JP6323875B2 - 多層加工機 - Google Patents
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そこで本発明は、上記課題を解決すべく、複数の加工型を型締め・型開き方向に移動自在に支持する良好な構成を有する多層加工機を提供することを目的としている。
固定盤であるボルスタと、
型締め・型開き方向が軸方向となるように配置されて、前記ボルスタに対して四隅の位置に互いに平行に固定状態に設けられた4本の支柱と、
これら支柱に対して動作可能に型締め・型開き方向に複数積層配置され、前記加工型を構成する各型のうち、前記ボルスタに固定される型を除くものが固定される複数の可動部材と、
これら複数の可動部材のうち、前記ボルスタから最も離れた反対側の位置にある可動部材を型締め・型開き方向に駆動するプレス駆動源と、を備え、
前記複数の可動部材は、前記4本の支柱のうちの互い違いに対角線上に位置する2本の支柱にそれぞれ軸受部によって案内されることにより型締め・型開き方向に動作可能であることを特徴とする。
図1、図2は多層加工システム全体を示す側面図と平面図である。図1に示すように、多層加工システムは、多層加工機1と、型交換台50とを備え、1台の多層加工機1に対して複数の型交換台50を有する。また、本例の多層加工システムは、型交換台50を移動(昇降含む)させる手段として、リフト200(ハンドパレットトラック)を有する。
ワーク用パレット搬入部2は、加工前のワーク(素材又は中間製品)を積載したワーク用パレットを予め事前に準備してセットしておく部位であり、このワーク用パレット搬入部2にセットされたワーク用パレットは、その後ワーク供給搬出部3に送られる構成となっている。ワーク供給搬出部3は、ワーク用パレット搬入部2から送られたワーク用パレットに積載されたワークを加工機本体部10に供給してセットしたり、加工機本体部10で加工された後のワーク(加工品)を加工機本体部10から取り出したりするためのハンド(例えば図3に示すハンド3a)を含む機構を有する構成となっている。そして、ワーク用パレット搬出部4は、空になったワーク用パレットを搬出するための構成である。本例の場合、ワーク用パレットは、ワーク用パレット搬入部2からワーク供給搬出部3へ、次いでワーク供給搬出部3からワーク用パレット搬出部4へと、順次一方向に移動する構成となっている。制御部5には、多層加工機1を制御する制御装置が設けられている。
なお本願では、ワーク無しの状態で上型と下型を互いに接合させる動作も「型締め」という。また、本願における「型締め状態」とは、多層加工機の状態であって、各加工型の上型と下型が接合するまで多層加工機の可動部材(スライダ・可動ラム)が下降した状態を意味し、ワークの有無(加工型に対してワークがセットされているか否か)を限定するものではない。即ち、本願における「型締め状態」とは、ワーク有りでワークを挟みつけた状態で各加工型の上型と下型が接合するまで多層加工機の可動部材が下降した状態の場合もあるし、ワーク無しで各加工型の上型と下型が接合するまで多層加工機の可動部材が下降した状態の場合もある。ちなみに、この型締め状態における多層加工機1の可動部材の型締め・型開き方向の位置(下死点)は、加工型が同じであればワークの有無にかかわらず略同じ位置であるため、このようなワークの有無を考慮する必要がない。つまり、ワークの厚さ分だけ、ワーク有りの場合と無しの場合とで、型締め状態における可動部材の型締め・型開き方向の位置関係(ひいては型締め状態における加工型の配置間隔)が僅かに異なる場合がある。しかし、この違いは僅かであるため、本願の型交換に関しては、型交換台50の後述する型保持部71〜74の間隔LHを、後述する型締め状態の加工型配置間隔LK2(例えばワーク無しの場合の値)に対して余裕を持って大きくしておけば、ワークの有無は考慮する必要がない。
まず、図3及び図4に示したような型開き状態(通常は、シリンダロッド41が最上方(上死点)まで移動した状態)においては、各層に対して加工後のワークの取り出しと、加工前のワークの装着が行われる。加工前のワークが装着されると、シリンダロッド41とともにスライダ21及び可動ラム22〜24が下降して各層において型締めが行われてプレス加工が実行される。この際、油圧シリンダ40の駆動力(プレスの圧力)は、シリンダロッド41、スライダ21、加工型K1、可動ラム22、加工型K2、可動ラム23、加工型K3、可動ラム24、加工型K4の順に伝達され、下固定盤12で受け止められることになる。そして、このような駆動力により、第1層から第4層までの全ての加工型K1〜K4の上型と下型がワークを挟み付けた型締め状態になると、各層のプレス加工(即ち、第1層から第4層の各加工型K1〜K4でそれぞれ行われる合計4個のワークの加工)がいっせいに完了する。
なお、図4や図5(c)において符号LKで示す寸法は、前述したように、多層加工機1に装着された各加工型K1〜K4の配置間隔である。この配置間隔LKは、シリンダロッド41の動作に伴う可動部材(スライダ21及び可動ラム22〜24)の移動によって当然変化し、型締め状態において最低値(LK2)になる。型開き状態又は型締め状態における配置間隔LKは、各層同じでもよいし、各層毎に異なってもよい(各加工型の寸法が異なる場合など)が、説明の便宜上同じであるとして各層について同じ符号LKを使用する。型開き状態における配置間隔LK(=LK1)は、前述した間隔調整ナット27、28、29によって各層毎に調整可能である。
本願では、型開き状態における配置間隔LK(上死点のLK)をLK1と表し、型締め状態における配置間隔LK(下死点のLK)をLK2と表す。
また、加工型の交換については、後述する。
型交換台50は、図6〜図8に示すように、台本体51に複数の型保持部71,72,73,74を上下方向(後述する支柱56,57の長手方向)に並べて設けたものである。この型交換台50は、本例の場合、下面4隅の位置にキャスター150(車輪)が設けられているため、それ自体で床面上を走行させることができる台車(型交換台車)となっている。型保持部71,72,73,74は、詳細後述するが、多層加工機1に同時に挿入可能で、多層加工機1に挿入した状態で多層加工機1内の各加工型K1〜K4をそれぞれ保持可能であり、多層加工機1の型締め状態における各加工型K1〜K4の配置間隔LK(=LK2)よりも広い間隔LH(図6に示す)で、上下方向(多層加工機1の型締め・型開き方向に対応する方向)に複数並んで設けられている。なお、本例の場合には型保持部が4個(4段)あるので間隔LHは上下に3箇所あるが、これら3箇所の間隔LHは同じでもよいし、異なっていてもよい(各加工型の寸法が異なる場合など)が、説明の便宜上同じであるとして各箇所について同じ符号LHを使用する。
また本実施例の場合、前述した加工型の配置間隔LKの各値(型開き状態のLK1、型締め状態のLK2)と上記間隔LHの大小関係は、各層においてLK2<LH<LK1となる。なお、前述したように、ワークの厚さ分だけ、ワーク有りの場合と無しの場合とで、型締め状態における可動部材の型締め・型開き方向の位置関係が僅かに異なる場合があり、この場合その分だけ上記配置間隔LK2もワーク有り無しで異なる値となるが、この違いは僅かであるため、本願の型交換に関しては、上記間隔LHを配置間隔LK2に対して余裕を持って大きくしておけば問題ない。つまり、配置間隔LK2のワーク有りの場合の値よりも上記間隔LHを大きく設定しておけば、ワーク有りの場合もワーク無しの場合でも対応できる。
また、正面側のキャスター150と底板53と底フレーム54,55等を含めた底部前方突出部の床面からの高さL7(図6に示す)は、床面から多層加工機1の下固定盤12の下面までの高さLB(図4に示す)よりも十分小さくなっており、型交換台50の各型保持部71〜74を多層加工機1に挿入して型交換する際には、上記底部前方突出部(高さL7の部分)が多層加工機1の下固定盤12の下方の空間(架台11の内側の空間)に挿入されて多層加工機1と干渉しない構成となっている。
なお、リフト200は、例えば人が乗って操作するいわゆる市販のフォークリフト(例えば電動式のもの、或いはエンジン駆動のもの)であってもよいが、本例では市販のハンドパレットトラック(言わば手動式のフォークリフトであり、ハンドリフトなどとも呼ばれる)を例示している。このリフト200(ハンドパレットトラック)は、図1、図2及び図13等に示すように、作業者が把持して操作するためのハンドル201と、走行用の車輪202,203と、いわゆるパレット(荷物を載置する薄い中空状の台)に挿入可能な2本の爪204などを有する。
各型保持部71〜74は、多層加工機1への挿入方向(図1、図3、図6における左右方向)に直交する方向における各加工型K1〜K4の動き及び落下を規制する構造を有する。本例の場合、各型保持部71〜74は、後述する爪部80,90によって、横方向(図4における左右方向)における各加工型K1〜K4の動きと、各加工型K1〜K4の落下(図4における下向きの動き)を規制する構造となっている。また本例の場合、各加工型K1〜K4の図4における上向きの動きは、重力によって規制する構成となっている。
また、爪部80,90の縦板部81、91の先端部(前端部)には、上縁から下方に伸びるスリット83,93(切り込み)がそれぞれ形成されており、ここに両端を抜き差しすることにより脱落防止部材100(図8等に示す)が各型保持部71〜74にそれぞれ着脱可能となっている。脱落防止部材100は、全体として帯板状(例えば鋼製)のもので、両端が長手方向に対して曲げられることによって脱落防止用の曲げ部101,102が両端に形成されている。この脱落防止部材100は、図10(b)に示すように、前記スリット83,93に上から両端部をそれぞれ差し込んで曲げ部101,102を外側に出した状態で各型保持部71〜74の前端部に容易に装着可能であり、また図10(a)に示すように、前記スリット83,93から両端を上方に抜き出すことにより各型保持部71〜74から容易に取り外し可能である。そして、この脱落防止部材100は、装着状態において各型保持部71〜74に保持された加工型(詳細には下型)の下部前端面に当接することにより、保持された加工型が挿入方向先端側(爪部80,90の前端側)に移動するのを規制し、これにより保持された加工型の正面側からの脱落を阻止する。
・第1工程A
多層加工機1の型締め状態において、多層加工機1に取り付けられた加工型K1〜K4を構成する上型と下型のうち、上型U1〜U4の多層加工機1への固定を解除する。
・第1工程B
多層加工機1に取り付けられた複数の加工型K1〜K4の配置間隔LKが複数の型保持部71〜74の間隔LHにそれぞれ一致する位置で多層加工機1の動作(シリンダロッド41の昇降動作に伴うスライダ21等の可動部材の昇降動作)を停止させた交換位置停止状態とし、下型L1〜L4の多層加工機1への固定を解除する。なおこの順番は、どちらでもよい。即ち、交換位置停止状態とした後に下型の固定を解除してもよいし、場合によっては、下型の固定を解除した後に交換位置停止状態としてもよい。
またここで、上記第1工程Bと上記第1工程Aは、両者を合わせて第1工程を構成するが、この第1工程内の各動作の詳細な順番は上述した記載の順番に限定されない。例えば、型締め状態において先に下型の固定を解除した後に上型の固定を解除し(或いは、型開き状態で下型の固定を解除した後に型締め状態として上型の固定を解除し)、その後前記交換位置停止状態にするという順番でもよい。
前記交換位置停止状態において、加工型を保持していない空の型交換台50を移動させて多層加工機1にその型保持部71〜74をそれぞれ挿入し、多層加工機1内の加工型K1〜K4をその型保持部71〜74によってそれぞれ保持し、次いで、この型交換台50を移動させて、保持した加工型K1〜K4とともに多層加工機1から型保持部71〜74を引き出す。
・第3工程
前記交換位置停止状態において、交換後の新たな加工型K1〜K4を保持している別の型交換台50を移動させて多層加工機1にその型保持部71〜74を挿入し、次いでこの型交換台50を移動させて多層加工機1内に新たな加工型K1〜K4を残した状態で多層加工機1からその型保持部71〜74のみを引き出す。
新たな加工型K1〜K4を構成する上型と下型のうち、下型L1〜L4を多層加工機1へ固定する。
・第4工程B
多層加工機1の型締め状態において、新たな加工型K1〜K4を構成する上型U1〜U4を多層加工機1へ固定する。
ここで、上記第4工程Bと上記第4工程Aは、両者を合わせて第4工程を構成するが、この第4工程内の各動作の詳細な順番は上述した記載の順番に限定されない。例えば、型締め状態とし、この状態で先に上型を固定した後に下型を固定するという順番でもよい。
なお、この手順と前述の各工程(第1工程〜第4工程)との対応はカッコ書きにより記載する。
1.多層加工機1のスライダ21を下降端まで動かし型締め状態として停止させる(第1工程A)。
2.上型U1〜U4の多層加工機1への固定を外す(第1工程A)。
4.図5(b)及び図5(c)右側に示すように、多層加工機1の所定位置(前述したブロック取付部31〜34の下面側)に安全ブロック35をそれぞれ装着する(第1工程B)。
6.下型L1〜L4の多層加工機1への固定を外す(第1工程B)。
8.多層加工機1の各下型と可動ラム・ボルスタの隙間高さ(即ち、前述した隙間S1,S2の上下方向位置)に、準備した型交換台50の各型保持部の爪部80,90の断面L字形状が合うように、リフト200の爪204を昇降させて型交換台50の床面からの高さを調整する(第2工程)。
10.各下型L1〜L4を多層加工機1の可動ラム側又はボルスタ側から型交換台50の爪部80,90に載せ替えるところまで、リフト200の爪204を僅かに上昇させ、上記爪部80,90によって各加工型K1〜K4を持ち上げて保持する(第2工程)。
12.図14に示すように、多層加工機1から引き出した型交換台50の各爪部80,90の先端部に脱落防止部材100を装着する。
13.図12に示すように、リフト200(ハンドパレットトラック)から型交換台50を降ろす。これにより、交換前の加工型K1〜K4が取り外されて型交換台50によってコンパクトに(即ち、少ない設置面積で)保管された状態となる。
14.図11に示すように、リフト200(ハンドパレットトラック)の爪204の上に、新たな交換後の加工型を保持していた別の型交換台50(以下、新たな型交換台50という)を乗せて準備する(第3工程)。脱落防止部材100は、図11に示すように外しておく。
15.前述した交換位置停止状態のままとなっている多層加工機1の可動ラム・ボルスタの高さに、新たな型交換台50の各型保持部の爪部80,90の高さが合うように、リフト200の爪204を昇降させて新たな型交換台50の床面からの高さを調整する(第3工程)。つまり、前述した手順10.で爪204を僅かに上昇させた後の高さと同じ高さに、この新たな型交換台50の高さを調整する。
17.各下型L1〜L4を新たな型交換台50の爪部80,90から多層加工機1の可動部材側に載せ替えるところまで、リフト200の爪204を僅かに下降させ、上記爪部80,90によって保持していた各加工型K1〜K4を可動ラム・ボルスタ上の所定位置に載置する(第3工程)。
19.新たな加工型K1〜K4の下型L1〜L4を多層加工機1へ固定する(第4工程A)。
20.多層加工機1のスライダ21をいったん上昇させて各安全ブロック35を取り外した後、上記スライダ21を下降端まで動かし、型締め状態として停止させる(第4工程B)。
21.新たな加工型K1〜K4の上型U1〜U4を多層加工機1へ固定する(第4工程B)。その後、上記スライダ21を上昇端まで動かし、図4に示す型開き状態に戻す。
(1)複数の個別単位になった加工型を1台の型交換台50によっていっぺんに(一斉に)交換できる。即ち、多層加工機1の複数の加工型を交換する際に、多層加工機1から交換前の複数の加工型を取り出す作業も、多層加工機1に交換後の新たな加工型を差し入れる作業も、型交換台50の複数の型保持部71〜74によって一斉に行うことができ、前述したような簡単な作業よりなる交換方法及び手順によって多層加工機1の型交換を行うことができる。このため、プレス加工作業における段取り替えの大幅な時間短縮が可能となる。
(2)後述する(A)や(B)の型交換方法と比較して、重量物である加工型自体を長距離で押し引きする必要がないため、作業性の改善と、作業者労力及び事故リスクを低減できる。
(3)多層加工機1の可動部材の下降を交換位置停止状態で阻止する安全ブロック35(型締め規制ブロック)を多層加工機1に着脱可能であるため、前述したように型交換時にこの安全ブロック35を装着する手順とすることによって、型交換のために多層加工機1を交換位置停止状態とする作業が簡単になるとともに、型交換時に不用意にスライダ・可動ラムが下降することによる事故が防止され、自動的に安全が確保される。
(5)型交換台50がそのまま複数の加工型を積載する保管用ラックとしても機能し、型交換台50が型交換治具と保管用設備を兼ねることになるため、型交換治具から保管用設備への乗せ換え作業が不要になり、作業時間短縮及び事故リスク低減が実現できる。
(6)型交換台50が保管用ラックとしても機能するため、別途保管用ラック等の保管用設備を設ける必要がなく、設備費用の低減が実現できる。
(8)型交換台50に加工型を搭載している時、型交換台50に脱落防止部材100を装着しておけば、加工型一つ一つが周囲を囲まれた状態になり、各加工型が不用意に動くことなく、移動時に落下することもないので、安全性が向上する。なお、本例の型交換台50には、前述した後側ストッパ84,94が設けられているため、各加工型の後方への移動はこの後側ストッパ84,94により阻止され、前方への移動は脱落防止部材100により阻止され、左右方向への移動や落下は爪部80,90により阻止され、上方への移動は重力により阻止される。
(9)型交換台50によって多層加工機1から取り外した複数の加工型をそのまま型交換台50に搭載して保管管理すれば、多層加工機1に所定の組み合わせかつ所定の順番(上下の配置順)で装着すべき複数の加工型がそのままの順番でセットとして保管管理されることになるため、保管中の紛失リスクが低く、保管場所の移動や入れ替えも容易であり、保管管理が格段に容易かつ良好に行えるようになる。
以下では、上述したような作用効果を、上記実施例から抽出される発明概念毎に従来例と比較して説明する。
まず、前記実施例の型交換台50は、次のような特徴を有する。
即ち、プレス加工用の加工型を型締め・型開き方向に複数配置して使用する多層加工機の複数の前記加工型を、交換するための型交換台であって、
前記多層加工機に同時に挿入可能で、前記多層加工機に挿入した状態で前記多層加工機内の前記加工型をそれぞれ保持可能な型保持部が、前記多層加工機の型締め状態における前記加工型の配置間隔よりも広い間隔で複数並んで設けられ、
前記型保持部は、前記挿入方向に直交する横方向における前記加工型の動き及び落下を規制する構造を有する。
(A)多層加工機のスライダ・可動ラムを上死点に移動させた状態で、複数の棚部を有するラック(型交換治具)を多層加工機に横付けし、このラックの各棚部の上面を各加工型の下面と同じ高さに保持しつつ、多層加工機からこのラックへと、固定を外した各加工型を人力で押して横滑りさせて各層毎に載せ替えることにより、各加工型の取り外しを行う。また同様にして、新たな加工型を載せたラックから多層加工機へと、新たな加工型を人力で押して横滑りさせて各層毎に載せ替え、その後各加工型を固定することにより、新たな各加工型の取り付けを行う。
(B)多層加工機の各層について1段分ずつ、専用のラック又はハンドパレットトラック等へ加工型を人力で引っ張り出して取り外し作業を行い、逆に押し込んで取り付け作業を行う。
(D)特開2009−56485号公報に記載されているように、複数の可動ラム(支持プレート)と複数の加工型を含むプレスアセンブリごと交換する。
(E)特開2011−156748号公報に記載されているように、各層の隣接する位置にある別の加工型と現在使用中の加工型を横方向に移動させるスライドテーブルを各層毎に設けて、このスライドテーブルの動作により各層毎に加工型の交換を行う。
(F)特開2011−218440号公報に記載されているように、スライド等の可動部材と複数の加工型を含むダイセットごと複数の加工型の交換を行う。
また(C)でも、重量物である上型及び下型自体を持ち上げる作業が、各加工型毎に必要となり、この作業でも作業者が多層加工機内の各層に手を差し入れる必要もあるため、やはり作業性が悪く、作業者の多大な労力が必要になり、事故リスクも増えるという課題がある。
また(E)では、スライドテーブルを各層毎に設けなければならず、さらに多種類の加工型を載せた高質量のスライドテーブルを各層毎に移動させる駆動力も必要であるため、やはり設備の初期コスト及びランニングコストが多大なものとなるという課題がある。
また、型交換台50は、次のような特徴も有する。
即ち、前記型保持部は、前記加工型の底面及び側面に接合可能なL字形断面を有する一対の爪部よりなり、前記多層加工機への挿入時に前記加工型の前記横方向両側に各爪部が位置して、一方の爪部が前記加工型の底面及び一方の側面に接合し、他方の爪部が前記加工型の底面及び他方の側面に接合することにより、前記横方向における前記加工型の動き及び落下を規制する構造である。
また、型交換台50は、次のような特徴も有する。
即ち、前記型保持部には、この型保持部に保持された前記加工型が前記挿入方向先端側に移動するのを規制する脱落防止部材を着脱可能である。
また、型交換台50は、次のような特徴も有する。
即ち、当該型交換台の底部又は下方には、当該型交換台が置かれた床面上を移動するリフトの爪を挿入可能である。
また、前記実施例の多層加工機1と型交換台50とを備える多層加工システムは、次のような特徴を有する。
即ち、発明概念1乃至3の何れかに記載の型交換台と多層加工機とを備える多層加工システムであって、
前記多層加工機は、当該多層加工機に取り付けられた複数の前記加工型の配置間隔が複数の前記型保持部の間隔に一致する位置において当該多層加工機の型締め動作を阻止する型締め規制ブロックを着脱可能である。
また、前記実施例の多層加工機1の型交換方法は、次のような特徴を有する。
即ち、発明概念1乃至3の何れかに記載の型交換台を使用した前記多層加工機の型交換方法であって、
前記多層加工機に取り付けられた複数の前記加工型の前記多層加工機への固定を解除するとともに、前記多層加工機に取り付けられた複数の前記加工型の配置間隔が複数の前記型保持部の間隔に一致する位置で前記多層加工機の動作を停止させた交換位置停止状態とする第1工程と、
前記交換位置停止状態において、前記加工型を保持していない空の前記型交換台を移動させて前記多層加工機にその型保持部を挿入し、前記多層加工機内の前記加工型をその型保持部によってそれぞれ保持し、次いでこの型交換台を移動させて前記多層加工機から前記型保持部を前記加工型とともに引き出す第2工程と、
前記交換位置停止状態において、交換後の新たな前記加工型を保持している別の前記型交換台を移動させて前記多層加工機にその型保持部を挿入し、次いでこの型交換台を移動させて前記多層加工機内に新たな前記加工型を残した状態で前記多層加工機からその型保持部を引き出す第3工程と、
新たな前記加工型を前記多層加工機へ固定する第4工程と、を有することを特徴とする多層加工機の型交換方法。
また、前記実施例の多層加工機1の型交換方法は、次のような特徴を有する。
即ち、発明概念1乃至3の何れかに記載の型交換台を使用した前記多層加工機の型交換方法であって、
前記多層加工機の型締め状態において、前記多層加工機に取り付けられた前記加工型を構成する上型と下型のうち、上型の前記多層加工機への固定を解除する第1工程Aと、
前記多層加工機に取り付けられた複数の前記加工型の配置間隔が複数の前記型保持部の間隔に一致する位置で前記多層加工機の動作を停止させた交換位置停止状態とし、前記下型の前記多層加工機への固定を解除する第1工程Bと、
前記交換位置停止状態において、前記加工型を保持していない空の前記型交換台を移動させて前記多層加工機にその型保持部を挿入し、前記多層加工機内の前記加工型をその型保持部によってそれぞれ保持し、次いでこの型交換台を移動させて前記多層加工機から前記型保持部を前記加工型とともに引き出す第2工程と、
前記交換位置停止状態において、交換後の新たな前記加工型を保持している別の前記型交換台を移動させて前記多層加工機にその型保持部を挿入し、次いでこの型交換台を移動させて前記多層加工機内に新たな前記加工型を残した状態で前記多層加工機からその型保持部を引き出す第3工程と、
新たな前記加工型を構成する上型と下型のうち、下型を前記多層加工機へ固定する第4工程Aと、
前記多層加工機の型締め状態において、新たな前記加工型を構成する上型を前記多層加工機へ固定する第4工程Bと、を有する。
また、前記実施例の多層加工機1は、次のような特徴を有する。
即ち、プレス加工用の加工型を型締め・型開き方向に複数配置して使用する多層加工機であって、
固定盤であるボルスタ(12)と、
このボルスタに対して四隅の位置に互いに平行に固定状態に設けられた4本の支柱(14)と、
これら支柱に対して動作可能に型締め・型開き方向に複数積層配置され、前記加工型を構成する各型(上型と下型)のうち、前記ボルスタに固定される型(L4)を除くもの(U1、L1、U2、L2、U3、L3、U4)を動作可能に支持する複数の可動部材(スライダ21及び可動ラム22〜24)と、
これら複数の可動部材のうち、前記ボルスタから最も離れた反対側の位置にある可動部材(スライダ21)を型締め・型開き方向に駆動するプレス駆動源(油圧シリンダ40)と、を備え、
前記複数の可動部材が、前記4本の支柱のうちの互い違いに対角線上に位置する2本の支柱にそれぞれ軸受部(21a〜24a)によって案内される構成(2本対角構成)であることを特徴とする。
なお、上記軸受部を構成する軸受は、特に限定されず、例えばすべり軸受けでもよいし、転がり軸受でもよい。プレス駆動源も油圧シリンダに限定されない。
例えば、型交換台の型保持部(爪部80,90)の構成は、前述した実施例の構成に限られない。図15(a)は前述した実施例の爪部80,90の構成を示すものであるが、加工型側の構成によっては例えば図15(b)や図15(c)に示す構成でもよい。ここで、図15(b)に示す構成は、加工型の側面に溝S3、S4が形成されている場合に、これら溝S3、S4に挿入可能な爪部80,90とした構成例を示している。また、図15(c)に示す構成は、加工型の側面に逆L字状のフック部分が形成されている場合に、これらフック部分の内側の溝S5、S6に挿入可能な爪部80,90とした構成例を示している。型保持部(爪部80,90)の構成は、このような態様でもよい。したがって、型保持部(爪部80,90)は、必ずしも断面L字状に限らず、図15(c)のように断面が直線状でよい場合もあるし、或いは断面T字状でもよいし、断面円形(例えば下型に開けられた挿入方向の複数の穴にそれぞれ挿入される断面円形の棒状の複数の爪部からなる構成)などでもよい。いずれにせよ、複数の型保持部(爪部80,90)の構成は、多層加工機に同時に挿入可能で各加工型の横方向の動きと落下を規制して各加工型が保持でき、多層加工機に挿入した状態で例えば僅かに持ち上げる或いは持ち下げるという動作によって、各加工型の多層加工機から型交換台への載せ替え、或いは型交換台から多層加工機への載せ替えが可能な構成であれば、いかなる構成でもよく、2本でなく1本の爪部からなる構成、或いは3本以上の爪部からなる構成もあり得る。
また、前記実施例の多層加工機の構成は、既述したように一例であり、これに限定されない。例えば、油圧シリンダなどのプレス駆動源が、加工型やスライダや可動ラムの下側に配置される態様もあり得る。プレス駆動源が下側に配置される場合、プレス駆動源がスライダ等を押し上げて上昇させる動作が型締めの動作となる。また、型締め・型開き方向は、必ずしも上下方向(鉛直方向)に限らない。例えば、鉛直方向に対して若干傾いている態様もあり得る。また多層加工機は、4層タイプに限られず、その段数(層の数)は4未満でも5以上でもよい。
また、本願発明の型交換台による型交換は、前述した安全ブロック35(型締め規制ブロック)を使用しないで、例えば多層加工機の型開き状態で行うこともでき、その態様の場合には、LH=LK1となる。但し、前述した安全ブロック35を使用する態様が優れていることは前述したとおりである。
12 下固定盤(ボルスタ)
14 支柱
21 スライダ(可動部材)
22〜24 可動ラム(可動部材)
21a〜24a 軸受部
31〜34 ブロック取付部
35 安全ブロック(型締め規制ブロック)
40 油圧シリンダ(プレス駆動源)
50 型交換台
71〜74 型保持部
80,90 爪部
84,94 後側ストッパ
100 脱落防止部材
200 リフト(ハンドパレットトラック)
204 リフトの爪
K1〜K4 加工型
U1〜U4 上型
L1〜L4 下型
Claims (1)
- プレス加工用の加工型を型締め・型開き方向に複数配置して使用する多層加工機であって、
固定盤であるボルスタと、
型締め・型開き方向が軸方向となるように配置されて、前記ボルスタに対して四隅の位置に互いに平行に固定状態に設けられた4本の支柱と、
これら支柱に対して動作可能に型締め・型開き方向に複数積層配置され、前記加工型を構成する各型のうち、前記ボルスタに固定される型を除くものが固定される複数の可動部材と、
これら複数の可動部材のうち、前記ボルスタから最も離れた反対側の位置にある可動部材を型締め・型開き方向に駆動するプレス駆動源と、を備え、
前記複数の可動部材は、前記4本の支柱のうちの互い違いに対角線上に位置する2本の支柱にそれぞれ軸受部によって案内されることにより型締め・型開き方向に動作可能であることを特徴とする多層加工機。
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