JP6320146B2 - 情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム - Google Patents

情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、印刷データの生成、解析及び再構築技術に関する。
近年、デジタルプリンタの高速化と高画質化に伴い、プリント・オン・デマンド(Print On Demand;以下、PODと記す)市場が拡大している。PODとはデジタルプリンタを使って電子データのプリントを行うサービスのことであり、電子データを用いる特性を活かして、バリアブルデータ印刷(Variable Data Printing;以下、VDPと記す)が行われる。VDPの文書では、固定部分と可変部分を分け、可変部分のデータはCSV(Comma Separated Values)ファイル等のデータソースから供給される。データソースの列(カラム)をテンプレート文書の可変部分と関連付け、データソースの行(レコード)ごとに適用することで、異なる内容の印刷が行われる。顧客ごとに一枚ずつ内容を変えて印刷できるため、顧客に適した印刷物を作成できるという利点がある。ここで、1つのVDPに必要なページレイアウトやデータソース等の論理的な情報の集まりを「VDP文書」と呼び、VDP文書に関する物理的な電子データを「VDPデータ」と呼ぶ。VDPデータは、専用のページ記述言語(Page Description Language;以下、PDLと記す)を用いる場合が多い。VDP専用のPDLは、VDP文書の固定部分のオブジェクト(以下、固定オブジェクトという)を予め定義しておき、固定オブジェクトを後から参照することを示す記述が可能である。PDLの印刷処理の際、個々の固定オブジェクトの解釈処理結果を保持しておき、それが参照される度に解釈処理結果がコピーされるので、VDPデータ全体の処理が速くなる。つまり、VDP専用のPDLは、VDPデータを解析処理するアプリケーションにとって処理効率の良いVDP文書を表現する能力を有する。
VDP専用のPDLとしてPDF/VTがある。PDF(Portable Document Format)は印刷データとして広く普及しており、PDFをベースとしたPDLであるため、PDFを印刷データとして扱うワークフローに対して親和性が高い。しかし、PDF/VTは多数のページ情報を持つ必要があるため、データ量が大きくなってしまうという問題がある。一般的に、VDPではデータソースのレコード数が多いので、ページ情報の数が多くなる結果、全体のデータ量が非常に大きくなる。ページ情報とは、そのページに配置される描画データや、そのページの属性情報である。この課題に対して、VDPデータを印刷データとデータソースに分け、印刷時に印刷データとデータソースを合成する方法が開示されている(特許文献1)。印刷データを1レコード分のページ情報とレコードごとに動的に変化する可変部分の構成情報で構成し、印刷時に可変部分の構成情報をデータソースと合成することにより、データ量を1レコード分に削減できる。
特開2013−134748号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、可変部分の構成情報をデータソースで変換する特別な合成処理が必要となる。PDF/VTのようなVDPデータフォーマットでは、レコード分の展開されたページオブジェクトを持つため、レコード数が多くなるとデータ量が増大してしまう。データ量を1レコード分に削減した印刷データをレコードごとに動的に変化させて印刷するには、特別な合成処理が必要である。
本発明の目的は、レコード数が多い場合でも、印刷データのデータ量を抑えることができ、特別な合成処理を必要とせずに印刷処理を行えるようにすることである。
本発明の一側面に係る情報処理システムは、情報処理装置とプリンタ装置とを含む情報処理システムであって、前記情報処理装置は、ドキュメントテンプレートの可変部分に対して印刷時に参照される複数のデータそれぞれのデータサイズのうち、最大のデータサイズを取得する取得手段と、前記取得手段で取得された最大のデータサイズと同じデータサイズのスタブデータを生成する第1の生成手段と、前記ドキュメントテンプレートと前記生成されたスタブデータとを用いて、印刷データを生成する第2の生成手段と、前記ドキュメントテンプレートの可変部分に対して印刷時に参照される前記複数のデータで構成されるデータソースを生成する第3の生成手段と、を備え、前記第2の生成手段で生成される印刷データは、当該印刷データ内における前記スタブデータが存在する位置を示す参照位置情報を含み、かつ、当該参照位置情報により示される当該印刷データ内の位置に前記スタブデータに関するデータのデータサイズを示す情報と前記スタブデータとが存在する印刷データであり、前記プリンタ装置は、前記第2の生成手段で生成された印刷データと、前記第3の生成手段で生成されたデータソースとを受信する受信手段と、前記受信したデータソースを構成する前記複数のデータを順に対象のデータとして、前記参照位置情報により示される前記受信した印刷データ内の位置に、当該対象のデータに関するデータのデータサイズを示す情報と当該対象のデータと当該対象のデータの最後を示す情報とを上書きすることにより、前記受信した印刷データを再構築する再構築手段と、を備える。
本発明によれば、レコード数が多い場合でも、印刷データのデータ量を抑えることができ、特別な合成処理を必要とせずに印刷処理が可能となる。
本発明の実施形態に係る情報処理システム及び情報処理装置の構成図である。 本発明の実施形態を説明するデータフロー図である。 データベースのイメージ図である。 ドキュメントテンプレート及び印刷データのイメージ図である。 可変部分を決定するUI画面のイメージ図である。 印刷データ及びデータソースの生成処理例を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態における印刷データのイメージ図である。 テキスト用スタブデータを出力した状態の印刷データのイメージ図である。 第1実施形態におけるデータソースのイメージ図である。 第1実施形態における処理を説明するデータフロー図である。 印刷データの再構築処理を説明するフローチャートである。 再構築処理を行ったときの印刷データのイメージ図である。 本発明の第2実施形態の処理例を示すフローチャートである。 第2実施形態における印刷データのイメージ図である。 第2実施形態におけるデータソースのイメージ図である。 第2実施形態の処理を説明するデータフロー図である。 第2実施形態における印刷データの更新処理を示すフローチャートである。 更新処理を行ったときの印刷データのイメージ図である。 PDFの構造を説明するイメージ図である。
以下、本発明の各実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1(A)は、本発明の実施形態に係る情報処理システムに使用する情報処理装置を示す模式図である。情報処理装置は、サーバコンピュータ(以下、サーバと略称する)102、クライアントコンピュータ(以下、クライアントと略称する)103、及びプリンタ装置104であり、それらはネットワーク101を介して接続されており、互いに情報を送受し合う。サーバ102は、ネットワーク101に接続された各種装置とのデータの送受信を管理する。クライアント103は印刷データを編集可能であり、ネットワーク101を介して印刷データをプリンタ装置104やサーバ102に送信する。プリンタ装置104は印刷データを受信すると、必要に応じてサーバ102と通信して印刷動作を開始する。クライアント103ではユーザがアプリケーションを起動してデータ作成や編集を行い、所定形式のデータ、例えばPDFデータを生成可能である。図19を参照して、PDFの構造を説明する。
PDFは、ヘッダ部2001、ボディ部2002、相互参照表2003、トレイラ2004から構成される。ボディ部2002は、ページを構成するリソースについての参照及び定義情報等から構成される。定義情報は、オブジェクト番号で始まる開始タグと終了タグから構成され、例えばページに関する定義情報2005の場合、「7 0 obj」から始まり、「endobj」までの範囲となる。定義情報2005は、オブジェクト番号で始まる参照情報について、例えば1番目の参照情報2006として「23 0 R」、2番目の参照情報2007として「24 0 R」、3番目の参照情報2008として「25 0 R」を持つ。これらは、オブジェクト番号による定義を別にもっており、ページ内で参照していることを示している。例えば、1番目の参照情報2006は、オブジェクト番号23への参照情報であり、「23 0 obj」の形式で定義されているオブジェクト番号23のリソース2009を参照する。オブジェクト番号23のリソース2009は、「23 0 obj」タグから「endobj」タグまでの範囲で実データを保持し、Lengthタグはデータサイズが100バイトであることを示している。また、実データには、JPG等の画像データや文字列で構成されるテキストデータが存在する。各リソースは、Lengthタグ以外にもTypeタグやSubTypeタグ等を使って、リソースの種類を規定している。2番目の参照情報2007や3番目の参照情報2008も同様で、それぞれオブジェクト番号24のリソース2010、オブジェクト番号25のリソース2011を参照することを示す。
相互参照表2003は、各リソースの定義がファイル内のどの位置に存在するかの位置情報を保持している。相互参照表2003は、「nnnnnnnnnn ggggg n」という形式の10桁の数字から開始されるエントリで構成される。さらに、各エントリは、オブジェクト番号0番から順に、オブジェクト番号X番のリソースがどの位置で定義されているかが分かる仕組みとなっている。例えば、オブジェクト番号1番のエントリ2012では「0000000016」であり、オブジェクト番号23番のエントリ2013では「0000000183」である。よって、ファイルの先頭から16バイトの位置にオブジェクト番号1番の定義が存在することや、ファイルの先頭から183バイトの位置にオブジェクト番号23番の定義情報2014が存在することが判る。
PDFでは、オブジェクト番号を用いてリソースを定義/参照し、定義されている位置を相互参照表2003によって管理している。そのため、PDFデータを編集する場合には、オブジェクトの定義/参照の関係が崩れないようにすることや、相互参照表2003によって管理されている位置情報に配慮する必要がある。
次に、図1(B)のブロック図を参照して、サーバ102、クライアント103、及びプリンタ装置104に共通する構成を説明する。
制御部201はCPU(中央演算処理装置)を備え、表示部202や入力部203等を制御する。表示部202は、CRT(陰極線管)や液晶モニタ等の表示デバイスを備える。入力部203は、キーボードや、マウス等のポインティングデバイスを用いたユーザ操作信号を受け付け、制御部201に通知する。RAM(ランダム・アクセス・メモリ)204は不揮発性メモリである。RAM204は、ROM(リード・オンリ・メモリ)205からロードされた各種プログラムコードや、データファイルを記憶する。ROM205は、制御部201のCPUが実行するコンピュータプログラムを記憶する。外部記憶装置206は、例えばハードディスクと、ハードディスクへのデータの読み書きを行う駆動部で構成される。ネットワークを介して別のハードディスクに保存されているデータのやり取りを行うことも可能であり、外部記憶装置206には印刷に必要なデータが格納されている。
本実施形態では、プログラムコードがRAM204上にロードされるものとして説明するが、ROM205から読み出したプログラムコードをCPUが直接実行することも可能である。また、処理対象となる各データはRAM204上にあるものとして説明するが、これらはすべて、外部記憶装置206上に配置することも可能であり、必要に応じて外部記憶装置206からRAM204上にロードして使用することもできる。あるいは、制御部201のキャッシュメモリ上に配置することも同様に可能である。画像形成装置としてのプリンタ装置104は図1(B)に示す構成部の他、印刷処理を行うプリンタエンジンや給排紙ユニット等を備えるが、それらは既知として説明を省略する。
図2は、本実施形態で扱うプログラムコードとデータとの関係を示すデータフロー図である。クライアント103は、このデータフロー図に従って動作する。
UI(ユーザ・インタフェイス)制御部301は、図1(B)の入力部203を介して入力されるデータを扱い、ユーザはUI制御部301により印刷データ生成部302へ指示可能である。また、UI制御部301は、ドキュメントテンプレート303及びデータベース(以下、DBと略記する)304を図1(B)の外部記憶装置206等からロードして、図1(B)の表示部202へ表示させる制御を行う。ドキュメントテンプレート303は、印刷データ305等のPDLの作成に必要な情報であり、レコード単位で変更のない固定部分と、レコード単位でDB304の情報を参照する可変部分から構成されている。DB304は、ドキュメントテンプレート303の可変部分で参照される実データで構成される。印刷データ生成部302は、ドキュメントテンプレート303とDB304からのデータを入力として、プリンタ装置104の入力となる印刷データ305及びデータソース306を生成する。印刷データ305はPDF等のPDLで構成される。データソース306は、ドキュメントテンプレート303の可変部分に対して、印刷時に実際に参照される実データで構成される。
図3はDB304の構造を表形式で例示する。DB304は、ID(識別情報)、種類(テキストやイメージ等)、サイズ、データから構成される。データは、実際にはファイル名やファイルパスで表現される。また、データはDB304に記載のファイル名に基づいてファイルから直接読み出すことで取得できるものとする。例えば、ID001の場合、25バイトの“A.txt”からテキストデータ401が取得され、ID002の場合、9600バイトの“A.jpg”からイメージデータ402が取得される。ID003以降についても同様である。
図4(A)は、ドキュメントテンプレート303をUI制御部301によって表示部202の画面に表示させた場合のイメージを例示する模式図である。ドキュメントテンプレート303は、固定部分501、イメージ用の可変部分502、及びテキスト用の可変部分503から構成されている。固定部分501については、使用するデータが固定であるため、印刷時のイメージを表示している。イメージ用の可変部分502、及びテキスト用の可変部分503については、レコード単位で変わるため、領域だけを表示している。
図4(B)は、印刷データ305をUI制御部301によって表示部202の画面に表示させた場合のイメージを例示した模式図である。印刷データ305は、イメージ用の可変部分502にイメージ用のスタブデータ504が適用され、テキスト用の可変部分503にテキスト用のスタブデータ505が適用された場合を示す。スタブデータとは、レコードごとに異なる実データを参照する可変部分に対して、印刷前に用意しておく仮データのことである。印刷データ305については、印刷前には、レコードごとに可変となる部分に対して、イメージ用のスタブデータ504、テキスト用のスタブデータ505を使用して、置換対象のデータであることを示す。印刷時における印刷データ305は、可変部分に対して、スタブデータの代わりにレコードごとに異なる実データに置換されるので、レコードごとに異なる印刷結果が提供されることになる。
図5(A)及び(B)は、ドキュメントテンプレート303とDB304を入力として、印刷データ305とデータソース306を生成する処理に関するUI制御部301のイメージ図である。図5(A)の編集画面601では、ユーザがドキュメントテンプレート303をプレビューしながら、可変部分で参照する実データをDB304から選択可能である。イメージ選択用のテキストエディタ部602は、画像ファイル“A.jpg”を選択している様子を示している。表示領域603では、実際に選択されたデータがどのように印刷されるかを確認するために画像がプレビュー表示される。同様に、テキスト選択用のテキストエディタ部604は、テキストファイル“A.txt”を選択している様子を示す。表示領域605では、実際に選択されたデータがどのように印刷されるかを確認するために文字列がプレビュー表示される。このように、ドキュメントテンプレート303の可変部分については、編集画面601を使って、印刷時にどのデータを使用して印刷するかが事前に決定される。
図5(B)の出力画面606では、編集画面601においてユーザ操作にしたがって編集された内容が、最終的に印刷データ305とデータソース306として出力される。出力リスト607は、編集画面601を使って編集された結果をリスト表示しており、4つのレコードが作成されたことを示している。例えば、第1のレコード(No1)では、可変部分に“A.jpg”と“A.txt”を使用し、第2のレコード(No2)では、可変部分に“B.jpg”と“B.txt”を使用する。このような出力リスト607が作成された状態で、ユーザが出力ボタン608を操作すると、印刷データ305とデータソース306の生成処理が開始する。
次に各実施形態について説明する。なお、以降に説明するフローチャートによる処理手順は例示であり、本発明を実施する上で各種処理の組み合わせ、または複数の処理の併合もしくは処理の細分化が可能である。処理手順については、個々に切り出してひとつの機能要素として単体として機能させることや、その他の処理と組み合わせて実行することも可能である。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。
図6は、印刷データ生成部302が印刷データ305及びデータソース306を生成する処理の流れを例示するフローチャートである。以下、印刷データ305としてPDFファイルを例に説明する。ユーザが図5(B)の出力ボタン608を操作すると、S701に進む。
UI制御部301が印刷データ生成部302に処理開始を指示すると、印刷データ生成部302は、使用する全てのイメージデータについて、最大のデータサイズを取得する処理を行う(S701)。図5(B)に示す出力リスト607の場合、4レコードが対象となり、各画像ファイルのデータサイズが取得される。使用するイメージデータは、“A.jpg”,“B.jpg”,“C.jpg”であり、図3のサイズ欄を参照して印刷データ生成部302は、それらの最大データサイズとして12800バイトを得る(“B.jpg”参照)。
次に印刷データ生成部302は、S701で取得した最大のデータサイズで、印刷データ305に予め用意しておくイメージ用のスタブデータを作成する処理を行う(S702)。図5(B)に示す出力リスト607の場合、最大データサイズ12800バイトで、イメージ用のスタブデータが作成される。イメージ用のスタブデータについては、予め画像データが用意されており、必要なデータサイズに応じて圧縮されてデータが生成される。なお、印刷データ生成部302は、イメージデータのサイズを微調整する目的で、ファイルフォーマットに違反しない範囲でデータを付加する仕組みを持つ。例えば、JPGファイルの場合には、EXIF(Exchangeable Image File Format)タグのコメント部分のサイズを変更することで、イメージ用のスタブデータのサイズが調整される。
印刷データ生成部302は、使用する全てのテキストデータについて、最大のデータサイズを取得する処理を行う(S703)。図5(B)に示す出力リスト607の場合、4レコードが対象となり、各テキストファイルのデータサイズが取得される。使用するテキストファイルは、“A.txt”,“B.txt”,“C.txt”であり、図3のサイズ欄を参照して印刷データ生成部302は、それらの最大のデータサイズとして100バイトを得る(“B.txt”参照)。そして、印刷データ生成部302は、S703で取得した最大のデータサイズで、印刷データ305に予め用意しておくテキスト用のスタブデータを作成する処理を行う(S704)。図5(B)に示す出力リスト607の場合、最大データサイズ100バイトでテキスト用のスタブデータが作成される。テキスト用のスタブデータの生成においては、任意の長さで作成する目的で、1バイトの文字をデータサイズの分だけ連続して生成すればよい。例えば、1バイトの文字として「a」を選択し、10バイトが必要な場合には、「a」を10個続けて、「aaaaaaaaaa」とすることでテキスト用のスタブデータが得られる。
印刷データ生成部302は、ドキュメントテンプレート303と、S702で作成したイメージ用のスタブデータと、S704で作成したテキスト用のスタブデータを用いて、印刷データ305の作成処理を行う(S705)。印刷データ生成部302は、まず、相互参照表2003(図19参照)についてファイルの先頭からの位置を取得するため、ヘッダ部2001、固定部分、可変部分の総サイズを取得する。ヘッダ部2001のサイズは、出力ごとに変更の必要がないので、予め用意されている固定サイズが取得される。固定部分については、ドキュメントテンプレート303が決まると、使用するデータのサイズを取得することが可能である。可変部分については、使用するスタブデータのサイズが決まっているため、同様にそのサイズを取得することが可能である。取得したサイズを全て加算することで、最終的に出力する相互参照表2003の位置が決定される。印刷データ生成部302は、ヘッダ部2001、固定部分、可変部分に加え、相互参照表2003を出力する。
図7(A)及び(B)、図8は、S705にて出力された印刷データ305の一例を示す。図4(A)のドキュメントテンプレート303に対して、図5(B)の出力リスト607を例にした場合のPDFファイルを示している。
まず、ドキュメントテンプレート303の固定部分501が出力された状態での印刷データ305について説明する。図7(A)は、固定部分501の印刷データ305における出力位置が確定し、相互参照表801によって、どの位置に印刷データ305の固定部分802が存在するかを示している。相互参照表801のエントリには「0000000183」と記載されているため、参照位置803に示すように、ファイル先頭から183バイトの位置に印刷データ305の固定部分802が存在する。また、相互参照表801については、図6のS705において、ヘッダ部分、固定部分、可変部分の総サイズが取得されるので、ファイル先頭からの出力位置が事前に確定している。
次に、図6のS702で作成したイメージ用のスタブデータを出力した状態の印刷データ305について説明する。図7(B)は、S702で作成されたイメージ用のスタブデータ805の出力位置が確定し、相互参照表804において、どの位置にイメージ用のスタブデータが存在するかを示している。相互参照表804のエントリには「0000001503」と記載されているため、参照位置806に示すように、ファイル先頭から1503バイトの位置にイメージ用のスタブデータ805が存在する。また、イメージ用のスタブデータ805のサイズについては、Lengthタグ807を使って12800が出力される。印刷データ305の出力に際して、イメージデータを扱うために必要なタグについても同様に出力される。イメージデータを扱うために必要なタグには、幅や高さ、フォーマット、インデント等を各種指定できるが、これ以外にも設定可能なタグは全て対象である。
図8を参照して、さらに図6のS704で作成されたテキスト用のスタブデータを出力した状態の印刷データ305について説明する。図8は、S704で作成されたテキスト用のスタブデータ809の出力位置が確定し、相互参照表808において、どの位置にテキスト用のスタブデータが存在するかを示している。相互参照表808のエントリには「0000015555」と記載されているため、参照位置810に示すように、ファイル先頭から15555バイトの位置にテキスト用のスタブデータ809が存在する。また、テキスト用のスタブデータ809のサイズについては、Lengthタグ811を使って100が出力される。印刷データ305の出力に際して、テキストデータを扱うために必要なタグも同様に出力されるが説明を省略する。
以上のように、イメージ用のスタブデータ及びテキスト用のスタブデータを用いて印刷データ305が作成される。一例として、固定部分、可変部分の順で印刷データ305を作成する処理を説明したが、印刷データ305のフォーマットに従っている限りにおいて、どの順番で作成してもよい。
図6のS706で印刷データ生成部302は、イメージ用の可変部分502、及びテキスト用の可変部分503から参照されるデータをDB304から取得して、データソース306を作成する処理を行い、図6のシーケンスを終了する。
図9(A)は、図4(A)のドキュメントテンプレート303に対して、図5(B)の出力リスト607が選択された場合に、図6のS706で出力されるデータソース306の一例を表形式で示す。データソース306は、ドキュメントテンプレート303の可変部分で参照される実データに関する複数のオブジェクト情報で構成される。データソース306における各オブジェクト情報は、印刷データの位置901、データサイズ902、実データ903から構成される。実データ903をファイル名で表記しているが、ファイル名に基づいてファイルから直接読み出すことで実データ903を取得できるものとする。つまり、ファイル名とファイル自体を区別せずに説明する。例えば、図5(B)の出力リスト607の場合、データソース306は、イメージ用の可変部分502、及びテキスト用の可変部分503を有する。図9(A)にてID001のオブジェクト情報904は、その印刷データの位置901がファイル先頭から1520バイト目の位置であることを示している。
印刷データの位置901は、図6のS705で作成した印刷データ305の可変部分に対して、オブジェクト番号で始まる開始タグの次のタグについて、ファイルの先頭からの位置で求められる。図7(B)の場合、印刷データの位置901は、可変部分のオブジェクト番号の開始タグ「24 0 obj」の次である、Lengthタグ807の位置(ファイル先頭からの位置)となる。例えばLengthタグ807がファイル先頭から1520バイト目の位置であるとすると、印刷データの位置901も同じく1520となる。図8に示す可変部分であるオブジェクト番号の開始タグ「25 0 obj」の場合も同様である。この場合、印刷データの位置901は、Lengthタグ811の位置(ファイル先頭からの位置)となる。例えば、Lengthタグ811がファイル先頭から15600バイトの位置とすると、印刷データの位置901も同じく15600となる。
図9(A)に示すID001のオブジェクト情報904では、データサイズ902が9630バイトである実データ903として、1つの“A.jpg.dat”を有する。そして、ID001のオブジェクト情報904では、データサイズ902が55バイトである実データ903として“A.txt.dat”をもう1つ持つ。“A.jpg.dat”は、イメージデータそのものに加えて、データサイズ902を表現したLengthタグとデータの最後を示すタグを含む。Lengthタグは、例えば“<< /Length サイズ >>”で構成され、実際のイメージデータの長さを記載し、このタグにイメージデータが続く。データの最後を示すタグは“endobj”で表現され、このendobjタグまでの範囲内のデータが有効データであることを示す。そのため、データソース306におけるデータサイズ902は、イメージデータのサイズに加えて、Lengthタグのサイズ及びデータの最後を示すタグを加えた値となる。例えば、Lengthタグとデータの最後を示すタグの合計のデータサイズが30バイトの場合、“A.jpg.dat”のデータサイズ902は、イメージデータ自体のサイズ9600バイトに30バイトが加算されて9630バイトになる。同様にして、“A.txt.dat”では、Lengthタグが先頭に付加され、これに実際のテキストデータが続き、データの最後を示すendobjタグが最後に付加される。ID002からID004の各オブジェクト情報905から907についても、オブジェクト情報904の場合と同様であるため、それらの説明を省略する。
図9(B)は、データソース306におけるID001のオブジェクト情報904の“A.jpg.dat”のイメージ図である。“A.jpg.dat”は、Lengthタグ908、実際のイメージデータ909、及びデータの最後を示すendobjタグ910から構成される。図9(C)は、データソース306のID001のオブジェクト情報904の“A.txt.dat”のイメージ図である。“A.txt.dat”は、Lengthタグ911、実際のテキストデータ912、及びデータの最後を示すendobjタグ913から構成される。
次に、クライアント103によって作成された印刷データ305とデータソース306に対して、サーバ102及びプリンタ装置104が実行する処理を説明する。以下では、説明を簡単にするため、クライアント103で作成されたデータソース306をサーバ102が保存し、この保存データが必要に応じてプリンタ装置104から参照されるものとする。またクライアント103で作成された印刷データ305はプリンタ装置104に直接送信され、プリンタ装置104内で適切なデータフォーマットに変換処理(RIP)されるものとする。
図10は、本実施形態で扱うプログラムコードとデータがどのような関係にあるかを示すデータフロー図である。プリンタ装置104は、図10のデータフロー図に従って動作する。ジョブ制御部1001は印刷データ受信部1003、印刷データ再構築部1005、データソース受信部1004を制御し、印刷データ格納部1002は受信済みの印刷データを格納する。
ジョブ制御部1001は、図1(B)に示す入力部203を介して入力されるデータを扱い、印刷データ格納部1002に印刷データ305が受信済みであるかどうかを判断する。さらに、ジョブ制御部1001は、ユーザに対して、印刷を開始するかどうかのインタフェイスを提供し、受信済みの印刷データ305の印刷を開始するかどうかを決定する。印刷データ受信部1003は、クライアント103から送られてくる印刷データ305を受信し、受信した印刷データを印刷データ格納部1002に保存する。データソース受信部1004は、サーバ102からデータソース306を取得する処理を行う。印刷データ再構築部1005は、印刷データ305とデータソース306から印刷データ305の再構築処理を行う。
図11を参照して、印刷データ再構築部1005による印刷データ305の再構築処理例について説明する。
ユーザ操作によって印刷の開始が指示されると、ジョブ制御部1001は、印刷対象の印刷データ305を全て受信したか否かを判断する(S1101)。但し、S1101で受信する印刷データ305は、図6のフローチャートでの処理により生成されており、可変部分に適用されているスタブデータをレコードごとの実データに変更する処理が必要である。印刷データ305の受信が完了していない場合(S1101でNO)、ジョブ制御部1001は、印刷データ305を受信するまで待ち状態となる。一方、印刷データ305の受信が完了すると(S1101でYES)、S1102に処理を進める。S1102でジョブ制御部1001は、印刷データ305で使用するデータソースが確定したかどうかを判断する。ここでは、データソース306においてどのレコードが対象なのかが確定するまで待つ処理が行われる。印刷データ305はレコード単位で再構築されるので、どのレコードが印刷対象なのかを待つ必要がある。例えば、データソース306においてNo1からNo4の4レコードが確定すると、ジョブ制御部1001は処理を進め、S1103からS1106を4回繰り返して実行することになる。データソース306が未確定である場合(S1102でNO)、ジョブ制御部1001はデータソース306が確定するまで待ち状態となる。
S1102からS1103に進むと(S1102でYES)、ジョブ制御部1001は、データソース受信部1004に対して、サーバ102からデータソース306を取得するように指示する(S1103)。また、ジョブ制御部1001は、印刷データ再構築部1005に対して、取得したデータソース306のデータを用いて印刷データ305を再構築するように指示する。印刷データ再構築部1005は、データソース306から取得したイメージデータまたはテキストデータで上書きするべきオフセット位置を取得する処理を行う(S1104)。例えば、図9(A)のID001のオブジェクト情報904のイメージデータの場合、オフセット位置は1520である。同様に、テキストデータの場合、オフセット位置は15600である。印刷データ再構築部1005は、印刷データ305に対して、イメージデータまたはテキストデータをS1104で取得したオフセット位置から上書きする処理を行う(S1105)。
図12は、図9(A)のID001のオブジェクト情報904に関して、図8の状態の印刷データ305に対して上書き処理を行った時の印刷データ305のイメージ図である。再構築後の印刷データ305では、イメージ用のスタブデータ1201に対して、データソース306から取得したイメージデータ1202により上書きされている。同様に、再構築後の印刷データ305では、テキスト用のスタブデータ1203に対して、データソース306から取得したテキストデータ1204により上書きされている。プリンタ装置104に投入される印刷データ305において、図6で説明したスタブデータはデータソース306より取得した実データでの上書きにより書き換えられる。この場合、スタブデータは、上書きされる実データの中で最も大きいサイズのデータとして作成される。よって再構築後の印刷データ305は、上書き後において相互参照表1205も含めた構成は崩れないので、ファイル内の整合性が確保される。
図11のS1106で印刷データ再構築部1005は、データソース306に対して全てのイメージデータまたはテキストデータの上書きが完了したかどうかを判断する処理を行う。全ての上書きが完了していない場合、S1103へ処理を戻し、S1103からS1105のステップが繰り返される。一方、S1106で全ての上書きが完了した場合、図11のシーケンスを終了する。
図4(C)は印刷時のイメージ図であり、印刷データ305に対して図11の処理を適用して得られる再構築後の印刷データ305を例示する。ここでは、図9(A)のデータソース306の中でID001のオブジェクト情報904が適用された場合を例示する。プリンタ装置104に投入された印刷データ305にて、各スタブデータは、データソース306から取得したイメージデータ“A.jpg.dat”及びテキストデータ“A.txt.dat”によってそれぞれ更新される。その結果、図4(A)の編集画面のプレビュー表示の場合と同様に、再構築後の印刷データ305は、実データであるイメージデータ1301及びテキストデータ1302を含む。
本実施形態では、印刷データ305に対して事前にスタブデータを付加しておき、印刷処理時にデータソース306から取得した実データを上書きすることで、印刷データの再構築処理が実行される。また、データソース306から取得する実データのサイズ以上のサイズをもつスタブデータを使って印刷データ305を事前に作成することで、再構築処理ではスタブデータの領域を実データで上書きするだけで済む。よって、処理を簡易に実現できる。本実施形態によれば、印刷データのデータ量を抑えた上で、合成にかかる処理を簡単化できる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第1実施形態では、サイズが最大である実データに着目して最大サイズのスタブデータを事前に作成し、スタブデータの領域上に実データを上書きして印刷データの再構築処理を行う構成を示した。この場合、実データのうちで最も大きいサイズでスタブデータが作成されるため、実データのサイズの如何によっては効率的でない場合が起こり得る。また、複数の可変部分が存在する場合には、複数のデータをやり取りする必要があるため、処理の複雑化を招く可能性がある。そこで第2実施形態ではこれらの課題への解決策を説明する。なお、本実施形態にて第1実施形態の場合と同様の部分については既に使用した符号を用いることにより、それらの詳細な説明を省略する。
図13を参照して、本実施形態における印刷データ305及びデータソース306の生成処理例について説明する。
ユーザが図5(B)の出力ボタン608を操作し、UI制御部301が印刷データ生成部302に処理の開始を指示すると、印刷データ生成部302は、印刷データ305に予め用意しておくイメージ用のスタブデータを作成する処理を行う(S1401)。次に印刷データ生成部302は、印刷データ305に予め用意しておくテキスト用のスタブデータを作成する処理を行う(S1402)。イメージ用のスタブデータ及びテキスト用のスタブデータについては特に制約はなく、1レコード目で使用するイメージデータ、テキストデータであってもよい。印刷データ生成部302は、レコードごとに変更のない印刷データ305の固定部分を作成する処理を行う(S1403)。
S1404にて印刷データ生成部302は、S1401及びS1402で作成したスタブデータを用いて、固定部分に続いてレコードごとに変更のある可変部分について、印刷データ305にデータを追加する処理を行う。図14(A)及び(B)に印刷データ305の一例を示す。この印刷データは、図4(A)のドキュメントテンプレート303に対して、図5(B)に示す4レコードの場合に図13のS1403及びS1404で出力されるデータを示しており、PDFの場合を例示している。
図14(A)は、S1403で出力される印刷データ305の一例を示す。印刷データ305は、そのヘッダ情報及び固定部分1501がファイルの先頭から順に出力される。図14(B)は、S1404にて可変部分に関するデータが追加された印刷データ305を例示する。印刷データ305において、イメージ用のスタブデータを使った可変部分1502が追加されている。同様に、印刷データ305において、テキスト用のスタブデータを使った可変部分1503が追加されている。さらには、印刷データ305において、相互参照表1504が追加されている。相互参照表1504は、固定部分1501、イメージ用のスタブデータを使った可変部分1502、テキスト用のスタブデータを使った可変部分1503がそれぞれファイル上のどの位置にあるかを示すポインタのデータをもつ。例えば、印刷データ305の固定部分へのポインタが示す参照位置1505は、ファイル先頭から183バイトの位置に固定部が存在することを示している。また、イメージ用のスタブデータを使った印刷データ305の可変部分へのポインタが示す参照位置1506は、ファイル先頭から1555バイトの位置に当該可変部分が存在することを示している。さらに、テキスト用のスタブデータを使った印刷データ305の可変部分へのポインタが示す参照位置1507は、ファイル先頭から1655バイトの位置に当該可変部分が存在することを示している。
以上のように、印刷データ生成部302は、イメージ用のスタブデータ及びテキスト用のスタブデータをそれぞれ印刷データ305に追加する処理を行う。
図13のS1405で印刷データ生成部302は、印刷時に実データに置換する可変部分について、ファイル先頭からの位置を取得する処理を行う。具体的には、ファイルの先頭から検索が開始して、最も早く検索された印刷データ305の可変部分に係る、ファイル先頭からの位置が取得される。例えば、図14(B)の場合、イメージ用のスタブデータとテキスト用のスタブデータが存在し、検索によりイメージ用のスタブデータの方が先に見つかる。よって、印刷データ生成部302はその位置(1555)を取得する。そして、印刷データ生成部302は、実データを使ってレコードごとのデータソース306を作成する処理を行う(S1406)。次に印刷データ生成部302は、全てのレコードに対して、データソース306を作成したかどうかを判断する処理を行う(S1407)。全レコードに対してデータソース306の作成が完了していない場合(S1407でNO)、S1405へ戻り、S1405及びS1406の処理が繰り返される。また、全レコードに対してデータソース306の作成が完了した場合(S1407でYES)、本シーケンスを終了する。
図15(A)は、図13のS1405からS1407で作成されるデータソース306の一例を表形式で示しており、4レコード分のID及び置換データを例示する。データソース306の各エントリは、更新位置1601、何バイトのデータを更新するのかを表す更新サイズ1602、置換する実データ1603で構成される。なお、置換する実データ1603についてはファイル名で表記しているが、ファイル名に基づいてファイルから直接読み出すことで置換する実データ1603を取得できるものとし、両者を区別せずに説明する。例えば、ID001の置換データ1604は、更新位置1601がファイル先頭から1555バイトであり、更新サイズ1602が10330バイトであり、置換する実データ1603が“A.jpg.A.txt.dat”である。印刷データ生成部302は、図13のS1406において、データソース306の置換データ1604として“A.jpg.A.txt.dat”を作成する。結果として、ID001については、S1404で追加したスタブデータを用いた印刷データ305の可変部分に対して、ファイル先頭から1555バイトの位置から10330バイトの“A.jpg.A.txt.dat”のデータが置換される。PDFファイルの場合、その途中から最後までを置換しても整合性が確保されるように、置換する実データ1603としてイメージデータやテキストデータだけでなくPDFのフォーマットに従ったタグ及び相互参照表が付加される。
図15(B)は、図15(A)のID001の置換データ1604の“A.jpg.A.txt.dat”を示したイメージ図である。以下、PDFを例に説明する。
ID001の置換データ1604には、イメージデータ及びテキストデータ自体の実データに加え、データの最初であることを示すタグ、データの最後であることを示すタグ、データサイズを表現したLengthタグ等が含まれる。イメージデータの定義情報1605の場合、データの最初であることを示すタグは、イメージ用のスタブデータの場合と同じく「24 0 obj」と記載される。これに続いて、データの長さを記載するLengthタグが位置し、例えば“<< /Length 9600 >>”と記載される。さらに、イメージデータの定義情報1605では、Lengthタグに続いてイメージ自体の実データが記載されて、データの最後には「endobj」のタグが付加される。同様に、テキストデータの定義情報1606の場合、データの最初であることを示すタグは、テキスト用のスタブデータの場合と同じく「25 0 obj」と記載される。これに続いて、データの長さを記載するLengthタグが位置し、例えば“<< /Length 30 >>”と記載される。Lengthタグに続いてテキスト自体の実データが記載されて、データの最後には「endobj」タグが付加される。最後に相互参照表1607とトレイラ1608がそれぞれ付加され、印刷データ305の途中から最後まで置換できるように設定される。相互参照表1607では、印刷データ305の固定部分へのポインタの位置データ1609が記載されている。これに続いて、イメージ用の印刷データ305の可変部分へのポインタの位置データ1610が記載されている。ここまでは、図13のS1404で作成した相互参照表1504と同じでよい。印刷データ生成部302は、相互参照表1607にてテキスト用の印刷データ305の可変部分へのポインタの位置データ1611を記載する。この位置データは、イメージ用の実データのサイズとイメージ用のスタブデータのサイズとが異なるため、そのサイズに応じて変更する必要がある。
以上のように印刷データ生成部302は、データソース306をレコードごとに生成する処理を行う。
次に、クライアント103によって作成された印刷データ305とデータソース306に対し、サーバ102及びプリンタ装置104が行う処理について図16を参照して説明する。図16は、本実施形態で扱うプログラムコードとデータがどのような関係にあるかを示すデータフロー図である。図10との相違点は、印刷データ再構築部1005が、印刷データ更新部1705に置換されていることである。その他の部分は図10に示す構成と同様である。
ジョブ制御部1701は、印刷データ格納部1702に印刷データ305が受信済みであるかどうかを判断し、またユーザ操作にしたがって、受信済みの印刷データの印刷を開始するかどうかを決定する。印刷データ更新部1705は、印刷データ受信部1003から印刷データ格納部1702に保存された印刷データ305と、サーバ102からデータソース受信部1704が受信したデータソース306を取得する。印刷データ更新部1705は取得したデータを用いて印刷データ305の更新処理を行う。
図17を参照して、印刷データ305及びデータソース306から印刷データ305を更新する処理例について説明する。
ユーザ操作によって印刷の開始が指示されると、ジョブ制御部1701は、クライアント103から印刷データを受信したか否かを判断する(S1801)。印刷対象の印刷データ305が全て受信されるまでジョブ制御部1701が待ち状態となり(S1801でNO)、印刷データ305の受信が完了すると(S1801でYES)、S1802に処理を進める。S1802でジョブ制御部1701は、印刷データ305で使用するレコードごとのデータソース306が確定したか否かを判断する。データソース306が確定していない場合(S1802でNO)、ジョブ制御部1701は、データソース306が確定するまで待ち状態となる。データソース306が確定すると(S1802でYES)、S1803に処理を進める。S1803でジョブ制御部1701は、データソース受信部1704に対して、サーバ102からデータソース306を取得するように指示する。また、ジョブ制御部1701は、印刷データ更新部1705に対して、取得したデータソース306を用いて印刷データ305を更新するように指示する。印刷データ更新部1705は、取得したデータソース306内の置換データを用いて、印刷データ305を所定の位置から更新する処理を行い、本シーケンスを終了する。
図18は、更新処理を行った場合の印刷データ305のイメージ図である。図14(B)の印刷データ305に対して、図15(A)に示すデータソース306のID001の置換データ1604を用いて、更新処理を行った場合の印刷データ305を例示する。データソース306から更新位置1601、更新サイズ1602、置換する実データ1603を取得する処理が実行される。更新後のデータ1901では、更新位置1601から置換データ1902により上書きされている。つまり、ID001の置換データ1604の場合、印刷データ更新部1705は、ファイル先頭から1555バイトの位置から10330バイトの“A.jpg.A.txt.dat”を使って更新処理を行う。更新後の印刷データ305では、可変部分1903だけでなく相互参照表1904も更新され、また印刷データ305の固定部分へのポインタの位置データ1905を保持している。
本実施形態では、印刷データ305に対して、事前にスタブデータを付加しておき、印刷時にデータソース306から取得した置換データを用いて更新処理が実行される。また、スタブデータについては、データサイズに関する制約がなく、複数の可変部分で参照するデータをデータソース306から取得する場合でも、レコードごとに1つの置換データで済むので、複雑な処理を必要としない。よって、印刷データ305のデータ量を抑えた上で、合成にかかる処理を簡易化できる。
[その他の実施形態]
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
102 サーバコンピュータ
103 クライアントコンピュータ
104 プリンタ装置
302 印刷データ生成部
1005 印刷データ再構築部
1705 印刷データ更新部

Claims (5)

  1. 情報処理装置とプリンタ装置とを含む情報処理システムであって、
    前記情報処理装置は、
    ドキュメントテンプレートの可変部分に対して印刷時に参照される複数のデータそれぞれのデータサイズのうち、最大のデータサイズを取得する取得手段と、
    前記取得手段で取得された最大のデータサイズと同じデータサイズのスタブデータを生成する第1の生成手段と、
    前記ドキュメントテンプレートと前記生成されたスタブデータとを用いて、印刷データを生成する第2の生成手段と、
    前記ドキュメントテンプレートの可変部分に対して印刷時に参照される前記複数のデータで構成されるデータソースを生成する第3の生成手段と、を備え、
    前記第2の生成手段で生成される印刷データは、当該印刷データ内における前記スタブデータが存在する位置を示す参照位置情報を含み、かつ、当該参照位置情報により示される当該印刷データ内の位置に前記スタブデータに関するデータのデータサイズを示す情報と前記スタブデータとが存在する印刷データであり、
    前記プリンタ装置は、
    前記第2の生成手段で生成された印刷データと、前記第3の生成手段で生成されたデータソースとを受信する受信手段と、
    前記受信したデータソースを構成する前記複数のデータを順に対象のデータとして、前記参照位置情報により示される前記受信した印刷データ内の位置に、当該対象のデータに関するデータのデータサイズを示す情報と当該対象のデータと当該対象のデータの最後を示す情報とを上書きすることにより、前記受信した印刷データを再構築する再構築手段と、
    を備えることを特徴とする情報処理システム。
  2. 前記第2の生成手段で生成される印刷データは、更に、前記ドキュメントテンプレートの固定部分含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
  3. 情報処理装置とプリンタ装置とを含む情報処理システムにて実行される情報処理方法であって、
    前記情報処理装置の取得手段が、ドキュメントテンプレートの可変部分に対して印刷時に参照される複数のデータそれぞれのデータサイズのうち、最大のデータサイズを取得する取得ステップと、
    前記情報処理装置の第1の生成手段が、前記取得された最大のデータサイズと同じデータサイズのスタブデータを生成する第1の生成ステップと、
    前記情報処理装置の第2の生成手段が、前記ドキュメントテンプレートと前記生成されたスタブデータとを用いて、印刷データ内における前記スタブデータが存在する位置を示す参照位置情報を含み、かつ、当該参照位置情報により示される当該印刷データ内の位置に前記スタブデータに関するデータのデータサイズを示す情報と前記スタブデータとが存在する印刷データを生成する第2の生成ステップと、
    前記情報処理装置の第3の生成手段が、前記ドキュメントテンプレートの可変部分に対して印刷時に参照される前記複数のデータで構成されるデータソースを生成する第3の生成ステップと、
    前記プリンタ装置の受信手段が、前記第2の生成ステップで生成された印刷データと、前記第3の生成ステップで生成されたデータソースとを受信する受信ステップと、
    前記プリンタ装置の再構築手段が、前記受信したデータソースを構成する前記複数のデータを順に対象のデータとして、前記参照位置情報により示される前記受信した印刷データ内の位置に、当該対象のデータに関するデータのデータサイズを示す情報と当該対象のデータと当該対象のデータの最後を示す情報とを上書きすることにより、前記受信した印刷データを再構築する再構築ステップと、
    を含むことを特徴とする情報処理方法。
  4. 第1のコンピュータを、請求項1に記載の情報処理システムにおける前記情報処理装置の各手段として機能させ、第2のコンピュータを、請求項1に記載の情報処理システムにおける前記プリンタ装置の各手段として機能させるためのプログラム。
  5. コンピュータを、請求項1または2に記載の情報処理システムにおける前記情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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