(実施の形態の構成)
本発明の遊技機に係る実施の形態について、以下図面を参照しながら説明する。図1は、本実施の形態における個別計数装置を装着した玉貸し装置(サンド)及びパチンコ遊技機を示す正面図であり、図2は、パチンコ遊技機10及び個別計数装置50を示す側面図である。
図1に示すように、パチンコ遊技機10には、それぞれ、サンド20が併設されており、各サンド20には、個別計数装置50が装着されている。各サンド20は、隣接するパチンコ遊技機10に対応して設置されており、対応する当該パチンコ遊技機10との間で通信可能に接続されている。また各サンド20は、ホール全体のサンド20のシステム管理や売り上げ管理を行うコントローラ(図示せず)に対して通信可能に接続されている。
各サンド20には、例えばホールのカード発行機(図示せず)によって発行された情報カードを受け付け可能なカード挿入口36A、紙幣を投入可能な紙幣投入口35A及びテンキー操作ユニット37等が設けられている。
遊技者は、情報カード又は所定金額の紙幣を、カード挿入口36A又は紙幣投入口35Aに投入することで、遊技に必要な遊技媒体としてのパチンコ玉の貸し出しを受けることができる。
この場合、サンド20は、併設されたパチンコ遊技機10に対して、投入金額に応じた数のパチンコ玉又は情報カードを介して指定された数のパチンコ玉を払い出す旨の指示を与えることにより、パチンコ遊技機10においては、投入金額に応じた数のパチンコ玉がその上皿12に払い出されるようになっている。これにより、遊技者は、払い出されたパチンコ玉を用いて遊技を行うことができる。
各サンド20には、個別計数装置50を着脱可能とする着脱部28が設けられており、個別計数装置50側の着脱機構部90(後述)を介して個別計数装置50を装着することができるようになっている。サンド20の着脱部28に個別計数装置50の着脱機構部90が装着されると、個別計数装置50とサンド20とは、コネクタ(後述する個別計数装置50側のコネクタ部92及びサンド20側のコネクタ29)を介して互いに通信可能に接続されることになる。
図1及び図2に示すように、各個別計数装置50は、サンド20に対応するパチンコ遊技機10の下皿13の下方に設けられている。すなわち、パチンコ遊技機10には、遊技者の側(前方)に迫り出した迫出部15が設けられており、遊技者がタバコ等の所持品を置くことができるようになされている。この迫出部15に個別計数装置50が載置されている。
個別計数装置50は、全体が略直方体形状で構成されており、その上面部には、下皿13の底面部に設けられた開閉シャッタが設けられた開口部14を介して排出されたパチンコ玉(遊技者の持ち玉)を導入する導入開口部55が設けられている。
個別計数装置50は、この導入開口部55を介して導入された持ち玉の数を計数する。サンド20は、個別計数装置50から計数結果を受信すると、遊技者の持ち玉の数として、このとき挿入されている情報カードに当該持ち玉数を記憶する。このように、パチンコ遊技機10の下皿13から排出された遊技者の持ち玉の数は、情報カードに情報として記憶される。計数が終了した持ち玉は、個別計数装置50の排出部52から着脱機構部90及び着脱部28を介してサンド20に排出され、その後、サンド20から回収用のいわゆるどぶへ排出される。かくして、遊技者の持ち玉は、従来用いられていた玉箱に貯留されることなく、情報として情報カードに記憶される。
個別計数装置50には、計数された持ち玉を、再度遊技に用いるための持玉払出ボタン308(後述)が設けられており、遊技者がこの操作ボタンを操作すると、当該操作結果は、個別計数装置50からサンド20に送信される。この操作結果を受信したサンド20では、当該サンド20に挿入されている情報カードに記憶された数の持ち玉を払い出す旨の指示をパチンコ遊技機10に送信する。なお、サンド20では、所定の金額単位(例えば500円単位等)でパチンコ玉を貸し出すようになされているため、当該金額に応じた貸し出し数単位でパチンコ遊技機10へ払い出しの指示を行う。このため、情報カードに記憶されている持玉数に、サンド20からパチンコ遊技機10へ払い出しの指示を行う単位数で割り切れない端数がある場合、この端数分は、個別計数装置50の載置部170(後述)に余り玉として払い出すようになされている。これにより情報カードに記憶された遊技者の持ち玉数のデータに応じて、パチンコ遊技機10(上皿12)と、個別計数装置50の載置部170とに振り分けられて払い出されるようになされている。
以下、個別計数装置50の詳細構成について説明する。
図3は、個別計数装置50の外観を示す斜視図である。図3に示すように、個別計数装置50は、略直方体形状に形成された本体部51と、持ち玉をサンド20(図1)の導入口(図示せず)へ排出するため排出部52と、導入開口部55から排出部52へパチンコ玉(持ち玉)を移動させる転動部100とを有している。本体部51の上面部には、上述した導入開口部55が設けられており、また、排出部52には、導入開口部55を介して導入されたパチンコ玉(持ち玉)をサンド20に排出するための排出口54が設けられている。この排出口54の近傍には、個別計数装置50をサンド20に対して着脱するための着脱機構部90が設けられている。この着脱機構部90は、先端部が下方に屈曲したロックアーム91を有している。このロックアーム91は、先端部が上下に回動するようになされており、サンド20の係合部(図示せず)へ係合可能となっている。また、着脱機構部90には、個別計数装置50の制御部(後述)と、サンド20との間でデータを送受信するためのコネクタ部92が設けられており、サンド20側のコネクタ29(図40、図43)と接続するようになされている。着脱機構部90については後述する。
この着脱機構部90によって個別計数装置50をサンド20に装着した状態において、個別計数装置50の本体部51の上面部に設けられた導入開口部55は、パチンコ遊技機10の下皿13の底面部に設けられた開閉シャッタが設けられた開口部14の下方に配置されるように、着脱機構部90及び導入開口部55の位置が決められている。
本体部51の上面部に設けられた導入開口部55の周囲は、当該導入開口部55に向かって傾斜した傾斜部56が設けられており、パチンコ遊技機10から排出された持ち玉が導入開口部55から外れて落下しても、これを受けて導入開口部55へ導くようになされている。なお、傾斜部56は、導入開口部55の上部から被せられる1つの板状部材57によって構成されている。
本体部51の内部には、導入開口部55を介して導入された持ち玉を一時貯留するための一時貯留部(ホッパーユニット)60が設けられている。図4及び図5は、個別計数装置50の板状部材57を取り外した状態を示す斜視図であり、一時貯留部60は、最も低い位置に形成された底面部64と、この底面部64に向かって漸次に低くなるように傾斜した傾斜面部65、66と、底面部64に続く一段下がった通路部68とを有している。導入開口部55を介して一時貯留部60に落下した持ち玉は、傾斜面部65、66を傾斜に沿って転動し、底面部64に集められる。この底面部64に集められた持ち玉は、さらに、一段下がった通路部68へと転動して行くことになる。
図6は、個別計数装置50を示す分解斜視図である。図6に示すように、通路部68は、側壁部69によって一定幅の経路を形成しており、持ち玉Tは、この通路に沿って、持ち上げ機構部(移送機構部)70へと導かれるようになされている。
通路部68には、一時貯留部60から持ち上げ機構部70へ導かれる持ち玉Tの玉詰まりを防止する玉詰まり防止機構部80が設けられている。この玉詰まり防止機構部80には、通路部68において、水平方向に動作する崩し板(玉詰まり防止部材)81が設けられている。この崩し板81は、持ち上げ機構部70の駆動源である計数モータ77によって駆動される。この崩し板81の動作によって、通路部68での玉詰まりが防止される(後述)。
持ち上げ機構部70は、持ち玉Tを一定の高さまで移送する機構であり、本実施の形態の場合、持ち玉Tを保持するロータ部材73、74を回転することによって、このロータ部材73、74に保持された持ち玉Tを一定高さまで持ち上げるようになされている。ロータ部材73、74には、当該ロータ部材73、74の外形に沿ってガイド板75が設けられており、ロータ部材73、74に保持された持ち玉Tが脱落しないようにこれをガイドするようになされている。ロータ部材73、74は、計数モータ77によって回転駆動されるように構成されている。計数モータ77は、個別計数装置50の内部に設けられた制御部301(図26、図27)によって回転制御され、制御部からの駆動信号によって回転制御される。
因みに、本実施の形態の場合、2列に併設されたロータ部材73、74を用いることにより、持ち玉Tの持ち上げルートを2列確保し、さらに排出部52まで2列のルートで持ち玉Tを排出する構成となっている。これにより、多くの持ち玉Tを短時間で計数及び排出処理することができる。
上述した持ち上げ機構部70は、本体部51の一方の端部に設けられ、また、排出部52は、一時貯留部60を挟んで他方の端部に設けられている。そして、本体部51には、持ち上げ機構部70によって持ち上げられた持ち玉Tを排出部52へ導く転動部100が一時貯留部60を跨ぐように設けられている。
この転動部100は、持ち上げ機構部70によって本体部51の内部において高い位置まで持ち上げられた持ち玉Tを、低い位置に設けられた排出部52へ傾斜を利用して導くようになされている。すなわち、図4及び図5に示すように、転動部100は、持ち上げ機構部70によって持ち上げられた持ち玉を、排出部52へ転動させる転動レーン101を有している。排出部52における持ち玉の排出口54(図5)は、持ち上げ機構部70によって持ち上げられた持ち玉の位置よりも低い位置に設けられており、その間に配置された転動レーン101は、持ち上げ機構部70から排出口54にかけて漸次に低くなるように傾斜している。これにより、持ち上げ機構部70によって持ち上げられた持ち玉Tは、転動レーン101を排出口54へと転動するようになされている。この転動レーン101においても、持ち玉Tを転動させる2つのレーン(第1レーン101A及び第2レーン101B)が設けられており、これら2つのレーンで効率よく持ち玉Tを排出部52へ転動させるようになされている。
図6に示すように、転動レーン101は、個別計数装置50のカバー110に形成されており、当該カバー110と底板120とを係合させた状態において、底板120に形成された転動レーン121と接続されるようになっている。これにより、持ち上げ機構部70によって持ち上げられた持ち玉Tは、カバー110の転動レーン101と、底板120の転動レーン121とを転動して、排出部52へ導かれる。この転動レーン121においても、持ち玉Tを転動させる2つのレーン(第1レーン121A及び第2レーン121B)が設けられており、これら2つのレーンで効率よく持ち玉Tを排出させるようになされている。
次に、通路部68における玉詰まりを防止する玉詰まり防止機構部80について説明する。まず、通路部68について説明する。図7は、個別計数装置50の平面図である。図7に示すように、個別計数装置50では、その上面部に導入開口部55を有しており、この導入開口部55を介して、パチンコ遊技機10(図1)の下皿13から排出された持ち玉Tを一時貯留部60に貯留するようになされている。一時貯留部60は、底面部64と、当該底面部64に向かって漸次にその床面が低くなるように傾斜した傾斜面部65、66を有しており、導入開口部55を介して傾斜面部65に落下した持ち玉は、当該傾斜面部65をその傾斜方向(矢印h1方向)へ転動する。また、導入開口部55を介して傾斜面部66に落下した持ち玉は、当該傾斜面部66をその傾斜方向(矢印h2方向)へ転動する。これにより、導入開口部55を介して一時貯留部60内へ落下した持ち玉Tは、底面部64に集められる。
底面部64は、一時貯留部60の一方の縁部に向かって(矢印h3方向)漸次にその床面が低くなるように傾斜しており、この底面部64に集められた持ち玉Tは、当該底面部64を傾斜方向(矢印h3方向)へ転動する。この底面部64において持ち玉Tが転動する先には、上部を転動部100の転動レーン101が掛け渡された通路部68が設けられている。
図8は、個別計数装置50から板状部材57を取り外した状態を示す上面図である。図8に示すように、一時貯留部60の一方の縁部には、持ち上げ機構部70及び転動レーン101が設けられており、一時貯留部60の底面部64を転動する持ち玉Tは、転動レーン101の下部の領域に誘導されることになる。
この転動レーン101の下部の領域は、一時貯留部60の底面部64を転動した持ち玉Tを持ち上げ機構部70の方向に転動させるための通路部68(図9)となっている。図9は、転動レーン101が設けられたカバー110を取り外した状態を示す上面図である。図9に示すように、転動レーン101の下方には、上述したように、一時貯留部60の底面部64を転動した持ち玉Tを、持ち上げ機構部70へ誘導する通路部68が設けられている。この通路部68は、底面部64に対して段差部68Dによって一段下がった床面を有しており、さらに、この床面は、持ち上げ機構部70の方向(矢印h4方向)へ漸次にその床面が低くなるように傾斜している。これにより、底面部64から通路部68へ転動した持ち玉Tは、さらに通路部68の傾斜によって、持ち玉機構部70へと転動する。すなわち、一時貯留部60における持ち玉Tの転動方向(矢印h3方向)に対して、通路部68における持ち玉Tの転動方向(矢印h4方向)は、異なる方向となっており、底面部64を転動した持ち玉Tは、通路部68においてその転動方向を変えて持ち上げ機構部70へ誘導されるようになされている。
このように、本実施の形態における個別計数装置50においては、一方の縁部に沿って転動レーン101を配置することで、導入開口部55を避けて当該転動レーン101を設けることができ、このように転動レーン101の配置に応じて、当該転動レーン101に持ち玉Tを持ち上げるための持ち上げ機構部70を個別計数装置50の本体部51の隅部に配置することになる。また、持ち上げ機構部70は、ロータ部材73、74を回転させることによって持ち玉Tを持ち上げて転動レーン101に受け渡すようになされているため、ロータ部材73、74から転動レーン101に排出される方向を、転動レーン101の転動方向と一致させることで、持ち玉Tを円滑に転動レーン101に受け渡すことができる。このようにロータ部材73、74を配置した場合、当該ロータ部材73、74に対して一時貯留部60の持ち玉Tを円滑に導入させようとすると、持ち玉Tをロータ部材73、74の回転方向に沿って転動させながら導入することが望ましい。従って、通路部68は、本体部51の縁部に沿って、ロータ部材73、74に向かって矢印h4方向に真直ぐに持ち玉Tが転動するような経路となっている。
このように本体部51の縁部に沿って設けられた通路部68に対して、一時貯留部60の持ち玉Tを導入させる場合には、当該持ち玉Tの転動方向が、底面部64における転動方向(矢印h3方向)から、通路部68における転動方向(矢印h4方向)に変化することになる。玉詰まり防止機構部80は、この転動方向が変化する領域において、発生し易い持ち玉Tの玉詰まりを防止するようになされている。
図10及び図11は、通路部68を拡大して示す斜視図であり、図10及び図11に示すように、通路部68は、一時貯留部60の底面部64を転動して来た持ち玉Tの転動方向が変化する領域に設けられた側壁68Cと、当該領域から持ち上げ機構部70における持ち玉Tの持ち上げ開始位置までの経路の両側に設けられた側壁68A、68Bとを有している。一時貯留部60の底面部64を転動して来た持ち玉Tは、通路部68に入ると、通路部68の床面の傾斜と側壁68Cとによってその転動方向を矢印h4で示す持ち上げ機構部70に向かう方向へ変化させ、その後、両側を側壁68A、68Bによって規制された通路部68に沿って持ち上げ機構部70に向かって転動することになる。すなわち、側壁68C、68A及び68Bによって囲まれた通路部68は、矢印h3方向から矢印h4方向へと転動方向を変化する持ち玉Tの屈曲した転動経路を形成する。
玉詰まり防止機構部80は、側壁68Cに沿って往復運動する崩し板81と、当該通路部68の入り口付近で玉詰まりを起こした複数の持ち玉Tに対して、傾斜した先端部83Bから分け入る崩しカム板83とを有している。この崩し板81及び崩しカム板83は、持ち上げ機構部70の駆動源である計数モータ77によって駆動されるように構成されている。
図12は、玉詰まり防止機構部80及び持ち上げ機構部70を示す斜視図である。図12に示すように、玉詰まり防止機構部80の崩しカム板83は、持ち上げ機構部70のロータ部材73、74の回転に伴って、通路部68の持ち玉Tの転動方向(図9〜図11に示した矢印h4方向)及びこれとは反対方向である矢印d方向に往復運動するようになっている。
崩しカム板83には、リンク部材84を介して崩し板81が係合されており、崩しカム板83の往復運動に伴って、崩し板81が側壁68C(図10、図11)に沿った矢印e方向に往復運動するようになされている。
図13は、持ち上げ機構部70の一方のロータ部材74及び計数モータ77等を取り外した状態を示す斜視図である。図13に示すように、崩しカム板83においては、持ち上げ機構部70と係合される部分に長孔83Aが形成されており、この長孔83Aに持ち上げ機構部70の回転軸76が挿入されている。回転軸76には、持ち上げ機構部70のロータ部材73、74(図12)が嵌合されており、計数モータ77の回転によって回転軸76が回転すると、これに伴ってロータ部材73、74が回転する。この回転軸76には、玉詰まり防止機構部80を構成するカム板85が嵌合され、回転軸76と共に回転するようになされている。
図14は、崩しカム板83のカム板85が設けられる側を示す斜視図である。図14に示すように、カム板85は、円盤形状に形成されており、中心からずれた位置に回転軸76(図13)を嵌合する嵌合孔85Aが形成されている。これにより、回転軸76の回転に伴って、カム板85が回転軸76を中心にして偏心した状態で回転するようになっている。
崩しカム板83には、カム板85を収納可能な間隔を隔てて上下方向に延設された突状のガイド部83C、83Dが設けられており、このガイド部83C、83D間にカム板85が配置される。これにより、図15(a)、(b)に示すように、カム板85が回転すると、当該カム板85の外周部によって、崩しカム板83のガイド部83C、83Dが交互に押され、崩しカム板83が矢印d1方向及び矢印d2方向に往復運動する。崩しカム板83が往復運動すると、これに伴って、崩し板81も矢印e1方向及び矢印e2方位に往復運動する。
因みに、図16は、玉詰まり防止機構部80を示す平面図である。図16に示すように、崩しカム板83は、通路部68において、持ち上げ機構部70へ持ち玉Tを転動させる方向h4方向(図9〜図11)に沿って設けられ、当該転動方向(矢印h4方向)に沿って往復運動するようにされている。また、崩し板81は、通路部68の入り口に設けられ持ち玉Tの転動方向が変化する位置に設けられた側壁68Cに沿って往復運動するように構成されている。
また、図17は、底板120の裏面側を示す斜視図であり、玉詰まり防止機構部80のリンク部材84は、底板120の裏面側に配置されており、崩しカム板83との係合部をガイドするガイド孔120Aと、崩し板81との係合部をガイドするガイド孔120Bとを有している。ガイド孔120Aは、崩しカム板83の往復運動の方向に延設されており、またガイド孔120Bは、崩し板81の往復運動の方向に延設されている。
また、図18は、玉詰まり防止機構部80を示す側面図である。図18に示すように、崩しカム板83、リンク部材84及び崩し板81は、底板120に形成され通路部68の矢印h4方向への傾斜に応じて角度θだけ傾斜した状態となっている。
図19は、崩し板81を示す平面図である。図19に示すように、崩し板81の通路部68側の側面(すなわち、持ち玉Tが接する側の側面)には、持ち玉Tの直径以上の間隔Lで複数の突起部81Aが形成されている。この崩し板81は、突起部81Aの間隔以上の振幅で往復運動するようになされており、この往復運動によって突起部81Aが持ち玉Tを押すことにより、通路部68に詰まった持ち玉Tの詰まりを解消するようになされている。
図20及び図21は、玉詰まり防止機構部80を示す平面図であり、図20に示すように、一時貯留部60から通路部68を介して持ち玉Tが円滑に転動している場合、持ち玉Tは、底面部64から、通路部68の入り口で方向を変えて、持ち上げ機構部70の方向へ転動する。
これに対して、図21に示すように、持ち玉Tがその転動方向を変化させる通路部68の入り口付近で、多くの持ち玉Tが集中した場合、玉詰まり防止機構部80の崩しカム板83が往復運動することにより、その先端部83Bが持ち玉Tの集中した中に分け入ることにより、この集中状態を崩し、さらに、崩し板81が往復運動することにより、その突起部81Aによって、側壁68Cに沿って集中した持ち玉Tを強制的に動かすことにより、持ち玉Tが集中してもこれらが玉詰まりを起こすことを防止することができる。
また、崩しカム板83は、通路部68を二分するように設けられており、この崩しカム板83を境にして、持ち上げ機構部70のロータ部材73側及びロータ部材74側へ持ち玉Tを誘導するようになっている。これにより、持ち玉Tが一列になって、ロータ部材73、74へ各々転動することとなり、円滑にロータ部材73、74へ受け渡されることになる。
図22は、底板120の転動レーン121及び排出部52を示す部分的平面図であり、図23は、当該部分を示す斜視図である。図22及び図23に示すように、転動レーン121は、排出部52を介して排出口54へと続いており、転動レーン121を転動する持ち玉Tは、排出部52を介して排出口54からサンド20へと排出される。
排出部52においては、第1レーン121Aを転動する持ち玉を検出する第1レーン用の計数センサ122A、122Bと、第2レーン121Bを転動する第2レーン用の計数センサ123A、123Bとが設けられている。
計数センサ122A、122B、123A、123Bは、例えば磁気センサ等であり、磁性材料であるパチンコ玉が通過した場合に、当該通過に応じた信号を出力するようになされている。本実施の形態の場合、各レーンにおいて2つの計数センサが上流側及び下流側に配置されている。すなわち、第1レーン121Aでは、計数センサ122Aが上流側に配置され、計数センサ122Bが下流側に配置されている。持ち玉(パチンコ玉)の直径は5.5〔mm〕であり、計数センサ122A及び122Bの検出間隔は、3.5〔mm〕に設定されている。また、第2レーン121Bにおいても同様にして、計数センサ123Aが上流側に配置され、計数センサ123Bが下流側に配置されており、これら計数センサ122A及び122Bの検出間隔は、3.5〔mm〕に設定されている。
このように、第1レーン121Aにおいて、上流側と下流側に計数センサ122A及び122Bを併設することにより、正常状態として、第1レーン121Aを持ち玉Tが上流から下流に向かって転動する場合には、上流側の計数センサ122Aにおいて持ち玉Tの検出信号が得られた後、計数センサ122Aと計数センサ122Bとの検出間隔に応じたタイミングで、下流側の計数センサ122Bにおいて持ち玉Tの検出信号が得られる。この検出信号を制御部において検出することにより、持ち玉Tが第1レーン121Aを正常に転動していることを識別することができ、この状態での検出結果によって持ち玉Tを計数するようになされている。
また、第2レーン121Bにおいても同様にして、上流側と下流側に計数センサ123A及び123Bを併設することにより、正常状態として、第2レーン121Bを持ち玉Tが上流から下流に向かって転動する場合には、上流側の計数センサ123Aにおいて持ち玉Tの検出信号が得られた後、計数センサ123Aと計数センサ123Bとの検出間隔に応じたタイミングで、下流側の計数センサ123Bにおいて持ち玉Tの検出信号が得られる。この検出信号を制御部において検出することにより、持ち玉Tが第2レーン121Bを正常に転動していることを識別することができ、この状態での検出結果によって持ち玉Tを計数するようになされている。
これに対して、例えば、何らかの原因により持ち玉Tがレーンを逆行した場合には、下流側の計数センサ122B又は123Bが先に持ち玉Tを検出することになるので、持ち玉Tの不正常な逆行状態を検出することができ、この場合には、何らかの不正常な状態となっていることが想定されるので、持ち玉Tの計数を行わずに、エラー表示等の警告表示を行うようになされている。
また、計数センサ122A、122B、123A、123Bは、持ち玉Tの数を計数するためのセンサであるため、このセンサ近傍に針金のような金属体を近づけることで、不正に持ち玉Tの計数結果を増やそうとする行為が行われる可能性もあるが、この場合には、第1レーン121Aにあっては、上流側の計数センサ122Aの検出結果と下流側の計数センサ122Bの検出結果とが、正常な転動時の検出結果とはならず、また、第2レーン121Bにあっては、上流側の計数センサ123Aの検出結果と下流側の計数センサ123Bの検出結果とが、正常な転動時の検出結果とはならないことにより、不正常な検出状態であるとして、計数を停止したり、所定のエラー表示を行う等して、不正行為による計数を回避することができるようになされている。
なお、本実施の形態の場合、第1レーン121A及び第2レーン121Bの各々において、さらに下流側に予備センサ124及び125が設けられており、転動レーン121A、121Bを転送してきた持ち玉Tの数と、排出口54から排出される持ち玉Tの数とを検出しながら、不正常な状態の発生がないかを監視している。
すなわち、第1レーン121Aを転動した持ち玉Tは、後述する第1分岐レーン(貯留レーン)135Aに誘導されない場合には、そのまま第1レーン121Aを排出口54まで転動することになる。この場合、上述した計数センサ122A、122Bの下流側に設けられた予備センサ124によっても持ち玉Tの通過が検出される。これにより、上流側の計数センサ122A、122Bにおいて検出された結果と、下流側の予備センサ124において検出された結果とを制御部(後述)によって監視することにより、これらが一致しない場合には、何らかの不正行為や異常が発生しているものと判断することができ、計数を停止したり、エラー表示を行う等の対策を実施することができる。第2レーン121Bについても同様にして、第2レーン121Bを転動した持ち玉Tは、後述する第2分岐レーン(貯留レーン)135Bに誘導されない場合には、そのまま第2レーン121Bを排出口54まで転動することになる。この場合、上述した計数センサ123A、123Bの下流側に設けられた予備センサ125によっても持ち玉Tの通過が検出される。これにより、上流側の計数センサ123A、123Bにおいて検出された結果と、下流側の予備センサ125において検出された結果とを制御部(後述)によって監視することにより、これらが一致しない場合には、何らかの不正行為や異常が発生しているものと判断することができ、計数を停止したり、エラー表示を行う等の対策を実施することができる。
次に、排出部52における切替部130について説明する。図24は、切替部130を含む排出部52を示す斜視図である。図24に示すように、排出部52における転動レーン121の途中には、転動レーン121(第1レーン121A,121B)を転動する持ち玉Tを、当該転動レーン121と直交成分を有して選択的に分岐させる切替部130が設けられており、転動レーン121を転動する持ち玉Tを、排出口54ではなく、貯留部160へ選択的に分岐させるようになされている。
図25は、底板120の排出部52を示す斜視図であり、切替部130においては、転動レーン121の第1レーン121A及び第2レーン121Bの各々の底部に開口部131A及び131Bが形成されている。この開口部131A、131Bの幅は、持ち玉Tの直径よりも小さい大きさで形成されており、第1レーン121A及び第2レーン121Bを転動する持ち玉Tがこの開口部131A、131Bから落下しないようになされている。
切替部130では、この開口部131A、131Bが設けられた位置において、第1レーン121Aと直交成分を有して分岐する第1分岐レーン135Aが設けられていると共に、第2レーン121Bと直交成分を有して分岐する第2分岐レーン135Bが設けられている。切替部130においては、開口部131A及び131Bの下方から転動レーン121に対して出没する平面視扇状の誘導面142A、142B(図28)を有する膨出部141A、141B(図26及び図27)により、持ち玉Tが転動レーン121を直進して排出口54から排出されるようにするか、又は、分岐レーン(第1分岐レーン135A、第2分岐レーン135B)に進入させるかを制御する。
図26及び図27は、膨出部141A及び141Bが第1レーン121A及び第2レーン121Bの開口部131A及び131Bを介して転動レーン内に下方から出没する状態を示す斜視図である。
図26は、開口部131A及び131Bを介して、膨出部141A及び141Bが第1レーン121A及び第2レーン121B内に上昇した状態を示し、図27は、膨出部141A及び141Bが第1レーン121A及び第2レーン121Bから開口部131A及び131Bを介して下方に退避した状態を示す。
図28に示すように、膨出部141Aの誘導面142Aは、平面視扇状に形成されており、持ち玉(パチンコ玉)Tを第1分岐レーン135Aに誘導するための曲面により構成されている。また、膨出部141Bの誘導面142Bは、平面視扇状に形成されており、持ち玉(パチンコ玉)Tを第2分岐レーン135Bに誘導するための曲面により構成されている。
これにより、図26に示すように、膨出部141A及び141Bが第1レーン121A及び第2レーン121B内に上昇すると、膨出部141Aの誘導面142Aによって、第1レーン121Aを転動する持ち玉Tは、第1分岐レーン135Aへ誘導され、また、膨出部141Bの誘導面142Bによって、第2レーン121Bを転動する持ち玉Tは、第2分岐レーン135Bへ誘導される。第1分岐レーン135A及び第2分岐レーン135Bに誘導された持ち玉Tは、貯留部160の余玉ケース140に貯留される。
これに対して、図27に示すように、膨出部141A及び141Bが降下して第1レーン121A及び第2レーン121Bから退避すると、第1レーン121Aを転動する持ち玉Tは、膨出部141Aに誘導されることなく、そのまま排出口54まで第1レーン121Aを転動し、また、第2レーン121Bを転動する持ち玉Tは、膨出部141Bに誘導されることなく、そのまま排出口54まで第2レーン121Bを転動する。
ここで、膨出部141A及び141Bを出没動作させるための機構について説明する。図29に示すように、膨出部141A及び141Bは、余玉ケース140の一部に設けられている。余玉ケース140は、周囲を側壁145によって囲まれた貯留領域146を有しており、第1分岐レーン135A及び第2分岐レーン135Bに誘導された持ち玉Tをこの貯留領域146に貯留するようになされている。
膨出部141A及び141Bの出没動作は、この余玉ケース140を傾けることによって、実現される。図30及び図31は、余玉ケース140を示す正面図である。図30及び図31に示すように、余玉ケース140は、その一方の側縁部に膨出部141A及び141Bを有しており、他方の側縁部に沿って設けられた軸部材148を中心に(支点として)回動可能に枢支されている。すなわち、軸部材(支点)148を回動中心にして、一方の側に膨出部141A、141B及び持ち玉Tの貯留部160が設けられている。
余玉ケース140の下方には、シーソ杆としての杆板149が軸部材151を中心に回動可能に枢支されている。杆板149は、その一方の側縁部149Aに重り152が固定されており、軸部材151を挟んで他方の側縁部149Bは曲面形状に形成され、杆板149の回動に伴って、余玉ケース140の底面部に下方から当接するようになっている。この当接位置は、膨出部141A及び141Bが設けられた側縁部と、軸部材148が設けられた側縁部との間である。なお、重り152は、交換可能となっており、この重り152の重量によって、膨出部141A、141Bが転動レーン121へ出没する場合の貯留部160の持玉数を設定することができる。すなわち、重り152の重量が軽い場合には、貯留部160に貯留された持ち玉の数が少なくても膨出部141A、141Bが降下して転動レーン121から退避し、これに対して重り152の重量が重い場合には、貯留部160に貯留された持ち玉の数が多くならないと膨出部141A、141Bが転動レーン121から退去しないこととなる。
図30に示すように、余玉ケース140に貯留された持ち玉(パチンコ玉)Tの数が所定数に満たない場合、重り152の重さが余玉ケース140に貯留された持ち玉Tの重さに打ち勝って、当該重り152は降下し、これに応じて杆板149は、軸部材151を中心にして、重り152が設けられた側の側縁部149Aとは反対側の側縁部149Bが上昇するように回動する。これにより、杆板149の側縁部149Bによって余玉ケース140の底面部が押し上げられ、余玉ケース140は、軸部材148を中心にして、膨出部141A及び141Bが上方に持ち上げられるように回動する。
これに対して、図31に示すように、余玉ケース140に貯留された持ち玉(パチンコ玉)Tの数が所定数に達している場合、重り152の重さよりも余玉ケース140に貯留された持ち玉Tの重さが打ち勝って、余玉ケース140は、膨出部141A及び141Bが降下するように回動する。これにより、杆板149は、その側縁部149Bが余玉ケース140の底面部によって下方に押され、反対側の側縁部149Aの重り152が持ち上げられるように回動する。
このように、余玉ケース140は、貯留された持ち玉Tが所定数に達しない場合には、重り152によって、膨出部141A及び141Bが持ち上げられるように回動し、貯留された持ち玉Tが所定数に達した場合には、重り152の重さに打ち勝って、膨出部141A及び141Bが降下するように回動する。すなわち、余玉ケース140に貯留された持ち玉Tの数が所定数に満たない場合には、膨出部141A及び141Bが第1レーン121A及び第2レーン121B内に持ち上げられ、第1レーン121A及び第2レーン121Bを転動する持ち玉Tを、第1分岐レーン135A及び第2分岐レーン135Bを介して余玉ケース140内に誘導する。これに対して、余玉ケース140に貯留された持ち玉Tが所定数に達すると、膨出部141A及び141Bが第1レーン121A及び第2レーン121Bから下方に退避され、第1レーン121A及び第2レーン121Bを転動する持ち玉Tを第1分岐レーン135A及び第2分岐レーン135Bへ誘導せずに、排出口54へ転動させる。かくして、余玉ケース140に貯留された持ち玉Tが排出されても、当該余玉ケース140には、膨出部141A及び141Bによって新たに持ち玉Tが誘導され、常に一定数の持ち玉Tが貯留されることになる。
上述したように、重り152を用い、杆板149を介して膨出部141A及び141Bを上下動させるようにしたことにより、例えばばね部材等の付勢手段を用いて膨出部141A及び141Bを上下動させる構成とする場合に比べて、耐久性を持たせることができる。
因みに、図32は、余玉ケース140の全体構成を示す斜視図である。図32に示すように、余玉ケース140には、カバー155が設けられており、余玉ケース140内に貯留された持ち玉Tを遊技者が外部から取り出すことができないようになされている。
図33は、カバー155(図32)を取り外した状態の余玉ケース140及び排出機構部(玉上げ機構部(装置))200を示す斜視図である。図33に示すように、余玉ケース140には、側壁145が途切れた排出部(第1の通路)150が設けられている。余玉ケース140の床面部には、排出部150に向かって傾斜した傾斜面部143A、143B及び143Cが設けられており、余玉ケース140に貯留された持ち玉Tは、この傾斜面部143A、143B及び143Cに沿って排出部150へ集まるようになされている。排出部150に集まった持ち玉Tは、排出機構部200によって載置部170(図3)へ払い出される。
すなわち、排出機構部200は、余玉モータ201によって、垂直成分を有する仮想平面上で回転軸203を中心に回転駆動されるカム部材(ロータ)210を有しており、このカム部材210には、持ち玉Tを保持する保持部が形成されている。余玉ケース140の排出部150からこの保持部に導入された持ち玉Tは、カム部材210の回転によって上方へ持ち上げられ、円筒状のシュート部材250から、カバー110(図3)に形成された排出孔111を介して、載置部170へ払い出される。
図34は、排出機構部200のカム部材210の構成を示す斜視図である。図34に示すように、カム部材210には、2つの凹形状の保持部211A、211Bが設けられており、カム部材210が矢印r方向に回転しながら、この保持部211A、211Bに余玉ケース140の持ち玉Tを順次保持する。この場合、カム部材210には、カム部材210の回転方向(矢印r方向)の下流側から保持部211Aに亘って漸次に深くなるように形成された傾斜面210Aを有し、カム部材210が矢印r方向に回転すると、排出部150の持ち玉Tが次第にカム部材210内に入り込んで、最終的に保持部211Aに収納されるようになっている。また、保持部211B側においても同様にして、傾斜面210Bが形成されている。
カム部材210の回転に伴って、最下部で保持された持ち玉Tは、最上部まで持ち上げられ、この最上部において、保持部211A、211Bからシュート部材250を介して排出される。シュート部材(第2の通路)250の近傍には、余玉カウンタ202が設けられており、通過する持ち玉Tの数をカウントするようになされている。
図35は、カム部材210によって最上部まで持ち上げられた持ち玉Tを排出するための構成を示す斜視図である。図35に示すように、カム部材210の前面にはマスク板(ケーシング)209が設けられており、カム部材210の保持部211A、211Bに保持された持ち玉Tが回転中に脱落しないようになされている。
このマスク板209の下部には、余玉ケース140からカム部材210の保持部211A、211Bへ持ち玉Tを導入する導入口209Aが形成されており、また、マスク板209の上部には、保持部211A、211Bから持ち玉Tを排出するための排出口209Bが形成されている。この排出口209Bには、保持部211A、211B内の持ち玉Tを、カム部材210の回転に伴って強制的に排出させるための押出し部材208が設けられている。この押出し部材208は、ばね状の金属板により形成されており、その基部がマスク板209にねじ止めされ、延伸部208Aが排出口209B内に挿入されている。カム部材210の保持部211A又は211Bに保持された持ち玉Tは、カム部材210の回転に伴って、押出し部材208の延伸部208Aによって保持部211A又は211Bから排出口209Bを介してシュート部材250側へ押出される。これにより、持ち玉Tは、カム部材210によって持ち上げられた後、シュート部材250を介して排出される。
図36は、載置部170を示す斜視図である。載置部170は、周囲を側壁171によって囲まれ、上部が開放された小皿状に形成されている。これにより、遊技者は、載置部170に排出された持ち玉Tを取り出して遊技に用いることができる。図37は、図36のA−A線を断面にとって示す載置部170の部分的断面図である。図37に示すように、載置部170は、遊技者から見て前後方向に一定の幅を有しており、排出孔111は、載置部170の後方の側面部に形成されている。これにより、排出部111から排出された持ち玉Tは、載置部170の後方の床面部173に落下することになる。この床面部173は、図中矢印aで示すように、後方から前方に向かって(すなわち遊技者の方向に向かって)漸次に低くなるように傾斜している。これにより、排出孔111から床面部173に落下した持ち玉Tは、床面部173を遊技者のいる方向(前方)に転動し、載置部170の前方に集まる。
また、床面部173は、前方において上方に持ち上がるように傾斜した前方傾斜部174を有している。これにより、遊技者は、前方に集まった持ち玉Tを、前方傾斜部174を介して、掬うように容易に取り出すことができる。
次に、個別計数装置50とサンド20との着脱機構について説明する。図38は、排出部52に設けられた着脱機構部90を示す斜視図である。図38に示すように、着脱機構部90は、ブラケット93に設けられた回動軸94を中心にして上下方向(矢印b方向(図39))に回動可能に枢支されたロックアーム91を備えている。ロックアーム91は、その先端部に下方に屈曲した屈曲部91Aを有しており、この部分でサンド20側の係合部に係合される。
図39は、ロックアーム91を示す斜視図である。図39に示すように、ロックアーム91は、その後端部にロック板95を係合するための切欠部91Bを形成しており、この切欠部91Bにロック板95が係合されることにより、ロックアーム91をロックすることができる。ロック板95は、カバー110(図3)に固定されたロック機構部97によって水平方向(矢印c方向)に回動可能に支持されており、鍵96によって切欠部91B内に係合されるように回動することにより、ロックアーム91をロックすることができ、また、鍵96によって切欠部91Bから離間させるように回動することにより、ロックアーム91をロック解除することができる。
また、図38において、着脱機構部90には、制御部301とサンド20との間で通信を行うためのコネクタ部92が設けられている。このコネクタ部92は、個別計数装置50の制御部301からの通信線に接続された雄型コネクタ92Aと、この雄型コネクタ92Aに接続される雌型コネクタ92Bを有している。雌型コネクタ92Bは、後述するジョイントハーネス92C(図41)を含んでいる。このジョイントハーネス92Cは、サンド20側のコネクタ29と接続される。
図40は、個別計数装置50の着脱機構部90とサンド20の着脱部との装着方法の説明に供する概念図である。図40に示すように、個別計数装置50の着脱機構部90は、サンド20の着脱部28(後述)と着脱するための機構部であり、ロックアーム91の先端部(屈曲部91A)を上方に回動させた状態(図40(a))で個別計数装置50をサンド20の着脱部28へ当接させ、この状態で屈曲部91Aを下方に回動させることで、当該屈曲部91Aを、サンド20の着脱部28に係合し、個別計数装置50をサンド20に装着することができる(図40(b))。
また、個別計数装置50側のコネクタ部92は、サンド20側のコネクタ29と接続され、これにより、個別計数装置50及びサンド20は、通信可能に接続される。因みに、図40において、コネクタ部92は、ジョイントハーネス92C(後述)を含んだものであり、個別計数装置50及びサンド20は、ジョイントハーネス92Cを介して接続される。
上述したように、個別計数装置50をサンド20に装着した状態において、個別計数装置50のロックアーム91を鍵96(図39)によってロックすることにより、個別計数装置50とサンド20との装着状態をロックすることができる。これにより、例えば、当該ロック状態を不正に解除して、個別計数装置50の排出口54から排出される計数済みの持ち玉を取得するといった不正行為を防止することができる。
次に、個別計数装置50の制御部及び周辺機器について説明する。図41は、個別計数装置50の制御部301及び周辺機器を示す略線図である。図41に示すように、制御部301は、内部にCPU等の制御回路(後述)を有し、外装面部に第1表示部306、第2表示部307、持玉払出ボタン308及び計数/停止ボタン309を有している。
計数/停止ボタン309は、パチンコ遊技機10の下皿13から導入開口部55を介して導入され、一時貯留部60に貯留された遊技者の持ち玉の計数を開始又は停止させるための操作ボタンである。第1表示部306は、例えば、7セグメント表示器によって構成され、計数/停止ボタン309の操作によって計数された結果を表示するための表示部である。持玉払出ボタン308は、計数された結果(遊技者の持ち玉数)を払い出す指示を入力するための操作ボタンである。第2表示部307は、例えば、7セグメント表示器によって構成され、個別計数装置50が装着されているサンド20(パチンコ遊技機10)において設定されている1玉あたりの金額が表示される。因みに、サンド20の挿入された情報カードには、1玉あたりの設定金額が異なるパチンコ遊技機ごとに持ち玉数を記憶するようになされており(後述)、情報カードをサンド20に挿入した際に、各設定に対応して記憶された持ち玉数が順次に第2表示部307に表示されるようになっている(後述)。なお、この表示の態様としては、第2の表示部307に1玉あたりの設定金額及びその持玉数を表示する態様、又は、第2の表示部307に1玉あたりの設定金額を表示し、第1の表示部306にその設定金額に対応した持玉数を表示する等、種々の態様を適用することができる。
制御部301には、計数モータ77、満杯センサ78(発光素子78A及び受光素子78B)が、計数エンコーダ基板320を介して接続されている。計数モータ77は、制御部301の制御により駆動制御され、当該計数モータ77が駆動されると、図4〜図6について上述したように、一時貯留部60に貯留された持ち玉が、ロータ部材73、74によって、転動部100(転動レーン101)へ運ばれる。
満杯センサ78は、一時貯留部60に設けられており、当該一時貯留部60に貯留された持ち玉が一定量に達すると、貯留された当該持ち玉によって発光素子78Aからの光が遮られて受光素子78Bにおいて受光し得なくなることにより、満杯状態を検出し、検出結果を制御部301へ通知するようになされている。
また、制御部301には、計数センサ122A(123A)、122B(123B)及び予備センサ124(125)が接続されており、図22〜図24について上述したように、転動部100(転動レーン101)を転動する持ち玉を検出すると共に、異常状態があればそれを検出する。
また、制御部301には、余玉モータ201及び余玉カウンタ202が余玉エンコーダ330を介して接続されている。余玉モータ201は、図32〜図35について上述したように、排出機構部200のカム部材210を回転させ、これにより、貯留部160(余玉ケース140)の持ち玉を、載置部170へ払い出すことができる。余玉カウンタ202は、載置部170(図21)の排出孔111から持ち玉が払い出される前段に設けられたセンサを含み、カム部材210から排出孔111へ排出される持ち玉を検出して、その数をカウントするものである。制御部301は、このカウント結果に基づいて、貯留部160に貯留された計数済みの持ち玉Tのうちの必要数を、排出機構部200を介して載置部170へ払い出すように制御する。
また、制御部301には、コネクタ部92が接続されている。このコネクタ部92は、雄型コネクタ92A及びこれに接続される雌型コネクタ92Bと、当該雌型コネクタ92Bに接続されたジョイントハーネス92Cによって構成されており、ジョイントハーネス92Cの他方は、サンド20のコネクタ29に接続される。制御部301は、コネクタ部92を介して、サンド20と通信を行う。
次に、制御部301の回路構成について説明する。図42は、制御部301の構成を示すブロック図であり、CPU(中央処理ユニット)303がバス302に接続されている。CPU303には、バス302を介して、ROM304、RAM305、入出力部310、第1表示部306、第2表示部307、持玉払出ボタン308及び計数/停止ボタン309等が接続されている。
CPU303は、ROM304に記憶されているプログラムに従って動作し、計数/停止ボタン309又は持玉払出ボタン308の操作結果に応じて計数処理や持ち玉の払出処理を行う。この処理において、CPU303は、入出力部310を介して、計数モータ77や余玉モータ201を制御し、各種センサ(計数センサ122A(123A)、122B(123B)、予備センサ124(125)、満杯センサ78、余玉カウンタ202等)からの検出結果を受け取り、これらの情報に基づいて、計数処理等を実行する。
CPU303は、計数処理によって得られた計数結果等の情報をRAM305に記憶すると共に、第1表示部306に表示する。また、これらの処理結果を、入出力部310を介してサンド20に送信する。また、CPU303は、持玉払出ボタン308の操作結果に応じて、入出力部310を介して、サンド20に払出要求等を送信する。
さらに、CPU303は、サンド20に挿入されている情報カードの情報を入出力部310を介して受信し、この情報をRAM305に記憶すると共に、第2表示部307に表示する。なお、制御部301において実行される制御処理については、後述する。
次に、サンド20の構成について説明する。図43は、サンド20を示す略線図である。図43に示すように、サンド20は、縦長の箱状に形成されており、遊技機間に設置固定される断面コの字型のフレーム21に対して着脱可能なユニット部30と、このユニット部30の下方側に配置され、ユニット部30と同様の幅を有する縦長の箱状に形成された電源供給部(電源基板24等)とを備えている。
サンド20においては、ユニット部30の着脱装置34とフレーム21の着脱機構部(係止ピン、解除ピン、突起)25とを介して、ユニット部30を、フレーム21に対して着脱可能となっている。
ユニット部30は、略長方体形状に構成された縦長状の本体(ケーシング)33内に、以下に説明するカード処理ユニット36、紙幣処理ユニット35、テンキー操作ユニット37を収容しており、メンテナンスの頻度が高いこれらのユニット35、36、37を、1つのユニット部30内に設置してフレーム21に対して取り外しできるように構成されている。
カード処理ユニット36は、ユニット部30の前面パネルに縦方向に形成されるカード挿入口36Aを備えており、例えば、金額情報が記載された情報カード(ICカード等)を挿入することで、内部に設置されているリーダライタが駆動され、金額情報の読取り、書換えが行われると共に、金額情報が書き換えられたカードの返却、発行、或いは金額が0になった際のカードの回収が可能となっている。遊技者は、カードに記載された金額情報の範囲内で、パチンコ玉やメダル等の遊技媒体の貸し出し処理を受け、遊技を行うことができる。
これに加えて、情報カードの記憶領域には、遊技者が個別計数装置50において計数された持玉数が記憶されるようになっている。図44は、情報カード500の記憶領域を示す略線図である。図44に示すように、情報カード500の記憶領域には、上述した金額情報(クレジット)を記憶するクレジット情報記憶領域501と、1円台において計数された持玉数を記憶する第1の持玉数記憶領域502と、2円台において計数された持玉数を記憶する第2の持玉数記憶領域503と、4円台において計数された持玉数を記憶する第3の持玉数記憶領域504とを有している。1円台とは、パチンコ玉の1玉が1円に設定されたパチンコ遊技機を意味し、2円台とは、パチンコ玉の1玉が2円に設定されたパチンコ遊技機を意味し、4円台とは、パチンコ玉の1玉が4円に設定されたパチンコ遊技機を意味する。これらのパチンコ遊技機において遊技した結果得られた遊技者の持ち玉は、各々個別の記憶領域(第1〜第3の記憶領域)に記憶されるようになされている。
図43に戻って、紙幣処理ユニット35は、ユニット部30の前面パネルに縦方向に形成される紙幣挿入口35Aを備えており、紙幣を挿入することで、内部に設置されているセンサによって真偽判断処理が成され、情報カードの場合と同様、挿入された金額の範囲内で、パチンコ玉の貸し出し処理を受け、遊技を行うことができる。なお、遊技で全ての金額を使用しなかった場合、カード処理ユニット36において、挿入されている情報カードの残高を更新するようになっている。
テンキー操作ユニット37は、画像表示部(液晶ディスプレイによって構成される)、テンキー、赤外線受光素子及び、場合によっては、人体を認証するための撮像素子等を備えている。また、ユニット部30は、上述した各ユニット以外の構成部材を含んでいても良く、例えば、異常を報知するためのパイロットランプ38等が設けられている。
上記した各ユニットは、ユニット部30の内部に設置されたCPUユニット32によってその動作が制御される。このCPUユニット32は、ユニット部30の後面に装着されるコネクタ31がフレーム21内面に装着された接続コネクタ22に接続されることで、後述する電源供給部Dから電源が供給されると共に、外部との間で各種データの送受信が可能となっている。この場合、ユニット部30に設けられるコネクタ31と、フレーム21に設けられる接続コネクタ22は、ユニット部30をフレーム21から離脱する方向に移動した際、両者の接続がそのまま解除されるように設置、構成されている。
電源供給部D内には、ユニット部30の内部に収容されるカード処理ユニット36、紙幣処理ユニット35、テンキー操作ユニット37、及び着脱装置34の駆動モータなどに電力を供給すべく、外部電源45から供給される電圧等を制御する電源基板24と、通信制御ユニット23とが設置されている。この通信制御ユニット23は、通信方式の変換制御(シリアル/パラレル変換制御)や送受信先の振り分け制御を行う機能を有しており、通信コネクタ27、26を介して、それぞれホストコンピュータ5及び隣接するパチンコ遊技機10との間で各種データの送受信を実行する。
また、電源基板24は、遊技者が所有する携帯端末などに対して充電を可能にする充電ユニットとしての機能を備えており、前面パネルから露出する充電ジャック24Aに所定の充電用の端子を差し込むことが可能になっている。
フレーム21の前面パネルの下部には、個別計数装置50の着脱機構部90を接続するための着脱部28が設けられている。図40について上述したように、この着脱部28に対して、個別計数装置50の着脱機構部90を装着することができる。また、フレーム21の前面パネルの下部においては、コネクタ29及び導入口21Aが着脱部28に併設されている。コネクタ29は、個別計数装置50の着脱機構部90に設けられたコネクタ部92と接続されて、サンド20と個別計数装置50との間で情報の送受信を行うためのものである。また、導入口21Aは、個別計数装置50の排出口54と接続されて、個別計数装置50から排出された計数済みの持ち玉を導入し、これを回収用の所謂どぶへ排出するようになされている。
このように、サンド20においては、個別計数装置50を装着することにより、個別計数装置50との間で情報の送受信を行うことが可能となり、また、個別計数装置50から排出された計数済みの持ち玉をどぶへ回収することができる。さらに、サンド20は、個別計数装置50における計数結果に応じて、情報カードの持玉数を更新することができ、この持玉数を遊技に用いる旨の指示が個別計数装置50から入力された場合には、当該持玉数の払出指示をパチンコ遊技機10へ送信することにより、情報カードに記憶されている持ち玉を、パチンコ遊技機10を介して、その上皿12に払い出させることができる。
なお、サンド20は、カード処理ユニット36に挿入された情報カードの情報を、テンキー操作ユニット37の操作によっても利用することができる。すなわち、遊技者がテンキー操作ユニット37のテンキーを操作することによって、情報カード500に記憶されたクレジットデータを利用することができ、この場合、CPUユニット32は、テンキーの操作結果に応じて、情報カード500に記憶されているクレジットデータから遊技者によって指定された金額分の払い出しをパチンコ遊技機10に指示し、パチンコ遊技機10においてそのパチンコ玉を上皿12に払い出すことができる。
これにより、サンド20においては、個別計数装置50が装着されていない場合であっても、情報カードに記憶されたクレジットデータに基づいて、パチンコ玉を貸し出すことができる。また、個別計数装置50が装着されていない場合において、サンド20に挿入された情報カード500に持玉数が記憶されている場合には、CPUユニット32は、遊技者のテンキーの操作に応じて、当該持玉数をパチンコ遊技機10からその上皿12に払い出させることができる。
次に、個別計数装置50の制御部301(図41)における制御処理について説明する。図45は、制御部301のCPU303による制御処理手順を示し、CPU303は、ステップS11において、サンド20から情報を受信したか否かを判断する。何らかの情報を受信した場合、CPU303は、ステップS11からステップS20へ処理を移して、受信情報表示処理(後述)を実行する。
これに対して、ステップS11において、サンド20からの情報がなかったものと判断された場合、CPU303は、ステップS11からステップS12へ処理を移して、計数/停止ボタン309(図41)が操作されたか否かを判断する。計数/停止ボタン309が操作されたものと判断すると、CPU303は、ステップS12からステップS30へ処理を移して、計数処理(後述)を実行する。
これに対して、ステップS12において、計数/停止ボタン309が操作されなかったものと判断すると、CPU303は、ステップS12からステップS13へ処理を移して、持玉払出ボタン308(図41)が操作されたか否かを判断する。持玉払出ボタン308が操作されたものと判断すると、CPU303は、ステップS13からステップS50へ処理を移して、持玉払出処理(後述)を実行する。
図46は、受信情報表示処理(ステップS20)の処理手順を示し、CPU303は、当該処理手順に入ると、ステップS21において、サンド20からの受信情報をRAM305(図42)に記憶し、続くステップS22において、受信情報は情報カード500(図44)の持玉情報であるか否かを判断する。持玉情報とは、情報カード500の第1〜第3の記憶領域502〜504(図44)に記憶されている1円台、2円台及び4円台の持玉数を表す情報である。サンド20では、カード処理ユニット36に情報カードが挿入されると、当該情報カードに記憶されている持玉情報を読み出して、個別計数装置50へ送信するようになされている。
この情報が受信された場合、CPU303は、ステップS22からステップS23へ処理を移して、第2表示部307に、1円台の持玉情報を一定時間表示した後、続くステップS24に移って、第2表示部307に、2円台の持玉情報を一定時間表示し、さらにステップS25に移って、第2表示部307に4円台の持玉情報を一定時間表示する。これにより、遊技者が情報カードをサンド20のカード処理ユニット36に挿入すると、個別計数装置50の第2表示部307には、情報カードに記憶されている各持玉情報が一定時間ずつ表示されることになる。
一方、上述のステップS22において、個別計数装置50がサンド20から受信した情報が持玉情報でないと判断した場合、CPU303は、ステップS22からステップS26へ処理を移して、受信した情報に応じた処理を実行する。
このように、個別計数装置50においては、サンド50に挿入された情報カードの持玉情報を第2表示部307に表示することにより、遊技者に対して、当該遊技者の情報カードに記憶されている持玉数(すなわち、遊技者の持玉数)を通知するようになされている。特に、情報カードには、1円台、2円台及び4円台ごとに異なる領域を設定し、各々の台で獲得した持ち玉の数を個別に記憶しており、遊技者が情報カードをサンド20に挿入した際に、これらの情報を表示することで、遊技者に対して、自分の持玉数を把握させることができる。これにより、遊技者の持ち玉が残っている場合には、当該遊技者に対してその旨を通知することとなり、遊技者へ更に遊技を行おうとする気持ちを持たせることができる。
次に、図45に示した計数処理(ステップS30)の詳細について説明する。図47は、計数処理(ステップS30)における処理手順を示し、CPU303は、当該処理手順に入ると、ステップS31において、計数モータ77(図41)を駆動することにより、ロータ部材73、74(図4〜図6)を回転させ、一時貯留部60(図3、図4)に貯留された持ち玉を順次転動部100において転動させる。これにより、計数センサ122A、122B、123A、123Bにおいて持ち玉が順次検出される。検出結果は、制御部301に通知され、CPU303は、ステップS32において、計数センサ122A、122B、123A、123Bからの検出結果に基づいて、持ち玉の数をカウントする。
また、CPU303は、ステップS33において、計数センサ122A、122B、123A、123B及び予備センサ124、125からの検出結果に基づき、異常があるか否かを判断する。異常があると判断すると、CPU303は、ステップS33からステップS34へ処理を移して、計数を停止すると共に、第1表示部306にエラー表示を行う。これに対して、異常がないと判断すると、CPU303は、ステップS33からステップS35へ処理を移して、一定時間検出結果が受信されないか否かを判断する。一定時間検出結果が受信されない場合、このことは、一時貯留部60に貯留されている全ての持ち玉の検出が終了したことを意味しており、CPU303は、ステップS35からステップS36へ処理を移して、計数結果をRAM305(図42)に記憶し、続くステップS27において、計数結果を第1表示部306に表示し、さらにステップS38において、計数結果をサンド20へ送信する。
かくして、遊技者が個別計数装置50の計数/停止ボタン309を操作すると、一時貯留部60に貯留された持ち玉が計数され、計数結果は第1表示部306に表示されると共に、サンド20へ送信され、情報カード500の対応する記憶領域の持玉数に計数結果が加算されて更新されることになる。因みに、計数処理が実行されている際に、計数/停止ボタン309が再度操作されると、CPU303は、実行中の計数処理を停止し、それまでの計数結果を第1表示部306に表示すると共に、サンド20へ送信することとなる。
次に、図45に示した持玉払出処理(ステップS50)の詳細について説明する。図48は、持玉払出処理(ステップS50)における処理手順を示し、CPU303は、当該処理手順に入ると、ステップS51において、持玉数を記憶部(RAM305)から取得する。そして、続くステップS52において、CPU303は、取得した持玉数に端数があるか否かを判断する。端数とは、このときの持玉数を、サンド20によってパチンコ遊技機10に払い出しさせるパチンコ玉の単位数で割った余りの数を意味する。上述したように、サンド20では、パチンコ遊技機10に対して、所定数単位でのみ、払い出しをさせるようになっている。従って、遊技者の持玉数(個別計数装置50のRAM305及び情報カード500に記憶されている持玉数)が所定数で割り切れない場合、その余りの数が端数となる。この端数がある場合、CPU303は、ステップS52からステップS53へ処理を移して、余玉モータ201(図30〜図33)を駆動することにより、貯留部160に貯留されている持ち玉を、載置部170へ払い出す。この場合、余玉カウンタ202(図41)は、載置部170へ払い出される持ち玉の数をカウントし、CPU303は、ステップS54において、余玉カウンタ202(図41)のカウント結果が端数に達したか否かを判断する。そして、CPU303は、端数に達するまで、ステップS53及びステップS54の処理を繰り返す。ステップS54において、載置部170に払い出された持ち玉の数が端数に達したと判断すると、CPU303は、ステップS54からステップS55へ処理を移して、余玉モータ201を停止させる。これにより、載置部170には、端数分の持ち玉が払い出されることになる。
ステップS52において、端数がないと判断した場合、又はステップS55の処理の後、CPU303は、ステップS56に処理を移して、RAM305に記憶されている持玉数をサンド20へ送信する。サンド20では、個別計数装置50から送信された持玉数のうち、端数を除いた数について、パチンコ遊技機10に対して払い出しの指示を与える。これにより、端数は個別計数装置50の載置部170へ払い出され、端数を除いた数の持ち玉は、パチンコ遊技機10の上皿12から払い出されることになる。また、サンド20においては、挿入されている情報カードの該当する記憶領域の持玉数から、払い出された数が減算されて更新される。
そして、CPU303は、ステップS57へ処理を移して、RAM305に記憶されている持玉数をリセットする。なお、払い出し数を選択する場合には、RAM305に記憶されている持玉数から、払い出された数を減算した結果によって、RAM305の持玉数を更新する。
かくして、個別計数装置50において、端数が載置部170へ払い出され、パチンコ遊技機10では、持玉数のうち端数を除いた数が上皿12から払い出される。すなわち、サンド20においては、端数を払い出すためのノズル等を設けることなく、端数を遊技者に払い出すことができる。
図49は、以上説明した個別計数装置50の制御処理を含む、パチンコ遊技機10、サンド20及び個別計数装置50の処理を示すタイミングチャートである。図49に示すように、サンド20に情報カード500が挿入されると(ステップS201)、サンド20は、情報カード500から各記憶領域502〜504に記憶されている持玉数を読み出して、個別計数装置50へ送信する。
持玉数を受信した個別計数装置50は、当該持玉数をRAM305に記憶する(ステップS501)。そして、このRAM305に記憶された持玉数を第2表示部307に表示する(ステップS502)。ステップS501及びステップS502の処理は、図46に示した受信情報表示処理に含まれる処理である。
また、個別計数装置50において、計数/停止ボタン309が操作されて計数処理が実行されると(ステップS503)、個別計数装置50は、計数された持玉数をサンド20へ送信すると共に、RAM305に記憶する(ステップS504)。計数された持玉数を受信したサンド20は、当該持玉数を、情報カードの該当する記憶領域の持玉数に加算し、これを更新する。ステップS503及びステップS504の処理は、図47に示した計数処理に含まれる処理である。
また、個別計数装置50において、持玉払出ボタン308が操作されて、持玉払出処理が実行されると(ステップS505)、個別計数装置50は、RAM305に記憶されている持玉数をサンド20へ送信する。サンド20は、受信した持玉数のうち、端数を除く数を払い出す指示をパチンコ遊技機10へ送信する(ステップS203)。この指示を受信したパチンコ遊技機10は、上皿12に、指定された数のパチンコ玉を払い出す(ステップS101)。
一方、個別計数装置50では、持玉払出処理によってRAM305から取得した持玉数のうち、端数分を載置部170へ払い出し(ステップS506)、RAM305に記憶されている持玉数をリセットすることにより、これを更新する(ステップS507)。因みに、払出数を指定できる場合には、RAM305に記憶されている持玉数から、パチンコ遊技機10及び載置部170へ払い出された総数を減算した結果を新たな持玉数として、RAM305の値を更新する。そして、個別計数装置50は、更新された結果を第1表示部306に表示する(ステップS508)。ステップS505〜ステップS508の処理は、図48に示した持玉払出処理に含まれる処理である。
このようにして、本実施の形態においては、個別計数装置50によって、計数処理及び持玉払出処理が実行され、当該処理結果を受信したサンド20において、情報カード500の更新及びパチンコ遊技機10に対する払出指示の送信を実行することになる。
因みに、サンド20において、情報カード500が抜き取られると(ステップS205)、抜き取られた旨の通知がサンド20から個別計数装置50へ送信され、これにより、個別計数装置50では、RAM305に記憶されている持玉数をリセットする(ステップS509)。
(実施の形態の動作及び効果)
以上説明した個別計数装置50がサンド20に装着されている状態において、遊技者がパチンコ遊技機10の遊技を行う場合、まず、現金情報(クレジット情報)が記憶されている情報カード500を、サンド20のカード処理ユニット36の挿入口36Aから挿入すると、テンキー操作ユニット37に玉貸し用の現金残高が表示される。遊技者は、テンキー操作ユニット37のテンキーを操作することにより、金額を指定すると、所定金額単位で、パチンコ遊技機10からその上皿12に貸し玉(パチンコ玉)が払い出される。遊技者は、この貸し玉を用いてパチンコ遊技を行うことができる。
遊技の結果、多くの勝ち玉が払い出され、上皿12が満杯になると、下皿13へ払い出される。下皿13が満杯になると、遊技者は、下皿13の底面部に設けられたシャッタを開けることにより、下皿13の勝ち玉を、当該下皿13の下方に配置された個別計数装置50の導入開口部55を介して、個別計数装置50の一時貯留部60に遊技者の持ち玉として貯留される。
このようにして、遊技者が遊技を続けながら、下皿13から個別計数装置50の一時貯留部60に持ち玉を貯留して行く。そして、一定量が貯留したタイミングや、遊技者が遊技を終了するといった遊技者の所望のタイミングにおいて、個別計数装置50の計数/停止ボタン309を遊技者が操作すると、一時貯留部60に貯留された持ち玉は、持ち上げ機構部70によって転動レーン101へと運ばれ、当該転動レーン101を排出部52へと転動する。
転動レーン101を転動した持ち玉は、続く転動レーン121を転動する。転動レーン121を転動する持ち玉は、計数センサ122A、122B、123A、123Bによって計数され、この計数結果は、制御部301によって第1表示部306に表示される。
また、転動レーン121を転動する、計数済みの持ち玉は、切替部130において、分岐レーン(第1分岐レーン135A、第2分岐レーン135B)に分岐されて貯留部160へ選択的に誘導される。すなわち、貯留部160に一定量の持ち玉が貯留されていない場合には、持ち玉は切替部130において分岐レーンへ誘導されて貯留部160に貯留される。これに対して、貯留部160に一定数の持ち玉が貯留されている場合には、転動レーン121を転動する持ち玉は、貯留部160へ誘導されることなく、排出口54へ転動する。これにより、貯留部160には、常に一定数の持ち玉が貯留されていることになる。排出口54へ転動した計数済みの持ち玉は、サンド20へ排出され、その後、回収用の所謂どぶへ排出される。
個別計数装置50において計数された持玉数は、上述したように第1表示部306に表示されることに加えて、個別計数装置50の制御部301内のRAM305に記憶されると共に、サンド20へ送信され、当該サンド20に挿入されている情報カード500の対応する記憶領域(1円台用の記憶領域、2円台用の記憶領域又は4円台用の記憶領域)に書き込まれる。この記憶領域に既に持玉数が記憶されている場合には、新たに計数された結果がその持玉数に加算される。
このようにして、遊技者が遊技中に下皿13に入りきれなくなった持ち玉は、従来の玉箱(所謂ドル箱)に代えて、持玉数というデータに置き換えられて、個別計数装置50のRAM305に記憶されると共に、情報カード500に記憶される。このように持ち玉がデータに置き換えられることにより、従来のように玉箱に持ち玉を入れる場合に比べて、上記玉箱を遊技者の遊技領域周辺の通路に重ねて置く必要がなくなり、通路の通行の邪魔になる等の問題が解決される。
データに置き換えられた持ち玉を遊技者が利用する場合、遊技者は、個別計数装置50の持玉払出ボタン308を操作する。この持玉払出ボタン308が操作されると、個別計数装置50の制御部301に記憶されている数の持ち玉がパチンコ遊技機10からその上皿12へ払い出される。この場合、当該持玉数にサンド20によって払い出される単位数で割りきれない端数があると、当該端数分は、個別計数装置50の載置部170へ払い出され、端数を除いた分がパチンコ遊技機10からその上皿12へ払い出される。遊技者は、載置部170へ払い出された端数分の持ち玉を、上皿12に移して遊技を行う。
このように、端数分の持ち玉を、個別計数装置50の載置部170に払い出すようにしたことにより、例えば、従来例のように、サンド20からパチンコ遊技機10の上皿12へノズル等の別部材を用いて持ち玉を払い出す構成に比べて、サンド20や上皿12周辺にノズル等の邪魔な部材を配置する必要がなくなり、ノズルの破損といった不都合が発生することをなくすことができる。また、サンド20のようにパチンコ遊技機10の台の間に設置される装置では、狭い空間にノズル等の機能を配置することが設計上難しいが、個別計数装置50を用いることにより、ノズル等を設ける必要がなくなる分、設計をし易くすることができる。
また、個別計数装置50は、サンド20に対して着脱機構部90によって着脱可能となっていることにより、ホールにとっては、はじめにサンド20のみを導入し、必要に応じて個別計数装置50を導入することが可能になる。これにより、ホールの経営計画をし易くすることができる。
本実施の形態においては、さらに、一時貯留部(ホッパーユニット)60の持ち玉Tを持ち上げ機構部(移送機構部)70の移送開始位置まで転動させる通路部68に、崩し板(玉詰まり防止部材)81が設けられている。広い一時貯留部60から比較的狭い通路部68に転動し、その転動方向を持ち上げ機構部70の方向へ変化させた持ち玉Tは、通路部68の入り口付近で崩し板81の突起部81Aによって強制的に動かされることになる。
このように広い一時貯留部60と比較的狭い通路部68との境界領域であって、さらに持ち玉Tの転動方向が変化する領域にあっては、持ち玉Tが集中して詰まり易くなるが、この領域に設けられた崩し板81の往復運動によって、詰まり易い当該領域の持ち玉Tが強制的に動かされることにより、玉詰まりを防止することができる。この崩し板81の往復運動の方向は、持ち玉Tの転動方向に沿った方向となっていることにより、持ち玉Tを確実に通路に沿った方向(持ち上げ機構部70の方向)へ転動させることができる。
また、崩し板81が設けられた領域には、崩しカム板(板状部材)83の先端部83Bが往復運動するように設けられ、この領域に集中した持ち玉Tの一群に先端部83Bが分け入るように駆動されることにより、集中した持ち玉Tが詰まることを防止することができる。
本実施の形態においては、さらに、貯留部160に貯留された持ち玉Tを、排出機構部(玉上げ装置)200によって載置部170へ移送するようになされている。排出機構部200においては、カム部材210の回転に伴って、当該カム部材210の保持部211A又は211Bが最下部へ至ると、貯留部160の持ち玉Tは、貯留部160に連通した排出部(第1の通路)150から保持部211A又は211Bへ導入される。
保持部211A又は211Bに保持された持ち玉Tは、カム部材210の回転によって最上部へ至ると、押出し部材208の延伸部208Aによって保持部211A又は211Bから押出されてシュート部材(第2の通路)250へ勢いよく排出される。これにより、持ち玉Tは、シュート部材250から載置部170へと排出される。
このように、持ち玉Tを運び上げる排出機構部200を設けることにより、載置部17及び貯留部160を上下に配置することができ、上下のスペースを有効に利用することができる。
本実施の形態においては、さらに、載置部170へ持ち玉Tを払い出す前段に、貯留部160が設けられ、転動レーン121を転動する持ち玉T(すなわち、計数済みの持ち玉T)が当該貯留部160に貯留されて、この貯留部160から必要に応じて余り玉(サンド20及びパチンコ遊技機10を介して払い出せない端数の持ち玉)として載置部170へ払い出される。
貯留部160への持ち玉Tの補充は、転動レーン121を転動する持ち玉Tを切替部130によって切り替えることにより行われる。すなわち、貯留部160(余玉ケース140)に重り152の重量によって決まる一定数の持ち玉Tが貯留されていない場合、杆板149によるシーソ杆の作用により、膨出部141A、141Bが転動レーン121内に上昇することにより、当該転動レーン121を転動する計数済みの持ち玉Tが貯留部160(余玉ケース140)へ誘導される。これに対して、貯留部160(余玉ケース140)に一定数の持ち玉Tが貯留されている場合、膨出部141A、141Bが転動レーン121から下方に退避することにより、当該転動レーン121を転動する計数済みの持ち玉Tは、貯留部160へは誘導されずに排出口54へ転動する。
これにより、貯留部160には、一定の持ち玉Tが貯留されることになり、余り玉が必要な場合には、排出機構部200によって、貯留部160から載置部170へ持ち玉Tが余り玉として払い出されることになる。
このように、本実施の形態においては、転動レーン121を転動する持ち玉Tを、膨出部141A、141Bの誘導面142A、142Bによって貯留レーン(第1分岐レーン135A、第2分岐レーン135B)へ誘導することにより、持ち玉Tを安定して貯留部160へ誘導することができる。
また、膨出部141A、141Bの転動レーン121への出没動作の駆動源として、重り152を用いたことにより、例えばばね等を用いる場合に比べて、寿命を長くすることができる。
(他の実施の形態)
(1) 上述の図49は、個別計数装置50において計数処理及び持玉払出処理を実行する場合について述べたが、サンド20においてこれらの処理を実行するようにしてもよい。図50は、計数処理及び持玉払出処理をサンド20の制御により実行する場合における、パチンコ遊技機10、サンド20及び個別計数装置50の処理を示すタイミングチャートである。なお、情報カード500がサンド20に挿入された場合に個別計数装置50の第2表示部307に持玉数を表示する処理(ステップS201、ステップS501、ステップS502)は、図49に示した処理と同様であるので、重複した説明は省略する。
図50に示すように、個別計数装置50の計数/停止ボタン309が操作されると、個別計数装置50は、ステップS511において、計数処理の開始指示をサンド20へ送信する。この指示を受信したサンド20は、ステップS211において計数処理を実行する。計数開始指示を送信した後、個別計数装置50は、計数センサ122A、122B、123A、123B及び予備センサ124、125の検出結果を、サンド20へ送信する(ステップS512)。
因みに、図50に示す場合においても、サンド20において、情報カード500が抜き取られると(ステップS205)、抜き取られた旨の通知がサンド20から個別計数装置50へ送信され、これにより、個別計数装置50では、RAM305に記憶されている持玉数をリセットする(ステップS509)。
図51は、サンド20における計数処理(ステップS211)の詳細を示すフローチャートである。図51に示すように、サンド20のCPUユニット32は、当該処理手順に入ると、ステップS231において、個別計数装置50から受信した計数センサ122A、122B、123A、123Bの検出結果に基づいて、持ち玉の数をカウントする。
また、CPUユニット32は、ステップS232において、計数センサ122A、122B、123A、123B及び予備センサ124、125からの検出結果に基づき、異常があるか否かを判断する。異常があると判断すると、CPUユニット32は、ステップS232からステップS233へ処理を移して、計数の停止及び第1表示部306にエラー表示を行う旨の指示を個別計数装置50へ送信する。これに対して、異常がないと判断すると、CPUユニット32は、ステップS232からステップS234へ処理を移して、一定時間検出結果が受信されないか否かを判断する。一定時間検出結果が受信されない場合、このことは、一時貯留部60に貯留されている全ての持ち玉の検出が終了したことを意味しており、CPUユニット32は、ステップS234からステップS235へ処理を移して、計数結果をCPUユニット32のRAM32Aに記憶し、続くステップS236において、計数結果を個別計数装置50へ送信する。さらに、CPUユニット32は、ステップS237において、RAM32Aの計数結果を、情報カード500の該当する記憶領域の持玉数に加算することにより、当該持玉数を更新する。
かくして、サンド20のCPUユニット32の制御により、個別計数装置50において持ち玉の計数が実行される。
図50のステップS211において、サンド20から個別計数装置50に対して計数停止、エラー表示指示が送信されると、個別計数装置50は、ステップS513において計数モータ77を停止させると共に、第1表示部306にエラー表示を行う。
また、ステップS211において、サンド20から個別計数装置50に対して計数結果が送信されると、個別計数装置50は、ステップS514において、RAM305の持玉数を更新すると共に、更新された持玉数を第1表示装置306に表示する。
次に、個別計数装置50において、持玉払出ボタン308が操作された場合、個別計数装置50から持玉払出処理の開始指示がサンド20に送信される(ステップS515)。この場合、個別計数装置50のRAM305に記憶されている持玉数データが開始指示と共に個別計数装置50からサンド20に送信される。
開始指示を受信したサンド20のCPUユニット32は、ステップS212において持玉払出処理を実行する。図52は、サンド20における持玉払出処理(ステップS212)の詳細を示すフローチャートである。図52に示すように、サンド20のCPUユニット32は、当該処理手順に入ると、ステップS241において、持玉数を個別計数装置50から取得してRAM32Aに記憶する。そして、続くステップS242において、CPUユニット32は、取得した持玉数に端数があるか否かを判断する。端数がある場合、CPUユニット32は、ステップS242からステップS243へ処理を移して、端数を表す端数データを個別計数装置50へ送信する。
ステップS242において端数がないと判断した場合、又はステップS243の処理の後、CPUユニット32は、ステップS244へ処理を移して、端数以外の払出指示をパチンコ遊技機10へ送信する。そして、CPUユニット32は、ステップS245へ処理を移して、挿入されている情報カード500の該当する記憶領域の持玉数から、払い出された数を減算してこの値を更新する。そして、CPUユニット32は、ステップS246へ処理を移して、払出結果を個別計数装置50へ送信する。
図50に示すように、サンド20の持玉払出処理(ステップS212)において、サンド20から個別計数装置50に対して端数データが送信されると、個別計数装置50は、ステップS515において余玉払出処理を実行することにより、端数を余り玉として載置部170へ払い出す。図53は、個別計数装置50における余玉払出処理(ステップS516)を示すフローチャートである。
図53に示すように、個別計数装置50のCPU303は、余玉払出処理に入ると、ステップS521において、余玉モータ201(図30〜図33)を駆動することにより、貯留部160に貯留されている持ち玉を、載置部170へ払い出す。この場合、余玉カウンタ202(図41)は、載置部170へ払い出される持ち玉の数をカウントし、CPU303は、ステップS522において、余玉カウンタ202(図41)のカウント結果が端数に達したか否かを判断する。そして、CPU303は、端数に達するまで、ステップS521及びステップS522の処理を繰り返す。ステップS522において、載置部170に払い出された持ち玉の数が端数に達したと判断すると、CPU303は、ステップS522からステップS523へ処理を移して、余玉モータ201を停止させる。これにより、載置部170には、端数分の持ち玉が払い出されることになる。
また、図50に示すように、サンド20の持玉払出処理(ステップS212)において、サンド20からパチンコ遊技機10に対して端数以外の払出指示が送信されると、パチンコ遊技機10は、持玉数のうち端数を除いた数を上皿12から払い出す(ステップS101)。これにより、パチンコ遊技機10では、端数以外の持ち玉が上皿12に払い出されると共に、個別計数装置50では、端数分の持ち玉が余り玉として載置部170に払い出される。
サンド20における払出処理(ステップS212)において、サンド20から個別計数装置50に対して払出結果が送信されると、個別計数装置50は、ステップS517において、RAM305の持玉数から払い出された数を減算することにより持玉数を更新する。そして、個別計数装置50は、ステップS518において、更新された持玉数を、第1表示部306に表示する。因みに、全ての持ち玉が払い出された場合は、RAM305において更新された結果は、持玉数「0」となり、第1表示部306には、「0」が表示される。
かくして、サンド20において計数処理(ステップS211)及び持玉払出処理(ステップS212)を実行することができる。
(2) 上述の実施の形態においては、個別計数装置50から排出された計数済の持ち玉をサンド20を介してどぶへ回収する場合について述べたが、これに限られるものではなく、サンド20を介さずに、個別計数装置50から直接どぶへ排出するようにしてもよい。
(3) 上述の実施の形態においては、計数センサ122A、122B、123A、123B及び予備センサ124、125として、磁気センサを用いる場合について述べたが、これに限られるものではなく、例えば発光部及び受光部からなる光センサ等、他のセンサを用いることができる。
(4) 上述の実施の形態においては、パチンコ遊技機10の下皿13の開口部14(図1)から個別計数装置50の一時貯留部60へ持ち玉を導入する場合について述べたが、これに限られるものではなく、上皿12から個別計数装置50へ専用の導入路を設けて導入させたり、又は、下皿13や上皿12ではなく、パチンコ遊技機10と個別計数装置50との間に専用の導入路を設けて、遊技者の持ち玉をパチンコ遊技機10から個別計数装置50へ導入するようにしてもよい。
(個別計数装置の概要)
本実施の形態における個別計数装置50は、パチンコ遊技機10から排出された遊技者の持ち玉Tを導入する導入開口部55と、導入開口部55を介して導入された持ち玉Tを回収のために排出する排出部52と、導入開口部55から導入された持ち玉Tを排出部52へ導く転動レーン101と、転動レーン101を転動する持ち玉Tを検出するセンサ(計数センサ122A、122B、123A、123B)と、転動レーン101を転動する持ち玉Tの経路を切り替える切替部130と、経路を切り替えられた持ち玉Tを貯留する貯留部160と、貯留部160に貯留された持ち玉Tを、外部に開放された載置部170へ排出する排出機構部200と、を備える。
上記構成によれば、計数された持ち玉Tの一部を、回収用のどぶへ排出することなく貯留しておき、玉貸し装置(サンド20)によって払い出しが困難な数の余り玉の払い出しが必要になった場合に、貯留された当該持ち玉を余り玉として、外部に開放された載置部170に排出し載置することにより、サンド20によって払い出しが困難な数の余り玉を、当該載置部170を介して遊技者へ払い出すことができる。これにより、余り玉を排出するための機能(ノズル等)を有していない玉貸し装置(サンド20)に対して、当該機能を容易に追加することができる。
また、本実施の形態における個別計数装置50は、上記構成に加えて、パチンコ遊技機10に併設され、パチンコ遊技機10を介して遊技者にパチンコ玉を貸し出す玉貸し装置(サンド20)に対して着脱を行うための着脱部(着脱機構部90)を備え、着脱部(着脱機構部90)を介して玉貸し装置(サンド20)に装着された場合に、導入開口部55が、パチンコ遊技機10の持ち玉が排出される下皿13の底面部開口の下方に配置されるように構成されている。
上記構成によれば、玉貸し装置(サンド20)に対して着脱可能であることにより、ホール側で個別計数装置50が必要であると判断した時点でこれを導入することができ、ホールの経営に対して柔軟に対応することができるようになる。さらに具体的には、個別計数装置50は、貸し玉装置(サンド20)に装着された状態では、パチンコ遊技機10の前方に迫り出した部分(従来、玉箱を載せていた部分)に載置されるようになっており、この状態において、パチンコ遊技機10の下皿13の底部開口の下方に、導入開口部55が配置されるように構成されている。これにより、玉貸し装置(サンド20)に装着された個別計数装置50は、その導入開口部55にパチンコ遊技機10の下皿から落下する持ち玉を導入することが可能となる。すなわち、パチンコ遊技機10の下皿13に持ち玉を排出するためのシャッタ付きの底部開口が形成されていることに応じて、この下方に導入開口部55が配置されるように当該導入開口部55の位置が決められている。これにより、パチンコ遊技機10及びこれに玉貸し装置(サンド20)が併設される従来のレイアウトにおいて、個別計数装置を容易に装着することができる。
また、本実施の形態における個別計数装置50は、上記構成に加えて、センサ(計数センサ122A、122B、123A、123B)の検出結果によって計数された数の持ち玉Tを遊技用に払い出す指示操作を受け付ける持ち玉払出操作部(持玉払出ボタン308)と、持ち玉払出操作部(持玉払出ボタン308)の操作結果に基づいて、計数された数の持ち玉Tを払い出す際に、払い出される当該持ち玉数のうち、玉貸し装置(サンド20)によって払い出される払出単位数に対する余り玉を排出機構部200によって貯留部160から載置部170へ排出させる排出制御部200を備える。
上記構成によれば、持玉数のうち、玉貸し装置(サンド20)によって払い出される払い出し単位数に対する余り玉を貯留部160から載置部170へ排出することにより、余り玉を排出するための機構を玉貸し装置(サンド20)に別途設ける必要がなくなる。
また、本実施の形態における玉詰まり防止装置は、パチンコ玉を転動させる傾斜状の通路部68と、通路部68に設けられ、通路部68のパチンコ玉を強制的に動かすことで当該パチンコ玉の玉詰まりを防止する玉詰まり防止部材(崩し板81)と、を備える。
上記構成によれば、パチンコ玉が転動する通路部68において、当該パチンコ玉を強制的に動かす玉詰まり防止部材(崩し板81)を設けることにより、多くのパチンコ玉が集中した場合であっても玉詰まりの発生を防止することができる。特に、比較的大きなホッパーユニット(一時貯留部60)から比較的狭い通路部68にパチンコ玉が集まるような構成においては、当該パチンコ玉が玉詰まりを起こす可能性が高いが、通路部68におけるパチンコ玉を強制的に動かすことで、玉詰まりを未然に防止することができる。
また、本実施の形態における玉詰まり防止装置は、上記構成に加えて、玉詰まり防止部材(崩し板81)は、通路部68に面した表面に突起部81Aを有し、通路部68に沿って往復運動する。
上記構成によれば、通路部68のパチンコ玉に対して、当該パチンコ玉の転動経路に沿って、突起部81Aを有する玉詰まり防止部材(崩し板81)を往復運動させることにより、当該突起部81Aによってパチンコ玉を転動経路に沿った方向に強制的に動かすことができる。これにより、パチンコ玉を止まらせることなく転動させることができ、玉詰まりを防止することができる。また、好ましくは、通路部68に沿って複数の突起部81Aを設け、各突起部81Aの間隔を、パチンコ玉の直径よりも大きくし、玉詰まり防止部材(崩し板81)の往復運動の振幅を突起部81Aの間隔以上とすることにより、突起部81Aがパチンコ玉に確実に当たるようにすることができる。
本実施の形態における玉詰まり防止装置は、上記構成に加えて、玉詰まり防止部材(崩し板81)は、断面凹状の通路部68の側面に突起部81Aを通路部側に向けて配置され、パチンコ玉の転動方向に往復運動することを特徴としている。
上記構成によれば、通路部68のパチンコ玉に対して、当該パチンコ玉の転動方向に玉詰まり防止部材(崩し板81)を往復運動させることにより、当該突起部81Aによってパチンコ玉を転動経路に沿った方向に強制的に動かすことができる。これにより、パチンコ玉を止まらせることなく転動させることができ、玉詰まりを防止することができる。特に、断面凹状の通路部68の側面部において、玉詰まり防止部材(崩し板81)を、その突起部81Aを通路側に向けて、パチンコ玉の転動方向に往復運動させることにより、例えば、突起部81Aをパチンコ玉の転動方向とは異なる上下方向等に往復運動させる場合に比べて、玉詰まりを一段と効果的に低減することができる。
本実施の形態における玉詰まり防止装置は、上記構成に加えて、玉詰まり防止部材(崩し板81)によって強制的に動かされるパチンコ玉の一群に分け入る板状部材(崩しカム板83)を備える。
上記構成によれば、一群のパチンコ玉の間に板状部材(崩しカム板83)を分け入らせることで、当該一群のパチンコ玉が詰まりかけてもこれを崩すことができ、パチンコ玉が玉詰まり防止部材(崩し板81)によって強制的に動かされることと相まって、当該パチンコ玉の一群の詰まり状態を有効に崩して通路部68を安定に転動させることができる。
本実施の形態における個別計数装置50は、パチンコ遊技機10から排出された遊技者の持ち玉Tを導入する導入口55と、導入口55を介して導入された持ち玉Tを貯留するホッパーユニット(一時貯留部60)と、ホッパーユニット(一時貯留部60)に貯留された持ち玉Tを、ホッパーユニット(一時貯留部60)よりも低い移送開始位置まで転動させる通路部68と、移送開始位置の持ち玉Tを当該移送開始位置よりも高い位置まで移送する移送機構部(持ち上げ機構部70)と、移送機構部(持ち上げ機構部70)によって移送された持ち玉Tを導入し、導入された当該持ち玉Tを、当該導入位置よりも低い位置まで転動させる転動部100と、転動部100を転動する持ち玉Tを検出するセンサ122A、122B、123A、123Bと、転動部100を転動した持ち玉Tを回収のために排出する排出部52と、通路部68に設けられ、通路部68の持ち玉Tを強制的に動かすことで当該持ち玉Tの玉詰まりを防止する玉詰まり防止部材(崩し板81)と、を備える。
上記構成によれば、持ち玉Tが転動する通路部68において、当該持ち玉Tを強制的に動かす玉詰まり防止部材(崩し板81)を設けることにより、多くの持ち玉Tが集中した場合であっても玉詰まりの発生を防止することができる。特に、比較的大きなホッパーユニット(一時貯留部60)から比較的狭い通路部68に持ち玉Tが集まる構成においては、当該持ち玉Tが玉詰まりを起こす可能性が高いが、通路部68における持ち玉Tを強制的に動かすことで、玉詰まりを未然に防止することができる。特に、ホッパーユニット(一時貯留部60)の側縁部に沿って通路部68を設ける構成においては、ホッパーユニット(一時貯留部60)から通路部68へ転動する持ち玉Tの転動方向が、通路部68の入り口付近で変化することとなり、この部分に持ち玉Tが集中することになる。従って、この持ち玉Tの転動方向が変化する通路部68の入り口付近に玉詰まり防止部材(崩し板81)を配置することにより、ホッパーユニット(一時貯留部60)から通路部68への持ち玉Tの円滑な流入を実現することができる。
本実施の形態における個別計数装置50は、上記構成に加えて、玉詰まり防止部材(崩し板81)は、通路部68に面した表面に突起部81Aを有し、通路部68に沿って往復運動する。
上記構成によれば、通路部68の持ち玉Tに対して、当該持ち玉Tの転動経路に沿って、突起部81Aを有する玉詰まり防止部材(崩し板81)を往復運動させることにより、当該突起部81Aによって持ち玉Tを転動経路に沿った方向に強制的に動かすことができる。これにより、持ち玉Tを止まらせることなく転動させることができ、玉詰まりを防止することができる。また、好ましくは、通路部68に沿って複数の突起部81Aを設け、各突起部81Aの間隔を、持ち玉Tの直径よりも大きくし、玉詰まり防止部材(崩し板81)の往復運動の振幅を突起部81Aの間隔以上とすることにより、突起部81Aが持ち玉Tに確実に当たるようにすることができる。
本実施の形態における個別計数装置50は、上記構成に加えて、玉詰まり防止部材(崩し板81)は、断面凹状の通路部68の側面に突起部81Aを通路部側に向けて配置され、持ち玉Tの転動方向に往復運動する。
上記構成によれば、通路部68の持ち玉Tに対して、当該持ち玉Tの転動方向に玉詰まり防止部材(崩し板81)を往復運動させることにより、当該突起部81Aによって持ち玉Tを転動経路に沿った方向に強制的に動かすことができる。これにより、持ち玉Tを止まらせることなく転動させることができ、玉詰まりを防止することができる。特に、断面凹状の通路部68の側面部において、玉詰まり防止部材(崩し板81)を、その突起部81Aを通路側に向けて、持ち玉Tの転動方向に往復運動させることにより、例えば、突起部81Aを持ち玉Tの転動方向とは異なる上下方向等に往復運動させる場合に比べて、玉詰まりを一段と効果的に低減することができる。
本実施の形態における個別計数装置50は、上記構成に加えて、玉詰まり防止部材(崩し板81)によって強制的に動かされる持ち玉Tの一群に分け入る板状部材(崩しカム板83)を備える。
上記構成によれば、一群の持ち玉Tの間に板状部材(崩しカム板83)を分け入らせることで、当該一群の持ち玉Tが詰まりかけてもこれを崩すことができ、持ち玉Tが玉詰まり防止部材(崩し板81)によって強制的に動かされることと相まって、当該持ち玉Tの一群の詰まり状態を有効に崩して通路を安定に転動させることができる。
本実施の形態における個別計数装置50は、上記構成に加えて、玉詰まり防止部材(崩し板81)は、移送機構部(持ち上げ機構部70)の駆動源(計数モータ77)によって駆動される。
上記構成によれば、移送機構部(持ち上げ機構部70)の駆動源(計数モータ77)と玉詰まり防止部材(崩し板81)の駆動源とを共用とすることにより、駆動源の数を増加させることなく、有効に玉詰まりを防止することができる。
また、本実施の形態における玉上げ装置(排出機構部200)は、パチンコ玉(計数済みの持ち玉T)が転動する第1の通路150を転動するパチンコ玉を、上方に配置された第2の通路(シュート部材250)に移送する玉上げ装置(排出機構部200)であって、ケーシング(マスク板209)と、ケーシング(マスク板209)に支持され、垂直成分を有する仮想平面上で回転可能に設けられたロータ(カム部材210)と、ロータ(カム部材210)の外周近傍に設けられ、ロータ(カム部材210)の回転に応じて、第1及び第2の通路に対して適宜に連通する凹部(保持部211A、211B)と、ロータ(カム部材210)を回転するモータ(余玉モータ201)と、モータ(余玉モータ201)を制御する制御部301と、ケーシング(マスク板209)に設けられ、凹部(保持部211A、211B)に収納されたパチンコ玉を第2の通路(シュート部材250)に押し出す押出部(押出し部材208)と、を備え、押出部(押出し部材208)は、凹部(保持部211A、211B)が第2の通路(シュート部材250)に対して連通した際に、凹部(保持部211A、211B)に収納されたパチンコ玉を、ロータ(カム部材210)の回転力によって第2の通路(シュート部材250)へ押し出す構成を有している。
上記構成によれば、第1の通路150から第2の通路(シュート部材250)に対して、必要な個数のパチンコ玉を移送することができる。また、凹部(保持部211A、211B)が第2の通路(シュート部材250)に連通した際に、当該凹部(保持部211A、211B)のパチンコ玉が押出部(押出し部材208)によって第2の通路(シュート部材250)に押し出されることにより、パチンコ玉を勢いよく確実に排出することができる。なお、この玉上げ装置(排出機構部200)は、個別計数装置50に限らず、パチンコ玉を扱う他の装置においても広く適用することができるものである。
本実施の形態における玉上げ装置(排出機構部200)は、上記構成に加えて、押出部(押出し部材208)は、ケーシング(マスク板209)に対して着脱可能な板ばね状の金属部材である構成を有している。
上記構成によれば、押出部(押出し部材208)を交換することができる。なお、金属部材は、ロータ(カム部材210)の回転によって凹部(保持部211A、211B)が第2の通路(シュート部材250)に連通した際に、ケーシング(マスク板209)から凹部内に挿入されるように支持されており、ロータ(カム部材210)の回転に伴って、凹部内のパチンコ玉を掬い取るように第2の通路(シュート部材250)へ押し出すように構成されることが好ましい。
本実施の形態における個別計数装置50は、パチンコ遊技機10から排出される遊技者の持ち玉Tを計数する個別計数装置50であって、パチンコ遊技機10から排出された持ち玉Tを計数するセンサ122A、122B、123A、123Bと、計数された持ち玉Tを貯留する貯留部160と、貯留部160に貯留された持ち玉Tの必要数を、貯留部160の上方に設けられた載置部170に移送する玉上げ機構部(排出機構部200)と、を備え、玉上げ機構部(排出機構部200)は、ケーシング(マスク板209)と、ケーシング(マスク板209)に支持され、垂直成分を有する仮想平面上で回転可能に設けられたロータ(カム部材210)と、ロータ(カム部材210)の外周近傍に設けられ、ロータ(カム部材210)の回転に応じて、貯留部160に連通する第1の通路150及び載置部170の上部に設けられた第2の通路(シュート部材250)に対して適宜に連通する凹部(保持部211A、211B)と、ロータ(カム部材210)を回転するモータ(余玉モータ201)と、モータ(余玉モータ201)を制御する制御部301と、ケーシング(マスク板209)に設けられ、凹部(保持部211A、211B)に収納された持ち玉Tを第2の通路(シュート部材250)に押し出す押出部(押出し部材208)と、を有し、押出部(押出し部材208)は、凹部(保持部211A、211B)が第2の通路(シュート部材250)に対して連通した際に、凹部(保持部211A、211B)に収納された持ち玉Tを、ロータ(カム部材210)の回転力によって第2の通路(シュート部材250)へ押し出す構成を有している。
上記構成によれば、持ち玉Tの貯留部160に連通する第1の通路150から載置部170の上方に設けられた第2の通路(シュート部材250)に対して、必要な個数の持ち玉Tを移送することができる。また、凹部(保持部211A、211B)が第2の通路(シュート部材250)に連通した際に、当該凹部(保持部211A、211B)の持ち玉Tが押出部(押出し部材208)によって第2の通路(シュート部材250)に押し出されることにより、持ち玉Tを勢いよく確実に排出することができる。これにより、貯留部160に貯留された持ち玉Tの必要数を、載置部170へ移送することができる。かかる構成の持ち玉Tの玉上げ機構部(排出機構部200)を備えることにより、貯留部160と載置部170とを上下に配置することができ、上下のスペースを有効に利用した個別計数装置50を実現することができる。
また、本実施の形態におけるレーン切替装置は、パチンコ玉を転動させる転動レーン121と、転動レーン121から当該転動レーン121と直交成分を有して分岐する分岐レーン135A、135Bと、転動レーン121を転動するパチンコ玉を分岐レーン135A、135Bへ誘導する誘導面142A、142Bを有する膨出部141A、141Bを、転動レーン121と分岐レーン135A、135Bとの分岐部分において転動レーン121へ出没させるレーン切替機構部(切替部130)と、を備える。
上記構成によれば、転動レーン121に膨出部141A、141Bを出没させるという簡単かつ安定な動作によりパチンコ玉の転動レーン121を切り替えることができる。なお、このレーン切替装置(切替部130)は、個別計数装置50に限らず、パチンコ玉を扱う他の装置においても広く適用することができる。
本実施の形態におけるレーン切替装置は、上記構成に加えて、転動レーン121と分岐レーン135A、135Bとの分岐部分に設けられた転動レーン121の底部のパチンコ玉よりも小さい幅の開口部131A、131Bを備え、レーン切替機構部(切替部130)は、膨出部141A、141Bを開口部131A、131Bを介して転動レーン121へ出没させる。
上記構成によれば、転動レーン121の底面に設けられた開口部131A、131Bから転動レーン121内へ膨出部141A、141Bを出没させることにより、パチンコ玉を分岐させない場合には、膨出部141A、141Bを転動レーン121の底面下に退避させることができるので、不要な場合には膨出部141A、141Bが転動レーン121を転動するパチンコ玉の障害になることを防止することができる。これにより、安定したレーン切り替えを行うことができる。
本実施の形態におけるレーン切替装置は、上記構成に加えて、分岐レーン135A、135Bは、当該分岐レーン135A、135Bに誘導されたパチンコ玉を貯留する貯留部160に接続され、レーン切替機構部(切替部130)は、貯留部150に誘導されたパチンコ玉の総重量の作用により、開口部131A、131Bから転動レーン121へ膨出部141A、141Bを出没させる。
上記構成によれば、貯留部160に貯留されたパチンコ玉の総重量に応じて、レーン切替機構部(切替部130)に膨出部141A、141Bを出没させて、貯留部160へパチンコ玉を誘導するか否かを切り替えることができる。すなわち、貯留部160のパチンコ玉が少なくなると、転動レーン121から当該貯留部160へパチンコ玉を補充することができる。このように、転動レーン121に出没する膨出部141A、141Bを用いて転動レーン121を転動するパチンコ玉を貯留部160へ誘導するようにしたことにより、必要な数のパチンコ玉を貯留部160に貯留させることが可能となる。
また、好ましくは、転動レーン121として複数のレーン(第1レーン121A、第2レーン121B)を設け、これらの各々に膨出部141A、141Bを出没させることにより、一度に多くのパチンコ玉を処理することができる。複数の膨出部141A、141Bは、1つの貯留部160に設けられており、複数のレーン(第1レーン121A、第2レーン121B)から分岐レーン135A、135Bに誘導されたパチンコ玉は、それぞれ1つの貯留部160に貯留される。
本実施の形態におけるレーン切替装置は、上記構成に加えて、レーン切替機構部(切替装置130)は、支点を中心として膨出部141A、141B及び貯留部160が配置されてなり、膨出部141A、141B及び貯留部160は、シーソ杆(杆板149)に連結されている。
上記構成によれば、シーソ杆(杆板149)の作用により、膨出部141A、141Bを転動レーン121へ出没させることができる。
本実施の形態におけるレーン切替装置は、上記構成に加えて、シーソ杆(杆板149)は、パチンコ玉が貯留部160に貯留されていない状態で膨出部141A、141Bが下方に位置するように、レーン切替機構部(切替部130)を付勢する重り152を備える。
上記構成によれば、重り152の作用によって転動レーン121への膨出部141A、141Bの出没を制御することにより、膨出部141A、141Bの駆動源として例えばばね部材等を用いる場合に比べて、寿命を長くすることができる。
本実施の形態におけるレーン切替装置は、上記構成に加えて、重り152はシーソ杆(杆板149)に対して着脱自在である。
上記構成によれば、重り152の重さを変更することにより、膨出部141A、141Bによって転動レーン121が切り替わる際の貯留部160のパチンコ玉の数を設定変更することが可能となる。
本実施の形態における個別計数装置50は、パチンコ遊技機10から排出される遊技者の持ち玉Tを計数する個別計数装置50であって、持ち玉Tの導入口と排出口54との間に傾斜状に設けられる持ち玉Tの転動レーン121と、転動レーン121から当該転動レーン121と直交成分を有して分岐し、持ち玉Tの貯留部160と接続される貯留レーン(第1分岐レーン135A、第2分岐レーン135B)と、転動レーン121と貯留レーン(第1分岐レーン135A、第2分岐レーン135B)との分岐部分に設けられた転動レーン121の底部の持ち玉Tよりも小さい幅の開口部131A、131Bと、持ち玉Tを誘導する平面視扇状の誘導面142A、142Bを有する膨出部141A、141Bが、貯留部160へ誘導された持ち玉Tの総重量の作用により、開口部131A、131Bから転動レーン121へ出没するレーン切替機構部(切替部130)と、を備え、レーン切替機構部(切替部130)は、支点(軸部材148)を中心として膨出部141A、141B及び貯留部160が配置されてなり、膨出部141A、141B及び貯留部160は、シーソ杆(杆板149)に連結される。
上記構成によれば、貯留部160に貯留された持ち玉の総重量に応じて、レーン切替機構部(切替部130)に膨出部141A、141Bを出没させて、貯留部160へ持ち玉Tを誘導するか否かを切り替えることができる。すなわち、貯留部160の持ち玉Tが少なくなると、転動レーン121から当該貯留部160へ持ち玉Tを補充することができ、貯留部160に持ち玉が溜まると、転動レーン121を転動する持ち玉Tをそのまま回収用に排出させる。貯留部160に補充された持ち玉Tは、その後、余り玉として遊技者へ払い出されることになる。このように、転動レーン121に出没する膨出部141A、141Bを用いて転動レーン121を転動する持ち玉Tを貯留部160へ誘導するようにしたことにより、安定な動作により貯留部160への持ち玉Tの誘導が可能となる。これにより、パチンコ遊技機10から排出された遊技者の持ち玉Tを計数する際に、その一部を余り玉として貯留部160に誘導して、必要に応じて遊技者に払い出すことが可能となる。
また、好ましくは、転動レーン121として複数のレーン(第1転動レーン121A、第2転動レーン121B)を設け、これらの各々に膨出部141A、141Bを出没させることにより、一度に多くの持ち玉Tを処理することができる。複数の膨出部141A、141Bは、1つの貯留部160に設けられており、複数のレーン(第1転動レーン121A、第2転動レーン121B)から貯留レーン(第1分岐レーン135A、第2分岐レーン135B)に誘導された持ち玉Tは、それぞれ1つの上記貯留部160に貯留される。
また、本実施の形態における個別計数装置50は、上記構成に加えて、シーソ杆(杆板149)は、持ち玉Tが貯留部160に貯留されていない状態で膨出部141A、141Bの側が下方に位置するように、レーン切替機構部(切替部130)を付勢する重り152を備える。
上記構成によれば、重り152の作用によって転動レーン121への膨出部141A、141Bの出没を制御することにより、膨出部141A、141Bの駆動源として例えばばね部材等を用いる場合に比べて、寿命を長くすることができる。
また、本実施の形態における個別計数装置50は、上記構成に加えて、重り152はシーソ杆(杆板149)に対して着脱自在であることを特徴としている。
上記構成によれば、重り152の重さを変更することにより、膨出部141A、141Bによって転動レーン121が切り替わる際の貯留部160の持玉数を設定変更することが可能となる。
因みに、従来のサンドは、その本来の機能が玉貸し機能であり、所定金額単位の玉数を貸し出すものである。例えば、500円単位で貸し出すサンドにおいては、1回の操作で500円分のパチンコ玉がパチンコ遊技機の上皿に払い出されるようになっている。例えば、1玉が4円として設定されている場合には、500円分として125玉がサンドからの指示によってパチンコ遊技機によりその上皿に払い出される。
従って、遊技者が記憶媒体に記憶された持ち玉を使用する場合、サンドの機能によって決まる所定数単位(例えば125玉単位)でしかこれを使用することができない。この点について従来では、計数装置によって計数された持ち玉数として記憶媒体に記憶されている玉数が所定数(例えば125玉)で割り切れない数である場合を考慮し、割り切れない余り玉を遊技者が利用できるようにするため、パチンコ遊技機を介さずに、サンドから直接パチンコ遊技機の上皿に持ち玉を払い出すためのノズルを設けるようにしている(特許文献9(特開2008−29882号公報)、非特許文献1(株式会社マースエンジニアリング、“パーソナルPCシステム”、第1頁、[online]、[2009年3月2日検索]、インターネット〈URL:http://www.mars-eng.co.jp/products/personal_3.html〉)参照)。
しかしながら、余り玉を払い出すためのノズル等の機構を各サンドに設けることは、当該サンドがパチンコ遊技機間の狭い隙間に設けられていることから、設計が難しく、また、このノズルを設けた場合には、遊技者の遊技の邪魔になって破損し易くなり、破損する度にこれを交換する必要がある。
また、ホールにとっては、余り玉を払い出すための機能(ノズル等)が備えられたサンドをはじめから導入することよりも、必要に応じて当該機能を追加することができれば、経営計画上有利であると考えられる。
そこで、本発明の目的は、余り玉を供給するための機能を容易に追加することができる個別計数装置を提供することである。
本発明によれば、余り玉を供給するための機能を容易に追加することができる個別計数装置を提供することができる。