JP6327789B2 - 超音波反応装置 - Google Patents

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Description

本発明は化学反応を促進するための流体を流しながら超音波を照射して、その超音波エネルギーを利用して化学反応を促進させる連続生産方式の超音波処理装置及び超音波処理方法に関するものである。
液体に超音波を照射するとキャビテーションと呼ばれる現象によって気泡が発生し、この圧壊過程で微小領域に高温、高圧の化学反応場が生じるソノケミカル反応を利用した超音波処理装置は最近、分解が難しい環境汚染物質、ナノメートルサイズの粒子製造、バイオ燃料製造等で注目を浴びており、連続して効率良く生産できる装置が嘱望されている。また、活性化した薬剤等を直接患部に噴霧して治療する超音波医療機器の開発が望まれている。
特開2003−200042号公報 特開2006−305427号公報 特開2011−50937号公報 特開2005−224746号公報
従来の超音波処理装置の構成は流体を入れる箱型の反応容器の側面に圧電振動子を接着するか、棒状の圧電振動子を処理容器の中に入れるバッチ方式なため、流体を連続して反応させる事ができない。バッチ方式の超音波処理装置は一度に大量の流体を処理するため容器を大きくする必要があり、その結果、流体を励起させるための照射距離が長くなり超音波の減衰が大きくなる。また、高周波化するにつれて減衰は大きくなるため、MHz帯の超音波処理は難しい。特許文献1は筒状処理容器の中心部に円柱形の圧電振動子が配置され、超音波は静止している流体に対して放射状に出す配置の装置である。これはバッチ方式の超音波処理装置であり連続生産はできない。また、超音波エネルギーは処理槽を大きくして生産効率を上げようとすると放射状方向の減衰が大きくなる。バッチ方式の処理装置は圧電振動子から放射される超音波エネルギー分布を均一にすることが非常に難しい。多数個の圧電振動子を使用しても流体の化学反応は均一になりにくい。特許文献2は処理容器に仕切り板を設けて改善を図っているが、処理容器が大きくなる場合及びナノサイズの化学反応を行う系では反応物組成及び粒径が均一になりにくい。
バッチ方式の処理容器では流体が2種類以上ある場合、圧電振動子の周波数、電力、時間、流体の温度等の反応条件を個別に設定する事が出来ない。反応が起こりにくい系では、流体に個々に最適な超音波を照射して、超音波エネルギーによるキャビテーション発生で活性化及び化学反応を促進しておく必要がある。特許文献3及び特許文献4は2種類の流体の温度や分散条件等をあらかじめ設定して処理容器に送ることができる連続処理装置であるが、個々の流体に予め超音波を照射して活性化してから反応を促進することはできなく、超音波エネルギー効率が悪い。
上記の課題を解決するために本発明の超音波処理装置は、流体を流す配管の一部を切り離して接続した同形状のパイプ状反応管と、応管の円周状に接合した分割されていない一体の圧電振動子と、圧電振動子を駆動させる発振器から構成されており、振器の駆動信号により圧電振動子の形状で決まる円筒殻の径方向振動及び厚み縦振動で応管の中心部に集束する超音波を励振し、同時に励振される幅振動等により発生するガイド波を利用して、液体または液状の流体を流しながら活性化あるいは反応させる構成とした。円筒状、円環状、螺旋状の圧電振動子は応管とは音響整合条件を満たす整合層と柔らかい接着剤を使用し、緩い嵌め合わせ状態(嵌合)で接合している。振器の駆動波形は、サインまたはパルスのバースト波、二つ以上の周波数成分を加算したバースト波で、圧電振動子のインピーダンスと発振器の出力インピーダンスを整合するためのマッチング回路と音響インピーダンスの変化を補正する回路を備えている。
また、反応管の一端をノズル状にした超音波処理装置は反応管の厚みと真円度と表面凹凸をパイプ状円管の円筒軸方向に不規則に変えてガイド波による励起を高めたノズル噴霧型の構成とした。本超音波処理装置はパイプ状配管と同程度の小型な形状なので、超音波処理装置を個以上使用して直列、並列、直並列に配置、並びに同軸状に配置して反応の促進と均一化が改善できる。更に、超音波処理する流体を予め超音波処理装置以外の微細気泡発生装置を使用して多量に微細気泡を含有させてから、連続して本超音波処理装置で活性化あるいは反応させる超音波処理システムが構成できる。
本発明の超音波処理装置は液体又は液状の流体を円管等の反応管に流しながら、流体に超音波を照射するため、連続生産が可能である。また、超音波の照射エネルギーはパイプ状円管の中心部に集束する高エネルギー超音波となり、同時に励起される反応管に伝わるガイド波がモード変換して反応管の内側の流体を励起することにより混合・攪拌効果が加わり、均一で高エネルギーな超音波の励起領域を広く確保することができ、キャビテーション発生による活性化および反応促進が行える超音波処理装置と超音波処理システムが構成できる。
超音波処理システムの基本概念図 第1の実施形態の超音波処理装置 円筒型振動子の形状と分極方向 2層の円筒積層型圧電振動子の形状と分極方向 円環型圧電振動子の形状と分極方向 2層の円環積層圧電振動子の形状と分極方向 渦巻き型圧電振動子の形状と分極方向 螺旋型圧電振動子 第2の実施形態例の超音波処理装置 第3の実施形態例の超音波処理装置 第4の実施形態例の超音波処理装置 第5の実施形態例の超音波処理装置 第6の実施形態例の超音波処理装置 第7の実施形態例の超音波処理装置
以下に本発明の超音波処理容器、7例の超音波処理装置、超音波処理システムに関して最良の実施形態に基づいて説明するが、本発明は以下の実施形態例に限定されるものではない。
図1は本発明の基本的な材料合成、材料活性化処理の超音波処理システムである。流体タンク1からポンプ2により流量計3で流量を制御しながら処理容器6に流体を連続的に送り、反応管9に接合した圧電振動子12を発振器5の駆動信号より駆動し、圧電振動子12の形状で決まる円筒殻の径方向振動及び厚み縦振動で応管の中心部に集束する超音波と、同時に励振される幅振動等により発生するガイド波を利用して、流体に超音波を照射することにより活性化あるいは反応させて、合成物は分離槽7を通して処理物タンク8に溜められる。微細気泡発生装置21は水を含む流体に予め多量の微細気泡(マイクロバブル)を含有させてから、処理容器6で超音波を照射して、流体を活性化させると共に、活性化したマイクロバブル水と流体を反応させるハイブリッド方式の超音波処理システムの構成で使われる。本発明に使用する流体とは液体、気体、固体粒子を含む液状流体で超音波が伝搬できる超音波処理前の前駆体である。本超音波処理装置は流体の分子の活性化、分解及び化学反応の促進、合成並びに2種類以上の液体や気体の混合、微粒子等の固体を含む混合、分散等に用いられる。
第1の実施形態例は図2に示す超音波処理装置であり、流体が流れるパイプ状円管の反応管9、反応管9の円周状に接合した分割されていない一体の圧電振動子12、接着層10、整合層11、絶縁層13からなる処理容器6と、圧電振動子12を駆動させる発振器5とから構成されている。反応管9はパイプ状の配管4と接続されており類似な形状をしている。反応管9の材質として、ステンレス等の金属、ガラス等の無機物、テフロン(登録商標)等の有機物を挙げることができるが、超音波が伝搬する材質であればどんなものでも良い。反応管9の外径は圧電振動子12と接合するため、圧電振動子12の形状の制約を受け、一般的には130mm以下であり、圧電振動子12の円筒殻の径方向振動と厚み縦振動と幅振動を同時に超音波領域で振動させる場合は100mm以下が好ましい。また、バイオ分野に使われる毛細流路の外径はmm前後となる。反応管の厚みは超音波の減衰、反射並びにガイド波の励振を考慮すると外形の30%以下が好ましく、10%以下が更に好ましい。処理容器6に使われる圧電振動子12電圧を印加すると伸縮する材料で一般的にはチタン酸ジルコン酸鉛であるが、円筒殻の径方向振動及び厚み縦振動を利用する場合、チタン酸鉛系の材料が有効である。圧電振動子12の形状と分極方向図3〜図8に示す。分極は強誘電体セラミックスの場合に必要である。セラミックスは単結晶とは異なり結晶の電気双極子の向きがランダムなため高い電圧を印加して揃えないと圧電現象を利用できない。また、超音波領域で厚み縦振動を主に利用する場合分極軸を厚み方向にして周波数定数から計算される厚みにする必要がある。
この場合、圧電振動子12の厚みは材料、形状より異なるが、100kHzの超音波で13〜23mm、1MHzの超音波で1.3〜2.3mmである。図3は円筒型振動子で、分極軸はパイプ状円管の円筒軸に垂直方向で、厚みが薄く円筒軸方向に長い形状をしている。また、分極は銀等の導電体を電極として付け、2kV/mm以上の高電圧を印加する必要があるため、超音波の周波数が低い場合は厚みが大きくなり分極が難しいため、2〜20層の積層化で対応する。図4は図3の円筒型振動子を2層積層したもので円筒殻の径方向振動及び厚み縦振動を強く励振できる。円筒殻の径方向振動と厚み縦振動とは異なる振動モードである。円筒型振動子の円筒殻の径方向振動は円筒の径方向の内側と外側にリング状に振動が伝搬するモードである。共振周波数は円筒の外径と内径の寸法で決まるため、厚み縦振動が厚みだけで決まる振動に対し異なる。本発明では分極方向が円筒軸に垂直の場合を円筒型振動子と定義し、後述する円環振動子は円筒軸に平行に分極している。円筒型振動子の形状は分極軸方向に厚みが0.2mm〜10mmが好ましく、1〜5mmがさらに好ましい。また、外径は100mm以下で、円筒軸方向の長さは5〜50mmが好ましい。また、外径が70mm以下で、円筒軸方向の長さが20〜40mmが更に好ましい。また、円筒型振動子は円筒軸に垂直な方向の真円度または厚みを変化させる事により、反応管内に励起される超音波集束領域を広くする事ができる。また、円周状に非対称になるように変化させたり、円筒軸方向に周期的に変化させると反応管内に集束する超音波領域は線状から円柱状に広がる。真円度、厚みを変える割合は内外径の10%以上で製造、加工精度以上である。図7の渦巻型振動子あるいは図8の螺旋状振動子はその一つである。
図5は円環振動子で、分極軸はパイプ状円管の円筒軸に対して平行に分極されており、圧電振動子12の幅振動を強く励振することにより、パイプ状円管の左右にガイド波が伝搬される。図6は図5を層積層したものである。円環振動子の形状はガイド波を強く励振する時に使われるため分極軸方向の厚みで処理する超音波周波数に合わせる必要があり、分極方向の厚み(円筒軸方向の長さ)は0.2mm〜30mmが好ましい。また、円筒軸に垂直方向の外形は内径を考慮して超音波周波数に合わせるため、5〜100mmが好ましく、10〜60mmが更に好ましい。しかしながら、最適な形状は円筒殻の径方向振動、厚み縦振動、ガイド波励振の2〜3個の振動モードを同時に利用することであるが、超音波の処理目的によっては一つの振動だけで良い場合があり、その場合はこの形状に限定されない。円環振動子の積層化はガイド波のエネルギーを強くする手段であり、分極軸方向が長いので分極し易くする効果がある。3〜50層を積層する事により、共振イーピンダンスを低下させ、共振における副振動が少なくなり強い振動が励振され、パワー密度の高い超音波エネルギーが発生する。
反応管9と圧電振動子12は同形状にして硬い接着剤で薄く密着して接合すると、円筒型、円環型、渦巻き型、螺旋型の圧電振動子の振動が拘束されて強い共振振動が起こりにくくなる。接合は緩い嵌め合いにして、柔らかい接着剤あるいはゴムで接合する事により強い共振振動が励起される。接着層10の厚みは0.01〜10mmが好ましい。接着層10の材質はヤング率が小さい方が良く、100MPa(メガパスカル)以下が好ましく、30MPa以下が更に好ましい。例えば、シリコ−ン系接着剤及び弾性ゴム等にすると良い。整合層11は反応管9の材質と圧電振動子12との音響インピーダンスが大幅に異なる場合または接着剤を厚くした時に、音響整合条件に近づける目的で音響整合用材料を混合して用いる場合が多い。例えば、圧電振動子12の音響インピーダンスは20〜40×10 6 kg/m 2 で、流体が水(音響インピーダンス:1.5×10 6 kg/m 2 s)とした場合で、反応管が金属系の時は整合層が使われることが少なく、反応管がポリエチレン等の場合に使われる。最適な整合条件は圧電振動子12の音響インピーダンスZp、反応管9の音響インピーダンスZa、整合層の音響インピーダンスZmとして、次の式に近づけるようにする。
a <Z m <Z p
Figure 0006327789
絶縁層13は外部環境保護のためにエポキシ樹脂等が用いられる。また、絶縁層13の外側には、反応管内の温度を一定の範囲に調節する目的で恒温用の循環器が設置されている。図の処理容器6の一例として、反応管9の材質がガラスで外形φ32mm、内形φ30mm、長さ100mmで、圧電振動子12の形状が外径φ40mm、内径φ35mm、長さ28mmで、円筒軸面の直角方向に分極した円筒振動子を用いた場合、円筒殻の径方向振動は25kHz付近、厚み縦振動が800kHzに共振周波数を持つ超音波が励振して、反応管9の中心部に超音波エネルギーが集束する。また、同時に反応管9を伝わるガイド波が励起されて、反応管9の左右に伝搬して反応管9を伝わりながら、モード変換して流体に放射される。この例は分極軸方向の厚みを薄くしてMHz帯の振動を強く励振し、同時に円筒殻の径方向振動で低い超音波周波数を励振し、その高調波周波数を利用して幅広い帯域をカバーする集束超音波を利用している。この例のガイド波は前記二つの振動モードにより励振される。
ガイド波とはパイプ状円筒管の円筒軸方向に伝搬する板波で、縦波と横波成分をもつが、本発明に使われるガイド波はP波(縦波)と振動方向に対して板厚方向に変位するSV波(横波)を利用する。非破壊検査等のガイド波では非分散共振モードが使われるが、本超音波処理装置ではモード変換して流体に放射する波を利用するため、分散性が強く縦波成分が多い方が良い。
接着層10と整合層11を含む超音波振動子を駆動制御する発振器5は通常、周波数20〜5000kHzから選択され、超音波振動子の共振インピーダンスと発振器5の出力インピーダンスを整合させるマッチング回路と発熱等で超音波振動子のインピーダンスが変化するのを補正する回路から構成されている。駆動波形は通常サインバースト波であるが円筒殻の径方向振動、厚み縦振動、幅振動の周波数が異なり、同時に励起する場合は矩形波(パルス波)又は二つあるいは三つの周波数成分を加算したバースト波が使われる。
図9に示す第2の実施形態例は、第1の実施形態例を基本にして反応管9に2個の処理容器6と発振器5を直列に配置した超音波処理装置である。流体は最初の圧電振動子12と発振器5との構成で超音波が照射されてから、間隔を置いて次の圧電振動子12と発振器5の構成で照射される配置である。2個の反応容器の間隔はガイド波の伝搬が減衰して小さくなく距離が最適で圧電振動子12の長さの1〜10倍が好ましい。目的は活性化や反応促進するための流体を効率良く活性化するために、超音波放射領域を広く、均一にして生産効率を向上させるものである。円筒殻の径方向振動及び厚み縦振動により管の中心部に集束する超音波は、圧電振動子12の円筒軸方向の長さで活性化・反応の範囲が決まるため、圧電振動子12を2個使って間隔を置く事により、圧電振動子12の間はガイド波による励起と集束超音波の音響流による混合、攪拌効果で均一な活性化領域を確保する例である。また、最初の圧電振動子12の上流側と2個目の圧電振動子12の下流側にガイド波を反射させる構造の一つとして反射板15を設置することにより、ガイド波の反射板15でガイド波が反射されて、エネルギー閉じ込めのような状態が起きる。ガイド波の反射は反応管9の端を直角に切断する事でも実現できるが、反応管9と音響インピーダンスの異なる金属リング等を用いた例である。
10の第3の実施形態例は、第2の実施形態例の反応容器が2個並列にあり、種類の流体を別々に流して発振器5と発振器17で超音波条件(周波数、電力等)を変えて処理した処理物A14と処理物B16をY字型の合流路で混合して、更に反応を促進するのために合流路に処理容器を設置して発振器22で超音波を照射して合成物C18を合成する超音波処理装置である。Y字型の合流路は短い流路になるように設計する事により活性化した流体同士が混合、攪拌されて反応が促進する。また、合流方式はY字型以外でもかまわない。
11の第4の実施形態例は第2の実施形態例の処理容器を同軸状に2重にしたもので、内側の反応管と外側の反応管に挟まれた流体は外側の円筒振動子で円筒殻の半径方向振動の集束する超音波が照射され、内側の円筒振動子では円筒殻の半径方向振動で外側に超音波が放射するため、外側を流れる流路の流体は両方の超音波照射で励起されるため、極めてエネルギー密度が高い励起となるため、活性化しにくい流体の時に使われる。内側の反応管で超音波処理をした処理物A14と両方の超音波で処理した処理物B16は図示されていない合流する流路で混合、攪拌されて化学反応が促進する超音波処理装置である。また、加圧溶解法等による微細気泡発生装置でオゾン等の微細気泡を多量に発生させてから本反応容器に連続的に流して超音波処理することにより、酸素活性種の生成及び活性種と流体との反応が大幅に促進する超音波処理システムが構成できる。
12の第5の実施形態例は反応管19の片方の先端をノズルにして、反応管19に円環振動子(図5、6)を嵌合して、幅振動による強いガイド波の励振と円筒殻の径方向振動で管の中心部に集束する超音波を利用する超音波処理装置である。一端がノズルになっており、円環振動子からノズルの先端までの反応管19の外側表面を円筒軸方向及び円周方向に不規則に凸凹にし、円筒軸方向に厚みを不規則に変える事によりガイド波の分散が大きくなり反応管内へモード変換する超音波の励起を大きくすることができる。表面凹凸は加工精度の一般公差の10倍以上で、mm単位の凸凹が有効である場合がある。厚みの周期は周波数により異なるが、1〜50mmが好ましい。先端ノズルはガイド波が反射するように端を直角に切断して、先端付近におけるガイド波による励起を大きくして、霧状の活性化処理物を噴霧することができる。
12の処理容器6の一例として、テフロン樹脂の反応管19を使用して反応管19の外形φmm、内形φmmで、層積層円環振動子使用して、円環振動子の形状が外径φ20mm、内径φ6.1mm、円筒軸方向の長さmmで、円筒軸方向に分極している。円環振動子テフロン樹脂製の反応管19とシリコン系樹脂で嵌合している。この例は幅振動が650kHz付近に強く励振されて、ガイド波伝搬に寄与して、円筒殻の径方向振動は65kHz付近に励起されて集束超音波となり、反応管内の流体14を活性化あるいは反応促進してノズル先端から反応物を霧状に噴霧する超音波処理装置の例である。
13の第6の実施形態例は第5の実施形態例の処理容器を2重に同軸状に重ねたものである。内側の反応管と外側の反応管に挟まれた流路の流体は、外側の円筒振動子で集束する超音波と内側の円筒振動子で放射する超音波で励起されて処理物B16となり、内側の円筒振動子で超音波処理された処理物A14と先端ノズル部で噴霧合成されて霧状の噴霧合成物Dを合成する超音波反応装置である。反応した合成物は霧状に細かく噴霧されるため、超微粒子の合成に有効である。
14の第7の実施形態例は図2の実施形態例の反応容器に恒温用循環器を設置したものである。本超音波処理装置は圧電振動子12の形状で決まる円筒殻の径方向振動及び厚み縦振動で反応管の中心部に集束する超音波を利用するため、発振器の投入電力が大きく流量が少ない時は高温になる。また、圧電振動子も投入電力が高い状態で長く使用していると、熱が蓄積して温度が高くなり共振インピーダンスが変化するため、限定される訳ではないが許される幅の範囲に温度を調節する必要がある。通常の温度調節範囲は3゜Cから10゜Cである。
循環方式は図示されていない冷却水循環装置から管外恒温用循環器23並び管内恒温用循環器24の入口25から出口26に流れる。管外恒温用循環器23の構造は容器循環方式や螺旋状パイプ巻き付け方式等が用いられる。管内恒温用循環器24は反応管9と相似形の金属円筒管にして管の中心部に配置する事により、管内恒温用循環器24の表面で集束超音波の反射が起こるため、集束する超音波領域が円筒状になる。また、反応管9の内側から管内恒温循環器24の外形までの距離を波長の整数倍にすることにより、超音波の反射が効率良く起こり反応管9内の活性化及び反応の超音波領域を広げて、超音波エネルギーの均一性が改善できるといった利点がある。
本超音波反応装置はソノケミカル反応を利用した流通型超音波装置として、化学反応の促進、分解が難しい環境汚染物質の除去、ナノメートルサイズの粒子製造、バイオ燃料製造等で注目を浴びており連続して効率良く生産できる装置が嘱望されているが、大量に処理できる装置はまだ実用化されていない。
1 流体タンク
2 ポンプ
3 流量計
4 配管
5 発振器A
6 処理容器
7 分離槽
8 処理物タンク
9 反応管
10 接着層

Claims (11)

  1. パイプ状円管の反応管、及び、
    反応管の外面に接着剤あるいはゴムによって接合された、分割されていない一体の圧電振動子、
    を有する超音波処理容器であって、
    圧電振動子は、強誘電体セラミックスから成り、
    反応管に伝わるガイド波を反射させる反射板が、圧電振動子の上流側及び下流側の反応管の外面に取り付けられており、
    反射板は、反応管と音響インピーダンスの異なる金属リングから成る超音波処理容器。
  2. 反応管及び圧電振動子の少なくともいずれかが、円筒軸方向及び円周方向の少なくともいずれかに、厚み、真円度及び表面凹凸の少なくともいずれかを変化させて成る請求項1に記載の超音波処理容器。
  3. 圧電振動子の分極方向は、反応管の円筒軸に垂直である請求項1に記載の超音波処理容器。
  4. 圧電振動子の幅振動によって、パイプ状円管の反応管の円筒軸方向にガイド波が伝搬される請求項3に記載の超音波処理容器。
  5. 圧電振動子の外径は100mm以下、分極軸方向の厚みは、0.2mm以上、10mm以下である請求項3又は請求項4に記載の超音波処理容器。
  6. 圧電振動子は、反応管の外面に、厚み0.01mm乃至10mmの接着よって取り付けられている請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の超音波処理容器。
  7. 反応管の円筒軸方向に沿って2つの圧電振動子が配設されている請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の超音波処理容器。
  8. 反応管の外側表面は、反応管の円筒軸方向及び反応管の円周方向に不規則な凸凹を有する請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の超音波処理容器。
  9. 圧電振動子の外面に整合層が取り付けられている請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の超音波処理容器。
  10. 反応管に導入される流体に予め微細気泡を導入する微細気泡発生装置を更に備えている請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の超音波処理システム。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の超音波処理装置が、直列、並列及び同軸状の少なくともいずれかで配置されている超音波処理装置。
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