを適切に設定することで、ガルバノミラー24の寿命を精度よく推定することが可能になる。
〔好適な変形例〕
上記では、走査距離(又は空走距離)と走査速度(又は空走速度)に基づき負荷値Piを算出したが、さらに線分間の角度を考慮してもよい。
図17は、線分の角度を説明する図の一例である。図17は図13の「あ」という文字において、5-29、5-30、5-31の点が形成する線分(図17(a))と、5-23、5-24、5-25の点が形成する線分(図17(b))とを示している。5-29と5-30の線分と5-30と5-31の線分とがなす角をaとする。5-23と5-24の線分と5-24と5-25の線分とがなす角をbとする。なす角a,bは特許請求の範囲の方向変化角度の一例である。
ガルバノミラー24の動作としては、短時間に向きを変更する角度が大きいほど、負荷が大きいと考えられる。したがって、図の例では、5-29と5-30の線分と5-30と5-31の線分を描画する場合よりも、5-23と5-24の線分と5-24と5-25の線分を描画する方が負荷が大きいと考えられる。
そこで、動作負荷計算部42は、線分間の角度を算出し、角度を負荷値R(特許請求の範囲の方向変化角度負荷情報の一例である。)に変換するテーブルを参照して、線分間の負荷値Riを求める。角度を負荷値Rに変換するテーブルには、角度が大きくなるほど大きくなる負荷値Riが登録されている。したがって、線分毎に下式から負荷値Piを算出することができる。
Pi=Qi×Vi×Ri
なお、負荷値Riは厳密には線分間で定義されるが、前半の線分(例えば、5-23と5-24の線分と5-24と5-25の線分では5-23と5-24の線分)の負荷値Riと見なせばよい。最後の線分を除き負荷値Riを定義できる。また、最後の線分では負荷値Riを例えば「1」としておく。
また、1日のラベルの描画枚数をレーザーの照射時間から求めてもよい。例えば、書込制御装置20の1日のレーザー照射時間は書込制御装置20に積算されている。また、ラベル1枚を描画する時間も測定可能である。よって、1日のレーザー照射時間を1枚の照射時間で割ると、1日の描画枚数の概算値を求めることが可能である。この値をMとして「使用可能日数=Pmax/(P×M)」から使用可能日数を求めることができる。
また、上記では、書込制御装置20の未稼働時に寿命算定を行ったが、書込制御装置20を稼動した後に寿命を算定してもよい。この場合、稼働中に書込制御装置20が描画したラベルと枚数を解析して、現在、ガルバノミラー24に加わっている負荷値Pnowを算出する。ガルバノミラー24の負荷上限値PmaxからPnowを減算することで、残りどの程度使用できるのかを計算できる。
実施形態1では、書込制御装置20が一種類のラベルを描画する場合が想定されているが、工場や物流センターでは、書込制御装置20が複数種類のラベルを描画することが少なくない。
そこで、本実施例では、書込制御装置20が複数種類のラベルを描画する場合も、ガルバノミラー24の寿命を高精度に推定可能な寿命推定装置40について説明する。なお、本実施例において、図6において同一の符号を付した構成要素は同様の機能を果たすので、主に本実施例の主要な構成要素についてのみ説明する場合がある。
〔ラベル例〕
図18は、図11とは異なるラベル例を示す図である。図18(a)では、図11の塗りつぶし部分144が白黒反転している。図11のように塗りつぶし部分がある場合、数字「39」は39を残すようにその他の範囲を隙間無く走査する。図18(a)のようにストロークで数字「39」が表される場合、曲線を線分で置き換えて線分が発色される。したがって、白黒反転されたラベルは同じ情報を表示しても、ガルバノミラー24にかかる負荷が異なっている。
図18(b)は図11のバーコードが2次元バーコード145で置き換えられている。バーコードの場合、比較的、長い直線が繰り返し描画されるが、2次元バーコード145の場合、マスを塗りつぶすため、短い直線が繰り返し描画される。したがって、バーコードの種類が変わると、ガルバノミラー24にかかる負荷が異なっている。
図18(c)は図11のバーコードがアルファベットで記載されている。日本語とアルファベットでは、走査命令の線分数が異なるため、ガルバノミラー24にかかる負荷が異なっている。
このように、ラベルの種類が異なる場合、ガルバノミラー24にかかる負荷も異なるので、寿命推定装置40はラベル毎に負荷値を算出することが好ましい。
〔構成例〕
図19は、本実施例の寿命推定装置40の機能ブロック図の一例である。本実施例では、図18にて説明した種類が異なるN種類のラベルL-1〜L-Nを描画するものとする。ラベルL-1〜L-Nをラベル群と称する。
印字1回の負荷計算部45は、ラベル1枚毎に負荷値Pを算出するものである。各ラベルの負荷値Pの算出方法は実施例1の印字負荷計算部43と同じである。
また、標準動作負荷解析部46は、標準動作負荷値を算出する。すなわち、ガルバノミラー24が一定期間内に描画するラベルの総数に対する、ラベルL-1、L-2、…、L-Nのそれぞれが描画される枚数の比率を元に、ガルバノミラー24の標準動作負荷値を算出する。例えば、ラベルの種類がラベルL-1、ラベルL-2、ラベルL-3の3種類であったとする。この条件下で、書込制御装置20は1日にラベルL-1、ラベルL-2、ラベルL-3を、2:3:5の割合で描画するとする。
それぞれのラベルを1枚描画する際のガルバノミラー24にかかる負荷値Pは、ラベルL-1がPa、ラベルL-2がPb、ラベルL-3がPcとする。この場合、標準動作負荷解析部46は、下式により、標準動作負荷値Pavgを算出する。
Pavg = (Pa×2/10) + (Pb×3/10) + (Pc×5/10)
こうすることで、ガルバノミラー24が複数種類のラベルを描画する場合、ラベルの描画枚数に応じて、ガルバノミラー24の負荷値Pを精度よく算出できる。標準動作負荷値Pavgは、特許請求の範囲の複数ラベル重み付け負荷値の一例である。
例えば、1日当たりの描画枚数が、ラベルL-1が20枚、ラベルL-2が30枚、ラベルL-3が50枚である場合、寿命(使用可能日数)は以下のように算出される。
使用可能日数=Pmax/(Pavg×100)
すなわち、標準動作負荷値Pavgを算出することで、ラベルの種類が複数ある工場などでも、実施例1と同様に寿命を算出できる。
〔動作手順〕
図20は、寿命推定装置40の動作手順を説明する図の一例である。
ガルバノミラー動作解析部41は解析対象のラベルを1枚選択する(S2-1)。ここで、解析対象として選択したラベルに対して、実施形態1と同様に図16のS1−11からS1−4までの処理を行い、解析対象として選択したラベルを描画する際のガルバノミラー24の負荷値Pを計算する。
次に、寿命推定装置40は全てのラベルが選択されたかを判定する(S2−2)。解析対象として選択されていないラベルがある場合は、図20のステップS2−1に戻り、ガルバノミラー動作解析部41は、負荷値Pの計算が未実施であるラベルを選択する。
全てのラベルが選択された場合(S2−2のYes)、標準動作負荷解析部46がラベル群について標準動作負荷値を算出する(S2−3)。
そして、寿命算出部44は、標準動作負荷値を、ラベル1枚あたりのガルバノミラー24にかかる負荷値Pとして、ガルバノミラー24の寿命に達するまでの期間又は描画可能枚数を算出する(S2−4)。この計算は、実施例1と同様に計算することができる。
なお、本実施例では、複数種類のラベルの一定期間内の描画枚数を利用して標準動作負荷値を計算したが、例えば、一定時間(例えば1日)のレーザー照射時間に対し、各ラベル毎のレーザー照射時間の比率を求めて、標準動作負荷値を算出してもよい。この他のパラメータを用いてもよい。
また、標準動作負荷値を求めずに、ラベル群Lを構成する各ラベルL-1〜L-Nを描画する際のガルバノミラー24にかかる負荷値P1〜PNを、それぞれのラベルの描画枚数分、加算することで、ガルバノミラー24にかかる負荷値を算出することができる。1日の各ラベルL-1〜L-Nの負荷値P1、P2、…PNに対し、各ラベルL-1〜L-Nの描画枚数をk1、k2,…knとする。したがって、1日の負荷値Pの合計は以下のようになる。
1日の負荷値の合計Ps=k1・P1+k2・P2+…+kn・PN
負荷上限値Pmaxを1日の負荷値の合計Psで除した値が、日数としてのガルバノミラー24の寿命である。
また、本実施例では、ラベル群がN種類のラベルで構成される場合、N種類全てのラベルの負荷値を算出したが、N種類全てを解析せず、書込制御装置20の稼動形態に合わせて特定の複数種類のみの動作解析を行ってもよいとする。例えば、極端に描画枚数が少ないラベルは標準動作負荷値の算出対象から除外するなどである。これにより、寿命推定装置40の計算負荷を抑制し、寿命を算出するまでの時間を短縮できる。
14 感熱記録媒体
20 書込制御装置
22 レーザー発振器
23 ガルバノモーター
24 ガルバノミラー
30 画像処理装置
40 寿命推定装置
41 ガルバノミラー動作解析部
42 動作計算部
43 印字負荷計算部
44 寿命算出部
45 印字1回の負荷計算部
46 標準動作負荷解析部
100 レーザー書込システム
特開2012−091224号公報 特許第3217254号公報

Claims (12)

  1. レーザー光の方向を制御する方向制御ミラーの制御データを取得する取得手段と、
    前記制御データから方向制御ミラーに加わる負荷値を算出する負荷値算出手段と、
    前記負荷値と前記方向制御ミラーの上限負荷値から前記方向制御ミラーの寿命を推定する寿命推定手段と、を有し、
    前記取得手段は、前記制御データから、方向制御ミラーの動作量又は動作速度の少なくとも一方を取得し、
    前記負荷値算出手段は、前記動作量が第1閾値未満の前記制御データの数、前記動作速度が第2閾値以上の前記制御データの数、又は、前記動作量が第1閾値未満かつ前記動作速度が第2閾値以上の前記制御データの数に基づき前記負荷値を算出する、
    ことを特徴とする寿命推定装置。
  2. 記負荷値算出手段は、前記動作量又は前記動作速度の少なくとも一方から方向制御ミラーに加わる負荷値を算出する、ことを特徴とする請求項1記載の寿命推定装置。
  3. 前記負荷値算出手段は、前記動作量が少ないほど大きな動作量負荷情報に該動作量を変換し、前記動作速度が速いほど大きな速度負荷情報に該動作速度を変換して、前記動作量負荷情報又は前記速度負荷情報の少なくとも一方から前記負荷値を算出する、
    ことを特徴とする請求項2記載の寿命推定装置。
  4. 前記制御データには、レーザー光が照射された状態の前記動作量及び第1の動作速度と、レーザー光が照射されない状態の前記動作量及び前記第1の動作速度とは異なる第2の動作速度とが含まれており、
    前記負荷値算出手段は、前記動作量負荷情報と前記第1の動作速度から変換された前記速度負荷情報の積、及び、前記動作量負荷情報と前記第2の動作速度から変換された前記速度負荷情報の積、を前記方向制御ミラーの動作方向毎に加算して前記負荷値を算出する、ことを特徴とする請求項3記載の寿命推定装置。
  5. 前記方向制御ミラーは第1方向に沿って角度が変わる第1の方向制御ミラーと、前記第1方向と垂直な第2の方向に沿って角度が変わる第2の方向制御ミラーとを有しており、
    前記負荷値算出手段は、前記第1の方向制御ミラーと前記第2の方向制御ミラーの前記負荷値を別々に算出する、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の寿命推定装置。
  6. 前記負荷値算出手段は、前記制御データに含まれる前記動作量の始点と終点の座標データから前記方向制御ミラーの動作方向が変わる毎の方向変化角度を算出し、
    前記方向変化角度が大きいほど大きな方向変化角度負荷情報に該方向変化角度を変換して、前記動作量負荷情報、前記速度負荷情報及び前記方向変化角度負荷情報の積から前記負荷値を算出する、ことを特徴とする請求項3記載の寿命推定装置。
  7. 前記制御データは、レーザー光で視覚情報が描画されるラベル毎に作成されており、
    前記負荷値算出手段は、ラベル毎に前記負荷値を算出し、
    前記寿命推定手段は、負荷上限値を、一定期間当たりのラベルの描画枚数と前記ラベル毎の前記負荷値の積で除することで使用可能日数を算出する、
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の寿命推定装置。
  8. 前記制御データは、レーザー光で視覚情報が描画されるラベル毎に作成されており、 前記取得手段は、前記制御データから種類が異なるラベル毎に動作量又は動作速度の少なくとも一方を取得し、
    前記負荷値算出手段は、ラベル毎に前記負荷値を算出し、
    各ラベルの前記負荷値を、一定期間当たりのラベルの総描画枚数に対する各ラベルの描画枚数の比率で重みづけして複数ラベル重み付け負荷値を算出する第2の負荷値算出手段を有し、
    前記寿命推定手段は、前記複数ラベル重み付け負荷値と前記方向制御ミラーの上限負荷値から前記方向制御ミラーの寿命を推定する、
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の寿命推定装置。
  9. 前記寿命推定手段は、負荷上限値を、一定期間当たりの種類が異なるラベルの全ての描画枚数と複数ラベル重み付け負荷値の積で除することで使用可能日数を算出する、
    ことを特徴とする請求項8に記載の寿命推定装置。
  10. 前記方向制御ミラーは、ガルバノミラーであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項記載の寿命推定装置。
  11. レーザー光を照射して記録媒体に視覚情報を描画するレーザー光照射装置と、前記レーザー光照射装置が有する方向制御ミラーの寿命を推定する寿命推定装置と、を有するレーザー光照射システムであって、
    レーザー光の方向を制御する方向制御ミラーの制御データを取得する取得手段と、
    前記制御データから方向制御ミラーに加わる負荷値を算出する負荷値算出手段と、
    前記負荷値と前記方向制御ミラーの上限負荷値から前記方向制御ミラーの寿命を推定する寿命推定手段と、を有し、
    前記取得手段は、前記制御データから、方向制御ミラーの動作量又は動作速度の少なくとも一方を取得し、
    前記負荷値算出手段は、前記動作量が第1閾値未満の前記制御データの数、前記動作速度が第2閾値以上の前記制御データの数、又は、前記動作量が第1閾値未満かつ前記動作速度が第2閾値以上の前記制御データの数に基づき前記負荷値を算出する、ことを特徴とするレーザー光照射システム。
  12. 取得手段が、レーザー光の方向を制御する方向制御ミラーの制御データを取得するステップと、
    負荷値算出手段が、前記制御データから方向制御ミラーに加わる負荷値を算出するステップと、
    寿命推定手段が、前記負荷値と前記方向制御ミラーの上限負荷値から前記方向制御ミラーの寿命を推定するステップと、を有し、
    前記取得手段は、前記制御データから、方向制御ミラーの動作量又は動作速度の少なくとも一方を取得し、
    前記負荷値算出手段は、前記動作量が第1閾値未満の前記制御データの数、前記動作速度が第2閾値以上の前記制御データの数、又は、前記動作量が第1閾値未満かつ前記動作速度が第2閾値以上の前記制御データの数に基づき前記負荷値を算出する、ことを特徴とする寿命推定方法。
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