[第1実施形態]
図1において、医療情報システム2は、放射線撮影システム10、医療画像保管通信システム(PACS;Picture Archiving and Communication System)11、クライアント端末12、および写損画像管理装置に相当する写損画像管理サーバ13を備える。これらは医療施設内に敷設されたLAN(Local Area Network)等のネットワーク14を介して相互接続されている。
放射線撮影システム10は、周知のように、撮影対象の患者Pに向けて放射線(例えばX線)を照射する放射線源15と、放射線源15に与える管電圧、管電流、および放射線の照射時間からなる撮影条件が設定され、撮影条件に応じた放射線源15の駆動制御を行う線源制御装置16と、放射線源15から発せられて患者Pを透過した放射線を受けて、医療画像に相当する放射線画像26(図3参照)を検出する放射線画像検出装置17と、放射線画像検出装置17の駆動制御を行うコンソール18とを備える。なお、図1では、放射線撮影システム10は1つしか描かれていないが、実際には、複数の撮影室に複数の放射線撮影システム10が配備されている。
PACS11、クライアント端末12、および写損画像管理サーバ13は、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ワークステーションといったコンピュータをベースに、オペレーティングシステム等の制御プログラムや、各種アプリケーションプログラムをインストールして構成される。
PACS11は画像データベース(以下、DB(Data Base)と略す)20を有する。画像DB20には診断用画像ファイル(図3参照)が検索可能に格納される。PACS11は診断用画像ファイルを保管、管理する。
写損画像管理サーバ13は写損事例DB21を有する。写損事例DB21には診断用画像ファイルおよび写損画像ファイル(図3参照)が検索可能に格納される。写損画像管理サーバ13は診断用画像ファイルおよび写損画像ファイルを保管、管理する。
診断用画像ファイルは、放射線撮影システム10で撮影された放射線画像26のうち、診断に利用可能な診断用画像を元に作成された画像ファイルである。一方、写損画像ファイルは、放射線撮影システム10で撮影された放射線画像26のうち、撮影が失敗した写損画像を元に作成された画像ファイルである。なお、撮影が失敗する原因としては、患者Pのポジショニングミスや患者Pの体動、撮影条件の設定ミス等が挙げられる。
クライアント端末12は、撮影を担当する放射線技師等の複数人の医療スタッフが一堂に会して撮影の改善点を検討するカンファレンスを行う際に、医療スタッフにより操作される。カンファレンスは、例えば1か月毎等、定期的に行われる。なお、図1では、クライアント端末12は1台しか描かれていないが、例えば医療スタッフ毎に複数台のクライアント端末12が配備されていてもよい。
図2において、コンソール18は、撮影を医療スタッフに指示するための撮影オーダを受け付ける。撮影オーダは、内科、外科等の診療科の医師により電子カルテを通じて発行され、放射線情報システム(RIS;Radiology Information System、図示せず)を介してコンソール18に送信される。コンソール18は、この撮影メニューの内容を医療スタッフに表示する。なお、撮影オーダは、RIS等のシステムを介してではなく、診療科の医師から医療スタッフに紙で受け渡されることもある。この場合撮影オーダは医療スタッフによりコンソール18に手入力される。
撮影オーダは、オーダID(Identification data)、依頼科、スタッフID、患者ID、および撮影部位/姿勢/方向の項目を有する。オーダIDは、個々の撮影オーダを識別するための記号や番号であり、RISにより自動的に付される。依頼科の項目には撮影オーダを発行した診療科の名称が、スタッフIDの項目には撮影オーダを発行した撮影の依頼者である医師のスタッフIDが、患者IDの項目には撮影対象の患者Pの患者IDがそれぞれ記される。スタッフIDは医師や放射線技師等の個々の医療スタッフを識別するための記号や番号であり、患者IDは個々の患者を識別するための記号や番号である。
撮影部位/姿勢/方向の項目には、撮影オーダを発行した医師が指定した撮影部位、姿勢、および撮影方向が記される。撮影部位は、頭部、頸椎、胸部、腹部、手、指、肘、膝等の人体の部位である。姿勢は立位、臥位、座位等の患者Pの姿勢、撮影方向は正面、側面、背面等の放射線に対する患者Pの向きである。図2では、撮影部位に胸部、姿勢に立位、撮影方向に正面が指定された場合を例示している。なお、これらの項目の他に、RISで撮影オーダを受け付けた日時、術後の経過観察や治療薬の効果判定等の撮影目的、診療科の医師から放射線技師への申し渡し事項等の項目を設けてもよい。
撮影オーダは、1人の患者に対して1つの場合もあれば、1人の患者に対して同時に複数発行される場合もある。1人の患者に対して同時に複数撮影オーダが発行された場合は、1人の患者に対するものであることを示す識別符号が複数の撮影オーダのオーダIDに付される。
コンソール18には、メニュー・条件テーブル25が記憶されている。メニュー・条件テーブル25には、撮影部位、姿勢、および撮影方向が1セットとなった撮影メニューと、これに対応する撮影条件とが関連付けて登録されている。コンソール18は、このメニュー・条件テーブル25の内容を、撮影メニューを設定可能な形態で医療スタッフに表示する。なお、上記の撮影メニューから姿勢を除いた撮影部位および撮影方向が1セットとなった撮影メニューや、トモシンセシス撮影、長尺撮影といった特殊撮影に対応した撮影メニューを設けてもよい。
医療スタッフは、コンソール18で撮影オーダの内容を確認し、撮影オーダで指定された撮影部位/姿勢/方向と一致する撮影メニューを選択して設定する。そして、設定した撮影メニューに対応する撮影条件と同じ撮影条件、または設定した撮影メニューに対応する撮影条件を患者Pの体格等に応じて微調整した撮影条件を、線源制御装置16に手動で設定する。
撮影条件の設定後、医療スタッフは、放射線源15、放射線画像検出装置17、および患者Pを所望の位置にポジショニングさせた後、放射線源15を駆動させて患者Pに向けて放射線を照射させる。患者Pを透過した放射線は放射線画像検出装置17に照射され、これにより放射線画像検出装置17で放射線画像26が検出される。
図3において、放射線画像検出装置17は、放射線画像26をコンソール18に送信する。コンソール18は、放射線画像26を医療スタッフに表示する。医療スタッフは、コンソール18に表示された放射線画像26が、診断用画像であるか写損画像であるかを判断し、その結果をコンソール18に入力する。医療スタッフにより放射線画像26が診断用画像との判断が下されたときが、1つの撮影オーダに対する撮影終了の合図となる。
コンソール18は、放射線画像26と、これを撮影したときに設定された撮影メニュー、およびその他の付帯情報とを関連付けた画像ファイルを作成する。画像ファイルには、前述のように診断用画像を元にした診断用画像ファイルと、写損画像を元にした写損画像ファイルの2種類がある。コンソール18は、診断用画像ファイルをPACS11に、診断用画像ファイルおよび写損画像ファイルを写損画像管理サーバ13にそれぞれ送信する。なお、コンソール18による各画像ファイルの送信タイミングとしては、各画像ファイルの作成後すぐに送信してもよいし、写損画像ファイルについては、診断に必要な訳ではないため、作成後に一旦これをストックしておき、1日の業務が終了してシャットダウンする際等の決まったタイミングで送信してもよい。
図4において、画像ファイルは、例えばDICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)規格に準拠したファイル形式であり、付帯情報が記憶される付帯情報記憶領域27と、放射線画像26が記憶される画像記憶領域28とを有する。
付帯情報記憶領域27には、ファイルID、撮影日時、患者ID、患者氏名、性別、生年月日、年齢、身長(単位:cm)、体重(単位:kg)、入院/外来区分、オーダID、撮影メニュー、管電圧(単位:kV)、管電流(単位:mA)、照射時間(単位:ms)、スタッフID、撮影室、および写損フラグの各項目が設けられている。
ファイルIDは、個々の画像ファイルを識別するための記号や番号であり、画像ファイルの作成時にコンソール18により自動的に付される。撮影日時は、文字通り撮影を行った日時であり、放射線画像26の検出時に放射線画像検出装置17により自動的に付される。
患者ID、患者氏名、性別、生年月日、年齢、身長、体重、入院/外来区分の各項目には、撮影対象の患者Pの患者ID等がそれぞれ記される。これらの患者Pに関する情報は、例えば病院情報システム(HIS;Hospital Information System、図示せず)から取得することができる。なお、上記の他に身長、体重から計算したBMI(Body Mass Index)指数等の体格指数の項目を追加してもよい。
オーダIDの項目には撮影対象の撮影オーダのオーダIDが記される。このオーダIDの項目には、医療スタッフにより放射線画像26が診断用画像との判断が下されて撮影終了の合図があるまで、同じオーダIDが記される。すなわち、撮影が失敗して写損画像が撮影された場合には、同じオーダIDが記された少なくとも1つの写損画像ファイルと、1つの診断用画像ファイルとが作成される。同じオーダIDが記された写損画像ファイルの件数が、そのオーダIDの撮影における撮影が失敗した回数、すなわち写損回数を示している。
撮影メニューの項目には医療スタッフにより設定された撮影メニューが、管電圧、管電流、照射時間の項目には医療スタッフにより線源制御装置16に設定された管電圧、管電流、照射時間がそれぞれ記される。また、スタッフIDの項目には撮影を行った医療スタッフ(撮影者)のスタッフIDが、撮影室の項目には撮影を行った撮影室がそれぞれ記される。
写損フラグは、画像ファイルが診断用画像ファイル、写損画像ファイルのいずれかを区別するためのものである。診断用画像ファイルの場合、写損フラグの項目には「0」が記され、写損画像ファイルの場合、写損フラグの項目には「1」が記される。
図4では写損フラグの項目に「1」が記されているので、図4に示す画像ファイルは写損画像ファイルである。画像記憶領域28に記憶される放射線画像26は写損画像であり、点線で示すように患者Pのポジショニングミスによる位置ずれや患者Pの体動によるぶれ、撮影条件の設定ミスによる濃度過多または濃度不足等が見られる。
図5において、クライアント端末12は、配信要求を写損画像管理サーバ13に出力する。写損画像管理サーバ13は、クライアント端末12からの配信要求を受け付ける。写損画像管理サーバ13は、配信要求に応じて、カンファレンスで検討の対象とすべき撮影メニューである対象メニュー、およびカンファレンスで医療スタッフの閲覧に供する検討画像26C(図27参照)を自動抽出する。写損画像管理サーバ13は、対象メニューおよび検討画像26Cを表示するカンファレンス画面(表示画面に相当、図25〜図27も参照)30を生成し、これを配信要求の出力元のクライアント端末12に出力する。
写損画像管理サーバ13は、カンファレンス画面30を、例えば、XML(Extensible Markup Language)等のマークアップ言語によって作成されるウェブ配信用のXMLデータの形式で出力する。クライアント端末12は、XMLデータに基づきカンファレンス画面30をウェブブラウザ上に再現して表示する。なお、XMLに代えて、JSON(JavaScript(登録商標) Object Notation)等の他のデータ記述言語を利用してもよい。
図6において、クライアント端末12および写損画像管理サーバ13を構成するコンピュータは、基本的な構成は同じであり、それぞれ、ストレージデバイス35、メモリ36、CPU(Central Processing Unit)37、通信部38、ディスプレイ39、および入力デバイス40を備えている。これらはデータバス41を介して相互接続されている。
ストレージデバイス35は、クライアント端末12等を構成するコンピュータに内蔵、またはケーブルやネットワークを通じて接続されたハードディスクドライブ、もしくはハードディスクドライブを複数台連装したディスクアレイである。ストレージデバイス35には、オペレーティングシステム等の制御プログラムや各種アプリケーションプログラム、およびこれらのプログラムに付随する各種操作画面の表示データ等が記憶されている。
メモリ36は、CPU37が処理を実行するためのワークメモリである。CPU37は、ストレージデバイス35に記憶されたプログラムをメモリ36へロードして、プログラムにしたがった処理を実行することにより、コンピュータの各部を統括的に制御する。
通信部38は、ネットワーク14を介した各種情報の伝送制御を行うネットワークインターフェースである。ディスプレイ39は、マウスやキーボード等の入力デバイス40の操作に応じた各種操作画面を表示する。操作画面にはGUI(Graphical User Interface)による操作機能が備えられる。クライアント端末12等を構成するコンピュータは、操作画面を通じて入力デバイス40からの操作指示の入力を受け付ける。
なお、以下の説明では、クライアント端末12を構成するコンピュータの各部には添え字の「A」を、写損画像管理サーバ13を構成するコンピュータの各部には添え字の「B」をそれぞれ符号に付して区別する。
図7において、ウェブブラウザが起動されると、クライアント端末12のCPU37Aは、メモリ36と協働して、GUI制御部45、およびブラウザ制御部46として機能する。
GUI制御部45は、各種操作画面をディスプレイ39Aに表示し、かつ各種操作画面を通じて入力デバイス40Aから入力される操作指示を受け付ける。操作指示には、カンファレンス画面30の配信指示等がある。GUI制御部45は、受け付けた操作指示をブラウザ制御部46に出力する。
ブラウザ制御部46は、ウェブブラウザの動作を制御する。ブラウザ制御部46は、配信要求を写損画像管理サーバ13に対して発行する。また、ブラウザ制御部46は、写損画像管理サーバ13からのカンファレンス画面30のXMLデータを受け取る。ブラウザ制御部46は、XMLデータに基づきウェブブラウザ上に表示するカンファレンス画面30を再現し、これをGUI制御部45に出力する。GUI制御部45は、カンファレンス画面30をディスプレイ39Aに表示する。
カンファレンスにおいて、医療スタッフは、ウェブブラウザ上で写損画像管理サーバ13が開設したサイトにアクセスする。サイトへのアクセスが完了すると、ディスプレイ39Aには、図8に示す指定画面50が表示される。指定画面50は、カンファレンス画面30の配信指示を入力するための画面である。
図8において、指定画面50は、参加者選択領域51、件数・枚数・期間入力領域52、および絞り込み条件選択領域53を有する。参加者選択領域51は、カンファレンスに参加する医療スタッフ(参加者)を選択するための領域である。参加者選択領域51には各医療スタッフの氏名が表示され、各医療スタッフを参加者として選択するためのチェックボックス54と、非表示の氏名およびチェックボックス54を表示するためのスクロールバー55とが設けられている。チェックボックス54はカーソル56で選択可能であり、カーソル56で選択されたチェックボックス54にはチェックマークが表示される。
参加者選択領域51の参加者の表示は、写損事例DB21に格納された診断用画像ファイルおよび写損画像ファイルのスタッフIDの項目からスタッフIDの情報を取得し、取得したスタッフIDを氏名に変換することで行う。なお、参加者選択領域51に、医療スタッフ全員を一括して参加者として選択する機能や、数人の医療スタッフのグループ毎に参加者を選択する機能を設けてもよい。
件数・枚数・期間入力領域52は、対象メニューの件数、検討画像26Cの枚数、および期間を入力するための領域である。期間は、第1算出部72(図10参照)で第1指標値の算出の対象とする放射線画像26の撮影日時の期間である算出対象期間、並びに第2抽出部74(図10参照)で検討画像26Cの抽出の対象とする写損画像の撮影日時の期間である抽出対象期間である。
件数・枚数・期間入力領域52には、件数の入力ボックス57、枚数の入力ボックス58、および期間の入力ボックス59、60が設けられている。入力ボックス57には件数を表す数値が、入力ボックス58には枚数を表す数値がそれぞれ入力される。また、入力ボックス59には期間の開始日が、入力ボックス60には期間の終了日がそれぞれ入力される。なお、ここでは入力ボックス59、60で算出対象期間と抽出対象期間を一緒に指定しているが、算出対象期間用の入力ボックスと抽出対象期間用の入力ボックスを設け、算出対象期間と抽出対象期間を別々に指定してもよい。
絞り込み条件選択領域53は、絞り込み条件を選択するための領域である。絞り込み条件には、患者の年代、性別、入院/外来区分、撮影日時の時間帯、曜日、および撮影室がある。絞り込み条件選択領域53には、これらの絞り込み条件を選択するためのプルダウンメニュー61、62、63、64、65、66が設けられている。なお、患者の身長、体重の範囲や管電圧等の撮影条件の範囲を絞り込み条件に含めてもよい。
参加者選択領域51のチェックボックス54は、少なくとも1つ選択する必要がある。一方、件数・枚数・期間入力領域52の入力ボックス57〜60への件数、枚数、期間の入力、および絞り込み条件選択領域53の各絞込み条件のプルダウンメニュー61〜66の選択は任意である。
絞り込み条件選択領域53の下部には、開始ボタン67が設けられている。少なくとも1つのチェックボックス54が選択されて開始ボタン67が選択されると、カンファレンス画面30の配信指示がGUI制御部45で受け付けられ、ブラウザ制御部46に出力される。
図8では、参加者として「山田正」、「川村一郎」、「大岩美咲」、「百安彩果」の4人が選択され、件数に「1」、枚数に「50」、期間に「2015.01.05〜2015.03.13」がそれぞれ入力され、絞り込み条件として性別「男性」、入院/外来区分「外来」がそれぞれ選択された例を示している。
ブラウザ制御部46は、GUI制御部45からのカンファレンス画面30の配信指示に応じて、図9に示す指定情報を作成する。指定情報は、参加者のスタッフID、件数、枚数、期間、および絞り込み条件の各項目を有する。これらの項目には指定画面50の各領域51〜53における選択、入力状態に応じた情報が記される。ブラウザ制御部46は、この指定情報を含むカンファレンス画面30の配信要求を発行する。
図9では、図8に示す指定画面50の選択、入力状態に応じた情報が記された指定情報を例示している。なお、スタッフIDの項目に記されたスタッフID「R0001」は「山田正」、「R0002」は「川村一郎」、「R0005」は「大岩美咲」、「R0008」は「百安彩果」のそれぞれの参加者のスタッフIDに該当する。
図10において、写損画像管理サーバ13のストレージデバイス35Bには、写損画像管理プログラム70が記憶されている。写損画像管理プログラム70は、写損画像管理サーバ13を構成するコンピュータを、写損画像管理装置として機能させるためのアプリケーションプログラムであり、作動プログラムに相当する。
写損画像管理プログラム70が起動されると、写損画像管理サーバ13のCPU37Bは、メモリ36と協働して、受付部71、第1算出部72、第1抽出部73、第2抽出部74、第2算出部75、および画面出力制御部76として機能する。
受付部71は、クライアント端末12からの配信要求を受け付ける。受付部71は、配信要求に含まれる指定情報の参加者のスタッフIDの情報および期間の情報を第1算出部72に、件数の情報を第1抽出部73にそれぞれ出力する。また、受付部71は、枚数、抽出対象期間の各情報を第2抽出部74に、参加者のスタッフID、絞り込み条件の各情報を第2算出部75にそれぞれ出力する。さらに、受付部71は、参加者のスタッフIDの情報を画面出力制御部76に出力する。
第1算出部72は、写損事例DB21に格納された診断用画像ファイルおよび写損画像ファイルに記された撮影メニューに基づいて、撮影メニュー別の写損状況を定量的に表す第1指標値を算出する。第1抽出部73は、第1指標値に基づいて対象メニューを自動抽出する。
第2抽出部74は、写損事例DB21に格納された複数の写損画像ファイルの中から、第1抽出部73で抽出した対象メニューが記された写損画像ファイルを抽出する。第2算出部75は、検討画像26Cを参加者の閲覧に供する場合の優先度を定量的に表す第2指標値を算出する。
画面出力制御部76は、第1抽出部73で抽出した対象メニューや第2抽出部74で抽出した写損画像ファイル等に基づいてカンファレンス画面30を生成する。画面出力制御部76は、生成したカンファレンス画面30のXMLデータを、配信要求の出力元のクライアント端末12に出力する。
図11において、第1算出部72は、受付部71からの期間の情報を受け付ける。第1算出部72は、受け付けた期間と同じ期間を指定した検索指令を写損事例DB21に出力する。写損事例DB21は、第1算出部72からの検索指令に応じて、期間内の撮影日時が記された診断用画像ファイルおよび写損画像ファイルを検索し、その検索結果80を第1算出部72に出力する。
なお、指定画面50で期間が入力されず、指定情報に期間の情報がなかった場合は、写損事例DB21内の全ての診断用画像ファイルおよび写損画像ファイルが、検索結果80として写損事例DB21から第1算出部72に出力される。
図11では、期間として、図8および図9と同じ「2015.01.05〜2015.03.13」が例示されている。このため、検索結果80は、「2015.01.05〜2015.03.13」の期間内の撮影日時が記された診断用画像ファイルおよび写損画像ファイルで構成される。
図12において、第1算出部72は、検索結果80に基づいて中間処理データ81を作成する。具体的には、まず、第1算出部72は、検索結果80の診断用画像ファイルおよび写損画像ファイルの撮影メニューに着目し、診断用画像ファイルおよび写損画像ファイルの件数を合わせた全撮影回数を撮影メニュー別に計数する。
次いで、検索結果80の写損画像ファイルの件数に基づいて、写損が発生した回数である写損回数を撮影メニュー別に計数し、さらに、写損回数を全撮影回数で除算して、全撮影回数に対する写損回数の割合である写損率を撮影メニュー別に算出する。例えば撮影メニュー「胸部/立位/正面」の場合は、全撮影回数が200、写損回数が30であるため、写損率は(30/200)×100で15%となる。
写損回数の計数および写損率の算出後、第1算出部72は、各撮影メニューに対して、写損回数が多い順に写損回数の順位をつけ、また、写損率が高い順に写損率の順位をつける。そして、順位・変数テーブル85に基づいて、写損回数の順位に応じた写損回数に基づく変数X1を、写損率の順位に応じた写損率に基づく変数X2をそれぞれ撮影メニュー別に導出する。変数X1は撮影メニュー別の写損回数に基づく変数、変数X2は撮影メニュー別の写損率に基づく変数である。
順位・変数テーブル85は、順位に対応する変数が登録されたデータテーブルであり、例えばストレージデバイス35Bに格納されている。ここでは、1位に対して変数「10」、2位に対して変数「9」、・・・、9位に対して変数「2」、10位に対して変数「1」というように、1位の「10」から1つずつ減算した変数が登録されている。また、11位以降には変数「0」が登録されている。
例えば撮影メニュー「胸部/立位/正面」の場合は、写損回数の順位が3位であるため変数X1として「8」が、写損率の順位が6位であるため変数X2として「5」がそれぞれ導出されて中間処理データ81に登録される。撮影メニュー「腹部/立位/正面」の場合は、写損回数の順位が12位、写損率の順位が16位でいずれも11位以降であるため、変数X1、X2としてともに「0」が導出されて中間処理データ81に登録される。
図13において、第1算出部72は、受付部71からの参加者のスタッフIDの情報を受け付ける。第1算出部72は、このスタッフIDの情報および検索結果80に基づいて中間処理データ82を作成する。第1算出部72は、検索結果80の診断用画像ファイルおよび写損画像ファイルの撮影メニューおよびスタッフIDに着目し、参加者のスタッフIDが記された診断用画像ファイルおよび写損画像ファイルに対して、中間処理データ81の場合と同じ処理を行うことで中間処理データ82を作成する。
図14に示すように、中間処理データ82は、いわば参加者別の中間処理データ81の集合である。ここでは、参加者のスタッフIDとして、図8および図9と同じ「R0001」、「R0002」、「R0005」、「R0008」が例示され、これらのスタッフID別の写損回数に基づく変数X3、X5、X7、X9および写損率に基づく変数X4、X6、X8、X10が導出されている。変数X3、X5、X7、X9は撮影メニュー別かつ参加者別の写損回数に基づく変数、変数X4、X6、X8、X10は撮影メニュー別かつ参加者別の写損率に基づく変数である。なお、スタッフID「R0005」、「R0008」については、図面スペースの制約上、写損回数や写損率等の図示を省略している。
また、図15に示すように、第1算出部72は、検索結果80の写損画像ファイルの撮影メニューおよびオーダIDに着目し、中間処理データ83を作成する。具体的には、第1算出部72は、検索結果80の写損画像ファイルのうち、同じオーダIDが記された2件以上の写損画像ファイルのオーダIDと撮影メニューを抽出する。そして、その写損画像ファイルの件数を写損回数として登録する。第1算出部72は、写損回数に基づく変数X11を導出する。ここでは、変数X11として写損回数と等しい数値を導出する。変数X11は、同一の撮影オーダの撮影における撮影メニュー別の写損回数に基づく変数である。
図15では、オーダID「OD0001」、撮影メニュー「胸部/立位/正面」が記された写損画像ファイルが検索結果80に2件存在するため、中間処理データ83には、オーダID「OD0001」、撮影メニュー「胸部/立位/正面」、写損回数「2」、および変数X11「2」が登録されている。
さらに、図16に示すように、第1算出部72は、検索結果80の写損画像ファイルの撮影メニューおよび患者IDに着目し、中間処理データ84を作成する。具体的には、第1算出部72は、検索結果80の写損画像ファイルのうち、同じ患者IDが記された2件以上の写損画像ファイルの患者IDと撮影メニューを抽出する。そして、その写損画像ファイルの件数を写損回数として登録する。第1算出部72は、写損回数に基づく変数X12を導出する。ここでは、変数X12として、変数X11と同様に、写損回数と等しい数値を導出する。変数X12は、同一の患者の撮影における撮影メニュー別の写損回数に基づく変数である。
図16では、患者ID「P0001」、撮影メニュー「胸部/立位/正面」が記された写損画像ファイルが検索結果80に2件存在するため、中間処理データ84には、患者ID「P0001」、撮影メニュー「胸部/立位/正面」、写損回数「2」、および変数X12「2」が登録されている。なお、同じ患者IDが記された2件以上の写損画像ファイルが、複数の撮影メニューで検索結果80に存在する場合には、中間処理データ84の患者ID「P0010」の項目に示すように、撮影メニュー毎の写損回数および変数X12が登録される。
図17において、第1算出部72は、各中間処理データ81〜84から各変数Xi(i=1〜12)を読み出す。第1算出部72は、これら各変数Xiの総和を求める第1計算式ΣXiにより、撮影メニュー別の第1指標値を算出する。第1算出部72は、第1指標値の算出結果86を、第1抽出部73および画面出力制御部76に出力する。
各変数Xiに適当な重み付け係数を加算したり乗算したうえで第1指標値を算出してもよい。例えば撮影メニュー別の写損回数に基づく変数X1、撮影メニュー別の写損率に基づく変数X2に10を加算する。あるいは、同一の撮影オーダの撮影における撮影メニュー別の写損回数に基づく変数X11、同一の患者の撮影における撮影メニュー別の写損回数に基づく変数X12に2を乗算する。この場合、重み付け係数をクライアント端末12で設定変更可能に構成してもよい。
なお、ここでは参加者が4人であるため、撮影メニュー別かつ参加者別の写損回数に基づく変数がX3、X5、X7、X9の4個、撮影メニュー別かつ参加者別の写損率に基づく変数がX4、X6、X8、X10の4個であるが、参加者の人数が変動すればこれらの変数の個数も変動する。このため変数の添え字iは上記の1〜12に限らない。また、説明の便宜上、同一の撮影オーダの撮影における撮影メニュー別の写損回数に基づく変数の添え字iを11、同一の患者の撮影における撮影メニュー別の写損回数に基づく変数の添え字iを12としたが、参加者の人数に応じてこれらの添え字iも変わる。
図18において、第1抽出部73は、受付部71からの件数の情報、および第1算出部72からの第1指標値の算出結果86を受け付ける。第1抽出部73は、算出結果86に基づいて、指定された件数分の対象メニューを抽出する。
より具体的には、第1抽出部73は、算出結果86の第1指標値が大きい順に撮影メニューをソートした中間処理データ90を作成する。そして、中間処理データ90の1位の撮影メニューから順に対象メニューとして抽出していき、抽出した対象メニューが指定された件数に達したときに抽出を止める。第1抽出部73は、こうして抽出した対象メニューを抽出結果91として第2抽出部74および画面出力制御部76に出力する。
なお、指定画面50で件数が入力されず、指定情報に件数の情報がなかった場合は、例えば中間処理データ90の1位〜3位の3件の撮影メニューが対象メニューとして抽出される。
図18では、件数に「1」が指定されていて、中間処理データ90の1位の撮影メニューが「胸部/立位/正面」であるため、この1位の撮影メニュー「胸部/立位/正面」が対象メニューとして抽出されている。
図19において、第2抽出部74は、受付部71からの期間の情報、および第1抽出部73からの対象メニューの抽出結果91を受け付ける。第2抽出部74は、受け付けた期間と同じ期間、受け付けた対象メニューと同じ撮影メニュー、および写損フラグ「1」(写損画像ファイル)を指定した検索指令を写損事例DB21に出力する。写損事例DB21は、第2抽出部74からの検索指令に応じて、期間内の撮影日時、および対象メニューと同じ撮影メニューが記された写損画像ファイルを検索し、その検索結果95を第2抽出部74に出力する。第2抽出部74は、検索結果95を第2算出部75に出力する。
なお、指定画面50で期間が入力されず、指定情報に期間の情報がなかった場合は、写損事例DB21内の対象メニューと同じ撮影メニューが記された全ての写損画像ファイルが、検索結果95として写損事例DB21から第2抽出部74に出力される。
図19では、期間として、図9等と同じ「2015.01.05〜2015.03.13」が例示されている。また、対象メニューとして、図18と同じ「胸部/立位/正面」が例示されている。このため、検索結果95は、「2015.01.05〜2015.03.13」の期間内の撮影日時、および「胸部/立位/正面」の撮影メニューが記された写損画像ファイルで構成される。
図20において、第2算出部75は、受付部71からの参加者のスタッフIDの情報、および絞り込み条件の情報を受け付ける。また、第2算出部75は、第2抽出部74からの検索結果95を受け付ける。
第2算出部75は、検索結果95に基づいて中間処理データ98を作成する。具体的には、第2算出部75は、まず、検索結果95の写損画像ファイルのスタッフIDに着目して参加者に関する変数Y1を導出し、これを検索結果95の写損画像ファイルのファイルID毎に登録する。変数Y1は、検討画像26Cとする写損画像に参加者が関連付けられているか否かに応じた変数である。
参加者のスタッフIDと同じスタッフIDが記されている写損画像ファイル、すなわち参加者が撮影した写損画像を元にした写損画像ファイルに対しては、変数Y1として「1」が導出される。一方、参加者のスタッフIDと異なるスタッフIDが記されている写損画像ファイル、すなわち参加者以外が撮影した写損画像を元にした写損画像ファイルに対しては、変数Y1として「0」が導出される。
図20では、参加者のスタッフIDとして、図9等と同じスタッフID「R0001」、「R0002」、「R0005」、「R0008」が例示されている。そして、ファイルID「F0110」、「F0115」の写損画像ファイルには参加者のスタッフID「R0001」、「R0002」がそれぞれ記されているので、中間処理データ98のこれらの写損画像ファイルのファイルIDの項目には、変数Y1「1」が登録されている。
一方、ファイルID「F0250」の写損画像ファイルには、参加者のスタッフIDと異なるスタッフID「R0010」が記されているので、中間処理データ98のファイルID「F0250」の項目には、変数Y1「0」が登録されている。
続いて、第2算出部75は、検索結果95の写損画像ファイルの付帯情報のうち、絞り込み条件で指定された項目に着目して絞り込み条件に関する変数Y2〜Y7を導出し、これらをファイルID毎に登録する。変数Y2は年代、変数Y3は性別、変数Y4は入院/外来区分、変数Y5は時間帯、変数Y6は曜日、変数Y7は撮影室の各絞込み条件にそれぞれ対応する。
絞り込み条件と一致する付帯情報が記されている写損画像ファイルに対しては、変数Y2〜Y7として「1」が導出される。一方、絞り込み条件と異なる付帯情報が記されている写損画像ファイルに対しては、変数Y2〜Y7として「0」が導出される。
なお、第2算出部75は、変数Y2〜Y7のうち、受付部71からの絞り込み条件に対応する変数のみを導出し、他の変数は斜線で示すように導出しない。また、指定画面50で絞り込み条件が選択されず、指定情報に絞り込み条件の情報がなかった場合は、第2算出部75は、変数Y2〜Y7は導出せず、変数Y1のみを導出する。
図20では、絞り込み条件として、図9と同じ性別「男性」、入院/外来区分「外来」が例示されている。そして、ファイルID「F0110」の写損画像ファイルには、受付部71からの絞り込み条件と一致する性別「男性」および入院/外来区分「外来」が記されているので、中間処理データ98のファイルID「F0110」の項目には、変数Y3「1」および変数Y4「1」が登録されている。
一方、ファイルID「F0250」の写損画像ファイルには、受付部71からの絞り込み条件と異なる性別「女性」および入院/外来区分「入院」が記されているので、中間処理データ98のファイルID「F0250」の項目には、変数Y3、Y4ともに「0」が登録されている。
図21において、第2算出部75は、中間処理データ98から各変数Yj(j=1〜7)を読み出す。第2算出部75は、これら各変数Yjの総和を求める第2計算式ΣYjにより、写損画像ファイル別の第2指標値を算出する。第2算出部75は、第2指標値の算出結果99を、第2抽出部74および画面出力制御部76に出力する。なお、第1指標値の場合と同様に、各変数Yjに重み付け係数を加算したり乗算したうえで第2指標値を算出したり、重み付け係数をクライアント端末12で設定変更可能に構成してもよい。
図22において、第2抽出部74は、受付部71からの枚数の情報、および第2算出部75からの第2指標値の算出結果99を受け付ける。第2抽出部74は、算出結果99に基づいて、指定された枚数分の写損画像ファイル(検討画像26Cとする写損画像)を抽出する。
より具体的には、第2抽出部74は、算出結果99の第2指標値が大きい順に、検索結果95の写損画像ファイルのファイルIDをソートした中間処理データ103を作成する。第2抽出部74は、第2指標値が同じ写損画像ファイルのファイルIDは同じ順位に登録し、ファイルIDの番号の若い順に通し番号を付す。そして、中間処理データ103の通し番号「1」のファイルIDの写損画像ファイルから順に抽出していき、抽出した写損画像ファイルの件数が指定された枚数に達したときに抽出を止める。第2抽出部74は、こうして抽出した写損画像ファイルを抽出結果104として画面出力制御部76に出力する。
なお、指定画面50で枚数が入力されず、指定情報に枚数の情報がなかった場合は、例えば通し番号「1」〜「10」の10件の写損画像ファイルが抽出される。また、検索結果95の写損画像ファイルの件数が指定された枚数に満たなかった場合は、第2指標値に関わらず、検索結果95の全ての写損画像ファイルが抽出される。
図22では、枚数に「50」が指定されていて、中間処理データ103の通し番号「1」にファイルID「F0110」、通し番号「2」にファイルID「F0113」、・・・、通し番号「49」にファイルID「F0195」、通し番号「50」にファイルID「F0200」が登録されているため、ファイルID「F0110」、「F0113」、・・・、「F0195」、「F0200」の写損画像ファイルが抽出されている。
図23において、写損画像ファイルの抽出後、第2抽出部74は、参照画像26R(図27参照)とする診断用画像を検索する。具体的には、第2抽出部74は、対象メニューと同じ撮影メニュー、抽出結果104の写損画像ファイルと同じ患者ID、および写損フラグ「0」(診断用画像ファイル)を指定した検索指令を写損事例DB21に出力する。写損事例DB21は、第2抽出部74からの検索指令に応じて、抽出結果104の写損画像ファイルと同じ患者IDが記された診断用画像ファイルを含む対象メニューと同じ撮影メニューが記された診断用画像ファイルを検索し、その検索結果105を第2抽出部74に出力する。第2抽出部74は、検索結果105を画面出力制御部76に出力する。なお、患者IDの代わりに、オーダIDを検索指令で指定してもよい。
図23では、対象メニューとして、図18等と同じ対象メニュー「胸部/立位/正面」が例示されている。このため、検索結果105は、「胸部/立位/正面」の撮影メニューが記された診断用画像ファイルで構成される。また、抽出結果104の写損画像ファイルの患者IDとして、「P0050」、」「P0070」等が例示されている。このため、検索結果105には、「P0050」、「P0070」等の患者IDが記された診断用画像ファイルと、それ以外の患者ID「P0060」、「P0150」等が記された診断用画像ファイルとが混在している。
図24において、画面出力制御部76は、受付部71からの参加者のスタッフIDの情報、第1算出部72からの第1指標値の算出結果86、および第1抽出部73からの対象メニューの抽出結果91を受け付ける。また、画面出力制御部76は、第2算出部75からの第2指標値の算出結果99、並びに第2抽出部74からの写損画像ファイルの抽出結果104と診断用画像ファイルの検索結果105を受け付ける。画面出力制御部76は、これら参加者のスタッフIDの情報、算出結果86、99、抽出結果91、104、および検索結果105に基づいて、カンファレンス画面30を生成する。
より具体的には、画面出力制御部76は、参加者のスタッフIDの情報に基づいて参加者の情報をカンファレンス画面30に表示させる。また、画面出力制御部76は、抽出結果91に基づいて対象メニューをカンファレンス画面30に表示させる。
さらに、画面出力制御部76は、抽出結果104に基づいて検討画像26Cを、検索結果105に基づいて参照画像26Rをそれぞれカンファレンス画面30に表示させる。検討画像26Cは、抽出結果104の写損画像ファイルの画像記憶領域28に記憶された放射線画像26(写損画像)である。参照画像26Rは、検索結果105の診断用画像ファイルの画像記憶領域28に記憶された放射線画像26(診断用画像)である。
画面出力制御部76は、第1抽出部73で抽出した対象メニューが複数件ある場合、カンファレンス画面30において、算出結果86の第1指標値に応じた並びで対象メニューを表示させる。また、画面出力制御部76は、第2抽出部74で抽出した写損画像ファイルが複数件ある場合、すなわち検討画像26Cが複数枚ある場合、カンファレンス画面30において、算出結果99の第2指標値に応じた並びで検討画像26Cを表示させる。
初期表示状態のカンファレンス画面30を示す図25において、カンファレンス画面30は、対象メニュー表示領域110、参加者表示領域111、検討画像表示領域112、参照画像表示領域113、および参照画像候補表示領域114を有する。
対象メニュー表示領域110では、参加者のスタッフIDの情報、第1指標値の算出結果86、および対象メニューの抽出結果91に応じた表示がなされる。対象メニュー表示領域110は、個々の参加者を示すアイコン115の表示欄110Aと対象メニューの表示欄110Bとに分かれている。表示欄110Aのアイコン115は、表示欄110Bの対象メニューに対して抽出された検討画像26Cの中に、そのアイコン115で示される参加者が撮影した検討画像26Cが存在することを示している。
表示欄110Bの対象メニューは、第1指標値が大きい順(第1指標値の順位が高い順)に上から並べられる。対象メニューの横には、展開ボタン116が設けられている。
参加者表示領域111では、参加者のスタッフIDの情報に応じた表示がなされる。参加者表示領域111には、アイコン115と参加者の氏名が表示される。アイコン115は対象メニュー表示領域110の表示欄110Aと同じものであり、ハッチングで示すように個々の参加者を区別するために色や模様が変えられている。
図25では、表示欄110Bに「胸部/立位/正面」、「胸部/立位/背面」、「腹部/立位/正面」の3件の対象メニューが表示された例を示している。この場合、表示順が一番上の対象メニュー「胸部/立位/正面」が、3件の対象メニューの中で第1指標値が最も大きい対象メニューであり、表示順が一番下の対象メニュー「腹部/立位/正面」が、3件の対象メニューの中で第1指標値が最も小さい対象メニューである。
また、図25では、図8と同じ「山田正」、「川村一郎」、「大岩美咲」、「百安彩果」の4人が参加者として例示されている。表示欄110Bの例えば対象メニュー「胸部/立位/正面」に対応する表示欄110Aには、参加者4人全員のアイコン115が表示され、対象メニュー「胸部/立位/正面」に対して抽出された検討画像26Cの中に、4人の参加者が撮影した検討画像26Cが存在することが示されている。
検討画像表示領域112では、参加者のスタッフIDの情報、および写損画像ファイルの抽出結果104に応じた表示がなされる。また、参照画像表示領域113および参照画像候補表示領域114では、診断用画像ファイルの検索結果105に応じた表示がなされる。なお、図25の初期表示状態では、これらの表示領域112〜114は図示するように空欄となっている。
検討画像表示領域112の上部には、検討画像26Cに関連付けられた付帯情報を表示させるためのインフォメーションボタン117、および写損原因や参加者の発言等のメモを書き込むためのメモボタン118が設けられている。また、参照画像表示領域113の上部には、インフォメーションボタン117と同様に、参照画像26Rに関連付けられた付帯情報を表示させるためのインフォメーションボタン119が設けられている。
図26において、表示欄110Bの所望の対象メニューの展開ボタン116がカーソル56で選択された場合、対象メニュー表示領域110の横に検討画像選択領域120が出現する。展開ボタン116が選択された対象メニューは、ハッチングで示すように他の対象メニューと区別するために色や模様が変えられる。ここでは一番上の対象メニュー「胸部/立位/正面」が選択された場合を例示している。
検討画像選択領域120では、参加者のスタッフIDの情報、第2指標値の算出結果99、および写損画像ファイルの抽出結果104に応じた表示がなされる。検討画像選択領域120は、アイコン115の表示欄120Aと検討画像26Cのサムネイル121の表示欄120Bとに分かれている。また、検討画像選択領域120には、非表示のアイコン115およびサムネイル121を表示するためのスクロールバー122が設けられている。
表示欄120Aのアイコン115は、表示欄120Bのサムネイル121で表示される検討画像26Cを、当該アイコン115で示される参加者が撮影したものであることを示している。また、表示欄120Bのサムネイル121は、第2指標値が大きい順(第2指標値の順位が高い順)に並べられる。
図27において、表示欄120Bの所望のサムネイル121がカーソル56で選択された場合、検討画像選択領域120の表示が消える。そして、検討画像表示領域112に、カーソル56でサムネイル121が選択された検討画像26Cと、これに対応する表示欄120Aと同じアイコン115とが表示される。なお、参加者表示領域111の各アイコン115のうち、検討画像表示領域112に表示されるアイコン115と同じアイコン115を点滅させる等して強調表示してもよい。
また、参照画像表示領域113に参照画像26Rが、参照画像候補表示領域114に参照画像26Rの候補のサムネイル123がそれぞれ表示される。参照画像候補表示領域114のサムネイル123は、展開ボタン116が選択された対象メニューと同じ撮影メニューが関連付けられた参照画像26Rのうち、検討画像表示領域112に表示された検討画像26Cの撮影対象患者とは異なる患者が関連付けられた上段の参照画像26Rの候補と、検討画像表示領域112に表示された検討画像26Cの撮影対象患者と同じ患者が関連付けられた下段の参照画像26Rの候補とに分けて表示される。サムネイル123をカーソル56で選択することで、参照画像表示領域113の参照画像26Rの表示を切り替えることができる。なお、検討画像表示領域112に表示された検討画像26Cの撮影対象患者とは異なる患者が関連付けられた参照画像26Rの候補に代えて、参照画像候補表示領域114の上段に、検討画像表示領域112に表示された検討画像26Cと撮影オーダが同一の参照画像26R(写損画像である検討画像26Cを撮影した後に再撮影を行って得た診断用画像)を表示してもよい。
図28に示すように、インフォメーションボタン117がカーソル56で選択された場合、検討画像表示領域112上に付帯情報表示領域124が出現する。付帯情報表示領域124には、検討画像26Cに関連付けられた付帯情報(ファイルID、撮影日時、患者ID、オーダID、管電圧、管電流、照射時間等)が表示される。なお、図示は省略するが、インフォメーションボタン119がカーソル56で選択された場合は、参照画像表示領域113上に参照画像26Rに関連付けられた付帯情報を表示する付帯情報表示領域が出現する。また、メモボタン118がカーソル56で選択された場合は、カンファレンス画面30上にテキスト入力ボックスが出現し、このテキスト入力ボックスを介してメモを書き込むことが可能となる。書き込まれたメモは、検討画像26Cと関連付けられて写損事例DB21に登録される。
以下、上記構成による作用について、図29のフローチャートを参照して説明する。まず、カンファレンスの開催に際して、医療スタッフは、クライアント端末12を操作して、指定画面50を介してカンファレンス画面30の配信指示を入力する。この配信指示に応じて、ブラウザ制御部46で指定情報が作成される。そして、ステップS100に示すように、指定情報を含むカンファレンス画面30の配信要求が、ブラウザ制御部46から写損画像管理サーバ13に対して発行される。
指定画面50では、対象メニューの抽出件数、検討画像26Cの抽出枚数、および第1指標値の算出対象期間と検討画像26Cの抽出対象期間が指定可能である。このように、件数、枚数、および算出対象期間と抽出対象期間を指定可能としたので、限られた検討時間内で、要点を絞った検討を行うことができる。
写損画像管理サーバ13では、配信要求が受付部71で受け付けられる(ステップS200)。配信要求の指定情報の参加者のスタッフIDの情報および期間の情報が第1算出部72に、件数の情報が第1抽出部73に、枚数、期間の各情報が第2抽出部74に、参加者のスタッフID、絞り込み条件の各情報が第2算出部75に、参加者のスタッフIDの情報が画面出力制御部76にそれぞれ出力される。
第1算出部72では、第1指標値が算出される(ステップS210)。第1指標値の算出結果86は、第1抽出部73および画面出力制御部76に出力される。
第1指標値は、撮影メニュー別の写損回数に基づく変数X1、および撮影メニュー別の写損率に基づく変数X2を有する第1計算式ΣXiにより算出される。このため第1指標値は、撮影メニュー別の写損回数および撮影メニュー別の写損率を両方加味したものとなる。したがって、第1指標値によれば、各撮影メニューの写損状況を正確に把握することができる。
第1計算式ΣXiは、変数X1、X2の他に、撮影メニュー別かつ参加者別の写損回数に基づく変数X3、X5、X7、X9、および撮影メニュー別かつ参加者別の写損率に基づく変数X4、X6、X8、X10も有する。このため第1指標値は、各参加者の各撮影メニューの写損状況も加味したものとなる。
また、第1計算式ΣXiは、同一の撮影オーダの撮影における撮影メニュー別の写損回数に基づく変数X11、および同一の患者の撮影における撮影メニュー別の写損回数に基づく変数X12も有する。このため第1指標値は、同一の撮影オーダの撮影の写損状況、および同一の患者の撮影の写損状況も加味したものとなる。
第1抽出部73では、第1指標値の算出結果86に基づいて、指定された件数分の対象メニューが抽出される(ステップS220)。具体的には、第1指標値の順位が1位の撮影メニューから順に対象メニューとして抽出され、対象メニューが指定された件数に達したときに抽出が止められる。こうして抽出された対象メニューの抽出結果91は、第2抽出部74および画面出力制御部76に出力される。
本実施形態では、第1指標値は、第1計算式ΣXiで示されるように各変数Xiの総和である。このため、写損回数が多くかつ写損率が高く、各変数Xiが大きい値であるほど、つまり写損頻度が高ければ高いほど、第1指標値は大きい値となり、第1指標値の順位も高くなる。したがって、第1指標値の順位が比較的高い撮影メニューは写損頻度が比較的高い撮影メニューである。
本実施形態では、第1指標値の順位が比較的高い撮影メニューが、第1抽出部73で対象メニューとして自動抽出されるので、写損頻度が比較的低い撮影メニューが抽出されて指定され、無駄な検討を行わせて医療スタッフの貴重な時間を削ぐ結果となるおそれがなく、確実に写損頻度の低下を望める検討を医療スタッフに行わせることが可能となる。
また、対象メニューが自動抽出されるので、写損頻度が比較的高い撮影メニューを抽出して指定するために、医療スタッフが各撮影メニューの写損状況を正確に把握しておく必要がない。このため医療スタッフの負担を軽減することができ、医療スタッフは効率的に撮影の改善点を検討することができる。
カンファレンスでは、参加者以外が撮影した放射線画像26よりも、参加者が撮影した放射線画像26を検討画像26Cとして閲覧に供したほうが、参加者にとって検討画像26Cが身近なものとなって検討が捗るため好ましい。
本実施形態では、前述のように変数X3〜X10によって各参加者の各撮影メニューの写損状況が第1指標値に加味される。このため、参加者の写損回数が多くかつ参加者の写損率が高い撮影メニューほど第1指標値の順位が高くなり、第1抽出部73で対象メニューとして抽出されやすくなる。したがって、参加者が撮影した放射線画像26が検討画像26Cとして閲覧に供される確率が高まる。
また、同一の撮影オーダや同一の患者で何度も撮影に失敗している場合には、今後も失敗を繰り返して写損頻度が上がってしまうことを食い止めるためにも、撮影の改善点を検討する必要性が高い。
本実施形態では、前述のように変数X11、X12によって同一の撮影オーダの撮影の写損状況、および同一の患者の撮影の写損状況が第1指標値に加味される。このため、同一の撮影オーダや同一の患者で何度も撮影に失敗している撮影メニューほど第1指標値の順位が高くなり、第1抽出部73で対象メニューとして抽出されやすくなる。したがって、同一の撮影オーダや同一の患者で撮影に失敗した放射線画像26が検討画像26Cとして閲覧に供される確率が高まる。
第2抽出部74では、対象メニューと同じ撮影メニューが記された写損画像ファイルの検索結果95が写損事例DB21から取得される。検索結果95は第2算出部75に出力される。
第2算出部75では、検索結果95の写損画像ファイルに対して、第2指標値が算出される(ステップS230)。第2指標値の算出結果99は、第2抽出部74および画面出力制御部76に出力される。
第2抽出部74では、第2指標値の算出結果99に基づいて、指定された枚数分の写損画像ファイル(検討画像26C)が抽出される(ステップS240)。具体的には、第2指標値の順位が1位の写損画像ファイルから順に抽出され、写損画像ファイルの件数が指定された枚数に達したときに抽出が止められる。こうして抽出された写損画像ファイルの抽出結果104は、画面出力制御部76に出力される。
第2指標値は、検索結果95の写損画像ファイルに参加者が関連付けられているか否かに応じた変数Y1を有する第2計算式ΣYjにより算出される。このため、参加者と同じスタッフIDが記されている写損画像ファイルほど第2指標値は大きい値となり、第2指標値の順位も高くなる。したがって、参加者と同じスタッフIDが記されている写損画像ファイルを優先的に抽出することができる。
また、第2計算式ΣYjは、変数Y1の他に、絞り込み条件に対応する変数Y2〜Y7を有するので、絞り込み条件と一致する付帯情報が記されている写損画像ファイルほど第2指標値は大きい値となり、第2指標値の順位も高くなる。したがって、絞り込み条件と一致する付帯情報が記されている写損画像ファイルを優先的に抽出することができる。
第2抽出部74では、参照画像26Rとして、抽出結果104の写損画像ファイルと同じ患者IDが記された診断用画像ファイルを含む対象メニューと同じ撮影メニューが記された診断用画像ファイルの検索結果105が写損事例DB21から取得される(ステップS250)。検索結果105は画面出力制御部76に出力される。
画面出力制御部76では、参加者のスタッフIDの情報、第1指標値の算出結果86、対象メニューの抽出結果91、第2指標値の算出結果99、写損画像ファイルの抽出結果104、および診断用画像ファイルの検索結果105に基づいて、カンファレンス画面30が生成される。カンファレンス画面30のXMLデータは、画面出力制御部76から配信要求の出力元のクライアント端末12に出力される(ステップS260)。
クライアント端末12では、カンファレンス画面30のXMLデータがブラウザ制御部46で受け取られる(ステップS110)。ブラウザ制御部46によりXMLデータに基づきウェブブラウザ上に表示するカンファレンス画面30が再現され、GUI制御部45によりカンファレンス画面30がディスプレイ39Aに表示される(ステップS120)。
カンファレンス画面30には、対象メニュー表示領域110に対象メニューが、検討画像表示領域112に検討画像26Cがそれぞれ表示される。カンファレンスの参加者は、このカンファレンス画面30を閲覧し、撮影の改善点を検討する。
対象メニュー表示領域110において、対象メニューは第1指標値が大きい順に並べられる。また、検討画像選択領域120において、検討画像26Cのサムネイル121は第2指標値が大きい順に並べられる。対象メニューや検討画像26Cが複数件ある場合に、より写損頻度を低下させる貢献度が高い対象メニューや検討画像26Cを簡単に見付けて選択することができる。
対象メニュー表示領域110の表示欄110Aには、個々の参加者を示すアイコン115が表示される。このアイコン115により、表示欄110Bの対象メニューに対して抽出された検討画像26Cの中に、そのアイコン115で示される参加者が撮影した検討画像26Cが存在することが分かり、対象メニューを選択する際に参考にすることができる。
また、アイコン115は、検討画像選択領域120の表示欄120Aにも表示される。このアイコン115により、表示欄120Bのサムネイル121で表示される検討画像26Cが、当該アイコン115で示される参加者が撮影したものであることが分かり、検討画像26Cを選択する際に参考にすることができる。
なお、アイコン115の表示に代えて、あるいは加えて、参加者が撮影した検討画像26Cが存在する対象メニューや、参加者が撮影した検討画像26Cのサムネイル121を他と区別して表示してもよい。
カンファレンス画面30には、検討画像26Cだけでなく参照画像26Rも表示される。また、インフォメーションボタン117、119をカーソル56で選択することにより、検討画像26Cに関連付けられた付帯情報、参照画像26Rに関連付けられた付帯情報も表示することができる。このため、検討画像26Cと参照画像26R、およびこれらに関連付けられた付帯情報を比較することができる。例えば検討画像26Cと参照画像26Rの各々に関連付けられた付帯情報の撮影条件を確認し、撮影条件をどう設定すれば失敗を防げるかといったレクチャーを行うことができる。
なお、検討画像表示領域112および参照画像表示領域113に、検討画像26Cおよび参照画像26Rの表示を手動で切り替えるためのコマ送りボタンおよびコマ戻しボタンを設けてもよい。また、検討画像表示領域112に、検討画像26Cを一定時間毎に自動的にコマ送りして表示してもよい。この場合は第2指標値の順位が高い順に検討画像26Cを表示することが好ましい。
上記第1実施形態では、検討画像選択領域120の表示欄120Bのサムネイル121で例示するように、第2指標値に応じた並びで検討画像26Cを表示させているが、検討画像26Cの表示形態はこれに限らない。第2指標値に応じた表示サイズおよび表示位置で検討画像26Cを表示してもよい。
具体的には図30に示す検討画像選択領域130のように、第2指標値に応じた表示サイズおよび表示位置で検討画像26Cのサムネイル121を表示する。すなわち、第2指標値の順位が高い検討画像26Cのサムネイル121ほど表示サイズを大きく表示し、かつ第2指標値の順位が高い検討画像26Cのサムネイル121ほど検討画像選択領域130の中央付近に表示する。このように第2指標値に応じた表示サイズおよび表示位置で検討画像26Cを表示すれば、視覚効果も手伝って、第2指標値の順位が比較的高い検討画像26Cが選択されやすくなる。なお、検討画像選択領域120と同様に、サムネイル121の上部等にアイコン115を表示してもよい。
上記第1実施形態では、第2算出部75で算出した第2指標値に基づいて第2抽出部74で検討画像26Cとする写損画像を決定しているが、第2指標値に基づいて検討画像26Cとする写損画像を決定しなくてもよい。この場合、CPU37Bには第2算出部75は構築されず、第2抽出部74は、例えば撮影日時が新しい順に検索結果95の写損画像ファイルを抽出する。また、検討画像選択領域120に、撮影日時が新しい順に検討画像26Cのサムネイル121を表示する。
[第2実施形態]
なお、第2抽出部74で対象メニューに基づき検索した検索結果95の写損画像ファイルに、参加者のスタッフIDが記されたものが全くない場合は、結果的に全て参加者以外が撮影した検討画像26Cが閲覧に供される事態となる。前述のように、カンファレンスでは、参加者以外が撮影した放射線画像26よりも、参加者が撮影した放射線画像26を検討画像26Cとして閲覧に供したほうがよいため、全て参加者以外が撮影した検討画像26Cが閲覧に供される事態は好ましくない。
そこで本実施形態では、検索結果95の写損画像ファイルに、参加者のスタッフIDが記されたものがない場合、第2抽出部74で対象メニューを差し替えて写損画像ファイルを検索し直す。そして、参加者のスタッフIDが記された写損画像ファイルが検索されるまで、この対象メニューの差し替えと写損画像ファイルの検索し直しを続ける。
この場合、受付部71は、参加者のスタッフIDの情報を第2抽出部74に出力する。図31のステップS500に示すように、第2抽出部74は、受付部71からの参加者のスタッフIDの情報を受け付ける。図19の場合と同様に、第2抽出部74は、対象メニューと同じ撮影メニューが記された写損画像ファイルを写損事例DB21から検索する(ステップS510)。そして、この検索した写損画像ファイルに記されたスタッフIDと、受付部71からの参加者のスタッフIDとを比較する(ステップS520)。
比較の結果、検索した写損画像ファイルに、参加者のスタッフIDが記されたものがない場合(ステップS530でNO)、ステップS510で写損画像ファイルの検索に用いた対象メニューを別の対象メニューに差し替える(ステップS540)。そして、再度差し替えた対象メニューでステップS510の写損画像ファイルの検索を行う。
第2抽出部74は、参加者のスタッフIDが記された写損画像ファイルが検索されるまで(ステップS530でYES)、ステップS540の対象メニューの差し替えとステップS510の写損画像ファイルの検索を繰り返す。
第2抽出部74で差し替えられる対象メニューは、例えば、第1抽出部73で対象メニューとして抽出されなかった撮影メニューのうち、最も第1指標値の順位が高い撮影メニューである。図18を例に説明すると、第1指標値の順位が1位の撮影メニュー「胸部/立位/正面」が記された写損画像ファイルに、参加者のスタッフIDが記されたものがなかった場合は、2位の撮影メニュー「頭部/座位/正面」に差し替えて写損画像ファイルの検索をし直す。2位の撮影メニュー「頭部/座位/正面」でも検索した写損画像ファイルに参加者のスタッフIDが記されたものがなかった場合は、3位の撮影メニュー「腹部/立位/背面」に差し替えて写損画像ファイルの検索をし直す。
こうすると、検討画像26Cには、必ず参加者が撮影したものが含まれるため、全て参加者以外が撮影した検討画像26Cが閲覧に供される事態を避けることができる。なお、この場合は対象メニューの差し替えによって第1指標値の順位が比較的低い撮影メニューが対象メニューとされるおそれがあるため、例えば対象メニュー表示領域110の表示欄110Bに、差し替えた対象メニューであることを示すマークを表示する等して、参加者に注意を促してもよい。
[第3実施形態]
第1抽出部73で抽出した対象メニューが複数件ある場合、第1指標値の順位が比較的高い対象メニューと、第1指標値の順位が比較的低い対象メニューとでは、前者の第1指標値の順位が比較的高い対象メニューのほうが、写損頻度が高く写損状況が悪いので、その対象メニューの検討画像26Cを閲覧に供すれば写損頻度の低下を望める。
そこで本実施形態では、第1指標値の順位が比較的高く、写損状況が悪い対象メニューの写損画像ファイルほど、第2抽出部74で検討画像26Cとして抽出する件数を多く割り当てる。
この場合、第2抽出部74は、図32に示す中間処理データ135を作成する。中間処理データ135は、例えば3件の対象メニュー1、2、3について、その第1指標値に基づき、検討画像26Cとして抽出する写損画像ファイルの件数(検討画像26Cの抽出枚数)の割当率を算出して登録したものである。なお、第1指標値および順位は、対象メニュー1が「100」で1位、対象メニュー2が「70」で2位、対象メニュー3が「30」で3位である。
割当率は、各対象メニュー1〜3の第1指標値を、各対象メニュー1〜3の第1指標値の総和で除算することで算出する。この場合、各対象メニュー1〜3の第1指標値は「100」、「70」、「30」で、第1指標値の総和は100+70+30=200であるため、対象メニュー1の割当率は、(100/200)×100で50%となる。同様に、対象メニュー2の割当率は35%、対象メニュー3の割当率は15%となる。
例えば指定画面50で枚数「100」が指定された場合には、図32に示すように対象メニュー1の検討画像26Cの抽出枚数は100×0.5で「50」となる。同様に、対象メニュー2の抽出枚数は「35」、対象メニュー3の抽出枚数は「15」となる。
第2抽出部74は、中間処理データ135に基づいて、各対象メニュー1〜3の写損画像ファイルを抽出する。こうすれば、写損頻度の低下を望める対象メニューほど、検討画像26Cの抽出枚数が多くなるため、有意義な検討を行うことができ、より写損頻度の低下に貢献することができる。
検討画像26Cの抽出枚数は、第1指標値に基づいて算出したものでなくてもよい。例えば第1抽出部73で抽出した対象メニューが9件で、指定画面50で枚数「45」が指定された場合には、第1指標値の順位が1位の対象メニューの検討画像26Cの抽出枚数を「9」、2位の対象メニューの抽出枚数を「8」、・・・、8位の対象メニューの抽出枚数を「2」、9位の対象メニューの抽出枚数を「1」というように、順位が下がるにつれ1ずつ減算した抽出枚数を設定してもよい。また、対象メニューが2件の場合は1位の対象メニューの割当率を70%、2位の対象メニューの割当率を30%とする等、予め対象メニューの件数に応じて割当率を設定しておいてもよい。
なお、図33に示すように、カンファレンス画面30の参加者表示領域111の各参加者のアイコン115の横に、特に注目すべき参加者を指定するためのチェックボックス140を設けてもよい。そして、チェックボックス140がカーソル56で選択された場合に、対象メニューの抽出および検討画像26Cの抽出を再度写損画像管理サーバ13に行わせてもよい。
この場合、写損画像管理サーバ13では、第1算出部72で第1指標値を算出する際に、チェックボックス140がカーソル56で選択された参加者の写損回数に基づく変数および写損率に基づく変数に、0より大きい重み付け係数を加算するか、1より大きい重み付け係数を乗算する。図33ではスタッフID「R0008」の「百安彩果」のチェックボックス140が選択されているので、図14に示すスタッフID「R0008」の写損回数に基づく変数X9および写損率に基づく変数X10に、0より大きい重み付け係数を加算するか、1より大きい重み付け係数を乗算する。
また、第2算出部75で第2指標値を算出する際に、チェックボックス140がカーソル56で選択された参加者のスタッフIDが記された写損画像ファイルの、参加者に関する変数Y1に、0より大きい重み付け係数を加算するか、1より大きい重み付け係数を乗算する。
このように、チェックボックス140がカーソル56で選択された参加者に関する変数の第1指標値および第2指標値への寄与度が高くなるようにして、対象メニューおよび検討画像26Cを抽出し直せば、チェックボックス140がカーソル56で選択された参加者が写損した撮影メニューや、チェックボックス140がカーソル56で選択された参加者が撮影した写損画像が、対象メニューや検討画像26Cとして抽出される確率が高まる。
例えば図34には、チェックボックス140の選択前後の対象メニュー表示領域110の表示状態を示している。この場合、「百安彩果」のチェックボックス140が選択される前は、対象メニュー表示領域110には、「百安彩果」が撮影した検討画像26Cが存在する対象メニューは表示されていない。一方、「百安彩果」のチェックボックス140が選択された後は、「百安彩果」に関する変数の第1指標値への寄与度を高くしたことで、「百安彩果」が撮影した検討画像26Cが存在する対象メニュー「腹部/立位/正面」が一番上に表示される。
また、例えば図35には、チェックボックス140の選択前後の検討画像選択領域120の表示状態を示している。この場合、「百安彩果」のチェックボックス140が選択される前は、検討画像選択領域120には、「百安彩果」が撮影した検討画像26Cのサムネイル121は表示されていない。一方、「百安彩果」のチェックボックス140が選択された後は、「百安彩果」に関する変数の第2指標値への寄与度を高くしたことで、「百安彩果」が撮影した検討画像26Cのサムネイル121が一番上から連続して3枚表示される。
なお、特に注目すべき参加者を指定するためのチェックボックス140の機能を、指定画面50の参加者選択領域51に設けてもよい。ただし、図33のようにカンファレンス画面30の参加者表示領域111にチェックボックス140を設けたほうが、カンファレンスの途中で特に注目すべき参加者の写損画像の検討を行いたい場合に即座に対応することができるため利便性が高い。
上記第1実施形態では、絞り込み条件を第2指標値の算出にのみ利用しているが、図11の第1算出部72で診断用画像ファイルおよび写損画像ファイルを検索する際、図19の第2抽出部74で写損画像ファイルを検索する際、および図23の第2抽出部74で診断用画像ファイルを検索する際に、検索指令に絞り込み条件を含めてもよい。
第1計算式は、撮影メニュー別の写損回数に基づく変数X1、および撮影メニュー別の写損率に基づく変数X2を少なくとも有していればよい。また、第2計算式は、検討画像26Cとする写損画像に参加者が関連付けられているか否かに応じた変数Y1を少なくとも有していればよい。
第1計算式および第2計算式は、上記第1実施形態で例示した各変数Xi、Yjの総和ΣXi、ΣYjに限らない。例えば各変数Xi、Yjの総乗ΠXi、ΠYjを用いてもよい。また、上記第1実施形態では、変数Xiを、写損回数が多いほど、また写損率が高いほど、大きい値としているが、逆に写損回数が少ないほど、また写損率が低いほど、変数Xiを大きい値としてもよい。
本発明の写損画像管理装置に相当する写損画像管理サーバ13を構成するコンピュータのハードウェア構成は種々の変形が可能である。例えば、写損画像管理サーバ13を、処理能力や信頼性の向上を目的として、ハードウェアとして分離された複数台のサーバコンピュータで構成することも可能である。
具体的には、受付部71、第1算出部72、および第1抽出部73の機能と、第2抽出部74、第2算出部75、および画面出力制御部76の機能とを、2台のサーバコンピュータに分散して担わせる。この場合は2台のサーバコンピュータで写損画像管理システムを構成する。受付部71、第1算出部72、および第1抽出部73の機能をもつサーバコンピュータは、第2抽出部74、第2算出部75、および画面出力制御部76の機能をもつサーバコンピュータに、第1指標値の算出結果86、および対象メニューの抽出結果91を出力する。
さらに、各機能部71〜76の全てを、クライアント端末12のCPU37Aに構築し、クライアント端末12を写損画像管理装置として稼働させてもよい。あるいは、各機能部71〜76の一部を、クライアント端末12のCPU37Aに構築してもよい。この場合はクライアント端末12と写損画像管理サーバ13で写損画像管理システムを構成する。
各機能部71〜76の全てを、クライアント端末12のCPU37Aに構築した場合、クライアント端末12は、図11の診断用画像ファイルおよび写損画像ファイルの検索指令、図19の写損画像ファイルの検索指令、および図23の診断用画像ファイルの検索指令と同様の検索要求を写損画像管理サーバ13に対して発行する。写損画像管理サーバ13は、検索要求に応じて、検索結果80、95、105をクライアント端末12に出力する。
クライアント端末12のCPU37Aに構築された受付部71は、写損画像管理サーバ13から検索結果80、95、105を受け付け、かつGUI制御部45から配信指示を受け付ける。また、クライアント端末12のCPU37Aに構築された画面出力制御部76はカンファレンス画面30を生成し、生成したカンファレンス画面30をGUI制御部45に出力する。
あるいは、PACS11に写損事例DB21を構築して、PACS11に診断用画像ファイルだけでなく写損画像ファイルも管理させ、PACS11に写損画像管理装置の機能を担わせてもよい。
このように、コンピュータのハードウェア構成は、処理能力、安全性、信頼性等の要求される性能に応じて適宜変更することができる。さらに、ハードウェアに限らず、写損画像管理プログラム70等のアプリケーションプログラムについても、安全性や信頼性の確保を目的として、二重化したり、あるいは、複数のストレージデバイスに分散して格納することももちろん可能である。
対象メニューおよび検討画像26Cの医療スタッフへの提供形態としては、上記第1実施形態で例示したウェブによるカンファレンス画面30の配信に限らない。例えば、対象メニューおよび検討画像26Cを記録した検討ファイルを格納するDBを設け、このDBへのアクセス権限を医療スタッフに与えて、DBから検討ファイルを読み出させる形態でもよい。FTPS(File Transfer Protocol over SSL/TLS)等の周知のファイル転送プロトコルを用いて、検討ファイルをクライアント端末12に自動的に送信する形態でもよい。ファイル転送プロトコルの代わりに電子メールを利用してもよい。また、対象メニューおよび検討画像26Cを印刷した紙資料を出力してもよい。
上記各実施形態では、1つの医療施設に構築された医療情報システム2を例示し、写損画像管理サーバ13を1つの医療施設内で利用する形態で説明したが、写損画像管理サーバ13を複数の医療施設が利用可能な形態としてもよい。
上記各実施形態では、写損画像管理サーバ13は、1つの医療施設内に設置されるクライアント端末12がLAN等のネットワーク14を介して通信可能に接続され、クライアント端末12からの各種要求に応じた各種機能を提供する形態である。これを複数の医療施設で利用可能とするためには、写損画像管理サーバ13を、例えば、インターネットや公衆通信網等のWAN(Wide Area Network)を介して、複数の医療施設に設置される各クライアント端末12と通信可能に接続する。そして、複数の医療施設の各クライアント端末12からの要求を、WANを介して写損画像管理サーバ13で受け付けて、各クライアント端末12に対して各種機能を提供する。なお、WANを利用する場合には、情報セキュリティを考慮して、VPN(Virtual Private Network)を構築したり、HTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secure)等のセキュリティレベルの高い通信プロトコルを使用することが好ましい。
この場合の写損画像管理サーバ13の設置場所および運営主体は、例えば医療施設とは別の会社が運営するデータセンタでもよいし、複数の医療施設のうちの1つでもよい。
上記各実施形態では、医療画像として放射線撮影システム10で撮影した放射線画像を例示したが、MRI撮影システムで撮影したMRI画像等でもよい。また、放射線画像26と付帯情報は、画像ファイルのようにファイル形式でまとめられていなくてもよい。さらに、診断用画像ファイルは、1つの撮影オーダに対して1つと説明したが、1つの撮影オーダに対して複数あってもよい。
また、写損画像ファイルと診断用画像ファイルを1つの写損事例DB21に格納しているが、写損画像ファイルを格納するDBと診断用画像ファイルを格納するDBを別々に設けてもよい。
上記第1実施形態では、検討のシチュエーションとして、複数人の医療スタッフが一堂に会するカンファレンスを例示したが、本発明は、1人の医療スタッフが個人的に検討を行う場合ももちろん含む。この場合は、クライアント端末12を、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)、ノート型パソコン等の持ち運び可能な端末とすることが好ましい。そうすれば、日時場所を選ばず繰り返し検討を行うことができ、撮影の合間や通勤時間帯等の空き時間を検討にあてることができる。
本発明は、上述の種々の実施形態や種々の変形例を適宜組み合わせることも可能である。また、上記各実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の構成を採用し得ることはもちろんである。さらに、本発明は、プログラムに加えて、プログラムを記憶する記憶媒体にも及ぶ。