以下に、本発明にかかるBIMシステム及び方法の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
ここで、図1を参照して、実施形態において利用されるBIMの概要について説明する。図1は、建築物の設計図書およびBIMモデルの一例を示す概念図である。図1では、建築物の設計図書による設計方法とBIMによる設計方法との違いを表している。図1の左側に示すように、建築物の設計図書による設計方法では、建築物の設計に関わる各業種が個々に専門図面を作成しているため、各々が関連性および整合性を各々とる必要がある。つまり、建築物の設計図書による設計方法では、例えば関連する設計図書の修正が必要となり、その整合性のチェックも必要となる。一方、図1の右側に示すBIMによる設計方法では、各業種にて建物全体のデータである建築物の3次元モデル(すなわち、建築物のBIMモデル)を共有することができるので、1個のデータ上で関連性および整合性の確認を行うことができる。
以下、本実施形態の構成および処理について詳細に説明する。
[実施形態]
最初に、実施形態について、図2乃至図14を参照して以下に説明する。なお、実施形態で例示するBIMシステムにおけるサーバ装置及び端末装置による機能分散の形態は以下に限られず、同様の効果や機能を奏し得る範囲において、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
[実施形態における建設工程]
本実施形態の建築物の建築工程について説明する。図2は、本実施形態の建築物の建築工程に含まれるフェーズ(工程)を例示した図である。図2に示されるように、本実施形態の建築工程は、建築計画、設計協力、施工協力、製造、工事、保守、改修の順に各フェーズを行う例とする。本実施形態では、これらのフェーズの違いに応じて、必要な情報が異なる。
例えば、建築計画では、昇降機について、階やスペース等の大まかな情報が設定されていればよい。設計協力では、昇降機について周囲の鉄骨やドアのデザイン等が設定されている必要がある。施工協力では、昇降機についてミリ単位の情報が必要となる。製造では、工場で昇降を制作するためのリアルなモデルが必要となる。保守では、ビル管理に必要な情報があれば良い。
そこで、本実施形態では、建築工程のフェーズ毎に異なる昇降機のBIMパーツを利用する。換言すれば、フェーズ毎にLOD(Level Of Detail、又はLevel Of Development)に従って作成されたBIMパーツを用いる例とする。
なお、本実施形態では、建築後の保守、改修も含まれている例について説明するが、保守、改修が含まれて無くとも良い。また、建築工程は、このような順序に制限するものではなく、他のフェーズ(工程)が含まれていたり、図2に含まれているフェーズが省かれていたりしても良い。
また、従来、建築工程の各フェーズにおいて、昇降機のBIMパーツで仕様を検討しても、合意結果を残す手段がなかった。このため、承認行為は、従来通り図面で行われていた。このため、昇降機メーカが、昇降機の三次元モデルを含むBIMパーツを客先に提供し、仕様を検討していた場合でも、承認行為が行われた時に、仕様を検討していたときのBIMパーツから、どのような変更が加えられたか認識するのが難しかった。
そこで、本実施形態では、建築工程にフェーズによらず、昇降機のBIMを管理する手法を説明する。さらに、建築工程のフェーズ毎のBIMモデルの承認手法について説明する。
[実施形態におけるBIMシステムの構成]
まず、実施形態におけるBIMシステムの構成の一例について、図3を参照して以下に説明する。図3は、実施形態におけるBIMシステムの構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち主要な部分を概念的に示している。なお、本実施形態においては、通信型のBIMシステムを具体例として説明するが、これに限ることなく、スタンドアロン型のBIMシステムなどにも適用可能である。
図3に示すように、実施形態のBIMシステムは、概略的に、昇降機の3次元モデル(すなわち、昇降機のBIMパーツ)等の情報を提供できるサーバ装置200、昇降機のBIMパーツの提供先と通信を行うための端末装置100、および、工程管理アプリケーション等を搭載した複数の端末装置300、400を通信可能に接続して構成される。ここで、図3に示すように、通信には、一例として、ネットワーク500を介した有線・無線通信等の遠隔通信等を含んでいる。さらには、昇降機メーカ側において、社内ネットワーク550を設けて、サーバ装置200と、端末装置100と、を通信可能に接続して構成される。また、これらBIMシステムの各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
ネットワーク500や社内ネットワーク550は、端末装置100、300、400、及びサーバ装置200と、図示しない外部機器または外部システム(例えば、BIMモデルデータベースサーバ等として機能する外部のデータベース装置など)とを相互に接続する機能を有し、例えば、インターネット、電話回線網(携帯端末回線網および一般電話回線網等)、イントラネット、または、電力線通信(PLC)等であってもよい。
図3に示すように、昇降機メーカ側は、サーバ装置200と、端末装置100と、を備えている。
サーバ装置200は、概略的に、制御部202と、通信制御インターフェース部204と、記憶部206と、を少なくとも備えている。端末装置100は、制御部102と、通信制御インターフェース部104と、記憶部106と、出力部(表示部114)と、入力部116と、を少なくとも備える。
そして、建設(業者)側は、端末装置300を備えている。端末装置300は、制御部302と、通信制御インターフェース部304と、記憶部306と、入出力制御インターフェース部308と、出力部(表示部314および音声出力部316)と、入力部318と、を少なくとも備える。
また、施工(業者)側は、端末装置400を備えている。端末装置400は、制御部402と、通信制御インターフェース部404と、記憶部406と、入出力制御インターフェース部408と、出力部(表示部414および音声出力部416)と、入力部418と、を少なくとも備える。
[サーバ装置200の構成]
図3において、サーバ装置200は、端末装置100から送信される作成条件に対応する昇降機のBIMパーツを作成し、端末装置100、300、400へ送信する等の機能を有する。サーバ装置200は、通信制御インターフェース部204を介して社内ネットワーク550や、ネットワーク500を経由し、端末装置100、300、400と相互に通信可能に接続されている。
制御部202は、各種処理を行う制御手段である。通信制御インターフェース部204は、通信回線や電話回線等に接続されるアンテナやルータ等の通信装置(図示せず)に接続されるインターフェースであり、社内ネットワーク550やネットワーク500との間における通信制御を行う機能を有する。すなわち、通信制御インターフェース部204は、端末装置100、300、400等と通信回線を介してデータを通信する機能を有している。
記憶部206は、HDD(Hard Disk Drive)等の固定ディスク装置またはSSD(Solid State Drive)等のストレージ手段であり、各種のデータベースやテーブル(パーツ情報データベース206a、管理データベース206b、設計データベース206c、施工データベース206d、決定データベース206e、工事データベース206f、保守データベース206g等)を格納する。
これら記憶部206の各構成要素のうち、パーツ情報データベース206aは、建築物のBIMモデルに組込可能な昇降機のBIMパーツを作成するためのパーツに関するパーツ情報であって、建築物の建設工程を構成する各フェーズに対応したパーツ情報を記憶するパーツ情報記憶手段である。
また、パーツ情報データベース206aは、汎用の昇降機のBIMパーツを記憶している。そして、サーバ装置200は、Webサイトを介してアクセスしてきた端末装置に対して、汎用の昇降機のBIMパーツをダウンロード可能に提供する。この汎用の昇降機のBIMパーツは、例えば、設計協力フェーズに対応するBIMパーツ等が考えられるが、他のフェーズのBIMパーツでも良い。
本実施形態において、昇降機は、エレベータおよび乗客コンベアを含む概念であり、乗客コンベアは、エスカレータおよび動く歩道を含んでいる。
ところで、現在、建設業者が建造物の統合BIMモデルに組み込むBIMパーツや、昇降機メーカが管理するBIMモデル等、複数のモデルが存在する。これは、互いの業者が管理したい情報が異なるためである。これらの情報をまとめるのは、データが重くなったり、他の業者に閲覧させたくない情報含まれていたりするため難しい。
そこで、本実施形態では、フェーズ毎に昇降機のBIMパーツを生成し、同一の昇降機についてフェーズにかかわらず、一つの識別情報(サポートキー)で管理する例について説明する。本実施形態では、建設工程に共通する、昇降機を識別する識別情報を、サポートキーと定義する。また、建築物を管理する識別情報をプロジェクトIDとする。
このように、パーツ情報データベース206aは、建築物の建設工程を構成するフェーズ毎に、当該フェーズに対応した、利用者が昇降機のBIMパーツの設計、建築、保守等を行う上で必要となる情報を含んでいる。
図4は、本実施形態のパーツ情報データベース206a内のフェーズ毎のパーツ情報を示した図である。図4に示されるように、パーツ情報データベース206aは、設計用パーツ情報、施工用パーツ情報や、工事用パーツ情報や、保守用パーツ情報が含まれている。
本実施形態においては、建築工程のフェーズ毎に、昇降機のパーツ情報として求められる情報の粒度が異なる。例えば、設計段階では、昇降機の仕様等が必要であって、昇降機を構成するパーツ(すなわち、各ユニットや構成部品)に関する情報は不要である。一方、施工段階では、昇降機を構成するパーツ(すなわち、各ユニットや構成部品)のサイズ情報が必要となる。そこで、本実施形態のパーツ情報データベース206aは、フェーズ毎に、昇降機のBIMパーツのパーツ情報を記憶している。
例えば、建築工程の設計用パーツ情報としては、例えば、用途、定員、積載量、動作速度、色、機種等といった昇降機の仕様、昇降機を建築物に設置する際に必要とされるスペース、寸法、各種付属設備に関する情報、昇降機を構成する必要部材の部材強度、価格、寸法、質量、色、素材、固有振動数といった情報の他、納期、在庫状況、据付時間、仕上げ材、耐用年数、メーカ情報、品番型番などが挙げられるが、上記に限定されない。
他の例としては、施工用パーツ情報としては、昇降機を構成するユニットに関する情報が含まれている。BIMパーツを構成する各ユニットとしては、例えば、本実施形態のように昇降機がエレベータである場合には、昇降路、乗りかご、カウンタウェイト、メインロープ、巻上機、ガイドレール、乗り場ホール関連品、機械室、制御盤、電源設備、各種配線配管等が挙げられる。また、BIMパーツを構成する各ユニットとしては、例えば、昇降機がエスカレータである場合には、トラス、踏段、踏段チェーン、移動手摺、乗降板、欄干、駆動装置、機械室、制御盤、電源設備、各種配線配管等が挙げられる。また、パーツ情報は、例えば、制御部102によりBIMパーツを変更する際に用いられる設定パラメータを含む。ここで、設定パラメータは、BIMパーツを構成する各ユニットのサイズ、色、材質、上記各種配線配管等を規定するパラメータを含む。なお、BIMパーツは、典型的なBIMモデルと同様に、このBIMパーツ自体に対象の昇降機に関連するパーツ情報等の属性情報を含んでいる。
管理データベース206bは、建築物を構築するためのプロジェクトにおいて、当該建築物に含まれる昇降機の情報のうち、当該建築物の建築工程に共通している情報を管理する共通情報管理記憶手段とする。管理データベース206bは、少なくとも昇降機を識別するサポートキー(識別情報)と、当該昇降機にアクセスできるユーザの識別情報と、を対応付けて記憶する。ユーザの識別情報は、例えば、当該昇降機を含む建築物を設計している建設業者を識別するユーザアカウントと、当該昇降機を含む建築物を施工する施工業者を識別するユーザアカウントと、が考えられる。
設計データベース206c、施工データベース206d、工事データベース206f、及び保守データベース206gは、建設工程を構成する工程(フェーズ)に応じた、昇降機のBIMパーツと、建設工程に共通している、昇降機を識別するサポートキー(識別情報)と、を対応付けて記憶する複数の工程管理記憶手段とする。
設計データベース206cは、建築工程に含まれている、建築計画フェーズにおける、昇降機のBIMパーツに関する情報を、サポートキーと対応付けて記憶する。本実施形態の設計データベース206cは、さらに、建築計画フェーズで、昇降機のBIMパーツに関する変更等が生じた場合に、当該変更を含む履歴情報を記憶する。例えば、設計データベース206cには、BIMパーツに関する情報として、パーツ情報データベース206aの設計用パーツ情報に基づいて作成された、昇降機のBIMパーツが、サポートキーと対応付けて、記憶されている。
施工データベース206dは、建築工程に含まれている、施工協力フェーズにおける、昇降機のBIMパーツに関する情報を、サポートキーと対応付けて記憶する。本実施形態の施工データベース206dは、さらに、施工協力フェーズで、昇降機のBIMパーツに関する変更等が生じた場合に、当該変更を含む履歴情報を記憶する。例えば、施工データベース206dには、BIMパーツに関する情報として、パーツ情報データベース206aの施工用パーツ情報に基づいて作成された、昇降機のBIMパーツが、サポートキーと対応付けて、記憶されている。
工事データベース206fは、建築工程に含まれている、工事フェーズにおける、昇降機のBIMパーツに関する情報を、サポートキーと対応付けて記憶する。本実施形態の工事データベース206fは、さらに、工事フェーズで、昇降機のBIMパーツに関する変更等が生じた場合に、当該変更を含む履歴情報を記憶する。例えば、工事データベース206fには、BIMパーツに関する情報として、パーツ情報データベース206aの工事用パーツ情報に基づいて作成された、昇降機のBIMパーツが、サポートキーと対応付けて記憶されている。
保守データベース206gは、建築工程に含まれている、保守フェーズにおける、昇降機のBIMパーツに関する情報を、サポートキーと対応付けて記憶する。本実施形態の保守データベース206gは、さらに、保守フェーズで、昇降機のBIMパーツに関する変更等が生じた場合に、当該変更を含む履歴情報を記憶する。例えば、保守データベース206gには、BIMパーツに関する情報として、パーツ情報データベース206aの保守用パーツ情報に基づいて作成された、昇降機のBIMパーツが、サポートキーと対応付けて記憶されている。
このように、本実施形態の複数の工程管理記憶手段を構成する各データベースでは、昇降機のBIMパーツが、サポートキーと対応付けて記憶されている。図5は、昇降機のBIMパーツと、サポートキーと、の対応関係を例示した図である。図5に示されるように昇降機のBIMパーツ601は、各種属性情報として、サポートキー602を対応付けて記憶している。
サポートキーは、建築物を建築するプロジェクトにおいて、当該建築物に含まれる昇降機に対してユニークに割り当てられた識別情報とする。本実施形態のサポートキーは、建築工程でフェーズ毎に異なるBIMパーツが作成されたとしても、フェーズにかかわらず、当該昇降機を識別するものとして割り当てられている。
決定データベース206eは、施工協力が終了し、承認が得られたときの、昇降機のBIMパーツを、製造決定したパーツ情報として記憶する。
また、制御部202は、OS(Operating System)等の制御プログラムや、各種の処理手順等を規定したプログラム、および、所要データを格納するための内部メモリを有する。そして、制御部202は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部202は、機能概念的に、キー生成部202a、登録部202b、昇降機モデリング部202c、及び情報送受信部202dを備える。
キー生成部202aは、端末装置300、400からサポートキーの生成の要求を受信した場合に、建設工程に共通している、昇降機を識別するサポートキー(識別情報)を生成する識別情報生成手段である。本実施形態においては、建設業者がBIMに組み込んだ昇降機の見積もり等の依頼を受け付けた際に、当該昇降機を識別する情報として、サポートキーを生成する。
登録部202bは、端末装置300、400から受信した、建設工程を構成するフェーズ(工程)にかかわらず共通するサポートキー(識別情報)と、当該フェーズの昇降機のBIMパーツと、を対応付けて、端末装置300、400が行っているフェーズに対応する工程管理記憶手段(例えば、設計データベース206c、施工データベース206d、工事データベース206f、又は保守データベース206g)に登録する登録手段とする。
本実施形態の登録部202bは、利用者から、当該フェーズにおいて昇降機のBIMパーツの更新等が行われる毎に、当該昇降機のBIMパーツを、サポートキーと対応付けて記憶する。なお、サポートキーと対応付けて工程管理記憶手段(設計データベース206c、施工データベース206d、工事データベース206f、又は保守データベース206g)に記憶されるBIMパーツは、昇降機のBIMパーツのみに制限するものではなく、昇降機の周囲に存在する構築物のBIMパーツを含んでいても良い。
また、昇降機モデリング部202cは、利用者(例えば、製造業者や施工業者)により受信された作成条件に対応する昇降機のBIMパーツを、パーツ情報データベース206aに記憶されたパーツ情報を用いて作成する昇降機モデリング手段である。昇降機モデリング部202cは、例えば、図5に示すようなエレベータの3次元のBIMパーツを作成する。図5に示されるように、昇降機モデリング部202cは、利用者から作成条件と共にサポートキーを受信した場合に、昇降機のBIMパーツに、サポートキーを対応付けて生成する。また、作成条件には、建築工程のフェーズが含まれている。
そして、昇降機モデリング部202cは、作成条件に含まれている建築工程のフェーズに対応するパーツ情報を、パーツ情報データベース206aから抽出し、作成条件を満たす昇降機のBIMパーツを作成する。
また、昇降機モデリング部202cは、利用者が画面上で確認しながら選択可能なように、作成条件を満たす複数の昇降機のBIMパーツを作成してもよい。昇降機モデリング部202cは、例えば、受信された作成条件に基づいた後述のBIMモデルの構造情報等に基づいて、建築物の概要、規模、設置位置、電源設備容量等から当該建築物に設置可能な昇降機のBIMパーツを単数あるいは複数作成する。また、昇降機モデリング部202cは、受信された作成条件に基づいた納期、価格、あるいは、嗜好性に応じてBIMパーツを自動的に最適化して作成するようにしてもよい。例えば、昇降機モデリング部202cは、利用者によって昇降機の設置に際し納期優先の選択がなされている場合には、設置可能な昇降機のBIMパーツのうち納期が早いものから順に自動で複数作成するようにしてもよい。同様に、昇降機モデリング部202cは、利用者によって価格優先の選択がなされている場合には、設置可能な複数の昇降機のBIMパーツのうち価格が安いものから順に自動で複数作成するようにしてもよい。昇降機モデリング部202cは、利用者によって利用者の嗜好性が設定されている場合には、設置可能な複数の昇降機のBIMパーツのうち嗜好性にあったものから順に自動で複数作成するようにしてもよい。
情報送受信部202dは、昇降機のBIMパーツを端末装置100、300、400へ送信する情報送受信手段である。例えば、情報送受信部202dは、昇降機モデリング部202cにより作成された昇降機のBIMパーツを端末装置100、300、400へ送信する。ここで、情報送受信部202dは、複数のBIMパーツを含む計算結果を端末装置100、300、400へ送信してもよい。また、情報送受信部202dが、キー生成部202aにより生成されたサポートキーを、端末装置300、400に送信する。
[端末装置300、400の構成]
図3において、端末装置300は、建設業者が用いる端末装置であって、建設工程のうち、設計協力フェーズにおいて、当該フェーズに応じた、建設物のBIMモデルを生成するために用いられる。例えば、端末装置300は、端末装置100に対して、昇降機メーカに対して見積もりの要求を送信したり、設計の協力の要求を送信したりする。さらに、端末装置300は、サーバ装置200に対して、昇降機を含むBIMパーツの登録を要求する。さらに、端末装置300は、BIMパーツを作成するのに必要な作成条件を送信し、作成条件にしたがって作成されたBIMパーツを含むサーバ装置200の計算結果を、サーバ装置200から受信する等の機能を有する。
本実施形態の端末装置300は、制御部302と、通信制御インターフェース部304と、記憶部306と、入出力制御インターフェース部308と、を備えている。
端末装置300は、図6に示すように、サーバ装置200から受信した昇降機のBIMパーツを建築物のBIMモデルに組み込んだ状態の昇降機組込建築物に対応する統合BIMモデルを作成する等の機能を有する。ここで、図6は、昇降機のBIMパーツを建築物のBIMモデルに組み込んだ状態の昇降機組込建築物に対応する統合BIMモデルの一例を示す図である。図6では、昇降機組込建築物の完成時におけるエレベータの設置状態を示す統合BIMモデルの一部が示されている。
端末装置300は、例えば、一般に市販されるデスクトップ型またはノート型のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置、携帯電話、スマートフォン、PHS、およびPDA等の携帯端末装置等である。端末装置300は、インターネットブラウザ等を搭載していてもよく、BIMアプリケーション等を搭載していてもよい。端末装置300は、表示部314と音声出力部316とを少なくとも含む出力部を備えていてもよい。端末装置300は、データ入力等を行う入力部318を備えていてもよい。
図3において、表示部314は、アプリケーション等の表示画面を表示する表示手段(例えば、液晶または有機EL等から構成されるディスプレイ、モニタ、および、タッチパネル等)であってもよい。音声出力部316は、音声情報を音声として出力する音声出力手段(例えば、スピーカ等)であってもよい。入力部318は、例えば、キー入力部、タッチパネル、コントロールパッド(例えば、タッチパッド、および、ゲームパッド等)、マウス、キーボード、および、マイク等であってもよい。入出力制御インターフェース部308は、表示部314、音声出力部316、および、入力部318等の制御を行う。
通信制御インターフェース部304は、通信回線や電話回線等に接続されるアンテナやルータ等の通信装置(図示せず)に接続されるインターフェースであり、ネットワーク500との間における通信制御を行う機能を有する。すなわち、通信制御インターフェース部304は、サーバ装置200等と通信回線を介してデータを通信する機能を有している。
記憶部306は、HDDやSSD等の大容量のストレージ手段、および/または、SRAM(Static Random Access Memory)等を用いて構成される小容量高速メモリ(例えば、キャッシュメモリ)等のストレージ手段であり、各種のデータベースやファイルやテーブル(BIMデータベース306a等)を格納してもよい。ここで、記憶部306は、各種のファイル等を一時的に記憶するものであってもよい。
このうち、BIMデータベース306aは、建設工程のうち、各フェーズに対応する、建築物のBIMモデルを記憶するBIMモデル記憶手段である。本実施形態において、BIMデータベース306aには、予め設計者により設計された建築物のBIMモデルが格納されている。BIMモデルには、フェーズに応じて、例えば、建物形状、空間関係、地理情報、建物部材の数量や特性、部材強度、固有振動数、耐用年数等の構造情報が含まれるが、これらに限定されない。この他、構造情報は、建物用途、建物規模、階床数、階床名、階高、各階の使用用途、フロア人員、占有面積等から算出可能な昇降機の利用人数などの情報を含んでいてもよい。更に、構造情報は、対象の建築物を構成する各構造ユニットに関する寸法、位置等を示す情報を含んでいてもよい。ここで、BIMモデルを構成する各構造ユニットとしては、例えば、建築物に配置される部屋、壁、通路、非常階段、避難経路、ガス管、水道管、火災報知機、スプリンクラー、梁、安全対策品等が挙げられる。
制御部302は、OS(Operating System)等の制御プログラムや、各種の処理手順等を規定したプログラム、および、所要データを格納するための内部メモリを有する。そして、制御部302は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部302は、工程管理アプリケーション302aを読み込み、実行する。工程管理アプリケーション302aは、機能概念的に、キー要求部302b、切出制御部302c、パーツ送信部302d、パーツ取得部302e、デザイン要求部302f、及び承認部302gを備える。
このうち、キー要求部302bは、サポートキーが割り当てられていない、昇降機のBIMパーツに対する、サポートキーの生成の要求を受け付けた場合に、サーバ装置200に対して、サポートキーの生成を要求する要求手段である。
図7は、本実施形態の端末装置300に表示される、工程管理アプリケーションの検知者側の画面例を示した図である。図7に示される工程管理アプリケーション302aにおいては、BIMシステムに含まれている、昇降機のBIMパーツと対応付けて、当該画面例が表示される。図7に示されるように、当該画面例では、サポートキー欄700と、ID取得ボタン701と、建築モデル提供ボタン702と、昇降機モデル反映ボタン703と、デザイン検討ボタン704と、モデル承認ボタン705と、が配置されている。さらに、建設工程のうち、現在がどのフェーズであるかが表されている。
図7に示される画面例では、建築工程のフェーズが設計工程である場合を示している。当該画面例では、サポートキー欄700が空欄の状態である。このような状態の場合に、キー要求部302bが、ID取得ボタン701の押下を受け付けた際に、昇降機のBIMパーツのサポートキーの生成の要求を、サーバ装置200に送信する。
これにより、サーバ装置200によりサポートキーが生成される。そして、キー要求部302bは、サポートキー欄700に、サーバ装置200から受信したサポートキーを表示する。
図8は、本実施形態のBIMシステムにおける、サポートキーが表示されるまでの概念を例示した図である。図8に示されるように、建築(業者)側の端末装置300のキー要求部302bは、ID取得ボタン701の押下を受け付けた場合に、サポートキーの生成を要求する。そして、サーバ装置200のキー生成部202aが、サポートキーを生成し、管理データベース206bに生成したサポートキーを、当該建築(業者)を識別するユーザアカウントと対応付けて登録する。これにより、昇降メーカ側が、サポートキーを用いて、当該建築業者が設計する昇降機の管理を開始する。
そして、サーバ装置200が、当該サポートキーを、端末装置300に通知する。これにより、サポートキー欄にサポートキーが表示される。さらに、端末装置300のキー要求部302bは、昇降機のBIMパーツに対して、サポートキーを対応付ける。これにより、サポートキーで昇降機のBIMパーツを識別できる。
そして、生成されたサポートキーは、当該昇降機のBIMパーツを識別する情報として、設計データベース206c、施工データベース206d、工事データベース206f、及び保守データベース206gの順で利用される。
切出制御部302cは、サーバ装置200に対して、昇降機のBIMパーツを送信する際に、建築物のBIMモデルのうち、昇降機のBIMパーツの周囲を切り出す制御を行う切出制御手段である。当該切り出し制御を行うことで、サーバ装置200に送信するBIMパーツに、昇降機の周辺に存在する構築物のBIMパーツが含まれる。本実施形態では、図7に示す画面例において、建築モデル提供ボタン702の押下を受け付けた場合に、切出制御部302cは、統合BIMモデルから、昇降機メーカに提供するBIMパーツを切り出す制御を行う。
パーツ送信部302dは、建設工程に共通しているサポートキーと、サーバ装置200に登録する、昇降機のBIMパーツと、を対応付けて、サーバ装置200に送信する送信手段とする。また、パーツ送信部302dは、切出制御部302cにより昇降機の周囲のBIMパーツが切り出されていた場合に、サポートキーと共に、昇降機のBIMパーツを含んだ、切り出された周囲のBIMパーツを送信する。
図9は、本実施形態のBIMシステムにおける、本実施形態の設計データベース206cにBIMパーツが登録されるまでの概念を例示した図である。図9に示されるように、切出制御部302cは、統合BIMモデルのうち、サポートキー“12345”と対応付けられた昇降機のBIMパーツの周辺の図形を検出し、昇降機周辺の情報に絞った上で、サーバ装置200に提供するためのBIMパーツを切り出す。なお、切り出す範囲900は、昇降機メーカに開示しても問題ない範囲として利用者が手動で選択しても良いし、昇降機メーカが昇降機の設計協力を行うために必要な範囲を自動的に選択しても良い。
そして、パーツ送信部302dが、昇降機のBIMパーツを含んだ、切り出された範囲のBIMパーツを、サポートキーと対応付けて、サーバ装置200に送信する。
そして、サーバ装置200の登録部202bが、端末装置300から受信した、切り出された周囲のBIMパーツと、周囲のBIMパーツに含まれる昇降機のBIMパーツを識別するサポートキーと、を対応付けて、設計データベース206c(BIMパーツに対応するフェーズの工程管理記憶手段)に登録する。
そして、昇降機メーカ側の端末装置100は、建築側からの設計協力依頼に従って、設計データベース206cに登録されたBIMモデルを参照して、昇降機のBIMパーツについて設計等を行う。設計データベース206cには、昇降機の周囲の構築物のBIMパーツが含まれているため、周囲の状況を考慮した昇降機のBIMパーツの設計を行うことができる。
パーツ取得部302eは、サーバ装置200から、端末装置300が行っている建築工程のフェーズに対応する、昇降機のBIMパーツを取得する取得手段とする。例えば、パーツ取得部302eは、サーバ装置200が配布している昇降機のBIMパーツをダウンロード(取得)する。他の例としては、パーツ取得部302eは、パーツ送信部302dにより送信された後に、昇降機メーカ側で設計変更された、昇降機のBIMパーツを取得する。本実施形態では、図7に示す画面例において、昇降機モデル反映ボタン703の押下を受け付けた場合に、パーツ取得部302eが、サーバ装置200から、昇降機メーカに設計変更された後の、昇降機のBIMパーツを取得する。
デザイン要求部302fは、昇降機メーカの端末装置100に対して、昇降機のデザイン検討の要求を送信する。本実施形態では、図7に示す画面例において、デザイン検討ボタン704の押下を受け付けた場合に、デザイン要求部302fは、利用者から入力されたデザインに関する情報を、昇降機メーカの端末装置100に送信する。これにより、昇降機メーカの端末装置100は、設計データベース206cに登録された昇降機のBIMパーツに対して、デザインに関する情報に基づいた設計協力等を行う。
承認部302gは、建設工程に含まれる現在(所定)の工程を完了したことを示す承認ボタンの選択を受け付け、当該選択を受け付けた旨と、承認された昇降機のBIMパーツを識別するサポートキーと、をサーバ装置200に送信する受付手段とする。図7に示す画面例において、モデル承認ボタン705の選択を受け付けた場合に、承認部302gは、承認を受け付けたと判定し、承認を受け付けた旨と、サポートキーと、をサーバ装置200に送信する。
そして、サーバ装置200の情報送受信部202dは、承認を受け付けたことを示す情報を受信した場合に、承認部302gにより現在のフェーズにおける昇降機のBIMパーツが承認されたものとして、現在のフェーズに対応する工程管理記憶手段(例えば、設計データベース206c、施工データベース206d、工事データベース206f、又は保守データベース206g)が、当該フェーズに対応する、昇降機のBIMパーツの更新を抑止する。そして、次のフェーズに移行する。
図3において、端末装置400は、施工業者が用いる端末装置であって、建設工程のうち、施工協力フェーズにおいて、当該フェーズに応じた、建設物のBIMモデルを生成するために用いられる。例えば、端末装置400は、端末装置100に対して、施工協力の要求を送信する。さらに、端末装置400は、サーバ装置200に対して、施工協力フェーズにおける、昇降機を含むBIMパーツの登録を要求する。さらに、端末装置400は、施工協力フェーズに対応する、BIMパーツを作成するのに必要な作成条件を送信し、作成条件にしたがって作成されたBIMパーツを含むサーバ装置200の計算結果を、サーバ装置200から受信する等の機能を有する。
端末装置400は、制御部402と、通信制御インターフェース部404と、記憶部406と、入出力制御インターフェース部408と、を備えている。端末装置400が備える、制御部402、通信制御インターフェース部404、記憶部406、及び入出力制御インターフェース部408は、本実施形態の端末装置300が備える、制御部302、通信制御インターフェース部304、記憶部306、及び入出力制御インターフェース部308と同様の構成として説明を省略する。記憶部406は、施工業者が利用する、建造物の統合BIMモデルを保持するBIMデータベース406aを備えている。
制御部402は、工程管理アプリケーション402aを読み込み、実行する。工程管理アプリケーション402aは、機能概念的に、キー要求部402b、切出制御部402c、パーツ送信部402d、パーツ取得部402e、デザイン要求部402f、及び承認部402gを備える。なお、キー要求部402b、切出制御部402c、パーツ送信部402d、パーツ取得部402e、デザイン要求部402f、及び承認部402gは、キー要求部302b、切出制御部302c、パーツ送信部302d、パーツ取得部302e、デザイン要求部302f、及び承認部302gと比べて、建築工程のフェーズの違いに応じて、処理するBIMパーツが異なる点を除いて、ほぼ同様の処理を行うものとする。
図10は、本実施形態のBIMシステムにおいて、複数業者で用いられるBIMパーツの流れを例示した図である。図10に示されるように、建築側の建設業者、施工側の施工業者、及び保守側の建築物のオーナーは、建設工程の違いにかかわらず、共通するサポートキー”12345”を用いて、昇降機のBIMパーツを管理する。
図10に示されるように、昇降機のBIMパーツの粒度が変化するため、フェーズが遷移する毎に、昇降機のBIMパーツを格納するデータベースとして、設計データベース206c、施工データベース206d、工事データベース206f、及び保守データベース206gの順に遷移していく。建設工程のフェーズが移行する毎に、建築(業者)側、施工(業者)側、及び保守側と、昇降機のBIMパーツを利用する業者が変化していく。これに伴い、昇降機メーカのサーバ装置200等が通信する端末が、建築側の端末装置300、施工側の端末装置400、保守側の端末装置1000と変化していく。業者が変化していく場合でも、昇降機のBIMパーツを識別するサポートキー”12345”が用いられる。換言すると、フェーズが遷移する際に業者が変わる場合に、サポートキーを受け渡す必要がある。
業者間で(例えば建設業者から施工業者に対して)、サポートキーを受け渡す手法はどのような手法でもよく、例えば、建設作業が引き継がれた際に、サポートキーのみ受け渡しても良いし、サポートキーのみならず、BIMモデルを含めて受け渡しても良い。また、引き継ぐ際に、施工業者のユーザアカウントが、サポートキーと対応付けて、管理データベース206bに登録される。これにより、施工業者は、当該サポートキーと対応付けられた、昇降機のBIMパーツを利用することが可能となる。
[端末装置100の構成]
図3に戻り、端末装置100は、昇降機メーカが用いる端末装置であって、建設工程のフェーズにかかわらず、端末装置300、400等の要求に応じて、設計協力やデザイン協力を行うために用いられる。
端末装置100は、制御部102と、通信制御インターフェース部104と、記憶部106と、入出力制御インターフェース部108と、を備える。
制御部102は、各種処理を行う制御手段である。通信制御インターフェース部104は、通信回線や電話回線等に接続されるアンテナやルータ等の通信装置(図示せず)に接続されるインターフェースであり、社内ネットワーク550やネットワーク500との間における通信制御を行う機能を有する。すなわち、通信制御インターフェース部104は、サーバ装置200、端末装置300、400等と通信回線を介してデータを通信する機能を有している。
記憶部106は、HDD(Hard Disk Drive)等の固定ディスク装置またはSSD(Solid State Drive)等のストレージ手段であり、各種のデータを格納する。
制御部102は、OS(Operating System)等の制御プログラムや、各種の処理手順等を規定したプログラム、および、所要データを格納するための内部メモリを有する。そして、制御部102は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部102は、図示しないアプリケーションを読み込み、実行することで、機能概念的に、情報通信部102aと、表示編集部102bと、を備える。
情報通信部102aは、サーバ装置200との間で、BIMパーツを送受信する送受信手段である。本実施形態では、端末装置300、400からBIMパーツの設計協力やデザイン検討の要望を、サポートキー及びフェーズを受信した場合に、サーバ装置200から、サポートキー及びフェーズで特定される、昇降機のBIMパーツを受信する。なお、工程管理記憶手段となる各種データベースに、昇降機の周辺の構築物のBIMパーツが格納されている場合に、当該昇降機の周辺の構築物のBIMパーツも受信する。
表示編集部102bは、情報通信部102aが受信したBIMパーツを表示し、当該BIMパーツに基づいて、昇降機のBIMパーツの編集を行う編集手段とする。表示編集部102bは、工程管理画面を表示することもできる。
図11は、表示編集部102bが表示する工程管理画面を例示した図である。図11に示されるように、昇降機のBIMパーツを識別するサポートキー欄1100と、昇降機モデル登録ボタン1101と、が設けられている。表示編集部102bは、利用者による昇降機BIMパーツの編集が終了した場合に、昇降機モデル登録ボタン1101の選択を受け付ける。当該選択をトリガーとして、編集が完了した昇降機のBIMパーツを、サポートキーと共に、現在のフェーズに対応するデータベースへの登録要求と共に、サーバ装置200に送信する。これにより、サーバ装置200に、設計協力やデザイン検討に従って更新された、昇降機のBIMパーツが格納される。さらに、情報通信部102aは、編集した昇降機のBIMパーツを利用していた端末装置300、400に対して、編集が完了した旨を通知する。
本実施形態においては、BIMシステムを構成する各装置が上述した構成を備え、上述した処理を建設工程の最後のフェーズまで行うことで、建設物の建設から保守まで、昇降機のBIMパーツを一括管理することができる。
以上で、本実施形態におけるBIMシステムの構成の一例の説明を終える。
[本実施形態におけるBIMシステムの処理]
次に、このように構成された実施形態におけるBIMシステムの処理の一例について、以下に図12乃至図14を参照して詳細に説明する。
まず、図12を参照して、実施形態においてBIMシステムにより実行されるサポートキーとBIMパーツの対応付け処理について説明する。図12は、実施形態におけるBIMシステムのサポートキーに関連する処理の一例を示すフローチャートである。
図12に示すように、端末装置300の制御部302は、ブラウザ等を用いてサーバ装置200にアクセスし、表示部314に昇降機の情報提供ページを表示する(SA−1)。当該昇降機の情報提供ページには、任意の利用者が利用できるように、汎用的な昇降機のBIMパーツが公開、提供されている。
次に、端末装置300の制御部302のパーツ取得部302eは、サーバ装置200から、昇降機のBIMパーツをダウンロード(取得)する(SA−2)。
そして、端末装置300の制御部302は、BIMデータベース306aに記憶されている、建設物の統合BIMモデルに、取得したBIMパーツを組み込んで、当該統合BIMモデルを編集する(SA−3)。
端末装置300の工程管理アプリケーション302aは、建築物の統合BIMモデルに組み込まれた、昇降機のBIMパーツに対応する工程管理アプリケーションの画面を、表示部314に表示する(SA−4)。なお、工程管理アプリケーションではなく、昇降機のBIMパーツに埋め込まれたURLから、昇降機メーカにサポートキーの発行を依頼するためのBIMモデル提供サイト等に接続してもよい。
図7に示されるように、ダウンロードした後の昇降機のBIMパーツにおける、当該工程管理アプリケーションの画面例では、サポートキー欄700は空欄となっている。これは、当該昇降機のBIMパーツが、昇降機メーカ側で管理対象となっていないことを意味する。そこで、利用者が昇降機メーカに、当該BIMパーツで示される昇降機の見積もり、計画の妥当性のチェック、又は設計協力をお願いしたい場合に、当該昇降機のBIMパーツを識別するためのサポートキーの発行を昇降機メーカに要求する必要がある。
端末装置300の制御部302のキー要求部302bは、工程管理アプリケーションの画面において、ID取得ボタン701の選択を受け付けた場合に、サポートキーの取得要求を、昇降機メーカ側のサーバ装置200に送信する(SA−5)。
そして、サーバ装置200の情報送受信部202dが、サポートキーの取得要求を受信する(SA−6)。そして、サーバ装置200のキー生成部202aが、サポートキーを生成する(SA−7)。登録部202bは、生成したサポートキーを、管理データベース206aに登録する(SA−8)。これによりサーバ装置200における、サポートキーによるBIMパーツ等の管理が開始される。
その後、情報送受信部202dは、サポーキーを、サポートキーを要求した端末装置300に対して送信する(SA−9)。
そして、端末装置300のキー要求部302bは、サーバ装置200から送信されてきたサポートキーを受信し(SA−10)、受信したサポートキーを、工程管理アプリケーションの検知者側の画面に表示する(SA−11)。
さらに、キー要求部302bは、受信したサポートキーと、昇降機のBIMパーツと、を対応付ける(SA−12)。その後、本処理を終了する。
本実施形態では、上述した処理を行うことで、昇降機のBIMパーツに対して、サポートキーが割り当てられる。
続いて、図13を参照して、実施形態においてBIMシステムにより実行される建設工程の各フェーズで行われる基本的な処理について説明する。図13は、実施形態におけるBIMシステムにより実行される建設工程の各フェーズで行われる基本的な処理の一例を示すフローチャートである。図13に示される例では、端末装置300の表示部314に、昇降機のBIMパーツの、工程管理アプリケーションの画面が表示されている。
昇降機メーカが設計協力を行う場合には、昇降機のBIMパーツのみならず、当該昇降機の周辺の構築物のBIMパーツも必要になる。そこで、建築モデルの提供を、昇降機メーカから、建設業者にリクエストしたものとする。このような場合に、建設業者は、昇降機の周辺の構築物を含んだ範囲を検討依頼情報として切り出す必要がある。
このような場合に、工程管理アプリケーション302aは、建築モデル提供ボタンの選択を受け付ける(SB−1)。その後、切出制御部302cが、昇降機のBIMパーツを中心に、サーバ装置200に提供する範囲の選択を受け付ける(SB−2)。これにより昇降機の他に昇降機の周辺の構築物のBIMパーツが選択されたことになる。周辺の構築物のBIMパーツの取得手法は、どのような手法でも良いが、例えば、プロジェクトIDをキーとして、構築物のBIMモデルから、昇降機のロケーションを自動的に検出して、選択された範囲に含まれている周辺のBIMパーツの情報を自動取得する等が考えられる。
そして、パーツ送信部302dが、切り出された範囲のBIMパーツを、サポートキーと共にサーバ装置200に送信する(SB−3)。
サーバ装置200の情報送受信部202dが、切り出された範囲のBIMパーツを受信する(SB−4)。そして、登録部202bが、受信したBIMパーツを、サポートキーと共に、当該BIMパーツのフェーズに対応する工程管理記憶手段(例えば、設計データベース206c、施工データベース206d、工事データベース206f、又は保守データベース206g)に登録する(SB−5)。サーバ装置200の工程管理記憶手段は、登録されたBIMパーツの更新履歴を管理する。
そして、サーバ装置200の情報送受信部202dは、登録済みの、切り出された範囲のBIMパーツを、サポートキーと共に端末装置100に送信する(SB−6)。
昇降機メーカ側の端末装置100の情報通信部102aは、当該範囲のBIMパーツを、サポートキーと共に受信する(SB−7)。表示編集部102bは、受信したBIMパーツを用いて昇降機の周囲の状況を確認した上で、設計協力に従って、昇降機のBIMパーツを編集する(SB−8)。なお、昇降機メーカ側への設計協力は、メール等による通知や、工程管理記憶手段でのフラグ管理などのどのような手法を用いても良い。
そして、表示編集部102bは、例えば、建築に必要な工事や鉄骨部材を加える等の行うことで、設計を完了させ、プロジェクトフォルダにモデルを登録する。
その後、情報通信部102aは、プロジェクトフォルダに登録された昇降機のBIMパーツを、サポートキーと共に、サーバ装置200に送信する(SB−9)。当該送信の際に、昇降機の周辺を含めたBIM発であっても良い。
そして、サーバ装置200の情報送受信部202dは、端末装置100から、昇降機のBIMパーツを、サポートキーと共に受信する(SB−10)。そして、登録部202bが、受信した昇降機のBIMパーツを、サポートキーと共に、当該BIMパーツのフェーズに対応する工程管理記憶手段(例えば、設計データベース206c、施工データベース206d、工事データベース206f、又は保守データベース206g)に登録する(SB−11)。これにより、サーバ装置200の工程管理記憶手段が、再びBIMパーツの更新履歴を更新する。
また、昇降機メーカ側の端末装置100の情報通信部102aは、プロジェクトフォルダにBIMパーツが登録されたことをトリガーとして、BIMパーツの更新が完了したことを、建設業者の端末装置300に送信する(SB−12)。
そして、建設業者の端末装置300の工程管理アプリケーション302aは、BIMパーツの更新が完了した旨の通知を受信し、当該更新が完了した旨を表示する(SB−13)。これにより、端末装置300の利用者は、昇降機メーカの設計協力により、昇降機のBIMパーツが更新されたことを認識できる。
建設業者は、昇降機メーカが編集したBIMパーツを用いて、建築物の統合BIMモデルを更新する必要がある。
そこで、建設業者の端末装置300の工程管理アプリケーション302aは、工程管理アプリケーションの画面から、昇降機モデル反映ボタンの選択を受け付ける(SB−14)。これにより、パーツ取得部302eが、サポートキーと現在のフェーズと共に、昇降機のBIMパーツの送信要求を、サーバ装置200に行う(SB−15)。
サーバ装置200の情報送受信部202dは、サポートキーと現在のフェーズと共に、昇降機のBIMパーツの送信要求を受信する(SB−16)。そして、情報送受信部202dは、サポートキーと現在のフェーズで識別される、昇降機のBIMパーツを、工程管理記憶手段(例えば、設計データベース206c、施工データベース206d、工事データベース206f、又は保守データベース206g)から読み出して、当該昇降機のBIMパーツを端末装置300に送信する(SB−17)。
そして、建設企業の端末装置300のパーツ取得部302eは、昇降機のBIMパーツを受信する(SB−18)。そして、制御部402は、受信した昇降機のBIMパーツを統合BIMモデルに組み込んで、統合BIMモデルを表示する(SB−19)。これにより、統合BIMモデルには、昇降機メーカが設計した昇降機のBIMパーツに更新される。この場合に、さらなる修正が必要な部分が存在する場合に、当該部分の強調表示灯を行っても良い。その際に、対処コメント等を表示しても良い。
そして、承認部302gが、工程管理アプリケーションの画面から、モデル承認ボタンの選択を受け付ける(SB−20)。そして、承認部302gが、当該フェーズが完了したことを、サポートキーと現在のフェーズと共に、サーバ装置200に通知する(SB−21)。当該モデル承認ボタンの選択により、昇降機の受注が確定したことになる。
サーバ装置200の情報送受信部202dは、端末装置300から、当該フェーズが完了したことを、サポートキーと現在のフェーズと共に受信する(SB−22)。
そして、当該フェーズに対応する工程管理記憶手段(例えば、設計データベース206c、施工データベース206d、工事データベース206f、又は保守データベース206g)は、サポートキーで識別される、BIMパーツの更新の抑止制御を行う(SB−23)。これと共に、昇降機メーカは、自社で管理している設計協力フェーズの昇降機のBIMモデルを、自動的に施工協力フェーズの昇降機のBIMモデルに更新する。
上述した処理手順により、当該フェーズにおけるBIMパーツの仕様が決定される。これにより、建設工程の次のフェーズに移行することができる。次のフェーズに移動する際には、建設業者から施工業者など業者が変更されても良い。ただし、業者が変更された場合であっても、昇降機のBIMパーツを識別するサポートキーは、引き継ぐようにする。
引き継ぎ手法についてはどのような手法を用いても良く、用いたサポートキー一覧を示したデータを受け渡しても良いし、統合BIMモデルを受け渡しても良い。
また、サーバ装置200は、施工業者が昇降機のBIMパーツを利用する際に、サポートキーの利用権限を施工業者に与える。
まず、図14を参照して、実施形態においてBIMシステムにおいて、BIMパーツを生成して、サポートキーとBIMパーツの対応付ける処理について説明する。図14は、実施形態におけるBIMシステムにおける、BIMパーツの生成処理、及びBIMパーツとサポートキーとを対応付ける処理の一例を示すフローチャートである。
図14に示すように、施工業者の端末装置400の制御部402は、サポートキーと、BIMパーツを生成するための作成条件の入力を受け付ける(SC−1)。作成条件には、少なくとも、建設工程のうち、現在のフェーズを示す情報が含まれている。サポートキーは、前のフェーズで作業を行った建設業者から受け渡されたサポートキーとする。
そして、端末装置400の制御部402は、サポートキーと、作成条件を、サーバ装置200に送信する(SC−2)。
そして、サーバ装置200の情報送受信部202dは、端末装置400から、サポートキーと、作成条件を受信する(SC−3)。
そして、サーバ装置200の昇降機モデリング部202cは、作成条件に対応する昇降機のBIMパーツを、パーツ情報データベース206aに記憶されたパーツ情報を用いて作成する(ステップSC−4)。例えば、昇降機メーカが、設計協力フェーズの昇降機のBIMモデルから、自動的に更新した、施工協力フェーズの昇降機のBIMモデルを、作成条件に合うように修正等を行って、当該昇降機のBIMパーツを生成してもよい。
そして、サーバ装置200の登録部202bは、作成された昇降機のBIMパーツと、サポートキーと共に、現在のフェーズに対応する工程管理記憶手段(例えば、設計データベース206c、施工データベース206d、工事データベース206f、又は保守データベース206g)に登録する(SC−5)。
そして、サーバ装置200の情報送受信部202dは、端末装置400に対して、サポートキーと、昇降機のBIMパーツとを送信する(SC−6)。
そして、端末装置400の制御部402は、サポートキーと、昇降機のBIMパーツとを受信する(SC−7)。
端末装置400の制御部402は、統合BIMモデルを作成する(SC−8)。そして、端末装置400の制御部402は、昇降機のBIMパーツをサポートキーと対応付けた上で、統合BIMモデルに組み込んで表示する(SC−9)。
また、施工業者の端末装置400は、昇降機のBIMパーツから、図7と同様の画面例を表示できる。この場合に、デザイン検討ボタンの選択を受け付けることで、昇降機メーカの端末装置100に対して、BIMパーツのデザイン協力を実現できる。また、デザインで確定した仕様は、サーバ装置200の施工データベース206dに更新される。
また、施工業者も、建設業者と同様に、昇降機の製作上の仕様について承認を受け取る必要がある。本実施形態では、図13のSB−20以降と同様の処理手順で承認の受け取り処理が行われる。
また、施工業者も、建設業者と同様に、昇降機の製作上の仕様について承認を受け取る必要がある。本実施形態では、図13のSB−20以降と同様の処理手順で承認の受け取り処理が行われる。そして、モデル承認ボタンの選択を受け付けた場合に、昇降機メーカは、製造のフェーズに移行する。
つまり、従来はシステムシミュレーションでイメージを検討し、別途図面で承認を得ていたが、それらの図書を作成する作業を削減させ、仕様決定を迅速に進めることが可能となる。
施工協力フェーズが完了した段階で、施工データベース206dの更新が抑止される。そして、施工の承認が得られた昇降機のBIMパーツの決定情報を、決定データベース206eに格納する。その後の製造フェーズでは、決定データベース206eの当該決定情報に基づいて、昇降機の製造が行われる。
そして、製造フェーズが終了した後に、据え付けを行う工事フェーズに移行する。そして、据え付け工事が完了すると、BIMシステムは、保守フェーズに移行する。
保守フェーズでは、ビル管理会社が、端末装置1000を用いて、BIMモデルを管理する。その際に、サーバ装置200は、サポートキーの利用権限を、ビル管理会社に与える。BIMシステムでは、保守管理メニューを遷移する。サーバ装置200は、保守に必要な昇降機のBIMパーツを生成する。また、サーバ装置200は、昇降機保守契約サービスシステムからのメンテナンス契約情報を取得し、ビルメンテナンスに必要な保守契約情報や、機器更新のスケジュールデータなどを、昇降機のBIMパーツに属性情報として設定する。そして、サーバ装置200は、ビル管理会社の端末装置1000に、当該BIMパーツを送信する。また、昇降機の(図示しない)点検記録データベースと、BIMシステムと、は連動させることができる。このため、建築FMモデルに組み込んだ保守情報と連動することで、点検データの属性をビル管理会社が保有するBIMモデルに更新することができる。
また、本実施形態では、リニューアル段階に移行した場合に、BIMシステムの建設工程を、保守フェーズから、改修フェーズに移行できる。改修工事では、昇降機メーカの管理するBIMパーツを、改修後の昇降機のBIMパーツに差し替え、更新結果を三次元モデルで確認できる。サーバ装置200は、リニューアル提案パターンを複数保存する機能を有し、比較検証を行うことができる。
本実施形態では、フェーズ毎に、利用者に適した昇降機のBIMパーツを提供できる。さらに、本実施形態では、建設工程に共通するサポートキーを用いることで、フェーズにかかわらず、昇降機のBIMパーツを特定することができる。これにより、作業負担を軽減できる。
本実施形態では、建築、又は施工側の昇降機のBIMパーツ、及び昇降機メーカ側の昇降機のBIMパーツは、サーバ装置200を介して、同期することができる。これにより、データの整合性を維持することができる。
さらに、本実施形態では、建設工程の各フェーズを、モデル承認ボタンの選択を受け付けることで、昇降機のBIMパーツの変更を抑止し、仕様合意を実現できる。これにより、従来設計図等を行っていた仕様合意のプロセスを簡略化した上で、現在保持している昇降機のBIMパーツと、最終的に仕様合意がとれた仕様と、の間に差異が生じることを抑止できる。
以上で、実施形態におけるBIMシステムの処理の一例の説明を終える。
[他の実施形態]
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上述の実施形態では、昇降機としてエスカレータやエレベータを例にして説明したが、動く歩道等の乗客コンベアについても同様に本発明を適用できる。
また、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
この他、上記文献中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、端末装置100、300、400及びサーバ装置200に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
例えば、端末装置100、300、400及びサーバ装置200の各装置が備える処理機能、特に制御部102、302、402及び制御部202にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、後述する記録媒体に記録されており、必要に応じて端末装置100、300、400およびサーバ装置200に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDDなどの記憶部106、306、406および記憶部206などには、OS(Operating System)と協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
また、このコンピュータプログラムは、端末装置100、300、400およびサーバ装置200に対して任意のネットワーク500を介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
また、本発明に係るプログラムを、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USBメモリ、SDカード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM、MO、DVD、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
また、「プログラム」とは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OS(Operating System)に代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成、読み取り手順、あるいは、読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
記憶部106、306、406および記憶部206に格納される各種のデータベース等(例えば、パーツ情報データベース206a、管理データベース206b、設計データベース206c、施工データベース206d、決定データベース206e、工事データベース206f、保守データベース206g、BIMデータベース306a、406a等)は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
また、端末装置100、300、400およびサーバ装置200は、既知のパーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、該情報処理装置に任意の周辺装置を接続して構成してもよい。また、端末装置100、300、400およびサーバ装置200は、該情報処理装置に本発明の方法を実現させるソフトウェア(プログラム、データ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
また、本実施形態は、建設業者及び施工業者が用いる情報処理装置として、端末装置用いる例について説明したが、例えば、サーバ装置等の他の情報処理装置を用いても良い。また、昇降機メーカも情報処理装置として、サーバ装置200や端末装置100を用いる例に制限するものではなく、他の情報処理装置を用いても良い。また、サーバ装置200と端末装置100との構成を組み合わせた情報処理装置を用いても良い。
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じて、または、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
以上で説明した実施形態に係るBIMシステムおよび方法によれば、建築工程の各工程に共通する識別情報を用いて、昇降機のパーツ情報を管理することで、建築工程で情報を交換する業者が変更された場合や、建設工程のうち現在がどの工程であるか否かにかかわらず、共通する識別情報で昇降機を特定できるため、昇降機の管理を容易にすることができる。