JP6322510B2 - 管材矯正方法 - Google Patents
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真円度とは、本明細書では、管材の軸線方向に直交するある断面における最大外径と最小外径との差のことを意味する。そして、真円度を矯正するとは、管材を真円度がゼロに近づくように矯正することを意味する。真円度がゼロに近いほど(真円度を高めるほど)、管材の断面形状は真円に近くなる。
この管材矯正方法は、内周面が円形に形成されたリング状のケーシングの内周面を管材の端部の外周面に対向させて管材の外周にケーシングを配置するとともに、外周面を管材の端部の内周面に当接させて管材の内周に内周側ローラを配置する。そして、ケーシングの内周面と管材の外周面との間に圧接力を作用させることで、ケーシングの内周面を矯正型面として管材を塑性変形させるとともに、管材と内周側ローラとを管材の軸線回りに相対的に回転させる。このようにして、管材の端部の真円度を矯正する。
この管材矯正方法に用いられる装置が、管材矯正装置である。
本発明の管材矯正方法は、管材の真円度を矯正する管材矯正方法であって、前記管材の軸線方向の中間部の真円度を矯正する中間部矯正工程と、前記中間部矯正工程の後で、前記管材の前記軸線方向の端を含む端部の真円度を、前記管材の前記中間部と前記管材の前記端部とが前記軸線方向に連なるように矯正する端部矯正工程と、を備え、前記中間部矯正工程の前に、前記管材の外周面を保持機構で保持し、前記管材における径方向外側に突出した突部を径方向内側に変形させる保持工程と、前記保持機構をリング状の矯正用ケーシングに接近させて前記矯正用ケーシング内に前記管材を挿入する挿入工程と、前記保持機構による前記管材の保持を解除する解除工程と、前記保持機構を前記矯正用ケーシングから離間させる退避工程と、を組にして複数回繰り返すことを特徴としている。
この発明によれば、管材の端部の真円度を矯正するときには、管材の端部に連なる管材の中間部の真円度が矯正されている。
管材矯正装置の矯正用ケーシングと内周側ローラとの間に管材の中間部を配置して押圧機構及び回転機構により管材の中間部の真円度を矯正する。その後で、矯正用ケーシングと内周側ローラとの間に管材の端部を配置して押圧機構及び回転機構により管材の端部の真円度を矯正する。このように矯正することで、管材の端部の真円度を矯正するときには、管材の端部に連なる管材の中間部の真円度が矯正されている。
また、上記の管材矯正方法において、前記管材は、前記軸線方向が鉛直方向に直交するように配置され、前記中間部矯正工程及び前記端部矯正工程では、自身の外周面を前記管材の内周面に当接させて前記管材の内周に配置される内周側ローラと前記管材とは、前記管材の前記軸線よりも上方側で接触することがより好ましい。
この発明によれば、保持機構を周方向に互いに間隔を空けた複数の保持部で構成することで、周方向において管材を全周でなく、複数の位置で保持する。
また、上記の管材挿入装置において、前記矯正用ケーシングの前記軸線方向の前記保持用ケーシング側の外面には、前記矯正用ケーシングの周方向に延びる溝部が形成され、前記溝部は、前記外面側に形成された外面側溝部と、前記溝部の底面側に形成され、前記矯正用ケーシングの径方向の長さが前記外面側溝部の前記径方向の長さよりも長い底面側溝部と、を有し、前記距離調整機構は、前記軸線方向に延びる棒状に形成された調整用ピストンと、前記調整用ピストンの前記矯正用ケーシング側の端部に設けられ、前記調整用ピストンから径方向外側に突出して前記底面側溝部に係合することなく前記外面側溝部に係合可能な係合部と、前記調整用ピストンを前記軸線方向に移動させるシリンダ本体と、前記調整用ピストンを前記調整用ピストンの軸線周りに回転させる回転部と、を有することがより好ましい。
溝部に係合部が係合しない向きにして、シリンダ本体により溝部に調整用ピストンを挿入する。溝部に係合部が係合するように調整用ピストンを回転させることで、矯正用ケーシングに調整用ピストンを係合させる。
請求項1に記載の管材矯正方法によれば、保持機構を矯正用ケーシングに接近させたり離間させたりする長さが短い場合でも、保持工程から退避工程までを組にして複数回繰り返すことで、矯正用ケーシングに対して管材をより長く移動させることができる。
請求項3に記載の管材矯正方法によれば、管材が矯正される部分が上方から確認しやすくなる。
参考例の管材挿入装置によれば、保持機構を簡単に構成することができる。
参考例の管材挿入装置によれば、矯正用ケーシングに調整用ピストンを係合させた状態でシリンダ本体により調整用ピストンを引き戻すことで、矯正用ケーシングと保持用ケーシングとの距離を短くすることができる。
以下、本発明に係る管材挿入装置の第1実施形態を、図1から35を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態の管材挿入装置1は、管材Tの真円度を矯正する管材矯正装置100とともに用いられる。以下では、まず、管材Tについて説明する。
一般的に、このように形成された管材Tの断面形状(初期形状)は真円にはならない。管材Tには、シーム溶接して形成されたシーム部を含め、管材Tの他の外面よりも径方向外側に突出した突部T1が3つ、管材Tの軸線C11周りに互いに離間した位置に形成されている。各突部T1は管材Tの軸線C11方向に延びている。
図3以降では、突部T1を2点鎖線の丸印で示す。
図1及び3に示すように、この管材矯正装置100は、管材Tの外周に配置されるリング状の矯正用ケーシング110と、管材Tの内周に配置される内周側ローラ115と、矯正用ケーシング110の内周面と管材Tの外周面との間に圧接力を作用させる押圧機構120と、管材Tと内周側ローラ115とを矯正用ケーシング110の軸線C1周りに相対的に回転させる内周側ローラ駆動モータ(回転機構)125と、矯正用ケーシング110等を支持する基台130とを備えている。
蟻溝111は、外面110b側に形成された外面側溝部111aと、蟻溝111の底面側に形成された底面側溝部111bとを有している。底面側溝部111bは、外面側溝部111aよりも径方向内側及び径方向外側にそれぞれ突出している。底面側溝部111bの矯正用ケーシング110の径方向の長さL2は、外面側溝部111aの径方向の長さL1よりも長い。
水平面G上に配置された基台130には、不図示の支持ロール駆動シリンダを介して図3に示す支持ロール135が一対取付けられている。支持ロール135のローラ135aは、矯正用ケーシング110の軸線C1に平行な軸線C2周りに回転することができる。
支持ロール駆動シリンダとしては、例えば公知の油圧シリンダを用いることができる。支持ロール駆動シリンダを駆動することで、各支持ロール135は基台130に対して鉛直方向Zに移動することができる。一対の支持ロール135のローラ135aは、矯正用ケーシング110を下方側Z2から支持している。
基台130には、支持台131、及び、一対の支持ロール135を挟むように一対のレール132が固定されている。
各レール132は水平方向Xに延びている。レール132の上部には挟持部材133の基端部が固定され、レール132と挟持部材133の先端部との間に隙間S1が形成されている。
内周側ローラ115は、自身の外周面を管材Tの内周面に当接させることができる。内周側ローラ115は、矯正用ケーシング110内に、内周側ローラ115の上端と矯正用ケーシング110の内周面110aの上端との隙間が、内周側ローラ115と矯正用ケーシング110との他の部分の隙間よりも狭くなるように配置されている。
圧下ロール駆動シリンダ122は基台130に固定されている。圧下ロール駆動シリンダ122は、圧下ロール121を鉛直方向Zに移動させることができる。
内周側ローラ115を管材T内に挿入するために、内周側ローラ115は内周側ローラ駆動モータ125によるいわゆる片持ち式の支持になる。
図1、3及び5に示すように、本管材挿入装置1は、管材Tの外周に配置されるリング状の保持用ケーシング10と、保持用ケーシング10に設けられた、管材Tの突部T1を径方向内側に変形させた状態を保持するとともにこの保持を解除可能な保持機構15、及び矯正用ケーシング110と保持用ケーシング10との軸線C1方向の距離を調整可能な距離調整機構20と、保持機構15及び距離調整機構20を制御する制御部25とを備えている。
保持用ケーシング10には、保持用ケーシング10の外周面から内周面まで延びる貫通孔10bが、保持用ケーシング10の周方向に互いに間隔を空けて形成されている。各貫通孔10bには、保持用ケーシング10の内周面側の内径よりも外周面側の内径を大きくすることで、段部10cが形成されている。各貫通孔10bは、管材Tの突部T1に対応する位置に形成されている。
保持用ケーシング10の外周面には、径方向外側に突出する受け部11が一対形成されている。各受け部11は板状に形成されている。保持用ケーシング10及び受け部11は鉄鋼等の金属で形成され、溶接等により互いに接続されている。
受け部11の先端部は、レール132と挟持部材133との間の隙間S1に配置されている。各受け部11は保持用ケーシング10に一体となって、レール132上を水平方向Xに移動することができる。
保持用ケーシング10内に管材Tが挿通されたときには、保持用ケーシング10の内周面が管材Tの外周面に対向する。
保持用シリンダ16は保持用ケーシング10の貫通孔10b内に配置され、保持用シリンダ本体16bの先端部が段部10cにネジ嵌合等により固定されている。切換え弁を制御して保持用シリンダ本体16b内の油の量を調整することで、保持用ピストン16aを径方向に移動させることができる。
以下では、保持用ケーシング10の下部に配置された保持用シリンダ16を保持用シリンダ16Aと、保持用シリンダ16A以外の2つの保持用シリンダ16を保持用シリンダ16Bとも称する。
調整用ピストン21aの外径は外面側溝部111aの長さL1よりもわずかに小さい。調整用ピストン21aの外径と一対の係合部21bの長さの和である長さL5(図3参照)は、外面側溝部111aの長さL1よりも長く底面側溝部111bの長さL2よりも短い。
回転部21dには、例えば公知のモータを用いることができる。
制御部25は、図示はしないが演算素子、メモリ、制御プログラム等で構成されている。制御部25には、図5に示すように、保持用シリンダ16の保持用シリンダ本体16b、距離調整部21の調整用シリンダ本体21c及び回転部21dが接続されている。制御部25は、保持用シリンダ本体16bや調整用シリンダ本体21cの切換え弁を制御したり、回転部21dが有する図示しない回転軸を介して調整用ピストン21aを軸線C7周りに回転させたりする。
なお、予め、保持用ケーシング10の軸線C6から保持用シリンダ16Bの保持用ピストン16aの先端までの距離を、矯正用ケーシング110の内周面110aの半径よりもわずかに小さい所定の値としておく。
保持用ケーシング10の軸線C6から保持用シリンダ16Aの保持用ピストン16aの先端までの距離を、前述の所定の値よりも充分大きくしておく。距離調整機構20の一対の係合部21bの向きを、矯正用ケーシング110の蟻溝111と平行にしておく。
以下の図12から35では、矯正用ケーシング110の蟻溝111及び距離調整機構20は示していない。
この突部検出工程(ステップS10)は、後述する第一の保持工程(ステップS15)から第三の退避工程(ステップS28)の前に行う。
以上で突部検出工程(ステップS10)を終了し、第一の保持工程(保持工程、ステップS15)に移行する。
不図示の昇降機で、管材Tを、軸線C11方向が鉛直方向Zに直交するように配置しつつ鉛直方向Zに移動させ、管材Tの上端の高さを、内周側ローラ115の上端と矯正用ケーシング110の内周面110aの上端との隙間の高さに合わせる。
以上で第一の保持工程(ステップS15)を終了し、第一の挿入工程(挿入工程、ステップS16)に移行する。
回転部21dにより調整用ピストン21aを軸線C7周りに回転させ、外面側溝部111aに一対の係合部21bを係合させる。
図11に示すように調整用シリンダ本体21cにより調整用シリンダ本体21cに対して調整用ピストン21aを水平方向Xの一方側X1に長さL7移動させる。すなわち、この長さL7が矯正用ケーシング110に対して保持用ケーシング10が一度に移動できる長さ(送り長さ)である。
長さL7は、管材Tの外径の0.25倍以上0.5倍以下程度とすることが好ましい。
以上で第一の挿入工程(ステップS16)を終了し、第一の解除工程(解除工程、ステップS17)に移行する。
以上で第一の解除工程(ステップS17)を終了し、第一の退避工程(退避工程、ステップS18)に移行する。
以上で第一の退避工程(ステップS18)を終了し、第二の保持工程(保持工程、ステップS20)に移行する。
第二の挿入工程(挿入工程、ステップS21)において、図15に示すように保持用ケーシング10、保持機構15及び距離調整機構20を矯正用ケーシング110に接近させ、矯正用ケーシング110内に管材Tを挿入する(管材Tの引込み)。
第二の退避工程(退避工程、ステップS23)において、図17に示すように保持用ケーシング10及び保持機構15を矯正用ケーシング110から離間させる(クランプ後退)。
第三の挿入工程(挿入工程、ステップS26)において、図19に示すように保持用ケーシング10、保持機構15及び距離調整機構20を矯正用ケーシング110に接近させ、矯正用ケーシング110内に管材Tを挿入する(管材Tの引込み)。これにより、矯正用ケーシング110の水平方向Xの他方側X2から管材Tの端T6が突出するまで矯正用ケーシング110内に管材Tが挿入される。このとき、矯正用ケーシング110から管材Tの端T6が突出する長さL9(突出長さ)は、前述の長さL7(送り長さ)以下にしておく。
第三の退避工程(退避工程、ステップS28)において、図21に示すように保持用ケーシング10及び保持機構15を矯正用ケーシング110から離間させる(クランプ後退)。
このように、保持工程、挿入工程、解除工程及び退避工程を組にし、この組にした複数の工程を後述する中間部矯正工程(ステップS30)の前に3回繰り返す。この例では組にした複数の工程を3回繰り返したが、繰り返す回数はこれに限定されず、2回でもよいし、4回以上でもよい。
以上で第三の退避工程(ステップS28)を終了し、中間部矯正工程(ステップS30)に移行する。
図23に示すように圧下ロール駆動シリンダ122により圧下ロール121を下方側Z2に移動させる(圧下ロール121下降)とともに、内周側ローラ駆動モータ125を駆動して内周側ローラ115を介して管材T及び矯正用ケーシング110を軸線C1周りに回転させる。矯正用ケーシング110の内周面110aと管材Tの外周面との間に圧接力を作用させ、管材Tの端T6を含まない軸線C11方向の中間部T8を軸線C11周りの全周にわたり塑性変形させる。これにより、管材Tの中間部T8の真円度を矯正する。中間部T8の軸線C11方向の長さL11(矯正長さ)は、長さL7(送り長さ)以上である。
以上で中間部矯正工程(ステップS30)を終了し、端部矯正工程(ステップS31)に移行する。
支持ロール駆動シリンダを駆動して、図25に示すように支持ロール135を上方側Z1に移動させる(支持ロール135上昇)。矯正用ケーシング110が上方側Z1に移動することで、内周側ローラ115の上端と管材Tとの間に、隙間S3が形成される。
図27に示すように保持用シリンダ16Aの保持用ピストン16aを径方向内側に移動させ、管材Tの外周面を保持機構15で保持する(クランプON)。
図29に示すように保持用シリンダ16Aの保持用ピストン16aを径方向外側に移動させて、保持機構15による管材Tの保持を解除する(クランプOFF)。
図31に示すように圧下ロール駆動シリンダ122により圧下ロール121を下方側Z2に移動させる(圧下ロール121下降)とともに、内周側ローラ駆動モータ125を駆動して内周側ローラ115を介して管材T及び矯正用ケーシング110を軸線C1周りに回転させる。
このとき、長さL7(送り長さ)、長さL9(突出長さ)及び長さL11(矯正長さ)が前述のような関係であるため、管材Tの中間部T8よりも端T6側の全体である管材Tの軸線C11方向の端部T9が、軸線C11周りの全周にわたり塑性変形する。端部T9は、管材Tの端T6を含む。これにより、管材Tの端部T9の真円度を矯正する。管材Tの中間部T8と端部T9とは軸線C11方向に離間することなく互いに連なっている(つながっている)ため、真円度を矯正した管材Tの端部T9が、端部T9に連なる部分から応力を受けて変形するのが抑制される。
支持ロール駆動シリンダを駆動して、図33に示すように支持ロール135を上方側Z1に移動させる(支持ロール135上昇)。内周側ローラ115の上端と管材Tとの間に、隙間S3が形成される。
図35に示すように保持用シリンダ16Aの保持用ピストン16aを径方向内側に移動させ、管材Tの外周面を保持機構15で保持する(クランプON)。
この後で、調整用ピストン21aを水平方向Xの他方側X2に移動させることで、矯正用ケーシング110から管材Tを引き抜く。
以上で端部矯正工程(ステップS31)を終了し、管材Tの中間部T8及び端部T9が矯正される。
内周側ローラ115は片持ち式の支持になるため、管材Tに対して大きな力を一度に作用させにくい。このような場合であっても、管材Tを中間部T8と端部T9とに分けて矯正することで、管材Tの軸線C11方向の広い範囲にわたり矯正することができる。
保持工程から退避工程までの工程の前に、突部検出工程(ステップS10)を備えることで、管材Tに応じた突部T1の軸線C11周りの位置を検出することができる。
保持機構15が3つの保持用シリンダ16を有していることで、管材Tに作用させる保持力を周方向の3カ所に集中させ管材Tをより確実に保持することができる。
矯正用ケーシング110には蟻溝111が形成され、距離調整機構20は調整用ピストン21a、調整用シリンダ本体21c及び回転部21dを有している。矯正用ケーシング110の蟻溝111に調整用ピストン21aを係合させた状態でシリンダ本体21cにより調整用ピストン21aを引き戻すことで、矯正用ケーシング110と保持用ケーシング10との距離を短くすることができる。
次に、本発明の第2実施形態について図36及び37を参照しながら説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図36に示すように、本実施形態の管材挿入装置2は、第1実施形態の管材挿入装置1の一対の保持用シリンダ16Bに代えて一対の保持部材(保持部)30を備えている。各保持部材30は保持用シリンダ16Bに対応する位置に配置され、保持用ケーシング10にネジ結合等により固定されている。保持用ケーシング10の軸線C6方向に見たときの、保持部材30の軸線C6側の面30aの曲率半径は、前述の所定の値である。保持部材30は、鉄鋼等の金属で形成することができる。
なお、一対の保持部材30及び保持用シリンダ16Aで保持機構31を構成する。
第一の保持工程(ステップS15)において、制御部25は、図37に示すように保持用シリンダ16Aの保持用ピストン16aを径方向内側に移動させて、管材Tの突部T1を径方向内側に変形させ、管材Tの外周面を保持機構31で保持する。このとき、各保持部材30の面30aが管材Tの突部T1に接触する。
このように、本実施形態の管材矯正方法及び管材挿入装置2によれば、管材Tの端部T9をより真円度を高めて矯正することができる。
さらに、保持部が保持部材30であることで、保持用シリンダ16Bを用いる場合に比べて保持機構31を簡単に構成することができる。
例えば、前記第1実施形態及び第2実施形態では、内周側ローラ115と管材Tとは、管材Tの軸線C11よりも上方側Z1で接触するとした。しかし、内周側ローラ115と管材Tとが接触する位置はこれに限定されず、管材Tの軸線C11よりも下方側Z2や、管材Tの軸線C11を含む水平面上でもよい。
管材Tの中間部T8を矯正してから端部T9を矯正するという2段階で管材Tを矯正した。しかし、管材Tの矯正は2段階に限られず、管材Tの中間部T8から端T6に向かって矯正する範囲が軸線C11方向に連なるように矯正するのであれば、何段階でもよい。
また、突部T1を有さない管材を用いてもよい。この場合、管材矯正方法に突部検出工程(ステップS10)を備えなくてもよい。
10 保持用ケーシング
15、31 保持機構
16 保持用シリンダ(保持部)
16a 保持用ピストン
20 距離調整機構
21a 調整用ピストン
21b 係合部
21c 調整用シリンダ本体(シリンダ本体)
21d 回転部
30 保持部材(保持部)
100 管材矯正装置
110 矯正用ケーシング
110b 外面
111 蟻溝(溝部)
111a 外面側溝部
111b 底面側溝部
115 内周側ローラ
120 押圧機構
125 内周側ローラ駆動モータ(回転機構)
C1、C11 軸線
S10 突部検出工程
S15 第一の保持工程(保持工程)
S16 第一の挿入工程(挿入工程)
S17 第一の解除工程(解除工程)
S18 第一の退避工程(退避工程)
S20 第二の保持工程(保持工程)
S21 第二の挿入工程(挿入工程)
S22 第二の解除工程(解除工程)
S23 第二の退避工程(退避工程)
S25 第三の保持工程(保持工程)
S26 第三の挿入工程(挿入工程)
S27 第三の解除工程(解除工程)
S28 第三の退避工程(退避工程)
S30 中間部矯正工程
S31 端部矯正工程
T 管材
T1 突部
T6 端
T8 中間部
T9 端部
Z 鉛直方向
Z2 下方側
Claims (3)
- 管材の真円度を矯正する管材矯正方法であって、
前記管材の軸線方向の中間部の真円度を矯正する中間部矯正工程と、
前記中間部矯正工程の後で、前記管材の前記軸線方向の端を含む端部の真円度を、前記管材の前記中間部と前記管材の前記端部とが前記軸線方向に連なるように矯正する端部矯正工程と、
を備え、
前記中間部矯正工程の前に、
前記管材の外周面を保持機構で保持し、前記管材における径方向外側に突出した突部を径方向内側に変形させる保持工程と、
前記保持機構をリング状の矯正用ケーシングに接近させて前記矯正用ケーシング内に前記管材を挿入する挿入工程と、
前記保持機構による前記管材の保持を解除する解除工程と、
前記保持機構を前記矯正用ケーシングから離間させる退避工程と、を組にして複数回繰り返すことを特徴とする管材矯正方法。 - 前記保持工程、前記挿入工程、前記解除工程、及び前記退避工程の前に、
前記管材における前記突部の前記管材の軸線周りの位置を検出する突部検出工程を備えることを特徴とする請求項1に記載の管材矯正方法。 - 前記管材は、前記軸線方向が鉛直方向に直交するように配置され、
前記中間部矯正工程及び前記端部矯正工程では、自身の外周面を前記管材の内周面に当接させて前記管材の内周に配置される内周側ローラと前記管材とは、前記管材の前記軸線よりも上方側で接触することを特徴とする請求項1または2に記載の管材矯正方法。
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