JP6324330B2 - 高温配管の冷却治具,冷却装置及びその設置方法 - Google Patents
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Description
なお、ここでは、第1実施形態〜第7実施形態の7つの実施形態を例示するが、これらの実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。
まず、図1〜図5を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
図2(a)に示すように、高温配管1の外周には、保温材2が装着されている。この保温材2は、通常は高温配管1の外周全周に亘って常設されるが、上記のように、クリープ破断リスクが高いと判断された要部では、図2(b)に示すように、この保温材2を部分的に除去して、これにより露出した高温配管1の要部の外周面11に,図1に示すように冷却治具3を装着する。なお、保温材2の除去は、高温配管1の長手方向に対してもクリープ破断リスクが高いと判断された必要な個所のみを部分的に除去する。
つまり、まず、非破壊検査により冷却すべき高温配管11の要部(ここでは、溶接部及びその周辺)を特定し、高温配管1の外周に常設されている保温材2のうち要部の外周部分を除去する。これにより、露出した要部の外周面11に、冷却治具3の複数の冷却フィン30を装着し保持機構50で保持する。冷却治具3を覆うようにカバー6を配設し、カバー6内の空間に冷却風を流通させるように冷却流体供給部7を設置する。これにより、冷却風により冷却フィン30を強制冷却しながら、高温配管1を確実に冷却することができる。
こうして、高温配管1が用いられるプラント等の運転温度を低下させることなく、つまり、プラント等の運転に影響を与えることなく、高温配管1の要部の温度を低下させることができる。高温配管1の要部の温度が低下すれば、高温配管1のクリープ破断リスクを低減することができる。
次に、図4(b),図6を参照して本発明の第2実施形態を説明する。なお、図6は主に放熱プレート部133の形状を示すもので、吸熱部やリンク部材140は省略している。ただし、第1実施形態と同様の吸熱部31を有している。また、リンク部材140については、隣接する冷却フィン130の間に複数(ここでは、3本)の棒状リンクがそれぞれピンを介してリンク結合している。
次に、図4(c),図7を参照して本発明の第3実施形態を説明する。なお、図7は主に放熱プレート部33の配置を示すもので、吸熱部やリンク部材40は省略している。ただし、第1実施形態と同様の吸熱部31を有している。
次に、図8を参照して本発明の第4実施形態を説明する。
図8に示すように、本実施形態では、吸熱部31の吸熱面32を含む部分に、高温配管1からの熱を受けて軟化する低融点金属34が装着されている。この低融点金属34には、例えばアルミ(アルミ系合金を含む)が挙げられ、低融点金属34はシート状又はメッシュ状の形態で、吸熱部31の吸熱面32の側の外周面11との間に介装される。
次に、図9を参照して本発明の第5実施形態を説明する。
図9に示すように、本実施形態では、吸熱部31の吸熱面32を含む部分に磁石35が装着されている。ここでは、磁石35に吸熱面32が備えられ、磁石35の吸熱面32とは反対側の面に凹所35aが穿設され、凹所35a内に放熱プレート部33の一縁部が嵌着されている。
次に、図10を参照して本発明の第6実施形態を説明する。
図10に示すように、本実施形態では、冷却治具3を高温配管1の外周に装着する際に、吸熱部31の吸熱面32に、高温配管1からの熱を受けて軟化する低融点金属粉36が予め付される。低融点金属粉36は、例えばアルミ(アルミ系合金を含む)等の低融点金属でできた粉体又は粒体であり、冷却治具3を高温配管1の外周に装着したら、吸熱部31の吸熱面32と外周面11との間に介装される。
次に、図11,図12を参照して本発明の第7実施形態を説明する。
図11,図12に示すように、本実施形態では、高温配管1の環状の溶接部13に冷却治具3を装着する。つまり、高温配管1は、配管を長手方向に適宜接続されて敷設されるため、配管同士の結合箇所には、配管の端部同士を突合せ溶接した箇所が存在する。この溶接箇所は環状であるため、本実施形態では、この環状溶接部13の形状に合わせて、冷却治具3を配置する。
つまり、複数の冷却フィン30を高温配管1の要部の円筒状の外周面11の周囲に装着する際に、リンク部材40によるリンク連結を生かして、それぞれの吸熱面32が外周面11に適正に接触するように配置することができ、吸熱部31で外周面11の熱を効率よく吸熱し、この熱を放熱プレート部33で放熱することができ、高温配管1の要部を確実に冷却することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態の一部を変更したり、上記実施形態どうしを組み合わせたりして実施することができる。
また、上記の各実施形態では、冷却フィン30,130の強制冷却を、冷却風を用いた空冷方式で行なっているが、冷却フィン30,130の内部に冷却水を流通させる等による水冷方式で行なってもよい。
11 高温配管1の外周面
12 溶接部
2 保温材
3 冷却治具
30,130 冷却フィン
31 吸熱部
32 吸熱面
33 放熱プレート部
40 リンク部材
41 ピン
50 保持機構
51 保持用シート
6 カバー
61 開口縁部
7 冷却流体供給部
71 ブロア
72 導入管
73 送風口
Claims (13)
- 高温配管の要部を冷却する冷却治具であって、
前記高温配管の前記要部の外周面に装着される複数の冷却フィンと、
前記複数の冷却フィンを横並び状態に且つピンを中心に揺動可能に連結するリンク部材と、を備え、
前記複数の冷却フィンは、前記外周面への装着状態において、前記外周面にその軸線方向に沿って接触する吸熱面を有する吸熱部と、前記吸熱部から前記外周面の外方へ延びる放熱プレート部と、を有する
ことを特徴とする、高温配管の冷却治具。 - 前記放熱プレート部の外方側を圧接し、前記冷却フィンを前記高温配管の外周に保持する保持機構を備えている
ことを特徴とする、請求項1記載の高温配管の冷却治具。 - 前記吸熱部の前記吸熱面を含む部分には、前記高温配管からの熱を受けて軟化する低融点金属が装着されている
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の高温配管の冷却治具。 - 前記吸熱部の前記吸熱面には、前記高温配管の外周に装着される際に、前記高温配管からの熱を受けて軟化する低融点金属粉が付着される
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の高温配管の冷却治具。 - 前記吸熱部には、前記外周面に吸着する磁石が装着されている
ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載の高温配管の冷却治具。 - 前記放熱プレート部は、平面に沿った2次元的な板形状に形成されている
ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載の高温配管の冷却治具。 - 前記放熱プレート部は、曲面に沿った3次元的な板形状に形成されている
ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載の高温配管の冷却治具。 - 前記冷却フィンは、前記高温配管の軸方向に複数に分割して配置されている
ことを特徴とする、請求項1〜7の何れか一項に記載の高温配管の冷却治具。 - 前記冷却フィンは、千鳥状に配列されて前記外周面に装着されている
ことを特徴とする、請求項8記載の高温配管の冷却治具。 - 前記吸熱面は、前記高温配管の高温時の熱変形状態での前記外周面の形状に合わせた三次元形状に形成されている
ことを特徴とする、請求項1〜9の何れか一項に記載の高温配管の冷却治具。 - 前記外周面への装着状態において、前記外周面の周方向に対応する前記吸熱部の幅は、前記周方向に対応する前記放熱プレート部の厚みよりも大きく構成されている
ことを特徴とする、請求項1〜10の何れか一項に記載の高温配管の冷却治具。 - 請求項1〜11の何れか一項に記載の高温配管の冷却治具と、
前記冷却治具を覆うカバーと、
前記カバー内の空間に冷却流体を流通させる冷却流体供給部と、を備えている
ことを特徴とする、高温配管の冷却装置。 - 請求項12記載の高温配管の冷却装置の設置方法であって、
非破壊検査により冷却すべき高温配管の要部を特定するステップと、
前記高温配管の外周に常設されている保温材のうち前記要部の外周部分を除去するステップと、
露出した前記要部の外周面に、前記冷却治具の前記複数の冷却フィンを装着するステップと、
前記冷却治具を覆うように前記カバーを配設するステップと、
前記冷却流体供給部を設置するステップと、を実施する
ことを特徴とする、高温配管の冷却装置の設置方法。
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