JP6322439B2 - 膜型アクチュエータ及び膜型アクチュエータ取付構造 - Google Patents

膜型アクチュエータ及び膜型アクチュエータ取付構造 Download PDF

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Description

本発明は、膜型アクチュエータ及び膜型アクチュエータ取付構造に関する。
膜型圧電素子の伸縮を利用した膜型アクチュエータを、構造物の振動抑制に採用する技術が提案されている(特許文献1)。
特許文献1には、梁の下部フランジの両端部を一部切り欠いて切欠き部を形成し、梁が接合された柱との間に形成された空間に膜型アクチュエータを配置して、膜型アクチュエータの伸縮で梁の振動を抑制する技術が記載されている。
しかし、膜型アクチュエータは薄い膜状に形成されているため、構造物の振動抑制部にそのまま設置した場合、膜型アクチュエータの収縮時(引張り方向)には、アクチュエータとして、引張力を発揮するものの、膜型アクチュエータの伸長時(圧縮方向)には、面外変形が生じて、圧縮力を振動抑制部に伝達させることが困難となる。
このため、従来は、施工時に、膜型アクチュエータに予め電圧を印加して、伸長させた状態で構造物に固定し、常に膜型アクチュエータに引張力を加えておき、使用時には、膜型アクチュエータに、収縮方向の力を発揮させるように構成していた。
特開2012−112237号公報
しかし、従来の方法では、配線やコントローラのセッティングが完了しないと、膜型アクチュエータを構造物に固定できず、施工に手間がかかるという問題があった。
本発明は、上記事実に鑑み、施工時に引張力の付与を必要としない膜型アクチュエータ、及び施工時に電圧印加せずに引張力の付与が可能な膜型アクチュエータ取付構造を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明に係る膜型アクチュエータは、芯材と、前記芯材の両面に固着され、印加電圧に応じて前記芯材を伸縮させる膜型圧電素子と、前記芯材の両端部に固定された固定具と、前記固定具の間で、引張力が付与された状態の前記芯材を保持する保持部材と、を有し、前記保持部材は、前記固定具の間に取付けられる支え棒であることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、芯材の両面に固着された膜型圧電素子により、印加電圧に応じて芯材が伸縮される。また、芯材の両端部に固定された固定具の間の保持部材により、引張力が付与された状態で芯材が保持される。
これにより、施工時に、現場で引張力を付与する必要がなくなり、施工性を高めることができる。また、施工後に、張力付与手段を取り除くことで、膜型アクチュエータに、常時引張力を付与しておくことができる。
また、支え棒により引張力が付与された状態で芯材が保持される。これにより、施工時に張力を付与する必要はなく、施工後に支え棒を取り外すことで、常時、膜型アクチュエータに引張力を付与することができる。
請求項2に記載の発明は、芯材と、前記芯材の両面に固着され、印加電圧に応じて前記芯材を伸縮させる膜型圧電素子と、前記芯材の両端部に固定された固定具と、前記固定具の間で、引張力が付与された状態の前記芯材を保持する保持部材と、を有し、前記保持部材は、前記固定具の間であり、前記膜型圧電素子に沿って前記芯材に形成したスリットで前記芯材の端部に矩形部を設け、前記矩形部を押し潰して伸長させた支え板部であることを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、支え板部により引張力が付与された状態で芯材が保持される。これにより、芯材を伸長させる引張装置や伸長された芯材を保持する保持部材を別途準備する必要がない。また、施工時に張力を付与する必要はなく、施工後に支え板部を切り取ることで、常時、膜型アクチュエータに引張力を付与することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の膜型アクチュエータにおいて、前記芯材は、鋼板を加圧して、両端部より薄くされた中央部を前記膜型圧電素子の固着部とし、両端部を固定部とすると共に、前記中央部と前記両端部の境界には、テーパ部が形成されていることを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、芯材の中央部と両端部の間に形成されたテーパ部により、膜型圧電素子の引張力を、損失を減らして中央部から両端部へ伝達させることができる。この結果、芯材の膜型圧電素子が固着される部分を、より薄く形成することができ、膜型圧電素子の引張力をより有効に活用できる。また、両端部に、別途固定具を取付けなくても、固定部を、膜型圧電素子の固着部と一体成型することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の膜型アクチュエータにおいて、前記芯材及び前記固定部は、カーボンファイバーを積層して形成されていることを特徴としている。
これにより、芯材の薄型化、芯材と固定部の一体化を図ることができる。また、芯材の膜型圧電素子が固着される固着部をより薄く形成できるようになり、膜型圧電素子の引張力をより有効に活用できる。
請求項5に記載の発明に係る膜型アクチュエータ取付構造は、芯材の両面に膜型圧電素子が固着された膜型アクチュエータと、前記膜型アクチュエータの一方の端部に形成された長孔と、前記長孔の周囲に接合され、前記膜型圧電素子の方向を開放した楔長孔が形成された第1楔と、前記第1楔と傾斜面同士が当接され、ボルト孔が形成された第2楔と、前記第2楔の前記ボルト孔、前記第1楔の前記楔長孔を貫通して、第1部材に締結され、前記第2楔を前記第1楔に押し付け、前記第1楔を前記膜型圧電素子と反対側へ移動させるボルトと、前記膜型アクチュエータの他方の端部を、前記第1部材と相対変位する第2部材へ固定する固定具と、前記固定具に設けられ、前記相対変位により、前記膜型アクチュエータに設定値以上の外力が加えられたき、前記固定具と前記膜型アクチュエータの他方の端部との接合を解除する保護機構と、を有することを特徴としている。なお、外力と
は、構造物に外部から作用する力であって、地震力や風圧力等を云う。
請求項5に記載の発明によれば、第1楔と第2楔に挿入されたボルトを第1部材へねじ込み、第2楔を押圧することで、当接された傾斜面同士がスライドして、第1楔と、第1楔に接合された膜型アクチュエータが、他方の端部から離れる方向へ移動させられる。これにより、膜型アクチュエータに引張力を付与することができる。即ち、施工時に、膜型アクチュエータに電圧を印加せずに引張力を付与することができる。
また、固定具に設けられた保護機構により、膜型アクチュエータに設定値以上の外力が加えられたき、固定具と膜型アクチュエータの他方の端部との接合が解除される。これにより、第1部材と第2部材が相対変位しても膜型アクチュエータの損傷を抑制することができる。
本発明は、上記構成としてあるので、施工時に引張力の付与を必要としない膜型アクチュエータ、及び施工時に電圧印加せずに引張力の付与が可能な膜型アクチュエータ取付構造を提供することができる。
(A)は本発明の第1実施形態に係る膜型アクチュエータの基本構成を示す斜視図であり、(B)は(C)のX−X線断面図であり、(C)は正面図である。 (A)は本発明の第1実施形態に係る膜型アクチュエータの側面図であり、(B)はその平面図であり、(C)は膜型圧電素子の分解斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る膜型圧電素子の電気特性を示す電圧特性図である。 (A)は本発明の第1実施形態に係る膜型アクチュエータに支え棒を挿入する前の正面図であり、(B)は膜型アクチュエータに引張力を加えた状態の正面図であり、(C)は膜型アクチュエータに支え棒を挿入した後の正面図である。 本発明の第1実施形態に係る膜型アクチュエータを、柱梁接合部に取付けた状態の正面図である。 (A)は本発明の第1実施形態に係る膜型アクチュエータを、柱梁接合部に取付けた状態の他の正面図であり、(B)はその接合部を拡大した平面図であり、(C)は接合部材の斜視図である。 (A)は本発明の第2実施形態に係る膜型アクチュエータの基本構成を示す斜視図であり、(B)はその圧延加工段階を示す断面図であり、(C)は圧延加工後の側面図である。 (A)は本発明の第3実施形態に係る膜型アクチュエータの基本構成を示す側面図であり、(B)はその正面図である。 (A)は本発明の第4実施形態に係る膜型アクチュエータ取付構造の基本構成を示す正面図であり、(B)はその一方の固定部を示す部分断面図であり、(C)はその他方の固定部を示す正面図である。 (A)は本発明の第4実施形態に係る膜型アクチュエータ取付構造の他の構成を示す正面図であり、(B)はその一方の固定部を示す部分断面図であり、(C)は他方の固定部で使用される接合部材の斜視図である。
(第1実施形態)
図1〜図6を用いて、第1実施形態に係る膜型アクチュエータ10について説明する。
図1(A)〜図1(C)に示すように、膜型アクチュエータ10は、芯材12を有し、芯材12の両面(Z軸方向)には膜型圧電素子14が固着されている。
芯材12は、鋼板で矩形状に形成され、膜型圧電素子14を補強し、膜型圧電素子14により、膜型圧電素子14と共にX軸方向へ伸縮される。芯材12は、X軸方向、Y軸方向共に、膜型圧電素子14より大きく形成されている。
芯材12のY軸方向の両端部には、幅Y1、長さX1の寸法で、両端部が矩形状に切り取られた、切欠き部24が形成されている。また、芯材12のX軸方向端部には、ボルト孔20が形成されている。
芯材12のX軸方向の両端部には、Z軸方向から芯材を挟み込んで固定された固定具16が取付けられている。固定具16は、鋼材で、芯材12のY軸方向の全幅を覆う幅で形成されている。固定具16には、芯材12を貫通してボルト孔20が設けられている。膜型アクチュエータ10は、ボルト孔20で固定具16を介して、制御対象となる建物躯体に取付けられる。
膜型圧電素子14は、芯材12の中央部の、切欠き部24で挟まれた部分に貼り付けられている。
ここに、膜型圧電素子14は、図2(A)〜図2(C)に示すように、繊維状に形成された圧電セラミック37を、同一平面上にエポキシ樹脂36を挟んで一方向へ配置し、圧電セラミック37の両側面には、電極が印刷されたポリイミドフィルム38を配置し、更に、それらをエポキシ樹脂36で接合した構成である。
膜型圧電素子14は、両側面の圧電セラミック37に、リード線39を介してコントローラから電圧が印加される。圧電セラミック37には、印加された電圧値に従った歪が生じ、膜型圧電素子14が矢印Pの方向に変形する。芯材12の両側面には、膜型圧電素子14が貼り付けられているので、同時に同じ印加電圧を印加することで、芯材12を両側面から矢印Pの方向に印加電圧に応じて伸縮させることができる。
膜型圧電素子14は、図3に示すように、電圧入力に応じて伸縮する特性を有している。ここに、図3は、横軸がアンプからの入力電圧(V)、縦軸が変形量(mm)であり、ループ状の曲線が膜型圧電素子14の伸縮特性Qである。
即ち、伸縮特性Qは、アンプからの入力電圧を増大してゆけば、膜型圧電素子14は伸長され、変形量が増大し、アンプからの入力電圧を低減させてゆけば、膜型圧電素子14は収縮し、変形量が減少する。
膜型圧電素子14は、収縮時の引張り方向には力を発揮することができる(範囲A)。しかし極めて薄い構成のため、伸長時の圧縮方向には面外変形が生じ、力を躯体に伝達することができない(範囲B)。このため、膜型圧電素子14を伸長させておき、常に、収縮方向の力を発揮するよう構成するのが望ましい。これにより、力を伝達する範囲を3倍程度広くすることができる(範囲C)。
次に、図4を用いて、膜型圧電素子14を伸長させる構成について説明する。
先ず、図4(A)に示すように、膜型アクチュエータ10は、Y軸方向の両端部に切欠き部24が形成された芯材12に、膜型圧電素子14と固定具16が取付けられている。このとき、固定具16間の、X軸方向の距離はX1である。
次に、図4(B)に示すように、固定具16を利用して、図示しない引張装置を用い、X軸方向へ力Fを加えて固定具16間を距離X2まで伸長させる。このとき、伸長量(距離X2−距離X1)は、使用する膜型圧電素子14の伸縮特性や、芯材12の伸縮特性等から決定される。
次に、図4(C)に示すように、膜型アクチュエータ10を、X軸方向へ伸長させた状態で、長さX2の2本の支え棒18を、2か所の切欠き部24へそれぞれ挿入する。このとき、支え棒18の側面の溝19を、膜型圧電素子14との間の、切り残された芯材12へ差し込む。これにより、固定具16間が支え棒18で支持され、膜型アクチュエータ10を引張装置から取り外しても、支え棒18に引張力を負担させることができる。
ここに、支え棒18は、鋼材製とされ、引張力が付与された状態で、固定具16間の距離X2を維持する剛性を備えている。なお、支え棒18は、建物躯体へ膜型アクチュエータ10を取付けた後、支え棒18を取り外すことで、膜型圧電素子14に引張力を付与させることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、芯材12の両面に固着された膜型圧電素子14により、印加電圧に応じて芯材12が伸縮される。また、芯材12の両端部に固定された固定具16を利用して取り付けられた支え棒18により、引張力が付与された状態で、芯材12が保持される。
これにより、施工時に張力を付与する必要はなく、施工後に支え棒を取り外すことで、常時、膜型圧電素子14に引張力を付与させることができる。
この結果、従来の、膜型圧電素子14に電圧を加えて伸長させる方式における、配線やコントローラのセッティングが完了しないと、膜型アクチュエータ10の固定が行えず、施工に手間がかかる問題や、高電圧印加状態で膜型アクチュエータ10をボルト留めするため、膜型圧電素子14に余計な負荷を与え、故障の原因となる問題を解消できる。
更に、膜型アクチュエータ10が得られる最大の伸長量が、膜型圧電素子14の伸長量の範囲内に限定される問題や、固定時に生じた芯材12のたわみ等の要因により、膜型圧電素子14の生じる力を全て引張り方向に作用させることが出来ない問題についても、本実施形態によれば、予め膜型圧電素子14の伸長量以上の伸長を与えることで、固定時のたわみ等を少なくし、膜型圧電素子14の力をより確実に、引張力として躯体に伝達させることができ、いずれも解消することができる。
次に、図5を用いて、膜型アクチュエータ10の躯体への取付け方法を説明する。
図5に示すように、膜型アクチュエータ10は、柱26と梁28の接合部に、梁28と平行に取付けられている。柱26の側壁26Sには柱側座板27が固定され、梁28の下フランジ32の下側32Uには、梁側座板29が固定されている。
具体的には、膜型アクチュエータ10は、一方の端部が固定具16のボルト孔20を利用して、梁側座板29の底面にボルト66で固定されている。また、他方の端部が、高剛性のシート70、及び溝付きピース76を介して、柱側座板27の上面に、ボルト66で固定されている。なお、図示は省略するが、電源回路や制御回路と連結されるケーブル類は、膜型アクチュエータ10の取付け後に接続される。
ここに、シート70は、一端が、芯材12の他端を固定する芯材シート接合部材72で、上下から挟み込まれボルト66で固定されている。また、シート70の他端は、シート接合部材74に接合されている。また、シート接合部材74は、溝付きピース76の一方の端部と、継ぎ部材75を介してボルト66で連結されている。溝付きピース76の他方の端部は、柱側座板27に固定されている。
溝付きピース76は、例えばセラミックスで形成され、中央部には、断面V字状の溝部78が上下面に設けられている。これにより、溝付きピース76の許容引張力が調整されている。
本構成とすることにより、膜型アクチュエータ10は、施工後に支え棒18を取り除くことで、常に、膜型圧電素子14に引張力を与えることができる。この結果、柱26と梁28の接合部を、膜型アクチュエータ10により効果的に振動制御することができる。
一方、膜型アクチュエータ10に、設定値以上の外力が作用したとき、矢印X1方向の外力(膜型アクチュエータ10を圧縮する方向の外力)に関しては、シート70がたわみ、外力を逃がすことができる。
また、矢印X2方向の外力(膜型アクチュエータ10を引っ張る方向の外力)に関しては、溝付きピース76が溝部78の位置で破断し、分離して外力を逃がすことができる。
以上、説明したように、本実施形態によれば、固定具16の少なくとも一方は、保護機構を介して建物の躯体に固定されているので、躯体が相対変位して、膜型アクチュエータ10に設定値以上の外力が付与されたとき、外力が膜型アクチュエータ10へ及ぼす影響を制限することができる。
即ち、施工時に引張力の付与を必要としない膜型アクチュエータを提供できる。また、柱梁の接合部が相対変位しても、膜型アクチュエータ10の損傷を抑制する膜型アクチュエータ取付構造を提供することができる。
なお、膜型アクチュエータ10の躯体への取付けは、図6(A)の構成としても良い。
即ち、膜型アクチュエータ10の一方の端部を、固定具16を介して、梁側座板29の底面にボルト66で固定し、他方の端部を、長孔ピース62を介して柱側座板27の上面にボルト66で固定する。
ここに、長孔ピース62は、図6(C)に示すように、一方の端部に長孔64が形成され、他方の端部にはボルト孔67が形成されている、長孔64は、長手部が、膜型アクチュエータ10の伸縮方向へ沿って形成されている。
長孔ピース62は、長孔64側が、膜型アクチュエータ10と連結部材60で、上下から挟み込まれて、ボルト66で連結されている。このとき、連結部材60は、長孔ピース62の長孔64と連結される。そして、ボルト66は、長孔64の膜型アクチュエータ10側の端部に挿入される。また、接合時に、ボルト66はきつく締め込まず、長孔ピース62と連結部材60の間のスライドを許容する程度に締め付ける。また、長孔ピース62の他方は、柱側座板27の上面にボルト66で接合されている。
これにより、柱26と梁28が相対変位して、膜型アクチュエータに設定値以上の外力が付与されたとき、外力の膜型アクチュエータ10への作用を制限することができる。この結果、膜型アクチュエータ10の損傷を防止することができる。
具体的には、設定値以上の大きな外力が作用したとき、X1方向の外力(膜型アクチュエータ10を圧縮する方向の外力)に関しては、ボルト66が、長孔64の内部を圧縮方向(X1方向)へスライドし、外力を逃がす。
一方、X2方向の外力(膜型アクチュエータ10を引張方向の外力)に関しては、設定値以上の外力が作用した場合には、ボルト66の移動が長孔64の端部で制限されるため、長孔ピース62に外力が加わり、長孔ピース62が長孔64の位置で破断する。
長孔ピース62は、長孔64の位置でX2方向の断面積が最も小さくされており、長孔64の幅寸法で破断させる設定値を調節できる。破断させる設定値を適切に選ぶことで、膜型アクチュエータ58の制御機能と損傷防止を両立させることができる。
(第2実施形態)
図7を用いて、第2実施形態に係る膜型アクチュエータ30について説明する。
図7に示すように、膜型アクチュエータ30は、第1実施形態に係る膜型アクチュエータ10の支え棒18に替えて、支え板部52を採用した点において、膜型アクチュエータ10と相違する。相違点を中心に説明する。
図7(A)に示すように、膜型アクチュエータ30は、矩形状に形成された芯材12にスリット34が形成されている。スリット34は、膜型圧電素子14のY軸方向の両端部にX軸方向に形成されている。
スリット34と芯材12のY軸方向の端部との間には、所定の寸法で矩形状に芯材12が、切り残されている。支え板部52となる矩形部の位置や大きさは、支え板部52に要求される張力で決定される。
支え板部52は、スリット34の外側に矩形状に切り残された芯材12を、加圧してX軸方向へ押し潰しながら、引き延ばして形成される。
具体的には、図7(B)、図7(C)に示すように、軸56に連結された圧延ローラ54と、軸57に連結された圧延ローラ55を、矢印C1、及び矢印C2の方向へ回転させ、圧延ローラ54、55に挟まれた矩形状の芯材12を押し潰し、固定具16間の距離X1をX2まで伸長させる。
これにより、支え板部52により、引張力が付与された状態で固定具16が保持される。この結果、施工時に、膜型アクチュエータ30に、別途張力を付与する必要がなくなる。また、芯材12を、外力で伸長させる引張装置や伸長された芯材を保持する支え棒等の保持部材を別途準備する必要がない。また、施工後に支え板部52を切り取ることで、常時、膜型アクチュエータ30に引張力を付与することができる。
他の構成は、第1実施形態と同じであり説明は省略する。
(第3実施形態)
図8を用いて、第3実施形態に係る膜型アクチュエータ40について説明する。
図8(A)、図8(B)に示すように、膜型アクチュエータ40は、第1実施形態に係る膜型アクチュエータ10と芯材の構造が相違する。相違点を中心に説明する。
芯材42は、鋼板の中央部が、図示しない圧延装置で圧延され、両端部より厚さが薄くされている。この中央部が膜型圧電素子14の固着部とされている。このとき、芯材42の両端部には、ボルト孔20が形成され、そのまま固定部44とされている。このとき、中央部と両端部との境界は、傾斜面46で滑らかにつながれている。
また、芯材42のY軸方向の両端部には、支え棒18を挿入するための切欠き部24が形成されている。傾斜面46には電極22が配置され、膜型圧電素子14の電極位置を確保している。
本構成によれば、芯材42の中央部と両端部の間に形成された傾斜面46により、膜型圧電素子14が発生させた引張力を、傾斜面46により、損失を減らして中央部から両端の固定部44へ伝達させることができる。この結果、芯材42の膜型圧電素子14が固着される部分を、より薄く形成することができ、膜型圧電素子14の引張力を、より有効に活用することができる。また、別途固定具を取付けなくても、固定部44が、膜型圧電素子14の固着部と一体成型される。
なお、膜型アクチュエータ40において、芯材42及び固定部44は、鋼板のみでなく、カーボンファイバーを積層して形成してもよい。これにより、芯材42の更なる薄型化、及び芯材42と固定部44の一体化を図ることができる。この結果、膜型圧電素子の引張力をより有効に活用することができる。
(第4実施形態)
図9を用いて、第4実施形態に係る膜型アクチュエータ取付構造50について説明する。
図9(A)に示すように、膜型アクチュエータ取付構造50は、膜型アクチュエータ58を、柱26と梁28の接合部に取付ける際の取付構造である。ここに、膜型アクチュエータ58は、芯材90の両面に膜型圧電素子92が固着された構成であり、膜型圧電素子92には、施工前にプレテンションは加えられていない。
柱26の側壁26Sには柱側座板27が固定され、梁28の下フランジ32の下側32Uには、梁側座板29が固定されている。膜型アクチュエータ58は、柱側座板27と梁側座板29の間に配置され、伸長させられながら固定される。
膜型アクチュエータ58は、一方の端部が固定具16、楔形ナット80、82を介して、梁側座板29の底面に、ボルト66で固定されている。
また、他方の端部が、固定具16、テフロン(登録商標)製のワッシャー84を介して柱側座板27の上面に、ボルト66で固定されている。ここに、固定具16と芯材90には、矢印X1(矢印X2)方向に長径とされた図示しない長孔が設けられている。施工時は、ボルト66は、長孔の膜型アクチュエータ58側の端部に挿入されて、締め付けられている。
この時、ボルト66の締め付けトルクTは、ワッシャー84の静止摩擦係数μと、膜型アクチュエータ58の伸縮により固定具16とワッシャー84の間に生じるせん断力Fsと、膜型アクチュエータ58の許容引張力Faとの関係が次式(1)となるように設定する。
Fs<μf<Fa …(1)
ここに、
f:ボルトに生じる軸力(f=T/(K・d))
K:トルク係数
d:ボルトの呼び径
すなわち、膜型アクチュエータ58が伸縮して生じる制御力では、固定具16とワッシャー84との界面は滑らないが、制御力より大きな外力が生じた場合、膜型アクチュエータ58に加わる力が、許容引張力Faに達する前に滑る。
なお、ワッシャー84は、公知のワッシャ形状であって、表面の摩擦が小さい公知の滑り材であればよい(例えば、四フッ化エチレン樹脂(PTFE、商標名テフロン)など)。また、図示は省略するが、膜型アクチュエータ58の取付け後に、電源回路や制御回路とケーブルで連結される。
ここに、膜型アクチュエータ58の芯材90と固定具16には、長孔86が形成されている。また、長孔86の周囲には、長孔86を囲んで(挟んで)楔形ナット80が接合されている。楔形ナット80には、膜型圧電素子92側を開放し、長孔86と重ねられる楔長孔88が形成されている。楔形ナット80は、固定具16に接着され固定具16と一体移動する。
更に、楔形ナット80と重ねられて、楔形ナット82が設けられている。楔形ナット82は、ボルト孔を有し、ボルト孔を楔長孔88と一致させてボルト66で取付けられている。楔形ナット80と楔形ナット82は、傾斜面同士が当接されている。
これにより、ボルト66を矢印R1の方向へねじ込むことで、楔形ナット80は、楔形ナット82に押され、傾斜面でスライドして矢印R2の方向へ移動される。この結果、膜型アクチュエータ58が、矢印R2の方向へ伸長される。
即ち、ボルト66の締め込み深さと、楔形ナット80の傾斜角からスライド量を計算、管理することができ、膜型圧電素子92に、適切な引張力を付与することができる。即ち、施工時に、膜型圧電素子92に電圧を印加せずに、膜型アクチュエータ58に引張力を付与することができる。
本構成とすることにより、膜型アクチュエータ58の膜型圧電素子92は、施工後に、引張力が与えられる。この結果、膜型圧電素子14を、常に引張り方向に作用させることができ、膜型アクチュエータ58により、効果的に、柱26と梁28の接合部を振動制御することができる。
一方、設定値以上の大きな外力が膜型アクチュエータ58に作用したとき、X1方向の外力(膜型アクチュエータ58を圧縮する方向の外力)に関しては、膜型アクチュエータ58と接着された楔形ナット80が、設定値以上の外力を受けて膜型アクチュエータ58と一体となって矢印R2の方向へ相対的に移動する。これにより、楔長孔88に沿って、楔形ナット80が楔形ナット82と傾斜面でスライドして移動し、外力を逃がす(図9(B)参照)。設定値を適切に選ぶことで、膜型アクチュエータ58の制御機能と損傷防止を両立させることができる。
また、X2方向の外力(膜型アクチュエータ10を引っ張る方向の外力)に関しては、固定具16との間に設けられた、ワッシャー84で滑りを生じ、外力を逃がすことができる(図9(C)参照)。なお、ワッシャー84に替えて、他の摩擦係数が小さく、安定した材料を使用してもよい。
この結果、施工時に電圧印加せずに引張力の付与が可能な膜型アクチュエータ取付構造50を提供することができる。
他の実施形態について、図10を用いて説明する。
更に、図10(A)に示すように、膜型アクチュエータ取付け構造94は、一方の端部が図9と同様に固定具16、楔形ナット80、82を介して、梁側座板29の底面に、ボルト66で固定されている。また、他方の端部は、膜型アクチュエータ58の固定具16から、柱26方向に向かって順に、連結部材60、溝付きピース96がボルト66で連結されている。更に、溝付きピース96の他端は、柱側座板27の上面に、ボルト66で固定された構成である。
ここで、図10(C)に示すように、連結部材60と接合されるボルト孔99は、いずれも通常の円形孔であり、膜型アクチュエータ58と溝付きピース96を上下から挟み込んで、ボルト66で連結されている。溝付きピース96は、例えばセラミックスで形成され、中央部には、断面V字状の溝部98が上下面に設けられている。これにより、溝付きピース96の許容引張力が調整されている。
本構成とすることにより、X1方向の外力に関しては、図9(B)で説明したように、膜型アクチュエータ58と接着された楔形ナット80が、設定値以上の外力を受けて膜型アクチュエータ58と一体となって矢印R2の方向へ相対的に移動し(図10(B)参照)、楔形ナット80が楔形ナット82と傾斜面でスライドして外力を逃がす。
一方、X2方向の外力に関しては、溝付きピース96が溝部98の位置で破断し、溝付きピース96が分離することで外力を逃がすことができる。
なお、本明細書の実施形態の記載は限定的なものではなく、本発明の本質に反しない範囲で本発明の実施に好適な態様が本発明に技術的範囲に包含されるものとする。
10、30、40、58 膜型アクチュエータ
12、42、90 芯材
14、92 膜型圧電素子
16 固定具
18 支え棒(保持部材)
27 柱側座板(第2部材)
29 梁側座板(第1部材)
34 スリット
46 傾斜面(テーパ部)
52 支え板部(保持部材)
62 長穴ピース(保護機構)
80 楔形ナット(第1楔)
82 楔形ナット(第2楔)
84 ワッシャー(保護機構)
86 長孔
88 楔長孔
96 溝付きピース(保護機構)

Claims (5)

  1. 芯材と、
    前記芯材の両面に固着され、印加電圧に応じて前記芯材を伸縮させる膜型圧電素子と、
    前記芯材の両端部に固定された固定具と、
    前記固定具の間で、引張力が付与された状態の前記芯材を保持する保持部材と、
    を有し、
    前記保持部材は、前記固定具の間に取付けられる支え棒である、膜型アクチュエータ。
  2. 芯材と、
    前記芯材の両面に固着され、印加電圧に応じて前記芯材を伸縮させる膜型圧電素子と、
    前記芯材の両端部に固定された固定具と、
    前記固定具の間で、引張力が付与された状態の前記芯材を保持する保持部材と、
    を有し、
    前記保持部材は、前記固定具の間であり、前記膜型圧電素子に沿って前記芯材に形成したスリットで前記芯材の端部に矩形部を設け、前記矩形部を押し潰して伸長させた支え板部である、膜型アクチュエータ。
  3. 前記芯材は、
    鋼板を加圧して、両端部より薄くされた中央部を前記膜型圧電素子の固着部とし、両端部を固定部とすると共に、前記中央部と前記両端部の境界には、テーパ部が形成されている請求項1又は請求項2に記載の膜型アクチュエータ。
  4. 前記芯材及び前記固定部は、
    カーボンファイバーを積層して形成されている請求項3に記載の膜型アクチュエータ。
  5. 芯材の両面に膜型圧電素子が固着された膜型アクチュエータと、
    前記膜型アクチュエータの一方の端部に形成された長孔と、
    前記長孔の周囲に接合され、前記膜型圧電素子の方向を開放した楔長孔が形成された第1楔と、
    前記第1楔と傾斜面同士が当接され、ボルト孔が形成された第2楔と、
    前記第2楔の前記ボルト孔、前記第1楔の前記楔長孔を貫通して、第1部材に締結され、前記第2楔を前記第1楔に押し付け、前記第1楔を前記膜型圧電素子と反対側へ移動させるボルトと、
    前記膜型アクチュエータの他方の端部を、前記第1部材と相対変位する第2部材へ固定する固定具と、
    前記固定具に設けられ、前記相対変位により、前記膜型アクチュエータに設定値以上の外力が加えられたき、前記固定具と前記膜型アクチュエータの他方の端部との接合を解除する保護機構と、
    を有する膜型アクチュエータ取付構造。
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