JP6326013B2 - 中空合成樹脂板の端面処理装置、その端面処理装置を用いた端面処理方法、並びにその端面処理装置により処理された中空合成樹脂板 - Google Patents

中空合成樹脂板の端面処理装置、その端面処理装置を用いた端面処理方法、並びにその端面処理装置により処理された中空合成樹脂板 Download PDF

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Description

本発明は、一般的なコンテナやパレット等の構成物の用途に用いられる中空合成樹脂板(特には、少なくとも、一般的に「厚物」と呼称される約9mm〜15mm程度の厚みを有する中空合成樹脂板)の端面処理を行うための端面処理装置、その端面処理装置を使用する端面処理方法、並びに、その端面処理装置を用いて端面処理された中空合成樹脂板に関する。
従来、防水や防塵、安全性や外観品質の向上等の観点から、中空合成樹脂板からなる被処理板材の端面に、いわゆるR面(少なくともその端面の上端側及び下端側が断面視円弧輪郭となる曲面)を形成処理することが一般になされている。
このような中空合成樹脂板の端面の処理方法に関するものとして、例えば、熱可塑性樹脂よりなり、上面板と下面板とが複列のリブにより橋絡されている段ボール紙状の中空樹脂パネルの端面に対して、端面に呈出しているリブの複数の小口又は最外部のリブの外面を上下に二分する位置で加熱しながら内側に向かって切込み、端面部分が可塑状態のうちに端面の上面板と下面板とを連続的に内側に寄せ付け突き合せ、端面を閉じ成形することを特徴とする中空樹脂パネルの端面処理方法が公知である(例えば、特許文献1参照。)。
また、上面板(表壁)と下面板(裏壁)間に複数のウェブが等間隔に一体成形された中空合成樹脂板の端面処理方法であって、前記中空合成樹脂板を所定位置で保持し、該中空合成樹脂板の溝開口部が面している端面に対して、頂部が三角柱状に形成されその頂角が30°〜100°の範囲にある成形熱板を前記頂部がウェブに突き当たるように変位させることにより、前記ウェブの端部を端縁から軸方向に略三角状に加熱溶融させると共に、前記成形熱板の傾斜辺が前記上面板端部及び下面板端部に接触することによって前記上面板端部及び下面板端部をその内面側から加熱し、該上面板端部と下面板端部を成形板により前記ウェブ端部の溶融部を包込むよう屈曲成形して上面板端縁と下面板端縁を互いに溶融接合させることにより、前記ウェブ間の溝開口部が面している端面をシール成形することからなり、前記中空合成樹脂板がケースブランクであり、該ケースブランクは少なくとも底壁フラップ端面部及び上壁フラップ端面部を前記シール成形し、前記ケースブランクの糊代部の両側端面部及びフラップ間の切込端面部は、上方から熱板により熱溶着シールしてなり同一ステーションで、ケースブランクの形状に対応して前記底壁フラップ端面部及び上壁フラップ端面部の前記シール成形と、糊代部の両側端面部及びフラップ間の切込端面部の熱溶着シールを一工程で同時に行うことを特徴とする中空合成樹脂板の端面処理方法、その端面処理方法を行う装置、並びに、当該中空合成樹脂板が公知である(例えば、特許文献2参照。)。
特許第2546605号 特許第3886272号
上記特許文献1に係る中空樹脂パネルの端面処理方法は、当該中空樹脂パネルを移動させつつ、熱刃により加熱しながら上面板と下面板とを可塑状態として、押さえローラ等により上面板の端面と下面板の端面とを進行方向に順次連続して突き合わせて行うものである。当該特許文献1の図3には、このようにして形成された端面を示す断面図が開示される。
上記方法によれば、中空樹脂パネルの端面を簡単かつ迅速に閉じ処理でき、中空樹脂パネルの端面の見映えを良好とできる。そして、このような中空樹脂パネルは、箱体、仕切部材、商品ケース、物品載置用パレット等の広範な用途に供し得ることが開示されている。
しかしながら、過酷な環境下で繰り返し使用される折畳みコンテナや、物品載置用パレット等の用途においては、ハンドリフトやパレット等と当該端部との衝突が頻繁に起きる。
このため上記特許文献1に開示されるような中空樹脂パネルの端面処理方法おいては、進行方向に順次連続して突き合わせて閉じ処理された当該端部の強度は十分とは言えず、閉じ処理された端面は破損する虞があった。
上記特許文献2に係る中空合成樹脂板の端面処理方法は、特に同文献の図2(a)に開示される樹脂製段ボール等に使用されるケースブランクについて、ウェブによって形成された両端面が開口している貫通の開口溝4を同図2(b)、図3に示すように、端面処理するものである。同文献の図1に示すように、中空合成樹脂板を保持し、該中空合成樹脂板の溝開口部のある端面に対して、頂部が三角柱状に形成されその頂角が30°〜100°の範囲にある成形熱板を突き当て、一対の成形板によって、上側面及び/又は下側面の端部を円弧状に湾曲しながらで端部相互を溶融接合する形状とするものである。
当該ケースブランクの端面処理は、ウェブを一定間隔で介在させながら上面板と下面板を突き合わせる構成である。このため、特許文献1と比較してウェブが存在している部分において強度が向上する。しかしながら、ウェブが存在しない部分での強度は特許文献1に開示される発明と変わらず、依然として閉じられた端面は破損する可能性があった。
また一方で、中空合成樹脂板の一つとして、上下に開口するハニカム構造のコア材を当該上下から構成板で前記開口を閉塞して挟持した構造を有する中空合成樹脂板(以下、「ハニカム構造の中空合成樹脂板」という。)等が公知である。
またこのような中空合成樹脂板において、一般的な厚物よりも更に厚手であり、一例としては約30mm程度(製品の精度のばらつき等により、数mmの増減を有するものを含む。)にもなる極厚の中空合成樹脂板(以下、単に「極厚の中空合成樹脂板」という。)が、近年市場に流通している。
上記先行文献1に係る発明の構成によれば、当該中空樹脂パネルを移動させつつ、熱刃により加熱しながら上面板と下面板とを可塑状態として、押さえローラ等により、薄手の上面板の端面及び下面板の端面を進行方向に順次連続して突き合わせるものであるから、
上下に開口するハニカム構造のコア材を当該上下から構成板で前記開口を閉塞して挟持した構造を有する中空合成樹脂板や、前記した厚物や極厚の中空合成樹脂板の端面自体を十分な可塑状態とすることは、非常に困難である。
また、先行文献2に開示され、処理対象となる一般的なプラスチック段ボールは、従来から市場に流通している中空合成樹脂板を用いるものであり、当該中空合成樹脂板は、厚手の場合であっても概ね15mm程度の厚物である。
上記先行文献2の中空合成樹脂板の端面処理方法において、上記極厚の中空合成樹脂板の端面処理を行う場合には、その過大な厚み寸法によって上面板、下面板、ウェブの各部に対して熱伝達が不十分となることが多く、また、そのような過大な厚み寸法を有する極厚の中空合成樹脂板の端部全体に十分な加熱を行おうとすると、当該極厚の中空合成樹脂板が部分的に過度の溶融を招来し、端面処理が困難となり易い。以上から先行文献2に係る端面処理方法においても、その処理を効率的に行うことは非常に困難であった。
本発明は以上の事情に鑑みてなされたものであり、十分に端面の強度を有する中空合成樹脂板の端面処理装置、当該端面処理装置を用いた端面処理方法、並びにその端面処理装置によって端面処理された中空合成樹脂板の提供を、発明が解決しようとする課題とする。
また本発明は、極厚の中空合成樹脂板であっても、端面の強度を十分に確保できる中空合成樹脂板の端面処理装置、当該端面処理装置を用いた端面処理方法、並びにその端面処理装置によって端面処理された中空合成樹脂板の提供を、発明が解決しようとする課題とする。
また本発明は、中空合成樹脂板がハニカム構造のコア部材を一体形成した中空合成樹脂板であっても、十分に端面の強度を有する中空合成樹脂板の端面処理装置、端面処理方法、並びにその端面処理装置によって端面処理された中空合成樹脂板の提供を、発明が解決しようとする課題とする。
また本発明は、上記課題に加えて、端部処理を効率的に行うことができる中空合成樹脂板の端面処理装置、当該端面処理装置を用いた端面処理方法、並びにその端面処理装置によって端面処理された中空合成樹脂板の提供を、発明が解決しようとする課題とする。
本発明は、装置本体と、該装置本体から上下動可能として配置される長尺の熱処理部と、前記熱処理部に対して進退可能に配置され、中空合成樹脂板を載置するための載置台と、該載置台上に載置される中空合成樹脂板を保持し且つ移動可能となる保持部とを備え、前記長尺の熱処理部は、熱源となる加熱部材と、前記中空合成樹脂板の端部処理のための加熱成形金型と、断熱部と、冷却成形金型とを備え、前記加熱部材と前記加熱成形金型を当接し、該加熱成形金型の上方に前記断熱部を介して前記冷却成形金型を配置した構成とし、前記加熱成形金型は側面に複数の成形型部を有し、一の成形型部は長手方向に連続する凸条型部とし、他の一の成形型部は長手方向に断面視円弧状の曲面が連続する凹条型部を有し、前記冷却成形金型は長手方向に曲面及び/又は平面が連続する冷却凹部を有し、前記載置台は前記保持部とともに前記中空合成樹脂板を長尺の熱処理部に対して進退可能としたことを特徴とする中空合成樹脂板の端面処理装置を、上記課題を解決するための手段とする。
また本発明は、上記端面処理装置に係る発明の構成を前提として、前記熱処理部に対する係脱部と中空合成樹脂板を位置決めするための当接面とを有する位置決め手段を備え、前記熱処理部は前記係脱部に対応する熱処理側係脱部を備え、前記位置決め手段の係脱部と熱処理部の熱処理側係脱部との係止状態で、前記当接面が装置本体の上部で保持された中空合成樹脂板と垂直に配置されることを特徴とする請求項1記載の中空合成樹脂板の端面処理装置を、上記課題を解決するための手段とする。
また本発明は、上記何れかの端面処理装置に係る発明の構成を前提として、前記加熱成形金型は、左右両側面に対称となる成形型部を有し、前記加熱成形金型の左右両側に前記載置台を配置し、当該左右の載置台に載置された中空合成樹脂板が加熱成形金型を挟むように押圧する構成としたことを特徴とする中空合成樹脂板の端面処理装置を、上記課題を解決するための手段とする。
また本発明は、上記何れかの端面処理装置に係る発明の構成を前提として、前記加熱成形金型の凹条型部は断面視円弧状輪郭を有し、前記冷却成形金型の冷却凹部は、前記加熱成形金型の凹条型部と異なる大きさ又は異なる形状であることを特徴とする空合成樹脂板の端面処理装置を、上記課題を解決するための手段とする。
また本発明は、上記何れかの端面処理装置に係る発明の構成を前提として、中空合成樹脂板の進退方向の直線移動を案内するガイド面を有するガイド部を、前記載置台上に備えたことを特徴とする中空合成樹脂板の端面処理装置を、上記課題を解決するための手段とする。
また本発明は、中空合成樹脂板の端面を、熱処理部によって溶融固化する中空合成樹脂板の端面処理方法において、中空合成樹脂板を保持するための保持部と、載置台とを備え、前記熱処理部は、上下に移動可能な長尺の熱処理部であり、且つ、熱源となる加熱部材と、中空合成樹脂板の端部処理のための加熱成形金型と、断熱部と、冷却成形金型とを備え、前記加熱部材と加熱成形金型を当接し、該加熱成形金型の上方に断熱部を介して冷却成形金型を配置し、前記加熱成形金型は側面に複数の成形型部を有し、一の成形型部は長手方向に連続する凸条型部とし、他の一の成形型部は長手方向に断面視円弧状の曲面が連続する凹条型部を有し、前記冷却成形金型は長手方向に曲面及び/又は平面が連続する冷却凹部を有しており、第一処理工程として、加熱された前記一の成形型部を、中空合成樹脂板の端面と一致する高さとして、前記中空合成樹脂板の端面を当該第一の成形型部に対して押圧し、当該中空合成樹脂板の端面のうち上部及び下部に突出部を形成した加熱溶融状態とする工程を行い、第二処理工程として、当該中空合成樹脂板を当該第一の成形型部から離間した後、加熱された第二の成形型部を前記中空合成樹脂板の端面と一致する高さとして、前記中空合成樹脂板の端面を当該第二の成形型部に対して押圧し、当該中空合成樹脂板の端面における上下の突出部を前記第二の成形型部の曲面に沿って湾曲させて断面視円弧輪郭を形成する工程を行い、第三処理工程として、当該中空合成樹脂板を当該第二の成形型部から離間した後、前記冷却成形金型を前記中空合成樹脂板の端面と一致する高さとして、前記中空合成樹脂板の端面を当該冷却成形金型に対して押圧し、前記中空合成樹脂板の端面における巻き込まれた上下の突出部を潰して内部密度を高めるとともに端面の外観処理をする工程を行うことを特徴とする中空合成樹脂板の端面処理方法を、上記課題を解決するための手段とする。
また本発明は、上記端面処理方法に係る発明の構成を前提として、前記第一処理工程より前工程として、中空合成樹脂板の位置決めを行うための位置決め工程を有し、当該位置決め工程は、熱処理部との係脱部と中空合成樹脂板を位置決めするための当接面とを有する位置決め手段を用い、当該位置決め手段の係脱部を熱処理部に対して係止し、当該係止状態で当接面に対して、中空合成樹脂板の端面を当接して、当該中空合成樹脂板の位置決めを行うものであることを特徴とする中空合成樹脂板の端面処理方法を、上記課題を解決するための手段とする。
また本発明は、上記何れかの端面処理方法に係る発明の構成を前提として、前記加熱成形金型は、左右両側面に対称となる成形型部を有し、前記加熱成形金型の左右両側に前記載置台を配置し、当該左右の載置台に載置された中空合成樹脂板が加熱成形金型を挟むように押圧して、前記第一処理工程、前記第二処理工程、前記第三処理工程を行うことを特徴とする中空合成樹脂板の端面処理方法を、上記課題を解決するための手段とする。
また本発明は、上記何れかの端面処理方法に係る発明の構成を前提として、前記中空合成樹脂板が、上下に開口するハニカム構造のコア材を当該上下から構成板で前記開口を閉塞して挟持した構造を有する中空合成樹脂板であることを特徴とする中空合成樹脂板の端面処理方法を、上記課題を解決するための手段とする。
また本発明は、上記いずれかに記載の中空合成樹脂板の端面処理装置を使用する重合した中空合成樹脂板の端面処理方法であり、前記加熱成形金型、若しくは加熱成形金型及び冷却成形金型に対して、前記重合した中空合成樹脂板の端面を押圧し、各中空合成樹脂板の端部相互を固着一体とすることを特徴とする中空合成樹脂板の端面処理方法を、上記課題を解決するための手段とする。
(削除)
また本発明は、当該中空合成樹脂板相互を重合し、加熱成形金型、若しくは加熱成形金型及び冷却成形金型に対して、前記重合した中空合成樹脂板の端面を押圧し、当該端部において重合した各中空合成樹脂板相互を固着一体とすることを特徴とする中空合成樹脂板の端面処理方法を、上記課題を解決するための手段とする。
本発明によれば、装置本体と、該装置本体から上下動可能として配置される長尺の熱処理部と、水平方向へ移動可能に配置され、中空合成樹脂板を載置するための載置台と、該載置台上に載置される中空合成樹脂板を保持し且つ載置台とともに水平方向へ移動可能となる保持部とを備え、前記長尺の熱処理部は、熱源となる加熱部材と、前記中空合成樹脂板の端部処理のための加熱成形金型と、断熱部と、冷却成形金型とを備え、前記加熱部材と前記加熱成形金型を当接し、該加熱成形金型の上方に前記断熱部を介して前記冷却成形金型を配置した構成とし、前記加熱成形金型は側面に複数の成形型部を有し、一の成形型部は長手方向に連続する凸条型部とし、他の一の成形型部は長手方向に断面視円弧状の曲面が連続する凹条型部を有し、前記冷却成形金型は長手方向に曲面及び/又は平面が連続する冷却凹部を有し、前記載置台は前記保持部とともに前記中空合成樹脂板を長尺の熱処理部に対して進退可能としたから、加熱状態の前記凸条型部によって当該中空合成樹脂板に半溶融状の上部及び下部に形成された突出部を形成し、これを筒内周状の曲面が連続する凹状型部によって、曲面に沿って湾曲させて内側へ巻き込み状態とした上で、冷却成形金型により潰して内部密度を高めるから、当該端面の強度を著しく向上させることができる。
また本発明によれば、装置本体の上部から出入可能に配置される長尺の熱処理部を備えた構成としたことから、載置台上に配置された処理後の中空合成樹脂板の移動の際に、当該長尺の熱処理部を装置本体内へ入り込んだ状態とすることで、当該中空合成樹脂板が熱処理部に干渉することなく簡単に移動させることができ、処理効率を高めることができる。
また請求項2に係る発明によれば、上記端面処理装置に係る発明の構成を前提として、熱処理部との係脱部と中空合成樹脂板を位置決めするための当接面とを有する位置決め手段を備え、熱処理部は前記係脱部に対応する熱処理側係脱部を備え、前記位置決め手段側の係脱部と熱処理部の熱処理側係脱部との係止状態で、前記当接面が装置本体の上部であって保持された中空合成樹脂板の水平位置に配置されるものとしたから、当該係止状態で位置決め手段側の係脱部と熱処理部の熱処理側係脱部との相対的な位置が確保された上で、当該位置決め手段によって中空合成樹脂板の位置決めを行うことができるから、合成樹脂板の長手に亘る端面において、上記請求項1に係る発明の作用効果を実現できる。
また請求項3に係る発明によれば、上記何れかの端面処理装置に係る発明の構成を前提として、前記加熱成形金型は、左右両側面に対称となる成形型部を有し、前記加熱成形金型の左右両側に前記載置台を配置し、当該左右の載置台に載置された中空合成樹脂板が加熱成形金型を挟むように押圧する構成としたことから、左右からの加熱成形金型への押圧力をバランスさせることで装置に対する負荷が低減できるとともに、各処理工程による一連の処理によって、生産効率を大幅に向上させることができる。
また、装置本体の上部から出入可能に配置される長尺の熱処理部を備えた構成と、左右両側に載置台を配置した構成とによって、左右何れか一方の載置台上に配置した合成樹脂板を他方の載置台上に配置する場合等においても、当該中空合成樹脂板が長尺の熱処理部と干渉することなく載置台上を移動させることができるため、効率の良い流れ作業を実現できる。
また、請求項4に係る発明によれば、上記何れかの端面処理装置に係る発明の構成を前提として、前記加熱成形金型の凹条型部は断面視円弧状輪郭を有し、
前記冷却成形金型の冷却凹部は、前記加熱成形金型の凹条型部と異なる大きさ又は異なる形状であることとしたから、加熱成形金型によって処理された当該中空合成樹脂板の断面視円弧状輪郭となる端面が、当該加熱成形金型の凹条型部と異なる大きさ又は異なる形状前記冷却凹部によって押圧変形され、端面からその内側へ至る樹脂密度を高めることにより、当該端面の強度を飛躍的に向上させることができる。この端面の強度を向上させる効果は、従来のいわゆる厚物の中空合成樹脂板のみならず、従来非常に困難であった極厚の中空合成樹脂板においても得ることができる。
また、請求項5に係る発明によれば、上記何れかの発明の構成を前提として、中空合成樹脂板の進退方向の直線移動を案内するガイド面を有するガイド部を、前記載置台上に備えたことから、上記何れかの発明の作用効果を奏する上に、万一、加熱成形金型による処理において当該加熱成形金型の温度分布に僅かにばらつきが生じ、当該中空合成樹脂板の端部に部分的な溶融状態の不具合が生じた場合であっても、当該ガイド面に沿って中空合成樹脂板を移動できることで当該中空合成樹脂板が歪むことがなく、その結果端面処理を安定して行うことができる利点を有する。
また、請求項6に係る発明によれば、第一処理工程によって当該中空合成樹脂板の端面のうちコア材の中央部が内側へ変形され、上部及び下部に形成された突出部が加熱され、第二処理工程によって、第二の成形型部の曲面に沿って湾曲させて内側へ巻き込み状態となるとともに十分な熱伝導が行われ、これを第三処理工程における冷却成形金型により潰しながら冷却して内部密度を高めるから、これによって、当該端面の強度を著しく向上させることができる。
また、請求項7に係る発明によれば、上記端面処理方法に係る発明の構成に加えて位置決め手段を備えたことから、当該中空合成樹脂板の端面の長手に亘って、安定して、第一処理工程から第三処理工程までの一連の処理を行うことができ、端面の長手に亘って、強度を著しく向上させることができる。
また請求項8に係る発明によれば、上記何れかの端面処理方法に係る発明の構成に加えて、前記加熱成形金型の左右両側に前記載置台を配置し、当該左右の載置台に載置された中空合成樹脂板が加熱成形金型を挟むように押圧するものとしたから、左右からの加熱成形金型への押圧力をバランスさせることで装置に対する負荷が低減できるとともに、各処理工程による一連の処理によって、生産効率を大幅に向上させることができる。
また請求項9に係る発明によれば、上記何れかの端面処理方法に係る発明の構成を前提として、前記中空合成樹脂板が、上下に開口するハニカム構造のコア材を当該上下から構成板で前記開口を閉塞して挟持した構造を有する中空合成樹脂板としたことから、当該中空合成樹脂板が極厚のものであっても、第一処理工程によって当該中空合成樹脂板の端面のうちハニカム構造のコア材の中央部が内側へ変形され、上部及び下部に形成された突出部が加熱され、第二処理工程によって、第二の成形型部の曲面に沿って当該ハニカム構造のコア材を湾曲させて内側へ巻き込み状態となるとともに十分な熱伝導が行われ、これを第三処理工程における冷却成形金型により潰しながら冷却して内部密度を高めるから、当該端面の強度を著しく向上させることができる。
また請求項10に係る発明によれば、上記いずれかに記載の中空合成樹脂板の端面処理装置を使用する重合した中空合成樹脂板の端面処理方法であり、前記加熱成形金型、若しくは加熱成形金型及び冷却成形金型に対して前記重合した中空合成樹脂板の端面を押圧し、各中空合成樹脂板の端部相互を固着一体としたことから、十分な端部の溶融状態を確保した上で、当該金型に対して押圧しながら潰すように固着するため、強固に固着でき、厚手の中空合成樹脂板相互が当該強固な固着によって一体となるため、十分に端面の強度を有する中空合成樹脂板を得ることができる。
(請求項11を削除しても、対応記載は補正して残す。)
以上のように、請求項6、7、8、9又は10に係る中空合成樹脂板の端部処理方法によって得られた中空合成樹脂板によれば、当該中空合成樹脂板の端面のうち上部及び下部に形成された突出部が、第二の成形型部の曲面に沿って湾曲させて内側へ巻き込み状態となり、これを冷却成形金型により潰して内部密度を高める端面の処理がされたものであるから、非常に端面強度の高い中空合成樹脂板となる。
また請求項12に係る発明によれば、上記請求項6、7、8、9又は10に係る中空合成樹脂板の端部処理方法によって得られた中空合成樹脂板の相互を重合し、加熱成形金型、若しくは加熱成形金型及び/冷却成形金型に対して、前記重合した中空合成樹脂板の端面を押圧し、当該端部において重合した各中空合成樹脂板相互を固着一体とすることを特徴とする中空合成樹脂板の端面処理方法としたことから、端面の強度が確保された厚手の中空合成樹脂板相互の端部を溶融状態として押圧しながら潰すように固着するため、樹脂密度を非常に高めた上で強固に固着できるから、十分に端面の強度を有する中空合成樹脂板を得ることができる。
本発明の実施例に係る中空合成樹脂板の端面処理装置を示す正面概略図である。 図1における外装の一部等を取り外した状態を示す正面概略図である。 本発明の実施例に係る中空合成樹脂板の端面処理装置における平面概略図である。 本発明の実施例に係る中空合成樹脂板の端面処理装置における熱処理部の垂直移動用モーター等を省略した状態を示す右側面概略図である。 本発明の実施例に係る中空合成樹脂板の端面処理装置における熱処理部を示す拡大説明図である。 本発明の実施例に係る中空合成樹脂板の端面処理装置における熱処理部の組立過程の状態、及び昇降機構6の昇降支持部66との関係を示す斜視図である。 本発明の実施例に係る中空合成樹脂板の端面処理装置における熱処理部の組立状態、及び昇降機構6の昇降支持部66との関係を示す斜視図である。 本発明の実施例に係る中空合成樹脂板の端面処理装置における後方ガイド部と載置台との関係を示す一部断面とした説明図である。 本発明の実施例に係る中空合成樹脂板の端面処理装置における後方ガイド部と載置台と位置決め板との関係を示す斜視図である。 (a)は本発明の実施例に係る中空合成樹脂板の端面処理方法における準備工程であって、保持部と位置決め部との初期位置の関係を示す一部省略した説明図、(b)は(a)の一部拡大図である。 本発明の実施例に係る中空合成樹脂板の端面処理方法における準備工程であって、図10の状態から位置決め用エアシリンダー部を動作させ、係脱部を下降させた状態を示す一部省略した説明図である。 本発明の実施例に係る中空合成樹脂板の端面処理方法における準備工程であって、図11の状態から保持部を下降させ載置板部上に中空合成樹脂板を保持した状態を示す一部省略した説明図である。 本発明の実施例に係る中空合成樹脂板の端面処理方法における準備工程であって、図12の状態から、位置決めされた左右の中空合成樹脂板を離間する状態を示す一部省略した説明図である。 本発明の実施例に係る中空合成樹脂板の端面処理方法における第一処理工程中、熱処理部を上昇させ、凸条型部を当該中空合成樹脂板の高さに一致させた状態を示す一部省略した説明図である。 本発明の実施例に係る中空合成樹脂板の端面処理方法における第一処理工程中、図14の状態から、凸条型部に対して中空合成樹脂板を押圧した状態を示す一部省略した説明図である。 本発明の実施例に係る中空合成樹脂板の端面処理方法における第二処理工程中、図15の状態から、中空合成樹脂板を後退させ、熱処理部の第一凹条型部を当該中空合成樹脂板の高さに一致させた状態を示す一部省略した説明図である。 本発明の実施例に係る中空合成樹脂板の端面処理方法における第二処理工程中、図16の状態から、第一凹条型部に対して中空合成樹脂板を押圧した状態を示す一部省略した明図である。 本発明の実施例に係る中空合成樹脂板の端面処理方法における第三処理工程中、図17の状態から、中空合成樹脂板を後退させ、冷却成形金型の冷却型部を当該中空合成樹脂板の高さに一致させた状態を示す一部省略した説明図である。 本発明の実施例に係る中空合成樹脂板の端面処理方法における第三処理工程中、図18の状態から、冷却型部に対して中空合成樹脂板を押圧した状態を示す一部省略した説明図である。 本発明の実施例に係る中空合成樹脂板の端面処理方法における第一処理工程において当該中空合成樹脂板の端面の経時変化を(a)(b)(c)の順に示した説明図である。 本発明の実施例に係る中空合成樹脂板の端面処理方法における第一処理工程中、図15における凸条型部と中空合成樹脂板の端面との関係を示す拡大説明図である。 本発明の実施例に係る中空合成樹脂板の端面処理方法における第二処理工程において当該中空合成樹脂板の端面の経時変化を(a)(b)(c)の順に示した説明図である。 本発明の実施例に係る中空合成樹脂板の端面処理方法における第二処理工程中、図17における第一凹条型部と中空合成樹脂板の端面との関係を示す拡大説明図である。 本発明の実施例に係る中空合成樹脂板の端面処理方法における第三処理工程において当該中空合成樹脂板の端面の経時変化を(a)(b)(c)の順に示した説明図である。 本発明の実施例に係る中空合成樹脂板の端面処理方法における第三処理工程中、図19における冷却型部と中空合成樹脂板の端面との関係を示す拡大説明図である。 本発明の他の実施例に係る中空合成樹脂板の端面処理装置、端面処理方法に用いる熱処理部を示す拡大説明図である。 本発明の実施例において処理する中空合成樹脂板を示す斜視図である。 本発明の実施例に係る端面処理装置によって、二枚の中空合成樹脂板を重合して端面処理を行った状態を示す説明図である。 本発明に係る端面処理装置、端面処理方法において処理可能な端面を有する他の中空合成樹脂板を示す斜視図である。
以下に本発明の実施例に係る端面処理方法、及び当該端面処理方法を実現する実施例に係る端面処理装置について説明する。尚、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の応用、設計変更が可能である。
本発明の実施例に係る端面処理装置Dは、上下方向に開口するハニカム構造のコア部材m3を、上面板m1と下面板m2の間に挟持して一体に形成した厚さ約30mmの中空合成樹脂板M(図27参照。)を被処理部材として、端面処理する設定とした端面処理装置Dである。
当該実施例に係る端面処理装置Dは、図1から図4に示すように、基本構成として、装置本体1と、該装置本体1の上部から出入可能に配置される長尺の熱処理部2と、前記装置本体1の上部に配置され水平方向へ移動可能に配置される載置台3と、載置台3上に載置される前記中空合成樹脂板Mを保持し且つ載置台3とともに水平方向へ移動可能となる保持部4と、中空合成樹脂板Mを位置決めするための位置決め手段5と、前記熱処理部2を昇降させるための昇降機構6を備える。
本実施例に係る端面処理装置Dの前記装置本体1は、略直方体骨格を有する左右の胴枠部10a、10bの相互の下部を連結枠11によって連結し、更に、前記各胴枠部10a、10bから下方に脚部12を取着した構成を有する。
本実施例に係る端面処理装置Dの前記熱処理部2は、図5にその拡大図を示すように、左右対称形として設けてある。当該熱処理部2を挟んで左右対称に載置台3、保持部4を夫々設けた構成としている。
即ち、左右対称に載置台3及び保持部4が配置された構成として、左右合計2枚の中空合成樹脂板Mについて、同時にその中空合成樹脂板の各一辺の端面処理を行うことができる構成である。
熱処理部2は、前記装置本体1の左右の胴枠部10a、10bの間に配置している。
当該熱処理部2は、前記図5から図7に示すように、熱源となる長尺の加熱部材20と、中空合成樹脂板Mの端部処理のための加熱成形金型21(左右一対の加熱成形用金型21a、21b)と、断熱部(第一断熱部22a、第二断熱部22b、断熱板22c)と、冷却成形金型23とを備えている。
前記加熱成形金型体21a、21bは同一形状を有しており、相互に対向して設けてある。また、加熱成形金型21は、外側の側面に長手方向へ連続する成形型部を有している。
本実施例に係る加熱成形金型21の成形型部は、湾曲面212を有する凹条型部210として、上下に第一凹条型部210a、第二凹条型部210bを配置し、当該第一凹条型部210a、第二凹条型部210bの間に形成される凸条211を凸条型部211aとしたものである。
このため、凸条型部211aの上側面及び下側面となる湾曲面212は、凹条型部210の湾曲面212と共通することとなる。凸条型部211aにおける前記凸条211の先端は、鋭利な先尖状とはせず、一定の上下幅を有する平面としてある。
また、当該加熱成形金型21の最下端側には、先尖状の第二凸条型部213を備えている。
以上の構成から、本実施例の凸条型部211aは本発明における一の成形型部として機能し、前記上下いずれかの凹条型部210(第一凹条型部210a若しくは第二凹条型部210b)は本発明における他の一の成形型部として機能する。
加熱部材20は、給電式のヒーターであり、本実施例に係る端面処理装置Dの前方から後方へ至る長尺形状を有する。当該加熱部材20は熱電対20aを保持しており、供給電力によって当該熱電対20aが発熱するものである。本実施例においては、加熱部材20の高さ寸法は、前記加熱成形金型21の高さ寸法より小さく設定してある。
図6及び図7に示すように、加熱部材20の左右側面に加熱成形金型21(左右一対の加熱成形金型体21a、21b)を当接させ、加熱部材20からの熱伝導により加熱成形金型21が加熱される構成とする。上記したように、加熱部材20の高さ寸法は、前記加熱成形金型21の高さ寸法より小さく設定してあること、及び当該加熱成形金型21の下部側に加熱部材20を当接した構成としたことで、加熱成形金型21の上部は、加熱部材20とは非接触としてある。
また加熱成形金型21を構成する左右一対の加熱成形金型体21a、21bは、長手方向においてその上面の3か所の位置で、連結固定板21cを介して連結されている。
前記連結固定板21cが配置されない箇所において、加熱部材2上には第一断熱材22aを載置してある。また左右一対の加熱成形金型21a,21bの上面及び第一断熱材22aの上面に亘って、第二断熱材22bを配置している。
前記連結固定板21c上には断熱板22cを載置している。当該構成によって、加熱部材20及び加熱成形金型21上の全体に亘って、断熱材若しくは断熱板を敷設したものとしている。
当該断熱材及び断熱板の上には、冷却成形金型23を載置する。
冷却成形金型23は、左右側面に長手方向に連続する冷却凹部230を備えている。冷却凹部230は、その中央部の長手に亘って平面部230aを形成してあり、その上部及び下部には、前記平面部230aから連続した湾曲面部230bを備えている。上下の湾曲面部230b間の寸法(即ち、上部の湾曲部の上端から下部の湾曲部の下端までの寸法)は概ね30mmとしてあり、処理される中空合成樹脂板Mの厚さに対応したものとしている。
前記熱処理部2の下方には、当該熱処理部2全体(即ち、当該加熱部材20及びこれに一体として設置される加熱成形金型21、第一断熱部22a、第二断熱部22b、断熱板22c、冷却成形金型23)を昇降可能とする昇降機構6を設けてある。
当該昇降機構6は、図4に示すように、昇降用モーター60と、該昇降用モーター60の出力軸61に設けられる第二動力伝達用ベルト62と、長手方向に配置され前記第二動力伝達用ベルト62によって従動し、ラック歯を有する動力伝達軸63と、該動力伝達軸63と直交噛合する二本の昇降用ピニオン軸64と、該昇降用ピニオン軸64を支持する支持部材67を備える。また昇降用ピニオン軸64の上端には、支持体65を介して昇降支持部66を設けている。昇降支持部66は、図5から図7に示すように、断面視コの字形状で上方に開口する長尺の部材である。本実施例においては、前記コの字形状を形成する内底面66a及び該内底面に直交する内側面66bは、夫々加熱部材20の下面20b及び側面20cに当接する。また両端面66cは加熱成形金型21の底面214を支持する。本構成によって昇降機構6は、熱処理部2の下部に対して当接して支持している。
前記二本の昇降用ピニオン軸64は、その回転動作によって、直接的に熱処理部2の上昇、下降を行う。また、昇降の精度を高めるために、前記左右の胴枠部10a、10bには、ガイド部69を備え、前記昇降支持部66に従動するガイド棒68を摺動可能に案内する構成としてある。
図2に示すように、左右の胴枠部10a、10b上には、夫々載置台3が設けてある。
載置台3は、図3及び図9に示すように、中空合成樹脂板Mの長さ寸法及び幅寸法に対応した、上面に平滑面を有する平面視矩形の金属製部材である。載置台3における後方側(作業者が正面側に位置する場合からすれば奥側となる位置)の縁部に沿って、後方ガイド部36を設けてある。また載置台3は、後方側の縁部のうち本装置の中央寄りとなる位置から更に後方へ張り出す張出部35を備えている。
張出部35は、後記するように補助枠部40を設置するための部分である。
また、載置台3の上面には、後方ガイド部36の位置決めのためのガイド固定穴360を設けてある。
後方ガイド部36は、図8及び図9に示すように、中空合成樹脂板Mの左右方向の移動におけるガイドとして機能する。当該後方ガイド部36は、長尺のガイド枠体361の下面にガイド位置決め部364を備えた構成である。また、当該後方ガイド部36の上面から下面へと貫通する雌螺子穴365を有している。また、前記雌螺子穴365に螺合し固着されるガイド用把手363を有している。
当該後方ガイド部36は、その下面の前記ガイド位置決め部364を前記載置台3のガイド固定穴360に対して係止させて位置決めし、ガイド固定具362(クランプ)で当該後方ガイド部と載置台3とを挟持して固定する(図3、図8参照。)。
前記ガイド固定穴360は、図3に示すように、後方ガイド部36の位置を変更可能とするために当該載置台3上の複数の位置に設けてある。これによって、後方ガイド部36の位置を、中空合成樹脂板の大きさに応じて変更でき、複数種類のサイズの中空合成樹脂板の端面処理を行うことができる。
また、当該設置台部3の下方には、駆動源である水平移動用モーター30からの動力を当該設置台部3に伝達するためのボール軸31を備えている(図2参照。)。
また図2、図3に示すように、前記左右の各胴枠部10a、10bには、当該載置台3を左右方向に移動させるための前記駆動源である水平移動用モーター30を備えている。当該水平移動用モーター30の出力軸から第一動力伝達用ベルト32、ベルトプーリー33、及びこれに従動する前記ボール軸31を介して、前記左右の載置台3へ動力を伝達する。
保持部4は、図4及び図10に示すように、載置台3の張出部35上から上方へ立ち上がりその上部が前方へ延設された形状を有する左右の補助枠部40と、該左右の補助枠部40における相互に対向する面に設置した伸縮保持部41を備えている。上方から概ね下方へ伸長して中空合成樹脂板Mの端部近傍を押圧するものである。
前記伸縮保持部41は、前記補助枠部40に取付されるエアシリンダー部410と、該エアシリンダー部410の下端側に中空合成樹脂板Mの端部に沿うべく長手方向に連続する長尺の保持部材411を備えている。前記エアシリンダー部410によって当該保持部材411を昇降させる構成を備えている。また前記保持部材411は、金属製の保持板411aの底面側に弾性材料からなるグリップ部411bを備えている。当該グリップ部411bは二層構造を有している。上層側は中空合成樹脂板Mとの密着性を向上させるためのクッション部411cとし、下層側はより摩擦抵抗が大きく滑り止めとして機能するゴム板部411dとしている。前記保持板411a、クッション部411c及びゴム板部411dは相互に固着されている。
前記補助枠部40は、伸縮保持部41を所定位置に配置するためのものである。
左右の補助枠部40の各下端は、夫々、前記載置台3の後部における左右の前記張出部35に対して固着してある。当該構成によって、載置台3と保持部4は一体となって左右方向へ移動可能となる。
本実施例においては、3基のエアシリンダー部410を長手方向に並設し、各エアシリンダー部410の保持用アーム410aの先端部を、保持部材411に対して取着した構成としている。
また、当該保持用アーム410aの進退方向は、垂直方向よりも加熱体側へ一定の傾斜角度を設けた方向にしてある。本実施例においては、保持部材411の下面(若しくは載置部3の上面)と保持用アーム410a間のなす仰角αを97°程度としている(図10(b)参照。)。前記保持部材411の下面は、中空合成樹脂板Mの上面に密着可能となるように水平面としてある。
位置決め部5は、前記左右の補助枠部40、40間に立設した位置決め保持枠部54と、該位置決め保持枠部54に保持される位置決め用エアシリンダー部52と、該位置決め用エアシリンダー部52の位置決め用アーム520の先端に設けた係脱部50と、該係脱部50が係止可能であり冷却成形金型23の上面前方側に設けた係止穴231と、二基の位置決め用エアシリンダー部56の位置決め板昇降用アーム560の先端及びガイドロッド57の先端に取付けられ、且つ長手方向に連続する位置決め板51とを備える(図9参照。)。
前記位置決め板51は、中空合成樹脂板Mの端面と当接する当接面510を有し、且つ、当該当接面510によって当該中空合成樹脂板Mの位置決めを行うものである。
本実施例に係る端面処理装置Dは、主電源を通電状態とし、所定の条件の設定値を入力又は条件の選択をすることで、原点復帰状態から、内蔵されたプログラムに従って、一定の手順で自動的に動作するものである。前記所定の条件は、例えば、処理する中空合成樹脂板Mの左右双方若しくは一方の別、当該中空合成樹脂板Mの寸法、厚み、材質等の条件である。
これらの各条件は、通電状態において、操作パネル13からの指によるタッチ操作によって設定できる。
原点復帰状態(初期位置状態)において、熱処理部2の上端部にある冷却成形金型23の上面は、載置台3の上面よりも下方に位置している。即ち、長尺の熱処理部2は、装置本体1内に配置された状態である。
また、左右の載置台3は、中央寄りの基準位置に配置されている。中央よりの基準位置において、左右の載置台3間の距離は、前記長尺の熱処理部2の昇降動作と干渉しない程度に離間した設定となっている。
以下に、本実施例に係る端面処理装置Dを用いた中空合成樹脂板Mの端面処理方法について説明する。
先ず、中空合成樹脂板Mの位置合わせのための操作を行う。
電源を投入した後に、図示されないフットスイッチの操作によって、位置決め部5の前記位置決め用エアシリンダー部52及び位置決め板昇降用エアシリンダー部56が動作する。前記位置決め用エアシリンダー部52における位置決め用アーム520の先端に設けた係脱部50と、位置決め板51が下降する。
前記位置決め板昇降用エアシリンダー部56の位置決め板昇降用アーム560及びガイドロッド57、及びこれと一体に動作する位置決め板51が、当該位置決め用エアシリンダー部52の動作によって下降する(図9から図11及び図4参照。)。
下降した係脱部50は、前記冷却成形金型23の上面前方側に設けた、対応する前記係止穴231と係止する。当該係脱部50と係止穴231との係止によって、前記位置決め板51は、中空合成樹脂板Mの位置決めのために適切な位置に配置される。
この状態において、左右の載置台3上において中空合成樹脂板Mを配置する。前記位置決め板51によって、左右の載置台3上に中空合成樹脂板Mを位置決めできる。また前後方向の位置決めは、載置台3の後方側に設けた前記後方ガイド部36によって併せて位置決めできる(図9〜図12参照。)。
位置決め用ボタン53を押すことによって、上方から保持部4の伸縮保持部41が動作し、保持部材411を下降させ、載置台3と当該保持部材411とによって中空合成樹脂板Mを挟持する(図12参照。)。位置決め用ボタン53は左右の載置台3に対応して夫々別個に設けてあり、片側ずつ中空合成樹脂板Mの位置決めを行うこともできる。
左右両側の中空合成樹脂板M、Mの位置決め、挟持がされた状態で、自動的に端面処理プログラムに基づいた動作が開始される。
本実施例に係る端面処理装置Dは、CPU(中央演算装置)がステッピングモータの制御、エアシリンダー(エアバルブの開閉)の制御を、端面処理プログラムに基づき、予め入力された設定値を参照して行うものである。
尚、自動運転中、必要に応じて非常停止ボタン55によって、当該動作の停止が可能である。
先ず、左右の載置台3、保持部材411、及びこれらに挟持された中空合成樹脂板Mが、一体として外方へ後退する(図13参照。)。また、前記位置決め用エアシリンダー部52の位置決め用アーム520の先端に設けた係脱部50、及びこれと一体に動作する位置決め板51が上昇する(図14参照。)。
また、熱源となる加熱部材20と、加熱成形金型21と、各断熱部22a、22b及び断熱板22cと、冷却成形金型23とを備えた長尺の熱処理部2が、装置本体1における上部から上昇し、左右の中空合成樹脂板M、M間に配置される。
熱処理部2の停止位置は、熱処理部2における凸条型部211a(第一の成形型部)の高さ位置が、中空合成樹脂板Mの高さ中央位置に一致した位置に配置される。
熱処理部2が当該位置に配置されると、左右の載置台3、保持部材411、及びこれらに挟持された中空合成樹脂板Mが、一体として、前記凸条型部211aに向かって移動し、当該凸条型部211aを押圧する(図15、図20及び図21参照。)。このとき、上記したように、前記保持部材411の保持板411aの上面(若しくは載置部3の上面)と保持用アーム410a間のなす仰角αが90°を超えて設定されているため(図10(b)参照。)、保持用アーム410aの押圧力の分力が凸条型部211aへ作用して、より強く凸状型部211aに向けて押圧することができる。
前記凸条型部211aは加熱部材20からの熱伝導により加熱され、概ね200℃程度となっている。このため、前記中空合成樹脂板Mの端部の中央部が凸条型部211aによって半溶融状態となる。当該凸条型部211aが当該半溶融状態の端部に食い込み、当該端部を変形させる。
凸条型部211aによって、端部には当該凸条型部211aの外形輪郭形と一致する凹部が形成される(図5参照。)。
即ち、当該凹部は、図20(c)に示すように、断面視において中央が最も深くその両側に至る程徐々に湾曲して浅くなる谷形に形成される。
凹部の形成が完了すると、左右の載置台3、保持部材411、及びこれらに挟持された中空合成樹脂板Mが、一体として外方へ後退する(図16参照。)。
当該動作に次いで、熱処理部2は、前記中空合成樹脂板Mに一致する高さ位置に、凹条型部210が配置するように移動する。
熱処理部2の停止とともに、左右の載置台3、保持部材411、及びこれらに挟持された中空合成樹脂板Mが、一体として内側へ前進する(図17、図22及び図23参照。)。中空合成樹脂板Mの半溶融状態の端部における上縁及び下縁が、凹条型部210内に案内され、当該上端及び下端が内側に湾曲し、当該上端及び下端が相互に一体となる。当該中空合成樹脂板Mの端部は、この段階によって断面視円弧輪郭となる。
当該中空合成樹脂板Mが凹条型部210に押圧された状態で一定時間保持された後、左右の載置台3、保持部材411、及びこれらに挟持された中空合成樹脂板Mが、一体として外方へ後退する(図18参照。)。
その後更に、熱処理部2は、前記中空合成樹脂板Mに一致する高さ位置に、冷却成形金型23が配置するように移動する。
熱処理部2の停止とともに、左右の載置台3、保持部材411、及びこれらに挟持された中空合成樹脂板Mが、一体として内側へ前進する。中空合成樹脂板Mの半溶融状態の端部が、冷却成形金型23の冷却凹部230内に案内される。本実施例においては、冷却成形金型23は、当該冷却成形金型23専用の温度制御手段を有していない。しかしながら、加熱部材20及びこれに当接する加熱成形金型21(加熱成形金型体21a、21b)並びに連結固定板21cからの熱伝導を第一断熱部22a及び断熱板22cで直接的に抑制するとともに、当該加熱部材20及びこれに当接する加熱成形金型21並びに連結固定板21cとは非接触となる第二断熱部22bを設けることによって、冷却成形金型23は、端部処理の変形に適した設定温度、具体的には、概ね70℃〜90℃程度となるように設計してある。
また、上記したように、加熱成形金型21の上部が、加熱部材20とは非接触とする構成によっても、併せて温度制御に資するものとしている。
中空合成樹脂板Mの端部は、当該冷却凹部230への押圧によって、前記断面視円弧輪郭となった状態を押潰されて変形する(図19、図24及び図25参照。)。冷却凹部230の平面部230aと湾曲面部230bの形状によって、前記端部には、端部平面及びこれに連続する端部湾曲面が形成されるとともに、当該端部をより高密度とする。
当該中空合成樹脂板Mが冷却成形金型23に押圧された状態で一定時間保持された後、左右の載置台3、保持部材411、及びこれらに挟持された中空合成樹脂板Mが、一体として外方へ後退し、冷却成形金型23から離脱する。
その後更に、熱処理部2は、当該熱処理部2における冷却成形金型23が前記載置台3よりも低くなる高さまで下降する。また、中空合成樹脂板Mを上方から押圧していた伸縮保持部41の保持部材411が、当該伸縮保持部41のエアシリンダー部410の動作によって上昇する。保持部材411の上昇によって、載置台3上の中空合成樹脂板Mは挟持状態が解消し、端面処理装置Dからの取り出しが可能となる。
この状態において、保持部材411は上昇位置にあり、且つ、熱処理部2の上端(即ち冷却成形金型23の上端)は左右の載置台3よりも下降した位置にある。このため、左右の載置台3の上面側に亘って、中空合成樹脂板Mを支障なく移動させるに足りる十分な空間8が形成される(図1参照。)。
処理を行った二枚の中空合成樹脂板Mのうち一枚を取り除き、他方の一枚の中空合成樹脂板Mを一方の載置台3上から他方の載置台3上へそのまま移動させ、処理を行った端部とは反対側の端部を新たに処理することができるため、効率的な流れ作業を行うことが可能となる。また、必要に応じて、中空合成樹脂板Mの四辺のうち他の各端面について同様の端面処理を行うことができる。
尚、本発明の端部処理装置は上記実施例の構成に限定されるものではない。
例えば、本実施例に係る端部処理装置の装置本体1は、直方体状に構成される左右の胴枠部10a、10bの相互の下部を連結枠11によって連結し、前記各胴枠部10a、10bから下方に脚部12を延設した構成であるが、本発明における装置本体1は、本発明の作用効果を奏するものであれば、その枠形状等については、何ら限定するものではない。
また例えば、上記実施例においては加熱成形金型21の凹条型部210と冷却成形金型23の冷却凹部230の各断面輪郭形状は異なるものである(即ち、加熱成形金型21の凹条型部210の断面輪郭形状が円弧状を有しているのに対して、冷却凹部230の断面輪郭形状が直線(平面部230a)の両端が円弧(湾曲面部230b)に連続する形状となっている)。しかしながら、本発明はこのような輪郭形状の基本的な相違に限定されるものではない。例えば、凹条型部210及び冷却凹部230の双方の断面輪郭形状がいずれも円弧状であって、その曲率半径のみが相違する(相似である)ものも含む。この場合においては、いずれの曲率半径を相対的に大とすることもできる。
また熱処理部2に設けられる第一の成形型部及び第二の成形型部に関して、上記実施例においては、上下に配置される第一凹条型部210a及び第二凹条型部210bからなる凹条型部210を、第二の成形型部として配置し、前記第一凹条型部210a及び第二凹条型部210b間の凸条型部211aを本発明の第一の成形型部とし、当該第一の成形型部と第二の成形型部がその構成の一部を共有した構成としている。
しかしながら、本発明は当該実施例の構成に限定されるものではなく、例えば、本実施例の第二凸条型部213や、図26に示すように、第一の成形型部と第二の成形型部を夫々独立して別箇の位置に設けることもできる。
また、同図26に示すように、第一の成形型部、冷却成形金型23の冷却凹部230についても、同様に複数設けることもできる(例えば、同図26の冷却凹部230a、230b。)。複数の異なるサイズの成形型部を備えることで、異なる厚さ等を有する中空合成樹脂板Mの端部処理に対して選択的に使用することができる。
尚、本実施例に係る端面処理装置Dは、上記したように、左右両側面に対称となる成形型部を有し、前記加熱成形金型21(加熱成形金型体21a,21b)の左右両側に前記載置台3を配置し、当該左右の載置台3に載置された中空合成樹脂板Mが前記加熱成形金型体21a,21bを挟むように押圧する構成とし左右対称に配置された構成として、左右の合計2枚の中空合成樹脂板Mについて、一度にその端面処理を行う場合について行うことができるものである。一方で、本実施例に係る端面処理装置Dは、左右いずれか一方のみを選択的に用いて、端面処理を行うこともできる。
また、本発明に係る端面処理装置Dは、左右両側面に対称となる成形型部を有し、前記加熱成形金型21(加熱成形金型体21a,21b)の左右両側に前記載置台3を配置する上記実施例に係る端面処理装置Dの構成に限定されるものではなく、例えば、一のみの載置台3及びこれに対応する熱処理部2、保持部4等を備え、中空合成樹脂板Mの1枚のみを単独で端面処理するための構成とすることもできる。
また本発明において、載置台3は必ずしも中空合成樹脂板Mの外形寸法に合わせた板状体であることを要さず、保持部4とともに当該中空合成樹脂板Mを保持できればよい趣旨である。従って、中空合成樹脂板Mの一部のみを載置するものとすることもできる。
尚、上記実施例に係る端面処理装置Dは、予め処理対象となる中空合成樹脂板Mの厚さ、材質、形状に適合した動作距離、速度、処理時間等を設定しておき、各設定値に応じた動作を行うものとしている。しかしながら本発明には当該構成に限定されるものではなく、例えば、各部にセンサーを配置しておき、センサーの検知の有無を動作プログラムの構成に加えることで、当該動作プログラムに基づいて、熱処理部2、載置台3等の各部をCPUが制御する構成とすることもできる。
更に本発明の端面処理装置Dによれば、複数の中空合成樹脂板Mを重合し、その端部を一体とした中空合成樹脂積層板を形成することができる。
上記実施例に係る端面処理装置Dについて、図28に示すように、例えば厚さ15mm程度となる厚物の中空合成樹脂板M二枚を重合して端部処理を行うことで、当該二枚の中空合成樹脂板Mの端部相互を一体化させた複合板を形成することができる。
また、本実施例によれば、上記したように、熱処理部2の構成を、熱源となる加熱部材20と、該加熱部材20に当接した加熱成形金型21と、その上方に設けられる第一断熱部22a、第二断熱部22b、断熱板22c、冷却成形金型23とを備えた構成としているが、本発明は当該構成に限定するものではなく、例えば、加熱成形金型21、冷却用金型23の夫々が独立して温度調節手段を有する熱源を備えた金型とすることもできる。
また、熱処理部2の昇降機構は上記実施例に限定するものではなく、種々の公知部品の組み合わせ、設計の変更を行うことができる。例えば、上記実施例では昇降用モーターを用いているが、これに限らず、油圧、空圧等種々の公知の動力源を用いることができる。
また上記昇降用モーターを含む動力源の配置や伝達機構についても上記実施例に限るものではなく、本発明の端面処理装置Dの機能を著しく阻害せず、熱処理部2の昇降を確保できる範囲で、自由に構成することができる。
また、温度制御に関しても、上記実施例に記載したものに限定されず、各部において公知の加熱手段、熱制御手段を適宜使用することができる。
一方、上記実施例の構成によれば、例えば図5に示すように、熱処理部2の構成を熱源となる加熱部材20と、該加熱部材20に当接した加熱成形金型21と、その上方に設けられる第一断熱部22a及び第二断熱部22b、冷却成形金型23とを備えた構成としたことによって、加熱部材20と当接する加熱成形金型21の温度、及び、各断熱部22a、22b、断熱板22cにより加熱部材20及び加熱成形金型21からの熱伝導が低減された冷却成形金型23の温度を好適とすることができ、より設備投資費用や稼働費用を低減できる点で優れる。
また各断熱部及び断熱板は、断熱の機能を確保できればその構成は特に上記実施例の構成に限定するものではなく、断熱手段の配置箇所、数量、大きさ、組み合わせは自由に設定できる。例えば、一の断熱部若しくは断熱板を用いることで断熱効果を得ることもできる。
また、本実施例に係る端面処理装置Dは、位置決め部5の上方に天板支持部材70を介して天板7を備えた構成としている。当該構成は本発明において必須ではないが、当該天板7に関わらず、本発明に係る端面処理装置Dに対して、様々な構成を付加することができる。
また上記実施例においては、厚さ30mmの中空合成樹脂板Mの端面処理を行う構成について示したが、本発明においては、厚さ30mm程度の極厚のみに使用できるものではなく、一般的な厚物の中空合成樹脂板Mを含めて、その端面の処理が可能である。
また上記実施例においては、加熱成形金型21の最下端側には、先尖状の第二凸条型部213を設けているが、当該第二凸条型部213は必ずしも設ける必要はない。一方で、当該第二凸条型部213を用いて、他の厚さの中空合成樹脂板M、若しくは実施例とはコア形状の異なる中空合成樹脂板M´(図29参照。)に対して、適宜使用することができる。
また上記実施例においては、後方ガイド部36を設けることで、中空合成樹脂板Mの歪みを防止する構成としているが、本発明においては、後方ガイド部36のみならず、これと概ね平行であり載置台の前方側に配置可能となる前方ガイド部を設けることもできる。
また、当該前方ガイド部若しくは後方ガイド部の少なくとも一方のガイド部について、当該対向する他方のガイド部に対する距離を調節可能とすることもできる。
また上記実施例においては、昇降機構6における正面視コの字状の昇降支持部66によって熱処理部2を支持する構成としているが、本発明は当該実施例の構成に限定されるものではない。例えば、昇降支持部66と加熱成形金型体21a、21b等の相互に長手方向に連続する係合手段を設け、昇降支持部66の長手方向の一方の端部から加熱成形金型体21a、21bを夫々差し込んで長手方向にスライドさせ、取付ける構造とすることもできる。また昇降支持部66に開閉機構を設けて、その開放時に加熱成形金型体21a、21bを着脱可能とすることもできる。その他、熱処理部2の支持構造は、種々の公知技術を含む支持構造を用いることができる。
また、本発明に係る端面処理装置Dは、例えば、ベルトプーリー33等の可動部分のように作業場の安全性の要求される箇所や、防塵性の要求される箇所等に、適宜保護カバー若しくは防塵カバー等を取り付けることができる。
また、上記実施例においては、中空合成樹脂板は水平方向に移動可能としたが、本発明は当該実施例の構成には限定されず、中空合成樹脂板は傾斜状態で水平方向に移動させることもできるし、傾斜状態で傾斜面に水平な方向へ移動させる構成とすることもできる。
1 装置本体
10a 胴枠部
10b 胴枠部
11 連結枠
12 脚部
13 操作パネル
2 熱処理部
20 加熱部材(ヒーター)
20a 熱電対
20b 下面
20c 側面
21 加熱成形金型
21a 加熱成形金型体
21b 加熱成形金型体
21c 連結固定板
210 凹条型部
210a 第一凹条型部
210b 第二凹条型部
210c 凹条型部
211 凸条
211a 凸条型部
212 湾曲面
213 第二凸条型部
213a 凸条型部
213b 凸条型部
214 底面
22a 第一断熱部
22b 第二断熱部
22c 断熱板
23 冷却成形金型
230 冷却凹部
230a 平面部
230b 湾曲面部
231 係止穴
3 載置台
30 水平移動用モーター
31 ボール軸
32 第一動力伝達用ベルト
33 ベルトプーリー
34 連結部
35 張出部
36 後方ガイド部
360 ガイド取付穴
361 ガイド枠体
362 ガイド固定具(クランプ)
363 ガイド用把手
364 ガイド位置決め部
4 保持部
40 補助枠部
41 伸縮保持部
410 エアシリンダー部
410a 保持用アーム
411 保持部材
411a 保持板
411b グリップ部
411c クッション部
411d ゴム板部
5 位置決め部
50 係脱部
51 位置決め板
510 当接面
52 位置決め用エアシリンダー部
520 位置決め用アーム
53 位置決め用ボタン
54 位置決め保持枠部
55 非常停止ボタン
56 位置決め板昇降用エアシリンダー部
560 位置決め板昇降用アーム
57 ガイドロッド
6 昇降機構
60 昇降用モーター
61 出力軸
62 第二動力伝達用ベルト
63 動力伝達軸
64 昇降用ピニオン軸
65 支持体
66 昇降支持部
66a 内底面
66b 内側面
66c 両端面
67 支持部材
68 ガイド棒
69 ガイド部
7 天板
70 天板支持部材
8 空間
D 端面処理装置
M 中空合成樹脂板
M´ 他の中空合成樹脂板
m1 上面板
m2 下面板
m3 コア部材
m4 上面板
m5 下面板
m6 コア部材
α 仰角

Claims (11)

  1. 装置本体と、
    該装置本体から上下動可能として配置される長尺の熱処理部と、
    前記熱処理部に対して進退可能に配置され、中空合成樹脂板を載置するための載置台と、
    該載置台上に載置される中空合成樹脂板を保持し且つ移動可能となる保持部とを備え、
    前記長尺の熱処理部は、熱源となる加熱部材と、前記中空合成樹脂板の端部処理のための加熱成形金型と、断熱部と、冷却成形金型とを備え、
    前記加熱部材と前記加熱成形金型を当接し、該加熱成形金型の上方に前記断熱部を介して前記冷却成形金型を配置した構成とし、
    前記加熱成形金型は側面に複数の成形型部を有し、
    一の成形型部は長手方向に連続する凸条型部とし、他の一の成形型部は長手方向に断面視円弧状の曲面が連続する凹条型部を有し、前記冷却成形金型は長手方向に曲面及び/又は平面が連続する冷却凹部を有し、前記載置台は前記保持部とともに前記中空合成樹脂板を長尺の熱処理部に対して進退可能としたことを特徴とする中空合成樹脂板の端面処理装置。
  2. 前記熱処理部に対する係脱部と中空合成樹脂板を位置決めするための当接面とを有する位置決め手段を備え、前記熱処理部は前記係脱部に対応する熱処理側係脱部を備え、
    前記位置決め手段の係脱部と熱処理部の熱処理側係脱部との係止状態で、前記当接面が装置本体の上部で保持された中空合成樹脂板と垂直に配置されることを特徴とする請求項1記載の中空合成樹脂板の端面処理装置。
  3. 前記加熱成形金型は、左右両側面に対称となる成形型部を有し、前記加熱成形金型の左右両側に前記載置台を配置し、当該左右の載置台に載置された中空合成樹脂板が加熱成形金型を挟むように押圧する構成としたことを特徴とする請求項1又は2記載の中空合成樹脂板の端面処理装置。
  4. 前記加熱成形金型の凹条型部は断面視円弧状輪郭を有し、
    前記冷却成形金型の冷却凹部は、前記加熱成形金型の凹条型部と異なる大きさ又は異なる形状であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の中空合成樹脂板の端面処理装置。
  5. 中空合成樹脂板の進退方向の直線移動を案内するガイド面を有するガイド部を、前記載置台上に備えたことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の中空合成樹脂板の端面処理装置。
  6. 中空合成樹脂板の端面を、熱処理部によって溶融固化する中空合成樹脂板の端面処理方法において、
    中空合成樹脂板を保持するための保持部と、載置台とを備え、
    前記熱処理部は、上下に移動可能な長尺の熱処理部であり、且つ、熱源となる加熱部材と、中空合成樹脂板の端部処理のための加熱成形金型と、断熱部と、冷却成形金型とを備え、
    前記加熱部材と加熱成形金型を当接し、該加熱成形金型の上方に断熱部を介して冷却成形金型を配置し、前記加熱成形金型は側面に複数の成形型部を有し、
    一の成形型部は長手方向に連続する凸条型部とし、
    他の一の成形型部は長手方向に断面視円弧状の曲面が連続する凹条型部を有し、
    前記冷却成形金型は長手方向に曲面及び/又は平面が連続する冷却凹部を有しており、
    第一処理工程として、
    加熱された前記一の成形型部を、中空合成樹脂板の端面と一致する高さとして、前記中空合成樹脂板の端面を当該第一の成形型部に対して押圧し、当該中空合成樹脂板の端面のうち上部及び下部に突出部を形成した加熱溶融状態とする工程を行い、
    第二処理工程として、
    当該中空合成樹脂板を当該第一の成形型部から離間した後、加熱された第二の成形型部を前記中空合成樹脂板の端面と一致する高さとして、前記中空合成樹脂板の端面を当該第二の成形型部に対して押圧し、当該中空合成樹脂板の端面における上下の突出部を前記第二の成形型部の曲面に沿って湾曲させて断面視円弧輪郭を形成する工程を行い、
    第三処理工程として、
    当該中空合成樹脂板を当該第二の成形型部から離間した後、前記冷却成形金型を前記中空合成樹脂板の端面と一致する高さとして、前記中空合成樹脂板の端面を当該冷却成形金型に対して押圧し、前記中空合成樹脂板の端面における巻き込まれた上下の突出部を潰して内部密度を高めるとともに端面の外観処理をする工程を行うことを特徴とする中空合成樹脂板の端面処理方法。
  7. 第一処理工程より前工程として、中空合成樹脂板の位置決めを行うための位置決め工程を有し、当該位置決め工程は、熱処理部との係脱部と中空合成樹脂板を位置決めするための当接面とを有する位置決め手段を用い、当該位置決め手段の係脱部を熱処理部に対して係止し、当該係止状態で当接面に対して、中空合成樹脂板の端面を当接して、当該中空合成樹脂板の位置決めを行うものであることを特徴とする請求項6記載の中空合成樹脂板の端面処理方法。
  8. 前記加熱成形金型は、左右両側面に対称となる成形型部を有し、前記加熱成形金型の左右両側に前記載置台を配置し、当該左右の載置台に載置された中空合成樹脂板が加熱成形金型を挟むように押圧して、前記第一処理工程、前記第二処理工程、前記第三処理工程を行うことを特徴とする請求項6又は7記載の中空合成樹脂板の端面処理方法。
  9. 前記中空合成樹脂板が、上下に開口するハニカム構造のコア材を当該上下から構成板で前記開口を閉塞して挟持した構造を有する中空合成樹脂板であることを特徴とする請求項6、7又は8に記載の端面処理方法。
  10. 請求項1、2、3、4又は5記載の中空合成樹脂板の端面処理装置を使用する重合した中空合成樹脂板の端面処理方法であり、
    前記加熱成形金型、若しくは加熱成形金型及び冷却成形金型に対して、前記重合した中空合成樹脂板の端面を押圧し、各中空合成樹脂板の端部相互を固着一体とすることを特徴とする中空合成樹脂板の端面処理方法。
  11. 請求項6、7、8、9又は10に記載の中空合成樹脂板の端面処理方法によって得られる中空合成樹脂板の相互を重合し、加熱成形金型、若しくは加熱成形金型及び冷却成形金型に対して、前記重合した中空合成樹脂板の端面を押圧し、当該端部において重合した各中空合成樹脂板相互を固着一体とすることを特徴とする中空合成樹脂板の端面処理方法。
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