JP6329227B2 - 金属化フィルムコンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂モールドタイプの金属化フィルムコンデンサおよびその製造方法に関する。
図13は従来例の金属化フィルムコンデンサの完成状態の構造を示す斜視図、図14はその金属化フィルムコンデンサの製造過程の様子を示す平面図、図15はその金属化フィルムコンデンサの製造過程の様子を示す縦断側面図である。これらの図において、10はコンデンサ素子、20は複数のコンデンサ素子10の積層体15において、各コンデンサ素子10の軸方向両端の金属電極11に接続された外部引き出し端子、30は複数のコンデンサ素子10の積層体15と外部引き出し端子20からなるコンデンサユニットである。複数のコンデンサ素子10が上下方向に積層され、横方向に並設されて積層体15を構成している。外部引き出し端子20は、積層体15の上端面に接合された長方形状の端子プレート21と、この端子プレート21から鉤状に折り曲げて連接された接続端子部22と、端子プレート21と複数のコンデンサ素子10の金属電極11とにわたって半田付けされた接続プレート23とからなる。
コンデンサユニット30は、外部引き出し端子20の接続端子部22を除いて、その全体が外装樹脂40によって被覆されており、これによって金属化フィルムコンデンサBが構成されている。
次に、金属化フィルムコンデンサBの製造の概要を図14を参照して説明する。製造の手段として、成形型枠50と固定治具60が用いられる。
金属化フィルムを用いた複数のコンデンサ素子10に外部引き出し端子20を接続してなるコンデンサユニット30を成形型枠50のキャビティ51に収容する。このとき、コンデンサユニット30の底面31を成形型枠50の内底面53から浮き離間させた状態とする(図15参照;ただし、正規にはコンデンサユニット30の傾きはないことを原則としている。)。また、コンデンサユニット30の外周面32と成形型枠50の内周面52との間に所定の間隔を隔てる状態とする。成形型枠50の上面部に固定治具60を架け渡す。固定治具60は細長い板状であり、これを長さ方向にスライドさせて、鉤状の接続端子部22の下面下方に通す。ボルトなどの吊下げ具61を介して接続端子部22を固定治具60に固定する。この固定により、外部引き出し端子20付きのコンデンサユニット30を成形型枠50のキャビティ51内で吊り下げ状態に保持する。固定治具60はボルト90により成形型枠50の上端面に固定する。
次いで、コンデンサユニット30の外周面32と成形型枠50の内周面52との間の空間であるキャビティ51に溶融樹脂を充填し、硬化させる。溶融樹脂が硬化すると外装樹脂40となるが、外部引き出し端子20の接続端子部22を除いてコンデンサユニット30の全体が外装樹脂40によって被覆されたものとなる。
次いで、外装樹脂40でコンデンサユニット30が被覆されてなる金属化フィルムコンデンサBを成形型枠50から離型する。この離型に際しては、固定治具60ごと成形型枠50から取り外し、その後に吊下げ具61を外して固定治具60を取り外す。
以上により、接続端子部22を除いてコンデンサユニット30の全体が外装樹脂40で被覆されてなる金属化フィルムコンデンサBが得られる。
特許文献1には、金属化フィルムコンデンサの基本的構成が開示されている。
特開平9−260180号公報 特開2013−8709号公報 WO2010/004704号公報
上記の従来例にあっては、図15に示すように、製造過程で成形型枠50のキャビティ51内でコンデンサユニット30が傾いたり、コンデンサユニット30の角部や稜線部が成形型枠50の内周面52に接触し、充填した溶融樹脂の硬化で形成される外装樹脂40の厚みに不均一が生じるという問題があった。極端な場合には、外装樹脂40の厚みがゼロ(非被覆)になったり極薄となることもある。外装樹脂40に必要な厚みが確保されない場合、外装樹脂40による湿気浸入防止の機能が損なわれ、金属化フィルムコンデンサBの機能低下、短寿命化が起きる。
特許文献2には、成形型枠のキャビティ内でコンデンサユニットを位置規制する対策として、コンデンサユニットに係合するスライド部材について言及がある。このスライド部材は、成形型枠のキャビティ内で横方向にスライドするもので、溶融樹脂充填の前半でコンデンサユニットにおける外部引き出し端子の基部の折れ曲り部に係合し、溶融樹脂充填の後半では横外方にスライドして係合を解除する。充填の後半でのスライド部材のスライドおよびコンデンサユニットの位置規制は充填される溶融樹脂の圧力に基づいている。スライド部材は成形型枠に付属するもので、離型後の金属化フィルムコンデンサにおいて外装樹脂内に埋設されるものではない。
しかし、コンデンサユニットを一時的に支持(位置保持)するスライド部材は文字通り可動式のものであって、外部引き出し端子の折れ曲り部との係合構造、スライド部材の移動をガイドするレール構造などが必要で、成形型枠の構造が複雑化している。溶融樹脂の圧力で外方に逃げ移動させる機構も実現が難しい。溶融樹脂の充填が前半と後半とに分かれているため、前半充填部と後半充填部との間の界面が湿気の浸入の隙間の可能性を残している。
特許文献3には、成形型枠のキャビティ内でコンデンサユニットを位置規制する対策として、コンデンサユニットを成形型枠内で位置規制するための支持体について言及がある。それは、コンデンサ素子の軸方向両端の金属電極とコンデンサ素子の底面との境界角部に当接させる複数個の支持体を用いるものである。ここでの当接は接着等による固定の意味と推定される(段落[0048]参照)。成形型枠内に支持体を配置し、その支持体上にコンデンサユニットを配置する。成形型枠内に溶融樹脂(ノルボルネン系モノマー)を充填し硬化させて外装樹脂(外装体)を成形する(段落[0023]参照)。位置決めには、成形型枠の内底面に支持体を嵌め込むための凹部が形成され、この凹部に支持体を嵌め込んでいると考えられる(段落[0035]参照)。
しかしながら、支持体は、その端部が外装樹脂から露出するので、外部の湿気が支持体を介して内側のコンデンサ素子に浸入するおそれがある。支持体がコンデンサ素子の底面部に当接しているが、底面部は実使用時に最も強い振動を受けることから、湿気浸入防止上好ましいものではない。
別の態様として、外部引き出し端子における接続プレート(金属製バスバー)に支持体を当接させることでコンデンサユニットの位置規制を行うものも開示されている(段落[0044]参照)。
しかし、成形型枠における下型、上型それぞれの型締め端縁部の内面に設けられた支持体固定部の両者で支持体を挟持固定するものであるため(段落[0046]参照)、コンデンサユニットの位置規制のための構造が複雑である。また、正しく挟持させる作業には困難性が伴う。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、コンデンサユニットの外周を被覆する外装樹脂の厚みについて、コンデンサユニットの横側面部においても底面部においても、実質的に均一な厚みを確保する金属化フィルムコンデンサの製造方法ならびに金属化フィルムコンデンサを提供することを目的としている。併せて、成形型枠内にコンデンサユニットを収容するのに安定的な位置規制状態での収容を実現することを目的としている。
本発明は、上記の課題を解決するために次のような手段を講じる。
本発明による第1の金属化フィルムコンデンサの製造方法は、次のような複数の工程から成り立っている。
(1)金属化フィルムを用いた複数のコンデンサ素子の積層体の軸方向両端の金属電極に外部引き出し端子を接続してなるコンデンサユニットに対して、前記金属電極以外の部分であって、前記コンデンサ素子の積層体における上下方向に隣接するコンデンサ素子間に形成された横側面部の波形凹入面に対する嵌め込み状態でサポート部材を止め付ける(サポート部材付きのコンデンサユニット)。ここで、サポート部材の止め付けをコンデンサユニットの横側面部の波形凹入面に対する嵌め込みとすることが重要である(底面部ではない)。
(2)前記サポート部材付きのコンデンサユニットにおける前記サポート部材の遊端部を成形型枠の内周面に対して当接・近接させて、前記コンデンサユニットを前記成形型枠に対しこれら両者間に所定の間隔を隔てて位置規制した状態で、前記サポート部材付きのコンデンサユニットを前記成形型枠のキャビティ内に収容する。
(3)前記成形型枠のキャビティ内に収容した前記サポート部材付きのコンデンサユニットの底面を前記成形型枠の内底面から浮き離間させた状態で、前記コンデンサユニットを前記成形型枠の上面部に架け渡した固定治具に対し吊り下げ状態で支持させる。
(4)前記サポート部材により位置規制された前記コンデンサユニットの外周面・底面と前記成形型枠の内周面・内底面との間の空間に溶融樹脂を充填し硬化させる(外装樹脂の形成)。これで、外部引き出し端子の接続端子部を除いてコンデンサユニットの全体が外装樹脂により被覆される。
(5)前記溶融樹脂が硬化した外装樹脂により前記外部引き出し端子の接続端子部を除いて全体が被覆された前記コンデンサユニットを前記成形型枠から離型する。
(1A)加えて、前記サポート部材を止め付ける工程(1)では、前記コンデンサ素子の積層体における上下方向において前記コンデンサユニットの下端部に近い前記横側面部の波形凹入面に前記サポート部材を止め付けるものであり、この点に特徴がある。
本発明による第2の金属化フィルムコンデンサの製造方法は、次のような複数の工程から成り立っている。
(1)金属化フィルムを用いた複数のコンデンサ素子の積層体の軸方向両端の金属電極に外部引き出し端子を接続してなるコンデンサユニットに対して、前記外部引き出し端子のうちの前記金属電極に接合された接続プレートの外表面にサポート部材を止め付ける(サポート部材付きのコンデンサユニット)。ここで、サポート部材の止め付け部位をコンデンサユニットの金属電極に接合された接続プレートの外表面とすることが重要である(底面部ではない)。
(2)前記サポート部材付きのコンデンサユニットにおける前記サポート部材の遊端部を成形型枠の内周面に対して当接・近接させて、前記コンデンサユニットを前記成形型枠に対しこれら両者間に所定の間隔を隔てて位置規制した状態で、前記サポート部材付きのコンデンサユニットを前記成形型枠のキャビティ内に収容する。
(3)前記成形型枠のキャビティ内に収容した前記サポート部材付きのコンデンサユニットの底面を前記成形型枠の内底面から浮き離間させた状態で、前記コンデンサユニットを前記成形型枠の上面部に架け渡した固定治具に対し吊り下げ状態で支持させる。
(4)前記サポート部材により位置規制された前記コンデンサユニットの外周面・底面と前記成形型枠の内周面・内底面との間の空間に溶融樹脂を充填し硬化させる(外装樹脂の形成)。これで、外部引き出し端子の接続端子部を除いてコンデンサユニットの全体が外装樹脂により被覆される。
(5)前記溶融樹脂が硬化した外装樹脂により前記外部引き出し端子の接続端子部を除いて全体が被覆された前記コンデンサユニットを前記成形型枠から離型する。
(1B)加えて、前記サポート部材を止め付ける工程(1)では、前記コンデンサ素子の積層体における上下方向において前記接続プレートの下端に近い位置に前記サポート部材を止め付けるものであり、この点に特徴がある。
本発明による第1の金属化フィルムコンデンサは、上記の第1の金属化フィルムコンデンサの製造方法の適用が好ましいものであり、コンデンサユニットと外装樹脂とサポート部材とを備えている。すなわち、金属化フィルムを用いた複数のコンデンサ素子の積層体の軸方向両端の金属電極に外部引き出し端子を接続してなるコンデンサユニットと、前記外部引き出し端子の接続端子部を除いて前記コンデンサユニットの全体を被覆する外装樹脂と、前記金属電極以外の部分であって、前記コンデンサ素子の積層体における上下方向に隣接するコンデンサ素子間に形成された横側面部の波形凹入面に対して嵌め込み状態で止め付けられ、かつ前記外装樹脂の内部に埋設され、その遊端部が前記外装樹脂の表面に露出しているサポート部材とを備えている。加えて、前記サポート部材は、前記コンデンサ素子の積層体における上下方向において前記コンデンサユニットの下端部に近い前記横側面部の波形凹入面に止め付けられていることを特徴とする。
本発明による第2の金属化フィルムコンデンサは、上記の第2の金属化フィルムコンデンサの製造方法の適用が好ましいものであり、コンデンサユニットと外装樹脂とサポート部材とを備えている。すなわち、金属化フィルムを用いた複数のコンデンサ素子の積層体の軸方向両端の金属電極に外部引き出し端子を接続してなるコンデンサユニットと、前記外部引き出し端子の接続端子部を除いて前記コンデンサユニットの全体を被覆する外装樹脂と、前記外部引き出し端子のうちの前記コンデンサ素子の金属電極に接合された接続プレートの外表面に止め付けられ、かつ前記外装樹脂の内部に埋設され、その遊端部が前記外装樹脂の表面に露出しているサポート部材とを備えている。加えて、前記サポート部材は、前記コンデンサ素子の積層体における上下方向において前記接続プレートの下端に近い位置に止め付けられていることを特徴とする。
本発明によれば、サポート部材を止め付けたコンデンサユニットを吊り下げ状態で成形型枠のキャビティ内に収容するだけで、コンデンサユニットの傾きやコンデンサユニットの成形型枠内周面への接触などを回避しつつ前後左右方向および上下方向の位置規制を実現し、溶融樹脂の充填硬化によるコンデンサユニット外周の外装樹脂の厚みをコンデンサユニットの横側面部でも底面部でも実質的に均一化する状態で確保することができる。この良好な外装樹脂厚みの確保は、コンデンサ素子に対する湿気浸入防止上、有利に作用する。
しかも、構造的には、[1]サポート部材をコンデンサユニットに止め付ける、[2]サポート部材の遊端部を成形型枠の内周面に当接・近接させる状態でコンデンサユニットを成形型枠に収容する、[3]成形型枠の上面部に架け渡した固定治具でコンデンサユニットを吊り下げ支持させるというもので、成形型枠としては従来技術に比べてより簡易な構造のもので実現することができる。
加えて、コンデンサ素子の積層体の横幅方向端面部は上下方向で凹凸変化が繰り返される波形凹入面となっているが、コンデンサユニットを吊り下げる部位が最上部となっていることに対するバランス上、下端部に近い位置にある波形凹入面、あるいは、接続プレートの外表面の下端に近い位置にサポート部材を止め付けているので、コンデンサユニットを安定的な位置規制状態で成形型枠内に収容することが可能となる。
第1および第2の金属化フィルムコンデンサやその製造方法にあっては、前記コンデンサユニットの横側面部に対する前記サポート部材の止め付けについては、前記コンデンサユニットにおける前記コンデンサ素子の積層体の金属電極以外の横側面部に対する止め付けとしている。これは、サポート部材の止め付け箇所を、コンデンサ素子の金属電極とするのではなく、金属電極を除いたコンデンサ素子の積層体の横側面部とするものである。もし、経年劣化によりサポート部材と外装樹脂との界面に隙間が生じ、その隙間から内部に湿気が浸入したとしても、湿気は金属電極には作用せず、コンデンサ素子を湿気から良好に保護することができる。
また、第1の金属化フィルムコンデンサやその製造方法にあっては、前記コンデンサユニットの横側面部に対する前記サポート部材の止め付けを、前記コンデンサ素子の積層体における上下方向に隣接するコンデンサ素子間に形成された横側面部の波形凹入面に対する嵌め込み状態での止め付けとする。コンデンサ素子は、金属化フィルムをロール状に巻回したものを直径方向でプレス加工して断面小判形の扁平柱状体とするものが多い。さらに、この扁平柱状体のコンデンサ素子の複数個を積層したコンデンサ素子の積層体とする場合が多い。このコンデンサ素子の積層体は、その金属電極以外の、上下方向に隣接するコンデンサ素子間に形成された横側面部の形状が波形凹入面となっている。この波形凹入面にサポート部材を嵌め込み状態で止め付ければ、その止め付けが強固で安定したものとなる。
本発明の実施例1の金属化フィルムコンデンサの完成状態の構造を示す斜視図 本発明の実施例1の金属化フィルムコンデンサで外装樹脂を除いた状態を示す斜視図 本発明の実施例1の金属化フィルムコンデンサにおけるサポート部材の斜視図と、コンデンサユニットに対するサポート部材の止め付けの様子を示す斜視図 本発明の実施例1の金属化フィルムコンデンサの製造過程の様子を示す縦断正面図 本発明の実施例1の金属化フィルムコンデンサの製造過程の様子を示す平面図 本発明の実施例1の金属化フィルムコンデンサの製造過程の様子を示す縦断側面図 本発明の実施例2の金属化フィルムコンデンサの完成状態の構造を示す斜視図 本発明の実施例2の金属化フィルムコンデンサで外装樹脂を除いた状態を示す斜視図 本発明の実施例2の金属化フィルムコンデンサにおけるサポート部材の斜視図と、サポート部材の変形例を示す斜視図 本発明の実施例2の金属化フィルムコンデンサの製造過程の様子を示す縦断正面図 本発明の実施例2の金属化フィルムコンデンサの製造過程の様子を示す平面図 本発明の実施例2の金属化フィルムコンデンサの製造過程の様子を示す縦断側面図 従来例の金属化フィルムコンデンサの完成状態の構造を示す斜視図 従来例の金属化フィルムコンデンサの製造過程の様子を示す平面図 従来例の金属化フィルムコンデンサの製造過程の様子を示す縦断側面図
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明による金属化フィルムコンデンサの製造方法は、次のような複数の工程から成り立っている。
まず、金属化フィルムを用いた複数のコンデンサ素子と、そのコンデンサ素子の軸方向両端の金属電極に接続した外部引き出し端子とからなるコンデンサユニットを用意する。そして、そのコンデンサユニットの横側面部にサポート部材を止め付ける。これがサポート部材付きのコンデンサユニットである。サポート部材をコンデンサユニットに対して止め付ける部位は、コンデンサユニットの横側面部であって、従来例の場合のような底面部に対してではない。
次に、サポート部材付きのコンデンサユニットを成形型枠のキャビティ内に収容する。このとき、サポート部材の遊端部を成形型枠の内周面に対して当接・近接状態とする。これにより、コンデンサユニットの外周面と成形型枠の内周面との間に所定の間隔を隔てる状態で、コンデンサユニットを成形型枠に対して位置規制させる。すなわち、所定の間隔を隔てる位置規制状態で、サポート部材付きのコンデンサユニットを成形型枠のキャビティ内に収容する。
次に、成形型枠のキャビティ内に収容したコンデンサユニットを、成形型枠の上面部に架け渡した固定治具に対し吊り下げ状態で支持させる。このとき、成形型枠のキャビティ内に収容したサポート部材付きのコンデンサユニットの底面を成形型枠の内底面から浮き離間させた状態とする。
次に、上記のようにしてサポート部材により位置規制されたコンデンサユニットの外周面・底面と成形型枠の内周面・内底面との間の空間に溶融樹脂を充填し、その充填した溶融樹脂を硬化させる。この溶融樹脂の硬化によって外装樹脂が形成される。すなわち、外部引き出し端子の接続端子部を除いてコンデンサユニットの全体が外装樹脂により被覆される。
最後に、外装樹脂により被覆されたコンデンサユニットを成形型枠から離型する。
本発明による金属化フィルムコンデンサは、上記の金属化フィルムコンデンサの製造方法の適用が好ましいものであり、コンデンサユニットと外装樹脂とサポート部材とを備えている。コンデンサユニットは、金属化フィルムを巻回または積層した上で軸方向両端に金属電極を形成した複数のコンデンサ素子、および、コンデンサ素子の金属電極に接続された外部引き出し端子からなるものである。外装樹脂は、外部引き出し端子の接続端子部を除いてコンデンサユニットの全体を被覆するものである。サポート部材は、コンデンサユニットの横側面部に接する状態で外装樹脂の内部に埋設され、その遊端部が外装樹脂の表面に露出しているものである。この露出したサポート部材の遊端部は、成形中においてサポート部材が成形型枠の内周面に当接・近接していた部分である。
本発明にあっては、サポート部材をコンデンサユニットに対して止め付ける部位をコンデンサユニットの横側面部としている。すなわち、特許文献3のようなコンデンサユニットの底面部に対してのものではない。コンデンサユニットの底面部にサポート部材を止め付ける場合には、上下方向での位置規制はできても、前後左右方向での位置規制はできない。前後左右方向で位置規制するとなると、成形型枠の内底面にサポート部材と係合する凹部・凹溝などの係合部を形成しておかなければならない。また、サポート部材を係合部に位置合わせする工程と、両者を係合する工程とを必要とする。加えて、凹部・凹溝などの係合部を形成することは成形型枠の構造複雑化を招く。これに対して、本発明のようにコンデンサユニットの横側面部に対してサポート部材を止め付けておくと、そのサポート部材付きのコンデンサユニットを成形型枠のキャビティ内に収容するだけで、前後左右方向の位置規制が実現される。併せて、成形型枠の上面部に架け渡した固定治具に対してコンデンサユニットを吊り下げ状態で支持させるので、上下方向の位置規制が実現される。すなわち、成形型枠のキャビティ内において、コンデンサユニットの外周面と成形型枠の内周面との間の空間の横方向間隔は、所期通りの間隔を実現できる。それは、低い部位から高い部位にかけてほぼ一定の間隔を保つものである。また、成形型枠のキャビティ内において、コンデンサユニットの底面と成形型枠の内底面との間の空間の上下方向間隔も、所期通りの間隔を実現できる。それは、底面の全域にかけてほぼ一定の間隔を保つものである。つまり、外部引き出し端子付きのコンデンサユニットを成形型枠のキャビティ内において所期通りの正しい姿勢に保持することが可能となる。その結果、従来例の場合のようなコンデンサユニットの傾きやコンデンサユニットの成形型枠内周面への接触などが回避される。
以上の結果として、成形型枠のキャビティ内に溶融樹脂の充填硬化で形成されるところの、コンデンサユニットの外周を被覆する外装樹脂の厚みは、コンデンサユニットの横側面部においてもコンデンサユニットの底面部においても、実質的に均一な厚みとなる。本発明によれば、このような均一厚みの外装樹脂を簡単に形成することが可能となっている。
作製された金属化フィルムコンデンサにおいては、その外装樹脂の底面部には特許文献3の場合のようなサポート部材の露出は生じていない。実使用時に湿気を受けやすくまた最も強い振動を受ける外装樹脂の底面部にサポート部材が露出することは、外部の湿気がサポート部材を介して内側のコンデンサ素子に浸入するおそれが高いが、本発明のように底面部へのサポート部材の露出がない場合には、コンデンサ素子に対する湿気の浸入を確実に回避することが可能となる。このようにして湿気浸入防止の機能が高めることは、金属化フィルムコンデンサの高性能化を実現し、長寿命化が期待できる。
加えて、成形型枠の構造について、特許文献2のように可動式のスライド部材を用いることから外部引き出し端子の折れ曲り部との係合構造やスライド部材の移動をガイドするレール構造などを必要とするものに比べて、より簡易な構造で外装樹脂の厚み確保および湿気浸入防止をより確実に実現することができる。
また、特許文献3での別態様のように成形型枠における下型、上型それぞれの型締め端縁部の内面に設けられた支持体固定部の両者で支持体を挟持固定するものに比べて、より簡易な構造で外装樹脂の厚み確保および湿気浸入防止をより確実に実現することができる。
上記構成の金属化フィルムコンデンサまたはその製造方法において、次のようないくつかの好ましい態様がある。
また、前記サポート部材として、三角柱状の本体部と、前記本体部の軸方向両端部から軸方向に一体的に延出した前記本体部より断面積の小さい一対の張り出し部とから構成されたサポート部材を用い、前記三角柱状の本体部を前記波形凹入面に対して嵌め込み状態で止め付ける。三角柱状の本体部と、より小断面積の一対の張り出し部とからなるサポート部材を用いて、これを波形凹入面に嵌め込み状態で止め付ければ、その止め付けは一層強固で安定したものとなる。
また、前記サポート部材として、円錐体の軸方向複数箇所において軸部を除いて円環状に切除した形状を呈するサポート部材を用い、前記円錐体の底面を前記接続プレートに対して止め付ける。このサポート部材は、その形状ゆえに弾発性があり、成形型枠の内周面との突合せが強固で安定したものとなる。
また、前記サポート部材として、その表面が凹凸に形成されたサポート部材を用い、前記サポート部材の凹凸表面に喰い込ませる状態で前記外装樹脂を接合する。実使用時において、サポート部材と外装樹脂との界面剥離が生じにくい。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施例1における金属化フィルムコンデンサの完成状態の構造を示す斜視図、図2はその金属化フィルムコンデンサで外装樹脂を除いた状態を示す斜視図、図3(a)はサポート部材の斜視図、図3(b)はコンデンサユニットに対するサポート部材の止め付けの様子を示す斜視図、図4はその金属化フィルムコンデンサの製造過程の様子を示す縦断正面図、図5はその金属化フィルムコンデンサの製造過程の様子を示す平面図、図6はその金属化フィルムコンデンサの製造過程の様子を示す縦断側面図である。
まず、構成要素を列挙する。図1〜図6において、Aは金属化フィルムコンデンサ、10はコンデンサ素子、20は外部引き出し端子、30はコンデンサユニット、40は外装樹脂、50は成形型枠、60は固定治具、70はサポート部材である。
コンデンサ素子10は概ね次のような構成を有している。すなわち、誘電体フィルムの少なくとも片面に金属蒸着電極を形成してなる金属化フィルムが巻回または積層されたものを直径方向でプレス加工して断面小判形の扁平柱状体とし、その軸方向両端に正極・負極の金属電極11,11(好ましくは金属微粒子の溶射による金属溶射電極)が形成されてコンデンサ素子10が構成される。ここで、奇数層目の金属蒸着電極が軸方向一端側の正極の金属電極11に接続され、偶数層目の金属蒸着電極が軸方向他端側の負極の金属電極11に接続される。複数のコンデンサ素子10が上下方向に積層され、その積層体15が横方向に並列配置されている。並列配置されたコンデンサ素子10の積層体15の上面に正極・負極の端子プレート21,21が載置結合されている。この端子プレート21,21はコンデンサ素子10に対しては電気的な絶縁状態となっている。積層された複数のコンデンサ素子10の金属電極11どうしが接続プレート23で並列に半田付け等により接合され、その接続プレート23に積層体15の上面の端子プレート21が半田付け等により接合されている。この端子プレート21の端部には、外部の給電ラインを接続するための鉤形の接続端子部22が一体的に形成されている。このような接続端子部22付きの端子プレート21と接続プレート23とで外部引き出し端子20が構成されるが、このような外部引き出し端子20が正極用および負極用に一対設けられる。以上のようにして、複数のコンデンサ素子10の軸方向両端の金属電極11,11に外部引き出し端子20,20を接続したものがコンデンサユニット30である。そして、外部引き出し端子20,20の鉤形の接続端子部22,22を除いてコンデンサユニット30の全体を外装樹脂40で被覆して金属化フィルムコンデンサAが構成される。コンデンサユニット30の外周を被覆する外装樹脂40の厚みは、以下に詳述するサポート部材70の作用により、コンデンサユニット30の横側面部においても底面部においても上面部においても、実質的に均一な厚みとなっている。
複数のコンデンサ素子10の積層体15と対の外部引き出し端子20,20からなるコンデンサユニット30の横幅方向端面部にあるサポート部材70,70は、当該の金属化フィルムコンデンサAの成形時にコンデンサユニット30の位置規制のために用いられたもので、その詳細については後述する。80は外装樹脂40に端面露出状態で埋め込まれた取付け用のナット部材である。このナット部材80は、当該の金属化フィルムコンデンサAを電気自動車や産業用電気機器などのフレームに取り付け固定する際にボルト部材を螺合する部分である。
図3はサポート部材70の構造とその止め付けの様子を示す。図3に示すように、サポート部材70は、三角柱状の本体部71と、本体部71の軸方向両端部から軸方向に一体的に延出した三角柱状の張り出し部72,72とから構成されている。断面積において張り出し部72,72の三角柱は本体部71の三角柱より小さく形成されているが、張り出し部72,72の一側面は本体部71の一側面と面一になっている。なお、張り出し部72の形状は、円柱状、四角柱状など、三角柱状でなくてもよい。本体部71の形状は、以下に示す積層体15への止め付け性および部材の小型化の観点から三角柱状が好ましい。
コンデンサ素子10の積層体15の横幅方向端面部は半円が上下方向に繰り返される形態の凹凸変化のある波形状つまり波形凹入面16となっているが、最下段において上下方向に隣接するコンデンサ素子10,10間に形成された横側面部の波形凹入面16にサポート部材70の三角柱状の本体部71を嵌め込んで止め付けるようにしている。コンデンサ素子10の積層体15に対するサポート部材70の止め付け位置を最下段の波形凹入面16とするのは、コンデンサユニット30を吊り下げることを考慮したものである。吊り下げ部位は最上部となるので、コンデンサユニット30を安定的な位置規制状態で成形型枠50内に収容するには、なるべく下端部に近い位置とするのが好ましいからである。
嵌め込みに際しては、本体部71と張り出し部72,72との面一面側が外方に位置する状態での嵌め込みとする。本体部71の上側傾斜面が波形凹入面16の上側湾曲面に当接するとともに、本体部71の下側傾斜面が波形凹入面16の下側湾曲面に当接しており、全体的には楔の打ち込み状態となっている。本体部71の波形凹入面16に対する止め付けは、接着剤(材)、粘着剤(材)、粘着テープなどを用いて行われる。サポート部材70の長さは、その張り出し部72,72の外端側がコンデンサ素子10の軸方向両端面より外側に突出するに足る長さに設定されている。したがって、張り出し部72,72は、文字通りコンデンサ素子10の端面から外方に張り出すものとなっている。このようなサポート部材70がコンデンサ素子10の積層体15の横幅方向の両端面において対称的に一対止め付けられている。
次に、上記のようにして得られたサポート部材70,70付きのコンデンサユニット30の外周部をモールド成形することによって外装樹脂40で被覆する。すなわち、図4、図5、図6に示すように、外部引き出し端子20,20付きでサポート部材70,70付きのコンデンサユニット30を成形型枠50のキャビティ51内に収容する。このとき、コンデンサユニット30におけるサポート部材70,70の遊端部を成形型枠50の内周面52に対して当接・近接させて、コンデンサユニット30を成形型枠50に対しこれら両者間に所定の間隔を隔てて位置規制した状態とする。図5、図6に示されるように、サポート部材70,70の張り出し部72,72…の外端面が成形型枠50の対向する内周面52,52に対して当接(ないしは摺接)する状態とする。なお、成形型枠50の内周面52の所定の箇所にあらかじめ上記のナット部材80…を止め付けておく。その止め付けは接着剤(材)、粘着剤(材)、粘着テープなどを用いて行われる。
さらに、成形型枠50に収容したコンデンサユニット30を、細長い板状の固定治具60を用いて成形型枠50に対して吊り下げ状態に支持させる。細長い板状の固定治具60は、正極・負極の鉤形の接続端子部22,22の下面下方に通す状態で成形型枠50の上面に架け渡す。そして、固定治具60を成形型枠50の上面に対してボルト90で固定するとともに、正極・負極の鉤形の接続端子部22,22を固定治具60に対してボルトなどの吊下げ具61で吊り下げる。これにより、成形型枠50のキャビティ51内に収容したサポート部材70付きのコンデンサユニット30の底面31を成形型枠50の内底面53から浮き離間させた状態で、コンデンサユニット30を成形型枠50の上面部に架け渡した固定治具60に対し吊り下げ状態で支持させる。
以上により、図5で明らかなように、コンデンサユニット30の前後左右の4つの角部の近傍において、サポート部材張り出し部72,72…が成形型枠内周面52,52に当接(ないしは摺接)することから、成形型枠50のキャビティ51内において、コンデンサユニット30の外周面32と成形型枠50の内周面52との間の空間の横方向間隔を、低い部位から高い部位にかけてほぼ一定に保ち、かつ、コンデンサユニット30の底面31と成形型枠50の内底面53との間の空間の上下方向間隔を、底面全域にかけてほぼ一定に保つことができる。つまり、外部引き出し端子20,20付きのコンデンサユニット30を成形型枠50のキャビティ51内において所期通りの正しい姿勢に保持することができる。その結果、従来例の場合のようなコンデンサユニット30の傾きやコンデンサユニット30の成形型枠50の内周面52への接触などが回避される。
次いで、上記のように上下前後左右で位置規制されたコンデンサユニット30の外周面・底面と成形型枠50の内周面・内底面との間の空間に溶融樹脂を充填し硬化させることにより外装樹脂40となし、外部引き出し端子20,20の鉤形の接続端子部22,22を除いてコンデンサユニット30の全体を外装樹脂40で被覆・保護する。この外装樹脂40は、外部の湿気がコンデンサ素子10に浸入し、コンデンサの特性が劣化するのを防止するためのものである。
次いで、溶融樹脂が硬化した外装樹脂40により外部引き出し端子20,20の鉤形の接続端子部22,22を除いて全体が被覆されたコンデンサユニット30を成形型枠50から離型する。すなわち、ボルト90を緩めて固定治具60ごと成形型枠50から取り外し、その後に吊下げ具61を外して固定治具60を取り外す。
以上によって、接続端子部22,22を除いてコンデンサユニット30に全体が外装樹脂40で被覆されてなる金属化フィルムコンデンサAが得られる。
この金属化フィルムコンデンサAにあっては、一対のサポート部材70,70が外装樹脂40内に埋め込まれた状態となっている。サポート部材70の両側の張り出し部72,72の外端面は外装樹脂40の表面に露出している。露出するのは外端面のみである。
以上のように本実施例1によれば、溶融樹脂の充填硬化による外装樹脂40の厚みについて、コンデンサユニット30の横側面部でも底面部でも実質的に均一化する状態で充分な厚みを確保することができ、コンデンサ素子10に対する湿気浸入防止の機能を高いものにすることができる。しかもそのための構造は、コンデンサユニット30の横側面部にサポート部材70を止め付け、成形型枠50に吊り下げ状態で収容するだけの簡単なものでありながら、コンデンサユニット30の傾きや成形型枠50内周面52への接触などを回避しつつ前後左右方向および上下方向の位置規制を実現できている。
このようにして作製された金属化フィルムコンデンサAにおいては、サポート部材70は、外装樹脂40において湿気の振動の影響を最も受けやすい底面部には露出しておらず、高い湿気浸入防止性能をもつため、コンデンサとしての高い性能を発揮するとともに、長寿命化を図ることができる。
また、サポート部材70をコンデンサユニット30の横側面部に止め付けるにつけて、コンデンサ素子10の金属電極11以外の横側面部へ止め付けているので、経年劣化によりサポート部材70と外装樹脂40との界面に隙間が生じ、その隙間から内部に湿気が浸入したとしても、湿気は金属電極11には作用せず、コンデンサ素子10を湿気から保護することができる。
また、サポート部材70をコンデンサ素子積層体15の横側面部の波形凹入面16へ嵌め込んで止め付けているので、サポート部材70の止め付けが強固で安定したものとなる。しかも、三角柱状の本体部71とより断面積の小さい一対の張り出し部72,72とから構成されたサポート部材70を用いているので、その止め付けは一層強固で安定したものとなる。
図7は本発明の実施例2における金属化フィルムコンデンサの完成状態の構造を示す斜視図、図8はその金属化フィルムコンデンサで外装樹脂を除いた状態を示す斜視図、図9(a)はサポート部材の斜視図、図9(b)はサポート部材の変形例を示す斜視図、図10はその金属化フィルムコンデンサの製造過程の様子を示す縦断正面図、図11はその金属化フィルムコンデンサの製造過程の様子を示す平面図、図12はその金属化フィルムコンデンサの製造過程の様子を示す縦断側面図である。実施例2のこれら各図において実施例1の各図で用いたのと同一符号は同一の構成要素を指すものとし、詳しい説明は省略する。
図9に示すように、本実施例において用いるサポート部材75は概略円錐状に構成されている。詳しくは、円錐体の軸方向複数箇所において軸部を除いて円環状に切除した形状を呈している。言い換えると、偏平な円錐台であって径を異にする複数個のものと先端部の最小径の円錐体とを、円柱状の軸体で一連一体に連接した形状を呈している。図7、図8に示すように、このような概略円錐状のサポート部材75をコンデンサユニット30における外部引き出し端子20の接続プレート23の外表面に止め付けている。その止め付けは接着剤(材)、粘着剤(材)、粘着テープなどを用いて行われる。接続プレート23へのサポート部材75の止め付け位置は、コンデンサユニット30を吊り下げることを考慮して、接続プレート23の下端に近い位置としている。吊り下げ部位は最上部となるので、コンデンサユニット30を安定的な位置規制状態で成形型枠50内に収容するには、なるべく下端部に近い位置とするのが好ましいからである。複数の接続プレート23において互いに対称的な位置関係で概略円錐状のサポート部材75を止め付けている。その他の構成については、実施例1の場合と同様である。
円錐体の軸方向複数箇所において軸部を除いて円環状に切除した形状を呈するサポート部材75は弾発性があるので、成形型枠50の内周面52との突合せが強固で安定したものとなる。そのサポート部材75は凹凸が豊富であり、外装樹脂40が喰い込み状態で接合されることから、サポート部材75と外装樹脂40との界面剥離が生じにくい。さらに、材料取り(材料使用量)の観点からも有利である。
円錐状のサポート部材75としては、図9(b)のようなものでもよい。この場合、サポート部材75の表面に微細な多数の凹凸を形成しておくものとし、その微細な凹凸に外装樹脂40を喰い込ませる状態で接合することで、サポート部材75と外装樹脂40との界面剥離を生じにくくするのが望ましい。
なお、上記の実施例1,2において、サポート部材70,75の材質については、外装樹脂40の構成素材と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
本発明は、産業機械用コンデンサ、車両用コンデンサなどのケースレスの樹脂モールドタイプの金属化フィルムコンデンサにおいて、コンデンサユニットの外周を被覆する外装樹脂の厚みについて、コンデンサユニットの横側面部においても底面部においても実質的に均一な厚みを確保する技術として有用である。
A 金属化フィルムコンデンサ
10 コンデンサ素子
11 金属電極
15 積層体
16 波形凹入面
20 外部引き出し端子
21 端子プレート
22 接続端子部
23 接続プレート
30 コンデンサユニット
40 外装樹脂
50 成形型枠
51 キャビティ
60 固定治具
70 サポート部材
71 三角柱状の本体部
72 張り出し部
75 サポート部材

Claims (10)

  1. 金属化フィルムを用いた複数のコンデンサ素子の積層体の軸方向両端の金属電極に外部引き出し端子を接続してなるコンデンサユニットに対して、前記金属電極以外の部分であって、前記コンデンサ素子の積層体における上下方向に隣接するコンデンサ素子間に形成された横側面部の波形凹入面に対する嵌め込み状態でサポート部材を止め付ける工程と、
    前記サポート部材付きのコンデンサユニットにおける前記サポート部材の遊端部を成形型枠の内周面に対して当接・近接させて、前記コンデンサユニットを前記成形型枠に対しこれら両者間に所定の間隔を隔てて位置規制した状態で、前記サポート部材付きのコンデンサユニットを前記成形型枠のキャビティ内に収容する工程と、
    前記成形型枠のキャビティ内に収容した前記サポート部材付きのコンデンサユニットの底面を前記成形型枠の内底面から浮き離間させた状態で、前記コンデンサユニットを前記成形型枠の上面部に架け渡した固定治具に対し吊り下げ状態で支持させる工程と、
    前記サポート部材により位置規制された前記コンデンサユニットの外周面・底面と前記成形型枠の内周面・内底面との間の空間に溶融樹脂を充填し硬化させる工程と、
    前記溶融樹脂が硬化した外装樹脂により前記外部引き出し端子の接続端子部を除いて全体が被覆された前記コンデンサユニットを前記成形型枠から離型する工程と
    を含み、
    前記サポート部材を止め付ける工程では、前記コンデンサ素子の積層体における上下方向において前記コンデンサユニットの下端部に近い前記横側面部の波形凹入面に前記サポート部材を止め付けることを特徴とする金属化フィルムコンデンサの製造方法。
  2. 前記サポート部材として、三角柱状の本体部と、前記本体部の軸方向両端部から軸方向に一体的に延出した前記本体部より断面積の小さい一対の張り出し部とから構成されたサポート部材を用い、前記三角柱状の本体部を前記波形凹入面に対して嵌め込み状態で止め付ける請求項1に記載の金属化フィルムコンデンサの製造方法。
  3. 金属化フィルムを用いた複数のコンデンサ素子の積層体の軸方向両端の金属電極に外部引き出し端子を接続してなるコンデンサユニットに対して、前記外部引き出し端子のうちの前記金属電極に接合された接続プレートの外表面にサポート部材を止め付ける工程と、
    前記サポート部材付きのコンデンサユニットにおける前記サポート部材の遊端部を成形型枠の内周面に対して当接・近接させて、前記コンデンサユニットを前記成形型枠に対しこれら両者間に所定の間隔を隔てて位置規制した状態で、前記サポート部材付きのコンデンサユニットを前記成形型枠のキャビティ内に収容する工程と、
    前記成形型枠のキャビティ内に収容した前記サポート部材付きのコンデンサユニットの底面を前記成形型枠の内底面から浮き離間させた状態で、前記コンデンサユニットを前記成形型枠の上面部に架け渡した固定治具に対し吊り下げ状態で支持させる工程と、
    前記サポート部材により位置規制された前記コンデンサユニットの外周面・底面と前記成形型枠の内周面・内底面との間の空間に溶融樹脂を充填し硬化させる工程と、
    前記溶融樹脂が硬化した外装樹脂により前記外部引き出し端子の接続端子部を除いて全体が被覆された前記コンデンサユニットを前記成形型枠から離型する工程と
    を含み、
    前記サポート部材を止め付ける工程では、前記コンデンサ素子の積層体における上下方向において前記接続プレートの下端に近い位置に前記サポート部材を止め付けることを特徴とする金属化フィルムコンデンサの製造方法。
  4. 前記サポート部材として、円錐体の軸方向複数箇所において軸部を除いて円環状に切除した形状を呈するサポート部材を用い、前記円錐体の底面を前記接続プレートに対して止め付ける請求項3に記載の金属化フィルムコンデンサの製造方法。
  5. 前記サポート部材として、その表面が凹凸に形成されたサポート部材を用い、前記サポート部材の凹凸表面に喰い込ませる状態で前記外装樹脂を接合する請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の金属化フィルムコンデンサの製造方法。
  6. 金属化フィルムを用いた複数のコンデンサ素子の積層体の軸方向両端の金属電極に外部引き出し端子を接続してなるコンデンサユニットと、
    前記外部引き出し端子の接続端子部を除いて前記コンデンサユニットの全体を被覆する外装樹脂と、
    前記金属電極以外の部分であって、前記コンデンサ素子の積層体における上下方向に隣接するコンデンサ素子間に形成された横側面部の波形凹入面に対して嵌め込み状態で止め付けられ、かつ前記外装樹脂の内部に埋設され、その遊端部が前記外装樹脂の表面に露出しているサポート部材とを備え、
    前記サポート部材は、前記コンデンサ素子の積層体における上下方向において前記コンデンサユニットの下端部に近い前記横側面部の波形凹入面に止め付けられていることを特徴とする金属化フィルムコンデンサ。
  7. 前記サポート部材は、三角柱状の本体部と、前記本体部の軸方向両端部から軸方向に一体的に延出した前記本体部より断面積の小さい一対の張り出し部とから構成されている請求項6に記載の金属化フィルムコンデンサ。
  8. 金属化フィルムを用いた複数のコンデンサ素子の積層体の軸方向両端の金属電極に外部引き出し端子を接続してなるコンデンサユニットと、
    前記外部引き出し端子の接続端子部を除いて前記コンデンサユニットの全体を被覆する外装樹脂と、
    前記外部引き出し端子のうちの前記コンデンサ素子の金属電極に接合された接続プレートの外表面に止め付けられ、かつ前記外装樹脂の内部に埋設され、その遊端部が前記外装樹脂の表面に露出しているサポート部材とを備え、
    前記サポート部材は、前記コンデンサ素子の積層体における上下方向において前記接続プレートの下端に近い位置に止め付けられていることを特徴とする金属化フィルムコンデンサ。
  9. 前記サポート部材は、円錐体の軸方向複数箇所において軸部を除いて円環状に切除した形状を呈している請求項8に記載の金属化フィルムコンデンサ。
  10. 前記サポート部材は、その表面が凹凸に形成され、その凹凸表面を介して前記外装樹脂に接合されている請求項6から請求項9までのいずれか1項に記載の金属化フィルムコンデンサ。
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