以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込むことにより、以下に説明するような所定の遊技が行なわれる。パチンコ遊技機1は、外枠と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられているガラス扉枠2を有する。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル5等が設けられている。パチンコ遊技機1の内部には、打球操作ハンドル5の操作に応じて遊技領域7に遊技球を打込む打球発射装置が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、操作手段として、プッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為がプッシュセンサ124(図2参照)により検出される。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられる。このような表示領域には、たとえば「左」,「中」,「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示領域が形成される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、第1始動口スイッチ13aによって検出される。また、演出表示装置9の右方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、第2始動口スイッチ14aによって検出される。
可変入賞球装置15は、左右一対の可動片を備え、遊技者にとって有利(遊技球が進入可能)な開状態(第1状態)と、遊技者にとって不利(遊技球が進入不可能)な閉状態(第2状態)とに変化可能な入賞手段であり、ソレノイド16によって駆動される。可変入賞球装置15が開状態のときには、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になる(始動入賞し易くなり)。可変入賞球装置15が閉状態のときには、遊技球が第2始動入賞口14に入賞不可能になる。なお、可変入賞球装置15は、閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(遊技球が入賞しにくい)ように構成されてもよい。可変入賞球装置15は、所定領域に遊技球が進入可能となる第1状態と、所定領域に遊技球が進入不可能または進入困難な第2状態とに変化可能となる可変入賞手段により構成されていればよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
演出表示装置9の右下方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の変動表示が開始される。普通図柄表示器10における変動表示結果による停止図柄が所定の図柄(当り図柄。)となったときに、可変入賞球装置15が所定回数および所定時間だけ開状態に制御される。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄の変動表示が保留記憶され、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。このような普通図柄の保留記憶に基づいて普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、普通図柄の保留記憶が消化され、点灯するLEDを1減らす。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、遊技球が、始動入賞領域としての第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に進入(通過、入賞を含む)して第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aで検出されることにより変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立する。その後、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態となる変動表示の開始条件が成立したことに基づいて開始される。第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示時間(変動時間)が経過すると、当該変動表示の表示結果(停止図柄)が導出表示されて終了する。また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のような始動入賞領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。第1始動入賞口13への遊技球の進入による保留記憶は、第1保留記憶と呼ばれる。第2始動入賞口14への遊技球の進入による保留記憶は、第2保留記憶と呼ばれる。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれの下方には、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、第1保留記憶の保留記憶数を表示する4つの表示器からなる。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、第2保留記憶の保留記憶数を表示する4つの表示器からなる。第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bのそれぞれは、対応する有効な始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やし、対応する特別図柄表示器での変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときには、その変動表示に対応して演出表示装置9で演出図柄の変動表示等の演出表示が実行される。第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときには、その変動表示に対応して演出表示装置9で演出図柄の変動表示等の演出表示が実行される。
特別図柄および演出図柄の変動表示が実行され、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示領域で同じ図柄が停止し、中の図柄表示領域で図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示領域で停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。リーチの中には、特別なスーパーリーチ以外のリーチとして、基本的なリーチであるノーマルリーチが含まれている。ノーマルリーチは、スーパーリーチよりも大当りが発生しにくいように設定されたものである。
スーパーリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、所定の動画を表示する等、演出等の遊技者の期待感を向上させるような複雑な演出表示が実行される。また、ノーマルリーチにおいては、比較的簡素な演出表示が実行される。
リーチ状態となった後に、リーチ図柄が形成された態様ではずれ表示結果となったときが、リーチはずれと呼ばれる。また、リーチ状態とならずにリーチ図柄が形成されない態様ではずれ表示結果となったときが、非リーチはずれと呼ばれる。
また、演出表示装置9の表示領域中における下端部には、発生した保留記憶情報を表示する画像(以下、保留画像または保留表示と呼ぶ)が保留記憶情報の数に対応して表示される保留表示エリアが形成される(図示省略)。また、保留表示エリアから消去された(移動された、シフトされた)保留表示に対応する変動表示の実行中に当該変動表示に対応するアクティブ表示(変動対応表示とも呼ぶ)を含む情報を表した画像を表示するアクティブ表示エリアが保留表示エリアに隣接して形成される。
可変入賞球装置15の下方には、ソレノイド21によって駆動される開閉板を備え、遊技者にとって有利(遊技球が進入可能)な開状態(第1状態)と、遊技者にとって不利(遊技球が進入不可能)な閉状態(第2状態)とに変化可能な入賞手段として、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、大当り遊技状態において開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に進入した遊技球は、カウントスイッチ23またはVカウントスイッチ24により入賞球として検出される。なお、特別可変入賞球装置20は、閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(遊技球が入賞しにくい)ように構成されてもよい。
特別可変入賞球装置20には、進入した遊技球を流下させて回収するための流下通路が遊技盤6の内部および裏面側に設けられている。本実施の形態では、特別可変入賞球装置20の流下通路500の一部分を遊技者が視認可能となるように、遊技領域7において、当該流下通路に対応する部分が透明部材(透明樹脂製部材)で覆われている。
流下通路500は、正面から見て左斜め下方に下る傾斜通路501と、傾斜通路501の下端部から鉛直下方に延びる通常領域57と、傾斜通路501の途中で分岐して鉛直下方に延びる特別領域56とを含む。このように、特別領域56は、流下通路500における遊技球の流下方向において、通常領域57よりも上流側(手前側)に設けられている。特別領域56の下端部には、特別領域56に進入した遊技球を検出するVカウントスイッチ24が設けられている。通常領域57の下端部には、通常領域57に進入した遊技球を検出するカウントスイッチ23が設けられている。特別可変入賞球装置20の下方からVカウントスイッチ24およびカウントスイッチ23のそれぞれのスイッチに至るまでの流下通路部分(ソレノイド53部分を除く)が透視可能に構成されている。Vカウントスイッチ24およびカウントスイッチ23は、ラウンド遊技中における入賞個数を計数するために用いられ、そのうち、Vカウントスイッチ24は、特別領域56への遊技球が進入したか否かを判断するために用いられる。
傾斜通路501における特別領域56への分岐口が、傾斜通路501の延在方向の中間的な位置の底面側に形成されている。分岐口の上部には、分岐口を覆う態様で、蓋体よりなる規制部52が設けられている。規制部52は、遊技球が特別領域56に進入することを規制するために設けられている。規制部52は、分岐口における下流側端部に設けられた回動軸を軸心として、上下方向に回動することにより、分岐口を開閉可能である。規制部52は、ソレノイド53により駆動され、分岐口を開閉する。ソレノイド53の手前側には「V」と表示された装飾板が設けられている。
ソレノイド53の駆動されていないときには、規制部52が分岐口を閉鎖した閉鎖状態(規制部52が実線で示された状態。以下、規制状態と呼ぶ場合がある。)であり、通常領域57に遊技球が進入可能であるが特別領域56に遊技球が進入不可能である。このような閉鎖状態のときは、特別可変入賞球装置20に進入した遊技球が、カウントスイッチ23で検出される。ソレノイド53が駆動されたときには、規制部52が分岐口を開放する方向に回動し、特別領域56に遊技球が進入可能で、通常領域57に遊技球が進入不可能な開放状態(規制部52が破線で示された状態。以下、通過状態と呼ぶ場合がある。)となる。このような開放状態のときは、特別可変入賞球装置20に進入した遊技球が、Vカウントスイッチ24で検出される。
ソレノイド53の駆動終了時には、規制部52が分岐口を閉鎖する方向へ回動して、特別領域56に遊技球が進入不可能で、通常領域57に遊技球が進入可能な閉鎖状態に戻る。
なお、遊技盤6の全面を透明部材で形成してもよく、第2特別可変入賞球装置50の周囲のみを透明部材で形成してもよく、少なくとも、通路を流下する遊技球が特別領域56に進入したか否かを遊技者が判別できるようにすればよい。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンド遊技(以下、単に「ラウンド」ともいう)と呼ばれる。ラウンドにおいて繰返し継続制御により特別可変入賞球装置20が開放される遊技は、ラウンド遊技と呼ばれる。大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる最終ラウンド(たとえば第16ラウンド等)に達するまで繰返される。なお、ラウンド遊技間のインターバル期間(閉鎖期間)は、2秒に設定されている。
大当りについては、複数の種別が設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。「大当り」の種別のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
本実施の形態では、大当り遊技状態において、特定のラウンド(以下「Vラウンド」という。)において、特別可変入賞球装置20の規制部52が開放状態とされる。このときに、特別可変入賞球装置20の大入賞口に遊技球が進入し、特別可変入賞球装置20内に形成される特別領域56に遊技球が進入すると、大当り遊技状態の終了した後に、確変状態に制御される。特別領域56に遊技球が入賞することを、以下「V入賞」という。
特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側には、効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1における遊技の進行等を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、Vカウントスイッチ24からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御用CPU101を含む。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。演出制御用CPU101は、プッシュセンサ124の検出信号が、入力ポート106を介して入力される。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出表示装置9等の各種演出装置の演出内容を指示する演出制御コマンドを、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100では、演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なったり、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なったりすることで、各種の演出制御を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560では、遊技制御用の予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。第1特別図柄と第2特別図柄とのような特別図柄の変動表示、および、大当り遊技制御等の特定の遊技制御が、タイマ割込処理が実行されるときに付随して実行される遊技制御プロセス処理により、所定のプロセスにしたがって実行される。
遊技制御用マイクロコンピュータ560では、各種のランダムカウンタからデータを抽出し、その抽出データを用いて、大当り判定、大当り種類判定、変動パターン種別判定、変動パターン判定、普通当り判定、および、ラウンダムカウンタの初期値決定等を行なう。遊技制御用マイクロコンピュータ560では、このような各種判定に基づいて、大当り遊技制御、第1特別図柄の変動表示、第2特別図柄の変動表示、および、普通図柄の変動表示等の各種遊技制御を実行する。
遊技制御用マイクロコンピュータ560では、このような各種判定に基づいて、大当りの判定結果、大当り種類の判定結果、変動パターン種別の判定結果、および、変動パターンの判定結果等の予め定められた制御情報を、演出制御指示用のコマンドである演出制御コマンドとして、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100では、受信した演出制御コマンドに基づいて、第1特別図柄の変動表示、第2特別図柄の変動表示、および、大当り制御等の遊技制御に合せた演出を実行する。
演出制御用マイクロコンピュータ100では、演出制御用の予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms,4ms等)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の演出制御が実行可能となる。演出図柄の変動表示に関する演出、および、大当り遊技状態に関する演出等の特定の演出制御が、タイマ割込処理が実行されるときに付随して実行される演出制御プロセス処理により、所定のプロセスにしたがって実行される。
図3は、大当り遊技状態のラウンド遊技における特別可変入賞球装置20の開閉のタイミングを示すタイミングチャートである。図3を参照して、本実施の形態においては、第2特別図柄の大当り種別には、16ラウンド確変大当り、7ラウンド確変大当りおよび7ラウンド通常大当りの3種類が含まれる。ここでは、第1特別図柄の大当り種別の比率は、16ラウンド確変大当り、7ラウンド確変大当りおよび7ラウンド通常大当りのそれぞれについて、5%、45%、50%に設定されている。つまり、第1特別図柄の確変大当りの割合は、50%に設定されている。また、第2特別図柄の大当り種別の比率は、16ラウンド確変大当り、7ラウンド確変大当りおよび7ラウンド通常大当りのそれぞれについて50%,25%,25%に設定されている。つまり、第2特別図柄の確変大当りの割合は、75%に設定されている。
大当り遊技状態の期間においては、大当り開始演出の期間の後に、ラウンド遊技が実行される大当り期間とされ、その後に、大当り終了演出の期間とされる。
図3(A)で示されるように、16ラウンド確変大当りの大当り期間においては、7ラウンド目がVラウンドとされる。Vラウンドにおいては、特別可変入賞球装置20の規制部52が開放されて特別領域56に遊技球が進入可能とされる。これにより、特別領域56に遊技球が進入すると、大当り遊技状態の終了した後に、確変状態に制御される。
16ラウンド確変大当りの大当り期間においては、1ラウンド目から6ラウンド目および8ラウンド目から16ラウンド目は、29秒の長開放の開放パターンとされ、7ラウンド目は、0.05秒の短開放と2秒間の閉鎖期間(ラウンドインターバル期間に相当する期間)と28秒の長開放とを組合せた開放パターンとされる。
7ラウンド確変大当りの大当り期間においては、図3(B)で示されるように、1ラウンド目から5ラウンド目は、29秒の長開放の開放パターンとされ、6ラウンド目は、0.05秒の短開放の開放パターンとされ、7ラウンド目はVラウンドとされ、0.05秒の短開放と2秒間の閉鎖期間と28秒の長開放とを組合せた開放パターンとされる。6ラウンド目は、開放期間が非常に短いため、遊技者が開放を認識し難く、遊技者にとっては実質的に6ラウンド大当りと感じられる。
7ラウンド通常大当りの大当り期間においては、図3(C)で示されるように、1ラウンド目から5ラウンド目は、29秒の長開放の開放パターンとされ、6ラウンド目は、0.05秒の短開放と2秒間の閉鎖期間と28秒の長開放とを組合せた開放パターンとされ、7ラウンド目はVラウンドとされ、0.05秒の短開放の開放パターンとされる。7ラウンド通常大当りにおいては、7ラウンド確変大当りの6ラウンド目と同様、7ラウンド目が短開放の開放パターンとされるので、遊技者にとっては実質的に6ラウンド大当りと感じられるとともに、Vラウンドが短開放であるので、実質的に、特別領域に遊技球を進入させ難いため、確変状態とはなり難く、通常大当りとなり易い。
このように、7ラウンド確変大当りおよび7ラウンド通常大当りにおいては、Vラウンドがいつ実行され、いつV入賞したのか分かり難い開放パターンとされる。ここで、7ラウンド通常大当りの6ラウンド目の開放パターンについては、7ラウンド確変大当りの6ラウンド目の開放パターンにおける開放・閉鎖の態様に類似していればよく(遊技者のVラウンドの判別が困難となる程度に類似していればよい)、同一の態様でなくてもよい。
本実施の形態においては、第2特別図柄の変動表示に対応する演出図柄の変動表示の表示結果は、基本的には、16ラウンド確変大当りに制御する場合は「777」とされ、7ラウンド確変大当りに制御する場合は7以外の奇数のゾロ目とされ、7ラウンド通常大当りに制御する場合は偶数のゾロ目とされる。
図4は、大当り遊技状態のラウンド遊技における演出表示装置9の第1の画面遷移図である。図4(A)で示すように、7ラウンド確変大当りに制御する場合であって、大当り遊技状態の終了時に確変状態に移行することを報知する場合(確変状態に昇格する演出を実行する場合)は、偶数のゾロ目、たとえば「666」が表示結果として導出表示される。そして、大当り開始演出の後に大当り遊技状態のラウンド遊技が開始される。
図4(B)で示すように、ラウンド遊技が開始されると、複数回のラウンド遊技のうちの実行中のラウンド遊技までの回数(短開放のラウンド遊技の回数を除く)である実行済のラウンド遊技数および残りのラウンド遊技の回数(短開放のラウンド遊技の回数を除く)である残り回数を特定可能な画像であるラウンド対応画像が、演出表示装置9の画面の左上に表示される。
本実施の形態においては、ラウンド対応画像のうち「●」の画像の個数で実行済のラウンド遊技数が示され、「○」の画像の個数で残り回数が示される。図4(B)においては、1ラウンド目の状態を示し、実行済のラウンド遊技数が0ラウンドであり、残り回数が6ラウンドであることが示されている。
ここでは、残り回数が6ラウンドであることが示されているが、図3(B)で示したように、6ラウンド目が短開放の開放パターンであり、遊技者が認識困難なラウンドとされているので、残り回数は実際は7ラウンドであるが、6ラウンドと示すようにしている。
図4(C)おいては、7ラウンド目の状態を示し、実行済のラウンド遊技数が5ラウンドであり、残り回数が1ラウンドであることが示されている。ここでは、実行済のラウンド遊技数が5ラウンドであることが示されており、図4(C)では7ラウンド目であるが、6ラウンド目は短開放の開放パターンであり、一瞬で終了するため、遊技者は5ラウンド目までが終了したと認識する。
図4(D)においては、大当り遊技状態のラウンド遊技の後に、大当り終了演出が実行される。ここでは、7ラウンド通常大当りの表示結果が表示されたが、実際は、7ラウンド確変大当りに当選しているので、確変大当りに昇格した旨を示す演出が実行される。
このように、Vラウンドがいつ実行され、いつV入賞したのか分からないような演出態様とされ、V入賞していた場合は、大当り遊技状態の最後の大当り終了演出において、通常大当りから確変大当りに昇格したことが遊技者に報知される。
図5は、大当り遊技状態のラウンド遊技における演出表示装置9の第2の画面遷移図である。図5(A)で示すように、7ラウンド確変大当りに制御する場合であって、大当り遊技状態の開始時に確変状態に移行することを報知する場合は、7以外の奇数のゾロ目、たとえば「555」が表示結果として導出表示される。そして、大当り開始演出の後に大当り遊技状態のラウンド遊技が開始される。
図5(B)においては、図4(B)と同様に、1ラウンド目の状態を示し、実行済のラウンド遊技数が0ラウンドであり、残り回数が6ラウンドであることが示されている。図5(C)おいては、図5(B)と同様に、7ラウンド目の状態を示し、実行済のラウンド遊技数が5ラウンドであり、残り回数が1ラウンドであることが示されている。
図5(D)においては、大当り遊技状態のラウンド遊技の後に、大当り終了演出が実行される。ここでは、7ラウンド確変大当りに当選しているので、V入賞している場合には、確変大当りが確定した旨を示す演出が実行される。
このように、Vラウンドがいつ実行され、いつV入賞したのか分からないような演出態様とされ、V入賞していた場合は、大当り遊技状態の最後の大当り終了演出において、大当り遊技状態の開始時に確変図柄の組合せの表示結果の表示で報知されていた確変大当りが、V入賞によって確定したことが遊技者に報知される。
なお、この場合にV入賞しなかった場合は、高確高ベース状態となる旨の図5(D)の演出を実行するための演出データが、低確高ベース状態となる旨の演出を実行するための演出データに書換えられる。
[まとめ]
次に、前述した実施の形態の効果を説明する。
(1) パチンコ遊技機1は、遊技球が進入可能な長開放の開放パターンと、長開放の開放パターンよりも遊技球が進入困難な短開放の開放パターンと、長開放の開放パターンとは異なる態様であって遊技球が進入可能な長開放と短開放とを組合せた開放パターンとで変化可能な特別可変入賞球装置20を備える。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別可変入賞球装置20を長開放の開放パターン、短開放の開放パターンおよび長開放と短開放とを組合せた開放パターンのいずれかで変化させるラウンド遊技を、複数回行なう大当り遊技状態に制御可能であり、複数回のラウンドのうちのVラウンドにおいて特別可変入賞球装置20に進入した遊技球が特別領域56を通過したことに基づいて、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御可能である。
Vラウンドにおいて特別可変入賞球装置20が長開放と短開放とを組合せた開放パターンで変化したときに特別可変入賞球装置20に進入した遊技球が特別領域56を通過可能とされる。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、図3(B)で示したように、Vラウンドで特別可変入賞球装置20を長開放と短開放とを組合せた開放パターンで変化させるときには、Vラウンドの1つ前のラウンドで特別可変入賞球装置20を短開放の開放パターンで変化させ、図3(C)で示したように、Vラウンドで特別可変入賞球装置20を短開放の開放パターンで変化させるときには、Vラウンドの1つ前のラウンドで特別可変入賞球装置20を長開放と短開放とを組合せた開放パターンで変化させる。
これによれば、Vラウンドの1つ前のラウンドで特別可変入賞球装置20が短開放の開放パターンとされたときには、Vラウンドで特別可変入賞球装置20が長開放と短開放とを組合せた開放パターンとされる。また、Vラウンドの1つ前のラウンドで特別可変入賞球装置20が長開放と短開放とを組合せた開放パターンとされたときには、Vラウンドで特別可変入賞球装置20が短開放の開放パターンとされる。このため、遊技球が進入困難な短開放の開放パターンで変化されたのが、Vラウンドであるのか否かを判別し難くすることができる。その結果、特別可変入賞球装置20の動作に基づく確変状態に制御されるか否かの判別容易性を低下させることができる。
(2) 遊技制御用マイクロコンピュータ560は、Vラウンドを含むいずれのラウンドにおいても、特別可変入賞球装置20を変化させる。
これによれば、いずれかのラウンドのために特別に特別可変入賞球装置を設ける場合と比較して、他の特別可変入賞球装置を設けるための領域を削減することができる。また、Vラウンドにおいて他の特別可変入賞球装置を遊技球が進入可能な態様に変化させる場合と比較して、いずれのラウンドにおいても1つの特別可変入賞球装置20を変化させるので、特別可変入賞球装置20の動作に基づく確変状態に制御されるか否かの判別容易性を一層低下させることができる。
(3) 図4(D),図5(A),図5(D)で示したように、特別領域56を遊技球が通過したタイミングと異なる所定タイミング(たとえば、大当り開始演出時、大当り終了演出時)で、確変状態への移行が報知可能である。
これによれば、特別可変入賞球装置20の動作に基づいて確変状態に制御されるか否かの判別容易性を低下させていることに合わせて、確変状態への移行の報知に基づいても、確変状態に制御されるか否かの判別容易性を低下させることができる。
(4) 図4(D)で示したように、所定タイミングとしてVラウンドの前または後のタイミングである大当り開始演出時または大当り終了演出時で確変状態への移行を報知し、Vラウンドの後のタイミングで報知する場合は、複数回のラウンドが終了したタイミングである大当り終了演出時に確変状態への移行を報知する。
これによれば、確変状態への移行を複数のタイミングで報知するので、演出の多様化を図ることができる。
(5) 複数回のラウンドが終了したタイミングで確変状態への移行を報知すると事前に決定している場合であっても、図5(D)で示すように、Vラウンドにおいて特別領域56を遊技球が通過しなければ、確変確定報知を実行しないことで、確変状態への移行の報知を禁止する。
これによれば、Vラウンドにおいて特別領域56を遊技球が通過せず確変状態に移行されない場合には、確変状態への移行の報知の演出が禁止される。このため、演出とパチンコ遊技機1の内部状態との整合を図ることができる。
(6) 図4(B)〜図4(D),図5(B)〜図5(D)で示したように、複数回のラウンドのうちの実行中のラウンドまでの回数である実行済のラウンド遊技数および残りのラウンド遊技の回数である残り回数を特定可能なラウンド対応画像(ラウンドオブジェクト)を表示可能である。短開放の開放パターンで変化させるラウンドについては実行済のラウンド遊技数および残り回数に含めずにラウンド対応画像を表示する。
これによれば、遊技球が進入困難な短開放の開放パターンで変化させるラウンドを分かり難くすることができる。このため、実行済のラウンド遊技数および残り回数を特定可能なラウンド対応画像の表示の演出と、遊技媒体が進入困難なラウンドの制御との整合を図ることができる。
[変形例]
次に、前述した実施の形態の変形例を説明する。
(1) 前述した実施の形態においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、図3(B)で示したように、Vラウンドで特別可変入賞球装置20を長開放と短開放とを組合せた開放パターンで変化させるときには、Vラウンドの1つ前のラウンドで特別可変入賞球装置20を短開放の開放パターンで変化させ、図3(C)で示したように、Vラウンドで特別可変入賞球装置20を短開放の開放パターンで変化させるときには、Vラウンドの1つ前のラウンドで特別可変入賞球装置20を長開放と短開放とを組合せた開放パターンで変化させるようにした。
しかし、これに限定されず、図6で示すようにしてもよい。図6は、変形例における大当り遊技状態のラウンド遊技における特別可変入賞球装置の開閉のタイミングを示すタイミングチャートである。図6(A)は、図3(A)のVラウンドを7ラウンド目から6ラウンド目にした点が異なる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、図6(B)で示すように、Vラウンドで特別可変入賞球装置20を長開放と短開放とを組合せた開放パターンで変化させるときには、Vラウンドの1つ後のラウンドで特別可変入賞球装置20を短開放の開放パターンで変化させ、図6(C)で示すように、Vラウンドで特別可変入賞球装置20を短開放の開放パターンで変化させるときには、Vラウンドの1つ後のラウンドで特別可変入賞球装置20を長開放と短開放とを組合せた開放パターンで変化させるようにしてもよい。
これによっても、Vラウンドで特別可変入賞球装置20が短開放の開放パターンとされたときには、Vラウンドの1つ後のラウンドで特別可変入賞球装置20が長開放と短開放とを組合せた開放パターンとされる。また、Vラウンドで特別可変入賞球装置20が長開放と短開放とを組合せた開放パターンとされたときには、Vラウンドの1つ後のラウンドで特別可変入賞球装置20が短開放の開放パターンとされる。このため、遊技球が進入困難な短開放の開放パターンで変化されたのが、Vラウンドであるのか否かを判別し難くすることができる。その結果、特別可変入賞球装置20の動作に基づく確変状態に制御されるか否かの判別容易性を低下させることができる。
(2) 前述した実施の形態においては、可変手段の第3態様(長開放と短開放とを組合せた開放パターン)が第1態様(長開放の開放パターン)と異なる態様であることとした。しかし、これに限定されず、第3態様が第1態様と同一の態様であってもよい。
(3) 前述した実施の形態においては、Vラウンドにおいては、V入賞の報知および確変状態に移行する旨の報知を実行しないようにした。しかし、これに限定されず、Vラウンドの前後に加えて、Vラウンドにおいても、V入賞の報知および確変状態に移行する旨の報知を実行するようにしてもよい。
(4) 前述した実施の形態においては、複数回のラウンドのうちの実行中のラウンドまでの回数である実行済のラウンド遊技数および残りのラウンド遊技の回数である残り回数を特定可能なラウンド対応画像が、図4(B)〜図4(D),図5(B)〜図5(D)で示したように、「○」と「●」との組合せの画像であることとした。しかし、これに限定されず、ラウンド対応画像が他の画像であってもよい。たとえば、第1の色(たとえば白)の部分と第2の色(たとえば黒)の部分とを長手方向に組合せた棒グラフで、第1の色の部分の長さが実行済のラウンド遊技数に対応し、第2の色の部分の長さが残り回数に対応するようにしてもよい。また、実行中のラウンド遊技に対応する画像について、他の画像とは異なる画像を用いたり、特殊画像を付加してもよい。
(5) 前述した実施の形態においては、Vラウンドにおいて特別可変入賞球装置20の規制部52を開放させた。しかし、これに限らず、Vラウンドにおいてラウンド遊技開始時点では特別可変入賞球装置20の規制部52を閉鎖し、例えば7個等の入賞個数に応じて特別可変入賞球装置20の規制部52を開放させてもよい。これにより、ラウンド遊技開始時点においてVラウンドなのか否かの判別を困難にすることができ、特別可変入賞球装置20の動作に基づく確変状態に制御されるか否かの判別容易性を更に低下させることができる。
(6) 前述した実施の形態においては、特別可変入賞球装置20を1つ設けるようにした。しかし、これに限定されず、特別領域(V領域)を備える特別可変入賞球装置と特別領域を備えない特別可変入賞球装置との2つを設けるようにしてもよい。そして、Vラウンド以外では特別領域を備えない特別可変入賞球装置を開放し、Vラウンドでは特別領域を備える特別可変入賞球装置を開放するようにしてもよい。
(7) 前述した実施の形態において、高確率状態の終了条件は、次回大当りまでとの条件、転落抽選に当選するとの条件、および、所定回数の特別図柄(演出図柄)の変動表示が実行されるまでとの条件(STタイプ)のいずれであってもよい。また、高ベース状態の終了条件は、高確率状態である場合の次回大当りまでとの条件、および、特定回数(高確率状態か否かで回数を変えてもよい)の特別図柄(演出図柄)の変動表示が実行されるまでとの条件のいずれであってもよい。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。