JP6324962B2 - 標的rna枯渇化組成物を調製するための方法およびキット - Google Patents

標的rna枯渇化組成物を調製するための方法およびキット Download PDF

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Description

本発明は、初期RNA含有組成物から標的RNA枯渇化組成物を調製するための方法を提供する。本明細書において開示される方法は、単離された全RNAからの、rRNAなどのような望まれない標的RNAの効率的な枯渇を可能にする。方法は、次世代配列決定の適用、特にトランスクリプトーム配列決定のためのRNAを調製するのに特に適している。さらに、本発明による方法を実行するのに適したキットが、提供される。
トランスクリプトミクス(transcriptomics)は、調査中の特定のゲノムから転写されるRNAを特徴付ける研究の分野である。serial analysis of gene expression(SAGE)、cap analysis gene expression(CAGE)、およびmassively parallel signature sequencingなどのようないくつかの方法が、転写されたRNAを分析するために開発されてきた。さらなるアプローチは、トランスクリプトームの配列決定である。従来より、配列決定は、サンガー配列決定によって行われてきた。
ここ数年間にわたって、配列決定のためのサンガー法の使用から、いわゆる「次世代配列決定」(NGS)技術への根本的な転換があった。ここで、ピロシーケンス、合成による配列決定、またはライゲーションによる配列決定などのような、様々なNGS技術および方法が、存在する。しかしながら、ほとんどのNGSプラットフォームは、一般的な技術的特徴、すなわち、フローセルにおいてまたは油−水エマルションの生成によって空間的に分離された、クローン増幅されたDNA分子または単一DNA分子の超並列配列決定を共有する。NGSにおいて、配列決定は、ポリメラーゼ媒介性ヌクレオチド伸長の繰り返しのサイクルまたはあるフォーマットでは、オリゴヌクレオチドライゲーションの反復サイクルによって実行される。超並列プロセスとして、NGSは、プラットフォームに依存して、単一の機器での試行(run)において、何百ものメガベース〜ギガベースのヌクレオチド配列アウトプットを生成する。多量の配列データの低費用の産生は、従来の方法に対する主要な利点である。そのため、NGS技術は、遺伝子研究において主な推進力になった。いくつかのNGS技術プラットフォームは、広範囲の使用を見出し、たとえば、以下のNGSプラットフォームを含む:Roche/454、Illumina Solexa Genome Analyzer、Applied Biosystems SOLiD(商標)システム、Ion Torrent(商標)半導体配列分析機器、PacBio(登録商標)リアルタイム配列決定、およびHelicos(商標) Single Molecule Sequencing(SMS)。NGS技術、NGSプラットフォーム、およびNGS技術についての一般的な適用/分野は、たとえばVoelkerdingら(Clinical Chemistry 55:4 641−658、2009)およびMetzker(Nature Reviews/ Genetics Volume 1 1 、January 2010、pages 31−46)において概説される。配列決定がNGS技術において超並列方式で実行されるという特徴に加えて、NGS技術プラットフォームは、それらが、超並列配列決定に適している配列決定ライブラリーの調製を必要とするという共通点を有する。そのような配列決定ライブラリーの例は、断片ライブラリー、メイトペアライブラリー(mate−paired library)、またはバーコード化断片ライブラリー(barcoded fragment library)を含む。ほとんどのプラットフォームは、機器での「試行」前の小さな変更を伴うが、一般的なライブラリー調製手順に従う。この手順は、cDNAから得られてもよいDNAの断片化(たとえば超音波処理、ハイドロ剪断(hydro−shearing)、超音波、噴霧化などのような機械的な剪断または酵素的断片化によって)、その後に続くDNA修復および末端研磨(end polishing)(平滑末端またはAオーバーハング)ならびに最終的に、多くの場合、プラットフォーム特異的アダプターライゲーションを含む。そのような配列決定ライブラリーの調製および設計はまた、Voelkerding、2009およびMetzker、2010においても記載される。
これらの新しいハイスループット次世代配列決定技術は、診断法、癌、幹細胞研究、メタゲノミクス、集団遺伝学、および医学を含むが、これらに限定されない多くの研究分野において、高速で多目的な結果を導いた。今日のNGS研究は、複雑なサンプルおよび限られた出発物質から高品質の配列決定データを得る能力に、ますます依存している。NGSはまた、トランスクリプトーム配列決定にも使用されてきた。トランスクリプトーム配列決定はまた、「RNA−seq」とも呼ばれ、たとえば、生物学的サンプルにおける転写物のマッピングおよび定量化にも使用される。この技術は、癌のような疾患の研究において速やかに採用された。深いカバー度および塩基レベルの分解能により、次世代配列決定は、遺伝子の対立遺伝子および異なってスプライスされた転写物;非コードRNA;転写後突然変異または編集;ならびに遺伝子融合を含む、遺伝子の発現差異についての情報を提供する。トランスクリプトーム配列決定(RNA−seq)は、上記に記載されるように、様々なプラットフォームにより行うことができる。次世代配列決定を実行するのに必要である配列決定ライブラリーの生成は、プラットフォームごとに異なり得るが、一方では、それぞれの技術内で共通性がある。トランスクリプトーム配列決定についてのある主な問題は、干渉RNA分子の存在である。たとえば、リボソームRNA(rRNA)は、全RNAにおいて最も大量にある分子であり、多くの場合、全RNAの90%以上がrRNAである。しかしながら、リボソームRNAは、トランスクリプトームに関する情報をほとんど提供しない。RNA配列決定(RNA−seq)などのような適用において、配列決定の試行から得られる情報の量を最大限にすることに大きな関心がある。大量のrRNAがライブラリー構築に関与する場合、大部分の配列決定パワーは、これらの遍在性の分子を配列決定するために使用され、それによって、残りのトランスクリプトームを調査するために利用可能なパワーを減らしてしまうであろう。それによって、有益な配列決定資源が浪費される。さらに、リボソームRNAの存在は、関心のあるRNA種の検出を困難にし得る低SN比をもたらし得る。そのため、rRNAおよび/または他の望まれないRNAの除去は、下流の配列決定の価値を増加させる。rRNAまたは他の望まれないRNA種を欠く配列決定ライブラリーを提供するために、いくつかのアプローチが、先行技術において開発された。
ポリA濃縮に基づくある一般的なアプローチによれば、ポリARNAが、全RNAから得られる。ポリA RNAは、一般的な方法を使用して、たとえば、ポリ(T)オリゴヌクレオチドにより官能性をもたせ、したがってポリA RNAを捕捉することができる磁気ビーズを使用することによって単離することができる。ポリA RNAからの配列決定ライブラリーの調製は、rRNAなどのようなポリAテイルを持たないRNA種が全RNAから回収されず、したがって、配列決定反応に持ち越されないという利点を持つ。したがって、ポリA RNAを使用して生成された配列決定ライブラリーから得られたほとんどの配列は、ポリAテイルを持つ、タンパク質をコードするmRNAに相当する。しかしながら、配列決定ライブラリーを調製するために精製されたポリA RNAを使用することはまた、不利でもある。ポリAテイルを持たず、したがってポリA濃縮の間に失われるが、それにもかかわらず、トランスクリプトーム配列決定において関心がある、いくつかのRNAタイプがある。たとえば、ポリA濃縮は、トランスクリプトームの重要な構成成分である、ポリアデニル化されていないmRNA配列の損失をもたらす。ヒストンをコードするものなどのような、ある真核生物mRNAもまた、ポリ−Aテイルを持たず、他のものは、オリゴdTによる効率的な捕捉には短すぎるポリAテイルを持つ。さらに、それらがポリアデニル化されていないので、この方法は、原核生物mRNAに対して使用することができない。さらに不利なのは、ポリA濃縮がインプット材料として高品質のインタクトな全RNAを必要とするということである。ポリAテイルを持つ断片のみが捕捉されるので、ポリA濃縮は、分解されたRNAサンプルに適していない。
ポリA濃縮に関連するこれらの不利のために、代替方法が開発された。ポリA濃縮に基づくアプローチとは対照的に、これらの方法は、関心のあるRNAを濃縮することを目指すのではなく、たとえばrRNAなどのような、続くトランスクリプトーム分析にとって関心のないRNAタイプを枯渇させ、したがって除去することを目指す。ポリA濃縮とは対照的に、rRNA枯渇に基づく方法は、アデニル化されていないRNA、非コードRNA、および調節RNAについての情報を保護し、トランスクリプトームの複雑さについての我々の理解を増加させる、RNA調節、新生転写、RNA編集、および他の現象の調査を可能にする。ここで、また、NGSのための全RNA調製物を調製するために、様々なアプローチが、望まれない標的RNAを枯渇させるために開発された。あるアプローチによれば、リボソームRNAなどのような望まれない標的RNAは、完全長の標的RNAに対してハイブリダイズする長いプローブによって枯渇される。市販で入手可能な製品は、RiboZero(Epicentre)であり、これは、初期RNA組成物中に存在するrRNAにハイブリダイズするプローブとして、rRNAの長いビオチン化転写物を使用する。結果として生じるハイブリッドは、ストレプトアビジンビーズにより除去される。それによって、rRNA枯渇化組成物が、得られる。使用されるプローブは、RNAプローブであり、したがって、取扱いにとって不都合なことには、−70〜−80℃で保存されなければならない。それぞれの技術は、国際公開第2011/019993号において記載される。前記方法は、それが、分解されたRNAの場合でさえ、リボソームRNAを効率的に除去するという利点を持つ。しかしながら、前記方法は、異なる生物で多様な効率を有する。さらに、断片化されたrRNAの場合でもrRNAを効率的に除去するのに必要な長いプローブは、非標的RNAとクロスハイブリダイズし、それによって、情報価値のあるRNAの非特異的枯渇をもたらし得るという欠点を有する。したがって、この方法は、特異性に関して不利である。他の市販で入手可能なrRNA枯渇方法/キットは、InvitrogenからのRiboMinus技術である。ここで、ビオチン化ロックド核酸プローブが、使用され、望まれない標的RNAに対してハイブリダイズし、タグ付きハイブリッドは、ストレプトアビジンビーズの使用によって結合され、除去される。このアプローチは、RiboZero法よりも短いプローブを使用し、したがって、その方法よりもかなり効率的ではない、特に、断片化されたRNAの場合に、rRNAを枯渇させるのに効率的ではない(実施例もまた参照されたい)。さらに、また、この先行技術は、情報価値のあるRNAが、rRNAプローブおよびたとえばmRNA配列の間の非特異的相互作用のために、rRNA枯渇の間に非特異的に枯渇されるという危険性をもたらす。したがって、特異性が改善され、さらに、断片化の場合でも望まれない標的RNAを効率的に枯渇させる標的RNA枯渇方法についての必要性がある。
望まれない標的RNAを枯渇させることによってまたは望ましいRNAタイプを濃縮することによって、RNA組成物を調製した後、NGS配列決定のために得られたRNAを調製するための典型的なプロトコールは、たとえばランダムヘキサマープライミング逆転写を介しての第1鎖cDNAの生成ならびにRNアーゼHおよびDNAポリメラーゼによる第2鎖cDNAの続く生成を伴うであろう。たとえば、cDNAは、断片化され、NGSアダプターに対してライゲーションされてもよい。マイクロRNA(miRNA)および低分子干渉RNAなどのような小型RNAについては、小型RNA濃縮方法を介しての優先的な単離、電気泳動法ゲル上でのサイズ選択、またはこれらのアプローチの組み合わせが共通して使用される。RNAリガーゼは、RNAに対してアダプター配列を連結するために使用することができ、このステップに、多くの場合、NGS処理前のPCR増幅ステップが後続する。配列決定後に、得られたリードは、参照ゲノムに対してアライメントし、知られている転写物配列と比較し、または新たにアセンブルし、ゲノム規模の転写マップを構築することができる。
全RNAからrRNAなどのような望まれないRNA分子を枯渇させるさらなる方法は、国際公開第01/32672号において記載される。RNAは、たとえばrRNAなどのような望まれない標的配列と複合体を形成することができるベイト分子と接触させ、それによって、初期組成物から除去することができるベイト:標的複合体を形成する。得られたrRNA枯渇化組成物は、信号成分によりマークすることができる、mRNAライブラリーを調製するために使用することができる、またはアレイハイブリダイゼーション技術を利用する発現研究において使用することができる。複数の他の方法の中でも、ベイト:標的複合体を除去するためのいくつかの方法が開示され、ハイブリッド捕捉に基づく方法もまた、開示される。
本発明の目的は、先行技術の方法の少なくとも1つの欠点を回避する、全RNAからrRNAなどのような望まれない標的RNAを枯渇させるのに適した方法を提供することである。特に、効率的で特異的であり、かつ様々な種に起源を持つサンプルおよび分解されたサンプルを含む様々なサンプルから望まれない標的RNAを枯渇させるために使用することもできる、次世代配列決定の適用のために、特にトランスクリプトーム配列決定のために、全RNAを調製するための方法を提供することを目的とする。
国際公開第2011/019993号 国際公開第01/32672号
Voelkerdingら、Clinical Chemistry(2009)55:4 641〜658 Metzker、Nature Reviews/Genetics(2010年1月)11巻、31〜46頁
本発明は、ハイブリッド捕捉と組み合わせて、枯渇されることになっている標的RNAに対してハイブリダイズする特異的に設計されたプローブ分子を使用することが、RNA含有組成物から望まれない標的RNAを除去し、したがって枯渇させるための、有意に改善された方法を提供するという発見に基づく。方法は、全RNAからrRNAを特異的にかつ効率的に枯渇させるために使用し、それによって、トランスクリプトーム配列決定などのようなNGSの適用において使用することができるrRNA枯渇化RNAを提供することができる。
第1の態様によれば、初期RNA含有組成物から標的RNA枯渇化組成物を調製するための方法が提供され、この方法は、以下:
a)1つ以上のグループのプローブ分子と初期RNA含有組成物を接触させ、そして標的RNAおよびプローブ分子の間で二本鎖ハイブリッドを生成するステップであって、あるグループのプローブ分子が、以下:
i)グループが、100nt以下の長さを有する2つ以上の異なるプローブ分子を含む;
ii)前記グループにおいて含まれるプローブ分子が、標的RNA中に存在する標的領域に対して相補的である;
iii)前記標的領域に対してハイブリダイズする場合、2つ以上の異なるプローブ分子が、形成される二本鎖ハイブリッドにおいて互いに隣接して位置する;
との特徴を有する、ステップ;
b)二本鎖ハイブリッドに結合する結合剤を使用することによって二本鎖ハイブリッドを捕捉し、それによって、ハイブリッド/結合剤複合体を形成するステップ;
c)組成物からハイブリッド/結合剤複合体を分離し、それによって、標的RNA枯渇化組成物を提供するステップ
を含む。
本発明は、枯渇のために、たとえば様々なrRNA種などのような望まれない標的RNAに対してハイブリダイズし、したがってマークする、特異的に設計されたグループのプローブ分子を使用する。それぞれのグループのプローブ分子は、本明細書において、標的領域とも呼ばれる、標的RNAにおける特異的な領域を標的にし、前記標的領域に対してハイブリダイズする2つ以上の異なる短いプローブ分子を含む。それらの標的領域に対してハイブリダイズする場合、1つのグループの短いプローブ分子は、形成される二本鎖ハイブリッドにおいて互いに隣接して位置する、したがって、すぐ近くに位置する。形成された二本鎖ハイブリッドは、標的領域をまたがり、したがってカバーする。1つのグループの短いプローブ分子を含む、形成された二本鎖ハイブリッドに、次いで、抗ハイブリッド結合剤が結合し、それによって、ハイブリッド/結合剤複合体が形成される。前記複合体は、残りの組成物から容易に分離し、それによって、望まれない標的RNAを除去し、したがって標的RNA枯渇化組成物を提供することができる。実施例によって示されるように、ハイブリッド捕捉技術と組み合わせた、特異的に設計されたプローブ分子の使用は、先行技術の標的RNA枯渇方法と比較して、標的RNA除去の特異性および効率を有意に改善する。標的RNA内の特異的な標的領域に対してハイブリダイズする複数の短いプローブ分子を含む1つ以上のグループの使用の重要な利点は、より長いプローブ分子と比較して、短いプローブ分子において許容されるミスマッチがより少ないので、特異性における、結果として生じる増加となる。これは、プローブレベルで、非標的RNAに対する非特異的結合を低下させる。短いプローブ長を使用するさらなる利点は、それがバイオインフォマティクス設計において可能にする容易さである。プローブ分子が短いほど、よりオーバーラップしない可能性のある組み合わせのプローブを設計することができる。これは、非標的配列と最小限のクロスハイブリダイゼーションを有するまたはさらにクロスハイブリダイゼーションを全く有さないプローブ分子を提供することを可能にする。特異性は、実行されるハイブリッド捕捉ステップにより第2のレベルでさらに増加する。抗ハイブリッド抗体などのような抗ハイブリッド結合剤は、前記ハイブリッドがミスマッチを全く含有しないまたはわずかなミスマッチのみを含有する場合しか、二本鎖ハイブリッドのみを認識しない。これは、プローブ分子がその標的RNAに対して結合する場合に通常生じる完全なマッチの捕捉に好都合である。さらに、35nt以下または好ましくは30nt以下の長さを有する特に短いプローブ分子が本発明による方法において使用される場合、これは、特異性をさらに改善する。35nt以下の長さを有する単一のプローブ分子が非標的RNAに対して非特異的にハイブリダイズする場合に形成されると思われる短い二本鎖ハイブリッドは、通常、抗ハイブリッド結合剤によってあまり認識されない。したがって、非標的RNAに対して非特異的に結合するそれぞれの単一のプローブ分子は、特に抗ハイブリッド抗体の場合において、抗ハイブリッド結合剤の効率的な結合を可能にするのに十分な長さの二本鎖ハイブリッドを提供しない。さらに、捕捉、したがって枯渇効率は、あるグループのプローブ分子が標的に対してハイブリダイズする場合のように、抗ハイブリッド抗体などのような1つを超える抗ハイブリッド結合剤が、枯渇されることになっているハイブリッドに対して結合することができる場合、増加する。上記の理由で、大部分の非特異的な結合イベントは、抗ハイブリッド結合剤によって捕捉されないであろう、したがって、非特異的に結合した非標的RNAは、RNA含有組成物から枯渇されない。しかしながら、グループのすべてのプローブ分子がそれらの標的領域に対してハイブリダイズする場合、著しくより長い二本鎖ハイブリッドが形成される。ミスマッチを含有しない、形成された長い二本鎖ハイブリッドは、抗ハイブリッド結合剤によって十分に認識され、それによって、効率的な捕捉および除去を確実にする。したがって、それらの標的領域に対してハイブリダイズする場合、そのグループの短いプローブ分子は、本質的に、長いプローブ分子の特徴を模倣し、これは、抗ハイブリッド結合剤による捕捉を改善する。特異性の増加に関するこの有益な効果は、特に、抗ハイブリッド抗体を使用する場合に達成され、抗ハイブリッド抗体は、そのため、好ましい。
本発明による方法の素晴らしい効率および優れた特異性は、ハイブリッド捕捉と組み合わせて複数の隣接した短いプローブ分子を使用することが、標的RNA除去の特異性を有意に増加させ、これにより、先行技術の方法と比較して、関心のあるRNAが、非特異的に枯渇されることがより少ないことがもたらされるということを特に示す実施例によって示される(特に図6および7を参照されたい)。さらに、方法は、断片化されたRNAの場合でさえ、99%を超える枯渇率に達することによって非常に効率的となる。したがって、本明細書において教示されるように、2つ以上の隣接した短いプローブ分子を含む、1つ以上のグループのプローブ分子を使用する場合、標的RNA結合の効率は、より長いプローブに比べて損なわれない。しかしながら、特異性は、より少ない非特異的な結合イベントおよび抗ハイブリッド結合剤による、正確に形成された二本鎖ハイブリッドの捕捉から結果として生じる付加的なレベルの特異性のために、有意に改善され、抗ハイブリッド結合剤は、そのため、好ましくは、抗ハイブリッド抗体となる。標的RNA枯渇化組成物は、したがって、ポリA mRNA、アデニル化されていないmRNA、非コードRNA、および調節RNAを含むRNA種の多様性を好都合に保持する。SN比は、改善され、低存在量のRNAを検出することができる。複数の望まれない標的RNAは、本発明による方法を使用して同時に枯渇させることができる。したがって、本発明によって提供される方法は、既存の標的RNA枯渇方法に対して有意な改善をもたらす。標的RNA枯渇化組成物は、マイクロアレイ分析、ライブラリー構築物、逆転写、増幅、トランスクリプトームプロファイリング、発現分析、および重要なことには配列決定の適用を含むが、これらに限定されない多くの下流の適用において使用することができる。
第2の態様によれば、サンプルにおいて含まれる関心のあるRNA分子を配列決定するための方法が提供され、この方法は、以下:
a)好ましくはサンプルから全RNAを単離することによって、RNA含有組成物を得るステップ;
b)第1の態様による方法を使用して、好ましくは全RNAであるRNA含有組成物から望まれない標的RNAを枯渇させ、それによって、標的RNA枯渇化組成物を提供するステップ;
c)任意選択で、非結合プローブ分子を除去するステップ;
d)標的RNA枯渇化組成物において含まれるRNA分子を配列決定するステップ
を含む。
上記に説明されるように、第1の態様による方法は、ヒト、マウス、およびラットを含む様々な種由来のmRNAおよび非コードRNAの回収を確実にしながら、全RNAから、様々なタイプのリボソームRNA(rRNA)などのような望まれない標的RNAを有効に除去する。有用なデータの割合を改善し、偏りを減少させ、かつ非コードRNA種を保護することによって、方法は、次世代配列決定(NGS)の適用にとりわけ適している高品質なRNAを提供する。一般的な配列決定の適用、特に、トランスクリプトーム配列決定などのようなNGSの適用において前記枯渇方法を統合することによって、RNA分子を配列決定するための改善された方法が提供される。
第3の態様によれば、RNA含有組成物から標的RNAを枯渇させるのに適したキットが提供され、このキットは、以下:
a)標的RNAを枯渇させるための1つ以上のグループのプローブ分子であって、あるグループのプローブ分子が、以下:
i)グループが、100nt以下の長さを有する2つ以上の異なるプローブ分子を含む;
ii)前記グループにおいて含まれるプローブ分子が、標的RNAの標的領域に対して相補的である;
iii)前記標的領域に対してハイブリダイズする場合、2つ以上の異なるプローブ分子が、形成される二本鎖ハイブリッドにおいて互いに隣接して位置する;
との特徴を有する、1つ以上のグループのプローブ分子:ならびに
b)プローブ分子および標的RNAの間で形成される二本鎖ハイブリッドに結合するのに適した結合剤
を含む。
それぞれのキットは、本発明の第1の態様による方法を実行するために使用することができる。キットにおいて使用される、グループのプローブ分子は、大型(18S、28S)、小型(5S、5.8S)、およびミトコンドリア(12S、16S)rRNAなどのような複数の望まれない標的RNAに対して特異的にハイブリダイズするように設計することができる。複数の短いオリゴヌクレオチドは、分解された標的RNAまたは突然変異の存在下においてでさえ、標的RNAがサンプルから完全に除去されるであろうということを確実にするために、標的RNAごとに使用される。それらの短い長さのために、プローブは、非標的RNA分子に対する交差反応性が最小限にされることを確実にするために注意深く設計することができる。さらなる利点は、上記に記載した。このキットにおけるプローブは、ヒト、マウス、およびラットなどのような様々な種から標的RNAを除去することができるように設計することができる。実施例によって示されるように、本発明によるキットは、全RNAから>99.9%の標的RNA分子を除去することができる。したがって、キットは、次世代配列決定の適用のために、様々なタイプのrRNAなどのような望まれない標的RNAの高度に選択的で効率的な除去のために使用することができる。
本出願の他の目的、特徴、利点、および態様は、以下の説明および添付の特許請求の範囲から当業者らに対して明らかになるであろう。しかしながら、以下の説明、添付の特許請求の範囲、および特定の実施例が、本出願の好ましい実施形態を示しながらも、例説のみのために与えられることを理解されたい。開示される本発明の精神および範囲内の様々な変更および修飾は、以下のものを読むことから当業者らに対して直ちに明らかになるであろう。
発明の詳細な説明
第1の態様によれば、初期RNA含有組成物から標的RNA枯渇化組成物を調製するための方法が提供され、この方法は、以下:
a)1つ以上のグループのプローブ分子と初期RNA含有組成物を接触させ、そして標的RNAおよびプローブ分子の間で二本鎖ハイブリッドを生成するステップであって、あるグループのプローブ分子が、以下:
i)グループが、100nt以下の長さを有する2つ以上の異なるプローブ分子を含む;
ii)前記グループにおいて含まれるプローブ分子が、標的RNAの標的領域に対して相補的である;
iii)前記標的領域に対してハイブリダイズする場合、2つ以上の異なるプローブ分子が、形成される二本鎖ハイブリッドにおいて互いに隣接して位置する;
との特徴を有する、ステップ;
b)二本鎖ハイブリッドに結合する結合剤を使用することによって二本鎖ハイブリッドを捕捉し、それによって、ハイブリッド/結合剤複合体を形成するステップ;
c)組成物からハイブリッド/結合剤複合体を分離し、それによって、標的RNA枯渇化組成物を提供するステップ
を含む。
本発明は、初期RNA含有組成物から標的RNA枯渇化組成物を調製するための方法を提供する。重要な利点は、発明の概要において上記に記載した。個々の方法のステップおよび好ましい実施形態を続いて記載する。
一実施形態によれば、初期RNA含有組成物が、全RNAである。全RNAは、任意の一般に使用されるRNA精製方法を使用して、様々なサンプルから単離することができる。適した方法は、先行技術においてよく知られており、したがって詳細な説明をここで必要としない。適した方法は、フェノール/クロロホルムに基づく方法を使用するRNAの単離、カオトロピック剤、アルコール、および特にケイ素含有固相(たとえばシリカ、ガラス繊維、炭化ケイ素)などのような固相を使用するRNAの単離、アルコール沈殿、他の有機溶媒、ポリマー、または陽イオン洗剤による沈殿、およびその他同種のものを含むが、これらに限定されない。本発明による方法は、低量および大量のRNAインプット材料で、好適な枯渇性能を示す。実施例によって示されるように、10ナノグラムほどの少ない量の全RNAをインプット材料として使用することができる。初期RNA含有組成物として使用することができる全RNAの適した範囲は、0.005μg〜15μg、0.01μg〜10μg、0.025μg〜7.5μg、および0.5μg〜5μgを含むが、これらに限定されない。この広範な範囲は、本明細書でのように、NGSの適用に関して有利であり、低量のRNAインプット材料のみが、配列決定ライブラリーの調製に入手可能であることが多い。
一実施形態によれば、DNA枯渇化溶解物が、初期RNA含有組成物として使用される。DNAは、たとえば、DNアーゼ消化を実行することによってまたは溶解物からDNAを選択的に単離し、したがって除去することによって、溶解物から除去されてもよい。DNAに選択的に結合し、したがってDNAを除去するための適した方法は、たとえば、参照によって本明細書において組み込まれる欧州特許第0880537号明細書および国際公開第95/21849号において記載される。たとえば、エタノールまたはイソプロパノールなどのような短鎖アルコールの非存在下において、カオトロピック塩などのようなカオトロピック剤を使用してサンプルを溶解する場合、特にケイ素含有固相が使用される場合、DNAに対して選択的な結合条件を確立することができる。所望の場合、結合したDNAは、さらに使用する、たとえばさらに処理する、たとえば配列決定することができ、したがって、たとえば任意選択で洗浄され、核酸結合固相から溶出され、それによって、RNAが実質的にないDNA画分を提供してもよい。しかしながら、DNAに関心のない場合、RNAのみに関心がある場合、結合したDNAはまた、単純に廃棄されてもよい。さらに、RNA含有溶解物は、たとえば細胞残渣および他の混入物を除去するためにきれいにされてもよい。
しかしながら、初期RNA含有組成物として精製された全RNAを使用することが好ましい。
ステップa)
ステップa)において、初期RNA含有組成物、たとえば全RNAを、1つ以上のグループのプローブ分子と接触させる。したがって、1つのグループのプローブ分子が使用されてもよいまたは2つ以上のグループのプローブ分子が使用されてもよい。あるグループのプローブ分子は、2つ以上の異なるプローブ分子を含む。グループにおいて含まれるプローブ分子の特異的な設計は、それが本発明により達成される優れた特異性に寄与するので、本発明の重要な特徴となる。
使用されるプローブ分子は、100nt以下の長さを有する。達成される特異性に関して、長いプローブ分子に対する短いプローブの使用の利点は、発明の概要において上記に説明した。プローブ分子は、75nt以下、70nt以下、65nt以下、60nt以下、55nt以下、50nt以下、45nt以下、40nt以下、35nt以下、30nt以下、または25nt以下から選択される長さを有していてもよい。一実施形態によれば、前記プローブ分子の最小の長さは、これが枯渇性能を増加させるので、少なくとも10nt、好ましくは少なくとも15nt、より好ましくは少なくとも20ntである。たとえば10nt〜15ntの長さを有する非常に短いプローブ分子を使用する場合、ハイブリダイゼーションの間の前記プローブ分子の濃度は、標的RNAに対するプローブ分子の効率的な結合を確実にするために増加させなければならない。一実施形態によれば、プローブ分子が、10nt〜65nt、好ましくは15nt〜55nt、より好ましくは20nt〜45nt、より好ましくは20nt〜35nt、最も好ましくは25nt〜30ntの範囲にある長さを有する。それによって、より小さなプローブ長(これは、非特異的な結合の危険性を低下させる、また、さらなる手順において干渉がより少ない)および枯渇性能の間の好適な組み合わせが、達成される。35nt以下、好ましくは30nt以下、より好ましくは25nt以下の長さを有するプローブ分子の使用は、単一の短いプローブ分子および非標的RNAの間で形成されると思われる短い二本鎖ハイブリッドに対する抗ハイブリッド結合剤の結合が、特に形成されたハイブリッドがミスマッチをさらに含む場合、低下するので、特異性がハイブリッド捕捉レベルでさらに増加するという利点を有する。これは、特に、抗ハイブリッド結合剤が抗ハイブリッド抗体である場合である。しかしながら、短いプローブ分子がそれらの標的領域に対してハイブリダイズし、したがって、それらの隣接したグループメンバーと一緒にハイブリダイズする場合、十分な長さを有する二本鎖ハイブリッドが形成されて、抗ハイブリッド結合剤による効率的な捕捉、したがって枯渇を可能にする。さらに、通常、ミスマッチは、グループのプローブ分子がそれらの標的領域に対してハイブリダイズする場合、形成される二本鎖ハイブリッド中に全く存在しない。15nt〜40nt、20nt〜35nt、22nt〜33nt、好ましくは25nt〜30ntのプローブ長は、二本鎖ハイブリッドに結合させるために抗ハイブリッド抗体を使用する場合、特に適している。およそ25ntの長さを有するプローブ分子が最も好ましい。
グループにおいて含まれるプローブ分子は、たとえば特異的なrRNAなどのような、特異的な標的RNAの標的領域に対して相補的である。プローブ分子は、標的RNAの配列に対して相補的となるように設計され、したがって、それらの標的RNAに対して配列特異的な結合をすることができる。グループにおいて含まれるそれぞれのプローブ分子は、標的領域の異なる部分に対して特異的に配列にハイブリダイズする。プローブ分子および標的領域の間の配列特異的な対合を確実にし、かつ非標的RNAに対するプローブ分子の非特異的なハイブリダイゼーションを回避するために、プローブ分子が、標的RNAに対して100%相補的である、したがって、標的RNAの標的領域の部分に対して100%相補的である配列を有することが好ましい。したがって、グループのプローブ分子がそれらの標的領域に対してハイブリダイズする場合、二本鎖ハイブリッドが形成され、これは、標的RNAにおける突然変異のまれなイベントにおけるものを除いて、いかなるミスマッチをも含有しない。
前記標的領域に対してハイブリダイズする場合、2つ以上の異なるプローブ分子は、形成される二本鎖ハイブリッドにおいて互いに隣接して位置する。隣接したプローブ分子は、前記ハイブリッドにおいて互いに20nt、15nt、10nt、7nt、5nt、4nt、3nt、2nt、または1nt以下離れて間隔を置く。グループのすべてのプローブ分子がそれらの標的領域に対してハイブリダイズする場合、生成された二本鎖ハイブリッドは、本質的に、標的領域をまたがり、したがってカバーする。ヌクレオチドギャップが、個々の隣接したプローブ分子の間に存在する場合、それらは、プローブ分子の長さよりも小さい。形成された二本鎖ハイブリッドにおけるプローブ分子が近いほど、枯渇性能はよくなる。好ましくは、隣接したプローブ分子は、前記ハイブリッドにおいて互いに3nt、2nt、または1nt以下離れて間隔を置く。隣接した短いプローブ分子が、形成された二本鎖ハイブリッドにおいて互いに非常にすぐ近くにある場合、二本鎖ハイブリッドは、特異的なグループ効果によってさらに安定化される。好ましくは、グループの2つ以上の、より好ましくはすべてのプローブ分子は、形成された二本鎖ハイブリッドにおいて互いに連続しており、したがって、あるプローブ分子の第1のヌクレオチドは、直接後続し、したがって、先のプローブ分子の末端のヌクレオチドの隣にあるなどである。標的RNAの標的領域に対してハイブリダイズする場合、ヌクレオチドギャップは、そのような連続した環境において隣接したプローブ分子の間に存在しない。そのような連続した短いプローブ分子は、より長いプローブ分子に非常によく似ている、しかしながら、ホスホジエステル結合は、隣接したプローブ分子の連続したヌクレオチドの間に存在せず、これはニックとも呼ばれる。そのような連続した設計は、達成可能な特異性および枯渇性能に関してかなりの利点を有する。上記に説明されるように、短いプローブ分子は、それらの融解温度が効率的な結合には低すぎるので、ミスマッチにより非標的RNAに対して結合する可能性が低い。したがって、非標的RNAに対して非特異的にアニールする単一のプローブは、たとえばストリンジェントなハイブリダイゼーション条件を使用して、容易に除去することができる。さらに、非標的RNAに対してハイブリダイズする場合でさえ、それらは、ミスマッチが存在する場合、抗ハイブリッド結合剤によってそれほど十分に認識されず、さらに、それらの短い長さのためにそれほど十分に認識されない。これは、特に、抗ハイブリッド結合剤として抗ハイブリッド抗体を使用する場合である。これは、非特異的な結合イベントの捕捉、したがって枯渇を低下させる。それによって、特異性は、有意に改善される。しかしながら、それらの標的領域に対してハイブリダイズした場合、短いプローブ分子は、グループ効果によって安定化される。1つのグループのプローブ分子は、互いに隣接して位置し、したがって、形成された二本鎖ハイブリッドにおいてすぐ近くにある。これは、ハイブリッドを安定化する。特に、形成されるハイブリッドにおける連続した短いプローブ分子のアニーリングは、連続したプローブ分子の末端のヌクレオチド塩基の間のスタッキング相互作用によって安定化される。たとえば、ニックによってもたらされる安定性についての推定される自由エネルギーは、少なくとも−1.4kcal/molであり、また、−2.4kcal/molと同じくらい大きくなり得る。したがって、連続したプローブ分子は、個々の単一のプローブ分子またはさらに隣接した間隔を置いたプローブ分子と比較して、標的領域から引き離すのが非常により困難となる。したがって、プローブ分子の融解温度は、連続したプローブ分子がそれらの標的領域に対してグループとしてハイブリダイズする場合、個々の単一のプローブ分子の融解温度と比較して、増加する。これは、ハイブリダイゼーション特異性をさらに増加させ、短いプローブ分子を使用する場合でさえ、さらにいっそうストリンジェントなハイブリダイゼーション条件を使用することを可能にする。したがって、連続したプローブ分子の使用は、標的RNAと共に形成される二本鎖ハイブリッドが、グループのそれぞれのプローブ分子の末端のヌクレオチド塩基の間のスタッキング相互作用によって強く安定化されるという特定の利点を有する。理論に束縛されることを望むものではないが、本明細書において記載されるような連続した短いプローブ分子(たとえば35nt以下の長さを有する)の使用が、標的RNAの弛緩を支持し、それによって、二本鎖ハイブリッドの形成および好ましくは抗ハイブリッド抗体である抗ハイブリッド結合剤の結合を支持することもまた、考えられる。さらに、連続したプローブ分子によって形成される長い二本鎖ハイブリッドは、特に、抗ハイブリッド結合剤によって十分に認識され、これは特異性および効率をさらに増加させる。たとえば、抗ハイブリッド抗体を使用する場合、より多くの抗ハイブリッド抗体が、形成されたハイブリッドに対して結合することができ、これは、さらには、捕捉効率を増加させる。好ましくは、1つのグループ内の少なくとも2つのプローブ分子、好ましくは、グループの少なくとも3つの、好ましくはすべてのプローブ分子が、連続している。
グループのプローブ分子によって標的にされる標的領域は、完全長標的RNAに相当していてもよい。これは、たとえば、5S RNAまたは5.8S RNAでの場合でのように、標的RNAがやや短い場合、実行可能である。たとえば300nt以下または200nt以下の長さを有するそのような短い標的RNAでは、実施例によって示されるように、標的RNA当たり既に1つのグループのプローブ分子で十分である。しかしながら、所望の場合、1つを超えるグループのプローブ分子もまた、短い標的RNAの枯渇のために使用することができる。一実施形態によれば、標的領域が、より大きな標的RNAにおいて含まれる、より小さな領域である。好ましくは、標的領域は、標的RNAにおける保存領域に相当する。たとえば、様々なrRNAタイプが、様々な種の間で高度に保存されている領域を含むことが知られている。それぞれ保存された標的領域は、好ましくは、特異的なグループのプローブ分子によって標的にされる。好ましくは、標的領域は、様々な種において保存され、少なくとも2つの異なる種、好ましくは少なくとも2つの異なる真核生物種において高度の相同性を示す領域であり、好ましくは、少なくとも2つの真核生物種の間で少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の相同性を示す。好ましくは、標的領域は、少なくともヒト、マウス、およびラットにおいてそれぞれ保存されている。ヒトに加えて、ラットおよびマウス、他の哺乳動物、またはさらに他の真核生物もまた、高度の相同性が真核生物において、特に哺乳動物の間で存在するので、特にrRNAを標的RNAとする場合に、同じプローブ分子によって標的にすることができる。好ましくは、プローブ分子は、ヒト、マウス、ラット、ハムスター、ブタ、およびウサギから選択される様々な種由来の標的RNAを標的にし、したがってハイブリダイズする、好ましくは、ヒト、マウス、ラット、ハムスター、ブタ、およびウサギのすべての種の標的RNA、特にrRNAに対してハイブリダイズする。代替の設計は、たとえば、細菌の様々な種、植物の様々な種、または他の分類グループを標的にすることができる。非標的RNAに対するハイブリダイゼーションが最小限にされるまたは生じないようにプローブ分子が設計される。
あるグループのプローブ分子がハイブリダイズする標的領域は、50nt〜500nt、50nt〜350、50nt〜250nt、75nt〜225nt、100nt〜200nt、100nt〜175ntから選択される範囲にあるサイズを有していてもよく、好ましくは、100nt〜150ntの範囲にある。標的領域のサイズはまた、好ましくは様々な種の間でも標的RNAにおいて保存されるが、非特異的枯渇を最小限にするためには非標的RNAにおいて存在しない標的領域を選ぶことが好ましいので、標的RNAの全長およびその配列に依存する。あるグループのプローブ分子が、それらの標的領域に対してハイブリダイズする場合、形成された二本鎖ハイブリッドは、標的領域のサイズに相当するサイズを有し、好ましくは、50nt〜500nt、50nt〜350、50nt〜250nt、75nt〜225nt、100nt〜200nt、100nt〜175ntから選択される範囲にあり、好ましくは、100nt〜150ntの範囲にある。そのようなハイブリッド長はまた、抗ハイブリッド抗体によっても十分に認識される。
一実施形態によれば、あるグループのプローブ分子が、2〜15、3〜10、2〜8、2〜7、2〜6、3〜6、または4〜6の異なるプローブ分子を含む。使用されるプローブ分子の数もまた、それらの長さに依存し、グループの隣接したプローブ分子が標的領域に対してハイブリダイズする場合、好ましくはおよそ75nt〜225nt、好ましくは100nt〜150ntの範囲にある、上記に指定される50nt〜500ntの所望のサイズを好ましくは有する二本鎖ハイブリッドを得ることを可能にするべきである。より短いプローブ分子を使用する場合、より多くのプローブ分子、たとえば6〜15、好ましくは10〜15が、所望の長さおよび安定したハイブリッドを達成するために、グループにおいて好ましくは含まれる。上記に記載されるように、標的RNAを枯渇させるための本発明の方法において使用される隣接したプローブ分子の少なくとも一部分が、連続した設計を有することが好ましい。好ましくは、1つのグループ内の少なくとも2つのプローブ分子、好ましくは、グループの少なくとも3つ、好ましくはすべてのプローブ分子が、連続した設計を有する。好ましくは、特異的な標的RNAを標的にするために使用されるプローブ分子の少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、好ましくはすべてのグループが、2つ以上の連続したプローブ分子を含む。好ましくは、グループ内のすべてのプローブ分子が、連続している。
プローブ分子は、10%〜95%のGC含量を有していてもよい。好ましくは、使用されるプローブ分子の大部分、好ましくは、プローブ分子の少なくとも50%、より好ましくは少なくとも70%が、30%〜70%、より好ましくは40%〜60%のGC含量を有する。それぞれのGC含量を有することは、アニーリング温度が増加するという利点を有し、これは、また、ハイブリダイゼーション反応の特異性をも増加させる。
特に、次世代配列決定の適用では、望まれない標的RNAの効率的な枯渇が、必須である、さもないと、たとえばrRNAなどのような、過剰な量の望まれない標的RNAが配列決定され、それによって、配列決定能力を浪費してしまう危険性がある。たとえば、rRNAが大部分のRNA(およそ90%)を構成することを考慮すると、たとえそれぞれのrRNAのわずか5%が捕捉されないとしても、これは、続く配列決定反応の効率をひどく低下させると思われる。そのため、完全に、望まれない標的RNAを効率的に除去することは重要である。これは、より長い標的RNA分子の場合には、標的RNAが断片化され得るまたは断片化されるようになり得るので、困難な作業となる。ここで、たとえば真核生物のrRNAタイプでの場合でのように、個々の標的RNAのサイズがかなり異なり得るということに注意することもまた重要である。5S rRNAは、150nt未満のサイズを有するが、28S RNAは、4.500ntを超えるサイズを有する。そのため、そのより長いサイズのために、28S RNAが完全に枯渇されないという危険性はより高い。たとえ標的RNAが断片化されたとしても、標的RNA、特に、少なくとも250nt、少なくとも300nt、少なくとも400nt、または少なくとも500ntのサイズを有するより長い標的RNAが効率的に除去されることを確実にするために、プローブセットを使用することが好ましい。プローブセットは、2つ以上のグループまたはプローブ分子を含み、プローブセットにおいて含まれるそれぞれのグループのプローブ分子は、特異的な標的RNAにおける異なる標的領域を標的にする。好ましくは、標的領域は、500nt以下、450nt以下、400nt以下、350nt以下、300nt以下、250nt以下、200nt以下、または150nt以下の距離内で標的RNA中に存在する。断片化されたRNAの場合でさえ、標的RNA断片が、少なくとも1つの標的領域を含み、したがって、効率的に捕捉され、したがって、初期RNA組成物から除去されることができる見込みが増加するので、異なる標的領域の間の距離が小さいほど、標的RNA除去は、効率的となる。さらに、より多くのプローブ分子の使用は、抗ハイブリッド結合剤のための、より多くの結合部位をもたらし、したがって、断片化の場合でも、標的RNAを効率的に捕捉する機会を増加させる。そのため、プローブ分子の複数のグループを含むプローブセットを使用することが好ましく、プローブセットにおいて含まれるそれぞれのグループのプローブ分子は、同じ標的RNA内の異なる標的領域を標的にし、異なる標的領域は、標的RNAの全長にわたって分布する。したがって、一実施形態によれば、プローブセットが、特異的な標的RNAの枯渇のために使用され、プローブセットが、2つ以上のグループのプローブ分子を含み、それぞれのグループのプローブ分子が、標的RNAにおける異なる標的領域を標的にし、標的領域が、前記標的RNAの全長にわたって分布する。均等な分布が好ましい。上記に記載されるように、連続したプローブ分子設計は、これにより性能が改善されるので、好ましい。プローブセットにおいて、好ましくは、特異的な標的RNAを標的にするために使用されるプローブ分子の少なくとも1つ、少なくとも2つ、より好ましくはすべてのグループが、2つ以上の連続したプローブ分子を含む。好ましくは、プローブ分子のそれぞれのグループ内のすべてのプローブ分子が、グループメンバーに対して連続している。しかしながら、プローブセットの個々のグループにおいて含まれるすべてのグループのプローブ分子についておよび/またはすべてのプローブ分子について、連続したプローブ分子を設計することは可能でなくてもよい。しかしながら、そのうえ、前記プローブセットにおいて連続したプローブ分子を優勢に使用することは好ましい。一実施形態によれば、プローブセットにおいて含まれるすべてのプローブ分子のうち、少なくとも50%、少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、または少なくとも98%が、それらのグループメンバーに対して連続している。
本明細書において記載されるように、1つ以上のグループのプローブ分子は、標的RNAを標的にし、したがって、RNA含有組成物から標的RNAを除去するために使用される。しかしながら、上記に記載した1つ以上のグループのプローブ分子に加えて、単一のプローブ分子を使用することもまた、本発明の範囲内にある。これらの単一のプローブ分子は、したがって、グループの構成をとらない。たとえば、標的RNAの配列が、たとえば上記に記載されるように均等な分布を達成するために、標的にすることをしかしながら目的とする特異的な標的領域に対する、複数の隣接した短いプローブ分子、したがって、あるグループのプローブ分子を特異的に設計することを可能にしない場合、これは、あり得るかもしれない。そのようなさらなる単一のプローブ分子が加えて使用される場合、それらが、100nt未満、好ましくは50nt未満の長さを有することが好ましい。最も好ましくは、それらは、1つ以上のグループのプローブ分子において含まれるプローブ分子とほぼ同じ長さ(+/−5nt、好ましくはまさにその同じ長さ)を有する。
実施例によって示されるように、本発明による方法は、少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%、好ましくは少なくとも99%の標的RNA枯渇効率を達成する。少なくとも99.5%およびさらに99.9%の効率を、本明細書において記載される戦略およびプローブの設計を使用することによって達成することができる。実施例によって示されるように、この素晴らしい枯渇効率は、断片化されたRNAでなお達成される。
プローブ分子は、ポリヌクレオチドプローブである。適したプローブサイズは、上記に記載した。さらに、使用される抗ハイブリッド結合剤によって特異的に認識される配列特異的な二本鎖ハイブリッドが形成される限り、RNAおよびDNAのヌクレオチドを含むまたは修飾ヌクレオチドおよび/もしくはヌクレオチドのアナログを含むプローブ分子を使用することができる。好ましくは、プローブ分子は、DNAポリヌクレオチドであり、したがって、RNA/DNAハイブリッドが形成される。好ましくは、使用されるプローブ分子は、化学的に合成されたDNA分子である。プローブ分子は、任意選択で、修飾されてもよい。たとえば、一本鎖DNAプローブ分子は、プローブ分子が配列決定ライブラリーに持ち越されず、したがって、配列決定反応において存在しないことを確実にするために、修飾することができる。たとえば、プローブ分子は、ライブラリー構築の間にアダプターライゲーションを予防するために、修飾され得る、たとえばブロックされ得るまたは非結合プローブ分子を分解するもしくは溶液から分離するのを可能にする、ビオチンタグなどのようなタグを組み込むことができる。それぞれの修飾の例は、O−メチル基またはジデオキシヌクレオチドの存在を含むが、これらに限定されない。一実施形態によれば、しかしながら、プローブ分子が、たとえばビオチンなどのようなアフィニティータグにより修飾されない。ハイブリッド/結合剤複合体が分離された後に、過剰な非結合プローブを除去するために、たとえばDNアーゼを使用する酵素的消化が使用されてもよい。
ハイブリダイゼーションについては、プローブ分子は、プローブ分子当たり50nM〜10μM、好ましくは50nM〜500nMから選択される濃度で使用されてもよい。適した濃度はまた、当業者によって決定することもできる。実施例において示されるように、プローブ分子当たり100nMの濃度は、少なくとも20ntの長さを有するプローブ分子について十分に機能する。より小さなプローブについては、より高い濃度が好ましい。
プローブ分子および標的RNAの間の二本鎖ハイブリッドの特異的な形成を支持するために、ハイブリダイゼーション溶液が、好ましくは、ステップa)において追加される。好ましくは、ハイブリダイゼーションバッファーが、使用される。適したハイブリダイゼーションバッファーは、先行技術においてよく知られており、したがって、いかなる具体的な記載をもここで必要としない。本質的に任意の緩衝化されたわずかに酸性〜わずかにアルカリ性の溶液(たとえば6〜9のpH値を有する)を使用することができる、ただし、塩濃度が特異的なハイブリダイゼーションに適していることを条件とする。たとえば、2×SCCを最終ハイブリダイゼーション溶液として使用することができる。
さらに、それらの標的RNAに対するプローブ分子の効率的なハイブリダイゼーションを確実にするために、初期RNA含有組成物を変性させることが好ましい。そのような変性ステップは、たとえば、RNAにおける二次構造を除去し、それによって、プローブ分子が、続いて、それらの標的領域に対してハイブリダイズすることができることを確実にする。変性は、プローブ分子および/またはハイブリダイゼーション溶液が初期RNA組成物に対して追加される前にまたはその後に、行われてもよい。一実施形態によれば、RNA含有組成物、ハイブリダイゼーション溶液、およびプローブ分子を含む混合物を、たとえば少なくとも3分間、好ましくは少なくとも5分間、少なくとも65℃、好ましくは少なくとも70℃の温度で、変性のために加熱することができる。記載される変性温度での、好ましくは75℃以下でのまたは最も好ましくはおよそ70℃での10分間以下、7分間以下、好ましくはおよそ5分間の短いインキュベーション時間は、RNAを変性させるのに既に十分である。したがって、より長いインキュベーション時間は、必要でないが、所望の場合、もちろん使用されてもよい。さらに、抗ハイブリッド結合剤もまたRNA変性ステップの間に存在してもよく、上記に記載される変性条件、特に75℃以下、最も好ましくはおよそ70℃の温度および7分間以下、好ましくはおよそ5分間の短いインキュベーション時間を使用する場合、機能的なままであることが分かった。RNA変性およびハイブリダイゼーションの間に適宜、存在する抗ハイブリッド結合剤を直接含むことは、それが取扱いステップを省くので、特に好都合である。この実施形態において、ステップa)およびb)が、同時に実行される。RNAの分解が最小限にされるような変性条件が、選ばれるものとする。さらに、RNアーゼ阻害剤は、RNアーゼによる、含まれるRNAの分解を最小限にするためにハイブリダイゼーションの間に存在してもよい。RNアーゼ阻害剤は、たとえば、ハイブリダイゼーションバッファーの中に組み込まれてもよい。
ステップa)において、配列特異的な二本鎖ハイブリッドが、標的RNAおよびプローブ分子の間で生成される。したがって、1つの二本鎖ハイブリッドが、使用されるグループのプローブ分子ごとに形成される。上記に記載されるように、前記二本鎖ハイブリッドは、隣接したプローブ分子の間に小さなギャップを含んでいてもよい。しかしながら、適宜、ヌクレオチドギャップがハイブリダイズしたプローブ分子の間に存在しない連続したプローブ設計は、上記の理由で好ましい。対応して設計されたグループのプローブ分子、したがってプローブセットを使用して、標的RNA内のいくつかの標的領域が標的にされる場合、より長い標的RNAが、いくつかのそれぞれの二本鎖ハイブリッドによって枯渇のためにマークされてもよい、ハイブリダイゼーションは、プローブ分子の1つ以上のグループのプローブ分子が、対応する相補的なRNAに対してアニールして、二本鎖ハイブリッドを形成することを可能にする条件下で行われる。使用される特定のプローブ分子およびハイブリダイゼーションバッファーに適したハイブリダイゼーション条件が、用いられる。たとえば、プローブ分子およびRNA含有組成物は、適したハイブリダイゼーション時間、好ましくは、少なくとも約5〜約120分間、約10〜約100分間、約15〜約80分間、約20分間〜約60分間、約25分間〜約40分間および列挙される範囲内の任意の数、したがって、プローブ分子がそれらの標的RNAに対してアニールするのを可能にするのに十分な時間、インキュベートすることができる。ハイブリダイゼーション条件は、少なくとも約40℃、好ましくは少なくとも約45℃、より好ましくは少なくとも約50℃のハイブリダイゼーション温度を含むことができる。適したハイブリダイゼーション温度はまた、使用されるプローブ分子の長さおよび使用されるハイブリダイゼーション溶液に依存する。適したハイブリダイゼーション溶液は上記に記載した、また、当業者が決定できる。適したハイブリダイゼーション温度−20〜35ntの範囲にある長さを有するプローブ分子に特に適している−は、45℃〜65℃、好ましくは50℃〜約60℃、および列挙される範囲内の任意の数を含むが、これらに限定されない範囲から選択されてもよい。所定の標的RNAおよび所定のプローブ分子について、当業者は、慣用的な実験によって、所望のハイブリダイゼーション条件およびハイブリダイゼーション時間を容易に決定することができる。当業者は、さらに、ハイブリダイゼーションの時間および温度を、互いに最適化することができることを理解するであろう。限定されることなく、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、洗剤もしくは有機溶媒(たとえばDMSO、ホルムアミドなど)を追加することによって、温度を減少させるもしくは増加させるまたは塩濃度/イオン強度を減少させるもしくは増加させることによってコントロールされてもよい。
ステップb)
ステップb)において、生成された二本鎖核酸ハイブリッドは、形成された二本鎖核酸ハイブリッドに対して結合し、多くの形成されたハイブリッドにそれぞれ結合する分子によって捕捉される。そのような分子は、本明細書において抗ハイブリッド結合剤と呼ばれる。それによって、ハイブリッド/結合剤複合体が形成され、そのような複合体は、少なくとも1つの抗ハイブリッド結合剤が結合する、少なくとも1つの二本鎖ハイブリッドを含んでいてもよい。本明細書において記載されるように、2つ以上の抗ハイブリッド結合剤分子もまた、1つの二本鎖ハイブリッドに対して結合してもよい。ステップa)およびb)は、同時に実行されてもよい(実施例もまた参照されたい)または別々に実行されてもよい。
二本鎖核酸ハイブリッドに対して特異的な結合剤は、抗体、抗体断片、およびRNアーゼHなどのようなタンパク質を含むが、これらに限定されない。一態様において、形成された二本鎖ハイブリッドに結合する抗体が、抗ハイブリッド結合剤として使用され、それぞれの抗体はまた、抗ハイブリッド抗体としても知られている。抗ハイブリッド抗体の使用は、より高い特異性のために、たとえばRNアーゼHを使用することにまさって好ましい。抗ハイブリッド抗体は、ミスマッチを含むハイブリッドに対して十分に結合せず、さらに、抗ハイブリッド抗体による捕捉は、上記に説明されるように単一のプローブ分子から形成されるハイブリッドの場合に、効率的ではない。RNアーゼHは、ミスマッチしたハイブリッド中に含有されるRNAを消化してもよい。そのため、抗ハイブリッド抗体と組み合わせた、特に上記に記載されるように連続したプローブ設計を使用する場合の、35nt以下の長さを有するプローブ分子の組み合わせは、高い枯渇効率を達成しながらの、特異性の増加に関して特に有利であり、そのため、本発明との関連において好ましい。したがって、本発明に従って形成された二本鎖ハイブリッドは、二本鎖ハイブリッドに対して特異的な抗体または抗体断片を使用して捕捉することができる。続いて、本発明者らは、抗ハイブリッド抗体に言及することによって、適した好ましい実施形態について記載する。しかしながら、前記説明は、Fab断片などのような抗ハイブリッド抗体断片または形成されたハイブリッドに特異的に結合することができる他の適した抗ハイブリッド結合剤に等しく適用される。
抗ハイブリッド抗体は、二本鎖ハイブリッド、好ましくはRNA/DNAハイブリッドに対して特異的である。RNA/DNAハイブリッドに対する高い特異性は、二本鎖RNAに結合しないことを確実にするのに有益である。ポリクローナルまたはモノクローナル抗ハイブリッド抗体を使用することができることが当業者らによって理解されるであろう。一態様において、捕捉ステップの間に高ストリンジェンシーのインキュベーション温度を支持するモノクローナル抗体が、使用される。
本発明の一態様において、ハイブリドーマ細胞株に由来するモノクローナル抗RNA/DNAハイブリッド抗体が、使用される。そのようなハイブリドーマ細胞株は、米国特許第4,865,980号明細書、米国特許第4,732,847号明細書、および米国特許第4,743,535号明細書において記載される。ハイブリッド特異的モノクローナル抗体はまた、当技術分野において標準的な技術を使用して調製されてもよい。ハイブリッド特異的モノクローナル抗体は、標的核酸の捕捉および検出の両方のために使用されてもよい。形成されるハイブリッドに特異的に結合するのに適した他の結合剤もまた、ハイブリッドを捕捉するための結合剤として使用することができる。
形成されたハイブリッドは、抗ハイブリッド結合剤による二本鎖ハイブリッドへの結合、したがって捕捉を可能にするのに十分な時間、抗ハイブリッド結合剤と共にインキュベートされる。それによって、二本鎖ハイブリッド/結合剤複合体が、形成される。抗ハイブリッド結合剤は、溶液中に遊離して存在してもよいまたは固体支持体上に固定されてもよい。一態様において、支持体上に固定された、抗ハイブリッド抗体などのような抗ハイブリッド結合剤が、使用される。固定は、当技術分野における標準的な技術を使用して達成されてもよい。支持体は、1つ以上のウェルが抗ハイブリッド結合剤により官能性をもたせられる、好ましくは抗ハイブリッド抗体により官能性をもたせられるマイクロタイタープレートを含む反応容器、粒子、磁性粒子、カラム、プレート、膜、ろ紙、およびディップスティックまたは分離技術において使用することができる任意の他の固体支持体を含むが、これらに限定されない。任意の支持体を、それが液相の分離を可能にする限り、使用することができる。直径が約0.1μm〜20μm、0.25μm〜15μm、0.5μm〜10μm、および0.75μm〜5μmの粒子などのような、小さくて、大きな表面積を有する粒子が、好ましい。たとえば超常磁性、常磁性、強磁性、または強磁性の特性を有する、抗ハイブリッド結合剤のための固体支持体として磁性粒子を使用する場合、結合したハイブリッド/結合剤複合体を有するそれぞれの磁性粒子は、磁場の助けによって、たとえば永久磁石を使用することによって、容易に分離することができる。粒子はまた、ろ過によって分離することもできる。
抗ハイブリッド抗体は、モノクローナルまたはポリクローナルであってもよい。一態様において、抗体が、モノクローナルである。一態様において、抗体が、1−エチル−3−[3−ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド塩酸塩(EDAC)リンカーによって支持体にカップリングされる。一態様において、支持体が、ポリスチレンビーズなどのようなポリマー粒子によってもたらされる。一態様において、好ましくは抗体である結合剤にカップリングされた粒子が、粒子希釈バッファーにおいて希釈される。粒子希釈バッファーは、ビーズ上でのタンパク質の変性を最小限にするのに役立つ。適した粒子希釈バッファーは、先行技術において知られている。
上記に記載され、実施例において示されるように、抗ハイブリッド結合剤はまた、溶液において遊離していてもよい。形成されたハイブリッド/結合剤複合体は、次いで、ステップc)に関連して記載されるように、複合体の分離を単純化するために、第2の結合剤によって捕捉されてもよい。第2の結合剤は、分離技術において使用するのに適した固体支持体に対して固定され、また、ステップa)および/またはステップb)の間に存在してもよい。本質的に、実施形態に関連して上記に記載された固体支持体を含む任意の固体支持体を、使用することができ、抗ハイブリッド結合剤は、固体支持体上に直接固定される。さらに、ハイブリッド/結合剤複合体、たとえば、複合体において含まれる抗ハイブリッド結合剤に、枯渇のために複合体を本質的にマークするために、溶液において遊離しているさらなる結合剤が結合し、次いで、さらなる結合剤に結合し、それによって、また、ハイブリッド/結合剤複合体に間接的に結合し、それぞれ、ハイブリッド/結合剤複合体を捕捉する第2の結合剤を使用することもまた、本発明の範囲内にある。
一態様において、インキュベーションステップが、抗ハイブリッド抗体が形成された二本鎖ハイブリッドに対して結合するのを可能にするように実行される。インキュベーションは、室温または高温で実行されてもよい。形成されたハイブリッドの結合、したがって捕捉が、標的RNAに対するプローブ分子のハイブリダイゼーションと同時に行われる場合、上記に記載されるように、高温が使用される。インキュベーション時間は、約5〜約120分間、約10〜約100分間、15〜約80分間、20〜約60分間、または約25〜約50分間および捕捉を可能にするのに十分な、列挙される範囲内の任意の数の範囲にわたることができる。さらに、上記に記載されるように、ハイブリダイゼーションおよび捕捉はまた、同時に実行されてもよく、これは、調製時間を低下させる。組成物は、撹拌することができ、好ましくは撹拌し、たとえば、前記インキュベーションの間に振盪させる。インキュベーション時間、温度、および/または振盪条件は、所望されるように、代替の捕捉動態を達成するために、変動させることができることが、当業者らによって理解されるであろう。
一実施形態によれば、方法は、好ましくは、精製全RNAを、少なくとも70℃で、少なくとも3分間、好ましくは少なくとも5分間であるが、好ましくは10分間未満、適したハイブリダイゼーション溶液、たとえば2×SSCバッファーにおいて、プローブ分子の存在下において、好ましくは、さらに、抗ハイブリッド結合剤の存在下において、変性させるステップを含む。結果として生じる混合物は、好ましくは混合物を撹拌しながら、30分間、50℃でインキュベートされる。この実施形態において、ハイブリダイゼーションおよび捕捉(ステップa)およびb))が、同時に行われ、これは、処理時間を考慮すると、有利である。抗ハイブリッド結合剤が、固体支持体上に固定されない場合、変性させたハイブリダイゼーション混合物を、抗ハイブリッド結合剤に結合し、したがって捕捉することができ、したがって、形成されたハイブリッド/結合剤複合体を捕捉することができる、固定された第2の結合剤を含む固相と接触させ、結果として生じる混合物は、上記に記載されるように、インキュベートされる。固定されたハイブリッド/結合剤複合体が結合する固体支持体は、残りのサンプルから分離することができる。たとえば、磁性粒子などのような粒子が、固体支持体として使用される場合、粒子、したがって、結合した複合体は、ステップc)において、磁石を使用することによってまたはろ過によって、容易に除去し、それによって、望まれない標的RNAが枯渇されたRNA組成物を提供することができる。固体支持体としてカラムを使用する場合、複合体は、カラム中に保持され、一方望まれない標的RNAが枯渇された組成物は、フロースルーとして収集することができる。
ステップc)
二本鎖ハイブリッドの結合、したがって捕捉後に、捕捉されたハイブリッドは、組成物の残りから分離され、それによって、標的RNA枯渇化組成物を提供する。それぞれ、形成されたハイブリッド/結合剤複合体の抗ハイブリッド結合剤が固体支持体上に固定される場合、分離は、特に容易である。適した固体支持体は、上記に記載され、また、当業者に入手可能でもあり、そのうえ、残りのサンプルから固体支持体を分離するのを可能にする、適した分離手順となる。上記に記載されるように、抗ハイブリッド抗体は、たとえば、固相にカップリングされてもよく、次いで、標的RNA枯渇化組成物を提供するために、固体支持体に対して結合したハイブリッド/結合剤複合体を、残りのサンプルから分離してもよい。たとえば、抗ハイブリッド抗体は、磁性粒子にカップリングされてもよく、これは、磁石を使用することによって、ろ過によって、分離することができる。この実施形態は、それが確立された手動またはロボットシステムと適合性であるので、好ましい。磁場を使用することによって磁性粒子を処理するために、ハイブリッド/結合剤複合体が結合する磁性粒子を処理するために本発明に関連して使用することができる様々なシステムが、先行技術において存在する。一実施形態によれば、磁性粒子が、反応容器の底または側面に収集され、残りの液体サンプルが、反応容器から除去され、ハイブリッド/結合剤複合体が結合した、収集された磁性粒子を残す。標的RNA枯渇化組成物に相当する残りのサンプルの取り出しは、たとえばデカンテーションまたは吸引によって行うことができる。そのようなシステムは、先行技術においてよく知られており、したがって、ここで詳細な説明を必要としない。磁性粒子の処理で知られている代替のシステムにおいて、カバーまたは外被によって通常カバーされる磁石は、磁性粒子を収集するために反応容器の中に沈められている(plunge)。次いで、結合したハイブリッド/結合剤複合体を持つ磁性粒子は、除去し、標的RNA枯渇化組成物を残すことができる。それぞれのシステムが先行技術においてよく知られており、また市販で入手可能でもあるので(たとえばQIASYMPHONY(登録商標);QIAGEN)、それらはここでいかなる詳細な説明をも必要としない。磁性粒子の処理で知られているさらに代替のシステムにおいて、磁性粒子を含むサンプルは、ピペットチップの中に吸引することができ、磁性粒子は、たとえばピペットチップの側面に磁石を適用することによって、ピペットチップ中に収集することができる。次いで、標的RNA枯渇化組成物に相当する残りのサンプルは、ピペットチップから放出させることができるが、結合したハイブリッド/結合剤複合体を持つ、収集された磁性粒子は、磁石により、ピペットチップ中に残る。そのようなシステムもまた、先行技術においてよく知られており、また、市販で入手可能であり(たとえばBioRobot EZ1、QIAGEN)、したがって、ここでいかなる詳細な説明をも必要としない。しかしながら、磁性粒子はまた、任意の他の粒子のように、ろ過などのような他の手段によって分離されてもよい。ろ過はまた、自動化されたシステム(たとえばQIAcube、QIAGEN)を使用して実行することもできる。
抗ハイブリッド結合剤が固体支持体に対して固定されない場合に適している他の実施形態によれば、ハイブリッド/結合剤複合体に対して結合する第2の結合剤により官能性をもたせた固体支持体が、使用される。詳細および適した固体支持体は、上記に記載される。たとえば、第2の結合剤は、抗ハイブリッド結合剤に結合し、それによって、残りの組成物からハイブリッド/結合剤複合体を分離することを可能にしてもよい。たとえば、第2の結合剤は、プロテインGまたはプロテインAであってもよく、これらは、抗ハイブリッド抗体が抗ハイブリッド結合剤として使用される場合、適している。固体支持体に対して固定された前記第2の結合剤はまた、ステップa)および/またはb)の間に既に存在してもよく、これは、処理時間を考慮すると、有利である。分離を達成するための他の構成もまた、可能であり、当業者の通常の技術の範囲内に十分にある。
残りの組成物からハイブリッド/結合剤複合体を分離することによって、望まれない標的RNAは、残るRNA組成物から効率的に除去される。それによって、たとえば増幅に基づく方法、マイクロアレイ分析、発現分析のための、および/またはNGSの適用のためのさらなる使用のために準備ができた標的RNA枯渇化組成物が、得られる。たとえば、標的RNAが枯渇されたRNA組成物は、配列決定ライブラリーの構築のために使用することができる。
標的RNA
標的RNAは、初期RNA組成物中に存在する任意の望まれないRNAであってもよい。標的RNAは、プローブ分子の配列特異的な設計を可能にするために、任意の配列を、それが関心のある残るRNA集団からその配列によって識別が可能な限り、含んでいてもよい。標的RNAは、配列、機能、またはその組み合わせによってを含む、任意の基準で選ばれてもよい。本明細書において示されるように、複数の標的RNAは、本発明の方法を使用して、初期RNA含有組成物から同時に枯渇させることができる。
一実施形態によれば、枯渇されることになっている標的RNAが、rRNA、tRNA、snRNA、snoRNA、および大量のタンパク質mRNAから選択される。好ましくは、1つ以上のタイプのrRNAは、標的RNA、それぞれ標的RNAとして枯渇される。
真核生物のサンプルを処理する場合、枯渇されることになっているrRNAは、好ましくは、真核生物rRNAであり、28S rRNA、18S rRNA、5.8S rRNA、5S rRNA、ミトコンドリア12S rRNA、およびミトコンドリア16S rRNAから好ましくは選択される。好ましくは、少なくとも2つ、少なくとも3つ、より好ましくは少なくとも4つの前述のrRNAタイプが、枯渇され、好ましくは、標的rRNAの中で、18S rRNAおよび28S rRNAが、枯渇される。一実施形態によれば、前述のrRNAタイプがすべて、標的にされ、したがって枯渇される。前記標的rRNAは、それぞれの標的rRNAタイプに対して特異的な、1つのグループのプローブ分子またはプローブセットを使用することによって枯渇されてもよい。上記に記載されるように、たとえば18S rRNAおよび28S rRNAなどのようなより長い標的RNAについて、前記標的RNAを標的にし、したがって枯渇させるために2つ以上のグループのプローブ分子を適宜含むプローブセットを使用することが好ましい。好ましくは、特異的なrRNAを枯渇させるために使用されるグループのプローブ分子またはプローブセットは、様々な真核生物のサンプルから、好ましくは、少なくともヒト、マウス、およびラットサンプル、好ましくは、さらに他の哺乳動物サンプルから、対応するrRNAを枯渇させるのに適している。rRNAがこれらの種の間で高度に保存されているので、種起源に関係なく対応する標的rRNAを特異的に枯渇させることを可能にする1つのグループのプローブ分子またはプローブセットの2つ以上のグループのプローブ分子についてプローブ分子を設計することが可能である。
さらに、28S rRNAおよび18S rRNAに加えて、12Sおよび16S真核生物ミトコンドリアrRNA分子などのような他の非コードrRNA種を標的にし、したがって枯渇させることもまた、好ましい。したがって、一実施形態によれば、12Sおよび16S真核生物ミトコンドリアrRNA分子を標的にし、したがって枯渇させる、1つ以上のグループのプローブ分子またはプローブセットが、使用される。さらに、色素体rRNA、たとえば葉緑体rRNAは、たとえば、植物サンプル由来の全RNAを処理する場合に、標的RNAとして枯渇されてもよい。
一実施形態によれば、23S、16S、および5S原核生物rRNAから選択される標的RNAが、枯渇される。これは、原核生物サンプルを処理する場合、特に適している。好ましくは、すべてのこれらのrRNAタイプは、それぞれのrRNAタイプに対して特異的な、1つ以上のグループのプローブ分子またはプローブセットを使用して枯渇される。
さらに、上記に記載されるように、本発明による方法はまた、大量のタンパク質コードmRNA種を特異的に枯渇させるために使用されてもよい。処理されたサンプルに依存して、サンプルにおいて含まれるmRNAは、ある大量のmRNAタイプに優勢に相当してもよい。たとえば、たとえば血液サンプルのトランスクリプトームの配列を分析することが意図される場合、サンプルにおいて含まれるほとんどのmRNAは、グロビンmRNAに相当するであろう。しかしながら、多くの適用について、含まれるグロビンmRNAの配列は、関心のあるものではなく、グロビンmRNAもまた、たとえタンパク質コードmRNAであっても、この適用について望まれない標的RNAを代表する。そのような望まれない大量のmRNA配列を除去するために、グループのプローブ分子または枯渇されることになっている大量のmRNAの長さに依存して、標的RNAとしてそれぞれの大量のmRNAを特異的に標的にするプローブセットを使用することが好ましい。それによって、たとえばグロビンmRNA、たとえば、血液サンプルの場合にはアルブミンmRNAなどのようなそれぞれの大量のmRNAを、サンプルから容易に枯渇させることができ、したがって、続く配列決定反応の負担にならない。ここで、大量のタンパク質mRNA配列、特異的なサンプルタイプ、たとえば、血液サンプルの場合にはアルブミンmRNAの除去のために設計されるグループのプローブ分子または特異的なプローブセットを使用者に提供することもまた、本発明の範囲内にある。そのようなグループのプローブ分子またはプローブセットは、初期RNA含有組成物から様々なタイプのrRNAを枯渇させるために、上記に記載されるグループのプローブ分子および/またはプローブセットに加えて使用することができる。
上記に記載されるように、2つ以上の異なるタイプの標的RNAを初期RNA含有組成物から枯渇させることを想定する場合、枯渇されることになっているそれぞれの個々の標的RNAについて、1つのグループのプローブ分子または特に、より長い標的RNAの場合には、1つのプローブセットを使用することが好ましい。したがって、一実施形態によれば、複数のグループのプローブ分子および/またはプローブセットが使用され、これらのそれぞれが、初期RNA含有サンプルから様々なタイプの標的RNAを除去することを目指す。上記に記載されるように、プローブセットは、2つ以上のグループのプローブ分子を含み、それぞれのグループにおいて含まれるプローブ分子は、特異的な標的RNA内の特異的な標的領域を標的にし、したがってハイブリダイズする。好ましくは、複数のグループのプローブ分子および/またはプローブセットは、初期RNA含有組成物から、28S rRNA、18S rRNA、5.8S rRNA、5S rRNA、ミトコンドリア12S rRNA、およびミトコンドリア16S rRNAのうちの3種以上、好ましくは4種以上、最も好ましくはすべてを枯渇させるために使用される。さらに、所望の場合、単一のプローブ分子が、使用されてもよく、たとえば、枯渇されることになっている特異的な標的rRNAに対するプローブセットの中に組み込むことができる。
本発明による方法において使用することができ、かつ28S rRNAおよび18S rRNAを枯渇させるのに適しているプローブセットならびに5.8S rRNAおよび5S rRNAを枯渇させるのに適したグループのプローブ分子もまた、実施例において記載され、特に表1を参照されたい。
少なくとも28S rRNAが標的RNAとして枯渇される一実施形態によれば、28S rRNAプローブセットが使用され、28S rRNAプローブセットにおいて含まれるプローブ分子の少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、少なくとも4つ、少なくとも6つ、少なくとも8つ、少なくとも10、最も好ましくはすべてのグループが、2つ以上の連続したプローブ分子を含む。この実施形態において、それぞれの連続したグループ内に含まれる少なくとも2つのプローブ分子が、連続している。さらに、少なくとも3つのグループの28S rRNAプローブセットにおいて、好ましくは、少なくとも6つのグループにおいて、すべての含まれるプローブ分子が、それらのグループメンバーに対して連続していることが好ましい。一実施形態によれば、28S rRNAプローブセットのグループにおいて含まれるすべてのプローブ分子の少なくとも75%、少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%が、それらのグループメンバーに対して連続している。28S rRNAセットにおいて含まれるプローブ分子が、50nt以下、好ましくは35nt以下、より好ましくは30nt以下の長さを有することが好ましく、最も好ましくは、20nt〜25ntの範囲内にある。好ましくは、28S rRNAプローブセットは、28S rRNAプローブセットについて表1において示されるプローブ分子のグループの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、少なくとも4つ、少なくとも6つ、より好ましくは少なくとも8つ、少なくとも10、最も好ましくはすべてを含む。
少なくとも18S rRNAが標的RNAとして枯渇される一実施形態によれば、18S rRNAプローブセットが使用され、18S rRNAプローブセットにおいて含まれるプローブ分子の少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも3つ、少なくとも4つ、最も好ましくはすべてのグループが、2つ以上の連続したプローブ分子を含む。この実施形態において、それぞれの連続したグループ内に含まれる少なくとも2つのプローブ分子が、連続している。さらに、少なくとも2つのグループの18S rRNAプローブセットにおいて、好ましくは、少なくとも3つのグループにおいて、すべての含まれるプローブ分子が、それらのグループメンバーに対して連続していることが好ましい。好ましくは、18S rRNAプローブセットのグループにおいて含まれるプローブ分子の少なくとも75%、少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%が、それらのグループメンバーに対して連続している。18S rRNAプローブセットにおいて含まれるプローブ分子が、50nt以下、好ましくは35nt以下、より好ましくは30nt以下の長さを有することが好ましく、最も好ましくは、20nt〜25ntの範囲内にある。好ましくは、18S rRNAプローブセットは、18S rRNAプローブセットについて表1において示されるプローブ分子のグループの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも3つ、少なくとも4つ、最も好ましくはすべてを含む。
少なくとも5.8S rRNAが標的RNAとして枯渇される一実施形態によれば、少なくとも1つのグループのプローブ分子が使用される。好ましくは、プローブ分子の前記グループは、2つ以上の連続したプローブ分子を含み、好ましくは、5.8S rRNAグループにおいて含まれるプローブ分子はすべて、連続している。5.8S rRNAグループにおいて含まれるプローブ分子が、50nt以下、好ましくは35nt以下、より好ましくは30nt以下の長さを有することが好ましく、最も好ましくは、20nt〜25ntの範囲内にある。5.8Sを標的にし、したがって枯渇させるのに特に適したプローブ分子の5.8S rRNAグループは、表1において示される。
少なくとも5S rRNAが標的RNAとして枯渇される一実施形態によれば、少なくとも1つのグループのプローブ分子が使用される。好ましくは、プローブ分子の前記グループは、2つ以上の連続したプローブ分子を含み、好ましくは、5S RNAグループにおいて含まれるプローブ分子はすべて、連続している。5.8S rRNAグループにおいて含まれるプローブ分子が、50nt以下、好ましくは35nt以下、より好ましくは30nt以下の長さを有することが好ましく、最も好ましくは、20nt〜25ntの範囲内にある。好ましくは5S rRNAを枯渇させるために、1つ以上の、好ましくすべての、5Sについて表1において示されるプローブ分子を含むプローブ分子のグループが、使用される。
少なくとも真核生物ミトコンドリア12S rRNAが標的RNAとして枯渇される一実施形態によれば、12SミトコンドリアrRNAプローブセットにおいて含まれるプローブ分子が、50nt以下、好ましくは35nt以下、より好ましくは30nt以下の長さを有するプローブセットが使用される。好ましくは、12SミトコンドリアrRNAプローブセットにおいて含まれるプローブ分子の少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、最も好ましくはすべてのグループが、2つ以上の連続したプローブ分子を含む。一実施形態によれば、12SミトコンドリアrRNAプローブセットにおいて含まれるプローブ分子の少なくとも75%、少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%が、それらのグループメンバーに対して連続している。この実施形態において、それぞれの連続したグループ内に含まれる少なくとも2つのプローブ分子が、連続している。さらに、12SミトコンドリアrRNAプローブセットの少なくとも2つのグループにおいて、すべての含まれるプローブ分子が、それらのグループメンバーに対して連続していることが好ましい。
少なくとも真核生物ミトコンドリア16S rRNAが標的RNAとして枯渇される一実施形態によれば、16SミトコンドリアrRNAプローブセットにおいて含まれるプローブ分子が、50nt以下、好ましくは35nt以下、より好ましくは30nt以下の長さを有するプローブセットが使用される。好ましくは、16SミトコンドリアのrRNAプローブセットにおいて含まれるプローブ分子の少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、最も好ましくはすべてのグループが、2つ以上の連続したプローブ分子を含む。一実施形態によれば、16SミトコンドリアrRNAプローブセットにおいて含まれるプローブ分子の少なくとも75%、少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%が、それらのグループメンバーに対して連続している。
好ましい実施形態によれば、上記に記載される28s rRNAプローブセットおよび18s rRNAプローブセットが、標的RNAとして28s rRNAおよび18s rRNAが枯渇された標的RNA枯渇化組成物を提供するために、本発明による方法において使用される。好ましくは、上記に記載される5.8s rRNAグループ、上記に記載される5s rRNAグループ、上記に記載される12SミトコンドリアrRNAプローブセット、および上記に記載される16SミトコンドリアrRNAプローブセットもまた、標的RNAとして5.8s rRNA、5s rRNA、ミトコンドリア12S rRNA、およびミトコンドリア16S rRNAをさらに枯渇させるために使用される。それによって、たとえば次世代配列決定の適用における続く分析を妨害し得る最も一般的なrRNA種が枯渇された標的RNA枯渇化組成物が得られる。
核酸は、全RNAなどのような初期RNA含有組成物を提供するために、先行技術において知られている方法に従って、関心のあるサンプルから単離することができる。したがって、全RNAは、初期RNA含有組成物を提供するために、サンプルから単離されてもよい。用語「サンプル」は、広い意味において本明細書において使用され、RNAを含有する様々な供給源および組成物を含むことが意図される。サンプルは、生物学的サンプルであってもよい。例示的なサンプルは、細胞サンプル、環境上のサンプル、身体から得られるサンプル、特に体液サンプル、およびヒト、動物、または植物組織サンプルを含むが、これらに限定されない。特定の例は、全血、血液製剤(blood product)、血漿、血清、赤血球、白血球、バフィーコート、尿、痰、唾液、精液、リンパ液、羊水、脳脊髄液、腹水、胸水、嚢胞由来の流体、滑液、硝子体液、眼房水、滑液包液(bursa fluid)、洗眼水、眼吸引液、肺洗浄液、骨髄穿刺液、肺吸引液、生検サンプル、スワブサンプル、肝臓、脾臓、腎臓、肺、腸、脳、心臓、筋肉、膵臓、細胞培養物由来のサンプルを含むが、これらに限定されない、ヒトもしくは植物を含む動物組織、ならびに溶解物、抽出物、または上記に記載されるサンプルから得られた材料および画分またはサンプル上にもしくはその中に存在し得る任意の細胞および微生物およびウイルス、ならびにその他同種のものを含むが、これらに限定されない。RNAを含有する臨床上の環境または法医学的環境から得られた材料もまた、用語「サンプル」について意図される意味の範囲内にある。好ましくは、サンプルは、真核生物または原核生物に、好ましくはヒト、動物、植物、細菌、または真菌に由来する生物学的サンプルである。好ましくは、サンプルは、たとえば血液、バフィーコート、血漿、および血清などのような血液製剤、尿、液(liquor)、痰、糞便、CSFおよび精子、上皮スワブ、生検材料、骨髄サンプル、ならびに組織サンプル、好ましくは、肺、腎臓、または肝臓などのような器官組織サンプルなどのような、細胞、組織、腫瘍細胞、細菌、ウイルス、ならびに体液からなる群から選択される。用語「サンプル」はまた、保存された、固定された、および/または安定化されたサンプルなどのような処理されたサンプルをも含む。そのようなサンプルの非限定的な例は、保存された細胞含有サンプル、たとえば、たとえばグルタルアルデヒドまたはPAXgene Tissue systemなどのような、架橋または非架橋固定液により処理されたホルマリン固定パラフィン包埋(FFPEサンプル)または他のサンプルを含む。たとえば、腫瘍由来の生検サンプルは、RNA完全性を損ない得、特に、含まれるRNAを分解し得るFFPEによって外科手技の後に慣用的に保存される。開示される方法は、実施例によって示されるように、断片化された望まれない標的RNAを除去するために好都合に使用されてもよい。したがって、初期RNAサンプルは、修飾されたまたは分解されたRNAからなってもよいまたはそれを含んでいてもよい。修飾または分解は、たとえば保存剤(複数可)による処理によるものであり得る。
本明細書において使用される場合、用語「核酸(複数可)」は、典型的に、サブユニットの間のホスホジエステル連結によってであるが、いくつかの場合においてホスホロチオエート、メチルホスホネート、およびその他同種のものによって、共有結合で結ばれたリボヌクレオシドおよび/またはデオキシリボヌクレオシドを含むポリマーを特に指す。DNAは、すべてのタイプのDNA、たとえばゲノムDNA、直鎖DNA、環状DNA、プラスミドDNA、cDNA、およびたとえば腫瘍由来のDNAまたは胎児のDNAなどのような遊離循環DNAを含むが、これらに限定されない。好ましくは、DNAは、ゲノムDNAまたはcDNAである。RNAは、限定されないが、hnRNA、mRNA、非コードRNA(ncRNA)(rRNA、tRNA、lncRNA(長い非コードRNA)、lincRNA(長い遺伝子間非コードRNA)、miRNA(マイクロRNA)、siRNA(低分子干渉RNA)を含むが、これらに限定されない)を含み、また、たとえば腫瘍由来のRNAなどのような遊離循環RNAをも含む。
ステップd)
任意選択のステップd)において、非結合プローブ分子は、除去されてもよい。たとえば、標的RNA枯渇化組成物は、さらに精製されてもよい。それぞれの精製ステップは、たとえば、短い非結合プローブ分子、バッファー構成成分、およびその他同種のものを除去するためにならびに/またはRNAを濃縮するために有用になり得る。それぞれの精製方法についての例は、抽出、固相抽出、ポリケイ酸に基づく精製、シリカカラムまたは磁性シリカビーズを使用する単離、磁性粒子に基づく精製、フェノールクロロホルム抽出、陰イオン交換クロマトグラフィー(陰イオン交換表面を使用)、ゲル電気泳動、沈殿、たとえばアルコール沈殿、およびその組み合わせを含むが、これらに限定されない。さらに、当業者によって知られている任意の他の核酸を単離する技術を使用することができる。一実施形態によれば、標的RNA枯渇化組成物が、少なくとも1つのカオトロピック剤および少なくとも1つのアルコールの存在下において固相に対してRNAを結合させることによってさらに精製される。好ましくは、RNAは、ケイ素を含む固相、好ましくはポリケイ酸ガラス繊維に対して結合させることによって単離される。適した方法およびキットはまた、RNeasyシステム、特にRNeasy MinElute Cleanup Kitおよび他のRNA調製キットなどのように、市販で入手可能でもある。ここで、さらに、QIAsymphonyシステム、EZ1機器、QIAcube(QIAGEN)、またはMagNApureシステム(Roche)上で試行するものなどのような自動化されたプロトコールが利用可能である。非結合プローブ分子はまた、他の適した手段によって、たとえばDNアーゼ消化によってまたはタグ付きプローブ分子が使用される場合、親和性除去によって、除去されてもよい。さらに、記載されるように、プローブ分子は、それらが配列決定ライブラリーにおいて示されるのを予防するために修飾することができる。
ステップe)
標的RNA枯渇化組成物が続く配列決定反応のために調製される場合、本発明による方法は、好ましくは、
e)標的RNA枯渇化組成物において含まれるRNAを配列決定するステップを含む。
一実施形態によれば、配列決定が、次世代配列決定によって実行される。ここで、様々な方法が実行可能である。逆転写酵素を使用するRNAのcDNAへの変換は、転写物の適切な特徴付けおよび定量化の両方に干渉し得る偏りおよび人工産物を招くことが示されたので、単一分子直接的RNA配列決定技術が開発されている。一実施形態によれば、標的RNA枯渇化組成物において含まれるRNA分子が、直接的な配列決定方法を使用して、たとえばOzsolakら、2009(Direct RNA sequencing、nature Vol 461、page 814 to 819)において記載されるように、直接、配列決定される。この方法は、cDNAへのRNA変換もライゲーションおよび増幅などのような他の可能性として偏らせるサンプル操作も伴うことなく、超並列方式で直接、RNA分子を配列決定することが可能である。
一実施形態によれば、RNAを配列決定するステップが、
i)超並列配列決定に適した配列決定ライブラリーを調製するステップ、
ii)配列決定ライブラリーにおいて含まれる分子を並列に配列決定するステップを含む。
そのような配列決定ライブラリーは、複数の二本鎖分子を含んでいてもよく、好ましくは、超並列配列決定に適しており、したがって、次世代配列決定に適している。それぞれの配列決定ライブラリーの調製はまた、トランスクリプトーム配列決定において現在の標準である。配列決定ライブラリー中に存在する複数の二本鎖核酸分子は、直鎖または環状であってもよい、好ましくは、配列決定ライブラリーにおいて含まれる核酸分子は、直鎖である。次世代配列決定に適した配列決定ライブラリーは、先行技術において知られている方法を使用して調製することができる。好ましくは、配列決定ライブラリーにおける二本鎖分子は、DNA分子である。この目的のために、RNAは、cDNAに逆転写されてもよい。通常、次世代配列決定に適した配列決定ライブラリーを調製するための方法は、DNA断片を得るステップ、任意選択で、その後に続くDNA修復および末端研磨ならびに最終的に、多くの場合、NGSプラットフォーム特異的アダプターライゲーションを含む。一実施形態によれば、得られたcDNAは、たとえば、続く配列決定に適したDNA断片を提供するために、超音波処理、ハイドロ剪断、超音波、噴霧化、または酵素的断片化などのような剪断によって断片化することができる。しかしながら、好ましくは、所望の長さへの断片化は、RNAレベルで、したがってcDNA合成前に行われてもよい。たとえば、望まれない標的RNA枯渇化組成物において含まれるRNAは、RNAのマグネシウム触媒による加水分解によって断片化されてもよい。断片の長さは、配列決定のために続いて使用される次世代配列決定プラットフォームの配列決定能力に基づいて選ぶことができる。通常、得られた断片は、1500bp以下、1000bp以下、750bp以下、600bp以下、好ましくは500bp以下の長さを、これが最も流通している次世代配列決定プラットフォームの配列決定能力に相当するので、有する。好ましくは、得られた断片は、100〜1000bp、125〜800bp、150〜700bp、175〜600bp、および200〜500bpの範囲にある長さを有する。それぞれの断片サイズは、トランスクリプトーム配列決定に特に適しており、それぞれの短い断片は、一般的な次世代配列決定プラットフォームを使用して効率的に配列決定することができる。しかしながら、さらに、より長い断片は、たとえば、より長い配列リードを可能にする次世代配列決定方法を使用する場合またはペアエンド配列決定もしくはメイトペア配列決定のために、たとえば、転写物の構造および選択的スプライスアイソフォームを分析するために、使用することができる。さらに、もちろん、より小さな断片サイズ(たとえば10または15bpから開始)もまた、配列決定ライブラリーを調製するための出発物質および関心のある配列に依存して、適していてもよい。たとえば、小型RNA(200nt以下、100nt以下、50nt以下、またはさらに、miRNAについての場合のように25nt以下のサイズを有する)を含むまたはそれからなるRNAから得られたcDNAを処理する場合、ライブラリーは、それぞれのより短い断片を含んでいてもよい。
断片化されたDNAは、先行技術において知られている方法を使用して、その後、修復し、末端研磨し、それによって、たとえば平滑末端またはAオーバーハングなどのようなヌクレオチドオーバーハングを提供することができる。
さらに、好ましくは、アダプターは、DNA断片の5’および/または3’末端で、好ましくは得られた断片の両端で、ライゲーションされる。アダプターの特異的な設計は、使用される次世代配列決定プラットフォームに依存し、本発明の目的のために、次世代配列決定のための配列決定ライブラリーを調製するために使用される本質的に任意のアダプターを使用することができる。アダプター配列は、たとえば、続くライブラリー増幅および/または配列決定プライマーアニーリングを可能にすることが知られている配列組成物を提供する。アダプターとして、配列が知られている二本鎖または部分的二本鎖核酸を使用することができる。アダプターは、平滑末端を有していてもよく、3’または5’オーバーハングを有する付着末端が、Y状のアダプターまたはステムループ状のアダプターによって提供されてもよい。Y状のアダプターは、たとえば米国特許第7,741,463号明細書において記載され、ステムループ状のアダプターは、たとえば米国特許出願公開第2009/0298075号明細書において記載され、アダプターの特異的な設計に関して参照によって本明細書に組み込まれる。好ましくは、アダプターは、少なくとも7、好ましくは少なくとも10、好ましくは少なくとも15塩基の長さを有する。アダプターの長さは、好ましくは、10〜100塩基、好ましくは15〜75塩基、より好ましくは20〜60塩基の範囲にある。同じまたは異なるアダプターを、断片の3’および5’末端で使用することができる。たとえばY状のまたはステムループ状のアダプターなどのような、両方の末端について同じタイプのアダプターを使用することは、アダプター誤対合によりライブラリー調製の間に失われる断片がないという利点を有し、これは、低量のDNAを扱う場合に利点となる。
したがって、好ましくは、調製された配列決定ライブラリーは、それらの3’および5’末端でアダプター配列に対してライゲーションされた、ランダムに断片化された二本鎖DNA分子を含むまたはそれからなる。アダプターは、知られている配列を提供し、したがって、増幅および/または配列決定プライマーに対して知られている鋳型を提供する。任意選択で、アダプターはまた、個々のインデックスを提供し、それによって、配列決定前に、2つ以上の配列決定ライブラリーの続くプールを可能にする。この実施形態は、さらに詳細に下記に記載される。配列決定ライブラリーは、酵素的操作を使用して、インビトロにおいて生成されてもよいが、好ましくは、生細胞のDNAにより許容される形質転換(DNA permitted transformation)ならびに続くクローン細胞選択、培養、およびDNA単離を必要としない。配列決定ライブラリーを調製するための適した方法はまた、Metzker、2011、Voelkerding、2009および国際公開第12/003374号においても記載される。
単一のNGSの試行は、通常、一度にいくつかの配列決定ライブラリーを配列決定するための十分なリードを生成する。そのため、プール戦略およびインデックスアプローチは、サンプル当たりの費用を低下させるための実用的な手段である。それぞれの多重化戦略もまた、本発明の教示に関連して使用することができる。多重化を可能にする特徴は、様々な段階において組み込むことができる。一実施形態によれば、配列決定ライブラリーが、ライブラリーの標識および区別のための特異的な配列モチーフを含有するアダプター(「バーコード化」または「インデックス」アダプター)を使用することによって生成される。それぞれの配列決定ライブラリーは、ライブラリー特異的な配列を提供する、個々の、したがってライブラリー特異的なアダプターとともに提供される。好ましくは、それぞれのアダプターは、インデックス領域に加えて、すべてのライブラリーで使用することができるPCRプライマーおよび/または配列決定プライマーに対して知られている鋳型を提供する一般的な汎用領域を含む。配列決定ライブラリーが得られた後、それらは、プールし、単一の試行で配列決定することができる。それぞれのインデックスアダプターを有する配列決定ライブラリーのDNA断片の提供は、したがって、配列決定された断片をインデックスアダプターのライブラリー特異的な配列に基づいて識別することができるので、続いて、同じ配列決定の試行において、いくつかの配列決定ライブラリーを配列決定することを可能にする。配列決定の後、それぞれのライブラリーに属する個々の配列は、次いで得られた配列において見つけられるライブラリー特異的なインデックスを介してソートすることができる。それぞれのインデックスアプローチは、先行技術において知られており、インデックスアダプターはまた、市販で入手可能でもあり、たとえば、Illuminaプラットフォームにおいて使用するのに適しているTruSeq(登録商標)DNAサンプルプレップキットにおいて提供される。
上記に議論されるように、配列決定は、好ましくは、次世代配列決定プラットフォームで実行される。すべてのNGSプラットフォームは、一般的な技術的特徴、すなわち、例えば、フローセルにおいてまたは油水エマルションの生成によって空間的に分離された、クローン増幅されたまたは単一のDNAまたはcDNA分子の超並列配列決定を共有する。NGSにおいて、配列決定は、ポリメラーゼ媒介性ヌクレオチド伸長の繰り返しのサイクルまたはある一般的なフォーマットでは、オリゴヌクレオチドライゲーションの反復サイクルによって実行される。本発明による方法を使用して配列決定ライブラリーを得た後、単一分子のクローン分離および続く増幅は、エマルションPCR(Roche 454のピロシーケンス、Ion Torrentの半導体配列決定、Life TechnologiesのライゲーションによるSOLiD配列決定、Intelligent Biosystemsの合成による配列決定)、フローセル上でのブリッジ増幅(たとえばSolexa/Illumina)、Wildfire technology(Life Technologies)による等温増幅 、またはローリングサークル増幅(rolling circle amplification)(Complete Genomics、Intelligent Biosystems、Polonator)によって生成されたロロニー(rolony)/ナノボール(nanoball)のように、インビトロ鋳型調製反応によって実行される。Heliscope(Helicos)、SMRT技術(Pacific Biosciences)、またはナノポア配列決定(Oxford Nanopore)のような配列決定技術は、事前のクローンの増幅を伴うことなく、単一分子の直接的な配列決定を可能にする。使用することができる適したNGS方法およびプラットフォームはまた、本発明の背景技術においても記載し、そしてそれは、それぞれの開示にゆだねられる。配列決定は、本発明の教示に従って得られた標的RNA枯渇化組成物から調製された配列決定ライブラリーを使用してそれぞれのプラットフォームのいずれかで実行することができる。
得られた配列情報は、標的領域の配列を提供するためにアライメントすることができる。ここで、先行技術において知られている方法を使用することができる。適した方法は、たとえばMetzker、2010において概説され、参照トランスクリプトームに対するリードのアライメントを含むが、これらに限定されない。
第2の態様によれば、サンプルにおいて含まれる関心のあるRNA分子を配列決定するための方法が提供され、この方法は、以下:
a)好ましくはサンプルから全RNAを単離することによって、RNA含有組成物を得るステップ;
b)第1の態様による方法を使用して、好ましくは全RNAであるRNA含有組成物から望まれない標的RNAを枯渇させ、それによって、標的RNA枯渇化組成物を提供するステップ;
c)任意選択で、たとえば標的RNA枯渇化組成物を精製することによって、非結合プローブ分子を除去するステップ;
d)標的RNA枯渇化組成物において含まれるRNA分子を配列決定するステップ、を含む。
個々のステップならびにRNA含有組成物由来の様々なタイプの望まれない標的RNAを枯渇させるために使用することができる1つ以上のグループのプローブ分子および/またはプローブセットに関する詳細は、第1の態様による方法に関連して上記に既に記載した、また、それは、上記の開示にゆだねられる。好ましくは、精製された全RNAは、ステップa)において得られる。続いておよび特許請求の範囲において記載されるキットは、1つ以上のタイプの望まれない標的RNAを除去するために、ステップb)において使用されてもよい。一実施形態によれば、配列決定が、超並列配列決定に適した配列決定ライブラリーを調製するステップおよび配列決定ライブラリーにおいて含まれる分子を並列に配列決定するステップを含む。詳細は、第1の態様による方法に関連して上記に記載しており、また、それは、それぞれの開示にゆだねられる。一実施形態によれば、配列決定が、次世代配列決定プラットフォームで実行され、好ましくは、次世代配列決定プラットフォームは、ブリッジ増幅配列決定プラットフォームまたはエマルション増幅配列決定プラットフォームから選択される。詳細は、第1の態様による方法に関連して上記に記載しており、また、それは、それぞれの開示にゆだねられる。
第3の態様によれば、RNA含有組成物から標的RNAを枯渇させるためのキットが提供され、このキットは、以下:
a)標的RNAを枯渇させるための1つ以上のグループのプローブ分子であって、あるグループのプローブ分子が、以下:
i)グループが、100nt以下の長さを有する2つ以上の異なるプローブ分子を含む;
ii)前記グループにおいて含まれるプローブ分子が、標的RNAの標的領域に対して相補的である;
iii)前記標的領域に対してハイブリダイズする場合、2つ以上の異なるプローブ分子が、形成される二本鎖ハイブリッドにおいて互いに隣接して位置する;
との特徴を有する、1つ以上のグループのプローブ分子、ならびに
b)プローブ分子および標的RNAの間で形成される二本鎖ハイブリッドに結合するのに適した結合剤、を含む。
プローブ設計、プローブセットの使用、枯渇されることになっている様々な標的RNA、抗ハイブリッド結合剤、ならびにその適した好ましい実施形態に関する詳細は、第1の態様による方法に関連して詳細に上記に記載しており、また、特許請求の範囲においても記載される。それは、それぞれの開示にゆだねられる。適したグループのプローブ分子およびプローブセットはまた、実施例においても記載される。一実施形態によれば、キットが、28S rRNAプローブセットを含み、28S rRNAプローブセットにおいて含まれるプローブ分子の少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、少なくとも4つ、少なくとも6つ、少なくとも8つ、少なくとも10、最も好ましくはすべてのグループが、2つ以上の連続したプローブ分子を含む。この実施形態において、それぞれの連続したグループ内に含まれる少なくとも2つのプローブ分子が、連続している。さらに、少なくとも3つのグループの28S rRNAプローブセットにおいて、好ましくは、少なくとも6つのグループにおいて、すべての含まれるプローブ分子が、それらのグループメンバーに対して連続していることが好ましい。一実施形態によれば、28S rRNAプローブセットのグループにおいて含まれるすべてのプローブ分子の少なくとも75%、少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%が、それらのグループメンバーに対して連続している。28S rRNAプローブセットにおいて含まれるプローブ分子が、50nt以下、好ましくは35nt以下、より好ましくは30nt以下の長さを有することが好ましく、最も好ましくは、20nt〜25ntの範囲内にある。好ましくは、28S rRNAプローブセットは、28S rRNAプローブセットについて表1において示されるプローブ分子のグループの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、少なくとも4つ、少なくとも6つ、より好ましくは少なくとも8つ、少なくとも10、最も好ましくはすべてを含む。一実施形態によれば、キットが、好ましくは、上記に記載される28Sプローブセットに加えて、18S rRNAプローブセットを含み、18S rRNAプローブセットにおいて含まれるプローブ分子の少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも3つ、少なくとも4つ、最も好ましくはすべてのグループが、2つ以上の連続したプローブ分子を含む。この実施形態において、それぞれの連続したグループ内に含まれる少なくとも2つのプローブ分子が、連続している。さらに、少なくとも2つのグループの18S rRNAプローブセットにおいて、好ましくは、少なくとも3つのグループにおいて、すべての含まれるプローブ分子が、それらのグループメンバーに対して連続していることが好ましい。好ましくは、18S rRNAプローブセットのグループにおいて含まれるプローブ分子の少なくとも75%、少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%が、それらのグループメンバーに対して連続している。18S rRNAプローブセットにおいて含まれるプローブ分子が、50nt以下、好ましくは35nt以下、より好ましくは30nt以下の長さを有することが好ましく、最も好ましくは、20nt〜25ntの範囲内にある。好ましくは、18S rRNAプローブセットは、18S rRNAプローブセットについて表1において示されるプローブ分子のグループの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも3つ、少なくとも4つ、最も好ましくはすべてを含む。さらに、キットは、方法に関連して上記に記載される5.8s rRNAグループ、方法に関連して上記に記載される5s rRNAグループ、方法に関連して上記に記載される12SミトコンドリアrRNAプローブセット、および/または方法に関連して上記に記載される16SミトコンドリアrRNAプローブセットを含んでいてもよい。それぞれのキットを使用することによって、続く分析を妨害し得る最も一般的なrRNA種が枯渇された標的RNA枯渇化組成物を得ることができる。一実施形態によれば、キットにおいて含まれるプローブ分子が、35nt以下、好ましくは30nt以下の長さを有する一本鎖DNA分子である。好ましくは、キットにおいて含まれる抗ハイブリッド結合剤は、RNA/DNAハイブリッドに対して特異的な抗ハイブリッド抗体である。
実施例によって示されるように、本明細書において記載される特異的なプローブ設計と組み合わせてハイブリッド捕捉技術を使用することは、先行技術の方法よりも、標的RNAのより完全な枯渇および分解に対するより好適な保護ならびに先行技術の方法よりも、非特異的枯渇に対するより好適な保護を達成することを可能にする。上記に記載されるように、特異性は、特異性が2つのレベル、すなわち、グループ環境において含まれる短いプローブの特異性および抗ハイブリッド結合剤による捕捉で獲得され、有意なマッチ配列を有するそれらのプローブのみが抗ハイブリッド結合剤によって基質として認識されるので、本発明による方法により、より高度となる。そのため、大部分の非特異的結合イベントは、本発明による方法を使用して捕捉されないであろう。本発明の技術は、自動化することができ、そのため、高スループットの適用に十分に適している。重要な利点は、すべてのタイプのリボソームRNAなどのような、99.5%、さらに99.9%を超える望まれない標的RNAの非常に効率的な除去、他のRNAタイプの偏りがない保持、ヒト、マウス、およびラットを含む様々な種由来のrRNAなどのような標的RNAの有効な枯渇、低存在量のRNAの高感度の検出についての改善されたSN比である。
本出願は、2012年9月18日に提出された先行出願米国特許出願公開第61/702,594号および2012年9月18日に提出されたEP 12 006 534.7号の優先権を主張し、これらの全開示が、参照によって本明細書において組み込まれる。
本発明は、本明細書において開示される例示的な方法および材料によって限定されず、本明細書において記載されるものに類似するまたは等価である任意の方法および材料が、本発明の実施形態の実施または試験において使用することができる。数値の範囲は、範囲を特定する数を含む。本明細書において提供される見出しは、本発明の様々な態様または実施形態を限定するものではなく、これらは、全体として本明細書への参照によって理解することができる。
本明細書において使用される場合、用語「溶液」は、特に、液体組成物、好ましくは水性組成物を指す。それは、たった1つの相の均質な混合物であってもよいが、溶液がたとえば沈殿物などのような固体の構成成分を含むこともまた、本発明の範囲内にある。
ヌクレオチドntに関連して本明細書において示されるサイズ、それぞれのサイズ範囲は、鎖の長さを指し、したがって、一本鎖および二本鎖分子の長さを記載するために使用される。二本鎖分子において、前記ヌクレオチドは、対合される。したがって、二本鎖分子が100ntの鎖の長さを有するとして本明細書において記載される場合、前記二本鎖分子は100bpを含む。
一実施形態によれば、方法の場合、あるステップを含むとしてまたは組成物、溶液および/もしくはバッファーの場合、ある成分を含むとして本明細書において記載される事項が、それぞれのステップまたは成分からなる事項を指す。本明細書において記載される好ましい実施形態を選択し、組み合わせることは好ましく、好ましい実施形態のそれぞれの組み合わせから生じる特定の事項もまた、本開示に属する。
本発明の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
初期RNA含有組成物から標的RNA枯渇化組成物を調製する方法であって、前記方法は、以下:
a)1つ以上のグループのプローブ分子と前記初期RNA含有組成物を接触させ、そして前記標的RNAおよび前記プローブ分子の間で二本鎖ハイブリッドを生成するステップであって、ここで、あるグループのプローブ分子が、以下:
i)前記グループが、100nt以下の長さを有する2つ以上の異なるプローブ分子を含む;
ii)前記グループにおいて含まれる前記プローブ分子が、標的RNAの標的領域に対して相補的である;
iii)前記標的領域に対してハイブリダイズする場合、2つ以上の前記異なるプローブ分子が、形成される前記二本鎖ハイブリッドにおいて互いに隣接して位置する、
との特徴を有するステップ;
b)前記二本鎖ハイブリッドに結合する結合剤を使用することによって前記二本鎖ハイブリッドを捕捉し、それによって、ハイブリッド/結合剤複合体を形成するステップ;
c)前記組成物から前記ハイブリッド/結合剤複合体を分離し、それによって、標的RNA枯渇化組成物を提供するステップ、
を含む、方法。
(項目2)
前記標的領域に対してハイブリダイズする場合、グループの2つ以上のプローブ分子が、形成された前記二本鎖ハイブリッドにおいて互いに連続しているまたはグループのすべてのプローブ分子が、形成された前記二本鎖ハイブリッドにおいて互いに連続している、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記プローブ分子が、35nt以下、30nt以下、または25nt以下から選択される長さを有し、好ましくは、10nt〜35ntまたは15nt〜30ntの範囲にある長さを有する、項目1または2に記載の方法。
(項目4)
プローブセットが、特異的な標的RNAの枯渇のために使用され、プローブセットが、2つ以上のグループのプローブ分子を含み、前記プローブセットにおいて含まれるプローブ分子のそれぞれのグループが、前記標的RNAにおける異なる標的領域を標的にする、項目1〜3の一項以上に記載の方法。
(項目5)
特異的な標的RNAにおいて、前記標的領域が、500nt以下、450nt以下、400nt以下、350nt以下、300nt以下、250nt以下、200nt以下、または150nt以下の距離内に位置する、項目4に記載の方法。
(項目6)
プローブセットにおいて含まれる前記プローブ分子の少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%が、それらのグループメンバーに対して連続している、項目4または5に記載の方法。
(項目7)
以下:
i)前記標的領域が、前記標的RNAの完全長に実質的に相当する;
ii)前記標的領域が、前記標的RNAにおいて保存される領域である;
iii)前記標的領域が、異なる種において保存される領域である;
iv)前記標的領域が、前記標的RNAにおいて保存され、そして少なくとも種ヒト、マウス、およびラットにおいて保存される領域である;
v)グループの前記プローブ分子がハイブリダイズする前記標的領域が、50nt〜500nt、50nt〜350、50nt〜250nt、75nt〜225nt、100nt〜200nt、および100nt〜175ntから選択されるサイズを有する;
vi)プローブセットが、特異的な標的RNAの枯渇のために使用され、プローブセットが、2つ以上のグループのプローブ分子を含み、それぞれのグループのプローブ分子が、前記標的RNAにおける異なる標的領域を標的にし、前記標的領域が、前記標的RNAの全長にわたって分布する;ならびに/または
vii)標的RNA枯渇効率が、少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%、好ましくは少なくとも99%、より好ましくは少なくとも99.5%、そして最も好ましくは少なくとも99.9%である、
との特徴のうち1つ以上を有する、項目1〜6の一項以上に記載の方法。
(項目8)
複数の標的RNAが、前記初期RNA含有組成物から枯渇される、項目1〜7の一項以上に記載の方法。
(項目9)
以下:
i)少なくとも1つのタイプのrRNAが、標的RNAとして枯渇される;ならびに/または
ii)28S rRNA、18S rRNA、5.8S rRNA、5S rRNA、ミトコンドリア12S rRNA、およびミトコンドリア16S rRNAから選択される少なくとも1つのタイプのrRNAが、枯渇され、好ましくは少なくとも3つ、より好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくはすべての前記rRNAタイプが枯渇される;ならびに/または
iii)複数のグループのプローブ分子および/もしくはプローブセットが、前記初期RNA含有組成物から、28S rRNA、18S rRNA、5.8S rRNA、5S rRNA、ミトコンドリア12S rRNA、およびミトコンドリア16S rRNAのうちの3つ以上、好ましくは4つ以上、最も好ましくはすべてを枯渇させるために使用される、
との特徴のうち1つ以上を有する、項目1〜8の一項以上に記載の方法。
(項目10)
以下:
aa)28S rRNAが標的RNAとして枯渇される場合、28S rRNAプローブセットであって、以下:
i)前記28Sプローブセットにおいて含まれるプローブ分子の長さが、50nt以下、好ましくは35nt以下、またはより好ましくは30nt以下である;
ii)前記28S rRNAプローブセットにおいて含まれるプローブ分子の少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、少なくとも4つ、少なくとも6つ、最も好ましくはすべてのグループが、2つ以上の連続したプローブ分子を含む;
iii)前記28S rRNAプローブセットにおいて含まれる、少なくとも75%、少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、もしくは最も好ましくは少なくとも95%のプローブ分子が、それらのグループメンバーに対して連続している;および/または
iv)前記28S rRNAプローブセットが、前記28S rRNAプローブセットについて表1において示されるプローブ分子のグループの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、少なくとも4つ、少なくとも6つ、より好ましくは少なくとも8つ、少なくとも10を含み、そして最も好ましくはすべてを含む
との特徴のうち、1つ以上、好ましくはすべてを有する28S rRNAプローブセットが、使用される、ならびに/または
bb)18S rRNAが標的RNAとして枯渇される場合、18S rRNAプローブセットであって、以下:
i)前記18Sプローブセットにおいて含まれるプローブ分子の長さが、50nt以下、好ましくは35nt以下、またはより好ましくは30nt以下である;および/または
ii)前記18S rRNAプローブセットにおいて含まれるプローブ分子の少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも3つ、少なくとも4つ、そして最も好ましくはすべてのグループが、2つ以上の連続したプローブ分子を含む;
iii)前記18S rRNAプローブセットにおいて含まれる、少なくとも75%、少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%のプローブ分子が、それらのグループメンバーに対して連続している;および/または
iv)前記18S rRNAプローブセットが、前記18S rRNAプローブセットについて表1において示されるプローブ分子のグループの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも3つ、少なくとも4つ、そして最も好ましくはすべてを含む;
との特徴のうち、1つ以上、好ましくはすべてを有する18S rRNAプローブセットが、使用される;ならびに/または
cc)5.8S rRNAが標的RNAとして枯渇される場合、少なくとも1つのグループのプローブ分子であって、以下:
i)前記プローブ分子が、50nt以下、好ましくは35nt以下、より好ましくは30nt以下の長さを有する;および/または
ii)前記グループにおいて含まれる前記プローブ分子の少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ、より好ましくはすべてが、連続したプローブ分子である;および/または
iii)前記5.8S rRNAグループが、5.8S rRNAについて表1において示される1つ以上のプローブ分子を含む
との特徴のうち、1つ以上、好ましくはすべてを有する少なくとも1つのグループのプローブ分子が、使用される;ならびに/または
dd)5S rRNAが標的RNAとして枯渇される場合、少なくとも1つのグループのプローブ分子であって、以下:
i)前記プローブ分子が、50nt以下、好ましくは35nt以下、より好ましくは30nt以下の長さを有する;および/または
ii)前記グループにおいて含まれる前記プローブ分子の少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ、より好ましくはすべてが、連続したプローブ分子である;および/または
iii)前記5S rRNAグループが、5S rRNAについて表1において示される1つ以上のプローブ分子を含む;
との特徴のうち、1つ以上、好ましくはすべてを有する少なくとも1つのグループのプローブ分子が、使用される、ならびに/または
ee)ミトコンドリア12S rRNAが標的RNAとして枯渇される場合、プローブセットであって、以下:
i)前記12SミトコンドリアrRNAプローブセットにおいて含まれるプローブ分子の長さが、50nt以下、好ましくは35nt以下、またはより好ましくは30nt以下である;および/または
ii)前記12SミトコンドリアrRNAプローブセットにおいて含まれるプローブ分子の少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、最も好ましくはすべてのグループが、2つ以上の連続したプローブ分子を含む;および/または
iii)前記12SミトコンドリアrRNAプローブセットにおいて含まれる、少なくとも75%、少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%のプローブ分子が、それらのグループメンバーに対して連続している;
との特徴のうち、1つ以上、好ましくはすべてを有するプローブセットが、使用される、ならびに/または
ff)ミトコンドリア16S rRNAが標的RNAとして枯渇される場合、プローブセットであって、以下:
i)前記16SミトコンドリアrRNAプローブセットにおいて含まれるプローブ分子の長さが、50nt以下、好ましくは35nt以下、より好ましくは30nt以下である;および/または
ii)前記16SミトコンドリアrRNAプローブセットにおいて含まれるプローブ分子の少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、最も好ましくはすべてのグループが、2つ以上の連続したプローブ分子を含む;および/または
iii)前記16SミトコンドリアrRNAプローブセットにおいて含まれる、少なくとも75%、少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%のプローブ分子が、それらのグループメンバーに対して連続している;
との特徴のうち、1つ以上、好ましくはすべてを有するプローブセットが、使用される、ならびに/または
gg)aa)において定められる28S rRNAプローブセットおよびbb)において定められる18S rRNAプローブセットが、標的RNAとして28S rRNAおよび18S rRNAが枯渇された標的RNA枯渇化組成物を提供するために使用され、任意選択で、cc)において定められる5.8S rRNAグループ、dd)において定められる5S rRNAグループ、ee)において定められる12SミトコンドリアrRNAプローブセット、およびff)において定められる16SミトコンドリアrRNAプローブセットが、標的RNAとして5.8S rRNA、5S rRNA、ミトコンドリア12S rRNA、およびミトコンドリア16S rRNAをさらに枯渇させるために使用される、
との特徴のうち1つ以上を有する、項目8または9に記載の方法。
(項目11)
以下:
i)大量のタンパク質コードmRNAが、標的RNAとして枯渇され、前記大量のタンパク質コードmRNAが、好ましくはグロビンRNAである;
ii)前記抗ハイブリッド結合剤が、RNA/DNAハイブリッドに対して特異的な抗ハイブリッド抗体である;
iii)使用される前記抗ハイブリッド結合剤が、固体支持体に対して固定されるもしくは前記抗ハイブリッド結合剤が、溶液において遊離しており、そして固体支持体に対して固定された第2の結合剤が、前記抗ハイブリッド結合剤に結合し、したがって形成された前記ハイブリッド/結合剤複合体を捕捉するために使用される;
iv)ステップa)およびb)が同時に実行される、ならびに/または
v)任意選択で修飾されたDNA分子が、プローブ分子として使用され、二本鎖RNA/DNAハイブリッドが形成される、
との特徴のうち1つ以上を有する、項目1〜10の一項以上に記載の方法。
(項目12)
a)1つ以上のグループのプローブ分子と全RNAを接触させ、そして前記標的rRNAおよび前記プローブ分子の間で二本鎖ハイブリッドを生成するステップであって、あるグループのプローブ分子が、以下:
i)前記グループが、35nt以下の長さを有する2つ以上の異なるプローブ分子を含む;
ii)前記グループにおいて含まれる前記プローブ分子が、標的RNAの標的領域に対して相補的であり、前記標的RNAが、rRNAである;
iii)前記標的領域に対してハイブリダイズする場合、前記異なるプローブ分子のうちの2つ以上、好ましくはすべてが、形成された前記二本鎖ハイブリッドにおいて互いに連続して位置する;
との特徴を有する、ステップ;
b)前記二本鎖ハイブリッドに結合する抗ハイブリッド抗体を使用することによって前記二本鎖ハイブリッドを捕捉し、それによって、ハイブリッド/結合剤複合体を形成するステップ;
c)前記組成物から前記ハイブリッド/結合剤複合体を分離し、それによって、標的rRNA枯渇化組成物を提供するステップ
を含む、項目1〜11の一項以上に記載の方法。
(項目13)
d)任意選択で、好ましくは前記標的RNA枯渇化組成物を精製することによって、非結合プローブ分子を除去するステップ;および
e)前記標的RNA枯渇化組成物において含まれるRNAを配列決定するステップを含む、項目1〜12の一項以上に記載の方法。
(項目14)
配列決定するステップが、次世代配列決定によって実行される、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記RNAを配列決定するステップが、
i)超並列配列決定に適した配列決定ライブラリーを調製するステップ;
ii)前記配列決定ライブラリーにおいて含まれる前記分子を並列に配列決定するステップ
を含む、項目14に記載の方法:
(項目16)
サンプルにおいて含まれる関心のあるRNA分子を配列決定するための方法であって、前記方法は、以下:
a)好ましくは前記サンプルから全RNAを単離することによって、RNA含有組成物を得るステップ;
b)項目1〜12の一項以上に記載の方法を使用して、好ましくは全RNAである前記RNA含有組成物から望まれない標的RNAを枯渇させ、それによって、標的RNA枯渇化組成物を提供するステップ;
c)任意選択で、非結合プローブ分子を除去するステップ;
d)前記標的RNA枯渇化組成物において含まれるRNA分子を配列決定するステップ、
を含む、方法。
(項目17)
i)ステップc)において、前記標的RNA枯渇化組成物が、精製されるおよび/もしくはDNアーゼ消化が実行される;ならびに/または
ii)配列決定するステップが、超並列配列決定に適した配列決定ライブラリーを調製するステップおよび前記配列決定ライブラリーにおいて含まれる前記分子を並列に配列決定するステップ
を含む、項目16に記載の方法。
(項目18)
RNA含有組成物から標的RNAを枯渇させるのに適したキットであって、前記キットは、以下:
a)標的RNAを枯渇させるための1つ以上のグループのプローブ分子であって、あるグループのプローブ分子は、以下:
i)前記グループが、100nt以下の長さを有する2つ以上の異なるプローブ分子を含む;
ii)前記グループにおいて含まれる前記プローブ分子が、標的RNAの標的領域に対して相補的である;
iii)前記標的領域に対してハイブリダイズする場合、2つ以上の前記異なるプローブ分子が、形成される二本鎖ハイブリッドにおいて互いに隣接して位置する、
との特徴を有する、1つ以上のグループのプローブ分子;および
b)前記プローブ分子および標的RNAの間で形成される前記二本鎖ハイブリッドに結合するのに適した結合剤
を含む、キット。
(項目19)
以下:
i)前記標的領域に対してハイブリダイズする場合、グループの前記異なるプローブ分子のうちの2つ以上、好ましくはすべてが、形成された前記二本鎖ハイブリッドにおいて互いに連続している;
ii)前記キットにおいて含まれるプローブ分子が、35nt以下、30nt以下、もしくは25nt以下から選択される長さを有し、10nt〜35ntもしくは15nt〜30ntの範囲にあるプローブ長を好ましくは有する;
iii)前記キットが、特異的な標的RNAを枯渇させるためのプローブセットを含み、プローブセットが、2つ以上のグループのプローブ分子を含み、前記プローブセットにおいて含まれるプローブ分子のそれぞれのグループが、標的RNAにおける異なる標的領域を標的にし、任意選択で、特異的な標的RNAにおいて、前記標的領域が、500nt以下、450nt以下、400nt以下、350nt以下、300nt以下、250nt以下、200nt以下、または150nt以下の距離内に位置する;
iv)前記キットが、2つ以上のグループのプローブ分子を含むプローブセットを含み、前記プローブセットにおいて含まれるプローブ分子のそれぞれのグループが、標的RNAにおける異なる標的領域を標的にし、前記プローブセットにおいて含まれる前記プローブ分子の少なくとも少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%が、それらのグループメンバーに対して連続している;
v)前記標的領域が、前記標的RNAの完全長に実質的に相当する;
vi)前記標的領域が、前記標的RNAにおいて保存される領域である;
vii)前記標的領域が、異なる種において保存される領域である;
viii)前記標的領域が、前記標的RNAにおいて保存され、そして少なくとも種ヒト、マウス、およびラットにおいて保存される領域である;
ix)グループの前記プローブ分子がハイブリダイズする前記標的領域が、50nt〜500nt、50nt〜350、50nt〜250nt、75nt〜225nt、100nt〜200nt、および100nt〜175ntから選択されるサイズを有する;
x)前記キットが、特異的な標的RNAを枯渇させるためのプローブセットを含み、プローブセットが、2つ以上のグループのプローブ分子を含み、それぞれのグループのプローブ分子が、前記標的RNAにおける異なる標的領域を標的にし、前記標的領域が、前記標的RNAの全長にわたって分布する、
xi)前記キットにおいて含まれる前記プローブ分子が、任意選択で修飾されたDNA分子である;
xii)前記抗ハイブリッド結合剤が、RNA/DNAハイブリッドに対して特異的な抗ハイブリッド抗体である;
xiii)あるグループのプローブ分子が、2〜10、3〜8、もしくは4〜6のプローブ分子を含む;ならびに/または
xiv)前記キットが、複数の標的RNAを枯渇させるために1つ以上のグループのプローブ分子および/もしくはプローブセットを含む、
との特徴のうち1つ以上を有する、項目18に記載のキット。
(項目20)
i)標的RNAとして少なくとも1つのタイプのrRNAを枯渇させる;ならびに/または
ii)28S rRNA、18S rRNA、5.8S rRNA、5S rRNA、ミトコンドリア12S rRNA、およびミトコンドリア16S rRNAから選択される、少なくとも1つのタイプのrRNAを枯渇させる、好ましくは、前記rRNAタイプのうち、少なくとも3つ、より好ましくは少なくとも4つ、最も好ましくはすべてを枯渇させる;ならびに/または
iii)28S rRNA、18S rRNA、5.8S rRNA、5S rRNA、ミトコンドリア12S rRNA、およびミトコンドリア16S rRNAのうち、3つ以上、好ましくは4つ以上、最も好ましくはすべてを枯渇させる
ための、1つ以上のグループのプローブ分子ならびに/または1つ以上のプローブセットを含む、項目18または19に記載のキット。
(項目21)
aa)28S rRNAプローブセットであって、以下:
i)前記28Sプローブセットにおいて含まれるプローブ分子の長さが、50nt以下、好ましくは35nt以下、またはより好ましくは30nt以下である;
ii)前記28S rRNAプローブセットにおいて含まれるプローブ分子の少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、少なくとも4つ、少なくとも6つ、最も好ましくはすべてのグループが、2つ以上の連続したプローブ分子を含む;
iii)前記28S rRNAプローブセットにおいて含まれる、少なくとも75%、少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、もしくは最も好ましくは少なくとも95%のプローブ分子が、それらのグループメンバーに対して連続している;および/または
iv)前記28S rRNAプローブセットが、前記28S rRNAプローブセットについて表1において示されるプローブ分子のグループの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、少なくとも4つ、少なくとも6つ、より好ましくは少なくとも8つ、少なくとも10を含み、そして最も好ましくはすべてを含む
との特徴のうち、1つ以上、好ましくはすべてを有する28S rRNAプローブセット、ならびに/または
bb)18S rRNAプローブセットであって、以下:
i)前記18Sプローブセットにおいて含まれるプローブ分子の長さが、50nt以下、好ましくは35nt以下、またはより好ましくは30nt以下である;および/または
ii)前記18S rRNAプローブセットにおいて含まれるプローブ分子の少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも3つ、少なくとも4つ、そして最も好ましくはすべてのグループが、2つ以上の連続したプローブ分子を含む;
iii)前記18S rRNAプローブセットにおいて含まれる、少なくとも75%、少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%のプローブ分子が、それらのグループメンバーに対して連続している;および/または
iv)前記18S rRNAプローブセットが、前記18S rRNAプローブセットについて表1において示されるプローブ分子のグループの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも3つ、少なくとも4つ、そして最も好ましくはすべてを含む;
との特徴のうち、1つ以上、好ましくはすべてを有する18S rRNAプローブセット、ならびに/または
cc)5.8S rRNAを枯渇させるための少なくとも1つのグループのプローブ分子であって、以下:
i)前記プローブ分子が、50nt以下、好ましくは35nt以下、より好ましくは30nt以下の長さを有する;および/または
ii)前記プローブ分子の少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ、より好ましくはすべてが、連続したプローブ分子である;および/または
iii)前記5.8S rRNAグループが、5.8S rRNAについて表1において示される1つ以上のプローブ分子を含む;
との特徴のうち、1つ以上、好ましくはすべてを有する少なくとも1つのグループのプローブ分子、ならびに/または
dd)5S rRNAを枯渇させるための少なくとも1つのグループのプローブ分子であって、以下:
i)前記プローブ分子が、50nt以下、好ましくは35nt以下、より好ましくは30nt以下の長さを有する;および/または
ii)前記プローブ分子の少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ、より好ましくはすべてが、連続したプローブ分子である;および/または
iii)前記5S rRNAグループが、5S rRNAについて表1において示される1つ以上のプローブ分子を含む;
との特徴のうち、1つ以上、好ましくはすべてを有する少なくとも1つのグループのプローブ分子、ならびに/または
ee)ミトコンドリア12S rRNAプローブセットであって、以下:
i)前記12SミトコンドリアrRNAプローブセットにおいて含まれるプローブ分子の長さが、50nt以下、好ましくは35nt以下、またはより好ましくは30nt以下である;および/または
ii)前記12SミトコンドリアrRNAプローブセットにおいて含まれるプローブ分子の少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、最も好ましくはすべてのグループが、2つ以上の連続したプローブ分子を含む;および/または
iii)前記12SミトコンドリアrRNAプローブセットにおいて含まれる、少なくとも75%、少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%のプローブ分子が、それらのグループメンバーに対して連続している;
との特徴のうち、1つ以上、好ましくはすべてを有する、ミトコンドリア12S rRNAプローブセット、ならびに/または
ff)ミトコンドリア16S rRNAプローブセットであって、以下:
i)前記16SミトコンドリアrRNAプローブセットにおいて含まれるプローブ分子の長さが、50nt以下、好ましくは35nt以下、またはより好ましくは30nt以下である;および/または
ii)前記16SミトコンドリアrRNAプローブセットにおいて含まれるプローブ分子の少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、最も好ましくはすべてのグループが、2つ以上の連続したプローブ分子を含む;および/または
iii)前記16SミトコンドリアrRNAプローブセットにおいて含まれる、少なくとも75%、少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%のプローブ分子が、それらのグループメンバーに対して連続している;
との特徴のうち、1つ以上、好ましくはすべてを有する、ミトコンドリア16S rRNAプローブセット、ならびに/または
gg)aa)において定められる28S rRNAプローブセットおよびbb)において定められる18S rRNAプローブセットならびに任意選択でさらに、cc)において定められる5.8S rRNAグループ、dd)において定められる5S rRNAグループ、ee)において定められる12SミトコンドリアrRNAプローブセット、およびff)において定められる16SミトコンドリアrRNAプローブセットを含む、
を含む、項目18〜20の一項以上に記載のキット。
(項目22)
大量のタンパク質コードmRNA、tRNA、snoRNA、snRNA、および色素体rRNAから選択される標的RNAを枯渇させるための1つ以上のグループもしくはプローブ分子および/または1つ以上のプローブセットを含む、項目18〜21の一項以上に記載のキット。
(項目23)
前記大量のタンパク質コードmRNAが、グロビンRNAである、項目22に記載のキット。
(項目24)
前記抗ハイブリッド結合剤が、抗ハイブリッド抗体、好ましくはRNA/DNAハイブリッドに対して特異的な抗ハイブリッド抗体である、項目18〜23の一項以上に記載のキット。
(項目25)
前記抗ハイブリッド結合剤が、固体支持体上に固定される、項目18〜24の一項以上、特に項目24に記載のキット。
(項目26)
前記抗ハイブリッド結合剤が、固体支持体上に固定されず、そして前記キットが、前記抗ハイブリッド結合剤に結合することができる第2の結合剤を含み、前記第2の結合剤が、固体支持体上に固定される、項目18〜25の一項以上に記載のキット。
(項目27)
前記キットが、ハイブリダイゼーション溶液を含む、項目18〜26の一項以上に記載のキット。
(項目28)
あるグループのプローブ分子が、2〜10、3〜8、または4〜6のプローブ分子を含む、項目18〜27の一項以上に記載のキット。
図1は、次世代配列決定の適用のための標的RNA枯渇化RNA組成物を調製するための、ハイブリッド捕捉と組み合わせた短いプローブのグループの使用に基づく本発明による方法、および長いタグ付きプローブ分子を使用する直接的な捕捉方法を使用する先行技術の方法の間の差異を示す図である。左手側に、本発明による方法を示す。右手側の方法は、先行技術に相当する。 ステップAにおいて、プローブ分子は、標的RNAにハイブリダイズする。図1、左側に示される本発明による方法において、2つのグループのプローブ分子を含むプローブセットが使用される。それぞれのグループは、同じ標的RNA内の異なる標的領域を標的にする。それぞれのグループは、3つの短い連続した一本鎖DNAプローブ分子を含む。それらの標的領域に対してハイブリダイズした場合、より長い二本鎖ハイブリッドが、グループにおいて含まれる連続したプローブ分子の配列特異的なアニーリングにより形成される。グループにおいて含まれるすべてのプローブ分子が連続している、示される実施形態において、二本鎖ハイブリッドが形成され、ヌクレオチドギャップは、個々のグループのプローブ分子の間に存在しない。しかしながら、ホスホジエステル結合は、隣接したプローブ分子の連続したヌクレオチドの間に存在しない。それぞれのニックを図1に示す。連続した設計は、上記に説明したように、連続したプローブ分子の間のスタッキング効果により、形成された二本鎖ハイブリッドを安定化する。非標的RNAに対してミスマッチ(Xによって示す)により非特異的に結合した単一のプローブ分子もまた示す。しかしながら、短いプローブ分子が使用されるので、短い分子のアニーリング温度が、通常、ミスマッチの場合に、安定したハイブリッドを生成するのに低すぎるので、非標的RNAに対する単一のプローブ分子の非特異的な結合イベントは、安定したハイブリッドをもたらさない。したがって、非特異的に結合した短いプローブ分子は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件を使用することによって除去することができる。ビオチンによってタグ付けされる、より長いプローブを使用する先行技術の方法において(右手側)、ミスマッチがより長いプローブ長により、より許容されるので、より多くの安定したハイブリッドが非標的RNAにより形成される。したがって、既にプローブハイブリダイゼーションのレベルで、本発明による方法は、短いプローブ分子が使用されるので、先行技術方法と比較して、有意により特異的である。 ステップBにおいて、本発明による方法は、プローブ分子および標的RNAの間で形成される二本鎖ハイブリッドを捕捉するために、抗ハイブリッド結合剤、ここでは抗ハイブリッド抗体(Yによって示す)を使用する。抗ハイブリッド抗体が結合するエピトープのおよそのサイズは、通常、およそ20ntの範囲にある。一般に、RNA/DNAハイブリッドが長いほど、抗ハイブリッド抗体の結合効率はより良好となり、したがって、標的RNAの捕捉、したがって枯渇がより効率的となる。さらに、抗ハイブリッド抗体は、ミスマッチを許容しないまたはわずかなミスマッチしか許容しない。形成される二本鎖ハイブリッドがより完全なほど、抗ハイブリッド抗体の結合効率はより良好となる。標的RNAおよびグループのプローブ分子の間で形成されるより長い完全なハイブリッドは、万一、単一のプローブが非標的RNAに対してミスマッチによりハイブリダイズしても、形成される短いハイブリッドよりもよく認識される。したがって、特異性は、実行されるハイブリッド捕捉ステップによりさらに増加する。先行技術の方法は、そのような中間の選択ステップを含まず、したがって、先行技術において、特異性は、プローブからのみ生じる。さらに、プローブ分子のグループが、標的RNA内の特異的な標的領域を標的にするために使用され、前記標的領域が、好ましくは100nt〜250ntの長さを有するので、より多くの抗ハイブリッド抗体が、好ましくは100nt〜250ntの対応する長さを有する、結果として生じる二本鎖ハイブリッドに結合することができる。これは、除去効率を増加させる。 ステップCにおいて、形成されたハイブリッド/結合剤複合体は、標的RNAを除去するために分離される。図1において示される本発明の実施形態において、プロテインGにより官能性をもたせたビーズ(G−B)が使用され、これは、抗ハイブリッド抗体に結合し、したがって、形成されたハイブリッド/結合剤複合体に結合し、したがって捕捉する。しかしながら、非標的RNAに対する単一のプローブ分子の非特異的な結合により形成され得、したがって、上記に説明される理由で抗ハイブリッド抗体が結合しない二本鎖ハイブリッドは、捕捉されず、したがって、ステップCにおいて残りのサンプルから分離されない。そのため、本発明による方法により、非特異的に形成された二本鎖ハイブリッドは、ステップCにおいて除去されず、したがって、枯渇されない。したがって、本発明により得られた結果として生じる標的RNA枯渇化組成物は、望ましいRNAタイプの多様性を保持する、たとえば、望まれない標的RNAとしてrRNAを枯渇させる場合、とりわけ、ポリA mRNA、アデニル化されていないmRNA、非コードRNA、および調節RNAを保存する。さらに、先行技術において使用されるアフィニティータグアプローチと異なり、ハイブリダイズしたプローブのみが、抗ハイブリッド抗体によって認識され、したがって、本発明によって捕捉されるであろう。これは、非常に高度な枯渇効率および速い反応時間を導く。しかしながら、ストレプトアビジンにより官能性をもたせたビーズ(S−B)が使用される先行技術の方法において、非特異的に生成されたハイブリッドもまた、それらもまた、分離のために使用されるアフィニティータグ、ここではビオチンによりマークされるので、枯渇される。本発明による方法の素晴らしい効率および優れた特異性はまた、続く実施例においても示される。そこに示されるように、たとえ、本発明の方法が、たとえばrRNAなどのような標的RNAを除去することに非常に効率的であっても、かなり少ない望ましいRNAしか非特異的に枯渇されず、それによって、他の偏りがないRNA種を保持する。 図2は、25nt(青線)または50nt(赤線)の長さを有するプローブ分子を使用して本発明による方法によって得られた18S枯渇化RNA組成物で得られたAgilent(登録商標)データを示す図である(実施例IIを参照されたい)。a)18Sおよび28S rRNAの両方のピークを示すコントロールRNA(枯渇なし);b)250μl 1% hc(ハイブリッド捕捉)ビーズにより得られた結果。C)500μl 1% hcビーズにより得られた結果。 図2は、25nt(青線)または50nt(赤線)の長さを有するプローブ分子を使用して本発明による方法によって得られた18S枯渇化RNA組成物で得られたAgilent(登録商標)データを示す図である(実施例IIを参照されたい)。a)18Sおよび28S rRNAの両方のピークを示すコントロールRNA(枯渇なし);b)250μl 1% hc(ハイブリッド捕捉)ビーズにより得られた結果。C)500μl 1% hcビーズにより得られた結果。 図3は、本発明による方法を使用する、18S RNA枯渇のRT−PCR結果を示す図である。18S rRNAは、形成されたハイブリッド/結合剤複合体の除去を改善する、増加性のビーズ量により有意に枯渇される。もとの18S rRNAの0.5%未満しか、18S rRNA枯渇化サンプル中に残らなかった(実施例IIを参照されたい)。 図4は、ハイブリッド捕捉手順によって影響されず、方法の特異性を実証する、28S rRNAについての対応するPCR結果を示す図である(実施例IIを参照されたい)。 図5は、2つの配列決定試行の結果を示す図である(実施例VIIを参照されたい)。第1の配列決定試行において、Ribo−Zero(Epicenter)、RiboMinus(Invitrogen)、a)抗体が磁気ビーズに対して共有結合される実施形態(本発明A)ならびにb)遊離抗ハイブリッド抗体およびプロテインGビーズを捕捉のために使用した実施形態(本発明B)を使用する本発明による方法、ならびにポリA濃縮を比較し、図5a)は、得られたバイオタイプ分布を示す。分かるように、本発明による方法は、先行技術のrRNA枯渇方法と比較して、タンパク質をコードするmRNAを最も良く保存する。さらに、導入される偏りはより少なく、RNAサンプルの天然の多様性が保存される。図5b)は、第2の配列決定試行からの結果を示す。ここで、RiboMinusは、第1の配列決定試行の結果が性能が低かったことを示したので、再試験しなかった。代替的に、2つの異なるRibo−Zeroキットを試験し(Ribo−ZeroおよびRibo−Zero Gold)、本発明による方法の実施形態と比較した。ここで、遊離抗ハイブリッド抗体およびプロテインGにより官能性をもたせたビーズを捕捉のために使用し、一実施形態において、磁石を分離のために使用し、他の実施形態において、スピンフィルターを使用した。さらに、ポリA濃縮は、コントロールとして果たした。 図6は、枯渇方法の特異性を決定するために、ポリA濃縮方法から結果として生じるものと比較した、それぞれの枯渇方法(本発明、2つの先行技術の方法)の配列決定の後に、タンパク質をコードする遺伝子上にマップしたリードの数を示す図である(実施例VIIIを参照されたい)。薄い灰色のドットは、ポリAに基づく濃縮において失われる、ポリAテイルを有しないmRNA種(たとえばヒストン)由来のリードを示す。結果は、先行技術のrRNA枯渇方法と比較して、1に近い有意により高度なR値(0.86)が先行技術の方法(0.31および0.27)と比較して達成されたので、本発明による方法が、もとのサンプルにおいて存在するmRNAのプロファイルを保存することを実証する。 図6は、枯渇方法の特異性を決定するために、ポリA濃縮方法から結果として生じるものと比較した、それぞれの枯渇方法(本発明、2つの先行技術の方法)の配列決定の後に、タンパク質をコードする遺伝子上にマップしたリードの数を示す図である(実施例VIIIを参照されたい)。薄い灰色のドットは、ポリAに基づく濃縮において失われる、ポリAテイルを有しないmRNA種(たとえばヒストン)由来のリードを示す。結果は、先行技術のrRNA枯渇方法と比較して、1に近い有意により高度なR値(0.86)が先行技術の方法(0.31および0.27)と比較して達成されたので、本発明による方法が、もとのサンプルにおいて存在するmRNAのプロファイルを保存することを実証する。 図6は、枯渇方法の特異性を決定するために、ポリA濃縮方法から結果として生じるものと比較した、それぞれの枯渇方法(本発明、2つの先行技術の方法)の配列決定の後に、タンパク質をコードする遺伝子上にマップしたリードの数を示す図である(実施例VIIIを参照されたい)。薄い灰色のドットは、ポリAに基づく濃縮において失われる、ポリAテイルを有しないmRNA種(たとえばヒストン)由来のリードを示す。結果は、先行技術のrRNA枯渇方法と比較して、1に近い有意により高度なR値(0.86)が先行技術の方法(0.31および0.27)と比較して達成されたので、本発明による方法が、もとのサンプルにおいて存在するmRNAのプロファイルを保存することを実証する。 図7は、タンパク質をコードする遺伝子のより好適なレプリゼンテーションについてのrRNA枯渇の特異性を示す図である(実施例VIIIを参照されたい)。本発明による方法(右のカラムを参照されたい)または先行技術の枯渇方法(RZ=RiboZero、左のカラムを参照されたい;RM=RiboMinus、中央のカラムを参照されたい)を使用するrRNAの枯渇後にサンプルにおいて存在するタンパク質をコードする遺伝子の数を、ポリA濃縮と比較した。両方とも、枯渇された遺伝子の数および枯渇の大きさは、本発明で有意により低い。 図8は、本発明による方法が、枯渇性能を保存しながら、10ナノグラムほどのわずかな量で存在する全RNAから標的RNAを枯渇させることを可能にすることを示す図である(実施例Xを参照されたい)。等価な性能は、枯渇対ポジティブコントロールのデルタCtによって測定された本発明による方法により見られる。枯渇されるべきでないRNA(ここではベータアクチン)は、低濃度においてさえ保持される。 図9は、12/13ntの長さを有するプローブ分子により得られた結果を示す図である(実施例XIを参照されたい)。図9は、互いに隣接するプローブ分子を配置する場合、特に、より多くのプローブ分子が使用される場合、枯渇結果が改善されることを実証する。結果は、隣接の増加について先に説明した有益性を確認し、より多くのプローブの使用もまたより有益であることを示す。 図10は、様々なレベルの連続性での、b−アクチンに対する特異性を示す図である(実施例XIIを参照されたい)。
実施例
I.材料および方法
1. 5S、5.8S、18S、28Sに対するDNAオリゴヌクレオチドプローブ
プローブは、ヒト、マウス、およびラットリボソームRNAについての参照配列を採用し、ClustalW2(http://www.ebi.ac.uk/Tools/msa/clustalw2/)においてそれらをアライメントすることによって設計した。結果として生じるファイルを、3つの種の間で100%相同性な領域について分析し、プローブを適宜設計した。ヒト、マウス、およびラットを主な設計基準として使用するが、これらのプローブは、種々様々の他の種におけるrRNAに対して相同性が高く、最も高度な相同性は他の哺乳動物の間で生じるが、有意な相同性はまた、すべての真核生物においても見つけられる。したがって、グループのプローブ分子およびプローブセットは、ここで実証されるよりもより多くの種について同時に設計することができる。植物、細菌、および他の生物はすべて、等しく有効であろう、設計された特異的なプローブセットを有することができる。プローブはまた、枯渇が関心のある、任意の特異的な核酸配列、たとえばグロビンRNA(たとえば全血調製物において)について設計することもできる。ミトコンドリアおよび色素体rRNAは、同じ手段で枯渇させることができる。
プローブ設計についての第1の考慮は、連続した(「スタックした」)プローブ分子を含むグループを提供することであった。あるグループのプローブ分子によって標的にされる標的領域は、合計およそ100〜150ntのサイズを有した。より長いrRNA(18S、28S)について、それぞれのグループが、標的RNA内の様々な標的領域を標的にする、複数のグループのプローブ分子を含んだプローブセットを調製した。標的領域は、断片化されたおよびインタクトなrRNAの効率的な除去を可能にするために、標的リボソームRNAが可能な限り均等にカバーされるように間隔を置いた。プローブ設計についての第2の考慮は、GC(40〜60%が好ましい)についてであった。10nt〜50ntの長さを有するプローブを、実施例において設計し、試験した。25ntの長さが、より小さなプローブ長(特異性を増加させ、その後、より少ない干渉を確実にするため)および枯渇性能(より長いプローブはわずかにより効率的である)の間の妥協点として好ましかった。この組み合わせは、特に、本明細書において記載される連続したプローブ設計が使用される場合、高度な特異性を確実にしながら、非常に高度な枯渇性能を確実にする。これは、特に、本明細書において記載される理由で、抗ハイブリッド抗体を使用する場合、達成される。
使用した25塩基長を表1に示す。標的RNAにおける標的領域を標的にするグループのプローブ分子を示す。プローブ名は、標的RNA(たとえば5S rRNA)、種(HMR=ヒト、マウス、ラット)、標的rRNA上のヌクレオチド位置(たとえば2)、およびプローブ長(25)の情報を提供する。分かるように、短いRNA(5S RNAおよび5.8S RNA)を枯渇させるために、1つのグループのプローブ分子を標的RNAごとに使用した。5S RNAを標的にするためにグループにおいて含まれる4つのプローブ分子はすべて連続している。5.8S RNAを標的にするグループにおいて含まれる第1および第2ならびに第3および第4のプローブ分子は連続しているが、3ntのギャップが第2および第3のプローブ分子を隔てている。18S RNAを標的にするために、5つのグループのプローブ分子からなるプローブセットを使用し、それぞれのグループは6つのプローブ分子を含む。すべてのグループのプローブ分子は、第1のグループを除いて連続したが、1ntのギャップが、第2のプローブ分子から第1のプローブ分子を隔てている。したがって、18S rRNAプローブセットにおいて含まれる95%を超えるプローブ分子は、それらのグループメンバーに対して連続した。長い28S rRNAを枯渇させるために、13のグループのプローブ分子を含むプローブセットを使用した。分かるように、グループIIIを除いて、グループのすべてのプローブ分子が連続している、グループのプローブ分子を使用した。グループIIIにおいて、隣接したプローブ分子を使用した。しかしながら、標的領域に対してハイブリダイズし、それによって二本鎖ハイブリッドを形成する場合、20nt以下のギャップが、プローブ分子の間に存在した。
2.抗ハイブリッド抗体および磁気ビーズ
抗ハイブリッド抗体により官能性をもたせた磁気ビーズ(hcビーズ)として、カルボキシル化ビーズにカップリングされた抗ハイブリッド抗体の1%固体溶液を使用した。代替的に、抗ハイブリッド抗体を溶液において遊離して使用し、次いで、抗体に対する親和性を有する結合剤、実施例において、BioMag Protein Gビーズなどのような、プロテインGにより官能性をもたせた磁気ビーズによって捕捉した。
3.ハイブリダイゼーションバッファー
20×SSCをハイブリダイゼーションのために追加した。10μl 20×SSCを100μl組成物に対して追加し、それによって、2×SSCハイブリダイゼーション溶液にした。ハイブリダイゼーション溶液は、RNアーゼ阻害剤、ここでは抗RNアーゼ抗体を含んだ。
4.プロトコール
マニュアルのプロトコールは、特に指定のない限り、精製全RNAサンプルから出発して、以下のように実行した。
捕捉のために「遊離」抗ハイブリッド抗体およびプロテインGにカップリングされたビーズを使用する場合、プロテインGビーズは、hcビーズについて記載されるように調製し、抗ハイブリッド抗体は、ステップ2においてハイブリダイゼーション混合物に対して追加する。上記に議論されるように、短いRNAの変性は、抗ハイブリッド抗体の機能を損ねない。
標的RNA枯渇化サンプルは、直ちに、アッセイすることができるもしくはさらに処理することができる(たとえばRT−qPCR、配列決定ライブラリーの調製によって)、またはそれは、たとえば過剰なプローブ、バッファー構成成分などを除去するためにアッセイ前に精製することができる。シリカカラム、ゲル電気泳動、エタノール沈殿、およびその他同種のものを含む複数の精製および濃縮方法が、可能である。
II.標的プローブおよびハイブリッド捕捉による18S rRNAの除去
この実施例は、原理の証拠を実証するために実行した。それは、本発明による方法が標的にされたリボソームRNAの非常に効率的で特異的な除去を可能にすることを示す。ヒト、マウス、およびラット18SリボソームRNA配列から設計したDNAプローブ分子を使用した。6×50塩基長(赤線)または12×25塩基長(青線)を、標的RNAとして18S RNAを標的にするために使用し、プローブは、それぞれ100ntの3つのグループで配置し、18S配列にわたって均等に分布した。グループのプローブ分子を全RNAと接触させ、18S標的RNAに対するプローブ分子のハイブリダイゼーションを可能にした。それらの表面上に抗ハイブリッド抗体を持つ様々な量の磁性粒子(hcビーズ)を、形成されたRNA/DNAハイブリッドを捕捉するために使用した。形成されたハイブリッド/結合剤複合体が結合した磁性粒子を、磁場を適用することによって収集し、残りのサンプルから分離し、18S rRNA枯渇化RNA組成物がもたらされ、これを次いで分析した。
図2は、異なるプロトコールによって調製した18S枯渇化RNA組成物により得られたAgilent(登録商標)データを示す。図a)は、コントロールRNA(枯渇なし)の結果を示し、したがって、18Sおよび28SリボソームRNAの両方のピークを有する。図b)は、250μl 1% hcビーズにより得られた結果を示す。小さな18Sピークは、25塩基長プローブ分子を含むグループでのみ識別可能である(青線)。図c)は、500μl 1% hcビーズにより得られた結果を示す。18Sピークは、両方のプローブミックスにおいてなくなっている。重要なことには、28Sピークのサイズは、本発明による方法によって影響されず、これは、隣接したプローブ分子のグループを使用する本発明のハイブリッド捕捉手順の特異性を実証する。図3は、枯渇についてのPCR調査結果を示す。18Sおよび28SリボソームRNAの相対的な枯渇を、RotorGene−QサイクラーでQuantiFast試薬(QIAGEN(登録商標))を使用して、RT−PCRにより調査した。それは、18S rRNAが、ビーズ量の増加と共により有意に枯渇されることを示す。使用した試験環境の最善の場合で、7.88のデルタCtが観察され、200×よりも大きな枯渇を示し、これは、もとの18S rRNAの0.5%未満しかサンプル中に残らなかったことを意味する。したがって、たとえ、わずか3つのグループのプローブ分子しか含まないプローブセットを18S RNAを標的にするために使用したとしても、本発明による方法は、非常に効率的である。続く実施例によって示されるように、プローブセットにおいて含まれるプローブ分子のグループの数を増加させることは、枯渇効率をさらに増加させることを可能にする。図4は、28S rRNAがハイブリッド捕捉手順によって影響されないことを示し、本発明による方法の特異性を実証する。
本明細書において記載されるように、25塩基長など35nt以下または30nt以下の長さを有する、より短いプローブを使用することは、特異性が改善されるので、より長いプローブ長を使用することにまさって、さらに、50ntの長さを有するプローブを使用することにまさって有利である。クロスハイブリダイゼーションにより非標的RNAを捕捉する危険性は、プローブ長と共に増加する。本明細書において記載されるより短い連続したプローブの使用は、個々の短いプローブのものが抗ハイブリッド抗体による効率的な認識には短すぎるので、有利である。たとえば、2つの短いプローブが同じ場所にクロスハイブリダイズすることは全くありそうにない。
III.5μgの全RNAからの18S、28S、5S、および5.8S rRNAの除去
この実施例において、本発明による方法を先行技術の方法(RiboMinus(Invitrogen))と比較した。全RNAを出発物質として使用し、5S、5.8S、18S、および28S rRNAを両方の方法を使用して同時に枯渇させた。2つの方法によって得た標的rRNA枯渇化RNA組成物を、qPCRによって分析し、同じ方法に従って処理したポジティブコントロールと比較して定量化した。
表2は、本発明の方法またはRNA枯渇方法RiboMinus(Invitrogen)による精製の後に残るそれぞれのリボソームRNA種の除去%を示す。本発明による方法は、特により大きなリボソームRNAについて、効率に関して先行技術の方法RiboMinus(Invitrogen)より優れている。
さらに、ハイブリダイゼーション条件を最適化し、28S rRNAに対するプローブセットにおいてより多くのグループのプローブ分子を使用することによって、改善された結果が得られ、枯渇効率は、さらに、28S rRNAに関して99.97%以上であった(下記を参照されたい)。
IV.分解されたRNAからのrRNAの除去
標的RNAの一般的な例として分解されたrRNAを除去するための本発明による方法の効率を試験するために、RNAを30分間にわたって80℃で分解した。rRNAは、本発明による方法を使用して、0分、10分、20分、および30分でそれぞれのRNA含有組成物から枯渇させた。表3は、それぞれの時点についてコントロールに対して正規化した、rRNA枯渇化RNAのPCR分析によって得られた結果を示す。インキュベーション時間が長いほど、減少しているRNAの完全性についての数値(RNA integrity number)(RIN)から導き出すことができるようにRNA分解が高度になる。高度に分解されたRNAサンプル(RIN 3.7)の場合でさえ、97%を上回る枯渇効率が長い28S RNAに対してでさえ達成された。これは、本発明による方法がまた、分解され、したがって断片化されたRNAの場合にも、非常に効率的であることを実証する。
V.ハイブリッド捕捉によるrRNA枯渇の自動化
標的RNA枯渇の後に、クリーンアップステップをライブラリー構築前に実行することができる。それによって、非結合プローブ分子を除去することができる。QIAcubeで容易に自動化することができる方法であるRNeasy MinEluteは、この目的のために使用することができる。さらに、本発明のハイブリッド捕捉方法もまた、自動化に非常に適しており、2つの温度でのインキュベーション(一方は好ましくは振盪させながら)および捕捉された複合体の分離を必要とするだけである。これらのステップもまた、自動化することができる。一実施形態によれば、ハイブリダイゼーション混合物が、調製されてもよく、RNA組成物を、70℃でオフラインで変性させることができる。次いで、それぞれ調製されたサンプルは、QIAcube上のヒーター/振盪機に移動され、ここで、ビーズが追加され、ハイブリダイゼーションおよび捕捉が行われる。次いで、反応物を中央のQIAcube位置のスピンカラムへ移し、これにより、ビーズをろ過し、それによってハイブリッド/結合剤複合体を除去する。除去されるrRNAを有するフィルタースピンを廃棄し、rRNA枯渇化RNA組成物を含むフロースルーを、QIAcubeでRNeasy Mineluteプロセスによって直接処理する。QIAcubeで処理した後に得られたCt値を、様々なフィルター材料で分析した。QIAcube機で処理されたサンプルはすべて、手作業で処理されたサンプルと性能において等価であり、磁気ビーズは、磁場を使用することによって除去し、関連するポジティブコントロールよりも10〜12サイクル好適であった(99.9%よりも大きな枯渇と等しい)。ベータアクチンは、特異性コントロールとして果たした。
VI.本発明による方法を使用する5μgの全RNAからの18S、28S、5S、5.8S、12S mt、および16S mt rRNAの除去
枯渇を上記に記載されるように実行したが、12Sミトコンドリア(mt)rRNAおよび16Sミトコンドリア(mt)rRNAを枯渇させるためのプローブもまた含んだ。表4は、本明細書において記載される方法を使用して標的RNAとして同時に枯渇させたリボソームRNAのそれぞれについて、本発明により達成されたデルタCt値および対応する除去%を示す。5S、5.8S、18S、および28Sを枯渇させるために、材料において記載されるようなグループおよびプローブセット(表1を参照されたい)を使用し、さらに、対応して設計されたプローブセットを、12Sおよび16SミトコンドリアrRNAを枯渇させるために使用した。測定はqPCRによって実行した。
また分かるように、本発明による方法は、すべての標的RNAの非常に効率的な枯渇を可能にする。
VII.本発明による方法または先行技術のrRNA枯渇方法を使用する5μgの全RNAからの18S、28S、5S、および5.8S rRNAの除去
rRNAを、様々な先行技術の方法および本発明の方法を使用して全RNAサンプルから枯渇させた。全RNAを出発物質として使用し、5S、5.8S、18S、および28S rRNAをすべての方法により枯渇させた。さらに、12Sおよび16SミトコンドリアrRNAは、本発明によるプローブ設計を使用して枯渇させた。先行技術の方法として、ポリA濃縮、Ribo−Zero(Epicentre)、およびRibo−Minus(Invitrogen)を、メーカーの指示に従って使用した。ミトコンドリアrRNAもまた、第2の実験において使用したRibo−Zero Goldキットを使用して枯渇させる。
本発明による方法は、抗ハイブリッド抗体が磁気ビーズに対して共有結合される実施形態(本発明A)ならびに遊離抗ハイブリッド抗体およびプロテインGビーズを捕捉のために使用した実施形態(本発明B)を使用して、第1の配列決定の試行において実行した。枯渇後に、RNAの残りをMiSeqでのNGS試行によって分析し、タンパク質コードRNA、rRNA、mt−rRNA、scRNA、miRNA、および他に分類した(図5a−第1の配列決定からの結果を参照されたい)。RNA決定は、Ensembl遺伝子データベースおよびBowtie 2マッピングを使用して行った。第2の配列決定試行において、RiboMinusは、第1の配列決定試行の結果について性能が低かったことを示したので、再試験しなかった。その代わりに、2つの異なるRibo−Zeroキットを試験し(Ribo−ZeroおよびRibo−Zero Gold)、本発明による方法の実施形態と比較した。ここで、遊離抗ハイブリッド抗体およびプロテインGにより官能性をもたせたビーズを捕捉のために使用し、一実施形態において、磁石を分離のために使用し、他の実施形態において、スピンフィルターを使用した。配列決定およびRNA分類は、snRNAをさらなるカテゴリーとして、記載されるように行った(図5b−第2の配列決定からの結果を参照されたい)。
図5a)によって示されるように、rRNA含有量は、本発明により2%以下となり、ポリA濃縮およびRibo−Zeroもまた、rRNAの良好な除去を示す。対照的に、rRNA含有量は、先行技術の方法RiboMinusにより28%となる。さらに、ミトコンドリアrRNAは、RiboMinusおよびRibo−Zeroによりなお存在するが、それは、本発明による方法を使用する場合、枯渇される。さらに、一般的なトランスクリプトーム分析においてそれほど関心のないものでもあるscRNA(7SL、Alu)は、Ribo−Zeroにより強く濃縮され、それによって、RNAタイプの自然分布を歪める。さらに、分かるように、ポリA RNAの濃縮の代わりとなるrRNAの枯渇に基づく方法(本発明、RiboZero、RiboMinus)は、ポリA濃縮よりも、関心のあるより多くの非コードRNA種(ポリAテイルを含まない)を保存する。結果は、図5b)によって示される第2の配列決定試行において確認した。本発明による方法は、関心のある複数のRNAタイプの自然分布を最も良く保存するが、望まれない標的RNAを効率的に枯渇させる。そのため、本発明は、改善された枯渇方法を提供することによって有意に貢献する。
VIII.得られた枯渇ライブラリーにおける偏りの分析
上記に議論されるように、ハイブリダイゼーションによる枯渇が実行される場合、望ましいRNAの非特異的枯渇は、危険である。本発明による方法および先行技術の枯渇方法の相対的な性能を測定するために、3つの枯渇方法すべてからのタンパク質をコードするリードを、ポリ(A)ライブラリーと比較した。枯渇の後に、サンプルをライブラリーにし、およそ100万リード/サンプルの深さ(depth)までIllumniaプラットフォームで配列決定した。タンパク質コード遺伝子に対応するリードを、サンプルにおいてmRNAの通常のレプリゼンテーション(representation)を示すと思われるポリA濃縮サンプルからなるライブラリーと比較した。結果はすべて、MiSeq実験からのものであった。遺伝子数を正規化し、散布図、それぞれのライブラリー対ポリ(A)としてプロットした。高度な一致は、タンパク質をコードする遺伝子のレプリゼンテーションが、ポリAライブラリーにおいて見られるものから外れていないことを示す。
図6から分かるように、本発明による方法(図6a)は、RiboMinus(図6b)およびRibo−Zero(図6c)と比較して、ポリA mRNAの自然のレプリゼンテーションを最も良く保存した。ライトグレーでマークする遺伝子は、アデニル化されていないmRNAであるヒストンである。それらは、枯渇ライブラリーにおいて濃縮されることが期待される。結果は、先行技術のrRNA枯渇方法と比較して、1に近い有意により高度なR値(0.86)が先行技術の方法(0.31および0.27)と比較して達成されたので、本発明による方法が、もとのサンプルにおいて存在するmRNAのプロファイルを保存することを実証する。rRNA枯渇方法による、情報価値のあるRNAの非特異的な枯渇は、rRNAプローブおよび他のmRNA配列の間の相互作用のために危険である。図7から分かるように、枯渇された遺伝子の数およびそれらが枯渇される倍数は、本発明による方法よりも、2つの先行技術方法において、有意に高度である。観察された最大の枯渇倍数は、10であり、先行技術の方法は、50までの枯渇倍数を示した。したがって、本発明による方法は、先行技術の方法と比較して、有意により少ない枯渇されたmRNAおよび枯渇の最大のレベルの減少を示す。そのため、本発明による方法は、非特異的なハイブリダイゼーション、したがって、タンパク質をコードする転写物の望まれない枯渇が、それほど生じないので、有意に改善された特異性を示す。これは、非特異的ハイブリダイゼーションが先行技術の方法よりも本発明で非常に低いことを示す。
すべてを考慮して、図6および7は、先行技術の枯渇方法が、特に非標的RNAの非特異的な除去によって、サンプルにおける、タンパク質をコードする遺伝子(ポリA)RNAのレプリゼンテーションを歪め得ることを示す。対照的に、本発明による方法は、ポリA濃縮とより優れた一致を示し、他のRNA種およびタンパク質をコードする遺伝子の天然のレプリゼンテーションを保存する。
IX.様々な長さおよび濃度を有するプローブセットを使用する5S rRNAおよびβ−アクチンmRNAの枯渇
RNAサンプルは、ハイブリッド捕捉抗体およびスタックした短いrRNAプローブのセットを使用してrRNAを枯渇させた。プローブは、プローブ当たり10、15、20、または25ヌクレオチドの長さを有し、100nm、1μM、または10μMの濃度で使用した。以下のグループを使用した:4×25塩基長、5×20塩基長、7×15塩基長、および10×10塩基長。rRNA枯渇後に、サンプルは、5S RNA(表5)およびβ−アクチンmRNA(表6)のリアルタイムPCR検出によって分析した。二連のアッセイから導き出した平均Ct値および標準偏差を、下記の表に示す。
ポジティブコントロールについての結果は、100nMおよび1μM試験環境について15.55+/−0.11であり、10μM試験環境について15.16+/−0.14であり、これは別々に実行した。表5は、捕捉するために使用した抗ハイブリッド抗体が、既に100nMで20および25塩基長の場合に5S rRNAを効率的に枯渇させることを示す。さらなる実験は、50nMのより低い濃度もまた、機能することを示した。15塩基長は、プローブ濃度を1μMまで増加させる場合に働くが、10塩基長は、10μMのプローブ濃度で適している。この実施例は、様々な長さのプローブ分子が適していることを実証する。
ポジティブコントロールについての結果は、100nMおよび1μM試験環境について24.10+/−0.43であり、10μM試験環境について22.10+/−0.82であり、これは別々に実行した。
β−アクチンmRNAは、サンプルからrRNAと一緒に同時に枯渇されなかった。したがって、本発明の方法は、mRNAの同時の枯渇を伴うことなく、rRNAの枯渇に対して特異的である。
X.低濃度のスタックした短いプローブはrRNAの特異的な枯渇に十分である
18Sおよび28S rRNAは、本発明による方法を使用して、様々な濃度(1μg、0.25μg、0.1μg、0.025μg、および0.01μg)で全RNAから枯渇させた。枯渇後に、サンプルは、18S rRNA、28S rRNA、およびβ−アクチンmRNAについてリアルタイムPCRによって分析する。ΔCt値は、サンプル対ポジティブコントロールの比を使用して計算する。
図8によって示されるように、rRNAは、非常に低い量の全RNAインプット材料(10ng)を使用する場合でさえ、効率的かつ特異的に枯渇させることができる。
XI.rRNA枯渇効率はプローブの連続性および数と共に増加する
rRNA枯渇に対するプローブ数およびプローブ連続性の効果を分析するために、標的rRNA内の300bpまたは600bpに対して互いに隣接してまたは隣接しないでアニールする短い12/13塩基長プローブを設計した。rRNA枯渇は、抗ハイブリッド抗体を使用して実行し、枯渇化サンプルは、18S rRNAの検出のために定量的リアルタイムPCRによって分析した。2つの隣接および4つの隣接の間の差異は、単一のまたはペアで隣接する25塩基長と似ている。8つの隣接は、四つ組の25塩基長に似ている。図8は、定量的RT−PCRの結果を示す。したがって、デルタCt値に頼るよりも、どれだけ残されたかを正確に定量化することができた。実験は、隣接したプローブを使用することによって達成することができる高度な連続性が、ハイブリッド捕捉戦略を使用するrRNA枯渇に対して有益であることを示す。さらに、隣接した結合プローブの数を増加させることもまた、rRNA枯渇のための効率を増加させる。
XII.抗ハイブリッド抗体および短いプローブを使用するrRNA枯渇効率
以下の実験は、抗ハイブリッド抗体が特異的であり、完全にマッチした配列でさえその短い領域を認識しないであろうということを示す。
下記の表は、18Sに対して特異的なプローブの様々なミックスの枯渇効率(太字)および抗体が20〜25ntサイズの領域を認識する必要性を示す。この実験において使用したプローブは、12または13塩基長とした。ミックス1およびミックス2は、同じ数のプローブを使用し、ミックス2は、連続したプローブ設計を有した。ミックス2のみがrRNAの除去に効率的である。これは、12〜13ntが連続した様式でハイブリダイズしない場合、抗体による認識に不十分であるが、2つの連続したプローブのハイブリダイゼーションによって得られた25ntは十分であることを示す。12〜13ntのマッチは、25塩基長のマッチよりも偶然生じる可能性がかなり高い。13塩基長のマッチは、ビオチン標識プローブを使用する場合、オフターゲットRNAをプルダウンする(pull down)のに十分になり得るが、抗ハイブリッド抗体を使用する場合、十分ではない。
図10は、サンプルを上記の表において示されるミックスにより処理した場合のベータアクチンに対する効果を示す。条件の間に差異はなく、rRNA除去の効率の増加と共に、非標的RNAに対する効果はないことを示す。これもまた、達成される特異性を実証する。

Claims (29)

  1. 初期RNA含有組成物から標的RNA枯渇化組成物を調製する方法であって、前記方法は、以下:
    a)1つ以上のグループのプローブ分子と前記初期RNA含有組成物を接触させ、そして前記標的RNAおよび前記プローブ分子の間で二本鎖ハイブリッドを生成するステップであって、ここで、あるグループのプローブ分子が、以下:
    i)前記グループが、35nt以下の長さを有する2つ以上の異なるプローブ分子を含む;
    ii)前記グループにおいて含まれる前記プローブ分子が、標的RNAの標的領域に対して相補的である;
    iii)前記標的領域に対してハイブリダイズする場合、2つ以上の前記異なるプローブ分子が、形成される前記二本鎖ハイブリッドにおいて互いに離れた間隔が20nt以下で互いに隣接して位置し、前記グループの前記2つ以上のプローブ分子は形成される前記二本鎖ハイブリッドにおいて互いに連続している、
    との特徴を有するステップ;
    b)前記二本鎖ハイブリッドに結合する結合剤を使用することによって前記二本鎖ハイブリッドを捕捉し、それによって、ハイブリッド/結合剤複合体を形成するステップであって、ここで前記結合剤は、形成される前記ハイブリッドに特異的に結合することができる、抗ハイブリッド抗体またはその断片である、ステップ
    c)前記組成物から前記ハイブリッド/結合剤複合体を分離し、それによって、標的RNA枯渇化組成物を提供するステップ、
    を含む、方法。
  2. 前記標的領域に対してハイブリダイズする場合、グループのすべてのプローブ分子が、形成された前記二本鎖ハイブリッドにおいて互いに連続している、請求項1に記載の方法。
  3. 前記プローブ分子が、10nt〜35ntの範囲にある長さを有する、請求項1または2に記載の方法。
  4. プローブセットが、特異的な標的RNAの枯渇のために使用され、プローブセットが、2つ以上のグループのプローブ分子を含み、前記プローブセットにおいて含まれるプローブ分子のそれぞれのグループが、前記標的RNAにおける異なる標的領域を標的にする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 特異的な標的RNAにおいて、前記標的領域が、500nt以下の距離内に位置する、請求項4に記載の方法。
  6. プローブセットにおいて含まれる前記プローブ分子の少なくとも85%が、それらのグループメンバーに対して連続している、請求項4または5に記載の方法。
  7. 以下:
    i)前記標的領域が、前記標的RNAの完全長に相当する;
    ii)前記標的領域が、前記標的RNAにおいて保存される領域である;
    iii)前記標的領域が、異なる種において保存される領域である;
    iv)前記標的領域が、前記標的RNAにおいて保存され、そして少なくとも種ヒト、マウス、およびラットにおいて保存される領域である;
    v)グループの前記プローブ分子がハイブリダイズする前記標的領域が、50nt〜500ntから選択されるサイズを有する;
    vi)プローブセットが、特異的な標的RNAの枯渇のために使用され、プローブセットが、2つ以上のグループのプローブ分子を含み、それぞれのグループのプローブ分子が、前記標的RNAにおける異なる標的領域を標的にし、前記標的領域が、前記標的RNAの全長にわたって分布する;ならびに/または
    vii)標的RNA枯渇効率が、少なくとも95%である、
    との特徴のうち1つ以上を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 複数の標的RNAが、前記初期RNA含有組成物から枯渇される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 以下:
    i)少なくとも1つのタイプのrRNAが、標的RNAとして枯渇される;ならびに/または
    ii)28S rRNA、18S rRNA、5.8S rRNA、5S rRNA、ミトコンドリア12S rRNA、およびミトコンドリア16S rRNAから選択される少なくとも1つのタイプのrRNAが、枯渇される;ならびに/または
    iii)複数のグループのプローブ分子および/もしくはプローブセットが、前記初期RNA含有組成物から、28S rRNA、18S rRNA、5.8S rRNA、5S rRNA、ミトコンドリア12S rRNA、およびミトコンドリア16S rRNAのうちの3つ以上を枯渇させるために使用される、
    との特徴のうち1つ以上を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 以下:
    aa)28S rRNAが標的RNAとして枯渇される場合、28S rRNAプローブセットであって、以下:
    i)前記28Sプローブセットにおいて含まれるプローブ分子の長さが、30nt以下である;
    ii)前記28S rRNAプローブセットにおいて含まれる、少なくとも75%のプローブ分子が、それらのグループメンバーに対して連続している;および/または
    iii)前記28S rRNAプローブセットが、前記28S rRNAプローブセットについて表1において示されるプローブ分子のグループの少なくとも1つを含む
    との特徴のうち、1つ以上を有する28S rRNAプローブセットが、使用される、ならびに/または
    bb)18S rRNAが標的RNAとして枯渇される場合、18S rRNAプローブセットであって、以下:
    i)前記18Sプローブセットにおいて含まれるプローブ分子の長さが、30nt以下である;および/または
    ii)前記18S rRNAプローブセットにおいて含まれる、少なくとも75%のプローブ分子が、それらのグループメンバーに対して連続している;および/または
    iii)前記18S rRNAプローブセットが、前記18S rRNAプローブセットについて表1において示されるプローブ分子のグループの少なくとも1つを含む;
    との特徴のうち、1つ以上を有する18S rRNAプローブセットが、使用される;ならびに/または
    cc)5.8S rRNAが標的RNAとして枯渇される場合、少なくとも1つのグループのプローブ分子であって、以下:
    i)前記プローブ分子が、30nt以下の長さを有する;および/または
    ii)前記5.8S rRNAグループが、5.8S rRNAについて表1において示される1つ以上のプローブ分子を含む
    との特徴のうち、1つ以上を有する少なくとも1つのグループのプローブ分子が、使用される;ならびに/または
    dd)5S rRNAが標的RNAとして枯渇される場合、少なくとも1つのグループのプローブ分子であって、以下:
    i)前記プローブ分子が、30nt以下の長さを有する;および/または
    ii)前記5S rRNAグループが、5S rRNAについて表1において示される1つ以上のプローブ分子を含む;
    との特徴のうち、1つ以上を有する少なくとも1つのグループのプローブ分子が、使用される、ならびに/または
    ee)ミトコンドリア12S rRNAが標的RNAとして枯渇される場合、プローブセットであって、以下:
    i)前記12SミトコンドリアrRNAプローブセットにおいて含まれるプローブ分子の長さが、30nt以下である;および/または
    ii)前記12SミトコンドリアrRNAプローブセットにおいて含まれる、少なくとも75%のプローブ分子が、それらのグループメンバーに対して連続している;
    との特徴のうち、1つ以上を有するプローブセットが、使用される、ならびに/または
    ff)ミトコンドリア16S rRNAが標的RNAとして枯渇される場合、プローブセットであって、以下:
    i)前記16SミトコンドリアrRNAプローブセットにおいて含まれるプローブ分子の長さが、30nt以下である;および/または
    ii)前記16SミトコンドリアrRNAプローブセットにおいて含まれる、少なくとも75%のプローブ分子が、それらのグループメンバーに対して連続している;
    との特徴のうち、1つ以上を有するプローブセットが、使用される、ならびに/または
    gg)aa)において定められる28S rRNAプローブセットおよびbb)において定められる18S rRNAプローブセットが、標的RNAとして28S rRNAおよび18S rRNAが枯渇された標的RNA枯渇化組成物を提供するために使用され、cc)において定められる5.8S rRNAグループ、dd)において定められる5S rRNAグループ、ee)において定められる12SミトコンドリアrRNAプローブセット、およびff)において定められる16SミトコンドリアrRNAプローブセットが、標的RNAとして5.8S rRNA、5S rRNA、ミトコンドリア12S rRNA、およびミトコンドリア16S rRNAをさらに枯渇させるために使用される、
    との特徴のうち1つ以上を有する、請求項8または9に記載の方法。
  11. 以下:
    i)大量のタンパク質コードmRNAが、標的RNAとして枯渇され
    ii)グロビンRNAが標的RNAとして枯渇される
    iii)前記抗ハイブリッド結合剤が、RNA/DNAハイブリッドに対して特異的な抗ハイブリッド抗体である;
    iv)使用される前記抗ハイブリッド結合剤が、固体支持体に対して固定されるもしくは前記抗ハイブリッド結合剤が、溶液において遊離しており、そして固体支持体に対して固定された第2の結合剤が、前記抗ハイブリッド結合剤に結合し、したがって形成された前記ハイブリッド/結合剤複合体を捕捉するために使用される;
    )ステップa)およびb)が同時に実行される、ならびに/または
    vi)修飾されたDNA分子が、プローブ分子として使用され、二本鎖RNA/DNAハイブリッドが形成される、
    との特徴のうち1つ以上を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. a)1つ以上のグループのプローブ分子と全RNAを接触させ、そして前記標的rRNAおよび前記プローブ分子の間で二本鎖ハイブリッドを生成するステップであって、前記グループにおいて含まれる前記プローブ分子が、標的RNAの標的領域に対して相補的であり、前記標的RNAが、rRNAである、ステップ;
    b)前記二本鎖ハイブリッドに結合する抗ハイブリッド抗体を使用することによって前記二本鎖ハイブリッドを捕捉し、それによって、ハイブリッド/結合剤複合体を形成するステップ;
    c)前記組成物から前記ハイブリッド/結合剤複合体を分離し、それによって、標的rRNA枯渇化組成物を提供するステップ
    を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. )非結合プローブ分子を除去するステップを含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. e)前記標的RNA枯渇化組成物において含まれるRNAを配列決定するステップを含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 配列決定するステップが、次世代配列決定によって実行される、請求項14に記載の方法。
  16. 前記RNAを配列決定するステップが、
    i)超並列配列決定に適した配列決定ライブラリーを調製するステップ;
    ii)前記配列決定ライブラリーにおいて含まれる前記分子を並列に配列決定するステップ
    を含む、請求項15に記載の方法:
  17. サンプルにおいて含まれる関心のあるRNA分子を配列決定するための方法であって、前記方法は、以下:
    aaa)RNA含有組成物を得るステップ;
    bbb)請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法を使用して、前記RNA含有組成物から望まれない標的RNAを枯渇させ、それによって、標的RNA枯渇化組成物を提供するステップ;
    ccc)非結合プローブ分子を除去するステップ;
    ddd)前記標的RNA枯渇化組成物において含まれるRNA分子を配列決定するステップ、
    を含む、方法。
  18. i)ステップccc)において、前記標的RNA枯渇化組成物が、精製されるおよび/もしくはDNアーゼ消化が実行される;ならびに/または
    ii)配列決定するステップが、超並列配列決定に適した配列決定ライブラリーを調製するステップおよび前記配列決定ライブラリーにおいて含まれる前記分子を並列に配列決定するステップ
    を含む、請求項17に記載の方法。
  19. RNA含有組成物から標的RNAを枯渇させるのに適したキットであって、前記キットは、以下:
    a)標的RNAを枯渇させるための1つ以上のグループのプローブ分子であって、あるグループのプローブ分子は、以下:
    i)前記グループが、35nt以下の長さを有する2つ以上の異なるプローブ分子を含む;
    ii)前記グループにおいて含まれる前記プローブ分子が、標的RNAの標的領域に対して相補的である;
    iii)前記標的領域に対してハイブリダイズする場合、2つ以上の前記異なるプローブ分子が、形成される二本鎖ハイブリッドにおいて互いに離れた間隔が20nt以下で互いに隣接して位置し、グループの2つ以上のプローブ分子は形成される前記二本鎖ハイブリッドにおいて互いに連続している、
    との特徴を有する、1つ以上のグループのプローブ分子;および
    b)前記プローブ分子および標的RNAの間で形成される前記二本鎖ハイブリッドに結合するのに適した結合剤であって、形成される前記ハイブリッドに特異的に結合することができる、抗ハイブリッド抗体またはその断片である、結合剤
    を含む、キット。
  20. 以下:
    i)前記標的領域に対してハイブリダイズする場合、グループの前記異なるプローブ分子のうちの2つ以上が、形成された前記二本鎖ハイブリッドにおいて互いに連続している;
    ii)前記キットにおいて含まれるプローブ分子が、10nt〜35ntの範囲にある長さを有する;
    iii)前記キットが、特異的な標的RNAを枯渇させるためのプローブセットを含み、プローブセットが、2つ以上のグループのプローブ分子を含み、前記プローブセットにおいて含まれるプローブ分子のそれぞれのグループが、標的RNAにおける異なる標的領域を標的にする
    iv)前記キットが、特異的な標的RNAを枯渇するためのプローブセットを含み、前記標的領域が500nt以下の距離内に位置する;
    )前記キットが、2つ以上のグループのプローブ分子を含むプローブセットを含み、前記プローブセットにおいて含まれるプローブ分子のそれぞれのグループが、標的RNAにおける異なる標的領域を標的にし、前記プローブセットにおいて含まれる前記プローブ分子の少なくとも少なくとも85%が、それらのグループメンバーに対して連続している;
    vi)前記標的領域が、前記標的RNAの完全長に相当する;
    vii)前記標的領域が、前記標的RNAにおいて保存される領域である;
    viii)前記標的領域が、異なる種において保存される領域である;
    ix)前記標的領域が、前記標的RNAにおいて保存され、そして少なくとも種ヒト、マウス、およびラットにおいて保存される領域である;
    )グループの前記プローブ分子がハイブリダイズする前記標的領域が、50nt〜500ntから選択されるサイズを有する;
    xi)前記キットが、特異的な標的RNAを枯渇させるためのプローブセットを含み、プローブセットが、2つ以上のグループのプローブ分子を含み、それぞれのグループのプローブ分子が、前記標的RNAにおける異なる標的領域を標的にし、前記標的領域が、前記標的RNAの全長にわたって分布する、
    xii)前記キットにおいて含まれる前記プローブ分子が、修飾されたDNA分子である;
    xiii)前記抗ハイブリッド結合剤が、RNA/DNAハイブリッドに対して特異的な抗ハイブリッド抗体である;
    xiv)あるグループのプローブ分子が、2〜10のプローブ分子を含む;ならびに/または
    xv)前記キットが、複数の標的RNAを枯渇させるために1つ以上のグループのプローブ分子および/もしくはプローブセットを含む、
    との特徴のうち1つ以上を有する、請求項19に記載のキット。
  21. i)標的RNAとして少なくとも1つのタイプのrRNAを枯渇させる;ならびに/または
    ii)28S rRNA、18S rRNA、5.8S rRNA、5S rRNA、ミトコンドリア12S rRNA、およびミトコンドリア16S rRNAから選択される、少なくとも1つのタイプのrRNAを枯渇させる;ならびに/または
    iii)28S rRNA、18S rRNA、5.8S rRNA、5S rRNA、ミトコンドリア12S rRNA、およびミトコンドリア16S rRNAのうち、3つ以上を枯渇させる
    ための、1つ以上のグループのプローブ分子ならびに/または1つ以上のプローブセットを含む、請求項19または20に記載のキット。
  22. aa)28S rRNAプローブセットであって、以下:
    i)前記28Sプローブセットにおいて含まれるプローブ分子の長さが、30nt以下である;
    ii)前記28S rRNAプローブセットにおいて含まれる、少なくとも75%のプローブ分子が、それらのグループメンバーに対して連続している;および/または
    iii)前記28S rRNAプローブセットが、前記28S rRNAプローブセットについて表1において示されるプローブ分子のグループの少なくとも1つを含む
    との特徴のうち、1つ以上を有する28S rRNAプローブセット、ならびに/または
    bb)18S rRNAプローブセットであって、以下:
    i)前記18Sプローブセットにおいて含まれるプローブ分子の長さが、30nt以下である;および/または
    ii)前記18S rRNAプローブセットにおいて含まれる、少なくとも75%のプローブ分子が、それらのグループメンバーに対して連続している;および/または
    iii)前記18S rRNAプローブセットが、前記18S rRNAプローブセットについて表1において示されるプローブ分子のグループの少なくとも1つを含む;
    との特徴のうち、1つ以上を有する18S rRNAプローブセット、ならびに/または
    cc)5.8S rRNAを枯渇させるための少なくとも1つのグループのプローブ分子であって、以下:
    i)前記プローブ分子が、30nt以下の長さを有する;および/または
    ii)前記プローブ分子の少なくとも2つが、連続したプローブ分子である;および/または
    iii)前記5.8S rRNAグループが、5.8S rRNAについて表1において示される1つ以上のプローブ分子を含む;
    との特徴のうち、1つ以上を有する少なくとも1つのグループのプローブ分子、ならびに/または
    dd)5S rRNAを枯渇させるための少なくとも1つのグループのプローブ分子であって、以下:
    i)前記プローブ分子が30nt以下の長さを有する;および/または
    ii)前記5S rRNAグループが、5S rRNAについて表1において示される1つ以上のプローブ分子を含む;
    との特徴のうち、1つ以上を有する少なくとも1つのグループのプローブ分子、ならびに/または
    ee)ミトコンドリア12S rRNAプローブセットであって、以下:
    i)前記12SミトコンドリアrRNAプローブセットにおいて含まれるプローブ分子の長さが、30nt以下である;および/または
    ii)前記12SミトコンドリアrRNAプローブセットにおいて含まれる、少なくとも75%のプローブ分子が、それらのグループメンバーに対して連続している;
    との特徴のうち、1つ以上を有する、ミトコンドリア12S rRNAプローブセット、ならびに/または
    ff)ミトコンドリア16S rRNAプローブセットであって、以下:
    i)前記16SミトコンドリアrRNAプローブセットにおいて含まれるプローブ分子の長さが、30nt以下である;および/または
    ii)前記16SミトコンドリアrRNAプローブセットにおいて含まれる、少なくとも75%のプローブ分子が、それらのグループメンバーに対して連続している;
    との特徴のうち、1つ以上を有する、ミトコンドリア16S rRNAプローブセット、ならびに/または
    gg)aa)において定められる28S rRNAプローブセットおよびbb)において定められる18S rRNAプローブセットならびにさらに、cc)において定められる5.8S rRNAグループ、dd)において定められる5S rRNAグループ、ee)において定められる12SミトコンドリアrRNAプローブセット、およびff)において定められる16SミトコンドリアrRNAプローブセットを含む、
    を含む、請求項19〜21いずれか一項に記載のキット。
  23. 大量のタンパク質コードmRNA、tRNA、snoRNA、snRNA、および色素体rRNAから選択される標的RNAを枯渇させるための1つ以上のグループもしくはプローブ分子および/または1つ以上のプローブセットを含む、請求項19〜22のいずれか一項に記載のキット。
  24. 前記大量のタンパク質コードmRNAが、グロビンRNAである、請求項23に記載のキット。
  25. 前記抗ハイブリッド結合剤が、抗ハイブリッド抗体である、請求項19〜24のいずれか一項に記載のキット。
  26. 前記抗ハイブリッド結合剤が、固体支持体上に固定される、請求項19〜25のいずれか一項に記載のキット。
  27. 前記抗ハイブリッド結合剤が、固体支持体上に固定されず、そして前記キットが、前記抗ハイブリッド結合剤に結合することができる第2の結合剤を含み、前記第2の結合剤が、固体支持体上に固定される、請求項19〜26のいずれか一項に記載のキット。
  28. 前記キットが、ハイブリダイゼーション溶液を含む、請求項19〜27のいずれか一項に記載のキット。
  29. あるグループのプローブ分子が、2〜10のプローブ分子を含む、請求項19〜28のいずれか一項に記載のキット。

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