以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込むことにより、以下に説明するような所定の遊技が行なわれる。パチンコ遊技機1は、外枠と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられているガラス扉枠2を有する。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル5等が設けられている。パチンコ遊技機1の内部には、打球操作ハンドル5の操作に応じて遊技領域7に遊技球を打込む打球発射装置が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、操作手段として、プッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為がプッシュセンサ124(図2参照)により検出される。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられる。このような表示領域には、たとえば「左」,「中」,「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示領域が形成される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、第1始動口スイッチ13aによって検出される。また、第1始動入賞口13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、第2始動口スイッチ14aによって検出される。
可変入賞球装置15は、左右一対の可動片を備え、遊技者にとって有利(遊技球が進入可能)な開状態(第1状態)と、遊技者にとって不利(遊技球が進入不可能)な閉状態(第2状態)とに変化可能な入賞手段であり、ソレノイド16によって駆動される。可変入賞球装置15が開状態のときには、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になる(始動入賞し易くなり)。可変入賞球装置15が閉状態のときには、遊技球が第2始動入賞口14に入賞不可能になる。なお、可変入賞球装置15は、閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(遊技球が入賞しにくい)ように構成されてもよい。可変入賞球装置15は、所定領域に遊技球が進入可能となる第1状態と、所定領域に遊技球が進入不可能または進入困難な第2状態とに変化可能となる可変入賞手段により構成されていればよい。
可変入賞球装置15が閉状態のときには、可変入賞球装置15が遊技球を受入可能な領域がなくなるので、遊技球が第2始動入賞口14よりも第1始動入賞口13に入賞しやすい。一方、可変入賞球装置15が開状態のときには、第1始動入賞口13よりも、可変入賞球装置15が遊技球を受入可能な領域が広くなるので、第1始動入賞口13よりも第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の変動表示が開始される。普通図柄表示器10における変動表示結果による停止図柄が所定の図柄(当り図柄。)となったときに、可変入賞球装置15が所定回数および所定時間だけ開状態に制御される。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄の変動表示が保留記憶され、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。このような普通図柄の保留記憶に基づいて普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、普通図柄の保留記憶が消化され、点灯するLEDを1減らす。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、遊技球が、始動入賞領域としての第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に進入(通過、入賞を含む)して第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aで検出されることにより変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立する。その後、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態となる変動表示の開始条件が成立したことに基づいて開始される。第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示時間(変動時間)が経過すると、当該変動表示の表示結果(停止図柄)が導出表示されて終了する。また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のような始動入賞領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。第1始動入賞口13への遊技球の進入による保留記憶は、第1保留記憶と呼ばれる。第2始動入賞口14への遊技球の進入による保留記憶は、第2保留記憶と呼ばれる。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの上方には、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、第1保留記憶の保留記憶数を表示する4つの表示器からなる。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、第2保留記憶の保留記憶数を表示する4つの表示器からなる。第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bのそれぞれは、対応する有効な始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やし、対応する特別図柄表示器での変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときには、その変動表示に対応して演出表示装置9で演出図柄の変動表示等の演出表示が実行される。第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときには、その変動表示に対応して演出表示装置9で演出図柄の変動表示等の演出表示が実行される。
特別図柄および演出図柄の変動表示が実行され、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示領域で同じ図柄が停止し、中の図柄表示領域で図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示領域で停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。リーチの中には、特別なスーパーリーチ以外のリーチとして、基本的なリーチであるノーマルリーチが含まれている。ノーマルリーチは、スーパーリーチよりも大当りが発生しにくいように設定されたものである。
スーパーリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、所定の動画を表示する等、演出等の遊技者の期待感を向上させるような複雑な演出表示が実行される。また、ノーマルリーチにおいては、比較的簡素な演出表示が実行される。
リーチ状態となった後に、リーチ図柄が形成された態様ではずれ表示結果となったときが、リーチはずれと呼ばれる。また、リーチ状態とならずにリーチ図柄が形成されない態様ではずれ表示結果となったときが、非リーチはずれと呼ばれる。
また、演出表示装置9の表示領域中における下端部には、発生した保留記憶情報を表示する画像(以下、保留画像または保留表示と呼ぶ)が保留記憶情報の数に対応して表示される保留表示エリアが形成される(図示省略)。また、保留表示エリアから消去された(移動された、シフトされた)保留表示に対応する変動表示の実行中に当該変動表示に対応するアクティブ表示(変動対応表示とも呼ぶ)を含む情報を表した画像を表示するアクティブ表示エリアが保留表示エリアに隣接して形成される。
可変入賞球装置15の下方には、ソレノイド21によって駆動される開閉板を備え、遊技者にとって有利(遊技球が進入可能)な開状態(第1状態)と、遊技者にとって不利(遊技球が進入不可能)な閉状態(第2状態)とに変化可能な入賞手段として、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、大当り遊技状態において開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に進入した遊技球は、カウントスイッチ23により入賞球として検出される。なお、特別可変入賞球装置20は、閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(遊技球が入賞しにくい)ように構成されてもよい。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。ラウンドにおいて繰返し継続制御により特別可変入賞球装置20が開放される遊技は、ラウンド遊技と呼ばれる。大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる最終ラウンド(たとえば第15ラウンド等)に達するまで繰返される。
大当りについては、複数の種別が設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。「大当り」の種別のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側には、効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1における遊技の進行等を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御用CPU101を含む。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。演出制御用CPU101は、プッシュセンサ124の検出信号が、入力ポート106を介して入力される。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出表示装置9等の各種演出装置の演出内容を指示する演出制御コマンドを、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100では、演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なったり、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なったりすることで、各種の演出制御を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560では、遊技制御用の予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。第1特別図柄と第2特別図柄とのような特別図柄の変動表示、および、大当り遊技制御等の特定の遊技制御が、タイマ割込処理が実行されるときに付随して実行される遊技制御プロセス処理により、所定のプロセスにしたがって実行される。
遊技制御用マイクロコンピュータ560では、各種のランダムカウンタからデータを抽出し、その抽出データを用いて、大当り判定、大当り種類判定、変動パターン種別判定、変動パターン判定、普通当り判定、および、ラウンダムカウンタの初期値決定等を行なう。遊技制御用マイクロコンピュータ560では、このような各種判定に基づいて、大当り遊技制御、第1特別図柄の変動表示、第2特別図柄の変動表示、および、普通図柄の変動表示等の各種遊技制御を実行する。
遊技制御用マイクロコンピュータ560では、このような各種判定に基づいて、大当りの判定結果、大当り種類の判定結果、変動パターン種別の判定結果、および、変動パターンの判定結果等の予め定められた制御情報を、演出制御指示用のコマンドである演出制御コマンドとして、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100では、受信した演出制御コマンドに基づいて、第1特別図柄の変動表示、第2特別図柄の変動表示、および、大当り制御等の遊技制御に合せた演出を実行する。
演出制御用マイクロコンピュータ100では、演出制御用の予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms,4ms等)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の演出制御が実行可能となる。演出図柄の変動表示に関する演出、および、大当り遊技状態に関する演出等の特定の演出制御が、タイマ割込処理が実行されるときに付随して実行される演出制御プロセス処理により、所定のプロセスにしたがって実行される。
[保留連演出]
次に、この実施の形態における保留連演出について説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のような始動入賞領域に遊技球が進入したときに、大当り判定用の乱数値、大当り種別判定用の乱数値、および、変動パターン判定用の乱数値を抽出する。そして、変動表示の実行中でないといった条件や大当り中でないといった条件などの変動表示を開始できる開始条件が、始動入賞時に成立していれば、抽出した乱数値に基づいて変動表示が実行される。
一方、始動入賞領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、始動入賞時に、抽出した乱数値を示す情報をRAM55に記憶させる。そして、その始動入賞時に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、大当りとするか否かを示す情報および変動パターンを示す情報などを特定可能な先読み結果通知コマンドを送信する。保留記憶は、変動表示の開始条件が成立するたびに、古いものから読出され、読出された保留記憶の情報に基づいて変動表示が実行される。
そのような先読み結果通知コマンドを受信することによって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りや特定の変動パターン種別となる変動表示が実行されるまでの間に、大当りや特定の変動パターン種別となるか否かを示唆したり予告したりする先読み演出を実行することができる。
このような先読み演出は、先の大当り状態のときから後の大当り状態となる変動表示までの間に実行される場合がある。本実施の形態においては、先の大当り状態のときに実行される先読み演出を保留連演出という。先の大当り状態が終了してから後の大当り状態となる変動表示までの間に実行される先読み演出を所定演出という。
図3は、保留連演出処理の流れを示すフローチャートである。この保留連演出処理は、演出制御用マイクロコンピュータ100によって実行される。この保留連演出処理は、演出制御プロセス処理の各プロセスで実行される処理のうち保留連演出に関する処理を便宜的に1つの図に集めて示したものである。
図3を参照して、演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101は、保留連フラグがオフ状態であるか否かを判断する(ステップS151)。保留連フラグは、保留連演出を実行するか否か、および、後の大当り状態の大当り種別を示すフラグである。保留連フラグが、オフ状態であれば、保留連演出を実行しないことを示し、保留連フラグが後の大当り状態の大当り種別を示す場合、保留連演出を実行することを示す。本実施の形態においては、大当り種別が、16ラウンド大当りと、7ラウンド大当りとの2つであることとするが、これに限定されず、複数の大当り種別があれば、3つ以上であってもよい。
保留連フラグがオフ状態である(ステップS151でNO)と判断した場合、演出制御用CPU101は、大当り状態の開始時であるか否かを判断する(ステップS152)。大当り状態の開始時である(ステップS152でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、大当り状態に制御することが特定される保留記憶が有るか否かを判断する(ステップS153)。始動入賞時には、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、小当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す先読み結果通知コマンドが、主基板31から演出制御基板80に送信され、このコマンドで示される判定結果が保留記憶に対応する情報としてRAM103に記憶される。この判定結果に基づいて、演出制御用CPU101は、大当り状態に制御することが特定される保留記憶が有るか否かを判断する。
大当り状態に制御することが特定される保留記憶が有る(ステップS153でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、保留連演出を実行するか否かを決定する(ステップS154)。たとえば、50%の確率で保留連演出を実行すると決定する。なお、他の確率、たとえば、100%の確率で保留連演出を実行すると決定してもよい。
そして、演出制御用CPU101は、保留連演出を実行すると決定したか否かを判断する(ステップS155)。保留連演出を実行すると決定した(ステップS155でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、対象の保留記憶の大当り種別に応じた保留連フラグの値とする(ステップS156)。たとえば、大当り種別が16ラウンド大当りである場合、保留連フラグの値を16ラウンド大当りであることを示す値とする。なお、保留連フラグは、大当り種別に応じた値とされている場合、オン状態である。
また、保留連フラグがオン状態である(ステップS151でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、大当り状態中の保留連演出を実行するタイミングであるか否かを判断する(ステップS160)。保留連演出を実行するタイミングである(ステップS160でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、保留連演出を実行し(ステップS161)、大当り状態に制御することが特定される保留記憶であるターゲットに対応する保留表示を、他の保留表示とは異なる特定態様(ここでは、保留連演出が実行されたときの専用のキャラクタ態様)に変更する(ステップS162)。
保留連演出を実行するタイミングでない(ステップS160でNO)と判断した場合、演出制御用CPU101は、先の大当り状態の終了時であるか否かを判断する(ステップS163)。先の大当り状態の終了時である(ステップS163でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、保留連フラグで示されるターゲットの保留記憶で特定される大当り種別に基づき、所定演出の実行態様を決定する(ステップS164)。
図4は、保留連演出に対する所定演出の実行態様を決定するためのテーブルを示す図である。このテーブルを用いてステップS164で所定演出の実行態様が決定される。
図4を参照して、ターゲットの大当り種別が16ラウンド大当りである場合は、所定演出としてチャンス目連続予告演出を実行することが80%の確率で決定され、所定演出として背景エフェクト連続予告演出を実行することが10%の確率で決定され、所定演出を不実行とすることが10%の確率で決定される。
ターゲットの大当り種別が7ラウンド大当りである場合は、所定演出としてチャンス目連続予告演出を実行することが0%の確率で決定され、所定演出として背景エフェクト連続予告演出を実行することが40%の確率で決定され、所定演出を不実行とすることが60%の確率で決定される。
本実施の形態においては、チャンス目連続予告演出は、ステップS161で保留連演出が実行されたときのみ実行可能な専用の演出である。一方、背景エフェクト連続予告演出は、保留連演出が実行されていないときにも実行可能な兼用の演出である。このように、保留連演出の専用の演出であるチャンス目連続予告演出が実行された場合は、遊技者にとって有利な7ラウンド大当りよりもさらに有利な16ラウンド大当りの期待度が高いので、保留連演出の後の所定演出に遊技者を注目させることができる。
図3に戻って、大当り状態の終了時でない(ステップS163でNO)と判断した場合、演出制御用CPU101は、ステップS164で所定演出を実行すると決定したか否かを判断する(ステップS165)。所定演出を実行すると決定した(ステップS165でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、所定演出の実行タイミングであるか否かを判断する(ステップS166)。
所定演出の実行タイミングである(ステップS166でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、ステップS164で決定された実行態様で所定演出の当該タイミングでの演出を実行する(ステップS167)。なお、所定演出を実行すると決定されている場合は、ターゲットの可変表示の前の可変表示は、リーチ状態となる変動パターンであってもリーチ状態とならない可変表示とし、所定演出としてチャンス目連続予告演出が決定されている場合は、演出制御用CPU101が可変表示の表示結果を所定のチャンス目に変更するようにする。
なお、大当り後の保留記憶の上限数分(本実施の形態では4回)の変動表示については、大当りとする変動表示以外のはずれの変動表示に対してリーチ状態とならないはずれの変動パターンが選択される変動パターンテーブルに切替えるようにしてもよい。
一方、所定演出を実行しないと決定した(ステップS165でNO)と判断した場合、および、所定演出の実行タイミングでない(ステップS166でNO)と判断した場合、演出制御用CPU101は、ターゲットの保留記憶に対応する変動表示の終了時であるか否かを判断する(ステップS168)。ターゲットの変動表示の終了時である(ステップS168でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、保留連フラグをオフ状態とする(ステップS169)。
図5は、演出表示装置における保留連演出の画面遷移図である。図5を参照して、図5(A)で示すように、図3のステップS161が実行されることで、先の大当り状態中に、保留連演出が実行される。ここでは、女の子のキャラクタが表示され、「保留連おめでとう!」といった保留連演出の実行を示す旨の文字情報が表示される。なお、保留連演出は、保留連演出が実行されたと遊技者が認識可能な演出であれば、他の演出であってもよい。
また、図5(A)で示すように、図3のステップS162が実行されることで、ターゲットの保留表示がキャラクタ態様に変更される。ここでは、4つ目の保留表示がキャラクタ態様に変更されている。
次に、図5(B)で示すように、先の大当り終了時には、大当りが終了したことを示す画面が表示される。このときに、図3のステップS164で示したように、所定演出の実行態様が決定される。
そして、図5(C1),(D1)で示すように、所定演出としてチャンス目連続予告演出が決定された場合は、図3のステップS166,ステップS167が実行されることで、ターゲットの変動表示までの間の変動表示において連続して表示結果としてチャンス目(ここでは、大当り図柄に対して右図柄が1つずれた表示結果)を表示するチャンス目連続予告演出が実行される。
その後、図5(E1)で示すように、ターゲットの保留記憶に対応する表示結果として大当り表示結果が表示される。ここでは、図4で示したように、チャンス目連続予告演出が実行されたので、16ラウンド大当りとなる期待度が高い。
また、図5(C2),(D2)で示すように、所定演出として背景エフェクト連続予告演出が決定された場合、図3のステップS166,ステップS167が実行されることで、ターゲットの変動表示までの変動表示において連続して変動表示の背景のエフェクトとして所定の画像(ここでは、爆発している状態を示す画像)を表示する背景エフェクト連続予告演出が実行される。
その後、図5(E2)で示すように、ターゲットの保留記憶に対応する表示結果として大当り表示結果が表示される。ここでは、図4で示したように、背景エフェクト連続予告演出が実行されたので、7ラウンド大当りとなる期待度が高い。
[保留連演出の変形例]
前述した実施の形態においては、大当り状態に制御されているときに、大当り状態に制御することが特定されるターゲットの保留記憶が記憶されている場合、当該ターゲットの保留記憶が記憶されていることを報知する保留連演出が実行され、保留連演出が実行された大当り状態の終了からターゲットの保留記憶に対応する可変表示の開始までに、所定演出が実行可能であり、16ラウンド大当りに制御されるときと7ラウンド大当りに制御されるときとで、所定演出を実行する割合が異なるようにした。
この前述した実施の形態における保留連演出および所定演出として、以下に示す変形例の保留連演出を適用してもよい。本変形例においては、先の大当り状態のときから後の大当り状態となる変動表示までの間に実行される先読み演出を保留連演出という。
図6は、変形例における変動パターン決定テーブルを示す図である。図6(A)を参照して、高確率状態かつ高ベース状態における大当り終了後の1回目から4回目の変動表示の変動パターンとしては、はずれとすることが決定されている場合は、「非リーチはずれ(保留連以外用)」が決定され、大当りとすることが決定されている場合は、「保留連A大当り」、および、「保留連B大当り」のいずれかが決定される。
「非リーチはずれ」は、非リーチのまま、はずれ表示結果となる変動パターンであり、変動時間は5秒である。
「保留連A大当り」は、暗転演出および爆発演出の後に大当り表示結果となる変動パターンであり、変動時間は10秒である。「保留連B大当り」は、リーチとなりバトル演出が実行された後に大当り表示結果となる変動パターンであり、変動時間は30秒である。
図6(B)を参照して、高確率状態かつ高ベース状態における大当り終了後の5回目以降の変動表示の変動パターンとしては、はずれとすることが決定されている場合は、「非リーチはずれ(保留連以外用)」および「リーチはずれ」のいずれかが決定され、大当りとすることが決定されている場合は、「大当り」が決定される。大当り終了後の5回目以降の変動表示においては「保留連A大当り」および「保留連B大当り」の変動パターンは決定されない。
「リーチはずれ」は、リーチとなった後にはずれ表示結果となる変動パターンであり、変動時間は30秒である。「大当り」は、リーチとなった後に大当り表示結果となる変動パターンであり、変動時間は30秒である。
なお、高確率状態かつ高ベース状態以外の状態においても、図6に示す変動パターンテーブルを用いてもよく、あるいは他の変動パターンテーブルを用いてもよい。また、大当り終了後の5回目以降の変動表示において、リーチ演出としてバトル演出を実行してもよい。
また、この実施の形態では、変動パターン種別ごとの変動パターンが1種類ずつ、つまり、変動パターン種別と変動パターンとが同義である場合を示すが、これに限定されず、複数の変動パターンを含む変動パターン種別があるようにしてもよい。また、保留連A大当りおよび保留連B大当りの変動パターンと同様の演出を実行してはずれとなる変動パターンを設けるようにしてもよい。
図7は、変形例における保留連演出処理の流れを示すフローチャートである。保留連演出処理は、演出制御用マイクロコンピュータ100によって実行される。この保留連演出処理は、演出制御プロセス処理の各プロセスで実行される処理のうち保留連演出に関する処理を便宜的に1つの図に集めて示したものである。
図7を参照して、演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101は、保留連A大当りまたは保留連B大当りを示す先読み結果通知コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS111)。受信した(ステップS111でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、それぞれ、保留連Aフラグまたは保留連Bフラグをオン状態とする。
演出制御用CPU101は、保留連Aフラグがオン状態である、つまり、保留連A演出の実行中か否かを判断する(ステップS121)。保留連Aフラグがオン状態である(ステップS121でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、大当りのエンディング演出時であるか否かを判断する(ステップS122)。保留連A演出中の大当りのエンディング演出時である(ステップS122でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、暗転演出を実行する(ステップS123)。
図8は、変形例における保留連A演出の演出表示装置9の画面遷移図である。図8(A)は、演出表示装置9で大当りのエンディング演出が実行されている状態を示す。このときに、図7のステップS123で暗転演出が実行されることで、図8(B),図8(C)で示すように演出表示装置9の画面に画像が表示されている状態から暗転する。
図7に戻って、大当りのエンディング演出時でない(ステップS122でNO)と判断した場合、演出制御用CPU101は、保留連A大当りとなるターゲットの保留記憶の手前の保留記憶に対応する変動表示の開始時であるか否かを判断する(ステップS124)。
保留連A演出中のターゲット手前の変動表示の開始時である(ステップS124でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、暗転演出を継続する(ステップS125)。
図8に進んで、図8(D)で示すように、暗転演出が継続される。なお、画面右下部に、変動表示は小図柄で実行され、保留表示は数字のみで表示される。なお、画面外に保留個数を表示するための保留表示用発光手段を設けた構成においては、画面から保留表示を省略してもよい。
図7に戻って、ターゲット手前の変動表示の開始時でない(ステップS124でNO)と判断した場合、演出制御用CPU101は、保留連A大当りとなるターゲットの保留記憶に対応する変動表示の開始時であるか否かを判断する(ステップS126)。
保留連A演出中のターゲットの変動表示の開始時である(ステップS126でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、「保留連A大当り」の変動パターンに基づく演出を実行する(ステップS127)。その後、演出制御用CPU101は、保留連Aフラグをオフ状態とする(ステップS128)。
図8に進んで、図8(E)で示すように、保留連A大当りの変動パターンに基づく変動表示においては、開始時には、暗転演出が実行される。なお、図8(E)の場合も、図8(D)と同様、画面右下部に、変動表示および保留表示が表示される。そして、図8(F)で示すように、爆発演出が実行される。最後に、図8(G)で示すように、大当りが確定した旨の表示が行なわれる。その後、図8(H)で示すように、通常の大当りと同様の大当り中の演出が実行される。
この実施の形態においては、大当りの終了後の1回目から4回目の変動表示においては、先の大当り状態において保留記憶が無い場合であっても、「保留連A大当り」の変動パターンが決定された場合、保留連A大当りの演出が実行される。
図9は、変形例における先の大当り状態において保留記憶が無い場合の保留連A演出と同様の演出の画面遷移図である。図9(A)の画面は、図8(A)の画面と同様である。大当りのエンディング演出が終了するまでに保留記憶が無い場合、始動入賞があるごとに、はずれとすることが決定されている場合には、図8(B)で示すように、非リーチはずれの変動パターンに基づいて変動表示が実行されたり、リーチはずれの変動パターンに基づいて変動表示が実行されたりする。
そして、始動入賞があり、「保留連A大当り」とすることが決定された場合は、図8(B)から図8(D)で示したような暗転演出が実行されていない状態であっても、図9(C)から図9(E)で示すように、図8(E)から図8(G)と同様の保留連A大当りの演出が実行される。その後、図8(H)と同様に、図9(F)で示すように、通常の大当りと同様の大当り中の演出が実行される。
図7に戻って、保留連Aフラグがオン状態でない(ステップS121でNO)と判断した場合、演出制御用CPU101は、保留連Bフラグがオン状態である、つまり、保留連B演出の実行中か否かを判断する(ステップS131)。保留連Bフラグがオン状態である(ステップS131でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、大当りの所定回のラウンド時であるか否かを判断する(ステップS132)。保留連B演出中の大当りの所定回のラウンド時である(ステップS132でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、バトル実行予告演出を実行する(ステップS133)。
図10は、変形例における保留連B演出の演出表示装置9の画面遷移図である。図10(A)は、演出表示装置9で大当りの所定回(ここでは7ラウンド目)のラウンド時を示す。このときに、図7のステップS133でバトル実行予告演出が実行されることで、図10(B),図10(C)で示すように演出表示装置9の画面に画像が表示されている状態から暗転した後、バトル演出の実行が確定した旨が表示される。その後、図10(D)で示すように、大当りのエンディング演出が実行される。
図7に戻って、大当りの所定回のラウンド時でない(ステップS132でNO)と判断した場合、演出制御用CPU101は、保留連B大当りとなるターゲットの保留記憶の手前の保留記憶に対応する変動表示の開始時であるか否かを判断する(ステップS134)。
保留連B演出中のターゲット手前の変動表示の開始時である(ステップS134でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、抽選結果に応じて、変動パターンコマンドで示される変動パターンに替えて、バトル演出のキャラクタを表示する変動パターンに基づく演出を実行する(ステップS135)。
図10に進んで、図10(E)で示すように、抽選結果に応じて、バトル演出のキャラクタを表示する変動パターンが設定されなかった場合は、ターゲット手前の変動表示においては変動パターンコマンドで示される変動パターンに基づく変動表示が実行される。
図7に戻って、ターゲット手前の変動表示の開始時でない(ステップS134でNO)と判断した場合、演出制御用CPU101は、保留連B大当りとなるターゲットの保留記憶に対応する変動表示の開始時であるか否かを判断する(ステップS136)。
保留連B演出中のターゲットの変動表示の開始時である(ステップS136でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、「保留連B大当り」の変動パターンに基づく演出を実行する(ステップS137)。その後、演出制御用CPU101は、保留連Bフラグをオフ状態とする(ステップS138)。
図10に進んで、図10(F)で示すように、保留連B大当りの変動パターンに基づいて、リーチとなった後に保留連B大当りのバトル演出が実行される。最後に、図10(G)で示すように、バトル演出で味方のキャラクタが勝利することで大当りが確定した旨の表示が行なわれる。その後、図10(H)で示すように、通常の大当りと同様の大当り中の演出が実行される。
また、確変大当りとするか通常大当りとするかを図10(G)で示したバトル演出でのバトル結果で報知する。たとえば、図10(G)で示すようにパンチで勝利した場合は、通常大当りであり、キックで勝利した場合は、確変大当りであることを示す。なお、バトル敗北演出を通常大当りとしてもよい。
[まとめ]
次に、以上説明した実施の形態の効果を説明する。
(1−1) 遊技制御用マイクロコンピュータ560によって、有利状態として、16ラウンド大当りと、16ラウンド大当りよりも遊技者にとって不利な7ラウンド大当りとに制御可能である。遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55に、可変表示に関する情報を保留記憶として記憶する。図3のステップS161で示したように、演出制御用マイクロコンピュータ100によって、大当り状態に制御されているときに、RAM55に大当り状態に制御することが特定されるターゲットの保留記憶が記憶されている場合、当該ターゲットの保留記憶が記憶されていることを報知する図5(A)で示す保留連演出が実行可能である。
図3のステップS167で示したように、演出制御用マイクロコンピュータ100によって、保留連演出が実行された大当り状態の終了から、ターゲットの保留記憶に対応する可変表示の開始までに、所定演出としての図5(C1),(D1)で示すチャンス目連続予告演出または図5(C2),(D2)で示す背景エフェクト連続予告演出が実行可能である。図4で示したように、16ラウンド大当りに制御されるときと、7ラウンド大当りに制御されるときとで、所定演出を実行する割合が異なる。
これにより、保留連演出が実行された後、所定演出が実行されるか否かによって16ラウンド大当りおよび7ラウンド大当りに制御される期待度が異なるので、所定演出に遊技者を注目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
(1−2) 図4、図5(C1),(D1),(C2),(D2)で示したように、所定演出は、複数種類ある。図4で示したように、16ラウンド大当りに制御されるときと、7ラウンド大当りに制御されるときとで、複数種類の所定演出それぞれを実行する割合が異なる。
これにより、所定演出の種類によって16ラウンド大当りおよび7ラウンド大当りに制御される期待度が異なるので、所定演出の種類に遊技者を注目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
(1−3) 演出制御用マイクロコンピュータ100によって、RAM55に記憶された保留記憶に対応する図5(A)等で示す保留表示を演出表示装置9に表示可能である。図3のステップS162で示したように、演出制御用マイクロコンピュータ100によって、保留連演出が実行された場合、ターゲットの保留記憶に対応する保留表示を、図5(A)等で示す保留表示のうちキャラクタ図柄の保留表示に変更して表示可能である。
これにより、保留連演出が実行された場合、キャラクタ図柄の保留表示が行われることがあるので、キャラクタ図柄の保留表示が行われるか否かに遊技者を注目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
(1−4) 演出制御用マイクロコンピュータ100によって、図3のステップS166,ステップS167で示したように、保留連演出が実行された大当り状態が終了した後の最初の可変表示から所定演出が実行可能である。
これにより、保留連演出が実行された大当り状態が終了してからターゲットの保留記憶に対応する可変表示が開始されるまでの期間の最初から所定演出が実行される。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
(1−5) 図4,図5で示したように、所定演出は、複数種類あり、保留連演出が実行されたときのみ実行可能な専用の所定演出としての図5(C1),(D1)で示すチャンス目連続予告演出と、保留連演出が実行されていないときにも実行可能な兼用の所定演出としての図5(C2),(D2)で示す背景エフェクト連続予告演出とを含む。
兼用の所定演出は、保留連演出として実行されることに加えて、たとえば、通常時(非確変状態時、低確低ベース中)や確変状態時(高確高ベース中)のタイミングにおいて先読み演出として実行される。
これにより、専用の所定演出および兼用の所定演出のいずれが実行されるかに遊技者を注目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
また、兼用のものを使用することによって、演出用のデータ量を削減することができる。演出用のデータを記憶するROM102のデータ容量を削減することができたり、削減した分のデータ容量を他の演出用のデータを記憶するために用いて演出を充実させたりすることができる。
さらに、保留連演出として兼用の所定演出を実行されると大当りとなる期待度が高い印象を遊技者に与えることで、保留連演出以外で兼用の所定演出が実行されるときに、大当りとなる期待を遊技者に持たせて所定演出を見させることができる。
(1−6) 図3のステップS156,ステップS169で示したように、演出制御用マイクロコンピュータ100によって、RAM55に記憶されているターゲットの保留記憶に対応する大当り種別に応じた保留連フラグが、RAM103に記憶される。図3のステップS164,ステップS167で示したように、演出制御用マイクロコンピュータ100によって、RAM103に記憶されている保留連フラグに基づいて、所定演出の実行態様が決定され、決定された所定演出が実行される。
これにより、所定演出の実行態様が保留連フラグに基づいて後で決定されるので、決定時の遊技機の状態に応じて所定演出を決定し実行することができる。その結果、遊技機の状態に応じた所定演出を実行することができる。
また、16ラウンド大当りであるか7ラウンド大当りであるかに関わらず同じ見た目の保留連演出を実行するようにするが、保留連フラグは異なるようにし、大当り終了後の最初の可変表示の開始前に、保留連フラグに基づき所定演出を決定するようにする。ターゲットの可変表示の前の可変表示はリーチ状態とならない可変表示とし、所定演出としてチャンス目連続予告演出が決定されている場合は、演出制御基板80の側で可変表示の表示結果をチャンス目に変更するようにする。このように、所定演出は演出制御基板80の側で決定するので、所定演出に関して演出制御基板80の側で処理が完結するため、安定して所定演出を実行することができる。
(2−1) 大当り状態の終了後の保留記憶数の上限の範囲内の変動表示のうち大当り状態の制御の契機となる大当り変動表示において、図8(E)〜図8(G),図9(C)〜図9(E)で示すような図7のステップS127で保留連A大当りの変動パターンに基づく保留連A大当り演出(暗転演出からの大当り確定演出)を実行可能である。先に制御された大当り状態において保留記憶があるとの条件が成立している場合には、先に制御された大当り状態の制御中から後に制御される大当り変動表示が実行されるまでに、保留連A大当り演出と関連する、図8(D)で示すような図7のステップS125で継続される暗転演出を実行可能である。大当り変動表示が実行されるまでに暗転演出が実行されたか否かにかかわらず、後の大当り状態についての大当り変動表示において、図8(E)〜図8(G)、図9(C)〜図9(E)で示されるように、図7のステップS127で保留連A大当り演出を実行可能である。
これにより、先の大当り状態の終了時から保留記憶数の上限の範囲内に行なわれる大当り状態の制御の契機となる大当り変動表示において、先の大当り状態の制御中から後に制御される大当り変動表示が実行されるまでに暗転演出が実行されたか否かに関わらず保留連A大当り演出を実行可能である。その結果、先の大当り状態の終了後の保留記憶数の上限の範囲内の大当り状態であることの特別感を出しつつ、演出の差し替えが不要となり処理負担を軽減することができる。
(2−2) 遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技の進行を制御するとともに演出を制御するための変動パターンコマンドを送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100によって図7のステップS127で実行される保留連A大当りの変動パターンの演出は、図6(A)で示される保留連A大当り変動パターンを指定するコマンドに1対1で対応する。
これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100の側での処理負担を軽減することができる。
(2−3) 図8(D)で示すような図7のステップS125で継続される暗転演出の演出態様は、図8(E)で示されるような保留連A大当り演出の開始時の演出態様である暗転演出と共通している。
これにより、図8(D)で示すようなターゲット手前での暗転演出の実行無しに保留連A大当り演出が実行された場合であっても、違和感なく、保留連A大当り演出を実行することができる。
(2−4) 図8(D),図8(E)で示したように、共通している演出態様は、暗転画像を表示する演出態様である。
これにより、図8(D)で示されるようなターゲット手前での暗転演出の実行無しに保留連A大当り演出が実行された場合であっても、違和感なく、保留連A大当り演出を実行することができる。
(2−5) 保留記憶数の上限の範囲内に行なわれる大当り変動表示において、保留連A大当り演出と異なる図7のステップS137で実行される保留連B大当りの変動パターンに基づく図10(F),図10(G)で示すような保留連B大当り演出(バトルリーチ演出)を実行可能である。先に制御された大当り状態にて保留記憶があるとの条件が成立している場合には、先に制御された大当り状態の制御中から後に制御される大当り変動表示が実行されるまでに、ターゲット手前の変動表示における暗転演出と異なる、図7のステップS135で抽選結果に応じて設定されるバトル演出のキャラクタを表示する変動パターンに基づく演出を実行可能である。
これにより、先の大当り状態の終了時から保留記憶数の上限の範囲内に行なわれる演出の種類が複数種類となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、先の大当り状態の終了時から保留記憶数の上限の範囲内で保留連B大当り演出が実行される場合において、必ずしも、ターゲット手前の変動表示においてバトル演出のキャラクタを表示する演出が実行されるとは限らないため、保留連B大当り演出の演出内容に遊技者を一層注目させることができる。
(2−6) 大当り状態は、大当り状態の後に大当り状態とは異なる状態であって遊技者にとって有利な確変状態とされる確変大当りと、当該大当り状態の後に非確変状態とされる通常大当りとを含む。保留連B大当り演出として、確変大当りとするか通常大当りとするかをバトル結果により報知する演出を実行可能である。
これにより、保留連B大当り演出の演出内容に遊技者を一層注目させることができる。
[保留連演出の変形例について]
次に、保留連演出の変形例について説明する。図11は、変形例における保留連演出の態様を示す図である。図11(a),(b)は、通常時(保留記憶の中に後の大当り状態とすることが決定されている特定保留記憶がない場合)の大当りのエンディング期間における演出表示装置9に表示される画面の一例を示している。一方、図11(c),(d)は、保留記憶の中に後に大当り状態とすることが決定されている特定保留記憶(保留連)がある場合の大当りのエンディング期間における演出表示装置9に表示される画面の一例を示している。
まず、図11(a),(b)を参照して、通常時(保留記憶の中に後の大当り状態とすることが決定されている特定保留記憶がない場合)の大当りのエンディング期間に、演出表示装置9に表示される画面について説明する。図11(a)は、大当りのエンディング期間に、演出表示装置9において、遊技機の製造元を示す表示がなされる場合の一例を示している。ここでは、「Good luck.Good life.パチンコで、いい笑顔。」というコーポレートスローガンと共に企業のロゴマークが表示されている。また、図11(b)は、大当りのエンディング期間に、演出表示装置9において、注意喚起のための表示がなされる場合の一例を示している。ここでは、「プリペイドカードの取り忘れや盗難にご注意下さい。」という文字情報と共にカードの取り出しを促す画像が表示され、カードの取り忘れや盗難に対して注意を喚起する表示がなされている。なお、大当りのエンディング期間では、製造元表示、注意喚起表示のいずれか一方が実行されるようにしてもよいし、いずれか一方を表示した後に他方が表示されるようにし両方の画面が表示されるようにしてもよい。
次に、図11(c),(d)を参照して、保留記憶の中に後に大当り状態とすることが決定されている特定保留記憶(保留連)がある場合の大当りのエンディング期間に、演出表示装置9に表示される画面について説明する。図11(c)は、保留記憶の中に後に大当り状態とすることが決定されている特定保留記憶(保留連)がある場合であって、大当りのエンディング期間に、演出表示装置9において、遊技機の製造元を示す表示がなされる場合の一例を示している。ここでは、図11(a)と同様に、「Good luck.Good life.パチンコで、いい笑顔。」というコーポレートスローガンと共に企業のロゴマークが表示されているが、図11(a)とは異なり、その背景にフルーツの柄が表示されている。また、図11(d)は、保留記憶の中に後に大当り状態とすることが決定されている特定保留記憶(保留連)がある場合であって、大当りのエンディング期間に、演出表示装置9において、注意喚起のための表示がなされる場合の一例を示している。ここでは、図11(b)と同様に、「プリペイドカードの取り忘れや盗難にご注意下さい。」という文字情報と共にカードの取り出しを促す画像が表示され、カードの取り忘れや盗難に対して注意を喚起する表示がなされているが、図11(b)とは異なり、カードの柄がフルーツ柄で表示されている。
図11(c),(d)では、保留記憶の中に後の大当り状態とすることが決定されている特定保留記憶(保留連)があることを報知する態様として、製造元表示の背景をフルーツ柄に変更して表示したり、注意喚起表示の一構成要素であるカードの柄をフルーツ柄に変更して表示したりしている。しかし、これに限定されず、保留記憶の中に後の大当り状態とすることが決定されている特定保留記憶(保留連)があることを示唆する表示であれば、他の表示でもよい。たとえば、表示される柄はフルーツ以外の表示態様であってもよい。また、文字自体がフルーツ柄で表示されてもよい。また、大当りのラウンド数が複数種類設けられている場合にあっては、保留連で決定されているラウンド数に応じて保留連演出の表示態様が異なるようにしてもよい。
また、前述の説明では、製造元表示や注意喚起表示が表示されるタイミングを大当りのエンディング期間とした。しかし、これに限定されず有利状態である大当り状態の制御に関連する期間は、大当り終了後の変動表示を契機に表示されてもよい。
また、図11(a),(c)に示す製造元表示は、遊技の進行に関連しない表示であって、遊技機の製造元を示す表示であれば、他の表示でもよい。また、図11(b),(d)に示す注意喚起表示は、遊技の進行に関連しない表示であって、遊技者に対する注意喚起表示であれば、他の表示でもよい。たとえば、ゴト行為禁止表示や悪質情報への注意喚起表示でもよい。
また、保留連演出として、ラウンド中演出や大当りの終了画面としてのエンディング演出といった演出を実行可能な第1パターンと、図11のような製造元表示や注意喚起表示としての演出を実行可能な第2パターンという複数種類のパターンを設けてもよい。そして、所定のタイミングで抽選されたパターンにより保留連演出が実行されるようにしてもよい。なお、保留連演出は、1回ではなく2回以上実行されるようにしてもよい。また、保留連演出の実行タイミングや実行回数により、有利度が異なる(通常大当りか確変大当りか等)ようにしてもよい。
また、前述の説明は、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機として、スロットマシンに適用してもよい。
たとえば、ボーナス終了のタイミングに、製造元表示や注意喚起表示をするスロットマシンにおいて適用してもよい。このようなスロットマシンでは、ボーナス終了後に内部抽選結果を報知する演出を実行する。ATに突入しない場合には、図11(a),(b)に示すような通常の態様で、製造元表示や注意喚起表示を行なうようにすればよい。それに対し、ボーナス終了後にATに突入する場合には、有利な状態に制御されることを示唆するために、図11(c),(d)に示すような、製造元表示の背景をフルーツ柄に変更して表示したり、注意喚起表示の一構成要素であるカードの柄をフルーツ柄に変更して表示したりしてもよい。また、製造元表示や注意喚起表示が表示されるタイミングは、ボーナス終了時に限定されない。たとえば、操作手段としてのスタートレバーを操作したことを契機として表示される画面や、デモ画面において表示されてもよい。
また、フルーツ柄が示唆していることは、有利な状態に制御されることであるため、ボーナス終了後にATに突入する場合に限られない。たとえば、AT以外にボーナス、ART、レア役等の高確率状態への移行条件が成立した場合などにフルーツ柄を表示してもよい。また、AT中においてさらにATに当選した場合には、AT終了後にATに再突入することをAT終了時のフルーツ柄により示すようにしてもよい。また、フルーツ柄の表示は、有利な状態に制御されることを示唆する表示であれば、他の表示でもよい。また、前述の通り、製造元表示や注意喚起表示は、遊技の進行に関連しない表示であって、遊技機の製造元を示す表示と遊技者に対する注意喚起表示であれば、例えばのめりこみ防止に関する注意喚起表示や不正防止に関する表示等の他の表示でもよい。さらに、製造元表示や注意喚起表示は、製造元表示が表示された後に注意喚起表示が表示されてもよいし、いずれか一方のみが表示されてもよい。
なお、スロットマシンについて、上記したパチンコ遊技機1と同様に有利な状態が連続する演出として第1パターンと第2パターンとを設け、所定のタイミングで抽選されたパターンにより有利な状態が連続する演出が実行されるようにしてもよい。
次に、図11を用いて説明した実施の形態の効果を説明する。
(1) 図11(c)で示したように、保留記憶の中に後に大当り状態とすることが決定されている特定保留記憶(保留連)がある場合には、製造元表示の背景をフルーツ柄に変更して表示する。また、図11(d)で示したように、保留記憶の中に後の大当り状態とすることが決定されている特定保留記憶(保留連)がある場合には、注意喚起表示の一構成要素であるカードの柄をフルーツ柄に変更して表示する。これにより、遊技者にとって有利な有利状態に制御されることを、遊技の進行に関連しない表示の態様を変化させて報知することができる。その結果、演出パターンの多様化を図ることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) ボーナス、AT、ARTまたは高確率状態への移行条件が成立した場合に、製造元表示の背景をフルーツ柄に変更して表示したり、注意喚起表示の一構成要素であるカードの柄をフルーツ柄に変更して表示したりする。これにより、遊技者にとって有利な有利状態に制御されることを、遊技の進行に関連しない表示の態様を変化させて報知することができる。その結果、演出パターンの多様化を図ることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 図11で示したように、演出表示装置には、遊技の進行に関連しない表示、たとえば、注意喚起表示を表示することができ、保留記憶の中に後の大当り状態とすることが決定されている特定保留記憶(保留連)がある場合には、その表示の態様をフルーツ柄に変更して表示する。これにより、遊技者に対し注意喚起をしながら、遊技者にとって有利な報知を行なうことができる。その結果、注意すべき行為を遊技者に示しつつ、遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 図11で示したように、演出表示装置には、遊技の進行に関連しない表示、たとえば、製造元表示を表示することができ、保留記憶の中に後の大当り状態とすることが決定されている特定保留記憶(保留連)がある場合には、その表示の態様をフルーツ柄に変更して表示する。これにより、遊技者に対し遊技機の製造元を示しながら、遊技者にとって有利な報知を行なうことができる。その結果、遊技機の製造元に対する遊技者の認知度を向上させつつ、遊技の興趣を向上させることができる。
[その他の変形例]
次に、以上説明した実施の形態のその他の変形例を説明する。
(1) 前述した実施の形態においては、所定演出は、保留連演出が実行された大当り状態の終了からターゲットの保留記憶に対応する可変表示が実行されるまでの複数回の可変表示の毎回において所定演出が実行されるようにした。しかし、これに限定されず、保留連演出が実行された大当り状態の終了からターゲットの保留記憶に対応する可変表示が実行されるまでの複数回のうちの所定演出の実行回数に応じて、7ラウンド大当りよりも有利な16ラウンド大当りに制御される割合が異なるようにしてもよい。たとえば、16ラウンド大当りに制御されるときの方が所定演出の実行回数が多くなるように、所定演出を実行するようにしてもよい。
これにより、所定演出の実行される回数によって16ラウンド大当りに制御される期待度が異なるので、所定演出の実行される回数に遊技者を注目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 上述の(1)とは異なり、16ラウンド大当りに制御されるときの方が所定演出の実行回数が少なくなるように、所定演出を実行するようにしてもよい。これにより、いずれのタイミングから所定演出が実行されるかに遊技者を注目させることができる。
(3) 前述した実施の形態においては、複数回の所定演出がそれぞれ複数回の可変表示において繰返し実行されるようにした。しかし、所定演出は、これに限定されず、保留連演出からの一連のムービーのように、繰返し実行しない演出であってもよい。この場合であっても、16ラウンド大当りに制御されるときと、7ラウンド大当りに制御されるときとで、ムービー等の演出を実行する割合を異ならせるようにしてもよい。また、16ラウンド大当りに制御されるときと、7ラウンド大当りに制御されるときとで、複数種類のムービー等の演出それぞれを実行する割合を異ならせるようにしてもよい。また、大当り中は共通のムービーとし、大当り終了からターゲットの変動表示までの期間のムービーのみ、複数種類のムービーから選択されるようにしてもよい。
(4) 前述した実施の形態のおいては、所定演出は、チャンス目連続予告演出または背景エフェクト連続予告演出であることとした。しかし、これに限定されず、所定演出は、他の演出であってもよく、たとえば、表示手段で行なう演出以外に可動役物を複数回の可変表示で連続させて動作させる役物連続予告演出であってもよい。また、所定演出は、音やランプのみを用いた演出であってもよい。
また、所定演出として実行可能な演出が複数種類あり、これらのうちのいくつかを複合して所定演出を実行するようにしてもよい。この場合に、複合して実行する方が、単独で実行する場合と比較して、遊技者にとって有利度の高い大当りとなる期待度が高くなるようにしてもよいし、その逆となるようにしてもよい。また、複合する演出の数が多い方が、少ない場合と比較して、有利度の高い大当りとなる期待度が高くなるようにしてもよいし、その逆となるようにしてもよい。
(5) 前述した実施の形態においては、図5(A)等で示したように、保留連演出を実行したときにターゲットの保留表示を、保留連演出が実行されたときの専用のキャラクタ図柄に変更するようにした。しかし、これに限定されず、保留連演出が実行されていないときにも表示される兼用の図柄に変更するようにしてもよい。ターゲットの保留表示に対応する大当り種別に応じて、変更する保留表示の図柄を異ならせるようにしてもよい。また、ターゲットの保留表示に対応する大当り種別に応じて、複数種類の図柄それぞれに変更する割合を異ならせるようにしてもよい。
(6) 前述した実施の形態においては、図4で示したように、専用の所定演出であるチャンス目連続予告演出は、第1有利状態である16ラウンド大当りのときのみ選択されるようにし、第1有利状態よりも遊技者にとって不利な第2有利状態である7ラウンド大当りの場合には選択されないようにした。つまり、専用の所定演出が実行されると、第1有利状態となることが確定することとした。しかし、これに限定されず、専用の所定演出が第2有利状態とすることが保留記憶で特定される場合にも選択されるようにしてもよい。
(7) 前述した実施の形態においては、図3のステップS161,ステップS162で示したように、保留連フラグをオン状態にした場合は、必ず(100%の確率で)、図5(A)で示したような保留連演出を実行し、ターゲットの保留表示をキャラクタ図柄に変更するようにした。しかし、これに限定されず、保留連フラグをオン状態にした場合であっても、所定の割合(100%未満)で、保留連演出を実行したり、保留表示を特定の態様に変更したりするようにしてもよい。
また、保留連フラグをオン状態にしたが大当り状態中に保留連演出を実行しなかった場合に、所定の割合(100%未満)で、保留表示を特定の態様に変更するようにしてもよい。さらに、このようにする場合に、特定の態様に変更するタイミングを複数のタイミングから選択するようにしてもよい。また、特定の態様に変更するタイミングを、ターゲットの大当り種別に応じて異ならせるようにしてもよい。たとえば、第2有利状態よりも遊技者にとって有利な第1有利状態とする場合は、第2有利状態とする場合よりも高い割合で、遅いタイミングで特定の態様に変更するようにしてもよいし、早いタイミングで特定の態様に変更するようにしてもよい。
(8) 前述した実施の形態においては、大当り状態とすることが保留記憶によって特定される場合に保留連演出および所定演出が実行されるようにした。しかし、これに限定されず、大当り状態とすることが保留記憶によってと特定されない場合にも保留連演出および所定演出が実行されるようにしてもよい。
(9) 前述した実施の形態においては、保留連A大当り演出および保留連B大当り演出を実行するようにした。しかし、これに限定されず、大当り状態が終了するときに大当りとすることが決定されている保留記憶がある場合に、他の保留連演出を実行するようにしてもよい。
(10) 前述した実施の形態において、保留連B大当りとすることが決定されている場合は、図10(C)で示したように、先の大当り状態の所定のラウンドで、保留連B大当り演出の実行が確定した旨を報知するようにした。しかし、これに限定されず、保留連B大当り演出の実行が確定した旨を、他のタイミングで報知するようにしてもよく、たとえば、先の大当り状態のエンディング演出の実行中に報知するようにしてもよい。
(11)保留連A大当りまたは保留連B大当りとすることが決定されている場合において、対象となる後の大当りが確変大当りの場合にのみ、先の大当り中に各種保留連大当り演出を実行するようにしてもよい。
さらに、保留連B大当りとすることが決定されている場合において、対象となる後の大当りが確変大当りの場合に、先の大当り中に各種保留連大当り演出を実行するか否かを抽選によって決定するようにしてもよい。
ここで、後の大当りが確変大当りの場合にのみ先の大当り中に保留連大当り演出を実行し、かつバトル敗北が通常大当り(確変終了)に対応するような構成においては、先の大当り中に保留連大当り演出が実行されていなければ、大当り終了後4変動のバトル演出において味方キャラクタが敗北することが実質的に報知されることとなり興趣が低下してしまう。
そこで、先の大当り中に各種保留連大当り演出を実行するか否かを抽選によって決定することによって、後の大当りが確変大当りの場合にのみ先の大当り中に保留連大当り演出を実行し、かつバトル敗北が通常大当りに対応するような構成において、大当り終了後4変動までにバトル演出が実行された場合に、先の大当り中に保留連大当り演出が実行されていなくても、そのバトル演出において味方キャラクタが勝利するパターンが存在することとなり、興趣の低下を抑えることができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。