JP6325490B2 - 光線路特性解析装置及び光線路特性解析方法 - Google Patents

光線路特性解析装置及び光線路特性解析方法 Download PDF

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Description

本発明は、光線路の損失分布を測定するための光線路特性解析装置とその解析方法に関する。
光ファイバなどの光線路を使用する光通信システムでは、光線路の正常/異常の確認や光線路の故障を検出し、または故障位置を特定する技術が重要である。正常/異常の確認には、接続位置での接続損失値が規格内であるかの評価が行われる。
光線路の接続損失値を評価する方法として、遠端反射ブリルアン利得解析法が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。非特許文献1では、パルス化したポンプ光とプローブ光を光線路に入射し、遠端で反射した一方の光と他方の光が光ファイバ中で衝突した際に生じるブリルアン散乱を測定することで接続損失の評価が可能である。この時、ポンプ光とプローブ光の光周波数差は、光ファイバ中のブリルアン周波数シフトと一致させる必要がある。
一方、分岐下部光ファイバの損失情報を個別に測定可能な技術が提案されている(例えば、特許文献1、非特許文献2参照。)。特許文献1では、ポンプ光パルス及びプローブ光パルスの二つの試験光パルスを入射し、両試験光の衝突位置でのブリルアン利得を解析することにより、分岐下部光ファイバ個別の損失分布を測定する。
国際公開第2012/165587号公報
H. Takahashi et al., "Centralized Measurement of Actual Splice Loss for Installed Optical Fiber Cable Networks Using End−reflection−assisted Brillouin Analysis," Proceedings of the 63rd IWCS, paper 3−6 (2014). H. Takahashi, F. Ito, C. Kito, and K. Toge, "Individual loss distribution measurement in 32−branched PON using pulsed pump−probe Brillouin Analysis," Optics Express, Vol.21, No.6, 6739,(2013). H. Takahashi et al.,"Individual PON Monitoring Using Maintenance Band Pulsed Pump−Probe Brillouin Analysis," OptoElectronics and Communications Conference,ThP1−4,2013. 高橋央, "広帯域プローブ光によるブリルアン損失測定法," 信学会ソサイエティ大会2014.
この手法においても非特許文献1と同様に、光ファイバ中のブリルアン周波数シフトと一致させる必要がある。ブリルアン散乱は光ファイバの温度や歪、またはファイバパラメータの違いにより、ブリルアン周波数シフトは異なる。そのため、既存の光線路では、ブリルアン周波数シフトが長手方向で異なる。
これに対して、ポンプ光パルスとプローブ光パルスとの光周波数差を変化させて測定を繰り返し行うことでブリルアン散乱の強度を取得する方法が提案されている(例えば、非特許文献3参照)。しかしながら、非特許文献3の方法では、光周波数差を変化させて測定を繰り返し行う必要があるため、ポンプ光パルスとプローブ光パルスとの光周波数差を精密に制御しなければならない。このことは、試験装置構成及び測定方法の複雑化を招いていた。
上記を解決するために、非特許文献4では、プローブ光パルスの光周波数帯域幅を広帯域にすることで、装置の複雑化を緩和する方法が提案されているが、プローブ光を広帯域にすることにより、ブリルアン散乱に寄与するプローブ光エネルギーが減少する。
これは、ポンプ光とプローブ光の周波数差がブリルアン周波数シフトと一致した一部分のプローブ光エネルギーしかブリルアン散乱を起こさず、広帯域化したプローブ光の大部分がブリルアン散乱に寄与しなくなるからである。
この広帯域化したプローブ光を非特許文献4では、光受信器で受信した後、A/D変換器によりデジタル電気信号に変換し、ブリルアン増幅を受けた広帯域プローブ光とブリルアン増幅を受けていない広帯域プローブ光のデジタル電気信号を比較することでブリルアン散乱強度(光ファイバの損失)を求めている。
この場合、ブリルアン散乱に寄与していない部分のプローブ光エネルギーのデジタル電気信号があることで、ブリルアン散乱のデジタル電気信号を検出するためにはより高分解能なA/D変換器が必要になる。また、実現可能な分解能には制限があるため、非特許文献2のように狭い帯域のポンプ光とプローブ光を利用した場合より線路損失測定の感度が劣化してしまい、32分岐や64分岐スプリッタ下部または損失の大きい線路を測定できなくなる。
また、非特許文献3では、ポンプ光とプローブ光の周波数差を変化させ、ブリルアン周波数シフトと一致していない測定において入射したプローブ光エネルギーは無駄になり、非特許文献4では、ブリルアン周波数シフトと一致していない周波数のプローブ光エネルギーは無駄になる。
そのため、ブリルアン利得帯域幅(30−40MHz)に対して、補償すべきブリルアン周波数シフト変化量が大きくなると、(ブリルアン利得帯域幅:A)/(補償すべきブリルアン周波数シフト変化量:B)の信号しか得られない。
これを補償するためには、測定回数をB/A倍にする必要があるが、非特許文献2では、32分岐スプリッタの下部において損失分布を精度良く測定するためにすでに数万回のオーダで測定を繰り返して平均値を求めるようにしているため、さらにプローブ光エネルギーを補償するためには、必要な測定時間はますます長くなるという課題もある。
前記課題を解決するために、本発明は、光分岐線路において、光スプリッタからユーザ装置側の分岐下部光ファイバ、および装置(光スプリッタなどの光デバイス)を監視するにあたり、新たに光デバイスや光線路構成を変更することなく(既設設備を変更することによりコストをかけることなく)、所外既設設備(同一特性の分岐光ファイバと同一波長光反射フィルタ)を使用するのみで光線路特性を個別に測定することを可能とし、分岐光ファイバの長手方向でブリルアン周波数シフトが異なる場合でも高速・高感度かつ装置構成が簡易な光試験システムを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明では、遠端反射ブリルアン利得解析法において、プローブ光パルスおよびポンプ光パルスの周波数帯域幅をそれぞれブリルアン利得帯域幅より広くし、プローブ光パルスとポンプ光パルスとの周波数帯域幅の差を被測定光線路のブリルアン周波数シフトの距離方向の周波数変化量より大きくし、プローブ光パルスとポンプ光パルスとの中心周波数差をブリルアン周波数シフト程度とする。
具体的には、本発明に係る光線路特性解析装置は、
遠端に反射部を有する光線路の前記反射部から反射された第1試験光及び第2試験光を検出し、光線路の特性を解析する光線路特性解析装置であって、
周波数帯域幅が前記光線路のブリルアン利得帯域幅より広く、前記第1試験光と前記第2試験光の周波数帯域幅の差が前記光線路のブリルアン周波数シフトの距離方向の周波数変化量より大きく、中心周波数差が前記ブリルアン周波数シフトと略同一であり、互いに周波数の異なる前記第1試験光及び前記第2試験光をそれぞれ出力する第1の光源及び第2の光源と、
前記第1試験光及び前記第2試験光をそれぞれパルス化して第1試験光パルス及び第2試験光パルスを生成する第1のパルス化部及び第2のパルス化部と、
前記第1のパルス化部及び前記第2のパルス化部に対し、前記第1試験光パルス及び前記第2試験光パルスを発生させるタイミングの時間差を有するように制御する入射時間制御部と、
前記第1試験光パルス及び前記第2試験光パルスを合波し、合波した前記第1試験光パルス及び前記第2試験光パルスを前記光線路に入射する合波素子と、
前記反射部で反射され、前記光線路の入射端から出射された前記第1試験光パルス及び前記第2試験光パルスを戻り光として受光し、それぞれ電気信号へ変換する光受信部と、
前記電気信号をデジタル信号へ変換する変換器と、
前記デジタル信号を用いて前記第1試験光パルスと前記第2試験光パルスとの前記光線路へ入射させる時間差を検出し、
前記光線路で反射された戻り光のうち前記第1試験光パルスの光強度を用いてブリルアン利得を算出し、
前記時間差を繰り返し変化させ、変化させた時間差毎に前記ブリルアン利得を算出し、
前記時間差を繰り返し変化させて算出した前記ブリルアン利得を用いて前記光線路の損失分布を取得する演算処理装置と、を備える。
本発明に係る光線路特性解析装置では、
前記光線路は、基幹光線路の一方端を光分岐器によって複数に分岐し、遠端に前記反射部を有する分岐光線路の近端を前記光分岐器の分岐端部それぞれに光結合してなる光線路であり、
前記第1のパルス化部は、
各分岐光線路間の長さの差の最小値に応じて決定したパルス幅でパルス化して前記第1試験光パルスを生成し、
前記演算処理装置は、
前記第1試験光パルスが前記分岐光線路の前記反射部で反射されて戻ってくる時間に応じて、複数の前記分岐光線路のうち前記第1試験光パルスを反射した分岐光線路を特定し、
反射された前記第1試験光パルスの光強度を用いて前記ブリルアン利得を算出し、
前記時間差を繰り返し変化させ、変化させた時間差毎に前記ブリルアン利得を算出し、
前記時間差を繰り返し変化させて算出した前記ブリルアン利得を用いて複数の前記分岐光線路のそれぞれの損失分布を取得してもよい。
本発明に係る光線路特性解析装置では、
前記第1のパルス化部から出力される前記第1試験光パルスのパルス幅τは、前記分岐光線路の前記反射部からの戻り光の時間差2nΔL/cより狭いことが望ましい。
ただし、n:前記分岐光線路の屈折率、ΔL:前記各分岐光線路間の長さの差の最小値、c:真空中の光速である。
本発明に係る光線路特性解析装置では、
前記光受信部及び前記変換器は、
1/τより広い受光可能帯域を有することが望ましい
ただし、τ:前記第1試験光パルスのパルス幅である。
本発明に係る光線路特性解析装置では、
前記第1の光源及び前記第2の光源は、レーザダイオードであり、
前記第1のパルス化部及び前記第2のパルス化部は、前記レーザダイオードの注入電流を強度変調する手段であってもよい。
具体的には、本発明に係る光線路特性解析方法は、
遠端に反射部を有する光線路の前記反射部から反射された第1試験光及び第2試験光を検出し、光線路の特性を解析する光線路特性解析方法であって、
周波数帯域幅が前記光線路のブリルアン利得帯域幅より広く、前記第1試験光と前記第2試験光の周波数帯域幅の差が前記光線路のブリルアン周波数シフトの距離方向の周波数変化量より大きく、中心周波数差が前記ブリルアン周波数シフトと略同一であり、互いに周波数の異なる前記第1試験光及び前記第2試験光をそれぞれ出力する第1の光源及び第2の光源による試験光出力手順と、
前記第1試験光及び前記第2試験光をそれぞれパルス化して第1試験光パルス及び第2試験光パルスを生成する第1のパルス化手順及び第2のパルス化手順と、
前記第1のパルス化手順及び前記第2のパルス化手順に対し、前記第1試験光パルス及び前記第2試験光パルスを発生させるタイミングの時間差を有するように制御する入射時間制御手順と、
前記第1試験光パルス及び前記第2試験光パルスを合波し、前記合波した前記第1試験光パルス及び前記第2試験光パルスを前記光線路に入射する合波素子による合波手順と、
前記反射部で反射され、前記光線路の入射端から出射された前記第1試験光パルス及び前記第2試験光パルスを戻り光として受光し、それぞれ電気信号へ変換する光受信手順と、
前記電気信号をデジタル信号へ変換する変換手順と、
前記デジタル信号を用いて前記第1試験光パルスと前記第2試験光パルスとの前記光線路へ入射させる時間差を検出し、
前記光線路で反射された戻り光のうち前記第1試験光パルスの光強度を用いてブリルアン利得を算出し、
前記時間差を繰り返し変化させ、変化させた時間差毎に前記ブリルアン利得を算出し、
前記時間差を繰り返し変化させて算出した前記ブリルアン利得を用いて前記光線路の損失分布を取得する演算処理手順と、を順に行う。
なお、上記各発明は、可能な限り組み合わせることができる。
本発明によれば、光分岐線路において、光スプリッタからユーザ装置側の分岐下部光ファイバ、および装置(光スプリッタなどの光デバイス)を監視するにあたり、新たに光デバイスや光線路構成を変更することなく(既設設備を変更することによりコストをかけることなく)、所外既設設備(同一特性の分岐光ファイバと同一波長光反射フィルタ)を使用するのみで光線路特性を個別に測定することを可能とし、分岐光ファイバの長手方向でブリルアン周波数シフトが異なる場合でも高速・高感度かつ装置構成が簡易な光試験システムを提供することができる。
以上のように、本発明は、光スプリッタの分岐点で複数系統に分岐された各分岐光ファイバの長さの差ΔLを利用し、波長の異なる二種の試験光を用意し、パルス化した後に二種のパルス試験光に入射時間差を与えて被測定光線路に入射することで、先に入射したパルス試験光(第1試験光)の反射光と、後に入射したパルス試験光(第2試験光)が対向伝搬することにより発生した誘導ブリルアン後方散乱光を光受信器で受信し、光受信器の出力電流を2nΔL/c(cは光速)よりも高い時間分解能で解析する。
このことで、第1〜第Nのどの分岐光ファイバからの誘導ブリルアン散乱かを特定することが可能となり、第1試験光と第2試験光の周波数帯域幅を光線路全域のブリルアン周波数シフトのばらつき以上に設定することで、第1試験光と第2試験光の周波数差を制御することなくブリルアン利得を取得できる。
さらに、第1試験光と第2試験光の周波数帯域幅をほぼ同じ値に設定することで、第1試験光と第2試験光のエネルギーを無駄にすることなくブリルアン相互作用を発生させることができ、高感度な測定が可能となる。
したがって、本発明によれば、既存の所外設備を取り替えることなく、ブリルアン周波数シフトの異なる光線路の損失分布を高感度かつ装置構成を簡易に測定することのできる光線路特性測定装置及びその測定方法を提供することができる。
本実施形態に係る分岐光線路特性解析装置の構成の一例を示す。 本実施形態に係る光源の装置構成の一例を示す。 本実施形態に係る光源の装置構成の一例を示す。 第1試験光と第2試験光の周波数帯域幅の差が被測定光ファイバのブリルアン周波数シフト変化量より大きい場合の一例を示す。 本実施形態に係る測定手順の一例を示す。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態に限定されるものではない。これらの実施の例は例示に過ぎず、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
(実施形態1)
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る分岐光線路特性解析装置の構成を示すブロック図である。図1に示される光線路特性解析装置として機能する分岐光線路特性解析装置は、第1試験光出力部11及び第2試験光出力部12、光帯域制御部13、入射時間制御器15、パルス化部14、合波素子16、サーキュレータ17、光受信部21、A/D変換器22及び演算処理装置23を具備する。
試験光出力部として機能する第1試験光出力部11および第2試験光出力部12は、例えば、図2及び3に示す構成により実現され、連続光を出力する。第1試験光出力部11および第2試験光出力部12から出力される連続光を、以下ではそれぞれプローブ光、ポンプ光とする。プローブ光とポンプ光は、ブリルアン周波数シフト程度の異なる光周波数を出力する。
プローブ光及びポンプ光は、光帯域制御部13により、距離方向の周波数変化量より広い帯域幅に設定される。図2に示されるように、試験光出力部は、レーザダイオード25に注入する電流に変調を加えることで広帯域な光を出力する。
また、図3で示されるように、試験光出力部は、広帯域光源26から出力される自然放出光を光フィルタ27で帯域制限することで広帯域な第1及び第2試験光を出力する。なお、広帯域光源26からの出力光は、光増幅器(不図示)からの自然放出光で代用しても構わない。
パルス化部14は、音響光学素子をパルス駆動する音響光学スイッチ(不図示)を備える。なお、パルス化部14は、電気光学素子をLiNbOを用いてパルス駆動する導波路スイッチを備えるようにしてもよい。以下では、音響光学スイッチから成る音響光学変調器、又は、電気光学スイッチから成るLiNbO変調器を光デバイスと称する。
光デバイスは、電気パルスにより駆動される時間で、パルス化部#1及びパルス化部#2により、それぞれ第1試験光及び第2試験光をパルス化する。また、パルス化部14は、図2のレーザダイオード25を用いる場合、レーザダイオード25に注入する電流をパルス化することで代用しても構わない。
このとき、パルス化部#1は、第1試験光パルスのパルス幅を2nΔL/c以下とする。ここで、ΔLは、分岐光線路として機能する被測定光ファイバ20に含まれる各分岐光ファイバの長さの差の最小値である。cは、真空中の光速である。nは、光ファイバの屈折率である。
入射時間制御部は、パルス化部14において、駆動用の電気パルスの変調時間を変化させることができる機能を有する。入射時間制御部15は、パルス化部14がパルスを変調するタイミングを変化させることで、光パルスが生成されるタイミングを制御する。
合波素子16は、第1試験光パルスと第2試験光パルスを合波する。合波素子16により合波された第1試験光パルスと第2試験光パルスとは、サーキュレータ17を通過して被測定光ファイバ20へ入射される。これにより、第1試験光パルスを被測定光ファイバ20へ入射する時間と、第2試験光パルスを被測定光ファイバ20へ入射する時間とに時間差を与えることが可能となる。
なお、第1試験光のパルス化部#1における電気パルス、または、第2試験光のパルス化部#2における電気パルスのうち一方の電気パルスの電圧を常にゼロにすることにより、第1試験光パルス又は第2試験光パルスの一方のみを被測定光ファイバ20へ入射することも可能となる。
図1に示すように、被測定光ファイバ20は、基幹光ファイバの一方端に光結合される光分岐器として機能する光スプリッタ18、及び分岐光線路として機能する分岐光ファイバを備える。ここで、各分岐光ファイバの終端には反射部として機能する反射型光フィルタ19が配置される。これらの反射型光フィルタ19は、第1試験光パルス及び第2試験光パルスそれぞれの波長の光を反射し、それ以外の波長の光を透過する特性を有する。なお、前記反射型光フィルタ19は光線路の開放端のフレネル反射でも構わない。
光スプリッタ18は、供給される第1試験光パルス及び第2試験光パルスをN(例えば、N=8)個にそれぞれ分岐する。光スプリッタ18で分岐された第1試験光パルスと第2試験光パルスとは、分岐光ファイバ中でインタラクションする。第1試験光パルスと第2試験光パルスとのインタラクションにより、誘導ブリルアン散乱の後方散乱光が発生する。誘導ブリルアン後方散乱光、第1試験光パルス、及び第2試験光パルスは、サーキュレータ17に戻り、サーキュレータ17を通過して光受信部21へ導出される。
光受信部21は、被測定光ファイバ20からの戻り光であるサーキュレータ17の導出光を受信する。光受信部21は、受信した導出光を電流信号へ変換する。A/D変換器22は、光受信部21から出力される電流信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器22は、デジタル信号を演算処理装置23へ出力する。
演算処理装置23は、入力された電流値に対して下記に説明するような演算処理を行い、分岐光ファイバについての距離に対する損失分布を求める。まず、演算処理装置23は、入射時間差tで第1試験光パルスと第2試験光パルスとの両方を被測定光ファイバ20へ入射した場合の第1試験光強度から、第1試験光パルスのみを被測定光ファイバ20へ入射した場合の第1試験光強度を引くことで、誘導ブリルアン利得を求める。
次に、演算処理装置23は、tを変化させて誘導ブリルアン利得の測定を繰り返し、距離に対する誘導ブリルアン利得を算出する。演算処理装置23は、距離に対する誘導ブリルアン利得から、分岐光ファイバについての距離に対する損失分布を求める。
次に、上述したように構成される本実施形態の分岐光線路特性解析装置の動作について説明する。まず、第1試験光および第2試験光の出力光周波数及び周波数帯域幅、パルス化部14、光受信部21、及びA/D変換器22は次の条件を満足する必要がある。
(条件1) 第1試験光と第2試験光の周波数帯域幅の差は、被測定光ファイバ20に想定されるブリルアン周波数シフトの距離方向の周波数変化量より大きいこと。
(条件2) 第1試験光の出力光周波数の最小値は、第2試験光の出力光周波数の最小値と比べて、設定した想定されるブリルアン周波数シフトの最大値よりも低い周波数であること。
(条件3) 第1試験光の出力光周波数の最大値は、第2試験光の出力光周波数の最大値と比べて、設定した想定されるブリルアン周波数シフトの最小値よりも高い周波数であること。
(条件4) パルス化部14から出力される第1試験光パルスのパルス幅τは、分岐光ファイバの終端の反射型光フィルタ19からの戻り光の時間差2nΔL/cより狭いこと。
(条件5) 光受信部21の帯域及びA/D変換器22の帯域は、パルス幅τを受光可能な帯域であること。
条件1〜5は次のような意味を持つ。
条件1〜3は、第1試験光パルスと第2試験光パルスとが誘導ブリルアン散乱を、被測定光ファイバ20中の全ての距離で起こすために必要となる条件である。図4に、第1試験光及び第2試験光の周波数帯域幅の差が被測定光ファイバ20のブリルアン周波数シフトの変化量より大きい場合の概念図を示す。
第1試験光の周波数帯域幅がブリルアン周波数シフトの変化量より大きい場合、分岐光線路特性解析装置は、第1試験光の光周波数を変更することなく、ファイバA中で衝突した第2試験光パルスによる誘導ブリルアン散乱と、ファイバB中で衝突した第2試験光パルスによる誘導ブリルアン散乱とを測定可能である。
条件4は、分岐光ファイバ毎の誘導ブリルアン散乱光が重ならないようにするための条件である。光パルス化部14のパルス幅τが各分岐光ファイバの終端の反射型光フィルタ19からの戻り光の時間差の最小値2nΔL/cより広いとき、分岐光ファイバ毎の誘導ブリルアン散乱光が重なる。これにより、分岐光ファイバ毎の誘導ブリルアン散乱光を時間的に切り分けることができなくなる。
条件5は、パルス幅τの光パルスを正確に測定するための条件である。すなわち、光受信部21の帯域、及びA/D変換器22の帯域は、1/τより広い必要があることを意味する。上記の条件を満足する場合の本発明を用いた分岐光線路特性解析方法を説明する。
第1試験光出力部11及び第2試験光出力部12としてそれぞれ機能する第1の光源及び第2の光源は、波長の異なる二つの試験光(第1試験光、第2試験光)を出力する。第1試験光はプローブ光であり、第2試験光はポンプ光である。ここで、第1試験光及び第2試験光の光周波数をf±Δf/2、f±Δf/2とする。Δf、Δfは、第1試験光及び第2試験光の周波数帯域幅である。fB_min及びfB_maxは、被測定光ファイバ20に想定される誘導ブリルアン後方散乱による光周波数シフト量の最小値及び最大値である。
まず、分岐光線路特性解析装置は、プローブ光パルスを被測定光ファイバ20へ入射させる。そして、分岐光線路特性解析装置は、プローブ光パルスを入射してt秒後に、ポンプ光パルスを被測定光ファイバ20へ入射する。被測定光ファイバ20に入射されたプローブ光パルスとポンプ光パルスとは、光スプリッタ18によりN(例えば、N=8)個に分岐される。
(a)広帯域試験光によるブリルアン利得
プローブ光とポンプ光との周波数差がfである場合、プローブ光パルスとポンプ光パルスとがインタラクションすると、ブリルアン回折格子が発生し、この回折格子によりポンプ光が反射されることで、プローブ光パルスは増幅される。
ここで、ブリルアン格子強度Q、プローブ光の電界振幅をA、ポンプ光の電界振幅をA、ブリルアン利得係数をgとすると、z地点でのプローブ光電界は式(1)で表される増幅を受ける。また、ブリルアン格子の減衰定数をΓとすると、ブリルアン格子強度は式(2)で表せる。
Figure 0006325490
Figure 0006325490
ここで、ブリルアンフォノンの格子は十分強められた後を考えると、式(3)で表せる。また、式(1)、(3)より、z地点でのプローブ光が受ける増幅は、式(4)で表せる。
Figure 0006325490
Figure 0006325490
ここで、同じ帯域幅を持つ広帯域プローブ光と広帯域ポンプ光において、電界振幅の周波数密度をAs_patialおよびAp_patial、全電界振幅をAs_totalおよびAp_totalとすると、式(3)はプローブ光とポンプ光の全電界振幅により増強されるので、式(5)で表せる。
Figure 0006325490
また、z地点でのある周波数におけるプローブ光電界の変化量は、式(6)で表される。プローブ光の全周波数の変化量の総和は、式(7)で表せ、z地点におけるプローブ光強度の変化量(ブリルアン利得)は、プローブ光強度をIprobe_total,ポンプ光強度をIpump_totalとすると、式(8)で表せる。
Figure 0006325490
Figure 0006325490
Figure 0006325490
以上のように、本実施形態では、帯域幅が同じ場合の広帯域プローブ光及び広帯域ポンプ光によるブリルアン利得は、入射の全エネルギーをブリルアン増幅に用いることができる。
上述した広帯域のポンプ光とプローブ光のブリルアン増幅において、プローブ光とポンプ光の帯域幅が違う場合は、ポンプ光とプローブ光のブリルアン増幅に作用する帯域幅は、プローブ光とポンプ光の帯域幅の小さい方に制限されることとなる。
上記条件2,3より、ポンプ光帯域幅 Δfが小さい場合を考えると、帯域幅の差|Δf−Δf|なので、ブリルアン増幅に寄与しないエネルギーの割合|Δf−Δf|/Δfとなる。ここで、帯域幅の差は想定されるブリルアン周波数シフトの変化量により設定し、上述した補償すべきブリルアン周波数シフト変化量Bと同じである。
つまり、ポンプ光帯域幅をブリルアン利得帯域幅より広く設定することにより、狭い帯域のポンプ光を使った場合よりも、平均測定化後において大きなブリルアン利得を得ることが可能である。
(b)被測定光ファイバの線路損失の測定
プローブ光とポンプ光との周波数差がfである場合、プローブ光パルスとポンプ光パルスとがインタラクションすると、ブリルアン回折格子が発生し、この回折格子によりポンプ光が反射されることで、プローブ光パルスは式(9)で表される増幅を受ける。
Figure 0006325490
ここで、zは、分岐光ファイバの入射端から、プローブ光パルスとポンプ光パルスとがインタラクションした位置までの距離である。α(z,f)は、入射端からの位置z、かつ、ブリルアン周波数シフトfのときの誘導ブリルアン利得である。
(f)は、ブリルアン周波数シフトfの場合の誘導ブリルアン散乱係数である。Ipump(z)は、分岐光ファイバの入射端から距離zだけ離れた位置におけるポンプ光パルスの強度である。τpumpはポンプ光パルスのパルス幅である。
分岐光ファイバ(#i)の損失係数をα、分岐光ファイバ(#i)を往復する場合の全損失を2L、ブリルアン周波数シフトをf、入射プローブパワーをIprobe(0)とすると、終端の反射型光フィルタ(#i)で反射された後、入射端から距離zの位置でポンプ光パルスと衝突したプローブ光パルスの、分岐光ファイバの入射端での強度Iprobe(2L,z,f)は、式(10)で表される。
Figure 0006325490
式(10)より、分岐光ファイバの入射端での第1試験光の強度Iprobe(2L,z,f)は、g(f)とIpump(z)との関数となる。ここで、Ipump(z)は、入射ポンプパワーをIpump(0)とすると、式(11)で表される。また、プローブ光のみを入射した場合に分岐光ファイバの入射端へ戻ってくる反射プローブ光強度Iref(2L)は、式(12)で表される。
Figure 0006325490
Figure 0006325490
よって、式(10)は、式(11)及び式(12)を用いると式(13)として表される。下記(13)式より、誘導ブリルアン散乱光の利得は、インタラクションした場所までの損失と誘導ブリルアン散乱係数との積をポンプ光パルス幅で積分した値となる。ここで、誘導ブリルアン利得係数g(f)は有限の周波数帯域をもち、周波数方向に積分した値は定数である。
そのため、広帯域プローブ光及び広帯域ポンプ光において、条件2、3を満たす場合、常に誘導ブリルアン利得係数の周波数方向の積分値を取得できる。つまり、上記式(13−1及び13−2)は、のみの関数となる。
そこで、以下式(14)の演算を行うことで、ある地点zからの損失分布を取得することができる。よって、誘導ブリルアン散乱光の特性を解析すれば、ある地点zを基準にした被測定光ファイバ20の線路損失を測定することができる。
Figure 0006325490
Figure 0006325490
(c)分岐光ファイバの距離に対するブリルアン散乱光分布の測定
被測定光ファイバ20の入射端から分岐光ファイバ(#a)(1≦a≦Nの整数、ここではN=8)の終端までの長さをLとする。第1試験光パルスは、分岐光ファイバ(#a)の終端に設置された反射型光フィルタ(#a)により反射される。
ここで、分岐光ファイバの終端からの距離をl、被測定光ファイバ20の屈折率をn、真空中の光速をcとすると、反射された第1試験光パルスはt/2秒後にl=c/n×t/2だけ進むので、被測定光ファイバ20の入射端からの距離をlx1とすると、その距離lx1は、式(15)となる。
Figure 0006325490
また、第1試験光パルスが被測定光ファイバ20に入射されてから光スプリッタ18により分岐され、分岐光ファイバの終端の反射型光フィルタ(#a)で反射されて、被測定光ファイバ20の入射端からの距離lx1に到達する時間tは、式(16)である。
Figure 0006325490
第2試験光を被測定光ファイバ20に入射する時刻は、第1試験光を入射してからt秒後とする。第2試験光がt秒後に到達する被測定光ファイバ20の入射端からの距離をlx2とすると、その距離lx2は式(17)で表される。
Figure 0006325490
式(15)、式(17)より、c・t/2nの位置でプローブ光パルスとポンプ光パルスとはインタラクションする。また、インタラクションする時間は、分岐光ファイバの終端の反射型光フィルタ(#a)で反射された時間からt/2秒後である。
つまり、プローブ光パルスとポンプ光パルスとを被測定光ファイバ20に入射する時間差tを変化させることにより、第1試験光と第2試験光がインタラクションする位置を制御できる。このため、距離に対する誘導ブリルアン散乱の特性分布を求めることができる。
(d)分岐光ファイバ(#a)で反射された第1試験光パルスが光受信部21に到達する時間の測定
第1試験光パルスが光受信部21に到達する時間をtdaとする。第1試験光パルスは、分岐光ファイバの終端の反射型光フィルタ(#a)により反射され、光受信部21へ戻ってくる。そのため、到達時間は、式(18)で表される。
Figure 0006325490
ここで、他の分岐光ファイバ(#b)(1≦b≦Nの整数、ここではN=8)から戻ってきた第1試験光パルスが光受信部21に到達する時間tdbは、式(19)で表される。よって、光受信部21に戻る時間差は、式(20)で表される。
Figure 0006325490
Figure 0006325490
≠Lのとき、光受信部21に到達する時間が異なる。ここで、第1試験光パルスのパルス幅をτとすると、式(21)のとき(条件4)、分岐光ファイバ(#1)〜(#8)から戻った第1試験光パルスは光スプリッタ18で重ならない。
Figure 0006325490
そのため、光受信部21の到達時間を測定することで、分岐光ファイバ(#1)〜(#8)のうちどの分岐光ファイバから出力された第1試験光パルスであるかを時間的に切り分けることができる。
上記(b)〜(d)により、分岐光線路特性解析装置は、測定を繰り返す間で光周波数制御することなく、分岐光ファイバ個別の損失分布を測定可能である。また、上記(a)により、広帯域なポンプ光とプローブ光を用いることにより、高速・高感度な測定が可能である。
以上より、本実施形態の分岐光線路特性解析装置は、被測定光ファイバ20の距離方向において、温度及び歪、並びに、ファイバパラメータの違いによりブリルアン周波数シフトが変化した場合においても、第1試験光と第2試験光との周波数差を変更させずに、高速・高感度な分岐光ファイバそれぞれの損失分布を取得可能である。
図5は、本実施形態の分岐光線路特性解析装置による測定手順を示すフローチャートである。まず、第1試験光パルスと第2試験光パルスとの入射時間差tを設定する(ステップS101)。次に、分岐光線路特性解析装置は、第1試験光パルスのみを被測定光ファイバ20へ出力する(ステップS102)。
演算処理装置23は、戻り光の到達時間からどの分岐光ファイバの反射型光フィルタ19で反射された第1試験光パルスのデジタル信号であるかを特定する(ステップS103)。また、演算処理装置23は、反射プローブ光強度を取得する(ステップS104)。
次に、分岐光線路特性解析装置は、第1試験光パルス及び第2試験光パルスを被測定光ファイバ20へ出力する(ステップS105)。演算処理装置23は、分岐光ファイバの反射型光ファイバにより反射された第1試験光パルスから誘導ブリルアン散乱光を解析する(ステップS106)。演算処理装置23は、解析結果を後段へ出力する(ステップS107)。
続いて、演算処理装置23は、最長の分岐光ファイバの反射型光ファイバにより反射された第2試験光パルスが到達したか否かを判断する(ステップS108)。演算処理装置23は、第2試験光パルスが到達した場合(ステップS108のYes)、入力時間差が2nL/cと等しいか否かを判断する(ステップS109)。
入力時間差が2nL/cと等しくない場合(ステップS109のNo)、演算処理装置23は、入力時間差tをt=t+Δtと設定して(ステップS111)、ステップS101の処理から解析処理を繰り返し行う。ステップS109で入力時間差が2nL/cと等しい場合(ステップS109のYes)、演算処理装置23は、一連の測定作業を終了する。
以上の処理をまとめると、本実施形態に係る解析方法は、以下のような処理手順となる。
手順1:第1試験光パルスと第2試験光パルスとの入射時間差tを設定。
手順2:第1試験光パルスの戻り時間によりどの分岐光ファイバで反射した第1試験光パルスであるかを特定。
手順3:第1試験光パルスの光強度により、誘導ブリルアン利得を出力。
手順4:第1試験光パルスと第2試験光パルスとの入射時間差tを変化させて上記手順1から手順3を繰り返し、t=2nL/cで終了。
このように、本実施形態では、分岐光線路特性解析装置は、周波数帯域幅の差が被測定光ファイバ20における長手方向のブリルアン周波数シフトの変化量より大きく、周波数差がブリルアン周波数シフトと同程度の第1試験光と第2試験光とを用意する。
分岐光線路特性解析装置は、第1試験光を、第1試験光のパルス幅が分岐光ファイバの長さの差の最小値ΔLを利用した条件を満たすようにパルス化すると共に、第2試験光をパルス化する。分岐光線路特性解析装置は、第1試験光パルス及び第2試験光パルスに入射時間差を与えて被測定光ファイバ20へ入射する。
そして、分岐光線路特性解析装置は、入射時間差を変えながら、第1試験光パルス及び第2試験光パルスを被測定光ファイバ20へ入射し、第1試験光パルス及び第2試験光パルスのインタラクションにより発生する誘導ブリルアン後方散乱光を解析する。
これにより、分岐光線路特性解析装置は、高速または高感度に、第1試験光と第2試験光との周波数差を変更させずに、どの分岐光ファイバからの誘導ブリルアン散乱かを特定することが可能となる。このため、分岐光線路特性解析装置は、第1試験光と第2試験光との周波数差を変更させることなく、分岐光ファイバ毎の損失分布を求めることができる。
したがって、上記実施形態の分岐光線路特性解析装置によれば、PON型の光分岐線路において、光スプリッタ18からユーザ装置側の分岐光ファイバを監視するにあたり、所外既設設備を使用するのみで分岐光ファイバの光線路特性を個別に測定することが可能であり、かつ、分岐光ファイバの距離方向でブリルアン周波数シフトが異なる場合でも第1試験光パルス及び第2試験光パルスの光周波数差を変化させることなく精確に、高速かつ高感度に分岐光ファイバの損失特性を測定することができる。
なお、上記実施形態では、分岐光線路特性解析装置がサーキュレータ17を備える場合を例に説明した。しかしながら、これに限定されない。分岐光線路特性解析装置は、例えば、サーキュレータ17の代わりにカプラを備えていても構わない。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
本発明は情報通信産業に適用することができる。
11:第1試験光出力部
12:第2試験光出力部
13:光帯域制御部
14:パルス化部
15:入射時間制御部
16:合波素子
17:サーキュレータ
18:光スプリッタ
19:反射型光フィルタ
20:被測定光ファイバ
21:光受信部
22:A/D変換器
23:演算処理装置
25:レーザダイオード
26:広帯域光源
27:光フィルタ

Claims (6)

  1. 遠端に反射部を有する光線路の前記反射部から反射された第1試験光及び第2試験光を検出し、光線路の特性を解析する光線路特性解析装置であって、
    周波数帯域幅が前記光線路のブリルアン利得帯域幅より広く、前記第1試験光と前記第2試験光の周波数帯域幅の差が前記光線路のブリルアン周波数シフトの距離方向の周波数変化量より大きく、中心周波数差が前記ブリルアン周波数シフトと略同一であり、互いに周波数の異なる前記第1試験光及び前記第2試験光をそれぞれ出力する第1の光源及び第2の光源と、
    前記第1試験光及び前記第2試験光をそれぞれパルス化して第1試験光パルス及び第2試験光パルスを生成する第1のパルス化部及び第2のパルス化部と、
    前記第1のパルス化部及び前記第2のパルス化部に対し、前記第1試験光パルス及び前記第2試験光パルスを発生させるタイミングの時間差を有するように制御する入射時間制御部と、
    前記第1試験光パルス及び前記第2試験光パルスを合波し、合波した前記第1試験光パルス及び前記第2試験光パルスを前記光線路に入射する合波素子と、
    前記反射部で反射され、前記光線路の入射端から出射された前記第1試験光パルス及び前記第2試験光パルスを戻り光として受光し、それぞれ電気信号へ変換する光受信部と、
    前記電気信号をデジタル信号へ変換する変換器と、
    前記デジタル信号を用いて前記第1試験光パルスと前記第2試験光パルスとの前記光線路へ入射させる時間差を検出し、
    前記光線路で反射された戻り光のうち前記第1試験光パルスの光強度を用いてブリルアン利得を算出し、
    前記時間差を繰り返し変化させ、変化させた時間差毎に前記ブリルアン利得を算出し、
    前記時間差を繰り返し変化させて算出した前記ブリルアン利得を用いて前記光線路の損失分布を取得する演算処理装置と、
    を備える光線路特性解析装置。
  2. 前記光線路は、基幹光線路の一方端を光分岐器によって複数に分岐し、遠端に前記反射部を有する分岐光線路の近端を前記光分岐器の分岐端部それぞれに光結合してなる光線路であり、
    前記第1のパルス化部は、
    各分岐光線路間の長さの差の最小値に応じて決定したパルス幅でパルス化して前記第1試験光パルスを生成し、
    前記演算処理装置は、
    前記第1試験光パルスが前記分岐光線路の前記反射部で反射されて戻ってくる時間に応じて、複数の前記分岐光線路のうち前記第1試験光パルスを反射した分岐光線路を特定し、
    反射された前記第1試験光パルスの光強度を用いて前記ブリルアン利得を算出し、
    前記時間差を繰り返し変化させ、変化させた時間差毎に前記ブリルアン利得を算出し、
    前記時間差を繰り返し変化させて算出した前記ブリルアン利得を用いて複数の前記分岐光線路のそれぞれの損失分布を取得する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光線路特性解析装置。
  3. 前記第1のパルス化部から出力される前記第1試験光パルスのパルス幅τは、前記分岐光線路の前記反射部からの戻り光の時間差2nΔL/cより狭い
    ことを特徴とする請求項に記載の光線路特性解析装置。
    ただし、n:前記分岐光線路の屈折率、ΔL:前記各分岐光線路長さの差の最小値、c:真空中の光速
  4. 前記光受信部及び前記変換器は、
    1/τより広い受光可能帯域を有する
    ことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の光線路特性解析装置。
    ただし、τ:前記第1試験光パルスのパルス幅
  5. 前記第1の光源及び前記第2の光源は、レーザダイオードであり、
    前記第1のパルス化部及び前記第2のパルス化部は、前記レーザダイオードの注入電流を強度変調する手段である
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の光線路特性解析装置。
  6. 遠端に反射部を有する光線路の前記反射部から反射された第1試験光及び第2試験光を検出し、光線路の特性を解析する光線路特性解析方法であって、
    周波数帯域幅が前記光線路のブリルアン利得帯域幅より広く、前記第1試験光と前記第2試験光の周波数帯域幅の差が前記光線路のブリルアン周波数シフトの距離方向の周波数変化量より大きく、中心周波数差が前記ブリルアン周波数シフトと略同一であり、互いに周波数の異なる前記第1試験光及び前記第2試験光をそれぞれ出力する第1の光源及び第2の光源による試験光出力手順と、
    前記第1試験光及び前記第2試験光をそれぞれパルス化して第1試験光パルス及び第2試験光パルスを生成する第1のパルス化手順及び第2のパルス化手順と、
    前記第1のパルス化手順及び前記第2のパルス化手順に対し、前記第1試験光パルス及び前記第2試験光パルスを発生させるタイミングの時間差を有するように制御する入射時間制御手順と、
    前記第1試験光パルス及び前記第2試験光パルスを合波し、前記合波した前記第1試験光パルス及び前記第2試験光パルスを前記光線路に入射する合波素子による合波手順と、
    前記反射部で反射され、前記光線路の入射端から出射された前記第1試験光パルス及び前記第2試験光パルスを戻り光として受光し、それぞれ電気信号へ変換する光受信手順と、
    前記電気信号をデジタル信号へ変換する変換手順と、
    前記デジタル信号を用いて前記第1試験光パルスと前記第2試験光パルスとの前記光線路へ入射させる時間差を検出し、
    前記光線路で反射された戻り光のうち前記第1試験光パルスの光強度を用いてブリルアン利得を算出し、
    前記時間差を繰り返し変化させ、変化させた時間差毎に前記ブリルアン利得を算出し、
    前記時間差を繰り返し変化させて算出した前記ブリルアン利得を用いて前記光線路の損失分布を取得する演算処理手順と、
    を順に行う光線路特性解析方法。
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