JP4088938B2 - 反応装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、超音波を用いた化学反応装置に関する。詳しくは、球状または筒状反応槽の中に超音波エネルギーを放射する円柱状または円筒状の放射体を配置することによって、超音波エネルギーの放射面積が大きくし、超音波エネルギーが均一に反応槽中の反応物を照射することができ、実用化に適した反応装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、超音波振動を用いた反応装置は、超音波洗浄器のように、反応槽の底面に超音波振動子を配置し、反応槽底面の振動により超音波を放射する超音波反応装置を用いられている。
また、反応槽の側面に超音波振動子を配置し、振動子の放射面から超音波を放射する構成を有する反応装置が提案されている(特開2000−202277号公報参照)。化学反応の過程中、振動子から超音波エネルギーを放射し、化学反応を促進する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したように、反応槽の底面または側面の外側から数個の超音波振動子を取り付ける場合、超音波エネルギーの放射面積が小さいため、反応槽内の反応物を均一に照射することができない、反応装置の大型化が困難である。
そこで、この発明は、超音波エネルギーが均一に反応槽中の反応物を照射することができ、実用化に適した反応装置を提供することを目的とする。
【0004】
この発明の係る反応装置は、球状または筒状反応槽と、超音波エネルギーを放射する円柱状または円筒状の放射体とを備え、上記放射体の一端に少なくとも1つの周波数の超音波振動を発生する振動子が設けられ、上記放射体は、上記振動子の発振周波数に対応する波長λである場合、長さLがλ/2の数倍とされ、かつ直径dがλ/3〜λ/4とされ、上記放射体を上記反応槽の中に配置するように、上記放射体の上記振動子が設置された端を上記反応槽に固定し、上記放射体の側面、又は他端および側面が放射面として上記反応槽内へ超音波を放射するものである。例えば、反応槽の中部に、攪拌用プロペラを有する攪拌装置が設置され、該攪拌装置の周りに所定間隔に複数の上記放射体が配置される
【0005】
この発明においては、反応槽内に円柱または円筒状、例えば長さが少なくとも1つの超音波振動の周波数に対して、該超音波振動の半波長の整数倍に設定されている超音波放射体を1個以上配置することによって、超音波エネルギーの放射面積が大きくし、超音波エネルギーが均一に反応槽中の反応物を照射することが可能となる。
また、反応槽の中部に、攪拌用プロペラを有する攪拌装置を設置することで反応物を攪拌することでき、超音波エネルギーが均一に反応槽中の反応物を照射することが可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、第1の実施の形態の反応装置100の構成を示している。
この反応装置100は、有底円筒状の反応槽4と、超音波発振器1と、振動子2と、超音波エネルギーを放射する放射体3とから構成されている。
反応槽4は、外側に反応温度を制御する循環液用ジャケット5が設けられている。ジャケット5には循環液入口9と循環液出口10が配置されている。また、反応槽4の上部側面には反応物入口7が設けられている。反応槽4の下部には反応物出口8が設けられている。反応槽4の上部は、フランジを用い、超音波の放射体3を固定すると共に、反応槽を密封させる。
【0009】
振動子2は、超音波発振器1からの電気信号を機械振動に変換するものである。本実施の形態においては、振動子2の発振周波数は20kHzとされる。
放射体3は、例えば円柱形とされる。放射体3の一端は超音波を発振する振動子2が取り付けられている。なお、放射体3は円筒形にしてもよい。
図2は、放射体3の構成を示している。図2(a)は、円柱形放射体3の構成、図2(b)は、円筒形放射体3aの構成である。図2に示すように、放射体3の長手方向の長さLは、超音波振動子の発振周波数に対応する波長λである場合、λ/2の整数倍とされる。放射体3の直径dはλ/3〜λ/4とされる。
【0010】
なお、振動子2は複数の周波数、例えば20kHzと40kHzを発生することができるものを用いる場合、20kHzの周波数に対応する波長がλ20であり、40kHzの周波数に対応する波長がλ40である時、放射体3の長手方向の長さLは、λ20/2の整数倍とλ40/2の整数倍との公倍数とされる。
このように本実施の形態においては、円筒形反応槽4の中に径方向に超音波エネルギーを放射する放射体3を配置することによって、超音波エネルギーの放射面積が大きくし、超音波エネルギーが均一に反応槽4の中の反応物を照射することができる。
なお、反応槽4の容積が大きな場合、円筒形反応槽4の所定半径の位置に均等に複数、例えば2〜8個の放射体を配置してもよい。この場合、図3に示すように、反応装置200の反応槽4の中部に攪拌装置を設けてもよい。
【0011】
次に、第2の実施の形態の反応装置300について説明する。
図4は、第2の実施の形態の反応装置300の構成を示している。この反応装置200は、有底円筒状の反応槽4と、超音波発振器1と、振動子2と、超音波エネルギーを放射する放射体3と、放射体3の先端に配置された反応物を攪拌するプロペラ13とから構成されている。
反応槽4は、外側に反応温度を制御する循環液用ジャケット5が設けられている。ジャケット5には循環液入口9と循環液出口10が配置されている。また、反応槽4の上部側面には反応物入口7が設けられている。また、反応物出口8が設けられている。反応槽4の上部は、フランジを用い、超音波の放射体3を固定すると共に、反応槽4を密封させる。
【0012】
放射体3は、例えば円柱形とされる(図2(a)参照)。この放射体3の一端は超音波を発振する振動子2が取り付けられている。図2に示すように、放射体3aの長手方向の長さLは、超音波振動子の発振周波数に対応する波長λである場合、λ/2の整数倍とされる。放射体3aの直径dはλ/3〜λ/4とされる。なお、放射体3は、図2(b)に示すように円筒形にしてもよい。
振動子2は、超音波発振器1からの電気信号を機械振動に変換するものである。本実施の形態においては、振動子2の発振周波数は20kHzとされる。
プロペラ13は、回転自由に放射体3の先端に装着される。放射体3の先端から放射された超音波がプロペラ13に当たって反射されると共にプロペラ13を回転させる。プロペラ13の回転することによって、反応物が攪拌される。
このように本実施の形態においては、円筒形反応槽4の軸上に径方向に先端にプロペラ13装着された放射体3を配置することによって、超音波エネルギーを均一に反応槽4中に放射することができると共に、反応槽4の中の反応物を攪拌することができる。
【0013】
【発明の効果】
この発明によれば、反応槽内に円柱または円筒状の超音波放射体を配置するすることによって、超音波エネルギーの放射面積が大きくし、超音波エネルギーが均一に反応槽中の反応物を照射することができる。また、振動子は複数の周波数を発生することができるものを用いる場合、異なる周波数で反応物を照射することができ、多種の反応物に適する。
また、この発明によれば、反応槽内に、攪拌用プロペラを有する円柱または円筒状の超音波放射体を配置することによって、超音波エネルギーの放射面積が大きくすると共に、超音波による発生した直進流でプロペラを回転させ、攪拌を行い、超音波エネルギーが均一に反応槽中の反応物を照射することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の反応装置の構成を示す図である。
【図2】放射体の構成を示す図である。
【図3】第1に実施の形態の反応装置の構成の他の例を示す図である。
【図4】第2に実施の形態の反応装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1・・・超音波発振器、2・・・振動子、3,3a・・・放射体、4・・・反応槽、5・・・ジャケット、6・・・フランジ、7・・・反応物入口、8・・・反応物出口、9・・・循環液入口、10・・・循環液出口、11・・・止め具、12・・・ケース、13・・・プロペラ、20,100,200・・・反応装置、

Claims (2)

  1. 球状または筒状反応槽と、
    超音波エネルギーを放射する円柱状または円筒状の放射体とを備え、
    上記放射体の一端に少なくとも1つの周波数の超音波振動を発生する振動子が設けられ、
    上記放射体は、上記振動子の発振周波数に対応する波長λである場合、長さLがλ/2の数倍とされ、かつ直径dがλ/3〜λ/4とされ
    上記放射体を上記反応槽の中に配置するように、上記放射体の上記振動子が設置された端を上記反応槽に固定し、
    上記放射体の側面、又は他端および側面が放射面として上記反応槽内へ超音波を放射する
    ことを特徴とする反応装置。
  2. 上記反応槽の中部に、攪拌用プロペラを有する攪拌装置が設置され、該攪拌装置の周りに所定間隔に複数の上記放射体が配置される
    ことを特徴とする請求項1に記載の反応装置。
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