JP6322279B2 - 新規グルコースオキシダーゼ変異体 - Google Patents

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Description

本明細書で提供されている技術は、改良された特性を有する微生物グルコースオキシダーゼの新規変異体、より詳細には、主要な酵素活性としてグルコースオキシダーゼ活性を有するポリペプチド;前記グルコースオキシダーゼをコードする核酸分子;その核酸を含有するベクターおよび宿主細胞とそのグルコースオキシダーゼを生成する方法;前記グルコースオキシダーゼを含む組成物;このような酵素を調製および生成する方法;ならびに、食品加工および飼料加工、臨床サンプルおよびバイオリアクター中の遊離グルコースの測定、ならびに小型バイオ燃料電池の開発にこのような酵素を使用する方法に関する。
グルコースオキシダーゼ(β−D−グルコース:酸素1−オキシドレダクターゼ;EC1.1.2.3.4)は、電子受容体として分子酸素を利用することによってβ−D−グルコースのグルコン酸への酸化を触媒し、同時に過酸化水素を生成する。微生物グルコースオキシダーゼは、現在、化学、製薬、食品、飲料、臨床化学、生物工学の産業および他の産業におけるその様々な用途に多くの関心が寄せられている。バイオセンサーにおけるグルコースオキシダーゼの新たな用途は、近年需要が高まってきている。グルコースオキシダーゼは、様々な微生物供給源から単離されている。
アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)の酵素グルコースオキシダーゼは、例えば、食品加工および医薬品工業において、また、医学診断法の分野におけるイムノアッセイおよびバイオセンサーの成分として使用されている。またこの酵素は生医学用インプラント、例えば、バイオセンサーおよびインシュリンポンプなどに動力を供給可能な小型バイオ燃料電池の製造においても使用される。これらのデバイスの出力は、陽極区画内のグルコースオキシダーゼ能力によって制限される。
特に、次の3つの酵素の特性がバイオ燃料電池の状況に関連している:(1)電極から酵素までの電子伝達速度(内因性酵素活性);(2)生理学的条件下での酵素活性(pH7.4および5mMグルコース);および(3)酵素の熱安定性。
WO89/126675には組換え系におけるアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来のグルコースオキシダーゼの生成が記載されており、WO2008/079227A1は、保存安定性の改善に寄与する組成物に製剤化されたアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)からの取得物に関する。また、海藻、例えば、ヤハズツノマタ(Chondrus crispus)(米国特許第7544795号、米国特許第6924366号)、糸状菌、例えば、クラドスポリウム属の亜種(Cladosporium spp.)(WO95/29996、WO1998/020136、米国特許第5834280号)、およびタラロマイセス・フラバス(Talaromyces flavus)(米国特許第6054318号)を含む様々な起原由来のグルコースオキシダーゼも開示されている。WO2012/017008A1には、野生型グルコースオキシダーゼに比べ酵素効率が変化したアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)のグルコースオキシダーゼの変異体が開示されている。
しかし、非常に多くの用途に対する改良された特性を有するグルコースオキシダーゼの有用性は、極めて有益である。
本開示に記載の改良型グルコースオキシダーゼは、食品および飲料からの酸素の除去、食品保存用の過酸化水素の生成、臨床サンプルおよびバイオリアクター中の遊離グルコースの測定、ならびに小型バイオ燃料電池の開発などを含む、こうした非常に多くの用途に使用することができる。したがって、多くの工業プロセスは、本開示に記載のグルコースオキシダーゼの改良型変異体を使用することによって恩恵を受けることができる。
第1の態様において、本開示の実施形態は、グルコースオキシダーゼ活性を有するポリペプチドであって、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来の野生型グルコースオキシダーゼ(配列番号1)のアミノ酸残基T30、I94およびA162に対応する位置での変異と、アミノ酸残基M556、R537、R37、V106、V293またはE310に対応する位置での少なくとも1つまたは複数のさらなる変異とを含み、前記ポリペプチドのアミノ酸配列が配列番号1のアミノ酸配列に対して少なくとも80%の少なくとも最小のパーセンテージ配列同一性および/またはパーセンテージ相同性を有する、ポリペプチドを提供する。
さらなる態様において、本開示の実施形態は、
a)請求項1から15のいずれか一項に記載のポリペプチドをコードする核酸分子;
b)1つもしくは複数のアミノ酸残基が保存的に置換されている、請求項1から15のいずれか一項に記載のポリペプチドをコードする核酸分子;
c)配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12もしくは配列番号14として示す核酸分子の画分、変異体、誘導体または断片である核酸分子;または
d)a)〜c)のいずれかの核酸分子の相補体
からなる群から選択される核酸分子に関する。
さらなる態様において、本開示の実施形態は、本開示に記載の核酸分子を含むベクター、および前記ベクターで形質転換、形質導入またはトランスフェクトされた宿主細胞に関する。
さらに別の態様において、本開示の実施形態は、(a)適切な条件下において適切な培養培地中で本開示に記載の宿主細胞を培養しグルコースオキシダーゼ活性を有するポリペプチドを生成するステップと;(b)前記生成したポリペプチドを取得するステップと、任意選択で、(c)ポリペプチドを処理するステップとを含む、グルコースオキシダーゼ活性を有するポリペプチドを生成する方法を提供する。
さらなる態様において、本開示のいくつかの実施形態は、本開示に記載のポリペプチドを含む組成物、特に、食品組成物、医薬組成物、診断用組成物および化粧用組成物に関する。
さらに別の態様において、いくつかの実施形態は、サンプルを、本開示に記載のグルコースオキシダーゼ活性を有するポリペプチドと接触させて配置する、サンプル中のグルコースをアッセイし、グルコースオキシダーゼによって酸化されたグルコースの量を測定する方法を提供する。
さらに、いくつかの実施形態は、本開示に記載のグルコースオキシダーゼ活性を有するポリペプチドと電子伝達物質とを含む、サンプル中のグルコースをアッセイするためのデバイスおよびキットに関する。
さらに、いくつかの実施形態は、電極上に固定化されている、本開示に記載のグルコースオキシダーゼ活性を有するポリペプチドを含む酵素電極に関する。
さらに、他のいくつかの実施形態は、作用電極として本開示に記載の酵素電極を含む、グルコースをアッセイするための酵素センサーに関する。
別の態様において、実施形態は、食品加工における本開示に記載のグルコースオキシダーゼ活性を有するポリペプチドの使用に関する。
特に、別の態様において、本開示の実施形態は、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来の野生型グルコースオキシダーゼのアミノ酸配列(配列番号1)の番号付けに対して556および537または37に対応する位置でのアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来の天然に存在する野生型グルコースオキシダーゼのアミノ酸配列の少なくとも3個のアミノ酸残基の置換と、少なくともアミノ酸残基556および537または37および106に対応する位置での置換を含み、野生型酵素よりも改善された固有活性を有する、修飾型グルコースオキシダーゼに関する。
本開示を詳細に説明する前に、本開示は、こうしたデバイスおよび方法は変更され得るので、記載したデバイスの特定の構成部品または記載したプロセスのステップに限定されないことを理解されたい。また、本明細書で使用されている用語は、特定の実施形態のみを説明することを目的としており、限定することを意図するものではないことも理解されたい。本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」には、文脈において明らかに他の指示がない限り、単数および/または複数の指示語を含んでいることに留意されたい。さらには、数値によって区切られているパラメーター範囲が示されている場合、それらの範囲はこれらの制限値を含むものとみなすことを理解されたい。
本開示に記載のGOx変異体のpH5.5での酵素の動態を示す図である。 本開示に記載のGOx変異体のpH7.4での酵素の動態を示す図である。
本開示の詳細な説明
本明細書には、酵素グルコースオキシダーゼ(β−d−グルコース:酸素1−オキシドレダクターゼ;EC1.1.2.3.4)の変異体、特に、配列番号1のアミノ酸配列を含む野生型アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)グルコースオキシダーゼの変異体と、食品加工および医薬品製造、ならびに、医学診断分野におけるイムノアッセイおよびバイオセンサーの成分を含む工業的用途において使用可能な前記グルコースオキシダーゼ変異体をコードする核酸分子が開示されている。また、この酵素変異体は、生医学インプラント、例えば、バイオセンサーおよびインシュリンポンプなどに動力を供給可能な小型バイオ燃料電池の製造に使用することができる。
特に、本開示に記載のグルコースオキシダーゼ変異体は、野性型および親グルコースオキシダーゼに比べて改良された触媒効率、ならびに/あるいは改良された安定性特性、例えば、熱安定性および/またはpH安定性などを示す。これらの特徴は、産業用途および診断用途に特に有用である。
一般に、本開示は、グルコースオキシダーゼ活性を有するポリペプチドであって、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来の野生型グルコースオキシダーゼ(配列番号1)のアミノ酸残基T30およびI94に対応する位置での変異と、アミノ酸残基M556、R537、R37、A162、V106、V293またはE310に対応する位置での少なくとも1つまたは複数のさらなる変異とを含み、前記ポリペプチドのアミノ酸配列が配列番号1のアミノ酸配列に対して少なくとも80%の少なくとも最小のパーセンテージ配列同一性を有する、ポリペプチド、あるいはそれらの変異体、修飾型、相同体、融合タンパク質、機能的同等物および断片に関する。
例えば、本開示に記載の相同性ポリペプチドは、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11または配列番号13に対して少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、85%、90%、95%、97%もしくは99%のパーセンテージ配列同一性を有し、また、アミノ酸残基T30およびI94に対応する位置での変異と、アミノ酸残基M556、R537、R37、A162、V106、V293またはE310に対応する位置での少なくとも1つまたは複数のさらなる変異とを含む、すべての活性グルコースオキシダーゼを含む。
本開示は、配列番号1に示すアミノ酸配列由来のアミノ酸配列を有するグルコースオキシダーゼ酵素、または、アミノ酸残基T30およびI94に対応する位置での変異と、位置M556、R537、R37、A162、V106、V293またはE310に構造的に、またはアミノ酸配列相同性によって対応する位置の群から選択される1つまたは複数の位置での変異を有する、その変異体、修飾型、相同体、融合タンパク質、機能性同等物もしくは機能性断片を明らかにする。
本明細書で使用される場合、「細胞」、「細胞株」および「細胞培養物」は同義で使用することができ、そのような呼称はすべて後代を含む。したがって、用語「形質転換体」または「形質転換細胞」は、導入の数とは無関係に、初代対象細胞およびそれら由来の培養物を含む。すべての後代は、故意または偶然の変異により、DNA含量が正確に同一でないことがあり得ることも理解されたい。元の形質転換された細胞においてスクリーニングした場合に同一機能を有する変異体後代も含まれる。
本明細書で使用される場合の用語「相補的」とは、2つの核酸配列間の関係を意味する。1つの核酸配列が第2の核酸と二本鎖を形成することができる場合、それは第2の核酸配列に相補的であり、この場合、二本鎖のそれぞれの残基は、グアノシン−シチジン(G−C)またはアデノシン−チミジン(A−T)塩基対、または同等の塩基対を形成する。同等の塩基対は、グアノシン、シチジン、アデノシンまたはチミジン以外のヌクレオシドまたはヌクレオチド類似体を含み得る。
本明細書で使用される場合の句「〜に対応する位置」とは、デフォルトパラメーターを用いてソフトウェアVector NTIのAlignX(Invitrogenから入手可能;Lu, G., and Moriyama, E. N. (2004) Vector NTI, a balanced all-in-one sequence analysis suite. Brief Bioinform 5, 378-88を参照)を使用し、参照アミノ酸配列中のアミノ酸残基とともに整列される照会アミノ酸配列中のアミノ酸残基の位置を意味する。したがって、「配列番号Xに示すアミノ酸配列の位置Yに対応する位置のアミノ酸(AA)残基」は、デフォルトパラメーターを用いてVector NTIのAlignXを使用し、照会アミノ酸配列が配列番号Xとともに整列される場合に、配列番号Xのアミノ酸Yとともに整列される照会アミノ酸配列中のアミノ酸残基を意味する。配列番号Xのアミノ酸Yそれ自体もこの用語に包含されることに留意されたい。本開示の変異体グルコースオキシダーゼは、酵素安定性、特に熱安定性を実質的に維持および/または増加させながら、オキシダーゼ活性の増加を示す。
本明細書で使用される場合の「活性」または「触媒活性」は、定義した反応条件下における所定の基質の変換を定量的に説明する。用語の「残存活性」は、ある特定の設定条件下における酵素の触媒活性の異なる設定条件下における触媒活性に対する比として定義される。用語「比活性」または「固有活量」は、定義した反応条件下における酵素量当たりの触媒活性を定量的に説明する。特に、オキシダーゼ活性は、電子受容体として酸素を利用し、グルコースの酸化を触媒してグルコノラクトンを生成する、グルコースオキシダーゼの酵素活性を説明する。例えば、オキシダーゼ活性は、本開示の実施例に記載されているアッセイを用いてアッセイすることができる(実施例7を参照)。記載のように、本明細書で使用される場合のグルコースオキシダーゼの「活性」は、酸化反応のD−グルコース+O→グルコノラクトン+Hを触媒するその能力の尺度に対するものであり、反応生成物が生成される速度として示すことができる。例えば、グルコースオキシダーゼ活性は、単位時間当たり、またはグルコースオキシダーゼの単位(例えば濃度または重量)当たりの生成物(グルコノラクトンおよび/またはH)の量として表わすことができる。
本開示に記載のGOx変異体によって改良された活性は、特に、固有活性(比活性)であるが、また一般的な活性でもある。本明細書で使用される場合、「Kcat」とは、酵素濃度で除算した(酵素単位当たりの)高濃度(飽和条件)の基質での反応速度を意味する。「k」とは、酵素が最高速度に到達する基質の濃度として定義されるが、それは低グルコース濃度のような非飽和基質条件での反応の速度に関係している。「Kcat/k」は特異性定数であり、2つの特性をまとめている。有利な実施形態において、本開示に記載のすべての改良型GOx変異体は、野性型変異体に比べ、改良されたkcatと良好なk(したがってkcat/k)を示す。
本発明による用語「酵素」とは、多かれ少なかれ特に、1つまたは複数の化学的または生化学的反応を触媒または促進するタンパク質またはポリペプチドから全体がまたは大部分が構成されているすべての物質を意味する。また、用語「酵素」は、触媒ポリヌクレオチド(例えば、RNAまたはDNA)も意味し得る。
用語「酸化反応」とは、一般に、酸素処理型または酸化型の基質または生成物を形成するために、基質への酸素の添加が関与する化学的または生化学的反応を意味する。酸化反応には、典型的には還元反応が伴う(したがって、酸化および還元については、用語「酸化還元」反応)。酸素を受け取るか、電子を失う場合、化合物は「酸化」される。上述のように、グルコースオキシダーゼは、典型的には、第一級アルコール基のアルデヒドへの酸化を触媒する。
用語「グルコースオキシダーゼ」または「GOx」は、ベータ−D−グルコースのD−グルコノ−1,5−ラクトンへの酸化を触媒し(D−グルコース+O→グルコノラクトン+H)、次いで、グルコン酸へと加水分解し得る、タンパク質を規定する。したがって、グルコースオキシダーゼは酵素である。さらに、用語「グルコースオキシダーゼ活性を有するポリペプチド」とは、前に述べた活性を有するポリペプチドを意味する。よって、酵素グルコースオキシダーゼは、供給源または供与体から基質に酸素を添加、挿入、提供または移動させることによって酸化反応を触媒する酸化酵素のクラスのメンバーである。また、こうした酵素はオキシドレダクターゼまたは酸化還元酵素とも呼ばれ、オキシゲナーゼ、ヒドロゲナーゼまたは還元酵素、オキシダーゼおよびペルオキシダーゼを包含する。この点に関して、用語「酸素供与体」、「酸化剤」および「オキシダント」は、酸化反応において基質に酸素を供与する物質、分子または化合物を意味する。典型的には、酸素供与体は還元される(電子を受け取る)。酸素供与体の例としては、限定するものではないが、分子酸素または二原子酸素(O)およびパーオキシド、例えば、アルキルパーオキシド、例えばt−ブチルパーオキシド、最も好ましくは過酸化水素(H)が挙げられる。パーオキシドは、相互に結合されている2個の酸素原子を有するすべての化合物である。
本開示に記載の核酸分子は、力学的特性および/または安定性、特に、グルコースからグルコノラクトンおよびHまでの反応における酵素の熱安定性が改良された、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来のグルコースオキシダーゼ(GOx)(配列番号1)から誘導されるポリペプチドまたはその断片をコードする。アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来のグルコースオキシダーゼは、サイズが160kDaの二量体を形成しており、十分に特性決定されたタンパク質であり、結晶構造は解明されている(Hecht HJ et al. Crystal structure of glucose oxidase from Aspergillus niger refined at 2.3 Angstrom resolution. Journal of Molecular Biology 1993 : 229(1)153-172)。
用語「グルコースオキシダーゼ変異体」、「修飾型グルコースオキシダーゼ」または「グルコースオキシダーゼ変異体」は、対応する野性型グルコースオキシダーゼとアミノ酸配列において異なるグルコースオキシダーゼをもたらす、例えば、部位特異的またはランダム突然変異誘発法、挿入、欠失、再結合および/または他のタンパク質工学方法によって得られるすべてのグルコースオキシダーゼを意味する。本開示による用語「野性型グルコースオキシダーゼ」、「野生型酵素」または「野性型」とは、自然界で確認されているアミノ酸配列を有するグルコースオキシダーゼ酵素またはその断片を表す。
本明細書で使用される場合の用語「親グルコースオキシダーゼ」、「親」または「親GOx」とは、配列番号3のアミノ酸配列(アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来の野生型グルコースオキシダーゼ(配列番号1)のアミノ酸残基T30V、I94VおよびA162Tに対応する位置に置換を有する)を含むグルコースオキシダーゼ、またはアミノ酸残基T30VおよびI94Vに対応する位置に置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含むグルコースオキシダーゼを意味する。
本明細書で使用する場合の用語「誘導体」とは、請求項に記載の1つの配列による核酸分子として標的核酸配列に対して同様の結合特性を有する、核酸分子を意味する。
用語「発現クローン」とは、操作可能な連結に所望のコード配列および制御配列を含有しており、それによって、これらの配列で形質転換された宿主がコードタンパク質を生成することができる、DNA配列を意味する。用語「発現系」とは、発現クローンで形質転換された宿主を意味する。形質転換を達成するために、発現クローンはベクターに含まれていてもよい。しかし、関連DNAも宿主染色体へ組み込むことができる。
用語「融合タンパク質」とは、C末端および/またはN末端で共有結合的に追加のアミノ酸配列を融合させることによる、本開示に記載の修飾型グルコースオキシダーゼから誘導されるすべてのタンパク質を含む。追加のアミノ酸配列の供給源および組成物は、任意の天然の生物もしくはウイルスであるか、または非天然である。特に、融合タンパク質は、その生成方法またはその構造のいずれかによって定義される、「組換え」ポリペプチドであってもよい。その生成方法に関しては、組換えポリペプチドは、組換え核酸技術の使用に関わる方法によって作製される。構造に関しては、組換えポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、異なる供給源由来の配列を含有する。特に、それは、天然においては相互に連続的に、または作動可能に結合されていない、2つ以上の断片を含む配列の生成によって作製されるポリペプチドを包含する。したがって、例えば、任意の天然に存在しないベクターで細胞を形質転換することによって作製された生成物が包含される。
用語「機能性断片」または「有効断片」とは、同様の改良型酵素機能もしくは効果および/または同様の熱安定性をほぼ維持する、本開示に記載のグルコースオキシダーゼ変異体の断片または一部を意味する。
用語「遺伝子」とは、復元可能な生理活性ポリペプチドまたは先駆物質の生産に必要な制御配列およびコード配列を含むDNA配列を意味する。
本開示に記載の用語「相同性ポリペプチド」または「相同体」とは、その機能性断片または有効断片を含む本開示に記載のグルコースオキシダーゼ変異体に対して少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、85%、90%、95%、97%または99%の配列同一性を有するすべての酵素を含む。
用語「核酸分子の相同体」とは、その配列が、請求項に記載の配列の1つによる核酸分子と比べて付加、欠失、置換またはそうでなければ化学的修飾されている1つまたは複数のヌクレオチドを有し、相同体が後者と同様の酵素特性および/または安定性特性を常に実質的に維持することが提供される、核酸分子を意味する。
本開示に関する用語「宿主細胞」とは、上記のような核酸分子または発現ベクターのいずれかを含み、しかも、本明細書で定義されている特異性を有する酵素の異種生産または本開示の方法において使用される、すべての細胞を含む。
「単離された」という用語は、その天然供給源から分離されたすべての分子を表す。
用語「修飾型」または「変異体」とは、酵素がその原形(親/野性型、wt)から修飾されているが、野生型酵素の機能特性と少なくとも同様の特性を維持しているものを意味する。
本明細書で使用される場合の「修飾」、「変異」という用語は、例えば、アミノ酸配列の特定の位置でのアミノ酸残基の置換、挿入または欠失、ならびに、ポリペプチド上の特定の位置のリン酸化、アセチル化、パルミトイル化、メチル化、硫酸化、グリコシル化、脂質化、イソプレニル化、ファルネシル化、脂肪酸成分の付加、グリピエーション(glypiation)、および/またはユビキチン化、あるいはそれらの組み合わせを意味する。有利な実施形態において、変異は置換である。
用語「変異」とは、単一または複数のヌクレオチドの置換または置き換え、1つまたは複数のトリプレット/コドンの挿入もしくは欠失、異なる遺伝子間の相同組換えもしくは異種組換え、コードする配列のいずれかの末端での追加のコード配列の融合、または追加のコード配列の挿入、あるいはこれらの方法のいずれかの組み合わせであって、所望するタンパク質をコードするポリ核酸配列をもたらすものを意味する。したがって、用語「変異」はまた、1つまたは複数の上記の変化によって修飾されたポリ核酸配列によってコードされているポリペプチド配列のすべての変化を意味する。アミノ酸残基は、下記の表1に従って1文字表記または3文字表記のいずれかで略記される。
用語「核酸分子」または「核酸」とは、cDNA、ゲノムDNA、合成DNAもしくはRNA、ペプチド核酸(PNA)またはLNA起原のすべての一本鎖または二本鎖核酸分子を示すものとする。
本明細書で使用される場合の用語「オリゴヌクレオチド」は、2つ以上のデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドから構成される分子として定義される。正確なサイズは多くの要因に依存し、次いでオリゴヌクレオチドの最終的な機能または用途に依存する。オリゴヌクレオチドは、例えば、適切な配列のクローニングおよび制限ならびに直接化学合成を含む任意の適切な方法によって、ホスホトリエステル法、ジエチルホスホルアミダイト法、および固相担体法などの方法によって調製することができる。合成方法の概論は、Goodchild J, Bioconjug. Chem. (1990) 165-187に提供されている。
用語「プラスミド」、「ベクター系」、「ベクター」または「発現ベクター」とは、インビボまたはインビトロ発現が可能な構築物を意味する。本開示の文脈において、これらの構築物を使用して酵素をコードする遺伝子を宿主細胞へ導入することができる。
「パーセント配列同一性」とは、2つのアミノ酸またはポリヌクレオチドの配列に関して、配列が最適に整列されている場合、2つの配列において同一である残基のパーセンテージを意味する。したがって、80%のアミノ酸配列同一性とは、2つの最適に整列されたポリペプチド配列においてアミノ酸の80%が同一であることを意味する。同一性パーセントは、例えば、配列を整列させ、2つの整列させた配列間のマッチの正確な数を数え、短い配列の長さで除算し、その結果に100を掛けることにより、2つの分子間の配列情報を直接比較することによって決定することができる。簡単に利用できるコンピュータプログラムを使用し分析に役立てることができる。例えば、ペプチド分析用のSmith and Waterman (1981) Advances in Appl. Math. 2:482-489の局所相同性アルゴリズムを適合させる、ALIGN, Dayhoff, M.O. in ”Atlas of Protein Sequence and Structure”, M.O. Dayhoff et., Suppl. 3:353-358, National Biomedical Research Foundation, Washington, DCがある。ヌクレオチド配列同一性を決定するためのプログラムは、ウィスコンシン配列分析パッケージ、バージョン8が利用可能であり(Genetics Computer Group, Madison, Wlから入手可能)、例えば、BESTFIT、FASTAおよびGAPプログラムなどがあり、これらはまたSmithおよびWatermanアルゴリズムに依存する。これらのプログラムは、メーカーによって推奨されており、上述のWisconsin Sequence Analysis Packageに記載されているデフォルトパラメーター5を用いて容易に利用される。配列類似性の決定に適したアルゴリズムの一例はBLASTアルゴリズムであって、これはAltschul, et al., J. Mol. Biol. 215:403-410 (1990)に開示されている。BLAST解析を実施するソフトウェアは、全米バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information)を通じて公的に入手することができる(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)。
用語「ポリヌクレオチド」は、制御エレメント、構造遺伝子、それらの遺伝子、プラスミド、全ゲノムおよび断片の群を含む、一本鎖および二本鎖DNAおよびRNA分子を含む、任意の長さおよび任意の配列の任意の遺伝物質に対応する。
ポリヌクレオチドまたはポリペプチドにおける用語「位置」とは、それぞれ、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの配列内の特定の単一塩基またはアミノ酸残基を意味する。
用語「ストリンジェントな条件」とは、プローブがその標的にハイブリダイズするが他の配列にはハイブリダイズしない条件を示す。ストリンジェントな条件は配列に依存し、様々な状況において異なる。長い配列は、特に高温でハイブリダイズする。
一般に、ストリンジェントな条件は、規定のイオン強度およびpHで特定の配列に関する熱融点(Tm)よりも約5℃低くなるように選択される。Tmは、標的配列に相補的なプローブの50%が平衡状態で標的配列にハイブリダイズする(規定のイオン強度、pHおよび核酸濃度下での)温度である。(標的配列が一般にTmで過剰に存在する場合、プローブの50%は平衡状態で占められる)。典型的には、ストリンジェントな条件は、pH7.0〜8.3での塩濃度が約1.0M未満のNaイオン、典型的には約0.01〜1.0MのNaイオン(または他の塩)であるものであり、温度は、短いプローブ(例えば、10〜50ヌクレオチド)の場合、少なくとも約30℃であり、より長いプローブの場合、少なくとも約60℃である。また、ストリンジェントな条件は、不安定化剤、例えば、ホルムアミドなどを添加することによって達成することができる。
本明細書で使用される場合、用語「熱安定酵素」、「熱安定性グルコースオキシダーゼ」または「熱安定性ポリペプチド」とは、熱に対して安定であり、高温に暴露した後に高活性を維持している酵素を意味する。本開示に記載のグルコースオキシダーゼ変異体または変異体の「温度安定性」または「熱安定性」は、基質の非存在下において、60℃の50mM酢酸緩衝液(pH5.5)中で酵素をインキュベートし、ABTSアッセイを使用して、定期的にアリコートの残存活性を測定することによって決定した(実施例8を参照)。
用語「核酸分子の変異体」とは、本明細書では、特許請求に係る配列の1つによる核酸分子に構造および生物活性において実質的に類似している核酸分子を意味する。
変異または変異は、次の命名法を使用して記載する:位置;置換されたアミノ酸残基(複数可)。この命名法によれば、例えば、位置20のグリシン残基に対するアラニン残基の置換は、20Gと示される。所定の位置のアミノ酸残基が2つ以上の代替アミノ酸残基で置換される場合、これらの残基はコンマまたはスラッシュによって区切られる。例えば、位置20のアラニンのグリシンまたはグルタミン酸のいずれかによる置換は、20G/E、または20G、20Eと示される。
さらに、以下の命名法を使用することもできる:タンパク質足場のアミノ酸残基;位置;置換されたアミノ酸残基(複数可)。この命名法によれば、例えば、位置20のアラニン残基のグリシン残基への置換は、Ala20Gly、またはA20Gもしくは20Gと示される。同位置でのアラニンの欠失は、Ala20またはA20と示される。追加のアミノ酸残基(例えばグリシン)の挿入は、Ala20AlaGlyまたはA20AGと示される。連続するアミノ酸残基の長さ(例えば、位置20のアラニンと位置21のグリシンの間)の欠失は、Δ(Ala20−Gly21)またはΔ(A20−G21)と示される。番号付けに使用した親タンパク質に対して配列が欠失を含む場合、こうした位置での挿入(例えば、欠失位置20でのアラニン)は、20Alaまたは20Aと示される。複数の変異は、プラス記号またはスラッシュによって区切られる。例えば、グリシンとセリンに対してアラニンとグルタミン酸で置換されている位置20および21での2つの変異は、それぞれ、A20G+E21SまたはA20G/E21Sと示される。いかなる特定の修飾も示唆されることなく、修飾に適した位置が本明細書で同定される場合、任意のアミノ酸残基がその位置に存在するアミノ酸残基に対して置換され得ると理解されたい。したがって、例えば、位置20のアラニンの修飾が記載されてはいるが特定されていない場合、アラニンは欠失されていてもよいし、または任意の他のアミノ酸残基(すなわち、R、N、D、C、Q、E、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、YおよびVのいずれか1つ)で置換されていてもよいと理解されたい。
用語「保存的変異」または「保存的置換」は、それぞれ、当業者が最初の変異に対して保存的と考え得るアミノ酸変異を意味する。この文脈において「保存的」とは、アミノ酸特性の点において類似であるアミノ酸を意味する。例えば、変異によって特定の位置での非脂肪族アミノ酸残基(例えばSer)の脂肪族アミノ酸残基(例えばLeu)による置換が生じたならば、この場合、同位置での異なる脂肪族アミノ酸(例えばIleまたはVal)による置換は保存的変異と呼ばれる。さらなるアミノ酸特性としては、残基のサイズ、疎水性、極性、電荷、pK値、および当技術分野で公知の他のアミノ酸特性が挙げられる。したがって、保存的変異は、塩基性に対する塩基性、酸性に対する酸性、極性に対する極性などの置換を含み得る。こうして誘導されるアミノ酸のセットは、構造的理由で保存的であると考えられる。これらのセットは、ベン図の形で記載することができる(Livingstone CD. and Barton G.J. (1993) ”Protein sequence alignments: a strategy for the hierarchical analysis of residue conservation” Comput.Appl Biosci. 9: 745-756; Taylor W.R. (1986) ”The classification of amino acid conservation” J.Theor.Biol. 119; 205-218)。保存的置換は、例えば、一般に容認されているアミノ酸のグループ化しているベン図を記載した下記の表に従って作製することができる。
また、本開示は、遺伝学的にコードされたアミノ酸配列と比較される翻訳後処理により、本開示のポリヌクレオチドに由来するすべての分子および本出願に記載されているそれらのすべての変異体を含むことも理解されたい。これらの翻訳後修飾は、限定するものではないが、それらが天然の宿主または任意の適切な発現宿主によって産生/発現される間に生じるときに、N末端配列、例えばリーダー配列および/またはプロ配列のタンパク質分解性切断、C末端伸長のタンパク質分解性除去、N−および/またはO−グリコシル化、脂質付加反応、アシル化、脱アミド化、ピログルタミン酸形成、リン酸化および/または他の修飾、あるいはそれらの任意の組み合わせを含む。これらの翻訳後修飾は、本明細書で調査された酵素の物理的または酵素的特性に対して影響を及ぼす場合も、及ぼさない場合もある。
上述のように、本開示はグルコースオキシダーゼ活性を有するポリペプチドであって、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来の野生型グルコースオキシダーゼ(配列番号1)のアミノ酸残基T30およびI94に対応する位置での変異と、アミノ酸残基M556、R537、R37、A162、V106、V293またはE310に対応する位置での少なくとも1つまたは複数のさらなる変異とを含み、また、前記ポリペプチドのアミノ酸配列が配列番号1のアミノ酸配列に対して少なくとも80%の少なくとも最小のパーセンテージ配列同一性を有する、ポリペプチドに関する。
有利な実施形態において、前記ポリペプチドは、少なくともアミノ酸残基T30、I94、A162に対応する位置での変異と、配列番号1に記載したアミノ酸配列のアミノ酸残基M556、R537、R37、V106、V293またはE310に対応する位置での少なくとも1つまたは複数の変異を含む。
別の実施形態において、前記ポリペプチドは、特に、少なくとも配列番号1に記載したアミノ酸配列のアミノ酸残基R537に対応する位置での変異との組み合わせにおいて、少なくともアミノ酸残基T30、I94、A162に対応する位置での変異と、少なくともアミノ酸残基M556での変異を含む。
有利な実施形態において、前記ポリペプチドは、特に、少なくとも配列番号1に記載したアミノ酸配列のアミノ酸残基R37およびV106に対応する位置での変異の組み合わせにおいて、少なくともアミノ酸残基T30、I94、A162に対応する位置での変異と、少なくともアミノ酸残基R37に対応する位置での変異とを含む。
有利な実施形態において、前記ポリペプチドは、少なくともアミノ酸残基T30、I94、A162に対応する位置での変異と、配列番号1に記載したアミノ酸配列の少なくともアミノ酸残基V106に対応する位置での変異および/または少なくともアミノ酸残基V293に対応する位置での変異を含む。
有利な実施形態において、前記ポリペプチドは、少なくともアミノ酸残基T30、I94、A162に対応する位置での変異と、配列番号1に記載したアミノ酸配列の少なくともアミノ酸残基E310に対応する位置での変異とを含む。
本開示に記載の前述のグルコースオキシダーゼ変異体において、前記変異は、T30V、I94V、R37K、V106I、A162T、V293I、E310、R537KおよびM556Vの群から選択される置換、またはそれらの組み合わせである。
野生型酵素と比べ改良されたグルコースオキシダーゼ活性を有するポリペプチドの好ましい例は、次からなる群から選択される置換を含む:
a)M556V、R537K、T30V、I94V
b)M556V、R537K、T30V、I94V、A162T
c)M556V、R537K、R37K、V293I、E310D、T30V、I94V、A162T
d)M556V、R37K、V106I、T30V、I94V、A162T
e)R37K、V106I、T30V、I94V、A162T。
表3は、配列番号1に記載したアミノ酸配列のアミノ酸残基に対応する位置での変異を含む、本開示に記載の有利な変異グルコースオキシダーゼ変異体のリストを示す。
本開示の有利な実施形態は、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11または配列番号13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むグルコースオキシダーゼ活性を有するポリペプチド、特に、配列番号7または配列番号11のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、ポリペプチドが改良されたグルコースオキシダーゼ活性(k、kcaおよび/またはkcat/k)、ならびに/あるいは野生型酵素の点から改良された熱安定性を有する、ポリペプチド、ならびに親GOxに関する。
有利な実施形態において、本開示に記載のグルコースオキシダーゼ活性を有するポリペプチドは、親GOxよりも少なくとも1.2倍、少なくとも1.4倍、少なくとも1.5倍、少なくとも1.6倍、もしくは少なくとも1.7倍のpH5.5での活性増加を有し、かつ/または親GOxよりも少なくとも1.2倍、少なくとも1.4倍、少なくとも1.5倍、少なくとも1.6倍もしくは少なくとも1.7倍のpH5.5での活性増加を有する。
別の有利な実施形態において、本開示に記載のグルコースオキシダーゼ活性を有するポリペプチドは、野生型GOxよりも少なくとも3倍、少なくとも3.5倍および少なくとも4倍のpH5.5での活性増加を有し、かつ/または、野生型GOxよりも少なくとも2.5倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍もしくは少なくとも5.8倍のpH7.4での活性増加を有する。
また本開示は、上述の変異、特に、少なくとも配列番号1のアミノ酸配列に対して85%、少なくとも90%、少なくとも93%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の最小のパーセンテージ配列同一性を有するアミノ酸配列の置換を含むポリペプチドに関する。
また本開示の実施形態は、グルコースオキシダーゼ活性を有し、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11または配列番号13に記載したそれぞれのグルコースオキシダーゼ変異体と比べた場合に少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも93%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、および少なくとも99%の配列同一性パーセントを有するアミノ酸配列を有する、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11または配列番号13に記載したいずれかのグルコースオキシダーゼ、特に、配列番号7または配列番号11のアミノ酸配列を含むポリペプチドの変異体を包含する。
本開示のさらなる実施形態は、
e)本開示に記載のポリペプチドをコードする核酸分子;
f)1つもしくは複数のアミノ酸残基が保存的に置換されている本開示に記載のポリペプチドをコードする核酸分子;
g)配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12もしくは配列番号14として示す核酸分子の変異体、相同体、誘導体または断片である核酸分子;
h)ストリンジェントな条件下でa)〜c)のいずれかの核酸分子にハイブリダイズすることが可能な核酸分子;
i)ストリンジェントな条件下でa)〜d)のいずれかの核酸分子の相補体にハイブリダイズすることが可能な核酸分子;
j)a)〜e)のいずれかの核酸分子と少なくとも95%の配列同一性を有し、改良されたグルコースオキシダーゼ活性および/もしくは熱安定性を有するポリペプチドをコードする核酸分子;
k)a)〜e)のいずれかの核酸分子と少なくとも85%の配列同一性を有し、改良されたグルコースオキシダーゼ活性および/もしくは熱安定性を有するポリペプチドをコードする核酸分子;または
I)a)〜g)のいずれかの核酸分子の相補体
からなる群から選択される核酸分子である。
本開示の一実施形態において、グルコースオキシダーゼ酵素は、特に改良された熱安定性と、それと同時に、野性型GOxまたは親GOx酵素と比べて改良された、または維持されている固有活性を示す。これらの特徴は、食品加工および他の産業または診断用途において特に有用である。
本開示のさらなる実施形態は、本開示に記載のグルコースオキシダーゼ変異体をコードする核酸分子を含むベクター、発現クローンおよび宿主細胞である。
さらなる実施形態は、本開示に記載のグルコースオキシダーゼ変異体を調製する方法であって、形質転換、形質導入またはトランスフェクトされた宿主細胞を培養することと、培養物から修飾されたグルコースオキシダーゼを単離することとを含む、方法である。
したがって、本開示はまた、変異体グルコースオキシダーゼをコードするポリヌクレオチドを含むベクター、かかるベクターで形質転換した宿主細胞、および形質転換体を培養し、培養物から変異体グルコースオキシダーゼを回収し、精製することにより本発明の変異体グルコースオキシダーゼを調製する方法を包含する。
また本開示は、本開示のグルコースオキシダーゼをサンプルと接触するように置き、グルコースオキシダーゼによって酸化されるグルコースの量を測定することによって、グルコースをアッセイする方法を包含する。別の態様において、本開示は、本開示のグルコースオキシダーゼと電子伝達物質を含む、サンプル中のグルコースをアッセイするためのデバイスを提供する。
アッセイデバイスは、血液グルコースレベルモニタリング用の市販されているいずれかの従来の電流測定バイオセンサーテストストリップと同様の構造を有していてよい。こうしたデバイスの一例は、絶縁基板に配置されている2つの電極(作用電極および基準電極または対電極)、試薬投入口およびサンプル受けを有する。試薬投入口は、本開示の変変異グルコースオキシダーゼと伝達物質を含有する。血液サンプルなどのサンプルがサンプル受けに加えられると、サンプルに含まれるグルコースは、グルコースオキシダーゼに反応して電流を生成するが、それがサンプル中のグルコースの量を示す。酵素基質の判定に適した電気化学センサーの代表的な例は、例えば、WO2004/113900および米国特許第5,997,817号により公知である。電気化学センサーの代わりに、光学的検出技術を使用することができる。典型的には、こうした光学デバイスは、酵素、電子伝達物質および指示薬を含む試薬系で生じる色調変化に基づく。色調変化の量は、蛍光、吸光度または緩解測定を使用して定量することができる。酵素基質の判定に適した光学デバイスの代表的な例は、例えば、米国特許第7,008,799号、米国特許第6,036,919号および米国特許第5,334,508号により公知である。
また別の態様において、本開示は、本開示のグルコースオキシダーゼと電子伝達物質を含む、サンプル中のグルコースをアッセイするためのキットを提供する。
グルコースを測定するためのキットは、本開示の酵素を使用して構築することができる。本開示のグルコースオキシダーゼに加えて、キットは、測定に必要な緩衝液、適切な伝達物質を含み、必要に応じて、ペルオキシダーゼなどの酵素、較正曲線調製用のグルコースの基準溶液および使用説明書を含む。本発明のグルコースオキシダーゼは、様々な形態で、例えば、凍結乾燥試薬、または適切な保存溶液として提供することができる。
別の態様において、本発明は、電極上に固定されている本発明のグルコースオキシダーゼを有する酵素電極を提供する。
別の態様において、本開示は、作用電極としての本開示の酵素電極を含む、グルコースをアッセイするための酵素センサーを提供する。有利な実施形態において、センサーは使い捨てのセンサーである。
サンプル中のグルコースの濃度は、酵素反応によって生成された電子の量の測定により決定することができる。炭素電極、金属電極および白金電極をベースとした系を含む、様々なセンサー系は、当技術分野で記載されている。本開示の変変異グルコースオキシダーゼは、電極上に固定化される。固定化する手段の例としては、架橋結合、高分子マトリックスへの封入、透析膜、光架橋結合ポリマー、導電性ポリマー、酸化還元ポリマーによる被覆、およびその任意の組み合わせが挙げられる。
固定化酵素とともに提供される炭素電極、金電極または白金電極を使用する電流測定系で測定が行なわれる場合、それは、対電極(例えば白金電極)および基準電極(例えばAg/AgCl電極)とともに作用電極として使用される。電極は、伝達物質を含有する緩衝液に挿入され、所定温度に維持される。所定電圧が作用電極に加えられ、次いで、サンプルが加えられ、増加した電流が測定される。アッセイにおいて使用される伝達物質の例としては、フェリシアン化カリウム、フェロセン、オスミウム誘導体、ルテニウム誘導体、フェナジンメトサルフェート、ニトロソアニリン誘導体などが挙げられる。また一般に、1つの作用電極と1つの対電極または擬似基準電極を備えた、いわゆる2電極系を使用することもできる。
さらに、グルコースは、炭素電極、金電極または白金電極を使用する電流測定系において、固定化電子伝達物質を使用してアッセイすることができる。酵素は、吸着または共有結合により、高分子マトリックス中の電子伝達物質(例えば、フェリシアン化カリウム、フェロセン、オスミウム誘導体またはフェナジンメトサルフェートなど)とともに電極上に固定化され、作用電極が調製される。これは、対電極(例えば白金電極)および基準電極(例えばAg/AgCl電極)とともに緩衝液に挿入され、所定温度に維持される。所定電圧が作用電極に加えられ、次いで、サンプルが加えられ、増加した電流が測定される。
上述のように、本開示の一実施形態は、(a)グルコースオキシダーゼ活性を有するポリペプチドを生成する適切な条件下において、適切な培養培地中で本開示に記載のグルコースオキシダーゼ変異体をコードする核酸分子を含む宿主細胞を培養するステップと;(b)前記の生成されたポリペプチドを取得するステップとを含み、任意選択で、(c)ポリペプチドを処理するステップを含む、グルコースオキシダーゼ活性を有するポリペプチドを生成する方法に関する。
グルコースオキシダーゼ酵素を生成するため、酵素をコードするDNAは、公表された配列から化学的に合成することができるか、(例えば、cDNAライブラリースクリーニングまたはPCR増幅によって)遺伝子を内部に有する宿主細胞から直接取得することができる。グルコースオキシダーゼ遺伝子は発現カセットに含めることができる、および/または標準の分子クローニング技術によって適切な発現ベクターへクローニングすることができる。そのような発現カセットまたはベクターは、多くの場合、転写の開始および停止をアシストする配列(例えばプロモーターおよびターミネーター)を含有しており、選択マーカーを含有し得る。またカセットはプラス鎖またはマイナス鎖mRNAを構成することもでき、それらの発現はmRNAの翻訳前に増幅工程を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。発現させるグルコースオキシダーゼ遺伝子は、タンパク質の特定のドメイン、例えば様々な特異性のポリマー結合ドメイン(例えば、炭水化物結合ドメイン)を含有していてもよく、含有していなくてもよい。発現カセットまたはベクターは、対応するグルコースオキシダーゼ遺伝子を発現する適切な発現宿主細胞に導入することができる。特に適切な発現宿主は細菌の発現宿主の類であり、例えば、エシェリキア属(Escherichia)(例えば大腸菌(E. coli))、シュードモナス属(Pseudomonas)(例えばシュードモナス・フルオレッセンス(P. fluorescens)またはシュードモナス・スツッツェリ(P. stutzerei))、プロテウス属(Proteus)(例えばプロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis))、ラルストニア属(Ralstonia)(例えばラルストニア・ユートロファ(R. eutropha))、ストレプトマイセス属(Streptomyces)、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)(例えばスタフィロコッカス・カルノサス(S. carnosus))、ラクトコッカス属(Lactococcus)(例えばラクトコッカス・ラクチス(L. lactis))、およびバチルス属(Bacillus)(例えば枯草菌(B. subtilis)、バチルス・メガテリウム(B. megaterium)、バチルス・リケニフォルミス(B. licheniformis))である。また特に適切であるのは酵母発現宿主であり、例えば、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、スチゾサッカロマイセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、ヤロウイア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)、ハンセヌラ・ポリモルフア(Hansenula polymorpha)、クリベロミセス・ラクティス(Kluyveromyces lactis)またはピキア・パストリス(Pichia pastoris)である。とりわけ適切であるのは真菌の発現宿主であり、例えば、クリソスポリウム・ラクノウェンス(Chrysosporium lucknowense)、アスペルギルス属(Aspergillus)(例えばアスペルギルス・オリゼ(A. oryzae)、アペルギルス・ニガー(A. niger)、アスペルギルス・ニデュランス(A.nidulans))、またはトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)である。さらに適切であるのは哺乳動物の発現宿主であり、例えば、マウス(例えばNSO)、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)またはベビーハムスター腎臓(BHK)細胞株、ウサギ、ヤギまたはウシなどのトランスジェニック哺乳動物系、昆虫細胞または植物などの他の真核生物の宿主、またはバクテリオファージM13、T7もしくはラムダなどのウイルス発現系、またはバキュロウィルスなどの真核生物ウイルスなどである。
グルコースオキシダーゼ遺伝子は、数多くの形質転換方法、例えば、限定するものではないが、エレクトロポレーション、脂質アシスト型形質転換またはトランスフェクション(「リポフェクション」)、化学的介在型トランスフェクション(例えばCaClおよび/またはCaP)、酢酸リチウム介在形質転換(例えば宿主細胞プロトプラストのもの)、微粒子銃「遺伝子銃」形質転換、PEG介在型形質転換(例えば宿主細胞プロトプラストのもの)、プロトプラスト融合(例えば、細菌または真核生物プロトプラストを使用するもの)、リポソーム介在型形質転換、アグロバクテリウム・チュメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)、アデノウイルスまたは他のウイルスもしくはファージ形質転換または形質導入などによって発現宿主細胞へ導入することができる。
目的のタンパク質は、細胞外もしくは細胞周辺腔へ分泌されるか、または細胞内で発現させることができる。場合によっては、上述のようなシグナル配列を使用する酵素変異体の細胞内発現または細胞周辺腔内への分泌の後、透過化工程または溶解工程を使用してグルコースオキシダーゼ酵素を上清へ放出させることができる。膜障壁の破壊は、機械的手段を使用することによって、例えば、超音波、加圧処理(フレンチプレス)、キャビテーションまたは膜消化酵素、例えばリゾチームもしくは酵素混合物の使用によって達成することができる。さらなる代案として、グルコースオキシダーゼ酵素をコードする遺伝子は、適切な無細胞発現系を使用することによって無細胞発現される。例えば、大腸菌(Escherichia coli)細胞由来のS30抽出物をこの目的または市販の系(例えば、Roche Applied Science,Inc.によるCECF技術)に使用した。無細胞系において、目的の遺伝子は、通常、プロモーターの支援により転写されるが、サーキュラー発現ベクターを形成するライゲーションは必須でない。またRNAは、外因的に添加されるか、転写することなく生成され、無細胞系において翻訳され得る。インビトロ発現および上記発現系のすべてを実施するための発現構築物の構成は、十分に当業者の能力の範囲内である。
上述のように、グルコースオキシダーゼタンパク質は様々な発現系で発現させることが可能であり、したがって、適切な下流の処理および精製方法を選択しなければならない。本開示の有利な実施形態において、グルコースオキシダーゼ変異体は微生物の宿主において発現され、タンパク質は細胞周辺腔または細胞外液腔へ分泌される。グルコースオキシダーゼ変異体を発現する細胞は、当業者の誰もが知っている方法、例えば、限定するものではないが、凍結保存によって保存される。発現する生物体の培養物は、発酵の標準法により適切容量で調製される。好ましい実施形態において、タンパク質を発現させるための培養は凍結保存から接種を行い、培養物の容量を適切な容器中で連続的に増加させる。好ましい実施形態において、細胞は発酵槽において増殖され、任意選択で、増殖条件、例えば、pH、温度、酸素および/または栄養供給などを調節する。精製の第1の工程は、いくつかの技術、例えば、沈降、精密濾過、遠心分離またはフロキュレーションなどのうちの1つまたは複数を使用して、上清から細胞を単離することを含む。好ましい実施形態において、適用方法は精密濾過である。細胞内発現の場合、細胞には、細胞内腔からタンパク質を放出させるような処理が施される。これらの処理は、例えば、圧力、酵素、浸透圧ショック、凍結、超音波または細胞抽出物を生成する他の処理を含むことができ、さらにこれを精製に供してもよく、また供さなくてもよい。
本開示の有利な実施形態において、タンパク質は上清へ分泌され、精製の任意選択の工程は限外濾過による上清の濃縮を含む。上清または濃縮した上清からのさらなるタンパク質精製は、抽出法もしくは分画法、例えば硫酸アンモニウムもしくはエタノールもしくは酸による沈殿を含むいくつかの方法、またはクロマトグラフィー法、例えば、限定するものではないが、イオン交換、疎水的相互作用、ヒドロキシルアパタイト、ゲル濾過によるサイズ分画、ホスホセルロースもしくはレクチンクロマトグラフィーおよびアフィニティークロマトグラフィー、あるいはそれらの任意の組み合わせのうちの1つまたは複数を用いて実施することができる。より好ましい方法においては、アフィニティータグを付けたタンパク質は金属キレートアフィニティークロマトグラフィーによって精製され、高純度タンパク質が得られる。
本開示の別の有利な実施形態において、上清または限外濾過によって部分精製された上清または濃縮および/または透析濾過された上清は、いくつかの技術的方法、例えば、限定するものではないが、噴霧乾燥、凍結乾燥、ダウンドラフト脱水、薄層脱水、遠心脱水、コンベヤー乾燥、またはそれらの任意の組み合わせのうちのいずれか1つによって乾燥される。
本開示のさらに有利な実施形態において、発現されたグルコースオキシダーゼ変異体を含む、発酵させた細胞懸濁液は、全体として、例えば、限定するものではないが、流動層乾燥、コンベア乾燥、噴霧乾燥もしくはドラム乾燥またはそれらの任意の組み合わせなどの方法を使用して乾燥される。
生成された目的のポリペプチドは、回収され、当技術分野で公知の方法によってさらに精製、単離、処理および/または修飾される。例えば、ポリペプチドは、例えば、限定するものではないが、遠心分離、濾過、限外濾過、抽出または沈殿などの従来の方法によって栄養培地から回収することができる。精製工程などのさらなる処理工程は、例えば、限定するものではないが、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、親和性、疎水性、クロマトフォーカシング、およびサイズ排除)、電気泳動法(例えば、分取用等電点電気泳動)、溶解度の差(例えば、硫酸アンモニウム沈殿)または抽出などの当技術分野で公知の様々な方法によって実施することができる。さらには、単離され精製された目的のポリペプチドをさらに処理することができ、例えば、組成物に、特に、食品組成物、医薬組成物、診断用組成物または化粧用組成物に製剤化され得る。
下記において、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)の野性型グルコースオキシダーゼをコードするアミノ酸配列(配列番号1)の配列アラインメントはwt(一番上の行)と示され、親グルコースオキシダーゼ(配列番号3)は置換T30V−I94V−A162Tを有することを示し、本開示のグルコースオキシダーゼ変異体A21(配列番号5)は置換T30V−I94V−R537K−M556Vを有することを示し、本開示のグルコースオキシダーゼ変異体A2(配列番号7)は置換T30V−I94V−A162T−R537K−M556Vを有することを示し、本開示のグルコースオキシダーゼ変異体F5(配列番号9)は置換T30V−R37K−I94V−A162T−V293I−E310D−R537K−M556Vを有することを示し、本開示のグルコースオキシダーゼ変異体F91(配列番号11)は置換T30V−R37K−I94V−V106I−A162Tを有することを示し、本開示のグルコースオキシダーゼ変異体F9(配列番号13)は置換T30V−R37K−I94V−V106I−A162T−M556Vを有することを示した。
方法および実施例
以下の実施例において、本開示の材料および方法は、本方法によって得られる酵素の触媒特性および安定性特性の判定を含め、提供される。これらの実施例は単なる例示目的であり、いかなる方法においても本開示を限定するものとして解釈されるべきでないことを理解されたい。本明細書中に引用されているすべての刊行物、特許および特許出願は、これによってすべての目的のためにその全体を参照により組み入れるものとする。
部位特異的変異誘発
グルコースオキシダーゼ変異体は、QuickChangeマルチ部位特異的変異誘発キット(Agilent Technologies、USA)および大腸菌(E. coli)XL1OGoldウルトラコンピテント細胞を使用して作成した。部位特異的プライマー(Eurofins MWG Operon、Germany)を合成し、pCTCON2ベクターに収容され、c−mycタグを含んでいるGOx配列の様々な位置でアニールさせた。
PCRミックスは、400pg/μL鋳型DNA、200nMのプライマー、および突然変異誘発キットの残りの成分を含んでいた。反応は、95℃で1分間加熱し、続いて、95℃で1分間、55℃で1分間および65℃で16.5分間の加熱を30サイクル行い、続いて、65℃で20分間最終伸長を行った。次いで、反応生成物は37℃で3時間、DpnIを使用して消化し、必要になるまで4℃で保存した。
PCRから得た一本鎖DNAは、突然変異誘発キットの説明書に従ってウルトラコンピテント細菌に導入し、プラスミドDNAはMacherey−NageIプラスミドDNAキット(Duren、Germany)を使用して単離した。
サッカロマイセス・セレビジエ(S. cerevisiae)EBY100細胞の形質転換
プラスミドDNAは、42℃で2.5時間のヒートショックを使用し、サッカロマイセス・セレビジエ(S. cerevisiae)EBY100に(Gietz RD and Schiestl RH, Nature protocols 2007, 2: 31-4に記載されているようにして)導入した。細胞は27℃で48時間160rpmにてYNB−CAAグルコース培地中で培養し、次いで、16〜18時間、同じ条件下でYNB−CAA Gal/Raf培地に移すことによってGOxの発現を誘導した。
寒天平板ABTSアッセイ
サッカロマイセス・セレビジエ(S. cerevisiae)細胞を3日間27℃で増殖させ、YNB−CAA Gal/Raf培地にレプリカによりプレーティングし、さらに1日培養した。分析培地は、2%寒天培地を、333mMのグルコース、1.75U/mLのHRPおよび7mMのABTSを含有する等量のABTS溶液と混合することにより調製した。これを寒天細胞平板上に注いだ。緑色の輪がGOx活性のあるコロニーの周囲で観察された。
MTP ABTSアッセイ
サッカロマイセス・セレビジエ(S. cerevisiae)細胞は、(Bulter T et al. In: Directed Enzyme Evolution Screening and Selection Methods, Arnold FH, Georgiou G (eds) Humana Press: Totowa, New Jersey, 2003に記載されているようにして)培養し、5μLのアリコートを、(Zhu Z et al. Biosensors & Bioelectronics 2006, 21:2046-51; Baron AJ et al. J. Biol. Chem. 1994, 269:25095-25105; Sun L et al. Protein Eng Des Select 2001, 14: 699-704に記載されているようにして)以下の変更を含むABTSアッセイ用の新鮮なMTPに移した。
細胞を70μLのPBSに再懸濁し、OD600を判定し、次いで、70μLのABTS溶液を添加し、その動態を10分間405nmで20秒毎に測定した。1つは250mMグルコースおよび1U/mLのHRPを含有する4mM ABTS溶液を使用し、もう1つはグルコースのみが5mMである以外は同一成分を含む溶液を使用する、それぞれの培養物から2つの測定値を得た。標準化のため、3つの野生型クローンをそれぞれのマイクロタイタープレートに含めた。それぞれの測定において、線形領域の傾斜を計算し、各ウェル中の細胞のOD600に対し標準化した。
DNA単離およびピキア・パストリス(Pichia pastoris)における再クローニング
DNAを(Singh MV and Weil PA, Analytical Biochemistry 2002, 307:13-17に記載されているようにして)サッカロマイセス・セレビジエ(S. cerevisiae)変異体から抽出し、GOx配列を、適切な制限酵素(New England Biolabs GmbH、Germany)を使用してpICZalpha A(Invitrogen、Germany)のXhoI/XbaI部位へ移した。コンピテントピキア・パストリス(P. pastoris)KM71H細胞(Invitrogen、Germany)を調製し、形質転換し(Becker DM and Guarente L, Methods Enzymol 1991, 194: 182-187を参照)、それぞれの変異体を示す優良クローンを選択した。
タンパク質精製
Invitrogen社の推奨に従って4日間発酵させた後、細胞は、Beckman Coulter Avanti J26 XP遠心機(Krefeld Germany)を使用して10分間11,000×gの遠心分離によりペレット化した。上清を収集し、0.22μmのPTFEフィルター(Carl Roth GmbH、Germany)を通して濾過し、10kDa膜を用いるViva Flow50システム(Sartorius AG、Germany)を使用して濾液を5〜10mLに濃縮した。濃縮物を4℃で一晩10mMリン酸緩衝液(pH6.0)に対し透析し、AKTApurifier(GE Healthcare Europe GmbH、Germany)を使用する20mL Fast Flow DEAEセファロースカラム(GE Healthcare Europe GmbH、Germany)に装填した。タンパク質は、30カラム容量に対し10〜250mMのリン酸緩衝液pH6の直線濃度勾配を使用して精製した。本発明者らは、ABTSアッセイを使用して50mLフラクションを試験し、GOx活性の個別のピークを有するものを収集し、10kDa限外濾過カラム(Sartorius AG、Germany)を使用して5mLに濃縮した。
ABTSアッセイを使用する動態解析
それぞれのGOx変異体の動態特性は、pH5.5および7.4でグルコース濃度が2.5〜260mMの範囲である三連のMTP ABTSアッセイを使用して判定した。それぞれの測定の傾きは線形領域に対して計算し、ミカエリス−メンテン曲線にフィットさせ、K値およびkcat値が決定できるようにした。Lineweaver−Burk、Eadie−HofsteeおよびHanes−Woolfプロットも構築し、外れ値を同定し除いた。kcat値は、280nmで吸収度を測定することにより決定した(1.5mg/mLのGOxの吸収は、ProtParamを使用して計算した場合、配列に基づき1AUと等しいと考えられる)。
コントロールとして、配列番号3のアミノ酸配列(アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来の野生型グルコースオキシダーゼ(配列番号1)のアミノ酸残基T30V、I94VおよびA162Tに対応する位置での置換を有するもの)を含む親GOxを使用した。親GOxをコードする核酸は、配列番号4に示す。
得られたデータをミカエリス−メンテンの式にフィットさせることができるように、酵素の速度反応パラメーターを調査した。GOx変異体はすべて(pH5.5で試験した)野生型酵素よりも改善された固有の活性を有していたが、その差はpH7.4においてより明白であった。変異体の改良された動態定数を表4にまとめる。最良の変異体はA2であり、Kは1.5倍低く、kcatは2.6倍高く、pH5.5では全体で活性が4倍増加し、pH7.4では5.8倍増加した。
上述のように、選択したすべての変異体は、(pH5.5で試験した)野生型酵素よりも改善された固有活性を有しているが、その差はpH7.4においてより明白であった。最良変異体(A2)は、pH5.5で4倍活性であり、pH7.4で5.8倍活性であった。このことは、ヒトにおいて作動させる小型バイオ燃料電池の開発にとって理想的であるということを示唆している。
図1は、PBS緩衝液pH7.4、1U/mL HRPおよび4mM ABTSを用いて、光路が0.5cmで反応容量が150μLのABTSアッセイを使用して決定される動態定数を示す。グルコース濃度は2.5から260mMまで変えた。動態は、10分間405nmで20秒毎に測定した。それぞれの測定の傾きは、線状領域に対して計算した。データは、Origin8(OriginLab Corporation、Northampton)を使用してミカエリス−メンテンの曲線にフィットさせ、Kおよびkcatを決定した。
図2は、50mM酢酸ナトリウム緩衝液pH5.5、1U/mL HRPおよび4mM ABTSを用いて、光路が0.5cmで反応容量が150μLのABTSアッセイを使用して決定される動態定数を示す。グルコース濃度は2.5から260mMまで変えた。動態は、10分間405nmで20秒毎に測定した。それぞれの測定の傾きは、線状領域に対して計算した。データは、Origin 8(OriginLab Corporation、Northampton)を使用してミカエリス−メンテンの曲線にフィットさせ、Kおよびkcatを決定した。
フェロセンメタノールを使用する動態解析
フェロセンメタノール(酸化型)はZhuらによって記載されているようにして調製し、1MのKOHまたは1MのHClを使用して活性測定に使用される対応pHに調整した。精製グルコースオキシダーゼ変異体を使用して、酸素の存在下で、フェロセンメタノールに関するKおよびkcatを決定した。各測定は、400mMのグルコースを使用し、フェロセンメタノールの濃度を0.22〜10mMの範囲で変えて、MTPにおいて3回繰り返して実施した。測定はpH5.5、7.4および8で実施した。動態は625nmでモニターした。これらの測定を使用し、Kおよびkcatは、最小二乗法による非線形回帰を用いてデータにミカエリス−メンテンモデルをフィットさせることにより決定した。kcatを計算するため、酵素濃度は280nmでの吸光度により測定した(1.5mg/mLのGOxの吸光は、ProtParamを使用して計算した場合、配列に基づく1AUと同等であると考えられる)。外れ値は同定し除いた。フェロセンメタノールに関する動態パラメーターを表5にまとめる。
catは個々の変異体に対して試験したpH値間で比較可能であるが、Kは高pH値で非常に低いので、特異性定数は高pH値に関して大幅に改善する。変異体と野性型のK値は各々のpH値について比較可能であり、したがって、グルコースへの変異体の親和性の増加は、フェロセンメタノールへの親和性に悪影響を及ぼさなかったことを示している。酸素の存在下では、伝達物質は依然として酸素と競合し得る。
変異体はすべて、野性型変異体と比べて伝達物質に対する高い活性を示す。さらに、変異体A2は、フェロセンメタノールに対する活性が最大10倍まで改良された最良変異体である。
N,N−ジメチル−p−ニトロソアニリン(NDMA)を使用する動態解析
N,N−ジメチル−p−ニトロソアニリン(NDMA)溶液は、適切な緩衝液(リン酸緩衝液pH7.4または酢酸緩衝液pH5.5)中に化学物質を添加することによって調製した。事前に精製したGOx変異体を用いる動態測定に、この酸化型N,N−ジメチル−p−ニトロソアニリンを使用した。これに関し、GOxの伝達物質との反応速度は、様々な伝達物質濃度に対して決定した。NDMA低下は、飽和グルコース濃度で528nmにてモニターした。Kおよびkcatの決定は、400mMグルコースを使用し、pH5.5および7.4で、NDMA濃度を0.46〜15.33mMの間で変えて行った。測定はすべて、MTPにおいて3回繰り返して実施した。pH5.5および7.4でのNDMAに対して得られた動態データは、ミカエリス−メンテン曲線にフィットさせた。品質管理として、また外れ値を同定し除くために、同様にLineweaver−Burk、Hanes−WoolfおよびEadie−Hofstee曲線をプロットした。NDMAに関する動態データを表6に示す。
FMの場合のように、NDMAは野生型酵素だけでなく変異体においても酸素と競合し得る。また、低KM値によって示される伝達物質への親和性も高pHで増加する。野生型酵素およびF91は、試験した両pHで他の変異体よりも低いKM値を示した。このことは、F91と野生型酵素には存在しないが他のすべての変異体に存在する、変異M556VがKM値を増加させることを示している。これはFMについては認められなかった。変異体に対する特異性定数は、野生型酵素と比べると、5倍(F91)から8倍(A2)の範囲で増加した。
熱安定性
GOx変異体の熱安定性は、基質の非存在下、60℃にて50mM酢酸緩衝液(pH5.5)中で酵素をインキュベートし(Bhatti HN, Saleem N, Food Technol. Biotechnol. 47 (3) 331-335, 2009, 47: 331-335を参照)、ABTSアッセイを使用して定期的にアリコートの残存活性を測定することによって決定した。残存活性のパーセンテージを示すA(t)値は、下記に示すように不活性化速度定数(kd)を決定するため、指数方程式において、時間0の100%活性に対し異なる時点でプロットした:
A(t)=e−kd*t
熱安定性に関する半減時間は、A(t)が0.5A(0)に相当するとみなして計算した。
本開示によれば、すべてのGOx変異体の熱安定性は野生型酵素よりも高かった(表5を参照)。この場合、その優良変異体は、野生型酵素よりも60℃での半減期が2倍長いF9−1であった。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
グルコースオキシダーゼ活性を有するポリペプチドであって、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来の野生型グルコースオキシダーゼ(配列番号1)のアミノ酸残基T30、I94およびA162に対応する位置での変異と、アミノ酸残基M556、R537、R37、V106、V293またはE310に対応する位置での少なくとも1つまたは複数のさらなる変異とを含み、前記ポリペプチドのアミノ酸配列が配列番号1のアミノ酸配列に対して少なくとも80%の少なくとも最小のパーセンテージ配列同一性および/またはパーセンテージ相同性を有する、ポリペプチド。
[2]
少なくともアミノ酸残基T30、I94、A162に対応する位置での変異と、アミノ酸残基M556、R537、R37、V106、V293またはE310に対応する位置での少なくとも1つまたは複数の変異を含む、[1]に記載のポリペプチド。
[3]
少なくともアミノ酸残基T30、I94、A162に対応する位置での変異と、少なくともアミノ酸残基M556での変異とを含む、[1]から[2]のいずれか一項に記載のポリペプチド。
[4]
少なくともアミノ酸残基M556およびR537に対応する位置での変異を含む、[1]から[3]のいずれか一項に記載のポリペプチド。
[5]
少なくともアミノ酸残基R37に対応する位置での変異を含む、[1]から[4]のいずれか一項に記載のポリペプチド。
[6]
少なくともアミノ酸残基R37およびV106に対応する位置での変異を含む、[1]から[5]のいずれか一項に記載のポリペプチド。
[7]
少なくともアミノ酸残基V106に対応する位置での変異を含む、[1]から[6]のいずれか一項に記載のポリペプチド。
[8]
少なくともアミノ酸残基V293に対応する位置での変異を含む、[1]から[7]のいずれか一項に記載のポリペプチド。
[9]
少なくともアミノ酸残基E310に対応する位置での変異を含む、[1]から[8]のいずれか一項に記載のポリペプチド。
[10]
前記変異がT30V、I94V、R37K、V106I、A162T、V293I、E310、R537KおよびM556Vの群から選択される置換、またはその組み合わせである、[1]から[9]のいずれか一項に記載のポリペプチド。
[11]
a)M556V、R537K、T30V、I94V、A162T
b)M556V、R537K、R37K、V293I、E310D、T30V、I94V、A162T
c)M556V、R37K、V106I、T30V、I94V、A162T
d)R37K、V106I、T30V、I94V、A162T
からなる群から選択される置換を含む、[10]に記載のポリペプチド。
[12]
配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11および配列番号13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、[1]から[11]のいずれか一項に記載のポリペプチド。
[13]
配列番号7のアミノ酸配列を含む、[1]から[12]のいずれか一項に記載のポリペプチド。
[14]
配列番号11のアミノ酸配列を含む、[1]から[12]のいずれか一項に記載のポリペプチド。
[15]
前記アミノ酸配列が配列番号1のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも93%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の少なくとも最小のパーセンテージ配列同一性および/またはパーセンテージ相同性を有する、[1]から[14]のいずれか一項に記載のポリペプチド。
[16]
a)[1]から[15]のいずれか一項に記載のポリペプチドをコードする核酸分子;
b)1つもしくは複数のアミノ酸残基が保存的に置換されている、[1]から[15]のいずれか一項に記載のポリペプチドをコードする核酸分子;
c)配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12もしくは配列番号14として示す核酸分子の画分、変異体、誘導体または断片である核酸分子;または
d)a)〜c)の核酸分子のいずれかの相補体
からなる群から選択される核酸分子。
[17]
[16]に記載の核酸分子を含むベクター。
[18]
[17]に記載のベクターで形質転換、形質導入またはトランスフェクトした宿主細胞。
[19]
(a)適切な条件下において適切な培養培地中で[18]に記載の宿主細胞を培養して、グルコースオキシダーゼ活性を有するポリペプチドを生成するステップと;(b)前記生成したポリペプチドを取得するステップと、任意選択で、(c)前記ポリペプチドを処理するステップとを含む、グルコースオキシダーゼ活性を有するポリペプチドを生成する方法。
[20]
[1]から[15]のいずれか一項に記載のポリペプチドを含む組成物。
[21]
食品組成物、医薬組成物、診断用組成物または化粧用組成物である、[20]に記載の組成物。
[22]
[1]から[15]のいずれか一項に記載のグルコースオキシダーゼ活性を有するポリペプチドとサンプルを接触させることと、グルコースオキシダーゼによって酸化されたグルコースの量を測定することとを含む、サンプル中のグルコースをアッセイする方法。
[23]
[1]から[15]のいずれか一項に記載のグルコースオキシダーゼ活性を有するポリペプチドと電子伝達物質とを含む、サンプル中のグルコースをアッセイするためのデバイス。
[24]
[1]から[15]のいずれか一項に記載のグルコースオキシダーゼ活性を有するポリペプチドと電子伝達物質とを含む、サンプル中のグルコースをアッセイするためのキット。
[25]
電極上に固定化されている、[1]から[15]のいずれか一項に記載のグルコースオキシダーゼ活性を有するポリペプチドを有する酵素電極。
[26]
作用電極として[25]に記載の酵素電極を含む、グルコースをアッセイするための酵素センサー。
[27]
使い捨てのセンサーである、[26]に記載の酵素センサー。
[28]
食品を保護するための、[1]から[15]のいずれか一項に記載のグルコースオキシダーゼ活性を有するポリペプチドの使用。
[29]
アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来の野生型グルコースオキシダーゼのアミノ酸配列(配列番号1)の番号付けに対して556および537または37に対応する位置でのアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来の天然に存在する野生型グルコースオキシダーゼのアミノ酸配列における少なくとも3個のアミノ酸残基の置換と、少なくともアミノ酸残基556および537または37および106に対応する位置での置換とを含み、野生型酵素よりも改善された固有活性を有する、修飾型グルコースオキシダーゼ。
[30]
前記ポリペプチドがアミノ酸残基37、293または310に対応する位置での少なくとも1つまたは複数のさらなる変異を含む、[29]に記載の修飾型グルコースオキシダーゼ。
[31]
前記変異がT30V、I94V、R37K、V106I、A162T、V293I、E310、R537KおよびM556Vの群から選択される置換、またはそれらの組み合わせである、[29]から[30]のいずれか一項に記載の修飾型グルコースオキシダーゼ。

Claims (15)

  1. アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来の野生型グルコースオキシダーゼ(配列番号1)に比べて2,2’−アジノビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)アッセイ(ABTSアッセイ)における改善された熱安定性および改善された固有活性を同時に有するポリペプチドであって、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来の野生型グルコースオキシダーゼ(配列番号1)のアミノ酸残基T30およびI94に対応する位置での変異と、アミノ酸残基A162、M556、R537、R37またはV106に対応する位置での少なくとも1つまたは複数のさらなる変異とを含み、前記ポリペプチドのアミノ酸配列が配列番号1のアミノ酸配列に対して少なくとも0%の少なくとも最小のパーセンテージ配列同一性を有する、ポリペプチド。
  2. アミノ酸残基V293またはE310に対応する位置での少なくとも1つまたは複数の変異を含む、請求項1に記載のポリペプチド。
  3. 前記変異がT30V、I94V、R37K、V106I、A162T、V293I、E310、R537KおよびM556Vの群から選択される置換、またはその組み合わせである、請求項1または2に記載のポリペプチド。
  4. a)M556V、R537K、T30V、I94V
    b)M556V、R537K、T30V、I94V、A162T
    c)M556V、R537K、R37K、V293I、E310D、T30V、I94V、A162T
    d)M556V、R37K、V106I、T30V、I94V、A162T
    e)R37K、V106I、T30V、I94V、A162T
    からなる群から選択される置換を含む、請求項1に記載のポリペプチド。
  5. 配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11および配列番号13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  6. 配列番号7のアミノ酸配列を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  7. 配列番号11のアミノ酸配列を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  8. 前記アミノ酸配列が配列番号1のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも93%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の少なくとも最小のパーセンテージ配列同一性を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載のポリペプチドをコードする核酸分子。
  10. 請求項9に記載の核酸分子を含むベクター。
  11. 請求項10に記載のベクターで形質転換、形質導入またはトランスフェクトした宿主細胞。
  12. (a)適切な条件下において適切な培養培地中で請求項11に記載の宿主細胞を培養して、グルコースオキシダーゼ活性を有するポリペプチドを生成するステップと;(b)前記生成したポリペプチドを取得するステップと、任意選択で、(c)前記ポリペプチドを処理するステップとを含む、グルコースオキシダーゼ活性を有するポリペプチドを生成する方法。
  13. 請求項1から8のいずれか一項に記載のポリペプチドを含む組成物であって、特に、食品組成物、医薬組成物、診断用組成物または化粧用組成物である、組成物。
  14. 請求項1から8のいずれか一項に記載のグルコースオキシダーゼ活性を有するポリペプチドとサンプルを接触させることと、グルコースオキシダーゼによって酸化されたグルコースの量を測定することとを含む、サンプル中のグルコースをアッセイする方法。
  15. 請求項1から8のいずれか一項に記載のグルコースオキシダーゼ活性を有するポリペプチドと電子伝達物質とを含む、サンプル中のグルコースをアッセイするためのデバイス。
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