JP6317892B2 - 外観検査装置及び外観検査方法 - Google Patents
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Description
一方、汚れや傷などは散乱光が多いため、前記のタイヤ外観検査方法のように照明手段が1個の場合には、実際に異物のないところに異物があると誤判定する虞があった。
このように、Rフィルタ素子とGフィルタ素子とBフィルタ素子とが、連続する3個のフィルタ素子が全て異なるフィルタ素子になるように直線状に配列したカラーフィルタを通過させて得られた画像から、各波長毎の画像である単色画像をそれぞれ生成し、これら単色画像の画素データの輝度分布に基づいて前記被検体の表面状態を検査するようにしたので、タイヤの表面に付着した光沢変化はあるが凹凸差の殆どない異物の有無についても確実に判定することができる。
また、本願のカラーフィルタでは反射板やプリズム等を用いていないので、タイヤからの反射光が直接フィルタ素子に入射する。したがって、分解能の高い単色画像を得ることができるので、タイヤの表面状態を精度よく検査することができる。
また、タイヤの表面の凹凸と異物とを確実に判別できるので、タイヤ表面へ付着した光沢変化はあるが凹凸差の殆どない異物の有無を確実に判定できる。
このような手順で被検体の表面を撮影すれば、光沢変化はあるが凹凸差の殆どない異物の有無を確実に判定できる。
タイヤの外観検査装置10は、検査対象であるタイヤ50をタイヤ軸周りに回転させる移動手段としての回転装置11と、タイヤ50のサイド部50Kにそれぞれ撮影範囲に対して十分広域かつ光軸に平行な光を照射する第1〜第3の照射手段121〜123と、スリット光の照射されたタイヤ表面の映像を撮影するラインカメラ13と、ラインカメラ13で撮影された画像のデータから赤色、緑色、及び、青色の3つの単色画像を生成する画像分割手段14と、これら3つの単色画像のそれぞれについて輝度分布を求める輝度分布算出手段15と、各単色画像の画素データの輝度分布を相互に比較して急峻な輝度分布の変化が認められる箇所やハレーションが発生している箇所を検出することで、タイヤ表面への異物の付着の有無を判定する判定手段16とを備える。
第1〜第3の照射手段121〜123とラインカメラ13とが、タイヤの外観検査装置10の撮影装置10Aを構成し、画像分割手段14〜判定手段16までの各手段が演算部10Cを構成する。演算部10Cは、例えば、コンピュータのソフトウェアから構成される。
タイヤ50は、横向き、すなわち、タイヤ軸方向がタイヤ搭載面に垂直になるように回転テーブル11bに搭載される。また、後述するラインカメラの撮影視野位置である回転角のデータは、回転テーブル11bの近傍に配置された図示しない回転角検出手段により検出されて画像分割手段14に送られる。
以下、タイヤ50の軸方向に平行な方向をZ軸方向、Z軸方向に垂直である互いに直交する2方向をX軸方向及びY軸方向とする。また、図2(a)に示すように、ラインカメラ13から見た時、すなわち、タイヤ50に照射されるライン光の延長方向のタイヤ赤道面に平行な面内への正射影の延長方向をY軸方向とする。
赤色光を照射する第1の照射手段121は、図2(a)及び図3(a)に示すように、タイヤ50のサイド部50Kの上方で第2の照射手段122のタイヤ径方向内側に、第2の照射手段122をX軸周り反時計回りに48°だけ傾けて配置される。第1の照射手段121の発光面も水平面に対してY軸周りに時計回りに10°だけ傾いて配置される。
青色光を照射する第3の照射手段123は、図2(a)及び図3(b)に示すように、タイヤ50のサイド部50Kの上方で第2の照射手段122のタイヤ径方向外側に、第2の照射手段122をX軸周り時計回りに48°だけ傾けて配置される。第3の照射手段123の発光面も水平面に対してY軸周りに反時計回りに10°だけ傾いて配置される。
なお、第1〜第3の照射手段121〜123の発光面を水平面に対して10°だけ傾けたのは、タイヤ表面で正反射した光が照明筺体に遮られることなくカメラに入射するようにするためであり、レンズの入射角、バー照明の幅や照射距離などの諸条件によってこの値は変動する。カメラ視野を確保できれば、カメラと発光面のなす角が小さくなるように配置することが好ましい。
カラーフィルタ19は、赤色のみを透過させるRフィルタ素子19Rと、緑色のみを透過させるGフィルタ素子19Gと、青色のみを通過させるBフィルタ素子19Bとを隣接するフィルタ素子同士が互いに異なるように直線状に配列したものである。これにより、Rフィルタ素子19Rの出射側、すなわち、Rフィルタ素子19Rを通過した反射光の延長上に位置する画素(以下、R用画素という)18Rには赤色の光のみが入射する。同様に、Gフィルタ素子19Gの出射側に位置する画素(以下、G用画素という)18Gには緑色の光のみが入射し、Bフィルタ素子19Bの出射側に位置する画素(以下、B用画素という)18Bには青色の光のみが入射する。
これにより、図4(b)示すように、サイド部50K表面に異物の付着がある場合には、各画素180〜18Nのうちの異物のある箇所の画素の輝度が増加する。
輝度分布算出手段15では、画像分割手段14で生成されたR画像、G画像、及び、B画像のそれぞれについて輝度分布を算出し、これらを判定手段16に送る。
判定手段16では、R画像、G画像、及び、B画像の各輝度分布を相互に比較して、急峻な輝度分布の変化が認められる箇所、もしくは、ハレーションの発生している箇所を検出するとともに、急峻な輝度分布の変化が認められる箇所、もしくは、ハレーションの発生している箇所が検出された場合には、検出された箇所に、タイヤ表面へ付着した光沢変化はあるが凹凸差の殆どない異物があると判定する。
まず、被検体であるタイヤ50を回転テーブル11b上に搭載するとともに、タイヤ50のサイド部50Kの直上に、ラインカメラ13と第1〜第3の照射手段121〜123とから成る撮影装置をセットする(ステップS11)。そして、モータ11Mを駆動・制御して回転テーブル11bを回転駆動することにより、タイヤ50を所定の回転速度で回転させる(ステップS12)。
次に、タイヤ50のサイド部50Kの上方に設置された第1〜第3の照射手段121〜123から検出対象面であるサイド部50Kにそれぞれ赤色、緑色、及び、青色の3本のLEDバー照明からの光(以下、LED光という)をそれぞれ照射しながら、ラインカメラ13により、前記3本のLED光が照射された照射部を撮影する(ステップS13)。前記3本のスリット光はサイド部50Kの同一箇所に同時に照射される。
なお、撮影箇所である照射部の座標は、図示しない回転角検出手段で検出したタイヤ50の回転角と、ラインカメラ13の位置と撮影視野とから算出される。
サイド部50Kの照射部からは、赤色LED光の反射光と、緑色LED光の反射光と、青色LED光の反射光とがラインカメラ13に入射するが、緑色LED光の反射光と、青色LED光の反射光とはRフィルタ素子19Rにより吸収されるので、R用画素18Rには、Rフィルタ素子19Rを通過した第1の照射手段121からの赤色LED光の反射光のみが入射する。
同様に、G用画素18Gには、Gフィルタ素子19Gを通過した第2の照射手段122からの緑色LED光の反射光のみが入射し、B用画素18Bには、Bフィルタ素子19Bを通過した第3の照射手段123からの青色LED光の反射光のみが入射する。
したがって、R用画素18Rの画素データからR画像を生成し、G用画素18Gの画素データからG画像を生成し、B用画素18Bの画素データからB画像を生成するようにすれば、R画像とG画像とB画像とを容易に生成することができる。
タイヤ50のサイド部50Kのような表面が黒色であるタイヤ表面の画像では、図6(a)の破線で示すように、各画素の輝度がほぼ一定となるが、サイド部50K表面に光沢異物の付着がある部分では、異物のある面へのいずれかの照明からの入射角とカメラへの反射角とが対称配置に近い場合のみ正反射が増加するので、図6(a)の実線で示すように、異物の付着がある部分では1つまたは2つの画素の輝度が局所的に増加する。
一方、サイド部50K表面に、識別マーク(カラーマーク)などの色味がある部分では、全ての画素の輝度が増加するので、光沢異物ではないと判断できる。
本例では、図2及び図3に示すように、緑色LED光を照射する第2の照射手段122は凹凸のほぼ真上から光を照射するが、赤色LED光を照射する第1の照射手段121は凹凸のタイヤ径方向内側から光を照射し、青色LED光を照射する第3の照射手段123は凹凸のタイヤ径方向外側から光を照射している。その結果、凹凸のタイヤ径方向内側の斜面からの正反射光は赤色LED光の反射光のみで、凹凸のタイヤ径方向外側の斜面からの正反射光は青色LED光の反射光のみとなる。
その結果、図6(b)に示すように、凹凸がある部分では、R画像とG画像とB画像とで輝度分布が異なる。すなわち、R画像では凹凸の一方の側で輝度が高く他方の側で低くなるような輝度分布を示し、B画像では凹凸の一方の側で輝度が低く他方の側で高くなるような輝度分布を示す。一方、G画像では、凹凸の部分で輝度が若干高くなるような輝度分布を示す。
したがって、R画像の輝度分布、G画像の輝度分布、及び、B画像の輝度分布を相互に比較することで、急峻な輝度分布の変化が認められる箇所やハレーションの発生している箇所を検出すれば、タイヤ表面への異物の付着があるか否かを判定することができる。
また、本願発明では、カラー画像を生成しないので、照射する光を、赤色、緑色、及び青色の三原色とする必要はなく、照射する光の波長が互いに異なっていればよい。但し、異なる波長の光としては、赤色、緑色、及び青色の三原色、あるいは、赤色、緑色、青色、及びシアンの4色とする方が、汎用の半導体レーザやカラーフィルタをそのまま用いることができるので、実用上有利である。
また、前記実施の形態では、第1及び第3の照射手段121,123を第2の照射手段122に対してそれぞれ48.00°傾けたが、この傾き角度は30°〜60°の範囲であれば十分にサイド部50Kの異物と凹凸とを区別することができる。
また、前記実施の形態では、被検体をタイヤ50のサイド部50Kとしたが、これに限るものではなく、タイヤトレッドなどのタイヤ50の他の部分に付着した加硫ゴム、シリコーン、ヤニ等の異物や傷の有無についても検査することができる。また、本発明はタイヤ50に限らず、トレッドゴムなどのゴム部品や、樹脂成型品など、製造工程でその表面に異物が付着する可能性がある部品や製品の外観検査にも適用可能である。
具体的には、記憶手段を設けて、予め測定しておいた表面に異物の付着のない基準タイヤを撮影して得られた単色画像の画素データの輝度分布である基準輝度分布を記憶しておき、判定手段16では、R画像、G画像、及び、B画像の各輝度分布と、記憶手段に記憶されている基準輝度分布とを比較して、タイヤ表面への異物の付着があるか否かを判定する。なお、基準輝度分布としては、例えば、タイヤ50のサイド部50Kの位置データXと位置Xにおける輝度Lとの関係を示すマップを、R画像、G画像、及び、B画像のそれぞれについて準備し、これらのマップと撮影された画像から生成されたR画像、G画像、及び、B画像の各輝度分布とを比較すればよい。
11M モータ、121〜123 第1〜第3の照射手段、13 ラインカメラ、
14 画像分割手段、15 輝度分布算出手段、16 判定手段、
180〜18N 画素、19 カラーフィルタ、19R Rフィルタ素子、
19G Gフィルタ素子、19B Bフィルタ素子、50 タイヤ、50K サイド部。
Claims (2)
- 被検体に互いに異なる波長の光を互いに異なる角度から照射する複数の照射手段と、カラーフィルタを備えたカメラと、前記被検体を前記照射手段及びカメラに対して相対的に移動させる移動手段と、前記カメラで撮影された画像から前記被検体の表面状態を検査する外観検査手段とを備えた外観検査装置であって、
前記被検体がタイヤであり、
前記カメラが、
複数の画素を直線状に配列して成る撮像素子と、
前記カメラの撮像素子の前段に配置される、
赤色のみを透過させるRフィルタ素子と、緑色のみを透過させるGフィルタ素子と、青色のみを透過させるBフィルタ素子とが、連続する3個のフィルタ素子が全て異なるフィルタ素子になるように直線状に配列されたカラーフィルタとを備えたラインカメラであり、
前記外観検査手段が、
前記撮影された画像から波長毎の画像である単色画像をそれぞれ生成する手段と、
前記各単色画像の画素データの輝度分布に基づいて前記被検体の表面状態を検査する検査手段とを備え、
前記検査手段は、
前記各単色画像を相互に比較し、急峻な輝度分布の変化が認められる箇所、もしくは、ハレーションの発生している箇所がある単色画像が2つある場合に、前記箇所の異物が光沢異物であると判定することを特徴とする外観検査装置。 - 被検体に光を照射する複数の照射手段とカメラとを用いて撮影した前記被検体の画像から、前記被検体の表面状態を検査する外観検査方法であって、
前記被検体を移動させながら、前記被検体に互いに異なる波長の光を異なる角度から照射して、前記被検体の表面を撮影するステップ(a)と、
前記撮影された画像から波長毎の画像である単色画像をそれぞれ生成するステップ(b)と、
前記各単色画像の画素データの輝度分布から前記被検体の表面状態を検査するステップ(c)とを備え、
前記ステップ(a)では、
複数の画素を直線状に配列して成る撮像素子と、前記カメラの撮像素子の前段に配置される、赤色のみを透過させるRフィルタ素子と、緑色のみを透過させるGフィルタ素子と、青色のみを透過させるBフィルタ素子とが、連続する3個のフィルタ素子が全て異なるフィルタ素子になるように直線状に配列されたカラーフィルタとを備えたラインカメラにより、前記被検体の表面を撮影し、
前記ステップ(c)では、
前記各単色画像を相互に比較し、急峻な輝度分布の変化が認められる箇所、もしくは、ハレーションの発生している箇所がある単色画像が2つある場合には、前記箇所の異物が光沢異物であると判定することを特徴とするタイヤの外観検査方法。
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