JP6325178B2 - エソメプラゾールの光学精製の改良された方法 - Google Patents

エソメプラゾールの光学精製の改良された方法 Download PDF

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Description

本発明の目的は、医薬品有効成分であるエソメプラゾールの光学純度を高めるための効率的な方法である。
エソメプラゾールは、オメプラゾールと称されるラセミ化合物である医薬品有効成分の(S)−光学異性体であり、オメプラゾールとして、それ自身がプロトンポンプ阻害剤に分類される有効成分である。
したがって、エソメプラゾールは、(S)−(−)−オメプラゾール又は単に(S)−オメプラゾールとも称される。
エソメプラゾールは、下記の構造的化学式(I):
Figure 0006325178
を有し、ここで、硫黄原子は、分子にキラリティを与える不斉中心であり、すなわち、キラル中心は硫黄原子上にある。
オメプラゾール、すなわち、光学異性体(S)−オメプラゾール(すなわち、エソメプラゾール)及び(R)−オメプラゾールのラセミ混合物からなる化合物は、以下の構造式(III):
Figure 0006325178
を有し、ここで、(S)−オメプラゾール及び(R)−オメプラゾールは、それぞれ、以下の化学構造(I)及び(II):
Figure 0006325178
を有する。
同じ薬効分類及び「プラゾール」ファミリーに属する他の医薬品有効成分(APIと略す)は、例えば、以下の通りである:ランソプラゾール、デクスランソプラゾール、パントプラゾール、ラベプラゾール、ピコプラゾール、イラプラゾール等。
前述の有効物質は全て、胃酸分泌を抑制する作用がある。
現在市販されているエソメプラゾールは、化学量論(2:1:3)有するエソメプラゾールマグネシウム三水和物及びエソメプラゾールナトリウム塩(1:1)である特定の固体形態を特徴とする。
エソメプラゾールは、1H−ベンズイミダゾール複素環式系により、(ピリジン−2−イル)メチル基により、及び光学活性なスルホキシド基、特にS配置を有し、負の光学回転を与えるスルホキシド基を特徴とする。
前記化学基は、プラゾールのファミリーに属する全ての医薬品有効成分の骨格を構成しており、したがって、これらの有効成分は、両方の芳香系の置換基が互いに異なり、スルホキシド基については光学活性であり得る又はあり得ない。
エソメプラゾールを定義する化学名は、1H−ベンズイミダゾール、5−メトキシ−2−[(S)−[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジニル)メチル]スルフィニル]−又は5−メトキシ−2−[(S)−[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジニル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールである。
エソメプラゾールの合成の公知の方法は、出願EP652872に開示されており、クロマトグラフィーにより、又は分別結晶化により分離させた、オメプラゾールのジアステレオマー誘導体の分離を含む。前記方法の効率は、本質的に非常に制限されている。
国際公開第9602535号に開示された方法は、塩基の存在下でチタンのキラル錯体により行われるプロキラル複素環式硫化物の効率的なエナンチオ選択的酸化に基づいている。この方法の通常の条件には、チタンイソプロポキシド、L−(+)−酒石酸ジエチル及びクメンヒドロペルオキシドの使用を伴う。この方法は、オメプラゾールの光学異性体の(S)−オメプラゾール対(R)−オメプラゾールの比が90:10(重量/重量)超である濃縮された混合物を提供する。
近年では、エソメプラゾールの調製に対する新しい技術は、工業的な低コストでのエソメプラゾールの調製を目的に開発されてきている。前記技術は、キラルホスト、例えば、国際公開第2006040635号に開示されているL−(+)−酒石酸ジエチル又は他のキラル配位子等を媒介する、オメプラゾールの光学分割に基づいている。
特に、ラセミ化合物であるオメプラゾールの光学分割は、以下の式:
Figure 0006325178
を有する、エソメプラゾール(S)−(−)−BINOL錯体(エソメプラゾール(S)−BINOL錯体ともいう)の形成と単離により行われる。
エソメプラゾール(S)−(−)−BINOL錯体が、エソメプラゾール及びその塩、例えば、エソメプラゾールマグネシウム三水和物又はエソメプラゾールナトリウム等の調製の重要な中間体として十分適し得る包接錯体であることは、周知され、文献に記載されている。
オメプラゾールと(S)−(−)−BINOLを反応させ、その後、固体としてこの錯体を単離することによるエソメプラゾール(S)−(−)−BINOL錯体の合成は、母液に残る他の異性体、つまり(R)−オメプラゾールから、S異性体、すなわちエソメプラゾールの分離を可能とする。
(S)−オメプラゾール及び(R)−オメプラゾールのラセミ混合物(すなわち、オメプラゾール)からの、又は(S)−オメプラゾール及び(R)−オメプラゾールの濃縮された混合物からもの、エソメプラゾール(S)−(−)−BINOL錯体の調製は、当該技術分野の既に一部であり、前記濃縮された混合物は、(S)−オメプラゾールが濃縮されており、前記混合物は、例えば国際公開第9602535号に開示されるエナンチオ選択的な酸化を介して調製される。
にもかかわらず、エソメプラゾール(S)−(−)−BINOL錯体の調製を介したエソメプラゾールの合成の公知の方法の多くは、化学純度の比較的低い生成物の問題の影響を受け、したがって、前記手順後に、生成物の再結晶化及び/又は精製が行われる。
さらに、オメプラゾールを光学分割するための、又はエソメプラゾールの光学純度を高めるためのキラル剤(S)−(−)−BINOLの使用には、低いモル収率、及び前記分割剤の工業的なコストに関する固有の欠点がある。
キラル化合物の光学純度を高めるための、又は換言すれば、キラル化合物の光学異性体純度を高めるためのコストの点で競合的な方法は、ラセミ化合物の除去にあり、ここで、前記除去は、光学異性体がラセミ化合物、したがって、純粋な光学異性体化合物の不純物であるラセミ化合物と異なる溶解度を有するという概念に基づく。
ラセミ化合物の除去を介して光学活性化合物の光学純度を高める方法は、化学及び/又は薬学分野で周知されている。前記技術の代表的な例として、特許公開FR2863609に開示されている。
前記技術はまた、プラゾールAPIの光学精製に対して、及びエソメプラゾールの精製に対しても、首尾よく適用されている。
国際公開第97/02261号は、実際、アセトニトリル、2−ブタノン、アセトン、酢酸エチル、エタノ−ル及びトルエン等の溶媒中に前記光学的に濃縮された混合物を含有する溶液からのラセミ体(オメプラゾール)の沈殿及び濾過による、(R)−オメプラゾール(実施例1−3)及び(S)−オメプラゾール、すなわちエソメプラゾール(実施例4−7)の濃縮された混合物の光学純度の増大を開示する。
国際公開第97/02261号の実施例8から9では、(R)−オメプラゾール又はエソメプラゾールの光学純度を高める前記プロセスが、不斉酸化合成による前記化合物の光学的に濃縮された混合物の調製後の続く工程として、どのように適用され得るかを示す。
特に、実施例9には、不斉酸化と、続くアセトン溶液からの沈殿と濾過によるラセミ体不純物であるオメプラゾールの除去による光学異性体過剰率(e.e.)が95%であるエソメプラゾールのキロ実験室規模での調製が記載されている。この場合、オメプラゾールの除去により、80%(e.e.)から95%(e.e.)まで光学純度が高められている。
同様の結果は、キロ実験室規模での、オメプラゾールの沈殿と除去により、72.9%から96.3%(e.e.)まで光学純度を高めた、光学異性体(R)−オメプラゾールの精製に対して、実施例8で達成された。
前記の両キロ実験室の例で、好ましい溶媒としてアセトンが選択し、ラセミ体オメプラゾールの除去を行った。
最終的に、実施例12は、他に2回光学精製プロセスを繰り返すことにより、99.6%(e.e.)のレベルまで、式(+)−(Ib)を有する別の化学的誘導体の光学純度を達成する可能性があることを教示している。
国際公開第97/02261号に記載された手順、とりわけ実施例8及び9に開示のものは、エソメプラゾールの光学純度を高めるために、非常に容易で、経済的な観点から興味深いと思われるが、一方で、国際公開第97/02261号に記載の教示では、高い光学純度を有するエソメプラゾールを1回で調製することは不可能である。
実際、高レベルの光学純度を達成するために精製プロセスを何回も反復することは、時間を浪費し、方法のサイクルタイムに強く影響を与える。さらに、実施例12の教示をエソメプラゾール、例えば、実施例9で調製されたエソメプラゾールに適用した場合、99.8%(e.e.)の光学純度を有するエソメプラゾールが達成できるか否かについて、記載もなく、述べられてもおらず、これは、実施例12が別の異なる化合物で行われているからである。
したがって、国際公開第97/02261号に開示された方法は、比較的効率性が低く、そのため、光学純度の点で、薬局方の基準と要件を達成するためには、何回も再適用する必要がある。
しかし、国際公開第97/02261号の教示全ての適用、故に光学精製プロセスの何回もの反復も含むことにより、高い光学純度を有するエソメプラゾール、例えば99.6%(e.e.)の光学純度を有するエソメプラゾールを調製できるか否かについては明らかではない。
したがって、本発明で対処する課題は、高い光学純度を有するエソメプラゾールの調製を可能とする改良された方法、すなわち、より効果的な方法を提供することである。
この課題は、添付の請求項に概略する方法により解決され、その定義は本明細書に不可欠な部分である。
本発明による方法の更なる特徴及び利点は、本発明の実現の実施例を報告し、本発明を述べるものであり、限定するものとしてではなく提供する、以下の記述により得られる。
本発明の目的は、式(I):
Figure 0006325178
の高い光学純度を有するエソメプラゾールの調製の方法であって、以下の工程:
A.式(I)及び(II):
Figure 0006325178
の光学異性体の鏡像異性的に濃縮された混合物を含有する溶液を準備する工程であって、光学異性体(I)と(II)の比が60:40から99:1までであり、前記溶液の溶媒がジクロロメタンである工程、
B.式(III):
Figure 0006325178
の化合物の結晶化を促進する工程であって、前記化合物が実質的にラセミ体である工程、
C.エーテル系溶媒を、工程Bで調製された懸濁液に添加する工程、
D.工程Cで調製された懸濁液を濾過し、式(III)の化合物を除去する工程、
E.光学純度を高めたエソメプラゾール又はその塩を、工程Dの濾過した溶液から単離する工程
を含む。
実際、驚くべきことに、エーテル系溶媒を、式(I)及び(II):
Figure 0006325178
の光学異性体の鏡像異性的に濃縮された混合物を含有するジクロロメタン溶液に添加することにより、高い光学純度を有する、すなわち、高い光学異性体過剰率のエソメプラゾールの調製が可能であることが見出され、
ここで、光学異性体(I)と(II)の比が60:40から99:1までであり、HPLC A/A%として表される。
エーテル系溶媒の添加は、実際、ラセミ体オメプラゾールのほぼ定量的な沈殿をもたらし、その結果、(R)−オメプラゾール不純物の実質的に全ての量が沈殿し、その後除去される。この結果として、エソメプラゾールの光学純度の増大は劇的であり、一工程だけで、例えば、60%(e.e.)から99.7%(e.e.)まで進む。
さらに、追加の結果として、エーテル系溶媒の添加は、ラセミ体オメプラゾールの選択的な沈殿をもたらし、故に、実質的に定量的にエソメプラゾールを溶液中に得て、故に精製生成物について最良の収率を提供する。
換言すれば本発明の方法によって提供される、光学純度の上昇という点での、極めて高い効率は、オメプラゾールのほぼ完全な又は定量的な沈殿の作用によるものであり、したがって、実質的に完全な(R)−オメプラゾールの除去によるものである。
さらに、オメプラゾールがほぼ定量的に沈殿し、その間に、主成分であるエソメプラゾールが有機相でほぼ定量的に可溶化されたままであるため、オメプラゾールの沈殿は選択的である。
オメプラゾールの実質的に定量的な沈殿及び選択的な沈殿というこれらの効果は、ジクロロメタンである溶媒とエーテル系溶媒との特定の組合せに関連すると考えられている。
溶媒であるジクロロメタンは、塩化メチレンともいう。
故に、本発明の方法は、工程D.の終わりに、高い光学純度を有するエソメプラゾール、すなわち、典型的には99.0%(e.e.)超、すなわち、HPLC A/A%として表される99.5%超の光学純度を有するエソメプラゾールを提供する。
好ましくは、本発明の方法は、高い光学純度を有するエソメプラゾール、すなわち、典型的には99.4%(e.e.)超、すなわち、HPLC A/A%で99.7%超の光学純度を有するエソメプラゾールを提供する。
明瞭に及び任意選択的に、本発明の方法は、既に光学的に精製されたエソメプラゾールに再度適用でき、そのため、100%の光学純度を有するエソメプラゾールを調製できる。
しかし、工程E.の終わりに、本発明の方法は、典型的には、単離されたエソメプラゾール、又はエソメプラゾールマグネシウム二水和物、エソメプラゾールマグネシウム三水和物又はエソメプラゾールナトリウム等のその塩を提供し、ここで、(R)−オメプラゾールの含有量は検出されず、すなわち、エソメプラゾールは100%(HPLC A/A%)の光学純度を有する。
工程A.は、式(I)及び(II):
Figure 0006325178
の光学異性体の鏡像異性的に濃縮された混合物を含有する溶液を準備することにあり、
ここで、光学異性体(I)と(II)の比は60:40から99:1までである。故に、前記溶液は、ジクロロメタンに溶解した式(I)及び(II)の光学異性体の鏡像異性的に濃縮された混合物にある。
工程A.の溶液を調製するために、式(I)及び(II)の光学異性体の鏡像異性的に濃縮された混合物をジクロロメタンに可溶化させることができ、又は、あるいは及び好ましくは、エソメプラゾール分子の合成による調製の終わりに、したがって、化学反応の後又は反応混合物の後処理中に得ることができる。
好ましくは、式(I)及び(II)の光学異性体の鏡像異性的に濃縮された混合物を含有する溶液は、下記の構造:
Figure 0006325178
を有する合成前駆体ウフィプラゾールの不斉酸化によって調製される反応混合物の後処理中に調製できる。
60:40から99:1までの光学異性体(I)と(II)の比は、例えば、実施例13の方法によって、HPLC A/A%として決定される量に対応する重量対重量の比として意図され、これは、式(I)及び(II)の2つの光学異性体が、HPLC検出器に対して同じ応答を提供するためである。
光学異性体過剰率で表現すると、60:40から99:1までの光学異性体(I)と(II)の比は、20%(e.e.)から98%(e.e.)までを意味する。
本発明の好ましい実施態様によると、工程A.において、光学異性体(I)と(II)の比は、75:25から85:15までであるが、これは、この異性体の比が、典型的にはウフィプラゾールの不斉酸化法によって達成されるためである。
本発明のより好ましい実施態様によると、工程A.において、光学異性体(I)と(II)の比は、約80:20である。
工程A.のジクロロメタンの量は、式(I)及び(II)の光学異性体の混合物と比較して、0.5から50体積の範囲である。
体積の測定値は、光学異性体(I)及び(II)の混合物の重量による単位当たりの溶媒の体積の単位を意味する。故に、例えば、1体積は、光学異性体(I)及び(II)の混合物1Kg当たり1リットル若しくは1g当たり1mlの溶媒、又は物質1mgに対する1マイクロリットル若しくは1トンに対する1立方メートルの溶媒である。
本発明の好ましい実施態様によると、工程A.のジクロロメタンの量は、式(I)及び(II)の光学異性体の混合物と比較して、0.8から20体積の範囲である。
本発明のより好ましい実施態様によると、工程A.のジクロロメタンの量は、式(I)及び(II)の光学異性体の混合物と比較して、1から5体積の範囲であり、さらにより好ましくは1.5から2.0体積、最良は約1.8体積である。
本発明の方法の工程B.は、式(III):
Figure 0006325178
の化合物の結晶化の促進にあり、ここで、前記化合物は、実質的にラセミ体である。
式(III)の化合物の結晶化又は沈殿は、固体として式(III)の化合物を提供し、前記固体は有機溶媒に懸濁させる。
故に、工程B.において、ジクロロメタン中の式(III)の化合物の懸濁液が生じる。
式(III)の固体化合物は、48.0%から49.5%(HPLC A/A%)までの不必要な不純物(R)−オメプラゾールを含み、残りは(S)−オメプラゾールであるためであるため、実質的にはラセミ体であり、すなわち、実質的にはオメプラゾールである。
48.0%から49.5%(HPLC A/A%)までの不必要な不純物(R)−オメプラゾールの量により、式(III)の沈殿した固体化合物が、その不純物として、4%から1%(HPLC A/A%)までの範囲の少量の生成物であるエソメプラゾールを含有するオメプラゾールであると確認される。これらのデータにより、方法の収率に利点を与えるように、もっぱらオメプラゾールを沈殿させ、ほぼ定量的に溶液中に生成物であるエソメプラゾールを残す方法の選択性が確認される。
工程B.において、式(III)の化合物の結晶化又は沈殿を促進するため、例えば、ジクロロメタン溶液の濃縮による、並びに/又は前記溶液を冷却すること及び/若しくは前記溶液にオメプラゾールのシードをシード添加することによる、様々な方法が利用できる。
本発明の好ましい実施態様によると、式(III)の化合物の結晶化又は沈殿は、ジクロロメタン溶液の濃縮により行われる。
本発明の好ましい実施態様によると、式(III)の化合物の結晶化又は沈殿の工程B.は、工程A.のジクロロメタン溶液の濃縮により、光学異性体(I)及び(II)の混合物と比較して、20から3体積の範囲から5から1体積の範囲まで行われる。
本発明のより好ましい実施態様によると、式(III)の化合物の結晶化又は沈殿は、工程A.のジクロロメタン溶液の濃縮により、光学異性体(I)及び(II)の混合物と比較して、6から4体積の範囲から2.0から1.5体積の範囲まで、より好ましくは、約5.4体積から約1.8体積の範囲まで行われる。
本発明の方法の工程C.は、工程B.で調製されたジクロロメタン中の式(III)の化合物の懸濁液にエーテル系溶媒を添加することにより行われる。
本発明のより好ましい実施態様によると、5から10個の炭素原子を含有するエーテル系溶媒は、直鎖又は環状であり得、例えば、メチル−t−ブチルエーテル(MTBEと略す)、ジイソプロピルエーテル(IPE)、メチルイソブチルエーテル、ジブチルエーテル(DBE)、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、メチル−テトラヒドロフラン、ジイソブチルエーテル、n−ブチルメチルエーテル、ペンチルメチルエーテル、tert−アミルメチルエーテル等であり得る。
本発明のさらにより好ましい実施態様によると、エーテル系溶媒は、メチル−t−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルの群から選択される。
本発明のさらにより好ましい実施態様によると、エーテル系溶媒は、メチル−t−ブチルエーテルである。
工程C.で添加されたエーテル系溶媒の量は、典型的には、式(I)及び(II)の光学異性体の混合物と比較して、0.5から20体積の間に含まれる。
本発明の好ましい実施態様によると、工程C.で添加されたエーテル系溶媒の量は、式(I)及び(II)の光学異性体の混合物と比較して、1から5体積の間、より好ましくは、1.5から2.0の間に含まれ、最適な量は約1.8体積である。
工程C.において、ジクロロメタン中の式(III)の化合物の懸濁液へのエーテル系溶媒の添加は、ワンポットで、又は、好ましくは、1から60分の間に含まれる時間で行われ、より好ましくは、添加は20から40分の間に含まれる時間で実行され、約30分の時間がより好ましい。1から60分の間に含まれる時間で添加を行うと、最終生成物の光学純度の点でより良い結果が達成される。20から40分の間に含まれる時間でのエーテル系溶媒の添加がより良い結果をもたらすが、これは、この緩徐な添加が、エソメプラゾールを結晶に組み入れることなく、したがって、生成物の喪失を回避して、式(III)のオメプラゾールのより定量的でより選択的な沈殿を可能にするためである。
本発明の好ましい実施態様によると、式(III)の化合物の結晶化又は沈殿は、何れも式(I)及び(II)の光学異性体の混合物と比較して、工程B.においては、3から20体積のジクロロメタンの溶液から行われ、工程C.においては、0.5から20体積のエーテル系溶媒が添加される。
本発明のより好ましい実施態様によると、式(III)の化合物の結晶化又は沈殿は、何れも式(I)及び(II)の光学異性体の混合物と比較して、工程B.においては、1から5体積のジクロロメタンの溶液から行われ、工程C.においては、1から5体積のエーテル系溶媒が添加される。
本発明のさらにより好ましい実施態様によると、式(III)の化合物の結晶化又は沈殿は、何れも式(I)及び(II)の光学異性体の混合物と比較して、工程B.においては、1.5から2.0体積のジクロロメタンの溶液により行われ、工程C.においては、1.5から2.0体積のエーテル系溶媒が添加される。
本発明のさらにより好ましい実施態様によると、式(III)の化合物の結晶化又は沈殿は、何れも式(I)及び(II)の光学異性体の混合物と比較して、工程B.においては、約1.8体積のジクロロメタンの溶液から行われ、工程C.においては、約1.8体積のエーテル系溶媒が添加される。
本発明の方法は、−10℃から50℃の間に含まれる温度で行うことができ、0℃から25℃の間に含まれる温度の範囲が好ましい。
本発明の工程E.は、工程D.の濾過した溶液からの光学純度を高めたエソメプラゾール又はその塩の単離にある。
工程E.は、実際、工程D.の終わりに調製される溶液中の、典型的には99.7%(HPLC A/A%)超の光学純度を有するエソメプラゾールから始まって、生成物の光学純度も高め、典型的には100.0%(HPLC A/A%)又は約100.0%(HPLC A/A%)の光学純度を有する単離されたエソメプラゾール又はその塩が調製される。
工程Dで調製されたジクロロメタン及びエーテル系溶媒の混合物中の光学的に濃縮されたエソメプラゾールの溶液は、例えば、単離されたエソメプラゾールを提供するために濃縮でき、又は塩基性水溶液で抽出でき、後者はマグネシウム塩又はナトリウム塩に変換して、それぞれエソメプラゾールマグネシウム塩(エソメプラゾールマグネシウム二水和物若しくは三水和物が好ましい)、又はエソメプラゾールナトリウムを提供できる。
工程E.を行うための、有機溶液又は水溶液から単離されたエソメプラゾール又はエソメプラゾールマグネシウム二水和物若しくは三水和物の調製は、当該技術分野の一部である。
本発明の方法によって調製された、特に工程E.の終わりに得られた、単離されたエソメプラゾール塩基又はエソメプラゾールマグネシウム二水和物若しくは三水和物又はエソメプラゾールナトリウムは、典型的には100.0%(HPLC A/A%)又は約100.0%(HPLC A/A%)の光学純度を有する。
本発明の方法のモル収率は、除去された不純物であるオメプラゾールの量を除いて、実質的に定量的である。
前述の全ての好ましい実施態様は、各組合せで組み合わせることができ、常に本発明の方法を提供する。
本発明の方法の出発物質、すなわち、式(I)及び(II)の光学異性体の混合物は、ウフィプラゾールという基質の不斉酸化によって調製できる。前記混合物(80:20(w/w)の(S)光学異性体対(R)光学異性体の典型的な比を有する)は、本発明の方法にかけることができ、これは99.7%(HPLC A/A%)超の光学純度を有する溶液中のエソメプラゾールを提供する。光学的に濃縮されたエソメプラゾールを含有する溶液(工程D.の終わりに得られた溶液)から単離したエソメプラゾールマグネシウム二水和物又はエソメプラゾールマグネシウム三水和物には、検出できる量の(R)−オメプラゾールを有していない。
実験の部
(S)−及び(R)−オメプラゾールの鏡像異性的に濃縮された混合物は、公知の先行技術の方法によるウフィプラゾールの不斉酸化によって調製できる。
DCMはジクロロメタンを意味し、MTBEはメチル−t−ブチルエーテルを意味し、CPMEはシクロプロピルメチルエーテル、DIPEはジイソプロピルエーテル、AcOHは酢酸である。
実施例1
DCMからのエソメプラゾールの調製−表1のエントリー1。比較例−エーテル系溶媒なし。
16.32%(HPLC A/A%)の(R)−オメプラゾールを含有するエソメプラゾール(ウフィプラゾールの不斉酸化により調製される)102.89gを含有するpH=13.73の水溶液392gをpH9.81となるまで20%のAcOH 84mlで処理し、その後DCM 356mLを加えた。20%のAcOH 14mlを加えてpHを8.61とし、その後、相に分離した。水性相を25℃で、DCM 237mLで洗浄した。有機相を合わせ、25℃、減圧下で、120mlまで濃縮した。残留物をDCM(80ml)で希釈、20−25℃で1時間撹拌して、濾過した。ケークをDCM 2×50mLで洗浄、乾燥して、15.7gの白色の固体を得た。合わせた濾液を水100mLで希釈し、30%のNaOH 12mlを加えて、pH12とした。
有機相を分離し、水50mlで洗浄した。合わせた水性相は、鏡像異性的に濃縮されたエソメプラゾールを含有した。
生成物のデータは、表1のエントリー1である。
実施例2
DCMからのエソメプラゾールの調製−表1のエントリー2。比較例−エーテル系溶媒なし。
16.32%(HPLC A/A%)の(R)−オメプラゾールを含有するエソメプラゾール(ウフィプラゾールの不斉酸化により調製される)102.89gを含有するpH=13.73の水溶液392gをpH9.80となるまで20%のAcOH 85mlで処理し、その後、DCM 356mLを加えた。20%のAcOH 16mlを加えて、pHを8.76とし、その後、相に分離した。水性相を25℃で、DCM 237mLで洗浄した。有機相を合わせ、20−25℃、減圧下で、200mlまで濃縮した。
残留物を0−5℃に冷却し、1時間撹拌して、濾過した。ケークをDCM 2×50mLで洗浄、乾燥して、17.2gの白色の固体を得た。合わせた濾液を水200mLで希釈し、30%のNaOHを加えて、pH13とした。
分離された水性相は、鏡像異性的に濃縮されたエソメプラゾールを含有した。
生成物のデータは、表1のエントリー2である。
実施例3
DCM+MTBEからのエソメプラゾールの調製−表1のエントリー3。本発明の例示。
16.32%(HPLC A/A%)の(R)−オメプラゾールを含有するエソメプラゾール(ウフィプラゾールの不斉酸化により調製される)102.89gを含有するpH=13.73の水溶液392gをpH9.64となるまで20%のAcOH 85mlで処理し、その後、DCM 356mLを加えた。20%のAcOH 17mlを加えて、pHを8.60とし、その後、相に分離した。水性相を25℃で、DCM 237mLで洗浄した。有機相を合わせ、25℃、減圧下で、200mlまで濃縮した。
残留物を25℃で40分、撹拌して(結晶化が起きた)、その後、MTBE 200mlを25℃で30分かけて加えた。混合物を0−5℃に冷却し、2時間熟成して、濾過した。ケークをMTBE 2×50mLで洗浄、乾燥して、36.9gの白色の固体を得た。合わせた濾液を水200mlで希釈し、30%のNaOH 37.5gを加えてpH13.24とした。相に分離した。
水性相(300ml)は、鏡像異性的に濃縮されたエソメプラゾールを含有した。
生成物のデータは、表1のエントリー3である。
実施例4
DCM+MTBEからのエソメプラゾールの調製−表1のエントリー4。本発明の例示。
16.32%(HPLC A/A%)の(R)−オメプラゾールを含有するエソメプラゾール(ウフィプラゾールの不斉酸化により調製される)102.89gを含有するpH=13.73の水溶液392gをpH9.55となるまで20%のAcOH 86mlで処理し、その後DCM 356mLを加えた。20%のAcOH 16mlを加えて、pHを8.60とし、その後、相に分離した。水性相を25℃で、DCM 237mLで洗浄した。有機相を合わせ、20−25℃、減圧下で、200mlまで濃縮した(結晶化が起きた)。
その後、MTBE 200mLを、残留物(懸濁液)に25℃で30分かけて加えた。混合物を0−5℃に冷却し、2時間熟成して、濾過した。ケークを0℃で、MTBE 2×50mLで洗浄、乾燥して、37.7gの白色の固体を得た。合わせた濾液を水200mlで希釈し、30%のNaOH 37.9gを加えてpH13.23とした。相に分離した。水性相(310ml)は、鏡像異性的に濃縮されたエソメプラゾールを含有した。
生成物のデータは、表1のエントリー4である。
実施例5
DCM+MTBEからのエソメプラゾールの調製−表1のエントリー5。本発明の例示。
19.16%(HPLC A/A%)の(R)−オメプラゾールを含有するエソメプラゾール(ウフィプラゾールの不斉酸化により調製される)111.58gを含有するpH=13.60の水溶液392gをpH9.60となるまで20%のAcOH 82mlで処理し、その後DCM 356mLを加えた。20%のAcOH 13mlを加えてpHを8.60にし、その後、相に分離した。水性相を25℃で、DCM 237mLで洗浄した。有機相を合わせ、20−25℃、減圧下で、200mlまで濃縮した(結晶化が起きた)。
その後、残留物(懸濁液)に、MTBE 200mLを、25℃で30分かけて加えた。混合物を0−5℃に冷却し、2時間熟成して、濾過した。ケークを0℃で、MTBE 2×50mLで洗浄、乾燥して、40.5gの白色の固体を得た。混合した濾液は、水200mlで希釈し、30%のNaOH 37.2gを加えてpH13.26とした。相に分離した。水性相(300ml)は、鏡像異性的に濃縮されたエソメプラゾールを含有した。
生成物のデータは、表1のエントリー5である。
実施例6
DCM+MTBEからのエソメプラゾールの調製−表1のエントリー6。本発明の例示。
19.16%(HPLC A/A%)の(R)−オメプラゾールを含有するエソメプラゾール(ウフィプラゾールの不斉酸化により調製される)223.16gを含有するpH=13.72の水溶液784gをpH9.69となるまで20%のAcOH 176mlで処理し、その後DCM 712mLを加えた。20%のAcOH 32mlを加えて、pHを8.70とし、その後、相に分離した。水性相を25℃で、DCM 474mLで洗浄した。有機相を合わせ、20−25℃、減圧下で、400mlまで濃縮した(結晶化が起きた)。
その後、残留物(懸濁液)を、MTBE 400mLに、25℃で30分かけて加えた。混合物を0−5℃に冷却し、2時間熟成して、濾過した。ケークを0℃で、MTBE 2×100mLで洗浄、乾燥して、84.1gの白色の固体を得た。合わせた濾液は、水400mlで希釈し、30%のNaOH 70.7gを加えてpH13.28とした。相に分離した。水性相(605ml)は、鏡像異性的に濃縮されたエソメプラゾールを含有した。
生成物のデータは、表1のエントリー6である。
実施例7
DCM+MTBEからのエソメプラゾールの調製−表1のエントリー7。本発明の例示。
22.48%(HPLC A/A%)の(R)−オメプラゾールを含有するエソメプラゾール(ウフィプラゾールの不斉酸化により調製される)217.58gを含有するpH=13.46の異なる水溶液784gをpH9.80となるまで20%のAcOH 170mlで処理し、その後、DCM 712mLを加えた。20%のAcOH 47mlを加えて、pHを8.75にし、その後、相に分離した。水性相を25℃で、DCM 474mLで洗浄した。有機相を合わせ、20−25℃、減圧下で、400mlまで濃縮した。
残留物を10分間撹拌し(結晶化が起きた)、その後、MTBE 400mLを、25℃で30分かけて懸濁液に加えた。混合物を0−5℃に冷却し、2時間熟成して、濾過した。ケークは、0℃で、MTBE 2×100mLで洗浄、乾燥して、99.3gの白色の固体を得た。合わせた濾液を水400mlで希釈し、30%のNaOH 90.5gを加えてpH13.3とした。相に分離した。水性相(590ml)は、鏡像異性的に濃縮されたエソメプラゾールを含有した。
生成物のデータは、表1のエントリー7である。
実施例8
DCM+MTBEからのエソメプラゾールの調製−表1のエントリー8。本発明の例示。
19.16%(HPLC A/A%)の(R)−オメプラゾールを含有するエソメプラゾール(ウフィプラゾールの不斉酸化により調製される)111.58gを含有するpH=13.60の異なる水溶液392gは、pH9.70まで、20%のAcOH 85mlで処理し、その後DCM 356mLを加えた。pHは、20%のAcOH 22mlを加えて8.60にし、その後、相に分離した。水性相は、25℃で、DCM 237mLで洗浄した。有機相は、混合し、20−25℃、減圧下で、200mlまで濃縮した。
残留物は、10分間撹拌し、その後、結晶化を促進するため、溶液をオメプラゾールにシード添加した。シード添加後、結晶化が起こり、その後、懸濁液を、MTBE 200mLに、25℃で30分かけて加えた。混合物は、0−5℃に冷却し、2時間熟成して、濾過した。ケークは、0℃で、MTBE 2×50mLで洗浄、乾燥して、42.6gの白色の固体を得た。混合した濾液は、水200mlで希釈し、30%のNaOH 36gを加えてpH>13とした。相に分離した。水性相(299ml)は、鏡像異性的に濃縮されたエソメプラゾールを含有した。
生成物のデータは、表1のエントリー8である。
実施例9
DCM+MTBEからのエソメプラゾールの調製−表1のエントリー9。本発明の例示。
22.48%(HPLC A/A%)の(R)−オメプラゾールを含有するエソメプラゾール(ウフィプラゾールの不斉酸化により調製される)108.79gを含有するpH=13.60の異なる水溶液392gは、pH9.90まで、20%のAcOH 85mlで処理し、その後DCM 356mLを加えた。pHは、20%のAcOH 17mlを加えて8.83にし、その後、相に分離した。水性相は、25℃で、DCM 237mLで洗浄した。有機相は、混合し、30℃、減圧下で、200mlまで濃縮した。
残留物は、25℃で15分間撹拌し(結晶化が起きた)、その後、懸濁液をMTBE 200mlに、25℃で30分かけて加えた。混合物は、0−5℃に冷却し、2時間熟成して、濾過した。ケークは、MTBE 2×50mLで洗浄、乾燥して、51.9gの白色の固体を得た。混合した濾液は、水200mlで希釈し、30%のNaOH 28.3gを加えてpH13.08とした。相に分離した。水性相(285ml)は、鏡像異性的に濃縮されたエソメプラゾールを含有した。
生成物のデータは、表1のエントリー9である。
実施例10
DCM+DIPEからのエソメプラゾールの調製−表1のエントリー10。本発明の例示、ジイソプロピルエーテルとともに。
22.48%(HPLC A/A%)の(R)−オメプラゾールを含有するエソメプラゾール(ウフィプラゾールの不斉酸化により調製される)108.79gを含有するpH=13.60の水溶液392gをpH9.86となるまで20%のAcOH 85mlで処理し、その後、DCM 356mLを加えた。20%のAcOH 18mlを加えて、pHは8.81とし、その後、相に分離した。水性相を25℃で、DCM 237mLで洗浄した。有機相を合わせ、20−25℃、減圧下で、200mlまで濃縮した。
残留物を25℃で15分間撹拌し(結晶化が起きた)、その後、懸濁液を、ジイソプロピルエーテル(DIPE)200mLに、25℃で30分かけて加えた。混合物を0−5℃に冷却し、2時間熟成して、濾過した。ケークをDIPE 2×50mLで洗浄、乾燥して、49.9gの白色の固体を得た。合わせた濾液を水200mlで希釈し、30%のNaOH 29.3gを加えてpH13.2とした。相に分離した。水性相(285ml)は、鏡像異性的に濃縮されたエソメプラゾールを含有した。
生成物のデータは、表1のエントリー10である。
実施例11
本発明の効果を示す比較の表。
Figure 0006325178
(R)異性体、すなわち表1の(R)−オメプラゾールの百分率値は、百分率的なエリアの百分率(HPLC A/A%)として表し、実施例13のHPLC法を用いて決定する。Esoは、エソメプラゾール又は式(I)及び(II)の異性体の混合物を意味する。
表1には、出発溶液に存在するエソメプラゾールの重量及び工程D.の終わりに相に存在するエソメプラゾールの重量は、HPLCアッセイ法を用いて決定し、したがって前記重量値は、約10%の推定誤差の影響を受ける。
エントリー1−2を、他のエントリー3−10と比較すると、本発明の方法の明らかな効果を見出すことが可能で、実際、エソメプラゾール中の(R)−オメプラゾールの含有量は、実験で0.30%未満に値が低下し、ここで、エーテル系溶媒の添加が行われている。
表1によると、R光学異性体の効率的な除去は、エーテル系溶媒を添加することのみにより達成できる。
実施例12
高い光学純度を有するエソメプラゾールの調製の一般的な手順。
オメプラゾール(784g)のS光学異性体及びR光学異性体の水溶液に、20−25℃の、酢酸を水に溶かした20%溶液に加え、pHを9.5−10.0にした。得られた混合物は、ジクロロメタン(712mL)で希釈し、混合物のpHは、酢酸を水に溶かした20%溶液を加えて8.5−9.0にした。分離した水性相は、ジクロロメタン(474mL)で抽出し、2つの混合した相は、残留物が400mLになるまで濃縮した。残留物は、20−25℃で撹拌し、TBME(400mL)を30分で加えた。得られた混合物は、0−5℃に冷却し、2時間熟成して、濾過した。湿潤ケークは、TBME(2×100mL)で洗浄し、固体は、20−25℃で乾燥させた。単離された固体は、生成物のラセミ混合物を含有した。
混合した母液と洗浄するケークは、純粋なエソメプラゾールを含有し、塩基性水(pH>13)で抽出し、低いpHで不安定であることが公知の水溶液に保存した。
純粋なエソメプラゾールは、簡便にはエソメプラゾールマグネシウム又はナトリウム塩を調製するのに用いることができる。
実施例13
式(I)及び(II)の光学異性体の混合物のHPLCによるキラル純度の決定の分析法。
クロマトグラフィーの条件:
カラム:キラル−AGP、100×4.0mm、5μm又は等価量
カラム温度:周囲温度(25℃)
移動相:pH=6のリン酸バッファー/アセトニトリル 425:75(v/v)
流速:0.6mL/分
検出器:302nmでのUV、bw 4nm
注入量:20μL
希釈剤:pH11のバッファー
分析時間:30分
注意:試料は、直ちに分析し、氷浴中に保管/移送しなければならない。
保持時間は以下の通りである:
Figure 0006325178

Claims (15)

  1. 式(I):
    Figure 0006325178
    の高い光学純度を有するエソメプラゾールの調製のための方法であって、
    以下の工程:
    A.式(I)及び(II):
    Figure 0006325178
    の光学異性体の鏡像異性的に濃縮された混合物を含有する溶液を準備する工程であって、光学異性体(I)と(II)の比が60:40から99:1までであり、前記溶液の溶媒がジクロロメタンである工程、
    B.式(III):
    Figure 0006325178
    の化合物の結晶化を促進する工程であって、前記化合物が実質的にラセミ体である工程、
    C.エーテル系溶媒を、工程Bで調製された懸濁液に添加する工程、
    D.工程Cで調製された懸濁液を濾過し、式(III)の化合物を除去する工程、
    E.光学純度を高めたエソメプラゾール又はその塩を、工程Dの濾過した溶液から単離する工程
    を含む、方法。
  2. 工程A.のジクロロメタンの量が、式(I)及び(II)の光学異性体の混合物と比較して、1から5体積の範囲である、請求項1に記載の方法。
  3. 工程B.が、光学異性体(I)及び(II)の混合物と比較して、20から3体積の範囲から5から1体積の範囲までの、工程A.のジクロロメタン溶液の濃縮により行われる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 工程B.が、光学異性体(I)及び(II)の混合物と比較して、6から4体積の範囲から2.0から1.5体積の範囲までの、工程A.のジクロロメタン溶液の濃縮により行われる、請求項3に記載の方法。
  5. エーテル系溶媒が、メチル−t−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルの群から選択される、請求項1から4の何れか一項に記載の方法。
  6. エーテル系溶媒がメチル−t−ブチルエーテルである、請求項5に記載の方法。
  7. 工程C.において、添加されるエーテル系溶媒の量が、式(I)及び(II)の光学異性体の混合物と比較して、1から5体積の間に含まれる、請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
  8. 工程C.において、添加されるエーテル系溶媒の量が、式(I)及び(II)の光学異性体の混合物と比較して、1.5から2.0体積の間に含まれる、請求項7に記載の方法。
  9. 工程C.において、エーテル系溶媒の添加が、20から40分の間に含まれる時間で実行される、請求項1から8の何れか一項に記載の方法。
  10. 式(III)の化合物の結晶化が、何れも式(I)及び(II)の光学異性体の混合物と比較して、工程B.においては、1から5体積のジクロロメタンの溶液から行われ、工程C.においては、1から5体積のエーテル系溶媒が添加される、請求項1から9の何れか一項に記載の方法。
  11. 式(III)の化合物の結晶化が、何れも式(I)及び(II)の光学異性体の混合物と比較して、工程B.においては、1.5から2.0体積のジクロロメタンの溶液から行われ、工程C.においては、1.5から2.0体積のエーテル系溶媒が添加される、請求項10に記載の方法。
  12. 全工程が0℃から25℃の間に含まれる温度で行われる、請求項1から11の何れか一項に記載の方法。
  13. 工程D.の終わりに、エソメプラゾールが99.7%(HPLC A/A%)超の光学純度を有する、請求項1から12の何れか一項に記載の方法。
  14. 工程E.において、エソメプラゾールが、エソメプラゾール又はエソメプラゾールマグネシウム二水和物若しくは三水和物又はエソメプラゾールナトリウムとして単離される、請求項1から13の何れか一項に記載の方法。
  15. 工程E.の終わりに、単離されたエソメプラゾール又はエソメプラゾールマグネシウム二水和物若しくは三水和物又はエソメプラゾールナトリウムが100.0%(HPLC A/A%)の光学純度を有する、請求項1から14の何れか一項に記載の方法。
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