JP6329786B2 - 空調機の熱交換器 - Google Patents
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しかしながら、冷媒コイルの管内流速は、圧縮機用に混入された油の返送が良くなるように最低流量が規定され、低負荷時でも一定以上冷媒循環量が確保される必要がある。また、低負荷時には冷媒循環量が少なくなり、熱交換器の上部と下部のヘッド差から、熱交換器の下部に液冷媒がたまったまま流れない、所謂冷媒寝込み状態になり、冷凍サイクルで有効に使用できる冷媒量が少なくなるため、封入冷媒の充填量を多めにする必要があった。
また、冷房時の低負荷時は、電子膨張弁を絞ることで蒸発温度が設定温度より下がり、吹出し温度が必要以上に低くなることによって、結露等の不具合が発生する場合もある。
なお、膨張弁に代えて、キャピラリーチューブを用いる空調用熱交換器も特許文献2等で公知である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の空調機の熱交換器において、前記空気の流れに対して直交するように配列された熱交換主管群のうち、空気の流れの最上流の熱交換器群の冷媒の通過量を制御可能な制御用電磁弁を分配器の下流の分配管に設けたことを特徴とする。
また、装置の観点からしても、空調機全体での能力制御に関しても、従来の空調機ではコイル単位での台数制御で能力調整を行っているものも知られているが、低負荷時に運転コイル台数を減らしていっても、最後の1台ではON/OFF制御に近い動きとなってしまい限度があるが、これに対して、本実施例の熱交換器(コイル)ではコイル台数を細かく分割することなく、熱交換主管2単位で制御するので、比例制御に近いリニアな能力制御が可能となり、低負荷時での対応が可能となるとともに、コイル台数が少なくなることによる、コスト低減も期待できる。
また、細い熱交換主管2の数本、或いは1本を稼働させるので、冷房低負荷時の蒸発温度低下が防げ、低吹出し温度による結露の危険性が減少する。実施例2においては、同時に、低負荷時でも管内流速が維持され易く、圧縮機に油戻りが容易になり、圧縮機が円滑に稼働することができる。
また、入口湿度が高い場合には、熱交換主管2が通常の稼働状態に維持されるので、低負荷時でも除湿量が確保され易い。
以上説明したように、能力制御幅を大きくすることが出来、制御のリニア性がアップする。
図1に示すように、本実施例1の熱交換器1の概略は、流路管44を介して圧縮機(コンプレッサー)7に供給し、流路管71により凝縮器(熱交換器)6で熱交換した後に列数制御用分配器9から、分配管91によってそれぞれの冷媒開閉機構である制御用電磁弁8(81,82,83)を介在させ、対応する複数の分配器5(51,52,53)から熱交換主管2(21,22,23)に循環させている。この制御用電磁弁8(81,82,83)はいずれか1台の制御用電磁弁のみが開口されるように選択制御されている。
これを、詳しく説明すると、第3熱交換主管群23(2)はほぼ水平方向に第3入口接続部材33の第3入口群331(・・33n)から第3出口接続部材43の第3出口群431(・・43n)との間に1群のコイルが多列状に架け渡され、この管内には冷媒Bを通過させ、空調対象の空気Aを蒸発器(蒸発器)1によって熱交換して冷房をしている。
同様に、図1、図2に示すように、第2熱交換主管群22(2)も、ほぼ水平方向に第2入口接続部材32の第2入口群321(・・32n)から第2出口接続部材42の第2出口群421(・・42n)との間に1群のコイルが多列状に架け渡され、この管内には冷媒Bを通過させ、空調対象の空気Aを蒸発器(蒸発器)1によって熱交換して冷房する
同様に、第1熱交換主管群21(2)も、ほぼ水平方向に第1入口接続部材31の第1入口群311(・・31n)から第1出口接続部材41の第1出口群411(・・41n)との間に1群のコイルが多列状に架け渡され、この管内には冷媒Bを通過させ、空調対象の空気Aを蒸発器(蒸発器)1によって熱交換して冷房する。
そして、各群の入口接続部材3(31,32,33)へは、対応する複数の分配器5(51,52,53)で分配された分配管511,521,531に接続されている。
同様に、(B)第2制御用電磁弁82の開が選択され(他の第3制御用電磁弁83、第1制御用電磁弁81は閉)、第2入口群321(・・32n)に冷媒が導入されると、第2熱交換主管群22、第2出口群421(・・42n)、連結管45、第1入口群311(・・31n)、第1熱交換主管群21、第1出口群411(・・41n)及び流路管44の順で流れる。
(C)第1制御用電磁弁81の開が選択され(他の第3制御用電磁弁83、第2制御用電磁弁82は閉)、第1入口群311(・・31n)に冷媒が導入されると、第1熱交換主管群21、第1出口群411(・・41n)及び流路管44の順で流れる。
なお、第1出口群411(・・41n)は、独立していなくとも、一括合流する出力ヘッダ4としている。
その結果、蒸発器(熱交換器)でコイルの冷房面積は、第1分配器51の第1制御用電磁弁81だけが開口している場合が小さく冷房能力も小さく、次に、第2分配器52の第2制御用電磁弁82が開口している場合が大きくなり冷房能力が大きくなり、更に、第3分配器53の第3制御用電磁弁83が開口している場合が更に大きくなり冷房能力も更に大きくなる。
言い換えれば、負荷が大きな場合は、第3制御用電磁弁83を開き(他の制御用電磁弁は閉)、低負荷に移行した場合は、徐々に第2制御用電磁弁82(他の制御用電磁弁は閉)、第1制御用電磁弁81を開き(他の制御用電磁弁は閉)、の適宜の数の弁を閉めるように制御する。こうすることで、空気に接触するコイル総面積は小さくなり、開口している熱交換主管2だけが冷房に関与する。
また、装置の観点からしても、空調機全体での能力制御に関しても、従来の空調機ではコイル単位での台数制御で能力調整を行っているものも知られているが、低負荷時に運転コイル台数を減らしていっても、最後の1台ではON/OFF制御に近い動きとなってしまい限度があるが、これに対して、本実施例の熱交換器(コイル)ではコイル台数を細かく分割することなく、熱交換主管2単位で制御するので、比例制御に近いリニアな能力制御が可能となり、低負荷時での対応が可能となるとともに、コイル台数が少なくなることによる、コスト低減も期待できる。
また、細い熱交換主管2の数本、或いは1本を稼働させるので、冷房低負荷時の蒸発温度低下が防げ、低吹出し温度による結露の危険性が減少する。
以上説明したように、能力制御幅を大きくすることが出来、制御のリニア性がアップする。
実施例2は、実施例1の空気の流れに対して直交するように配列されコイル群のうち、空気の流れの最上流の一群のコイル群21への冷媒の通過量を、実施例1では制御用電磁弁81(図1参照)を用いて(第1)分配器51’の上流から下流に設けていたものを、かつ、実施例2では分配器(第1)51’からの出力にはそれぞれの(第1)分配管511におのおの複数の第4制御用電磁弁85を設けたものである。
すなわち、図4に示すように、熱交換主管2は流入する冷媒Bが独立して流量が制御可能なように冷媒開閉機構である第4制御用電磁弁85が設けられるが、複数の第1入口接続部材31(・・3n)はそれぞれの熱交換主管2に対応してそれぞれに入口群311(・・31n)が設けられ、他方の熱交換器(6)である凝縮器6からの液体の冷媒Bが(第1)分配器(ディストリビューター)51’及び(第1)分配管511によって、前記の熱交換主管2の対応本数に分配される。
この凝縮器6は圧縮機(コンプレッサー)7によって、圧縮された冷媒Bを液化し、冷媒Bは前述した熱交換器1(コイル)の出力ヘッダ4から気化されて冷媒配管44から排出され、前述の圧縮機(コンプレッサー)7に供給される。
そして、この場合も負荷が大きな場合は、全部の第4制御用電磁弁85を開き、低負荷に移行した場合は、徐々に多段の第4制御用電磁弁85の適宜の数の弁を閉めるように制御する。こうすることで、閉めた第4制御用電磁弁85には冷媒Bの流れは無いので、それだけ空気に接触する面積は小さくなるが、開口している第1熱交換主管群21だけが冷房に関与する。
このため、実施例2においては、冷房低負荷時での圧縮機7に油戻りが容易になる等の作用が確保できる。実施例2では、3分割した熱交換主管群21、22,23としたが、2分割でも3分割以上にして、対応する分配器を設けるようにしてもよい。
また、装置の観点からしても、空調機全体での能力制御に関しても、従来の空調機ではコイル単位での台数制御で能力調整を行っているものも知られているが、低負荷時に運転コイル台数を減らしていっても、最後の1台ではON/OFF制御に近い動きとなってしまい限度があるが、これに対して、本実施例の熱交換器(コイル)ではコイル台数を細かく分割することなく、熱交換主管2単位で制御するので、比例制御に近いリニアな能力制御が可能となり、低負荷時での対応が可能となるとともに、コイル台数が少なくなることによる、コスト低減も期待できる。
また、細い熱交換主管2の数本、或いは1本を稼働させるので、冷房低負荷時の蒸発温度低下が防げ、低吹出し温度による結露の危険性が減少する。同時に、低負荷時でも管内流速が維持され易く、圧縮機7に油戻りが容易になり、圧縮機7が円滑に稼働することができる。
さらに、冷媒循環量の少ない低負荷時に、熱交換器の上部と下部のヘッドの一部だけが冷媒が流れるので、熱交換器の上部と下部のヘッド差から、熱交換器下部に液冷媒がたまったまま流れない(冷媒寝込み)状態になりにくく、封入冷媒の充填量を削減できる。
また、入口湿度が高い場合には、熱交換主管2が通常の稼働状態に維持されるので、低負荷時でも除湿量が確保され易く、更に、能力制御幅を大きくすることが出来、制御のリニア性がアップし、広範囲の冷房能力がえられる。
2・・熱交換主管、21・・第1熱交換主管群、22・・第2熱交換主管群、
23・・第3熱交換主管群
3・・入口接続部材、
31・・第1入口接続部材、311、31n・・第1入口群、
32・・第2入口接続部材、321、32n・・第2入口群、
33・・第3入口接続部材、331、33n・・第3入口群、
34・・連結管
4・・出口接続部材(出力ヘッダ)、
41・・第1出口接続部材、411、41n・・第1出口群、
42・・第2出口接続部材、421、42n・・第2出口群、
43・・第3出口接続部材、431、43n・・第3出口群、
44・・流路管、
5・・分配器、
51,51'・・第1分配器(ディストリビューター)、511・・(第1)分配管、
52・・第2分配器、521・・第2分配管、
53・・第3分配器、531・・第3分配管、
6・・凝縮器(熱交換器)、61・・流路管、
7・・圧縮機(コンプレッサー)、71・・流路管
8・・制御用電磁弁(冷媒開閉機構)、81・・第1制御用電磁弁、
82・・第2制御用電磁弁、83・・第3制御用電磁弁、
85・・第4制御用電磁弁、
9・・列数制御用分配器、91・・分配管
Claims (2)
- 入口接続部材から出口接続部材との間に冷媒を通過させて熱交換する複数の熱交換主管を架け渡し、該複数の熱交換主管は互いに独立して設けられた熱交換器において、
入口接続部材の前記独立した複数の熱交換主管を空気の流れ方向に対して垂直方向に列状に配置して1群とし、該熱交換主管群は空気の流れ方向に上流から下流に向けて複数配列され、
かつ、各群の出口接続部材は、空気の流れの上流側に位置する群の入口接続部材に接続するとともに、前記各熱交換主管群の入口接続部材にはそれぞれ対応した分配器からの出力から分配管にそれぞれ接続され、
該各熱交換主管群に対応した分配器の上流には冷媒の通過量を制御可能な制御用電磁弁を設け、
該制御用電磁弁は所望の空調状態になるように熱交換器主管群を制御するための分配器を選択するようにしたことを特徴とする空調機の熱交換器。 - 前記独立した熱交換主管群のうち空気の流れに対して最上流に配置された熱交換主管群の各熱交換主管に冷媒の通過量を制御するための制御用電磁弁を分配器出口からのそれぞれの分配管に接続し、分配管に接続された制御用電磁弁は熱交換主管群のそれぞれの熱交換主管を制御するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の空調機の熱交換器。
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