JP6331155B2 - 車両のタイヤ空気圧警報装置 - Google Patents
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Description
タイヤの空気圧力が適正値よりも高い場合、トランピング現象等により乗車感が悪化すると共にタイヤの摩耗が早くなり、また、タイヤの空気圧力が適正値よりも低い場合、ステアリングの操作性が低下すると共に燃費が悪化する。
それ故、タイヤの空気圧力を適正状態に維持することは重要であり、一部の国ではTPMSの装備が義務化されている。
しかも、送信回路と送信用アンテナから構成された通信機や電池がタイヤ内部に充填された空気に晒されているため、水分等に起因した腐食の影響を受け、寿命の短縮化を招く虞がある。
しかし、センサユニットを収容可能なスペース、所謂タイヤの溝底部から内壁部の内部空間側端部までの幅が10〜12mm程度であるため、センサユニットを空気に晒されないようにタイヤの内壁部に埋設することは、物理的に容易ではない。
一方で、センサユニットを全体的にタイヤの内壁部に埋設することにより、腐食の影響は回避することができるものの、タイヤ空気室の空気圧力を直接測定できないため、センサの検出精度を十分に確保することができない虞がある。
この構成によれば、空気圧力を内部空間の空気温度によって温度補正することができ、検出精度を一層向上することができる。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記温度検出手段が、前記タイヤの内部空間に露出されていることを特徴としている。
この構成によれば、温度検出手段をタイヤの内部空間に露出させて空気温度の検出精度を確保することができる。
この構成によれば、センサユニットのタイヤ径方向に交差する方向の寸法を短縮化することができる。
この構成によれば、センサユニットを小型化することができる。
以下の説明は、本発明を車両のタイヤ空気圧警報装置に適用したものを例示したものであり、本発明、その適用物、或いは、その用途を制限するものではない。
図1に示すように、本発明の車両Vには、タイヤ空気圧警報装置1が搭載されている。
このタイヤ空気圧警報装置1は、車体側ユニット10と、車輪2毎に装着された4つの車輪側ユニット20(センサユニット)等を備えている。
以下、図において、矢印F方向を前方とし、矢印L方向を左方とし、矢印U方向を上方として説明する。
タイヤ4は、左右1対の径方向外側に延びるサイドウォールと、これら1対のサイドウォールの外周縁部を連結するトレッドから構成されている。サイドウォールのリム部3aと接する部分には、鋼線の束からなるビードワイヤが収められている。
トレッドには、外側全周に亙って所定深さの複数の溝部4aが形成され、これら溝部4aの底部からタイヤ空気室6との接触部までの間にリング状ゴム塊からなる内壁部4bが形成されている。
図1に示すように、車体側ユニット10は、ECU(Electronic Control Unit)11と、このECU11に電気的に接続されたアンテナ12及び警報装置13等を備えている。
ECU11は、車両Vの走行時、検出された各タイヤ空気室6の空気圧力を所定の基準圧力と比較することにより、何れかのタイヤ空気室6の空気圧力が基準圧力よりも低下したとき、タイヤ4の空気圧異常を判定して報知するように構成されている。
ここで、所定の基準圧力とは、例えば、実験等により得られた、空気圧力低下のために車両Vの運動性能又は燃費が一定の割合だけ低下する可能性がある判定用圧力である。
そして、この基準圧力は、空気圧力の判定時、検出された各タイヤ空気室6の空気温度に基づいて補正されている。
ROMには、空気圧異常判定するための種々のプログラムやデータが格納され、RAMには、CPUが一連の処理を行う際に使用される処理領域が設けられている。
アンテナ12は、各車輪側ユニット20から送信されたタイヤ空気室6の圧力検出値と温度検出値とを夫々受信し、ECU11に出力している。
警報装置13は、警告ランプ、ブザー又はディスプレイ等から構成され、ECU11の判定結果に基づいて乗員に空気圧異常状態を報知可能に構成されている。
尚、各車輪2に装着された4つの車輪側ユニット20は、何れも同様に構成されているため、左側前輪の車輪側ユニット20を例として主に説明する。
図2,図3,図4に示すように、車輪側ユニット20は、タイヤ空気室6に対して部分的に露出した状態で内壁部4bに埋設されている。
この車輪側ユニット20は、タイヤ4の射出成形用金型に予め配設された後、溶融されたゴム材料を射出することによりタイヤ4内の所定の収容位置に位置決め固定されている。
この圧力センサ21は、例えば、応力印加表面を有するダイヤフラム型、所謂外部から加わる空気圧力に反比例して抵抗値が変化する加圧導電性ゴムをスイッチ素子としたセンサであり、スイッチ素子の両側を1対の電極によって挟持し、その間の抵抗値の変化を測定することで圧力を測定している。そして、圧力センサ21の下端側面部は、内壁部4bの下端側面部(径方向内側端面部)よりも下側(径方向内側)に配設されている。
温度センサ22は、圧力センサ21と前後に隣接するように併設され、圧力センサ21と同様に、下端側面部がタイヤ空気室6に対して部分的に露出するように形成されている。
発電部23は、タイヤ4の転動に伴うエネルギを変換して発電する圧電素子、例えば、強誘電体であるピエゾ素子によって構成されている。
それ故、この発電部23は、上端側面部がタイヤ4の接地域に入ると圧縮変形され、接地域から離脱すると形状復帰する変形を繰り返すことにより、発電動作を行っている。
蓄電部24は、圧力センサ21(温度センサ22)及び発電部23のタイヤ4の軸心方向に平行で且つ左側近傍位置において、圧力センサ21(温度センサ22)及び発電部23に隣接するように配置されている。
この蓄電部24は、交流電圧を直流電圧に変換するAC/DC変換器による整流機構と、整流された電圧を所定の電圧に変換するDC/DC変換器からなる変圧機構と、変圧された電圧を蓄電可能な電池、例えばリチウムイオン電池からなる蓄電機構等を備えている。
送信回路25aは、例えば、圧力センサ21及び温度センサ22によって夫々検出された検出値を所定のレベルに増幅する増幅器と、この増幅器で増幅された信号を出力するスイッチ機構と、このスイッチ機構を予め設定された間隔で作動させる作動機構等を備え、車輪2毎に設定された識別用IDコードとタイヤ空気室6の圧力値及び温度値をアンテナ25bから車体側ユニット10に出力している。
ケース26は、合成樹脂、例えばアクリル樹脂によって形成され、圧力センサ21及び温度センサ22の下端側面部と発電部23の上端側面部分を除いて、センサ21,22と各部23〜25の外側表面全域を被覆するように構成されている。
ケース26は、長方形状の上壁部26aと、この上壁部26aと平行な長方形状の下壁部26bと、上壁部26aと下壁部26bを連結する前後左右の側壁部26cとからなる立方体構造に形成されている。
この縦壁部26dの下端部は、圧力センサ21及び温度センサ22の下端側面部よりも下側に配置され、タイヤ空気室6に対して露出するように形成されている。
段差部26eは、縦壁部26dの上端部に連なり、縦壁部26dと略直交するように形成されている。これにより、下壁部26b及び段差部26eは、内壁部4b内に埋設されている。
この係合部26fの下側に内壁部4bが配置されると共に段差部26eの下側に内壁部4bが配置されているため、係合部26fと段差部26eが車輪側ユニット20のタイヤ空気室6内への落下を防止する落下防止機構に相当している。
本タイヤ空気圧警報装置1によれば、車輪側ユニット20が、タイヤ4の転動に伴うエネルギを変換して発電する発電部23と、発電部23が発電した電力を蓄積する蓄電部24とを有するため、電力不足を生じることなく、タイヤ4の空気圧力を安定的に測定及び送信することができる。圧力センサ21がタイヤ空気室6に露出されると共に発電部23が圧力センサ21よりもタイヤ空気室6から離隔するようにタイヤ4の内壁部4aに埋設されたため、圧力センサ21以外の部材をタイヤ空気室6に晒すことなく、圧力センサ21をタイヤ空気室6に露出させて空気圧力の検出精度を確保することができる。
蓄電部24が、圧力センサ21(温度センサ22)と発電部23にタイヤ4の軸心方向において隣接するように配設されたため、車輪側ユニット20を小型化することができる。
尚、実施例1と同様の部材には、同じ符号を付している。
実施例1では、圧力センサ21(温度センサ22)が発電部23と直接的に対向するように配設されたのに対し、実施例2では、圧力センサ21Aが発電部23Aとの間に蓄電部24Aを介装するように配設されている。
蓄電部24Aは、圧力センサ21A(温度センサ22A)と発電部23Aとの間に介装されている。送信部25Aは、タイヤ4の軸心方向に平行で且つ左側近傍位置において、蓄電部24Aに隣接するように配置されている。
ケース27は、圧力センサ21A及び温度センサ22Aの下端側面部分と発電部23Aの上端側面部分を除いて、センサ21A,22Aと各部23A,24A,25Aの外側表面全域を被覆するように構成されている。
ケース27は、円形状の上壁部27aと、この上壁部27aと平行な円形状の下壁部27bと、上壁部27aと下壁部27bを連結する筒状の側壁部27cとからなる円柱構造に形成されている。
側壁部27cは、その軸心がタイヤ4の径方向と略平行になるように配設され、中段部において全周に亙って凹状で且つ断面矩形状の係合部27fが一様に形成されている。
そして、内壁部4bに支持された下壁部27bと係合部27fが、車輪側ユニット20Aのタイヤ空気室6内への落下を防止する落下防止機構に相当している。
また、送信部25Aが、圧力センサ21Aと発電部23Aにタイヤ4の軸心方向において隣接するように配設されたため、車輪側ユニット20Aを小型化することができる。
尚、実施例1,2と同様の部材には、同じ符号を付している。
実施例2では、側壁部27cに凹状で且つ断面矩形状の係合部27fを形成したのに対し、実施例3では、側壁部28cに凸状で且つ断面略三角形状の係合部28fを形成している。
ケース28は、円形状の上壁部28aと、この上壁部28aと平行な円形状の下壁部28bと、上壁部28aと下壁部28bを連結する筒状の側壁部28cとからなる円柱構造に形成されている。
係合部28fは、上方程(タイヤ空気室6から離隔する程)車輪側ユニット20Bの軸心方向に移行するテーパ状の傾斜面部28gを備えている。この傾斜面部28gの下端部は、側壁部28cと直交状に連なっている。
そして、内壁部4bに支持された下壁部28bと係合部28fが、車輪側ユニット20Bのタイヤ空気室6内への落下を防止する落下防止機構に相当している。
尚、実施例1〜3と同様の部材には、同じ符号を付している。
実施例3では、側壁部28cに凸状で且つ断面略三角形状の係合部28fを形成したのに対し、実施例4では、側壁部28cに凹状で且つ断面略三角形状の係合部29fを形成している。
ケース29は、円形状の上壁部29aと、この上壁部29aと平行な円形状の下壁部29bと、上壁部29aと下壁部29bを連結する筒状の側壁部29cとからなる円柱構造に形成されている。
係合部29fは、上方程車輪側ユニット20Cの軸心方向に移行するテーパ状の傾斜面部29gを備えている。この傾斜面部29gの上端部は、側壁部28cと直交状に連なっている。そして、内壁部4bに支持された下壁部29bと係合部29fが、車輪側ユニット20Cのタイヤ空気室6内への落下を防止する落下防止機構に相当している。
1〕前記実施例においては、圧力センサ、温度センサ及び発電部について、説明の便宜上、矩形状や半円状の模式図を用いた例を説明したが、必要に応じて、それらの表面積及び形状を選択的に設定することができる。
更に、蓄電部と送信部の少なくとも1つが、圧力センサ(温度センサ)及び発電部とタイヤ周方向に隣接配置されても良く、タイヤ周方向において蓄電部と送信部が圧力センサ(温度センサ)及び発電部を挟み込むように配置しても良い。
また、収容凹部を形成する場合、収容凹部の内周に螺旋溝部を形成し、ケースの側壁部に螺旋溝部と螺合可能な螺旋状係合部を設けることも可能である。
6〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施形態に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
1 タイヤ空気圧警報装置
4 タイヤ
4b 内壁部
6 タイヤ空気室
20,20A〜20C 車輪側ユニット
21,21A 圧力センサ
22,22A 温度センサ
23,23A 発電部
24,24A 蓄電部
25 送信部
Claims (5)
- タイヤの空気圧力を検出する圧力検出手段とこの圧力検出手段によって検出された情報を送信する送信手段とを備えたセンサユニットが前記タイヤ内部に配設された車両のタイヤ空気圧警報装置において、
前記センサユニットが、前記タイヤの転動に伴う振動又は圧力変化を変換して発電する発電手段と、前記発電手段が発電した電力を蓄積する蓄電手段と、前記送信手段と前記蓄電手段を被覆するケースとを有し、
前記圧力検出手段と前記発電手段とが前記ケースを挟んだ状態で前記タイヤの径方向に重なるように前記ケースに配設され、
前記圧力検出手段が前記タイヤの内部空間に露出されると共に、前記発電手段が前記圧力検出手段よりも前記内部空間から離隔するように且つ前記ケースよりも前記タイヤの径方向外側に突出して前記タイヤの内壁部に埋設されたことを特徴とする車両のタイヤ空気圧警報装置。 - 前記センサユニットが、前記内部空間の空気温度を検出する温度検出手段を有することを特徴とする請求項1に記載の車両のタイヤ空気圧警報装置。
- 前記温度検出手段が、前記タイヤの内部空間に露出されていることを特徴とする請求項2に記載の車両のタイヤ空気圧警報装置。
- 前記送信手段と前記蓄電手段の少なくとも1つが、前記圧力検出手段及び前記発電手段と前記タイヤの径方向に重なるように前記圧力検出手段と前記発電手段に挟まれた前記ケース内に配設されたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車両のタイヤ空気圧警報装置。
- 前記送信手段と前記蓄電手段の少なくとも1つが、前記圧力検出手段及び前記発電手段と前記タイヤの径方向において重ならないように、且つ前記タイヤの周方向又は軸心方向において隣接するように前記ケース内に配設されたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車両のタイヤ空気圧警報装置。
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